メニコンはこのほど、同社の1日使い捨てコンタクトレンズ「Magic(マジック)」が、カンヌライオンズをはじめとした、世界三大広告賞のデザイン部門においてゴールド(金賞)を受賞したことを発表した。世界三大広告賞とは、カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル(Cannes Lions International Festival of Creativity)、ワンショー(THE ONE SHOW)、クリオ賞(CLIO AWARDS)の、3つの広告賞を指す。その中でも、カンヌライオンズは、規模の大きさ、審査員構成、入賞作品のレベルの高さなどから、数ある国際広告賞の中で最も高い評価を得ている広告賞という。同賞は6月17日~23日まで開催された。同社は、「毎日使うものだからこそ、愛着を持って大事に使ってもらいたい」という思いから、パッケージデザインにもこだわりを持って開発を行ってきたという。その結果、 パッケージデザインだけでなく、商品名称、ロゴシステム、ブランドサイト、交通広告、タブロイド広告、ショッピングバッグをはじめとした店頭ツールまで、コミュニケーション全般にわたって集約されたプロモーションとして評価を受け、今回の受賞にいたったとのこと。同製品は、新開発の「フラットパック技術」で、薄さ1mm、世界最薄のパッケージを実現。取り出しやすく、レンズの内面に触れにくい容器で、より”快適性”が向上しているという。また、フラットな形状で、携帯や保管に便利な ”利便性”や、パッケージデザインのバリエーションによる”楽しみ”も加わった、1日使い捨て終日装用ソフトコンタクトレンズだ。5月から、同社直営店(一部店舗を除く)にて限定販売を開始。また、8月からは、順次全国の一般店への導入を予定している。価格は30枚入り、3,150円。9枚入り、1,050円。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月29日三池崇史監督が妻夫木聡と武井咲をキャストに迎えた映画『愛と誠』が第65回カンヌ映画祭で上映された際に、現地で観客が爆笑したシーンを集めた特別動画がこのたび公開された。『愛と誠』動画本作は、梶原一騎・ながやす巧の名作コミックを原作に、超不良の大賀誠(妻夫木)と生粋のお嬢様・早乙女愛(武井)の純愛を描いた作品。強烈なキャラクターと、アクション、歌、ダンスが融合した異色エンターテインメントに仕上がっているという。動画には、武井演じるヒロインの愛、伊原剛志演じる“おっさん顔”の不良高校生・権太、斎藤工演じる岩清水の3人が登場し、それぞれのキャラクターを解説しながら、カンヌで笑いを得たシーンを紹介。権太がどうしても高校生に見えないことを悩み、「俺は、おっさんにしか見えない病気ちゃうんか」とつぶやく場面や、「君のためなら死ねる!」と、ヒロインの愛に異常なほど想いを寄せる岩清水が、スリッパでスコーンと何度も叩かれる場面など、予告編では公開されていないシーンが盛り込まれている。現地を訪れていた山崎美春プロデューサーが「世界でも評価を頂ける作品だと手ごたえを感じることができた」と話すとおり、上映中は笑いが絶えなかったようで、本作の笑いを誘うシーンが世界でも受け入れられたことで、さらに期待が高まる。本作は16日(土)より公開。『愛と誠』6月16日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー
2012年06月11日日本映画が少なかった今年のカンヌだが、「ある視点」部門で、若松孝二監督の『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』が上映され、若松監督と井浦新、満島真之介が喝采を浴びた。作家・三島由紀夫を演じた井浦さんは、同部門で上映された『空気人形』以来、4年ぶりのカンヌとなる。「とても感慨深いです。4年前は、僕を役者の世界に引っ張ってくださった是枝監督に、そして今回は若松監督に連れてきていただいた。若松監督は『お前は役者の道に突き進め』と背中を押してくれた監督です。特別な思いがします。いわば役者として生みの親と、育ての親のおふたりの映画で、カンヌに来ることができるなんて」と、カンヌへの特別な思いを語った。若松監督は海外プレスから、多くのインタビューを受けた。「海外の記者のほとんどから『なぜいま、三島由紀夫か?』と聞かれた。連合赤軍の映画(『実録・連合赤軍あさま山荘への道程』)をやったら、三島さんも描かなければならない。左翼も右翼もあまり関係なくて、あの頃の若者はみんな声をあげていた。両方とも日本を憂いていて、体を張って何かを変えたいという思いがあったと思うんです。腹を切ろうなんて、現代では絶対出来ないこと。僕には出来ないことだから、映画にしたかった。自分でやれるなら、映画なんて撮ってないですよ」と語った。満島真之介さんは、満島ひかりさんの実弟。仲がとても良いというお姉さんへどう伝えるかという質問に「レッドカーペットは気持ち良かったよ、と言いたいです(笑)。芝居というより、どういう風に生きて、死んでいくのかを常に考えているような姉弟なので、帰ったらゆっくり報告したい」と答えた。上映後にはフランス人女性が若松監督に駆け寄り、「美しい映画をありがとう」と涙ながらに感激を伝える姿も。若松監督の描く三島と若者たちの姿は、カンヌに強い印象を残した。『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』は6月2日(土)より全国にて公開。(text:Ayako Ishizu)特集:第65回カンヌ国際映画祭■関連作品:第65回カンヌ国際映画祭 [映画祭]11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち 2012年6月2日より全国にて公開■関連記事:【カンヌレポート】ミヒャエル・ハネケ、2本連続でパルム・ドール受賞!【カンヌレポート】ロバート・パティンソン、ホテルにこもりきりの撮影裏話明かす【カンヌレポート】ザック・エフロン、ニコールとの恋に「全く年の差感じなかった」【カンヌレポート】クリステン・スチュワート、15歳の妻を演じた難しさ明かす【カンヌレポート】『愛と誠』の和製“愛”、海を越えスタンディング・オベーション!
2012年05月29日第65回カンヌ映画祭の受賞結果が、フランス時間27日夜、発表された。最高賞パルムドールに輝いたのは、ミヒャエル・ハネケ監督の『アムール(原題)』。ハネケは2009年に『白いリボン』でパルムドールを受賞しており、わずか3年の間に二度もカンヌの最高賞を獲得したことになる。最高賞の次にあたるグランプリは、イタリアのマッテオ・ガッローネ監督の『リアリティ(原題)』が受賞。ガッローネ監督は、前作『ゴモラ』で審査員特別賞を受賞している。男優賞は『狩り(原題)』のマッツ・ミケルセンが受賞。受賞スピーチでミケルセンは「感激している。すごいサプライズだ」とコメント。授賞式後の記者会見では、思わず泣きそうになったと告白した。同作品でのミケルセンの演技ついて、審査員のひとりユアン・マクレガーは、「静かで繊細な演技。観る者の心を完全に惹き付ける」と褒めたたえている。今年のコンペ部門にはアメリカ作品が多く、ブラッド・ピット、ニコール・キッドマン、リース・ウィザースプーン、ブルース・ウィリス、マシュー・マコノヒー、クリステン・スチュワート、ロバート・パティンソン、シャイア・ラブーフなどハリウッドスターが多数レッドカーペットを歩いた。しかしアメリカ映画は何も受賞しないまま。同じく、フランス映画の受賞もなかった。日本の監督の作品はなかったが、日米合作のアッバス・キアロスタミ監督作『ライク・サムワン・イン・ラブ(原題)』がコンペ入り。「ある視点」部門では若松孝二監督の『11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち』が上映されたが、受賞には至らなかった。主な受賞結果は以下のとおり。パルムドール:『アムール(原題)』グランプリ:『リアリティ(原題)』監督賞:カルロス・レイガダス(『闇の後の光(原題)』)審査員賞:『天使の取り分(原題)』男優賞:マッツ・ミケルセン(『狩り(原題)』)女優賞:クリスティーナ・フルトゥ、コスミーナ・ストラタン(『ビヨンド・ザ・ヒルズ(原題)』)脚本賞:クリスティアン・ムンジウ(『ビヨンド・ザ・ヒルズ(原題)』)ある視点:『アフター・ルチア(原題)』取材・文:猿渡由紀
2012年05月28日デヴィッド・クローネンバーグ監督作品『COSMOPOLIS』(原題)に主演したロバート・パティンソンがカンヌに登場し、レッドカーペット前にファンが殺到。その大人気ぶりをカンヌでも証明した。原作はポストモダン作家ドン・デリーロの小説「コズモポリス」。近未来のニューヨークで金融界の寵児となったエリック(ロバート・パティンソン)の危険な1日を通して、資本主義社会の破綻を描き出す。映画の大半は、豪華なリムジンの中での、エリックと訪問者たちの会話やセックスで占められており、役作りに関して聞かれたロバートは「2週間、ホテルにこもりきりになっていたけれど、頭を抱えてしまった。それで監督のところに相談に行ったんだけれど『自分の思うようにやってごらん』としか言ってくれなかったよ」と、難役だったことを明かした。クローネンバーグ監督は「デリーロの文章は美しい。私はグランドキャニオンの広大な風景より、美しい言葉を話す人間の表情を捉えることの方が好きなんだ。人間の表情こそが映画の醍醐味だと思っている」と持論を語った。同席した原作者のデリーロは「私は脚本を書いてはいないよ。だから素晴らしい映画になったんだ」と語り、会場を沸かせた。(photo/text:Ayako Ishizu)特集:第65回カンヌ国際映画祭■関連作品:COSMOPOLIS (原題)第65回カンヌ国際映画祭 [映画祭]■関連記事:【カンヌレポート】ミヒャエル・ハネケ、2本連続でパルム・ドール受賞!【カンヌレポート】ザック・エフロン、ニコールとの恋に「全く年の差感じなかった」【カンヌレポート】クリステン・スチュワート、15歳の妻を演じた難しさ明かす【カンヌレポート】『愛と誠』の和製“愛”、海を越えスタンディング・オベーション!【カンヌレポート】ブラピ、主演作会見でアンジーとの順調ぶりアピール
2012年05月28日カンヌ映画祭もいよいよ終盤。コンペティション部門で『プレシャス』のリー・ダニエルズ監督の『The Paperboy』(原題)が上映され、ニコール・キッドマン、ザック・エフロン、マシュー・マコノヒー、メイシー・グレイ、ジョン・キューザックらが会見を行った。映画は、人種偏見の強い1969年の南部を舞台にしたミステリーで、殺人犯(ジョン・キューザック)の婚約者に扮するニコールと、彼女に恋してしまうザックの激しいラブシーンも話題を集めている。ニコールとの年の差を意識しないかと聞かれたザックは「そんなことは全く感じなかった。ニコールを始め、素晴らしい先輩たちと一緒に仕事ができて、本当に嬉しかった」と語った。また、刑務所の面会室で、ジョン・キューザックに言われるがまま、エロティックな行為をするシーンに関してニコールは「全く恥ずかしいとは思わなかった。どんなにひどい男であっても、彼を拒絶できない彼女の行為としては当然だから」と、さすがの女優魂を見せた。(photo/text:Ayako Ishizu)特集:第65回カンヌ国際映画祭あなたが観たいのは?「カンヌ映画祭」投票■関連作品:一枚のめぐり逢い 2012年6月16日より全国にて公開© 2012 WARNER BROS. ENTERTAINENT INC.The Paperboy (原題)第65回カンヌ国際映画祭 [映画祭]■関連記事:【カンヌレポート】クリステン・スチュワート、15歳の妻を演じた難しさ明かす【カンヌレポート】『愛と誠』の和製“愛”、海を越えスタンディング・オベーション!【カンヌレポート】ブラピ、主演作会見でアンジーとの順調ぶりアピール【カンヌレポート】ショーン・ペンら率いるハイチ支援オークションで高額落札続出【カンヌレポート】加瀬亮、イランの巨匠・キアロスタミ監督と共に喝采浴びる!
2012年05月27日23日夜(現地時間)、カンヌ映画祭「ある視点」部門で、7人の監督によるハバナを舞台にしたオムニバス映画『7 DIAS EN LA HABANA』(原題)が上映され、ベニチオ・デル・トロ、エリア・スレイマン、ギャスパー・ノエ、エミール・クストリッツァらが舞台挨拶を行った。監督のひとりとして登壇したデル・トロは「ここに立つことができて、本当に光栄です。楽しんで観てもらえれば」と挨拶は短かったが、終始ニコニコでご機嫌な様子だった。デル・トロは、ニューヨークからハバナの映画学校にやってきた若者(ジョシュ・ハッチャーソン)が酒を飲みすぎてハメを外すという、まるで本人を彷彿させるようなユーモアたっぷりのエピソードの作品を監督している。また、エミール・クストリッツァは今回演出ではなく、本人役で出演している。「今日は舞台に上がる予定じゃなかったんだけど、いつもティエリー・フレモー(映画祭ディレクター)に、舞台に上げられちゃうんだよ。ハバナでの撮影はとても面白い経験だった」と語った。客席には、同部門の審査委員長のティム・ロスの姿もあり、7人の監督の個性あふれるエピソードを楽しんでいる様子だった。第65回カンヌ国際映画祭は、5月27日(現地時間)まで開催。(photo/text:Ayako Ishizu)特集:第65回カンヌ国際映画祭あなたが観たいのは?「カンヌ映画祭」投票■関連作品:7 DIAS EN LA HABANA (原題)
2012年05月25日23日(現地時間)、カンヌ映画祭コンペティション部門で、ウォルター・サレス監督の『On The Road』(原題)が上映され、クリステン・スチュワート、ギャレット・ヘドランド、キルスティン・ダンスト、サム・ライリー、ヴィゴ・モーテンセンら華やかなキャスト陣がレッドカーペットを飾った。原作は、多くのアーティストに影響を与えたビート・ジェネレーションの作家ジャック・ケルアックの「路上」。サレス監督は若き日のチェ・ゲバラの旅を描いた『モーターサイクル・ダイアリーズ』同様、詩人ニール・キャサディとケルアックらがたどった実際の旅路をできる限り忠実に再現している。サレス監督は「6年前、まだティーンエイジャーだったクリステンたちに、近い将来『路上』を映画化するから、準備をしておいて欲しいと伝えておいた。小説に書かれていない部分も、ケルアックの周辺の人々や、その遺族に当時の話を徹底的に聞いたんだ」と、映画化に時間をかけた理由を説明。キャサディの最初の妻・ルーアンを演じたクリステンは、「監督から話を聞いたとき、まだ私は16歳だった。無軌道なキャサディと15歳で結婚したルーアンのことが、最初はなかなか掴めずにいたけれど、生前の彼女の声を吹き込んだテープを聞いたら、彼女の姿が見えた気がしたわ」と、役作りの難しさを語った。カナダ出身のヴィゴは、ファンからもらった地元のホッケーチームの旗を持って会見に登場。作家ウィリアム・バロウズを演じたヴィゴは、「『路上』は若い頃からの愛読書で、繰り返し読んでいたが、今回もまた読み直した。『路上』とバロウズの本をとにかく読むことが最大の役作りだったね」と語っていた。クリステンの恋人ロバート・パティンソンの主演作『Cosmopolis』(原題)も25日(現地時間)に上映が予定されており、こちらも大きな期待を集めている。第65回カンヌ国際映画祭は5月27日(現地時間)まで開催。(photo/text:Ayako Ishizu)特集:第65回カンヌ国際映画祭あなたが観たいのは?「カンヌ映画祭」投票■関連作品:On The Road (原題)第65回カンヌ国際映画祭 [映画祭]■関連記事:【カンヌレポート】『愛と誠』の和製“愛”、海を越えスタンディング・オベーション!【カンヌレポート】ブラピ、主演作会見でアンジーとの順調ぶりアピール【カンヌレポート】ショーン・ペンら率いるハイチ支援オークションで高額落札続出【カンヌレポート】加瀬亮、イランの巨匠・キアロスタミ監督と共に喝采浴びる!【カンヌレポート】トム・ハーディ、M・ブランドに似た演技と聞かれ「観たことない」
2012年05月24日三池崇史監督が妻夫木聡と武井咲をキャストに迎えた映画『愛と誠』が、第65回カンヌ映画祭で上映され、残念ながら現地入りできなかった武井が喜びのメッセージを寄せた。その他の写真本作は、梶原一騎・ながやす巧の名作コミックを原作に、超不良の大賀誠(妻夫木)と生粋のお嬢様・早乙女愛(武井咲)の純愛を描いた作品で、アクション、歌、ダンスと強烈なキャラクターが融合した異色エンターテインメントに仕上がっているという。昨年の『一命』に続いて、今年も三池作品がカンヌをわかせた。本作はコンペ対象外の部門で、深夜の上映ながら会場には多くの観客がつめかけた。武井は「“カンヌ”という日本ではない場所で自分がスクリーンに出られるということが、なんだか変な感じがしています。まさか!?という気持ちです」とコメント。「私もカンヌへ行って現地で皆さんと一緒に、“初出演で初カンヌ”を味わいたかった」という武井だが、残念ながら今年は東京から現地の様子を知るだけに。もちろん本作が好評を集めていることから、“女優・武井咲”にも注目が集まっており、今後の映画祭参加、さらには海外作品への出演の可能性もある。武井は「海外で評価していただけたことや海外作品への希望は、まだ想像したことはないですけど、海外の人の感覚とかセンスとか、日本人にないものがあると思うので、それには興味はあります。これから色々なお芝居をやっていけたらいいですね」と、今後の活動に期待を寄せている。現地を訪れている山崎美春プロデューサーは「本当に三池さんの影響力は凄くて、実際に海外の映画祭に来てみると、それを余計に感じました。新しい日本映画を作れたと自負していたので、今回のカンヌ映画祭を通じて、世界でも評価を頂ける作品だと手ごたえを感じることができて本当に嬉しかったです」とのコメント。日本公開は来月だが、今後さらに上映国を拡大していきそうだ。『愛と誠』6月16日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー
2012年05月24日ブラッド・ピットが、またもや新作を引っさげてカンヌ入りした。昨年『ツリー・オブ・ライフ』で見事、最高賞のパルムドールを手にしたピットの新作は、『ジェシー・ジェームズの暗殺』のアンドリュー・ドミニク監督と再びコンビを組む『キリング・ゼム・ソフトリー(原題)』。ピットは、肩に届きそうな長めの髪に、薄手のジャケット、お気に入りのゴールドのネックレスというスタイルで公式会見に登場。ドミニク監督の作品で再び主演、プロデュースを兼任した経偉について「(ドミニク監督は)人間の行動や志向について、とてもすぐれた洞察力を持っている人だから」と語った。そのほかの情報本作のストーリーは、ある日、強盗がギャンブル場に押し入ったことから、ギャンブル場を仕切っているマフィアが、凄腕の殺し屋ジャッキー・コーガン(ピット)をプロの用心棒として雇うことに……。本作のタイトル『キリング・ゼム・ソフトリー(原題)』は、“優しく殺す”という意味。主人公のジャッキーは、“近くで殺すと、殺される側は恐れて騒ぎ、母を呼んだり、お漏らしをしたりするなど恥ずかしい行動に出る。本人に気づかれないところから、予想もしない時に殺すほうがいい”という殺しのポリシーを持っている。この役を演じるピットは6人の子供をもつ父親でもあるが、映画の中で容赦ない殺しをやってみせることは「抵抗がない」という。「殺しはギャング映画につき物として受け入れられている。人種差別をする男を演じろと言われたほうが、よっぽど抵抗があるね」とも語った。毎回、レッドカーペットの際にピットが同伴しているアンジェリーナ・ジョリーは、今年は欠席。残念ながら、「彼女は別の映画の準備で忙しい」らしい。8月に結婚するという説は本当かという質問には、真摯な表情で、「日取りは本当に、まったく決まっていないんだ」と答えた。『キリング・ゼム・ソフトリー(原題)』の日本公開は未定。
2012年05月23日映画祭7日目となる22日(現地時間)、カンヌの常連、ブラッド・ピットが主演・製作を務めた『Killing Them Softly』(原題)がコンペティション部門で上映され、レッドカーペットは今年一番の盛り上がりとなった。作品は『ジェシー・ジェームズの暗殺』のアンドリュー・ドミニク監督によるジョージ・V・ヒギンズの小説「Cogan’s Trade」の映画化。マフィアの金をめぐるシニカルな犯罪ドラマで、ブラッド・ピットは人を苦しませず、やさしく殺す、殺し屋ジャッキー・コーガンを演じている。原作は70年代のボストンの話だが、映画は2008年のハリケーン・カトリーナ上陸後のニューオリンズに舞台を移し、現在のアメリカの経済的、政治的危機を風刺的に描いている。映画の中で、オバマ大統領のシカゴでの当選演説が流れることについて、ブラッドは会見で「政治的なことを言うつもりはないが、あの演説が実際に行われたとき、僕はその場にいたんだ。ものすごく感動的な瞬間だったのをよく覚えている」と語った。また、アンジェリーナ・ジョリーとの結婚式の日取りを聞かれると、「いろんなうわさが出ているけれど、まだ日取りは決まっていないんだ。どの州で結婚許可証をもらうかにもよるしね」と、笑顔で語った。残念ながらアンジェリーナは新作の準備でカンヌ入りしなかったが、ブラッドは終始ご機嫌で、2人の関係が順調なことをうかがわせた。第65回カンヌ国際映画祭は5月27日(現地時間)まで開催。(photo/text:Ayako Ishizu)特集:第65回カンヌ国際映画祭あなたが観たいのは?「カンヌ映画祭」投票■関連作品:Killing Them Softly (原題)第65回カンヌ国際映画祭 [映画祭]■関連記事:【カンヌレポート】ショーン・ペンら率いるハイチ支援オークションで高額落札続出【カンヌレポート】加瀬亮、イランの巨匠・キアロスタミ監督と共に喝采浴びる!【カンヌレポート】トム・ハーディ、M・ブランドに似た演技と聞かれ「観たことない」【カンヌレポート】ジャッキー、クォン・サンウ初共演作でアクション解禁のワケ明かす【カンヌレポート】柳沢慎吾も仲間入り!『マダガスカル3』上映にファン大興奮
2012年05月23日5月20日(現地時間)、開催中のカンヌ国際映画祭でジョルジオ・アルマーニ主催によるハイチ復興支援を目的としたチャリティイベント「ハイチ:カーニバル・イン・カンヌ」が開催され、俳優ショーン・ペン率いる「J/P Haitian Relief Organization」、映画監督で脚本家のポール・ハギス率いる「Artists for Peace and Justice」、そしてモデルのペトラ・ネムコヴァの「Happy Hearts Fund」など、ハイチ復興支援団体の連合イベントが初めて実現した。同映画祭でのチャリティ目的としたイベントの開催は、1984年と1996年に行われた有料上映以来初めての試み。会場にはショーンらのほかにジェラルド・バトラー、ダイアン・クルーガー、ジェシカ・チャステイン、ベン・スティラー、クリス・ロック、デビッド・シュワイマー、ユアン・マクレガー、ジャダ・ピンケット・スミス、トム・ハーディ、ロバート・デ・ニーロ、ショーン・コムズ、ジョシュア・ジャクソン、ミシェル・ロドリゲス、ハーヴェイ・ワインスタインなど錚々たるセレブリティに加え、主催者であるジョルジオ・アルマーニ、ロベルタ・アルマーニ、クリエイティブ・アーティスト・エージェンシーのブライアン・ロード、アメリカ映画協会会長のクリス・ドッド、カンヌ国際映画祭のアーティスティック・ディレクター、ティエリー・フレモーらが参加した。俳優・監督として、これまで幾度にわたり出品作品に関わり、2008年には審査員長を務めるなど、カンヌ映画祭とは縁の深いひとりであるショーン。俳優業の傍らで、一昨年にハイチで起きた大地震の救済活動を行う支援団体「J/P Haitian Relief Organization」を同年に設立し、その人道的支援が称えられハイチ共和国の無任所大臣に任命されている。今回のチャリティ・イベントでは、義援金を目的とした数々のチャリティ・オークションが行われたが、ショーンは即興で自身とハイチの地で3日間一緒に過ごす権利を出品し、3名の入札者からそれぞれ12万8,000ドル超という値で落札された。ほかには、「U2」のボノのギターとライヴのバックステージで彼と会える権利が21万5,000ドル超、米ランジェリー・ブランド「ヴィクトリアズ・シークレット」の人気モデルたち“ヴィクトリアズ・シークレット・エンジェルズ”とのランチ&ファッションショーでのVIP待遇が11万5,000ドル超で落札され、チャリティ・イベントの全体収益は200万ドル以上にのぼった。同イベントでは、米シンガーソング・ライターのライル・ラヴェットにより3団体のために書き下ろした楽曲が披露され、ハイチ大統領ミシェル・マテリ氏からは同イベントを共催したショーン、ハギス監督、ペトラへ感謝のスピーチを収めたビデオが届いた。第65回カンヌ国際映画祭は5月27日(現地時間)まで開催。特集:第65回カンヌ国際映画祭あなたが観たいのは?「カンヌ映画祭」投票■関連作品:ギャングスター・スクワッド (原題) 2012年秋、全国にて公開
2012年05月22日映画の祭典、カンヌ国際映画祭が5月16日、南仏カンヌで開幕した。第65回となる今年のオープニング作品は、カンヌには初登場となるウェス・アンダーソン監督の最新作『ムーンライズ・キングダム』(原題)。アンダーソン監督に加え、ブルース・ウィリス、エドワード・ノートン、ビル・マーレイ、ティルダ・スウィントンら主要キャストがレッドカーペットを飾った。映画は、1965年のニューイングランドの小さな島を舞台に、ボーイスカウトのキャンプから逃避行をする12歳の少年と少女の恋と、彼らを取り巻く大人たちの混乱を描いた、いわばウェス版『小さな恋のメロディ』(’71)といった趣。ウェス・アンダーソンは「僕が子供の頃、こんなことが起きてほしいと願っていたことを映画にしたんだ。それと、子供の頃に誰かを好きになる感覚をみんなに思い出してほしい、という気持ちも込めている」と、作品への思いを語った。子供たちを捜す警察署長を演じるブルース・ウィリスは、ウェス作品には初出演。「ウェスの演出方法は独特で、とても新鮮な体験だったよ。映画の中ではいろんな事件が起きるけれど、これは愛についてのお話なんだ。誰もが、愛されたいし、愛されるべきなんだよ」と語った。また、『ザ・ロイヤル・テネンバウムス』(’01)、『ライフ・アクアティック』(’05)ほかアンダーソンの全作品に出演しているビル・マーレイは、「アート映画と言われる映画だけど、ギャラは少なくて拘束時間は長い。ほかに稼げる仕事があるから、ウェスのためには奉仕できるんだよ」と語って笑わせた。今年の審査委員長は、『息子の部屋』(’01)でパルム・ドールを受賞しているナンニ・モレッティ。審査員は、ユアン・マクレガー、ダイアン・クルーガー、アレクサンダー・ペインといった映画人に、デザイナーのジャン=ポール・ゴルチエも加わり、総勢9名。27日まで世界の映画が青い空と海と共に、カンヌを彩る。(photo/text:Ayako Ishizu)特集:第65回カンヌ国際映画祭■関連作品:第65回カンヌ国際映画祭 [映画祭]ムーンライズ・キングダム (原題) 2013年公開© Focus Features■関連記事:【カンヌレポート】ラクダ闊歩に美女との豪奢クルーズ…“将軍様”が大暴れ!いよいよ開幕、カンヌ映画祭今年注目すべき華麗なるミューズを一挙チェック!ユアン・マクレガー、A・ペイン監督らが今年のカンヌ国際映画祭コンペ部門審査員にミス・ユニバース優勝の森理世が故郷・静岡とカンヌの結びつきを猛アピール!三池崇史、2年連続でカンヌに殴りこみ!『愛と誠』、カンヌ国際映画祭で上映決定
2012年05月17日CS映画専門チャンネル“Movie Plus”が5月27日(日)深夜(日本時間)に行われる第65回カンヌ映画祭授賞式を日本独占生中継することが分かった。また、『カンヌ映画祭スペシャル 2012』と題して、5月1日(火)からは過去の受賞作&出品作を厳選して放映、5月19日(土)からは特別番組を放映する。その他の写真カンヌ映画祭の日本オフィシャル・ブロードキャスターに選ばれた“Movie Plus”。特別番組では、華やかな開会式のレッドカーペットの様子や俳優、女優、監督らのインタビューの模様も放映される。今年は、ミヒャエル・ハケネやケン・ローチら、個性派が揃う中、高梨臨や加瀬亮ら日本の俳優が出演するアッバス・キアロスタミ監督の『ライク・サムワン・イン・ラブ(原題)』がコンペティション、妻夫木聡と武井咲共演の『愛と誠』がミッドナイト・スクリーニング部門、『11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち』がある視点部門に選ばれていることから、日本映画への注目度も高いことが伺える。過去の受賞作&出品作をピックアップして放映する「We LOVE カンヌ映画祭」という番組では、第47回パルム・ドール賞を獲得した『パルプ・フィクション』をはじめ、第59回脚本賞、女優賞ほかに輝いた『ボルベール〈帰郷〉』といった映画史に残る名作や、昨年審査員賞を受賞した『渇き』、監督週間出品作『フィリップ、きみを愛してる!』などの話題作も紹介される。そのほか、昨年のカンヌオープニング作品『ミッドナイト・イン・パリ』の特別試写会を日本公開の前に実施するなど、放送以外でも様々なプロモーションを展開するという。カンヌ映画祭をより楽しめるこの企画。番組を楽しみながら今年の賞レースの結果を予想してみてはいかがだろうか。CS映画専門チャンネル Movie Plus「We LOVE カンヌ映画祭」5月1日(火)から放送開始特別番組(カンヌ映画祭:開会式、授賞式ライブ、ハイライト)5月19日(土)から放送開始
2012年04月27日5月16日(現地時間)より第65回カンヌ国際映画祭が開幕となるが、映画祭の会期中、カンヌと日本で唯一の姉妹都市である静岡市において「シズオカ×カンヌウィーク2012 ~野外と映画とフランスの3日間~」が展開される。4月26日(木)、日本でのカンヌ国際映画祭のオフィシャル放送を行う「ムービープラス」との合同記者会見を在日フランス大使館で開催。スペシャルサポーターを務める2007年度ミス・ユニバース世界大会優勝者の森理世、カンヌ映画祭授賞式ライブ ナビゲーターを務める別所哲也、田辺信宏静岡市長らが出席した。「シズオカ×カンヌウィーク2012」では、海辺のスクリーンで映画を鑑賞する「すんぷ野外映画フェスティバル」や世界中の映画の魅力的な予告編を集めた「世界予告編映画祭」を始め、期間中、市内各地で様々な映画を鑑賞できるイベントを開催する。スペシャルサポーターであると同時に出身地の静岡市観光大使も務める森さんは、ミス・ユニバースの任期中にカンヌ国際映画祭に足を運んだことがあるそう。「自然の美しさやファッショナブルな街並みが心に残りました。街の空気にワクワクドキドキが充満していて、子供からお年寄りまでが楽しめる雰囲気でした」と思い出を明かす。同じ空気を静岡でも味わえるようにできればと感じているようで「シネマやファッションを超えて、文化の交流になると思います」と意気込みを語った。ちなみに別所さんも実は静岡県の出身。「僕は常々静岡は日本の南仏だと言ってきました!お茶はハーブの一種だし、海があり温泉もある」とフランスに通じる魅力を挙げ「シズオカ×カンヌウィーク」にエールを送る。別所さんがムービープラスにおける授賞式ライヴ中継のナビゲーターを務めて今年で9年目となるが、これまでの軌跡を思い返し「マイケル・ムーアがドキュメンタリーで、しかも政治的メッセージを持った作品でパルムドール(最高賞)を獲ったことが印象深い。驚きと共に、さすがカンヌだと感じました。それから柳楽優弥さんが最年少での主演男優賞受賞(『誰も知らない』)に輝いた瞬間や、河瀬直美監督が『殯の森』でグランプリを獲ったときの素晴らしいスピーチを番組を通じて分かち合うことができた」と感慨深げにふり返った。そして話題が今年の映画祭になると別所さんはさらにヒートアップ。「今年は審査委員長がナンニ・モレッティ監督ですが、審査員に僕が尊敬するユアン・マクレガーも入ってる。それから目玉はデザイナーのジャン・ポール・ゴルチエも審査員を務めること。カンヌは映画監督というよりも映像作家と言うべきシネマにしか表現できないものを極め、作っていこうとする人たちが集まる。どんな作品がどんな評価を受けるのか楽しみです」と期待を口にした。森さんが「女性目線ではファッションも気になります」と言うように華やかなレッドカーペットも見どころ。別所さんは「誰がどんな形で誰と現れるのか?注目いただきたいです」と頷いた。なお、コンペティション部門にはイランの巨匠アッバス・キアロスタミ監督の新作で、横浜市、静岡市でも撮影が行われ、主演に高梨臨、さらに加瀬亮やでんでんも参加している『ライク・サムワン・イン・ラブ』が出品される。静岡で撮影が行われたということで別所さんも森さんも誇らしげな表情。この日は高梨さんからビデオメッセージも到着したが、日本人が関わる作品が世界でどのような評価を受けるのか楽しみだ。第65回カンヌ国際映画祭は5月16日より開幕。「シズオカ×カンヌウィーク2012 ~野外と映画とフランスの3日間~」は5月25日(金)より27日(日)まで静岡市内で開催。ムービープラス「カンヌ映画祭スペシャル2012」■関連作品:愛と誠 2012年6月16日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2012「愛と誠」製作委員会第65回カンヌ国際映画祭 [映画祭]■関連記事:三池崇史、2年連続でカンヌに殴りこみ!『愛と誠』、カンヌ国際映画祭で上映決定妻夫木聡&斎藤工、大暴走する『愛と誠』三池監督にヒヤヒヤ!?妻夫木聡、31歳での高校生役に「すいません」と苦笑妻夫木聡&武井咲が歌い、踊る…『愛と誠』音楽プロデュースは小林武史!武井咲、忽那汐里、剛力彩芽に続け!「国民的美少女コンテスト」3年ぶり開催
2012年04月26日カンヌ映画祭も、残すところあと2日。現在のところの評判を総合すると、パルムドールの有力候補と言えるのは、ナンニ・モレッティ(イタリア)による、新法王に選ばれてしまった枢機卿の苦悩をユーモラスに描く『法王誕生』(原題)、アキ・カウリスマキ(フィンランド)が、フランスの港町ル・アーブルを舞台に移民少年を救い出す人々を追った『ル・アーブル』(原題)、ミシェル・ハザナビシウス(フランス)が白黒サイレントで、ハリウッドのトーキー映画誕生の裏側を描いた『アーティスト』(原題)の3作品。それらをテレンス・マリックの『ツリー・オブ・ライフ』、そしてフランスの女優マイウェン・ル・ベスコが監督した、警察の児童虐待課を追う『ポリス』がそれらに続くかたち。日本映画はやや厳しい状況だ。まだ上映されていない作品も3本あるためなんともいえないが、法王の悩みを通し人生とは何かをユーモアたっぷりに問う『法王誕生』が一歩リードとみている。今年はロバート・デ・ニーロが審査員ということもあり、テーマが明確な作品が好まれそうだ。ちなみに、男優賞は『法王誕生』のミシェル・ピコリと、『アーティスト』でハリウッドスターになり切ったフランスの人気俳優ジャン・デュジャルダンの一騎打ちだろう。結果は現地時間の22日夜に発表される。また、コンペではないが監督週間で上映された園子温監督の『恋の罪』も高く評価されており、次回はコンペ入りに期待したい。(text:Ayako Ishizu)写真は右が『法王誕生』ナンニ・モレッティ監督、その隣は同作のキャストのミシェル・ピコリ。© Reuters/AFLO特集「カンヌ国際映画祭現地から最新ニュースお届け」■関連作品:第64回カンヌ国際映画祭 [映画祭]ツリー・オブ・ライフ 2011年8月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2010 Cottonwood Pictures, LLC. All Rights Reserved恋の罪 2011年公開© 2011「恋の罪」製作委員会■関連記事:【カンヌレポート番外編】カンヌに華をそえる!スターたちのファッションチェック【カンヌレポート7】瑛太、初カンヌに緊張監督は時代劇に3D起用理由を説明【カンヌレポート6】ブラピ、子供たちに対し「すごい俳優だと思ってくれれば(笑)」【カンヌレポート5】金城武、北野武になる?【カンヌレポート4】オダジョー、芝居を通しチャン・ドンゴンと言葉の壁を乗り越える
2011年05月21日16日(現地時間)、今年のカンヌ映画祭コンペ部門の最大の注目作、テレンス・マリック監督の『ツリー・オブ・ライフ』が上映され、主演のブラッド・ピット、ジェシカ・チャスティンらが記者会見を行った。『天国の日々』、『シン・レッド・ライン』などの監督で、公の場に一切登場しないことで知られるマリックは、カンヌにもやってきておらず、プロデューサーも勤めたブラッド・ピットが代弁者として多いに熱弁をふるった。監督の欠席に関しては「彼は映画作りを、家を建てると同じようなことだと考えているんじゃないかな。この業界では、映画の作り手が、映画を売ること求められるけれど、テレンスはそこに納得がいかないんだと思う。確かに、物を作ったアーティストにセースルマンも兼ねさせるのは、不思議なことだよね」と、弁護した。映画はショーン・ペン扮する成功した建築家が、ブラピ演じる信仰にあつく威圧的な父親に育てられた1950年代のテキサスでの少年時代をふり返るというストーリー。自らとの共通点を聞かれたブラピは「僕も南部のキリスト教徒の家庭で育ち、すべては神の御心のままに、ということに疑問を持ったのを覚えている。この映画は多くの疑問を投げかけるし、子供時代というのは、どこに育っても共通点があるはずだ」と答えた。さらに「厳格な父親を演じることには、少し抵抗があったんだ。でも、この物語においてはとても重要なことだし、大切なのは子供のたどる過程だよ。僕自身、いまは自分の子供についてあらゆることを考える。“子供が大きくなってこれを見たらなんて思うか”とも考えるけど、僕のことを父親としてよく知っているからなぁ。できれば彼らが“すごい俳優だな”って思ってくれることを願っているよ(笑)」と、父親としての顔も見せた。夜には、アンジェリーナ・ジョリーと共にレッド・カーペットに登場。記者会見には間に合わなかったショーンも駆けつけ、会場前に集まった多くのファンを沸かせた。(text/photo:Ayako Ishizu)■関連作品:ツリー・オブ・ライフ 2011年8月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2010 Cottonwood Pictures, LLC. All Rights Reserved■関連記事:ブラピ×ショーン・ペンの注目作の一部お目見え『ツリー・オブ・ライフ』予告編解禁!海老蔵&瑛太出演の『一命』カンヌ出品!ブラピ主演作ほか強敵とコンペで激突
2011年05月17日オダギリジョーとチャン・ドンゴンが共演する話題作『マイ・ウェイ』の製作発表会見が、カンヌの古城を貸しきって行われた。第二次世界大戦中、ノルマンディー上陸作戦に参戦していたアジア人がいた、という実話を基に、主従関係にあった日本人と韓国人の青年が、数奇な運命に翻弄されながら、敵対しあいつつも、お互いを助け合い、生き抜いていく姿を壮大なスケールを描く。『ブラザーフッド』のカン・ジェギュが監督し、ヒロインを中国のスター女優ファン・ビンビンが演じる。言葉の壁について聞かれたドンゴンさんは、「私は日本語を、オダギリさんはロシア語とドイツ語の台詞をこなさなければならず、大変ではありました。言語が違う役者さんと共演する度に感じることですが、演技というのは、単純に言葉を交わすということではなく、お互いの感情や気持ちを共感することであり、それには言葉が通じるかどうかはさほど重要ではないと思います。今回も改めてそれを感じました」と語った。また、オダギリさんは「役者にとっては芝居を一緒にするというのが一番のコミュニケーションであり、仲良くなっていく方法だと思うので、毎回海外の作品に参加するときは特に言葉の心配はありません。チャン・ドンゴン氏はすごくすごく優しい方だったので安心できましたし、ファン・ビンビンさんはすごくきれいな方だったのでそれだけで十分なコミュニケーションがとれています」と、笑わせた。2人はカンヌでの短い滞在を終えると、会見の翌朝6時には、クライマックス場面のロケ地であるラトビアへと戻った。特集「カンヌ国際映画祭現地から最新ニュースお届け」■関連作品:第64回カンヌ国際映画祭 [映画祭]■関連記事:【カンヌレポート3】アンジー、カンヌで家族への愛を熱弁!「家族こそ愛がある場所」レオナルド・ディカプリオ、映画祭開催中のカンヌにジェイミー・フォックスと傷心旅行【カンヌレポート2】J・デップ、カンヌ来場に熱狂!役作りにあのアニメキャラが影響?【カンヌレポート1】ウディ作品で開幕!ビーチではガガ様からサプライズライヴもブラピ×ショーン・ペンの注目作の一部お目見え『ツリー・オブ・ライフ』予告編解禁!
2011年05月16日先日5年来の恋人であるバー・ラファエリとの破局が明らかになったレオナルド・ディカプリオだが、映画祭開催中の南仏・カンヌを仲間たちと一緒に訪れ、傷心旅行中だ。英国の大衆紙「Sunday Mirror」紙上でレオの知人は「バーと破局してレオはすっかり落ち込んでいます。今回ばかりは復縁の望みはなさそう。すべて忘れるためにカンヌに行きたがったんです」と語る。別にプロモーションする映画があるわけでもないのにカンヌを訪れたレオの仲間のひとりはジェイミー・フォックスがいた。「ジェイミーは豪華なヨットをレンタルし、女の子たちを大勢呼んで、明け方までパーティをしてました」。2人は映画祭関連のイベントなどにも足を運んでいるが、レオは長居することはなく、すぐに気の合う仲間たちの待つヨットに戻ってしまうそうだ。(text:Yuki Tominaga)写真はカンヌに訪れクルージングを楽しむレオナルド・ディカプリオ。隣の女性は今回の旅行仲間のひとりのようだ。© AFLO■関連作品:第64回カンヌ国際映画祭 [映画祭]■関連記事:【カンヌレポート4】オダジョー、芝居を通しチャン・ドンゴンと言葉の壁を乗り越える【カンヌレポート3】アンジー、カンヌで家族への愛を熱弁!「家族こそ愛がある場所」【カンヌレポート2】J・デップ、カンヌ来場に熱狂!役作りにあのアニメキャラが影響?【カンヌレポート1】ウディ作品で開幕!ビーチではガガ様からサプライズライヴもブラピ×ショーン・ペンの注目作の一部お目見え『ツリー・オブ・ライフ』予告編解禁!
2011年05月16日14日、カンヌ映画祭にジョニー・デップが久々に登場。『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』が招待上映され、公式会見が行われた。キャプテン・ジャック・スパロウの役作りには、『ミズーリ・ブレイク』のマーロン・ブランドを参考にしたのかとの質問に対し、ジョニーは、「僕は幸運にもマーロンと知り会えた。彼は映画の中でも外でも、僕に大きなインスピレーションを与えてくれた。でもキャプテン・ジャックに関してはマーロンに影響されたとは言えないね。僕はキャプテン・ジャックを18世紀のロック・スター、つまりキース・リチャーズと、スカンクのペペ・ル・ピュ(アニメのキャラクター)の間のような存在だとみなしているからね(笑)。つまり“スカンク(=信用できないやつ)”なんだよ。とてもロマンチックなスカンクというわけさ」と答えて、会場を湧かせた。また、女海賊を演じたペネロペ・クルスは、妹のモニカが彼女のボディ・ダブルを担当していることを吐露。「モニカは素晴らしいダンサーで、剣の扱いもうまいのよ」と、妹の協力を讃えた。監督のロブ・マーシャルによれば「ワイドショットでは、ときどきモニカが演じてるから、シルエットが違うんだよ(笑)」とのこと。じっくり画面を見ていれば、気づくかもしれない。(photo/text:Ayako Ishizu)特集『パイレーツ/生命(いのち)の泉』〜新たな伝説の幕あけ〜特集「カンヌ国際映画祭現地から最新ニュースお届け」■関連作品:第64回カンヌ国際映画祭 [映画祭]パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉 2011年5月20日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.■関連記事:【カンヌレポート4】オダジョー、芝居を通しチャン・ドンゴンと言葉の壁を乗り越える【カンヌレポート3】アンジー、カンヌで家族への愛を熱弁!「家族こそ愛がある場所」レオナルド・ディカプリオ、映画祭開催中のカンヌにジェイミー・フォックスと傷心旅行『ハリー・ポッター』新画像が到着夏の3D戦争をノンストップのアクションで制す?浅野忠信、鮮烈ハリウッドデビュー!3日で6,600万ドルの大ヒットスタート
2011年05月16日カンヌ国際映画祭が南仏のリゾート地カンヌで5月11日(現地時間)に開幕した。64回目となる今年のオープニング作品は、ウディ・アレンの『Midnight in Paris』(原題)。オーウェン・ウィルソン扮する脚本家・ギルが、婚約者(レイチェル・マクアダムス)と訪れたパリで夜毎に1920年代のパリにタイムスリップし、憧れのヘミングウェイやダリ(エイドリアン・ブロディ)らと交流するうち、ピカソの恋人(マリオン・コティヤール)に恋してしまう、という奇想天外なロマンティック・コメディ。公式記者会見には、ウディ、オーウェン、レイチェル、エイドリアンらが登場。ウディはかつて『マンハッタン』や『アニー・ホール』で自らが演じたような悩める物書き役にオーウェンを選んだ理由を、「オーウェンと僕は正反対なんだ。僕は東海岸の神経質なインテリで、オーウェンは西海岸のブロンドのサーファーといった感じ。だからこそ、この役は彼に演じてもらいたかった。オーウェンのおかげで、キャラクターに奥行きが加わった」と語り、オーウェンを手放しで絶賛した。ウディ作品には初登場となるオーウェンも、「ウディは演技に関しては簡単な打ち合わせだけで、あとは役者にまかせてくれるんだ。とてもやりやすかった」と語った。開幕式には審査委員長のロバート・デ・ニーロ率いるジュード・ロウ、ユマ・サーマン、ジョニー・トーら審査員団に加え、アントニオ・バンデラス、サルマ・ハエック、コン・リーらが登場。さらにレディー・ガガがビーチでライヴを行うというサプライズもあり、大いに盛り上がった。華やかな映画の祭典は、22日まで続く。(photo/text:Ayako Ishizu)■関連作品:第64回カンヌ国際映画祭 [映画祭]■関連記事:ブラピ×ショーン・ペンの注目作の一部お目見え『ツリー・オブ・ライフ』予告編解禁!カンヌ国際映画祭で、禁固刑のパナヒ監督らの新作上映が決定海老蔵&瑛太出演の『一命』カンヌ出品!ブラピ主演作ほか強敵とコンペで激突別所哲也、独断でカンヌ映画祭史上最高の作品を選定!?
2011年05月12日俳優の別所哲也が、CS映画専門チャンネル「ムービープラス」で放送される特別番組「カンヌ映画祭を観る -受賞作品から知るその魅力-」(5月4日放送)に出演することになり、4月12日(火)、横浜にある「ブリリア ショートショート シアター(Brillia Short Shorts Theater)」にて収録を行った。同局では5月11日(現地)から開催される第64回カンヌ映画祭に合わせ、「カンヌ映画祭スペシャル2011」と題し、関連番組が特集放送される。別所さんが出演する「カンヌ映画祭を観る −受賞作品から知るその魅力−」は、過去の受賞作やトリビアなど映画祭をより楽しむための情報を届けるオリジナル番組。別所さん自らが“審査委員長”となり、過去にカンヌで受賞したすべての作品の中から、「俳優賞」、「音楽賞」、「賛否両論賞」、そして最高にあたるパルム・ドールならぬ「ヴェッショ(別所)ドール」を独断で(!?)で選定するというユニークな内容だ。収録が始まると、早速「Bonjour Comment allez-vous(ボンジュール コマンタレヴ)」(こんにちは。調子はいかが?の意)とフランス語の挨拶を決めた別所さんは、「これでカンヌに行く準備はバッチリ」とご機嫌。その後、次々と受賞結果を発表し、番組収録は順調に進んだが「うーん、『賛否両論賞』だけは言いにくい(笑)」と悪戦苦闘。それでも「今年は順調。去年はリテイクの嵐だった。こうやって、歴史が刻まれていくんですね」としみじみした様子だった。果たして、栄えあるヴェッショドールの行方は?気になる結果は番組でチェックされたし。このほかにも過去のカンヌ映画祭でパルム・ドールを受賞した『ダンサー・イン・ザ・ダーク』、『ブリキの太鼓』や、本年の審査委員長を務めるロバート・デ・ニーロの主演作『グッドフェローズ』、木村佳乃と伊勢谷友介が共演した第61回オープニング作品『ブラインドネス』、同じく第61回の特別招待作品でイ・ビョンホンが主演した『グッド・バッド・ウィアード』なども放送予定。そして、5月22日(日)には、別所さんがナビゲーターを務める「日本独占!第64回カンヌ映画祭授賞式ライブ」が放送される。「カンヌ映画祭を観る -受賞作品から知るその魅力-」は5月4日(水・祝)放送。「日本独占!第64回カンヌ映画祭授賞式ライブ」は5月22日(日)生放送。■関連作品:第64回カンヌ国際映画祭 [映画祭]
2011年04月13日ディエゴ・ルナの監督デビュー作『Abel』(原題)が招待作品としてカンヌで公式上映され、大きな拍手で迎えられた。『Abel』は父親に家出されて以来、2年間言葉を話さなかった10歳のアベルが、突然口を開いた途端、姉弟の父親、そして母親の夫として振舞うようになるという物語。コミカルな場面をはさみつつ、子供の視点から大人の身勝手、そして一人で子育てをしなければならない母親の困難さを描いた感動作で、ディエゴの亡き母に捧げられている。プロデューサーを務めた親友ガエル・ガルシア・ベルナルはカメラ・ドール(新人監督賞)の審査委員長のため上映には立ち会えなかったが、ディエゴは「ガエルや多くの友人のおかげで完成でききた映画を、カンヌで上映できて本当に嬉しい」と興奮気味に挨拶。さらに会場にいた父親を観客に紹介していた。ディエゴだけでなく、今年のカンヌには俳優の監督作が目立つ。コンペ入りしたマチュー・アマルリックの『On Tour』(原題)、グザビエ・ブーヴォワの『Of Gods and Men』(原題)に加え、批評家週間部門ではキルスティン・ダンスト、ジェームズ・フランコの短編監督作が上映されている。もしかするとここからイーストウッドに続く、次の巨匠が出てくるかもしれない。(text:Ayako Ishizu)第63回カンヌ国際映画祭 現地レポート■関連作品:第63回カンヌ国際映画祭 [映画祭] 2010年5月12日開幕© Brigitte Lacombe – ad design graphique■関連記事:【カンヌレポート 番外編】ファッションで見るカンヌ!ベストドレッサーは誰?雨の日に観たい映画ランキング大発表!1位はあのミュージカルの傑作【カンヌレポート 05】パルムドールのゆくえ…現地評価&T・バートンの選択は?審問に出廷しなかったリンジー・ローハンに逮捕状発布【カンヌレポート 04】たけし、批評家の採点は辛口も観客からは5分の拍手の嵐
2010年05月23日カンヌ映画祭も残すところあと3日。こちらでの評価を総合すると、最高賞パルムドールに一番近いところにいると思われるのが、イギリスのマイク・リー(『秘密と嘘』でパルムドール受賞経験あり)が中高年シングルの悲喜劇をつづる『Another Year』(原題)と、地元フランスの監督兼俳優グザビエ・ブーヴォワによるアルジェリアの修道士殺害事件に基づく美しくも悲しいドラマ『Of Gods and Men』(原題)。これに続くのが、タイのアピチャットポン・ウィーラセタクンが輪廻転生を独自のスタイルで描く『Uncle Boonmee Recalls His Past Lives』(原題)も、そのあまりにぶっ飛んだ表現に否定的な意見もあるものの評価が高い。また、昨年審査員を務めた韓国のイ・チャンドン(『シークレット・サンシャイン』)の『Poetry』(原題)も、60代女性の魂の彷徨を描き、パルム候補のひとつ。さらに、フランスのラシッド・ブシャレブの『Outside The Law』(原題)もアルジェリア独立運動を扱い論争を巻き起こしているが、力強い1本。映像の美しさ、演技、そしてテーマ性の高さからいって、この中では『Of Gods and Men』がもっともパルムドールにふさわしいと思えるが、果たしてティム・バートン以下審査員団のジャッジはいかに?日本の北野武監督の『アウトレイジ』はスクリーン誌が4点中0.9点という厳しい点数の一方、カイエ・デュ・シネマ誌などは高く評価。意外とカンヌはこうした極端な映画に賞を与える傾向があるので、パルムは難しくとも、監督賞あたりをさらう可能性は捨てきれない。今年は死を描く映画が多すぎたため、個人的にはマチュー・アマルリックが監督、主演したバーレスク・ショーの舞台裏を描く『On Tour』(原題)のような、生命力あふれる映画に光をあてたい。結果発表は23日夜。(photo/text:Ayako Ishizu)第63回カンヌ国際映画祭 現地レポート■関連作品:第63回カンヌ国際映画祭 [映画祭] 2010年5月12日開幕© Brigitte Lacombe – ad design graphique■関連記事:審問に出廷しなかったリンジー・ローハンに逮捕状発布【カンヌレポート 04】たけし、批評家の採点は辛口も観客からは5分の拍手の嵐【カンヌレポート 03】74歳ウディ・アレン意気軒昂!「モテる役じゃなきゃ嫌」【カンヌレポート 02】『ウォール・ストリート』シャイア&キャリー揃って登場成海璃子カンヌで“最後の”書道パフォーマンスを披露することが決定!
2010年05月21日カンヌに世界のキタノが帰ってきた。17日夜(現地時間)、コンペティション部門に選ばれた北野武監督の『アウトレイジ』の公式上映が行われた。上映直前、監督が会場内に入ったときから、まず3分ほど拍手が鳴り止まず、上映後も5分近くスタンディング・オベーションが贈られた。これには北野監督は顔を赤くして、照れまくることしきり。手を胸の前で合わせて、観客に感謝の意を伝えていた。そんな照れ屋の北野監督も、上映後のレセプションではいつもの毒舌が復活。ヨーロッパの中でも特にフランスで人気があることについて聞かれると、「(お互い)人が悪いし、ケチだからかな?」と笑わせた。カンヌにやってきたのはカンヌの60周年記念映画「それぞれのシネマ」以来、3年ぶりで、コンペティションへの参加は、『菊次郎の夏』以来、11年ぶりとなる。その際に現地での評判に反して結果は無冠に終わった経験から、「散々な目に遭ったから、カンヌに何も期待してないよ」と笑いつつも、「こんなバイオレンス映画をコンペに選んだだけですごい。700本くらいの中からコンペに選ばれるんだから、それだけでありがたい」と語っていた。ちなみに映画の中で北野監督演じるヤクザの大友が乗る車のナンバーは「8333」。これはもしや「やーさん、散々」という物語を暗示している?と聞くと、「あ、分かった?」とニヤリ。しかしバイオレンスとブラックな笑いが強烈すぎたのか、現地雑誌での星取評では、かなり辛い採点がつけられた。もっとも、カンヌでは批評家と審査員の意見はまったく別物。23日(現地時間)の結果発表が楽しみだ。『アウトレイジ』は6月12日(土)より丸の内ルーブルほか全国にて公開。(photo/text:Ayako Ishizu)第63回カンヌ国際映画祭 現地レポート■関連作品:第63回カンヌ国際映画祭 [映画祭] 2010年5月12日開幕© Brigitte Lacombe – ad design graphiqueアウトレイジ 2010年6月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2010『アウトレイジ』製作委員会■関連記事:【カンヌレポート 03】74歳ウディ・アレン意気軒昂!「モテる役じゃなきゃ嫌」【カンヌレポート 02】『ウォール・ストリート』シャイア&キャリー揃って登場成海璃子カンヌで“最後の”書道パフォーマンスを披露することが決定!【カンヌレポート 01】『ロビン・フッド』で開幕!会見でケイトがR・クロウに質問世界のキタノ、ヤクザ映画でカンヌへ殴りこみ!『アウトレイジ』コンペ出品決定
2010年05月19日ウディ・アレンが、今年もカンヌを大いに沸かせた。本国アメリカのアカデミー賞にもめったに現れないアレンだが、カンヌには毎年のように登場。今年も新作『You Will Meet A Tall Dark Stranger』(原題)がコンペティション外の招待作品に選ばれ、主演のナオミ・ワッツ、ジョシュ・ブローリンらと共にカンヌ入りした。『You Will Meet A Tall Dark Stranger』は、ロンドンを舞台に60代で離婚した両親と、その娘と作家志望のダメ夫がそれぞれ繰り広げる恋愛騒動を描いたコメディ。再婚した若い妻に嫉妬する父親をアンソニー・ホプキンスが演じ、ウディ自身は今回は監督、脚本業に専念している。公式会見で出演をしなかった理由について「もうこの年じゃ、ロマンティック・コメディの主人公は出来ないよ。僕は映画に出るなら、女の子にモテる役じゃなきゃ嫌なんだ。ほかの男に恋人を取られる老人役なんて、やりたくないんだよ」と語り、会場を爆笑させた。また、同じくカンヌに参加している、101才の監督マノエル・ド・オリヴェイラが「人生で確実な意味を持つのは、死だけだ」と言ったことに関して感想を聞かれると「100年以上生きている人はさすがだ。100パーセント賛成…しないね」と、74歳でまだまだ意気盛んなところを見せていた。(photo/text:Ayako Ishizu)第63回カンヌ国際映画祭 現地レポート■関連作品:第63回カンヌ国際映画祭 [映画祭] 2010年5月12日開幕© Brigitte Lacombe – ad design graphique■関連記事:【カンヌレポート 02】『ウォール・ストリート』シャイア&キャリー揃って登場成海璃子カンヌで“最後の”書道パフォーマンスを披露することが決定!【カンヌレポート 01】『ロビン・フッド』で開幕!会見でケイトがR・クロウに質問
2010年05月18日第63回カンヌ国際映画祭が5月12日(現地時間)、南フランスのリゾート地カンヌで開幕した。今年のオープニング作品は、リドリー・スコット監督のエンターテイメント巨編『ロビン・フッド』。スコットの母国イギリスが生んだ伝説の英雄をラッセル・クロウが演じる。レッドカーペットに先立ち行われた公式記者会見には、クロウ、ヒロインのマリアンを演じたケイト・ブランシェット、プロデューサーのブライアン・グレイザーらが出席。スコットは膝の手術を受けたばかりで、ドクター・ストップがかかり、欠席となってしまい「この栄えある場に出席できず大変残念ですが、ラッセルたちにこの映画を託します」とメッセージを発表した。『グラディエーター』以来、スコット作品の常連であるラッセル・クロウは、監督欠席の無念をはらそうとしたのか、鮮やかな弁舌ぶりを発揮。時節柄、ワールドカップがらみの質問が何度も出たが、そのたびに各国の選手をほめつつ、「でも、オーストラリアが勝つよ」と切り返した。その見事な受け答えに感銘を受けたのか、記者だけではなく、なんと共演のケイトからも「当初、あなたが二役をやるって噂があったけど、本当?」と、質問が飛び出した。これに対し、製作も手がけたクロウは「ロビン・フッドが別人になりすます、という設定をいろんな人に説明しているうちに、なぜか僕が二役になる、という話が広まってしまったんだよ」と答え、ケイトも納得の表情だった。13日からは、いよいよコンペティション作品19本の上映が始まる。日本期待の北野武監督作品『アウトレイジ』は、17日夜(現地時間)に上映予定。(photo/text:Ayako Ishizu)第63回カンヌ国際映画祭 現地レポート■関連作品:第63回カンヌ国際映画祭 [映画祭] 2010年5月12日開幕© Brigitte Lacombe – ad design graphiqueロビン・フッド (2010) 2010年12月、全国にて公開■関連記事:成海璃子カンヌで“最後の”書道パフォーマンスを披露することが決定!
2010年05月13日“世界のキタノ”が再びカンヌの地へ!北野武監督の最新作『アウトレイジ』が、第63回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品されることが発表された。北野監督自ら、ビートたけしとして出演するほか、椎名桔平、三浦友和、加瀬亮、國村隼、杉本哲太、塚本高史、石橋蓮司、小日向文世ら豪華俳優陣が集結。ヤクザの世界に生きる男たちが、生き残りを賭け、裏切りや駆け引きなど激しい権力闘争を繰り広げられ、登場人物は全員“悪人”というバイオレンス・アクション。北野組初参加の俳優陣ばかりを揃えているが、中でも“いい人”の役柄のイメージが強い、加瀬さんや小日向さんがどのようにタンカを切り、拳をふるい、悪に手を染めていくのか注目したいところ。『BROTHER』、『座頭市』以来7年ぶりとなる本格的なバイオレンス作品となるが、北野監督は「久しぶりのアクション映画だから期待感もあると思うし、自分としてもお客さんの反応が楽しみだね」と自信のほどをうかがわせるコメント。ちなみに、北野作品がカンヌのコンペティション部門に出品されるのは、第52回の『菊次郎の夏』以来2度目。パルムドール獲得となれば、邦画では1997年『うなぎ』以来5作目の快挙となるが果たして?映画祭は5月12日(現地時間)から23日までの日程で開催され、審査委員長を、まもなく日本で公開される『アリス・イン・ワンダーランド』の鬼才、ティム・バートンが務める。北野監督は上映に合わせ、現地入りする予定になっており、現地フランスでも根強い人気を持つ“世界のキタノ”から目が離せない!『アウトレイジ』は6月12日(土)より丸の内ルーブルほか全国にて公開。■関連作品:アウトレイジ 2010年6月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開■関連記事:たけし帰国会見仏芸術文化勲章最高章は「黒澤さんが貰ったやつ、すげえ」“いい人”加瀬亮がヤクザ役でマジギレ!?たけし最新作、題名の意味は“極悪非道”
2010年04月16日今年のカンヌで喝采を浴びた是枝裕和監督の最新作『空気人形』が9月26日(土)に公開を迎え、是枝監督、ペ・ドゥナ、ARATA、板尾創路による舞台挨拶が行われた。この舞台挨拶のために来日したペ・ドゥナは「緊張していますが、初日を迎えて感無量です。“空気人形”として生きて時間は幸せでした」と笑顔で語った。是枝監督も初日を迎えてホッとした様子。アメリカを含む世界15か国での本作の公開も決まり「よかったです」と喜びを口にしたが、「何より日本で多くの人に観ていただきたいと思っています。今回は力を入れて、みんなで『笑っていいとも!』にまで出ましたので(笑)」とユーモアたっぷりに日本の観客にアピールした。ARATAさんは、本作を「是枝監督が詩のように綴った人間讃歌です。観終わって生まれた感情を大切に家に持ち帰ってください」と呼びかけた。板尾さんは、“勝負服”の純白のタキシードで登場!「撮影はちょっと孤独でした。ARATAくんと一緒の芝居はほとんどないし、監督は静かで、ぺ・ドゥナとはほとんどしゃべらなかったし…」と正直に明かしつつ「完成した作品を観て、参加してよかったな、と思いました」と胸を張った。続いて、話題はこのメンバーで参加したカンヌ国際映画祭の思い出に。板尾さんは「レッドカーペットがデカかったです。普段はどこに収納してるんでしょうか?幅が広くて継ぎ目もなくて、保管が大変そうですね」と心配そうに語り、笑いを誘った。そのカンヌで、本作の上映の際にARATAさんと板尾さんは居眠りをしてしまったとか…。上映後、会場は歓声と拍手で包まれたそうだが、板尾さんは「僕が目を覚ましたことに対して拍手してもらってるかのように思えました。『板尾、起きたわー』って(笑)」と苦笑いを浮かべつつ「それぐらい、素晴らしい映画なんです!」と無理矢理まとめた。ARATAさんも「上映する日の朝にカンヌに着いて、取材、取材で…、上映前には食事会もあって『危険だな』と思ってたんですが。気がついたら話が飛んでるワケです…(笑)。隣りを見たら板尾さんも目を閉じてて『助かった!』って思いました」と申し訳なさそうにふり返った。これに対してペ・ドゥナは「2人が寝てたことは知りませんでした。夜の上映でしたが、人間は夜の方が感性が鋭いものです。私はハマりこんで観てました。思わず涙を流したとき、ARATAさんが黙ってハンカチを差し出してくれたんですが、寝てても優しく私を気遣ってくれていたんですね(笑)」と見事なフォロー。是枝監督は、このやり取りに「複雑な気持ちです…。今日、観に来てくださったみなさんはペ・ドゥナさんや私の側の方々だと信じています」と横目で板尾さん、ARATAさんをチラリ。さらにこの日は、10月11日に30歳の誕生日を迎えるペ・ドゥナと、本日“誕生日”を迎えたこの映画のためにケーキの形をした特製ボードが登場。ペ・ドゥナは「30歳が本当の意味での女優としてのスタートだと思っています」と笑顔でさらなる飛躍を誓った。『空気人形』はシネマライズ、新宿バルト9ほか全国にて公開中。■関連作品:空気人形 2009年9月26日よりシネマライズ、新宿バルト9ほか全国にて順次公開© 2009業田良家/小学館/『空気人形』製作委員会■関連記事:みずみずしく純粋な空気人形に、感情の素晴らしさを再確認『空気人形』ペ・ドゥナ『空気人形』インタビュー誰もが持つ“空っぽ”な感覚とそれを満たすものペ・ドゥナ、ARATAを「頼れる人」で板尾は「近づけない感じ」ARATA、メイド従業員に手ほどき「ぺ・ドゥナをしっかり研究して」オダギリジョーも飛び入り参戦!トロント映画祭で『空気人形』観客総立ちの絶賛
2009年09月26日カンヌこぼれ話。今年の審査委員長はフランスの大物女優イザベル・ユペール。去年の審査委員長ショーン・ペンもレッドカーペット上でタバコを吸ったり(吸殻で燃えるほど、やわな素材じゃないだろうが)、問題児ぶりを発揮していたが、ある意味で今年はそれ以上だったかもしれない。審査員9人のうち、ユペールに加え、アーシア・アルジェント(イタリア)、ロビン・ライト・ペン(アメリカ)、スー・チー(台湾)、シャルミラ・タゴール(インド)と女優が5人を占める異例の構成だったため、不協和音が事前から心配されていたが、やっぱり審査員同士が相当揉めた様子。まあ、そういったうわさは毎年のようにあるのだが、特に今回はユペールが2001年にミヒャエル・ハネケ監督の『ピアニスト』でカンヌの女優賞を獲得しているだけに、ハネケの受賞が予想され、実際そのとおりの結果になった。そのため、ユペールが強権発動したのではともっぱらの評判に。もちろん、ハネケのパルムドール受賞作『THE WHITE RIBBON』(原題)が優れた作品なのは間違いないのだが、授賞式では毎年大物プレゼンターが発表するはずなのを自ら発表するなど、異例のひいきぶりを発揮していたのも確か。授賞式後の会見でユペールは「ハネケが私の大好きな監督なのは確かだし、だから彼の映画に2度出演したのよ。彼の映画は人間の魂に深く向き合っている」と、堂々たるもの。やんちゃ娘のアーシア・アルジェントも「(会議室の)扉の向こうの話は、ここではしないわ」と大人の発言だった。しかし、審査員間のトラブルなどどこ吹く風でニッコニコだったのが、ロビン・ライト・ペン。夫ショーン・ペンと別居した直後だったため、13日の開幕記者会見ではピリピリぶりがこちらにも伝わってくるほどだったが、ロビンがカンヌにいる間に反省したらしいショーンが離婚申請を取り下げたため、「意見の違いはあっても、全員が心を開いて語り合ったわ。そこには本物の愛があったの」と終始ご機嫌だった。(photo/text:Ayako Ishizu)第62回カンヌ国際映画祭特集■関連作品:第62回カンヌ国際映画祭 [映画祭]■関連記事:【カンヌ現地レポ 13】52歳の新星!ブラピを喰った男演賞俳優クリストフ・ワルツ【カンヌ現地レポ 12】娘シャルロットの快挙に母ジェーン・バーキンも絶叫!【ハリウッドより愛をこめて】次世代アイドルC・クロフォードが『フットルース』に!ショーン・ペン、再び離婚申請を撤回【カンヌ現地レポ 11】最高賞はミヒャエル・ハネケ作品に!シャルロットに女優賞
2009年06月03日