国内の近代美術館のなかでも、優れた20世紀美術コレクションに定評のある横浜美術館、富山県美術館、愛知県美術館が協働する展覧会『トライアローグ:横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館20世紀西洋美術コレクション』展が横浜美術館にて11月14日(土)に開幕。2021年2月28日(日)まで開催される。来年3月から約2年間の長期休館に入る横浜美術館にとっては休館前の最後の展覧会だ。トライアローグとは、3者による鼎談(話し合い)を意味する言葉。この展覧会は3館のそれぞれのコレクションを用いて20世紀の美術を概観するもので、3館の担当学芸員が濃密な議論を重ね、ラインナップが構成されていった。このタイトルにちなみ、「3」をキーワードに、3章立て、30年区切りで展開されていく。横浜美術館第1章「1900sーー アートの地殻変動」は1900年から1930年前後にかけての美術を概観していくもの。印象派やポスト印象派などが新しい表現方法を提示した18世紀後半の芸術家たちの地ならしを受け、この時代はフォービズムにキュビズム、表現主義、抽象絵画にダダや構成主義など新しい表現が同時多発的に噴出する激動の時代だった。展示されている作品もバラエティ豊かで濃密な時代であったことが伺える。第1章「1900sーーアートの地殻変動」展示風景展覧会は、美術の流れを概観できるだけでなく、随所に「Artist in Focus」と題された各館の収蔵品を並べるコーナーも展開されている。すべてフェルナン・レジェの作品 左から《緑の背景のコンポジション(葉のあるコンポジション)》1931 愛知県美術館、《コンポジション》1931 横浜美術館、《インク壺のあるコンポジション》1938 富山県美術館たとえば、レジェのコーナーでは3館の所蔵によるレジェの作品をそれぞれ鑑賞できる。同じ年に描かれた愛知県美術館、横浜美術館の作品にくらべ、7年後に描かれた富山県美術館の作品は輪郭線が太くなっていることがわかる。このほか、ピカソやクレー、エルンストなどの作品が並べられ、見比べられるようになっており、作家の画風の変遷だけでなく、各美術館の審美眼などにも想いを馳せることができる。第2章「1930s——アートの磁場転換」 展示風景続く第2章「1930s——アートの磁場転換」では、美術のみならず、映画や文学など芸術全般に大きな渦を巻き起こしたシュルレアリスムからスタートし、1960年代までを俯瞰する。すべてジュアン・ミロの作品 左から《花と蝶》1922-23 横浜美術館、《パイプを吸う男》1925 富山県美術館、《絵画》1925 愛知県美術館第2章「1930sーーアートの磁場転換」 展示風景第2章もまた激動の30年だ。この期間に、第二次世界大戦が勃発。その影響により多くの芸術家たちがヨーロッパからアメリカへと渡り、結果、戦後の美術シーンの中心地はヨーロッパからアメリカへとなっていく。シュルレアリスム作品が多くあった展示室から、サム・フランシスやルーチョ・フォンタナらの作品のある展示室へ移動した瞬間、雰囲気がガラリと変わり驚かされる。通常の美術展では、1945年前後を区切りとして扱うものが多いなか、あえて戦前と戦後を一緒のくくりで扱うことで、美術の大きなながれが見えてくる。第3章「1960sーー アートの多元化」 展示風景そして、最終章である第3章「1960sーー アートの多元化」では、より多様化していく美術のあり方を紹介する。美術作品の表現や考え方がどんどん多様化し、展示場所もギャラリーや美術館を飛び出し、壮大なものに発展していく。3館の収蔵品だけで、約90年の美術の流れを学び取ることができる刺激的な展覧会。現在、海外美術館から作品を借り入れることが難しい状況において、国内の名品を持ち寄るという新しい形の展覧会の作り方は、今後の大きな指針となりそうだ。長期休館に入る横浜美術館に、ぜひ刺激をもらいにいこう。取材・文:浦島茂世【開催情報】『トライアローグ:横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館20世紀西洋美術コレクション』展11月14日(土)~2021年2月28日(日)、横浜美術館にて開催※日時指定予約制。詳細は公式HPを参照。
2020年11月20日国宝7件、重要文化財88件を含む、日本と東洋の古美術約7400件を所蔵する根津美術館で特別展『根津美術館の国宝・重要文化財』が11月14日(土)よりスタートした。12月20日(日)まで開催されている。根津美術館は、国宝7件、重要文化財88件を含む、日本と東洋の古美術約7400件を所蔵している。同展はそのタイトルのとおり、指定された95件(展示替えあり)をすべて鑑賞できる豪華絢爛な展覧会だ(展示替えあり)。そのコレクションの大半を収集したのは初代 根津嘉一郎(1860~1940)。東武鉄道の社長などを務めた実業家であり、稀代の美術コレクターであった。2020年は根津の生誕160周年に当たる年であり、なおかつ同館の財団創立80周年、そして現在の文化財保護法が制定されてから70年目にあたる年。展覧会はこの節目となる年を記念したものだ。根津美術館のコレクションの核となるのは、初代嘉一郎が特に晩年にこよなく親しんだ茶の湯の道具、そして、大寺院建立を目指して収集した仏教美術の数々だ。これは、本人の好みももちろんあったが、当時日本で進んでいた古美術品の海外流出をくい止めたいという使命感に駆られたものでもあったという。ちなみに95件の国宝・重要文化財の大半は、初代嘉一郎が購入したのちに新たに指定されたものだ。国宝だから、重要文化財だからという理由ではなく、自分がいいと思ったものだから収集していた嘉一郎の優れた鑑識眼が推察できる。展示風景より左から重要文化財《金剛界八重一尊曼荼羅》 鎌倉時代 13世紀、重要文化財《愛染明王像》 鎌倉時代 14世紀、重要文化財《愛染明王像》 鎌倉時代 14世紀、重要文化財《大威徳明王像》 鎌倉時代 13世紀、重要文化財《大威徳明王像》 鎌倉時代 13世紀、重要文化財《大日如来像》 平安時代 12世紀すべて重要文化財!国宝《那智瀧図》 鎌倉時代 13〜14世紀日本の神々は仏が化身したものとして現れている、本地垂迹説(ほんちすいじゃくせつ)に基づいて描かれた垂迹画の作品。熊野三山の御神体でもある那智瀧が壮大に描かれている。本地垂迹説は平安時代から鎌倉時代に盛んになり、この時代に様々な垂迹画が描かれているが、瀧そのものを描いた垂迹がは、現在発見されているものではこの作品のみとなる。重要文化財鈴木其一《夏秋渓流図屏風》 江戸時代 19世紀※11月29日まで展示酒井抱一に師事した江戸琳派の絵師、鈴木其一によるもの。右隻(右側の屏風)が夏、左隻(左側の屏風)が秋を表す。木々や川の濃厚な色彩のなかに、白百合や色づいた葉が優しく佇んでいる。初代 嘉一郎が晩年に入手した作品で、今年になり新たに重要文化財に指定された。茶道具の一部展示品は実際の茶の湯でどのように使われたかをイメージしながら鑑賞することができる。茶道具同士の組み合わせの妙なども楽しめる。そして、人気の青銅器《双羊尊》ももちろん展示されている。あいらしい表情の双羊尊は根津美術館のアイドルとしても知られており、ミュージアムショップでは双羊尊のオリジナルグッズも販売されている。重要文化財《双羊尊》 中国・おそらく湖南省紀元前13〜14世紀重要文化財《双羊尊》 中国・おそらく湖南省紀元前13〜14世紀自然にあふれた庭園は紅葉がすでに始まっている。美術館から外を見ると、すでに葉が色づき始めている。隈研吾設計の建物や、自然豊かな庭園もまた根津美術館の至宝。展示室を出たあとも、たっぷりと根津美術館を散策して楽しみたい。取材・文:浦島茂世【開催情報】『根津美術館の国宝・重要文化財』11月14日(土)~12月20日(日)、根津美術館にて開催※会期中展示替えあり※日時指定予約制。詳細は公式HPを参照
2020年11月19日展覧会「テート美術館所蔵コンスタブル展」が、東京・丸の内の三菱一号館美術館にて開催。なお、2021年5月30日(日)までの会期を予定していたが、4月25日(日)からの臨時休館に伴い閉幕となる。イギリスの風景画家コンスタブルの大回顧展19世紀イギリスの画家ジョン・コンスタブルは、1歳年長のJ. M. W. ターナーとともに自国の風景画を刷新したことで知られる。しかし彼らの制作は対照的で、ターナーが各地を旅して国内外の景観の膨大な素描を残したのに対し、コンスタブルは自らの生活や家庭環境に結びつく場所を描き続けたのだ。日本では35年ぶりの回顧展となる「テート美術館所蔵コンスタブル展」では、世界有数のコンスタブルのコレクションを誇る英国・テート美術館の作品を中心に、初期から晩年までの風景画や、ターナーといった同時代の画家の作品も展示。全85点の作品から、コンスタブルが達成した豊かな風景画の世界を紹介する。戸外での風景画制作1776年、イングランド東部のサフォーク州イースト・バーゴルトに生まれたコンスタブルは、ロンドンの美術学校ロイヤル・アカデミーに入学後、優位に置かれていた肖像画などを手掛けつつも、自分が愛着をもつ土地を描いていた。そして1802年、「自然が根源的にもつ本質を探る」ため、戸外での風景画制作を始めた。本展では、《フラットフォードの製粉所(航行可能な川の情景)》をはじめ、コンスタブルが身近な土地を描いた油彩画の数々を目にすることができる。風景表現の探求コンスタブルは1816年末に結婚し、家庭生活を維持するべく肖像画制作に励む一方、風景画にも注力。1819年にはロイヤル・アカデミーの准会員に選出され、評価を高めた。そして1820年代初頭には、ロンドンの北に位置するハムステッドの澄んだ空気のもとで家族と過ごし、1824年以降には結核を患う妻の療養のためにブライトンをたびたび訪れるようになる。会場では、ハムステッドで画家を魅了した雲の習作や、家族や友人と過ごした土地の風景を描いた作品を展示する。想像力を駆使した後期の作品も1828年に妻を亡くした数ヶ月後、コンスタブルは、ロイヤル・アカデミーの正会員に選出され、批評に縛られずに主題や技法を選ぶ自由を得た。以後、過去に描いてきたサフォークなどの風景に取り組み、後期には、画中のモティーフを自由に配置しなおすなど、想像力を駆使した作品を手掛けた。会場では、《虹が立つハムステッド・ヒース》など、壮大で「ピクチャレスク」な風景画を紹介する。ロイヤル・アカデミー展で発表された大作をターナーとともに展示さらに、コンスタブルの大作の1つ《ウォータールー橋の開通式(ホワイトホールの階段、1817年6月18日)》にも注目。同作は、ターナーの《ヘレヴーツリュイスから出航するユトレヒトシティ64号》とともに、1832年のロイヤル・アカデミー夏季展に出品された華やかな風景画だ。本展では、これら2作が日本では初めて並んで展示される。展覧会概要展覧会「テート美術館所蔵コンスタブル展」会期:2021年2月20日(土)~5月30日(日)※2021年4月25日(日)からの全館臨時休館に伴い閉幕会場:三菱一号館美術館住所:東京都千代田区丸の内2-6-2休館日:月曜日(祝日・振替休日の場合、およびトークフリーデーの2月22日(月)・3月29日(月)は開館)開館時間:10:00~18:00(祝日を除く金曜、および第二水曜日は21:00まで)※入館は閉館30分前まで※来館に際しての注意事項は、美術館公式サイトを参照※会館時間や会期などは変更となる場合あり■チケット情報入館料:・当日券 一般 1,900円、大学生・高校生 1,000円、中学生・小学生 無料・マジックアワーチケット(毎月第2水曜日17:00以降) 1,200円※マジックアワーチケットは、実施月の1日に「Webket」内にて販売開始※障碍者手帳の所持者は半額、付添1名は無料※価格はいずれも税込注意事項:・日時指定券を持っている場合、入場の際には優先的に案内・学生割引および障碍者手帳割引などで来館する場合、美術館のチケット窓口での販売※日時指定券の販売開始日は、順次美術館ウェブサイトにて告知※前売券の販売はなし【問い合わせ先】TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
2020年10月16日「博物館でアジアの旅 アジアのレジェンド」が、2020年9月8日(火)から10月11日(日)までの期間、東京国立博物館 東洋館で開催される。「博物館でアジアの旅」2020年は“レジェンド”がテーマ今回で7度目の開催となる「博物館でアジアの旅」。東洋の美術・工芸・考古遺物を展示する東京国立博物館の「東洋館」を舞台に、毎回テーマにちなんだ名品の数々を紹介する、東京国立博物館の毎年秋の恒例企画だ。2020年のテーマは“レジェンド”。元々“伝説”という意味を持ち、近年では“偉人”や“殿堂入り”を果たした人物を指す際にも用いられる“レジェンド”という言葉にまつわるアジア各地の美術作品を3つの観点から紹介していく。東洋館の中に散在する“レジェンド”にちなんだ作品を鑑賞しながら、アジアを旅しているかのような気分を味わえそうだ。レジェンドを表わしたもの1つ目のカテゴリー「レジェンドを表したもの」としては、神話上の英雄や古代都市国家の領主など伝説的存在に関する作品を展示。インド神話のクリシュナを描いた絵画、ギリシャ神話のヘーラクレースの像などを鑑賞できる。レジェンドが作ったもの2つ目のカテゴリー「レジェンドが作ったもの」としては、レジェンドと称えられる人物が創作した書跡作品が登場。中でも注目は、“書の巨匠”として後世に多大な影響を及ぼした、中国・唐時代の顔真卿による『顔氏家廟碑』。革新的な書人として現在まで伝わる彼の代表作であるこちらの作品は、9月22日(火・祝)までの展示となる。レジェンドが集めたものそして、「レジェンドが集めたもの」として、東京国立博物館が誇る東洋陶磁コレクションの中核を担う、建築家・横河民輔の寄贈品を多数紹介。中国・南宋時代の重要文化財『青磁輪花鉢』や朝鮮・朝鮮時代の『白磁壺』といった、東洋陶磁収集のレジェンドである横河が集めた貴重な美術品を見ることが出来る。【詳細】博物館でアジアの旅 アジアのレジェンド会期:2020年9月8日(火)~10月11日(日)時間:9:30~17:00(最終入館は閉館の30分前まで)会場:東京国立博物館 東洋館住所:東京都台東区上野公園13-9観覧料:一般 1,000円、大学生 500円休館日:月曜日、9月23日(水)※金・土曜日は21:00まで開館。※9月21日(月・祝)は開館。※入館は事前予約制。入館予約の詳細については東京国立博物館公式サイトを要確認。※高校生以下、および満18歳未満と満70歳以上、障がい者とその介護者1名は入館無料。要証明書。ただし、オンラインでの事前予約(日時指定券)が必要。※会期・開館日・開館時間・展示作品・展示期間などについては、今後の諸事情により変更する場合あり。最新の情報は、東京国立博物館公式ウェブサイトにて確認を推奨。公式ウェブサイトURL:【問い合わせ先】東京国立博物館TEL:03-5777-8600
2020年08月22日「アートアクアリウム美術館」が、2020年8月28日(金)、東京・日本橋にオープンします!常設の「アートアクアリウム美術館」誕生作家・総合プロデューサー木村英智が手掛ける「アートアクアリウム」は、金魚などが美しく舞い泳ぐ姿を展示する水族アートの展覧会。2020年で14年目を迎え、累計来場者数1,000万人を超える人気イベントです。文化庁開催の「日本博」で日本を代表する現代アートとして認定されおり、国内だけでなく海外からも注目を集めています。これまで夏の風物詩として期間限定開催されてきたが、今回は常設展となる「アートアクアリウム美術館」を2階建ての専用施設にオープン。従来の日本橋会場と比較すると約3倍の広さとなり、過去最大の大型展示となります。季節によって展示が変わる「生命の宿る美術館」コンセプトは「生命の宿る美術館」。年間を通して、美術館そのものが生きているかのような、四季折々の空間を演出。また、「五感で感じる」ことにこだわり、「命」「光」「音」「香」「味」の感覚を刺激する“訪れないと味わえない”空間をプロデュース。「アートアクアリウム美術館」の見どころ1.過去最大規模、30,000匹超の金魚を展示「アートアクアリウム美術館」には、「アートアクアリウム」史上最大の30,000匹を超える金魚が展示。縁日などで見かけるなじみ深い金魚から、普段なかなか目にすることができない貴重な金魚まで、様々な種類が一同に集結します。会場が大規模になり、金魚の数だけでなく展示できる作品数も増えたため、一度訪れたことがある人でも、新しく生まれ変わった「アートアクアリウム」の姿を楽しむことができます。2.四季で移り変わるダイナミックな演出「アートアクアリウム美術館」では、訪れるたびに体験が変化するようにと、四季折々で展示内容を変更。作品や空間に対する演出だけでなく、カフェエリアで提供する飲食にも趣向を凝らし、何度訪れても新しい発見が得られるような場を提案。3.五感をフル活用させる演出アートアクアリウムが当初から唱え続けている「五感で感じる」演出を、さらにバージョンアップ。日本の伝統文化と最先端のテクノロジーを駆使し、来場者の五感をフル活用させるような、これまでに無い体験を実現させます。注目の新作煌びやかな超大作「花魁道中」初登場となるのは、アートアクアリウムの代表作である“花魁”を組み合わせた超大作「花魁道中」。1エリアに、様々な光の演出を施した大小異なる大きさの“花魁”を設置することで、煌びやかな江戸の花街を象徴する、豪華絢爛な“花魁道中”を再現。花街の入口にあったとされる大門を蘇らせた新作「金魚大門」も設置。水柱が森のように立ち並ぶ「金魚の杜」等身大以上の水柱が森のように立ち並び、数多の金魚が舞い泳ぐ「金魚の杜」も新作。一歩足を踏み入れれば、水の中の世界と外の世界の境界線があいまいになり、浮遊感に包まれているかのような不思議な感覚を味わうことができます。宇宙の視点で鑑賞する“アースアクアリウム・ジャポニズム”水の惑星である地球を表現したアースアクアリウムは、これまでにない幻想的空間を楽しめる場に。錦鯉が可憐に舞い泳ぐ、宇宙から見た地球を日本の美の神秘で包み込まれます。人気作品も展示その他、三角柱のアクアリウム40個を合体させた大型作品「インフィニトリアム」や、地球をイメージした巨大球体水槽に錦鯉が乱舞する「アースアクアリウムジャポニズム」、水墨画の掛け軸の中を生きた金魚が舞い泳ぐ「床掛け金魚飾り」、”蓮”をモチーフとした荘厳なアクアリウム「ロータスリウム」といった人気作品を展示予定です。スポット情報スポット名:アートアクアリウム美術館(ART AQUARIUM MUSEUM)住所:東京都中央区日本橋本町1丁目3【チケット概要】■チケット料金(税込)一般入場券 2,300円 ※小学生以下無料VIP入場券(混雑時に並ばずに優先入場可能) 5,500円 ※小学生以下無料■オープン記念早割 優先入場券(税込)料金:早割入場券 2,000円、VIP入場券 3,500円、音声ガイド 500円購入方法:公式チケットサイトより申し込み公式チケットサイト:※2020年12月末まで有効※枚数限定のため、なくなり次第終了※小学生以下は要保護者同伴(大人1名につき小学生以下は2名まで無料入場可。3人目より通常料金が発生する。)※メンテナンスおよび特別イベントによる会場貸切により、不定期で休館する場合あり。詳細は公式サイトにて随時公開
2020年08月09日美術館「ヨックモックミュージアム」が2020年10月25日(日)、東京・南青山にオープンします。ヨックモック・コレクションが楽しめる都市型美術館ヨックモック青山本店にほど近い南青山6丁目に誕生する「ヨックモックミュージアム」は、菓子ブランドのヨックモックがコレクションするアート作品などを展示したコンパクトな都市型美術館。館長を務める藤縄利康が精選し、ヨックモックグループが30年以上かけて500点以上収集してきたピカソのコレクションを、様々な企画展を通して紹介。世界有数のピカソのセラミックコレクション同館が所蔵するヨックモック・コレクションは、ピカソのセラミック(陶器)作品を数多く包括的に収集した世界有数のコレクションの一つ。お椀や水差し、食器、大皿など、ピカソが晩年に熟練の職人たちと協働して創り出した、数多くのセラミック作品が含まれています。■ピカソとセラミックとりわけ画家としての側面が広く知られるピカソだが、平面の絵画のみならず立体的な彫刻の分野にも関心を寄せており、1937年の大作《ゲルニカ》で世界的な芸術家としての地位を確立した後、セラミック制作に初めて本格的に着手。フランス南部の小さな村、ヴァローリスのマドゥラ工房で陶芸の魅力に出会ったピカソは、1947年から1973年に死去するまで、工房を運営するラミエ夫妻と緊密に協力しながら、数千点にものぼる作品を制作。初めて扱う素材に苦心したピカソだったが、工房の技術と自身の大胆な発想によって独自の作品群を生み出しています。「ヨックモックミュージアム」独自のラーニングプログラムまた、芸術の心理的、精神的な効用にも着目するアートセラピーを応用した参加型のアートセッションや、企画展示に合わせた学芸員の解説や、若手アーティスト、研究者、有識者とのトークセッションなどで最先端のアート情報に触れるレクチャーシリーズなど、アートにまつわる独自のラーニングプログラムも用意しています。カフェも併設美術館の1階には、ピカソがセラミック制作に取り組んだ町の名前に因んで名付けられた「カフェ ヴァローリス」がオープン。ヨックモックグループ内のハイエンドパティスリーブランド「アン グラン」の菓子や、アートを短時間で楽しめるクラフトキットにドリンクと焼菓子がセットになったアート体験型のセットメニューなどが楽しめます。施設情報「ヨックモックミュージアム」オープン予定日:2020年10月25日(日)開館時間:10:00〜17:00 毎週金曜日は20:00まで※入館は閉館の30分前まで。住所:東京都港区南青山6丁目15-1 ヨックモックミュージアムチケット代:一般:1,200円、大学生・高校生・中学生:800円、小学生以下:無料※価格は全て税込。※障がい者手帳の所持者本人と介護者1名は無料。※大学生・高校生・中学生料金の適用には、学生証等の提示が必要。休館日:月曜日・年末年始・展示替期間※ただし月曜日が祝日の場合、翌火曜日。館内構成:・2階/地下階 展示室・1階 カフェ・グッズショップ・ライブラリー【問い合わせ先】TEL:03-3486-8000
2020年07月29日1976年に東京・新宿に開館した「東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館」が、新たに「SOMPO美術館」として7月10日(金)にオープンした。SOMPO美術館()
2020年07月10日東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館が移転・リニューアルし、SOMPO美術館として東京・新宿に開館。なお、当初2020年5月28日(木)の開館予定でしたが、未定となっております。1976年に開館し、アジアで唯一ゴッホの《ひまわり》を見ることができる美術館として親しまれてきた東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館。館内には、ゴッホのほか、ゴーギャンやセザンヌ、アメリカ素朴派画家グランマ・モーゼスの作品などを常設で展示しています。新たに誕生するSOMPO美術館では、西洋絵画や、所蔵する東郷青児などの作品と同時代の近代・現代の美術作品を紹介。オープン時には、常設展示としてゴッホの《ひまわり》を紹介するほか、開館記念展を2期に分けて開催。開館記念展I:珠玉のコレクション一いのちの輝き・つくる喜び“ 珠玉のコレクション一いのちの輝き・つくる喜び ”と題した「開館記念展I」では、見る人に非日常的な感性への気づきを促す約70点の作品を展示。中でも注目は、約10年振りの公開となる自然を愛した日本画の大家・山口華楊の初期の大作《葉桜》。絵画表面の古い腰を除去する洗浄作業など、作品の修復過程を紹介。また、 画面の表面に塗布されていた古いニスを除去する洗浄作業を行ったルノワールの《浴女》《帽子の娘》も公開します。開館記念展II:秘蔵の東郷青児-多才な画家の創作活動に迫る「開館記念展II」では、SOMPO美術館が収蔵する「東郷青児コレクション」の中から、東郷の代表的な絵画や彫刻などの作品約50点、関連作家の作品約50点、そして絵筆やイーゼル等の画材や出版印刷物など、未公開品を含む資料約100点を紹介。会場では、優美な女性を描いた東郷の絵画群「青児美人」の代表作が3年ぶりの大規模展示として公開。また、縦2メートルを超える油彩画の大作《リオ・デ・ジャネイロ》を、 大小の下絵、実物大の下絵を転写したキャンバスと並べて展示。その中から、変更や修正などの制作過程を間近で体感できます。【詳細】SOMPO美術館オープン日:未定※2020年5月28日(木)を予定していたが延期となりました。住所:東京都新宿区西新宿1丁目26-1階数:地上6階地下1階■開館記念展I、II期間:・開館記念展I 会期未定・開館記念展II 2020年7月18日(土)~9月4日(金)休館日:月曜日(8月10日(月)は開館、 7月6日(月)~7月17日(金)は展示替期間)料金:一般1,000円、大学生700円、高校生以下無料
2020年05月19日動画サービス「niconico」の番組で、日本全国の美術館や博物館、ギャラリーから生中継を行う「ニコニコ美術館」。現在は、新型コロナウイルスの影響で休館を余儀なくされている美術館・博物館の展示を積極的に紹介し、全国の美術ファンなどから人気を集めている。2月26日に文部科学省が国立美術館や博物館に対して休館などの対応を求めたことを受けて、全国の美術館・博物館の多くが臨時休館を決定。こうした事態にニコニコ美術館では、2月28日にネット上での展示を呼びかけた。臨時休館を決定した美術館・博物館を応援するべく、放送にかかる費用は運営会社の(株)ドワンゴが負担。陽の目を見ることのなくなってしまった展覧会の救済措置ともいえるこの提案に、現在までに約60件の問い合わせがあり、3月末までに7箇所の展覧会が配信されている。<これまでの休館中の美術館・博物館からの生放送>3月10日江戸東京博物館『江戸ものづくり列伝』3月12日三菱一号館美術館『画家が見たこども展』3月15日東洋陶磁美術館『竹工芸名品展』3月18日東京国立近代美術館『ピーター・ドイグ展』3月20日大宮盆栽美術館『春の花もの盆栽展』3月29日京都国立近代美術館『チェコ・デザイン100年の旅』3月30日東洋文庫ミュージアム『大清帝国展』5月1日すみだ北斎美術館『大江戸歳事記』※18:00より生中継
2020年05月01日いま気になる名美術館を、俳優・松下洸平さんとカメラマンの矢吹健巳さんと巡ります。今回は「東京都現代美術館」です。かっこいい空間でありながらポップな魅力もある建築。松下:この建築を設計した柳澤孝彦さんが大好きで、何度か来たことがあるんです。1年前にリニューアルしたばかりなんですね。矢吹:僕も、プライベートで一番よく訪れる美術館はここなんです。工藤(美術館広報):設備等を改修したのに加えて、館内外のサインをわかりやすくしました。当館は木場公園に面していて公園側からの出入り口も今回整備しました。その隣にあるオブジェは、英国の彫刻家アンソニー・カロの「発見の塔」(写真上)。時間帯によっては、松下さんのように登っていただくことも可能です。松下:思ったより高くて、上に立つと気持ちよかったです。工藤:中庭一面に広がる象徴的な壁ですが(写真下)、開館当時は人が近づくと音や光が反応する仕掛けがあったと聞いています。おすすめなのは、中庭の階段から下りたところにある「水と石のプロムナード」。知る人ぞ知るスペースなんです。公園からもアプローチできて、ここで読書している人もいますよ。松下:綺麗な空間に光がさしこんで、素敵ですね。なんだかずっといたくなるなぁ。矢吹:エントランスのベンチにずっと座っているだけでもいいし、ミュージアムショップで写真集を見たりするのもいいですよね。松下:天井が高くてかっこいい空間だから、圧倒されそうにもなるけれど、実際中に入ってみるとポップ。かわいらしさもありますね。矢吹:今回撮影した中庭は、今日はお一人で立ってもらいましたけれど、あそこに人が大勢いたとしてもすごく美しい景色になる。そういう空間って、いるだけでワクワクするし、創作意欲が湧く。今日はかっこいい人がいて、かっこいい空間があったらこう撮るしかないという素直な感覚に従って、撮影してみました。東京都現代美術館東京都美術館の戦後美術のコレクションを引き継ぎ、1995年に開館。改修のため3年の休館を経て2019年春リニューアル・オープン。国内外の現代美術、図書資料を体系的に収集する。「オラファー・エリアソンときに川は橋となる」ほか、展覧会を開催中。東京都江東区三好4-1-1まつした・こうへい1987年生まれ。東京都出身。高校時代は油絵を専攻。連続テレビ小説『スカーレット』の十代田八郎役で注目を集める。5月22日公開映画『燃えよ剣』に出演。4月、5月には3年ぶりにライブを開催。やぶき・たけみ1982年生まれ。福島県出身。日本大学藝術学部写真学科卒業。ファッション、広告の分野で活躍。写真集『gengetsu』(2015)は、面識のない50人の人物を30分のフォトセッションで撮り下ろした作品。※『anan』2020年4月15日号より。写真・矢吹健巳スタイリスト・渡邉圭祐ヘア&メイク・五十嵐将寿取材、文・松本あかね(by anan編集部)
2020年04月10日レオナール(LEONARD) 2020年秋冬コレクションが、2020年2月27日(木)フランス・パリで発表された。東洋の美を追求ブランドらしい鮮やかな色彩と、美しい花々で彩られた今季のコレクションは、エレガントなドレススタイルはもちろん、オリエンタルなムードを強く反映させたワードローブが登場。艶やかなシルクスクリーンを贅沢に用いながら、伝統的な東洋の要素をドレッシーに解釈したレディ トゥ ウェアが展開される。日本へのオマージュを捧げてまず目を惹いたのは日本の伝統的衣装=着物へのオマージュを捧げたアウター。打掛のような艶やかな表情を持つロング丈のダウンコートをはじめ、着物そのもののディテールやシルエットをリアルに踏襲したキモノローブも登場。ロングスリーブのダウンジャケットをインサートすることで、中に重ねた着物の袖丈が覗いているかのようなフレッシュな着こなしを提案している。“サムライルック”を現代に再解釈オリエンタルなオレンジ色のグラフィックが目を惹くノーカラーのアウターは、小袖の上に重ねるサムライの“羽織”を連想させるデザイン。かつての日本男児の正装は、細やかなプリーツをあしらった同柄のスカートに、ポインテッド トゥのパンプスを合わせることで、フェミニンなムードへと引き寄せている。チャイナドレスを起源に東洋の要素は、国境を越えて中国を起源に持つものも。チャイナドレス特有の斜めの前合わせや、大胆なスリットを配したオリエンタル柄のドレスは、キルティング仕立ての半袖ジャケットをレイヤードすることで、モダンな印象へとアップデートさせた。花々のグラフィックアイコニックな蘭の花をはじめ、儚げなアサガオ、みずみずしい紫陽花と、あらゆる花々で満ち溢れたグラフィックの着こなしも印象的。異なる花同士をドッキングさせた柄×柄のスタイリングや、エッジィなレオパード柄と組み合わせるフレッシュな着こなしも見て取れた。中でも印象的だったのは、欄や紫陽花の咲くシックな絵柄のボディスーツに、PVCのフード付きプルオーバーを組み合わせたルック。PVCの半透明の水色を通すことで、従来よりもみずみずしさを増した花々が映し出される、ブランドならではのエレガントな表情を生み出していた。
2020年03月02日東洋医学の知恵でカラダと心をセルフケア!NHK総合で放送されたテレビ番組「東洋医学 ホントのチカラ」の書籍『東洋医学でカラダと心をセルフケア!』が2月6日に発売された。A4判で価格は1,000円(税別)。主婦と生活社から生活シリーズとして発売中である。ほうれい線や顔のたるみにもツボ押し長い歴史の中で培われてきた東洋医学ではあるが、伝統医学であるため、これまでわからなかった点が多かった。しかし、近年、東洋医学の効果やメカニズムなどが科学的に解明されつつあり、東洋のみならず、欧米などでも研究が進み、日本でも西洋医学とともに東洋医学を取り入れている医療機関もある。テレビ番組「東洋医学 ホントのチカラ」では、その理論と効果についてデータを交えて専門家が出演して解説。多くの反響が寄せられたが、新刊『東洋医学でカラダと心をセルフケア!』では、それら専門家協力のもと、東洋医学の中でも特にセルフケアを中心に紹介している。タイプ別の冷え症や頻尿などに効果が期待できるツボ押し術や、アーユルヴェーダの「舌掃除」。また、ほうれい線のシワ、たるみ、目のまわりのむくみ、更年期トラブル、便秘、腰痛、肩こり、緊張型頭痛、うつ、ストレス対策のツボ押しが紹介され、免疫力アップのお灸、脳活性化の簡単ヨガなども紹介している。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※東洋医学でカラダと心をセルフケア! - 主婦と生活社
2020年02月16日ブリヂストン美術館を前身とする新美術館「アーティゾン美術館」が1月18日に開館。開館記念展として「見えてくる光景コレクションの現在地」が3月31日(火)まで開催されている。株式会社ブリヂストンの創業者、石橋正二郎が収集した美術品を展示するため、1952年に開館したブリヂストン美術館。2015年から建て替えのため約5年間の休館を経て、この度「アーティゾン美術館」という新たな館名でリニューアルオープンした。新美術館は、23階建ての高層ビル「ミュージアムタワー京橋」の低層階3フロアを展示室とし、その展示面積は旧ブリヂストン美術館の約2倍に。最新の照明や空調設備を備え、快適で明るく開放的な空間が広がる。アーティゾン美術館1階部分の吹き抜け開館に先駆けて行われたプレス内覧会では、館長の石橋寛氏が登壇。新美術館では「創造の体感」をコンセプトに、単に観賞の場を提供するだけでなく、見る、感じる、知ることにより作品の創造性を体感し、そのインスピレーションが新たな時代を切り拓くきっかけとなることを目指すという。アーティゾン美術館石橋寛館長同館では、利用者がより快適に「創造の体感」を味わえるような工夫が随所に施されている。例えば、チケットは日時指定予約制を導入。入館までの待ち時間の短縮や館内での混雑緩和が期待できるほか、一部の作品を除き作品の写真撮影もOK。美術館の情報を閲覧できるインフォルームやレクチャールームが併設され、鑑賞後に湧き出る探究心も満たしてくれる。そして今回、開館記念展として開催されているのが『見えてくる光景コレクションの現在地』だ。約2,800点の石橋財団コレクションの中から、選りすぐりの206点を紹介。第1部「アートをひろげる」で近現代美術を一望し、第2部「アートをさぐる」で古今東西の美術を7つのテーマで掘り下げていく。第1部「アートをひろげる」会場エドゥアール・マネ《自画像》1878〜79年ほか第1部「アートをひろげる」メアリー・カサット《日光浴(浴後)》1901年ほか第1部「アートをひろげる」ピエール=オーギュスト・ルノワール《すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢》1876年ほか第1部では、1870年代のマネの作品から2000年代のスーラージュまで、約140年間の東西の名品が並ぶ。印象派、ポスト印象派、象徴派、ナビ派、フォーヴィズム、キュビズム、抽象美術、ダダイズム、シュルレアリスム、抽象表現主義と、次々に展開したヨーロッパ美術の系譜を、ルノワール、セザンヌ、カサット、青木繁から、ピカソ、ブラック、カンディンスキー、マーク・ロスコ、猪熊弦一郎、草間彌生まで、石橋コレクションが誇る数々の名作で辿ることができる。第1部「アートをひろげる」左:青木繁《海の幸》1904年中央:ポール・セザンヌ《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》1904〜06年頃右:オーギュスト・ロダン《立てるフォーネス》1884年頃第1部「アートをひろげる」ヴァシリー・カンディンスキー《自らが輝く》1924年ほか展示がスタートする6階はフロア全体に柱がなく、それぞれの作品はゆるやかに空間を仕切る可動式の壁に展示されている。アーティゾン美術館の教育普及部長である貝塚健氏によると、その壁を利用することで、作品同士の響き合いを感じとってほしいと言う。「ある地点から見ると、セザンヌによる山の絵と、青木繁の《海の幸》を同時に眺めることができる。場所は違えど同時代に活躍したふたりの、異なる個性がぶつかり合う様を楽しんでほしいと思います」(教育普及部長貝塚健氏)また、注目したいのが休館中に新収蔵された作品。モリゾ、カサット、ボッチョーニ、カンディンスキー、ジャコメッティ、松本竣介など31点が今回初めてのお披露目となる。続く第2部「アートをさぐる」では、「装飾」「古典」「原始」「異界」「聖俗」「記録」「幸福」という7つの視点からアートを掘り下げていく。5階では、人が身の回りを飾りたいという欲望から生まれた「装飾」のアートに始まり、多様な造形を整理しスタンダードを確立した「古典」、人間の欲望や欲求の源となる「原始」、ふとした時に立ち現れる「異界」をテーマに持つ作品を紹介していく。第2部「アートをさぐる・装飾」イランテペ・シアルク《幾何文台付鉢》紀元前4千年紀ほか第2部「アートをさぐる・古典」小杉未醒(放庵、放菴)《山幸彦》1929年第2部「アートをさぐる・異界」古賀春江《素朴な月夜》1929年ほか続く4階フロアでは、聖なるものと俗なるものを併せ持つ「聖俗」、自画像や街の風景を描きとめた「記録」、そして、人と人との出会いによって生まれるアートの「幸福」をテーマに展示は締めくくられる。第2部「アートをさぐる・聖俗」《洛中洛外図屏風》江戸時代・17世紀第2部「アートをさぐる・記録」小出楢重《帽子をかぶった自画像》1924年ほか第2部「アートをさぐる・幸福」青木茂《わだつみのいろこの宮》1907年ほか今後のアーティゾン美術館では、鴻池朋子が石橋財団コレクションと“共演”するインスタレーションを発表するほか、ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館展示帰国展など、現代美術の紹介も積極的に行なっていく予定。この先どんな「創造の体感」をさせてくれるのか。新しいアートの発信拠点として、これからも目が離せない。【開催情報】『開館記念展「見えてくる光景コレクションの現在地」』
2020年01月23日東京国立近代美術館では、桜をはじめ“花”を描いた作品の特集展示などを楽しめる「美術館の春まつり」を開催。尚、東京国立近代美術館が当面の間臨時休館を行うため、開幕時期は未定。見どころは、所蔵作品展「MOMAT コレクション」の1室に集結する“花”の作品の数々。桜を描いた重要文化財・川合玉堂《行く春》を年に一度だけこの期間に公開するともに、奈良吉野の桜が咲き広がる菊池芳文《小雨ふる吉野》、しだれ桜をはじめ40種類を超える桜を描いた跡見玉枝《桜花図巻》、船田玉樹《花の夕》など、花を描いた8点を展示する。ほかにも「MOMAT コレクション」には、菱田春草などの日本画、安井曽太郎などの洋画、ポール・セザンヌやパウル・クレーなどの海外作品が並ぶ。3フロアにわたる約200点の作品から、花を描いた作品を探しつつ鑑賞するのも良いだろう。また、美術館前庭には床几台によるお休み処を用意。皇居・千鳥ヶ淵を彩る桜散策とともに、お花見弁当や甘酒しるこ、スパークリングワインなどを楽しめる。なお同期間には、企画展「ピーター・ドイグ展」やコレクションによる小企画「北脇昇 一粒の種に宇宙を視る」も開催される。こちらもあわせて訪れてみては。【詳細】美術館の春まつり期間:2020年3月17日(火)〜4月5日(日)※東京都国立近代美術館が、当面の間臨時休館を行うため会期は未定。再開予定は公式ウェブサイト等で告知。場所:東京国立近代美術館住所:東京都千代田区北の丸公園3-1開館時間:10:00〜17:00(金・土は20:00まで) ※いずれも入館は閉館30分前まで休館日:月曜日(ただし春まつり期間中の3月30日は開館)■展覧会概要・所蔵作品展「MOMAT コレクション」会期:2020年2月11日(火・祝)〜6月14日(日) ※3月1日(日)、4月5日(日)、5月3日(日)、6月7日(日)は無料観覧日※東京都国立近代美術館は、2020年2月29日(土)~当面の間、臨時休館。再開予定は公式ウェブサイト等で告知。会場:東京国立近代美術館 4〜2F 所蔵品ギャラリー観覧料:一般 500円、大学生 250円 / 金曜・土曜の17:00〜 一般 300円、大学生 150円※高校生以下および18歳未満、65歳以上、障害者手帳の所持者とその付添者1名は無料※所蔵作品展入館当日に限り、コレクションによる小企画「北脇昇 一粒の種に宇宙を視る」も観覧可※花の作品の特集は4月12日(日)まで・企画展「ピーター・ドイグ展」会期:2020年2月26日(水)〜6月14日(日)会場:東京国立近代美術館 1F 企画展ギャラリー・コレクションによる小企画「北脇昇 一粒の種に宇宙を視る」会期:2月11日(火・祝)〜6月14日(日)会場:東京国立近代美術館 2F ギャラリー4【問い合わせ先】東京国立近代美術館TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2020年01月18日箱根・彫刻の森美術館は、箱根の山々を眺める広大な庭園に、近・現代を代表する彫刻家の名品約120点が点在する野外美術館。四季折々の豊かな自然とともにダイナミックな彫刻を楽しめるのが一番の魅力だろう。そんな彫刻の森美術館でクリスマス時期に開催されるのが、ライトアップにより彫刻が鮮やかに浮かび上がる『箱根ナイトミュージアム』だ。3回目となる今年はライトアップのエリアを拡大。さらに今回初めて、ステンドグラスの塔《幸せをよぶシンフォニー彫刻》がライトアップされる。ライトアップを手がけたのは、光のアーティストとして知られる高橋匡太。広大なエリアの中で3つの場面転換を設定し、彫刻たちを登場人物に見立てたドラマチックな第1部から、暗闇の中で彫刻たちが静かに佇む第2部へ、そして音と光楽のコラボレーションにより塔がシンボリックに浮かび上がる第3部のフィナーレを演出する。彫刻の森美術館()
2019年12月05日「ストラスブール美術館展 印象派からモダンアートへの眺望」が、兵庫・姫路市立美術館 企画展示室にて2019年11月12日(火)から2020年1月26日(日)まで開催される。フランス最大規模のコレクションを誇るストラスブール近現代美術館フランス北東部アルザス地域圏の中心都市ストラスブールは、ドイツ国境に近く、仏・独の文化が融合した独自の文化が発展してきた地域。その街並みはユネスコの世界遺産に認定されている。ストラスブール近現代美術館はフランスでも最大規模のコレクションを誇り、約18,000点の近現代美術作品を所蔵。「ストラスブール美術館展 印象派からモダンアートへの眺望」では、その中から絵画作品を中心に近現代の名品約100点を紹介する。モネやシスレーなど印象派からピカソのキュビスムまで会場には、モネ、シスレーといった印象派の画家が描いた風景画から、20世紀のモダンアートを代表するピカソのキュビスム、カンディンスキーの抽象絵画、マルグリットのシュルレアリスムまで、印象派から現代美術に至るまでの潮流を感じられる多彩な作品が集結。さらに、アルザス出身でダダイストとして名を馳せたジャン・アルプやマルセル・カーン、アルザスの写実主義の画家たちなど、ストラスブールゆかりの画家の作品も展示される。姫路市立美術館所蔵のルノワールやマティスもまた、姫路市立美術館では、國富奎三コレクション寄贈25周年を記念し、印象派の巨匠・ルノワールの《母性》や、モダンアートの旗手・マティスの連作版画本『ジャズ』の全点を公開するコーナーを特別に設置。関西で唯一の開催会場となる、姫路市立美術館ならではのラインナップを楽しめる。【詳細】ストラスブール美術館展 印象派からモダンアートへの眺望会期:2019年11月12日(火)~2020年1月26日(日) ※年末年始も月曜日以外は休まず開館開館時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)休館日:月曜日(ただし1月13日は開館)、1月14日(火)※年末年始も月曜日以外は休まず開館。会場:姫路市立美術館 企画展示室住所:兵庫県姫路市本町 68-25TEL:079-222-2288料金:一般 1,200(900)円、大学・高校生 600(400)円、中・小学生 200(100)円※( )内は20名以上の団体・前売料金※未就学児は無料※インターネット割引:それぞれの料金から100円引き(11月12日より割引券を姫路市立美術館公式ホームページに掲載)■前売券 ※販売期間 ~2019年11月11日(水)取扱い場所:姫路市立美術館友の会、兵庫県立歴史博物館、中井三成堂※前売券および当日券は、会場窓口以外ではABC ぴあ、チケットぴあ(P コード 769-951 0570-02-9999)、ローソンチケット(L コード 52732 0570-084-005)、CN プレイガイド(0570-08-9999)、イープラス、セブンチケット、阪神プレイガイド梅田店
2019年11月03日東京都庭園美術館では『アジアのイメージ:日本美術の「東洋憧憬」』が、2020年1月13日(月・祝)まで開催されている。1910年〜60年頃、日本の知識人、美術愛好家、美術作家たちがアジアの古典美術に憧れた時期があった。朝鮮半島や中国では鉄道敷設、革命、発掘調査などによって、大量の古美術品が出土。日本に流入したそれらのアジア古美術を初めて目にした芸術家たちは、その「新しい」古美術の力強さや美しさに魅了されたという。同展は、こうした背景のもとに生み出された工芸品や絵画と、その発想の源となった古美術品など約100点を、3章構成で紹介する。第1章「アジアへの再帰」では、絵画に現れたアジアのイメージに注目。杉山寧による雲岡石窟の優しく微笑む石仏画や、安井曾太郎などによるチャイナドレスをまとった婦人画をはじめ、岸田劉生、前田青邨、バーナード・リーチによる静物画が並ぶ。第2章「古典復興」では、アジア古美術に影響を受けた工芸品を取り上げる。古代中国の青銅器である鳥型祭器からインスパイアされた香取秀眞の《鳩香炉》、李朝の白磁に描かれた即興性ある絵柄に心打たれた河井寛次郎、唐三彩において自然に流れ落ちる釉薬の美しさに魅了された石黒宗麿の陶芸など、古美術がもっている即興性や自然性をあえて意識的につくりだすことで完成させた作品が紹介される。こうしたアジアの憧憬は、1960年代ごろに表舞台からフェードアウトしたというが、今を生きるアーティストたちにアジアはどのように映るのだろうか。展覧会の最後を飾る第3章「幻想のアジア」では、3名の現代作家がアジアのイメージを表現。古代青銅器の地紋から着想を得て伝説上の霊獣を描いた岡村桂三郎の絵画作品、アジアを大きく意識した田中信行による漆芸のオブジェ、70年代の日米繊維交渉をテーマにした山縣良和によるデザインを発表する。作家たちによるアジアへの憧れと尊敬、そして新たな創造力を、多様な作品から感じとってほしい。【開催情報】『アジアのイメージ:日本美術の「東洋憧憬」』2020年1月13日(月・祝)まで東京都庭園美術館にて開催【関連リンク】 東京都庭園美術館()《染付魚藻文壺》 元時代14世紀東京国立博物館所蔵Image:TNM Image Archives《白釉鉄絵束蓮文瓶》 金時代東京国立博物館所蔵Image:TNM Image Archives《鴟鴞尊》 商後期泉屋博古館所蔵※会期後半(12月12日)より展示香取秀眞《鳩香炉》 1949年千葉県立美術館所蔵飯塚琅玕齋《花籃》 1936年頃 斎藤正光氏所蔵 (c)T.MINAMOTO安井曾太郎《金蓉》 1934年 東京国立近代美術館所蔵
2019年10月25日横浜美術館開館30周年を記念して、オランジュリー美術館所蔵品による『オランジュリー美術館コレクションルノワールとパリに恋した12人の画家たち』 が開幕。2020年1月13日(月・祝)まで開催されている。フランス・パリのセーヌ川岸に建つオランジュリー美術館。その印象派とエコール・ド・パリの作品群は、ヨーロッパ屈指のコレクションのひとつに数えられる。そんなオランジュリー美術館が所蔵する146点の絵画群のうち、ルノワールの傑作《ピアノを弾く少女たち》をはじめ、セザンヌ、マティス、ピカソ、モディリアーニなど、13人の画家による約70点が来日。コレクションに秘められた物語とともに、世界中の人々に愛され続ける名品の数々がお目見えする。19世紀後半、急速に近代化が進んだパリでは、それまでの伝統的なアカデミスム絵画に対抗し、光の一瞬の美しさを素早い筆致で捉えようと試みた印象派が誕生。20世紀に入ると、若い画家たちはさらなる革新性を求め、フォービスムやキュビズムなどの動きが生まれ、さらに、第一次世界大戦後には多くの外国人芸術家が集まり、哀愁を帯びたパリの街並みやそこで生きる人々の姿を個性豊かな表現で描き、エコール・ド・パリと呼ばれた。同展では、そんなフランス近代美術が最も輝いていた時代のパリに生きた13人の画家たちーーシスレー、モネ、ルノワール、セザンヌ、ルソー、マティス、ピカソ、モディリアーニ、ヴァン・ドンゲン、ドラン、ローランサン、ユトリロ、スーティンに焦点を当てる。さらに、これらのコレクションの基礎を築いた画商、ポール・ギヨームについての資料も展示。新しい画家を発掘し、援助し、作品を収集し、美術館で多くの人に享受されることを目指した希代のコレクターの、美術館設立への夢や、画家たちとの友情の物語にも注目する。オランジュリー美術館の所蔵作品のほとんどは常設展示されていて、館外にまとめて貸し出されることは極めて稀だという。日本では21年ぶりとなる珠玉のコレクションを、見逃すわけにはいかない。【開催情報】『オランジュリー美術館コレクションルノワールとパリに恋した12人の画家たち』2020年1月13日(月・祝)まで横浜美術館にて開催【関連リンク】ルノワールとパリに恋した12人の画家たち( )アルフレッド・シスレー《モンビュイソンからルヴシエンヌへの道》1875年クロード・モネ《アルジャントゥイユ》1875年ポール・セザンヌ《りんごとビスケット》1879-80年頃アンリ・ルソー《婚礼》1905年頃アメデオ・モディリアーニ《アントニア》1915年頃キース・ヴァン・ドンゲン《ポール・ギヨームの肖像》1930年頃アンドレ・ドラン《アルルカンとピエロ》1924年頃マリー・ローランサン《マドモアゼル・シャネルの肖像》1923年モーリス・ユトリロ《サン=ピエール教会》1914年
2019年09月26日展覧会「アジアのイメージ 日本美術の『東洋憧憬』」が、東京都庭園美術館にて2019年10月12日(土)から2020年1月13日(月・祝)まで開催される。日本の芸術家たちの憧れとなった「アジアの古美術」展覧会「アジアのイメージ 日本美術の『東洋憧憬』」では、アジアの古典美術に焦点を当てる。20世紀に大量に出土し、日本に流入してきたアジアの古美術の力強さや美しさは、戦前・戦後の日本の芸術家たちに影響を与え、新たな美意識を呼び起こした。会場には、古美術品と、そこから着想を得た1910年代から1960年代までの工芸品や絵画が集結。さらに、現代作家が本展のために制作した新作も登場。約100点に上る作品を通じて、戦前・戦後当時の日本の作家たちによるアジアへの憧れと尊敬、新たな創作のエネルギーを感じ取れる内容となっている。チャイナドレスやアルカイックスマイルの仏像「チャイナドレス」は、近代中国が西洋のドレスと「西洋が求める中国イメージ」を合体させて作った服飾文化。西洋が自らに求めるイメージを逆手にとった中国の発想を理解した上で、日本の画家はチャイナドレスをまとった女性を描いた。西洋とアジア、アジアと日本の関係性が見て取れる。また、杉山寧が中国を訪れて描いた、優しく微笑む「アルカイック・スマイル」の仏像にも注目だ。古代中国の青銅器から着想を得た陶器など古代中国の青銅器である、鳥型祭器からインスパイアされた香取秀眞の《鳩香炉》 は、翼の渦巻き模様やふっくらした胸が古代の鳥を思わせる一方、愛嬌ある表情とつややかな質感、大きな足が、ユニークかつ現代的な魅力を放つ。その他、河井寛次郎や石黒宗麿といった作家が、古美術の即興性や自然性に影響を受けて制作した陶器作品が登場する。山縣良和のインスタレーションなど現代作家も現代作家が表現する「アジアのイメージ」も紹介。リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)のデザイナー、山縣良和は、70年代の西洋とアジアの経済的対立構造を思わせる、「日米繊維交渉」をテーマにしたインスタレーションを展開する。その他、画家の岡村桂三郎が、古代青銅器の地紋から着想を得て描いた伝説上の霊獣の絵画や、漆芸家の田中信行が、アジアからの文脈を踏まえて制作した漆のオブジェなども展示される。【詳細】アジアのイメージ 日本美術の「東洋憧憬」会期:2019年10月12日(土)〜2020年1月13日(月・祝)開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)※11月22日(金)、23日(土・祝)、29日(金)、30日(土)、12月6日(金)、7日(土)は夜間開館のため20:00まで(入館は19:30まで)休館日:毎月第2・第4水曜日、年末年始(12月28日〜1月4日)会場:東京都庭園美術館 本館・新館ギャラリー1、2住所:東京都港区白金台5-21-9入館料:一般 1,000(800)円、大学生(専修・各種専門学校含む) 800(640)円、中学生・高校生および65歳以上 500(400)円※( )内は前売りおよび20名以上の団体料金※小学生以下および都内在住在学の中学生は無料※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳持参者とその介護者1名は無料(手帳の提示が必要)※教育活動として教師の引率する都内の小・中・高校生および教師は無料(事前の申請が必要)※毎月第3水曜日(シルバーデー)は65歳以上は無料※前売券はイープラス、もしくはファミリーマートのファミポート端末にて発売■ギャラリートーク ※当日有効の本展チケットが必要「幻想のアジア:自作を語る」会場:東京都庭園美術館 新館展示室内日時:2019年11月22日(金) 18:30 岡村桂三郎(画家)2019年11月29日(金) 18:30 山縣良和(デザイナー)2019年12月6日(金) 18:30 田中信行(漆芸家)※参加料は無料。※詳細については、公式ウェブサイト等に記載。
2019年09月23日高野山金剛峯寺 襖絵完成記念「千住博展」が、2019年9月14日(土)から11月4日(月・振休)まで、神戸ゆかりの美術館、神戸ファッション美術館で同時開催される。高野山金剛峯寺 襖絵完成記念「千住博展」は、千住博が手掛けてきたこれまでの主要作品や初期作品など約30点を一堂に集めた展覧会。神戸ゆかりの美術館、神戸ファッション美術館による初の合同展となる。展示のメインとなるのは、世界遺産・高野山金剛峯寺の依頼を受けて、千住博が描き上げた新作の障壁画「断崖図」と「瀧図」。奉納に先駆けて公開される「断崖図」と「瀧図」は、2作品を合わせると襖約40面、総延長は40メートル以上にも及ぶ大作だ。千住博自身も、画業40余年の集大成と位置付けている。また、ブラックライトの光によって表情を変える「龍神Ⅰ・Ⅱ」など、ユニークな演出を加えた作品にも注目したい。高野山金剛峯寺 襖絵完成記念「千住博展」の開催を記念したプレイベントとして、ヒロコ コシノ(HIROKO KOSHINO)のデザイナーであり、神戸ファッション美術館名誉館長でもあるコシノヒロコと、千住博による対談イベントを、9月13日(金)に実施。対談終了後は、開幕に先駆けて展示を観賞することもできる。【詳細】高野山金剛峯寺 襖絵完成記念「千住博展」会期:2019年9月14日(土)~11月4日(月・振休)開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)休館日:月曜日(ただし9月16日、9月23日、10月14日、11月4日は開館)、9月17日(火)、9月24日(火)、10月15日(火)会場:・第1会場 神戸ゆかりの美術館・第2会場 神戸ファッション美術館住所:いずれも神戸市東灘区向洋町中2-9-1入館料:第1会場、第2会場の共通券一般1,300円(1,100円)、大学生650円(500円)、高校生以下無料※( )内は20名以上の団体料金 ※65歳以上の方は当日一般料金の半額※小磯記念美術館の当日入館券(半券)を持参者は割引を受けられる。■イベント(事前申し込みが必要)1.千住博氏×コシノヒロコ氏 スペシャル対談(開幕プレイベント)日時:9月13日(金)14:00~15:30会場:神戸ファッション美術館 オルビスホール(建物5階)定員:250人参加料:2000円2.千住博氏スペシャルトーク日時:9月14日(土)14:00~15:30会場:神戸ファッション美術館 オルビスホール(建物5階)定員:250人参加料:無料 ※展覧会入館券(入館済半券も可)が必要申込方法:1.イベント名 2.参加者全員の名前(ふりがな) 3.年齢 4.住所 5.電話番号 を記入し、往復はがき、または神戸ファッション美術館メールアドレスに送付宛先:〒658-0032 神戸市東灘区向洋町中2-9-1 神戸ファッション美術館メールアドレス:workshop@fashionmuseum.or.jp申込締切:先着順。定員に達し次第、締め切り。【問い合わせ先】神戸ゆかりの美術館TEL:078-858-1520神戸ファッション美術館TEL:078-858-0050
2019年09月13日東京都美術館にて開催中の『コートールド美術館展魅惑の印象派』では、イギリス・ロンドンにあるコートールド美術館のコレクションを中心に、印象派・ポスト印象派の絵画・彫刻約60点を紹介。12月15日(日)まで開催されている。ロンドンの中心部を流れるテムズ川のほとり、サマセット・ハウスの一角にあるコートールド美術館は、イギリスが世界に誇る印象派・ポスト印象派の殿堂だ。フランスで花開いた印象派・ポスト印象派の作品に魅了された実業家のサミュエル・コートールドが、母国イギリスの人々にその魅力を紹介するために収集したコレクションを中核として1932年に設立。マネ、ルノワール、ドガ、セザンヌ、ゴーガンら、巨匠たちの傑作がずらりと並ぶ。コートールド美術館展魅惑の印象派()クロード・モネ《アンティーブ》 1888年 コートールド美術館 (c)Courtauld Gallery(The Samuel Courtauld Trust)ポール・セザンヌ《大きな松のあるサント=ビクトワール山》 1887年頃 コートールド美術館 (c)Courtauld Gallery(The Samuel Courtauld Trust)エドゥアール・マネ《草上の昼食》 1863年コートールド美術館 (c)Courtauld Gallery(The Samuel Courtauld Trust)右:アメデオ・モディリアーニ《裸婦》 1916年頃 コートールド美術館 (c)Courtauld Gallery(The Samuel Courtauld Trust)中央:オーギュスト・ロダン《ムーヴマンA(拡大策)》 1911年頃 コートールド美術館 (c)Courtauld Gallery(The Samuel Courtauld Trust)
2019年09月10日アキコアオキ(AKIKOAOKI)の2020年春夏コレクションが、2019年8月30日(金)に発表された。現代のユニフォーム×東洋の民族衣装今シーズン、デザイナーの青木明子が取り組んだのは、以前から服作りのベースとしていた“ユニフォーム”に、東洋の民族衣装の要素を加えるというアプローチ。現代社会を生きる人々ならば誰でもそのシルエットが思い浮かぶテーラードジャケットやYシャツといった“ユニフォーム”を、それとはかけ離れた存在である東洋の民族衣装と掛け合わせることにより再構築した。一枚の布から生み出されるシルエットを意識コレクションのベースとなったのは、グレンチェックのテーラードジャケットや、ピンストライプのシャツなどマスキュリンな“ユニフォーム”たち。そこに、東洋の民族衣装から着想を得て、一枚の正方形の布から生み出されるドレープやボリューム感を意識したディテールを落とし込み、フェミニンなピースに仕上げている。例えばブラックのシャツは、歩くたびに空気を含み、裾が美しく揺れ動くドレスに姿を変えている。グレンチェックのテーラードジャケットも、ボリューミーなドレープを取り入れたオールインワンに再構築された。青木が今まで意識してきた西洋の構築的な服作りから脱却し、一枚の布を身体に巻き付けて服を創り出すような東洋的なアプローチを試みたという。男性的な“ユニフォーム”にフェミニティをプラスまた、下半身に布をたっぷりと使いつつも、胸元やサイド、バックスタイルを大きく開けて肌を露出させることで、フェミニティをプラス。ウエストにリボンやテープを結んだり、コルセット風のベルトを配したりと、青木が得意とするディテールを取り入れることで、男性的な“ユニフォーム”を女性的なシルエットへと昇華する手法も見て取れた。フューチャーリスティックな演出披露の舞台となったのは、宇宙を意識したフューチャーリスティックな空間。強いライトが差し込む真っ白なフロアに、鏡面を配した柱状のモニュメントが立ち並んでいた。またRMK(アールエムケー)とのコラボレーションによるメイクアップも、ブルーのアイシャドウやホワイトのアイラインを駆使した未来的な仕上がり。フューチャーリスティックな演出で、民族衣装をコンセプトとしたコレクションピースを引き立たせた。
2019年09月02日東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館が移転・リニューアルし、SOMPO美術館として東京・新宿に開館。なお、当初2020年5月28日(木)の開館を予定していたが、未定となった。1976年に開館し、アジアで唯一ゴッホの《ひまわり》を見ることができる美術館として親しまれてきた東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館。館内には、ゴッホのほか、ゴーギャンやセザンヌ、アメリカ素朴派画家グランマ・モーゼスの作品などを常設で展示している。新たに誕生するSOMPO美術館では、西洋絵画や、所蔵する東郷青児などの作品と同時代の近代・現代の美術作品を紹介。オープン時には、常設展示としてゴッホの《ひまわり》を紹介するほか、開館記念展を2期に分けて開催する。開館記念展I:珠玉のコレクション一いのちの輝き・つくる喜び“ 珠玉のコレクション一いのちの輝き・つくる喜び ”と題した「開館記念展I」では、見る人に非日常的な感性への気づきを促す約70点の作品を展示する。中でも注目は、約10年振りの公開となる自然を愛した日本画の大家・山口華楊の初期の大作《葉桜》。絵画表面の古い腰を除去する洗浄作業など、作品の修復過程を紹介する。また、 画面の表面に塗布されていた古いニスを除去する洗浄作業を行ったルノワールの《浴女》《帽子の娘》も公開する。開館記念展II:秘蔵の東郷青児-多才な画家の創作活動に迫る「開館記念展II」では、SOMPO美術館が収蔵する「東郷青児コレクション」の中から、東郷の代表的な絵画や彫刻などの作品約50点、関連作家の作品約50点、そして絵筆やイーゼル等の画材や出版印刷物など、未公開品を含む資料約100点を紹介する。会場では、優美な女性を描いた東郷の絵画群「青児美人」の代表作が3年ぶりの大規模展示として公開。また、縦2メートルを超える油彩画の大作《リオ・デ・ジャネイロ》を、 大小の下絵、実物大の下絵を転写したキャンバスと並べて展示。その中から、変更や修正などの制作過程を間近で体感できる。【詳細】SOMPO美術館オープン日:未定※2020年5月28日(木)を予定していたが延期となった。住所:東京都新宿区西新宿1丁目26-1階数:地上6階地下1階■開館記念展I、II期間:・開館記念展I 会期未定・開館記念展II 2020年7月18日(土)~9月4日(金)休館日:月曜日(8月10日(月)は開館、 7月6日(月)~7月17日(金)は展示替期間)料金:一般1,000円、大学生700円、高校生以下無料
2019年08月02日展覧会「ボストン美術館展 芸術×力」が、2020年4月16日(木)から7月5日(日)まで、東京都美術館にて開催される。「ボストン美術館展 芸術×力」は、古代エジプトからアジア・ヨーロッパ・アメリカの美術をはじめ、古代から現代までを収集し、百科事典的な幅の広さと質の高さで知られるアメリカ・ボストン美術館の収蔵作品が並ぶ展覧会。会場には、古今東西の権力者たちが自らの力の大きさを示すために利用したとされる威厳に満ちた肖像画や、宮廷を彩った美しい工芸品など、エジプトやヨーロッパ・インド・中国・日本といったさまざまな地域の作品が約60点並ぶ。また、日本にあれば国宝とも言われる「吉備大臣入唐絵巻」「平治物語絵巻 三条殿夜討巻」が揃って出展。さらに、江戸時代 伊勢・長島藩の藩主だった増山雪斎の作品を本展のために修復し展示。貴重な作品を通して、力とともにあった芸術の歴史を振り返ってみてはいかがだろうか。【詳細】「ボストン美術館展 芸術×力」会期:2020年4月16日(木)~7月5日(日)場所:東京都美術館住所:東京都台東区上野公園8−36※開室時間、休室日、チケットの発売等詳細については、決まり次第公式サイトに掲載。【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2019年07月19日2015年5月以来休館中であった東京・京橋にあるブリヂストン美術館が7月1日、館名を「アーティゾン美術館(ARTIZON MUSEUM)」へ変更。先駆けて旧ブリヂストン美術館が入居していたブリヂストンビルは、2016年6月から始まった建て替え工事を経て、7月5日に「ミュージアムタワー京橋」として完成。アーティゾン美術館の開館は、2020年1月の開館を予定している。1952年1月の開館以来、60年以上にわたり、東西の名画にふれあう機会を提供してきたブリヂストン美術館。新たな「アーティゾン美術館」のアーティゾンとは、「ART」と「HORIZON」からの造語。“創造の体感”という新コンセプトのもと、古美術、日本近代洋画、印象派、20世紀美術、現代美術まで楽しめる美術館として生まれ変わる。「アーティゾン美術館」は、2020年1月に開館を予定しており、「ミュージアムタワー京橋」の低層部に立地する。入口は、従来の八重洲通り沿いから、銀座中央通り沿いへと移動。また展示室を従来の展示面積の約2倍に拡張し、旧美術館では実現できなかった大規模な企画展と、コレクション展の同時開催を叶える。「京橋彩区」左)ミュージアムタワー京橋と、右)(仮称)新TODAビル 文化貢献施設東京駅八重洲口から歩いて5分、美術館、ギャラリー、古美術商などが集積するこの東京都中央区京橋一丁目7番地の街区は、“まちに開かれた芸術・文化拠点”を形成することを目指し、2024年に向けて新たに「京橋彩区」として、文化貢献施設の建設を推進中。先述の2020年1月開館予定の「ミュージアムタワー京橋」を含む「京橋彩区」は、大きく3つで構成される。あとの2つは2024年のグランドオープンに向けて、アーティストやクリエイターを支援するコワーキングスペース、イベントホール、ショップなどが入居する「(仮称)新TODAビル 文化貢献施設」と、多様な芸術・文化イベントを催す中央通り沿いの広場「(仮称)アートスクエア」を建設中。なお、「(仮称)アートスクエア」は先行して一部、2019年7月にオープンを予定している。
2019年07月05日東京・上野の駅前に建つ国立西洋美術館が1959年に開館してから、今年で60年。日本を代表する公共美術館として知られる同館だが、その礎となったのが、実業家・松方幸次郎(1866-1950)による「松方コレクション」だ。明治の元勲・松方正義の三男として生まれた幸次郎は、エール大学などで学んだ後、神戸の川崎造船所の初代社長となる。財界で活躍する一方、日本に本格的な美術館がないことに気づいた幸次郎は、やがて美術館設立の構想を抱くように。さっそくロンドンやパリで自ら買い付けた美術品は、その数なんと3000点以上!絵画から彫刻、素描、版画など、大作から小品まで多岐にわたる作品群には、モネやゴーガン、ゴッホ、ロダンなど超一流の作品も多数。今回はその「松方コレクション」が流転の運命を経て再び西洋美術館の礎となるまでを、時代背景と共にたどる展覧会だ。6月10日、同美術館で行われた報道内覧会に足を運んだ。【チケット情報はこちら】内覧会ではまず主任研究員の陳岡めぐみ氏が、「『松方コレクション』のこれほど大規模な展覧会は初めての開催。松方幸次郎が収集を始めた1916年から現在まで約100年の中で、コレクションの形成から散逸、一部が国立西洋美術館に所蔵されるまでの歴史をたどる構成となっています」と解説。また「特にここ数年で調査研究が進み、行方の知れなかった美術品の発見など、新たな成果も展示。西洋美術館をよく知る方も、新しい楽しみ方ができるはず」と自信をのぞかせた。内覧会の後半では研究員の邊牟木尚美氏が、2016年にパリで発見され、同館に寄贈されたことで話題を集めたモネの大作『睡蓮、柳の反映』の前でレクチャー。幸次郎がモネから直接購入したことでも知られるが、発見時には上半分が失われ、残った部分も損傷が激しい状態。今回は1年をかけて細かい修復を繰り返し、現存部分が復元されたことが紹介された。実際に観てみると、たしかに欠けた上半分は痛々しいものの、修復された残りの部分はモネならではの美しさ。中ほどにちょこんと描かれたピンクの花が、まるで本物の花のように浮き上がって見えることに驚かされる。展示はルノワール『アルジェリア風のパリの女たち(ハーレム)』、ミレイ『あひるの子』、ロダン『考える人』など同館おなじみの作品に加え、戦前に散逸して以来、初めて「松方コレクション」として公開される作品も多数。今ではオルセー美術館に所蔵されているゴーガン『扇のある静物』やゴッホ『アルルの寝室』、バーゼル美術館所蔵のマティス『長椅子に座る女』などの作品が登場。貴重な“再会”を果たしているのも見どころとなっている。松方コレクション展は9月23日(月・祝)まで、東京・国立西洋美術館にて。取材・文/佐藤さくら
2019年06月19日「綴プロジェクト ─高精細複製画で綴る─スミソニアン協会フリーア美術館の北斎展」が、2019年6月25日(火)から8月25日(日)までの期間、すみだ北斎美術館で開催される。日本美術の宝庫「フリーア美術館」とは?日本美術の宝庫として知られるアメリカの国立スミソニアン協会フリーア美術館。スミソニアン博物館群の一つで、実業家チャールズ・ラング・フリーアが収集した美術品が収蔵されている。館内には、隣接する施設の作品も含め約1万2,700点もの日本美術を収蔵。中でも葛飾北斎の肉筆画は世界屈指のコレクションを誇る。また、フリーアの遺言により所蔵品はすべて門外不出となっており、現在でもその方針が守られている。“門外不出”作品の高精細複製画が日本初公開「綴プロジェクト ─高精細複製画で綴る─スミソニアン協会フリーア美術館の北斎展」は、国立スミソニアン協会フリーア美術館の協力のもと開催される展覧会。同館が誇る世界最大級の北斎肉筆画コレクションの中から13点の高精細複製画を製作し、すみだ北斎美術館が所蔵する約130点の関連作品と共に日本で初公開される。版画「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」と肉筆画「波濤図」の“波”を比較展示見どころは、北斎が繰り返し描いた自然のモチーフに焦点を当てた比較展示だ。中でも、すみだ北斎美術館が所蔵する北斎の冨嶽三十六景において代表的な版画「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」と、フリーア美術館所蔵の肉筆画「波濤図」(展示は高精細複製画)に注目。版画「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」の“鉤爪”のような波頭の描き方が、肉筆画「波濤図」からも見てとれる。六曲一双の大作「玉川六景図」の新たな発見また、六曲一双の屏風「玉川六景図」に関する詳細な研究結果にも注目。フリーア美術館収蔵の六曲一双の屏風「玉川六景図」は、右隻に人物、左隻に風景となっている。しかし、新たな研究により、後年にその配列が再構成されていた可能性が高いことが明らかになった。そんな「玉川六景図」だからこそ、元の配列での展示を実施。研究による新たな発見を間近で見ることができる。また、すみだ北斎美術館所蔵の「千鳥の玉川図」との比較も見どころだ。動植物作品や美人画もまた、類まれな観察眼と描写力によって描かれた「十二ヶ月花鳥図」(展示は高精細複製画)など、北斎の画業を語るうえで欠かすことのできない動植物作品や、「年始まわりの遊女図」(展示は高精細複製画)といった美人画も展示。フリーア美術館作品の数々を体感できる貴重な機会となっている。「綴プロジェクト」─高精細複製画で綴る─スミソニアン協会フリーア美術館の北斎展会期:2019年6月25日(火)~8月25日(日)・前期6月25日(火)~7月28日(日)・後期7月30日(火)~8月25日(日)※前後期で一部展示替えを実施場所:すみだ北斎美術館住所:東京都墨田区亀沢2-7-2開館時間:9:30~17:30(入館は17:00まで)休館日:毎週月曜日(祝日または振替休日の場合は、翌平日)観覧料:一般1,000円(800円)、高校生・大学生700円(560円)、中学生300円(240円)、65歳以上700円(560円)、障がい者300円(240円)※()は団体料金。※団体は有料の人20人以上。※小学生以下は無料。※中学生・高校生・大学生(高専、専門学校、専修学校生含む)は生徒手帳または学生証を提示。※65歳以上の人は年齢を証明できるものを提示。※身体障がい者手帳、愛の手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳、被爆者健康手帳などの持参者及びその付添の1名まで障がい者料金で観覧可能。(入館の際は、身体障がい者手帳などを提示)◎本展のチケットは、会期中観覧日当日に限り、AURORA(常設展示室)も観覧可能。【問い合わせ先】すみだ北斎美術館TEL:03-6658-8936
2019年06月16日体感型展覧会「光と遊ぶ超体感型ミュージアム 帰ってきた!魔法の美術館」が、新潟市新津美術館にて2019年6月15日(土)から9月1日(日)まで開催される。「光と遊ぶ超体感型ミュージアム 帰ってきた!魔法の美術館」は、鑑賞者の動きに反応するインタラクティブなアート作品を楽しめる、体感型展覧会。色とりどりの光や音、映像を用いた作品が、鑑賞者の動きに合わせて様々に変化する。展示作品は全て実際に触ることができ、写真撮影やSNSへの投稿も可能だ。「魔法の美術館」は日本各地を巡回しており、新潟市新津美術館での開催は2015年以来2回目。新たなラインナップの作品を揃え、まるで魔法のような、光に溢れた世界観を演出する。例えば、藤本直明の《色のある夢》は、鑑賞者の影が7色に変化し、カラフルな光のショーを楽しめる作品。また、流れる五線譜に星のシルエットを並べると、きらきらと輝きながらメロディを奏でる宮本昌典/小岩原直志の《ensemble silhouette》、カードに描かれたロボットたちを、テーブルの上にかざすと動き出す緒方壽人(Takram)の《ON THE FLY PAPER》など、観客の動作と連動して変化していく、遊び心に溢れた作品が揃う。【詳細】光と遊ぶ超体感型ミュージアム 帰ってきた!魔法の美術館会期:2019年6月15日(土)~9月1日(日)休館日:月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館。ただし6月24日、7月29日、8月5日・19日は開館)開館時間:10:00~17:00(鑑賞券販売は16:30まで)会場:新潟市新津美術館展示室1・2・3住所:新潟市秋葉区蒲ケ沢109番地1(花と遺跡のふるさと公園内、新潟県立植物園のとなり)TEL:0250-25-1300観覧料:・当日券 一般 1,000円、大学・高校生 500円、中学生以下無料※有料20名以上は団体料金で2割引※新潟県立植物園および新潟市鉄道資料館の入館券、SLばんえつクーポンを持参の方は2割引※障がい者手帳・療育手帳持参者は無料(手帳の提示が必要)※チラシ持参で100円割引
2019年06月13日印象派・ポスト印象派の殿堂として知られる、イギリス・ロンドンのコートールド美術館の名品約60点を紹介する「コートールド美術館展魅惑の印象派」が東京都美術館で9月10日(火)から12月15日(日)まで開催。同美術展の報道発表会が行われた。【チケット情報はこちら】コートールド美術館は、イギリスの実業家サミュエル・コートールドが収集したコレクションを核に、ロンドン大学付属のコートールド美術研究所の展示施設として1932年に開館。通常めったに貸し出されることのない数々の名品たちが、同館の改修工事(2018年9月~2021年)に伴い、約20年ぶりとなる来日が実現。今回の展覧会では、コートールド美術研究所が美術史や保存修復の世界有数の研究機関であることにも注目。展示は「画家の言葉から読み解く」「映された時代から読み解く」「素材・技法から読み解く」の3章で構成される。注目すべき作品は、メイン・ヴィジュアルにも使用されているエドゥアール・マネ(1832-1883)最晩年の傑作《フォリー=ベルジェールのバー》(1882)。「フォリー=ベルジェール」は当時のパリで、歌や踊り、曲芸など多彩な出し物で人気を博したミュージックホールだ。喧騒に包まれた同ホールを描いた本作は、表情が読み取りにくいバーメイドや画面の大半を占める鏡、その鏡に映る不自然に右に大きくずれた後ろ姿など、発表以来様々な議論を呼んでいる。報道発表会には特別ゲストとして、作家・ドイツ文学者の中野京子氏が登場。「フォリー=ベルジェールはあらゆる階層の人が楽しめた歓楽施設。食事やお酒、おしゃべりも楽しめる、一種の社交場でもあった」と言い、同作の構図については「すべてがイリュージョン。鏡を使ったたくらみに満ちた画面」と語った。《フォリー=ベルジェールのバー》のほかにもルノワールの《桟敷席》(1874)、ゴーガンの《ネヴァーモア》(1897)、モディリアーニの《裸婦》(1916頃)、セザンヌの油彩10点など選りすぐりの作品が展示される。同展は東京都美術館のほか、2020年1月3日(金)~3月15日(日)に愛知県美術館、3月28日(土)~6月21日(日)に神戸市立博物館に巡回。チケットぴあでは、大ベストセラーシリーズ「怖い絵」の著者でもある作家・ドイツ文学者、中野京子氏の特別講演会と、同展の公式図録と音声ガイドがセットになったチケットを独占販売中。
2019年05月27日「これぞ黄金の国・日本金屏風展 ―狩野派・長谷川派・琳派など ―」が、箱根・岡田美術館にて2019年4月6日(土)から9月29日(日)まで開催される。狩野派や琳派などの金屏風約30点が集結「これぞ黄金の国・日本金屏風展 ―狩野派・長谷川派・琳派など ―」は、屏風絵に黄金の装飾を施した金屏風を約30点集めた展覧会。展示室を埋め尽くすかの如く、金屏風が隆盛し始めた桃山時代から昭和初期にいたるまで、狩野派・長谷川派・琳派の作品を紹介する。金屏風は、日常や儀礼の際の調度品として使われる一方で、幕府や有力大名から中国・朝鮮・ヨーロッパの国王に贈られるなど、外交上の重要な役割も果たしてきた。パネルを組み合わせ、全体を1画面として構成される迫力ある図像は、見応えのある仕上がりとなっている。力強くも繊細な表現中でも、狩野派の「春秋花鳥図屏風」は、力強さと繊細さの両方を兼ね備えた作品。金箔による金色が画面の多くを占め、厚みのある雲を表現する一方で、桜の花や孔雀などをきめ細やかなタッチで描いている。また、手前からモチーフを重ねるように描くことで奥行きのある空間を構成している点もポイント。狩野派ならではの、重層的かつ力強く、優美な表現が見て取れる。金箔や銀を駆使した幻想的な世界また、橋、柳、水車などを立体的に描き、京都・宇治の趣ある風景を描いたとされる「柳橋水車図屏風」も登場。黄金に輝く橋の下に、金箔を竹刀で細かく切った“切箔”で表現された金の雲、銀で表現された波と、華やかな金と銀の組み合わせで幻想的な世界観を構築している。“金屏風”チョコも岡田美術館のアートなチョコレートシリーズから、本展に連動した金屏風モチーフのチョコレートにも注目。尾形光琳の「菊図屏風」がテーマのチョコレート『光琳・菊』には松茸や安納芋といったユニークな風味のボンボンショコラが詰め合わせられており、神坂雪佳の「燕子花図屏風」がテーマの『雪佳・燕子花』には、桜×抹茶などはなやかな味わいを揃える。見た目にも美しく、鑑賞の記念にもぴったりなチョコレートだ。詳細これぞ黄金の国・日本金屏風展 ―狩野派・長谷川派・琳派など ―会期:2019年4月6日(土)~9月29日(日)休館日:会期中休館日なし場所:岡田美術館所在地:神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷493-1開館時間:9:00~17:00(入館は 16:30まで)入館料:一般・大学生 2,800円(2,550円)、小中高生 1,800円(1,550円)※( )内は前売り料金。前売券(JTB レジャーチケット、チケットぴあ)は、主要コンビニエンスストア並びにチケットぴあにて販売。■ギャラリートーク・館長によるギャラリートーク開催日時:2019年4月18日、5月16日、6月6日・20日、7月4日・18日、8月1日・15日、9月 5日・19日 いずれも木曜日 13:30~・学芸員によるギャラリートーク開催日時:2019年4月19日~9月20日の毎週金曜日 11:00~※申し込み不要/参加費無料(要入館料)
2019年02月18日