ミュージカル『蜘蛛女のキス』の開幕を約1ヵ月後に控えた稽古場で、同性愛者の主人公モリーナ役を務める石丸幹二と、演出の日澤雄介がインタビューに応じた。アルゼンチンの作家マヌエル・プイグの小説を原作にミュージカル化され、1993年のトニー賞7部門を制した本作。『キャバレー』『シカゴ』で知られるジョン・カンダー(音楽)とフレッド・エブ(歌詞)が手がける楽曲は人気が高く、1996年以降、日本でも定期的に上演されている。劇中では、ラテンアメリカにある刑務所の一室を舞台にした物語が展開。映画を愛するモリーナは、社会主義運動の政治犯バレンティン(相葉裕樹 / 村井良大:Wキャスト)と同室に。最初は互いを理解できず激しく対立する2人だったが、モリーナは映画スターのオーロラ、また彼女が演じる蜘蛛女(安蘭けい:2役)について語る。二人は次第に心を通わせていき──。ブロードウェイで本作を鑑賞した石丸は当時、バレンティンに共感したという。同性愛者のモリーナは「特別な個性がないとできない役」と捉えていたが、自身が年始に主演した『パレード』の本国版で同じ役を務めたブレント・カーヴァーがモリーナに扮したと知ると親近感が湧き、「彼がやった役に自分も挑戦したい」という気になったエピソードを明かす。同性愛者が抱える葛藤を掴むのは難しい。そこで石丸は、劇団四季時代に浅利慶太から受けた「劇中の舞台になっている時代の様式を身につけることでキャラクターの中身に近づける」というアドバイスを思い出す。また、ピンクや赤といった鮮やかな色の衣装を稽古場で身にまとうように。「はだけていた胸元を看守の前で隠す所作にゾクっとした」という日澤の言葉を受け、石丸は「女性としての防衛本能かも。内面もモリーナに近づいてきたんですかね」と微笑んだ。自身が旗揚げした劇団チョコレートケーキで、史実をベースにした社会派の人間ドラマを生み出している日澤。本作でグランドミュージカルを初めて手がけるが、「登場人物の心情や関係性に迫るストレートプレイの演出とスタンスを変えることはない」と話す。「水と油のような関係のモリーナとバレンティンがどうやって互いを認め合い尊重するのか。彼らの“心と心の交流”を丁寧に描くことで生まれる化学反応を現代の客席にお届けできれば」と意気込み、インタビューを結んだ。公演は11月26日(金)~12月12日(日)に、東京・東京芸術劇場 プレイハウスにて。その後、12月17日(金)~12月19日(日)に大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティへ巡演する。ぴあでは座席指定できるチケットを販売中だ。取材・文:岡山朋代
2021年11月05日スティーヴン・ソンドハイムが作詞、作曲を手がける名作ミュージカル『INTO THE WOODS』を、熊林弘高の演出で上演。そこで出演者のひとりである望海風斗に話を訊いた。今年4月に宝塚歌劇団を退団した望海にとって、本作は退団後初のミュージカル出演。しかも驚いたことにその役どころは、魔女だという。「退団後の1作目ってすごく大切だと思うんです。ただ今回のお話があった時、私自身、あっこれだなとピンと来て。今まで自分が男役で積み重ねてきたものが生かされると思いましたし、ファンの方にとっても、なにか私らしいと思ってもらえるのではないかと思い、すごくいい第一歩になりそうで、この巡り合わせに嬉しくなりました」世界各国で上演を重ね、2014年(日本公開は2015年)にはディズニーによって映画化もされた本作。さまざまな童話を背景にしているが、望海が演じるのは『塔の上のラプンツェル』に登場する魔女だ。「多くの人が魔女というものに対して、強さや怖さ、気味悪さといったイメージを持たれていると思います。ただこの『INTO THE WOODS』では、“母親”という面が強いのかなと。母親役には以前からいつか挑戦してみたいという思いがありました。またこの役はお客さまに向かって語りかけたり、歌いかけたりする場面もあるので、そこもまた楽しみですね」楽曲を手がけるソンドハイムと言えば、“生ける伝説”とも称される世界的な音楽家。抜群の歌唱力を誇る望海だが、そんな彼女ですら、今回のナンバーはどれもハードルが高いようで…。「すごく難しいです。ドラマティックというよりは、とても入り組んでいて、お話の難しさと繋がっているような気がします。森に迷い込むという設定と、楽曲の複雑さがマッチしているというか。魔女の曲で言えば、悲しさや強さなど、人間の持ついろいろな面が歌の中で表現されているなと。やはりひと筋縄ではいかないな、と思っています」出演者には望海のほか、毬谷友子、湖月わたる、朝海ひかる、麻実れい(声のみ)と、宝塚出身の面々がズラリ。「とても心強いのですが、私にとっては雲の上の方ばかりで…。もうどうしましょうという感じなのですが、せっかく共演させていただくので、いろいろなことを学ばせていただけたらと思っています」最後にチケット購入を迷われている読者へのメッセージをお願いすると…。「そこは迷わずポチッとしていただいて(笑)、ぜひ私たちと一緒にこの森に迷い込んでいただけたら嬉しいです」取材・文:野上瑠美子
2021年11月04日ミュージカル「『オープニングナイト』~桜咲高校ミュージカル部~」が2021年10月29日(金)、新国立劇場(東京都渋谷区)で開幕した。今年7月に初演された本作だが、早くも再演されることになった。舞台は、超エリート進学校。熱血高校教師テッペイ(横山だいすけ)は、新入生を迎える準備をしていた。入学していたマイト(武藤潤)は、小さい頃の夢だった「ミュージカル俳優になること」を学校で実現するために、ミュージカル部を作ろうと、親友のヒロキ(杢代和人)とともに部員集めに奔走。親に自分の夢を打ち明けられないオウタ(大倉空人)、妹を溺愛する不良のユージ(瑛)、食いしん坊のタロウ(中谷優心)、いじめられっ子のソースケ(村上貴亮)と、個性豊かなメンバーが集まるが、学問至上主義の校長(湖月わたる)は、創部に大反対してーー。本作は、基本のストーリーはそのままに、男性キャスト中心の〈Team Blue〉と、女性キャスト中心の〈Team Red〉の2チームで上演される。初日を前に行われた〈Team Blue〉のゲネプロ(総通し舞台稽古)を見た。入部の動機はさまざまだが、「ミュージカルをやりたい」という一心で突き進む高校生たちの姿が、とにかく眩しい。今年7月の初演時は、歌もダンスも芝居もまだまだ伸びしろがあると個人的には見たが、この4ヶ月間、きっちりと練習をしてきたのだろう、〈Team Blue〉のメンバーたちは全体的な技術力と表現力が飛躍的に向上していた。横山だいすけをはじめ、湖月わたるや福井貴一ら、大人キャストが実に頼もしく、作品をしっかりと支えている。楽曲も振付も誤魔化がきかない高難度のものが多く、脚本と演出と振付を担当した岸本功喜、作曲・音楽監督の小島良太の「一切妥協はしない」というこだわりが見えた。上演時間は約2時間30分(休憩15分含む)。公演は11月7日(日)まで。そのほかの出演者は、三倉佳奈、野々村真ら。〈Team Red〉は星名美怜(私立恵比寿中学)、河村花、小泉遥香(超ときめき♡宣伝部)、前田悠雅(劇団4ドル50セント)、浅井七海(AKB48)、杏ジュリア(超ときめき♡宣伝部)が出演する。取材・文:五月女菜穂
2021年11月02日10月29日に再演版が開幕する「ミュージカル『オープニングナイト』~桜咲高校ミュージカル部~」。初日を5日後に控えた稽古場を訪れると、マスク姿のキャストが熱量の高い通し稽古を繰り広げていた。脚本・演出を岸本功喜、作曲・音楽監督を小島良太が手がける本作。エリート進学校を舞台に、ミュージカル部を新設しようとする熱血教師のテッペイ(横山だいすけ)と6人の部員による奮闘が描かれる。なお今回も7月に幕を下ろしたばかりの初演と同じく、男性生徒による「team Blue」、女性生徒による「team Red」の2チームWキャスト制が敷かれ、見学したのは「team Red」の通し稽古だった。通し稽古はM1「オーバーチュア(序曲)」に続いて、ミュージカルの素晴らしさと人生讃歌がクロスオーバーするM2「劇場の夢」で幕開け。星名美怜(私立恵比寿中学)演じる俳優志望のマイは、新たなチャレンジを前に胸が高鳴る想いをソロで可憐に歌い上げる。曲調が変わると、アンサンブル総動員の華麗なステージングに発展。冒頭から観客を劇世界にいざなった。続くM3「ミュージカルだとしたならば」も楽しい。マイが親友ヒロミ(河村花)に「日常生活をミュージカル調にするとどうなるか」を実践してみせるナンバーで、いきなり歌歌い出すことに抵抗を覚える慎重派ヒロミの瞳を介して、ミュージカル鑑賞の初心者であってもスムーズに作品に没入できる創意工夫がなされていた。部員たちを取り巻く教師や家族との人間模様にも注目したい。厳格な理事長(福井貴一)の娘であるがゆえに自分の夢を打ち明けられないレイコの葛藤を、小泉遥香(超ときめき▽宣伝部)はM6「パーソナリティ」や二幕のM17「背負いし者」で立ち上げる。ベテラン福井とのナンバーはさぞかし緊張するだろうと見受けたが、伸びしろを感じさせる歌声を堂々と披露した。ミュージカル部設立に反対する校長役の湖月わたるは、ロック調の激しいM7「私の教育方針」で一同の前に立ちはだかる。その隣で右往左往する、野々村真演じる教頭の“本来の姿”も見逃せない。NHK Eテレ『おかあさんといっしょ』の元・歌のお兄さんこと“だいすけお兄さん”として知られる横山の歌声が二幕終盤までお預けなのはもどかしいが、「歌が苦手」という現実とかけ離れた設定がスパイスとなって展開される保健室の先生ミオ(三倉佳奈)との恋路もチェックしておこう。このほか、「team Red」には前田悠雅(劇団4ドル50セント)、浅井七海(AKB48)、杏ジュリア(超ときめき▽宣伝部)もキャスティングされている。公演は11月7日(日)まで、東京・新国立劇場 中劇場にて。チケットぴあでは現在、公式パンフレットなどの特典がついた当日引換券を販売中だ。取材・文:岡山朋代※超ときめき▽宣伝部の「▽」は、ハートマークが正式表記
2021年11月01日2020年初演、日本キャスト版ミュージカル『ボディガード』が新春公演として帰ってくる。初演時はコロナ禍の影響で東阪全33回公演のうち上演できたのは大阪公演5回のみに終わった“幻の話題作”だ。再演の知らせに「やったー!」と声を弾ませる内場勝則。前作でミュージカルデビューを飾った、言わずと知れた吉本新喜劇のカリスマ座員。ヒロインのマネージャー役での再登板に「僕が出ている意味があるようなシーンが作れたら」と、合同取材会で再演への意気込みを語った。ミュージカル「ボディガード」チケット情報本作は、1992年にケビン・コスナー&ホイットニー・ヒューストン主演で世界的ヒットを遂げた同名映画を舞台化。グラミー賞受賞曲「I Will Always Love You」をはじめ、数々の挿入歌が日本語歌詞で再現される。サスペンスをはらむ展開と迫力のライブシーンは見ものだ。ヒロインのスター歌手を柚希礼音、新妻聖子、そして新たにMay J.を迎えたトリプルキャストで、そしてボディガードを大谷亮平が演じる。「初日が開けた時は涙が出そうなぐらい嬉しかった」と、初ミュージカルの興奮を振り返る内場。“動物園”に例える新劇劇とは「景色が違う、予算が違う、空気が違う、匂いが違う。歌もダンスもうまいし、自分が舞台の上に立っているのが不思議で。カーテンコールも初めてで、すごいことをやり遂げたんだなと。劇場中の一体感が気持ちよかった」。稽古では台詞を一度関西弁に直してから気持ちを入れるなど、標準語に四苦八苦。「二度手間、三度手間やってました」と笑う。ただ内容は違っても、エンタテインメントを届けることに変わりはない。「やっぱり生の舞台が自分には一番向いているんだなと感じました」。初演でも爪痕を残したマネージャー役。「きっちりした芝居に少しでも緩和があればすごくいいものになるんじゃないかと。僕を呼んでいただいたことへの期待に応えたい」とさらなる新喜劇魂に磨きをかける。ヒロインも三者三様の個性が輝く。「柚希さんはダイナミックで、さすが元タカラヅカのトップスター。色気のある演技もされるんやなと。新妻さんは圧倒的な歌唱力が稽古場からすごかった。あの身体のどこから出てくるのかなと。 May J. さんもまた全然違う個性があると思うので楽しみですね」。「次こそ完走を」との願いを胸に挑む再演のステージ。「出演の皆さんと全力ですごいものをお届けしたい。今まで自粛で外に出られなかったので、パッと生の舞台で気分を晴らして、エンディングには一緒に踊って楽しんでもらえたら。楽しい舞台になりますので、ぜひぜひ来てください!」。公演は2022年1月21日(金)から31日(月)まで大阪・梅田芸術劇場メインホール、2月8日(火)から19日(土)まで東京・東京国際フォーラムホールCにて。チケットは10月30日(土)一般発売。取材・文:石橋法子
2021年10月29日ロックミュージカル『ロッキー・ホラー・ショー』が東京、大阪、広島、福岡で順次上演される。演出は河原雅彦が、主演は古田新太が務める。なお2022年1月13日(木)から1月16日(日)に開催予定だった神奈川公演は中止。ロックミュージカル『ロッキー・ホラー・ショー』とは?『ロッキー・ホラー・ショー』は、1973年に初演された“カルト的”人気を誇るロックミュージカルの金字塔。嵐のために車が使用できなくなってしまった1組のカップルが、助けを求めて訪れた古い城で過ごす“狂乱の夜”を描いた作品だ。河原雅彦×古田新太で再演日本では、2011年にいのうえひでのり、2017年に河原雅彦の演出により上演された。そんなロックミュージカル『ロッキー・ホラー・ショー』が、2017年版の演出を手掛けた河原と2011年版から主演を務めている古田新太が再びタッグを組み、上演されることに。小池徹平・ISSA・ROLLY・岡本健一も再集結共演にも小池徹平、ISSA、ROLLY、武田真治、岡本健一といったこれまでの『ロッキー・ホラー・ショー』を支えたユニークな実力派キャストが再集結する。<登場人物>ブラッド(小池徹平)…友人の結婚式の勢いに乗せられ、恋人・ジャネットと婚約してしまう。恩師に婚約報告をしようと出かけるが、嵐のために車が使用できなくなり、人里離れた荒野に建つ古い城にたどり着く。ジャネット(昆夏美)…ブラッドの婚約者フランク “N”・フルター(古田新太)…城の主リフラフ(ISSA)…フランク “N”・フルターに仕える執事マジェンタ(フランク莉奈)…使用人コロンビア(峯岸みなみ)…使用人ロッキー(武田真治)…人造人間エディ(岡本健一)…城に乗り込んでくる謎の男スコット博士(岡本健一)…ブラッドとジャネットの恩師であり、UFOを研究する科学者。エディの叔父でもある。振付に東京ゲゲゲイ・MIKEY、訳詞・音楽監督にROLLY振付は東京ゲゲゲイのMIKEYが、訳詞・音楽監督はミュージシャン・ROLLYが続投する。なお、古田新太が『ロッキー・ホラー・ショー』でフランク “N”・フルター役を演じるのは今回がラストとなる。公演概要パルコ・プロデュース2022『ロッキー・ホラー・ショー』脚本・作詞・作曲:リチャード・オブライエン演出:河原雅彦翻訳:高橋ヨシキ訳詞・音楽監督ROLLY振付:MIKEY(from 東京ゲゲゲイ)出演:古田新太、小池徹平、ISSA、昆夏美、フランク莉奈、峯岸みなみ、東京ゲゲゲイ、武田真治、ROLLY、岡本健一、ほかバンド:Gt ROLLY 吉本匡孝、Ba HOTORI、Ds 小畑ポンプ、Key おおくぼけい(アーバンギャルド)、Cho 原田千栄 高仲尚子、Pf 大塚茜<横浜公演・中止>※2022年1月13日(木)~1月16日(日)を予定していたが中止となった。会場:KAAT神奈川芸術劇場〈ホール〉入場料金:S席 12,500円、A席 9,000円、U-25チケット 6,500円(観劇時25歳以下対象、要身分証明書、当日指定席券引換/「パルステ!」、チケットぴあにて前売販売のみ取扱い)※未就学児の入場不可※営利目的の転売禁止※全席指定一般発売日:2021年11月27日(土)チケットに関する問い合わせ先:サンライズプロモーション東京TEL:0570-00-3337(月~金12:00~15:00)公演についての問い合わせ先:パルコステージTEL:03-3477-5858(時間短縮営業中)<東京公演>上演期間:2022年2月12日(土)~2月28日(月)会場:パルコ劇場(渋谷パルコ 8F)入場料金:13,500円、U-25チケット 6,500円(観劇時25歳以下対象、要身分証明書、当日指定席券引換/「パルステ!」、チケットぴあにて前売販売のみ取扱い)※未就学児の入場不可※営利目的の転売禁止※全席指定一般発売日:2021年11月27日(土)チケットに関する問い合わせ先:サンライズプロモーション東京TEL:0570-00-3337(月~金12:00~15:00)公演についての問い合わせ先:パルコステージTEL:03-3477-5858(時間短縮営業中)<大阪公演>上演期間:2022年1月20日(木)~1月23日(日)会場:森ノ宮ピロティホール入場料金:13,800円※未就学児の入場不可※営利目的の転売禁止※全席指定一般発売日:2021年12月12日(日)10:00問い合わせ先:キョードーインフォメーションTEL:0570-200-888(11:00~16:00※日祝は休業)<広島公演>上演期間:2022年1月29日(土)・1月30日(日)会場:上野学園ホール入場料金:12,000円、U-25チケット 6,000円(当日指定・要年齢証明書)※未就学児の入場不可※営利目的の転売禁止※全席指定一般発売日:2021年11月27日(土)チケットに関する問い合わせ先:・TSS事業開発部 TEL 082-253-1010(平日10:00~17:00)・キャンディープロモーション TEL 082-249-8334(平日11:00~15:00)<北九州公演>上演期間:2022年2月4日(金)~2月6日(日)会場:北九州芸術劇場・大ホール入場料金:12,000円、U-25チケット 6,000円(25歳以下対象・当日座席指定券と交換・要身分証明書)※未就学児の入場不可※営利目的の転売禁止※全席指定一般発売日:2021年11月27日(土)問い合わせ先:ピクニック チケットセンターTEL:050-3539-8330(平日12:00~15:00)
2021年10月23日河原雅彦演出、古田新太主演のミュージカル『ロッキー・ホラー・ショー』が2022年1月13日(木)より、KAAT神奈川芸術劇場(ホール)とPARCO劇場で5年ぶりに再演されることが決定した。1973年の舞台初演から間も無く50年。未だカルト的⼈気を誇りファンを熱狂させるロックミュージカルの筋字塔『ロッキー・ホラー・ショー』。2017年上演版では2011年版から6年ぶりに古田新太のフランク・フルターが復活。いのうえひでのりからバトンを受け取った演劇界きってのロック狂、河原雅彦が演出。振付をMIKEY(from 東京ゲゲゲイ)が手がけ、演奏には日本版『RHS』の伝“ROLLY”を中心に、バンド「女王蜂」、武田真治が参加するなど、新たな要素を盛り込んだライブ感溢れる演出で熱狂を呼んだ。この“河原版RHS”が5年ぶりに帰ってくる。フランク・フルターを演じるのは、もちろん古田新太。さらに小池徹平やISSA、ROLLY、武田真治、岡本健一と過去のRHSを支えたユニークな実力派が豪華に集結。加えて昆夏美やフランク莉奈、峯岸みなみとフレッシュな女優陣が初参加と、清濁合わせ呑むようなキャスト陣で新たな『ロッキー・ホラー・ショー』を誕生させる。2020年にリニューアルオープンした新生・PARCO劇場の、舞台と客席が緊密な空間でさらなる熱狂を呼ぶことになるだろう。はまり役、古田新太のフランク・フルター役は3度目にしてなんと今回がラスト。過去の『RHS』キャスト、また今回新たにパーティーに加わるニューキャストが入り混じり、フランク・古田のラストランを盛り上げてくれるはずだ。【河原雅彦(演出)コメント】R.H.Sは演劇じゃない。最高ロックなお囃子に乗せて変態を愛でる祭り。それ以上でも以下でもない。古田さんがまたまたフランクとしてステージに帰還する。変態好きにはたまらないやね。なので今回のテーマは『変態祭りの集大成』。これで決まりだ。祭りとコロナの相性は言うまでもなく最悪だ。だからなんだ。こちとら自慢の変態揃えて騒いでやる。客席から騒ぎ返せる術は俺が考える。もういいよ、せっかく劇場に来てるんだから。⼼にまでマスクすることないんだぜ。河原雅彦【古田新太(フランク・フルター役)コメント】三度⽬の正直 R.H.Sよ私もう56才よ 四捨五⼊で60よいやなフランクね 世界中探してもいないわよでも大丈夫 またもや最強の面子を集めたからキッチュでファンキーなワクチン受けに来てレッツ Do The Time Warp AGAIN!!■公演情報パルコ・プロデュース2022『ロッキー・ホラー・ショー』脚本・作詞・作曲:リチャード・オブライエン演出:河原雅彦翻訳:高橋ヨシキ訳詞・音楽監督:ROLLY振付:MIKEY(from 東京ゲゲゲイ)出演:古田新太小池徹平ISSA昆夏美フランク莉奈峯岸みなみ東京ゲゲゲイ武田真治ROLLY岡本健一 ほか<横浜公演>2022年1月13日(木)~1月16日(日)会場:KAAT神奈川芸術劇場〈ホール〉入場料金(全席指定・税込)S席:12,500円A席:9,000円U-25チケット:6,500円(観劇時25歳以下対象、要身分証明書、当日指定席券引換 / 「パルステ!」、チケットぴあにて前売販売のみ取扱い)※未就学児の入場不可※営利目的の転売禁止<東京公演>2022年2月12日(土)~2月28日(月)会場:PARCO劇場(渋谷PARCO 8F)入場料金(全席指定・税込):13,500円U-25チケット:6,500円(観劇時25歳以下対象、要身分証明書、当日指定席券引換 / 「パルステ!」、チケットぴあにて前売販売のみ取扱い)※未就学児の入場不可※営利目的の転売禁止<大阪公演>2022年1月20日(木)~1月23日(日)会場:森ノ宮ピロティホール入場料金 (全席指定・税込):13,800円※未就学児の入場不可※営利目的の転売禁止<広島公演>公演日程:2022年1月29日(土)・1月30日(日)会場:上野学園ホール入場料金 (全席指定・税込):12,000円U-25チケット:6,000円(当日指定・要年齢証明書)※未就学児の入場不可※営利目的の転売禁止<北九州公演>公演日程:2022年2月4日(金)~2月6日(日)会場:北九州芸術劇場・大ホール入場料金 (全席指定・税込):12,000円U-25チケット:6,000円(25歳以下対象・当日座席指定券と交換・要身分証明書)※未就学児の入場不可※営利目的の転売禁止
2021年10月20日イギリス発クレイ・アニメーション「ひつじのショーン」をモチーフにした秋限定メニューが登場。南町田グランベリーパークの常設カフェ「ひつじのショーンビレッジ ショップ&カフェ」、愛知・プライムツリー赤池の「ひつじのショーン ファームカフェ」にてそれぞれ期間限定で提供されます。〈南町田グランベリーパーク〉熱々グラタンのプレートや和スイーツ南町田グランベリーパーク内「ひつじのショーンビレッジ ショップ&カフェ」では、秋を感じるあたたかなフードメニューや、ゆったり楽しみたい和スイーツを用意。「ショーン」の形のワッフルが見た目にも楽しい「ショーンのワッフルプレート~マカロニグラタン~」は、秋にぴったりの熱々グラタンを楽しめる1皿。クリームソースには、彩り鮮やかなブロッコリーとパプリカ、ジューシーなチキンをたっぷりと入れて仕上げています。また、イギリス家庭の定番デザート「トライフル」は抹茶やほうじ茶を使った和テイストで登場。抹茶、ほうじ茶のゼリーやムース、クリームの上にアイスクリームを重ね、愛らしい「ショーン」のクッキーをトッピング。ふわふわ食感のケーキ「ふんわりベビーショーン」には、秋限定の新フレーバーが仲間入り。あんこをたっぷり詰め込み、もちもちの白玉をプラスした食べ応えのあるスイーツとなっています。〈プライムツリー赤池〉かぼちゃやさつまいものハロウィンフード&スイーツ一方、プライムツリー赤池の「ひつじのショーン ファームカフェ」では、かぼちゃやさつまいもといった、秋の味覚を用いたハロウィンモチーフのメニューを提供。「ショーンのハッピーハロウィンプレート2021」は揚げたての骨付きチキンにかぼちゃサラダのおばけ、2種類のラぺを添え、オレンジやパープルなどハロウィンらしい色合いに仕上げたプレート。「ショーン」は黒ゴマライスで表現されています。ちょこんと座るマジパンの「ショーン」がチャーミングな「ショーンの紫いもとさつまいものハロウィンタルト」にも、ハロウィン仕様のデコレーションをプラス。紫いもとさつまいもの織りなす濃厚な味わいが魅力です。【詳細】「ひつじのショーン」2021年秋限定メニュー■〈東京・南町田〉ひつじのショーンビレッジ ショップ&カフェ販売期間:2021年9月13日(月)~終了時期未定住所:東京都町田市鶴間3-4-1 グランベリーパーク セントラルコート ワンダーシアター1F H105営業時間:イートイン 10:00~20:00(ラストオーダー 19:00)/テイクアウト 10:00~18:00・ショーンのワッフルプレート~マカロニグラタン~ 1,750円・ふんわりベビーショーン 白玉あずき 250円・ショーンの抹茶トライフル 1,650円 ※ドリンク付・ショーンのほうじ茶トライフル 1,650円 ※ドリンク付■〈愛知〉ひつじのショーン ファームカフェ/プライムツリー赤池販売期間:2021年9月21日((火)~10月31日(日)住所:愛知県日進市赤池町 箕ノ手 1番 プライムツリー赤池 3F営業時間:10:00~20:00(ラストオーダー 19:00) ※当面の間短縮営業・ショーンのハッピーハロウィンプレート2021 1,510円・ショーンの紫いもとさつまいものハロウィンタルト 960円
2021年10月20日モノマネ界のレジェンド・コロッケと、退団後も様々なジャンルで活躍の場を広げる宝塚歌劇団の元男役スター・七海ひろきが出演する「令和千本桜~義経と弁慶/コロッケものまねオンステージ2021」が10月9日に開幕、明治座で上演中だ。公演は、第一部にコロッケが弁慶を、そして七海が義経を演じる芝居「令和千本桜~義経と弁慶」。そして第二部にコロッケ活動40周年を記念し「コロッケものまねオンステージ2021 ~40周年鉄板ネタ大放出!~」として、新ネタから鉄板ネタまで網羅し、さらに七海のスペシャルステージも加えた新作ショーを上演する。第一部の「義経と弁慶」は、歴史上有名な二人の京都・五条大橋での出会いからその最後までを辿る物語だ。互いに「ぴったり」と言い合うコロッケの弁慶、七海の義経。若手俳優として舞台を中心に活躍する、高橋健介、蒼木陣、日向野祥が演じる、同じく義経の家来らとのやり取りで笑いを取るのは、コロッケ演じる弁慶ならでは。七海の義経は、幕開きよりフライングにも挑戦。想像のままの麗しさ・カッコよさで舞台を彩っている。2.5次元風のカラフルな衣装や、思わずくすっと笑えるシーンがありつつも、矢島舞美演じる静御前と義経の叶わぬ愛や、上田堪大・川原一馬がWキャストで演じる源頼朝との確執も余すことなく描いた、骨太な芝居となっている。第二部は芸歴40周年となるコロッケのモノマネオンステージ。初日後の会見では、昨年はコロナ禍の影響もあり150本以上の公演が中止となったことで、「幕が開いたことがうれしい」と話したコロッケ。新作の「BTS」や「DA PUMP」、更には自身がスター誕生で話題を呼んだきっかけとなったモノマネを披露など、これまでの鉄板ネタも含めてノンストップでテンポよく披露され、客席からは絶えず笑い声があがっていた。また自身のスペシャルステージでは「シンデレラ・ガール」や尾崎豊の「I LOVE YOU」を披露した七海。初日公演では七海がYouTubeで話題となった「スタイリッシュ体操」を客席も巻き込んで行うシーンも。ジャンル違いながらエンターテイナーとして第一線を走るコロッケと七海、その化学反応で何が飛び出すかぜひ劇場、配信で確かめてほしい。公演は10月21日(木)まで東京・明治座にて。チケットぴあでは各公演前日17時まで当日引換券を販売中。また千秋楽はライブ配信も決定。配信の詳細は公演公式ホームページまで。撮影:岩村美佳
2021年10月18日2022年4月に日本青年館ホールにて、『銀河鉄道999 THE MUSICAL』の上演決定が発表された。今なお世界中で愛される松本零士原作の不朽の名作『銀河鉄道999』が、本格ミュージカル作品として蘇る。「ジャージー・ボーイズ」で第24回読売演劇大賞最優秀男優賞を受賞するなど数々の作品で主演をつとめる中川晃教が、2018年・2019年の舞台『銀河鉄道999』より星野鉄郎役を続投。ディズニー映画「アナと雪の女王」日本語吹替版でアナ役の声優を務め「キューティ・ブロンド」で第43回菊田一夫演劇賞を受賞した神田沙也加が、永遠のヒロイン・メーテルを演じる。ミュージカル界のトップスターといえる二人の共演は、2011年以来で実に11年ぶり。脚本・作詞は高橋亜子、演出には小山ゆうなを迎えるほか、今作のエンディング曲にも決定している名曲「銀河鉄道999」の編曲を担当したゴダイゴのミッキー吉野が音楽監督を務める。キャラクターの葛藤や成長を通して「限りある命だからこそ美しく尊い」というメッセージを伝え、ミュージカルオリジナルのエピソードも加えて、宇宙への旅立ちから別れまでを完全版として描く。「銀河鉄道999 THE MUSICAL」日程:2022年4月出演:中川晃教、神田沙也加その他キャスト・公演日程については後日発表。
2021年10月14日2022年2月・3月に東京国際フォーラム ホールC、新歌舞伎座、愛知県芸術劇場 大ホールにて上演されるミュージカル「カーテンズ」の新ビジュアルが公開された。コメディミステリーの傑作ミュージカル「カーテンズ」は、2007年3月にブロードウェイで開幕。同年のトニー賞では、主演のデビッド・ハイド・ピアーズが主演男優賞を受賞したほか、作品賞、脚本賞、作詞作曲賞、演出賞、主演女優賞、助演女優賞の計8部門でノミネートされる快挙を達成し、日本でも2010年に東山紀之主演で上演された。今回は全くの新演出、新カンパニーでの上演となり、城田優が演出・主演を務める。共演には、ミュージカル初挑戦となる櫻坂46のキャプテン菅井友香、三浦翔平に加え、瀬奈じゅん、原田薫、岸祐二、宮川浩と日本のミュージカル界を代表する豪華な俳優陣が集結。バンビ役にはオーディションにより中嶋紗希が抜擢された。舞台は1959年の港町ボストン。ボストンはニューヨークの北東に位置するマサチューセッツ州の州都で、アメリカの中でも最も古い歴史都市の一つだ。今では芸術や教育が盛んな文化都市として有名だが、実は第二次世界大戦以降、工業力の低下とハイウェイの発達による街の郊外化が進み、旧市街は衰退を極めていた。そこで1950年代の末から未来を見据えての再開発が始まり、女性のファッションもレディライクでウエストを大きく絞った曲線的なスタイルから、フェミニンでスリム、直線的な現代のスタイルへと変化。今回公開されたビジュアルも、アメリカの古き良き薫りと、これから大きく躍動していこうとする革新へのエネルギーが感じられる仕上がりとなった。ミュージカル「カーテンズ」概要出演:城田優、菅井友香(櫻坂46)、三浦翔平、原田薫、岸祐二、中嶋紗希、宮川浩、瀬奈じゅん/中西勝之 米本学仁 高橋卓士/井上花菜、小山侑紀、坂元宏旬、竹内真里、茶谷健太、常住富大、伯鞘麗名、福田えり、堀江慎也、横山達夫東京公演:2022年2月26日(土)~3月13日(日) 東京国際フォーラム ホールC 19回公演大阪公演:2022年3月18日(金)~3月22日(火) 新歌舞伎座 7回公演愛知公演:2022年3月26日(土)・27日(日) 愛知県芸術劇場 大ホール 2回公演
2021年10月12日7月に幕を下ろした「ミュージカル『オープニングナイト』~桜咲高校ミュージカル部~」の再演が早くも決定。再会を喜ぶビジュアル撮影の現場で、初演からの続投キャストである星名美怜(私立恵比寿中学)、河村花、小泉遥香(超ときめき▽宣伝部)の3人に話を聞いた。脚本・演出・振付を岸本功喜、作曲・音楽監督を小島良太が手がける本作。エリート進学校を舞台に、ミュージカル部を新設しようとする熱血教師のテッペイ(横山だいすけ)と生徒たちの奮闘が描かれる。今回も初演と同じく、男性生徒による「team Blue」、女性生徒による「team Red」の2チームWキャスト制が敷かれた。星名が演じるのは“ミュージカル俳優”になることを夢見るマイ。入学したばかりの高校でその一歩を踏み出そうと、河村扮するしっかり者の親友ヒロミを巻き込んで部員集めに奔走する。しかし集まったのは、厳格な理事長(福井貴一)の娘であるがゆえに自分の夢を打ち明けられない小泉演じるレイコをはじめ、ひと癖あるメンバーばかりで──。初演の段階でミュージカル初挑戦だった3人。星名は「互いに鼓舞しあってカンパニーの絆が深まった数ヵ月でした」と振り返る。特に劇中で求心力となっていく星名のリーダーシップは稽古場でも発揮されていたようで、河村は「苦手だったダンスを形にできたのは美怜ちゃんが練習に付き合ってくれたから」と全幅の信頼を寄せる。小泉も「ホント最初からリーダーだったよね」と笑顔でうなずいた。再演にあたってパワーアップさせたい点を聞くと、星名は「チームワーク」と即答。「初演より“役を生きる”ためには、自分のことだけじゃなく向き合う相手のパーソナルな部分も深掘りしてケアしたい」と頼もしさを見せる。作品の魅力について、河村は「流れに身を任せるヒロミを通じて“ありのままの自分でいい”という前向きなメッセージを受け取れます」、小泉は「年齢問わず、やりたいことをしている瞬間が“青春”と感じてもらえる幸せなミュージカルです」とアピールし、インタビューを結んだ。彼女たちを見守る教師役として、テッペイが思いを寄せる保健室の先生ミオに三倉佳奈、校長に頭の上がらない教頭に野々村真、ミュージカル部の創部に反対する学問至上主義の校長に湖月わたるが名を連ねた。「team Red」には前田悠雅、浅井七海(AKB48)、杏ジュリア(超ときめき▽宣伝部)もキャスティングされている。公演は10月29日(金)~11月7日(日)、東京・新国立劇場 中劇場にて。チケットの一般発売は、10月16日(土)10時よりスタート。取材・文:岡山朋代※超ときめき▽宣伝部の「▽」は、ハートマークが正式表記
2021年10月12日書籍販売数・累計100万部突破の数学ミステリーシリーズ『浜村渚の計算ノート』が待望の舞台化!12月27日(月)の大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ公演を皮切りに、大阪と東京で上演される。ミュージカル「浜村渚の計算ノート」チケット情報ミュージカル『浜村渚の計算ノート』は、中学生の浜村渚(はまむらなぎさ)が、警視庁の数学オンチな刑事たちや同級生とともに、戦後最大の数学者であるドクター・ピタゴラスが率いる数学テロ組織【黒い三角定規】に立ち向かい大活躍する物語。主人公の浜村渚役は一般からのオーディションで選考中だが、脇を固めるのはトップミュージカル俳優・岸祐二をはじめ、『ライオンキング』元シンバ役の友石竜也、幅広いジャンルで活躍する上山竜治、『刀剣乱舞』など2.5次元ミュージカルで人気を博す三好大貴など、豪華実力派俳優陣。また、お笑い芸人のFUJIWARA原西孝幸や、元SUPER☆GiRLSの宮崎理奈、世界大会でも話題のブレイクダンスチーム・FOUND NATIONの出演も決定しており、圧倒的な演技、歌、ダンスを体感しながら、コミカルな要素に大笑いし、数学の謎解きにスカッとして、いつの間にか数学が好きになる…といった教育要素も詰まった、今までにない《新感覚ファミリーミュージカル》となっている。本作は、12月27日(月)から30日(木)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、2022年1月6日(木)から8日(土)まで東京・光が丘IMAホールにて上演。チケットは、10月12日(火)11:00から17日(日)23:59までファミリーマート先行(抽選)を実施。
2021年10月12日相葉裕樹が「今までやったミュージカルのなかで一番難しい」と言うミュージカル『蜘蛛女のキス』。ベストセラー小説をミュージカル化し、1993年にはトニー賞などを多数受賞した。「楽曲はかっこいいけれど難解で、かなり歌いこまないといけない。半音での変化が多いし、フォルテでポンと歌うところもあればとても繊細にファルセットを使うところもあって、レンジ(音域)が広い。また、ほぼ2人で物語が進むので、歌や言葉で引っ張っていかないと濁る。新たな挑戦です。目の前に大きい壁がきたぞとかなり緊張しています」。刑務所の獄房で同室となった同性愛者のモリーナ(石丸幹二)と青年革命家バレンティン(相葉裕樹/村井良大)はお互いを理解できず激しく対立するが、その関係は少しずつ変化していく。映画版も見た相葉は「心を開いていくグラデーションが緩やかに進んでいく」ことに注目した。「感情をむき出しに喋るけれど、ただの怒りではなく鬱屈としたなにかがある。「殺されるんだろう」という覚悟もあると思うし、感情がぐちゃぐちゃな大変な役」。だからこそ稽古で動いてみないとわからない。「実際に動くと感覚が変わるので、肉体を動かして、言葉を口から発して、どう感じるかを大切にしたい」。モリーナ役の石丸とは、2016年ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』で共演した。「とても優しい方です。その時は、楽屋でコーヒーをいただいたりもしました。今回は迷惑をかけると思うのですが、できることはなんでもやります!体当たりすることでしか作れない作品だと思うので、たくさん苦しんでもがきます。」。Wキャストの村井良大とは10年前の『戦国鍋』以来だ。「このタイミングで、ミュージカルでWキャストなのは不思議な感覚。良大は飄々として、動じたところは見たことがない。僕とはまったく違うので、カラーが変わるでしょうね。信頼できる仲間だからこそ切磋琢磨したい」と信頼を寄せる。「観る方によって印象が変わる作品です。すっきりする人もいればしない人もいるはず。バレンティンに対して「最低」と思う人もいるでしょう。でも誰が悪いわけでもなくて、愛や信念が交錯している。みんな、責められる?と思います。でも僕自身、これからの稽古で感じ方も変化していくんでしょうね。歌もせりふもたっぷりありますので、丁寧にしっかり構築したい」上演は11月26日(金)~12月12日(日)、東京芸術劇場プレイハウスにて。取材・河野桃子
2021年10月11日ミュージカル『October Sky─遠い空の向こうに─』が、東京・Bunkamura シアターコクーンで開幕した。これに先立ち行われたゲネプロと初日前会見の様子をレポートする。元NASAの技術者ホーマー・H・ヒッカム・Jr.の自伝小説『ロケットボーイズ』を原作に、ジョー・ジョンストン監督がメガホンを握った青春映画(1999年公開)をミュージカル化した本作。劇中では、米ウェストバージニア州の炭鉱町コールウッドを舞台に、ロケットに夢を託す高校生の奮闘や彼らを取り巻く人間模様が展開される。周回する人工衛星スプートニクの目撃を機に「いつかロケットを打ち上げたい」と夢見る主人公ホーマーには、本作で初めてミュージカルのシングルキャストを務める甲斐翔真がキャスティング。閉塞感の漂う炭鉱町を抜け出し、ロケット制作を決心する「星を見上げて」のラストでは昂った気持ちを伸びやかな高音に乗せ、観客を圧倒した。ホーマーの前に次々と立ちはだかる現実のやるせなさ、行き場のない悲しみや葛藤を、甲斐は歌声だけでなく芝居の声色や表情にもにじませる。ホーマーの悪友で義父の暴力に苦しむロイには、阿部顕嵐。顔のアザを隠すことなく気丈に振る舞う様子に胸が痛む。ムードメーカーのオデルに扮する井澤巧麻は、底抜けの明るさで雰囲気をやわらげ、優れた科学の知識でホーマーの夢に貢献するクエンティン役の福崎那由他は、屈託だらけの序盤からチームの“頭脳”として必要とされ、次第に頼もしくなっていく様子を立ち上げた。彼ら“ロケットボーイズ”の奮闘を応援する科学の教師ミス・ライリー(夢咲ねね)と繰り広げるコミカルな「言われた通りに」に注目したい。ホーマーの父ジョンに扮する栗原英雄は、炭鉱夫を束ねる自分と異なる人生を歩もうとする息子を理解できず苦しむ。夢を諦めて炭鉱夫になった過去を語る「お前はおまえ」は必聴ナンバーだ。朴璐美は母エルシー役。1幕の「地に足つけて」で息子の背中を押す一方で、ミス・ライリーやホーマーの恋人ドロシー(中村麗乃)と歌う2幕冒頭の「最後のキス」で息子と離れがたい気持ちも覗かせ、時代を超えた普遍的な親心を届けた。ゲネプロ前に行われた初日前会見で、稽古を経てどういうカンパニーになったか問われた座長の甲斐は、演出を手がけた板垣の「僕の演出する舞台には主役・脇役・アンサンブルという隔たりはなく、全員が主役で見せ場を持っている」という言葉を紹介。その上で「まさにおっしゃる通り、主役の集まりみたいなカンパニーになりました」「誰に感情移入しても感動できるようになっています」と手応えを語った。上演時間は約160分(休憩含む2幕)。東京公演は10月24日(日)まで。その後、11月11日(木)~14日(日)に大阪・森ノ宮ピロティホールへ巡演する。チケット販売中。取材・文:岡山朋代
2021年10月08日甲斐翔真が主演するミュージカル『October Sky -遠い空の向こうに-』が10月より上演される。1999年公開映画『遠い空の向こうに』をミュージカル化、アメリカでのトライアウト版からいち早く日本で初演される注目の作品だ。9月中旬、本作の稽古場を取材した。この日は初めて1幕全体を通すという稽古内容。開始前に演出の板垣恭一が「今日はとりあえず(シーンを)繋げてみましょう。あれ?という謎があれば、整えていきましょう」と稽古意図を説明する。すかさず栗原英雄が「謎だらけだよ!」と返し、現場は明るい笑いに包まれた。“初めての通し”にあたるキャスト陣からは、一種独特の連帯感、高揚感が伝わってくる。舞台は1957年、アメリカの小さな炭鉱町。物語は炭鉱の情景から始まり、この話が単なる青春譚ではないことがすぐにわかる。男たちは命の危険と隣り合わせの炭鉱で働いており、その町で育った高校生ホーマーは違う世界へ飛び出していきたいと思っている。そんな中、人類初の人工衛星スプートニクが彼らの住む町の空を横切った――。その日からホーマーと仲間たちはロケット作りに熱中していく。希望に燃える若者と、行き詰っていく現実に苦悩する大人たちの対比は、『ビリー・エリオット』なども髣髴とするが、本作は主人公たちが高校生というある種将来の選択のリミットが見えつつある年齢であることや、大きな夢の中にも「サイエンスフェアで優勝し、奨学金を得て大学に行く」と現実的な目標設定があることなどで、リアリティがあり、とても共感できるものになっている。ホーマーを演じる甲斐翔真は、夢に向かう一途さの中にも、様々なことに気を遣い悩む心優しさが見える役作り。そんなホーマーだからこそ味方が増えていくのがよくわかる。また、特に星を見上げ夢を歌いあげるナンバーからは、まばゆいほどの“憧れ”が伝わってきて、感動的。おそらく本番での大きな見せ場になるのだろうと楽しみになった。ホーマーの親友であり一緒にロケットを作るロイ・リーは、阿部顕嵐。1幕ではホーマーと周りの人々との間を上手く行き来する、器用なバランス人間という印象だが、どうやら彼には彼の事情がありそうだ。オデル役の井澤巧麻の調子の良さ、いかにも科学オタク青年といった風のクエンティン役・福崎那由他と、ボーイズたちの魅力も四者四様。一方で栗原英雄、朴路美らが扮するホーマーの家族は、家父長制の色が濃い時代感と、その中でもそれぞれが葛藤していく姿をしっかり描き出す。1幕終盤、ロケットを飛ばす実験は成功するが、彼らはこのあと夢に手が届くのかは、本番舞台を楽しみにしよう。夢を見て、悩み、迷った青春時代を過ごした人には必ず響くものがあるであろうミュージカルの誕生はもうすぐだ。東京公演は10月6日(水)から24日(日)まで東京・シアターコクーンにて。チケットは発売中。その後大阪公演もあり。取材・文:平野祥恵
2021年09月30日屋良朝幸が主演を務めるミュージカル『DOGFIGHT』が2021年9月17日(金)から、東京・日比谷シアタークリエで開幕した。初日を前にした16日(木)、プレスコールと記者会見が行われ、出演者らが本作への意気込みを語った。ベトナム戦争出征前のアメリカ・サンフランシスコ。エディ(屋良朝幸)とボーランド(藤岡正明)、バーンスタイン(大久保祥太郎)の3人は訓練期間を終えた若い海兵隊員。各々のイニシャルをもじって「3匹の蜂(スリービーズ)」と称するほどの親友同士だ。彼らは出征前の最後の夜を楽しむべく、街で大騒ぎを始め、「ドッグファイト」に参加する。それは、海兵隊で代々受け継がれてきた、一番イケていない女の子をパーティに連れてきた者が賞金を得るという最低のゲームでーー。この日は、本作の代表的なナンバーで、ダンスシーンが満載の「最後の夜」、エディがウェイトレスのローズ(昆夏美)をパーティに誘う「パーティに行こう」など3曲が披露された。2015年の日本初演、17年の再演に続き、3度目の主演を務める屋良は「前回をなぞることなく、新しい『DOGFIGHT』をつくる気持ちで臨んでいる。新鮮な気持ち」と話す。特に“新鮮”なのが、ヘアスタイル。役柄に合わせ、20センチ以上髪を切り、ミリタリーカット姿となった。屋良自身も髪型を気に入ってるようで「ドライヤーをしても17秒で乾く」。屋良は8月に新型コロナウイルスに感染し、2週間の療養をしていた。「ご心配をおかけして、本当に申し訳なく思っている」と話すが、記録映像をもとに家で自主練をしたり、リモートで稽古場とつながったりしていたといい、「いろいろな配慮をしていただいて、本当に感謝。回復後は10日ほどしか稽古ができなかったが、みんながいい雰囲気を作ってくださったので、そんなに不安はなかった」。療養期間があった分、思いも強い。「今の時期に初日を迎えることは、もしかしたら奇跡的なことかもしれない。幕が開けられるのは本当に幸せなこと。千秋楽までは誰1人欠けることなく走り抜けたい」。最後に、観客へのメッセージとして、屋良は「今まで見てくださった方も、そうでない方もいると思うが、本当に新しい『DOGFIGHT』がここに誕生した。これだけ踊る『DOGFIGHT』は、世界でも日本だけ。楽しんでいただきたい」と語った。東京公演は10月4日まで。愛知公演は10月6日、日本特殊陶業市民会館ビレッジホール。大阪公演は10月21日~24日、梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ。取材・文:五月女菜穂
2021年09月21日ミュージカル『オリバー!』が2021年10月から東急シアターオーブほかで上演される。本作は、チャールズ・ディケンズの小説『オリバー・ツイスト』を原作に、『メリー・ポピンズ』や『レ・ミゼラブル』を生み出したサー・キャメロン・マッキントッシュ率いるクリエイティブチームが贈る、超大作ミュージカル。今回、日本ではおよそ30年ぶりに新演出版が上演される。ナンシー役としてWキャストを担う、濱田めぐみとソニン。2人は10年以上前に、共通の知人の紹介で、お互いの舞台を見に行ったことを契機に、プライベートで親交が深いという。今回、念願かなっての“共演”なのだが、Wキャストということで、同じ舞台に立つことはできない。ソニンは「それだけが悔しい」と話す。ただ、濱田が「役を一緒に作り上げることはとてもデリケートな作業で、正直Wキャストの相性もある。(今回、ソニンとのWキャストは)アプローチの仕方が違うけれど、目指すべき根幹が同じだから、最終的には不思議と一致する。楽だし、無理をしなくていい関係性が心地よい」と話すように、この2人だからこそできるナンシー像が今まさに形作られていることが伺える。互いに俳優として尊敬している点を聞くと、濱田は『ミス・サイゴン』のキム役を演じていたソニンの演技に「度肝を抜かれた」ことを語った上で、「情熱の激しさたるや。本気で泣いて笑って汗かいて。その吸引力がすごいし、見終わった後に、何か得るモノがある」。一方のソニンは、濱田が演じる『ウィキッド』のエルファバを見てから「説明がつかないけれど、魂が震える感じに感動した」といい、以降濱田の出演作を見る度に「いち観客として、めぐさんが歌い出した瞬間に、今日来てよかったと思う」と話す。観客へのメッセージを尋ねると、濱田は「皆さんがイメージしている『オリバー!』とは違う舞台が見られると思う。見終わった後に何かを持って帰れる素敵な作品なので、劇場という空間の中で時間を共有して、それを是非体感してほしい」と話し、ソニンは「超大作ではあるが、それ以上に、生々しくそこに生きる人々の生命力を感じる作品になると思う。コロナ禍でも私たちは生きていくんだという、今の役者の気持ちも伝わる舞台になるはず」とコメントした。東京公演は2021年10月7日(木)から11月7日(日)(※プレビュー公演は9月30日~10月6日)、東急シアターオーブ。大阪公演は12月4日(土)〜14日(火)、梅田芸術劇場メインホール。取材・文:五月女菜穂
2021年09月07日小劇場ミュージカルとして絶大な人気を誇る『SMOKE』が、8月28日、東京・浅草九劇で開幕した。韓国で誕生し、日本では2018年に初演。3人の俳優のみで、ひとりの天才詩人の苦悩と葛藤をドラマチックに描き出すミュージカル。上演を重ねるごとに熱狂的なファンを生み、今回で四演目だ。各役、複数キャストの回替わりで上演されるが、大山真志、内海啓貴、池田有希子が出演した初日の観劇レポートを記す。物語はふたりの青年・超(チョ)と海(ヘ)が、三越デパートの令嬢だという紅(ホン)を誘拐してくるところから始まる。身代金で、まだ行ったことのない海を見に行くのだと。しかし目隠しを外された〈紅〉は、〈海〉を見て懐かしそうな表情を浮かべた。彼らは知り合いだったのか? サスペンスのように始まった物語は、やがて予想のつかない展開へ……。モチーフは、20世紀初頭に生きた韓国の天才詩人、李箱(イ・サン)。文学的奥深さと、激しい感情のキャッチボールが同居する作品を、3人のキャストが時に激情をぶつけ合い、時に駆け引きをし、時に寄り添い、紡ぎ出していく。〈超〉の大山は、初演では〈海〉をシングルキャストで務め上げ、再演からは〈超〉〈海〉の両役を演じている“ミスターSMOKE”。兄貴分的な役柄を、大きな存在感と静かな迫力で演じる。しかし時折、押し殺した怒りや悲しみが背中から立ち上るような切なさを体現し、さすがのひと言。〈紅〉の池田もまた初演からのキャスト。謎めいた女性である〈紅〉だが、今年の池田〈紅〉は“恋しい”という感情を全面に押し出し、また新たな造形だ。キャリアのある大山と池田は、ジェットコースターのように上下する感情を息をするように自然に、しかも魅力的に見せていく。しかし、ののしりあっていても、その息の合いっぷりからどこか共犯者めいた空気が出てくるのも面白い。一方、27歳だが精神は14歳で止まっている青年〈海〉は、初参加の内海。少年性の強い〈海〉でピュアさや戸惑いをフレッシュに演じるが、後半、彼が覚醒してからの冷たさも印象に残り、面白かった。今まで浅草九劇では四方を客席で囲ったセンターステージで上演、観客の眼前に俳優がいる緊密さ、迫力も人気のひとつだったが、今回はコロナ禍バージョンで三方が客席、ステージはスクリーンとビニールシートで囲まれた。しかしスクリーンの使い方の面白さや、“囲まれた”ことを利用しステージを煙で満たしたりと、現状を逆手にとった演出の巧みさも光る。さらに、時に照明の加減でスクリーンやビニールシートに俳優の姿が反射し鏡のようになるなど、作品の内容ともリンクし、面白い効果が生まれている。また新たな『SMOKE』の誕生だ。ほかに東山光明、伊藤裕一、山田元、中村翼、木村花代、井手口帆夏、皆本麻帆が日替わりで出演。なお大山は〈海〉との2役で出演する。東京公演は10月3日(日)まで浅草九劇にて。取材・文:平野祥恵
2021年08月31日世界的に有名な未解決事件を題材にしたミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』が2021年9月9日から日生劇場ほかで上演される。日本版演出・日本人キャストは今回が初めて。初日まで2週間と迫った8月26日、出演者らによる歌唱披露と質疑応答がオンライン上で開催された。演出の白井晃、ダニエル役(Wキャスト)の木村達成、小野賢章、アンダーソン役(Wキャスト)の松下優也、ジャック役(Wキャスト)の堂珍嘉邦、アンダーソン役とジャック役を兼ねる加藤和樹、グロリア役のMay’n、ポリー役のエリアンナ、モンロー役の田代万里生の計9名が登壇。劇中の全6曲を衣装とヘアメイクで披露した。役を演じる中で印象的に残っている部分を尋ねると、ダニエル役の木村は「ある歌詞の中で『もう止められない』と歌う部分があって、それがすごく僕の背中を後押してくれる。もう後戻りできない、突き進むしかないという覚悟をくれる」と話し、「個人的にマント捌きをやってみたいと思っていたら、白井さんの方からその歌の終わりでやってほしいと言われて、自分の気持ちが通じたようで嬉しかった」とも。稽古の中で感じる“変化”について、同じくダニエル役の小野は「稽古を始めた頃は、歌や動きなど、やらないといけないことに必死になっていたが、ようやく体になじんできました。稽古場で役を追い込んでいくと、グロリアに対しても愛情だけでなく怒りなども芽生えてきて、日々の変化を感じている」などと話していた。『ジャック・ザ・リッパー』に絡めて、共演者の“裏の顔”を尋ねた際は、モンロー役の田代が小道具のカメラのほかに、自前のカメラを持ち歩き、共演者の様子を撮影しているというエピソードや、アンダーソン役とジャック役を兼ねる加藤が次作で『フィスト・オブ・ノーススター〜北斗の拳〜』にする出演することもあって、体がより鍛え上げられている目撃談などが披露され、笑いを誘った。また、演出の白井は「韓国でロングランされている大人気作品。いまの我々が台本と音楽から感じられるものを、自分たちの肉体に即した物語としてお届けしたい。 実際の未解決事件から想起して書かれているが、なぜこんなにも長く、我々の中に記憶が残っているのかをヒントに、描いていこうと思っている」と語った。東京公演は9月29日(水)まで。大阪公演は10月8日(金)~10日(日)、フェニーチェ堺 大ホールで開催される。取材・文:五月女菜穂
2021年08月27日ミュージカル『オリバー!』が2021年10月から東急シアターオーブほかで上演される。本作は、チャールズ・ディケンズの小説『オリバー・ツイスト』を原作に、『メリー・ポピンズ』や『レ・ミゼラブル』を生み出したキャメロン・マッキントッシュ率いるクリエイティブチームが贈る、超大作ミュージカル。1960年に英ウエストエンドで初演され、68年に映画化されるとアカデミー賞で6冠を獲得。日本では帝国劇場で68年に招聘版、90年に日本人キャスト版が上演され、約30年を経た今年、新演出版として上演される。8月23日、歌唱披露イベントと記者会見が都内で行われ、フェイギン役(Wキャスト)の市村正親、武田真治、ナンシー役(Wキャスト)の濱田めぐみ、ソニンほか、オーディションを勝ち抜いた子役たちが参加した。「Consider Yourself(信じてみなよ)」や「Where Is Love?(愛はどこに?)」など、劇中の5曲を披露。感染症予防対策のため、アクリル板の仕切りがあるなかではあったが、生パフォーマンスは見応えがあった。子役たちだけの場面も多かったが、堂々とした歌唱で、開幕への期待が高まった。今回、キャメロン・マッキントッシュ直々の指名を受けた市村は「子どもたちに『市村さんって大したことないじゃない』と言われないよう、お手本となるような演技がしたい。お客様を元気にできるような役づくりをしていきたい」と話す。その市村とWキャストを務める武田は「マッキントッシュの作品に出演するというのは、ミュージカルをやっている者にとってはひとつの“ゴール”」とした上で、「それと同じくらい市村さんと同じ役をやらせていただくことはすごいこと。背中をしっかり追う」と意気込む。役を演じる上で大切にしたいことを尋ねられると、濱田は「ナンシーが初めてオリバーに出会った時に感じた、真実を見つけたときのひらめき。そのポイントを自分の中でも探して、表現できたら」。ソニンは「子どもたちのナンシーに対する信頼感、母性、辛くても笑顔で乗り切るタフさ」を大切にしたいと語り、「稽古場で子どもたちとたくさんコミュニケーションをとって、毎日笑顔で過ごしている」と述べた。主人公のオリバー役を射止めたエバンズ隼仁、越永健太郎、小林佑玖、高畑遼大。そして、ギャングのリーダーであるドジャー 役の大矢臣、川口調、酒井禅功、本田伊織をはじめとする総勢54名の子役たちの活躍も含め、開幕が待ち遠しい。取材・文・撮影:五月女菜穂
2021年08月25日サンリオの人気キャラクターが登場するアトラクション型ミュージカル Sanrio Kawaiiミュージカル『From Hello Kitty』の後期公演が2021年8月24日よりIHI ステージアラウンド東京にて開幕する。7月26日から開幕が予定されていた前期公演は、新型コロナウイルスの感染状況などから中止になってしまった。青年/いちごの王さま役(トリプリキャスト)の高崎翔太は「一生懸命稽古をしてきたのに、公演が中止になってしまう経験は何度かあるのですが、やはり慣れないですね」と正直な気持ちを明かしつつ、「後期公演は開催できるということが希望に思える。前期公演ができなかった分、さらに高みを目指して、お客様に自信をもって作品をお届けできたら、意味のある時間になるかなと思います」。今まであまり語られてこなかったハローキティの誕生物語を巨大スクリーンを使って、ダイナミックに表現する本作。なかよくハート役(ダブルキャスト)の橋本汰斗は「普段サンリオのキャラクターに触れている人たちでも、そのキャラクターたちがどう誕生したかを知る機会はなかなかないと思います。戦争という悲しい体験から、世界中の人たちがなかよくするためには、どうしたらよいだろうという思いから、あんなにキラキラしてかわいいキャラクターが生まれた。それはすごいエナジーが必要だったはず。今の苦しい状況とも重なるところもあるので、みなさんの日々の活力になったら」と見どころを語る。ハローキティはもちろん、シナモロールやマイメロディなど人気サンリオキャラクターが一堂に会するのも嬉しい。青年/いちごの王さま役の宮城紘大が好きなキャラクターはポムポムプリン。「シルエットもお尻の穴も、ポムプリダンスという踊りも、全部かわいい」。舞台上以外でもキャラクターと接する機会があるといい「出番を袖で待っている姿とか、めっちゃかわいいです」。最後に観客へのメッセージを尋ねると、おもいやりハート役(ダブルキャスト)の岩城直弥は「コロナ禍で気分が落ち込みやすい時期だと思うし、暗くなりがちなんですけど、そんなときだからこそ、“かわいい”をお届けして、少しでも幸せな気持ちになってもらえたらいいなと思います」と話した。後期公演では、ゆりやんレトリィバァや森三中など、よしもとの芸人たちが日替わりで「おわらいハート」として登場することも発表されている。ぜひ「ミラクルハートライト」を持参して、全力で観劇を楽しもう。取材・文:五月女菜穂
2021年08月20日紅ゆずるが主演するブロードウェイ・ミュージカル「エニシング・ゴーズ」が8月11日、東京・明治座にて開幕した。豪華客船を舞台に、様々な立場の人々がそれぞれの思惑があるがゆえにトラブルを引き起こし、巻き込まれていく、トニー賞3部門を獲得したミュージカル・コメディの傑作。明治座では劇場創立以来初のブロードウェイ・ミュージカル作品の上演となる。舞台は1930年代半ばのニューヨーク。ナイトクラブの大スター、リノ・スウィーニー。そして一筋縄ではいかない登場人物たちが、偶然か必然か、ロンドン行きの豪華客船S・S・アメリカ号に乗り合わせたことから物語が進んでいく。ナイトクラブの大スター・リノを演じるのは、元宝塚歌劇団・星組トップスターで、退団後初のミュージカル出演となる紅ゆずる。豪華客船でトラブルや思惑に巻き込まれながら、それすらも笑い飛ばすパワフルなリノを、軽快に演じている。リノに猛アタックされながらも、自身は社交界の華・ホープが愛しているビリー役には大野拓朗、エリートのはずなのになんだか情けないビリーだが、愛嬌たっぷりなのは大野ならでは。そして陣内孝則演じるギャング・ムーンフェイスと、平野綾演じるその情婦・アーマ。ふたりが乗船したことで、またトラブルに繋がっていくわけだが、ヒールのはずがどこか憎めないキャラクターの二人が引き起こすドタバタが、タイトルでもある「エニシング・ゴーズ」=なんでもあり!な本作をより一層盛り上げている。演出・原田諒(宝塚歌劇団)の手腕で、歌・ダンスはもちろん、各場面が一層ショーアップされた本作。主題歌「エニシング・ゴーズ」では、キャストが集合。タップダンスで盛り上がる大ナンバーは圧巻だ。さらに松井るみが手掛けた、舞台美術は、盆が回るごとに船室、デッキ、さらには客室と、まるで乗船したような気持ちで楽しむことができる。舞台となった1930年頃は大恐慌からようやく落ち着きを取り戻した時期。当時の時代も求めた明るいミュージカル・コメディをぜひ劇場で体感してほしい。公演は8月29日まで、東京・明治座にて。その後は、愛知・御園座、大阪・新歌舞伎座、福岡・博多座を回る。チケットぴあでは東京公演は公演前日17時まで購入できる当日引換券を発売中。愛知、大阪、福岡公演はチケット一般発売中。
2021年08月17日ミュージカル『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』が12月13日(月)~12月25日(土)まで東京・よみうり大手町ホールにて上演される。この度、2019年の初演ペアである田代万里生と平方元基に加え、新ペア太田基裕と牧島輝の出演が決定し、それぞれのメインビジュアルが公開された。日本初演時、ミュージカル界で活躍を続ける田代万里生と平方元基が、役柄を入れ替えての相互上演で話題となったミュージカル『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』。今冬、新しいペアである太田基裕と牧島輝を迎え、クリスマスシーズンに合わせ上演される。メインビジュアルは田代&平方のハートフルさ、太田&牧島のクールさがそれぞれ際だつ出来栄えだ。アルヴィン役の太田は、「2度とない時に心から感謝しながら、劇場でお待ちしております」と観客へメッセージ。トーマス役の牧島は、「ペアである太田さんはとても頼れる方なので、時には頼って、時には頼ってもらえるように楽しみながら2人の世界を作りたいと思います」とコメントを寄せた。なお本公演のツアー公演はなく、チケットは今秋発売予定。■公演情報ミュージカル『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』12月13日(月)~12月25日(土)上演※諸般の事情により当初の発表より初日の日程が変更になりました。何卒ご了承下さい。会場:よみうり大手町ホール
2021年08月11日ジャニーズきってのダンサーで俳優の屋良朝幸が主演するミュージカル『ドッグファイト』が装いも新たに、4年ぶり3度目の再演が決定した。映画を原作に2012年オフ・ブロードウェイで舞台化。ベトナム戦争に従軍する海兵隊員たちの愛と成長を描く、ほろ苦い青春ラブストーリーだ。作詞・作曲は映画『ラ・ラ・ランド』などでアカデミー賞に輝き、ミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』でトニー賞を受賞した黄金コンビ、ベンジ・パセック&ジャスティン・ポール。2015年の日本版初演を観劇した作家の二人から「グレイト!」とお墨付きをもらった屋良が、合同取材会で意気込みを語った。ミュージカル「ドッグファイト」チケット情報初演から主演を務める屋良は「日本版には唯一無二の魅力がある」と自信を見せる。「これだけダンスで魅せる『ドッグファイト』は、世界中どこにもない。初演を観た作家のお二人もそこを喜んでくれて、客席ですごく盛り上がってくれた。自分がダンスを突き詰めて来たからこそできた表現だったので、光栄でした」。今回の役作りでは、アメリカ海兵隊員らしい肉体改造に挑む。「やはり見た目も大事だなと。半年前からトレーニングを始めて体重を5、6キロ増やしました。筋肉が付くと踊れなくなるという話も聞きますが、実際はものすごくキレがある」。今作では、屋良以外のキャストを一新。「共演経験のある方も多く、皆さんどういう役作りをしてくるのか楽しみ」と期待を寄せる。後輩の今江大地(関西ジャニーズjr.)とは交流もあり「僕の振付もよく踊ってくれている。今作を通して今江君いいよね、と言ってもらえたら嬉しい」。初共演の小川優(ジャニーズjr.)とは「稽古で人柄を知っていければ」と話す。ジャニーズ事務所に入所して四半世紀が過ぎた。コロナ禍の自粛期間中は、自分が何者なのかを見つめ直す時間にもなったと振り返る。「エンターテイナーの見せ方のひとつとしてミュージカルに出演したり、振付けやライブもする。ダンスという武器はあるけど、未だに軸を探している感じ。でも10代の頃からアンダーグラウンドなダンスや新しいことをやりたいという反骨心は曲げずに、今でも持ち続けている。そこは良かったなと。ここまで来たら、自分のエンターテインメントの芯を作って、天国のジャニーさんにも『まだバカな事やってるよ』と自信を持って言いたい」と信念を語る。心機一転、主演作からまた次なる一歩を踏み出す。「振付やセットもガラッと変わるので、一度見たことがある方も新しい気持ちで見てもらえると思います」と笑顔でアピールした。公演は9月17日(金)から10月4日(月)まで東京・シアタークリエ、10月6日(水)愛知・日本特殊陶業市民会館ビレッジホール、10月21日(木)から24日(日)まで、大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて。東京・愛知公演はチケット発売中。大阪公演は8月21日(土)一般発売。チケットぴあでは8月20日(金)23:59まで先着先行を受付中。取材・文:石橋法子
2021年08月07日豪華客船内で巻き起こるとびきり陽気なドタバタ騒ぎを、ジャズのメロディーと華やかなダンスで魅せるブロードウェイ・ミュージカル『エニシング・ゴーズ』。作詞・作曲を手掛ける名匠コール・ポーター最大のヒット作との呼び声が高い傑作コメディだ。演出に宝塚歌劇団の座付き作家・原田諒を迎え、元星組トップスターの紅ゆずるが主演を務める。大阪公演に向けた取材会で紅は「『めっちゃ面白かった!』と、ひと時現実を忘れられるのがエンタテインメントの良さ。地元大阪ではひと暴れしたいですね」とユーモアたっぷりに意気込みを語った。ブロードウェイ・ミュージカル「エニシング・ゴーズ」チケット情報ナイトクラブの大スター、リノ・スウィーニー(紅ゆずる)はウォール街で働くビジネスマン、ビリー(大野拓朗)に首ったけ。一方のビリーは社交界の華、ホープ(愛加あゆ)にゾッコン。そのホープは母親のイヴァンジェリン(一路真輝)に連れられ、英国紳士オークリー卿(廣瀬友祐)と船上で結婚式を挙げるためリノと同じ豪華客船に乗り込んでくる。偶然にも上司のホイットニー社長(市川猿弥)を見送るため港に来ていたビリーはそのことを知り、慌てて乗船。神父に変装した指名手配犯のギャング、ムーンフェイス(陣内孝則)と情婦のアーマ(平野綾)などワケありな乗客を巻き込みながら、何でもあり(エニシング・ゴーズ)な船旅の幕が開く。物語の根底にある“人を思いやる心”が大阪と似ていると語る紅。「一回喋ったら友達、みたいな心の近さとか、諦めないしつこさとか。心と心の交流がドラマを生み出していくのだと思います」。演じるリノは世話好きで豪快な女性だ。「みんなが大惨事!となっている時も、『しょうがなくない?』と言える心の余裕や器の大きさをすごく感じます。一言で周囲を納得させてしまう説得力や存在感が必要だなと」。そこは組を率いた経験が大いに生かされる。反面、男役の癖がついつい出てしまうことも。「男性とのデュエット場面で、毎回相手をリードしてしまったり、無意識に肩で風切って歩いてしまうんです」と苦笑。さらに本作では「メロディーや音階が複雑で難しい」歌唱や、衣裳の着こなしでも女性らしさを追求する。「今までに観たことのない紅ゆずるになると思います。ファンの方が観たら、ビックリするかもしれないですね」。良いものを目指し、演出家からの要望も尽きないが「やりがいがある」と闘志を燃やす。大恐慌から少し落ち着きを取り戻した1934年に初演、同時代を生きる人々から圧倒的な支持を得た本作。「しんどい時代にこそ喜劇が求められるんだなと。人間の強さを象徴的に表すような作品だと思います。心の底から笑って『観に来て良かった』と思っていただけたらうれしいです。期待してお待ちいただきたいです」。公演は8月11日(水)から29日(日)まで東京・明治座、その後、愛知、大阪、福岡を巡演。大阪公演は9月17日(金)から26日(日)まで新歌舞伎座にて。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2021年08月06日イギリスで大ヒットし、ウエストエンドでロングラン上演を続けるミュージカル『ジェイミー』が日本に初上陸する。実話を元に、ドラァグクイーンになることを夢見るゲイの高校生ジェイミーが、さまざまな問題や困難を乗り越えていく姿をポップミュージックで綴る。ジェイミーをダブルキャストで演じる森崎ウィンに話を聞いた。ミュージカル「ジェイミー」チケット情報現在、舞台の稽古真っただ中。「演出を手掛けるジェフリー・ペイジさんは、ジェイミーがゲイだからこうして、というのはまったくないんです。あくまでも一人の人間としての描き方で、型にはめない。『僕は指揮者だから、指揮者はバイオリニストに弾き方は教えない。持ってきたものに対して全体のバランスをとるから』と。僕もプロとして彼に提示できるものをすべて持っていきたいです」と気を引き締める。ジェイミーはイギリスの公営住宅に母親と住み、子どものころから母親の服を着、靴を履いて遊んでいた。父親は家を出て行ってしまったが、母親から真っ赤なハイヒールをプレゼントされたことをきっかけに、夢に向かって突き進むことを決心する。ミュージカルの元となったジェイミーの姿は、英BBCのドキュメンタリー番組で放映され、森崎はその本人と対談する機会があった。「ジェイミーはいろんなエピソードを笑って話してくれましたが、いじめられていたこともあり、相当傷ついてきたんだなと目を見ていたら想像がつきました。僕は自分なりのジェイミーを作りますが、彼から得たものを化学反応として気持ちで発せられたらと思います」。ほかにも届けたい思いがある。「恐怖心を解いて、自分らしく自由になること。ジェイミーご本人も『何でもいいのよ、どんな服でも自分が自信をもって着れば、すごく素晴らしくなるから』と言っていました。観客が自分らしくいられる、背中を押すような作品にしたいです」。映画やドラマでも活躍中の森崎。2018年公開のスティーブン・スピルバーグ監督の映画『レディ・プレイヤー1』では、オーディションを勝ち抜きハリウッドデビューを果たした。「この世界にいていいんだと言われた気がした。向いているのかなと悩むより、まずは努力しよう」と考えるようになったという。大きいミュージカルは今作で2本目だが、来年は『ピピン』の主演にも抜擢され、大役が続く。「いつか海外公演もやりたいですし、ブロードウェイにも立ってみたいですね、人生一度きりですから。早く自由に行動できる社会に戻ってほしいですが、ジェフリーは『コロナは言い訳。それでもできることはある』と。まずは『ジェイミー』の日本初演で、こんなにいい作品を作ったんだと自分たちを認め合えるカンパニーにして、自信を持ってみなさんに届けたいです」。公演は8月8日(日)から29日(日)まで東京建物Brillia HALL、9月4日(土)から12日(日)まで大阪・新歌舞伎座、9月25日(土)・26日(日)愛知県芸術劇場 大ホールにて。チケット発売中。取材・文:米満ゆう子
2021年08月05日ドラァグクイーンを夢見る男子高校生を主人公にした、話題のミュージカル『ジェイミー』。2週間後に開幕が迫った7月下旬、「バンドリハーサルのぞき見会」がオンライン配信された。演劇関係者でもなかなか立ち会えないバンドリハーサル。気になるその中身とは?『ジェイミー』の音楽世界を彩るミュージシャンは、音楽監督・ピアノ・コンダクターを兼任する前嶋康明を筆頭に全部で13人。自己紹介を終えると、さっそくリハーサルがスタートした。M1の『誰も知らない』は、オープニングにふさわしく、本作への期待感をグッと高めてくれるナンバー。曲名にもなっている「誰も知らない」というコーラス部分は、一度聴いたら必ずや口ずさみたくなるフレーズだ。演奏が終わるとテナーサックスの竹村から、「“タラタッ、タラタ”にするか、“タタタン、タタタン”にするか」と前嶋に質問が。前嶋は後者を選択しつつ、「そうなんだよ」と納得の表情。竹村の「いいね、有意義な時間」とのやり取りに、チームの雰囲気のよさが滲む。続いてM2『頭の中の壁』。悲しい思い出を抱えつつも、前を向き、壁を越えていこうとするジェイミーの心の移り変わりを、見事にメロディで表現した一曲だ。M3の『スポットライト』は、ジェイミーの親友プリティがメインのナンバー。優しく、そして力強くジェイミーの背中を押すプリティだが、その美しく伸びやかな旋律は、聴く人すべての応援歌になるだろう。M4『伝説のロコシャネル』は、これまでの楽曲から一転。ジェイミーをドラァグクイーンの世界へと導くロコシャネルの半生が、ムーディなメロディに乗って語られる。特に冒頭のシンバルとトランペットが印象的。M5『もし昔の私に会えたなら』はジェイミーの母親マーガレットのソロ。一音一音をたっぷりと響かせるスローバラードで、マーガレットの後悔や悲哀を秘めつつ、その根底にあるのはジェイミーへの愛だと感じさせる切ないナンバーだ。M6『芸術』はジェイミーや生徒たちによるアップテンポなナンバー。リズムで聴かせつつ、カットインする重厚なギターサウンドがカッコいい。そして最後はM18『アンコール』。こちらはぜひ劇場でご確認を…。『ジェイミー』の楽曲について前嶋はこう語る。「ポップスを下敷きにした数あるミュージカルの中でも、この作品の楽曲はすごく覚えやすい。どの曲もスッと入ってくるので、ぜひラフな感じで楽しんで欲しいです」取材・文:野上瑠美子
2021年08月02日東京ディズニーリゾートデビュー&リニューアル3大ショーを本誌記者がレポート!ついに見られるようになった、パークの新たなショー。今まで公開されなかった写真とともに、見どころをご紹介します♪【クラブマウスビート】東京ディズニーランド ショーベース7月2日から始まった最新ショーは、ミッキーが主役!休園のために期間中に終演してしまった伝説のショー「イッツ・ベリー・ミニー!」を彷彿とさせる演出もあり、ファンが号泣する懐かしい曲やパフォーマンスが盛りだくさんです。『ズートピア』のニックとジュディ、『カーズ』のライトニング・マックィーンがステージショーに登場。ヴィランズシーンもポップな音楽とかわいく明るい振付に。懐かしいハロウィーンイベントの曲も採用。【ミッキーのマジカルミュージックワールド】東京ディズニーランド ファンタジーランド・フォレストシアター昨年オープンした新エリア「美女と野獣」の中にある屋内シアター。ここでのショーは、ミッキーがディズニー&ピクサー映画の音楽の旅にゲストを導きます。映像や壮大な舞台装置を駆使したショーは、まさに魔法のよう!大きなオルゴールの鍵をミッキーが回すと、それぞれのテーマソングに合わせてキャラクターたちがテンポよく次々と登場。回転する大階段の上には金色のドレスを着たベルが。アリスやマッド・ハッター、メリー・ポピンズも踊る、豪華絢爛なパーティシーン。『アナと雪の女王』のエルサのシーンは、音楽と照明で彼女の魔法を再現した演出に感動!シンデレラ、ジャスミン、ラプンツェルというレアなプリンセス3ショットでは、姫に扮したダンサーたちとともに優雅なワルツを踊ります。【ビッグバンドビート〜ア・スペシャルトリート〜】東京ディズニーシー ブロードウェイ・ミュージックシアター休演していた、豪華な劇場でのレビューショーが内容を一部変更し4月1日より復活!スウィングジャズの本格的な音楽はそのままに、キャラクターたちのおしゃべりや歌声が増え、さらにパワーアップしています。ミッキーのピアノ演奏は見どころのひとつ。’06〜’16年版のショーからピアノ曲『I Love A Piano』がカムバック。また、以前はデイジーとダンサーのみだった『Diga Diga Doo』にドナルドが参戦。ショーガールたちの激しいダンスに会場はヒートアップ。このショーで欠かせないタップダンスシーンも健在。グーフィーと一緒にダンサーたちが見事なタップを。やっぱり、ミッキーマウスは最高のエンターテイナーです!※東京ディズニーランド・東京ディズニーシーは開園時間を10〜19時に短縮中。紹介したショーを見るには入園後に東京ディズニーリゾート・アプリでエントリー受付が必要となります。(7月9日現在)
2021年07月25日1983年の日本初演以来、驚異的なロングランを続ける劇団四季ミュージカル『キャッツ』。7年ぶり4度目となる福岡公演の開幕を前にキャナルシティ劇場で行われた舞台仕込み取材会で、舞台監督の福永泰晴氏と舞台美術家の土屋茂昭氏に、舞台装置やデザイン、『キャッツ』の世界観について話を聴いた。『キャッツ』の舞台は都会のゴミ捨て場。客席に足を踏み入れた途端に広がる"キャッツ・ワールド"を築き上げる舞台美術は、本作の見どころのひとつ。猫の目線に合わせて実際の3~5倍の大きさで作られた2,500~3,000ものゴミのオブジェが、舞台だけでなく2階席まで劇場全体を埋め尽くし、まるで自分も猫になったかのような気分を体感できる。「でも猫の目線を味わうためだけじゃなくて…」と語るのは土屋。「『ユタと不思議な仲間たち』の公演で東日本大震災の被災地を回った時、被災者の方ががれきの山から取り出した物の砂をはらっている光景を見て、ゴミは思い出の塊なんだということを強く意識するようになりました。だからここも、いろいろな思い出が集積した場所なんだと改めて思いますね」ゴミのオブジェといえば、上演地ゆかりの"ご当地ゴミ"を探すのも劇場での楽しみのひとつ。今回も、「めんべい」や「チロリアン」のパッケージ、福岡ソフトバンクホークスの帽子など、24種類34点のご当地ゴミのオブジェが飾られる。そして、土屋がもうひとつのお楽しみを教えてくれた。「セットの中に、ひとつだけ四つ葉のクローバーが隠されています。場所が変わるので、来る度に見つけてくださいね。幸せのおすそわけです」劇団四季によるキャナルシティ劇場での長期公演活動は、今回の『キャッツ』福岡公演をもって終了となる。前回、7年前の『キャッツ』福岡公演が本作の舞台監督としてのデビューだったという福永は、「今回、同作品でこの劇場に戻って来られたことに、なんだか運命的なものを感じています。(先月閉館した)東京・大井町のキャッツ・シアターと比べて、劇場公演は舞台と客席の距離が近いので、より臨場感があると思います。まるでアトラクションのようなこの空間を楽しみに来てほしいですね」と力強く語り、土屋も「劇場だと、2階からという、また違った視点からも楽しめます。そしてこのキャッツ・ワールドを構成するセットやオブジェも、できるだけ近くで細かいところまで見てほしいですね」と笑顔で締めくくった。福岡公演は、7月27日(火)にキャナルシティ劇場にて開幕。チケットは発売中。
2021年07月19日