三池崇史監督の最新作『極道大戦争』の初日舞台挨拶が6月20日(土)、東京・TOHOシネマズ新宿で行われ、市原隼人、成海璃子、リリー・フランキー、高島礼子、青柳翔(劇団EXILE)、でんでん、坂口茉琴が登壇した。三池監督が原点回帰と位置づけた、渾身の完全オリジナルストーリーを映画化。“ヤクザヴァンパイア”に噛まれたら、誰もがヤクザになってしまうという衝撃の極道エンターテイメントで、第68回カンヌ国際映画祭「監督週間」での公式上映でも大旋風を巻き起こした。この日は新作の撮影を理由に、三池監督は残念ながら欠席。その穴を埋めようと(!?)、市原さんらキャスト陣は、本作の“ハチャメチャ”な世界観について言いたい放題だった。「クレイジーでぶっ飛んだ作品。すべてがオリジナルというのも本当にすごい」と市原さん。ヒロインを演じる成海さんは「台本を読んでも、何が何やらで、すごく混乱しました。でも、この祭りには参加したいなと思った」と笑顔を見せた。「よく分からない…でも面白い!ぜひ感性で楽しんで」(高島さん)、「深く考えるのはやめようと思った」(青柳さん)、「台本を読んで、これ準備稿だと思った(笑)。よくこんな企画が通ったな」(でんでんさん)、「まるで刺激的な絵本みたい」(坂口さん)と、やはり唯一無比な三池ワールドに圧倒されたようだ。いちばん“舌”好調だったのがリリーさんで、「イカれている」「この映画が公開されるなんて思っていなかった」「現場では“R-28”くらいの描写も。これ、誰が観られるの?と思った」とリリーさん流の賛辞を贈っていた。『極道大戦争』は全国で公開中。北米を始め、世界21か国での公開が決定している。(text:cinemacafe.net)■関連作品:極道大戦争 2015年6月20日より TOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開(C) 2015「極道大戦争」製作委員会
2015年06月20日「おぉっ、マジか?」。市原隼人が出演のオファーを快諾したと聞いて、三池崇史監督は驚愕した。オファー出した本人が驚くっておかしいだろっ!とツッコミたいところだが、なぜか納得してしまう。そして市原さんは、自らが主演を務め、完成したこの映画をこんな言葉で評する。「これまでの映画、これから先に公開される映画、その全てが“過去”になってしまうような新たなジャンルの映画だと思います」。ここまでで『極道大戦争』がどれくらいブッ飛んだ映画なのか十分に想像がつくと思う。一応、どんな映画なのかを説明するとタイトルの通り、やくざ映画である。だが、出てくるのはただのやくざではない。“ヤクザヴァンパイア”である。彼らに噛まれると、カタギの人間もやくざになってしまう。そして街には(文字通り)血に飢えたヤクザヴァンパイアがあふれる…。もちろん、原作小説などない。こんな、とんでもない話を思いつき、実際に映画にしてしまうのは三池監督だけだ。そこに市原さんは一寸の迷いもなく飛び乗った。そして撮影を、現場を心の底から楽しんだ。セオリーも常識も超えた戦場に身を投じる、やんちゃな男たちに話を聞いた。人気漫画やベストセラー小説の映画化が主体の邦画界にあって、本作の始まりは、三池監督によると「飲み屋での無駄話」だという。そんな奇跡のような本作が成立したという事実について監督は感慨と意義を口にする。「いま、ヒットしそうだから映画を作るとかそういう流れ、見る側というより、われわれ作る側のモヤモヤっとしたところ――そんな闇に向かってデカい石を思いっきり、筋肉が切れてもいいやって感じで、全力で投げた快感があった。そういう快感が意外とエンターテイメントの観客に必要なんじゃないかと思うんです。なかなかいま、闇に向かって石投げるのは歓迎されないけど(笑)」。ちなみに出てくるのはヤクザヴァンパイアだけではない。最強のKAERUくん、カッパなどワケのわからないものだらけなのだが…。市原さんはそんな奇想天外なストーリー展開に驚きつつ「演じていて繊細な感情と大胆な部分と凄い振り幅を持ってるんです。お客さんにとってもいろんな見方ができる作品だと思う」とその魅力を語る。特に、演じる上で印象深かったのは『ザ・レイド』でその名をとどろかせたインドネシアが誇るアクション俳優ヤヤン・ルヒアンとの1対1のアクション。「楽しかったですね。(ヤヤンさんは)もう、目が獲物を狩るような感じで(笑)。アクショントレーニングに始まって、息遣いやモーションを確認し合っていくんですけど、三池組って“生もの”だから、どんどん変わっていくんです。そうした中でのアクションはすごく刺激的でした。撮影中も次にどうなって、何が来るのかわからない楽しみがあって、子供の頃に『あそこには行っちゃダメ』と言われている場所に毎日、通っているような気分でした」。三池監督と市原さんのタッグは『神様のパズル』以来、実に7年ぶり。だが、三池監督が前作の頃から抱いてきた市原さんの印象は、7年を経ても何ら変わることはなかった。「とんがっているところは相変わらずで、その鋭さは変わらないままにより太くなったと思う。何かの覚悟を決めたんだな、この人は…という印象がある。役者というのは仕事が来れば役者だし、逆に自分が乗り気じゃなくてもやらなければいけなかったり、いろんな要素があるワイルドな生き方だと思いますそこで、どっちかを選んだり、何かを選ばないといけない時があるけど、それを全くあきらめずに『おれはこうなんだ』という強いものを持ってる。でもね、それは7年前からあったよね。役作りについて何を言われても『役作り?自分はしないんで』って言えちゃってた(笑)。そこはカッコいいと思うし、この先も変わらないんだろうなって思う」。さらに三池監督は、市原さんの“素顔”について、ハリウッドのあの名優を引き合いにこんな言葉も漏らす。「意外とね、市原隼人って役としての人間は知ってても、彼自身はどこか別の国のやんちゃな王子様って感じで実態がつかめないの。タイプは違うけど、同じ匂いを感じるのがデ・ニーロ。よくこの世界でああいう生き方していけるなと思いますよ」。そんな三池監督の言葉に「いやいやいや」とかぶりを振りつつ、市原さんは「職人でいたいんです」と自身の俳優という仕事へのスタンスを口にする。「芝居で会話したいし、現場で遊びたい。現場が終わってからじゃなくて。やらされるのは嫌だし、そういう人を見るのも好きじゃないんです」。決して多くを言葉で語ろうとはしないが、そのひと言ひと言に信念が見える。「物の捉え方が多少変わってくるし、それは必ず芝居の中にも出てくると思います。知識も増えていろんなことが見えてくると、裏ではこんな風に物事が動いているのか、こう進んでいるのか、というのが分かってくる。その中で、変に芝居をしなくていいのかな?気持ちだけそこにあればいいのかな?と思えてくるようになりましたね。基本的なことは変わらないし、がむしゃらでいたい。誰がおっしゃっていたか忘れてしまいましたが『努力はしてないけど、ポイントを押さえてきただけだ』と。それがなかなかできないんですが、そうなれたらいいなと思いつつ、年食っている最中です」。三池監督は「この映画がこんな風になったのはおれのせいじゃないよ。市原隼人がスタッフ全員を、映画を加速させたから(笑)」とおどけつつ「ひとつだけ絶対に真実として言えるのは、現場に何十人といる中で、彼が一番集中してるということ。一瞬がもったいない、真剣に生きないと…という迫力がある」と市原さんを称え、そしてこんな思いをも口にする。「いま、みんながイメージしてる“自由”というものがずいぶん小さい気がするんです。自分が自由でいられる場で自由でいようとしているような感じがして、自分が作り手となったことで、下に若い人たちが来るけど、迫力や熱を感じないんです。実際、30代の面白そうな監督がゴロゴロ出てこないといけないのに『極道大戦争』を撮ってもまだ次のオファーが来るからね(笑)。個人的に嬉しいことだけど、大丈夫かよ?とも思っちゃう。ガツガツ来る下からの熱があるからこそもっとやれるのになぁ…とも感じます」。それは若い世代に向けての叱咤激励であると同時に54歳の己を鼓舞するための刃でもある。「周りからとやかく言われなくなったら終わりが近いのかなって思います。そういう意味でカズ(=三浦知良)に学ぶことって多いです。あの張本(勲/野球評論家)さんとのやり取り(※張本氏の『もうおやめなさい』という引退勧告にカズは『“もっと活躍しろ”って言われているんだなと思う。光栄です』と返した)は本音だと思うんです。非難されることで悔しさも出てくる。あのTVでのひと言が意図せずしてカズにゴールを量産させる――そんな結果が起きてほしい。映画監督って守りに入りがちで、作品のイメージで“そういう監督”と見られがちで、それは単なる虚像なんだけど、でもいつのまにかそれが理想の生き方みたいになっちゃってる。そうやって“ポジション”“ブランド”を築いた瞬間に終わりは始まってるんです。だから、黒澤明が晩年に『ゴジラ』を撮ったらよかったんだけど(笑)、それはなかなかできないんですよ。その存在を知らしめるような代表作を超える作品を撮れる監督ってなかなかいない。イーストウッドくらいが唯一、異様な気配を持って常識を崩してる。そういうことをなんとなく考えてしまう年齢ですね。いまだに企画会議で三池崇史が土俵に上がる。ありがたいと思いつつ、ヤバい感触を持っています」。50代半ばの鬼才の原点回帰、それに呼応し見事なまでに踊り狂う若き才能の咆哮をとくと味わってほしい。(photo / text:Naoki Kurozu)■関連作品:極道大戦争 2015年6月20日より TOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開(C) 2015「極道大戦争」製作委員会
2015年06月19日『極道大戦争』の三池崇史監督が、先日、最新作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のPRのため来日したジョージ・ミラー監督と夢の初対談を実施。オーストラリアからハリウッド映画の頂点まで昇りつめたミラー監督と、日本から世界に挑み続ける三池監督。互いにエンターテイメント性と作家性を併せ持ち、アクション映画への“原点回帰”となった2人の最新作は同日公開でもあることから、日米の“映画屋”のガチンコ対決が実現した。本年度の第56回カンヌ国際映画祭に、この最新作がそろって出品された2人。伝説のヴァイオレンス・アクションシリーズが30年ぶりに復活したミラー監督の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は、トム・ハーディを主演に迎え、文字通り全編にわたってノンストップでリアル・アクションが展開する超大作。一方、ヤクザ・ヴァンパイアの壮絶な戦いが繰り広げられる三池監督の『極道大戦争』は、監督デビューから4半世紀を経て原点となる“Vシネマ・スピリッツ”を、市原隼人主演で甦らせたアクション大作だ。共に超低予算アクション映画からキャリアをスタートさせた2人が、お互いの原点となるアクションにこだわり抜いた新作をメジャー大作として完成させたこの2作は、奇しくも、今週末6月20日(土)に同日公開される。「若いころにすごく影響を受けた」という『マッドマックス』シリーズ直撃世代の三池監督は、シリーズを作り上げたミラー監督に刺激を受けてきたそうで、「ミラーさんとお会いして話せるのがとても光栄。そんな繋がりが生まれるのが、映画の持つ力だと感じる」と言う。だが、対談の席に現れたミラー監督は、まず三池監督が手にしたマッドマックス仕様にカスタマイズされたカエルのぬいぐるみに興味津々。それは、『極道大戦争』に登場する“現代の怪物にして世界最強のテロリスト”と呼ばれる謎のキャラクター。ミラー監督から「なんて名前だ、コイツは?」と尋ねられた三池監督が、「“KAERUくん”です」と紹介すると、「ミスター・フロッグ!?ファンタスティック!!」と、すっかり気に入った様子。『ベイブ/都会に行く』『ハッピーフィート』などでキュートな子ブタやペンギンを主人公に映画を作ってきたミラー監督の「ミスター・フロッグのアイデアはどこから生まれたんだ?」という質問に、三池監督は「日本には“ゆるキャラ”というのがありまして…」と、KAERUくんの原点となった“ゆるキャラ”について説明を始める一幕もあった。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』をすでに観たという三池監督は、「今回マックスを演じたトム・ハーディにしか出せない空気、カッコよさが出ているなと思いました。『座頭市』みたいな日本映画的美学を持っていて、それは監督やハーディの『マックスってなんだ?』という疑問への答えなんだと思います。ため息が漏れました」と絶賛を惜しまない。だが、続いて「実は僕もトム・ハーディと一緒に仕事をする予定だったんです…」と、三池監督から意外な告白が飛び出した。だが、クランクイン直前になってキャンセルになったことから、「それで、何かやろうと思って作ったのが『極道大戦争』なんです」と明かした。「そうか、どうりでミスター・フロッグがトム・ハーディに似てると思ったよ(笑)」と、ユーモアたっぷりに返して周囲を爆笑させるミラー監督。そして、アクション映画への原点回帰、同日公開という2作の共通点を聞かされると、「一緒じゃないか!」と、さらに頬を緩ませた。三池監督は、「新作の『マッドマックス』には痺れましたよ。こんなに面白い映画がキャリアを重ねても作れるものなんだなと思いました。普通は衰えていくものなんですけど、よりヤバくなってる」と興奮気味。「僕ら映画を作る人間からすると、『マッドマックス』を観てしまうと、世界中の映画人は“作れない理由”を状況のせいにできなくなったなと思いました。『作るか、作らないかだけ。それはアナタの問題だ』と、ミラーさんから突きつけられたような気がしたんです」と語った。すると、ミラー監督も「1週間前にスティーブン・スピルバーグから電話をもらって、いま、三池監督が言ったようなことを彼もすごく興奮しながら言ってたんだ。私もスピルバーグを始め、ロバート・ロドリゲスやJ・J・エイブラムスといったアメリカのフィルムメーカーからエネルギーをもらって、もっと映画を作りたいという気持ちになったからな」と明かしてくれた。『極道大戦争』の撮影では、「体は30代の頃のようにはいかない」と弱音を見せることもあった54歳の三池監督。だが、70歳で『マッドマックス』を作り上げたミラー監督を前に「言い訳できないなと思いましたね。やるか、やらないかだけですよ。言い訳を考えてるヒマがあったら、ローバジェットでもいいからもう1回、一から作れっていうことですよね。映画を作る人間に色んなことを教えてくれるのが『マッドマックス』です」と語る。映画との戦い方について熱い言葉が交わされた後、三池監督が「映画の中で、僕にもできる演出が一つだけありました」と告げる。「どこだい?」と興味深そうな顔で尋ねるミラー監督の前で、おもむろに頭の後ろに手をやり、劇中でマックスが顔に取り付けられた鉄仮面を外そうと、ヤスリで懸命に擦る仕草をやって見せる。「あのカシャカシャカシャってやつです」。「ハハハハ!!あれは最初から脚本にあった設定なんだが、マックスは自由になるために脱出しようとしているので、いつもああやってるのさ」とミラー監督。「ヤスリさえあれば、僕の映画でもできる(笑)。あれ以外は、とても自分には撮れませんが」と三池監督が謙遜すると、「三池監督ならほかのシーンも撮れるさ!」とミラー監督は力強く語った。また、それぞれが特別上映と監督週間での上映となったカンヌ映画祭では、三池監督が新作の撮影のため渡航できなかったことから、お詫びの思いをこめて着物姿で女装したカードが配られたが、それをミラー監督にもプレゼント。あ然としながらカードを見つめたミラー監督は、しばらくの沈黙の後、「とっても綺麗だよ」と優しく声をかけていた。長年のキャリアを重ねてきた映画監督同士が、映画を通じて送り合うエール。固い握手を交わして対談を終えた三池監督は、ミラー監督の印象を「KAERUくんのことを聞いてきたり、好奇心の塊みたいな人でした。そのエネルギーがすごいなと思いましたね。自然体でカッコいい人ですよ」と、さらなる刺激を受けた様子。これまでもハリウッドでの企画を検討してきた三池監督にとって、オーストラリアからハリウッドへと進出して成功をおさめ、そしていま再び新生『マッドマックス』を撮ったミラー監督の存在こそ、「狂気を感じますよ(笑)」。全く異なる土壌から生まれながら奇妙な縁を感じさせる2人の原点回帰。同日に公開される2本の映画は、世界で最もマッドなアクションが凝縮された映画の進化形となりそうだ。『極道大戦争』は6月20日(土)より全国にて公開。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は6月20日(土)より新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:マッドマックス 怒りのデス・ロード 2015年6月20日より新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国にて公開(C) 2015 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED極道大戦争 2015年6月20日より TOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開(C) 2015「極道大戦争」製作委員会
2015年06月19日●役作りで重要なのは「何かをするための筋肉」三池崇史監督が"原点回帰"をテーマに臨んだ映画『極道大戦争』が6月20日から公開される。この主役に起用されたのが、俳優・市原隼人。かつて、ドラマ『カラマーゾフの兄弟』(13年)では1日1個の飴玉で過ごして体重を49キロまで落とすなどストイックな役作りが当時話題になったが、本作では「噛んだ相手をヤクザ化させてしまうヤクザヴァンパイア」という役柄とどのように向き合ったのか。今回のインタビューでは、彼の"芯"となる役者道を掘り下げていく。――血を吸われた人間が"ヤクザヴァンパイア"になってしまうという、奇想天外なストーリー。"ぶっ飛んでいる"という言葉がふさわしい作品だと思いますが、オファーを受けての第一印象は?ボーダーラインを崩すような作品だと思いました。それが、映画の概念なのか、登場人物のそれぞれの感情なのか、一般的な常識といわれるものか……何か分からないんですけど、何かを壊すことができるんじゃないかという期待がありました。でも、台本を見てもどんな現場になるのか、それぞれがどんなキャラクターで、どんなふうに映るのか、全く想像ができなかったですね(笑)。劇中に"KAERUくん"が登場するのですが、現場では着ぐるみとしてではなくて一人の役者として接していました。それだけでも、異様な空気感だったことが分かりますよね。――何かもがイメージとして掴めない場合は、不安が先行しそうですが。三池監督ですから不安はなく、むしろ楽しみで胸が躍ることばかりでした。撮影がスタートしても分からないことだらけで、「次にどんなことを言われるのか全く想像できない」のも三池監督の魅力です。毎日、「明日現場で何を言われるのかな」と思いながら過ごしていました(笑)。僕が演じた影山というキャラクターも自由に演じさせていただきました。今回の作品には、個性的なキャラクターが数多く登場します。まるでテーマパークの乗り物のように次々と(笑)。その中でどうあるべきかを自分の中で模索しました。――役者として、充実した時間を過ごすことができたわけですね。いろんな世界の人間が一箇所に集まっているような作品。だからこそ、それぞれが模索しつつも、精一杯遊びながらやっている感じでした。こんな現場は今までありません。撮影を終えて思うのは、本来の映画はこういうものじゃないのかなと。家で犬を撮って1つの作品にしたり、身内で思い出を残すために作品にしたり。「誰に向けるのか」や「何のために」というよりも前に、まず現場で1つの作品を作り上げることに対して情熱を感じることができた作品でした。三池組をすごく敬愛しているのは、全員のベクトルが同じ方向でも、衣裳、メイク、照明、撮影、装飾……みんなが暴れているところ。監督は相手を信じることも1つの務めだと思うんですけど、それができる方ってなかなか少ないと思います。枠にはめていくのもそれはそれで素晴らしいですが、三池さんのように信頼するスタッフに委ねながら現場で撮っていくのもまた素晴らしい。三池組には、職人という言葉がふさわしい人が集っています。――三池組は2008年の『神様のパズル』以来でしたね。今おっしゃったような魅力は、当時も感じましたか。あの頃は……そこまで深く考えていなかったと思います。ただただ、自分のことにがむしゃらで。今振り返ると、すべてが今回の作品のような現場でした。スタッフ含め、全員のボルテージが高い。そのために三池さんは「待つ」ことも惜しみません。だからこそ、生半可なことはできないという意地みたいなものが、それぞれに宿っていて、そんな空間にいるとすごく気持ちいいんですよね。映画作りが単なる商業的なものじゃなくて、物づくりとしてまだまだ熱かった時代を彷彿とさせるような環境だったと思います。――本作ではアクションスターのヤヤン・ルヒアンさんが、市原さんの前に刺客として立ちはだかります。激しいアクションシーンもありましたが、撮影に備えての準備や役作りは?役作りについては特に何も言われていません。体づくりも、ただパンプアップして作るのもあまり好きではなくて。例えば格闘技のトレーニングを積んでついた筋肉のように、「何かをするための筋肉」じゃないとダメなんです。今回は、現場に入る前にヤヤンさんとトレーニングしました。●台本も見ずに現場に入ったデビュー作――市原さんといえば、個人的に「ストイックな役作り」という印象が強いです。そうですね(笑)。でも、役への入り方はデビュー作の『リリイ・シュシュのすべて』(01年)から変わっていません。あの時と同じ気持ちで、今もずっと臨んでいます。例えるなら、子どもが積み木を重ねるような気持ち。そういう状態で、いつまでも現場にいられたらいいなと思います。できるだけ無駄なものを除いて現場にいたい。「やらされている」ではなくて、「自分がやりたくてやっている」を第1に。ボクサーの役だったらボクシングを徹底的にやりますし、精神的に追い込まれている役だったら体重を落とします。役作りの方法はいろいろありますけど、根本の気持ちの部分はずっと変わりません。自分としてはアクションも普通の芝居も感覚としては同じ。役作りも体を使うものなのか、感情を使うものなのかの違いだと受け止めています。――『カラマーゾフの兄弟』のように食事制限をしている中で、「この仕事、嫌だな……」とか密かに思うことはないんですか?つらいときありますよ(笑)。49キロまで落として何が何だかわからなくなる状態になりましたが……それがまた好きになれてしまうんですよね。また、そこを目指したくなる。役者って変な仕事ですよね(笑)。――三池監督は、本作を"原点回帰"と位置付けているそうですが、市原さんにとっての"原点"とは?どんな現場に行っても一番最初の作品(『リリイ・シュシュのすべて』)のことは浮かびますね。最初の作品があって、この世界に入って、今はこういうことができている。改めて、ありがたいなぁとしみじみ思います。どんなキャラクターを演じていても、必ずどこかでふと思い出します。今でもすごく大好きな作品で、カメラマンの篠田(昇)さんも、岩井(俊二)さんも大好き。内容はすごくハードなんですけど芸術的で、映像もすごくきれいな作品です。――デビューが良い作品だったというのも幸運ですね。何にも分かってなかったですけどね(笑)。あの作品で、数ページにわたっての長台詞があったんですよ。フィルム撮影だったんですが、撮り終えるまでに要したのは64テイク(笑)。いかに何も考えてなかったかが……台詞も覚えていなかったですから当たり前ですよね。芝居の「し」の字も知らないころ。すごく有名な役者さんとやると聞いて、自然にやればいいんだと思って台本も見ずに現場に入って、相槌打って適当に動いて。「そっちの方がいいね」とか言ってもらえましたが、結局丸々一日潰れました。(蒼井)優さんと一緒だったなぁ。15年ぐらい前ですか。懐かしいですね。それから最近は物事に対する考えが徐々に変わっていきました。本気で笑えて、本気で泣けて、本気で悔しがって。そういう根源を大切にし続けないといけないなと。これからも役者の務めるべきことを全うしていきたいですし、もっともっと挑戦していきたいですね。――そういう思いがなかったら、今回のようなぶっ飛んだ作品で声が掛かることはなかったわけですね。本当ですね。あの頃の自分に見せてあげたい(笑)。でも、環境はあの時と何にも変わっていないんですよ。地元の仲間もずっと一緒。当時のスタッフにも会ったりしますし、今でも親しい人の中にはあの頃に知り合った人もいます。……10年後どうなってるのかな(笑)。■プロフィール市原隼人1987年2月6日生まれ。神奈川県出身。2001年の『リリイ・シュシュのすべて』で映画主演デビュー。2003年に『偶然にも最悪な少年』で、日本アカデミー賞新人賞を受賞した。その後も多数の映画・ドラマ作品に出演。映画『極道大戦争』の公開(6月20日)同日には、4年ぶりとなる写真集「G 市原隼人」、そしてショートフィルム「Butterfly」DVDが発売される。
2015年06月19日市原隼人が6月15日(月)、東京・千代田区の神田明神で行われた主演作『極道大戦争』のヒット祈願イベントに、共演する成海璃子、高島礼子、三池崇史監督とともに出席。「こんなクレイジーな台本は初めて。公開が近づき、うずいています」と武者震いしていた。本作は“ヤクザヴァンパイア”に噛まれたら、誰もがヤクザになってしまうという衝撃の極道エンターテイメント。三池監督が原点回帰と位置づけた、渾身の完全オリジナルストーリーであり、第68回カンヌ国際映画祭「監督週間」で旋風を巻き起こしたばかりだ。現地入りした三池監督は、「誰も見たことがない映画として受け入れられた。カンヌの観客は基本的に厳しい目を持っているが、みんな驚きながら楽しんでくれた」と報告していた。また、市原さんについて、「アクションでけがをしても、意に介さず撮影をやり遂げる集中力がすごい」と絶賛する三池監督は、「もし生まれ変われるなら、市原隼人になりたい!アツすぎて家族は迷惑かな(笑)」と敬意を表した。一方、女優陣も「現場では、ウソと思うようなことがたくさんありました」(成海さん)、「私が演じるのは、ヤクザの“若頭”。でも、何でもアリの三池さんの世界だから、ありがたく演じさせてもらった」(高島さん)と唯一無比の三池ワールドに心酔していた。この日、4人は季節先取りの浴衣姿で、イベントに臨んだ。『極道大戦争』は6月20日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:極道大戦争 2015年6月20日より TOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開(C) 2015「極道大戦争」製作委員会
2015年06月15日『SRサイタマノラッパー』でゆうばりファンタスティック映画祭オフシアター・コンペティション部門のグランプリを獲得以来、注目の若手映画監督として話題作を次々と手掛ける入江悠監督。青春ロックムービーである『日々ロック』や、本格的なスパイアクションが繰り広げられる『ジョーカー・ゲーム』と、近年は積極的にエンターテイメント作品を手掛け、次々と新境地を切り開いている。そんな入江監督の次なる挑戦が、ドラマ「ふたがしら」での“時代劇”だ。WOWOWが仕掛ける誰も観たことがない時代劇を、入江監督はどう演出したのか。ドラマの原作となる「ふたがしら」は、オノ・ナツメによる時代劇漫画。独特なタッチで描かれる原作漫画を、入江監督はどう読んだのだろう。「オノ・ナツメさんのお名前は知ってましたけど。普段わりと少年マンガみたいなものしか読まないので、監督することが決まってから初めて読みました」と明かす入江監督。「最初は、絵が独特なのでキャラクターの誰が誰だか分からなかったんですけど(笑)、読んでいくうちにだんだんハマっていって。コマ割りというか、事件の核をすっ飛ばして事後を描いたりとか、物語の進め方や、表情の捉え方がすごい独特だと思いましたね」。オノナツメならではのフェティッシュな色気漂う原作の映像化という難題に挑む本作。映像化への推進力になったのは、「劇団☆新感線」の旗揚げを担った座付き作家である中島かずきの脚本だ。「あのマンガならではの時間の切り取り方とかもあるんで、映像化はなかなか難しいなと思いましたね。あのマンガの空気感って天才的なものがあるので。それでも、中島かずきさんの脚本ができたことで、ちょっと見えてきたところがあるというか。中島さんの脚本は、男臭くて、“ON”というか、表に出す芝居を書くのがすごいうまいなと前から思っていて、今回も随分と中島さんの脚本で見えてきたものがありました。たとえば、原作には盗みのシーンってそんなに出てこないんです。主人公達が部屋でだらっとしたりとか、歩いていたりとか、なに考えているんだか何も考えていないのかわからないような不思議な時間が多くて、もちろんそこがオノさんの原作の魅力だと思うんですけど、せっかく盗人ものなんでそこはちゃんと描いていこうというのがありました」。そして、音楽を務めるSOIL&“PIMP” SESSIONSの起用も、映像化の方向性の舵取りに大きく影響したようだ。「ぼくは時代劇がはじめてだったんで、どこまで崩すかっていうのはまったく見えてなかったんですよ。そこで、もともとプロデューサーがWOWOWで新しく時代劇がはじめるにあたって、何か新しいことをしたいっていうときに、ジャズ的な組み合わせたらどうだろうということでソイルさんを口説いてくれたんですね。脚本をみんなでどうしようかって相談している、それはもう初期の段階でソイルさんの名前が出てきて。そこでちょっと方向性が固まった感じありますね。オノ・ナツメさんのマンガの感じっていうのは映像にするとすごく出しにくいというか、そこをソイルの音楽に助けてもらった感じはあります。たとえば、『死刑台のエレベーター』の音楽をマイルズ・デイビスがやっている、みたいなことって、なかなか今の映画ではできないじゃないですか。でもよく考えると、市川崑監督の『金田一』シリーズとか、石坂浩二さんがばたばたばたっと走るとことか大野雄二さんの音楽が流れて、完全にジャズだったりしますよね。昔ってそういったアバンギャルドなことやっていたんだなって」。インタビューが進行する中、入江監督の口からはさまざまな作品の名前があがる。初の時代劇への挑戦にあたって、参考にした作品は、“スタンダード”な時代劇だったようだ。「もともと時代劇がけっこう好きだったので、東映の昔の時代劇とか、忠臣蔵みたいなものとか、あとは三池崇史さんの『十三人の刺客』とか、ああいうのを見直しました。ほかには、『必殺仕事人』とか、『雲霧仁左衛門』とか、長寿シリーズのDVDボックスを買って見直したりしましたね。『ふたがしら』はあそこまで殺伐としてないんですけど、雰囲気としては参考にしてもらいたくて松山さんと早乙女さんに観てもらったのは、マキノ雅弘さんの『次郎長三国志』とか、“股旅”ものですかね。最近の作品だと、小泉堯史監督の『蜩ノ記』にすごく感動して。オーソドックスで渋いというか、究極の目標としてはああいう作品をやりたいと思いましたね。今回は主演が若い2人で、ぼくも時代劇は初めてなので、ちょっとポップにやりつつも、東映のスタッフさんに勉強させてもらいながら、なるべくリアルに、監修をちゃんと踏まえてやろうというのはありました」。「ふたがしら」の主演を務めるのは、松山ケンイチ。そして共演に早乙女太一。どちらも入江監督とは初のタッグとなるが、日本映画界きっての若手実力派俳優と、“100年に一度の女形”と称さる新星との撮影を振り返り、「すごく助けられた」という感想を語った。「髪型どういう風にするとか、衣装をどのぐらい崩すかとか、その辺はやっぱり経験の積み重ねがすごいなというか。ぼくが演出上でお願いしたのは、セリフのスピード感や間とか、そういったことですね。早乙女くんとか子どもの時から着物着てるからそれはもううまいですよね。立ち振る舞いとか、色気がありましたし」。さらに、それぞれの役へのアプローチの仕方も弁蔵と宗次同様、対照的だったと明かしてくれた。「松山さんって想像していたより熱いひとで、芯が強いというか。子供っぽい表情をしたりとか、間抜けな芝居とか結構してるんですけど、すごい緻密に考えてて。今回は順番に撮影できなくて、5話を入り乱れて撮ったんですけど、前半に撮影してるときに急に最後の方の芝居をとらなきゃならないっていうことがあっても、こういうときはどういう感情なんだとか、主人公がどのくらい成長してるのかっていうのをすごい相談してくれて。撮影中は、“いまのやり過ぎてないですかね?”とか、“ここっていうのはこの流れできてるからこれでいいんですかね”とか、すごい聞いてくれましたね。逆に早乙女くんは全然聞かないで、自分で淡々とやっていました。ふたりが好対照でおもしろかったですね。」一癖も二癖もある個性的なキャラクターたちが脇を固める本作。とりわけ物語の悪役として存在感を発揮するのは、殺しを厭わぬ冷血さを持つ甚三郎役の成宮寛貴と、ミステリアスな美しさをたたえるおこん役を演じる菜々緒の二人だ。「時代劇っていうのは特に悪役が立たないととおもしろくないんですよね。今回、成宮さんも菜々緒さんもけっこうアジトである家の中にいて、二人は頭(かしら)として手下を動かす感じなので、ずっと部屋の中にいるシーンが多いんです。なので、どうしたら毎回変化を出せるかっていうのは相談しながら撮ってました。でも、二人のシーンって策を練ったり腹の探り合いをしていたり、けっこうだらだらしてるというか、退廃的な感じがしたりするので、オノさんの原作と近い感じがします。成宮くんから漂う悪の香りというか、悪い色気があっておもしろいなと思いましたね。」物語の裏で糸をひくおこんを演じた菜々緒は、今年に入ってからもドラマや映画に多数出演し、女優としての存在感をますます増している。そんな彼女に、入江監督は惜しげもない賛辞を送る。「菜々緒さんが色っぽくてよかったですね。あんな風な悪い目とか、なに考えてるんだろうって顔できるひとって意外と少ないですし、珍しいですよね。今回はじめてご一緒させていただいたんですけれど、すごい才能だな…って。『ふたがしら』って、弁蔵と宗次が主人公ではあるんですけど、実は菜々緒さん演じるおこんがキーパーソンなんですよ。蜘蛛の巣みたいに裏で糸を張って、登場人物たちをどこまで操っているのかわからない。あの腹黒さというか、このひと何かあるなっていう存在感がすごいですね。どんな人生送ってきたんだろう…(笑)。特に着物に関しては、女性って着慣れてないと似合わないものなんですけど、菜々緒さんはいきなり似合ってて。“経験あるんですか?”って聞いたら初めてだったみたいで。ある種天才的な女優さんですね」。魅力的なキャストとスタッフが集結した本作。それを取りまとめた入江監督は、どんな演出で挑んだのだろうか。「原作の色気を出すのがやっぱり難しく苦労しましたね。演出として最初にやったのは衣装です。色味とかデザインとか、主要なキャラクターはちゃんと素材から選んで特注で仕上げてもらって。特に二人の衣装は、質感、テカり方とか艶っぽさだとか、色気のあるものを選んで。特に“ふたがしら”なんで、ふたりの衣装の、似てる部分と違っている部分っていう、そういうバランスが大事。衣装について時間をかけたのは、いままでの作品の中でも今回が一番長かったと思います。現代劇だと、だいたいサイズ感がフィットするかとか、質感がとか、そんなに選択肢がないんですけど、今回の時代劇の場合は、当時はこの柄はなかったっていうのをも、このぐらい嘘つくのは許容範囲だろうとか、少しずつ手探りでやった感じです」。新時代の監督として、新しい時代劇を生み出そうと挑戦した本作。しかし、映像全編に漂うのは、どこか懐かしくもある正統派の時代劇としての風格だ。若手監督として、憧れだったという時代劇に挑む胸中にはどんな思いがあったのだろう。「ぼくは30歳半ばですけど、子どもの時はテレビで『水戸黄門』とかそういった時代劇をやっていて馴染みがありましたけど、いまの若いひとって、時代劇を観る機会が減ってきていると思うので、そういうひとたちがはじめて観るきっかけになって欲しいなって思います。ドラマもそうですけど、一時期の日本映画って時代劇がたくさん作られていたと思うんです。京都の撮影所って50代60代のスタッフさんに仕事教えてもらいながらやるんですけど、こういう機会はなかなかないですよ。時代劇って、畳に座った時の美しさとか、現代劇だとなかなか描けない時代劇ならでは“様式美”があると思うんです。ぼくらがいきなり畳に座ってもそういうのって美しく座れないんですけど、スタッフもキャストも、慣れたかたがすっと座ると美しいんですよ。障子の開け方とかにもちゃんと決まりがあって。やっぱりこういうチャンスがないと、伝統が引き継がれないので、こういったことに挑戦するのはすごいいいことだなと思います」。入江監督の語り口は、どこか冷静で淡々としたところもある。過去の偉大な作品への愛を惜しげもなく語るその姿は、とても謙虚な誠実さ同時に、静かなる情熱を感じさせる。日本が誇る時代劇という伝統への尊敬、そしてひとりの作り手として、伝統を次の世代へと繋いでこうという気概を、そこに感じることができた。最後に、次回作への展望を語ってもらった。笑顔で語る入江監督の姿は逞しくもあり、映画が好きで好きでしょうがない、ひとりの映画少年のようでもあった。「ぼくは『ターミネーター』とか『バックトゥザフューチャー』とかで育った世代なんですよ。だから、ずっとSF映画をやってみたいって思ってますね。『宇宙戦争』みたいな、地球が危ない系の映画を(笑)」。(text:cinemacafe.net)
2015年06月13日三池崇史監督がメガホンを取り、俳優・市原隼人が主演を務める映画『極道大戦争』(6月20日公開)の制作秘話が、このほど明らかになった。作品誕生のきっかけは"居酒屋"。そして、撮影場所は三池監督にとって"運命"とも言える日活撮影所で行われた。本作は、"ヤクザヴァンパイア"に噛みつかれた人間が次々とヤクザ化するという奇想天外なストーリー。ヤクザや堅気のほか、謎の刺客やKAERU君、河童などさまざまなキャラクターが登場し、「アクション映画」「ゾンビ映画」という枠を超えた規格外の作品が完成した。三池監督が「一度原点に戻りたい」という思いで臨み、市原をはじめ、成海璃子、リリー・フランキー、高島礼子、青柳翔太、ピエール瀧といった個性豊かな俳優陣が集結した。構想のきっかけとなったのは2013年末、居酒屋での雑談だった。出席者は三池監督をはじめ、千葉善紀プロデューサー、助監督で『猫侍』(14年)などを手掛けた山口義高氏ら。そこで、三池監督のスケジュールが空いていることが判明し、「何かやろう」という流れに。かつて三池監督がVシネマで撮っていた『極道戦国志 不動』(96年)や『FULL METAL 極道』(97年)のような「"異色ヤクザ映画"を作ろう!」と盛り上がった。そこから、ヴァンパイアとヤクザを組み合わせた「噛まれたらヤクザ」という設定が生まれ、山口氏が脚本担当に指名される。山口氏はその後も次々と出るアイデアをナプキンに書き留めていたものの、内心では「この場限りの話だろう」。ところが翌日、千葉プロデューサーから正式に脚本執筆の依頼があり、そこから急ピッチで制作が進んだ。この急展開に三池監督も「本当にやるんだ(笑)」と驚く一方、「こんな作品を映画にできるのは日活しかいない」と確信したという。撮影が行われたのは、三池監督がテレビドラマの助監督時代の大半を過ごし、「一番いろんなことを学んだ場所」と語る日活撮影所。その一角の取り壊しが決まったことで「何をしても構わない」という好条件がもたらされ、"日本海に面した寂れた町の商店街"のイメージで全長100メートルのオープンセットを組むことができた。「無くなるってことはまた何かがはじまるってことなので、寂しさよりも、そこに存在してくれたことへの感謝の方が大きいですね」と語る三池監督。劇中の不動産屋で、日活撮影所衣裳部に駐在する第一衣装の元社長を特別出演させるなど、本作の演出には三池監督の「最後にここで撮影ができたことに運命を感じます」という感謝の思いが数多く詰まっている。(C)2015「極道大戦争」製作委員会
2015年06月11日現在公開中の『新宿スワン』やNHK大河ドラマ「花燃ゆ」に出演、11月には『劇場版 MOZU』の公開を控える俳優・伊勢谷友介がこの度、アプリゲーム「ゲーム・オブ・ウォー - Fire Age」の新CMで歌声を披露。さらに勇ましく戦いに挑む迫真の演技をみせていることが分かった。今回、伊勢谷さんが起用されたCMは、世界中のオンラインプレイヤーと共に、同盟を組んでメンバーを支援したり、協力して敵を倒したりすることで、王国支配を目指していく無料アプリゲーム「ゲーム・オブ・ウォー - Fire Age」。7,000万ダウンロードを突破し、世界95か国でApp Storeの売上ランキング1位を獲得するなど人気のアプリゲームだ。気温27度、太陽が照りつける夏日に茨城県の採石場にて行われた新CM撮影。6月8日(月)から放送される「WAR ANTHEM」編では、伊勢谷さんが名曲 「WOW WAR TONIGHT ~時には起こせよムーヴメント」を歌いながら、ゲームと同様に仲間を引き連れ、敵に立ち向かう男気あふれる姿が映し出される。また、同CMには園子温監督の『ラブ&ピース』、三池崇史監督の『極道大戦争』、石井岳龍監督の『ソレダケ/that’s it』に出演する個性派俳優・渋川清彦も登場する。休憩時間には外国人の出演者と英語でコミュニケーションをとるなどなど、フランクでリラックスした様子で挑んだ伊勢谷さん。CMソングである 「WOW WAR TONIGHT ~時には起こせよムーヴメント」をリアルタイムで聴いていた世代ともあって、同世代の制作スタッフと「懐かしい!」と盛り上がる一幕も。そんな和やかな雰囲気の中でも撮影が始まると表情は一変。戦闘シーンを想起させる「猛ダッシュ」と「雄叫び」のカットは、監督と何度も話し合いながら叫び方の練習をされるなど、演技への徹底したこだわりがみられる。戦士たちを戦いに駆り立てる「WAR ANTHEM」が流れる中、ギラついた鋭い眼光で敵を睨み走り出し、力強く雄叫びをあげる伊勢谷さんの迫真の演技に注目してみて。「ゲーム・オブ・ウォー - Fire Age」「WAR ANTHEM」編は6月8日(月)より放送。(text:cinemacafe.net)
2015年06月05日南仏のリゾート地カンヌで開催中の、第68回カンヌ映画祭。カンヌでは映画の売買が行われるマーケットも開催されており、各国のパビリオンがずらりと並んで自国作品をアピールしたり、映画撮影を招聘している。さながらミニ万博といった雰囲気の中、日本も4年ぶりにジャパン・パビリオンを開設し、小山薫堂プロデュースのKANPAI NIGHTというパーティーも開催。こちらには、『岸辺の旅』の深津絵里さん、浅野忠信さん、『あん』の河瀬直美監督、永瀬正敏さんらも出席。日本酒や和食が振る舞われ、1,000人以上の招待客が詰めかけ、一時は入場制限をするほどだった。また、ジャパン・パビリオンではキャスティング・ディレクターの奈良橋陽子さんらのセミナーが行われただけでなく、5月19日(現地時間)はまる1日「KUMAMON DAY」としてくまモンが登場。熊本県営業部長代理のくまモンがなんと4曲もダンスをして、熊本県のよさや、熊本県で撮影された映画を愛嬌たっぷりにアピールし、外国人記者やバイヤーたちに大受けしていた。くまモンと『極道大戦争』に登場するKAERUくんとのカンヌだけの共演もあったり、くまモンのショートムービーも上映され、その演技力(?)も披露。ジブリ映画『思い出のマーニー』などの作曲家、村松崇継さんは、次回作『BBOY IN A DREAM』(今井孝子監督)のアピールのためカンヌ入りしていたが、くまモンの人気に驚いて「僕も刺激を受けました。カンヌに来るとやる気になりますね」と語っていた。今年のカンヌでは、日本映画はコンペティション部門に是枝裕和監督の『海街diary』、ある視点部門に河瀬直美監督の『あん』、黒沢清監督の『岸辺の旅』、さらに監督週間部門に三池崇史監督の『極道大戦争』が上映されただけでなく、コンペでは侯孝賢監督(台湾)の『黒衣の刺客』には妻夫木聡が、ガス・ヴァン・サント監督(米)の『SEA OF TREES』には渡辺謙が主要な役で出演している。果たして、何か賞に絡んでくるのか。受賞結果はある視点部門は23日夜、コンペティション部門は24日夜(現地時間)に発表される。(photo / text:Ayako Ishizu)
2015年05月24日三池崇史監督が22日(現地時間21日)、フランス・カンヌで開催されている第68回カンヌ国際映画祭にサプライズ動画で出演し、"極妻"仕様の女装姿を披露した。この動画は、三池監督がメガホンをとった映画『極道大戦争』(6月20日公開)が同映画祭の監督週間に正式招待されたことを受け、現地での公式上映に合わせて公開されたもの。今回、三池監督はスケジュールが合わず映画祭に出席できなかったため、映画祭と世界の映画ファンへ向けて、サプライズメッセージを用意した。黒の留め袖に女カツラとメイクという、「極道の妻たち」シリーズに出てきそうな女装姿で、番傘と「たかし」の名入りのちょうちんを携えた監督は、「お集まりの皆さん、こんばんは。監督の三池崇史です。今日は極道大戦争にお集まりいただき、本当にうれしく思います」とあいさつ。「本来ならば、そちらにいってごあいさつしなければいけないのですが、私、今年のはじめから、富士山の麓で芸者をはじめまして、いろいろ忙しくそちらへ伺うことができません。いよいよ来週はシリコンをいれる予定です」と、シャレを効かせた三池流で映画祭欠席をわびつつ、会場を沸かせた。今回の三池監督の女装メイクを担当したのは、トップモデルのメイクや広告を担当するヘア&メイクアップアーティストの冨沢ノボル氏。映画『へルタースケルター』(2012年)で注目された冨沢氏は、『逆転裁判』(2012年)など三池監督作品にも参加。サプライズ動画でありながら、監督・出演に三池氏、メイク・冨沢氏という豪華なコラボレーションが実現している。映画『極道大戦争』は、三池監督の「この辺で一度原点に戻りたい」という思いのもと、原作なしのオリジナル企画で制作。俳優の市原隼人を主演に迎え、ヤクザヴァンパイアにかみつかれた人間が次々にヤクザ化してしまうという奇想天外なストーリーを作り上げた。(C)2015「極道大戦争」製作委員会
2015年05月22日川瀬直美監督、黒沢清監督、是枝裕和監督と並びカンヌ常連監督の一人である三池崇史監督が原点回帰を果たしたと語る最新作『極道大戦争』。現在開催中の第68回カンヌ国際映画祭「監督週間」から正式招待を受けた本作が日本時間22日午前3時半より公式上映された。映画祭に参加できなかった三池監督の“女芸者”姿がスクリーンに映し出された。噛まれた人間が次々とヤクザにして、ヴァンパイア…“ヤクザヴァンパイア”と化していく街で、尊敬する親分のカタキを討つべく立ち上がるヤクザヴァンパイアの青年の戦いを激しいアクションと共に描き出す。1969年に創設されたカンヌ国際映画祭の併設部門「監督週間」。新しい才能や新人を発掘する一方で、巨匠監督の独創的な作品を上映し、監督の違う側面に焦点をあてるのもこの部門の特徴だ。最近の邦画では園子温監督の『恋の罪』、昨年のカンヌでは高畑勲監督の『かぐや姫の物語』が監督週間でアニメーションとして唯一の選出となり話題を集めた。今回、三池監督が映画祭と世界の映画ファンへ向けて用意した強烈なサプライズメッセージ。黒の留袖に女鬘とメイクという完璧な女装姿で、番傘と“たかし”の名入りのちょうちんを携えた監督は、「お集りの皆さん、こんばんは。監督の三池崇史です。今日は極道大戦争にお集りいただき、本当にうれしく思います。本来ならば、そちらにいってご挨拶しなければいけないのですが、私、今年のはじめから、富士山の麓で芸者をはじめまして、いろいろ忙しくそちらへ伺うことができません。いよいよ来週はシリコンをいれる予定です」 と映画祭への参加が叶わなかったことについて、シャレを効かせた三池流の演出で詫びた。この三池監督の完璧な女装メイクを担当したのは数多のトップモデルや広告を担当するヘア&メイクアップアーティストの冨沢ノボル。映画『ヘルタースケルター』で注目され、三池監督作品にも多数携わっており、異例の豪華アーティストが参加するかたちとなった。公式上映の舞台挨拶は、冒頭の三池監督によるサプライズコメントから始まり、本作で謎の刺客・マッドドックとして登場し、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』への出演も決まっているインドネシア俳優のヤヤン・ルヒアンのほか、謎の刺客として着ぐるみとは思えない壮絶アクションを繰り広げるKAERUくんが登壇し、会場を沸かせた。『極道大戦争』は6月20日(土)よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年05月22日現在開催中の第68回カンヌ国際映画祭「監督週間」に選出された三池崇史監督、市原隼人主演の『極道大戦争』。このほど、本作で市原さんと死闘を繰り広げる謎の“ゆるキャラ(?)”殺し屋、KAERU君が現地入り、なんと同映画祭内で開かれたイベントで、ゆるキャラ界の人気者・くまモンと夢の2ショットが実現したことが分かった。“ヤクザヴァンパイア”に噛まれたら、誰もがヤクザになってしまうという衝撃の極道エンターテイメントとなる本作。三池監督が自身の“原点回帰”と位置づける、渾身の完全オリジナルストーリーだ。さらに本作は、2011年に『一命』、2013年に『藁の盾』がそれぞれコンペティション部門にて、2012年には『愛と誠』がミッドナイトスクリーニング部門にて上映されたカンヌの“常連”・三池作品としては、12年ぶりとなる「監督週間」への正式招待作品。そこで、日本からは、本作に登場する“世界最強の殺し屋”KAERU君がカンヌ入り。現地時間5月18日に行われたジャパンデイ プロジェクト主催イベント「KANPAI NIGHT」で、くまモンと夢の競演を果たした。このKAERU君とは、ヤクザヴァンパイアとなった影山(市原さん)と死闘を繰り広げる、ヤクザ嫌いの謎の殺し屋。一見可愛らしい姿とは裏腹に、金属バットを振り回し、強烈なミドルキック(!)でヤクザたちをなぎ倒す暴君っぷり。いまや世にあふれるゆるキャラとは、明らかに一線を画す存在だ。昨今は、くまモンを始め、ふなっしー、ねば~る君やバリィさんなど、ゆるキャラが各メディアで群雄割拠し、地域・経済活性化の重役を担う存在となるほどの、“ゆるキャラ戦国時代”。もちろん映画界においても、昔からゆるキャラがヒットの要因となる例が少なくなく、特に『スター・ウォーズ』シリーズのヨーダ、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのゴラム、『ハリー・ポッター』シリーズのドビーなど、大人気シリーズでは世界中から愛されるキャラクターとして定着。つい最近でも、2013年に一大ブームを起こした下品なテディベアのテッド(『テッド』)、2014年に彗星のごとく現れた、生きるイボ痔のマイロ(『バッド・マイロ!』)など、ひとクセもふたクセもある映画界のゆるキャラ(?)たちが、作品のヒットに貢献している。今回、KAERU君も、ゆるキャラブーム火付け役・くまモンとの共演したことで、2015年度映画界最強のゆるキャラ(?)のお墨付きをもらったといえるかもしれない!?『極道大戦争』は6月20日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)
2015年05月21日俳優・市原隼人の4年ぶりとなる写真集「G 市原隼人」の発売が決定。市原さんが初監督にして主演を務めたショートフィルム「Butterfly」(’14)のロケ地・タイを舞台に撮影されたことが明かされた。現在開催中の第68回カンヌ国際映画祭「監督週間」に出品される三池崇史監督作『極道大戦争』で主演を務めるなど、さまざまな作品に出演し、三池監督にも「根っこは太くなったけど、変わらないエッジを持っている」と役者としてのパワーを称賛された市原さん。今回発売となる写真集では、タイを舞台に、バンコクの街並みに自然に溶け込み、ひとり佇む姿や、熱帯の島・シーチャン島でストイックに鍛え上げられた美しい肉体を披露している。さらに今回は写真集だけでなく、米国アカデミー賞公認、アジア最大級の国際短編映画祭「SHORT SHORTS FILM FESTIVAL & ASIA 2014」の「話題賞」を受賞した、市原さん自ら監督・主演を務めるアクションムービー「Butterfly」のDVDも同日発売されることが明らかに。約18分の本編映像のほかに、バンコクに到着してから、ロケハン・撮影・滞在最終日までの10日間の行動を追う40分のメイキング・インタビュー映像も収められており、本番前夜まで欠かさずにアクション練習を行う姿や、監督として現場で指揮を取る姿、タイの街中をのんびり散策する姿など、滞在中にみせる市原さんのさまざまな表情を堪能することができるファン垂涎の内容となっている。「G 市原隼人」、DVD「Butterfly」は6月20日(土)発売予定。(text:cinemacafe.net)
2015年05月18日三池崇史監督×市原隼人主演の映画『極道大戦争』のスピンオフアニメ『極道酒場でんでん~極道大戦争外伝~』の主題歌をグループ魂が手がけることが決定し、オープニング映像が解禁された。でんでんは「僕が主人公のアニメができるなんてありがたいんですが、観てもらわないと話にならないからね。本当に出来上がりが楽しみ」とコメントを寄せている。オープニング映像『極道酒場でんでん…』(全3話)は、映画にちなんだ登場人物たちがデフォルメされた姿で登場し、シュールな会話を展開するショートアニメ。居酒屋の大将・法眼を演じたでんでんは、芸名の由来のひとつとなった“でんでん虫”にキャラ化されている。制作は『秘密結社 鷹の爪』『貝社員』などを手がけるDLE。主題歌は“全トラック人名タイトル”をコンセプトに制作されたグループ魂の最新アルバム『20名』(7月15日発売)に収録されており、タイトルもズバリ『でんでん』。レコーディングについてでんでんは「印象に残っているのは『みんなハッピーかい?』のセリフを録っているときに宮藤官九郎さんをはじめ、グループ魂のメンバーの皆さんがすごくウケてくれて。だから張り切っちゃった(笑)。浮かれ過ぎて、のどを潰しかけちゃいました。収録は一発OKだったんだけど、嵐のような5分間でしたね」と話し、「たくさんの人に観てもらいたいし、主題歌も聴いてもらいたい」とコメントしている。スピンオフアニメ『極道酒場でんでん…』はGYAO!にて5月30日(土)より無料配信されるほか、CS映画チャンネル・チャンネルNECOにて6月5日(金)より放送される。『極道大戦争』6月20日(土) TOHOシネマズ 新宿ほか全国ロードショー『極道酒場でんでん~極道大戦争外伝~』5月30日(土)よりGYAO!にて無料配信6月5日(金)よりCS映画チャンネル・チャンネルNECOにて放送
2015年05月13日俳優の伊藤英明が、三池崇史監督の映画『テラフォーマーズ』(2016年公開)で主演を務めることが1日、発表された。本作は累計発行部数1,100万部を突破した同名漫画を原作に、準備に約2年を費やしてようやく実写化が実現したSFアクション映画。未来の火星を舞台に、人型に進化したゴキブリとそれらを駆除するために特殊能力の手術を受けた人々との戦いを描いている。伊藤は、主人公・小町小吉役を演じる。「『火星に行く』という設定があまりにも壮大すぎて一度は断ろうと思った」という伊藤だが、三池監督であることや原作の魅力に引かれて出演を決意。「監督と、いつもの三池組の大の大人たちと真剣に遊べるのが今から楽しみです!」と期待に胸を膨らませ、「どこまで体力が持つか自分との戦いになりますが、とにかく全力で挑みます」と気合を見せている。三池監督とのタッグは、『スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ』(2007年)、『悪の教典』(2012年)の主演作のほか、市川海老蔵が主演を務めた『喰女 -クイメ-』(2014年)など。三池組の経験者であるからこそ、「三池組は朝から夜まで寝ずに撮影し、妥協しないので、それがまた始まると思うと…正直嫌ですが(笑)」と本音を漏らすが、それでも「本当に楽しみ」。「とにかく撮影中は健康維持! 食べ物に気をつけてちゃんと休める時は休んで、ジムに行って体力作りして何とか若返ってみせます(笑)」と準備に余念がないようだ。また、「これだけの予算と時間をかけて豪華なキャストで作る映画はめったにないので、期待と緊張で胸が高まります」と俳優としての喜びをかみしめながら、「原作ファンの多い作品なので、皆さまにどういった感想を持たれるかも気になります」という不安も。「とにかく今は『お祭り』がはじまるような気持ちでいっぱいです!」と撮影に向けての気持ちを表現し、三池監督作の主演2作が海外映画祭に出品されたことから、「この映画がどこまで世界に通用するのか楽しみです!」と世界規模での反響に大きな期待を寄せている。一方の三池監督は「逆境にこそ伊藤英明は光る」と断言しつつ、「だから、史上『最凶の火星』に送り込もうと思っている。ゆえに、この作品は世界で最高に輝く映画になる」と確信。原作者・貴家悠氏は「間違いなく今世紀日本最高峰の筋肉映画となるでしょう」、作画・橘賢一氏は「これほど人類を救うのが似合う男が他にいるでしょうか。屈強な肉体。優しくて力強いそのまなざしはまさに小町小吉!」と太鼓判を押している。
2015年05月01日ゴキブリが超進化するという斬新な設定で連載当初から話題となったコミックを、鬼才・三池崇史監督が実写映画化する『テラフォーマーズ』。この度本作の主演・小町小吉役に伊藤英明が務めることが明らかになり、喜びのコメントが到着した。舞台は絶望的人口爆発を迎えた約500年後の地球。そんな中、人類の未来をかけた「火星移住計画」が始まろうとしていた。選ばれし勇者たちと火星で史上最強最悪の敵との戦いを描く。原作は、「このマンガがすごい!2013」オトコ編で第1位、「全国書店員が選んだおすすめコミック2013」では第2位を獲得し、現在12巻まで出版されている人気作だ。今回主演に抜擢されたのは、『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』『悪の教典』『喰女-クイメ-』に出演し、いまや三池組の常連ともいえる伊藤英明。「最初は『火星に行く』という設定があまりにも壮大すぎて一度は断ろうと思ったのですが、監督が三池さんだったことと、原作がとても面白かったこともありこれはぜひやりたいと思いお受けいたしました。三池監督は朝から夜まで寝ずに撮影し、妥協しないので、それがまた始まると思うと…正直嫌ですが(笑)、本当に楽しみです」と意気込みを語った。また、戦いの舞台となる火星には、『プロメテウス』『オブリビオン』『インターステラー』などハリウッド映画のロケ地として注目を集めるアイスランド。日本映画史上、初めて足を踏み入れることになる。以下、キャスト&スタッフコメント■伊藤英明(主演・小町小吉役)衣装合わせや色々な打ち合わせをして、ちょっとずつ形になっていくプロセスが楽しいです。これだけの予算と時間をかけて豪華なキャストで作る映画は滅多にないので、期待と緊張で胸が高まります。原作ファンが多い作品なので、みなさまにどういった感想を持たれるかも気になります。映画の仕事は最後に必ず舞台挨拶があるので、どういう顔で観てもらえるのかそれも想像しながら頑張ります。とにかくいまは“お祭り”が始まるような気持ちでいっぱいです!三池さんには『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』でベネチア国際映画祭、『悪の教典』でローマ国際映画祭と世界の舞台に連れて行ってもらっているので、今回はどこに連れて行ってくれるのか、そして、この映画がどこまで世界に通用するのか楽しみです。■三池崇史監督逆境にこそ伊藤英明は光る。だから史上『最凶の火星』に送り込もうと思っている。故に、この作品は世界で最高に輝く映画になる。作・貴家悠映画化…?できるのか…!?というのが、お話を頂いたときの最初の印象でした。昨今の日本映画界の筋肉不足に僕は一抹の不安を覚えずにはいられなかったのです…。しかしそれは杞憂に終わりました。筋肉は、ありました。熱き魂は、ありました。三池崇史監督、主演の伊藤英明さん、そして製作陣と、昆(むれ)が集まってゆくにつれ、僕の不安はそのまま期待へと変わっていったのです。間違いなく今世紀日本最高峰の筋肉映画となるでしょう…!!映画化…やれます!!画・橘賢一これほど人類を救うのが似合う男がほかにいるでしょうか。屈強な肉体。優しくて力強いその眼差しはまさに小町小吉!スクリーンの中で暴れまわる日本原産オオスズメバチをいまから楽しみにしています!!『テラフォーマーズ』は、5月中旬より撮影開始を予定、2016年に公開される。(text:cinemacafe.net)
2015年05月01日三池崇史監督の最新作『極道大戦争』が5月に開催される第68回カンヌ国際映画祭の「監督週間」に出品されることが決定!三池監督にとって同部門での次作の上映は2003年の『極道恐怖大劇場 牛頭』以来、実に12年ぶりとなる。三池監督、主演の市原隼人のコメントが到着した。三池作品としては久々の原作なしのオリジナル脚本(山口義高)で、監督自身「原点回帰」と位置付ける本作。噛まれた人間が次々とヤクザにして、ヴァンパイア…“ヤクザヴァンパイア”と化していく街で、尊敬する親分のカタキを討つべく立ち上がるヤクザヴァンパイアの青年の戦いを激しいアクションと共に描き出す。カンヌ国際映画祭の監督週間は、映画祭とは独立した「フランス映画監督協会」主催による部門で、1968年のフランスの「五月革命」勃発による映画祭開催の危機を引き金に、翌1969年より開始。若き監督の新たな才能の発掘、ベテランや巨匠監督の独創的な作品の上映による、コンペティション部門とはひと味違ったラインナップが特徴となっており、近年では園子温監督『恋の罪』、高畑勲監督『かぐや姫の物語』などが招待され、話題を集めた。国際的評価の高い三池監督だが、中でもカンヌは“常連”と言えるほど、毎年のように何らかの部門に出品しており、2011年には『一命』、2013年には『藁の盾』がそれぞれコンペティション部門にて、2012年には『愛と誠』がミッドナイトスクリーニング部門で正式上映されたが、「監督週間」への正式招待は、Vシネマとして異例の上映が行われた2003年の『極道恐怖大劇場 牛頭』以来、12年ぶりとなる。昨日4月19日(月)に都内で本作の上映会が開催され、そこで、今回の招待の“内定”を伝えられた三池監督は、報道陣の取材に「さっき聞いたんですが、さすがカンヌ。だいじょうぶか?カンヌ(笑)。(映画が)何千本もある中で、あえてこれを招待する…良い度胸してるな(笑)、と敬意をこめて」と照れ隠しの自虐を交えつつ喜びを漏らした。意欲作、風変わりな作品も上映する「監督週間」を三池監督は「居心地がいい」と感じているという。ヤクザとヴァンパイアを組み合わせた奇想天外な本作だが、主演の市原さんの演技に何より監督は手応えと自信を感じているようで「彼ら(フランス映画監督協会の選考者たち)がイメージする、日本人らしい日本人がいたんだ、と思ってもらえると思う。映画に勢いのあった昭和の時代に存在した役者であり、(現代社会が)なくしてしまった日本の男の匂いを感じてもらえると思う」と力強く語った。海外の観客が本作をどのように受け止めるのか気になるところだが、監督が「原点回帰」と銘打つだけあって、いまの日本映画にはない、かなり“変わった”作品であることは監督も自認しているようで「選んだのは彼らなので、観客がどう思っても、俺の責任じゃないから(笑)」と招待決定早々に逃げのコメントで笑いを誘っていた。主演の市原さんは今回の選出に際し「三池監督の現場は、毎日が輝き新鮮で職人という言葉が似合う風が吹いていました。撮影中現場に行く事が毎日本当に楽しみでした。今回フランスのカンヌで上映されるということで、多くの皆様にこの作品を可愛がって頂ける事を願っております」とのコメントを発表した。なお、三池監督と市原さんが、現地入りする方向で現在、スケジュールを調整中だという。『極道大戦争』は6月20日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)
2015年04月21日市原隼人主演の映画『極道大戦争』の試写会が本作でもメガホンを握っている三池崇史監督主催のビルボードライブ東京におけるイベント「三池崇史監督 presents 大人だけの空間」で4月20日(月)に上映され、市原さんと三池監督によるトークが繰り広げられた。近年の三池作品では稀な原作なしのオリジナル脚本による本作。任侠に生きる影山は、ヴァンパイアとなってしまい、彼に噛まれると即、街のカタギの人々が“ヤクザヴァンパイア”になり、感染が広がっていくという事態が起こる。そんな中、影山は尊敬する組長のカタキを討つべく立ち上がるが…。市原さんは、本作について「ブッ飛んだ、クレイジーな作品(笑)」と断言。脚本を読んでも、そのシュール過ぎる内容に「何も想像ができなかった(苦笑)。カエルやカッパが出てくるわ…」と困惑を明かすが、そのオファーをそれでも受けた市原さんを三池監督は絶賛する。2人のタッグは7年前の『神様のパズル』以来となるが、三池監督はこの7年での市原さんの変化について「根っこは太くなったけど、変わらないエッジを持っている」と称し「映画界も最近、コンプライアンスなどが厳しくなって、勝新太郎さんが生きていけない世界になった(笑)。その中で、市原隼人が生きられる世界でありたいというのは、ひとつのバロメーターでもある」と昭和の名優で破天荒の代名詞とも言える“勝新”の名を例に挙げ、市原さんの持つ鋭さ、スケールの大きさを説明する。改めて、本作のぶっ飛んだ内容について監督自身がそれを認めながら「(企画が)加速していったのは全部、市原隼人のせい(笑)!」と市原さんに責任を転嫁し笑いを誘い、そのパワーを称えた。市原さんは、つい最近、キャリアで二度目となる舞台を経験したが、シーンごとに撮影していく映画と違い、舞台は最初から最後まで途切れることなく上演されるという点に触れ「すごく贅沢なことだなと感じます。舞台はやはり生き物」とその面白さを語る。さらに「どんな役でもその人の人間性が出るものだけど、舞台はなおさらそう感じる。映画もそうあってほしい。瞬間ごとのカットだけでなく、長い感情を持って臨みたい。映画の持つ面白味は『ハプニング』と『アクシデント』と三池監督が仰ってましたが、それが感じられる、意図して作ったのではない化学反応で起きることが増える芝居は楽しいんです」と三池監督の現場がもたらす芝居の楽しさについて語った。そんな風に熱く、深く芝居について考えて語る市原さんを、三池監督は「市原さん、幼稚園の時から変わらないでしょ?想像できるもん(笑)」と楽しそうにイジる。そんな市原さんを育てた親について三池監督から聞かれ、市原さんは「母は厳しい人で、僕は頭がいい方でもなかったんですが『人様が頑張ってるんだから、寝ている間に10倍頑張って努力しなさい!』って言われました」と説明。いまの俳優という仕事や作品に関する親の反応については「(作品については)何も言わないですけど『まゆ毛細すぎると変だよ。太くしな!』とか『腰パンはやめなさい!』ということは言われます(笑)」と明かし、会場は笑いに包まれた。『極道大戦争』は6月20日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)
2015年04月20日俳優の市原隼人が主演を務める、三池崇史監督映画『極道大戦争』(6月20日公開)の予告動画とポスタービジュアルが、このほど公開された。予告編は、街の人々からの信頼が厚い人情派のヤクザ親分・神浦(リリー・フランキー)が牛耳る平和な商店街からスタート。しかし、神浦の血を受け継ぎヤクザヴァンパイアに生まれ変わった影山(市原)が本能のままカタギをかんでしまったことで、街中の人がヤクザ感染してしまう。夫婦ヤクザ、女子高生ヤクザ、看護師ヤクザ…圧倒的多数となったカタギ・ヤクザが、影山を筆頭に、リアル・ヤクザと壮絶な死闘が繰り広げられる様子が捉えられている。劇中で市原は鍛え抜かれた肉体でキレのあるアクションを披露。「今回アクションシーンが多かったので、現場ですぐに対応できるよう、常に体を動かしていました。現場をフルで楽しめるように、心と体の準備を万全にして挑みました」と気合十分の市原。予告編にも登場する、インドネシアの格闘技アクション映画『ザ・レイド』シリーズでおなじみヤヤン・ルヒアンと圧巻の対決シーンを繰り広げており、2人はクランクイン前からトレーニングを行い、撮影前にも数回手合わせをする念の入れようだったという。本作は、三池監督の「この辺で一度原点に戻りたい」という思いのもと、原作なしのオリジナル企画で制作。三池監督は「映画って知らないから見に行くものだったのに、いつのまにか安心できて裏切られないものを見に行くものになっていると思うんです。『極道大戦争』を見て『えっ、なんだこれ!』『こんな映画作って怒られないんだ!』って思ってもらえると、この映画も役に立ったと言えるかな」と、ぶっ飛んだ内容の作品に自信を見せた。共演にはほかにも、若頭に女優の高島礼子、さらに、青柳翔(劇団EXILE)、渋川清彦、優希美青、でんでんらベテランから若手までが顔をそろえ、それぞれが個性を生かしたヤクザ演技を披露している。(C)2015「極道大戦争」製作委員会
2015年04月20日『悪の教典』『藁の楯』『風に立つライオン』で知られる三池崇史監督が市原隼人を主演に迎えて贈る、6月20日(土)公開の劇場最新作『極道大戦争』。このたび本作の予告編とポスタービジュアルが解禁となると共に、本作のために書き下ろされた「KNOCK OUT MONKEY」の新曲「Bite」が公開された。史上最強といわれるヤクザの組長・神浦玄洋。異彩を放つ数々の不死伝説が広まり、彼のことをヴァンパイアと呼ぶものさえいた――。海が近くうら寂れた毘沙門仲通商店街は、街の人々からの信頼が厚い神浦玄洋を組長とする。神浦組が牛耳っていた。神浦の舎弟である影山亜喜良は、敏感肌ゆえ刺青も入れられない若衆止まりの半端者。神浦に憧れて極道の世界に入ったものの、映画のような誇り高い仁義や任侠心に満ち溢れた理想の世界からほど遠い現在のヤクザ社会にうんざりしていた。退屈な毎日を送っていたある日、神浦の命を狙う刺客たちが次々と毘沙門仲通商店街に現れる。死闘の果て、影山の前に八つ裂きにされた神浦が横たわっていた。駆け寄った影山の首筋に、瀕死の神浦が突然噛みついた瞬間、影山に神浦の血が逆流する…「ヤクザヴァンパイアとして生きろ!」神浦はそういい残し絶命する。かくして“血の儀式”が行われ、街中を巻き込んだ刺客たちとの新たな闘いがはじまろうとしていた――予告編では、街の人々から信頼が厚い人情派のヤクザ親分・神浦(リリー・フランキー)が牛耳る平和な商店街の暮らしが映し出される。が、イレズミに憧れる敏感肌ヤクザ・影山(市原さん)が神浦の血を受け継ぎヤクザヴァンパイアに生まれ変わると一変!影山は本能のままカタギを噛んでしまったことで、街中の人がヤクザ感染し、「看護婦ヤクザ」、「夫婦ヤクザ」、「女子高生ヤクザ」と、圧倒的多数となったカタギ・ヤクザが、影山を筆頭に、街を練り歩く姿が映し出されている。さらにこれまでビジュアルしか出ていなかった気ぐるみ姿の謎の刺客、KAERUくんの姿も確認することができる。市原さん、成海璃子をはじめ、組長役にリリー・フランキー、若頭に高島礼子、さらに、青柳翔(劇団EXILE)、渋川清彦、優希美青、でんでんらベテランから若手までが顔を揃えた本作。「現場ですぐに対応できるよう、常に体を動かしていました。現場をフルで楽しめるように、心と体の準備を万全にして挑みました」と気合十分で撮影に挑んだ市原さんのアクションシーンももちろん迫力十分だが、『ザ・レイド』シリーズでおなじみヤヤン・ルヒアンとの対決シーンは必見!さらに、本作の主題歌のために書き下ろされた「KNOCK OUT MONKEY」の新曲「Bite」が同予告にて初解禁!激しくもキャッチーであり、疾走感あるサウンドが、本作を一層盛り上げている。登場人物のほぼ全員がヤクザ化するという前人未到のストーリーは果たしてどんな結末を迎えるのか?まずは本日解禁となった予告編にて、ブラックユーモアが散りばめられた三池ワールドを体験してみては。『極道大戦争』は6月20日(土)よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年04月16日俳優の市原隼人が主演する、三池崇史監督『極道大戦争』(6月20日公開)の主題歌が、神戸出身の4人組ロックバンドKNOCK OUT MONKEYの「Bite」に決定したことが2日、発表された。"神戸の暴れ猿"との異名をもつ同バンド。ラウド、レゲエ、ヒップホップなど、さまざまなジャンルを取り込んだキャッチーなサウンドと、日本語に重きを置いたリリック、激しいライブパフォーマンスで全国のロックリスナーの間でじわじわと話題を呼んでいた。さらにANDREW W.K.の東京公演サポートアクトへの抜てきなど、海外アーティストとの共演も重ね、「SUMMER SONIC」など大型フェスへの出演も果たしている。制作サイドは、「三池監督の原点=オリジナルであると同時に、ぶっ飛んだ作品には、よくある甘い主題歌ではなく、しっかりぶっ飛んでないといけない。聴いた瞬間、ノックアウトされないといけない。さまざまな条件が重なって、今、勢いがあるKNOCK OUT MONKEYという名前が挙がりました」と起用理由を語った。三池監督も一発OKで決定したという。ボーカルとギターを務めるw-shunは、「今年の頭、淡路で曲作り合宿をしている時に映画主題歌決定の話を聞きました。自分たちはまだまだ駆け出しのバンドだし、普通に三池崇史作品のファンだったので、まさか監督の映画主題歌を僕らが作ることになるなんて、悪い冗談だと本気で思いました」と振り返る。「その頃ちょうど、何か自分たちの中にあるネジをぶっ壊したいと思っていた時期だったので、本当にぶっ飛んだこの映画と出会えた事、三池組とお仕事できた事は自分の中で大きかったです」と、映画にも大いに触発されたという。本作は、ヤクザヴァンパイアにかみつかれた人間が次々にヤクザ化してしまうという、三池監督による完全オリジナルストーリー。ヴァンパイアが"かみつく"印象から、タイトルの「Bite」につながったというw-shunは、「最近の世の中はデフォルメされた表現が多いなと感じることがあるのですが、自分はそこにかみついてでも異を唱えて、嘘偽りのない自分を表現していきたいという僕個人の想いも詰まっています」と曲の意図を語った。彼らの楽曲に触発され、映画の最後に予定されていたエンドクレジットのフォントを差し替えたという三池監督。「Bite」によって進化したその書体にも注目が集まる。(C) 2015『極道大戦争』製作委員会
2015年04月02日市原隼人を主演に迎え、リリー・フランキーやピエール瀧、成海璃子らが共演を果たす、三池崇史監督の“ヤクザヴァンパイア”映画『極道大戦争』。このほど、園子温・監督作『TOKYO TBIBE』でアクロバティックな本格アクションを見せ、「あの子は、誰?」と話題騒然だった当時、現役女子高生の坂口茉琴が、本作ではまさかのパンチパーマ姿でさらなる超絶なアクションを披露していることが分かった。最強伝説をもつ“ヤクザヴァンパイア”の組長・神浦(リリー・フランキー)が、敵対する羅漢組の組長(ピエール瀧)との抗争の後、何者かに殺された。その神浦の遺志を受け継いだ影山(市原隼人)は、その敵討ちの刺客と戦いながら、ヤクザヴァンパイアとして覚醒していく――。噛まれたら、みんなヤクザになってしまうという未曾有のヤクザ感染バトルを三池監督が描く本作。同じく世界的に注目を集める園監督が井上三太の人気漫画を実写化した『TOKYO TBIBE』で、ヒロインのスンミ(清野菜名)とともに大男たちに立ち向かい、俊敏でアクロバティックなアクションを披露していたのが坂口さん。観客からは、その小柄で中性的な容姿ゆえ「小学生の男の子?」といった声があがる場面もあったが、実際は現役の女子高生。アクションが大好きだという坂口さんは、世界で評価を受けるアクション俳優であり、『TOKYO TBIBE』でアクション監督を務めた坂口拓と血縁にあたる匠馬敏郎の元でトレーニングをしていたところを園監督に見出されたという逸材なのだ。坂口さんは、この3月で高校を卒業したばかりだが、2014年4月~5月に撮影された本作でも、当時、現役女子高生ながら超絶なアクションを披露。しかも、ヤクザといえばパンチパーマ!ということで、三池監督が行きつけの床屋に足を運び、カツラではなく地毛で“勝負”することになった。本作で彼女が演じるのは、ヤクザヴァンパイアとなったマサル役。借金苦で一家心中を図ろうとしていたところをリリーさん演じる神浦組長に助けられたものの、その神浦を狙う刺客に父親を無残に殺害されたことで復讐を決意、大斧を振り回して暴れ狂う…という。坂口さんは「女子高生の自分がパンチパーマをあてるという貴重な体験をさせていただき、『極道大戦争』には感謝するばかりです!初めて自分のパンチパーマを触ったときは女ながらも興奮してしまいました!」とコメント。「人生初のパンチパーマで挑んだ『極道大戦争』、ビシッときめた自分の頭に負けない様に気合いを入れて挑みました!アクションシーンでは三池崇史監督やアクションチームGocooさんのおかげもあり、楽しくアクションすることができました。狂犬役のヤヤン(・ルヒアン)さんにもすごく優しくしていただいて、自分のシーンの撮影を見守ってくれたときは心強かったです!パンチパーマ姿の自分をたくさんの方にみていただきたいです!!」と、女子高生らしい(?)無邪気な一面をのぞかせる坂口さん。その気合たっぷりのアクションを、まずはこちらの写真から確かめてみて。『極道大戦争』は6月20日(土)よりTOHOシネマズ 新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年03月26日俳優の市原隼人が主演を務める、三池崇史監督映画『極道大戦争』(6月20日公開)で、撮影当時女子高生だった女優の坂口茉琴が、パンチパーマで壮絶なアクションを披露していることが26日、明らかになった。本作は、ヤクザバンパイアにかみつかれた人間が次々にヤクザ化してしまうという、三池監督による完全オリジナルストーリー。極道の世界に入った影山(市原)がヤクザバンパイアとなって刺客たちとの闘いを繰り広げていく物語で、坂口は父の殺された恨みを晴らすマサル役を演じる。園子温監督の『TOKYO TRIBE』(2014年)では、ヒロインのスンミ(清野菜名)と共に大男たちに立ち向かう役どころで、アクロバティックなアクションで注目を集めた坂口。同作でアクション監督を務めた、アクション俳優の坂口拓のもとでトレーニングをしていたところを園監督に見いだされて出演に至ったという。公開当時は、小柄さと中性的な容姿から、観客から"小学生の男の子?"といった声が上がっていた。現在は卒業しているものの、2014年4月~5月に行われた撮影時には、坂口はまだ現役の女子高生。しかし、三池監督行きつけの理髪店に足を運び、地毛にパンチパーマを当てる徹底した役作りを行い、撮影に臨んだ。本作では、借金苦で一家心中を図ろうとしていたところを組長の神浦(リリー・フランキー)に助けられたものの、その神浦を狙う刺客に父親を無残に殺害されたことで、ヤクザバンパイアとなって復讐(ふくしゅう)するマサルになりきり、大斧を振り回して暴れ狂っている。当の坂口は、「女子高生の自分がパンチパーマをあてるという貴重な体験をさせていただき、極道大戦争には感謝するばかりです! 初めて自分のパンチパーマを触った時は女ながらも興奮してしまいました!」と初めての経験に興奮しきり。「人生初のパンチパーマで挑んだ極道大戦争、ビシッときめた自分の頭に負けない様に気合いを入れて挑みました! パンチパーマ姿の自分をたくさんの方に見ていただきたいです」とコメントを寄せた。(C) 2015「極道大戦争」製作委員会
2015年03月26日秋篠宮妃紀子さまと次女の佳子さまが3月23日(月)、東京・TOHOシネマズ スカラ座で映画『風に立つライオン』を鑑賞された。同席した主演の大沢たかお、原作のさだまさし、三池崇史監督が上映後、取材に応じ「緊張で頭が真っ白」(大沢さん)とふり返った。さださんが1987年に発表した同名の楽曲に感銘を受けた大沢さんが、さださん本人に小説化を依頼。自身も企画に名を連ね、映像化までに足かけ8年の歳月をかけた渾身の一作で、『藁の盾』に続き三池監督とタッグを組んだ。ケニアロケを敢行し、アフリカで奮闘する日本人医師の姿を描いた。紀子さまの隣で鑑賞した大沢さんは「自分の映画なのに、緊張しっぱなしでほとんど覚えていませんが、(ご高覧いただき)感謝しますし、俳優として幸せを感じました。ご感想もいただいたが、逆に僕らが感動してしまい、何も喋れなくなってしまって」と感無量の面持ち。また、佳子さまの印象を「本当にすてきな方」と語り、「おふたりで映画に集中されていて、後半には涙をぬぐわれるようにお見受けした」と明かしていた。一方、さださんは佳子さまの隣で鑑賞したと言い「そりゃ、緊張しますよ。(上映時間の)2時間半ずっと背筋を伸ばしていたので、背骨が痛いです」と緊張がほぐれたのか、安堵の表情。「こういう言い方は不遜ですが、素敵なお嬢様ですね」とお人柄にも感動しきり。「私たちが伝えたかった命の重さについて、同じ気持ちで感動してくださったようにお見受けした」とおふたりのご様子を報告した。三池監督も「本当にきちんと映画を鑑賞していただき、作り手の思いを汲み取ってくださった」。報道陣からネクタイ姿は珍しいと指摘されると、「ネクタイしなくてもいいように、映画監督になったんですけどね…」と照れ笑いを浮かべつつ、おふたりのご高覧に感激していた。『風に立つライオン』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:風に立つライオン 2015年3月14日より全国東宝系にて公開(C) 2015「風に立つライオン」製作委員会
2015年03月24日三池崇史監督が市原隼人を主演に迎え、まさかのヤクザ映画とヴァンパイア映画とを融合させた『極道大戦争』。三池監督が自身の原点回帰と位置づける極道エンターテイメントで、リリー・フランキーがアクションシーンに初挑戦、『凶悪』でも共演したピエール瀧と闘争シーンを演じていることが分かった。“ヤクザヴァンパイア”に噛みつかれた人間は次々とヤクザ化してしまうという、完全オリジナルストーリーとなる本作。最強伝説をもつヤクザヴァンパイア、神浦組組長・神浦役を務めたリリーさんは、出演シーンのほとんどがアクションシーンで、撮影前は夜も眠れなくなるほどの大興奮だったことを明かす。「アクションシーンを演じること自体が初めてだったので、分からないことばかりだったのですが、撮影はとても楽しかったです。これまでは、自然体な感じの役で呼んでいただくことが多かったので、汗を流すとか、身体を動かすということを、ほとんど経験したことがなくて」とリリーさん。「そういう意味でも、今回はすごく爽快感がありましたし、撮影が終わったあとも高揚している感じでした」と、初挑戦となったアクションの撮影現場をふり返った。さらに、リリーさんとは、山田孝之主演『凶悪』でともにヒール役を演じて以来の共演となったピエール瀧は、神浦組と対立する組長・羅漢役で出演。リリーさん演じる神浦組長が、ひとり羅漢組に攻め入ると、手下たちと壮絶な大立ち回りを披露!さらにピエールさん演じる羅漢を追いつめ、対決するという緊迫した場面で登場する。もともと公私ともに親交が深い、この2人。リリーさんが「今回、瀧を斬るシーンがあったんですが、瀧だったら刀が当たってもいいかなと(笑)。なので、やりやすかったです」と語れば、ピエールさんは「リリーさんにバッサリ斬られるところのアクションシーンは、リリーさんのことを一切信用していませんでした。ずっと、これ当たるんじゃないかと思ってました」と語り、お互いを信用しているのか、信用していないのか分からない(!?)絶妙な駆け引きが、バトルの裏にあったことを明かしてくれた。劇中で、神浦は敵対する羅漢との抗争の後、何者かに殺される。その神浦の遺志を受け継いだ、市原さん演じる影山が、その敵討ちの刺客と戦いながらヤクザヴァンパイアとしてやがて覚醒していくのだ。物語の始まりとなる、冒頭から繰り広げられるリリー・フランキーVS ピエール瀧の激しいバトルを楽しみにしていて。『極道大戦争』は6月20日(土)よりTOHOシネマズ 新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年03月19日俳優のリリー・フランキーが、三池崇史監督の映画『極道大戦争』(6月20日公開)でアクションに初挑戦し、その場面写真と撮影秘話が19日、明らかになった。市原隼人が主演を務めた本作は、ヤクザヴァンパイアにかみつかれた人間が次々にヤクザ化してしまうという、三池監督による完全オリジナルストーリー。最強伝説をもつヤクザヴァンパイアの組長・神浦をリリーが演じ、彼に憧れて極道の世界に入った影山(市原)が、神浦の遺志を継ぎ、ヤクザヴァンパイアとなって、刺客たちとの闘いを繰り広げていく。『そして父になる』(2013年)では、ありのままの演技が評価され、第37回日本アカデミー賞で最優秀助演男優賞に輝いたリリー。初めてのアクションの撮影に、興奮で夜眠ることができなかったそうだが、「これまでは、自然体な感じの役で呼んでいただくことが多かったので、汗を流すとか、身体を動かすということを、ほとんど経験したことがなくて。そういう意味でも、今回はすごく爽快感がありましたし、撮影が終わったあとも高揚している感じでした」と充実ぶりを語った。公開された場面写真では、対立する羅漢組に単身で攻め入り、手下たちとの壮絶な大立ち回りを演じるリリーの姿が捉えられている。さらに公開されたのは、今回リリーたちと対立する羅漢組の組長・羅漢役を演じる、俳優のピエール瀧が映る1枚。リリーとは『凶悪』(2013年)以来の共演で、劇中で緊迫した対決シーンを演じている。撮影を振り返ってリリーが「今回、瀧を斬るシーンがあったんですが、瀧だったら刀が当たってもいいかなと。なので、やりやすかったです」と語ると、ピエール瀧は「リリーさんのことを一切信用していませんでした。ずっと、これ当たるんじゃないかと思ってました」と、公私ともに親交が深い2人ならではのコンビネーションが発揮されたことを明かした。(C)2015「極道大戦争」製作委員会
2015年03月19日市原隼人が主演を務める三池崇史監督の最新作『極道大戦争』に出演するリリー・フランキーとピエール瀧の撮影終了直後のオフショット写真と、場面写真が解禁された。リリー・フランキーの出演シーンは、ほとんどがアクションシーンだったといい、「今回はすごく爽快感がありましたし、撮影が終わったあとも高揚している感じでした」と大興奮した撮影を振り返りコメントを寄せた。その他の画像映画は、伝説のヤクザ・神浦に噛みつかれ、ヤクザヴァンパイアになった舎弟の影山亜喜良(市原)が壮絶な抗争に身を投じる姿を描いたアクション大作。リリー・フランキーは本作で、最強伝説をもつヤクザヴァンパイアの組長・神浦を演じており、冒頭から、対立する極道の組長・羅漢(ピエール瀧)との激しい抗争シーンが登場するという。リリー・フランキーは「アクションシーンを演じること自体が初めてだったので、分からないことばかりだったのですが、撮影はとても楽しかったです。これまでは、自然体な感じの役で呼んでいただくことが多かったので、汗を流すとか、身体を動かすということを、ほとんど経験したことがなくて。そういう意味でも、今回はすごく爽快感がありましたし、撮影が終わったあとも高揚している感じでした」とコメント。ピエール瀧とは公私ともに親交が深く、『凶悪』以来の共演となるが、「今回、瀧を斬るシーンがあったんですが、瀧だったら刀が当たってもいいかなと(笑)。なので、やりやすかったです」と語った。一方、ピエール瀧は、「リリーさんにバッサリ斬られるところのアクションシーンは、リリーさんのことを一切信用していませんでした。ずっと、これ当たるんじゃないかと思ってました」と本音を明かした。劇中で組長・神浦(リリー・フランキー)は、敵対する羅漢(ピエール瀧)との抗争の後、何者かに殺されてしまい、その神浦の遺志を受け継いだ影山(市原)が、敵討ちの刺客と戦いながらヤクザヴァンパイアとして覚醒していく姿が描かれる。『極道大戦争』6月20日(土) TOHOシネマズ 新宿ほか全国ロードショー
2015年03月19日映画『風に立つライオン』が3月14日(土)に公開を迎え、企画・主演を務めた大沢たかおをはじめ、共演の石原さとみ、三池崇史監督が舞台挨拶に登壇した。さだまさしが1987年に発表した同名楽曲に感銘を受けた大沢さんが、さださんに同曲の小説化を持ちかけ、その小説を原作に三池崇史監督が映画化。アフリカで医療に従事する日本人医師の姿を描き出す。大沢さんは、自ら企画まで務めた作品がこうして劇場公開を迎え、感無量の面持ち。映画を観終えたばかりの観客を前に「すごく緊張するし、(気持ちを)言葉にするのが難しい。ひとりでも多くの方に観ていただけたらと思います。もう僕にできることはない。この映画はもうみなさんのものだと思います」と語る。石原さんはこの映画を「宝物です」と語り、「この映画を愛してくれる人を私は愛したいと思うし、大切にしてくれる人を大切にしたいと思います。そんな風に思えるこの作品に出られて、私は幸せ者です」と強い思いを口にする。三池監督は大沢さんと石原さんとのケニアでの撮影をふり返り「日本の映画人が行ったことがないところで、どんなスタッフがいてどうなるのか?日本での撮影と比べると過酷」と明かした上で、「2人は俳優としてそこで美しくあらねばならなかった。2人ともケニアで孤独な戦いをしていたと思います。敬意を表したい」と称賛。大沢さんは「石原さんが仰ったように、僕にとっても宝物になったけど、宝物をくれたのは監督です」と感謝の思いを口にした。この日はホワイトデーということで、大沢さんは「映画会社の思惑ではなく、自腹で(笑)」、劇場に足を運んだ観客にライオンの形のクッキーをプレゼント。大沢さんも石原さんも、ホワイトデーに関してこれまで思い出が特にないそうで、大沢さんは「今日は人生でかけがえのない日になりました。一生忘れられない日にさせていただきました」と満面の笑み。一方の石原さんは「バレンタインなら(思い出が)あるけど、ホワイトデーはない(苦笑)!哀しいです」と語り、大沢さんが配ったクッキーについて「私はもらってないですよ、大沢さん」と抗議。これには大沢さん、前言を翻し「映画会社の思惑でしょうか(笑)?」ととぼけて、会場は笑いに包まれた。『風に立つライオン』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:風に立つライオン 2015年3月14日より全国東宝系にて公開(C) 2015「風に立つライオン」製作委員会
2015年03月15日さだまさしの同名曲からスタートした三池崇史監督作『風に立つライオン』が公開となる。これまでにも、さだの小説の映画化『解夏(げげ)』『眉山-びざん-』に出演してきた大沢たかおが、自らさだに交渉し、小説化、映画化へとこぎつけたヒューマンドラマだ。企画と、アフリカのケニアで医療活動に従事する主人公の医師・航一郎役を兼任した大沢と、看護師・和歌子に扮した石原さとみに話を聞いた。その他の画像実在のモデルがいるさだの楽曲とは、また違った物語が展開する映画版。しかし大沢は「曲のエネルギーがここまで育ててくれた」と断言する。そして「映画もお客さんが何かを受け取ってくれる作品になったと思います」と充足した表情を見せる。当初は出演までは考えていなかったそうだが、「航一郎が自分じゃなかったら、すごく嫉妬していたと思います。ほかの人が演じていたら、この仕事を続けられなかったかも。本当にこの役には感謝しています」と並々ならぬ想いを語る。看護師の和歌子を演じた石原は「和歌子は自立した女性。異国の地で、風は強いけれど、それでも航一郎と同じように風に立つライオンでありたかったんだと思います。その生き方が尊くて、愛おしくて。ロケの帰りの飛行機では、無力感のようなものに襲われていたんですが、日本に着いたときには背筋が伸びて、へこたれずに生きて行こうと思いました。和歌子を演じて、そう感じられました」と振り返った。ケニアの地を踏んで初めてわかったことも多かった。「なぜ航一郎がケニアに来たのか。そして終盤の彼の行動…。台本上ではわからないこともありました。でも現地で芝居をしていくうちに、彼の気持ちに気づいていきました(大沢)」「企画もされている大沢さんとの共演ということでプレッシャーもあり、監督に質問したんですが『アフリカに行ったら大丈夫。大沢さんに会ったら大丈夫』の一点張りで(笑)。でも実際にそうでした(石原)」。「一緒にいて楽だった」とほほ笑み合うふたりが、国境も時代も超えたメッセージを届ける。『風に立つライオン』3月14日(土)より全国公開取材・文・写真:望月ふみ
2015年03月13日映画『風に立つライオン』が3月12日(木)、ビルボードライブTOKYO(東京・六本木)にて上映され、主演の大沢たかおと三池崇史監督が上映前のトークに登壇し、製作の裏話や本作への特別な思いを語った。さだまさしが1987年に発表した同名楽曲を元に、様々な思いを抱え、日本に恋人を残して海を渡り、アフリカでの医療活動に従事する医師の姿を描き出す。本作のそもそものきっかけは、主演だけでなく“企画”にも名を連ねる大沢さん。さださんの楽曲「風に立つライオン」に感銘を受け、さださんに映画化を前提に小説執筆を依頼したが、当初、さださんは決して乗り気ではなかったという。『解夏』『眉山』とさださんが原作の映画に出演したが、製作の過程で顔を合わせることはなかったそうで、共通の知人である出版社の編集者を介して、さださんに企画を持ちかけた。「何かを抱えていて、それが彼(=主人公の医師)を、大好きな恋人と離れるにもかかわらず、日本から脱出させた。それは(自身が)子どもの頃から抱えていた悩みや、世間とうまくやれないイライラと連結するものがあると感じた」と大沢さんは、楽曲から感じた思いを語るが、なかなかさださんからいい返事はもらえなかった。「これは直接交渉しないとダメだと思って、さださんのファンイベントに強引に出たんです(笑)。その時もさださんは『(話は)聞いてます』という感じで、これはアフリカに行くしかないと、ドキュメンタリーでアフリカに行きました。それをさださんが見てくださり『これは大沢、本気だな』と思ってもらえたみたいです」と経緯をふり返った。そして、完成した小説について大沢さんは「さださんは明言しませんが」と前置きした上で「3.11がひとつの大きな原動力、きっかけになったと感じることはあります」と4年前の東日本大震災の発生がさださんの心を動かしたのではないかと推測する。三池監督も「さださんが28年前に書いた歌詞には“いま”を暗示するような言葉もある。本人からは一度も聞いたことはないですが、糸口になったのでは」とうなずく。改めて、楽曲が発表された時からの歳月に触れ三池監督は「歌詞と(映画の)物語にはギャップがあるんですがそこにさださんと我々が過ごした時間が宿っていると思います」と語った。大沢さんはまた完成した映画からも、これまでの出演作とは違う特別なものを受け取ったよう。完成した映画を初めて観る関係者用の試写会は「本来は自分の仕事を見てジャッジしないといけない場。自分がやったことを受け止めないといけないので、楽しむというところまで行かず、たいていはそれから反省や後悔を繰り返す」ものだという。だが本作に関しては「これまで20年で80本くらいやって来て、初めて自分の作品を出演者としてではなくお客さんとして観て、(自分が演じた主人公の)島田航一郎に感情移入しました。自分が出ている気がしなくて、恥ずかしいけど『これすごいな』と言っちゃった(笑)。でも周りも全員、沈黙と涙と拍手で誰も立てず、あの場でああいうことが起きたのも初めて。衝撃でした」と明かした。三池監督はシネマver.として新たに録り直された主題歌にも言及。元々の原曲は8分51秒もあり、映画のエンドクレジットには長すぎるため、さださんに短くしてもらえないかとお願いしたところ「確かにそうだよね。歌い直します。任せてください」と返事をもらったという。だが「大晦日あたりに『できました』と言われたんですが、その声が小さい(笑)。あれ?と思ったら、短くしようと思った曲が9分37秒で46秒も長くなってる(苦笑)!これどういうこと?と思ったけど、聴いてみたら納得した」と明かし、会場は笑いに包まれた。こうした製作の裏話や感動秘話中心のトークとなったが、終盤に入ると酒のせいもあって(?)、三池監督のトークは少しずつ脱線していく。一見、完璧そうに見える大沢さんについて「欠点がある」とニヤリ。これまで多くの時間を過ごし、一緒に食事をする機会もあったが「100%野菜を残す」と偏食ぶりを暴露。「肉は全部食べるし、おかわりもするけど野菜は残す。ネットで調べたら『牛は牧草を食べているので、それを食べることは野菜を食べていること』とか言ってる。どうなんですか(笑)?」と大沢さんを問い詰める。思わぬ展開に大沢さんは「僕も食生活がこうなってることを悩んだんですが…」と言いつつ「ライオンは草を食べないけど(ライオンがエサにする)シマウマは草を食べているでしょ?」と釈明。会場は再び爆笑となった。さらに三池監督は、タルタルソースが大好物という大沢さんの発言として「エビフライはタルタルソースのための棒だと言いきってる。暴言ですよ(笑)!」と攻めつつ「島田航一郎も欠点を乗り越えようとした男。この映画を観て、島田航一郎が胸に残ると思いますが、それは自分以上のものに見せようとせずに演じているから」と決して完璧ではない大沢さんが演じたからこそ、島田が生き生きとした存在になったと称賛の言葉でまとめた。『風に立つライオン』は3月14日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:風に立つライオン 2015年3月14日より全国東宝系にて公開(C) 2015「風に立つライオン」製作委員会
2015年03月12日