3月28日(木)に開幕する『熱海殺人事件』LAST GENERATION 46の制作発表会が行われ、出演者の味方良介、今泉佑唯、佐藤友祐、石田明、演出の岡村俊一が登壇し、MCを久保田創が務めた。【チケット情報はこちら】『熱海殺人事件』は、1973年に文学座に書き下ろされ、再演を重ねられてきたつかこうへいの代表作。46年目そして平成最後の年の上演となる今回は“LAST GENERATION 46”と銘打ち、3年連続で主演を務める味方、昨年欅坂46を卒業し本作で本格的な女優デビューを果たす今泉、ダンス&ヴォーカルユニット「lol-エルオーエル-」の佐藤、昨年に続いて出演するお笑いコンビ「NON STYLE」の石田が出演する。キャスト登場シーンの披露から始まった会見。岡村は今年の『熱海殺人事件』は特に若いキャストが揃ったことに触れ「この作品はつかさんが22、23歳のときに着想したものなんです。つまり大学生の発想なんですね。そういう若い人の考えた寂しさとか幸せとかは、本当に若い人がやるのが1番いいんじゃないかと常に思っています。リアルな若さから出てくるもの、若者にしか出せないエネルギーがあると思うので楽しみにしています」と話した。さらに今回の演出について「今泉が歌えるということで、ミュージカルシーンをふんだんに盛り込んで歌い踊る『熱海殺人事件』にしていければ」と明かした。木村伝兵衛部長刑事役の味方は「今年は、(去年に続き)石田さんがいるのでその安心感があります。2年目ならではの石田さんとの戦いをみせていけたらと思います。そして今年は新しい若い力が入ってくるので、その力を最大限に引き出せるようバックアップしたいです」と3度目ならではのコメント。水野婦人警官役の今泉は初舞台ということで「今、イチからお芝居を学んでいます。本当にやるしかないので、この期間でひと回りもふた回りも成長した姿を皆さんにお届けできたら」と笑顔をみせた。犯人・大山金太郎役の佐藤は「演出の岡村さんに僕の身を捧げて、どれだけこの役を演じられるかというところが勝負になってくるかなと思います」と意気込み、2年連続で熊田留吉刑事役を演じる石田は「イチから見直して、さらに上の熊田留吉を演じていきたい」と語りつつ「途中で脱線部分のコメディがあるのですが、そこは完全に僕作になります。そちらも楽しみにしていただけたら!」と新たな演出に意気込んだ。公演は3月28日(木)から31日(日)まで大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール、4月5日(金)から21日(日)まで東京・紀伊國屋ホールにて上演。東京公演は追加公演も決定した。取材・文:中川實穗
2019年02月15日KAAT神奈川芸術劇場の2019年度ラインナップ発表会が行われ、同劇場で4年目の芸術監督を務める白井晃と、19年度の主催公演を担う小金沢健人、多田淳之介、松井周、山本卓卓、森雪之丞、渡邉尚、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、杉原邦生、長塚圭史、山田うんが登壇した。冒頭で白井は「KAATという劇場は東京から“近くて少し遠い”という場所にあります。(だからこそ)できるだけオリジナリティのある劇場の特色を出していきたいと、演劇、ダンス、身体表現、現代美術、音楽、そういったアートが複合的にある劇場を目指してプログラムを組んできて、徐々にそのような空気がつくれてきたかなと自負しております」とコメントした。まずは演劇作品に携わる面々が登壇。白井が「以前、衝撃的な『カルメギ』を上演していただいた多田さんにぜひまた新作をつくっていただきたいとお願いしました」という多田、「松井さんと“世の中に全体主義が蔓延してきている。そういう作品をつくれないだろうか”と話し、この作品を選びました」という松井、「雪之丞さんからご提案を受け、これは日本から出発するミュージカルとして楽しいものになるんじゃないかと思い、ぜひやらせてくださいと実現しました」という森、「3年前からお声がけしていまして、やっとKAATでつくっていただけることになりました」というケラリーノ・サンドロヴィッチ、「大変な作品だと思います。この巨大な作品に若き杉原くんが臨んでくれるということを私も楽しみにしています」という杉原、「以前からこの『常陸坊海尊』をぜひとも長塚さんに演出してもらいたいと提案していて、やっと実現することになりました」という長塚、そして白井自身から作品の紹介が行われた。続いて美術、キッズプログラム、ダンス作品に携わる面々が登壇。白井が「小金沢さんの作品に入り込むと日常的にはないような感覚があります」という美術作家の小金沢、「主催公演でお願いする演出家では最年少です。私たちの世代からすると思いがけない映像の使い方で特色豊かな演出をされます」という山本、「以前『頭と口』の作品を観て“地に沈んでいくジャグリング”という驚異の概念を突きつけられて本当に驚きました」という渡邉、「20年前にオリンピックのムードを感じて書かれたこの作品を、ダンス的なアプローチで上演していただきたいとお願いしたら“2パターンつくる”というすごいお返事をいただきました」という山田から作品の紹介が行われた。主催公演の本数からも「KAATの体力の限界に挑戦するような1年」(白井)という2019年度に期待したい。取材・文:中川實穗
2019年02月14日KAAT芸術監督・白井晃が演出を手掛ける近現代戯曲シリーズ『春のめざめ』『恐るべき子供たち』が4、5月に連続上演される。その製作発表会が行われ『春のめざめ』に出演する伊藤健太郎、岡本夏美、栗原類、『恐るべき子供たち』に出演する南沢奈央、柾木玲弥、松岡広大、そして白井が登壇した。【チケット情報はこちら】白井は、今年この2作を続けて上演することについて「“生”と“性”シリーズといいますか、思春期の大人社会との対峙の中で子供たちがいかに戦っていくのか、どうやって自分の道を見つけていくのか。そういう若き日の葛藤を描く作品を、連続で上演する試みに挑戦します」とコメント。今回が2度目の上演となる『春のめざめ』は「昨今はミュージカルで有名になっていた作品ですが、もともとはストレートプレイだぞということをしっかり見せたいと思い、2年前に上演しました。そのときに好評をいただき、この作品をKAATで継続的に上演できたら、そして若き俳優の皆さんとこの作業を共有していくことができたらと、今回の再演に至りました」と話す。白井が初めて手掛ける『恐るべき子供たち』は「ジャン・コクトーの小説は若き頃から愛読しておりましたので、この作品を演劇にできないかと上演台本をノゾエ征爾さんに書いていただいています。これからいろんなアイデアを掘りながら、キャストの皆さんと一緒につくっていきたいです」と語った。『春のめざめ』の主演・伊藤は「僕は舞台が2度目なのでまだまだ素人のようなもの。白井さんやキャストの皆さんの胸を借りてしっかり演じていきたいです」と意気込み、岡本は「初演を客席で観劇したのですが、その日の日記には“ヴェントラ役をやりたかった”と書いていました」と明かす。初演に続き出演する栗原は「どんなに時代が進んでも、思春期に起こる身体の異変や、身体と脳の違いで、誰もが苦痛や葛藤を経験するのだと思いました。たとえ本が同じでもキャストが変われば完全に新作だと思うので、また一から皆さんとつくっていきたい」と話した。『恐るべき子供たち』の主演・南沢は「白井さんとはずっとご一緒したいと思っていたので、このお話をいただいたとき本当に嬉しかったです。白井さんから“大変だと思うけれど、覚悟して”と言われたので、心して挑みたいです」、映像を中心に活躍する柾木は「僕は最後の舞台出演が3年前。経験も浅いですが、一生懸命演じて素敵な作品にできたら」、松岡も「戯曲は初挑戦で緊張していますが、本番までしっかりがんばっていきたいです」とそれぞれ語った。『春のめざめ』は4月13日(土)、『恐るべき子供たち』は5月18日(土)に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオで開幕。取材・文:中川實穗
2019年02月08日毎年恒例である岸惠子のトークショーが今年も5月・6月に上演される。今年のタイトルは「岸惠子 ひとり語り 輝ける夕暮れ」。第1部で一人芝居『わりなき恋』の上演、第2部でフリートークを行うという。その取材会が行われた。前半の一人芝居『わりなき恋』は自著小説の朗読劇。2015年に初演し好評を博した作品を新演出・凝縮版で上演する。岸は「今回で3度目になりますし、どうかとは思ったのですが、私の心もなにもかもを注いだ作品なので。どうしてもこれを一幕目にやりたいって」と今回の上演の経緯を語る。これまで2度上演している作品だが「今年はちょっと凝縮して、“これは聞いてほしい”と思うところをやります」。物語は成熟した女の愛と矜持の冒険譚。岸は「恋なんて突拍子もないことが人生の最晩年にあってもいいんじゃないかなと思うんです」と語る。「今、日本でも世界でも高齢者が非常に増えていますよね。でもある日テレビを見ていると、若い看護士さんに“おばあちゃん、食べなきゃだめよ”と赤ちゃん言葉であやされて、生きているかもわからないような表情をした高齢者の方を延々と大映ししていて。私は憤りを感じました。それで、年を取っても輝くとまではいかなくても、人生の夕暮れ時にパーッと虹が立つような話があるといいなって、高齢者の男女が巡り合って恋に落ちる物語を書きたいと思いました」後半のフリートークでは、岸が今もっとも大切にしたいことや、変わらずに伝え続けていきたいことを語るそう。「実は今エッセイを書いていて。幻冬舎の社長さんが“最晩年を生きている今のあなたの生活を書いてくださいよ”って言うから(笑)、むつかしいなとは思ったのですが、私が感じることなどを書いてる最中です。そのお話もするつもりです。私の舞台を観に来てくださる方は50、60、70代の方々だと思うので、そういう方にちょっと聞いてほしいなと思うことを話そうと思っています」。エッセイのタイトルは『孤独という道連れ』。「“孤独”って寂しいひとりぼっちだって意味で捉えられてるんじゃないかと思って。でも私は、若いときから割とひとりでいるのが好きだったし、ひとりじゃなきゃできないことがたくさんあるんですよね」。パリと日本を往復しながら、唯一無二の人生を歩いてきた岸ならではの、聡明で豊かなトークを楽しみにしたい。「岸惠子 ひとり語り 輝ける夕暮れ」は、5月18日(土)の東京・新宿文化センター 大ホールを皮切りに、愛知、埼玉、千葉、大阪、神奈川など全10会場を巡演。取材・文:中川實穗
2019年02月06日福岡出身の役者陣が地元の言葉で演じる舞台『帰郷』が開幕した。【チケット情報はこちら】本作は、入江雅人が企画・作・演出を手掛け、福岡出身の池田成志、田口浩正、坂田聡、尾方宣久、岡本麗、入江が出演するゾンビと青春の終わりの物語。入江が「福岡の人だけで舞台をやったら面白い」と約20年もの間温めてきた企画で、出演者に加え、ビジュアルやグッズのイラストは大人計画・松尾スズキ、応援コメントは劇団☆新感線・いのうえひでのりと、福岡出身の演劇人が集結して実現した。開幕に際し入江は「これまで10本近く作ってきたゾンビモノの作品の集大成でもあり、一人芝居(ベースとなった自身の一人芝居『帰郷』)でやってきたこともちりばめていて、僕が作ってきた芝居の集大成でもあると思います」とコメント。高校生男子5人組の無邪気で笑える青春のワンシーンから始まり、まさかのゾンビパニック勃発、さらに思わぬ方向へと進んでいく物語は、脚本そのものの面白さに、豪華キャスト陣による豊かな芝居、福岡弁特有のテンポやイントネーションがかけ合わさり、この作品でしか味わえない独特の魅力を放っていた。本作について出演者の池田は「見てどう感じてくれるのか?益々わからなくなってきました(笑)。我々福岡人がこんなセンシティブに描かれるなんて!少々の照れくささと、引っ張りだすおじさんおばさんの元気をどうぞ優しい目でご覧くださいませ」、田口は「とにかく、みんなとのグルーヴを楽しみ、頑張る所存でございます。気楽に、観てください」、坂田は「これだけ濃い福岡弁をしゃべる機会もあまりないと思うので、楽しんで、丁寧にやろうと思います。今年1発目、一生懸命やりますんでよろしくお願いします」、尾方は「他では観ることのできない、唯一無二の芝居になったと思います。全力で挑みます」、岡本は「とにかく、おもしろいと思います。脚本も役者もおもしろいので、十分に楽しんで頂けると思います。楽しんで、観て頂きたいです」とそれぞれコメントを寄せている。入江が「福岡の人にももちろん観てもらいたいし、東京にいる、福岡や他の地方から出てきている人にも観てもらえたら。ちょっと悲しい話ではありますが、絶対に、故郷やかつての友人のことを思い出したりできる、温かい想いが胸に燈るような芝居です」と言うように、幅広い人の心に響く作品。ここでしか味わえないものを体感しに、ぜひ劇場に足を運んで!『帰郷』は2月3日(日)まで東京・俳優座劇場にて、2月8日(金)から10日(日)まで福岡・イムズホールにて上演。取材・文:中川實穗
2019年01月29日加藤和樹と凰稀かなめがW主演を務める『暗くなるまで待って』が現在上演中。その開幕に先駆けゲネプロと囲み取材が行われ、出演者の加藤、凰稀、高橋光臣、猪塚健太、松田悟志と、演出の深作健太が登壇した。【チケット情報はこちら】日本では約10年ぶりの上演となる本作は、1966年にフレデリック・ノットが書き下ろし、ブロードウェイで初演されたサスペンス。舞台となるのは、盲目の若妻・スージー(凰稀)と夫・サム(松田)が暮らすロンドンのアパートの一室だ。サムは空港で預けられたという、実は麻薬入りの人形を持ち帰る。その人形の行方を探すロート(加藤)に命じられたマイク(高橋)とクローカー(猪塚)は、スージーを騙し人形のありかを聞き出そうとするが、彼らの言動に不審を抱いたスージーは少女グローリア(黒澤美澪奈)の協力を得て、男たちに立ち向かう――。囲み取材で加藤は「果たしてこの舞台がどう見えるのか。プレッシャーもあって、いい緊張感です。タイトルになっている暗闇のシーンはもちろん、それぞれの人間性、生きてきた過程のようなものも見どころになっています」、凰稀は「人と人との関わりあいも見どころです。序盤でサムがスージーに“そういうときは「いい子ね、ありがとう」って言うんだ”と話すのですが、その言葉から伝染していくものがある。その流れも見ていただけると面白いと思います」とコメント。深作は「この作品は一昨年亡くなられた演出家の青井陽治先生や、美術の朝倉摂さんをはじめとする多くの先輩たちがつくってきた作品で。それを今自分がこうして演出させていただくことは喜びと同時にプレッシャーを感じています。ですが信頼すべきは素晴らしい役者さん達。みなさんで一緒につくってきました」と振り返った。約2時間5分、ノンストップで繰り広げられる心理戦そして頭脳戦。深作が「ラスト20分の暗闇でのクライマックスは素敵な仕上がりになろうとしています」と話したように、最後の攻防戦は本作の大きな見どころ。しかしそこに辿り着くまでの、彼女の盲目を利用したたくらみをスージーが次々と見破る爽快感や、追い詰められ理性を失っていくロートの姿、スージーとの関わりから生まれるマイクの揺れ、スージーとグローリアの想いの変化なども丁寧に描かれている。ぜひこの生々しいサスペンスを劇場で体感してほしい。公演は2月3日(日)まで東京・サンシャイン劇場にて上演後、2月8日(金)から10日(日)まで兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール、2月16日(土)17日(日)に愛知・愛知県産業労働センター ウインクあいち、2月23日(土)に福岡・福岡市民会館 大ホールを巡演。取材・文・撮影:中川實穗
2019年01月28日串田和美が演出を手掛け、安蘭けいが出演するベルトルト・ブレヒトの喜劇『マン イスト マン』が1月26日に開幕した。【チケット情報はこちら】物語は、英軍隊の機関銃隊のおバカな4人組が寺院で賽銭泥棒をはたらき、ひとりが逃げ遅れてしまうことから始まる。鬼軍曹にひとり足りないことがバレないよう何とかしたい3人は、酒屋のおかみにキュウリを運ばされるお人よしの男に助けを頼み――。人間とは何か。笑いとユーモアの中でアイデンティティをめぐるストーリーだ。S席はテーブルがあって料理付き、A席も座席で飲食ができる“キャバレーシアター”。客席には振るとパチパチ拍手音が鳴る“パタパタ”が配られ、開演までコック姿のキャストたちが“ブーイング笛”を販売。上演中に拍手もブーイングもできるカジュアルな雰囲気だ。安蘭と串田が登場して挨拶すると、物語はスタート。作品は“S席の料理を作ったコックたちによるお芝居”として始まり、登場人物の名前も料理にちなんだ名前に変更されている。客席からは舞台袖も丸見え。コック達が次のシーンの準備をしているのも、舞台上の芝居を見てブーイング笛を鳴らしている(!)のも見え、「難解」と言われるブレヒト作品への構えが自然と取り払われていく。出演者は、おかみベグビック役の安蘭、鬼軍曹役の串田、そしてコックとして物語の登場人物を演じる武居卓や小椋毅、海老澤健次らオーディションで選ばれた12人のメンバー。前半ではコックたちの場面と『マン イスト マン』の物語を行き来しながら彼らが案内役として客席を引っ張るが、S席の観客が食事を終えた頃には物語は一直線に進み始める。劇中には歌やダンスがちりばめられ、『リトル・ナイト・ミュージック』(2018年4~5月)ぶりとなる安蘭の歌や、串田のクラリネット演奏も見どころ。音楽・ピアノ演奏を担当する元ボ・ガンボスのDr.kyOnによる歌にも注目だ。ここでしか体験できないものがたくさん詰まった本作。ブレヒト作品に初挑戦したい人にもオススメしたい。KAAT 神奈川芸術劇場とまつもと市民芸術館による初の共同プロデュース作品『マンイストマン』は、2月3日(日)まで神奈川・KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオで上演中。その後、2月8日(金)から13日(水)まで長野・信毎メディアガーデン1Fホールにて上演。取材・文:中川實穗
2019年01月28日自称、優柔不断の中川大志さん。演技、ショッピング、定食屋…何をするにも「基本ずっと悩んでばかりです」。演技の選択は正解がないから難しい。「選択なんて毎日、目が覚めた時から始まりますよ。洋服は何を着て、朝ごはんは何を食べて、どの道から行くかとか。僕、優柔不断なほうなんで、基本ずっと悩んでばかりです(笑)」今年成人式を迎えた中川大志さん。それを記念して、成人の日にファン待望の写真集『maka hou』が発売された。ハワイで撮り下ろされたのは、20歳になったばかりの中川さんの貴重なショットの数々。実は企画・制作から写真のセレクトまで自ら関わったというが、それこそまさに選択の嵐だったのだそう。「どこで何をやるか、衣装はどれにするか、自分はこっちの写真が好きだけど、ファンの方はこっちが好きだろうな…など悩みまくりました。仕事の場合は、僕の好き嫌いよりも求められているほうを選ぶようにしていますが、同じチョイスでも、演技の場合はまたちょっと違う。セリフをどういう感情で言うのかは、一種の選択だと思います。でも難しいのは正解や不正解がはっきりしていないこと。「よかった!」という言葉をもらうこともあれば、イマイチ刺さらなかったりする場合もあって、見る人によって捉えられ方が全然違うんです。だから、正直手応えを感じないことも多くて。ただ、いつもチャレンジングな選択を続けていきたいとは思っています。安定した選択によって型にはまってしまうと、新しいものが生まれないような気がするから」さらに、プライベートの買い物まで悩みに悩む。「僕、ネットで買い物することが多いので、何か買う時は例えば同じ商品でもいろんなサイトを見比べて値段をチェックしたり、口コミもたくさん読んでから決めないと気が済まないんです。だって、後からもっといいものを見つけて後悔したり、失敗したくないから。長い時は1週間ぐらい考えることも珍しくないですね」そんな中川さんが、唯一選択に悩まないという場所が、定食屋。「なぜ悩まないかというと、毎回同じメニューを注文するからなんです。それが美味しいってわかっていたら間違いないじゃないですか。ごはんは失敗したくないですね…とは言いつつ、それってつまらないのかなぁ?もしかしたら、ほかにもっと美味しいメニューがあるかもしれないですもんね。あ~、ここでも悩んじゃう(笑)」なかがわ・たいし‘98年6月14日生まれ、東京都出身。20歳を記念してハワイで撮り下ろされた写真集『maka hou』が発売中。1stBlu-ray『holoholo』は2月14日発売。トップス¥33,800パンツ¥36,800(共にジュリアン デイヴィット/エドストローム オフィスTEL:03・6427・5901)※『anan』2019年1月30日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)スタイリスト・徳永貴士ヘア&メイク・池上 豪(NICOLASHKA)取材、文・若山あや(by anan編集部)
2019年01月26日和太鼓エンターテイメント集団「DRUM TAO(ドラムタオ)」が2018年5月より全国100公演以上を上演してきた『RHYTHM of TRIBE~時空旅行記~』の『FINAL』東京公演が2月6日(水)に開幕する。公演について演出家のフランコドラオ、座長の西亜里沙、メンバーの岸野央明に話を聞いた。【その他の画像はこちら】昨年も紅白歌合戦での演奏から、日仏友好160年を記念してパリで開かれた「ジャポニスム2018」のオープニングアクトまで、幅広く活躍したDRUM TAO。「僕らが影響を受けたのはシルク・ドゥ・ソレイユなんです。サーカスでお客様を笑わせたり泣かせたりするステージを観て、これをドラムでやったら面白いと思った。太鼓で泣く、笑う、感動するということを大テーマにしています」(フランコドラオ)と、さまざまなステージをつくりあげてきた彼らの最新作である本作は、“SAMURAI達の魂の旅”として、過去への遡行、未来への飛躍をテーマにストーリー仕立てで表現。和太鼓を中心にしたパフォーマンス、最新の映像テクノロジーなどを融合させた華々しいパフォーマンスが楽しめる。物語は「現代の若者たちが日本の古き良き文化やわび・さびを見つける旅に出かけるところから始まります」(西)。さまざまな時代を旅するため、歌舞伎をテーマにしたシーンや花魁(おいらん)が登場するシーンなど次々と場面が変わっていくが、「まるで映画が流れるようなつくりにしました」(西)と、曲と曲の繋ぎにもこだわり、ひとつの物語として楽しめるステージになった。そのなかでも映像クリエイティブ集団Zero-Tenによるプロジェクションマッピングは見どころ。特に今回は「今作ほど映像にうるさく言ったことはないです」(フランコドラオ)とこだわったものだが、「一緒にやりだして3年目。ようやくお互いの意志が通じ合った感覚があります」(岸野)と公演を重ねたからこその仕上がりとなっているという。コシノジュンコが手掛けた衣裳も注目だ。「今回の衣裳は甲冑などもあるのですが、“今までのデザインじゃダメ”と、“日本のものなんだけど新しいもの”を作ってくださいました」(フランコドラオ)とコシノジュンコならではのデザインが見られる。長くツアーをまわったことで「お客様の反応を受けて編曲や曲順も変えてきました。どんどんブラッシュアップされて、メンバーの気持ちもひとつになって、お客様との一体感も感じられるショーに仕上がったと思います」(西)、「何度も公演を重ねた中で出来上がった最終形態なので、きっと1番いい仕上がりを披露できます!」(岸野)という本作。初めての方もリピーターの方も期待して足を運んで!公演は2月6日(水)から8日(金)まで東京・Bunkamuraオーチャードホールにて。取材・文:中川實穗
2019年01月24日2017年に白井晃の演出で上演されたKAAT神奈川芸術劇場プロデュース『春のめざめ』が、2019年4~5月に再び上演される。主人公・メルヒオールを演じる伊藤健太郎に話を聞いた。【チケット情報はこちら】『春のめざめ』は、白井が長年にわたり演出を望んでいたフランク・ヴェデキントの戯曲で、一昨年は志尊淳が主演を務め、連日満席となった話題作。今回は新たに主演を伊藤が、ヒロイン・ヴェントラ役はオーディションにより岡本夏美が、メルヒオールの友人モーリッツ役は初演に続き栗原類が務める。伊藤は今年2月の『続・時をかける少女』以来2作目の舞台出演となるが「舞台のライブ感に惹かれました」と笑顔をみせる。「舞台ってやり直しがきかないし、一挙手一投足が見られている。その緊張感がすごく気持ちよかった。目の前にお客さんがたくさんいて、自分の芝居が伝わって、生の反応がもらえることが楽しかったです」『春のめざめ』については「思春期の感情って時代や社会が違っても同じなんだ、ということはすごく感じました。心と体が離れていく感じとか、追いつかない感じとか…。僕自身も思春期はそうでした」と感想を語る。そんな本作で伊藤が演じるメルヒオールは、ギムナジウム(ドイツの中等教育機関)の優等生。友人の自殺を自分が渡した性知識のメモがきっかけではないかと疑われ、自分が強引に肉体関係を結んだ同級生も亡くなり、自分を責め、死と生のはざまで揺れる。「メルヒオールは考える人で、“身体”は子供だけど“心”が大人に近づいている。そういう思春期のマインドや行動が観ている方をどれだけ揺さぶれるかは重要だと思います。ただそのためには、今思春期の人には(それが日常だから)ドラマチックに感じないくらい同じ心にならないといけないんじゃないかと思うんです。過ぎ去った思春期の心に戻ることは難しいですが、それがやりがいになりそうな役だと感じています」白井とは初タッグ、キャストも全員初共演で、伊藤にとって新たな環境に飛び込む作品。昨年は特にその名前を見ることが増え「チャレンジすることも多かった」と語る。その経験は「自分はこんなこともやれるんだとか、やりたいと思うんだとか、実際にやってみて気付いたことがたくさんあって。毎日楽しいです」と自分の世界が広がっており、本作の稽古が始まるのも楽しみにしているという。Dragon Ashのファンで、音楽が降谷建志の書き下ろしであることに「やった!最高!」とこの日イチの笑顔をみせた伊藤の新たな挑戦となるKAAT神奈川芸術劇場プロデュース『春のめざめ』は、2019年4月に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場大スタジオで開幕後、広島、兵庫を巡演。チケットぴあでは、WEB先行抽選を1月28日(月)午前11時まで受付中。取材・文:中川實穗
2019年01月22日全身を青く染めた3人のパフォーマーによる最新公演『ブルーマングループ ワールドツアー IN JAPAN』が5~6月に東京、名古屋、大阪で開催される。そのオフィシャルサポーターにブルゾンちえみwith B(ブリリアン:コージ、ダイキ)が就任し、記者発表が行われた。チケット情報はこちら「ブルーマン」は、言葉を使わず、音楽、アート、コメディが融合したパフォーマンスで世界中の人気を集めるパフォーマー3人組。今回は、18か国38都市を巡り世界3500万人を動員したワールドツアーの日本初上陸となり、ブルーマンとしては2007年に専用劇場でロングラン公演を行った『BLUE MAN GROUP IN TOKYO』以来の来日。記者発表では、まずブルゾンちえみが全身ブルーのコーディネート、さらにメイクもブルーで登場。続いてブルーマンのように全身を青く染めたコージとダイキが無言で現れると、ブルゾンは「ブルーマンは喋らないので、そこまでリンクさせてみました!」と紹介した。今回の就任にあたってラスベガス公演を観に行ったという3人。ブルーマン初体験のブルゾンは「いい意味で裏切られました。ブルーマンは“ブルーマン”というジャンルで確立されていましたね」「言語が違っても、音楽やリズムで魂が楽しいと思える。そこは共通しているんだなと感じました」、ダイキも「パフォーマンスでブルーマンは一切喋らないのに、3人のキャラクターがわかるんですよ」「100分間、飽きずに楽しめます!」と熱く感想を語った。なかでもコージは『BLUE MAN GROUP IN TOKYO』で初めてブルーマンを観て、そのパフォーマンスに感銘を受け、芸能界を志したというエピソードを持つ人物。「舞台上で演じることの素晴らしさを教えてくれたのがブルーマンでした」「それまで僕はエンターテインメントに触れたことがなかったのですが、たまたま誘われて観に行ったブルーマンでばか笑いをして。そのときに、自分も人を笑わせたいと思いました」とブリリアンへの最初の一歩を明かした。「お子様から大人までみんなが楽しめます。私たちと一緒に5月まで……待つの!首を長くして……待つの!」(ブルゾン)、「皆さん笑う準備をして待っててください!」(コージ)、「言葉の壁を超越した舞台です。観たら必ず何か得られるものがあります」(ダイキ)という公演は5月1日(水)から6月2日(日)まで東京・EX THEATER ROPPONGI、6月5日(水)から9日(日)まで愛知・愛知県芸術劇場 大ホール、6月12日(水)から16日(日)まで大阪・オリックス劇場にて上演。取材・文:中川實穗
2019年01月22日浜中文一主演、ウォーリー木下演出の舞台「スケリグ」が東京・DDD AOYAMA CROSS THEATERにて上演中だ。【チケット情報はこちら】脚本は、イギリスの作家デイヴィッド・アーモンドの児童書『スケリグ(Skellig)』(1998年/邦題『肩胛骨(けんこうこつ)は翼のなごり』)をディヴィッド自身が戯曲化したもの。本作では翻訳を浦辺千鶴、演出をウォーリー木下が手掛ける。出演は浜中、末澤誠也(関西ジャニーズJr.)、渡辺菜花、奥村佳恵、工藤広夢、金子昇、瀬戸カトリーヌ。古い家に引っ越してきた少年マイケル(末澤)は、崩れかけのガレージで“スケリグ”(浜中)と出会う。埃と虫の死骸まみれの服に捻じ曲がった身体…しかし彼の背中に奇妙なものがあることに気付く。両親が重い病気の赤ちゃんである妹にかかりきりのマイケルは、隣家の少女ミナ(渡辺)と一緒にスケリグを助けようとするが――。児童書ならではともいえる幻想的で温かなストーリー。そこに、役者たちが奏でる音や、美しいプロジェクションマッピング、照明の当たり方で見え方が変わるセット、昔ながらの影絵、そして民族楽器を使った吉田能による生演奏など、ウォーリー木下らしいアナログとハイテクが融合した演出で観客をやさしく引き込んでいく。スケリグを演じる浜中は、何者なのか…例えば老いているのか若いのかすらわからない、そんな不思議な存在を好演。マイケルやミナと出会ってからの変化が鮮やかな印象を残す。また、開幕前の囲み取材で「しっかりお芝居するのが初めて」と話した末澤と、ミュージカル作品で活躍し「ストレートプレイは初めて」という渡辺によるマイケルとミナも、のびのびとした芝居で観客を結末まで連れていく。奥村、工藤、金子、瀬戸は実にさまざまな役を演じるほか、役でないときの佇まいも温かだ。ウォーリーが「チームワークが大事な芝居」と話した通り、末澤以外は次々と違う役を演じ、それ以外にもさまざまな音を鳴らしたり、声を揃えて台詞を言ったり、アフレコのように話したり、動物を動かしたり、7人の役者がほぼ出ずっぱりでその瞬間、瞬間をつくりあげていく。ファンタジーでありながら、“今ここで物語が生まれている”リアルさも堪能できる作品。ぜひ劇場で体感してほしい。東京公演は2月11日(月・祝)まで上演中。その後、2月14日(木)に大阪・松下IMPホール、2月16日(土)に愛知・一宮市尾西市民会館、2月19日(火)に石川・北國新聞赤羽ホール、2月23(土)・24日(日)に兵庫のルナ・ホール 大ホールにて巡演。取材・文:中川實穗
2019年01月21日昨年2月に初演された『Like A(ライカ)』シリーズの第2弾「『Like A』room[002]」が、1月20日(日)まで上演中だ。【チケット情報はこちら】本作は、脚本・演出を三浦香、脚本を伊勢直弘、振付を當間里美、楽曲をAsuという『Club SLAZY』シリーズを手掛けたクリエイター陣による完全オリジナル舞台シリーズ。初演から出演する辻凌志朗、石賀和輝、SHUN(Beat Buddy Boi)、中谷優心、高崎俊吾、岩義人、橋本有一郎、今井稜、平牧仁(シキドロップ)に加え、今作から鎌苅健太、齋藤健心が新たに加わる。海沿いの静かな街High-Tide(ハイタイド)にある超高級ホテル『PERMANENT(ペルマネント)』で働く男たちとそこで巻き起こる物語を描くシリーズ。今作では、ハイタイドが街をあげて祝う年に1度の行事「セレブレートデー」を目前に、ハイタイドで幼馴染として育ってきたBB(辻)、バトラー(石賀)、インスペクター(SHUN)、キーパー(中谷)が思い出す、学生時代の出来事がストーリーの軸。まだまだ純粋な幼馴染4人組と、彼らを振り回すハチャメチャな先輩・マーマ(鎌苅)、さらに後輩のメーテル・ドテール(岩)とプチ(齋藤)のやりとりは、最初はおバカな青春のワンシーンの連続で笑わされるのだが、いつのまにか謎だらけの状況に。「あれ?」と思ったときにはエンディングで、1度観るとまた観たくなるのは、初演から変わらぬ特徴だ。また、楽曲も魅力的。例えば石賀の真っ直ぐな歌声とSHUNのラップ、中谷のソウルフルな歌声など、それぞれが別ジャンルに感じるものだが、本作では不思議なほど綺麗に混ざり合い、独特の空気感をつくる。平牧のピアノ生演奏も見どころのひとつだが、精密に組み立てられたミステリーと“今”を生み出すライブ感の組み合わせがおもしろい。さらに振付や衣装、舞台装置、光を使った演出なども印象的で、本作でしか見られない魅力がある。ぜひ劇場で体感してほしい。初演から出演する平牧が「エンターテイメントとしてダンスだったり演出だったり音楽自体がとても素晴らしいのは勿論ですが、舞台として物語が面白く光と影の演出となっていくので、是非そういうところも楽しんで下さい。まるっと五感をフルに使って楽しめる舞台だと思っていますし、席によって全然見えるものが変わってくるのが『Like A』のコンセプトだったりするので、ちょっと覗き見してるような気持ちも持ったりして頂いて、1度のみならず2度3度、全通して下さい!」とコメントする公演は1月20日(日)まで東京・全労済ホール/スペース・ゼロにて上演中。取材・文:中川實穗※辻 凌志朗の「辻」は一点しんにょうが正式表記※高崎俊吾の「高」は「はしごだか」、「崎」は「大」の部分が「立」が正式表記
2019年01月16日企画・構成・総合演出をジャニー喜多川、演出を滝沢秀明が手掛ける舞台『滝沢歌舞伎ZERO』が2月3日(日)に開幕する。その製作発表会見が行われ、主演を務めるジャニーズJr.のSnow Man(岩本照、深澤辰哉、渡辺翔太、阿部亮平、宮舘涼太、佐久間大介)をはじめ、関西ジャニーズJr.の向井康二、正門良規、ジャニーズJr.の目黒蓮(宇宙 Six)、影山拓也、田中誠治が登壇した。【チケット情報はこちら】松竹株式会社の安孫子正副社長が、「『滝沢歌舞伎』の新しい出発になる」と話した今作。2006年の初演から滝沢が務めてきた主演は、本シリーズに8年連続で出演するジャニーズJr.の6人組「SnowMan」が引き継ぐ。その大役をうけてメンバー岩本は「まさかこんな日がくるとは」と気持ちを明かし「新しいスタートをきれるメンバーの一員になれることを嬉しく思います」と真摯に語ると、深澤は「Snow Manは滝沢くんがいたから今ここにいます」、渡辺も「僕たちは『滝沢歌舞伎』で育ちました」と振り返り、阿部は「滝沢くんと『滝沢歌舞伎』のファンの皆様に、この作品を受け継いだのがこのメンバーでよかったと思っていただけるものにしてみせます!」、宮舘は「全身全霊で生きている証を舞台に吹き込み、お客様に届けたいです!」、佐久間は「今持てる力をすべて出してます!」と意気込んだ。今作でやりたいことについて尋ねられた向井は「フライングはひとつの夢」と語りながらも「恐れ多いので引っ張るほうをやりたいです!」と笑いを誘う。目黒は「今回、変面(一瞬で“お面”を変える中国の伝統芸能)をやらせてもらえるそうなので、あの一瞬でマスクが変わる謎を解けることにびっくりしています」、影山は「前回、初出演したときに太鼓でソロの役をいただいたので、今回の(新演出である)“メカ太鼓”のメンバーに入って進化を観ていただけたら」、田中も「去年は太鼓のシーンで苦戦したので今年はパワーアップしたいです。(“メカ太鼓”メンバーに」立候補します!」と宣言し盛り上げた。また、今作への出演にまつわる滝沢とのエピソードを問われSnow Manが「“やるよ”とひとこと言われた」、向井が「“堂々とすればいいんだよ”と言われた」など披露するなか、正門は「僕は何も言われてない。ほんまに出るんかな…」とメンバーを笑わせ、場を和ませていた。本作のポスターのイメージは桜だが、「滝沢くんが“Snow Manは、桜が散るのではなく“舞う”ようにいろいろな場所で花を咲かせる、という意味も込めた”とおっしゃっていました」(岩本)と熱い思いが込められている。そんな本作は、京都・南座にて2月3日(日)から25日(月)、東京・新橋演舞場にて4月10日(水)から5月19日(日)まで上演。取材・文:中川實穗
2019年01月11日スティーヴ・マーティン作の舞台『ピカソとアインシュタイン~星降る夜の奇跡~』が2019年4月、5月に上演される。1997年の日本初演から出演する岡本健一と川平慈英に話を聞いた。【チケット情報はこちら】本作は、同時代を生きながらも会うことはなかった画家ピカソと物理学者アインシュタインがもし出会っていたらどんな化学反応が起こるのか?を描くファンタジック・コメディ。1993年にシカゴで初演され、日本では1997年と2000年に今回同様ランダル・アーニーの演出で上演。19年ぶりの上演となるが、引き続き岡本健一と川平慈英が出演し、三浦翔平、村井良大の4人の役をシャッフルした2チームで上演する。約20年ぶりの上演となることについて、川平は「これは僕の大大大好きな作品なんです。なぜなら、僕が大師匠だと思っているスティーヴ・マーティンが作ったっていうことがひとつと、もうひとつは演出家のランダル・アーニーさん。彼との出会いは大きかった。いろんな意味でポジティブな化学反応、再び、という感じです」と喜ぶ。岡本もランダルの演出は「楽しい時間しかなかった」と振り返り、「でも稽古場では“これで大丈夫なのかな?”と思うことも多かったですよ。おもしろいのかな?っていう。しかもアメリカンコメディだから日本人の感覚と合うのか心配もしましたし。だから“笑いがなくてもいいや!”という気持ちで挑んだのですが、実際に幕が開くとお客さんは笑っていて。おもしろかったですね」と語る。2チーム制となる今回、「チームROSE」ではピカソを岡本、アインシュタインを川平、シュメンディマンを村井、未来からの訪問者を三浦が演じ、「チームBLUE」ではピカソを三浦、アインシュタインを村井、シュメンディマンを川平、未来からの訪問者を岡本が演じる。チームROSEで当時と同じ“20代の”ピカソとアインシュタインを演じるが、岡本は「当時、(本作にも登場するピカソの作品)『アヴィニョンの娘たち』をニューヨークまで観に行き、これを描いた人をやるんだ…と思ったことを覚えています。あれから約20年経ちますが、男の人は特に歳をとればとるほど子供になっていくと思うので……僕らもよりアホな子供になるんじゃないかな(笑)」、川平は「稽古で“人生を邁進している人間をやれば自然とアインシュタインになる”“あなたがエンジョイしてるのを見たい”と言われたのを覚えています。20年の間にいろんな気付きがあって、“コントロール”という意味での成長はしていると思うのですが、でもそれがプラスにいくかはわからないのでね。子供のままやろうと思います!」公演は4月25日(木)から5月9日(木)まで東京・よみうり大手町ホール、5月12日(日)に大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。チケットぴあでは1月12日(土)から1月15日(火)まで抽選先行を受付。取材・文:中川實穗
2019年01月10日る・ひまわり×明治座「祭」シリーズ第8 弾「歳が暮れ・るYO 明治座大合戦祭」が12月28日(金)から東京・明治座にて上演される。その稽古場見学会が行われた。【チケット情報はこちら】毎回、歴史ものをテーマに、第一部は芝居、第二部はオリジナルユニットによるショーという2部構成で上演される本シリーズ。今年は佐奈宏紀と内藤大希が主演を務め、第一部は『風林火山をす・る』という武田晴信(のちの信玄)と山本勘助の出会いを描く青春友情物語を上演。第二部は「KAI ROCK FESTIVAL」とし甲斐の国で超有名な(?)アーティストが集結する。シリーズ初となった稽古場見学会は、約1000人の応募から参加権を得た20名の観客が参加。キャスト達の「稽古場にようこそ!」という掛け声で出迎えられ、和やかな雰囲気の中で稽古がスタートした。披露されたのは第一部の2シーン。まずは佐奈演じる武田晴信と内藤演じる山本勘助が出会うまでのシーンだ。飯富虎昌(兼崎健太郎)、板垣信方(中村龍介)、小山田信茂(KIMERU)、甘利虎泰(滝口幸広)という「四天王」が当主・武田信虎(加藤茶)の命を「頂戴するしかない」と話し合い、晴信に弟の信繁(永田聖一朗)、信廉(田中涼星)と共に逃げるよう促すシーンは、内容はシリアスなはずなのだが、四天王の4人の自由すぎる芝居、そして弟ふたりのアドリブが、これぞ「祭」シリーズという面白さに。そんな空気の直後だが、晴信と勘助が出会うシーンでは、晴信の「人はみんなしあわせにならなくちゃいけない」という信念を、勘助が「自分が信じるように動いてみろ」と受け止める印象的なやり取りで引き込み、短い時間ながら本作の魅力をギュッと伝えた。次に披露されたのは、貴城けい演じる上杉謙信と、小早川俊輔演じる宇佐美定満、加藤啓演じる直江兼続という上杉家の3人が、晴信と勘助に遭遇するシーン。ここでは上杉家がまさかの某有名マンガネタを披露。大笑いの稽古場に、貴城は「(お客様と近すぎる)この距離でやれた自分をほめてあげたい」とコメントしてさらに沸かせるなど、稽古場ならではの近さでコミュニケーションが取られた。稽古後は演出の板垣恭一と共に、佐奈、内藤、辻本祐樹、木ノ本嶺浩から挨拶も。木ノ本は「今日観ていただいたようなことを日々積み重ね、面白い作品にしていきます」、辻本は「試行錯誤しながら板垣さんとつくっていきます」、内藤は「ふたりで座長としてさらにがんばっていきたい所存です」、佐奈は「新しい挑戦もありますが、大事にしているものは変わらないので、ぜひ一緒に楽しみましょう」とそれぞれ話した。公演は12月28日(金)から31日(月)まで東京・明治座、2019年1月19日(土)大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演。取材・文:中川實穗
2018年12月18日落語家・柳家喬太郎の新作落語「ハンバーグができるまで」が2019年3月に舞台化される。劇団「ペテカン」の本田誠人が脚本・演出を手掛け、離婚した夫婦のとある1日を渋川清彦と馬渕英里何が演じる。喬太郎に話を聞いた。【チケット情報はこちら】「2年ほど前に演劇誌でインタビューを受けたときに、この作品を“お芝居にしたら面白いと思うんですよね”と、今まで思ったことはなかったのですが、ふと話して。そのときに“ペテカンさんとかに(芝居にしてほしい)”と言ったんですよ。そしたらそれを本田さんが読んで“じゃあやろう”と。瓢箪から駒みたいな話です」と本作の始まりを明かす喬太郎。この演目が演劇に向いていると思った理由は「僕の新作落語の中でも独特な作品で。所謂ナンセンスに徹した内容ではないし、誇張したキャラクターはいても突飛なキャラクターは出てこない、本当に半径500Mくらいの日常の話なんです。そういうところが演劇に向いているんじゃないかと思います」今回の舞台化について「自分のためにつくったものを、何人もの人が寄ってたかって落語とは違うエンターテインメントにしてくれるのは相当ワクワクします。しかも自分も出演者ですからね。原作者として“あとは好きにしていいよ”というのもきっと楽しいと思うのですが、自分も稽古場に通って一緒にできるわけで。今決まっている仕事の中で、1、2を争うくらいワクワクしています」と本当に嬉しそうに語る。脚本・演出を手掛けるのは、ペテカンの本田。喬太郎はこれまで2度ペテカンの舞台に出演しているほか、企画などにも定期的に参加している。「ペテカンの皆さんはね、仲間にしてくれるんです。“ペテカン・シニア部”なんてふざけて言われますけど、だんだんそんな気がしてくるような。ペテカンの舞台って、全部が終わったときに“ああ面白かった!”と思えるんですよ。そうやって終わる仕事ってとってもいいですよね。それがペテカンという人たち。自分の中で大事な人たちです」ドラマや舞台、映画に出演し、芝居をすることを「好きになってきている」と話す喬太郎は、もともと演劇ファン。「だから初めて演劇のオファーがきたときは断ったんですよ。趣味がなくなっちゃう気がして。落語がそうですからね。でも今、とてもいい距離感で仕事ができている気がします。趣味であり仕事でありっていう。僕のなかでは素敵なものになっていますね。でもプロフィールに“演劇鑑賞”とは書かないですよ。大事にしたいから。気軽に関わって大事な関係を壊したくないですからね。…と言いつつ今、取材で話しているのですけど(笑)」公演は2019年3月20日(水)から24日(日)まで東京・博品館劇場にて。取材:中川實穗
2018年12月13日KAAT 神奈川芸術劇場とまつもと市民芸術館による初の共同プロデュース作品、ベルトルト・ブレヒトの傑作喜劇『マン イスト マン(男は男だ)』が来年1月から2月にかけて上演される。出演者の安蘭けいに話を聞いた。【チケット情報はこちら】英軍隊を舞台にした、笑いとユーモアの中で“人間とは何か”というアイデンティティをめぐる物語。「難しいと言われるブレヒト作品ですが、(脚本・演出の)串田さんの世界観でつくっていくと、エンターテインメント作品になるんだろうなと想像しています。だから構えずに楽しみに来てほしいですね」と安蘭。串田とは『漂流劇 ひょっこりひょうたん島』(2015年)以来のタッグだが、串田作品の楽しさは「固定概念を覆されること。この人はなんて自由な発想をするんだろう!って。私の想像をはるかに超えたところに串田さんの思考や想像があって、“初めて出会った人”という感じでしたね。現場がすごく楽しかったので、今回声をかけていただけて嬉しかったです」自身もさまざまな海外戯曲を経験してきたが「こういう“名作”と言われる海外戯曲って、自分ひとりで読んでも限界があるんです。戯曲の奥に描かれたものや“このひとつの台詞にこんな意味が込められているんだ”ということを理解するために、まずは作家の思考性を知ること、そして稽古場で演出家さんと話すことを大事にしています。そうやって紐解いていくことが、海外戯曲の楽しさだと思いますし。まずはブレヒトのことを勉強しなくちゃいけないなと思っています」と誠実に挑む。作品のなかで安蘭が演じるのはペグビックという人物。「飲み屋の“おかみ”のようなイメージです。酸いも甘いも知っていて、いろんな人を掌で転がすような。私におかみの素質はめちゃくちゃあると思うのですが(笑)、おかみ役は初めてなので、新しい一面が出せると思います」S席はテーブルがあり料理付き、A席でも座席で飲食ができる面白い設定。「これは私も初めての経験です。どの劇場でもできることではないと思うので、こういうユニークな上演を通じて演劇の楽しみ方を知るきっかけになるといいなと思います。客席の空気って実は舞台上にすごく影響を与えるので、どうなるのか楽しみですね」歌やダンスをちりばめた演出になるという本作。「私自身としては、舞台上で歌を披露するのが『リトル・ナイト・ミュージック』(2018年4~5月)以来なので、そこもぜひ注目してください!」。公演は1月26日(土)から2月3日(日)まで神奈川・KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ、2月8日(金)から13日(水)まで長野・信毎メディアガーデン1Fホールにて上演。チケットは現在発売中。取材・文:中川實穗
2018年12月13日原作・演出を西田大輔、脚色を家城啓之(マンボウやしろ)が手掛け、板倉俊之(インパルス)らが出演する舞台「ジーザス・クライスト・レディオスター」が12月12日(水)に開幕する。その公開舞台稽古に潜入した。【チケット情報はこちら】本作は2004年に初演され、これまで4度の再演を行ってきた人気作。今回は家城が脚色し、西田が演出する、新たなカタチで上演される。物語の舞台はラジオ局。10代を中心に絶大な支持を集めるカリスマDJ・ジーザス(板倉)の生放送特番で、ジーザスが現れないというハプニングが起きる。そこで、ディレクター(染谷俊之)や構成作家(八木将康)、新米AD(中島早貴)らに加え、なぜか演歌歌手(大地洋輔)やSM嬢(肘井美佳)を巻き込んで番組を放送するが――というシチュエーションコメディー。この日は数シーンを披露。まずは冒頭、DJ・ジーザスが電話相談のリハーサルをしているシーンだ。これは「カリスマ」と呼ばれるジーザスだが、実は電話の受けこたえが適当だということがわかる場面。ジーザス役の板倉と電話の相手である新米AD役の中島のやり取りはつかみどころがなく、稽古場も爆笑に。適当すぎてかみ合わない会話のオンパレードだが、それがひたすら笑えるのは板倉の手腕も大きい。通し後は、西田からは「あのくだりがすごく面白かったから、もっとやろう」というリクエストも。最初から濃いシーンになりそうだ。次に披露されたのは、本番を目前にスタッフとゲストが打ち合わせをするシーン。染谷、八木、中島、安川純平、宮平安春、小野寺ずる、辻本耕志が登場したが、とにかくそれぞれキャラが濃い。宮平の占い師ぶりは激しく、小野寺は口を開くとDJジーザス愛が尋常じゃない、辻本はごみの分別で怒り狂い、安川は極端にオドオドしている。次のシーンでも、SM嬢役の肘井はムチを振り回し、染谷演じるディレクターはそのSM嬢となぜか張り合うなど、もはやカオスなのだが、ストーリーはしっかりと展開していくので観ていて迷子になることはない。また、演歌歌手・氷川金次郎役の大地がひとりで芝居する時間も。演歌の語り口調で延々と独り言を言っている、その内容はアドリブなのか、共演者たちも爆笑となっていた。さらに、そこに飛び込んでくる安川と大地の対決(?)も注目。大地が芸人ならではの懐で、安川の新しい面を引き出していた。キャストそれぞれの新たな一面が見えそうな本作。ぜひ劇場で大笑いしてほしい。公演は12月12日(水)から24日(月・祝)まで東京・紀伊国屋ホールにて。取材・文:中川實穗
2018年12月07日芸能生活50周年を迎える由紀さおりが、2019年1月に『由紀さおり 50周年記念公演』として芝居(1部)と音楽(2・3部)という3部構成のステージを上演する。由紀に話を聞いた。【そのほかの画像はこちら】1部の“女優・由紀さおり”としてのステージはオリジナル作品『下町のヘップバーン』(脚本・演出:堤泰之)。由紀のほかに篠田三郎、久住小春、重田千穂子、渡辺正行が出演する喜劇で、1960年代の下町の食堂を舞台に、由紀がその女店主“下町のヘップバーン”を務める。由紀の希望で“喜劇”そして“下町の食堂のおばちゃん”役となった本作。「新しい年を笑って始められる作品にしたくて喜劇をお願いしました。下町のおばちゃんを希望したのは、新しい由紀さおり像のようなキャラクターを作ってもらいたくてです」。50周年の節目に“新しい由紀さおり像”を演じるのは「今までやってきたことではなくて、なにか新しい切り口のものを皆さんに観ていただきたくて。来年はそういう年にしたいんです」。芝居が「大好き」という由紀。「お客さんのお反応は怖いですが、自分を勇気づけてくれるものだから。どこまでやれるかは心配ですが楽しんでやれたらいいなと思います」2・3部の“歌手・由紀さおり”としてのステージは、『新しい幕があがるとき』(構成・演出:下山啓)。2部でヴォーカルグループのベイビー・ブーと共に、3部では日替わりゲストである林部智史、パク・ジュニョン・川上大輔・中澤卓也、松原健之、中川晃教という多彩な若手歌手と共に歌声を届ける。「普段歌ったことのないような曲も歌いますよ」と言うが、50周年のステージをベストアルバム的な構成にせず挑戦をすることを聞いてみると「大変です」と笑いながらも「慣れたものをやることも大事ですが、手慣れたものに自分が溺れると“惰性”になっちゃうから」。「それに『夜明けのスキャット』も『手紙』も慣れてはいるけど、それはラクに歌うこととは違う。いつも新鮮な思いで歌わないとダメだと思っています」と語る。豪華なゲストとの共演は「うまく溶け合えればいいなと思いますね。そこは怖い部分でもあるけれども楽しみなことのひとつです」「半世紀歌ってきて、自分の楽曲は財産としてこれからも大事にしていきたいと思いますが、それを食いつぶしていくような人生は嫌だなっていうのが今の私です。いい歳頃になってもチャレンジできることがあるのではないかと思います。今までがあるからこそ、このお仕事をちょうだいできたわけだけれども、その先に“見たこともない私”がいることを、お客様に見ていただけるお芝居であり歌のステージにしていきたいです」。公演は2019年1月6日(日)から20日(日)まで東京・明治座にて上演。チケットは現在発売中。取材・文:中川實穗
2018年12月07日お笑いコンビ・中川家の礼二が、4日に放送されたニッポン放送『中川家のオールナイトニッポンPremium』(毎週火曜 18:00~)に出演し、自身が審査員を務めた『M-1グランプリ2018』について、明石家さんまからダメ出しされたことを明かした。番組冒頭、相方の剛から「君、ボケへんかったな」と振られると、礼二は「ボケたけど、スベってた。トム・ブラウンのボケの方に『自分、目の奥笑ってへんな』って言ってウケるかなと思ったら、シーンってなって大恥かいたわ。ホンマに背中に汗かいたわ」と返答。これに対して、剛が「いや、違う。最初の登場のところ」とツッコむと、礼二は「ホンマにそれ、さんまさんも言うけど。ボケれるような雰囲気ちゃうねん。さすがに出来んわ」と話した。また、「さんまさんも見てたみたいやからね、『M-1』を」と明かした礼二。剛が「君、言われたやん。『何もせえへんかったな。お前』って」と振り返ると、礼二は「言われて。そこでも怒られるから、もう…」と漏らしていた。剛は「ただ、『楽しんで見てたんすね』って言ったら、『いや、俺はちゃうねん。俺とかぶっているヤツおらんか、確認してるだけ』。それでおらんかったから、ホッとしたんやって」と明かし、2人は「もういいやん。どこまでいくねん、あの人は」とさんまのストイックすぎる姿勢をツッコんでいた。
2018年12月06日『オペラ座の怪人』の10年後を描いたミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』が2019年1月より東京・日生劇場にて上演される。市村正親とのWキャストで主人公ファントムを演じる石丸幹二に話を聞いた。【チケット情報はこちら】本作は、ミュージカル『オペラ座の怪人』の生みの親である作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバー自身が生み出し、2010年にロンドンで初演された作品。日本初演は2014年。それから5年ぶりの上演となる。1990年、劇団四季『オペラ座の怪人』のラウル役でデビューを果たした石丸。「こんなカタチでまたアンドリュー・ロイド=ウェバーの作品、それも『オペラ座の怪人』が透けて見えるような作品に挑戦できるのは、運命のようなものを感じます」と出演を喜ぶ。作品の舞台は『オペラ座の怪人』の10年後、ラウルと結婚したクリスティーヌが一児の母となり、“伝説のソプラニスト”としてオペラ座で活躍する世界だ。しかしラウルがギャンブルで多額の借金をつくるというまさかの展開。その事実を知ったファントムは正体を隠し、クリスティーヌがファンタズマ(見世物小屋)に出演すれば多額の報酬を払うとラウルに持ちかけ、物語が動き出す。「初演を観たときは、また(怪人の物語を)観れてよかったという思いと、ラウルがこんなになっちゃった…という複雑なものもありました(笑)。ただ、10年経ってこうなっているのは面白い描き方だなと思います。人生はわからないものですから」。舞台が“オペラ座”から“見世物小屋”に移ることも「どちらもショーをみせる場なんですけど、ドロドロとした人が覗き見たくなるようなものをやっている見世物小屋は、よりファントムの中身を見られるような場だと思います。彼がもともと檻に入れられ見世物になっていたことにもつながるし、自分が嫌いだったはずの環境を自らつくっていることに、すごく屈折したものを感じます」。Wキャストで演じるのは、本作日本初演に加え『オペラ座の怪人』日本初演でもファントムを演じた市村。「普通、横に並べるような先輩じゃないですから。嬉しいのと同時に、責任を果たさなきゃならないという意味では身が引き締まる思いです」。初演を観劇した際は、(市村とWキャストの)鹿賀丈史版だったそうで、「市村さんのファントムは稽古場で初めて観るとこになりますので、すごい衝撃を受けると思います。それがすごく楽しみ。市村さんの姿を見尽くして勉強したいです」。市村と鹿賀に挨拶をしたといい「“がんばれよ”と言ってくださいました。先輩方の築き上げた『ラブ・ネバー・ダイ』を引き継いでいけるように。バトンをひとつ渡してもらったつもりで走っていきたいです」。ミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』は2019年1月15日(火)から2月26日(火)まで東京・日生劇場にて上演。取材・文:中川實穗
2018年11月30日タレントの中川翔子が30日、千葉・幕張メッセで開幕した世界最大級のポップ・カルチャーイベント「東京コミコン2018」(11月30日~12月2日)のオープニングイベントに登場。来日した俳優のトム・ヒドルストン、エズラ・ミラーらと対面を果たし、喜びを爆発させた。「東京コミコン2018」のアンバサダーを務める中川。「みなさん、ついにこの日がやって来ました。この日まで生きててよかった、夢と魔法とミラクルの3日間が始まるぞー!」と盛り上げ、「大変です、今もうアゴの骨がとれました。トムヒと目があったんです。めちゃめちゃカッコよかった。女子は全人類みんなトムヒ大好き!」「ロボコップが目の前通ったんです」と興奮気味に話した。そして、『マイティ・ソー』『アベンジャーズ』シリーズのロキ役で知られる“トムヒ”ことトム・ヒドルストン、『ジャスティス・リーグ』のフラッシュ役で知られるエズラ・ミラー、『スター・ウォーズ』シリーズでボバ・フェット役を演じたダニエル・ローガン、『ハリー・ポッター』シリーズでウィーズリー家の双子、フレッドとジョージを演じたジェームズとオリバー・フェルプス、『ロボコップ』のピーター・ウェラー、『バーフバリ』シリーズで“暴君”バラーラデーヴァ役を演じたラーナー・ダッグバーティがステージに集結。観客から大歓声が沸き起こり、中川も「生きていれば会えるんですね。ミラクルですね」「本物本物!」「かっこいい!」と感激し、「会えると思わなかったですよね。今ここが地球で一番尊い場所ですよね」と観客たちと喜びを分かち合った。フォトセッションでは、「せっかくのチャンスなのに涙で化粧がとれました」と化粧を気にしつつ、エズラ・ミラーが近づいて来ると「キャー!」と叫び、続いてトム・ヒドルストンが隣に来ると思わず「アイラブユー!」と愛の告白。さらに、トムヒが中川の肩に手をのせると、「オーマイガ―! オン ザ ハンド」と叫んだ。そして、「コミコンすごい。コミコンすごいよ!」と喜びを爆発。その姿に観客からも「しょこたんおめとう」という声が上がった。オープニングイベントでは、アメコミリーグの川谷修士(2丁拳銃)、なだぎ武、竹若元博(バッファロー吾郎)、おもしろ佐藤(御茶ノ水男子)が司会を担当。さらに『銀河鉄道999』などで知られる漫画家・松本零士氏、東京コミックコンベンション実行委員会名誉会長を務める山東昭子参議院議員、東京コミックコンベンション実行委員会 実行委員長の胸組光明氏も登壇した。
2018年11月30日東京芸術劇場シアターオペラvol.12全国共同制作プロジェクト「モーツァルト 歌劇『ドン・ジョヴァンニ』全幕」が2019年1月・2月に上演される。その記者会見が行われ、総監督・指揮の井上道義、演出・振付の森山開次、ドン・ジョヴァンニ役のヴィタリ・ユシュマノフ、レポレッロ役の三戸大久、ドンナ・アンナ役の高橋絵理、騎士長役のデニス・ビシュニャ、ドンナ・エルヴィーラ役の鷲尾麻衣、ドン・オッターヴィオ役の金山京介、ツェルリーナ役の小林沙羅(1月27日(日)以外に出演)と藤井玲南(1月27日(日)に出演)、マゼット役の近藤圭が登壇した。【チケット情報はこちら】本作は、井上総監督によって日本のオペラ上演史上センセーショナルに記憶を残した2015年のオペラ『フィガロの結婚』に続く、ダ・ポンテ三部作の第2弾。ダンサー・演出家として活躍する森山が初めてオペラの演出を手掛け、新演出・英語字幕付・日本語上演で、斬新な演出と振付による新たな『ドン・ジョヴァンニ』を生み出す。井上は「『フィガロの結婚』の後になにをしようかと考えたときに、若い人とやりたいと思いました。この国はメジャーな作品で若い人が思い切り冒険するチャンスが意外と少ないので」と、「素晴らしい才能」と絶賛する森山とタッグを組んだ経緯を語る。さらに「今回は大いに冒険します。その冒険というのは、オペラに対してお客さんが、いい意味で気楽に、誰が聴いても観て合点がいくような在り方でやるということです。アジアの外見をした人間がやることも含め、世界的に意味があることをできるように。こういう方法が受け継がれることを希望しています」と話した。森山は「(オペラの演出に)僕の名前を挙げることは勇気のいることだと思います。その皆さんの気持ちを受けて、委縮することなく、思い切って挑戦することが僕の役割だと思います。オペラに関しては知識も浅いですが、知らない強みもありますので、ムチャぶりをすることもあるかと思います。改めて身体という部分を見つめ直したときに、ダンサーがオペラの人たちとどういう関係を築けるか。オペラの人たちは、歌いながらですが、より身体性を追求していく時間になればと思います」とコメント。作品について「ドン・ジョヴァンニの物語なのでそこをしっかり描くのは当然ですが、彼を取り囲む3人の女性の姿が印象に残る舞台だと僕は思っています。そこをなるべくしっかりと描きたく、さまざまな準備を進めています」と構想を語った。公演は2019年1月20日(日)に富山・オーバード・ホール、1月26日(土)・27日(日)に東京・東京芸術劇場 コンサートホール、2月3日(日)に熊本・熊本県立劇場 演劇ホールにて上演。取材・文:中川實穗
2018年11月28日2019年3月から2020年4月まで全国各地で上演される2019年劇団☆新感線39(サンキュー)興行・春公演 いのうえ歌舞伎『偽義経冥界歌(にせよしつねめいかいにうたう)』の製作発表記者会見が行われ、脚本の中島かずき、演出のいのうえひでのり、主演の生田斗真、りょう、中山優馬、藤原さくら、粟根まこと、山内圭哉、早乙女友貴、橋本じゅん(大阪・石川・長野公演に出演)、三宅弘城(東京・福岡公演に出演)、橋本さとしが登壇した。2019年 劇団☆新感線39興行・春公演 いのうえ歌舞伎『偽義経冥界歌』チケット情報本作は劇団☆新感線の3年ぶり本公演となり、旗揚げ39周年を記念した「39興行」の第一弾。“いのうえ歌舞伎”としては『乱鶯』(’16年)以来の新作で、中島かずきによるゼロベースからの完全新作は『蒼の乱』(’14年)以来になるという。会見では中島が「いつもの新感線らしい賑やかな芝居になります。生田くんは普段は抑えた役や受けの芝居をすることが多いので、今回は図抜けた明るさを持つキャラクターを演じてもらえたら」と語り、いのうえも「内容はザ・新感線です。斗真はいのうえ歌舞伎には初登場なので思いっきり暴れてもらいたい。“チャンバラ版アベンジャーズ”というような怒涛の展開です」と本作について紹介した。新感線は4度目の参加となる生田は「2年前に『Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!~』(’16年)に出演したときに、いのうえさんから『次は斗真で歌舞伎をやりたい。斗真のために考えている企画があるから一緒にやらないか』とお話しいただきました。今回は39興行ということなので、皆さんにたくさんのサンキューを届けます!」と笑顔。新感線は昨年から二度目の参加のりょうは「新感線さんの作品は楽しくて、また出演したいとアピールしていました。その夢がこんなに早く実現してうれしいです。いのうえ歌舞伎は殺陣とアクション満載で役者にとっては体力勝負ですが、最後まで楽しんで面白い作品を届けられたら」、中山は「斗真くんの弟役を演じさせていただきます。今回、出させていただくと決まったときは緊張のほうが大きかったですが、精一杯楽しみながら自分の役をまっとうしたいと思います」、今作が初舞台となる藤原は「新感線の舞台はずっとお客さんとして観ていたので、そこに立てることを幸せに思います」とそれぞれ語った。橋本さとしは「新感線を退団した頃、占い師からあなたの人生のピークは53・54歳って言われたんですよ。来年、僕53歳なので。僕ひとりの男の人生のピークをぜひ見届けていただきたい!」と明かし会見を盛り上げた。公演は、2019年3月8日(金)に大阪・フェスティバルホールで開幕後、石川、長野を巡演。夏秋公演を挟み、2020年2月から再び東京、福岡で上演される。大阪・石川・長野公演のチケットは1月27日(日)一般発売。12月12日(水)23:59まで石川・長野公演の抽選先行を受付中。取材・文:中川實穗
2018年11月27日2019年1月に上演される「銀岩塩Vol.3LIVE ENTERTAINMENT『神ノ牙-JINGA-転生』~消えるのは俺じゃない、世界だ。~」の製作発表記者会見が行われ、総指揮・演出・主演の井上正大、出演者の山本一慶、伊波杏樹、小田えりな(AKB48)、正木郁、松野井雅、湯本美咲、中村誠治郎、そして銀岩塩の代表で脚本も手掛ける塩田泰造が衣裳姿で登壇した。【チケット情報はこちら】本作は2005年に放送スタートした特撮ドラマ『牙狼<GARO>』シリーズの舞台化・第2弾。今年10月より放送中のスピンオフドラマ『神ノ牙-JINGA-』を舞台化する。まずは映像版でもジンガ役を演じた井上が「一大エンタテインメントとしてお客様を楽しませられるようにがんばります。今回のホラージンガは変態チックな役。楽しく演じたいです」と意気込み、サーシャ役の山本は「昔から知っているシリーズに携わらせていただけることを誇りに思います。スピードを生かしたアクションを楽しみにしてもらえたら」、友葉役の伊波は「長い歴史のある作品ですので、いろんなことをしっかり伝えられるようにがんばります」とコメント。Wキャストで友葉役を演じる小田は「このような壮大な世界観の舞台は初めてでワクワクしています。友葉のまっすぐで心の強いところを演じられたら」、ルカ役の正木は「着たことのないような高貴な衣装です。映像や殺陣も楽しみにしていてください」、アミリ役・アルヴァ役の松野井は「銀岩塩さんには旗揚げ公演から参加させていただいて、原作には“牙狼ファミリー”として10年近く携わらせていただいています。私にとって家族のような人たちとまた表現活動ができることが嬉しいです」、ケルス役の湯本は「今作では歌を歌わせていいただくので、今“魔戒語”を猛特訓中です。役への愛情がどんどん深まっています」、ミドウジ役・ルミド役の岩田は「『牙狼<GARO>』が好きで好きで、前回ステージをつくらせていただきました。ダークファンタジーですが、コメディタッチなシーンもあり、エンタメ感のある楽しい作品になっています」、フギ役の中村は「昔から出たかったシリーズにやっと携わることができて光栄です。求められているものを最大限発揮して作品に貢献できたら」とそれぞれ意気込みを語った。また、原作者・雨宮慶太から「牙狼の世界の魔獣ホラーは文字通り恐怖であり魔の存在です。そして対する存在が魔戒騎士なのです。それは神の力を持った騎士と言えるでしょう。ジンガは魔でありながら神の力を持つ存在なのです。それは対極でなく、実は合わせ鏡であるという主題がジンガの物語なのです」というメッセージが届いたほか、影煌騎士・狼是も登場し、盛り上がりのなか会見は幕を閉じた。公演は2019年1月5日(土)から14日(月)まで東京・天王洲 銀河劇場にて。チケットは発売中。取材・文:中川實穗
2018年11月26日2019年1月に開幕するミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』の製作発表が開かれ、Wキャストで主演を務める市村正親と石丸幹二をはじめ、濱田めぐみ、平原綾香、田代万里生、小野田龍之介、夢咲ねね、咲妃みゆ、鳳蘭、香寿たつき、大前優樹、加藤憲史郎、熊谷俊輝が登壇した。【チケット情報はこちら】本作は世界的名作『オペラ座の怪人』の10年後を描いた作品で、『オペラ座の怪人』のアンドリュー・ロイド=ウェバーが手掛けたもの。日本では2014年に初演され、5年ぶりの上演となる。今回は初演に続き市村と、新たに石丸がファントム役を務めるほか、初演に続き濱田と平原がクリスティーヌ、初演に続き田代、新たに小野田がラウル、今回から夢咲と咲妃がメグ・ジリー、初演に続き鳳と香寿がマダム・ジリー、クリスティーヌの息子・グスタフを今回から大前、加藤、熊谷が演じる。300名のオーディエンスが見守るなか、出演者は4曲の歌唱披露で登場。市村と石丸による『君の歌をもう一度』、濱田、平原、田代、小野田、夢咲、咲妃、鳳、香寿による『なつかしい友よ』、大前、加藤、熊谷による『心で見つめて』、濱田と平原による『愛は死なず』という本番では観られない組み合わせでの歌声が披露された。会見の冒頭では、ホリプロの堀義貴代表取締役社長より「『オペラ座の怪人』ファンの皆様も楽しめる楽曲が新たに追加され、編曲がリニューアルされたものもあります。新しい『ラブ・ネバー・ダイ』です」と今回のポイントが紹介された。劇団四季『オペラ座の怪人』日本初演でファントムを演じた市村は「『オペラ座の怪人』から30年になる来年、僕はこの作品の最中に古稀を迎えます。長く生きていてよかったとしみじみ思います。今回は曲が変わるので、5年前と同じにはならない。一生懸命覚えています!」、デビュー作が『オペラ座の怪人』ラウル役である石丸は「初演を観たとき“まさかラウルがこんなことになっているとは…”と衝撃を受けました(笑)」とその変貌への驚きを明かしつつ「お話をいただき、私の技術で大丈夫なのだろうか、市村さんと同じ役をやらせていただいて大丈夫なのだろうかと不安になりました。だけど今日、船出しましたのでそんなことは言っていられない。市村さんの演技を見ながら、歌を聞きながら、勉強させていただきます」と意気込みを語った。その後も出演者それぞれから意気込みや役への想いが語られ、最後に石丸より「皆様のご期待以上のものをお届けできるようにがんばります」、市村より「多くの方に我々のドロドロとした“泥仕合”をお見せしたい(笑)」と挨拶があり、和やかに会見は終了した。公演は1月15日(火)から2月26日(火)まで、東京・日生劇場にて。取材・文:中川實穗
2018年11月22日福岡出身の役者陣で描く青春の終わりとゾンビの舞台『帰郷』が東京・福岡で上演される。企画・作・演出・出演の入江雅人に話を聞いた。【チケット情報はこちら】実は本作は、入江が「ずっと宿題だった」と語る作品。「芝居を観たあととかに飲みにいくと、みんな割と調子のいいことを言うでしょ(笑)。“今度このメンバーでやろうよ”とか。僕もそういうことを言っていたのですが、次の日に自己嫌悪になるんですよね。“やりもしないのに…”とか思って(笑)。それで“言ったことをやろう”と思ってプロデュース公演などをやるようになったのですが、そのなかで1番時間がかかったのがこの企画です。だから、言ったことを実現するのはこれが最後です」。話の発端は、出演者の池田成志。「成志さんと出会ったのが1990年代で、そのときから“福岡の人だけで舞台をやったら面白いと思う”という話をしていました。劇団☆新感線『レッツゴー!忍法帖』(入江・池田が出演/2003~2004年上演)の上演期間にも書いてみたりしていました。それから、いのうえひでのりさん(福岡出身)と成志さんに会うたびに“やりますからね”と言っていて。だから“やっと”という感じです」。入江は福岡弁の作品をいくつも作っているが、方言の魅力を「福岡弁って切なかったり悲しい状況でもどこかふざけたような口調になるので、より切なくなったりするんです。それにあのテンポ感はほかにない」と語り、だからこそ「本物でやりたい」と、キャストは入江、池田に加え、田口浩正、坂田聡、尾方宣久、岡本麗と福岡出身者(岡本は長崎出身の福岡育ち)が揃った。ちなみにこだわりは“福岡弁”。“博多弁”ではない。「“福岡弁”というのは強調したいですね。特に福岡公演では開幕前にアナウンスしたほうがいいんじゃないかな(笑)」脚本は、入江が続ける一人芝居企画「グレート一人芝居」で上演した同名作品を膨らませる。「『帰郷』は、20代の頃に福岡に帰省したときに、夜中に友達の車で好きな音楽をかけながら海までドライブした記憶が母体です。それ以降、青春時代に福岡で感じた思いを福岡弁でやる一人芝居を続けていて。今回はその集大成になると思います。ゾンビものもずっと書いてますから、その集大成にもなりますね」。遂に果たす約束に、入江が歩んできた道のりの集大成と、大きな作品になりそうだ。「今は早く稽古に入って、1回本読みをして安心したい(笑)。大変なぶん楽しめると思いますから」公演は2019年1月25日(金)から2月3日(日)まで東京・俳優座劇場、2月8日(金)から10日(日)まで福岡・イムズホールにて。取材・文:中川實穗
2018年11月15日日本テレビ開局65年記念舞台『魔界転生』が東京・明治座にて11月27日(火)まで上演中。その開幕に先がけ、11月1日に囲み取材、2日にゲネプロが行われ、取材には出演者の上川隆也、溝端淳平、高岡早紀、浅野ゆう子、松平健と演出の堤幸彦が出席した。【チケット情報はこちら】本作は、山田風太郎の人気小説を原作に、マキノノゾミが脚本、堤幸彦が演出を手掛けるエンターテインメント時代劇。堤は「斬新な試みも多々入れ込み、役者の皆さんには相当な負担をおかけしたかと思いますが、皆さん軽々と乗り越えまして。非常に楽しい、見応えのある舞台になっております」と話した。約1か月に渡る福岡・博多座での公演を終え、明治座での開幕を目前に控えた主演の上川は「博多座での勢いはそのままに、この物語を育んでいきたい。笑いあり、涙あり、アクションありの舞台を、ぜひ劇場で体感してください」と意気込んだ。「島原の乱」で敗れた16歳の総大将・天草四郎(溝端)が“魔界転生”という死者再生の術によって蘇り、剣豪・柳生十兵衛(上川)らと戦いを繰り広げていく物語。堤ならではのつくり込まれた映像や、豪華な舞台装置、ワイヤーアクションも盛り込まれた殺陣も華やかで、エンターテインメント性の高い作品だが、それと同時に、会見で上川が「私の演じる十兵衛をはじめ、人間らしさに溢れたキャラクターが数多く登場する舞台です。笑いもあれば涙もある、そんな物語に仕上がっています」、溝端も「天草四郎という少年が現世に蘇った最終的な目的は何だったのか、四郎は何を求めていたのかというのは作品のキーだと思います。彼の人となりが出るところは、ぜひ注目していただけたら」と語ったように、人間ドラマもしっかりと見せる作品に仕上がっている。また、浅野が「上川さんと松平さんのクライマックスの殺陣が素晴らしい。1番の見どころだと思います」と絶賛する、ふたりのひと振りひと振りに込められた想いも伝わる美しい殺陣をはじめ、豪華キャスト陣のここでしか見られない競演もぜひ注目したい。さらに、この中では若手となる村井良大や松田凌、玉城裕規、木村達成らもそれぞれが存在感を放ち、テンポのいい掛け合いや、笑いのシーン、アクションシーンなど好演。登場人物ひとりひとりが魅力的に描かれ、物語がより深まっていた。松平が「上川さんを筆頭として一座のチームワークも固まってきたと思います。その成果をこの明治座で観ていただきたい」と語る本作は、11月27日(火)まで東京・明治座にて上演中。取材・文:中川實穗
2018年11月05日畠中恵の人気小説を原作にした舞台「若様組まいる」シリーズの第3弾となる「~若様とロマン~」が10月6日に開幕。第1弾から主人公の若様・長瀬健吾を演じる入江甚儀、ヒロインの小泉沙羅を演じる宮崎香蓮に話を聞いた。【チケット情報はこちら】畠中恵の人気小説を原作とした舞台シリーズ第3弾の今作は、明治時代を舞台に、警官である「若様組」の面々がお見合いに奮闘する姿を描く。入江は「僕が演じる長瀬の、沙羅への想いは第1弾、第2弾と描かれてきたので、それがこの“お見合い”というテーマのなかでどう展開するかすごく楽しみです」と3作目ならではの見どころを語る。宮崎も「時代は違っても恋する気持ちは現代の人にも通じるものだと思います。勇気と元気を与えてくれる作品になりそうです!」と笑顔。恋模様がメインとなる今作。入江は「長瀬が不器用ながら恋に身を投じてがんばっている姿をみせられると思います。のろけ顔をどうしようかな…(笑)。前作の長瀬はずっとシャキッとしていましたし、今作ではそういう部分も見えていいんじゃないかなと思っています」、宮崎は「沙羅は明治時代にはいないタイプの、進んだ考え方の女の子。彼女のそういう部分が好きですし、今回もしっかり表現していきたいです」と構想を語る。「僕らだけではなく若様組のいろいろな恋愛模様がみられます。楽しみにしていてください!」(入江)脚本・演出は2作目に引き続き村上大樹。「基本、自由にやらせてもらってます。遊び心と基礎、その両方を大事にされる演出家さんです」(入江)、「稽古場で言われるのは役の軸の部分です」(宮崎)と、原作の軸を大切にしながらも役者それぞれの持つ力を引き出すことで、のびのびとした空気をつくりあげる。2016年上演の第1弾から共演して取材中も息ピッタリだったふたり。もしお見合いしたら?と聞いてみると、入江は「(宮崎は)守ってあげたくなると思います。この子犬拾ってあげなくちゃ、みたいな(笑)」、宮崎は「(入江は)誰にでも壁をつくらずにいける人だから、そういうところに魅力を感じると思う」とお互いの良さを語った。そんなふたりが出演し、第3弾でも「初めての方も楽しんでいただける作品です!」(入江)という舞台「若様組まいる~若様とロマン~」は、10月21日(日)まで東京・三越劇場にて上演。ドレスコード特典やアフターティーパーティーなどもあるので、ぜひチェックして明治の世界を堪能して!取材・文:中川實穗
2018年10月11日