子どもから大人まで大人気の「仮面ライダー」生誕50周年を記念して、シリーズの中でも金字塔作品といえる「仮面ライダーBLACK」が、白石和彌監督の指揮のもと、「仮面ライダーBLACK SUN」として新たに制作することが決定した。1971年に放送を開始した「仮面ライダー」。以来、令和仮面ライダー2作目となる現在放送中の「仮面ライダーセイバー」に至るまで、半世紀に渡って愛され続け、2021年に50周年を迎える。これを記念して今回新たに蘇らせることが決定したのは1987年から放送された、過酷な運命を背負った主人公の悲哀に満ちたストーリーが魅力的な「仮面ライダーBLACK」。『凶悪』『孤狼の血』で知られる白石監督が、本作を新しい視点で切り取り、大人向け作品として描きなおす。白石監督は「仮面ライダーBLACKのリブートという、とんでもないプロジェクトに身震いしています」と今回の企画始動への心境を語り、「仮面ライダー50年の歴史の重さに押しつぶされないように才能の全てを注ぎ込みます。南光太郎と秋月信彦の二人の悲しみの物語が、日本のヒーロー史に新たな爪痕を残せるように頑張ります。ご期待ください!」とメッセージを寄せている。「仮面ライダーBLACK SUN」は2022年春、展開予定。(cinemacafe.net)
2021年04月03日映画『砕け散るところを見せてあげる』の新場面写真が公開された。あわせて、岩井俊二、白石和彌、斎藤工、片岡愛之助ら各界著名人からのコメントが寄せられた。本作は、竹宮ゆゆこの同名小説を映画化した愛の物語。中川大志演じる平凡な日々を送る濱田清澄と、石井杏奈演じる学年一の嫌われ者と呼ばれ、誰にも言えない秘密を抱える孤独な少女・蔵本玻璃との常識を覆す、衝撃の愛が描かれる。新場面写真は、物語を彩るシーンカット全9点。傷だらけの玻璃を優しく抱きしめる清澄や、井之脇海演じる清澄を心配している親友・田丸、北村匠海演じる意味深なポーズをしている真っ赤な嵐、そして車中の清澄と矢田亜希子演じる清澄の母、堤真一演じる玻璃の父の横で何かに怯えた様子の玻璃、真っ赤な嵐と原田知世演じるその母が穏やかにこたつで向かい合うカットなどが切り取られている。コメントを寄せたのは、岩井俊二、白石和彌、斎藤工、片岡愛之助、中江有里、新木優子、宇垣美里、中村佑介、カミナリ。豪華面々による熱量の高い内容となっている。岩井俊二(映画監督)命とはつないでゆくもの。つながってゆくもの。つなぎ、つながるその瞬間、光り輝くものである。⽩⽯和彌(映画監督)ずっと口の中に血の味が広がり、押し潰されそうになりながらスクリーンを見つめた。苦しみの中から生まれる愛の重さに、私はきっと何度もこの映画を見てしまうであろう予感を感じる。この作品に出会ってしまった中川大志と石井杏奈の二人の役者を途轍もなく羨ましく思う。SABU監督の渾身の力作だ。斎藤⼯(俳優・フィルムメーカー)SABU監督の元、中川大志さん石井杏奈さん、主演のお二人から放たれる成分に、気が付くと驚くほど深いところまで誘われていた。観終わってから今一度このタイトルを想うと、胸が砕け散りそうです⽚岡愛之助(歌舞伎俳優)主人公が貫くヒーローとしての姿が羨ましくなるほどに格好良い。その思いが周囲の人々に変化をもたらし、怒涛のクライマックスを迎える。まさに衝撃作だ。中江有⾥(⼥優・作家)ヒーローになるのは目的ではない、結果だ。自分のためにではなく、誰かのために戦った時、本当の勝利を手にするのだろう。清澄と玻璃は、まぎれもなく互いのヒーローとなった。新⽊優⼦(⼥優)清澄の玻璃に対しての真っ直ぐな気持ちや正義感が清々しく、それを受けて変わっていく玻璃の表情がすごく魅力的で素敵でした。物語の中を生きている石井杏奈ちゃんと中川大志くんの二人が綺麗に重なって、気付けば私も一生懸命に二人の恋を応援していました。 真っ直ぐで切ない物語でした。宇垣美⾥(フリーアナウンサー)少年少女たちの眼差しは、澄み切ってキレイで痛々しくチクリとした疼きが胸から離れない人を好きになる気持ちの根幹にある、誰かを幸せにしてあげたいという思いその思いの持つ強さのなんと美しいことか大切な人の幸せのために自分を差し出せる人こそが、ヒーローなのだと思った中村佑介(イラストレーター)「40にもなって青春映画なんて…」と気付けば2時間後。目の前には過去の僕が笑っていて、とても恥ずかしくなった。青春とは時期ではなく心の一部のことを指していたのですね。カミナリ(芸⼈)よくある高校生の青春恋愛映画かと思ったら、とんでもない!とにかく話が面白い!ストーリーが「進む」「展開する」というよりは、徐々に「濃く」「深く」なっていく作品でした。そして中川大志さん・石井杏奈さんの演技が素晴らしく、抜け出せなくなるくらいに引き込まれました。アリ地獄みてーな映画だな!『砕け散るところを見せてあげる』4月9日(金)公開
2021年03月12日有村架純主演作品「有村架純の撮休(#1)」と『劇場版 そして、生きる』が、3月15日から開催される「第12回Asian Pop-Up Cinema」で上映が決定。そして両作品が評価され、日本人初となる「BRIGHT STAR AWARD」を受賞することが明らかになった。「Asian Pop-Up Cinema」は、アジアの選りすぐりの映画を紹介する、アメリカ・シカゴで毎年春と秋の年2回開催される映画祭。今年で5年目を迎える同映画祭は、過去には『サバイバルファミリー』や『カメラを止めるな!』などが上映され、『翔んで埼玉』は観客賞を受賞した。そして今年は、東日本大震災後のボランティア活動で出会った2人が、運命に翻弄されながらも強く美しく生き抜く姿を描く、ドラマの再編集版『劇場版 そして、生きる』。ドラマや映画の撮影期間に突然訪れた休日、通称“撮休”をどう過ごすのかを、各界のクリエイターたちが妄想を膨らませて描き、有村さんが“有村架純”を演じる1話完結のオムニバスドラマ「有村架純の撮休」を上映。本作で主演を務め、今回日本人初となる快挙を成し遂げた有村さんは、「この度、第12回アジアン・ポップアップ・シネマ、ブライトスター・アワードを頂戴しました。本当にありがとうございます」とまず感謝を述べ、「自分にとってもものすごく大切な作品」「とても新鮮でしたし、本当にいろいろなことに挑戦できたのでとても楽しかった記憶しかありません」と、今回上映される2作品について語っている。なお本来、映画祭へ招聘されるところだが、今回は映画祭特設サイトでビデオメッセージを寄せている。有村架純コメントこの度、第12回アジアン・ポップアップ・シネマ、ブライトスター・アワードを頂戴しました。本当にありがとうございます。今回、映画祭では私の主演させて頂いている作品2本、上映致します。まず一つ目は、「劇場版そして、生きる」です。この作品は、東日本大震災後のボランティアをきっかけに様々な運命に翻弄されながらも懸命に生きていく女性を演じています。東日本大震災から10年の時が経つんですけども、この作品を経てあらためて災害について考えるきっかけとなればいいなと思いながら作品にさせてもらいました。自分にとってもものすごく大切な作品となりました。もう1本目は、「有村架純の撮休」の第1話目です。この作品は、突然、撮影がお休みなったら、女優は何して過ごす?フェイクドキュメンタリーの作品になっています。私は、本人役で出演させて頂きましたなかなかない企画のお話しだったので、とても新鮮でしたし、本当にいろいろなことに挑戦できたのでとても楽しかった記憶しかありません。是枝監督と初めてご一緒して、とても心地のよい時間を過ごさせて頂きました。機会があったら、是非ご覧ください!連続ドラマW「そして、生きる」(全6話)、「有村架純の撮休」(全8話)はWOWOWオンデマンドにて配信中。(cinemacafe.net)■関連作品:劇場版 そして、生きる 2019年9月27日よりイオンシネマ板橋、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開Ⓒ2019 WOWOW
2021年03月03日男性コーラスグループ・純烈が6日・7日(20:00~)、明治「チョコレート効果」のTwitterアカウントで配信されるWEB特別番組「純烈とチョコレート効果とバレンタイン」に出演する。28日まで、アーカイブ配信も予定されている。2夜連続で配信される同番組では、純烈による「大人のヘルシーガトーショコラ」の手作り企画や、バレンタインエピソードの披露、愛のメッセージのプレゼント「純烈あまーい言葉 トゥーユー」を配信する。放送に伴い、メンバーからインタビューコメントが到着した。――今年のバレンタインの予定は?後上翔太:今年のバレンタインデーは日曜日。ありがたいことに地方で仕事をさせていただいている予定なので、その土地の美味しいものを食べて帰って来られたらと思っています。思えばここ数年のバレンタインはお仕事をしていたので、いつかプライベートで甘いバレンタインを過ごしたいです!――人生で直接もらったチョコの最高記録は?白川裕二郎:高校時代に13個もらったのが人生の最高記録です。意外と少ないですよね。周りのクラスメイトはもっとたくさんもらっていたので、自分ももっと頑張らないといけない!と奮起した記憶があります。――メンバー最年長が今月23日に50歳を迎えることについて。小田井涼平:今年は自分にとって人生の半世紀なので、数年前から何か特別なことを……と考えていたのですが、コロナウイルスの感染拡大やそれに伴う緊急事態、非常事態宣言等で色々難しい年になってしまいました。それでもできる何かを考えたいと思っていますが、ハードルは高そうです。ともかく、半世紀少年になったことは大々的にアピールしてこちらからファンの皆さんに何かプレゼント出来るような余裕あるバースデーイヤーにしたいですね。――番組への意気込みを。酒井一圭:小さい時から大好きな明治さんに純烈の番組を作っていただいて光栄です。純烈が料理をする・食べる。普段の純烈ではなかなか見られない姿をお見せできると思うので、楽しくご覧いただいて、最後はこの番組のテーマである『健康』を皆さまにもお届けしたいです!
2021年02月03日ムード歌謡グループ・純烈が映画デビューを飾る『スーパー戦闘 純烈ジャー』が2021年秋に公開されることになり、2月1日、東京・青海の大江戸温泉物語で製作発表会見が行われた。メンバーの後上翔太(純グリーン役)、白川裕二郎(純レッド役)、小田井涼平(純ブルー役)、酒井一圭(純バイオレット役)が駆けつけ、製作経緯や出演への思いをコメント。さらに4人が“純烈ジャー”に変身し、スクリーンでの活躍に意欲を燃やした。スーパー銭湯のアイドルとして歌い続け、歌謡界のスターダムを駆け上がった純烈だが、その正体は温泉施設の平和を乱す悪と戦うヒーロー“純烈ジャー”だった。そんな4人が、全国の温泉で相次ぐイケメン失踪事件の捜査を始めるが…。製作・配給は東映ビデオ。純烈が歌う「NEW(入浴)YORK」(作詞:酒井一圭/作曲:影山ヒロノブ)が主題歌に起用される。4人中3人(白川、小田井、酒井)が戦隊ヒーロー出身というユニークな経歴を持ち、酒井は「いつかまた僕たちの故郷、東映に帰ってこれる俳優になれればいいなと思っていた。思い切って、純列が戦隊ヒーローになれば、今度は(ファンである)マダムたちが映画館に来てくれるのではと、デビューの頃から妄想していた」と企画に強い思い入れ。戦隊ヒーロー名物である採石場でのロケも敢行したといい「どっかんどっかん爆破もしていますし、3世代で楽しんでもらえれば」と手応えを示し、「ライバルは『鬼滅の刃』『シンエヴァンゲリオン』。去年のLiSAさんみたいに日本レコード大賞も狙いたい」と鼻息も荒かった。白川は「以前に比べると、身体もたるんでいるので(笑)、筋肉が浮き出るように、日焼けサロンで褐色よく焼きました」と役作りを回想。また、小田井は「単純に“映画”だというのがうれしい。TBSの『王様のブランチ』の映画コーナーに出て、(妻の)LiLiCoのインタビューに僕らが答えることになるんじゃないかと楽しみにしている。アカデミー賞を狙うという新しい目標もできた」と早くも映画界での成功に夢をはせた。一方、ヒーロー初挑戦となる後上は「変身できるなんて、熱い気持ちになりました。今までは僕1人が東京理科大学の…と挨拶し続けてきたが、これからは『純烈ジャー』の後上と自己紹介できるのがうれしい」と喜びの声をあげた。会見には、本作が初の劇場長編作となる佛田洋監督が同席。特撮監督として、スーパー戦隊&仮面ライダーシリーズに加えて、映画『魔界転生』(2003年)、『男たちの大和/YAMATO』(2005年)など参加したエキスパートで、「基本的にはコメディタッチで、楽しい作品。もちろん、歌もありますし、まだ発表できませんが、楽しいゲストも出演する」とアピール。酒井からのラブコールでメガホンをとることになり「戦隊ヒーロー時代の彼らが、立派になってヒーローに戻ってきてくれて感無量。現場には昔一緒だったスタッフもわざわざ駆けつけてくれて、同窓会のような雰囲気だった」としみじみ語っていた。取材・文・写真=内田涼『スーパー戦闘純烈ジャー』2021年秋に全国公開予定
2021年02月01日書籍『純喫茶とあまいもの京都編』が、2020年11月12日(木)に発売される。書籍『純喫茶とあまいもの』に待望の続編日中は会社員でありながら、仕事帰りや休日に利用して、日本全国の純喫茶を訪問することを趣味とする難波里奈。これまでも純喫茶の魅力を詰め込んだ数々の書籍を手掛けてきた難波だが、新作『純喫茶とあまいもの京都編』は、2018年に刊行された代表作『純喫茶とあまいもの』に続く2作目となる注目作だ。京都の純喫茶30店にフィーチャーそのタイトル通り、今回は日本の古都“京都”に位置する純喫茶にフィーチャー。パフェ、ゼリー、プリン、トースト、ホットケーキ、飲み物など、純喫茶ならではの甘いスイーツやドリンクを切り口に、難波が厳選した名喫茶30店を紹介する。メニュー誕生秘話からインテリアまでまた『純喫茶とあまいもの京都編』では、前作同様、各喫茶にまつわる“ストーリー”を楽しめるのも、純喫茶ファンに嬉しいポイント。人気メニューの誕生秘話をはじめ、材料、作り方といった秘密のレシピが公開されるほか、お店の外観や内装、食器、そして店主の人柄までも丁寧に掲載。その場の空気を実際に味わえるかのような、読み応えたっぷりの一冊に仕上がっている。詳細書籍『純喫茶とあまいもの京都編』発売日:2020年11月12日(木)著者:難波 里奈仕様:A5変判、208ページ定価:1,600円+税■目次〈パフェ・ゼリー〉マリ亞ンヌ/喫茶リゲル/ひめりんご/キャメル/ゴゴ/切通し進々堂/フランソア喫茶室〈プリン・アイス〉喫茶翡翠/喫茶フルール/イノダコーヒー三条支店〈ホットケーキ・トースト・パン〉珈琲の店 雲仙/進々堂 京大北門前/喫茶チロル/六曜社珈琲店(1階)/名曲喫茶 柳月堂/スマート珈琲店/前田珈琲明倫店〈ケーキ〉ぎおん石 喫茶室/jazz spot YAMATOYA/ラテン/喫茶憩/自家焙煎珈琲 喫茶インパルス/ラ・ヴァチュール/六曜社地下店〈飲みもの〉喫茶ソワレ/祇園喫茶カトレヤ/築地/長楽館/喫茶 茶の間/花の木コラム1テイクアウトで楽しむお店の味コラム2マッチコレクションコラム3喫茶空間に華を添える芸術作品コラム4店主の思う、純喫茶とあまいものコラム5シュガーポットコレクション【問い合わせ】株式会社 誠文堂新光社 東京都文京区本郷3-3-11
2020年10月29日佐藤隆太が主演を務め、新国立劇場 中劇場にて上演された舞台『いまを生きる』が、2021年、東京、大阪、名古屋にて再演されることが分かった。この度、佐藤をはじめ各キャストのコメントが公開された。1989年にロビン・ウィリアムズ主演、ピーター・ウィアー監督によって制作されたアメリカ映画を基に、16年10月〜12月にオフブロードウェイで舞台化された『いまを生きる』。映画は第62回アカデミー賞脚本賞を受賞し、脚本を務めたトム・シュルマンが舞台版の脚本も手がけて話題となった。2018年に上田一豪が演出した日本での初演は、映画版のロビン・ウィリアムズ演じる主人公キーティングとも違った、生徒と真摯に向き合うオリジナルの佐藤版キーティングに、思春期の少年たちが自由に生きることの素晴らしさに目覚める輝きを鮮烈に描き、好評を博した。本舞台も初演に引き続き、演出は上田一豪。主人公である、厳しい規律で縛られてきた男子高校生たちに新たな視点や影響を与える若き教師、ジョン・キーティング役を佐藤が再び演じる。新たなキャストとして選ばれたのは、厳格なノーラン校長役に佐戸井けん太、生徒のひとりであるニールの父・ペリー氏役に飯田基祐、ノックスが一目ぼれするクリス役に小向なる。そして生徒役には、転校生のトッド役に佐藤新(ジャニーズJr.)、中心的存在のニール役に瀬戸利樹、無邪気なノックス役に影山拓也(ジャニーズJr.)、純粋なミークス役に基俊介(ジャニーズJr.)、正義感があるチャーリー役に三宅亮輔、素直でまじめなキャメロン役に市川理矩と、今後の活躍が期待される若手俳優が揃った。各キャストコメントは以下の通り。■佐藤隆太コメント「こうしてまたキーティング先生を演じる機会をいただけて、本当に嬉しく思っています。中学生の時に見た『今を生きる』はとても衝撃的で、その後もずっと自分の中に残り続けている大切な作品です。役者という世界に思い切り飛び込む事ができたのも、この作品に、そしてキーティング先生に背中を押してもらえたおかげの様な気がします。初演のメンバーとは稽古、本番の中で、ともに悩み、笑い、しっかりと心のつながりを持てたように思います。今回、また新しい共演者の皆さんと、自分がどのように心を通わせ、どんな“ものづくり”ができるのか、緊張と期待でいっぱいです。ぜひ僕らの新しい教室を覗きに来てください」■佐藤新(ジャニーズJr.)コメント「これまでご一緒したことのない、役者の皆さんのなかでお芝居をさせて頂けることに今からドキドキしていますが、いろんなことを吸収したいというワクワクする気持ちもいっぱいです。この作品に真剣に向き合い、素晴らしいものにしていきたいと思っていますので、ぜひ観に来てください」■瀬戸利樹コメント「ニール・ペリー役を務めさせていただくことになりました。再演されるほど人気な『いまを生きる』に出演させていただけることが大変光栄です。ニールは優等生で、輪の中心になる存在です。熱く、そして愛のあるキーティング先生の言葉の数々を受け止めて、生徒たちが直面する戸惑いや前に突き進む力をお届けできる作品になるよう、稽古に励みたいと思います。悩んで、悩んで、悩んで。新しい僕なりのニールと一緒に、歩んでいきたいです」■影山拓也(ジャニーズJr.)コメント「他のキャストの方々の顔ぶれを見て、驚きと嬉しさでいっぱいで、今からテンションが上がっています。いつか学園モノの作品をやってみたいというのが自分の中での夢だったので、不安なこともありますが、想像を膨らませながら、楽しんで演じたいと思います」■基俊介(ジャニーズJr.)コメント「自分たちがいつも立っているステージとは違うので、すごく緊張していますが、芝居に真摯に向き合っていきたいです。このような真面目な役を演じるというのも初めてですが、自分の持っている全てをありのままに出して、この作品に向き合っていけたらいいなと思います」■三宅亮輔コメント「チャーリー・ダルトンを演じます、三宅亮輔です。僕自身、原作の映画を観て最も感情移入したのが彼でした。世界中の人々がもがき戦っているいま、この作品を上演する意義が大いにあると感じます。それゆえプレッシャーも感じています。皆さんの“いまを生きる”活力につながる作品になるよう全身全霊で取り組みます!」■市川理矩コメント「僕が演じさせていただくキャメロンは、とても真面目で臆病なところはありますが、自分の欲に忠実に行動する性格でもあります。映画、舞台『いまを生きる』を観て、自分が自分の人生をどう生きていきたいかとても考えさせられました。自由に生きることの素晴らしさ、その中で一人一人がぶつかる葛藤、そこをリアルに演じられたらと思います」『いまを生きる』東京公演:2021年1月16日(土)~1月31日(日)新国立劇場 中劇場大阪公演:2021年2月11日(木)~2月14日(日)サンケイホールブリーゼ名古屋公演:2021年2月20日(土)~2月21日(日)東海市芸術劇場
2020年10月15日俳優の佐藤隆太が主演を務める、舞台『いまを生きる』の再演が15日、明らかになった。同作は、1989年にロビン・ウィリアムズ主演、ピーター・ウィアー監督で制作されたアメリカ映画を2016年にオフ・ブロードウェイで舞台化した作品。ニューイングランドの全寮制学院を舞台に、赴任してきた英語教師と学生たちの交流を描く心温まる学園ドラマとなっている。2018年に上田一豪が演出、佐藤隆太が主演を務め、新国立劇場中劇場にて日本初演版が上演された。初演に引き続き演出は上田、主人公の若き教師、ジョン・キーティング役を佐藤が演じる。新たなキャストには、厳格なノーラン校長役に佐戸井けん太、生徒の一人であるニールの父・ペリー氏役に飯田基祐、ノックスが一目ぼれするクリス役に小向なるが決定。そして生徒役には、転校生のトッド役に佐藤新(ジャニーズJr.)、中心的存在のニール役に瀬戸利樹、無邪気なノックス役に影山拓也(ジャニーズJr.)、純粋なミークス役に基俊介(ジャニーズJr.)、正義感があるチャーリー役に三宅亮輔、素直でまじめなキャメロン役に市川理矩と、今後の活躍が期待される若手俳優が揃った。東京公演は新国立劇場 中劇場にて2021年1月16日~1月31日、大阪公演はサンケイホールブリーゼにて2021年2月11日~2月14日、名古屋公演は東海市芸術劇場にて2021年2月20日~2月21日。○佐藤隆太 コメントこうしてまたキーティング先生を演じる機会を頂けて、本当に嬉しく思っています。中学生の時に見た『今を生きる』はとても衝撃的で、その後もずっと自分の中に残り続けている大切な作品です。役者という世界に思い切り飛び込む事ができたのも、この作品に、そしてキーティング先生に背中を押して貰えたお陰の様な気がします。初演のメンバーとは稽古、本番の中で、共に悩み、笑い、しっかりと心の繋がりを持てた様に思います。今回、また新しい共演者の皆さんと、自分がどの様に心を通わせ、どんな“ものづくり”ができるのか、緊張と期待でいっぱいです。是非僕らの新しい教室を覗きに来て下さい。○佐藤新(ジャニーズJr.) コメントこれまでご一緒したことのない、役者の皆さんのなかでお芝居をさせて頂けることに今からドキドキしていますが、いろんなことを吸収したいというワクワクする気持ちもいっぱいです。この作品に真剣に向き合い、素晴らしいものにしていきたいと思っていますので、ぜひ観に来てください。○瀬戸利樹 コメントニール・ペリー役を務めさせていただくことになりました。再演されるほど人気ないまを生きる」に出演させていただけることが大変光栄です。ニールは優等生で、輪の中心になる存在です。熱く、そして愛のあるキーティング先生の言葉の数々を受け止めて、生徒達が直面する戸惑いや前に突き進む力をお届けできる作品になるよう、稽古に励みたいと思います。悩んで、悩んで、悩んで。新しい僕なりのニールと一緒に、歩んでいきたいです。○影山拓也 コメント他のキャストの方々の顔ぶれをみて、驚きと嬉しさでいっぱいで、今からテンションが上がっています。いつか学園モノの作品をやってみたいというのが自分の中での夢だったので、不安なこともありますが、想像を膨らませながら、楽しんで演じたいと思います。○基俊介 コメント自分たちがいつも立っているステージとは違うので、すごく緊張していますが、芝居に真摯に向き合っていきたいです。このような真面目な役を演じるというのも初めてですが、自分の持っている全てをありのままに出して、この作品に向き合っていけたらいいなと思います。○三宅亮輔 コメントチャーリーダルトンを演じます、三宅亮輔です。僕自身、原作の映画を観て最も感情移入したのが彼でした。世界中の人々がもがき戦っている今、この作品を上演する意義が大いにあると感じます。それゆえプレッシャーも感じています。皆さんの"いまを生きる"活力につながる作品になるよう全身全霊で取り組みます!○市川理矩 コメント僕が演じさせて頂くキャメロンはとても真面目で臆病なところはありますが、自分の欲に忠実に行動する性格でもあります。映画、舞台「いまを生きる」観て、自分が自分の人生をどう生きていきたいかとても考えさせられました。自由に生きることの素晴らしさ、その中で一人一人がぶつかる葛藤、そこをリアルに演じられたらと思います。
2020年10月15日映画『小説の神様 君としか描けない物語』(10月2日公開)の公開直前イベントが28日に行われ、佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS)、橋本環奈、佐藤流司、杏花、莉子、坂口涼太郎、片岡愛之助、久保茂昭監督が登場した。同作は相沢沙呼による人気同名小説の実写化作。中学生で作家デビューしたものの、発表した作品は酷評され売り上げも振るわない……自分を見失い思い悩むナイーブで売れない高校生小説家・千谷一也(佐藤)と、同じクラスの人気ものでドSな性格でヒット作を連発する高校生小説家・小余綾詩凪(橋本)。性格、クラスでの立ち位置、売れている/売れていないと、すべてが真逆の2人に、編集者から下されたミッションが、2人で協力し、1つの物語を作り、ベストセラーを生み出すことだった。初共演となったW主演の2人だが、大樹は「ツンツンした役のイメージもあったので、そういう人なのかなと思ったら、初めてお会いしたとき、コンビニ袋1枚くらいの荷物できてて。こんなに何も飾らずにフランクに話してくれる女優さんいないなと思って、一ファンとして、国民的に愛されてる理由がわかりました」と絶賛する。橋本は「恐縮です。EXILEのパフォーマーとしての佐藤さんもありますし、お芝居をしているイメージもあったので、お会いするのが楽しみでした」と返し、W佐藤、杏花との文芸部メンバーについて「撮影の前日に4人で仲良くなって。なかなかないんですよ。そんないい雰囲気でできたのは、コミュニケーション能力が高かったイメージがある」と分析する。すると流司は「取材とかでも仲がいいって、言うんですけど、コーヒーを買ってこいだとか、インスタントのやつじゃんだめで……」と泣き真似を始め、橋本から「この空気だから言えるけど、活字にしたらネットニュースとかさ!」と抗議される。杏花も苦笑する中、流司が「本当に、無視とかされて……」とさらに泣き真似をすると、キャスト陣も「嘘はやめよう!」(大樹)、「どういう設定なの!?」(橋本)とつっこみ、流司は「ふざけたくなっちゃう」と笑顔に。大樹が「流司くんがグループメールを作ってくれて、その日にごはんに行こうと言って、意気投合しまくちゃって、次の日の4人のシーンを見た監督が『何があったの』というくらい、部室の雰囲気になった」と感謝すると、流司は「終始全裸だったしね」と返すなど、最後までボケ倒していた。また、主演の2人が互いのことを「〇〇の神様」と作品タイトルにかけて表すコーナーでは、大樹が「コミュ力の神様」、橋本が「令和のマルチの神様」と掲げる。橋本は「(大樹は)ボケるときに『俺は令和の〇〇だ』と使いたがるんですよ。あと、パフォーマーとしてもできるし、お芝居もできるし、マルチに活躍している」と意図を説明。大樹は、「令和の」と使いたがることを暴露されて恥ずかしがりつつ、「響きが好きだなというのと、頭良さそうに見えるから」と理由を明かした。
2020年09月28日「孤独のグルメ」のスタッフによる新シリーズ、戸塚純貴主演で純喫茶をドラマ仕立てで紹介する「純喫茶に恋をして」の続編が、この秋放送決定。各話のストーリーも少し明らかになった。前回に引き続き、戸塚さんが演じる売れない漫画家で妄想家のアラサー男子、烏山純平が純喫茶に迷い込むところから物語が展開していく。全6話となる続編の初回となるのは、東京・西荻窪のコーヒーロッジ「ダンテ」を純平が訪れる第9話。外観はレンガ造り、店内は山小屋風の装飾となっており、独特の雰囲気を感じることができる。また、キッチンとカウンターが半地下になっているのが特徴だ。そしてこの物語には、工藤綾乃が売れっ子漫画家の百々目鬼源一郎として登場する。第10話では、東京・蔵前にある1962年創業の老舗喫茶店「らい」を紹介。ステンドグラスの立て看板、ガラス窓もステンドグラス装飾で、店内の床にはレンガが敷かれ、こだわりを感じさせる喫茶店。また、ロフトのような2階部分も。この第10話には、純平の憧れの先輩・石原美幸役として永池南津子が出演している。ほかにも第11話以降は、「はまゆう」(町屋)、「喫茶マコ」(築地)、「ウッドストック」(吉祥寺)、「珈琲亭ルアン」(大森)が登場予定だ。続編の収録を終え、戸塚さんは「前回に比べて今回の方が知る人ぞ知る純喫茶、というところで撮影ができました。内容もドラマチックになっていて、濃い人間模様など前回よりも、さらに見応えのある内容になっています」と続編をアピール。「とても親しみやすい番組でありつつも、純喫茶という現実とは切り離された異次元な空間がこの番組の醍醐味。番組を通して、視聴者の皆さんにも普段とは違う時間を過ごせるという感覚を感じていただきたいです」とコメントしている。なおフジテレビ地上波にて、前シリーズより厳選されたエピソード3話からなる傑作選の放送も決定した。「純喫茶に恋をして」は10月3日(土)10時30分~フジテレビTWOドラマ・アニメ/フジテレビTWOsmartにて放送・配信(全6話)。「純喫茶に恋をして 傑作選」は9月21日(月・祝)24時35分~フジテレビ(関東ローカル)にて放送。(cinemacafe.net)
2020年09月09日文:樋口尚文(映画評論家/映画監督)ぴあアプリ連載「銀幕の個性派」第56回から転載人生はひょんなことから運命が激変する。青山学院大学の空手部の学生だった「渡瀬道彦」は、石原裕次郎や小林旭の日活アクション映画こそ観ていたが、夢は飛行機乗りになることであった。実際彼はパイロットは無理でも飛行機の整備士になれたらと某航空会社に就職を試みるも、あいにく叶わなかった。ところがちょうど日活が浅丘ルリ子主演の百本目の映画、蔵原惟繕監督『執炎』の相手役を公募していて(実際の作品では伊丹一三が演じた)、弟の「渡瀬恒彦」や空手部の仲間が本人には無断で「道彦」のことを応募してしまった。このいたずらに「道彦」は怒ったというが、石原裕次郎見たさに気軽に出かけた日活撮影所の食堂で、公募の審査とは関係なくいきなりスカウトされた。1964年の、東京オリンピックの年であった。そんな「渡瀬道彦」は翌1965年、小杉勇監督『あばれ騎士道』で宍戸錠の弟役でデビュー、同年のやはり小杉監督『青春の裁き』では早くも主役に抜擢された。これが映画スタア「渡哲也」の誕生だった。渡は7歳年上の大スタア・石原裕次郎に挨拶に行った際の、あまりの紳士的な態度に感じ入り、後には不振の石原プロモーションの経営に加わって再建に貢献、裕次郎の早すぎる逝去の後も、終生その遺志を継いで活動を続けた。亡くなる少し前にはこの「石原軍団」も解散し、そのけじめのつけ方も見事だった。いま、渡哲也の死を悼む多くのファンにとっては、何よりこの渡の誠実実直なイメージがなじみ深いはずで、それこそが渡のカラーだと解している人も少なくないだろう。だが、いったん映画から遠ざかって1976年以降の『大都会』シリーズ、1979年以降の『西部警察』シリーズと石原プロのテレビ映画の仕事に注力専念しはじめる以前の、デビューから十年目までの季節こそ、渡哲也の俳優としてのポテンシャルが最強に狂い咲いた時代だと思う。そしてその頃の渡の身上とする役柄は、誠実実直どころか破滅へ一直線のやさぐれたはみだし者ばかり、まさに天下の二枚目スタアならぬ「個性派」の極北だった。その最も鮮烈な記憶の筆頭が、1968年の小澤啓一監督『大幹部 無頼』だろう。暗澹たる過去を捨てて生まれ変わろうとする藤川五郎を、裏街道の連中がまがまがしく引きずり戻す。ついに運命に殉ずる五郎は、ラストの下水道のドブ川で血と汚穢にまみれながらやくざどもとの壮絶な斬り合いになだれこむ(渡はなんと破傷風の予防注射をしてこの撮影にのぞんだそうだ)。そのほんの隣り合わせの陽のあたる場所では、清純な女子たちが快活にバレーボールに興じている。その両者のカットバックを通して、高度成長期の平和がまばゆい市民社会からはぐれてゆくアウトローの姿が痛覚とともに描かれる。その時、渡哲也の表情もしぐさのひとつひとつも、かけがえのない弾け方を見せる。さらに70年代日本映画の異形の至宝として強烈な印象とともに記憶され続けるのが、1975年の深作欣二監督『仁義の墓場』。そもそもあの『仁義なき戦い』の主役・広能昌三の最初の候補は渡であったが健康を害して受けられず(主演の大河ドラマ『勝海舟』も体調不良で途中降板し松方弘樹にバトンタッチするなど、渡は病気によっていくつもの大役を逃した悲劇的な人でもある)、喝采を浴びた実録路線も終わりを迎えつつあった時に、季節はずれの凄まじい「戦後」の亡霊が現れた感じであった。『無頼』シリーズと同じ藤田五郎の同名原作は、組織の掟に反逆し続けた伝説のやくざ・石川力夫の短くも壮絶な生涯を描いていたが、渡はこのやくざですら手に負えない究極の暴力性と破滅志向の権化のごとき男を圧倒的な迫力で演じきった。シャブと肺病に蝕まれ、文字通り死神の形相と化した渡が、自分のために心身を削って尽くしたあげく自殺した妻の遺骨をがりっがりっとかじる、あのまがまがしさ。戦後三十年を経て衣食満ち足りた時代に、のどかな市民社会が蓋をして忘れ去ろうとしている「戦後」の情念、怨念を今いちど焙り出した渡の熱演だった。そして渡が石原プロのテレビ映画に専心してお茶の間のヒーローを以て任ずるようになる直前の、アウトロー俳優としての遍歴の掉尾を飾ったのが、翌1976年の深作欣二監督『やくざの墓場 くちなしの花』だ。不思議なタイトルだが『くちなしの花』はこれより3年も前にリリースされた渡のシングル曲だ。ひじょうにじわじわと有線などで売れ、最終的に90万枚の大ヒットとなって劇中でも幾度か使用されているが、このヒット曲が流れることが緩衝材となってほっとするくらいの、これまた異様な負のエネルギーが渦巻く作品だった。満州からの引き揚げ者である刑事の黒岩竜は、在日朝鮮人のやくざの幹部と親交を持ち、型破りな捜査を押し通すなど警察組織から危険視されていた。『仁義の墓場』の石川力夫の刑事版のごとき黒岩は、狂犬のような個人プレーのあげくにヘロイン漬けとなり、情念のおもむくままに銃弾を放ち、組織に抹殺される。この『やくざの墓場くちなしの花』で「戦後」の情念を不穏に全身から発散させた黒岩「竜」刑事と、同年スタートのテレビ映画『大都会』の寡黙で照れ屋で正義感の強い黒岩「頼介」刑事はまるで別人のようであり、これをもってきっぱりとけじめをつけたかのように、渡は破滅型のアウトローに扮することはなくなり、ひたすらヒロイックで部下もいたわる好感たっぷりのデカを引き受けて、敬愛する石原裕次郎の作品づくりに貢献してゆくことになる。そして渡が銀幕に本格的に帰還するのは、二十年後の1996年、大森一樹監督『わが心の銀河鉄道宮沢賢治物語』からのことであるが、これ以降の渡が身上としたのはあの狂気ではなく、静謐な人生の横顔に透ける哀愁の味であった。だから、1997年の『誘拐』や2004年の『レディ・ジョーカー』での渡は、かつてのように堅牢な社会の理不尽に異議申し立てするアウトローを演じながらも、ひたすらに静かで哀しい。人として信ずるものが社会のメカニズムによってないがしろにされてゆくことへの、秘めし怒りや痛覚を表現する時、俳優人生後半の渡は実に冴えた。この味わいをぞんぶんに活かしたのは、1998年の山田太一脚本のドラマ『風になれ鳥になれ』だった。かつて自衛隊のパイロットで、今は小さな倒産しかかっている会社でヘリの操縦士をやっている主人公の心のさざなみを描いた作品で、かつてパイロットを夢見た渡は実に機嫌よく丁寧に演じている。渡の最後の映画作品は2006年の佐藤純彌監督『男たちの大和 YAMATO』だそうだが、晩年に最も印象深かった作品といえば1998年の澤井信一郎監督『時雨の記』ではなかろうか。20年もの間心に留めていた華道教授の吉永小百合と再会し、病魔に侵されて死期の迫るなか、少年のごとき純な思いをかたむける渡の演技は、その儚げなたたずまいがあの70年代のアナーキーな方角とは真反対に発揮されて、ひたすらに好ましく、哀しい。仏も死神も演じきった気骨の人に、合掌。プロフィール樋口 尚文(ひぐち・なおふみ)1962年生まれ。映画評論家/映画監督。著書に『大島渚のすべて』『黒澤明の映画術』『実相寺昭雄 才気の伽藍』『グッドモーニング、ゴジラ 監督本多猪四郎と撮影所の時代』『「砂の器」と「日本沈没」70年代日本の超大作映画』『ロマンポルノと実録やくざ映画』『「昭和」の子役 もうひとつの日本映画史』『有馬稲子 わが愛と残酷の映画史』『映画のキャッチコピー学』ほか。監督作に『インターミッション』。新作『葬式の名人』がDVD・配信リリース。『葬式の名人』『葬式の名人』2019年9月20日公開配給:ティ・ジョイ監督:樋口尚文原作:川端康成脚本:大野裕之出演:前田敦子/高良健吾/白洲迅/尾上寛之/中西美帆/奥野瑛太/佐藤都輝子/樋井明日香/中江有里/大島葉子/佐伯日菜子/阿比留照太/桂雀々/堀内正美/和泉ちぬ/福本清三/中島貞夫/栗塚旭/有馬稲子
2020年08月16日女優の有村架純(ありむら・かすみ)さんが、2020年8月6日にインスタグラムを更新。セクシーなノースリーブ姿でファンを魅了しています。有村架純の「女神すぎる」ショットが話題有村架純さんは同日発売の『週刊文春』のグラビアページ『原色美女図鑑』に登場しており、そのアザーカットを公開しました。 View this post on Instagram 週刊文春 原色美女図鑑 アザーカット A post shared by kasumi arimura 有村架純&staff (@kasumi_arimura.official) on Aug 6, 2020 at 2:49am PDT黒いキャミソール姿で、バレリーナのようなポーズを決めている有村架純さん。しなやかなボディラインを強調した、セクシーな1枚に仕上がっています。同日の別の投稿ではアップの写真も公開。カメラを見つめる表情が、とても魅力的です! View this post on Instagram A post shared by kasumi arimura 有村架純&staff (@kasumi_arimura.official) on Aug 6, 2020 at 6:10am PDT投稿を見たファンは「ワキが素晴らしくきれい!」「ドキッとした」とすっかりメロメロに。どちらの投稿にも25万を超える『いいね!』が寄せられており、有村架純さんの人気の高さが改めて確認できます。・かわいすぎます!女神かと思いました。・嘘みたいにきれい…。・いや、もうほんまきれいすぎて涙が出そう。美しさ、演技力ともに、日々進化を続ける有村架純さんからますます目が離せません!有村架純が「胸が今までで1番やわらかい」と暴露される 『写真集』のセクシーさにドキッ![文・構成/grape編集部]
2020年08月07日丸の内TOEIにて、8月7日~8月20日の期間で日本を代表する映画監督・白石和彌監督特集を開催。『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』『孤狼の血』『ひとよ』の4作品を上映する。白石和彌監督は、『ロストパラダイス・イン・トーキョー』(2010)で長編映画デビュー後、『凶悪』(2013)で第37回日本アカデミー賞優秀監督賞・優秀脚本賞、第38回報知映画賞監督賞などを多数受賞して注目を集め、『日本で一番悪い奴ら』(2016)では綾野剛の新境地を引き出し、蒼井優&阿部サダヲのW主演『彼女がその名を知らない鳥たち』(2017)ではブルーリボン賞監督賞を受賞。その翌年には作品賞を含む日本アカデミー賞12部門で優秀賞を受賞(うち最優秀主演男優賞、最優秀助演男優賞、最優秀美術賞、最優秀録音賞も合わせて受賞)した『孤狼の血』や、『止められるか、俺たちを』『サニー/32』といった評価の高い作品を次々と生み出し、これらの作品でも2年連続となるブルーリボン賞監督賞を獲得。昨今でも『麻雀放浪記2020』『凪待ち』や『ひとよ』(ともに2019)といった骨太で既成概念を打ち壊すような作品を次々と発表し、第93回キネマ旬報ベスト・テン 日本映画監督賞や芸術選奨新人賞 映画部門を受賞するなど、まさに日本を代表する映画監督のひとりとして目覚ましい活躍をみせている。「伝統ある丸の内TOEIで特集上映を組んで頂けること、とても嬉しく興奮しています」と白石監督。「僕も先日、同劇場で『仁義なき戦い広島死闘編』を見たばかりです。熱い血が滾るような映画が似合う映画館です。たくさんの方に足を運んでくれることを願っています」と思い入れある劇場での特集上映を喜びを語る。「コロナ禍でどこも大変ですが、映画館も映画業界も大変なのは同じです。製作現場もまだまだ手探りですが、少しずつ撮影を再開し始めています。僕も秋には新作を撮影予定です。映画館に来てくれる映画ファンが一人でもいる限り映画は死にません。そう信じて、みんなで少しずつでも前に進んで行きたいです」と、決意を新たにしたコメントを寄せている。なお、丸の内TOEIでは今回の特集上映の鑑賞者の中から抽選30名に、監督のサイン入り上映作品ポスターやプレスが当たる半券キャンペーンを行う。(text:cinemacafe.net)■関連作品:凶悪 2013年9月21日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2013「凶悪」製作委員会孤狼の血 2018年5月12日より全国にて公開ⓒ 2018「孤狼の血」製作委員会ひとよ 2019年11月8日より全国にて公開(c)2019「ひとよ」製作委員会
2020年08月03日『架空OL日記』サエちゃん役や『殺さない彼と死なない彼女』などで知られる佐藤玲と、「有村架純の撮休」『花と雨』の笠松将をW主演に迎えた長編映画『ドンテンタウン』が、7月17日(金)より全国順次公開が決定した。うまくいかない曲作りから逃れるかのように団地へと引っ越したシンガーソングライターのソラ。ある夜、新居の押入れから、前の住人が残した大量のカセットテープが見つかる。テープに吹き込まれていたのは、贋作画家として日銭を稼ぐ青年トキオの「心の声」だった。見ず知らずのトキオの想いに触れるにつれ、「記憶」と「現実」が交錯していくソラの日常。カセットテープとピアノとアロハシャツと2人分の朝ごはん――交わるはずのなかったソラとトキオのひと夏の物語が始まる。ソラ役を務めるのは、『泣くな赤鬼』『殺さない彼と死なない彼女』ほか、『架空OL日記』で知られる若手実力派・佐藤玲。トキオ役は、「いとしのニーナ」『花と雨』『転がるビー玉』など出演作が相次ぐ、いま注目の俳優・笠松将。また、『きみの鳥はうたえる』の山本亜依、『岬の兄妹』の松浦祐也ほか実力派が揃う。メガホンをとったのは、本作が初の長編映画となる新鋭・井上康平。古き良き日本の団地を舞台に、つかみどころのない不思議な青春譚を描き出し、音楽×映画の祭典「MOOSIC LAB 2019」長編部門にて準グランプリを受賞。ミュージシャンの菅原慎一が映画劇伴を担当する。浮遊感に満ちた映像表現と音楽がかけ合わさり、物語にさわやかな余韻を残す。佐藤玲(ソラ役)「“いつかの私”をそのまま真空パックしたような子」雲に覆われた空は、なにかを明るみに引きずり出そうともせず、かと言って涙をカモフラージュしてくれるわけでもなく、ただただ“いつかの私”をじっと思い出させてくれる。私にとってのソラちゃんは、その“いつかの私”をそのまま真空パックしたような子でした。なんとも言えないダサさです。スタッフ・キャスト、とにかく笑いながらも、その一瞬を絶対に逃すもんかという気合いを共有しながら、でも驚くほど穏やかに過ごしました。素晴らしい音楽を心の軸に、笠松さんやキャストの皆さまとのやりとりに素直に、そして監督と一緒にイメージを形作りながら、それはとても居心地のいい作品になりました。きっと多くの方の心に寄り添ってくれると思います。笠松将(トキオ役)「自分の振る舞いや考え方も、前とは少し違ってきている」劇場で映画を観てもらうという行為に、改めて色んなことを思います。自分の振る舞いや考え方も、前とは少し違ってきている様に思います。何はともあれ劇場公開。お時間あれば是非!井上康平監督「今の想いを映画に残したいという一心で撮りました」白黒だけじゃない、大人のグレーな部分を知ったとき、見上げた空が曇り空だった。そんなモヤのかかった「曇天しかない街」に住んでいる登場人物は空を見て何を思うのだろうか。超個人的な今の想いを映画に残したいという一心でこの作品を撮りました。ぼくの向こう見ずでがむしゃらな想いに応えてくれた佐藤さん、笠松さんをはじめとするキャスト、スタッフ、同じ視座で映画に音楽を産み落としてくれた菅原さん、先の見えない世の中でも公開に向けて動いてくれた全ての人たちに心から感謝しています。言葉だけじゃ伝わらない空気や温度、団地の匂いや、人々のやりきれない想い、その全てを眺めるようにこの映画に詰め込みました。今は曇りでも、次の晴れ間を信じる人に届くことを願って。ぜひ劇場にてご覧いただきたいです。よろしくお願いいたします。菅原慎一(音楽)「まるで自分の人生を肯定してくれるよう」僕が生まれ育った千葉の新浦安近辺は、埋立によって人工的に作られた。35年ほど前から開発がはじまり、マンションがちょこちょこ建ちはじめ、両親は第一世代としてこの街に入居した。最初の数年は、野良猫はおろかセミや虫たちもいない、静かなコンクリートだけの街だった。僕はこのどこか現実味のない不思議な場所で育ちながら、ゆっくりとアイデンティティを身につけていったが、自らの生み出す作品や表現が、他の誰かの創作や想いに繋がっていくとは思っていなかった。なので井上監督から「この映画には菅原さんしかいないという強い思いでメール差し上げました」という連絡をもらったとき、まるで自分の人生を肯定してくれるようで嬉しかった。監督は映画を撮り進めながらふと、「この作品はSFなんです」と言った。僕はこのSFの“F”はFictionではなくFantasyだと思っている。それは、偽りのない何よりもリアルなファンタジーだ。これまでずっと大事にしてきた想いを、ふたたび音楽に乗せてこの映画に託せることができて光栄だ。『ドンテンタウン』は7月17日(金)よりアップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2020年05月26日佐藤二朗と斎藤工、圧倒的個性を放つ2人の俳優が、独自の文化を育ててきた名古屋の楽しみ、さらに名古屋でドラマにも挑戦…見どころ満載の「佐藤二朗と斎藤工の名古屋でやりたい放題~グルメも人もクセ強すぎSP~」が5月23日(土)オンエアされる。大学卒業後会社員として就職するも初日で退職。その後俳優を目指し演劇活動を続け、様々な作品に出演するなかで「勇者ヨシヒコ」シリーズや「スーパーサラリーマン左江内氏」、人気コミックを実写化した『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』などの福田雄一監督作で、個性的なキャラが開花。大きな注目を集める一方「シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。」などのシリアスな演技でもその実力を発揮する佐藤さん。幼少期から映画に親しみ、モデルから芸能界に足を踏み入れ、『SPACE BATTLESHIP ヤマト』や「花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011」「最上の命医」シリーズに出演。実績を積み上げていくなかで昼ドラ「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」で人気に火がつき、「BG~身辺警護人~」、大河ドラマ「いだてん」などのドラマや『シン・ゴジラ』『Diner ダイナー』などの映画まで幅広く活躍する斎藤さん。そんな個性派俳優の2人が名古屋の地へ。新幹線を途中下車してまで味わう県外客が続出しているという、10日間かけて煮込む味噌おでんの老舗や、ホットとアイスが両方出てくるコーヒースタイルに驚く名古屋名物モーニングに、ディープスポット・大須では謎の100円珍品を発見。高級住宅街の喫茶店ではありえないスパゲティに驚愕し、名古屋の新名物(!?)夏に食べたくなる○○麺など、名古屋の街を堪能。最後には佐藤さんと斎藤さんによる名古屋の魅力がたっぷり詰まったコメディドラマにも挑戦する。実写化不可能と思われた超人気コミックをドラマ化した「浦安鉄筋家族」で主演を務め、強すぎる原作のキャラを見事に吸収昇華して演じ、多くの視聴者に改めてその実力を知らしめた佐藤さん。来年2021年には庵野秀明、樋口真嗣ら『シン・ゴジラ』スタッフが再集結、日本を代表するヒーローを改めて映像化する『シン・ウルトラマン』に主演することが決定している斎藤さん。“おうち”で2人と名古屋旅が楽しめる「佐藤二朗と斎藤工の名古屋でやりたい放題~グルメも人もクセ強すぎSP~」は5月23日(土)16時~テレビ東京でオンエア。(笠緒)
2020年05月23日安倍晋三首相が12日、歌手で俳優の星野源の楽曲「うちで踊ろう」とコラボした動画を公式SNSで公開。これに厳しい声が多く上がっており、映画監督の白石和彌氏も自身のツイッターで批判した。星野がインタグラムで発表した「うちで踊ろう」は、外出自粛ムードが続く中、不安な気持ちでいる人たちへのエールが込められた歌。「誰か、この動画に楽器の伴奏やコーラスやダンスを重ねてくれないかな?」と呼びかけたところ、SNS上でさまざまなコラボ動画が上がり、三浦大知や高畑充希、香取慎吾など多くの著名人も参加している。安倍首相は、愛犬と触れ合ったり、飲み物を飲んだり、自宅でくつろいでいる自身の姿を映したコラボ動画を公開し、「友達と会えない。飲み会もできない。ただ、皆さんのこうした行動によって、多くの命が確実に救われています。そして、今この瞬間も、過酷を極める現場で奮闘して下さっている、医療従事者の皆さんの負担の軽減につながります。お一人お一人のご協力に、心より感謝申し上げます」とコメント。さらに、「かつての日常が失われた中でも、私たちは、SNSや電話を通じて、人と人とのつながりを感じることができます。いつかまた、きっと、みんなが集まって笑顔で語り合える時がやってくる。その明日を生み出すために、今日はうちで・・・。どうか皆様のご協力をお願いします」と外出自粛を呼びかけた。この投稿に、「この動画をみたらどれだけ庶民の生活がわかってないのかってことが一目瞭然だわ!」「星野源を利用するのはやめてください。星野源の意図もぶち壊しになっています」「なにやってんだよ…」「やってる事が的外れ過ぎて最悪です」などと厳しい意見が続々。白石和彌監督も「これほど無神経な人間を他に知りません。そんな人が日本の首相。どれほど苦しんでいる人がいて、星野さんがどんな思いで動画を作ったのか。想像力のカケラもない人に政治は出来ません」と批判した。
2020年04月12日俳優・佐藤健の公式YouTubeチャンネルで31日、『佐藤健を癒す「TAKERU NO PLAN DRIVE」』の動画が公開され、その中で佐藤が理想の休日について語っている。「TAKERU NO PLAN DRIVE」は、神木隆之介プロデュースによる旅企画。佐藤、神木、桜田通、渡邊圭祐の4人で、ドライブ旅を繰り広げる。今回の動画では、神木の運転で佐藤と2人で出発し、渡邊と桜田をピックアップ、4人でトークを楽しむ様子が収められ、千葉方面へ進むところで終了した。トークの中で、渡邊が「自由におもてなししてくれって。僕は、健さんがやりたい休日を…」と話すと、佐藤は「俺がやりたい休日は、家で1人でゆっくりしたい。たまった録画を見ていたい。家でソファで『テレビ千鳥』をずっと見続けたい」と理想の休日を語った。千鳥・ノブと親交の深い佐藤。神木から「夜はノブさんとご飯行って1日が終わるんだよ」と言われると、「終わる」と認め、「外に出ることマジでない。午前中に外に出るなんて、仕事以外で何年ぶりだろう」と話した。
2020年03月31日俳優・佐藤浩市さん(59)に“故郷”について尋ねたとき、意外な言葉が返ってきた。「僕には、もう故郷なんてないですから――」佐藤さんは1960年12月、東京都新宿区出身。父親は、“怪優”と呼ばれた俳優の故・三國連太郎さん(享年90)だ。「僕は、東京・神楽坂の生まれですが、実家もないし、当時からある数件の店を除いて。僕が育ったころの面影なんて、全くと言っていいほど残っていません。そう思うと、自分は守るべき田舎も故郷もない人間なわけで。僕が大家族で育った?いや、それはなかったです。三國が過去のインタビューでそう言ってるんですか。それは、彼の“作り”だと思います(笑)。まあ、それもよし。特に晩年には、記憶以外のもので構築される過去もあるでしょうし。じゃあ、おふくろと2人だったかというと、彼女も、もともと神楽坂の芸者で知り合いも多く、お酒も飲む方で、結構夜は出ちゃうタイプでしたから。家にはおふくろもいなかった、親父もいなかったというのが、僕の少年時代でした。でも、僕は人がいないと生きていけないというタイプじゃないから、ときどき親父が戻ってきて一緒に食卓にいると、逆にすごく苦痛でしたね」小5のとき父親が家を出て、中学に上がる前には両親が正式に離婚。三國さんが伊豆の十国峠に息子の佐藤さんを連れて行き、「これが君との最後の別れだ。君はおふくろのところへ帰れ。僕は放浪生活を始めるから」この“十国峠の別れ”は、まるで映画のワンシーンのように、三國さんの評伝などでは語り継がれてきた。その後、佐藤さんは高2から実家を出てアパートでの一人暮らしを始め、多摩芸術学園映画学科を中退して役者の道へ。最初に俳優を目指すと言った時、父は言った。「僕は何も教えられないよ。だったら、親子の縁を切りましょう」こうして、“2世俳優”としての人生が動き出す。19歳だった。しかし、演技派としての地位を築いていた父の重圧はなかったのだろうか。「正直、それはありました。でも“三國さんの息子さん”という見方をされるのは当然だし、一方で、だから受け入れてくれるという業界人も多かったんです。親父と不仲だと評されていた人が、現場では僕を可愛がってくれたりもあって。世の中、それほど度量の狭い人間ばかりじゃないと、いまだに信じてやってます」映画デビューの『青春の門』でブルーリボン新人賞を受賞。この時も、親子2代受賞と話題に。その後も、『忠臣蔵外伝 四谷怪談』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞するなど着実に実績を積んでいき、初めての父子共演は、ようやく96年春の『美味しんぼ』で。父73歳、息子35歳のときだった。その制作記者会見でのこと。「佐藤浩市くんという人は、僕のやり方を否定していくのだろうけど、しかし、血のつながりは否定することはできない」こうしたやりとりを、マスコミはこぞって親子の確執だと報じた。しかし、佐藤さん本人は言う。「よく言われますが、別に不仲だったわけではないんですよ。一つだけ言えるのは、僕も、きっと三國も、一緒にいることのハードルを変に上げすぎたんですね」父・三國連太郎は、撮影現場にだけはよく息子を連れて行ったという。父の背中を見たことが、息子・佐藤浩市の俳優としての原体験になった。だから息子も長男・寛一郎を現場に連れて行き、やがて長男も役者に。あたかも父と息子の間にあった確かな、そして未来へと続く“絆”を証明しているかのように――。「女性自身」2020年3月24・31日合併号 掲載
2020年03月20日佐藤健主演、累計興行収入125億円突破の日本映画最大のシリーズの完結編『るろうに剣心最終章 The Final/The Beginning』。この度、原作でも人気のキャラクター、雪代巴役を有村架純が演じていることが分かった。人斬り抜刀斎時代、剣心は結婚、そして自らの手で妻を斬殺していた――最終章は、原作では最後のエピソードとなる「人誅篇」をベースに、縁との究極のクライマックスが描かれる『The Final』と、原作では剣心が過去を語るかたちで物語が進む「追憶篇」をベースに<十字傷の謎>に迫る『The Beginning』の2部作で構成。幕末を描いた『The Beginning』がシリーズ最後になるが、時系列では1作目の前のストーリーになる珍しい形。中でもこの2つの時代をつなぐキャラクターが、縁に続く有村さんが演じる巴だ。いまにも消えてしまいそうな弱さと、心の深い所では揺るがない強い意志を持つ彼女は、幕末の“人斬り抜刀斎”剣心が唯一心を許したにもかかわらず、その手で斬殺した妻。剣心の頬の十字傷に深く関わっており、『The Final』で縁が剣心に復讐を仕掛ける理由とも関係している。人気キャラ巴役、“全員一致で”有村架純剣心が人斬りをやめ、<不殺の誓い>を立てることに至る理由になった女性であり、原作の中で最もファンが多いキャラクターのひとり。そんな有村さんのキャスティング経緯についてプロデューサーは「『追憶編』と呼ばれる巴のエピソードを実写化することは、『るろうに剣心』の第一作目からずっと熱く語られ、それでいてどこか現実離れしている話でしたから。雪代巴、クールな表情の下に沸き立つような愛憎を秘めた完全無欠のヒロイン。みんなの思い入れが強過ぎるこの役は、全員一致で『有村架純』さんに託されました。華があるのに儚げな彼女の存在感そのものにみんなが『雪代巴』を見たのです」と明かす。「大きなプレッシャー」今回のオファーに有村さんは「1作目から原作ファンの方や映画ファンの方からすごく大切にされている作品ですし、健さんやキャストの方、監督やスタッフの皆さんが大切に作られている作品ですので、嬉しい思いもありましたが、同時に大きなプレッシャーも感じました」と心境を語る。また、撮影現場で佐藤さんに対面し「『本当に大切に思っている作品で、7年前の”るろうに剣心”の始まりの役づくりは巴からスタートしている』とお話されていて、7年間ずっと巴がベースにあって、今の剣心が出来ているという、その言葉の重みを深く受け止めました」と言い、さらに「どれだけ“るろうに剣心”を愛しているのかというのはひしひしと隣にいて感じました。アクションにしてもお芝居にしても、ご自身の中で表現したいものが見えているからこそできることがたくさんあって、それを間近で拝見していると本当に尊敬しますし、改めてすごい役者さんだなと思いました」と本作にかける佐藤さんの想いを肌で感じたという。佐藤健、「あんなにも美しく、そして儚い時間を過ごした経験はありません」“巴と縁”の発表を受け、佐藤さんは「剣心の頬の十字傷は悲しみの象徴であり、この傷が残り続ける限り、剣心は悲しいんです」と代弁し、「巴との出会いを経て、その十字傷に殺さずを誓った剣心は、市井の人々の平和を守るため流浪の旅を始めます。これまでのるろうに剣心シリーズ三作は、そのような過去を経て流浪人になった剣心の、新たな冒険の物語でした。つまり、それら全てを演じた僕の中には、雪代巴という一人の女性が内包されていました」とシリーズを回顧。「パート1の撮影初日、鳥羽伏見の戦いで新時代の来訪を悟った時、志々雄真実が目の前で自らの愛する女性を斬殺した時、僕は剣心としての自分を見つめ直そうとする度に、巴を想い、深呼吸をして本番に臨みました。The Beginningの撮影初日、僕の中に七年間内包されていたものが、突如実体を持って目の前に現れました。巴として初めてお会いするはずの有村さんに、どうしようもない懐かしさを感じました。それからの撮影の日々は、辛く悲しくありながらも夢のようで、今思い返しても、あんなにも美しく、そして儚い時間を過ごした経験はありません」と巴を想いながら過ごした撮影をふり返る。一方、縁については「The Finalのクライマックスで縁との決闘を終え、彼と向き合い新田さんの目を見た時に、僕はこのるろうに剣心という物語の終幕を受け入れることができました。このシリーズに自分の全てを捧げることができたと思っています」と感無量の様子。大友啓史監督「一刻も早く皆さんにお披露目したい」本シリーズの監督大友啓史は「運命に導かれ、心の奥底に秘めた複雑な感情に突き動かされていくこのヒロインは、演じるのに決して簡単な役ではありません」と説明した上で、「思い浮かんだのが、『3月のライオン』でご一緒した有村架純さんでした。彼女なら、真っ白い心で、この役を、孤独な二つの魂の、燃えるような邂逅の物語を一緒に走ってくれるのではないか。悲劇的な憂いの中に、強い意志と限りない優しさを帯びて」とキャスティング理由を明かし、「これだけドラマチックなヒロインにはめったにお目にかかれません。魂を込めて演じ切った有村架純さんの『巴』像を、一刻も早く皆さんにお披露目したい気持ちでいっぱいです」と完成度の高さに自信を覗かせている。また、有村さんの出演発表に加え、巴のビジュアルも到着。雪の情景の中に佇み、遠くを見つめる儚さ漂う1枚だ。『るろうに剣心最終章 The Final/The Beginning』は7月3日(金)、8月7日(金)より2作連続公開。(cinemacafe.net)■関連作品:るろうに剣心最終章 The Final 2020年7月3日より全国にて公開©和月伸宏/集英社 ©2020「るろうに剣心」最終章 製作委員会るろうに剣心最終章 The Beginning 2020年8月7日より全国にて公開©和月伸宏/集英社 ©2020映画「るろうに剣心最終章 The Final/The Beginning」製作委員会
2020年03月19日女優の有村架純が、佐藤健主演の映画『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』(2020年7月3日、8月7日公開)に出演することが19日、明らかになった。和月伸宏の同名コミックを実写化した同シリーズは、『るろうに剣心』(12年)、『るろうに剣心京都大火編』『るろうに剣心 伝説の最期編』(14年)と3作合わせて累計興行収入125億円以上、観客動員数は980万人を突破した大ヒット作。幕末に人斬り抜刀斎として恐れられた剣心(佐藤)が、不殺(ころさず)を貫きながら仲間と平和のために戦う姿を描く。雪代巴は、幕末の剣心が血も涙もない人斬り抜刀斎の時代に、唯一心を許したにもかかわらず、剣心がその手で斬殺した妻。巴は剣心の頬の十字傷に深く関わっており、最終章『The Final』で縁が剣心に復讐を仕掛ける理由とも関係している。解禁されたビジュアルでは、雪の情景の中に佇み、遠くを見つめるその表情からは儚さが漂う。巴は同作の中で最もファンが多いキャラクターの1人だが、それは緋村剣心が人斬りをやめ「不殺の誓い」を立てることに至る理由になった女性だから。小岩井宏悦プロデューサーは、巴役の有村架純のキャスティングの経緯について「雪代巴のキャスティング、いよいよその時が来たかと言うのが正直な感想でした。『追憶編』と呼ばれる巴のエピソードを実写化することは、『るろうに剣心』の第一作目からずっと熱く語られ、それでいてどこか現実離れしている話でしたから。雪代巴、クールな表情の下に沸き立つような愛憎を秘めた完全無欠のヒロイン。みんなの思い入れが強過ぎるこの役は、全員一致で有村架純さんに託されました。華があるのに儚げな彼女の存在感そのものにみんなが"雪代巴"を見たのです。作品を観てもらえば、間違いなくその"ヒロイン力"にみなさん圧倒されると思います」と熱弁した。○有村架純 コメントプロデューサーの方から「このエピソードは巴がいないと成り立たない作品だ」と言って頂きました。1作目から原作ファンの方や映画ファンの方からすごく大切にされている作品ですし、健さんやキャストの方、監督やスタッフの皆さんが大切に作られている作品ですので、嬉しい思いもありましたが、同時に大きなプレッシャーも感じました。佐藤さんと撮影現場でお話した際に、『本当に大切に思っている作品で、7年前の”るろうに剣心”の始まりの役づくりは巴からスタートしている』とお話されていて、7年間ずっと巴がベースにあって、今の剣心が出来ているという、その言葉の重みを深く受け止めました。どれだけ“るろうに剣心”を愛しているのかというのはひしひしと隣にいて感じました。アクションにしてもお芝居にしても、ご自身の中で表現したいものが見えているからこそできることがたくさんあって、それを間近で拝見していると本当に尊敬しますし、改めてすごい役者さんだなと思いました○佐藤健 コメント剣心の頬の十字傷は悲しみの象徴であり、この傷が残り続ける限り、剣心は悲しいんです。巴との出会いを経て、その十字傷に殺さずを誓った剣心は、市井の人々の平和を守るため流浪の旅を始めます。これまでのるろうに剣心シリーズ三作は、そのような過去を経て流浪人になった剣心の、新たな冒険の物語でした。つまり、それら全てを演じた僕の中には、雪代巴という一人の女性が内包されていました。パート1の撮影初日、鳥羽伏見の戦いで新時代の来訪を悟った時、志々雄真実が目の前で自らの愛する女性を斬殺した時、僕は剣心としての自分を見つめ直そうとする度に、巴を想い、深呼吸をして本番に臨みました。The Beginning の撮影初日、僕の中に七年間内包されていたものが、突如実体を持って目の前に現れました。巴として初めてお会いするはずの有村さんに、どうしようもない懐かしさを感じました。それからの撮影の日々は、辛く悲しくありながらも夢のようで、今思い返しても、あんなにも美しく、そして儚い時間を過ごした経験はありません。そして剣心と同じく、巴に深く愛情を持つ男、雪代縁。The Final のクライマックスで縁との決闘を終え、彼と向き合い新田さんの目を見た時に、僕はこのるろうに剣心という物語の終幕を受け入れることができました。このシリーズに自分の全てを捧げることができたと思っています。無事にこの映画が完成し、公開されることを願うと共に、支えてくださった全ての皆様、共に闘った仲間達に心から感謝します。○大友啓史監督 全文コメント「人斬り抜刀斎」として幕末の京都をうごめいていた時代。剣心の孤独に光を灯したのが、雪代巴でした。運命に導かれ、心の奥底に秘めた複雑な感情に突き動かされていくこのヒロインは、演じるのに決して簡単な役ではありません。思い浮かんだのが、『3月のライオン』でご一緒した有村架純さんでした。彼女なら、真っ白い心で、この役を、孤独な二つの魂の、燃えるような邂逅の物語を一緒に走ってくれるのではないか。悲劇的な憂いの中に、強い意志と限りない優しさを帯びて。これだけドラマチックなヒロインにはめったにお目にかかれません。魂を込めて演じ切った有村架純さんの「巴」像を、一刻も早く皆さんにお披露目したい気持ちでいっぱいです。
2020年03月19日相沢沙呼の同名小説を映画化する『小説の神様 君としか描けない物語』が、5月22日(金)に全国公開される。本日ホワイトデーに、佐藤大樹演じる千谷一也と、佐藤流司演じる九ノ里正樹の未公開場面写真が公開された。『小説の神様』は、ナイーブで売れない作家×ドSな売れっ子作家という、すべてが真逆なふたりの高校生小説家が、まさかの共作を果たし、大ベストセラーを目指すという青春ストーリー。売れない高校生小説家・一也役を演じるのは、EXILE/FANTASTICSのパフォーマーとして活躍する一方、『ママレード・ボーイ』『センセイ君主』などに出演し、俳優としても人気を集める佐藤大樹。ヒット作を連発する高校生小説家・詩凪役を、『銀魂』シリーズ、『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』をはじめ、数々の話題作に出演し、幅広い役を演じる橋本環奈が務める。そして監督には、『HiGH&LOW』シリーズの久保茂昭を迎えた。この度公開された場面写真は、本作に登場する一也と、佐藤演じる九ノ里正樹の姿が切り取られたもの。ナイーブで売れない小説家・一也は、デビュー作以降、売り上げが激減した上、ネットの中傷を真に受けてしまい完全なスランプ状態。一方、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズで主演を務めるなど、2.5次元俳優として絶大な人気を博している佐藤流司が演じる久ノ里は、一也や詩凪が所属する文芸部の部長。勉強もスポーツも得意な明るい性格で皆の頼れる存在だ。また、一也が小説家であることを知る数少ない友人で、物語のキーマンでもある。『小説の神様 君としか描けない物語』5月22日(金)全国公開
2020年03月14日EXILE/FANTASTICSの佐藤大樹と女優の橋本環奈がW主演を務める、映画『小説の神様』(5月22日公開)の場面写真が14日、公開された。同作は相沢沙呼による人気同名小説の実写化作。中学生で作家デビューしたものの、発表した作品は酷評され売り上げも振るわない……自分を見失い思い悩むナイーブで売れない高校生小説家・千谷一也(佐藤)と、同じクラスの人気ものでドSな性格でヒット作を連発する高校生小説家・小余綾詩凪(橋本)。性格、クラスでの立ち位置、売れている/売れていないと、すべてが真逆の2人に、編集者から下されたミッションが、2人で協力し、1つの物語を作り、ベストセラーを生み出すことだった。今回3月14日のホワイトデーを記念して公開されたのは、文芸部のイケメン、佐藤大樹演じる千谷一也と佐藤流司演じる九ノ里正樹という"W佐藤"の未公開場面写真。主人公・千谷一也役の佐藤大樹はEXILE/FANTASTICSのメンバーとして活躍する一方、近年『ママレード・ボーイ』や『センセイ君主』などの出演で俳優としても人気を誇る。一方、ミュージカル「刀剣乱舞」シリーズでは加州清光役として単身ツアーを行うなど、2.5次元俳優として絶大な人気を博す佐藤流司演じる九ノ里正樹は、一也や詩凪が所属する文芸部の部長で、勉強もスポーツも得意な明るい性格で皆の頼れる存在。一也が小説家であることを知る数少ない友人で、物語のキーマンでもある。
2020年03月14日戸塚純貴が日本各地の純喫茶に迷い込む、「孤独のグルメ」のスタッフによる新感覚☆ドラマ形式のグルメガイド番組「純喫茶に恋をして」が、CS放送フジテレビTWO ドラマ・アニメ/フジテレビTWOsmartにてスタートすることが決定。全8話制作予定、毎週1話ずつ3月まで放送される。かつてどの街にも存在した、レトロでかわいい喫茶店。戸塚さんが、売れない漫画家で妄想家のアラサー男子・烏山純平に扮し、彼が日本各地の純喫茶迷い込み、そこで様々なドラマが起こる――。番組では、お店の魅力を伝えながら、ドラマのストーリーの中で看板メニューを紹介。初回に純平が訪れるのは、本の街・神保町で60年以上愛される老舗の喫茶店「さぼうる」。第2話以降では、五反田の「トゥジュール デビュテ」や阿佐ヶ谷の「gion」など雰囲気のあるお店ばかりが登場予定だ。台本を覚えるときなど、普段から純喫茶に行くという戸塚さんは「今回の番組で名店を紹介する形で携われるというのが本当に嬉しいです。色んなお店に行けると思うので、そのお店のよさ、持っている個性をそのまま皆さんにお伝えしたいと思います」と出演への喜びと意気込みを語っている。「純喫茶に恋をして」は2月8日(土)10時30分~フジテレビTWO ドラマ・アニメ、フジテレビTWOsmartにて放送・配信開始。(cinemacafe.net)
2020年01月17日12月28日、令和初となる「紅白歌合戦」のリハーサル初日が行われた。そこに、純烈がDA PUMPとともに登場。2組による「純烈のハッピーバースデー」を紅白限定のスペシャルコラボで披露した。DA PUMP・TOMO(38)の指示のもと、入念に立ち位置やフリを確認した2組。カラフルな衣装のDA PUMPとは対照的に、純烈は酒井一圭(44)が白のニット、後上翔太(33)はオレンジ色のパーカーを。白川裕二郎(43)はスラッとしたワイン色のパンツを履き、小田井涼平(48)はグレーのパーカー姿というラフな出で立ち。そして音合わせが始まると純烈とDA PUMP、総勢11名がステージに登場。その中には白川を筆頭に、本番さながらに手を振って登場するメンバーも。そして純烈が「純烈のハッピーバースデー」を歌い、それに合わせてDA PUMPはダンスした。可愛らしい振付でもキレのあるダンスを見せたDA PUMP。そのいっぽうで純烈も負けていない!力みのない歌声と手慣れた身振りでDA PUMPとダンスの掛け合いを見せる。そして淡々とステージの手順を確認する姿は、貫禄さも覗かせていた。その後、純烈は囲み取材にも登場。「今年を表す一文字は?」と問われると、小田井が「『謝』。謝罪から始まって、最後は感謝をした一年でした」と、年始に女性トラブルで脱退した元メンバー・友井雄亮(39)について語る一幕も。困難を乗り越え一回り大きくなった純烈は、一年ぶりに紅白のステージに立つ。
2019年12月28日現在公開中の感涙ヒューマンドラマ『ひとよ』の白石和彌監督のティーチインイベントが11月17日(日)に行われ、本作の主演・佐藤健が飛び入り参加し観客を沸かせた。イベントでは観客との質疑応答を1問終え、白石監督が「誰か来られないか?とTwitterでつぶやいたら、音尾琢真君がすぐに『行けない』と返答してきた」とジョークで笑わせつつ、サプライズで登場したのは次男・雄二役の佐藤さん。残念ながら本編には登場しない“カット”されたシーンもあるというが、佐藤さんは「カットされることに関して僕は前向き。残念には思わない」と語り、「良くなかったからカットされたわけで、カットされてありがとうぐらいに思う役者です」と俳優としてのポリシーを明かす。なお、そんなカットシーンのひとつに、鈴木亮平演じる長男・大樹と別居中の妻(MEGUMI)との激しい口論シーンがあったそうで、白石監督は「いいシーンだったけれど、それがあると長男のシーンが続きすぎて、長男の映画になり過ぎると思った」とカット理由を打ち明けていた。またラストシーンについて「監督が急にバナナを持ってきて驚いた」と明かす佐藤さん。白石監督は「筑前煮も撮影場所のタクシー会社の方々が出してくれたもので、とても美味しくて。それもその場の判断で雄二に持って行かせようと思った。田舎って何かをお土産に持って行かせようとすることってありますよね」とリアリティを追求したという。さらに、こだわりは稲村家の家族写真にも。佐藤さんは「もらったバナナを持って写真に写ろうとか、(稲村家の長女・園子役の)松岡茉優さんがはじけたバージョンとか、数パターンを撮影したけれど、使用されたのは全員が真面目な顔の写真でした」と裏話を明かした。ラストの車中のシーンは2テイク撮影したそうだが、使われているのはファーストテイクだという。白石監督は「健君の目に涙が溜まっている感じがよかった」と選んだ理由を述べ、「実はそのシーンでは、僕が健君の横でヤドカリみたいに小さく丸まって隠れていました。現場は結構グチャグチャでしたよね」とふり返っていた。そして、今回が初めてとなった佐藤健×白石和彌監督のタッグ。今後の再タッグへ向けて佐藤さんは「色々なアイデアがあります。一つには絞れない」と構想を練っているようで、「いつか時代劇をやりたいと白石監督は現場でおしゃっていましたよね?」と確認する場面も。これに白石監督は「まだ一度も時代劇はやったことがないので。アクションものの時代劇もいいかも」と意欲を見せていた。『ひとよ』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:ひとよ 2019年11月8日より全国にて公開(c)2019「ひとよ」製作委員会
2019年11月18日映画『ひとよ』(11月8日公開)の公開記念舞台挨拶が9日に都内で行われ、佐藤健、鈴木亮平、松岡茉優、MEGUMI、佐々木蔵之介、白石和彌監督が登場した。同作は鶴屋南北戯曲賞、読売文学賞戯曲・シナリオ賞などを受賞した注目の劇作家・桑原裕子率いる劇団KAKUTAの代表舞台作品『ひとよ』を実写映画化。15年前、ある家族に起きた一夜の事件が、母と三兄妹の運命を大きく狂わせた。一家は別々の人生を歩み、15年後に再会。葛藤と戸惑いの中で、一度崩壊した絆を取り戻そうともがき続ける。三兄妹でぶつかり合うシーンもあったが、松岡は「私がスナックで怒るシーンで、監督が『これを佐藤さんに投げてください』って、小鉢のピーナッツを持ってきたんですよ。何回目かのテイクで、佐藤さんの髪にピーナッツが。ピーナッツNGが出たんですよ! でも使われてるのは ピーナッツカットだった」と暴露。白石監督は「ピーナッツがついてるのが最高にかわいくて。こんなにピーナッツつけてかっこいい人いるかなと思った」と意外な角度から称賛する。鈴木が「結局、『やめよう』って言ってとったから、直後のカットからピーナッツついてないんですよね」と指摘すると、佐藤は「僕がこうやって取りましたから。結構痛かったんですよあれ、実は」と裏設定を披露し、苦笑する。また鈴木は「俺は監督から『雄二(佐藤)に振り払われてこけてくれ』って言われて、『どうしよう、この体格差で振り払われてこけるかな……』と考えた際の演技だった」と告白。「よく言われるのは、『あなた思った以上に力があるので加減してください』って。自分ではわからないから」と力を持て余している鈴木に、松岡は「パーマンみたい」と喩えていた。
2019年11月09日ある夜、3人の子供たちのために、暴力夫を殺害した母親(田中裕子)が、15年後、成長した子どもたち(佐藤健、鈴木亮平、松岡茉優)のもとに帰ってくる。事件によって運命を狂わされた家族は、ふたたび絆を取り戻せるのか。『凶悪』『彼女がその名を知らない鳥たち』『孤狼の血』の白石和彌監督が、佐藤健を主演に迎えた『ひとよ』が11月8日より公開。初タッグを果たした白石監督と佐藤を直撃し、お互いに「興味深い」と感じたことや、物語終盤に訪れる“クラッシュシーン”に込めた意味、そして二人の考える「良い映画」について聞いた。○■佐藤健「現場では結構不安だった」――今回の作品で、監督は「これ以上ない最高のキャストが集まってくれた」とコメントされています。白石:だってすごいでしょ。――“最高のキャスト”という言葉の意味するところを、もう少し教えていただけますか?白石:オールスター感がありますよね。エンタメ特化型の作品だったら分かる気もするんですけど、『ひとよ』は、エンタメ映画でありながら、アート映画のにおいもある。そのなかでこのオールスターキャストというのは、正直、僕はびっくりしました。ダメ元で声をかけた人がみんなやってくれたという。すごいですよ。――佐藤さんは、最高の共演者だなと感じた瞬間はありましたか?佐藤:常にですよ。監督は白石監督だし、共演者もこの方々だから、僕が何もしなくても絶対に良い映画になるだろうという安心感のもとにやっていました。だから変な気負いがなかったというか。それに、本当に自然な形で家族になっていけましたね。助けられました。――今回、おふたりは初タッグです。お仕事されてみて、こういうところが興味深いなと感じた部分はありますか?白石:すごく色んなことを考えてそうなんですよね。それで、「こいつ、どうなんだ?」と見られている感じがしたり(笑)。そういうところがミステリアスでいいですね。今回は健くんの演じた雄二の話でありつつ、家族の物語でもあって群像劇だったから、2時間ずっと雄二を追っていたわけではない。なので、今度はずっと佐藤健を撮っている作品をやらないと、まだまだ埋めきれていない部分があると思いますね。佐藤:白石監督は上手なんだと思うんですよね、映画作りが。だからいい意味で疲れないんです。「あれ、もう終わりですか? まだまだできますけど」みたいな感じで、いい意味で達成感がないというか。なので現場では結構不安だったんです。でも完成したものを観ると、やっぱり素晴らしい。ただあまりに作品数が多すぎるので、どうなってるんだろう、何を基準に判断してるんだろうと、すべてが興味深いです。僕は結構作品数が抑えめなタイプですが、白石監督とだったらたくさんやってもいいなと思いました。――今のお話にも通じますが、白石監督の現場は早いとよく聞きます。そうした決断の早さはどこからくるのですか?白石:なんだろう。迷ったときには、いい画を優先するというのはあるかな。映画作りの基本に立ち返って、お客さんからどう見えるのかを考えて、変なことをしないで直球勝負をしていくということじゃないですかね。――終盤の佐々木蔵之介さん演じる堂下も加わってのぶつかり合いの場面が印象的でした。15年後の、あの家族にとって重要な“一夜(ひとよ)”に他人が入っていることも興味深かったです。白石:人間関係は、1回クラッシュしないと想いを伝えられないんじゃないかということの問いかけでもあるんです。それに他人が偶然にというよりは、堂下も堂下で自分の人生と向き合っていて、それが交差した瞬間だったということなんです。あそこを観て、「やりたい放題やりやがって」と思う人もいるかもしれないけれど、あそこで皆がぶつかり合うということは、僕にとってはすごく重要だったんです。佐藤:クラッシュさせるためには、何かアクシデント的なことというか、あの家族にも堂下にも、外部的な要因が必要だったということですね。白石:そうだね。さらにいうと、そこに至るまで、クラッシュを避けていたのが雄二だったんだけど、あそこで雄二からぶつかりにいくところも、この映画を象徴している出来事かなと思いますね。その能動感がすごく気持ちよかったりするし。佐藤:まあ、僕は佐々木さんに飛び蹴りとか、本当にしたくなかったんですけど、どうしても監督がやれというので、仕方なくやりました(笑)。白石:ははは。○■この感動をなんとか伝えたい――映画作りの基本に立ち返って、いい画を撮っていくというお話がありましたが、白石監督は本作を「最高傑作になる」ともコメントされています。「良い映画」とは?白石:観た人を突き動かす力を与えられる映画ですかね。たとえば、これまでにも僕の映画を観たことで、「迷ってたんですけど、映画界に入りました」とか、「『日本で一番悪い奴ら』を観て、会社を辞めて役者を志すことにしました」と言われたり。そういうことがときどきあるんです。「重い、重い!」とも感じるので、その決断をしたのは本人だからと思うようにもしていますが(苦笑)、でもその人にとっての特別な一歩になったのは事実だから、やっぱり嬉しい。作品の出来不出来とは関係のないことになるけれど、映画の力というのはあるんだろうと感じます。――映画は観客に観てもらって完成するといいますね。白石:やはり観た人になにか影響を与えたいと思って作っていますから。自分自身、振り返ってみると、「俺も映画をやってみたいな」と思ったりした作品とかがあるわけで。そういう1本をもし自分が撮れているのだとしたら、すごく嬉しいですよね。いつも、役者さんのお芝居を見ながら「この感動をなんとか伝えたい!」と思うことの連続です。それで毎回、「こんなに熱量があるのに、なんで俺は切り取れないんだ」と苦しみながらやってます。――佐藤さんは、「良い映画」とはどんなものだと思いますか?佐藤:難しいですね。しっくりくる答えはなかなかないですが、でも監督がおっしゃったように、人に影響を与えるというのはひとつ絶対にあると思いますし、実際、そうした力や可能性が映画にはあると思います。まあ、僕の場合は純粋に自分が楽しいからやってるんですけど。――結果として人に影響を与えていたり。佐藤:そうなったら嬉しいなとは思っていますけどね。映画って、人生を豊かにしてくれるものじゃないですか。その豊かさというのは、教養が養われるでも、心が動くでも、何でもいいんですけど、その人の人生を豊かにしてくれる映画が、良い映画なんじゃないですかね。白石:そうだね。素晴らしい!■プロフィール・佐藤健1989年3月21日生まれ。埼玉県出身。近年の主な映画出演作は、『るろうに剣心』シリーズをはじめ、『バクマン。』(15)、『世界から猫が消えたなら』(16)、『何者』(16)、『亜人』(17)、『いぬやしき』(18)、『億男』(18)、『ハード・コア』(18)、『サムライマラソン』(19)、『ドラゴンクエストユア・ストーリー』(19)など。公開待機作品としては 『るろうに剣心 最終章』(20年夏2作連続公開予定)がある。・白石和彌1974年北海道生まれ。1995年、中村幻児監督主催の映画塾に参加し、その後、若松孝二監督に師事。助監督時代を経て、行定勲、犬童一心監督などの作品にも参加。初の長編映画監督作『ロストパラダイス・イン・トーキョー』(10)の後、ノンフィクションベストセラー小説を実写化した『凶悪』(13年)は、第37回日本アカデミー賞優秀監督賞ほか、各映画賞を総なめした。その後、『日本で一番悪い奴ら』(16)、『牝猫たち』(17)、Netflixドラマ『火花』(16)など、幅広いジャンルを映像化し、近年も『彼女がその名を知らない鳥たち』(17)、『サニー/32』(18)、『孤狼の血』(18)、『止められるか、俺たちを』(18)、『麻雀放浪記2020』(19)、『凪待ち』(19)など多数の作品を手掛けている。
2019年11月08日本日11月8日より、白石和彌監督による映画『ひとよ』が全国公開される。15年前。降りしきる雨の夜に、その「事件」は起きた。小さなタクシー会社を営む一家の母親が、父親を殺害したのだ。母・こはる(田中裕子)と3人の子供たちは、父親から度重なる暴力を振るわれており、子供たちを守るための苦渋の手段だった。当然のように事件はセンセーショナルに報道され、「一夜(ひとよ)」にして家族をとりまく環境は一変してしまう。そして現在、三兄妹はそれぞれの道を歩んでいた。兄の大樹(鈴木亮平)は地元の電気店、弟の雄二(佐藤健)は東京でフリーライター、そして妹の園子は地元のスナックで働いている。「ひとよ」の前に描いていた夢とは、違う環境にいる彼ら。なかでも、小説家の夢を持っていた雄二は、ままならない現状にフラストレーションを抱えていた。そんなある日、刑期が終わってからも、姿を見せなかった母が、家族のもとに帰ってきたという知らせが届くーー。佐藤健佐藤健の演じる雄二は、これまでの彼のイメージとは異なる「スレた」役どころだ。彼はこの役にどう挑んだのだろうか?「難しい役とは思いませんでした。なぜなら“意味”はわかるじゃないですか。もちろん僕には、雄二のような経験はない。だけど、もし同じ立場になったら、こういう行動をとるかもしれない、こういう言葉を母親にぶつけてしまうかもしれない……。そんな、彼のやっていることの“意味”は、理解できると思います」自分たちを救ってくれた、でも人生を大幅に変えてしまった母親に対しての複雑な想いを「よくわかる」という佐藤。彼が役を演じる上で、「意味がわかる」という点は、かなり大事にしているそうだ。「まあ、意味のわからない役が来たことはないのですが(笑)。その場合は、わかるまで努力するか、わからないまま演じるかのどちらかでしょうね。でも、“わからないもの”って、努力でどうにかなるものばかりではないし。もし、そういう役が来たら悩むだろうなと思いますね。そもそも、僕自身がそこまで変わった人間でもないので、僕がわからないということは、作品を見ているお客さんにも伝わらないんだろうし」佐藤健口元にはヒゲをたくわえ、腰回りもデスクワークの多いフリーライターらしい(?)肉付きになっており、驚く観客もいるかもしれない。佐藤自身、体格にはこだわりがあったようだ。「白石組に参加するなら、まず芝居の重心が低いというか、“線が太い”方がいいと考えたんです。体内にこびりついた汚れが滲み出てくるような雰囲気が欲しくて、それを体現しました」(佐藤)白石組への参加を、「念願かなっての出演」と嬉しそうに語る佐藤。『凶悪』(2013年)、『日本で一番悪い奴ら』(2016年)など、社会派作品の印象が強い白石監督だが、これまでに観た作品の中では『彼女がその名を知らない鳥たち』(2017年)は、「日本映画で久々に引き込まれた、こんなに騙された作品はない」と、お気に入りなのだとか。そんな思い入れの深い白石監督作品への出演だが、雄二の役については作り込んだわけではなく、撮影もフラットに挑んだようだ。「監督も色々と言葉にする方ではありませんでしたし、現場に入るまでは、どんなシーンになるのか想像のつかない状態でした。むしろそうすることで、自分のすべきことがおのずと見えてくるというか、かなり自然体でいられました」(佐藤)佐藤健本作には印象的な言葉がたくさんある。中でも、こはるが口にする「もう、自由になっていい」は、その後の兄妹にも大きな影響を与えていたように感じる。この家族にとっての「自由」を、佐藤はどう考えているのだろうか?「家族がこういう環境だったら、自然と“自分に幸せになる権利なんかない”だとか、色々なことを考えてしまうと思うんです。何か上手くいかないことがあっても“こんな家族のもとに生まれたのだから、仕方ない”みたいに思い込んでしまうというか。そういう縛りから解き放たれることが、“自由”につながるんじゃないかな。だけど、この家族はこの映画のあとも、急に自由を取り戻すわけではなく、大きくは変わらないかもしれない。雄二も年に一回くらい帰省するくらいで。それでも観てくれる人が、この家族が少しでも“自由になった”と感じてくれたら」(佐藤)佐藤健佐藤健ちなみに、佐藤自身にとって「人生が変わった一夜」はあるのだろうか?「ん~~。“スカウトしてもらった日”が、そうと言えるんですけど、昼なんですよね(笑)。その日のことはよく覚えています。高校2年のゴールデンウィークに、原宿に買い物に行った時のことですね。生まれて初めての東京で、ビクビクしながら歩いていたところ、声をかけてもらったんです。もちろんその日だけで変わったわけじゃないけれど、今思えばきっかけとしては大きな一日でした」(佐藤)そして最後に、この映画を鑑賞後、自分の家族のことにも想いを巡らせてほしいと語ってくれた。「“忙しくて最近家族と話してないな”とか、何でもいいんで、そう感じて久々に家族と連絡をとる……なんてことがあったら嬉しいですね」佐藤健撮影/奥田耕平、取材・文/藤谷千明
2019年11月08日『孤狼の血』『止められるか、俺たちを』など注目作を次々に手がける白石和彌監督の最新作『ひとよ』が、11月8日(金)より公開される。本作は『凶悪』『サニー/32』に続いて高橋泉が脚本を手がけており、これまで白石監督が描いてきたコミュニティのかたちや人との向き合い方を引き継ぎながら“血のつながった”人々のドラマを精緻に描き出している。若松プロで育った白石監督は、さまざまな個性や主張、野心、欠点を持つ者たちが集う“梁山泊的なコミュニティ”を繰り返し描いてきた。人はそれを“疑似家族”と称することもあるが、白石監督は「結果として疑似家族になっちゃった感じです」と笑う。しかし、本作『ひとよ』は自分から“家族”という題材に引き寄せられていった。「これまでちゃんとした血族は描いてこなかったので、新しいチャレンジになると思いましたし、この題材が自分を引き上げてくれるんじゃないかという期待はありましたね」物語の舞台は地方にあるタクシーの営業所。15年前、子を守るために母・こはるは暴力的な夫を殺して服役。残された3人の子供たちは母と音信不通のまま成長した。現在、長男は地元の電気店で、次男は東京でフリーライターとして、末の娘はスナックで働き、タクシー会社は親族とその仲間が引き継いでいる。そんなある日、母・こはるが予告なく帰宅する。母は子を守るために殺した。しかし、そのことで兄妹の人生は決定的に変わってしまった。母と3兄妹、そしてタクシー営業所で働く者たちの再会のドラマが描かれる。本作の原作は劇作家・桑原裕子が書いた同名戯曲で、白石監督は「家族を描きながらクライムムービーでもあるし、加害者と被害者が混同している状況で、お互いを許し合うことができるのか?という複雑な感じがユニークだと思った」と振り返る。本作は15年ぶりに帰宅した母と3兄弟を主軸に物語を描くため“疑似家族を描いてきた白石監督が、血のつながった家族を描いた”と思われがちだが、本作はそんなに単純なものではない。「この映画は家族を描いているのと同時に、タクシー会社という擬似家族を描いてもいるんですよね(笑)。そっちの方が和気あいあいといい感じに見えたりもするんです。それはすごく計算して描きました」母と3兄妹は、血のつながっていないタクシー会社の人々に囲まれて暮らしており、家族とうまく向き合えない苦しさを彼らに打ち明けたり、ぶつけることで解消しようとする。「それは脚本の段階からすごく自覚的でした。家族がぎこちないほど、相談する相手は家族ではないと思いますし」。血のつながっていない他人だから助けられることもある。何でもない相手だから心の奥が打ち明けられる。白石作品がこれまで繰り返し描いてきた状況がここでも描かれる。しかし、白石監督は「でも結局は、この家族は肝心なところでぶつかってないと思った」という。「だから、ぶつかるところからでないと物事が進まない気がすごいしたんですよ。誰かが悪いことをしたとしても、誰がやったのかちゃんと顔が見えて、その理由がわかれば、安心とは少し違うのかもしれないですけど“多少のことはお前の気持ちもわかるぜ”って感じになりますよね」。その根底には、人間が面と向かってぶつかっていないのではないかという危機感があるようだ。「目の前の人の意見よりもネットの炎上を信じたりとか……この問題は『サニー/32』で決着をつけたつもりではいたんですけど、ついてまわるものなんでしょうね。逆にいうと僕自身がネットの言葉だったり炎上に囚われつつあるのかもしれないですし……だからやっぱり人間が“衝突”する瞬間が観たいんでしょうね」だからこそ『ひとよ』は、血のつながった者たちが、血の関係はなくても同じ空間にいる者たちが、お互いを“許し合う”わけでも、何かを“解決する”わけでもなく、衝突し、クラッシュしながら相手を“受け入れる”ドラマが描かれる。それは複雑な状況だ。どちらかが勝ってスッキリするような話ではない。白石監督はその複雑さを“縮減”することなく俳優の演技を丁寧にすくい取ることで描いている。「この映画は家族の話で、自分にも家族がいて記憶や体験が自分に近いところにあるからでしょうね。ヤクザの話が得意とはいえ、実際にカチコミとか見たことないじゃないですか(笑)。そこは人の話だったり想像が占める割合が大きいんですけど、母ちゃんと話すとか、家族で食卓を囲むとかは自分も経験しているのでより具現化して作りやすかったんです。だから細かく決めて撮っていったわけじゃないんですけど、家族の距離感だったり、空気感、所作というかちょっとした動き……そういうものは気をつけて撮っていきましたし、僕の手が届いていなくて結果的にそうなっている部分もあるとは思うんですけど、ポイントになるシーンは割と細かく演出したかもしれません」白石監督はこれまでの作品で描いてきた非血縁的なコミュニティ=疑似家族の魅力を切り捨てることなく、血のつながった家族の魅力や苦しさを描こうとしている。「疑似家族って“有償の愛”なんですよね。それぞれが何かしら得をするから成立している。でも家族は得しなくても“無償の愛”を与えたいってことですよね。今の世の中だと育児放棄してしまう人とかいるので一概には言えないですけど、僕に娘ができたときに一番思ったのは、現実的には与えられないんですけど“無償の愛”を与えたいってことでした。ちょっと自分で言ってて恥ずかしいですけど(笑)。でも、それは結果として、この映画みたいに子どもの“重し”になるかもしれない。そこが家族の面倒なところで、信頼関係がなくてもそのコミュニティを壊しきれないところが苦しい。もちろん、それが子供にとって力になることもあるだろうし……」白石監督が考えては語り、語ってはまた考えるように『ひとよ』は家族の複雑さを単純化することなく描いている。人を見つめる眼差しや、善悪に対する判断、根底にある愛情はこれまでの白石作品とブレがないが、その表現の繊細さは新機軸を思わせる。「それはやっぱり映画の題材が“家族”だからでしょうね。この映画で自分の新しい扉が開いていたらいいな……と思っています(笑)」『ひとよ』11月8日(金)全国ロードショー
2019年11月07日「元彌さんは休日、羽野さんがどこに出かけるときもついていくそうです。彼女が『ほかに行くところないの?』と聞いても、『君と一緒にいるのがいちばん楽しいんだもん』と、笑って答えるとか」こう語るのは、芸能レポーターの城下尊之さん。連続テレビ小説『スカーレット』(NHK総合)で戸田恵梨香(31)演じる喜美子の下宿先の女主人・さだを演じている羽野晶紀(51)。女性下着デザイナーとしても活躍する“進歩的な働く女性”を演じるその裏で、羽野は夫・和泉元彌(45)への悩みを抱えていた。「今年に入ってから羽野さんは元彌さんの“異常な嫉妬癖”をテレビでたびたび披露しています。8月に出演したバラエティ番組では、『携帯電話のパスワードを変えると怒る』『羽野さんが握ったおにぎりを、元彌さん以外の男性は食べてはいけない』『ほかの男性をほめてはいけない』『男性の美容師や医師を指名してはいけない』といった元彌さんから課せられた数々の禁止事項について語っていました」(テレビ局関係者)羽野の知人もこう証言する。「羽野さんは『元彌さんがGPSで彼女の居場所を常に監視して、仕事場にまで現れることがある……』と怯えていました」羽野を苦しめる夫の“恐ろしい束縛指令”。その一因は羽野の本格的な“職場復帰”にあるという。「2児の子育ても一段落した羽野さんは、最近では野田秀樹さん(63)が作・演出を務める広瀬すずさん(21)主演の舞台にも出演するなど、女優業に引っぱりだこ。さらに、今回の朝ドラは大阪で撮影するために自宅を空けがち。最愛の妻と一緒にいられる時間が減ったことで、元彌さんは不安で仕方ないそうです」(前出・知人)かつては元彌の母・節子さん(77)との“嫁姑問題”が原因で別居するなど一時は離婚寸前だった羽野。熟年離婚の心配はないのだろうか……。和泉家の関係者はこう語る。「最近は息子さんが出演する和泉流の舞台を節子さんと一緒に見に行くなど、嫁姑関係は悪くないそうです。また今は節子さんと一緒に住んでいませんが、晶紀さんが手料理を持って行くこともあるそうです」前出の城下さんもこう語る。「羽野さんはこれまで家庭でどんな目にあっても、絶対に離婚はしませんでした。テレビでは悪口を言いながらも、羽野さんは元彌さんに対する深~い愛情があるのだと思います」波瀾万丈な夫婦生活も“そろりそろり”と続いていきそう!?
2019年11月06日