この2人、本当に共演し、あまつさえ劇中でバンドまで組んだ仲なのか?目の前の多部未華子と北村匠海の互いに遠慮がちな雰囲気にそんな疑いを持ってしまうが…。多部さん曰く「現場では撮影以外であまり会話してない(笑)」――!!そんな2人が初共演を果たしたのは、オリジナル版が日本でもヒットを記録した傑作コメディを、舞台を日本に置き換え、<a href="">『舞妓Haaaan!!!』</a>、<a href="">『謝罪の王様』</a>の水田伸生監督がリメイクした<a href="">『あやしい彼女』</a>である。73歳の毒舌おばあちゃん・カツ(倍賞美津子)が突然、20歳の姿を取り戻し、節子と名乗り、それが祖母とは知らない孫たちとバンドを結成し、若かりし頃の夢を追いかけはじめるのだが…。多部さんは出演が決まり、最初にオリジナル版のDVDを観たというが、一気に作品の魅力に引き込まれた。「普通に楽しんでしまいました(笑)。すごく感動して…。そこで良くも悪くもオリジナル版のイメージが付いてしまって、(日本版の)脚本を読みながら『オリジナル版だとこうなんだけどな…』と思ったり(笑)。すごく魅力的な作品でした。現場では、監督が空気を作ってくださって、沿うように現場にいる中で、自然といろんなものが生まれてきた感じでした」。北村さんは、本作でコメディ初挑戦!クールで落ち着いた雰囲気の北村さんだが、映画の中ではおバカな男子に徹し、笑いのセンスを発揮している。撮影に際して、オリジナル版に加えて水田監督の過去作品を観て、笑いの間やキャラクター性をつかもうとしたという。「勉強して臨みつつも不安はあったんですが、やってみて純粋に楽しかったですね。芝居の中で笑いを作るというのが僕自身、全く初めての経験で、分からないことだらけでしたが、初めてだからこそ、考えずにできた部分もあったと思います。またこういう作品をやりたいって思いましたね」。寂しさを抱えた老人が若さを取り戻して人生を謳歌しつつ、騒動を巻き起こし…とあらすじだけをなぞると、失礼ながら、ありがちな物語にも思えるが、さにあらず!主人公の節子はもちろん、北村さん演じる翼、音楽プロデューサー小林(要潤)、翼の母で雑誌編集長をしていたが、社の若返り方針の中で異動となった幸恵(小林聡美)など、様々な世代の登場人物たちの悩みや心情がつぶさに描かれており、思わず感情移入して引き込まれる。多部さんは「この引き出しの多さこそがこの作品の魅力」とうなずく。「コメディとしても面白く、音楽も素晴らしいですが、どの世代の方が観ても、誰かに自分を当てはめて楽しめるところがお得な映画です(笑)。お子さんがいる親の世代の方が見たら、また私たちとは違う感想を持たれると思います」。その意味で、北村さんが演じる翼は夢を追いかける10代の代表と言える。「翼は夢を追いかけたり、挫折したりしますが、10代が抱えるであろう、漠然とした悩みや将来への不安といったものと向き合います。僕自身、『DISH//』で音楽活動をしてきて、重なる部分は多かったですし、映画を観た同じ世代の人たちが、やっぱり夢をあきらめずに進もうと思ってもらえたら嬉しいですね」。冒頭「この国の女性は若さ至上主義――」とナレーションが流れるが、映画はそんな世の風潮に一撃を食らわせる!多部さんは現在27歳。年齢を重ねること、それに伴う変化が「楽しいですね」と笑みを浮かべる。「友達との会話が、10代のころとはまた全然違ってきているのが面白いなと思いますね。20代だから言えるのかもしれませんが、ポジティブに年齢を重ねているなと感じています」。北村さんが18歳だと知ると「18歳?そのころは…何考えてたかなぁ?大学に行くべきかどうか?そんな話を友達としてたかなぁ?」と少し、懐かしそうに思いを巡らせつつ、改めて“いま”の自身の置かれた状況についてこんな思いも…。「やはり、求められる役柄も立場も変わってきますが、いま、自分にできることやしなくちゃいけないと思うことは、プライベートでの経験を積み重ねて豊かにしていくこと。いろんな人と出会い、話をして吸収する――そういうことが反映されていく仕事だと思います。自分にはまだまだ、色々なことにチャレンジする柔らかいスポンジがあると思うので、まだまだ成長できる!そう考えるとやはり、楽しいです」。北村さんは、音楽活動と俳優活動を両立しながら過ごしてきたここ数年の自らについて「1年1年で変化しているのを感じる」と語る。ギターボーカルを務める「DISH//」では単独武道館公演を成功させ、俳優としても次々と話題作に出演。今年も映画だけで、本作を含めて4本が公開される。「僕自身、昔から早く大人になりたい、もっといろんなことをやれるようになりたいって思いながらやってきました。ようやく社会人として一歩を踏み出そうとしているのが、すごく嬉しいです。俳優としても、以前は子役として誰かの幼少期を演じることが多かったんですが、最近になってそれも変化してきて、少しずつかもしれませんが、自分の中で成長を感じられるのが嬉しいし、これからどんなことが待っているのか、すごく楽しみです」。現場であまり会話を交わさなかったというのは、どうやら真実らしいが…もちろん、互いについて何も思っていなかったわけではない。北村さんは「コミカルなシーンを演じながら、多部さんの笑いを作り出す間がすごく印象深くて、引っ張っていただきつつ、勝手に勉強させてもらいました」と語るが、多部さんは照れくさそうな笑みを浮かべつつ、夢と希望に満ち溢れた“孫”についてこう語る。「目の前で見ていて、可能性のある子たちってこんなにキラキラしてるんだなぁ!って圧倒されました。バンドの仲間の同世代の子たちと一緒に話したりしている姿を見ていて本当にまぶしかったです(笑)!」。(photo / text:Naoki Kurozu)
2016年04月01日4月4日よりNHK Eテレでスタートする番組『テストの花道 ニューベンゼミ』(毎週月曜 19:25~19:55)の取材会が3月31日、東京・等々力の東京都市大学等々力高等学校で行われ、TOKIOの城島茂、バカリズム、アイドルグループ・Rev.from DVLの橋本環奈が出席した。6年間にわたって放送してきた中高生向けの同番組は、10代に人気の動画と勉強法を番組内で紹介するなど内容を一新。MCには前年度の引き続いて城島茂が務めるほか、新たにバカリズムと橋本環奈が加わる。城島は「この3人の新体制のもと、40代の僕とバカリズムさんはアナログ世代、そして10代の環奈ちゃんはデジタル世代という世代の違いも見どころの一つだと思います。僕らの学生時代は動画なんて手軽に見られませんでした。そう考えると現代ならではの勉強法じゃないかと思います」とアピール。現役高校生でもある橋本は「私自身も『ニューベンゼミ』で勉強できて、受験勉強や普通の勉強につまずきそうになってもやる気が出たりと楽しく勉強できます」と身になる番組だと語りつつ、集中力を高める「2BACKTASK」というゲームにハマったようで「私に"集中力の鬼"というキャッチコピーができました。間違いがなかったので"集中力の鬼"と言わせてもらいます」と自信をのぞかせていた。その橋本は4月から高校3年生。福岡在住で仕事の度に上京するなど、勉学との両立に奮闘しているが、「私の場合は移動中に勉強をしていることが多いです。ありがたいことに友だちや先生も手伝ってくれて、友だちが授業で取ったノートを写真や動画で送ってくれたり、学校に行けた時は先生に放課後教えてもらったりしています」と独自の勉強法を告白。そんな橋本がクラスに居たらどうする? という質問に城島は「同級生にいたらすごいですよね。(城島の出身地でもある)奈良にそういう子がいたら、みんな好きになりますよ」と褒め、バカリズムも「同じクラスに居たらどういう感覚になるんですかね。ずっと見ていると思いますよ」と話していた。
2016年04月01日社会人が大学時代を振り返るってみると、「あの頃は楽しかったな」「大学時代は自由だったな」といった思いが湧きあがる人も多いはず。そこで、そんな大学時代を振り返った社会人のコメントを元に、大学時代だからこそできた「社会人の今ではできないこと」をいくつかピックアップしてみました。■長い夏休みを使った「思い切った旅」時間の制約が、ある意味ないのが大学生の特権です。「シーズンオフの時期に安い旅費で旅行に行けることができた。飛行機だと少し時期をずらしただけで格段に値段も下がるし、比較的チケットも容易にとれる」(メーカー/27歳/女性)「夏休みや春休みは、お金はなくても日にちはたくさんあるので、青春18きっぷを使って鈍行列車で帰省することもあった。今でもやりたいと思うこともあるけど、なかなかまとまった時間も取れないし難しいと思う」(建設/24歳/男性)その一方で、逆に社会人になると収入は増えるので、お土産や旅先でちょっとぜいたくするようになる、といった声も。上手く連休シーズンと自身の有休を使って、少し長めの休日を取得している社会人もちらほら。とはいえシーズンオフの空いた観光地や、未開の地に行ったりできる時間が十分にとれるのは学生のうちだけなのかもしれません。大人になるとなかなかできませんが、学生時代の貧乏旅行はとても記憶に強烈に残るもののようです。■体力があるうちに「無意味な無茶」「自分がお酒をどの程度飲めるのか、部屋で一人で限界に挑戦したものの、ひとりで飲んでいて本当に限界まで飲んだらしく、結局よく覚えていない」(教育/26歳/男性)「連日深夜バイトや飲み会で、少しばっかり寝なくて今ほど疲れはなかった気がする。今は仕事でちょっと遅くなっただけでも、翌日ぐったりしてしまう。休みの日に一日寝るなんて昔は考えられなかったけど、最近その言葉がわかるようになってきた」(印刷/25歳/女性)ほかの人に迷惑をかけない程度であれば、多少無茶なことであっても時間を費やせることができるのも大学生の特権。コメントであげたもののほかにも、自分が興味のある分野をとことん極めたり、新たな趣味を発見することができるのもこの時期ではないでしょうか。体力的にもフル稼働しても、すぐ体力が回復できるのも大学生時代の年齢なのかもしれません。■意外に(?)「勉強」という声も「資格取得のために図書館や自習室を使って勉強していた時期があった。社会人になっても集中して時間が取れるのは作れば可能だけれど、それでも学生時代に比べると制約が出てくる。やっぱり勉強できる時間が一番取れるのはやっぱり学生時代だからこそ!」(金融/24歳/女性)「レポート課題をまとめて徹夜で作成した時期もあり苦しかったけれど、それが終わるととてつもなくすがすがしい気分になりました。今思えば学生だからこそ味わえる感覚なのかも知れない」(人材/28歳/男性)なんといっても学生の本分は学業。自由でプライベートな時間もたくさんあるけれど、その時間を自分のキャリアや将来の投資に使えることも、学ぶ場である大学時代だからこそ可能だといえるでしょう。お金はあるけど時間がないのが社会人、時間はあるけどお金がないのが大学生。現在キャンパスライフを楽しんでいる大学生は、これを参考に悔いのないキャンパスライフを!そして既に社会人になってしまったあなたは、そんな思いを振り返りつつ、お金と時間をうまく使って、日々の楽しみを作っていきましょう。
2016年04月01日スマートフォンの出荷台数がPCを上回る現代において、PC向けソフトウェアに加え、iOS/Androiアプリへの対応も急務だと思います。この連載では、数回にわたり、Xamarin(ザマリン)について今のウチに抑えておきたいアレコレをご紹介します。Xamarinとは、米Xamarinが開発する.NET Framework(主にC#)を使用してiOS/Android/Mac/UWP/Windows 8.1/Windows Phoneの「ネイティブアプリ」を開発できるクロスプラットフォーム開発環境です。また、.NET開発者が使い慣れているMicrosoft Visual Studio用アドインも用意されているため、今までのノウハウがアプリ開発にも生かせるのではないでしょうか。さらに、2016年2月25日には、MicrosoftのXamarin買収計画が発表され、一躍、Xamarinが注目を浴びるようになりました。(Xamarin CEOであるNat氏のブログエントリによれば"Microsoft has signed a definitive agreement to acquire Xamarin"であり、「買収に合意した」が正しい表現かと思います)スマートフォン利用がデフォルトになった現在において、「モバイル ファースト、クラウド ファースト」を掲げるMicrosoftが、自社の技術と非常に親和性の高いXamarinを買収するのも当然の流れかと思います。クロスプラットフォーム開発といえば、古くはJavaで言われていたように「Write Once, Run Anywhere(一度プログラムを書けば、どこでも実行できる)」といった需要が高いと考えられます。きっと、ユーザ企業も多くのプラットフォームに少ない工数で安くリリースできる方が嬉しいでしょう。実際には、フレデリック・ブルックス氏の論文にあるように「No Sliver Bullet」(銀の弾などない:ソフトウェア工学の著名な論文で『ソフトウェア開発の生産性を劇的に向上させる魔法(手法)など存在しない』といった意味)ではあるのですが、モバイル向けにおけるクロスプラットフォーム開発環境の需要は年々高まっています。近年の代表的なクロスプラットフォーム開発環境としては以下のものが挙げられます(このほかにもさまざまなものがあります)。()内は開発言語です。Xamarin (C#)Cordova (HTML5/JavaScript)React Native (JavaScript)Unity (C#/JavaScript)Cocos2d-x (C++)RAD Studio (Delphi/C++)Cordovaは非常に強力なHTML5/JS(JavaScript)を使用したハイブリッドアプリ開発ツールで、iOS/Android/Windows/Ubuntu/Blackberryなどに対応しています。日本ではMonacaがCordovaで動作するフレームワークとして有名です。React NativeはFacebookが公開したOSS(Open Source Software)で、iOS版に加え2015年9月にAndroid版をリリースし、注目が集まっています。Unityはゲーム向けのエンジンだけあって、iOS/Android/Wndows/Mac OS X/Linuxなどの主要なプラットフォームだけでなく、PlayStation 4やXbox One、Wii Uなどのさまざまなゲームプラットフォームに対応しています。○Xamarinの特徴とは今回紹介するXamarin開発環境として、Windows、Mac OS Xを使用できますが、作成できるアプリに違いがあります。以下の図を参照してください。iOS/Androidを中心とする場合はMac OS X、UWPなどWindowsアプリも対象に含めるならWindowsでの開発が良いでしょう。Xamarinには、以下の大きな4つの特長があります。新しく洗練された言語の1つ、C#で記述できるネイティブのUIとパフォーマンスを持つ、フルネイティブアプリが作れるC#から呼び出せるように薄くラップされたAPIが提供されており、APIを100%使える.NETのコードを共通化できるこれらの特長を図で表すと次のようになります。○Xamarin ネイティブこれはXamarinネイティブと呼ばれる開発手法で、大前提として記述する言語はC#のみです。ビルドするとiOSはipa、Androidはapk、Windowsはappx(またはexe)のファイルが生成され、ネイティブのコントロールを100%利用できるネイティブアプリとして動作します。共通化できるのは、各プラットフォーム用のMono Runtimeで動作するBCL(Base Class Library)と呼ばれる.NETの基礎クラスで、主にアプリケーションのロジック部分が該当します。例えば、「WebサービスのAPIにアクセスしてJsonデータを取得してパースして格納する」というような処理は、SwiftではAlamofireとSwiftyJSONを使用するかもしれません。Android JavaではvolleyとGSONを使用するかもしれません。このようなロジック部分の処理は、ほぼ.NETで記述できます。標準の Microsoft.Net.Http でhttp通信をし、Json.NETというライブラリでパースしたりできます。このように、ロジック部分の処理を.NETで記述することで、各プラットフォーム固有の処理を減らし、共通化の割合を高めていくと4割~7割ほどを共通化できるとされています。また、各プラットフォームで実装が異なる各種センサへのアクセスなども、Xamarin対応の共通化ライブラリが数多く出てきており、共通コード内で記述できるようになってきています。Xamarinネイティブでは、UIは各プラットフォーム標準のStoryboard(iOS/Mac)、xml(Android)を使用します。そのため、ユーザが違和感なく操作できるアプリを作成できます。以下はVisual Studio 2015で左からWindows Phone/iOS/AndroidのUIを編集している画面です。○Xamarin.Formsまた、UIを共通コードで書けるXamarin.Formsというライブラリもリリースされています。Xamarin.Formsでは、ロジック部分を共通化できる特長をそのままに、UIをXAMLまたはC#で記述できます。現時点では残念ながらデザイナがありませんので、直接コードで記述する必要がありますが、Visual Studio、Xamarin Studioのコード補完機能を活用すればそのうち苦ではなくなるかもしれません!Xamarin.FormsではiOS/Android/UWP/Windows Store/Windows Phoneの開発に対応しており、シンプルなUIやモックアプリ、低予算なアプリであればすぐに作成することも可能です。Xamarinネイティブよりもできることに制限はありますが、通常のアプリ開発でも十分に対応可能です。Xamarin.Formsもビルド時に各プラットフォームのネイティブコントロールにマップされるため、ユーザ体験が損なわれることはありません。以下の例では、TabView内にマップが表示されていますが、iOSでは画面下にタブがありMKMapViewが使用されています。Androidでは画面上にタブがありGoogle Mapが使用されています。Windows Phoneでは画面上にCarouselPageがありHereMap使用されています。○まとめXamarinはC#を使ってiOS/Androidをはじめとする各種プラットフォームのフルネイティブのアプリが作成できる開発環境です。C#をやっていてモバイルもやってみたい開発者の方、iOS/Androidどちらかをやっていて、もう片方もやらなければなぁと考えている方、iOS/Android両方を開発していて、同じ処理を別の言語で記述する大変さを知っている方などは、ぜひMicrosoftとの買収合意によって注目を浴びる今こそXamarinを始めてみてはいかがでしょうか。次回からは簡単なサンプルアプリの作成を通じて、具体的なXamarinネイティブ、Xamarin.Formsの開発手法を紹介していきたいと思います。筆者が主催しているユーザグループ、Japan Xamarin User Groupのページには各種情報へのリンクを記載しています。是非ご覧ください。facebookグループへの参加もお待ちしています。○執筆者紹介Japan Xamarin User Group 田淵義人(たぶち・よしと)エクセルソフトにてXamarinをはじめ主に開発者向けのソフトウェアのセールスを担当しています。技術者と話が出来ないと楽しくない!より深く繋がりたいとの思いから、Xamarinを触りながらC#を勉強し「IT勉強会検索」のアプリをリリースしたり、Xamarinの勉強会を開催してほしいとの要望を受け、Japan Xamarin User Groupを主催し、各所で勉強会を開催していたりします。現在はMicrosoft MVPになるべく奮闘中です。Twitterアカウントは@ytabuchi
2016年03月30日-------------------------------------------大学1年生のみなさん! 「大学デビューのホントのところ」、知りたくないですか? 本連載は、かつて大学デビューに半分成功・半分失敗したトミヤマユキコ(ライター・大学講師)と清田隆之(恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表)が、過去の失敗を踏まえ、時に己の黒歴史を披露しながら、辛く苦しい学生生活を送らないためのちょっとした知恵をお授けする。そんな連載です。-------------------------------------------○最終回を前に、すでに泣きそうになってますさて、早いもので3月……というかもう4月目前です。コラムというのは書き出しが最も難しいところなのですが、私はこの連載を「もう○月だよ! 早いよ!」というパターン一辺倒で乗り切ってきました。そんな『大学デビューの落とし穴』もこれが最終回。もう1年経ったのかよ! マジで早すぎて怖えよ……。私は今、連載のラストをどんな原稿にするか模索するため、過去の全23回をすべて読み返してきました。そしてちょっと泣きそうになっているところです。大学とは基本的に放任主義の場所であり、誰も何も言ってくれない。そういう環境では、閉じた人間関係の中に引きこもったり、マニュアルを提供してくれる何かに飛びつきたくなったりするのも致し方ない。しかし、「自分と向き合う時間がたっぷりある」というのが大学生の特権であり、恐れずトライアンドエラーを繰り返してみよう(もちろん上手なリスクヘッジも忘れずに)!……というようなメッセージを、我々はここで大学生たちに送ってきたつもりです。手前味噌で恐縮ですが、地味ながらもなかなか素敵なアドバイスではないかと思います。○本当に散々だった私の大学デビューそしてトミヤマさんは前回、「学生の心をケアすることも大学教員の大事な仕事になっている」という近年の傾向を紹介しながら、「失敗しない方法を考えているヒマがあったら、失敗をリカバーする技術を磨いた方がよっぽどいい」と述べました。こんな先輩、俺も大学時代にマジで欲しかったよ……と、ここでちょっぴり涙腺が崩壊しかけたわけです。思えば、私の大学デビューは本当に散々なものでした。中高一貫の男子校に通い、大学受験に失敗。そして浪人時代は毎日朝6時から夜12時まで必死に勉強し、念願の大学にめでたく入学。ここから華やかなキャンパスライフが始まるかと思いきや……待っていたのは敗北感と焦燥感に充ち満ちた日々でした。授業にマジでついて行けない、クラスは女子ばかりで何をしゃべっていいかわからない、知らない人が怖くて新歓コンパに参加できない、だからどのサークルにも入れない、友達が全然できない、金がない、やることがない、コネもセンスも才能もない、ないないない、何にもない……。そして5月の誕生日に、高校時代から2年間つき合ってきた彼女にフラれました。○大学は"いること"をただただ許してくれるしかし、大学というのはとにかく"包容力"のハンパない場所でした。スタートダッシュにつまずいてふて腐れてる私になぞ一切の関心も示さず、図書館で一日中スヤスヤ寝てても、キャンパスのベンチでずっとマンガを読んでても、中高時代の友達を呼んで食堂でダベっていても、一向にお構いなし。こんなことが許されるのって、実は人生の中で大学だけなんじゃないかと思います。中学や高校だと先生に叱られるはずだし、実家じゃ親に心配されるし、会社だったら即効クビになるでしょう。しかし大学だけは、私たちのことを子ども扱いも大人扱いもせず、"いること"をただただ許してくれる。こんな場所、よく考えたら大学以外になかなか見当たりません。私は現在フリーランスの文筆業者ですが、近所の公園で日中ぼけーっと座ってるだけで子連れのママさんたちにビンビン警戒されてしまいます。ああ、何も問わず存在を許容してくれた大学の包容力が恋しい……。○社会は結構"穴だらけ"なところだ!ともあれ、あのころ大学が懐深く放置してくれたことは、その後の人生で決定的に役立っているような気がしています。なぜなら、「素材と環境だけ与えてやるからあとはお前の好きなようにやれ」「困ったら言え。少しは手を貸してやるから」という大学の態度は、実は「社会」そのものだからです。これは大人になって実感していることですが、社会というのはさほど精密にできていません。むしろ結構"穴だらけ"です。学校みたいに厳しい規則があるわけじゃないし、受験勉強のように努力と結果が直結するわけでもない。そもそも何をすれば幸せに生きられるのか、誰も教えてはくれません。社会が提供してくれるインフラやシステムを適当に活用しながら、自分なりに生きていくしかない。ルールは「税金を納める」「罪を犯さない」くらいのもんです。もしかしたら、社会というのは大学以上に放任主義な場所かもしれない。そんな社会を生きる上で役に立っているのが、大学時代のトライアンドエラーです。○人生は何でもあり。だから焦るべからず!はっきり言って、大人になったってトライアンドエラーの連続です。会社に入ったって結婚したってTOEICで高得点取ったって「人生これで安泰!」となるわけではありません。トミヤマさんも「大学が就職予備校化している」と書いていましたが、「社会人に求められる能力を大学生の内から身につけておき、即戦力な人材になってなるべくいい企業に就職しよう!」という風潮がかつてないくらい強まっていることは確かでしょう。そんな中で、一回の失敗を"致命傷"と捉え、だらだら過ごすことやくよくよ悩むことを"時間の無駄"と考えてしまう感性が育ってしまうのも、無理はない話だと思います。でも、社会は案外テキトーだし、人生は思いのほか長い。そんな毎日をたくましく生き抜いていくためにも、大学という懐の深い場所に抱かれながら、ぜひトライアンドエラーする力を磨いていってください。変な自己啓発ブロガーに煽られ、「人脈広げなきゃ!」「コミュ力上げなきゃ!」「英語勉強しなきゃ!」「留学しなきゃ!」「フォロワー増やさなきゃ!」「セルフブランディングしなきゃ!」などと焦る必要はありません。何を言いたいんだかわからなくなってきましたが、要するに「人生は結構何でもあり」ということを伝えたかったわけです。それを知り、少しでも肩の力を抜いてもらえたらなと思います。互いにがんばっていきましょう。一年間どうもありがとうございました\(^o^)/清田隆之/桃山商事1980年、東京生まれ。失恋ホスト、恋のお悩み相談、恋愛コラムの執筆など、何でも手がける"恋バナ収集ユニット"「桃山商事」代表。男女のすれ違いを考えるPodcast番組『二軍ラジオ』を更新中。雑誌『精神看護』やウェブメディア「日経ウーマンオンライン」「messy」などでコラムを連載。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)がある。Twitter @momoyama_radioトミヤマユキコライター・大学講師。「週刊朝日」「文學界」でブックレビュー、「ESSE」「タバブックス」でコミックレビューの連載を持つライター。早稲田大学などでサブカルチャー関連講義を担当する研究者としての顔も持っている。「パンケーキは肉だ」を合い言葉に、年間200食を食べ歩き『パンケーキ・ノート』(リトルモア)にまとめた。Twitter @tomicatomica
2016年03月30日ネイティブが日本語検定?!四月、新入社員が入ってくる季節ですね。ANGIE世代にとってはすでにジェネレーションギャップを感じる若者たちでは?“ゆとり”“さとり”と呼ばれる彼らの言動に目が点になるなんてことも!特に彼らが話す言葉に「これは日本語なのか?」と思ったこともあるでしょう。それは日常生活だけでなく、ビジネスのシーンでも飛び出し、上司・先輩はハラハラしっぱなし。そのため、新人研修の一環として「日本語能力検定試験」を受けさせる会社もあるのだとか。そもそも日本語を勉強しているノンネイティブ向けの試験を、ネイティブが受けるなんて・・・。それでも日本の大学入学に必須の1級は、漢字2,000字程度(常用漢字は2,136字)、語彙10,000語程度の習得が前提となっていて、なかなか侮れないかもしれません。新人を笑っている場合ではない?新入社員たちを「本当に今の若い子は・・・」と笑っている場合ではありません。言葉の乱れや、語彙力のなさはANGIE世代でも言われていること。普段、雑誌やweb、ブログなどを読んでいても「この人はとても綺麗な文章を書くな」とか、話していて「この人の話は心地良いな」と思う人は少ないのでは?でも、少ないからこそ表現豊かな人って魅力的ですよね。日本語といえばこの人!と言っても過言ではない斎藤孝先生も『語彙力こそが教養である』(角川新書)なる本まで出版されています。言い換えれば「語彙力がない=教養がない」と思われてしまうってこと!グローバルだ!英語だ!というのもわかりますが、まずは足元の日本語語彙力を高め、知的で魅力的な女性のイメージを手に入れてみては?まずは自分のレベルを知る!いろいろ語彙力を試すサイトやアプリがありますが、私が試してみたのは、時事語彙も含まれているその名も「語彙・読解力検定」。「チャレンジ!ミニ検定」という短時間で自分のレベルを試せるコンテンツがあります。まずは、社会人であることを選んでテストスタート。辞書語彙、時事語彙、読解と全9問の設問に答えていきます。文章を書くことを生業としている限りは、無残な結果は残せません!が!なんと!・・・2級レベル・・・。ギャー!これはマジでやばいです。語彙力、真剣につけなくては!とはいえ、1級の問題例を見てみると「こんなの日常生活で絶対使わない!」といったものも。ということで、日常で使えて表現力豊かに、魅了的な女性になれる勉強法をいろいろ調べてみました。【使える】語彙力をつけ、表現力豊かになるおすすめ勉強法1.本を読む王道はやはり、語彙力について書かれた書籍を読んでみることでしょう。まずは前述の斎藤孝先生による『語彙力こそが教養である』(角川新書)。こちらは、語彙そのものよりも「どのように語彙力を伸ばすのか?」について学べます。次に、大人が使えると素敵な語彙が詰まっている『その「ひと言」で試される! できる大人の日本語大全 (できる大人の大全シリーズ)』(青春出版社)。誤用の多い表現などもあり、「ずっと勘違いしていた!」表現が必ずあるはず。そして、日本人として使えるとぐっと「美しい」会話に聞こえる大和言葉。どんどん使われなくなっている表現も多いですが、残していきたい表現でもあります。さりげなく会話に入っていると聞いている人はなんだかホッとするのでは。斎藤先生も大和言葉についての書籍を出版していますが、オススメは『日本の大和言葉を美しく話すーこころが通じる和の表現』(高橋こうじ著:東邦出版)。挿絵もほっこりした雰囲気で「日本語っていいな〜」と思いますよ。2.アプリでドリル知識として頭に入れても、覚えているか?使えるか?を試さないと身にはつきませんよね。わざわざ座学で復習するのもいいけど、通勤時間など空き時間を使って効率良く勉強するならアプリがオススメ。おさらいの意味で高校生向けくらいがグッド。(ちなみに前述の語彙検定2級は高校卒業レベル)。なかでも、必須語彙からおさらいできる高校生向けの進研ゼミプラス「サクッと現代文語彙」が使えます!受講者のみが使えるアプリですが、これを機に語彙や国語以外も高校レベルから勉強するのもいいかもしれませんね。3.人に教わる知識も身についた!となったら、実践です。会社の同僚や友達との会話、取引先との打ち合わせなどで意識して使ってみましょう。「なんか、話し方が変わったね」と言われたらしめたもの。そして、もう一段階上を目指すなら話し方教室に通うという手もあります。現役アナウンサーが講師だったり、ミス・ユニバースへの話し方指導を行っていたりと、さまざまな特色をもった教室がありますよ。検索してみるとたくさん出てくるので、お近くの教室でまずは体験してはいかがでしょうか?新しい期になって「よし!何か始めるぞ!」というあなた。会話美人を目指して改めて日本語を学ぶ。オススメです!
2016年03月29日春は別れと出会いの季節ですよね。第一印象ももちろん大切ですが、ふとしたときに気づく女子の魅力に男子は弱いんです。そこで今回は、春から大学生になる人はもちろん、春から新学年を迎える女子大生が持っていたら「おっ」と好感度が上がる持ち物をご紹介します。■1.ホッチキス・テープ糊などの文房具「大学はレポートや書類の提出が多くて、普段持ち歩いてない文房具が必要になる。困っているときにサッと貸してくれると、好感度がぐんと上がる」(20歳/学生)大学生はとにかくレポートの提出が多いですよね。中にはぎりぎりに仕上げて、出す直前に「しまった!ホッチキスがない!」なんて事態に陥ることも。単位がかかっている緊急事態に周囲が持っていないような文房具を貸せたら、勉強ができて気が利くアピールになります。貸し借りをしているうちに仲良くなって・・・なんてことも期待できちゃいますね。■2.ソーイングセット「洋服のほつれや取れかけのボタンに気が付いて、それを手持ちのソーイングセットで直してくれたら、即惚れる!」(21歳/学生)これは大学生に限ったことじゃないかもしれません。裁縫ができるのは、料理ができることに並んでデキる女の条件に必ずラインクインします。ほつれや取れかけのボタンに気づいて、さらにそれを直してくれちゃうなんて、俺に気があるのかも?と思っちゃいますよね。さらに真剣な眼差しで自分の洋服を手慣れた手つきで縫うなんて、男子からしたら堪らないシチュエーションです。ただし、ここで裁縫がド下手だったりすると一気に笑いものになってしまうので注意してくださいね。■3.持ち歩き用充電器「大学生になってから、スマホの充電があっとゆう間になくなる。充電できる場所も多いけど、いざってときにないと困るから貸してくれるとすごい助かる」(19歳/学生)今や大学生活における履修登録や授業のレジュメすらスマートフォンで見たり行ったりできる時代。大学の講義の最中にいじっているなんて人も少なくありません。就職活動の時期に入ると、スマホはさらに酷使されます。企業とのやり取りでメールを使ったり、企業研究をしたりと、半日も充電が持たない人も多いのでは?最近ではカフェやファストフード店などにも多くコンセントがありますが、やはり重宝されるのは持ち運び用の充電器。現在は大容量・急速充電など1台で何度も充電ができたり、充電速度の速い優れものも登場しているので、自分が使うためにも持っておいて損はないかもしれません。さらに、何種類かのスマートフォンに対応した変換アダプタなんかもあるので、これさえ持っておけば完璧ですね。■4.アメやガムなどのちょっとしたお菓子「大学はやっぱり専門的な勉強だから難しい。長い授業で疲れてる時に、アメなんかをころっと1つくれたら、キュンとときめいちゃうかも」(20歳/学生)これはなんともあざとい手段かもしれませんが、やっぱり甘いもので釣るのは鉄板なんですね。アメなんかを常にもっているのもかわいらしいですし、個包装になっているものであればすぐに食べなくてもいいので、好きなときに食べられます。たまに手作りのお菓子なんかを作っていったら、さらに好感度アップできるかもしれませんね。■おわりに自分が貸してもらったり貰ったりしなくても、男子は意外と女子の持ち物を見ているものです。いれといたほうがいいかも・・・と思うものはあったら好感度アップになりますが、ハンカチやティッシュなどの必需品がないと一気に好感度ダウンに繋がりますので、気を付けましょうね。(桃花/ライター)(ハウコレ編集部)(平尾優美花/モデル)(柳内良仁/カメラマン)
2016年03月29日働く女性に多いのが、人に頼むことができずになんでも自分でやってしまう甘え下手タイプ。自分が甘えられない分、周囲の力を借りて要領良く世の中を渡っていく人が羨ましくもあり……。コミュニケーションのエキスパートはこう言います。「お願い事ができない人は一見謙虚に見えますが、実は誰かのために動いていない人なのでは?何かをしてあげる喜びや達成感を知っていれば、頼まれるのは決して嫌なことではないとわかるはず。嫌なことではないとわかるはず。こういうタイプこそ、頼んだり頼まれたりを通じて人との関わりを増やしていく必要があると思います」(コミュニケーション研究家・藤田尚弓さん)「頼み事をすると、相手もこちらに対して頼みやすくなるんです。おねだり上手になることで、人間関係を構築するのも上手になりますよ」(心理学者・晴香葉子さん)持ちつ持たれつのコミュニケーションツールだと思えば、頼み事も意外とすんなり言えるはず。ただし、おねだりする際の姿勢や伝え方には注意すべき点が。「相手を思い通りに動かすのは無理なこと。こちらのニーズは伝えつつ、『難しければ大丈夫』と相手に断る余地を残してあげることが基本です。そして、こちらがしたいことをそのまま伝えるのは子供のやり方。例えば食事に連れていってほしい場合、『○○に行きたい』と直截的に頼むのではなく、『食べたいものある?』と聞いてから『おいしいお店知ってるよ』と提案を。それが相手にとってもプラスなことであるかのように伝えることも重要なポイントです」(ニッポン放送アナウンサー・吉田尚記さん)手を嫌な気持ちにさせずに希望を叶えてもらうには、どう頼むのが効果的?ここでは、お願い別に有効なフレーズをご用意。甘え下手な女性は必見です!■気になる男性に「ごはんに連れていって!」を伝えたい→「今の大変な勉強(仕事)終わったら連れてって!」「おすすめなのは、仕事や勉強を頑張ったご褒美として食事をおねだりする方法。実際は彼に関係のないことでも達成感を共有することで二人の関係がポジティブなものに感じられますし、“いいことをしてあげた”という彼の中の自尊心をくすぐる効果も。口実が見つからなければ『1kg痩せたら』でもOK。自分で何か頑張ることを見つけて、『プチ打ち上げ』を提案しましょう」(晴香さん)■女友達に「あなたの着てる服をマネしたい」を伝えたい→「あなただから似合うんだと思うんだけど…」「マネされるのを嫌がる女性の場合、相手をホメて自尊心をくすぐると承認が得やすくなります。『会社では着ないようにするね』など、相手が許せる境界線をルール化しておくといいでしょう」(晴香さん)。「ここで重要なのは言葉の選び方。『○○ちゃんみたいな着こなしができるようになりたいな』と、アイテムの可愛さではなく友人のセンスを評価するのがポイントです」(藤田さん)■同僚に「体調が悪いので仕事を代わってもらいたい」を伝えたい→「仕事で体調を理由にしちゃいけないと思うんだけど…」「最初に上記のように伝え、相手の気持ちを汲んでいる姿勢を見せましょう。さらに『あなたも辛い時があったら言ってね』と協力し合う関係を強調して」(晴香さん)。「『難しかったら大丈夫』という一言を添えることが相手の心をほぐすコツです」(吉田さん)。「代わってもらえた場合は、『○○さんのような方だったら安心してお願いできます』と大げさなくらい感謝しておくこと」(藤田さん)◇よしだ・ひさのりニッポン放送アナウンサー。ラジオのレギュラー番組他、イベント司会でも引っ張りだこ。著書に『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』など。◇はるか・ようこ心理学者、作家。豊富な知識をもとに、心理コンサルタントとして執筆、講演活動を行う。『言葉って不思議だと思いませんか?』など著書多数。◇ふじた・なおみコミュニケーション研究家。警察署勤務や銀座ホステスなど異色の経歴を持つ。現在はコミュニケーションデザインが専門。執筆や講演にて活躍。※『anan』2016年3月30日号より。イラスト・死後くん文・真島絵麻里
2016年03月28日いつの頃からか、就職に有利という理由だけで、いくつもの資格を持っている女子が増えました。秘書検定*級とか、カラーコーディネーターの資格とか、そういう資格を持っている女子も多いかと思います。そういう方には、少々失礼な話かもしれませんが、今回は、「意味のない趣味」と「意味のない資格」があなたをモテから遠ざけているということについてお話したいと思います。■男が見抜いていることネット上の恋愛コラムで「男子にモテる女子の特徴」というようなタイトルのコラムがあると、そこにかならずといっていいほど登場しているのが「笑顔がステキな女子」です。笑うと最高の笑顔になる女子・・・・・・こういう女子は、たいてい意味のない資格をとろうと頑張っていないし、意味のない趣味に興じていることもないものです。意味のない趣味というのは、テニスをやっていたらなんとなくモテそうな気がするからテニス「でも」やろうかな・・・・・・というかんじの打算的な趣味のことです。*つまり「**のために」がんばって資格の勉強をするとか、趣味をやるという女子の、(好意的に言うところの)頭の回転の良さを警戒する男って、たくさんいるということです。■サッカーはあまり好きではないけれど男だってもちろん打算的に考えて資格の勉強をしていたり趣味を持っていたりします。サッカーがあまり好きではないけど、いちおうサッカーが好きなことにしておこうか・・・・・・そのほうが女子ウケがいいから・・・・・・というような男子、いますよね。それに今の時代は、会社が定年まで面倒をみてくれるなんて発想を持たないひとのほうが一般的でしょうから、2つや3つの資格くらい持っておいたほうがなにかといいと考えて「ふつう」でしょう。*でも、ことモテるかどうか、という話になると、打算は邪魔になったりもします。最高の笑顔というのは、打算とは程遠いものですよね。だからふだんから打算で生きていると、どうしても最高の笑顔をつくることができなくて、結果としてモテないということになったりもするでしょう。*今の時代、だれもが、みんなの顔色やみんながやることを人知れず観察して、みんなとおなじようにしないといけないのかな、と考えているひとがたくさんいると思います。そういう傾向は、年々強くなっているように感じます。でも、みんなはこうしているけど、わたしはああいうふうには生きない、というような覚悟が、その人に最高の笑顔を運んできます。*ちょっとばかり他人とちがった生き方をするのはしんどいものですが、しんどいのも一瞬です。男子が女子の最高の笑顔に惚れるというのは、その女子ならではのものにインスパイアされたということです。それは意味のない趣味や資格と180度ちがう世界に生きている女子への賞賛だろうと思います。恋の素晴らしさって、そういうところにあるのではないでしょうか。(ひとみしょう/ライター)(ハウコレ編集部)(中島健/モデル)(柳内良仁/カメラマン)
2016年03月27日ドリルだけやっていても前頭前野は発達しない、キーポイントは「遊び」 前編 でもご紹介したように、たしかにドリル的な勉強は、子どもの脳の前頭前野を活性化させてくれます。でも、ただひたすらドリル学習をしていけば前頭前野がぐんぐんと発達していくかというと、それは違います。ポイントとして押さえておきたいことは「遊び」です。このことは、運動になぞらえて考えてみるとよくわかります。筋肉は、一定の負荷をかけた後、適宜休ませることで、負荷をかける前よりも筋肉が強くなるということが知られています。ですから、運動をするときにはずっと動き続けているのではなく、適当に休憩を取り入れているのです。考えてみれば脳だって体の一部分です。ですから、基本的には運動をするときと同じように訓練していけばよいのです。つまり、「遊び」を適宜取り入れながらやっていくということ。前頭前野を鍛えるためにドリル学習などの勉強をしますね。そうしたら、少し前頭前野が休まるような行動を取り入れればよいのです。ゲームは決して悪者じゃない、バランスよくやれば味方になる前回、「テレビゲームは頭を使うようでいて、前頭前野を働かせるような効果はあまりない」という研究報告があるとお伝えしました。何かと悪者になりがちなゲームですが、前頭前野を働かせる効果がない分、勉強の合間の遊びとしては適しているのです。ほかにも、漫画を読むこと、テレビを見ることなどもよいでしょう。これらも子どもに好かれることでありつつ、前頭前野を成長させる刺激にはあまりならないものだからです。でも、「今まで『テレビばっかり見てないで!』『またゲームしているの!?』と怒ってきたけど、やらせていいのね。楽になったわ~」なんて言わないでくださいね。子どもたちがこれらの前頭前野をあまり使わない遊びに夢中になり、他のことが手につかないということは、非常によくあることですよね? 子どもたちが自らを律して勉強と遊びを両立するのは難しいのです。つまりは、親のほうで勉強と遊びのバランスをとるように誘導してあげなければならないということです。たとえば、30分間勉強を頑張ったら、その後10分間はテレビや漫画・ゲームOKとする、とか。こうすることで、子どもが勉強の中に効果的に遊びを組み込んでいけるよう、引っ張っていってあげるのです。もちろん、子どもが中学生や高校生になってまでやってあげなければならないこととは言いませんが、少なくとも小学校低学年くらいまでは必要です。親が子どもの勉強にリズムを作ってあげることで、いつかは親に言われなくても、上手に勉強と遊びのバランスがとれた方法を実践していくことができるでしょう。
2016年03月27日「うちの子は遊んでばかりで全然勉強しないのよ…」そんな悩みはよく聞かれます。確かに遊んでばかりでは脳を鍛えることはできませんが、だからと言って勉強ばかりしていても効果的なやり方とは言えません。勉強と遊び、その取り入れ方をどう考えていけばよいのでしょうか。頭の良い子が育つのは遺伝ではなく環境よく、「あそこのうちは、両親がいい大学を出ているから、子どもも賢いのよね」なんていう話を聞きませんか? 勉強ができるかどうかは、遺伝性があるのでしょうか。答えはノーです。頭の良い子を育てるのは、生まれてからの環境や教育でしかありません。では、わが子を賢く育てたいと思ったら、親はどのような働きかけをしたらよいのでしょう。それは、子どもの脳の前頭前野と呼ばれる部分を訓練してあげることです。前頭前野が反応するという程度ではなく、活動的になるように行動させましょう。子どもたちの大好きなテレビゲーム。やっているときの子どもたちは頭脳を使い、非常に集中しているように見えますが、前頭前野の働きを調べてみると、ゲーム中の前頭前野はほぼ100%活動していなかったという研究報告があります。つまり、賢い脳を育てるための手段として、テレビゲームは適切とは考えにくいと言えます(無論すべてのゲームを調べたわけではないでしょうから、ゲームがすべてダメというわけではなく、ゲームによってケースバイケースではあるかと思います)。前頭前野を訓練するのは音読や計算問題では、前頭前野を訓練するには、どのような活動が適しているのでしょう。友だち同士での(テレビゲームではない)遊びを通しても、前頭前野を活動させることができるのですが、ほかにも前頭前野にとって良いと言えるものがあります。それは、音読や計算問題といったドリル勉強です。学校などの集団の中に、落ち着いて活動に取り組めない子どもがいます。授業中立ち歩いたり、静かに話を聞けなかったり…。このように集団行動になじめない子どもは、前頭前野の発達が未熟であると考えられています。そんな子どもたちに、授業前、音読や単純な計算プリントなどをさせると、その後の授業への取り組みがとても落ち着いたものとなったのです。ですから、「うちの子はどうも落ち着きがないようだ」とお悩みであれば、自宅での勉強タイムに読書の時間をたっぷりととったり、単純な計算問題や数を数えるような問題をやらせてみたりしましょう。そしてそれは、ぜひ親であるあなたも一緒に取り組んでください。見違えるほど、子どもの集中力がアップする可能性大です。ちょっと信じられないくらいの効果をもたらしてくれる報告もあがっています。< 後編 に続く>
2016年03月27日女性最高齢の79歳で宅建を取得し、80歳で不動産屋開業。とてつもないスーパーウーマンの話かと、誰もが思ってしまうことでしょう。しかしそれが、80歳まで専業主婦で生きてきた普通の女性の話だというのですから驚きです。今回紹介する『85歳、おばあちゃんでも年商5億円』(WAVE出版)の著者・和田京子さんは、和田京子不動産代表取締役社長で、本のタイトルどおり85歳。ずっと専業主婦で子ども二人を育て上げ、孫も成人。77歳のときに夫を看取ったあとは毎日寝てばかりだったといいます。しかしある日、孫から「おばあちゃん、勉強しようよ」と提案されたのをきっかけに“80の手習い”として、宅建を受けることに。もともと家に興味があったこと、そして過去に購入した7軒の家のほとんどが欠陥住宅だったという悔しい思いが、学びたい意思につながったようです。そんな和田さんが年商5億円の不動産屋さんになるまでには、どんな転機と考え方があったのでしょうか?年齢を追って紹介していきたいと思います。■「若い人が3回なら私は12回復習」79歳で宅建を取得宅建を取ると決めて学校に通うようになって以降は、目覚めてから朝練代わりに問題を解き、朝食をとったら専門学校へ。授業が終わったら学校内にあるテーブルを借りてその日に習ったことを復習し、家に戻ったらもう一度テキストを音読する、という徹底ぶり。「教科書の習った部分を、次の授業までの3回は繰り返し勉強するように」といわれていたので、クラスメートの4倍の年齢やらなければと思ったそう。若い人が3回やるなら、自分は12回というわけです。しかもどんどん学ぶ内容が増えるので、自分の時間のすべてを費やさなければ間に合わないと考えたといいます。次第に楽しくなって勉強にのめりこんだそうですが、そこまで自分を追い込んで努力できたことはすごいとしかいえません。■「働く場所がないから起業」80歳で不動産屋開業晴れて宅建に合格した著者でしたが、それまでは専業主婦しかしたことがなかったのだとか。80歳で社会人一年生、実務経験ゼロ。もちろん雇ってくれるような会社はありません。でも、「せっかく猛勉強して資格を取得したのだから、なんとか社会のなかで生かしてみたい」と起業を決意。不動産を取り扱う者として必要な火災保険と損害保険の募集人資格もすべて取得し、「起業に向けて精いっぱいやってみよう!」と気持ちを固めたといいます。このようにどんどん行動する著者には、読んでいて本当に勇気づけられます。「いい年になって、バカなことはおやめなさい」など、周囲の多くの反対を受けたという著者。しかし、子育てを終え、夫を看取ったおばあちゃんだからこそ、残りの時間をこの仕事に費やしたい。これまで家族のために生きてきた自分を、今度は社会のために役立てたいと本気で考えたというのです。それでも、いざ営業をはじめてみると、わからないことだらけでオロオロ。知識としては頭に入っているものの、実践では教科書通りにはいきません。家族の貯金を投げ出してはじめた会社なので、余裕があるわけでもなく、経費ばかりかさみ、家族からは何度も「もうやめよう」といわれたそうです。それでも、やめるにはあまりにも悔いが残る。戦争のなかを生き抜いた経験もあり、おかゆをすすってもやめたくないと思ったようです。■「同業者からの嫌がらせに屈しない」82歳ではじめての購入申込書結局、開業して丸2年が経っても会社は一度の利益を生むこともできず、資金も底をつきそうに。ようやく一軒の契約が取れたときは、大喜びだったそうです。しかし、今度はチンピラのようなたかり、つぶしの不動産屋に脅されることに。得られるはずの仲介手数料を踏み倒されそうになり、利益を横取りされそうになりました。著者ははじめての契約だったので、謙虚に誠実に頭を下げてばかりいましたが「それでは負け犬になって子分として使われるだけ」。不動産の世界ではまったく通じなかったのです。それでも、どんな時も正直に、礼儀正しくありたい。でも間違ったことを放ってもおけない……。断固戦うことを決め、顧問弁護士にお願いすることに。すると相手は手の平を返したように支払いに応じてきたのです。著者の諦めない強い意志が、よい結果につながったのでしょう。■「見栄を張らない」85歳で年商5億円の不動産屋さんにいろんな苦難やトラブル、難案件があったものの、いまはお客様が絶えない店となった和田京子不動産。最近では商売に成功する秘訣を聞かれるようになりましたが、秘訣はないとのこと。結局、考え方は主婦のときとちっとも変わらず、自分の生き方がそのまま商売に出ているそうです。ただ、もしこだわっていることをあげるなら、次の5項目とのこと。(1)見栄を張らない(2)お客様を選ばない(3)お客様の不利益になる取引はしない(4)どんなときも正直(5)自分の判断基準をもつこれは小さな不動産屋だからできること。手間もありますが、その分自信をもってお客様に提案できるようです。また、和田京子不動産は年中無休、24時間営業。忙しい世間様がゆっくりできるのはお正月くらいだろうと、訪れたい人のために開けているのです。休みたいと思うときもあるそうですが、それもほんの一瞬。自立できているいまは、すごく気持ちがいいようです。*著者は戦時中、何度も人に助けられて生きてきた方です。世代的に「お国のために死んでこそ立派」という教育をされてきたため、今日まで「戦争で亡くなった人に申し訳ない」と世の中に借りがあるような気持ちで生きてきたとのこと。そこで最後の人生は、少しでも世の中のためになることをして「借りを返したい」と本気で思っているそうです。この本は、85歳の一人の女性の生き様を描き、読む人に生きる希望と勇気を与えてくれます。生きるパワーが欲しい老若男女には、ぜひ一読をおすすめしたいと思います。(文/齊藤カオリ) 【参考】※和田京子(2016)『85歳、おばあちゃんでも年商5億円』WAVE出版
2016年03月26日みなさんこんにちは。ハウコレライターの神野悠です。周りでモテる女の子はどんな女の子でしょうか?いわゆる可愛いらしい女の子は確かに人気かもしれませんが、なんだかんだ「デキ女」がモテているような気がしませんか?そこで今回は、できるとポイントアップ間違いなしの5つのことについて紹介したいと思います。■1.料理「もうこれは鉄板でしょう。また食べたいなって思うご飯を作ってくれる人って、やっぱりモテますよね」(24歳/会社員)確かに鉄板ネタです。好きな人にご飯を振る舞う機会がきたら、必要以上に張り切ってしまうこともありますよね。ただ、男の人からすると時間のかかる豪勢な料理よりも、あるものでパパッとできる料理の方が実はポイントが高いそうですよ。冷蔵庫にあるものでサクッとおつまみを作れるようにしましょう。■2.掃除「収納上手な女の子って、きちっとしてる感じがしていいですよね」(20歳/大学生)「職場の机がすっきりしてる人の方が女の子らしい!収納上手は器用にも見えるし、そういう子がいいですね」(23歳/コンサル)みなさん、自分の部屋の掃除は完璧ですか?掃除が苦手という方は多いですが、できて損はないようですよ。苦手な方は克服のために頑張ってみてくださいね。■3.仕事や勉強「単純に話ができて面白いっていうのもありますし、まったく違う仕事だとしても同じように頑張っているものがあるって良いなって思います」(26歳/商社)頭の良い女性はモテないなんて言われることもありますが、仕事や勉強をてきぱきとこなす人のことを素直に凄いと思う男性が増えてきています。話の引き出しも多くなって、お互いに刺激になるようです。■4.綺麗な言葉遣い「どんなに可愛い子でも、汚い言葉遣いだったり、めちゃくちゃな日本語だったりするとと、彼女にしようとは思わないかも・・・。やっぱり綺麗な言葉を使って欲しいですね、どんなときでも」(21歳/大学生)汚い言葉だけではなく、流行している若者言葉でもむやみやたらに使う女性に抵抗がある男性は多いようです。言葉は人の心を映すと言いますし、どんなにノリの良い場であったとしても、綺麗な言葉遣いを心がけたいですよね。■5.幹事・計画「幹事とか遊びの企画とかばしっとできる女の子っていいですよね。面倒見いいだけじゃなくて、周りのこと考えられる子は優しいんだなって思います」(26歳/営業)幹事は何かと面倒なことが多かったり、お金の管理やスケジュール調整など、周りを気遣いつつもまとめる大変なポジション。男性がやるものという感覚があるかもしれませんが、それをすすんで引き受ける子は好感度アップですよ。リーダーシップをとれる女の子は貴重ですし、男女問わず尊敬されることも多いです。普段は楽しませてもらっている側の人は、お花見の企画をしてみるのはいかがでしょうか?試してみてください。■おわりにいかがでしたか?高飛車にさえならなければ、ハイスペックな女子はモテる要素満載です。細かいところに気を遣って、デキ女を目指しましょう。(神野悠/ライター)(ハウコレ編集部)(黒田真友香/モデル)(柳内良仁/カメラマン)
2016年03月26日注目の女の子を紹介する、『anan』で連載中の「It GIRL」。今回登場したのは、東宝シンデレラ出身、現在女優やモデルとしも活躍中の山崎紘菜さん。2011年のデビュー以来、数々の話題作に出演。芸能界で活躍しながら、大学生としての顔も持つ。「専攻しているのは英語です。以前ローマの映画祭に参加した際、英語力がまだまだだと痛感。勉強を頑張り、海外でも作品をアピールできるようになりたい」。身長171cmという抜群のスタイルを活かし、モデルとしても活躍中。「デビュー前は身長がコンプレックスでしたが、今では強みだと思えるように。今後挑戦してみたいのはアクション。中高時代に陸上をやっていて、体力には自信があるんです!」◇食べるのが大好き。特にラーメン!「よくマネージャーさんと仕事帰りに、おいしいお店を探しに行きます」◇最近ゲットしたお気に入りアイテム。「ソールも紐も真っ黒なところと、ゴツゴツしたデザインがお気に入り」◇アロマキャンドルでリラックス♪「まだ2 つしかないけれど、気分で使い分けられるよう集めたいです!」◇やまざき・ひろな1994年生まれ。第7回「東宝シンデレラ」オーディションで審査員特別賞を受賞しデビュー。4月9日配信予定の『アイアムアヒーロー はじまりの日』(dTV)に出演。※『anan』2016年3月30日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子
2016年03月25日1回目で教育資金の目標額を定め、2回目で「先取り貯金」の仕方をご紹介したこの企画。お金を貯める仕組みは理解できたけれど、収入が少なかったり、一時出費がかさんで「そんなに貯金ができるかな? 」と不安になったりした人もいるのではないでしょうか。私自身も、娘が3歳の時に離婚をして収入が激減した時期に不安な気持ちで教育資金を貯めていました。そこで今回は、そんな経験も踏まえて、毎月の貯金額を増やす方法についてお伝えします。○さらに貯金を増やす方法はずばりこの3つ!私が実践した方法は、「収入を増やす」「支出を減らす」「投資をする」の3つです。この方法で、育児休業や短時間勤務などによって収入が減った時期にも関わらず、3年で1,000万円以上貯金を増やしたママもいます。私自身について話せば、離婚時子どもはまだ3歳。実家が遠方だったこともあり、仕事を増やすことはできず、まずは「支出を減らせないか」と考えました。子どもがうまれてから家計簿を一生懸命つけていましたが、効果がなく断念。ぜいたくもしていないので、食費を削るしかないとレシートとカード明細の山を見ていたことを思い出します。しかし、食費以外にも削れるところはあったのです。○支出を上手にダイエットすればリバウンドなし家計簿をつけずに上手に支出のダイエットをする方法をご紹介します。具体的には……・携帯電話はSIMカード利用にし、固定電話も見直す・保険は公的制度を知ることで必要なものを見極め、加入し直す。さらには掛け捨てではなく貯蓄タイプを選ぶ。・調理法を工夫してガス代を減らす・子育て支援のある賃貸物件を見つける。もしくは住宅ローンを見直す。・子どもの衣類などを先輩ママから譲ってもらったり、借りたりするなどです。他にもいろいろありますが、毎月かかるものは、ひとつずつ確認していき改善しましょう。その他固定費以外の日々の買い物は、保存しておいたレシートを見て半年ごとに振り返りお金の使い方のパターンを改善していきます。月単位でみると少額で見過ごしがちな項目も、半年単位で見ると大きな金額となり、無駄も見つけやすくなります。○収入は増やせるサラリーマン家庭の場合、何かと収入を増やすことは難しいように思いますが、収入を増やすポイントは1.収入の入り口を増やす2.節税をするの2つです。既にパパが働いている場合、なかなかパパの収入を増やすことは難しいのが日本の現状だと思います。ですから、入り口を増やす方法として、もしママが働いていなければ、ママが働く。パパも副業をする方法があります。子育て中でもできる仕事はありますし、空いている時間やインターネットを使っての在宅ワークなどもあります。月10万円増えれば、3年で360万円です。ママが働くことは家計に大きなプラスを生みます。もうひとつは、節税です。節税をすることで手取り収入が増えます。ふるさと納税や確定申告の仕組みを知り、条件が合えば親を扶養に入れたり確定拠出年金などを実践したりして、節税していきます。税金も毎年のことなので1回仕組みを作れば後は楽なのがいいですね。さて、「収入を増やす」「支出を減らす」を実践すれば家計は大きく変わっていきますし、貯金は増えていきます。その上で、さらにお金に働いてもらう「運用」もご紹介します。○お金の運用で気をつけること日本の銀行はみなさんご存じのように金利が低いです。なので、日本の銀行にお金を預けてもお金は増えません。ですから私は海外に目を向け、金利や金融商品について勉強しました。私が投資を始めた後にリーマンショックで世界経済の暴落を目の当たりにしましたが、それでも運用成績はプラスになっています。・海外は日本より金利が高いことに注目する・日本株だけでなく海外にも目を向ける・リスクを小さくする方法を実践するこの3点が結果的にはよかったと思いますし、子育て中のママも実践して貯金を増やしています。ただ、投資には増える可能性もあれば、減る可能性もあります。勉強もせずに「窓口で言われるがまま購入」はしないようにしましょう。○大きな視点で貯金を増やす最後に貯金を増やす方法をまとめると「収入を増やす」「支出を減らす」「運用する」の3つになりますが、この3つを同時にすることで貯金は増えていきます。逆にひとつだけ実践しても貯金は増えにくいです。例えば、収入を大きく増やしても、支出が増えると貯金は増えませんし、投資で利益が出ても、「不労収入」だけに頼ろうとして仕事を辞めてしまうと、収入は不安定になるからです。逆に言えば、できているところはそのままで、できていないところを強化すれば貯金体質になっていきます。また、3年で貯金は少し難しいかもしれないと思う場合も、児童手当だけは必ず貯金しましょう。児童手当を中学卒業まで貯金すると約200万円になり、高校にかかる教育費の大きな足しになります。問題は大学進学にかかる費用ですが、あまりにも想定外の教育費がかかったら、給付型の奨学金を狙っていきましょう。教育費は青天井になりやすいところがあります。まず、目標を決め、夫婦で目標を共有することが大切です。子育て中のママ・パパは日々忙しいです。「貯まるといいな」「そのうちしよう」ではなかなか貯金できませんし、子どもも成長してしまいます。今まで貯金ができていない方は、今日から実践することを心がけてください。それが、3年後、6年後、9年後の結果につながっていきます。諦めないでくださいね。○著者プロフィールマイライフエフピー代表 加藤葉子子育て真っ最中のファイナンシャルプランナー。子どもを授かったことをきっかけに、教育費や学資保険の仕組みなどに興味を持ち、ファイナンシャルプランナーの勉強を始め、3年で子どもの教育資金を貯める。現在は、全国の女性からの教育費・老後資金・起業・離婚・投資なのお金の相談を中心に執筆・マネー講師として活動しながら、シングルマザーの支援にも力を入れている。自身のホームページ「女性とシングルマザーのお金の専門家」でもお金にまつわるお役立ち情報を提供している。
2016年03月25日【ママからのご相談】こんにちは。小学1年生と4年生の男子の母親です。子どもたちの勉強のことで、今壁にぶち当たっています。私自身の学歴コンプレックスもあって、子どもたちが幼いころからいろいろな教材を買い与え、幼児教室にも通い、勉強には力を入れてきました。下の子はまだ低学年なので何とも言えませんが、長男の成績を見ると今まで頑張ってきた成果を感じることができず、つい焦ってしまいます。周りの友だちは、小学生のうちからそんなに気合いを入れなくてもいいんじゃない?という意見が多く、主人(大卒)も自分が本腰で勉強を始めたのは中2くらいのときだったし、小学生のうちから追い詰めたらかわいそうだ……という意見です。別に中学受験をさせるわけではないです。ただ、今のうちに学習能力の基礎を作っておかないと、将来の選択肢が少なくなってしまうのでは?(自分がそうだったので)と心配なのです。上の子のクラスでは、とくに算数で理解力の差が開いてしまっているようで、おそらくうちの子は中の下くらいだと思います。見ていて思うのは、長男は自分から勉強を楽しんでやっている様子がありません。私が押しつけすぎたんでしょうか?●A. まだまだ修正は可能です! 王道は“能動的な学習”に導くこと初めまして!ライターの月極姫です。ウチの末っ子もこの春やっと小学校に上がり、ご相談者様と同様、私も2人の小学生の母親になりました。お子さんが小さいころから学習面に力を入れてきたとのこと、熱意も労力も大変なものだったとお察しします。たしかに「三つ子の魂百まで」と聞くと幼児期にできる限りのことを……と頑張ってしまうのが親心ですよね。0~3歳までに脳の発達がピークを遂げることを考えると、たしかに幼児教育は無駄にはならないと思われますが、小4で思うような成果を感じないからといって、焦ることはありません。ご相談者様のご主人様が「自分も本腰で勉強を始めたのは中2くらいだった」とおっしゃっているように、受験間近に思わぬ力を発揮するお子さんも結構います。大切なのは、いざというときに高い学習能力を発揮するだけの“基礎”が、小さいうちに構築されているか否かです。とはいえ、小学校中学年の学習内容は急に難しくなる部分もあり、この時期の成績低迷は確かに気になるところ。まず、断じて「ウチの子はダメかも」などと思わないことです!お子さんが、うるさく言わなくても“能動的に学習する子”に育つよう、日頃の接し方をちょっぴり見直してみましょう。熱心なあまり、親御さんが陥りがちな“NG行動”を繰り返してはいませんか?●子どもの学習意欲を妨げる“親のNG行動”6つ●(1)勉強を“神聖化”する勉強部屋の環境をばっちり整え、雑音をシャットアウトし“集中”を余儀なくさせる。一見理想的な学習環境のようで、子どもの勉強嫌いを促進させる、ありがちな間違いです。テレビや音楽をかけながらの“ながら学習”は賛否両論ですが、リビングでお母さんが料理する音、お父さんや兄弟のおしゃべりを聞きながらの学習は大いに結構。勉強を特別視するから嫌いになってしまうのです。“勉強=日常” という図式を植え付けてしまえば、肩の力を抜いて勉強するようになります。受験の年頃になれば、自分の意思で自室で集中するようになるので大丈夫。幼児~小学生のうちは雑音・生活音の中でリラックスして学習できることの方が大切です。●(2)勝手に“学習計画”を立てる「今日はこれをやりましょう」「今週はここまでクリアしよう」と、親の方で勝手に計画を立てていませんか?まず、最初に行うべきは「何を勉強したいか」 を子どもに問うことです。勉強が好きになれば、勝手に勉強する子に育ちます。しかし、お子さんがどの教科を好きなのか、把握していない親御さんは意外に多いものです。小学生のうちは、お子さんが「やりたい教科」がメイン。他は、余った時間にできる範囲でやる。1つの教科で自信をつけた方が、他の教科に対してもやる気がわくものです。●(3)飽きっぽさを否定する「1つの教科をじっくりと」「最後まで集中して」これも、大人にありがちが押しつけです。極端に落ち着きのない性格の場合は別として、じつは知能が高いほど“飽きっぽい” 傾向があります。学校から出た宿題は最低限やらなくてはいけませんが、その他のワークや家庭学習に関しては「飽きたら他の教科をやる」でOK。飽きた教科を延々と無理矢理やらされた記憶は、そのまま勉強嫌いの原因になってしまいます。飽きっぽさは、じつはお子さんが親御さん以上に頭の回転が速いサインかもしれませんよ。●(4)“ゆっくりじっくり、長時間”勉強させようとする長時間の学習、延々とした復習もまた、子どもを勉強嫌いにさせてしまう原因の1つ。「スピーディに、短時間集中型」 で行うのが効果的です。ご相談者様は、授業参観に出られたときに、先生の授業がとてもゆっくりであると感じられたことはありませんか?先生の手腕にもよりますが、学校の授業がゆっくり進むのは、ある程度仕方ない面があります。数十人いる生徒の理解度はさまざまで、やはりゆっくりの方に合わせていかなければならないからです。しかし、これがあまりに極端だと、お子さんの授業離れが進んでしまいます。ご家庭でできることは、お子さんの興味関心やスピードに合わせた学習をさせてあげることです。たとえばワークや教材をお持ちならば、15~20分くらいで、学校の授業の進度は気にせずお子さんがやりたがる部分をやる。また、学校で学んだことが理解できているようなら、延々と復習するよりも短時間で予習をして、終了 。家庭で予習、授業で復習という形の方が、お子さんが意外に勉強好きになったりします。●(5)「勉強しなさい」と命令するはい、のび太くんのママがよくやっていますね(笑)。「勉強しなさい」という命令はナンセンス です。そうではなくて、自分から勉強する子になるように、日頃から働きかけていたか否かを、親は自分に問うべきなのです。もっとも大切なのは、親に向上心があること、親自身がよく勉強することです。年頃になった子どもに「どうして勉強なんかしなくちゃいけないの?」と聞かれ、答えに詰まるような親ではいけないということです。資格の勉強、料理の勉強、家計管理の勉強、趣味の向上、大人にも学ばなければいけないことはたくさんあります。親が、自分自身の人生が豊かになるように、努力しているかどうか。これを、子どもはじつによく見ています。「勉強しなさい」と言われなくても「よし、勉強しよう」と思える子どもになるためには、あなたがお手本になること です。●(6)遊んであげない、人任せにする遊びにしても、学習にしても、人任せにし過ぎると子どもの学習意欲に影響してしまいます。子どもと接する“時間の長さ”ではなくて“時間の濃さ” が大切です。先生や塾に頼りすぎず、親が勉強を教えることも大事。また、遊んであげることもとても重要なのです。体を使った遊び、トランプやボードゲーム、カルタなどを使った遊びを、お子さんとしていますか?1人で遊ぶゲーム機とは違い、たとえば家族でやるトランプなどは感情をコントロールしたり、論理的に考えて目標を達成する訓練になります。ゲーム機も確かに楽しいものですが、一見能動的にやっているように見えて、結局はゲームのプログラムに誘導された受動的な遊びです。東北大学の竹内光准教授らの研究グループが「長時間のゲームが言語性知能の低下につながる」という研究成果を発表しましたが、あまりに長時間、ゲーム機に子どものおもりをさせるのは考えものです。やはり家族が頭と体を使って遊んであげる。これが結局は、お子さんの能力を総合的に向上させる ことになるのです。●“勉強する喜び=親からの愛情”。この図式が一生の宝物ご相談者様は、ご自身の経験から「子どもに勉強や学歴で苦労させたくない」という強い思いで、今まで学習面に力を入れてこられたのですね。「人間は勉強ばかりじゃない」という考え方もその通りですが、実際に一定の学習能力があること、学歴があることで将来の選択肢が広がるという面はあります。たくさんの選択肢の中から、自由に選ぶ権利を与える。これは確かに、親の大切な役割ですよね。しかし、結果を焦るあまり、お子さん本人の心の中に「勉強は楽しい」「勉強は役に立つもの」という“学習意欲の種” を撒く過程をないがしろにすると、結局学習意欲や向上心は身に付きません。理想は、“勉強”と“親の愛情の思い出”が直結していることです。「本を読み聞かせてくれた」「一緒に勉強してくれた」「わからないところを、学校や塾の先生以上に根気よく教えてくれた」「自分に合った教材や塾を一所懸命探してくれた」「成績が悪くても怒らず、励ましてくれた」「あなたならできる、と信じてくれた」親御さんなら誰もが、最初に抱く「この子自身の将来のためにも、できるようになって欲しい」という思い。この思いの“純度”をいかに末永く保つかがポイントです。一所懸命時間とお金をかけているうちに、その努力の目的が他のお子さんとの競争、家族・親族・友だちへの見栄、プライド、意地といった、大人のエゴにすり替わってはいませんか?お母さんが頑張ることに疲れてしまったら、お子さんの赤ちゃんのころのアルバムなどを開いて、誕生したころの純粋な喜びを思い出してみるのもおススメです。お子さんはまだまだ小学生。もっともお子さんのためを考えてあげられるのは親御さんであるという自信を持って、のんびり努力を続けていきましょう!結局は「この子に幸せになって欲しい」という思いが純粋であるほど、学習成果も上がると思うのです。【参考文献】・『13歳からの頭がよくなるコツ大全』小野田博一・著・『自分から勉強する子が育つお母さんの習慣』村上綾一・著●ライター/月極姫(フリーライター)
2016年03月24日「老後破産」「財政破綻」「経済低迷」…。メディアを通じて伝えられるこうした報道などを見聞きして、将来に対して不安になる若者は少なくない。そしてその不安の内容は「お金」に関するものが圧倒的に多い。だが、メディアを通じたネガティブな報道は、日本で戦後続いた「右肩上がり」の時代を前提にしているケースが多い。ライフネット生命の創業者で同社代表取締役会長兼CEOである出口治明氏は、それとは別の見方をすることによって、「お金」に関して違う行動をとることができるのではないかと著書で提案している。今回は、その著書『働く君に伝えたい「お金」の教養』(ポプラ社、定価1,300円(税別))に関し、インタビューした内容をお伝えしたい。○『世代間格差』を言い立てる学者らは「とんでもない」――出口さんは最近、歴史に関する著書も多いですが、この『働く君に伝えたい「お金」の教養』でも、たとえば年金のできた経緯や保険ができた経緯など、いろんな物事の経緯というものを詳しく書かれていますね。それは歴史が好きか嫌いかにかかわりなく、どんなものにでも、それが生まれた経緯や理由があるのです。物事の本質を理解するためには、淵源の姿を見なければいけないというのは、人間の共通知というか、広い意味で世界の人々の常識だと思います。制度であれ、仕組みであれ、なぜこんなものができたのか、という最初の姿を見ないことには、理解ができないということです。パートナー(もしくは恋人)を理解しようと思ったら、パートナーの生まれた街やそのご両親、通った学校など、こんな環境で育ったからこの人はこうなったんだと理解しようとするのが普通です。それと同じですね。――今回は主に20代の方に向けて書かれたということですが。僕はどんな社会であれ、若者こそが僕たちの未来だと思っています。僕の年金を払ってくれるのは若者しかいないので(笑)。これも人間の共通知で、どこの国にも若者が未来だという格言があります。同じ本を書くなら若い人向けにしたい、というのも世界共通だと思います。――今回の著書でも書かれていますが、メディアは、「世代間格差」とか「老後破産」「下流老人」など、どうしても若者の不安を煽ってしまう傾向にありますね。「世代間格差」を簡単に説明しますと、1961年に国民皆年金・皆保険ができたときは、若者11人で、戦争で苦労したおじいさん・おばあさん1人を養っていた、一つのサッカーチームで高齢者1人を養うという世界です。それが少子高齢化によってサッカーチームは騎馬戦になり、今や肩車に向かっているのです。おじいさんの平均寿命も延びて80歳をはるかに超えたので、20年以上背負わなければいけないという状況になっているのです。世代間の不公平は、この現象を言い換えているだけです。「世代間格差」を言い立てている学者は、支える側の若者がサッカーチームになるまで移民を受け入れようと主張するか、おじいさん、おばあさんには早く死んでもらうようにしましょう、と言わなければロジカルではありません。そう主張できるだけの根性があるなら世代間の不公平という言葉を使ってもいいですが、彼らは煽っているだけなのです。世代間の不公平という耳障りのいい言葉で、不安を煽って商売したいから言っているだけで、冷静に考えたら筋が通っていない理論だと言うしかないですね。○今の20代の人と「バブルおじさん」とは全然違う環境――確かにそうですね。今回の著書では、高度成長時代を生きた「バブルおじさん」の話も出てくるのですが、話している前提が、今の20代の人と「バブルおじさん」とでは、全然違うということを力説されていますね。この本をつくる過程では、20代の編集者とライターを相手に「バブルおじさん」の時代とは外部環境が全然違うということで話を始めたら、そのことを聞きつけたライフネット生命の社内の若手がそれはいい話ですね、私たちも手伝いますよと言って、この本をつくるチームができたのです。普通はライターと編集者の方が僕を取材して、その口述テープをもとに原稿をつくっていただき、それに対して僕がいろいろ意見を言って直しを入れるのですが、今回は僕が直す部分をライフネット生命の若手チームが代行してくれてやってくれました。その後、出口さんの名前で出すので最後の校正だけはやりなさいと指示されたので、原稿を見ていろいろ意見を書いたのですが……その7割くらいは20代の編集者の方と社内の若手チームに却下されてしまいました(笑)。――それは何で却下されてしまったのですか。本の本筋とは違いますと。こんなことはおじいさんのたわごとですとか(笑)。――そんなこと出口さんに言えるのですか。しょっちゅうですよ。――そうすると、この本の中身は…僕が話したことがベースにはなっていますが、その並べ方というか、デザインは20代の若手チームが全部つくってくれました。まさに「20代の20代による20代ための本」といえます。――出口さんのご経験で、京都大学に進学された際、京都は美味しいものがたくさんあるから、美味しいものをたくさん食べてやろうと思って、他は節約したというエピソードが印象に残りました。お金を使う際は「オール・オア・ナッシングの原則」にしているということですが。昔からオール・オア・ナッシングは大好きなんです。集中して楽しいことにお金を使うべきです。――法則的なことでいえば、財産3分法(※「手取りでもらったお金を『財布』『投資』『預金』の3つに振り分ける」)というのもありますね。ドルコスト平均法(※「同じ投資対象を、常に一定の金額で、定期的・機械的に買っていく投資手法」)についても書きました。こういう基本中の基本、原理原則を知っているだけでも、いろいろなことがわかります。――日本の学校では教えてくれないですね。教えるべきだと思います。先進国はこれを教えています。選挙について書いた部分のように、北欧では具体的にどう投票すればいいのかを当たり前に教えるので、他の先進国では若者の投票率も高いのです。――選挙の事前予想が、自分が賛成するものであったら、選挙に行ってその人の名前を書く、白票を出す、棄権する、のいずれかを選べばいい、結果は同じだから、という話ですね。ただし、事前予想が自分の考えと違ったらとるべき手段は一つだけ、選挙に行き、違う人の名前を書く。わかりやすいですね。こういう当たり前のことを教えないから正しい判断ができなくなるのです。教育というのは生きる力を与えるものですから。○「消費税は高齢化対策、税金の姿は社会の動態によって変わる」――出口さんの自由奔放な考え方が、この著書には盛り込まれていると思ったのですがいかがでしょう。世界の常識を話しているだけですから。僕の考えは自由奔放ではなく、むしろ保守的だと思います。日本の常識が世界では非常識なだけです。――消費税の話もそうですね。私は消費税を否定的にとらえていたのですが。消費税は、高齢化対策です。さっきの話で、11人のサッカーチームがおじいさん1人を養うなら、所得税と社会保険料でいい。でも、肩車でサポートするとすれば、所得税と社会保険料だけでもちますか。――無理ですね。おじいさん、おばあさんにも少しは払ってほしいと思うでしょう。それが消費税です。――消費税に反対する人は、消費税には逆進性があるからだめだと主張していますが。逆進性が本当だったら、電気料金や水道料金にもなぜ軽減税率を適用しないのですか。全く論理的ではないと思います。ヨーロッパが全部消費税に向かったのは、高齢化社会になったからです。アメリカでは消費税はやっていないという学者がいますが、当たり前ですよ。アメリカはサッカーチームがラグビーチームに増えているのですから。――移民を受け入れて人口が増え続けていますからね。サッカーチームがラグビーチームに増えているのなら、誰が好んで消費税を入れますかというごく単純な話です。所得税と社会保険料で十分です。税金の姿は、社会の人口動態によって変わるので、人口構成の変化をよく見ないで主張する学者は勉強不足だと思います。――出口さんの「お金のリテラシー」の一つに、ファクトというか、信頼できる機関が出している一次データをきちんと見て、物事をそれで判断しなさいといわれていますが、そういうことなんですね。この本を拝読するまでは、年金は社会保険料でまかなえていると思っていたのですが、かなり税金が入っているんですね。そうです。基礎年金の半分は税金。加えて、そもそも社会保険料というのは一種の目的税です。税金には目的税とそうでない税金がありますが、それは使い道とのリンクの強弱によるので、社会保険料も税金です。アメリカでは社会保険税と呼んでいます。○「日本の高度成長は"キャッチアップモデルが奏功したおかげ"」――高度成長期の「バブルおじさん」が誕生した歴史は大変興味深かったです。極論すれば、スタートは毛沢東のおかげです。――そうですね。中国が共産主義国家になったので、冷戦構造の中で日本が国民党の代わりにアメリカの花嫁になったという。ドッジ・ラインや朝鮮戦争や、いろいろなラッキーな要素が積み重なって、日本の「バブルおじさん」がつくられるきっかけになったということなんですね。若い皆さん、お父さん、お母さんに質問してください。何で日本はお父さん、お母さんの時代に豊かになったのですかと。お父さん、お母さんはきっとこう答えるでしょう。それはお父さんやお母さんが汗水たらして、長時間働いたからだよ、わかるよね、と。でもそれは違います。長時間黙って働けば、成長する条件が揃っていただけです。皆さんがお父さん、お母さんと同じ働き方をしても、絶対8%成長は達成できません。――私も会社に長くいれば、残業代がもらえる制度は疑問を持っているのですが。日本では、残業していたら、たまたま帰ってきた偉い人がその姿を見て、「よう頑張っているな」と声をかけます。日本を除く他の先進国では全く逆で、「こんな時間まで残って残業代をくすねているとんでもないやつだから、早くクビを切らな」と思うわけです。例えば、9時から6時まで、勤務時間内に集中して働く人が一番いい社員なわけです。日本ではバブルおじさんの偉い人が、「遅くまでご苦労さん」とほめる。それを聞いた人はみんなこの会社では遅くまで残っていたらほめられるんだ、遅くまでいたら残業代も入るぞ、と思ってしまう。高度成長期の成功体験を忘れることができないバブルおじさんの価値観にだまされてはいけません。――ちなみに、ライフネット生命はそういう働き方ではない?ライフネット生命はベンチャーです。ベンチャーはとにかく忙しいので残業もあります。ですが、たとえば有給休暇の消化率は75%くらいあります。――すごいですね。3年働いたら1週間の休暇が取れる特別休暇というものもあります。毎日、夜10時、11時まで働いていたら、いつ、人・本・旅で勉強するのか。勉強しなければ、いい知恵なんて生まれないじゃないですか。67年生きてきていろいろな本を読みましたが、長時間働いてこんな素晴らしいアイデアが生まれたとか、生産性が上がったとかいう類の本は、1冊も読んだことがないです。――お金のリテラシーを身に付けるには、そういうことに自分で気づかないとだめですね。本日はありがとうございました。
2016年03月24日ご存知の方も多いかもしれませんが、男性は外見よりも、まず内面を磨こうとする方が多いです。外見は、内面を整えた後になりがち。私たちのような女性の場合だと、まずは外見、それから内面ということが多いですよね。ここが逆なんですね。ですから、男性のルックスが洗練されていなくても、その男性は彼なりに自分磨きをしっかりとしている可能性は十分にあります。そこに気がついて、「すごい頑張ってるね」とホメてあげられたら、「俺のことをよく見てくれているなー!」と嬉しくさせることができるはず。ということで今回は、男性の方々に「俺が頑張っている自分磨き」について伺ってみました。■1.キャリアのための勉強「ほとんどの男子が、将来のためになにかしらの勉強をしている。英語、経済、ビジネス、その他もろもろ。これは絶対にやってるからね。ホメてあげたら嬉しいと思うよ」(公務員/24歳)たしかに、男性はいつもなにかしら勉強をしている方がほとんですよね。それを知るには、その男性が持ち歩いている本を見せてもらうことです。その本が、男性の一番興味がある分野。「こんなの勉強してるんだ、カッコいいね」と言ってあげるだけで十分ですよ。■2.ガジェット「機械に強くなりたい男子も多いよ。だから例えば、アップルの新製品発表会で発表された商品とかの特徴とかは、一応満遍なく押さえているって人が多かったりする」(営業/25歳)男性にとって、こういう最新ガジェットの話題は世間話の話題にもなりますから、しっかりと情報収集をして最新事情に乗り遅れないように頑張る方が多いのだそうです。ガジェット系の質問を男性にしてみたら、気持ちよく教えてくれるでしょうから、「すごいね、詳しいんだ」とホメてあげましょう。■3.お店の詳しさ「女性をデートに連れて行ったときにいいお店に案内できるように、雑誌とか買って素敵なお店をいろいろと知っておくっていう人も俺の周りには多いかな」(営業/24歳)これも男性のカッコよさのひとつですよね。たとえば銀座に行くとなったとき、「あの辺りなら、オススメのイタリアンがあってね」なんてサラッと案内してくれることがあったら、絶賛すべきでしょう。■4.お金「貯金してる人も多いと思う。やっぱり、給料が多い少ないに関わらず、『男たるもの、貯金が多少はないとね』って思って一生懸命にみんな貯金してるよ」(ウェブ系/26歳)それなりの貯金があるというのは、ただお給料が多いということだけではなくて、「しっかりと将来を考える力のある人」という証拠になりますからね。これも立派な自分磨きです。逆に、お給料が大したことはなくてもしっかりと貯金がある人の方がしっかりしているということもありそうです。■5.おもしろトーク「しゃべりを特訓してる男子もいるよ。『ユーモア教室』なんていうのがあるくらいだからね。女性を楽しませる技術を学びたい人は多い」(金融/26歳)あとは、テレビの芸人さんのしゃべりを見て勉強するなんてこともあるのだそうです。一緒に食事をした男性が話し上手なとき、それはきっと彼の努力のたまものでしょうから、「おもしろすぎるよ〜(笑)」とたくさん爆笑してあげましょうね。笑いが最高のホメ言葉ですから。■おわりに逆に、外見がいまいち洗練されていなくても、こうやって中身ができている男性は、自然とそのうち外見も整ってくるはずです。ですから、男性のいいところを見つけるときには、まず外より内を見ていくのがいいですね。(吉沢みう/ライター)(ハウコレ編集部)(藤田富/モデル)(柳内良仁/カメラマン)
2016年03月23日昨年、就活時期が大きく後ろ倒しになったことで、学生側も企業側も混乱していたところが多くありました。しかし実際は、就活解禁時期を無視して、インターンやミニセミナーなどでの「青田刈り」活動が行われ、優秀な学生の囲い込みはあるようです。そんな中、学生達が最も注意すべきは、昨年も大きく問題となった「オワハラ」。とくに今年は、去年採用活動に出遅れて他の企業に人材を取られてしまった企業が必死になって学生を捕まえようとし、「オワハラ」もさらに加速する危険性があるかもしれません。というわけで、今回は、2016年卒の就活生達が経験した「オワハラ」の実態をご紹介します・■コップの水をかけられ・・・脅しはザラ「友達が経験したオワハラは、ある会社の内定を断って就活を続けることを伝えたら、会社に呼び出され、コップの水を掛けられて怒鳴られたらしい。あと、別の会社だけど、そこも内定を断った子が『もう君の大学からは採らない』なんて言って脅されたりしたらしい」(A大学)信じられないような話ですが、内定を断ったり、就活を続けたいという意志を見せた就活生に対して、怒鳴りつけたり、学校を引き合いにだして脅迫する…なんていう企業は、意外に多く見られたようです。はては、水をかける、胸ぐらを掴むなど、暴力的な手段を使う企業も。完全に違法ですよね…。また誓約書等を書かされた、なんて声も多くありましたが、実は、基本的に多くの企業の10月1日以前の内定の連絡は「内々定」であって、正式な契約ではありません。なので、多くの場合、そういった内々定時にサインする紙・誓約書などにはなんの効力もないんだそうです。もし不安なことがあれば、自分の大学のキャリアセンターなどに相談してみましょう。■「勉強会」という名の就活妨害「某不動産会社は、採用活動解禁前に内定を出して、内定者たちにすぐ自社の『勉強会』に通わせることを強制していた。それもかなり長い期間拘束するものだったので、実質的な就活妨害だったと思う」(H大学)また、企業の中には、早めに内定を出して、資格取得のための「勉強会」に通わせたり、「研修」「懇親会」などの名目で長期間拘束するようなところもあったようです。中には宿泊で研修を行うなど、完全に就活の邪魔をしたいとしか思えない企業もあったようです。■「ぜひ入社させてほしい」と思わせて!昨年はかなり多くの企業で、大小はあれど「オワハラ」に近い行為が行われていたようです。しかし、こんな風に脅されたり、強制的に研修に参加させられたりして、「入社せざるを得なくなった」ような会社に、魅力を感じながら働くことができるでしょうか?就活生は、その会社の魅力を知りたくて、一生懸命スーツを着込んでセミナーや説明会に行き、せっせとOB訪問をし、そしてドキドキしながら面接に赴きます。内定がほしいということはもちろんあるけれど、就活生だって、今後の50年くらいの生活を委ねるであろう会社について、きちんと見て、ここで働きたいなと思えるような魅力を見つけたいなと思いながら就活をしています。だからこそ、企業側には、「入社を強制する」ような行動をとるのではなく、「入社させてほしい」「大変そうだけど、でもここで働きたい」と自然に思えるような、会社の魅力的な部分を全力で押し出して欲しい、というのが就活生の本音なのではないでしょうか。
2016年03月22日今回のテーマは「親の期待のかわし方」である。誠に残念かつ遺憾、慙愧の念に堪えないのだが、当方、親にこれといって期待をされた記憶がない。この連載では、今まさにゴミ箱に頭を突っ込んでいる最中の人に対し「成功の秘訣は?」と聞くようなテーマがたまに寄せられるのである。○かんぴょうと酢飯からフレンチは生まれるか子どもに大した期待をかけない親のことは後ほど触れるとして、その対極にある「子どもへ過度な期待を寄せる親」というのも、何を考えているのかわからない。もちろん、自分たちが博士や大臣、松坂牛であるというのなら、子どもに同じような将来を望むのもまあわかる。だが、父がかんぴょうで母が酢飯なら、子はかんぴょう巻になることは大体予想できることであり、「シェフの気まぐれフォアグラテリーヌ~季節の野菜を添えて~」になれ、というのは酷なことである。原材料が自分たちであるということを忘れているんじゃないかと思う。もちろん、材料はともかく調理(教育)次第でどうとでもなるという意見もあるだろう。確かに、平凡な両親から偉人が生まれる例もあるが、残念ながらかんぴょうをフォアグラにするより、フォアグラを残飯にする方が簡単なのである。むしろ過度な期待と教育でかんぴょう巻にすらなれなれず、もはや「料理」というより「一般には理解されない系アート」みたいになってしまうこともままある。しかし親バカと言う言葉があるように、可愛さ故に、自分の子どもが実際より優れて見えてしまうのは、ある程度仕方のない事なのかもしれない。その点、私の両親が私に望んだことは一貫して「安定した職につき、豊かでなくていいから食べるに困らない生活をしてほしい」という、実に最低限かつ堅実なものであった。この決して高くないハードルを「売れない漫画家になる」という形で華麗にくぐって見せたものだから、もはやうちの親は私に何も期待していないだろう。おそらく、元々低かったハードルの高さが「逮捕はされるな」もしくは「実刑だけは食らうな」くらいにまで下がっていると思う。親の期待通りに育つことも親孝行かもしれないが、親に期待させすぎないことも立派な孝行であると思う。とはいえ、突然親の期待を裏切ってはいけない。どこに出しても恥ずかしくない自慢の息子がいきなりパンツ泥棒で捕まってニュースに登場するのは、これ以上ない親不孝だ。徐々に、親自身もいつ諦めたかわからないぐらい、自然に諦めさせなければいけない。つまり、何かやってしまった時、親に「まさかうちの子に限って!」などと言わせるようでは親不孝なのだ。無表情で「やはり…」と言わせるのが真の親孝行である。○親孝行はコツコツと、が鉄則正直に言うと、私は中学生の段階では勉強ができた。この「中学生まで」できた、モテた、という実績がいかにその後の人生の足を引っ張る要素であるかはまたの機会に言いたいと思う。とにかく、中学生時点ではまだ親に期待されてもいいぐらいだった。しかし、もうその時点で、親は私に期待というより不安を抱いていたのだ。何故なら、中学に入ってすぐ、担任が抜き打ち家庭訪問に来るという珍事が起こったからだ。それも、「いつも一人でいる」という理由で。一切仕込みナシの訪問だったためもちろん私も家におり、担任が親に「私には友達がいない」と話すのを、隣室からライブで聞いていたのだ。その時、手近なところに金属バッドがなくて本当に良かったと思う。本件、私も痛かったが、親にとっても激痛だっただろう。例え成績が学年1位でも、「こいつはヤバい」と思わせるのに十分な惨事であった。親にとって、自分の子が「勉強ができない」あるいは「運動ができない」と言われるよりも、「友達が作れない」と言われたほうがダメージは大きいのだ。本当に親を期待させたくなかったら、いかに人間的にヤバいか、社会性がないかをアピールすることが肝要なのである。その点、私は齢7歳で、親に「お前は被害妄想が強い」と断じられたエリートである。もちろん7歳であるが故に意味はわからなかったが「おっ! 今何かすごいこと言われた!」という記憶だけはある。他にも、友達がいないことはもちろん、片づけができない、もらった小遣いをすぐ使うなどまともな大人になれない要素満載であり、実際まともにならなかった。成人するころには、「頼むから他人に迷惑をかけないでくれ」くらいにまで親の期待値は下がっていたと思われる。時は流れて現在。私は前科もなく、屋根のあるところに住み、リボ払いやキャッシングはまだしていない(数十年の住宅ローンはある)状態である。つまり今、親は「思ってたよりは良く育った」と思っているはずなのだ。幼少のころからコツコツ親をがっかりさせたおかげで、今では立派な孝行娘というわけである。しかし、世の中には、意識しなくても成績優秀、運動神経抜群、人望も厚く異性にもモテてしまい、親にどうしても期待させてしまうという人もいるだろう。そういう方は、一点だけで良いので、親に不安を抱かせる要素をチラ見せしておけば良いと思う。男性ならお母さんより年上の熟女が登場するDVDを大量に隠し持つとか、女性なら男児用白ブリーフ(未使用)をコレクションしてみるとか、「法には触れてないが、そのうち何かしでかしそう」な雰囲気を出すのだ。つまり、親を安心させきってはいけないということである。いつか悪い意味で新聞に載ってしまう日に備え、平素は孝行者でも「いつ爆発するかわからないニトロを積んでいる」ということだけは、ちょくちょくアピールしておくべきなのだ。<作者プロフィール>カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年、文庫版2015年)、Web連載漫画「ヤリへん」(2015年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。「やわらかい。課長起田総司」単行本は1~2巻まで発売中。「兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃」、次回は2016年3月29日(火)掲載予定です。
2016年03月22日『ハーバード×MBA×医師 目標を次々に達成する人の最強の勉強法』(猪俣武範著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者は、異例のキャリアの持ち主です。まず、医師として働きつつ、「語学力ゼロ」の状態からハーバード大学に留学したというのですから驚き。しかもそればかりか、ビジネススクールでエグゼクティブMBAを取得したというのです。制限の多い環境のなか、限られた時間内でこれほどの実績を打ち立てることは、そうそう簡単ではないでしょう。しかしそれでも、必ずしも特別なことをしたわけではないと著者はいうのです。効率よい目標達成のポイントは、「勉強に対する考え方や姿勢」「勉強のスキルやプロセス」「勉強以外のネットワーキング」などを良循環させること。そしてそのなかで著者は、「人生で達成したいことを見据えて目標を立てる」ことと、「なにをやらないかをはっきりと決める」ことにもっとも気をつけているのだそうです。つまり最大限のパフォーマンスを発揮するためには、その2つが重要な意味を持つということです。そんな基本をもとに、限られた時間内で最大の成果をあげる術を紹介した本書から、時間を有効に使うための「スキマ時間」の活用法をご紹介したいと思います。■時間管理を適切に行う1日24時間のなかで、人より多くのことを達成できる人がいるものです。でも、そんなことがなぜ可能なのでしょうか?著者は、その答えは時間管理の意識と方法にあると断言しています。時間管理とは、忙しく予定を詰め込めばいいというものではなく、目標に対する時間をどれだけ捻出できるかを指すものだといいます。たとえば通勤時間中にスマホでだらだらネットを眺めたり、好きな音楽ばかりを聴いたりしていたのなら、有効な時間管理をしているとはいえません。しかし目標に対して時間を管理することができていて、通勤時間中に英語やオーディオブックなどを聴いたり、勉強のための読書をしたりするようになれば、それは自身の成長につながるということ。時間管理をマスターすることは、決して難しいことではないと著者。もっとも大切なのは、時間管理が自分自身にとってどのくらい大切な規則であり、テクニックであるかを、自分の心に理解させることだといいます。時間管理を適切に行うことは、目標達成や成長に必要不可欠。だからこそ、時間管理の基礎を学ぶべきだと著者はいいます。■スキマ時間を有効活用効率的に勉強するためには、当然のことながら多くの時間を確保する必要があります。ポイントは、「長い」時間ではなく、「多く」の時間だということ。集中力は長く続くものではないので、勉強は必ずしも長くやればいいということではないという考え方です。一方、多く勉強するということは、細切れでもいいのでたくさんの時間を捻出し、それを勉強やタスクに振り分けること。忙しいビジネスマンも、子育てに忙しい人も、細切れの時間なら確保できるはず。つまり、そうした「スキマ時間」を有効に使うことが、いくつもの目標を同時に達成するためにもっとも有効な時間術だということです。会議を待つ10分間だったり、顧客との面談の待ち時間だったり、スキマ時間は日常のなかでたくさん見つかるもの。もし仕事が驚異的に忙しかったとしても、スキマ時間は必ず生じるものだと著者は断言しています。なぜなら社会で働いている限り、業務の継ぎ目をなくすことは不可能だから。■すぐツールを取り出すそして私たちは、このスキマ時間を有効に使うことが可能。たとえその時間が、わずか3分間であっても。たとえば著者は、いつも本や簡単な書類を持ち歩くようにしているそうです。電車やエレベーターの待ち時間も、読書やメールの返信作業などのために利用しているわけです。また、スマートフォンはスキマ時間を有効利用するのに必要不可欠。メールの返信や簡単な仕事は、スマホでスキマ時間に終わらせてしまえばいいのです。なお、iTunesなどのクラウドサービスに英語のポッドキャストを入れておけば、リスニングの練習も可能になります。これらのアイデアからも推測できるとおり、重要なのは、スキマ時間ができたら「すぐに」ツールを取り出せるようにしておくこと。1日のTO DOリストの確認をしたり、机の上の整理や書類のサイン、メールの返信をしたりするなど、オフィスで仕事中のときも、スキマ時間が5分あればさまざまなことができるはず。もし20分以上あれば、レポート、発表に使うパワーポイントの骨組みの作成なども可能。少しでも手をつけておくことで、その後の仕事の効率が大きく変わるわけです。そしてスキマ時間は、仕事場だけでなく家でも応用可能。たとえば5分あれば、今日やることを書き出したり、買いものリストをつくったりすることができます。10分あれば洗濯物をたためますし、20分あれば掃除機をかけられるでしょう。そうすれば、余った時間を仕事や勉強にあてることができるということです。*このように、1日のスキマ時間を合計すれば、相当の時間を捻出できるということがわかります。大切なのは、この時間を重要なことに投資し、自己投資と目標達成の良循環を生み出すことだというわけです。(文/書評家・印南敦史) 【参考】※猪俣武範(2016)『ハーバード×MBA×医師 目標を次々に達成する人の最強の勉強法』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2016年03月20日「英語はしゃべってなんぼ」「海外に行けばしゃべれるようになる」……それは20代までの若いコか、ある程度基礎力がある人に言えること。受験英語しか経験せず、それもとうの昔という全然しゃべれない30代にはもっと別の勉強法が必要です。私も日本で3ヶ月間「スピードラーニング」やマンツーマン英会話で備えて渡米し、現地の語学学校に3ヶ月通いましたが、ネイティブの会話にはついていけませんでした。しかし、その後独自の勉強法で黙々とトレーニングしたことで、3ヶ月後には英語のフレーズ、発音がスムーズに出るようになり、ネイティブの会話が理解できるようになりました。今では英語で取材もできるほどに!そこで今回は、私が試行錯誤の結果もっとも効率的だと実感した英会話勉強法を紹介します。ほとんどひとりでできるので、毎日続けることさえできれば成果は裏切りません。メソッド1. まずは地道に単語。ポイントは”音で聴いて口に出す”Photo by Nora単語はやっぱり大事です。「受験勉強であんなに覚えたのに、英語は話せなかったじゃないか」と思うかもしれませんが、覚え方が違っていたのかも。正しくは、単語本とその音声CDを用意し、単語の意味を覚えながら(スペルはそこそこでOK)、発音を聴いてモノマネするように同じように口に出す。これを繰り返します。おすすめ単語本はアイシーピーの『DUO3.0』、本の内容を音声にした『DUO3.0/CD基礎用』・『DUO3.0/CD復習用』。ネイティブが会話に使う単語約1,500語と、それらの単語を1文に複数使った例文560本で構成されています。つまり無駄なく効率的。私はまずこの方法で1日約100語、つまり約1500語(1冊)を2ヶ月間で4回繰り返しました(CD基礎用を使用)。人間の脳は4〜5回で記憶として定着させることができると言われているからです。一つ一つの単語に時間をかけても最初の1〜2回では覚えられないのでサクサクやるのがコツ。3ヶ月目は例文560本を音声だけで(CD復習用を使用)毎日聴きます。はじめてから3ヶ月後くらいから、ネイティブがしゃべっている単語と意味がとらえられるようになり、伝えたい単語が頭にパッと浮かぶようになりました。できれば覚えたと思った2〜3ヶ月後にダメ押しの5回目ということで例文を音声で聴き、忘れてしまった単語を復習すれば完璧。メソッド2. 文法のイメージをつかむPhoto by Nora日本人が得意な文法ですが、日本の学校教育で教わってきた英語文法の解釈はネイティブの感覚とは違っています。文法を理解するにはイメージの共有が大事。イメージをつかめば覚えようとしなくても自然と頭に入り、応用がききます。ネイティブがどういう状況を頭に描きながらしゃべっているかを完璧に解説している『一億人の英文法』(ナガセ)は必読。日本人が苦手な「過去、現在、未来」の時間軸、「can、should、must、may」のニュアンスの違い、前置詞が表現するイメージなどイラストを使った解説は目からウロコ。読み物としてもおもしろいですよ!通しで全部読まなくてもOK。疑問に思った文法をそのつど確認するだけでも十分ためになります。メソッド3. ひとりでひたすら音読ベストセラーで知られるベレ出版の『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』と『みるみる英語力がアップする音読パッケージ』。これらはメソッド1、2で勉強した内容を実際に使えるようにするトレーニング教材です。英会話はスポーツに似ています。コーチからレクチャーを受けてスイングの仕方を頭で理解しても、すぐにはできないのと同じ。英語も練習が必要です。『瞬間英作文』は日本語の簡単な文章、例えば「あなたの家のそばにコンビニはありますか?」を音声で聴いて2秒以内で英語に変換して口に出して言うというトレーニング。時間をかけたり書いたりすれば簡単ですが、瞬時に変換するのは意外とできないもの。”日本語を聴く→2秒以内で英語で口に出す→正しい英語を聞く”。これをスムーズにできるまで繰り返します。『音読パッケージ』は英語の文章を文節で区切りながら聴いてそれをその通りに音読する教材。英語特有のつながって聴こえる音がどこで切れるかがクリアになり、フレーズで理解できるようになります。口の筋肉も英語の動きに慣れ、日本人が苦手な「r」や「th」もスムーズに出るように。これは「シャドーイング」とも呼ばれている勉強法。『音読パッケージ』は例文が難しすぎず、日本人が聴き取りにくいフレーズが効率よく使われているのでおすすめです。この2つの教材は、テキストのはじめに詳細に書かれたマニュアル通りにやるのがポイント。私の場合、1日それぞれ最低30分ほぼ毎日続けました。筋トレのように毎日少しずつ成果が現れます。メソッド4. オンライン英会話をはじめるメソッド3までで基礎を作ってから実際に「外国人と話す」を始めます。基礎がないうちからやみくもに話しても効率的ではありません。私の場合は渡米して現地の語学学校に通いましたが、ネイティブの講師が英語で教えてくれる内容が何を説明しているのかわかりませんでした。質問しても答えの内容が理解できないことも。また講師とマンツーマンで話せる時間は限られていて、自分と同じレベルのクラスメイトとしゃべるのがほとんど。日本にある英会話教室、海外の語学学校は正直効率が悪いと感じました。そこで私はアメリカにいるにもかかわらず、スカイプでフィリピン人の先生としゃべる「レアジョブ」を始めました。1日50分しゃべって月々9,700円。講師はネイティブではありませんが欧米企業のカスタマーサービス業務経験者が多く、ネイティブに近い発音で、教え方の上手な講師もいます。6ヶ月ほぼ毎日続けた後、ネイティブともストレスなくしゃべれるようになりました。大事なのはマンツーマンで毎日話すこと、わからないことをわからないままにしないこと。もちろんネイティブに毎日マンツーマンで教えてもらうのが理想です。でも例えアメリカにいても、友人だとしても毎日マンツーマンで話して、いちいち間違いを正して教えてくれる人をそこそこの金額で探すのは大変です。その点料金が安く、講師の数が多い「レアジョブ」はおすすめできます。30代から英会話を学ぶ場合、「ある日突然わかるようになった」はまずありません。ネイティブとしゃべることはもちろん大事ですが、それだけではとにかく時間がかかります。今回紹介したメソッドは日本でひとりでできるものがほとんど。一見大変なようですが、これをまるで筋トレのようにコツコツ続けると着実に成果が出ます。忙しい30代にこそおすすめしたい勉強法です。
2016年03月20日【ママからのご相談】小3男子のママです。子どもがなんでも途中で放り投げてしまって、「物事へのモチベーションややりぬく力が育っていないのでは?」「将来の受験は大丈夫?」と心配です。モチベーションを上げてやりぬく力を身につけるポイントはありますか?●A. 子どもの“やりぬく力”は親の適度なサポートで育まれます。こんにちは、遊びと学びの専門家大根はじめです。やりぬく力は非認知スキル の一つですね。職場の専門学校でも、やりぬく力がある学生の方が早い時期に希望の会社への内定を手に入れる傾向が強いです。将来なりたいものになるための決定力とも言える能力だと現場で強く感じます。今回は、やりぬく力を育むポイントをご紹介します。●まずはモチベーションを高めるムーギー・キムとミセス・パンプキンの著作『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』では、やりぬく力を身につけるために家庭でできるのは、『モチベーションを高めて真剣に最後まで続けさせること』と指摘しています。モチベーションの起点は自主的な挑戦にあります。ゲームのハマる仕組みでも心理学でも“自主的にはじめる挑戦”がモチベーションを高くする ことが知られています。まずはお子さんに「○○しなさい」ではなく自分が言い出したことに挑戦させることです。お子さんの「やってみたい」の声に耳を傾けできるかぎりチャレンジさせてみてください。春休みはお子さんのやってみたいを試してみるよい機会になると思います。●応援し、適度な期待感をもつ子どものモチベーションを維持し続けるには、まずは親が応援団になるとよいでしょう。挑戦できる場をつくること応援する気持ちを伝える、言葉でのサポートがあるとよいでしょう。また、わが家の経験になりますが、応援団の規模を広げることも効果的です。自分で始めた習い事の成果を子どもからおじいちゃんに電話報告するようにしたところ以前よりもモチベーション高く取り組んでいます。期待感をもって接することも重要です。期待感を親が持ちすぎると重圧になりますが、なさすぎても子どもは味気なくさびしく感じるものです。子どもの希望や特性を無視した期待(例えば本人が望まない職業へ就くことへの期待など)ではなく、子どもの努力を認めて、(喜ぶ親の愛情を子どもが感じられる)適度な期待 を持つとよいでしょう。自分の挑戦に対する正のフィードバックは、ゲームの仕組みでもモチベーション維持に関係する項目です。●真剣に続けさせる子どもの好奇心はあちこちに広がるので「やってみたい!」も多く生まれることと思います。なんでも体験させてみた後は継続する挑戦を選択していくのも重要です。「本当にやりたいことか?」 子どもの本気度をお互いに確認しましょう。習い事や塾ならば、親は子どもの本気にお金を出してサポートするということを表明するのもよいでしょう。時には叱ることも必要です、叱る基準は子どもが真剣に取り組まなかったとき、度を超えた怠慢のときです。真剣に取り組んでいるときはそれを認めた言葉がけをし、真剣に取り組まなかったときは勇気をもって叱ることでやりぬく力を育てます。子どもが途中で投げ出しそうになることがあっても、すぐに途中でやめるクセをつけないようにしましょう。わが家では、「半年続けること」を習い事を始める条件に、「一年間続けること」を次の習い事が始められる条件に設定しています。まずは「基礎を身につけるまでは続ける」など家で目標を設定し、励ます言葉をかけ続け“継続する”経験 を子どもにさせてみましょう。そして、子どもの失敗は叱らず、原因を子どもに考えさせ、次につなぐ気持ちを持てるようにしてください。感情的に子どもの失敗を叱ると、子どもが固く委縮してしまいます。息を深く吸って気持ちを落ち着けてから叱りましょう。【参考文献】・『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』ムーギー=キム/ミセス=パンプキン・著・『ビジネスを変える「ゲームニクス」』サイトウ=アキヒロ・著●ライター/大根はじめ(マンガ家)
2016年03月18日3月13日、Apple Store銀座にて、「Teacher’s Night:iPadが変える学び『コラボレーションと問題解決』」と題されたイベントが開催された。本イベントでは、筑波大学附属桐が丘特別支援学校の生徒向けに、筑波大学情報科学類の学生が開発したiPadアプリを紹介しつつ、学生、児童生徒と先生が共同開発をはじめた想いや歩み、今後の取り組みについてなどが語られた。イベントにはまず、筑波大学附属桐が丘特別支援学校の白石利夫教諭が登壇。桐が丘特別支援学校でどのようにiPadが利用されているかの説明があった。肢体不自由のある生徒にとっては、教科書のページを捲る、文字を書く、荷物を運ぶといったがことが困難であることが多いのだが、iPadを使うことで、そういった局面での問題を解決できるのである。生徒達の学習や生活の幅を広げるのに一役買っているというわけだ。白石教諭がiPadの導入について、持ち運びのしやすさ、すぐに起動して使えるという手軽さ、ユーザーインターフェースのデザインが統一されているので、シンプルで直感的に操作できる点、セキュリティ面での信頼性、そして、さまざまな障碍に対応するアクセシビリティが豊富に備わっているという5つのメリットを指摘したのち、特別支援学校の生徒が登壇。iPad使用前の困難な点と使用後の変化を解説してくれた。生徒は教科書とプリントを同時に使う授業では、教科書を押さえながらプリントに書き込むという作業が難しいことを最初に挙げた。これがiPadに教科書を取り込むことで、簡単にページ送りが可能になったという。続いて、Apple TVを使ってAirPlay経由で液晶ディスプレイにiPadのノートを見せられるようになったので、積極的な発言ができるようになったと打ち明けた。学習意欲の向上にもiPadは貢献しているようだ。また、プレゼンしてくれた生徒の場合、疲労を軽減するために、一日のうちに、何度か横になる必要があるとのことだったが、これもiPadのおかげで、横臥した状態でも教科書を読んだり、板書したりといったことができるようになったと報告してくれた。しかしながら、アプリを利用する上で問題が二点あったと訴える。一つは、一般的なアプリでは、ボタンやキーが小さかったり近付きあいすぎたりして、押し間違えることが多くなるという点。二つ目は、文字の拡大に際して、長押しでルーペを表示させるの操作が難しいという点だ。こういった問題を解決するために、筑波大学情報科学類の学生との協同作業がスタートしたのである。ここで、筑波大学情報科学類の櫻井鉄也教授が登壇。大学についての簡単な説明のち、今回の共同開発がスタートした経緯を述べた。80年代にMacintosh Plusを購入し、アルゴリズムの記述や計算ができる「MathGUIde」というアプリを開発した経験もあるとのことだったが、ここ数年はiPadアプリの開発にも携わっており、そんな中で、白石教諭からコンタクトがあったと、その時の状況を櫻井教授は振り返る。これを受け、白石教諭は、桐が丘の生徒はiPadで文字を入力することはできるが、分数などの数式を書くのが厳しいということがあるので、入力しやすくルールが複雑でないツールはないかとリサーチを続けていたと、述懐した。そこで筑波大学の学生が公開している動画を見つけたのがコラボレーションのきっかけになった、と白石教諭。共同開発の展開に関しては、筑波大学情報科学類の学生が案内。「COINS-Project」という計画を立て、肢体不自由者向けのアプリ開発を行う「COINS-Project AID」、筑波大学の公式アプリ「iTsukuba」の開発、学内向けのプログラミングの勉強会などの実施など、活動を詳説した。COINS-Project AIDにおいては、桐が丘の生徒のアイディアや筑波大学の学生の閃きからアプリを開発、その後、実際に桐が丘の生徒にアプリを使用してもらい、彼らからのフィードバックを得、機能を改善というサイクルを経て、適当なタイミングでApp Storeに公開するというプロセスを踏んでいるそうだ。その中で生まれた「iPolyFactor」という因数分解を解くためのアプリを紹介。最初のバージョンでは、ボタンのミスタッチが多い、操作部と表示部が左右に分かれているので、利き腕によっては上手く使えないといった問題が出てきたのだが、ボタンの大きさを可変に、操作部と表示部を入れ替えられるようにするという機能が追加された。このように相互の対話があった上で、作業は進められていく。続けて「Planner」と命名されたスケジュール管理アプリを紹介。スケジュールの管理と書字が苦手という桐が丘の生徒は、このアプリを使うようになってからの劇的な変化について触れた。生徒は、書字に時間がかかるので、これまで予定表を作るのは母親に作成を依頼し、学習が終わったら、その表のマスを塗りつぶしてもらうという作業を繰り返していたと話す。苦手な科目はやらない、など、勉強する教科は偏ってしまいがちだが、予定表を作ることで、やらなければならないことの整理がしやすくなると生徒は省察する。「Planner」では、現在の進捗状況を一瞥しただけで分かるようにでき、簡単な操作のみで計画表を作成、入力できるようになっているが、これも生徒が使用していたものに似せてUIをデザインし、マスの数とタイトルを決めるだけで表が構成できるようにしたと、フィードバックから仕様が決まっていったことを強調した。生徒は、これまで出来なかったことが出来るようになったと喜びをあらわし、さらに、今まで自分で出来ることも他者に頼んでいたところがあったと反省しつつ、自分で出来ることは自分でやるようになったと、前向きな気持ちを伝えた。iPadとアプリを使うことで、勉強が捗るようになっただけではなく、人間的な成長にも繋がっているということには感銘を禁じえない。イベントの締めくくりに、この三年間の取り組みに関して、感じたもの得られたもののヒアリングが。コラボレーションの効果として、学習上の課題を克服することで、生徒全体の学習能力がアップしたことが挙げられ、適切なコンテンツにより、さまざまな問題を解決できるiPadの素晴らしさを感じ取ることができたこと、ICTと人材が組み合わさることで、障碍を克服する新しい手段を獲得できるようになるといったことが指摘された。しかしながら、全ての問題が片付いたというわけではない。桐が丘の生徒からは、文字入力や音声認機能への要望が寄せられた。ソフトウェアキーボードでは、画面の半分が隠れ、作業スペースが狭くなってしまうという現象が起こる。外部キーボードを使うにも、そもそも彼らにとっては、運ぶのが一苦労で、導入にも躊躇いを覚えるのだ。作業スペースへの不満は実感として非常によく分かる。自分が書いたものを一瞬で全て把握できないのはかなりのストレスであるのに違いない。これに対して、iPhoneをiPadのキーボードとして使えないかというアイディアが提出された。着想として面白いだけでなく、実用性も高そうなので、アクセシビリティの機能向上として、iOS側で是非取り入れていただきたいところだ。また、構音障碍のある生徒からは、Siriの認識率を上げてほしいというリクエストが寄せられた。生徒は、「Siriは、本当は私たちにこそ必要な機能」と力説したが、これも間違いなくその通りである。肢体不自由がある場合、体の可動域に大きな制約があり、たとえそれがiPadのような使いやすいデバイスだったとしても、支援ツールなくしては道具として利用できないこともあるからだ。最後に、印象に残った筑波大学の学生のコメントを紹介しよう。学生は「今回のコラボレーションを通じて、大学で学んだことが実際に人の役に立っていると実感を得ることができ、それらがプログラミングを続けるモチベーションになったし、ただ意見を貰ってアプリの開発にあたるのではなく、そこから本当に必要な技術とは何かを考えるようになった」と述告したが、これは、障碍者支援のあるべき形を端的に言い表しているように感じられた。続けて「一般の企業には出来ないような局所的なニーズに応えていきたい」と意気込んだが、この発言は高く評価してしかるべきである。マーケットの論理が支配的な世界においては、金にならなければやらないし、コストが高くつきすぎれば研究の支援はできない、となるのが当たり前だが、彼らは学術機関としての大学の責務をきっちり果たそうとしているからだ。最高学府としてあるべき姿とは何かということを筑波大学と学生達はしっかりと理解している。障碍者向けの支援ツールは、往々にして世代が変わるとボタンなどの配置が変更されてしまい、一から使い方を覚え直さなければならないが、iPadならそれはない。開発に携わった学生が卒業してプロジェクトを離れてしまったとしても、コラボレーションは問題なく継続可能だろう。また、プロジェクトの関係者や教員、家族だけでなく、たまたま通りかかった人でも、iPadなら皆が使っているものであるから簡単にサポートできる。障碍者と健常者の間に橋を渡すという役割を彼らは担ってくれた。また、障碍者支援ツールとしてのiPadの可能性を、彼らは大きく切り拓いたのである。
2016年03月18日クラスのマドンナ的存在には、いつまでも可愛くいてほしいのが男子の願い。同窓会や道でバッタリ会った時に、あの頃の面影が全くなかったりすると男子も「昔は可愛かったのに。」とがっかりしてしまいます。そこで今回は20代男子30人に「昔は可愛かったのになぁ・・・」と幻滅してしまうポイントについて聞いてみました。さらに、いつまでもマドンナでいられるポイントもご紹介していますので、参考にしてみてください。■1.ケバすぎる「中学時代、清楚で可愛らしかった女の子が急にギャルになっていた。昔は可愛かったのに話し方もかなりガラが悪くなっていてちょっと残念でした。」(21歳/大学生)高校生頃からメイクに目覚め、ギャルへと路線変更する女子って何割かいますよね。もちろん自分に合っていれば何の問題もないのですが、あまりにも度を超えすぎてしまっていると男性から「昔は可愛かったのになぁ・・・やめた方が良いのになぁ・・・」と思われてしまう原因になります。お化粧を頑張りたいという心意気も大切ですが、男性はナチュラルメイクを好む傾向にあるので、何事もほどほどにしておきましょう。■2.太った「美人な子が太っていたのはショックだった。名前言われないと誰だか分からないんだもん・・・。昔は可愛かったのに・・・。」(28歳/商社)一般的には、体重は3キロ増えると見た目にあらわれると言われています。健康的な体型でいる分には問題なさそうですが、ちょっと気を抜くと、ただのぽっちゃり体型になってしまします。「痩せたらキレイなのに」なんて思われたら、もったいないですよね。無理なダイエットはおすすめできませんが、「昔は可愛かったよな」なんて言われないために、適度な運動をするなど日頃から自分の体重を意識するようにしましょう。■3.髪型が変「髪の毛が似合っていないパサパサのロングだった。昔はショートヘア―ですごく似合っていたのに、もったいないなと思いました。」(24歳/広告)髪型も人の印象を大きく左右します。髪のツヤがなくなると、どうしても「年取ったなぁ・・・。昔は可愛かったのに・・・。」と思われがちです。また、パーマをあてすぎているなど、古臭い髪型も「おばちゃんみたい・・・」と自分から見た目年齢をあげてしまうことに繋がります。昔は可愛かったのにと思われないためにも、同窓会の前日ぐらいは、しっかりトリートメントをして、イマドキの髪型を研究しておきましょう!■4.お笑いキャラに転身「女子大に行った高校の同級生はいつの間にかお笑いキャラになっていた。昔は可愛かったのに、今は『一発ギャグやりまーす』とか平気で言っていて、ちょっと引いてしまった。」(27歳/不動産)こちらは女子ウケが良いのは間違いないでしょうが、いくら昔は可愛くても、恋愛対象からは除外されてしまいます。特に合コンや、男子がいる飲み会では、お笑いキャラは封印して臨むようにしましょう。「女社会に揉まれてしまって、男性との関わりを忘れてしまった」という人はテンション任せにせず、周りの女子の振る舞いを見つつ、流れに身を任せてみましょう。■5.飲み過ぎて暴露しまくり「お酒が入ったら急に過去の恋愛から生々しい下ネタまで連発してきた子がいた。その場は盛り上がったが、裏では『あいつは彼女にしたくないね』と言われていました。」(24歳/医療メーカー)特に10代の頃の知り合いだと、お酒を飲んだ時どう変わるのか知らない人も多いはず。昔は可愛かった女の子でも、自分の過去をさらけ出し過ぎてしまうと、男性も「別にそこまで聞いてない」「この子と付き合ったらプライバシーなんてあったもんじゃないな」と警戒してしまいます。つい飲み過ぎてしまう人は、自分からお酒の量をセーブしていきましょう。飲み会では、「昔は可愛かった」ではなく、「今も可愛い」を目指しましょう。■昔は可愛かったと言わせないためにここまでは、男子が「昔は可愛かったのに・・・」と思ってしまう幻滅ポイントをご紹介してきました。では、どうすれば昔は可愛かったと思われずにすむのでしょうか。可愛いと思ってもらうためには、少なからず女の子の努力も必要です。それは今も昔も変わることはありません。言動や仕草だけでなく、身だしなみを整えることは、可愛いと思ってもらうために重要なポイントになります。つづいては、いつまでもマドンナでいるためのポイントをご紹介していきます。「昔は可愛かった」なんて言わせないためにも、ぜひ参考にしてみてください。■1.おしゃれに気を遣う昔は可愛かったと言わせないために大切なのは、おしゃれに気を遣うということです。とはいえ、はりきって若い子がするような恰好をするのではなく、年相応のおしゃれを楽しむようにしましょう。おしゃれを忘れてしまっていては、昔の方が可愛かったと思われても仕方ありませんが、おしゃれをすることで、今も昔も可愛いと思ってもらえます。ファッションに疎く、どんな恰好をしたらよいか分からないという方は、まずはイマドキの雑誌を買って勉強してみましょう。雑誌で勉強することで、自分の好みを反映させつつ、流行のアイテムを入れるなど、おしゃれの幅が広がります。■2.趣味をつくるまた、男子に今も昔も可愛いと思ってもらうためには、夫や子ども以外に夢中になれる趣味を見つけるというのもよいでしょう。結婚後は家事と育児ばかりで、趣味なんて見つからないという方は、結婚前に楽しんでいたスポーツ、入っていたサークルなどを再びはじめてみるのもよいですし、新たに何かはじめてみるのもよいです。独身の場合は、そこで新たな出会いがあるかもしれません。趣味を見つけて、いまを楽しんで生きることで、昔は可愛かったではなく、今も可愛いと思わせることができます。■3.品のある行動をとる今も可愛いと褒められるためのコツは、品のある行動をとるということです。若い時には、品のよさよりも派手さを求めていたという方がいらっしゃるでしょう。若い時には派手に行動して可愛がられていても、歳を重ねてからはそうはいきません。品のある行動がなにか分からないという人は、華道や茶道、書道など、和を感じられる習い事を始めるのもひとつの手でしょう。また、「品格」に関する書物もたくさん出ているので、それらを読んで勉強するのもよいですね。品のある行動を心がけることで、昔は可愛かったではなく、今も可愛いと思わせることができます。■4.体型維持をするまた、可愛さを維持するための第一歩は、体型維持をするということです。若い時にはスレンダーだった方も、出産や年齢を重ねることで、体重を増やしてしまう場合があります。体型の変化は男子の印象にも残やすく、少し体重が増えただけでも劣化したと思われてしまいます。ダイエットには、食べ物を制限するタイプのダイエットや、運動をするタイプのダイエットなど、さまざまな種類があります。これまでダイエットをあまりしたことがないという方は、まずは、自分に合ったダイエットを探すところからのスタートとなります。決して無理なダイエットをするのではなく、健康的なダイエットをして、美貌を維持しましょう。■おわりにいかがでしたか?「別に地元の男なんかに興味ないし」という人もいるかもしれません。しかし、いつまでも同級生男子の幻想を壊さず、学校のマドンナでいることも時には大切です。ましてや、「昔は可愛かったのに、今はもうおばさんみたい」なんて思わせてはいけません。そのためには努力を惜しまず、常に見られているという意識をもつようにしましょう。もしかすると、、芋臭かった彼も月日が経ってハイスペ男子になっているかもしれませんからね。「昔も可愛かったけど、今も全然変わらないね!」と言ってもらえるような素敵女子を目指しましょう!
2016年03月17日前回の連載で紹介した、育休中の母親たちがスムーズな職場復帰に向けて学ぶ「育休プチMBA勉強会」。私は自分の意見をどんどん発する参加者の姿に、衝撃を受けました。というのも、特に乳児と暮らしていると非言語でのコミュニケーション(泣き声から要求を判断する、表情から察する等)が中心になるため、どうしても母親は自分の言葉を失いやすい傾向にあります。そんな状態で、さらには初対面の人どうしが集まって、いきなり議論させるのは実はとてもハードルの高いことだからです。その視点に立つと、育休プチMBA勉強会では、有効なディスカッションを生み出すための精巧な仕組みがきちんと存在していることに気づきます。そこで本編では、代表者の国保祥子さんへのインタビューを通して、この勉強会がどのように母親たちの学びを最大化しているかについて掘り下げていきたいと思います。○初対面の母親たちが議論しあえる理由まずは会の進行役でもある「ファシリテーター」の存在。ファシリテーターは、過去の勉強会参加者の中から立候補し事前にトレーニングを受けた人が、各回1名配置されます。ファシリテーターの育成は、代表者である国保さんが直接担当する形をとっており「Teaching noteと呼んでいる進行計画を各自作成してもらい、それに対するフィードバックを繰り返してブラッシュアップしていきます」とのこと。育休中にその作業をこなすのは容易なことではなさそうですが、「育休中でもファシリテーション手法の勉強や自己研鑚(けんさん)に意欲のある人が、毎回手をあげてくれている」といいます。「ファシリテーターとは別に、勉強会の運営に携わる運営チームのスタッフが3名程度存在することに加えて、ディスカッションをする際に各テーブルでの議論を見るディスカッションリーダーが配置されます」と国保さん。このように比較的小さく明確なミッションを担う人材を適所に置くことで、ファシリテーターを補強する複層的な運営体制となっていることが特徴的です。そしてこのことが、はじめましての母親同士でもきちんと議論し合える環境を作っているのでしょう。○「両立は無理」の諦めムードをなくしたい勉強会で用いられるケースは、その場ですぐに読めるよう作成した国保さんオリジナルの資料が中心。労働時間や場所に制約を抱える制約人材(=参加者)のマネジメント思考をトレーニングすることに特化して編さんされたもので、母親自身にマネジメント視点に立った解決策を考えさせる内容のものが多くなっています。最終的には「あなたはどう行動しますか? と投げかけ議論に落とし込む」ことで、自分自身の足りないものに気づかせることを意識しているとのこと。インタビューの最後では意外にも「この勉強会は、今育休中の人のためにやっているというより、実はこれから出産・育児・復職する人のためにやっている」と語ってくれた国保さん。2つの大学で経営学を教える国保さんにとって最も身近な存在である20代の若者の間に「将来育児と仕事を両立したいけど、無理だろうな」と諦めムードが広がりつつあることに危機感を感じたそうです。そういった意味でも、今子育てをしている世代が育休プチMBAのような場で学ぶことで、また違った背中を後輩たちに見せていくことができるのではないでしょうか。※写真と本文は関係ありません○著者プロフィールここるく 代表取締役 山下真実「わが子を大切するために、ママが自分自身を大切にできる子育てスタイル」を提案し、人気のレストランが託児付きで楽しめるサービス「ここるく」を運営するママ起業家。投資銀行や金融系コンサルなど金融業界でキャリアを積みつつ、2011年に第一子を出産。初めての子育て中に「今まで気にもとめていなかった当たり前の事が、産後は一気にできなくなるんだ! 」と感じたことがきっかけとなり、現代に合った子育て支援を実現するため2013年にここるくを設立。同サービス運営を通じて得られる働くママ達のリアルな視点とコンサル経験を活かして、企業に対する女性活躍推進コンサルティングを行う。全プラン託児付き! 新しい子連れランチ・おでかけスタイル「ここるく」
2016年03月16日みなさん、こんにちは。前回はITエンジニアの世界の「シェアする文化」がどれだけ素晴らしいものなのか、勉強会を例に書かせてもらった。筆者は、エンジニア特化型Q&Aサイト「teratail(テラテイル)」の運営に関わっているのだが、まさにteratailもそうした「シェア文化」の上で成り立っているWebサイトの1つである。今回は、そのteratailに投稿された実際のQ&Aのうち、Webサイト内をおおいに沸かせた「名回答」がついたものをいくつかピックアップし、シェア文化の実例として紹介していきたい。質問自体はいずれもシンプルな疑問ではあるが、回答欄を見ると「え!? こんなに丁寧に答えてくれるの……??」「ふ、深い……!!」と思わずうなってしまうほどの名回答が生まれており、非常に多くのプラス評価がついている。○<br>と<br />の違いとは?素朴な疑問がきっかけで語られたHTMLの歴史まずご紹介したい質問はこれだ。「htmlの改行タグを<br>ではなくて<br />と書くのはどうしてでしょう?」htmlを書く時、改行タグが<br>ではなくて<br />と書かれてある場面によく出くわします。なぜ、<br />と記述するのでしょう?<br>と書くのと、一体何が違うのでしょう?なんともない、シンプルなHTMLタグの違いに関する質問かとおもいきや、回答欄を見ると、なんとも細やかな解説が![回答内容]HTMLは当初、SGMLで作られました。しかし、SGMLは自由度が高すぎたため逆に実装が難しく(特に当時の非力なコンピュータでは)、HTMLを唯一の例外として、あまり普及しませんでした。(ブラウザなどのHTMLの実装は、SGMLとしての解釈はせず、HTMLの仕様決め打ちの解釈で実装することにより、SGMLの難しさを回避していました。ただし、このことがブラウザ間の非互換性の元にもなりました)そこで、SGMLの仕様を見直して、自由度を下げる代わりに、仕様を簡便にして実装しやすくしたものがXMLです(したがって、XMLはSGMLと別のものではなく、SGMLの「サブセット」として規定されています。SGMLを処理できるプログラムでは XMLも扱えます)。「自由度を下げる」ことの代表的なものが、「開始タグと終了タグがペアになっていなければならない」というルールです。このルールを導入することで、これを扱うプログラムでは、閉じるのか閉じないのかがわからないタグを扱うために次々と予備の変数を用意して待たせておくといったような処理をしなくてよくなりました。SGMLではHTMLに見られるように単独のタグを定義することもできました。その後、「XMLとして扱えるHTMLを作ろう」という試みが行われるようになり、その中で既に定着している <br> などの単独タグをどうするかが問題になりました。単独タグを許すと、XMLのメリットである実装のしやすさが失われてしまいます。しかし、使い慣れた <br> が使えなくなるのも問題です。そこで1つの妥協として <br /> という記法が考案されたのです。上記の記法を使えば、単独タグであっても終了タグの登場に備えなくてもよいため、従来のXMLの処理をそれほど大きく変えなくても扱うことができます。(以下略)<br>と<br />について、単にHTMLとXHTMLの文法上の違いだけでなく、その裏にある歴史的背景まで説明がなされている。このように、求めていた回答をはるかにしのぐ「学び」を得られるのは、Q&Aサイトならではかもしれない。○Rubyistが2500字超えで語る"Pythonの良さ"他にも次のような質問がある。*「Python の良さを知りたい」Pythonを始めたばかりで、その魅力がまだいまいち分からないという質問である。これまたとてもシンプルでストレートな質問ではあったのだが、35票ものプラス評価(2016年3月11日時点)が集まる「名回答」が生まれるQ&Aとなった。その回答がこちら。これまた見事な名回答がそこにあった。Rubyistがここまで熱くPythonを語っている点や「…うわなにをするやめr」のところなど、ツッコミどころ満載なのも気になるが、いくつか回答の中身をピックアップすると、単に質問に答えるだけでなく、質問の背景に隠れているであろう投稿者の悩みにまで寄り添ったアドバイスが随所に散りばめられているのが分かる。例えば、以下のようなところだ。エンジニア初心者がよくぶつかるであろう英語に対する客観的なアドバイスが述べられている。残念なことですが、ライブラリの多くは英語でしか説明がありません。しかしながら、これは他の言語も同様です。これからプログラミングを学び、その技術力を高めるには、技術英語が読めることは必須の技能です。英語だからと言って敬遠せずに慣れてください。しかし、多くの人が使っている有名なライブラリであれば日本語で使い方が書かれたサイトがあります。Pythonは日本でも多くのユーザーが使用していますので、情報はすぐに見つかると思います。他にも、今後のスキルアップのために常識となってくることなど、非常に丁寧なアドバイスを示してくれている。一般的なWindowsユーザーにはコマンドプロンプトがなじみがないものに思えますが、それは一般ユーザーで終わる人だけの話です。プログラマーだけでなく、IT関係の技術者にとってコマンドプロンプトなどテキストベースであるCUIの操作は当たり前のものであり、その操作は一般的です。今のうちにこれも慣れてください。自分で調べるだけでは知り得なかったかもしれない副産物的な知識に加え、アドバイスまでもらえたのは質問者にとって(いい意味での)大きな誤算になったであろう。ほかにも、さまざまな方々が各視点から回答してくれており、ググっただけでは見つかりづらい「今」の声がリアルに反映されているように思える。以下、多くのプラス評価がついた回答があるもの、話題になったQ&Aをいくつかピックアップするので、もし気になるものがあればぜひ見ていただきたい。■「変数とかを英語にするとわかりにくくないですか?」プログラミング歴2カ月ほどのユーザーから出た素朴な疑問に対して、『クラスを作ったり関数を作ったりするのは「プログラムを作る」ことであると同時に「言語を拡張している」と考えています』や『私からの回答は「役割をはっきりさせましょう」です。チームや数カ月後の自分が分かるように書くことです 』といった、ベテランの方のプログラミングに対する「感覚」がリアルな言葉で返ってくるのはおもしろいところ。また逆に、『どれがプログラム特有の命令で、どれがプログラム記述者が自由につけた変数名なのかがわかりにくいのです』といったプログラミング入門者の感覚だからこそ気づきやすい視点が、ベテランの方にとっては新鮮だったりするようだ。■「1日に100万レコード増える場合のテーブル設計」現状、最もはてなブックマークがついているQ&Aである。ビッグデータを取り扱う際のテーブル設計についての質問だが、最も高い評価が付いている回答には、ソーシャルゲーム会社で実際にデータ分析基盤を作っているユーザーが現場での経験を基に実用的なアドバイスが書かれている。■「最近のプログラミング言語にgetter/setterがないのはなぜ?」Javaで使われるgetter/setterメソッドが、なぜSwiftやKotlinなどの比較的新しい言語では使われない設計になっているのか、という質問である。質問文に対して、ひとつひとつ丁寧に解説がなされた回答から、他のユーザーも巻き込んで議論が発展し、プロパティという仕組みの起源の話にまで至っている。■「【C++】なぜヘッダと実装はわけるべきなのでしょうか(.hに実装を書くことは邪道か)」『時々C++を学び始めたばかりの後輩から「なぜヘッダファイルに実装を書いてはならないのか」「なぜC++は2度も同じコードを書くことを強いるのか」と質問を受けます』と話す質問投稿者。いつもはそれらの疑問にお茶を濁して回答つつも、自身でも納得のいく答えがなかったということで今回この質問を投稿したとのこと。このような「そういえばなぜだろう?」という疑問には皆各々の見解を持っていて、読んでいるだけでも非常におもしろい。さて、ここまでteratail内で話題になった秀逸な回答がついたQ&Aを紹介してきたが、ここでひとつ疑問が残る。現状、回答することに対してとりわけ直接的な見返りがあるわけではないのだが、それにも関わらずなぜここまで回答してくれるのだろうか?実はこれ、teratailのナカノヒトたちも、長い間疑問に思っていることだったりする。teratailに限らず、ブログ文化や、勉強会文化もそうだが、他業種と比較してIT業界において圧倒的にシェアしあう文化がここまで根付いた根幹は一体どこにあるのだろうか? インタビューを通じてその点を少しでも明らかにしていきたい。次回は、teratailをよく活用してくれているユーザーへのインタビューを通じてその点を少しでも明らかにしていこうと思う。○執筆者紹介木下雄策1988年生まれ、福岡県出身。エンジニア特化型Q&Aサイト「teratail」のDevRel(技術者向け広報)担当。2013年にレバレジーズに新卒で入社し、1年でトップ営業マンとなった後、現在のteratailチームにジョイン。年間30以上のエンジニア向けイベント/勉強会を開催している。好きなものはJavaScript(ただしド素人)とスノーボード。
2016年03月16日『トイ・ストーリー』や『ファインディング・ニモ』などの名作を世に送り出してきたピクサー・アニメーション・スタジオでは、日本人クリエイターも活躍している。このたび、アメリカ・サンフランシスコの同スタジオで、最新作『アーロと少年』(3月12日公開)に参加している原島朋幸氏と小西園子氏にインタビュー。本記事では、シミュレーション・デパートメント(キャラクターをリアルに見せるための技術)を担当した小西氏について紹介する。小西氏は、シカゴの美術大学で学んだ後、1994年にピクサーに入社。世界初の長編フルCGアニメーション映画『トイ・ストーリー』にも関わったというピクサー一筋のクリエイターだ。本作『アーロと少年』では、恐竜の皮膚の動きや少年スポットの髪の毛や服の動きなどを担当した。――小西さんはもともとは『スター・ウォーズ』が好きで映画に興味を持ったそうですが、そこからアニメーションの世界に入った理由を教えてください。ビジュアルエフェクト(視覚効果)をやりたいなと思ったんです。映画の世界に行こうと思ったのは、『スター・ウォーズ』をリアルタイムで渋谷で見た時に、ハリソン・フォード演じるハン・ソロに首ったけになって、その時に「映画を勉強して、絶対アメリカに行くぞ!」って決意したんです(笑)。そして、アート学校に入った時に、CG(コンピュータグラフィックス)が波に乗り始めて、ビジュアルエフェクトに興味を持ちました。――『アーロと少年』でのシミュレーション・デパートメントは、具体的にどのような作業でしたか?恐竜たちの皮膚や筋肉の感触を出したり、スポットの髪の毛をほわほわっとさせたり、スポットが腰に巻いているスカートに動きをつけたり、恐竜が踏んだ時の草木や芝の動きなどです。草の場合は、恐竜に踏まれると沈み、足が離れるとゆっくり元に戻るようにするんです。――特に難しかったシーンを教えてください。草木は、量が多かったので大変でした。場面によって、激しく揺らしたり静かに揺らしたり。木の1本に対して、もう少し揺らしてみようということになるんです。でも、後ろを揺らしすぎるとうるさくなってしまうので、絶妙なバランスが求められます。――思い入れのあるシーンはありますか?スポットがクシュクシュッてお尻を振るシーンですね。かわいさを強調するために、動きを大げさにしたんです。最初にスカートを思いっきり揺らして、髪の毛の方にだんだん動きが伝わっていくというようにしました。――シミュレーション・デパートメントの面白さを教えてください。アニメーションの方から、シミュレーションをした後の映像は「ものすごくいい」と言われます。あるのとないのとではまったく違うんです。恐竜たちの筋肉の動きなどがあると自然に見えますし、スポットがアーロの背中からポンポンポンッて降りるシーンも、スポットがアーロの皮膚を押すとプニュッてなるようにしています。そういう反動があるのとないのとでは、まったく違います。――最後に、これからピクサーに入りたいと思っている日本人にアドバイスをお願いします。最近は、テクノロジーも簡単になってきていますし、ハウツーものも充実していて自分で学べるようになっていて、向上心のある人は自分でどんどん勉強しています。また、コンピュータはあくまでもツールのひとつで、逆に重視されてきているのは、ストーリーや絵コンテが書ける人、アニメーションできる人だと思います。(C) 2016 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2016年03月15日人相学では、古来より女性の乳房から子宝運を占ってきたそうです。古い相書には、乳房を赤ちゃんの専用物と見なし、子供に恵まれるかどうかを観た記録があります。けれど、時代が移るにつれて解釈は変わり、子供に関わること以外の運勢も見るようになりました。ここでは、バストの形をもとに、あなたの様々な運勢をみていきたいと思います。現代風にアレンジした「バスト占い」です。今回は、「基本性格編」。まずは、お風呂に入る時などに、あなたのバストの形は以下のどれに近いのかを確かめてみてください。■■平たいバスト・・・・・・清楚でしっかり者あまり盛り上がりのない平たいバストの女性は、清楚で気品があるタイプ。とても控え目で、自分が表に出ることはなく、縁の下の力持ち的な役割をすることが多いでしょう。しっかり者なので、周囲からは頼りにされます。また、職場のデスクまわりや自宅は常に整理整頓しておかなくては気が済ない、かなりの潔癖症です。■■ロケット型のバスト・・・・・・エネルギッシュなリーダータイプロケット型は、鋭く突出した迫力のあるバスト。このバストを持つ女性は、強気で負けず嫌いです。人を押しのけてでも、自分の欲しいものは全部手に入れたいタイプ。エネルギッシュで行動力抜群なので、たいていの夢は叶えられるでしょう。闘志みなぎるリーダー気質を持つため、多くの人から頼りにされます。■■大きなバスト・・・・・・勉強熱心で知的な女性ボリューム満点のバストを持つ女性は、とても勉強熱心で、ひとつのことを極めていこうとする傾向が強いでしょう。そして、その道のスペシャリストとなり、多くの人からその豊富な知識力で頼りにされます。積極性もあるので、自分の人生を大きく切り開いていくパワーが十分にあるはずです。■■ツンと上向きのバスト・・・・・・チャーミングな人気者ツンと上向きで形のいいバストを持っている女性は、いくつになっても若々しい外見と心を持っています。子どもっぽいと思われて損をすることもありますが、たいていの人からは、チャーミングで魅力的な女性だと思われます。そのため、人気運が非常に高く、男女問わず、友人が多いでしょう。■■下向きのバスト・・・・・・大器晩成型バストが下向きの女性は、自由奔放な性格で、失敗を繰り返しながらもたくましく世の中を渡っていくタイプです。誰に何と言われても、自分の生き方を改めようとはしません。けれど、たとえ痛い目に合っても、そこから立ち上がる不屈の精神があります。また、大器晩成型なので、若い頃苦労をしても晩年には報われるでしょう。■おわりに女性のバストは、年齢を重ねたり、出産などを経て変わっていく場合があります。ですから、その時々で自分のバストの形を確かめるようにするといいかもしれません。また、乳がんの早期発見のためにも、自分の乳房を鏡に映してよく観察することは大切です。ここはぜひ、自分のバストと一度じっくり向き合ってみてはいかがでしょうか。(紅たき/ライター)(ハウコレ編集部)
2016年03月14日みなさんは週末や業務後のお時間はどのようにお過ごしでしょうか?仕事を忘れてゆっくりしたりしたいと思う方も多いはず。しかし、ITエンジニア(エンジニア)界隈では、貴重な平日の夜や週末も、皆で集まって「勉強会」を開催したり、ブログなどで情報発信したりなど、日々知識をアップデートする人が多いという。今回、エンジニア界が持つ素晴らしい文化をもっと世間に知ってほしいと思い、数回に渡ってエンジニアの生態について迫っていく。第1回は、ITエンジニアによる「勉強会」について紹介する。○もはやクレイジー?エンジニアの素晴らしき「シェア文化」ITエンジニアの世界は、他の職種から見るとなんとも異様な文化を持っている。それは、"ノウハウをシェアしあう文化"だ。エンジニアは、自分が時間をかけて身に付けた技術や知識を、ブログやGitHub(ソフトウェア開発プロジェクト用の共有Webサービス)などで、惜しみもなく公開し、また参加した勉強会では、エンジニア同士で新たな試みやノウハウを共有しあうのだ。参考までに、IT勉強会・セミナーなどのイベント情報検索サービス「dots」のカレンダーページを見れば、その開催数の多さは一目瞭然である。もはや、勉強会の開催されない日が見当たらないのではと思えるほど。筆者は主催/運営側を含め、多いときは月10回以上も勉強会やカンファレンスに参加している。一般的な休日のセミナー開催は、講師(メンター)探しに苦労するのだが、エンジニア向けのセミナーでは、懇親会費を払ってもメンターとして教えたいという方が何人も名乗り出てくれることも普通だ。イベントを企画するたびに、さまざまな人が「自分の好きな技術を教えたい!」と快く協力してくださるので、いつもとても助けられている。そういった善意を持った方が多いからか、どのイベントでも、登壇者・参加者・主催者関係なく全員で一丸となってイベントを作り上げている感じがあり、なんともアットホームで、とても居心地良い雰囲気なのもエンジニア勉強会の特長だ。営業職出身の筆者からすれば、他の業界では考えられない文化だと思う。例えば、実務に関する営業職のセミナーに行こうものなら、数万円かかることも少なくない。しかし、エンジニア業界では実務で活用できるレベルのノウハウが、当たり前のように公開されており、もはやクレイジーとさえ感じるほど知識を共有しあう文化がそこに染みこんでいるのである。もちろん、リアルな勉強会だけでなく、Web上でも盛んに知識のシェアが行われている。例えば、筆者 が運営するteratailの場合、"ベストアンサー職人"とでも呼びたくなるような芸術的な回答が投稿されることもしばしば見られるようになってきた。ぜひ、そういった回答はteratail内だけではなく、もっといろんな人に見てもらいたいと思っているし、見ていただいた方にとっても価値あるものになるだろう。では、なぜエンジニアは惜しげもなく知識をシェアするのだろう。次回より、teratail内で話題になった秀逸な回答をいくつか紹介しつつ、セミナー登壇やteratailなどで積極的に活動するITエンジニアにインタビューを行いつつ、エンジニア特有の"シェアしあう文化"の背景に、どういった思いや特性が秘められているのか、紐解いていこう。○執筆者紹介木下雄策1988年生まれ、福岡県出身。エンジニア特化型Q&Aサイト「teratail」のDevRel(技術者向け広報)担当。2013年にレバレジーズに新卒で入社し、1年でトップ営業マンとなった後、現在のteratailチームにジョイン。年間30以上のエンジニア向けイベント/勉強会を開催している。好きなものはJavaScript(ただしド素人)とスノーボード。
2016年03月14日