日本航空(JAL)は1日、国際線の新しい機内食メニューとして牛丼セット「AIR吉野家」の提供を開始した。5月31日出発便までの期間限定で、対象路線は日本発ニューヨーク・シカゴ・ロサンゼルス・ロンドン・フランクフルト線。提供クラスはファーストクラス・エグゼクティブクラス・プレミアムエコノミー・エコノミークラス。乾燥した機内で提供するため、つゆを多めにした「つゆだく仕立て」。また、吉野家の丼に見立てた特製牛丼ボックスを使い、下部にごはん、上部に具材と分けて提供する。「お酒を飲む方には、牛皿としてもお楽しみいただけます」(同社)。デザートの杏仁豆腐は吉野家にはなく、JALが独自に組み合わせた。牛丼はしっかりとした味付けのため、「さっぱりした甘み」が合うとして杏仁豆腐をデザートに選んだとのこと。「AIR吉野家」登場の経緯として、日本航空代表取締役社長の植木義晴氏は「AIRモスバーガー」「AIR肉まん」などのAIRシリーズは、これまで機内食として提供しなかった「本物で革新的なメニュー」で好評だったと説明した。「AIR吉野家」は「高度1万2,000mで味わう伝統の味」がコンセプトでプロジェクトがスタート。「1899年に日本橋で誕生し、日本国民なら誰もが知っている味を提供できて光栄」とし、「今後も機内のお客様に新たな感動と日本の伝統を届け、お客様に選んでいただく航空会社になりたい」と抱負を語った。吉野家ホールディングス代表取締役社長の安部修仁氏は、「牛丼を機内で提供するなら、スライスビーフに味付けをすればできるところを、JALは『本物を追求するんだ』という姿勢で、パッケージも私たちが驚くようなアイデアだった」と感謝のコメント。また「吉野家のお客様は男女比が8:2。JALがきっかけで女性の方にも吉野家の味を知ってもらいたい」と期待をのぞかせた。さらに安部氏は、自身のJALカード(ゴールド)とJALマイレージクラブのダイヤモンド会員カードを掲げてJALファンだと自己紹介。日本航空の稲盛会長が長年の吉野家ファンで、名前入りどんぶりをプレゼントしたことなど、日本航空と吉野家の縁に関するエピソードを披露した。「AIR吉野家」の提供タイミングはプレミアムエコノミー・エコノミークラスが目的地到着前、ファーストクラス・エグゼクティブクラスは1食目の機内食提供後、希望したタイミングで提供するとのこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月01日牛丼チェーンの吉野家において、最終的に白飯に肉を盛る、いわゆる「肉盛り」はスタッフの花形であるという話を聞いたことがある。たしかにそれは牛丼という食べものにおいて、もっとも重要な工程のようにも思われる。だって牛丼に肉がなければ、ただの飯である。大切なポジションだ。では、この「肉盛り」を担うのは、いったいどのような人なのか。株式会社吉野家の広報である木津さんにお話を聞いた。――やっぱり一番えらい人がやるのでしょうか。「基本的には店長クラスのベテランスタッフか、もしくはそれに相当する実力を有する者が担当しています。そもそも肉の鍋がある場所は、お店の全部を見渡せるところにあります。お客さんのお茶がなくなっている、お会計をしたがっている、そういった細かなところに気配りができ、なおかつスタッフに的確に指示を出せる司令塔が『肉盛り』を担当するのです」――なんだかかっこいいですね。「吉野家は1899年に創業しました。その後、震災の影響もあり、第一号店は築地市場の場内に移転しました。味にうるさく、時間に追われる市場の方々に『うまい、早い』牛丼を提供していく中で、この『肉盛り』の技術も高められていきました。昔の人は、家にどんぶりと調理道具を持ち帰って手首の返し方などを練習したそうです。シャドーボクシングならぬ『シャドー肉盛り』ですね」――思った以上にストイックな世界ですね。「手際良く、美しく盛るというのは基本なのです。今はマニュアルもあり、店長がいないときはアルバイトでも『肉盛り』を行うようになりましたが、それもやはり意識の高い者が担当することが多いようです。必然的にそのまま社員になっていく方も多いんですよ」――肉を盛りながら、社員として自分の人生も盛り上げていくといった感じでしょうか。ありがとうございました。というわけで、吉野家においてはやはり「できる人」「やる気のある人」が「肉盛り」という大切なポジションに就くことができるようだ。これからはちょっと「肉盛り」の人の手つきや振る舞いに目がいってしまいそうである。(根岸達朗/プレスラボ)【関連リンク】吉野家オフィシャルサイトこれからもおいしい牛丼をおねがいします沖縄の吉野家ではタコライスが食べられるそれはそれで気になりますね
2009年08月11日