肌への刺激が少ない全身シャンプーで体を洗おう!モデルの近藤千尋は、2019年11月11日「ベビーソープ」というタイトルでオフィシャルブログを更新。自身がディレクションするブランド『AJUGA.』から、ベビーソープ『HUG U(ハグユー)』が発売されることを明かした。『HUG U(ハグユー)』は、体はもちろんのこと、顔や毛髪にも使用可能。パラベン、鉱物油、着色、シリコン、石油系界面活性剤、紫外線吸収剤、小麦由来成分不使用で、親子で安心して共有することができる。11月13日から楽天市場において発送がスタート。1本(500ml)の販売価格は1,650円(税込み)。別途送料が必要となる。インスタグラムのフォロワーからは、「泡ソープだからお肌に優しそうで良いですね」、「ママに寄り添った商品、嬉しい限りだよ」などのコメントが寄せられている。肌を守る保湿成分をたっぷり配合『HUG U』は、ハチミツ、ヒアルロン酸、エラスチンなど、11種類の保湿成分を配合。汚れをしっかり洗い流しながら、肌に潤いをプラスする。19種類の植物エキスが含まれ、やわらかな香りが特長。赤ちゃんや、敏感肌の人、子育てを頑張るママなどにオススメだ。(画像は近藤千尋オフィシャルブログより)【参考】※近藤千尋オフィシャルブログ※近藤千尋オフィシャルインスタグラム※楽天市場※AJUGA.公式サイト
2019年11月15日美しい肌もすっきりとした体も、すべては腸内環境を整えることから。一汁三菜をワンプレートに凝縮した、栄養バランス抜群の美腸を叶える丼レシピをお試しあれ。日本インナービューティーダイエット協会代表の木下あおいさんが教えてくれました。「必要な栄養をきちんと吸収し、余計なものや老廃物をしっかり排出する。そのように腸のサイクルがきちんと整っていたら、美肌もダイエットも自ずと叶えられるもの。しかもキレイな腸からは大量の幸せホルモンが分泌され、心も穏やかでいられるんですよ」そんな木下あおいさんが、日々意識しているのが善玉菌優位の腸内環境作り。毎日の食事は、野菜、豆腐、海藻、乾物、玄米を中心に、味つけには発酵調味料を使う一汁三菜が基本。腸内の善玉菌のえさとなる食物繊維と、善玉菌を増やす発酵食品の力をたっぷり取り入れつつ、タンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養素もバランスよく取り入れているという。そのメソッドをベースに、今回提案するのが“一汁三菜丼”。「主菜1品、副菜2品、汁物1品を毎日作ることはやはり面倒。そこで、鍋やフライパン1つで手軽にでき、一汁三菜で摂る栄養を1つの丼に凝縮したレシピを考案しました。基本は食材を切って、蒸し煮して、作りおきしたたれで味つけして、玄米の上にのせるだけ。栄養バランスのいい食事を摂り続けることが、美腸の秘訣です」Point1:玄米胚芽、ぬか、胚乳が残っている玄米は、白米に比べて食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富。特にセルロース(不溶性食物繊維)は腸の運動を活発化し、高いデトックス効果が期待できるので、炭水化物は断然、玄米で摂るのがおすすめ。軽く1膳をよそって、よく噛んでいただく。少量でも満腹感が得られるのでダイエットにも。Point2:副菜1ビタミンや食物繊維同様、主食や主菜では不足しがちなミネラル。体内で生成できないため、きのこや海藻類など副菜でしっかり補って。なかでもひじきや昆布、わかめ、のり、大豆食品などに多く含まれるマグネシウムは、水分を集めて腸の運動を促進してくれるので意識的に摂取を。またビタミンと合わせることで、さらに代謝もアップ。Point3:副菜2美肌には欠かせないビタミンA、C、Eや、腸のデトックスをする食物繊維を摂取するためには、野菜や果物を使ったメニューをプラス。今回のレシピでは野菜を彩りよくたっぷりと使っているが、見た目だけでなく栄養バランス的にもバッチリ。また、細かくカットしすぎないほうが、食べ応えがあり、満腹感にもつながる。Point4:主菜メインとなる主菜は、良質なタンパク質が摂取できる食べ応えのあるものをセレクト。必須アミノ酸を含む動物性タンパク質では、刺し身や切り身などの魚や肉でもOK。低脂肪で、食物繊維なども一緒に摂れる植物性タンパク質では、豆腐や納豆など大豆製品が手軽に取り入れやすい食材の代表格。Point5:一汁本来は、みそ汁などのいわゆる汁物のことをいい、水分を補うことも大切な役割。でも今回は、醤油や塩麹といった発酵調味料に着目。腸内の善玉菌の働きを活発にして、腸内環境を整える効果が高く、まさに腸の美容液。その発酵調味料がベースのたれで味つけをする丼レシピを提案。ここでは、“きのことアボカド納豆丼”のレシピをご紹介します!材料/1人分玄米…1膳分、主菜[納豆…1パック、のり…1/2枚、青ねぎ醤油(B)…小さじ1]、副菜1[紫玉ねぎ…1/4個、えのき茸…25g、マッシュルーム…2個、玉ねぎ塩麹(A)…小さじ1]、副菜2[アボガド…1/2個、ゆずの皮…適量]作り方1、紫玉ねぎを薄切りにする。マッシュルーム1個を薄切り、もう1個を4等分に切る。えのき茸の根元を落として3cmに切る。2、鍋に水大さじ2(分量外)、えのき茸、マッシュルーム、紫玉ねぎを重ね、玉ねぎ塩麹(A)をかけ、しんなりするまで弱火で蒸し煮する。3、納豆にちぎったのりを加え、青ねぎ醤油(B)をかけ混ぜ合わせる。4、アボカドを半分に切り、タネを取り皮を剥く。3をタネのあったくぼみに入れ、ゆずをちらす。5、器に玄米を盛り、2と4をのせる。※玉ねぎ塩麹の作り方玉ねぎ1/2個をみじん切りにして、塩麹100gに入れて混ぜ合わせる。※青ねぎ醤油の作り方青ねぎ1本を小口切りにして、醤油50mlに加えて混ぜる。きのした・あおい日本インナービューティーダイエット協会代表。インナービューティープランナー、管理栄養士として、女性を内側から美しくする食事を発信。※『anan』2019年11月20日号より。写真・大嶋千尋スタイリスト・小坂 桂取材、文・野尻和代撮影協力・UTUWA(by anan編集部)
2019年11月14日サッカーJ1リーグ、各クラブの注目イケメン選手をクローズアップするこの企画。今回は大分トリニータのミッドフィルダー・松本怜選手、31歳に直撃!写真・大嶋千尋 文・薮内加奈トリニータ愛、強いです。大分駅から車で約15分、チームの練習場である大分スポーツクラブ練習場で取材を受けてくれた松本選手。「遠いところまでありがとうございます」と迎えていただきました。――こちらこそ、練習後のお疲れのところありがとうございます。すみません、イマドキな外見と対照的な紳士な対応のギャップに驚いてしまいました。もっと「ウェ〜イ!」ってしてそうでしょ(笑)? 実は、僕はそっち系ではないんですよ。チーム最年長なのもありますが、どちらかというと、落ち着いていて静かなほうです。オナイウ阿道選手たちのようにうるさくないです(笑)。でも、トリニータの選手たちは、ゴールを決めた瞬間サポーターと一緒になって盛り上がれるいい奴が多いんですよ。――試合を見ていると、サポーターとの距離が近いように感じます。ここまで地域密着のクラブも珍しいんじゃないかな。練習のある日に練習場へ来ていただければ、選手と触れ合うこともできます。最初はサポーターとの距離感が近くてびっくりしましたが、僕たちもサポーターの人と話す機会が多いので、より応援してもらっていると強く感じることができています。――横浜F・マリノスから大分トリニータにレンタル移籍され、その後2015年に完全移籍となりました。レンタルの時と意識は変わりましたか?確実に変わりましたね。レンタルの時は、マリノスに戻って戦えるレベルになるべく、大分で結果を残そうと思っていたけれど、途中から大分に貢献できるよう努力しようと。気がつけば大分に7年間もいます。トリニータ愛は強いですね。早稲田大学時代の恋愛は…現在ご結婚されている松本選手ですが、気になる女性のことについてもお聞きしました。――ズバリ、好きな女性のタイプは?気を遣える、家族を大事にする、よく笑う、ちゃんとごはんを作れる、清潔感のある、よくしゃべる、嘘をつかない。そういう女性がいいですね。え? まじめですか(笑)?――まじめですね(笑)。外見のタイプはありますか?僕、面食いですが、ストライクゾーンは広いほうです。芸能人だと、滝沢カレンさん、北川景子さん、川栄李奈さん、綾瀬はるかさん、広瀬すずさんに、広瀬アリスさん。我ながらたくさん挙げられましたね(笑)。――たくさん挙げていただきありがとうございます(笑)! そんな松本選手も独身時代は相当モテたんじゃないですか?いやー、あんまりでした(笑)。(青森山田)高校時代は共学校でしたが、恋愛禁止で、寮から外出も禁止だったし、彼女が作れるような環境ではありませんでした。(早稲田)大学時代は、まぁ、それなりに、そういう場所にも行きましたが(笑)、結果、あんまりでしたね…。――ちょっと意外です(笑)。そうですか(笑)? 好きになったら一途だからなのかもしれません。あ、好きな女性のタイプで大事なことを忘れていました。“楽しみながらまじめにできる”、これ重要です。――“楽しみながらまじめにできる”とは?何事も楽しむことは大事ですよね、でも「楽しむ=ふざける」ではない。例えば仕事を楽しみながらも、時に相手に注意することもきちんとできる。そういう女性がいいです。それはサッカーも同じ。意外と忘れがちなのですが、練習ひとつをあげても、楽しく笑いながらも、集中して、お互いが成長を促せるような環境を作る。そういう姿勢で日々やっています。「3年間やりきれ」。親のひと言で今の僕がある。どんな質問にも物腰柔らかく、丁寧に質問に答えてくれる松本選手。――恩人と呼べる方はいらっしゃいますか?両親ですね。サッカーともう一度向き合うことを後押ししてくれたからです。実は僕、青森山田(高校)を一度やめかけているんですよ。――何があったのですか?その時の僕には毎日が厳しくてきつくて……。寮だったので、朝5時半に起床して点呼、練習して、授業を受けて、また練習して、夜8時にまた点呼があって……、その繰り返し。そこから逃げ出そうとして、高校一年の途中に親に内緒で地元の高校に編入しようと考えたんです。親にそのことを打ち明けたら、「編入するのはかまわないけれど、反対を押し切って入学したのに、後悔しても知らないよ」と。――青森山田高校への入学をご両親に反対されていたのですか?高校から親もとを離れる必要はない、と反対されていましたね。その言葉を振り切って決意して入学したのに、すぐに音を上げて逃げようとしたことに、「一度決めたことなんだから3年間はやり通せ」と一喝されました。――その時どう思ったのですか?確かにそうだな、と素直に受け止められたんです。あの親のひと言がなければ今の僕はないな、と思います。あの時逃げていたら、ずっと逃げ続ける人生だった気がします。当時は本当にきつかったけれど、厳しい言葉をくれた両親に感謝しかありません。僕の走っている姿は感動するはず。高校時代の苦難を乗り越え、プロ入り。大分トリニータをJ3からJ1へ昇格させた立役者として、現在もチームの屋台骨として活躍されています。――あまりサッカーを観たことのないanan読者が、松本選手のプレーで注目すべきポイントを教えてください!僕はわかりやすく“スピード”ですね。豪快なシュートやトリッキーなプレイではなく、ただ僕が走っている姿を見るだけで感動してもらえると思います。「あ、この人足速い!」って思うだけでも人は興奮できるので。DAZNで観てもらってもいいですが、スタジアムに足を運んでもらい、生で見るとよりいっそう興奮してもらえると思います。――百聞は一見に如かず、ですね。まさにそうです。僕以外にも、ゴールの瞬間とか、スタジアムの雰囲気とか、興奮できるポイントはたくさんあります。サッカーに興味がなかったけれど、観に行ったら急に興味が湧いて、観戦が楽しくなったという女性はたくさんいます。anan読者の人もぜひ一度スタジアムでサッカーを観てほしいです!相手チームを脅かす感動的な俊足を拝みたければ、スタジアムに足を運ぶべし! ananはこれからも松本選手を応援します!
2019年09月29日1999年生まれ、現在20歳。2019年日本代表にも選出され、国内外から注目を集めるサンフレッチェ広島の若きゴールキーパー、大迫敬介選手。彼の考えるサッカー論は? プライベートは? 理想の女性像は? 素顔に迫りました。写真・大嶋千尋 文・薮内加奈日本代表へのこだわりがより強くなりました。――今年2019年2月、Jリーグ公式戦デビューののち、4月には日本代表招集、さらに6月には日本代表戦にてコパアメリカ2019に先発出場をされました。そして北中米遠征(9/2~9/11)のU-22日本代表メンバーにも選出と、怒涛の2019年前半でしたね。特にコパアメリカの招集期間はあっという間に過ぎた1か月でした。初の代表戦で右も左もわからなかったし、さらに南米への遠征ですから、もう無我夢中で、毎日が充実していましたね。テレビで見ていた同じゴールキーパーの川島永嗣選手と一緒に練習もできたし、滞在先のホテルでもいろいろお話をさせてもらいました。試合にも出場でき、4失点してしまったのは現実ですが、たくさんのことを吸収することができました。――川島選手をはじめ、海外で活躍している日本代表選手とともに過ごされていかがでしたか?刺激でしかなかったですね。年下の久保建英選手ももちろんそう。今は若い選手がどんどん海外に行っていますし、そういうのを見ると自分も海外でプレーしたいな、という思いはあります。来年の東京オリンピック出場をひとつの目標としながら、自分も海外に出て、いろいろなものを吸収したいです。――東京オリンピック代表連続選出という直近の目標と、海外クラブ移籍という将来の目標ができた遠征だったのですね。そうですね。特に日本代表へのこだわりは昔より強いものになったいい機会でした。女性には僕のこのプレーを見てほしい!――日本代表に選出され、Jリーグの中でも一躍注目される選手となられましたが、意識している選手はいますか?同じゴールキーパーである、浦和レッズの西川周作選手ですね。憧れだし、まねしたい選手です。――どんな部分をまねしたいのですか?ゴールキーパーって、ゴールを守るだけのイメージがありますが、西川選手はそうじゃない。攻撃の起点を作れる選手なんです。この間、浦和レッズ戦で互いに先発出場した時には、試合後、ユニホーム交換もさせてもらって。嬉しかったです。――では、大迫選手のプレーのポイントは?西川選手とまさに同じです。自分がボールをキャッチした後に、思い切り前に蹴って前線のフォワードの選手にボールを回して、一気にピンチをチャンスにするのは僕が得意とするところ。なので、キーパーはそういう攻撃の起点になれるポジションでもあるということを、僕のプレーを見て知ってほしいなと思います。――そういう具体的に観るポイントがあると初心者も観戦を楽しめそうですね。そうですね。そして、僕、試合中はめちゃめちゃ声を出します。叫びまくっていますね。スタジアムによっては声が通りにくかったりするので、ゴールキーパーは声を出すこともひとつの大切な仕事だと思っています。そこもぜひ注目してほしいですね。ふわふわの卵で作ってほしいです!ーー「僕、撮影になるといつも笑顔になっちゃうんですよね。真面目な表情をしようと思ってもすぐ笑っちゃう」と言いながら、さまざまな表情を見せてくれた大迫選手。ズバリ! 好きな女性のタイプは?大人っぽくて落ち着いている人がいいですね。今までは2、3歳でも年上は無理だなと思っていましたが、最近は大人の人もいいかな、と思うようにはなりました。――見た目のタイプも教えてください。僕は身長が高いので、同じように背の高い女性が好きですね。好きな芸能人ですか? コロコロ好みが変わるんですよね。今なら新垣結衣さんが好きです。料理ができそうじゃないですか? あ、料理できる人も好きです。――彼女ができたら何を作ってほしいですか?大好きなオムライスがいいですね。ふわふわとろとろの卵が乗ったやつがいいです!――ちなみに女性のどんな仕草が好きですか?結んでいる髪をほどく瞬間は見ていていいな、と思います。ラフに、バサッと。髪の毛が長い女性も好きですね。大人っぽいイメージだし。これからが正念場。Jリーグのタイトルを獲るのが使命です。――Jリーグも残り試合が3分の1となり、サンフレッチェ広島は現在4位(9月3日現在)。優勝争い圏内ということもあり、大迫選手も一段と気合いが入っているそう。残りの試合はどういった活躍をしていきたいですか?優勝争いに確実に食い込むためには残り一試合も落とせません。上位にいることもあり、他のクラブは研究してくると思いますし、簡単には勝てないことはわかっています。上位チームとの試合も残っているので、なおさら気合は入りますね。――クラブ内の正ゴールキーパー争いにも注目しています。サンフレッチェ広島はキーパーのレベルが高いですし、1回ポジションを取られてしまうと取り返すのが難しいです。コパアメリカから帰ってから何試合か試合に出られなかった時も、いつ自分に出番が回ってくるかわからなかったので、いつでも常に準備はしていました。でも、それも楽しいです。レベルの高い先輩ゴールキーパーがいることで自分も刺激になっています。終始嬉しそうにサッカーの話をしてくれた大迫選手。サッカーは好きですか?と問うと、「好きでたまらないですね」と即答してくれた少年のような笑顔の先には、Jリーグ制覇、そして海外への道しるべが明確に見えているようでした。Information9/28(土)vs名古屋グランパス(19:00キックオフ@エディオンスタジアム広島)
2019年09月15日サッカーJ1リーグ、各クラブの注目イケメン選手をクローズアップするこの企画。今回はサンフレッチェ広島、守りの要であるDF・佐々木翔選手を直撃!写真・大嶋千尋 文・薮内加奈僕はもしかしたらマダムキラーかも。DFという守りのポジションながら、類稀なる身体能力を生かした攻撃的なプレーで時には前線での活躍も見せる、佐々木翔選手、29歳。サンフレッチェ広島の練習場にて、合同練習終わりにお話を聞くことができました。――守りだけでなく攻撃にも繰り出せるプレースタイルが「男」を感じます!試合中はめちゃめちゃ叫んでいますね! 華麗なプレーやきれいなシュートではなくて、男臭くガツガツ戦っています。試合中は相手選手とぶつかる場面もあるのである意味格闘的な要素もあります。守備というポジションだからなのかもしれませんが、泥臭いパワープレイヤーとしてやっているので、そういうところも女性の観戦者に見てもらえたらうれしいですね。――佐々木選手は女性ファンが多そうなイメージがありますが。今日の公開練習にも何人も女性ファンの方がいらしていましたね。多くないっすよ〜。あ、でももしかしたらマダムキラーかもしれません(笑)。スタジアムによく来て応援してくださる年上の女性サポーターの方はいらっしゃいます。――サポーターの方を覚えていらっしゃるんですね! 練習後のファンサービスでも気さくにサポーターの方と交流をされているのが印象的でした。わざわざこんな遠い練習場まで(広島駅から車で約1時間)足を運んでもらっていますからね。本当にありがたいことです。サポーターあっての僕らなので、いつも感謝しています。息子2人は僕の小さい頃と似ています。――なんとも謙虚な姿勢の佐々木選手。試合中の闘志むき出しのイメージとは異なり、インタビュー中は常に笑顔で盛り上げくれました。ではプライベートでの佐々木選手の性格は?めちゃめちゃ適当ですよ(笑)。本当に面倒臭がり。興味あることはしっかりこなしますけど、私生活は適当ですねぇ。――私生活でしっかりこなしていることは?なんだろう……、皿洗いかな……? 妻が料理を作ってくれるので、食べ終わった後家族全員分の食器はきちんと洗います。三角コーナーまでしっかり片付けます。あ、でも、食洗機の中の乾いた食器の片付けまではやらないです。洗うまでが自分の仕事だと思っているのかな? そこはもう妻は諦めています(笑)。――食器洗いを率先して自分の仕事と捉えているのはすごいですよ。お子さまがお二人いらっしゃるということですが、子育ても積極的にされていらっしゃいますか?3歳になったばかりと1歳の息子がいます。仕事から帰ると2人を連れて公園に行ったり、いつも遊んでいますね。2人ともずっとサッカーボールを蹴っています。上の子はチームのことも理解しているみたいで、「将来はパパになりたい」と言ってくれるんです。サッカーを好きになってくれるのは素直に嬉しいですね。――佐々木選手の子どもの頃もそうだったのですか?そうです。4歳の時にはすでに地元のクラブに入っていましたし、物心ついた頃から常にサッカーボールは近くにありましたね。当時の自分と今の息子たちはどこか似ているところはあるのかも。うちの息子たち、どんな球も投げるんじゃなく、蹴ろうとするんですよ。血筋かな。(笑)――お二人のお子さまを本当に愛していらっしゃるのがよくわかります。無条件にかわいいですね。仕事以外は基本的には子どもといます。まだ小さいから、常に一緒にいる妻が大変だと思うので、少しでも妻が自分の時間を作ってもらえるように心がけているつもりではあります。だから今は趣味もあまりないかな。あ、落ち着いたらチームメイトの先輩家族と一緒にBBQしたり、キャンプに行ったりしたいですね。昨夜の麻婆豆腐、うまかったんですよ。――子煩悩で奥さま思いの佐々木選手。結婚されていますが、anan恒例の女性の話もお聞きしました。ズバリ、好きな女性のタイプを教えてください!唯一思いつくのは、丸顔の女性が好きです。妻もそうかな……? 女性芸能人の方で言えば、って今は思いつかないんですが、昔は、鈴木えみさん、柴咲コウさん、市川由衣さん、西野カナさんが好きでした。――幅広いですね。(笑)ですね(笑)。明るくて、話が合う子がいいです。――キュンとする女性の仕草や行動はありますか?(しばらく考え込んで)うーん……、なんでしょうね、難しい…(悩)。しばらくそういう感情から遠ざかっているので……(笑)。ごはんをおいしく作ってくれるとうれしいですね。昨夜、妻が作ってくれた麻婆豆腐がうまかったんですよ。なので、好きな女性のタイプに、舌が合うってことも追加でお願いします。食事をともにする時においしいものが一緒ってそれだけで幸せですよね。あ、妻の料理はハンバーグもうまいですよ。(照)怪我でブランク2年…。その時に感じたこと。――ご家族のことを愛おしそうに話してくれた佐々木選手。2016年の3月、試合中に右ひざ前十字じん帯断裂の大ケガを負い、2回の手術、そしてリハビリと、約2年間実戦から遠ざかっていた時も、家族に支えられたそう。その時の心境は、いかがでしたか。わりとポジティブな性格なので、「こういう仕事をしているから怪我はつきものだ」と思っていた部分はあって、試合に出られない2年はどこか割り切っているところはありました。けど、妻は復帰できると信じて気遣ってくれたのが大きかったですね。怪我したことでの教訓というのは特にないんですが、妻、そしてチームメイトが支えてくれたから今があると思います。――インタビューや撮影中、練習終わりのチームメイトやスタッフに茶化されながらもそれに笑顔で応対されていました。みなさん、とてもいい関係性を築かれていますね。僕が引っ張っていかなきゃいけない年次ですね。同じDFの野上結貴選手とは、いつもどうすればいいクラブに導けるのかを話しています。野上はチームメイトでもありますし、意識する選手でもあります。僕、他のクラブで気になる選手というのはいないんですよ。クラブ内でライバルとして意識しながら、比較して、その選手の良さを吸収しつつも、自分の良さを引き出せれば、と思っているので。――あくまでのチームありきなんですね。もちろん自分の成績として残したいところはありますが、まずはクラブがタイトルを取ること。そのためにずっとやってきています。クラブが結果を出さないと意味がないと思っています。――2018年は初めて日本代表にも召集されました。代表は意識されていますか?W杯の予選も始まっているので、日本代表として出場することはひとつの目標にしていますし、召集されたら、もちろんそこで結果を残したいとは(いろいろなインタビューで)言っています、建前ですけどね。――本音は?(キッパリと)興味ありません。――え!?僕にとってはやっぱりサンフレッチェ広島というクラブがタイトルを取ること、それが一番最初に考えることなんですよ。チームメイトとサポーターと、支えてくれる人のためにクラブとして結果を残して勝利をわかち合いたいだけ。代表選出は、その次です。あくまでもクラブファーストの姿勢を見せてくれた佐々木選手。大ケガを乗り越え、家族やチームメイト、そしてサポーターの感謝を忘れない広島の守りの要の横顔は、「J1リーグの頂点を獲るために、邁進するのみ」、その意思が感じられました。Information9/28(土)vs名古屋グランパス(19:00キックオフ@エディオンスタジアム広島)
2019年09月14日昨年末から今年の前半にかけて、『ボヘミアン・ラプソディ』が社会現象を巻き起こしたのは記憶に新しいところですが、次なる大ヒットが期待されている伝記ミュージカル映画『ロケットマン』がついに日本に上陸!今回は、“生ける伝説”ともいわれている主人公のエルトン・ジョンを演じたこちらの方に、見どころを教えていただきました。写真・大嶋千尋(タロン・エガートン)主演を務めたタロン・エガートンさん!【映画、ときどき私】 vol. 253『キングスマン』シリーズで一躍ブレイクして以降、着実にキャリアを積み重ね、現在イギリス人の若手俳優のなかでも、もっとも旬な俳優のひとりとされているタロンさん。今回は、待望の初来日をはたしたタロンさんに直撃し、本作の舞台裏や音楽に対する思いを語っていただきました。―エルトン・ジョンさんを演じるにあたって、撮影前にはエルトンさんの自宅でお互いの話をオープンに話されたそうですが、そのときのやりとりで忘れられない出来事はありましたか?タロンさんこれという会話や言葉をひとつだけピックアップするのは難しいけれど、エルトンはとても協力的な人だし、すごく支えてもらいました。自宅に行ったときのことで印象に残っているのは、彼が初めて買ったダイヤのピアスを僕にプレゼントしてくれたこと。今回、劇中のリハビリのシーンで僕が実際につけているのは、まさにそのピアスなんです。彼は自分の家に僕を招待してくれただけでなく、しばらく家に泊まらせてもくれたので彼の家族とも一緒に過ごしたほど。それくらい彼は僕に対して、あらゆる面で親切に接してくれたし、本当に親しい関係になりました。そんなふうに、彼と間近で接することができたこともこの役を演じるうえで一番かけがえのないことだったのかなと思っています。エルトンはとにかく愛の大きい人―では、エルトンさんとそれだけ長い時間を共有されたタロンさんだけが知っているエルトンさんの素顔を教えてください。タロンさん彼はとにかく愛情をたくさん持っている人。そして、周りの人に対して親切で優しさを振りまいている人だと思います。なので、普段も僕のことを心配して連絡をくれるほどなんですよ。本当に愛の大きい人だけれど、同時におもしろさやいたずら心もあるし、ちょっとからかって言い寄ってくるようなところも彼の魅力ですね。―本作では、吹き替えなしでタロンさん自身がすべての歌を担当されており、素晴らしいパフォーマンスを披露されています。なかでも「Saturday Night’s Alright(For Fighting)/土曜の夜は僕の生きがい」はミュージカルナンバーとして見どころのひとつ。長回しで撮られたそうですが、撮影は難しかったのではないでしょうか?タロンさん実は、セクションごとに何日もかけて撮影し、それをうまくつなぎ合わせてワンカットに見えるようにしているんです。でも、僕が種明かししちゃっていいのかな……(笑)。とはいえ、僕にとっても気に入っているシーンのひとつなんですよ。―そんな舞台裏があったんですね。演じるうえでの苦労はありませんでしたか?タロンさんあの場面のリハーサルは、撮影が始まるかなり前から取り組んでいましたが、僕にとっての課題は、ほかのダンサーたちのなかで自分がどう絡んでいくのかということ。いわゆる普通の筋書きがあるシーンではないので、エルトンが大きなお祭りのなかで、何を伝えようとしているのかを考えなければいけませんでした。そのなかで、「これはエルトンが5年ほどの間で、音楽的にも文化的にも多くの影響を受けて彼の音楽ができあがったことを象徴しているシーンなんだ」という解釈にいたったのです。だからこそ、あのシーンではインド系のセクションがあったり、カリブ系のセクションがあったりするなかでエルトンが絡んでいくという形になっています。人生を変えた忘れられない一曲とは?―なるほど、興味深いエピソードですね。タロンさんといえば、『SING/シング』でも本作でも、歌手以上の歌唱力の高さを証明されているほどなので、音楽への思いも強いと思いますが、ご自身の人生を変えた曲があれば教えてください。タロンさん8歳くらいのときに母がデヴィッド・ボウイの『ハンキー・ドリー』というCDをくれたことがありました。これは僕にとってお気に入りのアルバムのひとつで、どの曲もそれぞれの良さがあって素晴らしいアルバムなんです。なかでも、「流砂」と「クークス」がお気に入りなんだけど、特に好きなのは「クークス」。これは、デヴィッド・ボウイの息子で映画監督になったダンカン・ジョーンズのために作った曲と言われています。若い2人の夫婦に子どもができたときの思いが歌詞に綴られていて、「変わり者の僕たちだけど生まれてきてくれてありがとう」みたいなことを歌っている曲なんです。この曲を母からもらったときはまだ幼かったけれど、親子関係を象徴している曲だと子どもながらに感じて、自分に大きな影響を与えてくれました。―実際にご自分で曲を作ったりしたことはないですか?タロンさんそれはしてないですね。というよりも、そもそも聞かせられるようなものではないと思うので(笑)。―いえいえ、むしろタロンさんの歌声を生で聞きたいというファンは大勢いると思います!たとえば、ヒュー・ジャックマンさんが今年ワールドツアーを行っていますが、タロンさんも同じようにツアーをしてみたいというお気持ちはありませんか?タロンさんツアーができるかどうかはわからないですけど、10曲くらい歌って合間にトークを盛り込むようなちょっとしたコンサートはやってみたいなと思っているので、それはひょっとしたら実現するかもしれないですね。ただ、ツアーとなるとヒュー・ジャックマンくらい幅広いファン層がいないとできないんじゃないかな。(笑)人はつねに変化し続けるものだと感じている―ぜひ、日本でも開催を期待しています。また、本作では「なりたい自分になる」というメッセージも込められていると思いますが、ご自身はなりたい自分になれていると感じているのか、いまの心境を教えてください。タロンさん普段あまりそういうことは考えていないけれど、いまはやりたいことをできていると感じています。なので、映画を作ったり、歌ったりと、自分の好きなことをしながら、しっかりと仕事をして、ローンを払って、いい人生を送りたいと思っているところです。ただ、これから先はもっといろんなことに挑戦したいし、家族を作ったり、大事なこともたくさんあるかもしれないけれど、言えることは「いまの自分は決して嫌いではない」ということ。それに、人はつねに変化しているものであって、たとえば18か月前の自分といまの自分は全然違いますよね?でも、人生ってそういうものなんじゃないかなと思っています。インタビューを終えてみて……。ひとつひとつの質問に丁寧に答えてくれるタロンさん。がっしりとした男らしい体格と時折見せるお茶目な表情とのギャップにすっかり心を鷲づかみにされてしまいました。劇中では、エルトンさんも大絶賛するほどの見事な歌声を披露しており、必聴です!さらに、10月公開のアクション映画『フッド:ザ・ビギニング』でも主演を務めているので、今後も作品ごとに違うタロンさんの魅力をぜひ堪能してください。知られざる実話に心が震える!もっとも成功しているソロアーティストのひとりとして、世界中で愛され続けているエルトン・ジョン。その反面で味わってきた天才ゆえの苦労や成功を手にしてからの葛藤、孤独、挫折といった光の陰に隠れた波乱の人生がいま明かされます。 琴線に触れる名曲の数々とともに、“本当の自分”と出会うまでのエルトンの生きざまを追体験してみては?ストーリーイギリス郊外で、不仲な両親のもとで愛されることを知らずに育った少年レジナルド・ドワイト。そんな彼には、神が与えた天才的な音楽の才能があった。その後、寂しさを紛らわすようにロックに傾倒するようになった少年はミュージシャンになることを夢見るようになる。そして、古くさい自分の名前を捨て、「エルトン・ジョン」として新たな出発を決意するのだった……。魔法のような予告編はこちら!作品情報『ロケットマン』8月23日(金) 全国ロードショー!配給:東和ピクチャーズ©2018 Paramount Pictures. All rights reserved.
2019年08月22日日本公開から18年を経て、21日に『千と千尋の神隠し』が中国で公開された。同日には世界で大ヒット中の『トイ・ストーリー4』も公開。アメリカ、イギリス、メキシコ、アルゼンチンなど世界中でオープニング興収1位を記録した『トイ・ストーリー4』だったが、中国では『千と千尋の神隠し』に首位を譲った。「Variety」誌によれば、『千と千尋の神隠し』は中国でのオープニング興収が2800万ドル(約30億円)で、『トイ・ストーリー4』は1320万ドル(約14億円)と、2倍以上の差が付いたという。3位は『メン・イン・ブラック:インターナショナル』、4位は『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』、5位は中国映画の『最好的我們』(原題)。なお、公開初日に限定すると、『千と千尋の神隠し』は『トイ・ストーリー4』の3倍以上の興行収入を稼ぎ出していた。ジブリ映画が中国の劇場で公開されるのは、昨年12月の『となりのトトロ』に続く2作目。どちらの作品も中国人デザイナー黄海(ホアン・ハイ)による中国版のポスターが制作され、美しいと好評だった。(Hiromi Kaku)
2019年06月25日新時代をポジティブに生きるための、開運習字&占いなどの運気アップ術をレクチャー。未来への扉を開くには、今こそ動くべき!書き方ひとつで開運できる。運気が上がる「令和」の書き方をレクチャー。公的書類や契約書など、これから大事なシーンでたびたび書くことになるであろう「令和」という文字。「文字は、その人の個性や精神状態が出るもの。筆跡を意識すると、なりたい自分に近づくことや幸運を引き寄せることができます」と、開運筆跡のプロフェッショナル・根本みきこさん。そこで開運に繋がる令和の書き方を誌上レクチャー。「令は神のお告げ、和は争いを止めて、平和な状態に戻すことを表す漢字で、良い意味です。文字は上手い下手ではありません。丁寧に堂々と書くことで、その文字に込められたパワーをいただくことができます」開運に繋がるポイントをチェック。意識しながら書くだけで、運気が上向きに!令・左はらいを長く伸ばすことで、自己表現力が高まる。華やかさやスター性もアップ!・右はらいを長く伸ばすと、飽き性が改善。情熱的な気持ちを取り戻し、モテ運上昇。・最終画をしっかりと伸ばすと上昇志向に。クリエイティブな仕事や良縁を呼び込める。和・左側を長めにすると、好奇心が旺盛に。新しい世界が開けて、発想力も急上昇!・へんとつくりの間は、広くあければあけるほど、懐が深い人になれる。人間関係も円滑に。・口は左上をあけて、下を閉じると、良いエネルギーを吸収できる。貯蓄型で金運もアップ。根本みきこさん日本筆跡心理学協会会長。筆跡のイベントやセミナーを開催し、メディア出演も多数。著書に『幸せを呼ぶ文字の書き方』(東京書店)。※『anan』2019年6月19日号より。写真・大嶋千尋イラスト・オカヤイヅミ取材、文・鈴木恵美(by anan編集部)
2019年06月17日多くの著名人や社長から支持を集める売れっ子タロット占い師・濱口善幸さん。タロットを教えたタレントの栗原類さんが、先日ベッキーさんの結婚を当てたことでも話題に。そんな濱口さんに、令和時代を占ってもらうことに。人気タロット占い師・濱口善幸が令和時代を大胆予想!「9枚のカードを引いて、4枚が逆位置で、最初がいきなりデビルのカード。令和全体を通して、激動の時代になりそうですね。しかしカードからのメッセージをしっかり読み解けば、未来を良い方向に変えていくことができるので安心して」と濱口さん。具体的にどんな時代になり、どんなふうに行動すれば?「令和を象徴しているのが、右から2番目と3番目のカード。2番目のワンドの騎士のカードは新たな一歩へ進むことを表しています。次の3番目は、大勢で行動すると勝利を手に入れることができるカードなのですが逆位置なので、個のエネルギーが強くなる時代に突入していくことを示唆しています。つまり多様性が認められ、生きやすくなるということ。他人の意見に惑わされず、自分がやりたいと思ったことを突き詰めていけば、未来を切り拓けます」今年は11月が転換期で、12月に向けて、気の流れが良くなるそう。この流れに乗るために今から積極的に活動することが、令和時代を幸せに過ごすカギ!新時代をリードしていくのはどんな人?「個が尊重される時代なので、自分にしかない才能・技術を持っている人や発想の転換が上手くできる人が、時代の開拓者となります。副業が流行り、今までなかった職種も増えてきます。だからどんどんチャレンジすべき。自信はあとからついてくるものだから、まずは一歩前に踏み出してみること。自分をリードできる人こそが、時代をリードできる」どんな女性がモテそう?「激動の時代なので、引っ張ってくれる人や頼れる女性に、男性は惹かれ始めます。たとえば何か困難なことに遭遇した時、多角的な視点から問題を解決する糸口を探せる人とか。そのためにも映画を観たり本を読んだりして、相手の立場に立って物事を考えられるクセをつけて。男性に頼って生きようと思っていると、恋愛を遠ざけてしまう可能性も」新時代を生き抜くためにすべきことは?「右から4番目のペンタクルの3のカードと、6番目のマジシャンのカードがどちらも逆位置。これはスキルや技術不足、消極的な気持ちを表しています。令和は、今までのやり方や常識が通用しない時代になっていきそう。だから現状に満足することなく、次のビジョンを考えて、新しい情報を積極的にキャッチして、視野を広げていくことが大事です」新時代に注意すべきことは?「デビルのカードが示唆するように、口が達者な人や遊び人には気を付けたほうがよさそうです。またマジシャンのカードの逆位置は、詐欺の暗示でもあるので、あやしい勧誘や誘いには乗らないように。おいしい話には裏があると思い、まずは疑ってかかること。お金持ちになりたいなら、自分にしかないスキルを身につけて、地道に稼ぐのが一番です」濱口善幸さん1981年生まれ。2004年より占い師としての活動をスタート。よゐこの濱口優さんの弟。これまで関西を中心に2万人以上を鑑定。※『anan』2019年6月19日号より。写真・大嶋千尋取材、文・鈴木恵美(by anan編集部)
2019年06月14日幅広い層から人気の大ヒットシリーズから、待望の最新作が7年ぶりに日本に上陸!この夏をさらに熱くすること間違いなしの話題作とは、『メン・イン・ブラック:インターナショナル』です。そこで今回は、ひと足先に本編を体感したこちらの方にお話を伺ってきました。写真・大嶋千尋(今田美桜)日本語吹替版でエージェントM役を務めた今田美桜さん!【映画、ときどき私】 vol. 239地球に生息するエイリアンを取り締まる最高機密機関「メン・イン・ブラック(MIB)」に所属するエリート新人女性エージェントMを演じたのは、ドラマ『3年A組―今から皆さんは、人質です―』などで注目を集めている今田さん。吹き替えに初挑戦した心境やいまハマっていることなどについて語ってもらいました。―このシリーズはちょうど今田さんが生まれた1997年に誕生し、20年以上に渡って世界中で愛されているシリーズですが、参加してみていかがでしたか?今田さんうれしい反面、これだけ人気のある作品なので、緊張してしまい、アフレコでは頭が真っ白になってしまいました。みなさんにどう思っていただけるか不安なところもありますが、いまは終わってホッとしているのと同時に、楽しかったなという思いでいっぱいです。―緊張したなかで、どのようにして乗り越えましたか?今田さんとにかく自分の声がキャラクターと一致することだけに集中して、それ以外特別なことは考えないようにしました。手のひらに「人」を書いて飲み込むと緊張が和らぐといいますが、それでは治らないくらいでしたね(笑)。でも、現場に入ったらやるしかないですから。負けず嫌いなところは自分と似ている―今回、女優のテッサ・トンプソンが演じたエージェントMは、実年齢でいうと今田さんよりひと回り以上も年上の女性。声をあてるうえで難しかったことはありませんでしたか?今田さんエージェントMは、すごく知的で、冷静で、エリートな大人の女性なので、正直どうしようかなと思ったところもありました。でも、本編を拝見させていただいたら、すごくお茶目なところがある女性であることがわかったんです。なので、大人のしっかりとした部分を意識しつつ、かわいいところも残せるように声の幅を使うことを心がけて演じました。―そのなかでご自身と似ていると感じる部分もありましたか?今田さん負けず嫌いなところだけですね。ほかは全然似てないです(笑)。彼女は冷静で頭がいいので、負けず嫌いな部分も内に隠しているところがかっこいいなと思いました。―ちなみに、自分が負けず嫌いだと思う瞬間はどんなときですか?今田さんプライベートではそういうことはないですが、仕事に関しては負けず嫌いだと思います。最近だと、今回の吹替のお仕事が初めはなかなかうまく行かなくて、録り直しをしたり、悔しい思いをしたりもしました。難しいからこそやりがいもあった―特に苦労したのはどのあたりですか?今田さん抑揚の付け方や声の音程、あとは声にどうやって感情を乗せるかとか、英語の冗談をどういうふうに日本語で伝えるか、という部分は本当に難しかったです。普段は声と顔で演じていることもありますが、そういう意味ではすごく勉強になりましたし、難しいからこそ、やりがいもありました。―今回、ハリウッドの大作の一員になってみて、海外の作品に挑戦してみたいというお気持ちも湧いてきましたか?今田さんもちろんかっこいいなとは思いました。夢のまた夢ではありますが、中国語を勉強していたこともあるので、完璧に話せるようになったら中国の作品に参加してみたいなという興味はあります。英語もその次に勉強してみたいですね。―声優として次にやってみたい役などはありますか?今田さんこういったSFやアクションの作品は、楽しみながら演じさせていただくことができますが、ヒューマンドラマも好きなので、次はそういうジャンルにも挑戦できるようにがんばりたいです。今年は運動を続けることが目標―これからもまだまだ新しいことにチャレンジする機会があると思いますが、いまやってみたいことは?今田さん今回、初めて声優のお仕事をさせていただいたというのも私にとってはひとつの変化であり、成長だったと感じています。なので、新しいジャンルに挑むというより、そこで学ばせていただいたことを糧に女優として今後活かせたらいいなと思っているところです。―忙しい毎日だと思いますが、いまプライベートで興味があることはどのようなことですか?今田さん私は基本的にインドアなタイプで、あまり運動もしないほうでしたが、最近ようやくジムに通い始めました。飽き性なところがあるので、今年は運動を続けられるようにがんばりたいと思っています。―そう思うようになったきっかけはありましたか?今田さん単純に「そろそろ体を動かさないといけないかな」と感じるようになったのと、食べるのが好きなこともあり、「このままだと大変なことになっちゃうかな」と思ったので。運動でプラマイゼロにできたらいいんですけど……(笑)。女性たちにも楽しんでもらえる作品―もし、美容のために欠かさずにしていることがあれば教えてください。今田さんお風呂上りに自分でマッサージをしてリンパを流したり、ツボを押したりしてむくみを取るようにはしていますね。体のメンテナンスと言えるほどではないですが、一応毎日続けています。―それでは最後に、本作の見どころを教えてください。今田さん今回は主な舞台がロンドンになりますが、パリやモロッコでもストーリーが展開されるので、とてもスケールが大きい作品となっています。メインのエージェントにかっこいい女性が参加するのもシリーズ初となるので、女性にも楽しんでいただきたいですね。エージェントMは、クリス・ヘムズワース演じるエージェントHとタッグを組んでいますが、2人のかけあいは、本当におもしろくてお茶目なので注目です。そして、最後は裏切られるところもあるので、ぜひ楽しみにしてください!インタビューを終えてみて……。吸い込まれそうな大きな瞳が印象的な今田さん。撮影中に見せるチャーミングな笑顔と大人っぽいクールな瞬間とのギャップには、思わず釘付けになりました。エージェントMの活躍とともに、今田さんの初吹替にも乞うご期待です。宇宙人も地球人もテンション上がりっぱなし!本作でもお決まりのブラック・スーツとサングラスは健在で、ド派手に暴れまわるMIB。今回は、さらなるスケールアップとシリーズ史上初となる男女のコンビから目が離せなくなりそうです。ストーリーエリート新人女性エージェントMは、MIBにいるスパイを探すため、ロンドンへと向かっていた。そこで待ち受けていたのは、イケメンでチャラ男の敏腕エージェントH。対照的な2人がコンビを組み、スパイ摘発のミッションへと挑むこととなる。しかし、真相に近づくにつれ、地球の存亡をかけた大事件へと発展してしまうのだった……。興奮が止まらない予告編はこちら!作品情報『メン・イン・ブラック:インターナショナル』6 月 14 日(金)より、全国ロードショー!配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントヘアメイク:宮本愛(yosine.)スタイリスト:有本祐輔(7回の裏)ジャケット¥53,000、パンツ¥32,000(ANALOG LIGHTING/ANALOG LIGHTING OFFICEMARUNYABUSSAN.CO tel 03-3710-2990)サンダル¥16,800(STACCATO/バロックジャパンリミテッド tel 03-6730-9191)パールリング¥37,000(シキ tel 03-6885-7489)リング¥15,000(ココシュニック tel 03-5413-5140)
2019年06月13日お笑いトリオ・ジャングルポケットの太田博久(35)の妻でモデルの近藤千尋(29)が3日、自身のインスタグラムを更新し、第2子を妊娠していることを報告した。近藤は、太田との連名でコメントを掲載。おなかに手を当てた写真を添えて、「この度新しい生命を授かることになりました安定期に入り、体調も少しずつ落ち着いてきましたのでご報告させて頂きます」と報告した。そして、「第一子の十愛を授かった時とは全く違う妊娠生活で戸惑う事も沢山ありますが、周りの皆様のご協力を頂きながら太田家で力を合わせてお腹の子を守り育てていけるように頑張ります!!」とつづり、「引き続き温かく見守って頂けたら嬉しいです」と呼びかけた。2人は、2015年9月に結婚し、2017年5月4日に第1子女児が誕生している。
2019年06月03日2001年に日本公開、2003年の第75回アカデミー賞授賞式で長編アニメ映画賞を受賞した『千と千尋の神隠し』が、6月21日についに中国で公開されることが決定した。「The Hollywood Reporter」などが報じた。なお、昨年12月には、ジブリアニメとしては初めて中国で『となりのトトロ』が30年の時を経て公開され、2600万ドル(約28億円)の興行収入を得ている。中国のジブリファンは、「20年もネタバレを避けるの、どれだけ大変だったかわかる?」とジョークを交えたコメントや、「昨年『トトロ』を観たから、『千と千尋の神隠し』も絶対に映画館で観なきゃね。ところで、『ハウルの動く城』の公開はいつなの?」と早くもほかのジブリ作品の公開を待ち望む声などを寄せた。『千と千尋の神隠し』は、アカデミー賞のほかに第52回ベルリン国際映画祭で最高賞である金熊賞、第30回アニー賞の作品賞、監督賞など世界で多数の賞を受賞した作品。まだ正式公開はされていないものの、中国では海賊版などで目にしてファンになった人もすでに多くいて、「大きなスクリーンで観られるのが本当に楽しみ」という声も多くみられる。(Hiromi Kaku)■関連作品:となりのトトロ 1988年4月16日より公開
2019年05月28日清水エスパルスのエースストライカー・北川航也選手の素顔に迫りました! 試合中の勇ましいプレーからは想像できない「かわいい発言」連発で取材陣はキュンキュンしまくり! 日本代表のこと、将来のことも語ってくれて、北川選手の知られざる(!?)魅力が満載です写真・大嶋千尋 文・伊藤順子北川航也、22歳のヒミツスピードと高い得点力、そして抜群のセンスを併せ持つ、清水エスパルスを牽引するエースストライカー・北川航也選手。自身の武器は「相手ディフェンスの裏に抜けるプレー」と断言するだけに、シュートはもちろん、それに絡むプレーも素晴らしく、多くのサポーターを虜にしています。サッカーを始めたのは5歳のとき。きっかけは、2つ上のお兄さんの影響だといいます。「ただ兄のマネをしていた」くらいの気持ちからスタートした北川少年ですが、すぐにサッカーの魅力にハマッたのだそう。ーーどんなところにサッカーの魅力を感じますか?北川選手 ひとりじゃできない、11人の力が合わさらないと結果が出ないところが魅力だと思います。もちろん、ピッチに立つ選手だけじゃなく、ベンチの選手やサポーターの応援も強い力になる。みんなでひとつの目標に向かうところが好きですね。ーーでは、観る側、特に初心者はゲームをどのように観ればいいのでしょうか?北川選手 団体競技でありながら、個人技も光るスポーツなので、1対1における激しさやボールの奪い合いは、見応えがあると思います。また、スタジアムを訪れたら、クラブごとに独特な、サポーターの応援を見るのもおすすめです。エスパルスだったら、サンバのリズムで応援してくれるんです。『勝ちロコ』というダンスがあり、試合に勝つと選手も含めてみんなで踊るんですよ。ーー楽しそうですね! いまのJリーグの現況をどうご覧になっていますか?北川選手 イニエスタやビジャなど世界的に有名な選手が加入してくれて、大きな刺激となり、プラスになっています。結果、全体的にレベルが上がっていると思いますね。だから、試合を観てくれたら絶対に楽しめるんですよ。さきほどのサポーターのこともそうですけど、少しでも興味があるなら、ぜひスタジアムに足を運んでほしいです。テレビとは大きく違う、生ならではの空気を感じてほしいですね。恋愛、女の子、デート…赤裸々告白!ここまで、びっくりするほど穏やかな口調で丁寧に答えてくれた北川選手。日本代表にも召集されるほどのFWだけに、“勝気な男子” 像を抱いていましたが……。北川選手 話すとイメージが違うとよく言われます(笑)。人見知りなので、自分から話すというよりは、バンバン話しかけてくれたほうがありがたい。その場が明るい雰囲気になれば、話せるんですけど。ーー意外と受け身なんですね! もしかして、恋愛も “リードされたい” ですか?北川選手 好きな相手には自分からアクションを起こしますけど、女性の押しに弱いかも(笑)。積極的なアプローチは、嫌だとは全然思いませんね。押されて、自分もいいな、と思えば、それはそれでいいと思います。ーーまるで来るもの拒まず宣言ですが(笑)、好みのタイプはありますよね?北川選手 さっき言ったようなたくさん話してくれる明るい人がいいですね。見た目だったらショートヘアが断トツにいいです。その理由は自分でもよくわからないですけど、本田翼さんのようなヘアスタイルの女性に惹かれます。特に、今までロングだった人がいきなり短く切ったりするとヤバいですね。ギャップに弱いです(笑)。年齢は、お姉ちゃんがほしかったから、憧れというのがあって、もしかしたら年上がいいのかもしれないです(笑)。ーー年上女性に明るい希望をくれました! ひょっとして甘えたい?北川選手 ……かもしれないですね(笑)。ーーテレながらも、どんどん話してくれるから、こちらももっと聞きたくなっちゃう! では、キュンとする女性の仕草や行動などはありますか?北川選手(しばし考えて、にこにこしながら)ボディタッチがいいですね。後ろから、肘をトントンって軽く触られるのがたまらないです。ーーこちらもニヤけてしまいます(笑)。理想のデートコースは?北川選手(引き続きにこにこ)ディズニーが好きなので、東京ディズニーランドかシーに行きます。朝早いと辛いから、昼から夜にかけてが理想ですね。タワー・オブ・テラーの1番上から眺める景色が最高ですよ。あとはただ落ちるだけなので(笑)、あの眺めが一番いいと思っています。ーーそう語る北川選手がかわいらしくて(すごい選手なのにすみません!)、取材陣のほうがキュンキュン やっぱりサッカー選手ってモテるんですね。北川選手 僕のことは置いておいて、同年代の選手を見てもみんなモテると思いますね。特に、(南野)拓実は試合ではあんなに熱い男ですけど、素は意外と天然。そこがモテるんだろうなぁと思うし、(堂安)律はけっこうしゃべるので、一緒にいて飽きないと思います。日本代表への思いと描く未来北川選手の口から、森保ジャパンで活躍中の選手名が挙がりました。そこで、日本代表への思いを聞いてみると、柔和な笑顔は一転、キリリとした表情に変わり、次のように答えてくれました。北川選手 日本人プレーヤーであれば、誰しもが目ざすところだと思います。もちろん自分もそうで、またそこに選ばれるように、いまは精一杯頑張るしかありません。そのために必要なことを自分で考えながら、簡単ではありませんが、結果を残すことが代表への道につながっていくと思います。ーー3月に行われたキリンチャレンジカップをご覧になってどう思われましたか?北川選手 自分が出ていたら……(勝敗が違ったものになっていたのではないか)とも思ったりしますが、呼ばれなかったという時点で、自分があの場所に立つ資格はないわけで。だから、選ばれたメンバーであの結果なのですから……僕は1サポーターとして、出ている選手に頑張ってほしいと素直に応援していましたね。堂安、南野、中島、富安は僕と歳が近く、それでいて海外で活躍しているから、とても刺激を受けますね。いつかは、自分もそこでプレーしたい気持ちを持っていますが、まずはエスパルスで結果を残すことが大事だと思っています。最後は、自分に言い聞かせるように話した北川選手。この取材ではほかに、「キャンプで星空を眺めるのがすごく好き」と趣味を明かし、「視界が星で埋まるんです。ただ、すげぇとしか言いようがないですよ」と教えてくれました。富士山の麓で見るという星々と同じく、北川選手自身もまさにスター。しかも、よりいっそう輝ける可能性を秘めています。その過程を私たちは眩しく見守りながら応援し続けたいですね。Information北川選手のプレーをぜひ”アイスタ”で!4月のホームゲーム4/20(土) vs.セレッソ大阪(15:00キックオフ@IAIスタジアム日本平)4/24(水) vs.松本山雅FC(19:00キックオフ@IAIスタジアム日本平)4/28(日) vs.浦和レッズ(16:00キックオフ@IAIスタジアム日本平)
2019年04月13日人生において、いつかは訪れる大切な人との別れ。悲しみだけではないあらゆる感情に心を揺さぶられるものですが、突然病に襲われる母親との最後の日々を描いた人気エッセイ漫画『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』が映画化され、話題となっています。そこで、主人公であるサトシを演じたこちらの方にお話を伺ってきました。それは……。写真・大嶋千尋(安田顕)カメレオン俳優として人気の安田顕さん!【映画、ときどき私】 vol. 217映画やドラマなど、作品ごとに見せるさまざまな表情で観客を魅了し、幅広い役で唯一無二の存在感を放ち続けている安田さん。本作は実話ということで、現在マンガ家として活躍中の宮川サトシさんの役を熱演しています。そこで今回は、現場でのエピソードから原動力まで、たっぷりと語っていただきました。―最初に原作を読まれたときはどのような印象を受けましたか?安田さん親の死というものは必ず訪れるものですが、作者である宮川さんの視点がすごく独特でユーモアにあふれていると感じました。悲しい出来事ではあるけれど、クスっと笑えるところもある。でも、そのなかにこそ人の気持ちの真実があるので、涙腺がジワっと緩むステキな作品だと思いました。この作品に触れると、人に対して優しくなれるので、毎日夜中に読もうかなと思っているくらい。ただ、翌朝目が腫れちゃって困るんですよね(笑)。―実在の人物を演じるということで意識したことはありましたか?安田さん実際に生きている人を演じることに対する過度なプレッシャーはなく、あるとしたらちゃんと作品を残さないといけないというプレッシャーだったと思います。ご本人には現場で初めてお会いしましたが、今回は純粋に作品に対して心を打たれたので、責任を持ってやろうという覚悟はありました。―母親役の倍賞美津子さんとの掛け合いも素晴らしかったですが、共演されてみて印象に残っていることはありますか?安田さん倍賞さんはとにかくステキな方なんです。現場でも父親役の石橋蓮司さんと何てことない雑談をしているだけでも、佇まいや物事への観点が素晴らしいんですよ。それから、これはあとで気がついたんですが、倍賞さんと僕の母親の誕生日が一緒だったことには驚きました。母親とは男にとって絶対的な味方―運命のような偶然ですね。ちなみに、安田さんにとって母親とはどのような存在ですか?安田さん女性と母親との関係性とはまた違うと思いますが、男にとって母親は絶対的な味方。愚痴も言えるし、心から甘えられる存在なので、僕には実体験はありませんが、失ったときの喪失感というのはとんでもないものがあるんだろうと思っています。―そういう意味では、衝撃的なタイトルに共感できる部分もありましたか?安田さんそうですね。だって、遺骨って最後に遺してくれたものですよね?「それを食べて何が悪い!」と思うんですけど、「遺骨を食べたいと思った」ですからね。「僕は遺骨を食べた」というタイトルじゃないですから(笑)。君の膵臓も「食べたい」であって、「そう思った」ということですからね。―(笑)。それぐらいの気持ちになるという意味ではわかる気がします。そんななか、サトシを演じるうえで大事にしていたことはありますか?安田さん「ここで僕の演技を見て欲しい」というようなエゴはまったくなくて、考えていたのは作品のことだけ。本当にそれしかなかったですね。撮影前に大森立嗣監督から言われたことは、「とにかく穏やかで温かい現場にしていきたい」ということだったので、そこをとても大切に過ごしました。―役作りはどのようにしていきましたか?安田さん前にある先輩から「役を演じるときは3つのことを考えなさい。それがあればブレないから」と言われたことがありましたが、サトシに関しては、「泣き虫・お調子者・甘えん坊」とすでに脚本に書いてあったので、必要なものはそろっていました。―では、泣くシーンなどもすべて脚本通りでしたか?安田さん実は、脚本のト書きに「泣く」と書かれているところでは涙が出なくて、反対に書かれていないところで涙が出てしまうことがあったんです。そのとき、「ト書きに『泣く』と書かれているので、目薬でもしましょうか?」と監督に言ってみたことがありました。そしたら、監督から「そんなことしなくていいよ。心が泣いていればいいんだから」と返されたんです。本当にステキな監督だなと思いました。―じんとくるお言葉ですね。では、この作品に参加したことで、家族やご両親への思いに変化はありましたか?安田さん撮影中は作品のことしか考えてなかったので、自分の親のことは全然思い出しませんでした。ただ、できあがった作品を観てから親に対していろいろと考えるようになったので、いま作品から教えられているところです。「より大切にしたいな」とは思っています。これこそが役者の仕事だと感じた―本作では母親が中心ではある一方、父親役の石橋蓮司さんとお兄さん役の村上淳さん、そして安田さんという男3人が湖でそれぞれの思いをぶつけ合うシーンがとても印象的でした。安田さん実は最初に脚本を読んだときに、一番心を打たれたのはこのシーンでした。監督とも話をしていたのは、残された人たちがどう再生していくか、ということ。この作品では、受け継ぎ、伝えていくというのが大事なテーマでもあるので、そういう意味でも湖のシーンはすごくいいなと思いました。―みんなで裸になって湖に入るところもありましたが、そのときの撮影の様子はいかがでしたか?安田さん実は倍賞さんが「監督、みんなスッポンポンで湖に入ったほうがいいんじゃない?」と言い始めたのがきっかけだったんです。それで、実際にやってみたら、お母さんに見守られながら男3人が裸になって水のなかに入るほうがおもしろくてステキだし、より笑って泣けるんですよね。ちなみに、あのシーンで僕が一番好きなのは、石橋さんのシャツのボタンを倍賞さんが外してあげるところ。倍賞さんの手つきと仕草、そして「いってらっしゃい」の一言は、いま思い出しても涙が出てくるくらい、僕が一番泣ける場面なんですよね。言葉は少ないんだけど、夫婦の関係性がはっきり伝わるので、「これこそが役者の仕事なんだ」と感じました。―次々と出演作も続いており、毎日お忙しいと思いますが、原動力となっているものは何ですか?安田さん音楽を聴くことですね。特に、近所にあるバーに行って、いいスピーカーでレコードを聴きながら、焼酎を飲むのが一番。最近だと、竹内まりやさんの「静かな伝説(レジェンド)」という歌を聴くとやる気になります。歌詞が素晴らしいので、みなさんにもオススメです。―SNSではいろいろな料理のお写真もよく上げていらっしゃいますが、食もストレス発散になっていますか?安田さん写真を撮るようになったのは、せっかくロケでいろいろな場所に行っているのに、そこで何もしないのも嫌だなと思ったからです。時間が空いたときにはその土地のものを食べるようにしています。最近感動したおいしい料理とは?―ちなみに、料理をにらんで写真を撮る「睨み飯」というスタイルがおもしろいですが、そうなったきっかけは?安田さんおいしいものを食べたときに、料理だけを撮って載せている方もいますよね?でも、SNSはその人が好きで見ている方が多いので、料理だけだとおもしろくないかなと思って、顔を近づけて撮るようになったのが始まりです。ただニコッと笑っているのもいいんですが、にらんでいるほうがおもしろいかなと思って、いまのスタイルになりました。―そんななか、最近食べておいしかったのは?安田さん東京の大森で食べたおそばですね。噛んだときにそばの香りが強くておいしかったですし、あとは見た目もよかったんですよ。グルメサイトを見たときの評価もよかったから、そういうのもあったかな。―ネットでの評価などもけっこう気にされるのですか?安田さん気にはします。人も料理も見た目が大事ですから(笑)。7割がた見た目らしいですよ。―見た目が7割ですか!?そう思うようになったのはなぜですか?安田さん以前、『問題のあるレストラン』というドラマで、パティシエの役をやったんですが、そのときのセリフに、「食べ物は見た目で7割決まる。同じ味であればその方が絶対においしく感じるんだ」というセリフがあったんです。つまり、見た目が7割。じゃないと、オシャレもお化粧もしないんじゃないですか?―確かにそうですね(笑)。ということは、安田さんも普段からおしゃれに気をつかっているのですか?安田さんいや、それが全然ですね(笑)。というのも、現場に行ったらすぐに脱いで、着せてもらえますから。着せてもらえなかった頃はがんばりましたけど、着せてもらえるようになったらがんばらなくなっちゃって、いまはジャージです(笑)。でも、立派な役者さんたちを見ていると、普段もちゃんとこだわってらっしゃるので、見習いたいところです。―では、40代の目標は何かありますか?安田さん運動や料理などをやってみようかなとは思っています。手先を使うことを今年はチャレンジしてみたいですね。自分のペースで行くことが大事―それでは最後に、ananweb読者にひと言メッセージをお願いします!安田さん30歳になるときは「もう30歳になっちゃった」とすごく意識したんですよ。でも、そこを超えちゃうとなんてことないので、そのときそのとき一生懸命やっていればいいんだなと思っています。20代前半で物事を確立しちゃう人もいれば、30歳過ぎるまでかかる人もいるので、下手に焦る必要はないんですよね。それぞれのペースがあるから、「自分のペースでやっていきましょう」と伝えたいです。というのも、いまはスピードが速い時代でもあるので、そこについていこうとすると、他人のことを見捨てないとやっていけないときもあるんですよ。でも、ゆっくりしたペースでいくと、いままで見過ごしていた人のことが見えてきたり、困っている人に「どうしたの?」と声をかけられるようになったりするので、そういう過ごし方も大事だなと思っています。インタビューを終えてみて……。ユーモアと優しさにあふれている安田さん。お話を伺いながら作品を思い出していると、思わず目頭が熱くなりましたが、次の瞬間には笑ってしまうという、まさに笑って泣ける本作を観たときと同じような温かい気持ちになる時間でした。ぜひ、みなさんも劇場でそんな温かさに浸ってみてください。それぞれの“愛のかたち”に胸が揺さぶられる!人生には耐えがたい悲しみに襲われることもあるけれど、失ったことによって新たに得る絆や改めて気づかされる家族の思いが必ずあるもの。優しさと愛情に満ちあふれた本作に触れれば、大切な人をもっと大切にしたくなると思います。ストーリーサトシは幼いころから泣き虫で頼りなかったが、いつも明るくてパワフルな母に救われていた。ところが、その母がある日突然ガンだと宣告されてしまう。心優しいサトシは母のためにがむしゃらになるものの、やがて母との永遠の別れが訪れる。そして、1年後、天国の母から驚くべき贈り物がサトシの元に届けられる……。愛おしい予告編はこちら!作品情報『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』2 月 22 日(金)全国順次ロードショー出演:安田 顕松下奈緒村上 淳石橋蓮司倍賞美津子監督・脚本:大森立嗣原作:宮川サトシ「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」 (新潮社刊)配給:アスミック・エース©宮川サトシ/新潮社 ©2019「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」製作委員ヘアメイク:西岡達也(ラインヴァント)スタイリスト:村留利弘(Yolken)ジャケット¥64,000(マンド)/パンツ¥34,000(マンド)/シャツ¥18,000(カイコー)/その他スタイリスト私物衣装問い合わせ先:スタジオファブワーク(tel 03-6438-9575)
2019年02月21日誰もが何かと戦いながら日々を過ごしているものですが、そんななか“最強戦士”として覚醒したひとりの少女を描いた話題作『アリータ:バトル・エンジェル』がついに日本に上陸!今回は究極の映像体験を誰よりも体感したこちらの方にお話を伺ってきました。それは……。写真・大嶋千尋(ローサ・サラザール)ヒロインを務めたローサ・サラザールさん!【映画、ときどき私】 vol. 216ローサさんが演じたのは、奇跡的に復活を果たしたサイボーグの少女アリータ。本作では人間の動作や表情をコンピューターに取り込む「パフォーマンス・キャプチャー」での演技に挑戦しています。そこで、役をつかみ取るまでのいきさつやアリータを演じるなかで感じた思いなどについて語ってもらいました。オーディションで監督を泣かせたことは忘れられない―今回はオーディションでこの役を勝ち取ったそうですが、そのときのことについて教えてください。ローサもう3年も前のことなんだけど、すごくよく覚えているわ。なぜなら、私はオーディションでロバート・ロドリゲス監督を泣かせたのよ!だから、もしこの役をもらえないとしても、そんなふうに彼を感動させることができたというのは、記憶に残ることであり、思い出になると感じたわ。通常のオーディションでは、1~2シーンくらいしか演じさせてもらえないから、幅のある演技を見せることはできないんだけど、そのときはありがたいことに5シーンも演じることができたの。だからこそ、私はアリータに必要なあらゆる感情を見せることができたと思うわ。―そのときに、ロドリゲス監督とのやりとりで印象に残っていることはありますか?ローサロドリゲス監督というのは、あまり多くを語らないし、直感で決める人。それもあって、「どうぞ好きにやってください」と俳優を信じて任せてくれるのよ。そういうところも私は監督の好きなところなの。ホテルの一室で行われたオーディションでは、テーブルのうえに大勢の女優たちの顔写真が並んでいたんだけれど、監督は私の写真を探したあとに、私にこう言ったの。「そういえば、僕の友達が君と仕事をするべきだと言っていたよ」と。そう言われて、「そうね、私もそう思うわ」とつい答えてしまったんだけど、部屋を出てから、「ああ、なんて生意気なことを言っちゃったんだろう!」って頭を抱えてしまったわ(笑)。でも、アリータもまさにそういうことを言うタイプ。だから、これも運命なのかなと思ったわね。私が語るべきストーリーだと感じた―そういう意味でも選ばれるべくして選ばれたんだと思いますが、実際にアリータを演じていくなかで共感したり、若いときに同じような思いを経験したことを思い出したりしましたか?ローサもちろんよ!でも、これは女性なら誰でも共感できるキャラクターだと思うわ。いや、女性だけじゃなくて、人なら誰でもと言ったほうがいいかもしれないわね。私はどんな脚本でも読むときには、「これはもしかしたら私の物語かしら?」と思いながら読むようにしているんだけど、今回はまさに私が語るべきのストーリーだと感じたの。特に、アリータが最初に感じていた気持ちはとても理解できたわ。つまり、不安があったり、大きな世界で自分が小さい存在だと感じたりするということだけど、誰もが若いころはそう思うことってあるわよね?―確かに、誰もが自分を重ね合わせることができる部分がありますね。ローサあとは、私もアリータも理想主義者だから、同じようにその理想を砕かれる経験もしているし、彼女が自己発見の旅に出ようとする気持ちもすごくよくわかるわ。そして、彼女は戦士でありながら、感傷的な部分があって、何よりもハートを持っているの。本来、戦士が持ってはいけないものかもしれないけれど、その気持ちにも共感することができたわ。―全編パフォーマンス・キャプチャーというのは、普通に演技するのとは全く異なる難しさがあったと思いますが、実際に経験してみていかがでしたか?ローサパフォーマンス・キャプチャーは私をサイボーグにも10代の少女にもさせてくれたわけで、そういう意味では俳優としての幅をものすごく広げてくれたわ。こういう技術がなければ、演じられない役だったと思うから。でも、大変だったのはスーツがものすごくきついこと。それからヘルメットは重いし、目の前には2つのカメラがつねに自分を撮っているような状況で、さらにマイクやファン、レコーダーにバッテリ-といったものすべてがマジックテープで体中につけられているのよ。手袋もしているし、靴もぬぐことができないから、閉所恐怖症の人にはできない役なんじゃないかしら(笑)。―想像するだけでも、その状況で繊細な演技をするというのはかなり難しいことだったと思います。ローサとはいえ、普段のヘアメイクや衣装で役を作り上げていくのとはまったく違うプロセスは興味深かったこと。特に、私は映画作りの最先端にいられることを目標としてきたところもあるからうれしかったわ。もちろん、スタントなどは挑戦でもあったけど、私はカメラに映ることが好きなので、つねにカメラが私の演技や表情をとらえてくれていたのも、楽しいことだったわね。最高の監督たちと出会えてすべてが学びだった―今回は、ロドリゲス監督だけでなく、製作・脚本を務めたジェームズ・キャメロン監督とも一緒に作品を作り上げていったわけですが、その過程でアリータ同様に成長を感じた部分もあれば教えてください。ローサまず、彼らは私が成長することを許してくれたと言えるかしら。というのも、2人とも巨匠でありながら、上から目線で指示をすることもなく、自分たちのエゴを押しつけるようなこともなく、とてもオープンに愛情を注いでくれたのよ。監督のなかには、自分のビジョンに俳優を取り込もうとしすぎて俳優たちが輝きを失う場合もよくあるけれど、彼らは俳優のことを一番に考えてくれて、俳優を輝かせてくれる最高の監督たち。今回、これだけの大作で主演を務めることになった私にも、「君だからできるんだよ」という気持ちにさせてくれたし、本当にすべてが学びの体験だったわ。インタビューを終えてみて……。部屋に入ってきた瞬間から弾けるような明るさが印象的なローサ。本物のアリータが現れたかと思って驚きましたが、周りからあまりにも「アリータだ!」と言われてしまうこともあり、自分と切り離すためにいまは金髪にしているのだとか。とはいえ、それもまた似合っていて、とてもチャーミングなローサにすっかり魅了されました。見たこともない世界へと引き込まれる!ハリウッドの最先端技術を駆使した圧巻の映像は興奮必至!アクションとしても、人間ドラマとしても、ラブストーリーとしても楽しめる見どころ満載の本作に、思いっきり飛び込んでみては?ストーリー世界は天空に浮かぶユートピア都市「ザレム」と廃棄物が堆積したクズ鉄町「アイアンシティ」の2つに分断されていた。アイアンシティに暮らすサイバー医師のイドにより、荒廃した瓦礫の中から拾われ、新しい身体で蘇ったサイボーグの少女は、過去の記憶をすべて失っていた。そして、サイボーグの少女はアリータと名付けられることに。長い休眠状態の影響で過去の記憶を失っていたが、襲ってきた敵からイドを守るために戦った際に、自分のなかに戦闘能力が備わっていることに気がつく。アリータに隠された秘密とは……。驚異の映像が広がる予告編はこちら!作品情報『アリータ:バトル・エンジェル』2月22日(金)より全国ロードショー配給:20世紀フォックス映画©2018 Twentieth Century Fox Film Corporation
2019年02月21日2019 年は平成最後の年明けとしても大きな話題となりましたが、さまざまな思いを胸に新年を迎えたという人も多いはず。そんなときにオススメしたい映画は、心に大きな傷を抱えた青年と罪の意識を抱えながら生きていた男を描いた注目作『夜明け』です。そこで、こちらのおふたりに作品の見どころについて伺ってきました。それは……。写真・大嶋千尋(柳楽優弥・小林薫)柳楽優弥さん&小林薫さん!【映画、ときどき私】 vol. 209謎めいた悩める青年シンイチを演じたのは、現在ドラマに映画にCMに大活躍中の柳楽優弥さん。そして、偶然シンイチを助けることになった哲郎を幅広い作品で唯一無二の存在感を放ち続ける小林薫さんが演じています。今回は豪華な2ショットインタビューが実現し、撮影秘話からそれぞれの役者観についても語っていただきました。―まずは、本作への出演を決めた理由から教えてください。小林さんひとつは監督や共演者が若いということに興味があったからですね。年齢を重ねていくとどうしてもいろんなことが硬くなってしまうからね。こういう現場に入ることでいろいろな要求をされたり、とまどって大変なこともありますが、そもそも映画ってそういうものなんじゃないかな。柳楽さん広瀬(奈々子)監督は是枝裕和監督のもとで監督助手をされていた方で、しかも初監督作品。それだけでおもしろそうだなというのもありましたが、実際に台本を読ませていただいて共感できる部分もあったので、ぜひやりたいと思いました。撮影以外の雰囲気も作品に反映できた―この作品では土地も大事な要素のひとつとなっていますが、現場はどのような雰囲気だったのでしょうか?小林さん今回は撮影中に自宅へは帰らなかったこともあり、現場にもそういう空気がなじむ感じもありました。それは、自宅に毎回帰って撮る仕事とはまた意味合いがちょっと違うものなんですよ。現場の近くには3、4軒しかお店がなかったので、順番に回って毎晩みんなで飲みに行っていたんですけど、こういうことも東京だと撮影後に共演者とバラバラになってしまうからできないですしね。それが自分たちでも気がつかないところで“化学反応”を起こすこともあるので、そういうところが楽しいなとは思いました。柳楽さんいまお話にあったように、今回は千葉でまるまる1か月間の撮影だったこともあり、薫さんが僕と共演者の鈴木常吉さんやYOUNG DAISさんたちをいつも食事に連れて行ってくださいました。そんなふうに撮影していないところでの雰囲気みたいなものが映画にもすごく出ていると感じました。答えが出ないことと向き合う難しさがあった―脚本を読んでから、役作りはどのようにされたのでしょうか?小林さんわかりやすい部分とやっていくうちに難しいなと思う部分とありましたが、話自体はシンプルなものだと感じました。ただ、「親子なのになぜうまくいかないんだ」という親子の問題は答えが出ないものであって、それこそ2000年も前のオイディプスの書かれた時代から言われていること。解決する術はないんですよね。だから、人間だけにあるこの試練というのは一体何なんだろうって思うわけですよ。でも、この映画はそれがいいとか悪いとか、そういうことを言いたい作品でもない。だからこそ、僕らはどうしたらいいのかなと考えなければならなかったので、実は難しい題材なんだなと思いながら演じていました。こんな難しいテーマを若い監督がよくやるなとも思いましたね。―では、そういう疑問や葛藤をつねに抱えながら現場にいらっしゃったということですか?小林さん答えが出ないことだからね。それが難しさのひとつでもあったのかなとは思いました。ただ、自分たちがやったことに対しては、ああも考えられたとか、こうもできたとかをいまさら言ってもしょうがないし、正解だったと言わざるを得ないですよね。だって、あれがあのときの全力だから。―柳楽さんは微妙な心の動きを求められるような難しい役だったと思いますが、どのようにして挑まれましたか?柳楽さん難しいなとは感じましたが、まずは自分のなかで信じたものと監督に言われたことに従って演じようと思っていました。今回、撮影に入る前に僕が思っていたのは、僕がキャスティングされた意味。それは是枝監督の『誰も知らない』でデビューしたという流れもありますが、僕の持つ“生命力”というものを出せたらいいなと思っていたので、そこは意識するようにしていました。変な先入観を持たずに観て欲しい―実際に完成した作品を観たときはどのように感じましたか?小林さんもっと気楽な映画も作れたのに、30歳の若い監督がこんなに難しくて渋い映画をよく撮ったなと(笑)。でも、広瀬監督は東日本大震災のあと、コミュニケーションの在り方に悩む時期があったということもあり、映画との出会いがひとつの救いだったのかなとは思うんですよ。だから、そういうところに近いテーマなのかもしれないですね。あとは、監督自身が「答えはこうです。マル」みたいなわかりやすい映画を作りたいわけじゃないというのもある。カメラマンにしてもドキュメンタリーを中心に撮ってきた人を採用しているから、劇用のカメラマンとは違いますしね。―特に違いを感じた瞬間などもありましたか?小林さんたとえば、木工所に「おはよう」って入ってくる人がいてもカメラはそっちを向いていない。もちろんセリフを言う側にだけドラマがあるわけじゃないけど、それを聞いている側がどう聞いているかを撮りたいんだなと思ったんです。だから、僕らもいわゆる劇用の映画ではないんだなという思いを感じ取りながら演じていたので、そういう意味ではいろいろな “違和感” も含めて「なるほどな」と思うところもあっておもしろかったですね。柳楽さん最初はどういう作品に出来上がっているんだろうと、怖さやワクワクもありました。僕自身はいろいろな方の感想を聞きながらいまも考えているところはありますが、だからこそ観ていただく方には変に先入観をつけたくないなというのがあります。観た人の心にどう残るかという可能性にかけている映画だなと思いました。―ラストシーンも非常に印象的ですが、どのように受け止めていますか?柳楽さん「生きる」という感じですね。人生を一回あきらめようとしたシンイチが哲郎さんと出会い、助けてもらったおかげで、ゆっくりではあるけれど真っ暗なトンネルから少しずつ歩み始めることができたんだというふうにとらえています。今回の現場だからこそあのシーンが生まれた―劇中ではシンイチと哲郎の関係性について描かれていますが、実際の柳楽さんと小林さんはどのような関係性なのですか?小林さんお互いに余計なことは言わず、「このシーンはどうしようか」というのもあまり相談しないようにはしていました。それは広瀬監督の作品が持つ性質もあるとは思いますが、2人で納得して答えが出ちゃったらつまらないじゃないですか。そこにはわからなさの不安があるんだけど、わかることをやってもしょうがないからね。ただ、今回すごくよかったなと思ったのは、台所でシンイチが初めてある重大な告白をするシーン。僕は台本を読んだとき、体に力が入っている状態だとこのセリフは出てこない気がして、「僕が受け止めるから、体を預けて脱力した感じでやるのはどう?」と提案してみたんですよ。そしたら、柳楽くんも「それはありがたい」ということになったので、実際にそのような形で本番を迎えました。それは最初からプランがあったわけでもなかったんですけど、広瀬監督の現場と千葉で合宿をしていた環境のおかげで、役のことをふと考えたときにそうなったのかなとは思います。それは計算とかではなくて、神様がふわっと降りてきたような感じがいまでもしていますね。―それはNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』での共演を経て、おふたりの間に強い信頼関係があったからこそできたことだったのではないでしょうか?小林さんそんなきれいなものじゃないと思うけど(笑)。でも、そういう関係みたいなものがふと成立するときというのがあるんだよね。だから、あのシーンについては、僕もいまだにそう思っているし、監督も周りで見ていた人たちからも、あのときの哲郎とシンイチの雰囲気がよかったとほめてもらいました。―柳楽さんにとって、小林さんはどういう存在ですか?柳楽さん難しいことが多い現場でしたが、ドラマで1年近くご一緒させていただいた薫さんがいてくださったからこそ、少し落ち着くことができたところもありました。あとは、現場以外でも自然とキャラクターと同じような感じでいてくださったので、それは作品にとっても僕にとっても助けられていた部分だったと思います。役者という仕事に対する思いとは?―小林さんから見て、柳楽さんの魅力はどのようなところでしょうか?小林さん役を演じる以前の役者としての在りようというところで、すごく悩んでいるというか、ためらいがある人なのかなという印象。ただ、それはこれからも続けたほうがいいと思っているんです。というのも、僕らは腰を据えて落ち着いてしまったら、それはそれでつまらなくなっちゃうものだからね。俳優というのは、その妙な居心地の悪さみたいなものを抱えていく職業なのよ。しんどいと思うけど、そこを卒業しないでやっていってもらいたいなという気はしますね。だから、僕らは死ぬまで答えの出ないことをやっていると思いますよ。僕も最近は方法論も含めて、正しいことってわからなくなってきちゃっているからね。―小林さんでさえもそのように感じているのは、みなさん意外に思うのではないでしょうか。小林さんたとえば「役者とはこういうものだ」と言って人を納得させている人がいたら、「いいこと言うな」と思うのと同時に「お気楽でいいね」と心のなかで皮肉も出てくるんですよ(笑)。何が正しいかわからなくなってくる “居心地の悪さ” みたいなものは、ずっと続くんじゃないかな。だから、柳楽くんも役者としての在りようとか、役をつかむ方法とかをどうしたらいいかというのをずっと考えていくしかないと思うんだよね。「こういうことね」っていうのは絶対ない気がするから。―それでは最後に、柳楽さんから今後に向けて一言をお願いします。柳楽さん答えがあるエンターテインメント性の高いメジャーな作品も大好きですが、今回はこういうインディペンデントなものづくり感のある現場で、同世代の監督とご一緒できてよかったなと思います。ただ、まだ自分は満足とはほど遠いところにいるので、薫さんにおっしゃっていただいたように、これからもそれに耐えてがんばっていきたいです!インタビューを終えてみて……。ときおり少年のような笑顔を見せる柳楽さんと、大人の色気が漂う小林さんというそれぞれの魅力に釘づけとなった今回の取材。作品や役者という仕事に対して真摯に向き合い続けるおふたりだからこそ、ひと言ひと言にも重みを感じました。柳楽さんと小林さんの圧倒的な演技は、ぜひ劇場でご覧ください。「生きるとは何か?」と向き合う!親子や人間関係のなかで生じる葛藤や苦悩も、すべては生きているからこそ感じるもの。人は答えの出ない問いと向き合いながら、つねに新たな一歩を踏み出す選択を求められているのかもしれません。心のなかに抱えているものがあるのなら、シンイチとともに“人生の夜明け”を探し求めてみては?ストーリー地方の町で木工所を営んでいた哲郎。ある日、河辺で倒れていた青年を助け、自宅で介抱することとなる。偶然にも、その青年は哲郎の亡くなった息子と同じ「シンイチ」という名前だったのだ。自分のことを語らないシンイチだったが、周囲の温かさに触れるうちに心を開き、哲郎の家に暮らしながら木工所で働くようになる。時が経つにつれて、哲郎に対し父親のような感情を抱き始めるシンイチと徐々にシンイチに執着をし始める哲郎。親子のような関係の2人だったが、そんななか数年前に起きたある事件の噂が流れ始めることに……。胸がざわめく予告編はこちら!作品情報『夜明け』1月18日(金)より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー出演:柳楽優弥/YOUNG DAIS鈴木常吉堀内敬子/小林薫監督・脚本:広瀬奈々子配給:マジックアワー©2019「夜明け」製作委員会
2019年01月17日セイコーウォッチ(SEIKO)の手掛ける「アルバ」から、スタジオジブリ作品『千と千尋の神隠し』とのコラボレーション限定モデルが登場。2019年1月25日(金)より、全国の「アルバ」取り扱い店にて発売される。「アルバ」は、安心の品質と手頃な価格で、セイコーブランドのなかでも様々なシーンに対応できるカジュアルウオッチとして位置づけられるブランド。スタジオジブリ作品の『千と千尋の神隠し』とのコラボレーションでは、同作に登場するモチーフをたっぷり詰め込んでカジュアルながらも個性際立つデザインを完成させた。展開するモデルは2つのカラーでラインナップ、どちらのカラーにも、映画に登場する印象的なキャラクターである「カオナシ」を文字板中央に描いた。「カオナシ」は、ルミブライト(高輝度蓄光塗料)でプリントされており、暗闇では光って浮かび上がる。インデックスと針は、千尋たちが最初に訪れた不思議の町の時計台をモチーフにしており、「大字」の数字表記によって示される時はオリエンタルなムード。また、カーフストラップの裏には、竜の姿になったハクが描かれており、表には油屋の「油」のマークが刻印されている。なお、裏ぶたには映画タイトルと数量限定モデルの証であるシリアルナンバーを記した。夜空に浮かび上がる時計台を描いたスペシャルボックスに収められるこのモデルは、各色500本のレアモデルだ。【詳細】アルバ スタジオジブリ作品『千と千尋の神隠し』コラボレーションウオッチ発売日:2019年1月25日(金)取り扱い店:全国の「アルバ」取り扱い店価格:14,000円+税ダイヤル:シルバー、ブラックケース:ステンレススチール(ブラック硬質コーティング ※各色共通)ストラップ:カーフ(ブラック ※各色共通)【問い合わせ先】セイコーウオッチ(株) お客様相談室TEL:0120-061-012(C) Studio Ghibli
2019年01月13日双子の彼らは毎年、誕生日に不思議な能力を発揮する――伊坂幸太郎さんの新作『フーガはユーガ』は、久々のノンシリーズ、独立した話の単行本だ。「『砂漠』という本を出した時、担当編集の方に双子が生まれたんですよ。それで“次は双子の話を書きましょう”という話になって。だいぶ月日が経ってそろそろ書こうと思い、どう面白くするか考えました。それで、誕生日だけ2時間おきに双子の意識が入れ替わる話を思いついたんですが、その後で映画の『君の名は。』が公開され、これは絶対ヤバイ、真似したと思われる、と(笑)。あの映画自体好きですし、悩んだ末、苦肉の策で意識だけでなく体ごと入れ替わるという設定にしました」風我と優我は仙台に暮らす双子の少年。誕生日だけ2時間おきに体が入れ替わる不思議な能力を持つ彼らはその日は注意深く過ごしているが、時にはその能力を利用して、いじめられっ子を助けることも。テレポーテーションが起きる瞬間、周囲はどうなるのか、手にしているものも一緒に移動するのかなど、細かな設定も作り込んだ本作。「フィクション作品では、大きな嘘は1個だけならアリかなと思っていて。それを成立させるために細かな制約を設定していくのが僕の作風でもある。ここで瞬間移動だけでなく透明人間にもなれる、なんて嘘を重ねると著者に都合がいいだけの設定になるので、嘘はひとつだけです」双子の成長と遭遇する奇妙な出来事が語られるわけだが、謎めいているのは、これが大人になった優我がファミレスでテレビ番組のディレクターに語っている、という形であることだ。しかも優我はしばしば「わざと嘘をついている部分もある」と断りながら話を進めるのだ。「ずっと一人称だけで書いてもいいんですけれど、急に“それはどういうことなんだ”などと割り込んでくる人がいたほうがワクワクしながら書けるんです。それに、後からこいつは信頼できない語り手だったと分かるより、最初から堂々と“嘘も入ってるよ!”と言っておいたほうが読者に対して親切な気がして(笑)」つまり読み手は最初から「何かが怪しい」と思うわけだが、次第にそれを忘れて物語に引き込まれるはず。ただ、辛い場面もある。双子の母親は家を出、彼らは父親から虐待を受けている。近所では幼い女の子が轢き殺される事件も発生し、さらに…。「僕は家族がチームとなって敵に立ち向かう話が好きですが、世の中そんな家族ばかりじゃない。過酷な状況を生き抜く子たちだからこそ、突飛な能力があっていいんじゃないかと思い、はじめて辛い家族環境の主人公にしました。そのほうが2人で乗り越えていく感じが強まりますし。ただ、この能力でできることって、そんなになくて、かなり地味(笑)。そこがいいなと思っています」不思議で切なくて寂しくて、でも優しいラストが待っている本作。「一人称で語り続ける話にしようと思いついたから書けました。映画ではできないことをやりましたし、小説だから味わえる読後感になったのでは。切なさは『アヒルと鴨のコインロッカー』と似ているかもしれません。そういう意味では、原点回帰的な小説になりました」『フーガはユーガ』仙台市内のファミレスで、常盤優我は語りだす。双子の弟・風我のこと、自分たちが持つ不思議な能力のこと、そして彼らが遭遇した、ある事件のこと…。実業之日本社1400円いさか・こうたろう1971年生まれ。2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。’04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で吉川英治文学新人賞ほか、受賞多数。※『anan』2018年12月26日号より。写真・大嶋千尋インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2018年12月25日エモーショナルな瞬間を、美しいビジュアルと言葉、そして俳優の肉体を駆使して描き出し、いまや演劇のみならずジャンルを超えて注目されるマームとジプシー(以下、マーム)。最新作の『BOOTS』では、ドイツ生まれのシューズブランド・trippenとコラボする。靴がいったいどうやって演劇になるの?「マームの藤田(貴大)さんから最初にお話をいただいた時は、衣装提供ということかなとか、靴の物語を作るのかなと考えていたんです」とは、セールスマネージャーの中村光仁さん。しかし、藤田さんからの要求は、「trippenの感性で僕を刺激してほしい」というものだったそう。「展示会を観ていただいたりもしましたし、ブランドのコンセプトや、今回のシーズンテーマについてなど、うちの靴についてあらゆる側面から知っていただけるよう、いろんなお話をさせていただきました」(バイヤー・斉藤いずみさん)そしてお二人は一計を案じる。公演のフライヤー撮影時に、マームのメンバーだけのために、撮影場所となる屋外に什器を持ち込み大量の靴をディスプレイして見せたのだそう。「まずは、私たちはこうなんです、ということを目で見える方法でお伝えするのが一番だと思ったんです」と、斉藤さん。言葉やビジュアルから、ブランドを支える靴作りへの思いを感じ取り、そこから受けたインスピレーションを藤田さんが舞台として立ち上げていく。そしてこれまでに、今年の夏に上演された『BEACH』を含めた2作を制作。今回が3作目の共同作業だ。「紆余曲折を経て最後に帰結したのが、ブランドの今シーズンのテーマ“Speed”。ここには速度だけでなく、時の流れといった意味合いも含まれています」(斉藤さん)「デザイナーの、言葉にできない思いまで汲み取ってくれるのが藤田さん。僕らも想像しなかった角度の舞台ができていて、いまから拝見するのが楽しみです」(中村さん)2018年の8~9月に上演された『BEACH』より。今回は、前作『BEACH』と新作『BOOTS』の両作品が上演される。会場には、trippenの靴も展示。撮影・井上佐由紀『mum&gypsy×trippen「BOOTS」』12月21日(金)~29日(土)新宿・LUMINE0作、演出/藤田貴大予約4000円当日4500円『BEACH』『BOOTS』セット券7500円スケジュールの詳細はHPで。マームとジプシーTEL:070・5454・7311※『anan』2018年12月26日号より。写真・大嶋千尋取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2018年12月21日ドラマも映画もイケメンなしには楽しめない!今回、ご紹介する作品は、愛媛県を舞台にした、オリジナルのファンタジー映画『ふたつの昨日と僕の未来』。現実世界とパラレルワールドを奔走しながら自分の生き方を見つける主人公・海斗を演じた佐野岳さんにお話を伺いました。写真・大嶋千尋 文・田嶋真理 スタイリスト・菊池陽之介 ヘアメイク・富永智子【イケメンで観る海外ドラマ&映画】vol. 25演技もアクションも超一流! 進化し続けるアツい男『ふたつの昨日と僕の未来』は、愛媛県新居浜市の協力をもとに撮影した、新居浜市市制80周年記念映画です。主演をつとめる佐野さんは、『仮面ライダー鎧武/ガイム』で主人公の鎧武を演じてブレイクした若手俳優。人気ドラマ『陸王』では竹内涼真演じる茂木裕人役のライバルとなる長距離ランナー・毛塚を好演し、圧倒的な存在感を示していました。『ふたつの昨日と僕の未来』では、怪我を理由にオリンピック出場の夢を絶たれたマラソンランナー役。挫折によって、心身ともに傷を抱える青年・海斗を繊細に演じています。ーー脚本を読んだ時の印象は?佐野さん ファンタジーを交えながら、主人公の成長を描くところにワクワクしました。特に海斗と彼のおばあちゃんがふたつの世界について話をするシーンが好きで。自分と重ね合わせながら、脚本を読むことができました。ーー役作りとしてはどのようなことを?佐野さん 愛媛県の方言・伊予弁のセリフが多かったので、現地の方々にいろいろと教えていただきました。海斗の内面の役作りとしては、自分も高校のサッカー部時代に怪我で挫折した経験があるので、そのときのことを思い出しながら演じました。これまで演じたなかでもっとも素の自分に近い役だと思っています。ーーランナー役を演じるにあたって、肉体的なトレーニングは?佐野さん 同じくランナーを演じた『陸王』の撮影後だったので、すでに体は仕上がっていました。肉体的な部分も含め、説得力を持って演じることができたと思います。ーー佐野さんの伊予弁がとてもお上手で驚きました。愛知県出身だそうですが、これまでに愛媛県へ行かれたことは?佐野さん 愛媛県へ行ったのは、今回が初めてでした。先行上映をご覧になった方が「伊予弁がとても自然で、ネイティブのようだった」という感想を寄せてくださって。それを読んだときはすごく嬉しかったです。ーー海斗は、現実世界とパラレルワールドと行き来することによって、過去をやり直そうとします。もし、佐野さんが過去に戻れるとしたら、どの時代へ行ってみたい?佐野さん 自分の高校時代に戻って、留学を経験してみたいです。外国語を学んだり、旅をしたりすることが大好きで。オフがあったら、世界のいろいろな場所を観に行きたいですね。ーーすべて愛媛県で撮影されたそうですね。共演者の方々と一緒に、観光を楽しむ時間はありましたか?佐野さん 約2週間ほどの撮影でしたから、プライベートな時間はほとんどありませんでしたが、海斗の父親を演じた神保悟志さんとご飯をご一緒したとき、別れ際に「佐野くんが息子で良かった」と言ってくださって。すごく嬉しかったですね。ーーそれは最高の誉め言葉ですね。佐野さん 神保悟志さんを相手にしても、臆せず自分の演技ができたということなのかな? と良い意味に捉えています。ーー印象に残っているロケ地は?佐野さん 山根グラウンドで行われた太鼓祭りは、ものすごく迫力がありました。この映画を観て愛媛県に興味を持った方がいらしたら、ぜひロケ地巡りをしていただきたいです。ーー本作には、海斗が元恋人・真里乃の愛を取り戻そうと奮闘する様子も描かれています。佐野さんの理想の女性は?佐野さん 自分の判断で物事を決めていくような、サバサバした女性に惹かれます。それでいて、キャパの狭い自分をフォローしてくれるような、包容力のある方が良いですね(笑)。インタビューのこぼれ話取材した日は、来年のカレンダーをちょうど撮り終えたころ。毎年、露出度が高いことで有名な佐野さんのカレンダーですが、今回は過去最高の露出に備えて!? 初めてカレンダー撮影のために腹筋を鍛えたそう。佐野さんのセクシーなシックスパックは必見です!Information『ふたつの昨日と僕の未来』愛媛県にて先行公開中、12月22日(土)より全国順次公開出演:佐野岳、相楽樹、菅谷哲也ほか配給:キャンター©2018「ふたつの昨日と僕の未来」製作委員会衣裳協力:ジャケット¥75,000、パンツ¥36,000、チーフ¥10,000(すべてワコマリア/パラダイストウキョウ TEL:03・5708・5277)ベスト¥22,000(トローヴ TEL:03・3476・0787) その他はスタイリスト私物
2018年12月17日連載時から大胆に改稿し、できあがった大長編『熱帯』は、森見登美彦さんご自身も“怪作”と言い切る、2018年の目玉と呼べる一冊だ。幻の本に魅入られた人々の「読む/書く」をめぐる冒険奇譚。作家の〈私〉は、ふと学生時代に出合った佐山尚一の『熱帯』という小説を思い出す。大切に読もうと思っていた〈私〉の元から忽然と消え、以来、図書館や古書店を探し歩いても見つからない謎の本。その奇書をめぐり、物語は進んでいく。「単行本化に取りかかるタイミングで『千一夜物語』を初めて読んでみたんですね。200話ほどしかなかった原型が、勝手に付け加えられて増えたり、バージョン違いが生まれたりと、成り立ちも含めて面白いと思ったんです。最初は、’80年代の京都を舞台に、作中作である『熱帯』の内容や誕生の経緯を書くのだろうと考えていたのですが、影響を受けてどんどん膨らみ、“謎の本”についてより深く考えることになりました」〈この本を最後まで読んだ人間はいない〉等、噂を聞けば聞くほど、『熱帯』についても、著者の佐山尚一についても、知りたくなると同時に、よくもこんな風変わりな物語を思いつくものだと、作家としての森見さんを、謎多き作家・佐山尚一に重ねてみたくなる。「彼は、この世界のどこかに穴があって、その向こう側に心惹かれるような人物ではあるので、そのメンタリティは僕自身と重なる部分かもしれません。実は、佐山尚一は平凡なようでいて、ネットなどで調べても、同姓同名の人が全然引っかからなかった名前なんです。自分が作り出したことで、初めてこの世に出てきた存在だと思うと興味深いですね」登場人物たちが、読書とは何かと考察する丁々発止も楽しい。突き詰めていく場面も出てくる。たとえば、同じ小説を読んでも人によって解釈はいろいろなのに、みな同じ一冊を読んでいるといえるのだろうか。「そもそも『熱帯』という魔術的な小説のことを書かなくてはいけない。それに重ねて、読書についてや、断片的な妄想が小説という形になっていく自分の小説が生まれてくる過程を、小説にしようとも考えていました。複雑に考えすぎて、納得できる形になるまで試行錯誤の連続。担当編集さんは、書き終わらなかった別バージョンの『熱帯』を山のようにお持ちです(笑)」もりみ・とみひこ1979年、奈良県生まれ。京都大学大学院農学研究科修士課程修了。2003年、『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞、’07年『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞を受賞。『熱帯』Amazonには佐山尚一の古書が用意され、作中の古書店「暴夜(アラビヤ)書房」プロジェクトも進行中。本好きの心をくすぐる仕掛けも。文藝春秋1700円※『anan』2018年12月19日号より。写真・土佐麻理子(森見さん)大嶋千尋(本)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2018年12月13日フリーアナウンサーの平井理央とモデルのでタレントの近藤千尋が29日、東京・渋谷のカフェ・ベローチェ 渋谷二丁目店で行われたカフェ・ベローチェ「ホワイトフェア」開催記念PRイベントに出席した。シャノアールが運営するコーヒー店「カフェ・ベローチェ」は、12月1日から2019年2月28日の期間限定で、同社初となる冬のフェア「ホワイトフェア」を開催。冬をイメージした真っ白な限定メニュー全4種(ホワイト甘酒ラテ、ホワイトパンナコッタ~エスプレッソソースがけ、ホワイトモンブラン、ホワイトショコラて)を提供する。平井と近藤はキャンペーンの名前にちなみ、白のワンピース姿で登壇。クリスマスのシーズンらしいデコレーションを施した店舗について平井は「天井もテーブルの上も素敵なデコレーションがされていていつものベローチェとは違って素敵ですね」と目を丸くし、近藤も「普段とは違っていてインスタ映えしそうだなと思いました」と笑顔。キャンペーン中に提供されるホワイトモンブランを平井が、ホワイトパンナコッタ~エスプレッソソースがけを近藤が試食し、平井は「ホワイトチョコレートとマロンチョコレートが絶妙で、とても美味しいですよ! クリの食感も楽しめるので、1回で何回美味しいんだ!という驚きのある美味しいモンブランです」と絶賛し、それを聞いた近藤は「平井さんの食レポがあまりに上手すぎて頭が真っ白ですよ(笑)」としつつ、「パンナコッタとソフトクリームとエスプレッソを同時に食べることなんてないので、こんなに美味しいんだと思いました」とまとめていた。また、クリスマスの予定を聞かれると、平井は「まだ子供が小さいので、お家ですね」と残念がり、近藤も「お家ですかね。お家でサンタさんのコスプレをして楽しもうかな」と2人とも自宅で楽しむという。また、テレビの番組内で夫・太田博久(ジャングルポケット)と格差婚で話題を集めた近藤は「以前は私の(給料の)7分の1でしたが、今は売れてきて3カ月前は3分の1くらいになりました。今は年末なので、身体張って頑張っています」と笑いを誘っていた。
2018年11月30日なんなく生きづらさを感じている人たちに向けて、「日頃、こんなことを心がけてみるといいのでは?」という、気持ちがふと軽くなるヒントを占い師・しいたけ.さんと精神科医・名越康文さんに教えてもらいました。ひらめきが形になると人生はもっと楽しく!N(名越さん):いいアイデアとか、これは危険とか、しいたけ. は、ひらめきを信じている?S(しいたけ.さん):はい、信じているほうだと思います。N:占いはどうやって書いているの?言葉がひらめく感じ?S:うーん。ひらめきというとおこがましいんですけど、まずはそういったものが先にあって、そこから引っ張られるように最後まで押しきっちゃう、みたいなところはありますね。N:やっぱり。文章から、そんな気がしていました。僕もカウンセリングをしていて、ひらめくことがあるんですよ。ぱっと見た瞬間に、確信するというか。S:そうなんですね!N:でも、「その根拠は?」なんて言われると、言葉にするのはなかなか難しい。だって、直感なのだから。ただ、本人と話しているうちに、やっぱりそうなんだ、とあとから理屈がついてくる。S:そのひらめきは、これまでのカウンセリングの蓄積が、もとになっているということもありますか?N:そういう学術的な側面もありますよ。でも、それは半分くらいで、あとの半分は、「これだ!」という答えがパンと外側からやってくるような、本当に説明しづらい感覚なんです。S:ひらめきは、誰にでも起こり得るものなのでしょうか?N:起こり得るんですけど、それをほとんどの人が使えていないんです。ある有名大学の理系の教授と話した時に、日本人の多くは、どんなにエリートでも、脳の半分の機能しか使えていないんじゃないか、と。そして、その残り半分の重要な機能を司っているのが、実はひらめき。それなのに、とかく実務主義の日本人は、ひらめきのような実態のないものを信じられず、ウソだと思ってしまうんですね。彼と深く意見が一致したのが、もっとひらめきを使いなさい、ということ。S:でも、どうやったら使えるんでしょう。N:一見、本筋とは関係のないことをするのがおすすめです。たとえば仕事の企画で煮詰まったら、散歩をしたり、自然と触れ合ったりしてみてください。世界的な発明も、研究者がお風呂に入っている時にひらめいた、なんて話もあるでしょう。ひらめきを作動させるには、無駄だと思うことでもやってみる必要があります。S:僕の場合はどうなんでしょう。それこそ理屈はわからないんですけど、ひらめきがあって、それを誰にも咎められなかったから、自分の占いのスタイルが出来上がったというか。ひらめきがあっても、目の前の人に面白くないと言われたら、それが正解になってしまうわけですよね。僕はずっとひとりだったので、そういうこともなく、自分の考えを熟成できたっていうのが、かえってよかったんだと思います。N:そう。ひらめきって、ひらめくだけじゃダメなんです。それによって、たとえばしいたけ. みたいに占いに活かせた、とか成功体験がないと、ひらめきなんて信じられないでしょ。だから、1回でいいんです。若いうちに成功体験をしてほしい。そうすると人生が変わるから。ただ、ひらめきを得るためには、無駄なことをやらないといけないんですよ。騙されたと思って、まずはいっぺん森でぼーっとしてみて!S:旅に行って、不思議な味のカレーとか食べてほしいですね(笑)。N:そういえば、しいたけ. の占いには、無駄というか、読者が想像を膨らませる余地のようなものがあるよね。S:え、そうですか?N:僕は蟹座なんだけど、しいたけ. の占い当たっているなぁって思って読んでいたら、僕とはまったく性格の違う蟹座の人が次に読んで「とっても当たっている!」って。それってやっぱり、それぞれの読者が自分のことだ!と直感するような余白が、というか表現のゆらぎのような幅が文章の中に息づいているからだと思うんです。それともう一つ、しいたけ. の占いが読者をひきつけているのは、一般の感覚とは微妙に違う特有のズレ。S:それは僕も感じたことがあります…。N:そうなの?ズレているなんて言うと傷つけてしまいそうで言っていなかったんだけど、自分で気づいていたの!?S:…はい。僕は目の前にいない人に向かってシャドウボクシングのような会話をずっとしてきたので、生身の人と話をする時は、きっと論点がズレているんだろうなぁ、と。N:気づいていたと知って、ほっとしました(笑)。でも、これはもちろん褒め言葉なんですよ。とにかく感性が独特なので、いつも話している時、僕の中のクリエイティビティが問われていると思って、わくわくしますから。S:そう言っていただけると、こちらもほっとします(笑)。N:彼は幸いにもその才能を摘まれずに済んだけど、ひらめきは誰かに話した時に、最初は訝しがられることもあると思うんです。でも、ズレていてもいいと思って前に進み、一度成功体験を味わってください。クセになりますよ!なこし・やすふみ精神科医。相愛大学、高野山大学客員教授。NTV系『シューイチ』ほか、さまざまなメディアでコメンテーターとしても活躍。著書多数しいたけ.さん占い師。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究するかたわら占いを学問として勉強。著書に『しいたけ占い 12星座でわかるどんな人ともうまくいく方法』(小社刊)ほか。最新刊『しいたけ.の部屋ドアの外から幸せな予感を呼び込もう』(KADOKAWA)が12月15日に発売予定。名越先生から「体癖」について学ぶなど師弟関係にある。ツイッターでのふたりのやりとりに注目者多数※『anan』2018年11月28日号より。写真・大嶋千尋イラスト・100%ORANGE文・保手濱奈美(by anan編集部)
2018年11月27日なんだか不安&同じことでずっと悩んでいる…。そんなあなたは占い師・しいたけ.さん&精神科医・名越康文さんがおススメする自問自答メソッドにトライしてみては?現代人が感じている生きづらさ。そのもやもやを解決する一つの方法として“架空の第三者との対話”をおススメしている名越さん。しいたけ.さんも実は自分の悩みと向き合う際にその方法を行っていました。S(しいたけ.さん):架空の人物と対話する…。それ、実は僕もよくやっています。僕の日常を架空の取材班が追ってくれる、いわば「ひとり密着番組ごっこ」です。なんかつらいなぁという時に、自分を整えるためにやるんですけど、昨日なんかは朝起きた時から、もう密着取材が始まっている。そして、ちょっと不機嫌な感じでスタッフさんに「おはようございます」って挨拶して。N(名越さん):わかる、わかる。カメラの存在にも慣れてき始めている感じ(笑)。S:今日もずっと一緒かって思って。「仕事、何時からですか?」「13時からなんですよ」みたいな。N:密着、3週目に入った朝くらいかな。S:この「ひとり密着番組」のいいところは、たとえ架空でも、対話の中に第三者が入ることなんです。自分の本意って、自分がわからないところにあったりもするから、誰かに聞いてもらうことが大切な気がしていて。そういう時に番組のディレクターが、「どうしたいんですか!?」って突っ込んできたりする。すると、「仕事やりたくないよ。でも、この原稿を書ききりたいよ!」とか、自分のまっすぐな意見をぶつけられるという。これは僕が誰も友達がいない時に編み出した技なんですけど…。N:けっこうギリギリの人生。S:そうですよ、ほんとに(笑)。ただ、生身の人が相手だと、結局、格好つけてしまったりして、本心が言えない部分もあるから、友達がたくさんいる人でも、自分の気持ちに素直に耳を傾けたい時は、「ひとり密着番組ごっこ」はおすすめですよ。N:確かに。自分で自分の問題を解決する“セルフカウンセリング”って、実はきちんと教育を受けたことがあるプロでないとできないくらい、とても難しいんです。でも、「ひとり密着番組ごっこ」のような飛び道具を使えば、自分を癒すこともできるかも。そうやって、ある意味、自問自答していくうちに、たとえば「なんだかもやもやする」といった漠然とした悩みの本質にも行き着くのでは。S:行き着きます!N:言いきったねー!(笑)論理的ではないけど、とにかく説得力がある。S:これ、すごく恥ずかしいんですけど、「ひとり密着番組ごっこ」も、僕の中ではもう何段階も熟成されているんです。DVD化できるくらいまでいっていて、そうすると場面によってインタビュアーが変わってくる。N:(爆笑)S:最初は経験の浅い若者で、「何を悩んでいるんですか?」「私もわかります」とか、どんどん突っ込んでくるんです。勢いづけたい時はそういう人でもいいんですけど、本音を探りたい時は、おじいちゃんインタビュアーの登場。すると肩の力が抜けて、「実はあの仕事のプレッシャーを受け止められるか不安なんですよね」とか、ぽつりぽつりと話しだす。N:そうやって設定がしっかりあると、リアリティも増すよね。S:そうなんです。あと、“老人”っていうところも僕の中ではポイントになっているようで、「ひとり密着番組ごっこ」以外にも悩んだ時にやっているのが、50~60年後の自分を思い浮かべることなんです。N:それはどうして?S:問題の渦中にいると夫婦喧嘩のように、「今日のごはんはいい加減なものだったし」みたいな生々しい感情が入ってきちゃうけど、そこからいったん離れて、老人になった自分の視点から見ると、いろんなことが、いい意味でどうでもよくなっているというか。極端な話、“老い先が短い”みたいなところまでいって、やっとシンプルに、大切な答えが見つかるような気がするんです。N:なるほど。たとえば渦中から離れるなら、茶道とか華道とか、日常の自分とはまったく関係のない趣味を持つことでも、できそうですよね。そういう“別の場所”があると、自分を整えられたり、あるいは人と理解し合えたりもするのかな。S:そうですね、そんな気がしますね。N:しかし、「ひとり密着番組ごっこ」の話は、「しいたけ.一代記」を聞いているようで面白かったなぁ(笑)。カメラで撮られている時点で、冒頭で話した“日常の底上げ”にもつながるし、非常にいいと思います!しいたけ.さん流自問自答メソッドひとり密着番組ごっこ密着取材の主人公になり、あれこれ質問を受けよう。自分がドキュメンタリー番組の取材班に密着されるという妄想を開始。インタビュアーは、ある時は血気盛んな若手、ある時はライバルとなり得る同年代、そしてある時は定年間近の年配…。こうして架空という片肘張らない世界の中で、さまざまな相手から取材を受けるうちに、本心を探り当てられる。なこし・やすふみ精神科医。相愛大学、高野山大学客員教授。NTV系『シューイチ』ほか、さまざまなメディアでコメンテーターとしても活躍。著書多数しいたけ.さん占い師。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究するかたわら占いを学問として勉強。著書に『しいたけ占い 12星座でわかるどんな人ともうまくいく方法』(小社刊)ほか。最新刊『しいたけ.の部屋ドアの外から幸せな予感を呼び込もう』(KADOKAWA)が12月15日に発売予定。名越先生から「体癖」について学ぶなど師弟関係にある。ツイッターでのふたりのやりとりに注目者多数※『anan』2018年11月28日号より。写真・大嶋千尋イラスト・100%ORANGE文・保手濱奈美(by anan編集部)
2018年11月26日今の生活に、とくに不満はないけれど、幸せとも言いきれない。過去の問題が自分の中で消化しきれず、もやもやしている…など、心の澱を、なにかしら抱えている人は少なくないはず。そんな時に取り入れたいのが占い師・しいたけ.さん&精神科医・名越康文さん流の自問自答メソッド。N(名越さん):僕はこれまで、精神科医という仕事をしてきた経験から、不安や悩みを“根本から解決すること”は、本当にそこまで必要なのかって思うところがあるんです。S(しいたけ.さん):といいますと?N:もちろん、とても深刻で、しっかり解決したほうがいい場合もありますよ。でもそれは100人に1人くらいの話で、そういう人は専門家のカウンセリングを受けたほうがいいでしょう。ただ、そのほかの大多数の人の不安や悩みっていうのはね、根本からの解決というより、朝から機嫌をよくするとか、毎日を少しずつ底上げしていくほうが大切なんじゃないかな、と思うんです。S:それはとても興味深いお話ですね。N:とりあえず僕ね、心理的にしんどい状態の人には、鏡に向かって口角を上げて笑顔にして、映っている自分に「大丈夫」とか「素敵だよ」って言ってくださいって言うんです。でも、これをやるにはその前に条件があって、“絶対に毎日やる”と誰かに誓いを立ててからでないと意味がない。僕の心理講座などにも真っ暗な表情をして来る子がいるでしょ。そうするとその子に「誰にでもできることだけど、絶対にやると言うまで教えないよ」って言うんです。その時に焦って「やります!」と答えても、「きちんと考えて、またおいで」って。そうしないと、聞いたところで「バカげている」って思って、真剣にやらなくなってしまいますからね。「大丈夫」という役柄を自分の人格に取り入れる。S:実際、「大丈夫」って言っているうちに、大丈夫だと思えるようになるのでしょうか?N:思えるというか、“役になりきる”ということ。演劇をイメージするとわかると思いますが、シチュエーションに応じた役柄に徹すると、それが人格の中に取り入れられるという。S:なるほど。「大丈夫」という役柄が自分のものになるんですね。ただ、これを絶対にやりたくても、名越先生が身近にいない読者は誰に誓いを?N:その相手は、学生時代の恩師とか、先輩とか、親友とか、自分の人生の羅針盤になっているような人がいいでしょう。S:僕は昔、まったく友達がいなかったんですけど、そんな以前の自分のように言える相手がいない場合は…。N:それなら架空の“師”に誓うという方法もありますよ。椅子を2脚、向かい合わせに置いて、一方に自分が座り、誰も座っていないもう一方の椅子に、自分の話したい相手がいると想定するんです。心理療法の世界では「エンプティ・チェア」といいますが、これもおすすめです。この誓いさえしっかり立てたら、あとは朝、起きた時にでも、会社でやっかいな会議の前にでも、トイレに駆け込んで鏡に向かって「大丈夫」って。名越さん流自問自答メソッド約束型「大丈夫」法実践する前に、必ず「やる」と誓いを立てて。鏡の中の自分を見つめて、口角を上げ気味で「大丈夫」と声をかけ、前向きな気持ちを養う方法。訝しんだり、面倒くさがったりしているようでは、もちろん意味なし。そうならないために、実在の人にでも架空の人にでもいいので、「絶対やる」と誓いを立てること。最低でも1日1回、1か月は行って。なこし・やすふみ精神科医。相愛大学、高野山大学客員教授。NTV系『シューイチ』ほか、さまざまなメディアでコメンテーターとしても活躍。著書多数しいたけ.さん占い師。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究するかたわら占いを学問として勉強。著書に『しいたけ占い 12星座でわかるどんな人ともうまくいく方法』(小社刊)ほか。最新刊『しいたけ.の部屋ドアの外から幸せな予感を呼び込もう』(KADOKAWA)が12月15日に発売予定。名越先生から「体癖」について学ぶなど師弟関係にある。ツイッターでのふたりのやりとりに注目者多数※『anan』2018年11月28日号より。写真・大嶋千尋イラスト・100%ORANGE文・保手濱奈美(by anan編集部)
2018年11月25日ドラマも映画もイケメンなしには楽しめない!今回、ご紹介する作品は、『母さんがどんなに僕を嫌いでも』。母親から拒絶され、友達からも愛されることなく育った青年・タイジが起こした奇跡を描く感動作です。本作で、タイジの心の機微を繊細に表現した太賀さんにお話をうかがいました。写真・大嶋千尋 文・田嶋真理 スタイリスト・山田陵太 ヘアメイク・高橋将氣【イケメンで観る海外ドラマ&映画】vol. 22コメディもシリアスもハマる、若手きっての実力派俳優原作は、漫画家、小説家、エッセイストとして活動する歌川たいじが2013年に出版した、同名のコミックエッセイ。母親から暴力を受け、児童保護施設に入れられながらもひたむきに母を愛する姿は、観る者の心を震わせます。太賀さんは、自分の殻に閉じこもっていたタイジが次第に心を開いていくさまを熱演。福田雄一監督作『今日から俺は!!』や『50回目のファーストキス』のコメディ演技とは全く違った、新たな魅力を披露しています。ーータイジを演じるうえで、大切にしたことは?太賀さん 誰かに認めてもらいたいという気持ちの底にある強烈な寂しさは、タイジの原動力。僕が最初に、タイジを肯定してあげたいと思いました。タイジは、自分の気持ちに寄り添ってくれる友だちを得たことで、母と向き合えるようになります。個人的に、役と自分との境界線は作るものではないと思っていて。自分自身が感じる喜びや悲しみを繊細にすくっていくことを心掛けながら演じました。ーータイジの心を深く傷つける母・光子を演じた吉田羊さんと太賀さんとの演技のぶつかり合いが素晴らしかったです。太賀さん 僕と吉田さんが撮影現場でお話をすることはほとんどありませんでした。吉田さんは母・光子として、ずっと緊張感をキープされていて。近くにいるけれど遠くに感じるというタイジと母の距離を体現されていました。その雰囲気は、映画にも反映されていると思います。母を演じた吉田さんのイメージは、僕の心にずっと残っていて。一緒の撮影がない日でも、吉田さんの顔を思い浮かべながら演じていました。ーー演じていて難しかったシーンは?太賀さん すべてのシーンにおいて、難しかったです。これまで僕はリアリティを持って演じていくことを大切にしてきましたが、御法川監督はリアリティよりも地上から10センチ浮いたポップな世界観を目指していました。僕も、その10センチがより多くの共感を生むために重要だと理解できたので、どのように表現すれば良いのか、悩みました。脚本の後に原作を読んだとき、歌川さんの絵のタッチにぬくもりを感じて。壮絶な人生ですが、悲しいだけのドラマではない。そこには生きていくうえでの力強さや希望がある。そういったところを演技で表現したいと思いました。ーー幼少期のタイジを演じた子役・小山春朋さんのつくり笑いを見ていると、切ない気持ちになります。太賀さん 顔合わせで小山くんと初めて会ったとき、“イケる!”と思いました。こういう雰囲気の子がつらい目にあったら、とても悲しく見えますし、小山くん持ち前の愛らしさもある。すごく良い形でバトンをもらえそうだなと。大人になったタイジのつくり笑いも、彼の演技が僕に良い影響を与えてくれたと思っています。ーータイジが友だちと一緒に過ごすシーンがとても自然でした。タイジを支える友だちを演じた森崎ウィンさん、白石隼也さん、秋月三佳さんの印象は?太賀さん 森崎ウィンくんとは、僕が中学生のころからの知り合いで。同じ事務所ですから、一緒にレッスンを受けたこともあります。タイジ役に決まった後、キミツを誰が演じるのか、ずっと気になっていました。愛嬌ある毒舌家という現実にいそうでいない役を堂々と演じることができるのは彼ならではの魅力。彼がキミツ役で良かったと思っています。僕はタイジが所属する社会人劇団のミュージカル・シーンに備え、ダンスのレッスンを受けたのですが、ウィンくんはそれに付き合ってくれました。白石さんと秋月さんはとても温かい方たちで、現場では自然とタイジを支える雰囲気になっていきました。ーー印象に残っているセリフやシーンは?太賀さん 友だち3人と温泉に行ったタイジが、海辺で身の上話をするシーンです。秋月さん演じるカナのセリフ、“タイちゃん、うちの子になりなよ” が強く心に残っています。彼女の愛情深さが、どれだけタイジの助けになっただろうと。演じていて心が震えました。ーータイジを演じて、ご自身の母親との関係を思い起こしたことは?太賀さん 僕には、甘えたくても甘えられない時期はありませんでした。甘えん坊の超マザコンです(笑)。といっても、「ママ、お金貸して、ご飯作って」みたいなことは決して言いません。言葉や態度では甘えず、仕事に対するアドバイスを求めることもありません。母は自分の中にある精神的な支え。言葉を交わさなくてもお互いに何かを感じ取れる。僕にとって、揺るぎない存在なんです。インタビューのこぼれ話太賀さんは、雑誌の企画でカメラマンデビューを果たし、フィルムとデジタルを使い分けるほどのカメラの達人。撮影時はカメラマンの機材に興味津々でした!Information『母さんがどんなに僕を嫌いでも』11 月16 日(金)より 新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座、イオンシネマほか全国公開出演:太賀、吉田羊ほか配給:REGENTS©2018 「母さんがどんなに僕を嫌いでも」製作委員会
2018年11月15日2016~’17年に、立て続けにエリート大学生らによる性暴力事件が報道されたのを覚えているだろうか。姫野カオルコさんの『彼女は頭が悪いから』は、そんな暴行事件のひとつ、東大生による集団わいせつ事件に着想を得て書かれた。読者自身の倫理観や価値観を映し出す、恐るべきミラー小説。「最初にラジオのニュースで聞いたときから、直感的にこれまで見聞きしてきた事件とはどこか違うと違和感を覚えました」姫野さんは、自分なりに報道等で事件を調べるとともに、裁判の傍聴にも出向いた。同じくこの事件について取材を重ねていたフリーライターの高橋ユキさんから話を聞いたりもしたという。結局、取材開始から出版まで、2年近くを要した。「事件そのものは、すでに法廷で裁かれており、細かい事情まで知らない私があれこれ言うことではありません。性衝動では説明できないような事件が起きたという結果の報道から、こうであったかもしれないという、自分にも多くの人の中にもある醜さを考えたいと思いました」のちに被害者となる神立美咲は、横浜の平凡な家庭で育ち、普通の女子大に進学した。加害者となる竹内つばさは、東京の一等地の公務員宿舎に住まいがあるような家庭で何不自由なく成長し、東大生となった。「私なりの調査から推測した女性像、男性像です。美咲は『ま、いっか』とその場の空気に流されてしまう女性で、つばさは東大ブランドを万能だと勘違いしているような男性」物語のほとんどは、美咲やつばさがどうやって育ってきたかに割かれており、それがわいせつ事件の背後に潜む、現代社会や市井の人々の歪んだ倫理観や価値観を際立たせる。「この作品に出てくるのは、加害者もその家族もSNSユーザーもイヤな人たちばかり。その中の誰に、どんな物言いに嫌悪感を覚えるかで、自分がどういう人間かが見えてきます。見たくないのに、できてしまったおできは鏡で見ずにはいられないですよね。そんなミラー小説と呼べるような作品になりました」問題作にふさわしいエンディングは、最初から決めていたのだろうか。「展開も含め、作者の意図が介在する余地がなかったですね。登場人物たちがみな自分で語りだし、行動し……、私はそれをただ書き留めていただけのような気がします」姫野カオルコ『彼女は頭が悪いから』カバー絵に、身分格差のある悲劇的な恋愛を描いたといわれるジョン・エヴァレット・ミレイの「木こりの娘」が使われているのも印象的。文藝春秋1750円ひめの・かおるこ1958年、滋賀県生まれ。2014年、『昭和の犬』で直木賞受賞。エッセイにも卓抜した才能を発揮。著作に『近所の犬』『純喫茶』ほか。※『anan』2018年10月3日号より。写真・大嶋千尋インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2018年09月27日直木賞作家の桜木紫乃さんが新作『ふたりぐらし』を上梓。夫婦の“裏切り”がテーマだという同作について、桜木さんに聞きました。「イメージとしては、水色を塗り重ねて暮らす二人のところに誰かが突然藍色を差しはさんでくる感じ」一組の男女の日常を、そんなふうに表現する桜木紫乃さん。新作『ふたりぐらし』に登場する、北海道で静かに暮らす夫婦の話だ。「直木賞をいただいた後の連載依頼で、“裏切り”というテーマを打診されたんです。たぶん、私が原稿で一回も使ったことのない言葉だと思う。“裏切り”は難しいけれど、日常の中で小さな嘘を重ねる話なら書けるかもしれない、と考えた時に、夫婦の話だなと思いました」映写技師だったが映画のデジタル化が進み仕事にあぶれてしまった夫・信好と、看護師の紗弓。子どもはおらず、生活は倹しいが仲の良い夫婦だ。たまに外出先を偽るくらいの嘘はあるが、「夫婦の間にはこれくらいの嘘はある。それは相手を傷つけない嘘、自分のためじゃない嘘でもある。二人ともそうしたことは話さず静かに暮らし、一日が無事に終わったらああよかったと思う。私もこんな満足を手に入れたい」そこに、互いの家族や隣人らが関わり、彼らの日常を少しだけ揺らす。全10話の本作は、1編が原稿用紙30枚の短編。比較的短いなかに、「一編ずつ、夫婦のやりとりを証明問題を解くように書いていき、全体を見た時に二人の間に流れている時間が分かればいいなと思いました」ささやかな波乱はあっても、二人の生活は続く。こうして人と人は一緒に暮らしていくのだという事実に、豊かさすら感じさせる。互いに支えあっている彼らについて、「責任って取るものでなく、持つものだと思う。この二人は、同じだけ二人で責任を持っている。それは継続から生まれたものでしょうね。ただ、夫婦って、毎日ちゃんと出会って、ちゃんと別れないとうまく時間が流れないから難しいですよね」それは“おはよう”“おやすみ”をちゃんと言う、なんてことではない。「毎日上手に別れるというのは上手に忘れる、流す、ということ。毎日出がけにハグする習慣の夫婦もいますが、そうやってリセットできるといいでしょうね。水色を塗り重ねて、同じ景色を見続ける経験が、もし気まずい状況が訪れた時に、救いになるのではないかなと思います」『ふたりぐらし』北海道に暮らす信好と紗弓の夫婦。札幌に住んでいた彼らだが、信好の母が亡くなったことから、実家の江別に移り住むことにして…。新潮社1450円さくらぎ・しの作家。1965年、北海道生まれ。2002年に「雪虫」でオール讀物新人賞を受賞。’13年『ラブレス』で島清恋愛文学賞、『ホテルローヤル』で直木賞受賞。※『anan』2018年9月26日号より。写真・土佐麻理子(桜木さん)大嶋千尋(本)インタビュー、文・瀧井朝世
2018年09月20日若いというのは、必ずしもいいことばかりなんかじゃない。自分がその“季節”を生きている最中は、わかりきっていたはずのことなのに…。紀伊カンナさんのマンガ『魔法が使えなくても』は連作形式の群像劇なのだが、そこに出てくる若者はかつての、あるいは今の私たちの姿だったりもする。たとえば「辞めたい」が口癖で、なおかつ失踪癖のあるアニメーターの岸くん。仕事はクールにこなすものの、心ここにあらずといった感じの千代ちゃん。バンドマンとして夢を叶えつつあるように見える、たまき。地下アイドルに魅せられるキキちゃん。社会に漕ぎ出した彼らは、オールの使い方もわからず、夢と現実の折り合いを思案している。「仕事も恋も元気にバリバリやる!的なものも楽しいけど、自分が描くならもっと違うアプローチをしてみよう、そのほうが今を生きてる人に沿っているような気がしたんです。ハツラツと過ごす人の一方で、こんなはずじゃあ…と日々をしょんぼり過ごしてしまうような、そんな人たちに向けて描こうとしているところはあります」別物だと思っていた物語が思いがけずつながったり、登場人物がニアミスしたりするのが連作短編の面白さといえるが、そういう意味で本作はさりげない部分から、「こうきたか!」と唸ってしまうものまで、しかけがたっぷり。ときに物語の見え方がガラリと変わったりもするのだが、これもまさに周到に練られた短編を読む醍醐味といえるだろう。「私はマンガで特に何かを伝えたいとは思っていなくて、基本的に読む人が何かを感じて考えてもらえたらのスタンスでやっています。ただ、筆が遅くて作品ごとの間が空いてしまうタイプなので、そのぶん一冊を繰り返しじっくり読んでもらえるような構成や画面を目指せればと思っています」やりたいこととできること、そしてやるべきことの間でもがき、かけがえのない日々を生きる若者たち。カッコ悪さも眩しく見えてしまうのは、やっぱり若さのなせるワザかも。『魔法が使えなくても』ガツガツせず自然体で生きようとする若者を、仕事や夢を軸に切り取った6つの連作短編。今にも音楽が鳴りだしそうな、ポップで躍動感のある絵柄も注目。祥伝社1000円©紀伊カンナ/祥伝社フィールコミックスきい・かんなマンガ家。沖縄の離島を舞台にした、心が洗われるようなBL『海辺のエトランゼ』でデビュー。続編『春風のエトランゼ』(既刊3巻)も人気。本作は初の一般誌での作品。※『anan』2018年9月19日号より。写真・大嶋千尋(本)インタビュー、文・兵藤育子(by anan編集部)
2018年09月18日2016年、各国の作家が集まるアイオワ大学のプログラムで、3か月ほど米国に滞在した柴崎友香さん。その体験を短編集にしたのが『公園へ行かないか?火曜日に』。「もちろん初めての体験です。よく状況をつかめないままいろんな出来事が起きるのが面白くて。それを読む人にも体感してもらうために、エッセイではなく小説で書きました」年齢もバックグラウンドも異なる作家たちと、公園まで散歩のつもりが予想外の遠出になったり、住居棟で非常ベルが鳴って避難したり…。「英語ができなくても大丈夫と言われていたんですが、初日に37人の参加者中、私が格段にできないと判明して、どうしようかと思いました(笑)。でも、せっかくの機会だしいろいろ聞きたい気持ちもあって、一緒に行動していました。少しずつ聞き取れるようになったかと思えば、翌日は全然分からなかったりと、波がありましたが、最後のほうの発表で“英語うまくなったね”と言われた時は嬉しかった」自身で撮ったカバーの写真はどれも素敵な環境だと分かるが、「部屋のカードキーが何度も使えなくなるし、自動販売機は壊れっぱなしで。そんな雑な感じが面白かったし、気楽でもありました」と、なんでも楽しめる柴崎さんのおおらかさもたっぷり味わえる。一方、後半ではニューヨークで大統領選挙という大きなイベントに遭遇するが、冷静に見ているのが印象的。「劇的な瞬間に居合わせたとは思いませんでした。私は選挙に参加したわけでもないし、本当に重要なのは、劇的な結果が起こる前の積み重ねだと思うから。むしろ、私はあの場所にいたけれど何も分かっていなかったなということを実感しますね。いい体験ができたとは思っています」ほかにはニューオーリンズの第2次世界大戦博物館で感じたことなどが、真摯に綴られ心に残る。「面白いことはまだまだあって、あと2~3冊は書けます(笑)。プログラムを経て、言葉にしても、生活や空間のスケール感にしても、自分の中の基準がちょっと変わった気がしますね。さんざん英語ができないことなどを晒していますが(笑)、自分も何か新しいことをやろうとか、めげずに頑張ろうと思ってもらえたら嬉しいです」『公園へ行かないか?火曜日に』33か国から作家たちが集まってきた、アイオワ大学のインターナショナル・ライティング・プログラムに参加した体験をつづる11編の小説集。新潮社1700円しばさき・ともか作家。1973年生まれ。著書に芥川賞受賞作『春の庭』(文春文庫)など。2010年に野間文芸新人賞を受賞した『寝ても覚めても』原作の映画が公開に。※『anan』2018年9月19日号より。写真・土佐麻理子(柴崎さん)大嶋千尋(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2018年09月13日