宝塚歌劇団星組の次回作の制作発表が2月8日、宝塚バウホールにて行われた。今回上演するのは、名曲の数々で彩られるオペレッタの傑作『こうもり』をミュージカル化した『『こうもり』…こうもり博士の愉快な復讐劇…』と、星組の魅力を余すところなく見せるショー・スペクタキュラー『THE ENTERTAINER!』。会見では最初にトップスター・北翔海莉(ほくしょう・かいり)、トップ娘役・妃海風(ひなみ・ふう)、紅ゆずるがパフォーマンスを披露。トップコンビが滑らかなハーモニーを聴かせたり、思わず身体が揺れるアップテンポの爽快な楽曲で楽しませてくれた。宝塚歌劇星組『『こうもり』…こうもり博士の愉快な復讐劇…』/『THE ENTERTAINER!』のチケット情報『こうもり』の作・演出を手掛けるのは谷正純。2013年にオペレッタとして有名な『メリー・ウィドウ』を谷がミュージカル化し、北翔主演で上演した際、北翔が「今度は『こうもり』をやってみたい」と谷に話したことが上演に繋がった。「夢を叶えていただいて、本当に光栄です。私が演じるのは物理学者のファルケ博士で、計算違いのない愉快な復讐劇を繰り広げていきます。いつもの発声とは異なるクラシックな発声で、なおかつ歌の中できちんとストーリーをお伝えすることを大切にして取り組み、お客様に楽しんでいただける作品にしたい」と北翔。相手役の妃海はアイゼンシュタイン公爵家に仕えるメイド・アデーレ役だが、ファルケ博士との恋模様も描かれる。「本格的なオペレッタは初めてですので、大きな課題だと思っています。初日までにハッピーな気持ちで演じられるように日々全力で取り組みたい」とコメント。そしてファルケ博士にさまざまな復讐を仕掛けられるアイゼンシュタイン公爵役の紅は「復讐を仕掛けられていることに気付かず、欲望のままに動く楽しいおじさんの役です(笑)。周りの状況にうまく巻き込まれていきたい」と語った。また、第2幕は作・演出家、野口幸作の大劇場デビュー作で、北翔主演の星組にとって初めての大劇場ショー作品。そして、102期生の初舞台公演でもある。「トップハット、羽根扇、大階段といった王道アイテムを詰め込んだプロローグ、初舞台生のロケット、盆やセリを使った100人以上の大スペクタクルな人海戦術。北翔のマルチぶりを見せる歌、ダンス、笑い、楽器演奏、他にも…」と、とめどなく出てくる野口の構想を聞くだけでも期待が高まる。そして野口の「初舞台生に対する応援歌を紅に歌ってもらう」という言葉を受け、紅は「初舞台を踏んだときの初心を、ここでまた思い出せるのではないかなと思っています。初舞台生への応援歌を自分自身に向けても歌いたいと思います」と語った。兵庫・宝塚大劇場公演は3月18日(金) ~ 4月25日(月)まで。チケットは発売中。また、東京宝塚劇場公演は5月13日(金) ~ 6月19日(日)まで。チケットは4月10日(日)より一般発売開始。取材・文:黒石悦子
2016年02月15日シリーズ売上累計5900万部以上を誇る、和月伸宏原作の大ヒットコミック『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』が、小池修一郎脚本・演出により宝塚歌劇団雪組で初のミュージカル化。2月5日、兵庫・宝塚大劇場で幕を開けた。宝塚歌劇雪組『るろうに剣心』チケット情報幕末に“人斬り抜刀斎”として恐れられ、明治維新後は“不殺”を誓って生きる剣客・緋村剣心と、彼を取り巻く人たちの物語。流浪の旅を続ける剣心が、“偽・人斬り抜刀斎”を追う神谷活心流の師範代・神谷薫と出会い、彼女と共に騒動を鎮火。剣心は神谷道場に居候することになり、新時代を生きるさまざまな人々と関わりを持つようになる。そんな中、かつて幕末の京都で対峙した元・新撰組隊士、加納惣三郎と再会して…。宝塚歌劇では、惣三郎をオリジナルキャラクターとして取り入れ、物語をドラマチックに展開している。トップスター・早霧せいなを中心に、娘役トップ・咲妃みゆ、二番手男役・望海風斗ら芝居巧者がそろう雪組。これまでに『ルパン三世』でもアニメが原作のキャラクターものに挑戦。アニメから抜け出てきたかのような演技で大反響を得た他、和物のオリジナル作品『星逢一夜』では、観客の胸をグッと締めつける繊細な芝居で大好評を博した。そんな雪組が挑む『るろうに剣心』は、個性あふれるビジュアルや軸となる人物像に、宝塚歌劇らしい華やかさや恋愛のトライアングルが合わさり、原作ファンも、宝塚ファンも楽しめるものに仕上がっている。剣心のスピーディーで軽やかな立ち回りのカッコ良さは秀逸で、早霧の美しい佇まいも相まって、幕開きから観る者を惚れぼれさせる。一方で、薫との微笑ましい掛け合いは漫画そのもの。また、剣心と行動を共にすることになる相楽左之助(鳳翔大)と出会うシーンでは、拍子木を使い、見得をする歌舞伎仕立ての演出も取り入れて楽しませてくれる。咲妃はふんわりと可憐な雰囲気の娘役だが、舞台に立つと一変するスター。本作では漫画に忠実に、芯の通った一本気な女性を演じ、高い歌唱力でも魅せる。望海演じる惣三郎は、明治維新後、フランス貿易商を営む男。クールで陰のある雰囲気が望海にピッタリとハマる役柄で、剣心と惣三郎が相見えるクライマックスも迫力たっぷりに見せてくれる。他、彩風咲奈、彩凪翔、大湖せしる、鳳翔大らも、原作のキャラクターにしっかりと寄り添いながら演じ、脇を固めている。今回は1本物のため、フィナーレはギュッと凝縮したものに。望海のソロからはじまり、娘役によるロケット、大人っぽくクールな男役の群舞、デュエットなどを展開。本公演で、また雪組の底力を見せつけられた。兵庫・宝塚大劇場公演は3月14日(月)まで。東京宝塚劇場では4月1日(金) から 5月8日(日)まで上演される。東京公演のチケットは2月28日(日)より一般発売開始。取材・文:黒石悦子
2016年02月12日今、宝塚歌劇団雪組が一本立ての大劇場公演『るろうに剣心』の稽古に励んでいる。緋村剣心を演じる雪組トップスター・早霧せいな。和月伸宏氏の大ヒットコミック「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」の初ミュージカル化に向け、「ひとつのことに集中してしまう性分」で剣心一色の日々を送っている。宝塚歌劇雪組『るろうに剣心』チケット情報「剣心はお茶目な部分と人斬り抜刀斎と恐れられていたクールな部分とがあり、そのバランスをどうとるか試行錯誤中。やはり原作に忠実でいたい、というのが一番の目標です」。脚本・演出の小池修一郎は妥協を許さない。「久しぶりに小池先生とご一緒して、こんなに転んだりジャンプしたり、稽古場で実演して下さる先生だったかなと驚きました(笑)。先生の熱い思いが伝わってくるので私も負けていられません! 今回初めて曲のカウントに合わせての立ち回りや歌舞伎調の立ち回りにも挑戦。小道具とはいえ先の尖ったものを向け合うので、気が抜けず、神経を張っています」。明治初期の東京下町、流浪人となった緋村剣心の前に様々な人物が現れる。今作では新選組隊士・加納惣三郎(望海風斗)というキャラクターが新たに書き加えられた。「惣三郎が登場することで幕末の部分が広がりました。明治になると彼は政治面でもボス的な存在で、剣心と神谷 薫との仲を裂く黒い設定になっています」。恋愛でも絡むタカラヅカ的な役どころが加わり、アニメや実写映画版とも違うものに。「剣心が歌っているのだから、もうそこで別ものだとふっきれました(笑)。ただ、アニメだとカット割りができる。原作では剣心の丸い大きな目が、(つり上がって)ギンッとなるのを舞台でどう見せるか。一瞬後ろを向いて目にテープを張るわけにもいかないですし」と豪快に笑う。昨年ルパン三世を好演した早霧だけに勝算はある。「漫画が原作の作品を演じることが多かったので、そのときの勘を信じてやっていきたい。やはり大切なのは内面です」。制作発表会で原作者を感服させたビジュアルに加え、彼女の根底にある明るさと芝居心で大作を成功へと導くはずだ。「『るろうに剣心』では“悪”のキャラクターもみんな信念があり、過去の自分と闘っている。その筆頭に剣心がいて、身近な仲間とのささやかな幸せや笑顔を求めて生きています。そういう剣心の生き様をきちんとお見せしたい」。過去のトラウマと笑顔…。観客の胸を焦がす新たなヒーローが誕生する。公演は宝塚大劇場にて2月5日(金)から3月14日(月)まで上演。チケットは発売中。東京宝塚劇場公演は4月1日(金)から5月8日(日)まで。2月28日(日)より一般発売が開始される。取材・文:小野寺亜紀
2016年01月27日宝塚歌劇団が1987年の初演より上演を重ねる人気作『ME AND MY GIRL』が、明日海りお率いる花組で今年、上演される。ロマンチックでハッピーなストーリーと、『ランベス・ウォーク』など数々の名曲で知られる、ロンドン生まれの名作ミュージカル。1月22日、その制作発表会見が都内にて開催され、出演者らが意気込みを語った。宝塚歌劇花組『ME AND MY GIRL』チケット情報物語は、1930年代のイギリスを舞台に、伯爵家の跡継ぎだと判明した下町育ちの青年・ビルが、一人前の紳士に成長するまでの過程を、恋人サリーとの恋物語を絡めて描いていくもの。これまで剣幸、天海祐希、瀬奈じゅんら、錚々たるスターたちが演じてきたビルに挑むのは、花組トップスター明日海りお。明日海は、2008年の月組公演で本作に出演しており、新人公演(公演期間中に1日のみ、入団7年目までの若手だけで本公演とほぼ同じ内容の公演を行う、宝塚伝統の上演形態)では主人公のビルを演じている。明日海はその時のことを「とてもとても、楽しかった思い出」と語り、その理由を「やはりビルという人がとても素敵で、今まで演じてきた役の中で一番理想に近い。とても温かく、芯がまっすぐで、そしてサリーへの愛がすべて。彼のふざけているようでいて、とても誠実なところが大好きだったので、また出会えることがすごく幸せ。『ME AND MY GIRL』は夢の世界ですので、お客さまに「『ME AND MY GIRL』には変わらないハッピーがあり、ハートが飛んでいるな」と感じてもらえたら」と笑顔で話した。会見では明日海をはじめ、トップ娘役の花乃まりあ、二番手男役の芹香斗亜ら花組メンバーが劇中ナンバーを歌うパフォーマンスも披露し、会見場を盛り上げた。花乃は「今日歌わせて頂いた主題歌『ミー&マイガール』の歌詞にある「ふたりの愛、ハッピー」というところが、印象的で素敵。“ふたりの愛、ハッピー”を大切に演じていきたい」と話し、ジョン卿とジェラルドというタイプの異なる二役を役替りで演じる芹香は「いままでたくさんの上級生が演じてきた役ですが、それをプレッシャーに感じず、楽しんで演じていけたら」と意気込みを。そして演出を担当する三木章雄は「今回、明日海りおという、今絶好調のスターが演じるビルが登場する。大変期待しています」と話した。公演は、4月29日(金)から6月6日(月)まで兵庫・宝塚大劇場、6月24日(金)から7月31日(日)まで東京宝塚劇場にて上演される。チケットは兵庫公演が3月26日(土)、東京公演が5月22日(日)に一般発売開始予定。なお、公演に先立ち、花組出演者に加え、剣幸、こだま愛、麻乃佳世、彩乃かなみら、過去本作に出演した顔ぶれを特別ゲストを迎えて贈る『ME AND MY GIRL 前夜祭』の開催も決定。こちらは4月8日(金)に宝塚大劇場にて行われる。
2016年01月25日宝塚歌劇団退団後初の舞台『プリンス・オブ・ブロードウェイ』(以下、POB)では、ブロードウェイのスターに引けを取らない存在感を発揮し、女優として新たな一歩を踏み出した柚希礼音。彼女が次に挑むステージは、3月11日(金)より大阪、東京にて開催されるソロコンサート『REON JACK』だ。POBの千秋楽を終えた翌日、本公演の会見が行われ、柚希が意気込みを語ってくれた。「REON JACK」チケット情報2009年に星組トップスターに就任し、圧倒的なスター性と高い実力で多くのファンを魅了。宝塚歌劇100周年を代表する稀代のトップスターとして海外公演なども成功させ、宝塚歌劇を牽引してきた柚希。在団中も3度開催され、好評を博したソロコンサートは、“柚希礼音”を成長させてくれた存在だと語る。「いつも、コンサートをすることで一歩前に進めた感じがしていました。POBで新たなことに挑戦することができたので、次のソロコンサートでもお客様との絆を大切にしながら、たくさん挑戦していきたいと思います。今考えているのは、タンゴダンサーと本格的にタンゴを踊りたいということや、心情を表すダンスもやってみたい。あと、また作詞にも挑戦しています(笑)。退団後に悩んだり、立ち止まったりしながらも進むことができた自分の心情を歌詞にしました」。POBでは露出の多いセクシーな衣装を着て歌い踊った柚希。ソロコンサートではどんな姿で観客を魅了するのだろうか。「POBでセクシーな衣装を着たときは、“女性って大変なんだな”って思いました(笑)。おかげでワンピースやピンヒールで踊るのも大分慣れてきましたし、コンサートでもパンツスタイルばかりではなく、場面によってはセクシーなドレス姿もあるかもしれないですね(笑)」。ダンスや歌ではカッコ良い姿を見せる反面、トークではゆっくりとした口調でほんわかムードの柚希。ステージでもトークコーナーを入れながら「お客様とのキャッチボールも楽しみたい」と語る。「今までのコンサートでも、お芝居仕立ての場面があったんです。ずっと歌って踊って一方的に見せるばかりじゃなくて、トークやお芝居っぽい場面で、ほっこりしていただけたらと思っています。今回のPOBで、一番お客様に思いが伝わるのは、自分自身が楽しみ、リラックスして舞台に立つことだと学びました。今度のコンサートでも、肩の力を抜いて楽しみながら、すごく幸せな空間になるように毎公演やっていきますので、楽しみにいらしてください」。公演は、3月11日(金)から17日(木)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホール、3月26日(土)から4月11日(月)まで東京・東京国際フォーラム ホールCにて。チケットは2月6日(土)より一般発売開始。なおチケットぴあでは、一般発売に先駆け、1月27日(水)23:59まで先行先着「プリセール」を実施。取材・文:黒石悦子
2016年01月20日宝塚歌劇団伝説の元星組トップスター柚希礼音が、退団後約1年を経て、来春、大阪、東京の2都市でソロコンサートを開催する。「REON JACK」チケット情報1999年に宝塚歌劇団に入団。その直後から期待の新人として抜擢され、入団11年目の2009年には星組男役トップスターに就任。以降6年間、宝塚100周年を代表する稀代のトップスターとして、多くのファンを魅了してきた。また、在団中も、自身のライブ公演であるスペシャル・ライブ「REON!!」(2012年)、スペシャル・ライブ「REON!!II」(2013年)を開催。いずれも好評を博し、ついには2014年、1998年の真矢みき以来16年ぶりとなる日本武道館での単独公演、柚希礼音スーパー・リサイタル「REON in BUDOKAN~LEGEND~」を成功させた。退団後は単身渡米し、ワールドプレミア ミュージカル「プリンス・オブ・ブロードウェイ」に挑戦。ブロードウェイのスター達に劣らぬ存在感を発揮した。そして2016年春、新たな成長を遂げた柚希のソロコンサートが幕を開ける。「現役時代、3回のコンサートをさせていただいて、お客様との距離が近く、とても楽しかったです。退団後もこうしてコンサートができることを本当に嬉しく思います。お客様と想いのキャッチボールを楽しみにしています。ペンライト、掛け声など気合を入れて参加してくださいね。お客様に楽しんでいただける舞台を作りたいです!皆様と大いに盛り上がり、思い出を沢山作って楽しみたいと思います!」と意気込みを語る柚木。構成演出は、柚希のトップ時代の作品であるラテン・グルーヴ「パッショネイト宝塚!」等を手掛けた稲葉太地(宝塚歌劇団)が担当。稲場は、「宝塚在団時、“伝説”とまで呼ばれるに至った柚希礼音。これまでやったことのない新しい分野にも挑戦し続ける、新たなる“伝説”が始まる予感に、私自身が心を躍らせています。歌やダンスはもちろん、映像を駆使した演出、皆様と一体感を共有できる空間や日替わりシーンも考えております。是非、皆様も柚希礼音の新たなる伝説を一緒に劇場で分かち合いましょう」とコメント。共演は、宝塚歌劇団在団中、若手時代から共にしてきた元宙組トップ娘役の陽月華、柚希のトップ時代を支えてきた元星組 音花ゆり、鶴美舞夕、他。実力派ダンサーたちが彩りを添える。公演は、2016年3月11日(金)から17日(木)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホール、3月26日(土)から4月11日(月)まで東京・東京国際フォーラム ホールCにて開催。チケットは2016年2月6日(土)より発売開始。
2015年11月25日宝塚歌劇団星組のスターたちが、ディズニー楽曲を歌う番組「ディズニーソングス by タカラヅカ」がBSチャンネル「Dlife(ディーライフ)」で放送されることになり、北翔海莉(ほくしょうかいり)と妃海風(ひなみふう)が収録に臨み、取材に応じた。来年1月6日より宝塚歌劇団星組公演「北翔海莉 Dramatic Revue 『LOVE & DREAM』-I. Sings Disney/II. Sings TAKARAZUKA-」が始まり、これを記念して同日、星組スターによるディズニーカバー・アルバム「Disney Sonsg by TAKARAZUKA」が発売される。これを受け、「Dlife」では北翔海莉、妃海風、紅ゆずる、礼真琴がディズニーソングを披露し、歌に込めた思いなどを語る「ディズニーソングス by タカラヅカ」の制作を決定!全3回にわたり、放送される。北翔さんは番組では『ノートルダムの鐘』から「サムディ」を披露している。同作をこどものころにも見ていたというが、今回、楽曲を歌うにあたって改めて見直したところ「こどものころの印象と大人になってからの印象が違いました。祈りの気持ちや平和になってほしいという願いを込め、人の心の傷を癒すような歌になればと思います」と語る。なお同曲はCDでも1曲目を飾っている。一方、妃海さんは『塔の上のラプンツェル』の「自由への扉」を番組で熱唱。妃海さんは「もともと、大好きで、鼻歌でゴキゲンになるために歌っている曲。普段歌い慣れていますが、レコーディングするので、改めて見直しました」とお気に入りの楽曲を歌えることへの喜びを口にした(※同曲はCD3曲目に収録)。年明けから始まる、ディズニーと宝塚の共同製作によるレビューについては、北翔さんは「初めての挑戦であり嬉しさ半分、どうなるのかと不安もある」と正直な胸の内を吐露。「夢の世界、現実を忘れる空間をお客様にお届けするという点で、宝塚もディズニーも一緒なので、夢の舞台に立てるのは幸せです。想像以上のものをお届けしたい」と意気込む。妃海さんは「宝塚の夢の魔法とディズニーの夢の魔法、本当にすごいので、2つが合わさるとどうなるのか?幸せな気持ちになっていただけたら」と自身もワクワクが抑えられないよう。ちなみに、“ディズニー体験”を尋ねると、北翔さんは「千葉の松戸の出身なので、すぐそこにディズニーランドがあるところで育ちました。ちょっと曇りで小雨が降ってきたりすると、『今日は空いてるよ』と母が連れていってくれました(笑)。すぐそこにある夢のランドです」とニッコリ。好きなキャラクターとして「『アラジン』のジーニーが出てきたときは衝撃を受けました!」と明かした。妃海さんは、子どもの頃、毎年、クリスマスにディズニー映画のDVDをプレゼントされていたそう。「シンデレラが大好き。大人になると、彼女の生きざま――信じる力や根性が好きで(笑)、子どもの頃もいまもずっとシンデレラが好きです!」と語っていた。「ディズニーソングス by タカラヅカ」は1月13日よりDlifeにて放送。(text:cinemacafe.net)
2015年11月25日宝塚歌劇団が、アニメ化・映画化もされた和月伸宏の大人気コミック『るろうに剣心』をミュージカル化する。この公演の制作発表が10月20日に行われ、剣心に扮する雪組トップスター・早霧せいなをはじめ、雪組スター8名が登壇。意気込みを語るとともに、扮装姿で登場したキャスト陣がパフォーマンスも披露した。宝塚歌劇雪組『るろうに剣心』チケット情報早霧の剣心をはじめ、原作から抜け出したかのようなビジュアルで登場した神谷薫(咲妃みゆ)、相楽左之助(鳳翔大)、高荷恵(大湖せしる)、武田観柳(彩凪翔)、斎藤一(彩風咲奈)、四乃森蒼紫(月城かなと)といった人気キャラクターたち。その姿に、原作者・和月伸宏も「宝塚でやるために剣心があったんじゃないかと錯覚するくらいバッチリ合っていて感動」と大喜び。宝塚版のオリジナルキャラクターとして、望海風斗扮する加納惣三郎が加わるが、この日のパフォーマンスを観て「違和感がまったくないのが凄い。自分の作品にも出してみたいなと思うくらい」と絶賛。アニメ版で剣心の声を演じた涼風真世も「自分が声の担当をしていたとは思えないくらい素敵な剣心。(剣心の口癖である)「おろ?」も、自分も色々な声を出してきましたが、今日の早霧さんの「おろ?」が一番良いのでは。ぴったり」と太鼓判だ。そんな原作者と先輩からの絶賛を受けた早霧は、「私自身も剣心に惚れました。本当に愛すべきキャラクター。人斬りという過去を持ちながら、それでもより多くの人を笑顔にするという使命のもと、彼は生きている。それは今の私の宝塚での人生と重なるものがあります。自分自身を剣心に投影しながら剣心を生きていきたい」と意気込みを語った。脚本・演出は『エリザベート』等を送りだしているヒットメイカー、小池修一郎。「私自身も、今日のパフォーマンスを見て本当に面白い、同時に(宝塚と『るろうに剣心』の世界が)本当にハマるんだなと改めて認識しました。楽しい公演にしたい」と手ごたえを感じた様子。早霧率いる雪組は『ルパン三世』の舞台化でも高評価を得ている。今回の宝塚版『るろうに剣心』も期待したい。公演は2016年2月5日(金)から3月14日(月)まで兵庫・宝塚大劇場、4月1日(金)から5月8日(日)まで東京宝塚劇場にて。チケットは兵庫公演が1月9日(土)、東京公演が2月28日(日)に一般発売を開始する。
2015年10月21日創設されて100年以上、日本中の女性を魅了する宝塚歌劇団。普段は可憐な美女が、本物の男性より男らしいイケメンに変貌を遂げるために重要なのが、宝塚独特の舞台メイク「ヅカメイク」です。たくさんのスポットライトを浴びながら、激しい歌とダンスをしても崩れない「ヅカメイク」は、いわば「究極の崩れ知らずメイク」。そこで、元タカラジェンヌの瀬奈じゅんさんにヅカメイクの舞台裏や、美しさを保ち続けるための秘訣について徹底インタビューしました!(後半には、自他共に認める“のっぺり顔”の編集部員による恐怖(!?)のヅカメイク体験も…。)ヅカメイクの舞台裏「ヅカメイクは、とにかく華やかに舞台映えするように仕上げることが大事です。まず下地はしっかりと塗ります。舞台の強い照明にも負けないようにドーランもたっぷりと。男役は顔に陰影をつけ鼻を高く見せるために、眉頭から鼻筋に“鼻たて”と呼ばれるノーズシャドウを入れることも特徴ですね。その後、舞台化粧の代表的な水性ファンデーション“パンケーキ”を塗り、最後に大量の粉をたたきます。ここまでが顔全体のベースメイクになります。次に目を大きく見せるために、2色のアイライナーを使って目の上にダブルラインを入れ、さらにその上にアイシャドウをぼかしてグラデーションにすることで、外国人のような美しくはっきりとした目元を作ります。マスカラもたっぷりと塗り、つけまつ毛もつけます。その後に筆のように極太のアイライナーをしっかりと入れて、目の輪郭を強調するんです。そして眉は、男役なのでキリッと直線にりりしく描きます。眉毛だけでも3色のペンシルを使って立体的に描いているんですよ。仕上げにチークと、口紅で完成。しっかりとメイクをすると、トータルで1時間30分はかかるかな。でも宝塚はお芝居とショーで全く違うメイクをするので、お芝居が終わってショーが始まるまでの30分の幕間休憩でメイクすることも多かったですね」2009年に宝塚歌劇団を退団するまで約18年間、ヅカメイクをし続けてきた瀬奈さん。初舞台から月組のトップスターとして活躍するまで、先輩にアドバイスをもらいながら、日々メイクの研究をして、理想のヅカメイクができるようになるまで10年以上もかかったそう!ウーマン編集部が実際に「ヅカメイク」に挑戦してみました!瀬奈さんに聞いたヅカメイクのポイントをふまえて、実際にヅカメイクを体験することに。体験者は、あっさりとした顔立ちで男役には向いてなさそうな編集部女子。いつもはうっすらナチュラルメイクの編集部女子ですが、どんな変貌を遂げるのでしょうか!?下地とファンデーションをいつも以上にしっかりと塗り、粉も多めに。ノーズシャドウを描いたらだんごっ鼻も気にならなくなり、すっきりと高い小鼻に変化!ダブルラインもアイライナーでくっきりと描き、目頭に白いアイシャドウを入れることで、立体的な目元へ。まつ毛と眉も濃く太めに、下まつ毛もしっかりと強調。みるみるうちに変化していきます。最後に真っ赤な口紅をつけて、出来上がり。1時間後、ヅカメイク完成!すごい別人! その変化に編集部も大盛り上がり。インパクトはありますが、暗闇で出会ったら怖いかも…! しかしナチュラルメイクと比べると、かなりメリハリのある顔立ちになりました。ベースメイクや鼻を高く見せるハイライト、目を立体的に見せるアイシャドウなどは、普段のメイクのワンポイントにもいかせそう。崩れにくいポイントをおさえた「ヅカメイク」は落とす時にもコツが必要「崩れにくいヅカメイクこそ、落とすときは強くこすったりして、肌に負担をかけないようにするのがコツです。私はやっぱり、オイルタイプが一番好きですね。その中でも、ベタベタせず、スルスルっとなじんで、メイクを落とせるものを選ぶようにしています。」そんな瀬奈さんがおススメするのは、ソフィーナオイルメイク落とし「現役のタカラジェンヌにも使ってもらいたい!」というほどの、ソフィーナ オイルメイク落としを使って、名残惜しくもありますがメイクオフ。気になる使い心地は…さらっとしたテクスチャーで、3プッシュくらいの量を顔にのせて、指をくるくると動かせば、ダブルラインで使ったブルーのラインや、マスカラにもするんとなじんでいきます。つっぱり感もなく、しっとりとした洗い上がりにも感動していました。「宝塚時代はもちろん、今も舞台のお仕事の時は濃いメイクを施すことが多いのですが、舞台が終わるたびにしっかりクレンジングをしています。でも、肌に負担をかけないように、こすらずにやさしく落とすことを心がけています」瀬奈さんが語るメイク落としの秘訣は、こちらの動画でご覧いただけます。スキンケアの中でもクレンジングはとっても大切であり、美肌キープには「毎日のケアがとても重要」と瀬奈さんが話すように、クレンジングも、エイジングケアの大事な1ステップです。瀬奈さんのような美しさを保ち続けることを目指して、メイク落としからエイジングケアを始めてみてはいかがですか?・ ソフィーナ オイルメイク落とし 150ml(約70回分)編集部調べ 1,800円(税抜)美容液成分(※1)約35%配合。肌のうるおいを守りながら、こすらず優しく洗えます。※1 保湿:ショウキョウエキス(ショウガ根エキス)、グリセリン、BG、メチルグルセス-20
2015年09月02日今年2月に宙組トップスターに就任した朝夏まなとさん。現在、宝塚歌劇団の大作ミュージカル「王家に捧ぐ歌」で、お披露目公演の真っただ中です。宝塚1世紀の品格を胸に、トップに就任した今の心境とは?* **――宝塚の男役って、脚を開いて座っても、男言葉を話してもそこに自然と品格を感じさせる、不思議な存在です。朝夏:私たちが演じているのが、リアルな男性とは少し違い、タカラジェンヌという大前提の上での“男役”だからではないかと思います。――なるほど。ちなみにトップお披露目公演『王家に捧ぐ歌』を終えたいまの心境を伺えますか。朝夏:重い羽根を背負って、トップになったことをあらためて実感しました。でも不思議なことに、フィナーレで大階段を下りる瞬間、身も心もキュッと締まって、重さを感じませんでした。皆さんに迎えていただいていることが嬉しくて、むしろ心地よかったです。――初日は緊張されました?朝夏:ホッとした気持ちの方が大きかったです。とはいえ、再演の作品だったことが、自分でも気づかないうちにプレッシャーになっていたようです。後で初日の映像を観たら、歌い終わってお辞儀をしながら「ハァー」って言っているんです(笑)。安心して心の声が出てしまったのかもしれません。でも楽しかったですし、あの日のことはずっと覚えているんだろうなと思います。――宙組の下級生たちに対する想いも変わりました?朝夏:明らかに前より自分のやるべきことは増えているはずなのに、すごく皆のことを見ちゃうんです。以前より話す時間が少なくなったぶん、顔を合わせたら挨拶だけじゃなく一言でも言葉を交わすようにしています。――素晴らしい心がけですね。朝夏:皆が笑顔だと自分も元気をもらえます。――これからどんなトップスターを目指されるのでしょう。朝夏:この後に控えている作品を含め、ここまでまったく違ったカラーの作品をやらせていただいています。今後も私個人だけでなく宙組として、新たなことに挑戦していけたらいいなと思います。そうやって、皆で成長していけたら嬉しいです。――読者に向けて、宝塚の魅力とは何か教えていただけますか。朝夏:舞台を観ている3時間は、何も考えずに楽しめるはずです。見た目の華やかさもありますが、宝塚はフィナーレで全員が笑顔で舞台に立つんです。笑顔の人を見ると、自然と笑顔になりますよね。宝塚は、そういう心の元気や潤いを届けられる場所だと思っています。◇あさか・まなと’02年に初舞台を踏んだのち、花組に配属。’05年には新人公演初主演、’08年にはバウホール初主演を務めるなど早くから抜擢が続く。’12年に宙組へ組替え。今年2月に宙組トップスターに就任した。◇10月10日より全国ツアー公演『メランコリック・ジゴロ』『シトラスの風3』が開始。本公演『Shakespeare』『HOT EYES!!』は来年1月1日より宝塚大劇場、2月19日より東京宝塚劇場で上演。TEL0570・00・5100※『anan』2015年9月2日号より。写真・中野敬久スタイリスト・重光愛子ヘア&メイク・山本浩未文・望月リサ
2015年08月26日宝塚歌劇団・宙組の男役トップスターである朝夏まなとが3日、東京・新宿歌舞伎町セントラルロードで行われた映画『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(8月7日公開)のジャパンプレミアに登場し、主演のトム・クルーズと初対面を果たした。新宿東宝ビルに続くセントラルロードに敷かれた60mのレッドカーペットに、ファン約500人が集結。熱気に包まれる中、トム・クルーズ、クリストファー・マッカリー監督、ブライアン・バークプロデューサーが登場し、日本人ゲストとして綾部祐二(ピース)、秋元梢らも参加した。さらに、宝塚歌劇団・宙組の男役トップスターに就任した朝夏まなとも登場。172cmという現在の宝塚トップの中で一番の長身の朝夏は、白いスーツ姿で堂々とカーペットを歩き、存在感を放った。そして、日本文化といえる宝塚歌劇団の代表として、また、本作でトムが挑戦した空での飛行機アクションにちなみ、空=宙(ソラ)でつながるゲストとしてトムと対面。カーペット上で会話を交わした。朝夏は、2002年『プラハの春』で初舞台を踏み、同年、花組に所属。2005年、『マラケシュ・紅の墓標』で新人公演初主演を務める。抜群のスタイルを生かしたダイナミックなダンスを武器に、活躍の場を広げ、2010年には宝塚バウホール公演『BUND/NEON 上海』で単独初主演。2012年に宙組へ組替えし、2014年の『翼ある人びと』などで主演を務め、2015年2月、宙組トップスターに就任した。7月31日より東京宝塚劇場でのトップお披露目公演『王家に捧ぐ歌』に出演している。
2015年08月04日5月に宝塚歌劇団を退団した、元星組トップスター・柚希礼音に密着した特別番組『柚希礼音 退団スペシャル』が、WOWOWで25日(11:45~)に放送されることが1日、明らかになった。番組では、全国の映画館や、さいたまスーパーアリーナ、台湾でもライブ中継された柚希の退団公演の千秋楽が行われた1日をダイジェストでご紹介。さらに、退団後初のテレビ生出演となったWOWOWの番組『生中継!第69回トニー賞授賞式』での舞台裏にも密着した。インタビューでは「宝塚に入って、どんどん役はいただくのですが、それがいつも大きすぎて、どうしようとあせるばかりで、できない劣等感の塊でした」と、トップスターの姿からは想像がつかない苦悩の過去を告白。「宝塚に入ったことを楽しめずにずっと歩いていました」という日々を過ごしていたが、『スカーレット・ピンパーネル』で「演出の小池先生が作り方の根本から丁寧に教えてくださり、やらなきゃ!というあせる気持ちを、冷静に捉えることができました」とターニングポイントになったという。以降は「大変でしたが楽しめるようになり、舞台に立つ喜びを知りました」と宝塚時代を振り返っている。なお、柚希は、トニー賞最多受賞の演出家、ハロルド・プリンスの新作『プリンス・オブ・ブロードウェイ』に、唯一の日本人キャストとして出演することが決まっており、「宝塚時代とは違うダンスが踊れるかなと思っておりますが、男役でも女役でも、英語でも日本語でも、歌も表現もいろいろ変わってくるとは思いますが、最終的にはお客さまに心が通じるようにできればと思います」と意気込みを語っている。
2015年07月01日世紀の喜劇王・チャップリンの晩年の傑作映画『ライムライト』が世界で初めて舞台化される。チャップリンが扮した老芸人カルヴェロを演じるのは石丸幹二。演出は宝塚歌劇団出身、繊細な中にもペーソスやアイロニーを描き出す独特な美的センスを持つ荻田浩一だ。6月中旬、この稽古場を取材した。チケット情報はこちら物語は、かつて大きな名声を得ていたものの、現在は落ちぶれ仕事もろくに来ない老芸人カルヴェロが、足が動かなくなったことを悲観し自殺を図った若きバレリーナ・テリーを助けたところから始まる。カルヴェロはテリーをふたたび舞台に立たせようと支え、テリーもまたカルヴェロに心を開いていくが…。ふたりの心の交流が、第一次世界大戦勃発前夜のロンドンの暗い世相や、舞台人が舞台へ賭ける思いとともに描かれていく。出演者は石丸と、テリーを演じる野々すみ花を含め、たった8人。しかし良知真次、吉野圭吾、植本潤、保坂知寿ら演技巧者ぞろいの精鋭が次々と多数の登場人物を演じていき、鮮やかに1910年代のロンドンの町が生まれていく。くるくると表情を変える彼らの姿は、紙芝居や人形劇が持つようなノスタルジックな効果をも生んでいるようで、面白い。また石丸は劇中劇のシーンでは、コミカルな芸で稽古場を沸かす。眼をギョロリと剥き、口も大きく開ける、戯画的な表情がいかにもで楽しい。チャップリンを彷彿とさせるような部分もありそうで、チャップリンファン、映画ファンも必見のシーンになりそうだ。一方で成功の裏の転落、というシビアさも描かれ、石丸の陽気な笑顔とシリアスな表情の落差にはっとさせられる。荻田の演出はことさら“チャップリン”から想起させられるイメージに寄せすぎず、物語の本質を追求し、新たな『ライムライト』の世界を一から構築しているようだ。そしてカルヴェロとテリーが心を通わせていく過程がとても良い。カルヴェロはテリーを助けたもののどう接していいのか戸惑い、テリーもまた素直に心を開かず、殻に閉じこもる。石丸カルヴェロの屈折、野々テリーの硬質さが、すんなりはいかない不器用な人間たちの姿をうまく描き出す。そんなふたりだからこそ、ちょっとした会話で見せる笑顔が光り、この後ふたりの関係がどうなっていくのか…という期待感を抱かせた。公演は7月5日(日)から15日(水)まで、東京・シアタークリエにて。その後大阪、福岡、長崎、鹿児島、愛知、富山、長野公演もあり。チケットは発売中。
2015年07月01日宝塚歌劇団星組で6年以上、男役トップスター・柚希礼音に寄り添いトップ娘役を務めた夢咲ねね。100周年の宝塚を牽引した稀にみる大型トップコンビだっただけに、その後の活動に注目が集まっているが、夢咲は退団後一作目にミュージカル『サンセット大通り』の出演を決意した。退団から数日後、髪を切り晴れやかな表情で現れた彼女に、今の心境を聞いた。ミュージカル「サンセット大通り」のチケット情報「退団は柚希礼音さんと一緒に、というのが私の夢でした。その退団の日が目の前に迫ってきたとき、12年間宝塚一筋できた私は、やめてからどうしたらいいのか分からなくて…。しばらく休養しようかなとか、色々考えていたときにこの舞台のお話を頂きました。まず星組のトップでいらした、とうこさん(安蘭けい)がいらっしゃるということで安心しました」。主役の大女優ノーマを演じる安蘭とは、星組に組替え後すぐ『赤と黒』でみっちり芝居をした間柄。「あのときは心細かった私を、お食事に誘って下さったりとても優しかった。今回も『何でも頼ってきてね』とおっしゃって頂いて、本当に心強いです」。『サンセット大通り』は1995年トニー賞7部門に輝いた傑作ミュージカル。売れない脚本家ジョーが、一世を風靡した大女優ノーマの豪邸に住み込むようになり、男女の愛、孤独とプライド、さまざまな感情が絡むドラマへと発展する。夢咲は1950年公開の映画も日本初演の舞台も観たという。「アンドリュー・ロイド=ウェバーさんの音楽によって、舞台はよりサスペンス要素が濃厚だなと感じました。私が演じるベティは婚約者がいながら同じ脚本家のジョーに惹かれていく女性。ノーマがミステリアスなら、ベティは明るく前向きな女性だなと思いました。ジョーにとって“北風と太陽”の“太陽”のように演じたいです」。今回、安蘭けい&平方元基、濱田めぐみ&柿澤勇人という二組のノーマ&ジョーと絡むのも挑戦だ。「平方さんと柿澤さんは、舞台を拝見しても全然違う持ち味の方だなと思いました。おふたりとも違う炎を持ってらっしゃるというか! ジョーとは“ザ・ラブデュエット”という感じの素敵な曲があります。今は転調や拍子の変化にびっくりする楽譜を見ながら、音符と格闘中(笑)。お芝居を大切にされるという、演出の鈴木裕美さんにみっちりお稽古して頂いて、新しいベティが生まれたらいいなと思います」。スタイル抜群の可憐な容姿とは裏腹に、これまで数々の大作でヒロインを演じ切った“底力”と実力がある。「本来の私は自分の思いを人に伝えるのがちょっと苦手。だからこそ、役を通して感情を伝えるお芝居がとても好きで、それが私の生きる手段なのだと気付きました」。舞台の初日が誕生日という偶然も、新たな一歩を踏み出す後押しになったという。「宝塚では本当に120パーセントの力を出し切ってやってきたので、その経験を生かして頑張れたら」。新たに生まれ変わった夢咲ねねに出会えるはずである。公演は7月より東京・愛知・大阪にて上演。チケットは発売中。取材・文:小野寺亜紀
2015年06月09日宝塚歌劇団を先月に退団した柚希礼音が、6月8日(8:00~)にWOWOWが中継する米演劇賞「トニー賞」授賞式の中継特番に、退団後初のテレビ出演を果たすことが5日、分かった。柚希は、トニー賞最多受賞の演出家、ハロルド・プリンスの新作『プリンス・オブ・ブロードウェイ』に、唯一の日本人キャストとして出演することが決まっており、そうした中で、同番組への出演が決定した。柚希は、ラミン・カリムルーなど、ブロードウェイで活躍するキャストの中で、10月23日~11月22日の東京公演(東急シアターオーブ)、11月28日~12月10日の大阪公演(梅田芸術劇場メインホール)での公演に挑む。今年のトニー賞授賞式は『王様と私』に主演した渡辺謙が、日本人で初めてミュージカル主演男優賞にノミネートされていることでも注目。WOWOWのスタジオでは、案内役に宮本亜門と八嶋智人、スペシャルサポーターに井上芳雄、そしてゲストに柚希と黒柳徹子を迎え、生中継で授賞式の模様を届ける。
2015年06月05日未婚の女性だけで構成され、日々華やかなレビューやミュージカルを上演している「宝塚歌劇団」。女性ファンばかりかと思えば、最近では男性ファンの姿も多く見られるようになりました。中には入り出待ちをするような、ディープな殿方も少なくないのです。とはいえ、100年以上の歴史とファンを抱えながらも、まだまだニッチな文化である宝塚。一般的には「女の人が男装して、羽しょって歌って踊ってる集団でしょ。あと化粧とが濃い。」くらいの認識なのではないでしょうか。でも、それじゃあもったいない!宝塚歌劇団の生徒、通称「タカラジェンヌ」のことを知れば知るほど、その立ち居振る舞いからマインドに至るまで、その人間的魅力の虜になってしまいます。実際にタカラジェンヌを奥さんに選ぶ男性芸能人も沢山いますしね。彼女達の「愛されテクニック」を紐解けば、あなたもモテモテトップスターになれるかもしれませんよ!■チェック!こんなタイプはタカラジェンヌをお手本にしてみよう□内気な性格である□恋にはオクテなタイプだ□いつも笑顔を心がけている□ファッションはスカートが好き□古風なものに惹かれる□実は負けず嫌いだ3つ以上当てはまれば、タカラジェンヌをお手本にすべき。実は、ちょっぴり内気で恋にオクテなくらいが、彼女たちのマネをできる要素が詰まっているんですよ。■「すみれコード作戦」で内気な性格を逆手にとろう内気で他人になかなか心を開けないのがコンプレックスだというあなたは、これを逆手にとりましょう。その名も「すみれコード作戦」。「清く正しく美しく」がモットーの宝塚には、「すみれコード」と呼ばれる鉄の掟が存在します。年齢や本名を公開しない、恋愛絡みやお金などの俗っぽい話などはしない、などがこれに当たります。下ネタなんてもっての外です。我々は一般人なので本名と年齢くらいは言わざるを得ないと思いますが、自分なりの「すみれコード」を引いてみて。例えば、「どこに住んでるの?」とか「彼氏いるの?」など俗っぽいことを聞かれたら、ニコッと笑って「ご想像にお任せします」とか「秘密です」と答えるとか、下ネタは絶対に口にしないなど、浮世離れしたミステリアス感を演出しましょう。注意点は「お高くとまっている」と思われない様にすること。「マイすみれコード」以外の話題にはニコニコ笑って、愛想よくが基本。「好きな食べ物は?」って聞かれたら「マカロン」よりも「餃子」の方が親近感が沸くのでグッド。このように至って庶民的な会話を心がけましょう。■古風なまでの女子力を身に付けようタカラジェンヌは意味が分からないほど女子力が高いのが特徴です。宝塚歌劇団への登竜門である、タカラジェンヌの養成所「宝塚音楽学校」で、2年間、芸事のみならず礼儀作法もしっかり叩き込まれます。例えば入学して1年目の予科生は、毎日早朝から行われる「お掃除」をとても丁寧に行わなければなりませんし、髪型や服装が乱れていれば2年目の本科生に呼び止められ、厳しく注意されるような生活を送っています。廊下は直角に曲がるのが伝統です。更に入団してからも、稽古着や舞台で使うアクセサリーも自分で作っちゃいます。あの独特のメイクだってぜーんぶ自分で施すのです。オフでさえファンの目があるから常に清潔感のある洋服に身を包み、プロ顔負けのヘアアレンジをしています。極め付けは「お花が大好きなので、休日はお花屋さんに行くのが趣味です。」なんて素で言っちゃう方もいるくらい。花なんて仏壇に飾るやつ以外買ったことないわ…。しかしまあこれだけの女子力を磨けば周りとの差異化を図れること間違いなしです。家事や裁縫なんて何一つできない…なんて嘆く前に、雑巾絞って床を拭くとこから始めましょう。■芯を強く持ってキラキラ輝こう15歳前後で自分の進むべき道を決め、それから常に厳しいレッスンに励み、競争社会の中で生きているタカラジェンヌたちの芯の強さは半端じゃありません。だからこそあんなにキラキラしているし、人々を惹きつけて止まないのです。内気なあなたも、外に発さないだけで、実は強い思いを秘めているのではないでしょうか。そんな芯の強さを生かさないのはもったいない!まずは「自分の目標」を掲げ、それに向かって努力すること。辛いことがあっても泣き言はNG。自分に自信を持ち、一貫性のある言動に心がければ自ずと「芯の強いキラキラした女性」になれるでしょう。そんな魅力的な女性を世の男性が放っておくわけありません。大人しいあなたの本質を見抜いてくれる、素敵な人に巡り合えるかもしれないですよ。まあとにかく、食わず嫌いせずに、宝塚の舞台を見てみて下さい。その華やかで豪華なステージと、キラキラと歌い踊り芝居をするタカラジェンヌをひとたび観れば、ハマってしまうこと間違いナシです!ただし激しい「ヅカヲタ」になると、マジで実際の男性に興味が沸かなくなっちゃうので要注意。筆者はもう戻れないところまで来てるのに、こんな偉そうな記事書いてホントに申し訳なく思っています…。ご、ごきげんよう…。
2015年03月28日宝塚歌劇団雪組元トップスター、音月桂が退団後2作目となる久々の舞台で、双子の兄妹をひとりふた役で演じる。演目はシェイクスピアの最高傑作と称される恋愛喜劇『十二夜』。本場ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエント・ディレクターを務めるジョン・ケアードが演出を手掛ける世界初演作だ。「十二夜」チケット情報船の遭難事故で双子の兄セバスチャン(音月)を亡くしたと信じる妹ヴァイオラ(音月)は護身のため男になりすまし、恋するオーシーノ公爵(小西遼生)に仕えていた。オーシーノは爵家令嬢オリヴィア(中嶋朋子)に恋い焦がれ、オリヴィアの執事(橋本さとし)も人知れず彼女を慕っていた。が、当のオリヴィア本人は男装したヴァイオラにひと目惚れ。そこへ、兄セバスチャンが生還してくることで、いよいよ恋の糸が絡まり始める……。「ケアードには男女共に男らしい面、女らしい面が共存しているから、無理に演じ分けなくてもセリフを正確に伝えれば気持ちは伝わる。今どっちだろう?とお客さんが錯覚するぐらいが面白いと、言ってもらえたので肩の荷が下りました。宝塚で鍛えた早変わりも見ものです」シェイクスピア劇は比喩に富んだ膨大なセリフ量で知られる。その特徴を詩のように情感豊かな景色として楽しめる人がいる一方で、難しいと捉える人も少なくない。「私も敷居の高さを感じていたひとりでしたが、この作品は本当に楽しい!ケアードは日本語の台本を英訳してそれをまた原作と見比べて、丁寧に現代の日本人に伝わるように表現を噛み砕いていく。お客さまにはすっと物語が入ってくると思います。何より恋愛の形は今も400年前も変わらない。切なくて甘酸っぱくて。現代にシェイクスピアが生きてたら、一緒にご飯を食べながら色々と話したいほど。今では勝手に親近感を感じています(笑)」先日、同期の北翔海莉の星組新トップスター就任が発表された。「LINEでは祝福メッセージが飛び交いました!!」と同期の頑張りに励まされ、自身も女優として成長したいと意気込む。「宝塚を卒業した今は大口を開けて笑ったり、思いっきり泣くこともできる(笑)。素の自分で勝負できることが嬉しくて。今後、等身大の女心に共感してもらえる機会も増えると思う。特に今作はロマンチックな台詞も多いので、たくさんキュンキュンしてほしいなと。お客様と一緒に作り上げる体感型の舞台です。毎日でも劇場でお待ちしております!」公演は3月8日(日)から30日(月)まで東京・日生劇場、4月7日(火)大分・iichiko総合文化センターiichikoグランシアタ、4月10日(金)から12日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて上演。尚、大阪公演では初日にメインキャストらによるアフタートークショーを開催。また翌11日(土)17時公演に限り、来場者全員に大阪公演オリジナルイラスト付き缶ミラーをプレゼントする。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2015年03月23日宝塚歌劇団花組トップスター・明日海りおが次に挑むのは、脚本家・大石静書き下ろしのミュージカル『カリスタの海に抱かれて』だ。地中海で最も美しいとされるカリスタ島を舞台に、愛と友情、故郷への想いの狭間で揺れ動くフランス軍将校シャルルを演じる。宝塚歌劇花組『カリスタの海に抱かれて』チケット情報「故郷のカリスタ島を独立させたいと、島で幼なじみのロベルトたちと手を取り合い独立を目指すのですが、活発なアリシアという女性と出会って恋をし、歯車が狂ってきます。三角関係で揺れ動く人間模様が、ドラマチックに描かれています。ワイルドなところや誠実なところ、でも恋の部分ではちょっと不器用なところなど、シャルルのいろんな一面をお見せしたいと思います」。トップ娘役に就任した花乃(かの)まりあとの新コンビも楽しみだ。「ふたりの場面は、ちょっとぎこちなかったり、お互いの想いをぶつけ合ったりと変化があり、演じていてすごく面白いです。彼女はお芝居に入ったときの集中力がすごくある人。ふたりの場面から作品の世界観を広げていったり、作品の魅力を深めていけたらと思っています」。第二部のレビュー『宝塚幻想曲(タカラヅカ ファンタジア)』では、日本の四季の移り変わりを表現。8月に行われる台湾公演を意識した構成になっている。「随所に花のモチーフがあしらわれていたり、太鼓のリズムや、ロックテイストの曲に三味線が使われていたり。日本らしさを取り入れた場面のほかに、大きな羽根扇をはためかせるタカラヅカらしい場面もあり、私としても楽しみです。最近は台湾の方からのお手紙もたくさんいただくようになったので、現地の方が熱い想いで待っていてくださると思うと、とても嬉しいです」。また、昨年末に行われた『タカラヅカスペシャル2014』では、他組のトップスターから多くの刺激を受けたと語る。「組を代表する立場でいらっしゃる皆さんの、稽古やお仕事と並行しながらでもしっかりと仕上げてくる丁寧さと誠実さ、そして、男役とはこういうものだということを伝えていきたいという熱い想いを肌で感じました。私ももっとエネルギッシュに取り組んでいかなければと、改めて気合いが入りました」。おっとりとした柔らかい雰囲気ながら、内には熱いものを秘めるトップスター。トップ就任後初のオリジナル作品で、その魅力を大いに輝かせるはず。公演は宝塚大劇場にて3月13日(金)から4月20日(月)まで上演。東京宝塚劇場公演は5月15日(金)から6月14日(日)まで。東京公演は4月12日(日)より一般発売を開始。取材・文:黒石悦子
2015年03月04日ウィーンで生まれ、日本でも熱狂的ファンの多い人気ミュージカル『エリザベート』。日本では宝塚歌劇団と東宝ミュージカルとの2バージョンで上演されているが、2000年から上演を重ね、15年目を迎える東宝版は今回、キャストを一新。舞台美術、衣裳も新版となり、新たな『エリザベート』の歴史の始まりに大きな期待が寄せられている。その中で、ヒロイン・エリザベートを演じるのは花總まり。彼女に現在の心境を聞いた。チケット情報はこちら東宝版には初登板ながら、日本初演となった1996年の宝塚雪組公演で同役を演じ、その圧倒的な美しさと存在感で伝説のエリザベートと称されている花總。まさにファン待望の出演だが、本人にとってもエリザベートという役は特別な存在だという。「それまでもショーで1曲歌ったり、男役さんとデュエットしたりということはありましたが、お芝居の中で歌で気持ちを伝える…という経験が初めてだったんです。それがこんなにも楽しく、面白いことだと気付かせてくれたのがこの作品でした。それに、ありがたいことにお客さまが私の演じるエリザベートをもう一度観たいと仰ってくださる、そんな役をやれたということは、私の財産になっています」。ほぼ全編を歌のみで綴るミュージカルはそれまでの宝塚作品にはなく、とにかく音楽の量に驚いた、とは初演の雪組公演出演者が口を揃えて言うところ。花總も「初演の時は無我夢中で大変でした。難しい曲ばかりでしたし。でもこの作品はタダモノではない、というのはやりながら感じていましたし、初日のお客さまの拍手はものすごかった」と当時を振り返る。日本人にこれほど受け入れられたのは「共感できるところが多い。それに音楽が胸に響くし、身体に残るんですよね」と分析。とはいえ、東宝版と宝塚版では様々な点が異なっている。オーストリア皇后エリザベートと、彼女に魅せられたトート(死)の愛憎劇という主軸は変わらないが、なんといってもエリザベートを主人公にした東宝版と、トートを主人公にした宝塚版、というのは大きな違いだ。「東宝版を観てこんなにもエリザベートという役の大きさが違うんだ、というのは驚きでした」。ただ、役のオファーがあった時、「悩むことはなかった」という。「今この時期にこの役にチャレンジできるということは、私にとってもすごく良い機会。もちろん責任重大ですが、もう一度エリザベートと向き合えること、新たに作品に取り組めること、ふたつの期待感を抱いています」。自身も楽しみだと語る再挑戦で、花總がさらなる伝説を作り上げるのを楽しみにしたい。エリザベート役は蘭乃はなとWキャスト。公演は6月11日(木)にはじまるプレビュー公演を経て、6月13日(土)東京・帝国劇場にて開幕する。チケットぴあでは3月1日(日)23:59まで、7月22日(水)18:00のぴあ貸切公演に限り「いち早プレリザーブ」受付中。前から10列目内の座席を保証する「ぴあスペシャルシートS席」も受付。
2015年02月27日昨年、13年間在籍した宝塚歌劇団を惜しまれつつ引退した蓮水ゆうやが、『THE SHOW INFECTED “CONNECTION”』で、退団後初めて、ショーの舞台に立つ。『THE SHOW INFECTED “CONNECTION”』 チケット情報今回の出演者で、蓮水は紅一点。構成・演出・振付の大澄賢也は「男性が束になってかかっても、女性にかないません(笑)」としつつ「ひとつの役を演じる劇やミュージカルとはまた違い、色々なことをやっていただきます。宝塚を退団されたばかりということで、蓮水さんがこれまで培ってこられたものに加え、今後の可能性が見えるものを目指します。ショービズ界の他の女性が嫉妬するものにしたいですね」と語り、蓮水も「宝塚時代から、ひとつのジャンルやイメージにとどまらない舞台人でありたいと思っていました。宝塚では男役だったので、台本を読んで“こういう感情かな?”と思った上で、さらに男性だったらどうかを考えて演じてきましたが、昨年末に小劇場の舞台に立った時、女性を演じるのがとても楽しくて。今回、女性としてどのようにショーができるか、楽しみです」と目を輝かせた。ショーの第一部の舞台は未来。大澄によれば「未来では誰も喋らず、文字や記号ですべてのコミュニケーションが行われています。でも、蓮水さん演じる女性は物足りなさや虚しさを感じている。そこにアッキー(中川晃教)扮する男性がタイムスリップして来て、熱い言葉を投げかけ、彼女に葛藤が生まれます。ふたりの出会いを通して、言葉を直接的に発して逃げずに向き合う大切さを表現したい」。生身の人間が直接、言葉や思いを届けるのは、舞台芸術そのものに通じること。その重要性を共有した上で、第二部は、アステアやフォッシー、マイケル・ジャクソンに、現代のアレンジを施したステージへ。様々な状況を、演技と歌、そして時に踊りで、表現する蓮水は「人間の負の部分や病んだ心を表現するのは、難しいからこそやり甲斐があります。二部では、宝塚の経験も生かせたらと。例えばジャズは音楽として大好きで、フォッシーにも在籍時代から憧れていましたから」。大澄が蓮水の印象を「ナチュラル」と評すると、蓮水は「嬉しいです。宝塚での集大成を迎えた時に感じたのも、自然体でいることの大切さ。意識し過ぎると逆に動きが小さくなってしまうんです。今回、すごい方達ばかりでビビっていますが(笑)、肩の力を抜き、まっさらな気持ちで皆さんから刺激を受けたいです」とし、大澄も「スポーツでも何でも、一流の人ほど、外側の力は抜けていてコアな部分だけが強い。舞台でも最初はどんどん服を着込んでしまうものですが、ある時から、脱いでシンプルになるほうが、周りが見え、お客さんに伝わることに気づくんですよね」とうなずいた。ナチュラルにしなやかに作られるショーの成果に、期待がかかる。公演は3月19日(木)から22日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場にて。チケットは通常指定席のほか、非売品グッズと、好きなキャストの毎公演変わるソロ写真がもらえるプレミアムシートも販売中。取材・文:高橋彩子
2015年02月05日宝塚歌劇団という夢の世界でトップスターとして活躍するという夢を叶えるには、本人の努力はもちろん、たくさんの応援があったはず。12月15日、東京・丸の内のKITTEで行われた「“かんぽ生命 夢、応援宣言”かんぽ生命ドリームステージ発表会」に、スペシャルゲストとして登壇した元宝塚歌劇団月組トップスター・瀬奈じゅんさんからは、そんな大きな夢を叶えた宝塚時代の思い出が語られました。このイベントは、かんぽ生命が取り組むキャンペーンに向けての“かんぽ生命 夢、応援宣言”を行うもの。MCはフリーアナウンサーで宝塚ファンでもある中井美穂さんが担当しました。かんぽ生命取締役 兼 代表執行役社長 石井雅実さんの主催者挨拶では、文化的活動の一環として、夢に向かって挑戦する人生を応援していくために宝塚歌劇に協賛する旨を発表。その第一弾として、2014年に100周年を迎え、2015年から“次の新たな100年”に歩みだす宝塚歌劇の新作となる月組公演「スペクタクル・ミュージカル『1789 ~バスティーユの恋人たち~』」に冠協賛することが発表されました。 会場では、月組トップスターの龍真咲さんから日本では初上演となる『1789~バスティーユの恋人たち~』公演への熱い想いを語るビデオメッセージが上映されたあと、瀬奈さんからは、「新作に取り組むということで、どういう風にお客様に受け入れてもらえるか、すごくドキドキすると思います。ただ、苦しめば苦しむほど、作品を上演するときの喜びも大きいと思いますし、月組の団結力も高まると思いますので、楽しみですね」と、大きな期待が。”夢、応援宣言”をテーマにしたトークショーでは、夢が叶ってトップスターに就任した時代を振り返り、「私は言葉でみんなに『ついてこい』と言うより、舞台の上で輝いて、舞台の上でみんなをひっぱっていくことで(自分の思いを)伝えていこう、としていました」と語る瀬奈さん。「いざトップスターになると、みんなから夢をもらっていたんだなとも気づきましたね。周囲の方々の支えや、愛情で、夢をかなえさせてもらっていたんだな、と。だからこそ、家族やファンの皆さんに感謝しなければ、という想いが強くなりました」とコメント。 また、今後の夢については、「私の人生の中の一番大きな夢、トップスターになるという夢を叶えてしまったので、今は新たな夢に向かって進み出す一歩だと思います。夢とは違うかもしれないけど、家族を大切に穏やかに暮らすというのも夢です。日々を大切にしていきたいです」と笑顔で語っていました。イベント後半には、宝塚ファンにはおなじみの“シャンシャン”(ブーケ仕様の小道具)が登場。初めて持ってみた中井さんは「うわっ、思った以上に重いですね! (舞台では)皆さん何回もきらびやかに振り上げていますが、結構大変なんですね」と率直なひとこと。瀬奈さんが中井さんに「足を開いて、外側の足に重心を乗せて立ちながら、“シャンシャン”のリボンをこれくらいたるませるのが美しい持ち方です」と、決めポーズを披露・指導したりする一幕も あり、トークショーに集まった観覧客から歓声が上がっていました。かんぽ生命では、スペクタクル・ミュージカル『1789~バスティーユの恋人たち~』の協賛を記念して、 2015年2月28日に、瀬奈じゅんさんが登壇する「美と健康のドリームトークショー」を開催するそう。抽選で100組200名が招待されるので、 特設WEBサイト「かんぽドリームシアター」 まで応募してみては?(受付は2015年1月30日まで)・かんぽ生命保険 公式サイト 「美と健康のドリームトークショー」への応募は、 こちら から
2014年12月25日宝塚歌劇団宙組トップスター・凰稀かなめが、11月7日(金)より兵庫・宝塚大劇場にて開幕する『白夜の誓い-グスタフⅢ世、誇り高き王の戦い-』、『PHOENIX宝塚!! -蘇る愛-』で退団。公演を前に、その思いを訊いた。第1幕は、スウェーデン国王・グスタフⅢ世の波乱に満ちた生涯を描くミュージカル。凰稀演じるグスタフⅢ世は、軍事力、芸術性を備え、激動の18世紀ヨーロッパでひたむきに生きた人物だ。「何があろうと、自信を持って前に突き進んでいくところが共感できます。それに、自分のことよりも人のことを考えている人。そのために言い過ぎて傷つけてしまうこともあるし、誤解される部分があって、若い頃の自分を見ているみたいだなと思います(笑)」。退団公演だからといって役に向き合う姿勢は何も変わらず、そこに少しの妥協も見せない。「グスタフⅢ世に絡む人物がとても多く、さまざまな問題が起きるんです。そこに、私自身が出会った人や、トップになって残してきたことをリンクさせたり、絡んでくる人物との関係性をきちんと見せたりしたいと思っています。いかにお客様に分かりやすく伝えるか、納得がいくまで演出の原田先生と意見を交わしながら作っています」。第2幕は、凰稀をフェニックスに見立て、美しさとカッコ良さを感じさせるショーを展開。演出の藤井大介に「私の退団公演ではありますが、お客様に次の宙組の姿も観ていただきたいと思い、若手をどんどん前に出してほしいということ、そして、次のトップである朝夏まなとと娘役トップの実咲凜音を中心にした場面がほしいと伝えました。緩急があるショーなので、最後まで楽しんでいただきたいです」。クールながら、宝塚歌劇やファンへの熱い想いが言葉から垣間見える。100周年を迎えたこの1年はこれまで以上に、トップとしての重みを感じた。「いちばん重要な節目の年にトップとして立たせていただいて光栄でしたが、それ以上に責任を感じました。でもその重み、苦しみがあるからこそ男役として輝けるんだと思います。これからトップに立つ朝夏には、とにかくブレないで、自分の意思を一本突き通した状態で進んでほしいです」。公演は宝塚大劇場にて11月7日(金)から12月15日(月)まで。東京宝塚劇場では2015年1月2日(金)から2月15日(日)まで上演される。東京公演は12月7日(日)より一般発売を開始。取材・文:黒石悦子
2014年10月31日11月1日、宝塚大劇場の武庫川河川敷でギネス世界記録への挑戦が行われる。2014年は宝塚市にとって、宝塚歌劇団創設100周年、市制60周年、手塚治記念館設立20周年を迎える「トリプル周年」にあたる。この記念すべき年に、新たな記録に挑むのは、一体どんな人たちなのだろう。その答えを教えてくれたのは、宝塚と大変縁が深い女優・汐美真帆。宝塚市出身で、元宝塚歌劇団の男役、現在は舞台女優としてだけでなく、ヨガやジャズダンスの指導者としても活躍している。取材に訪れたのは、普段、汐美がダンスやヨガを教えている立川のレッスンスタジオ。「こんにちは」と朗らかな笑顔で迎えいれてくれた彼女は、爽やかなライムグリーンのレッスンウエアを着ていた。この日もギネス世界記録へ向けてのレッスンが行われていた。小学生の子供たちからその親世代まで幅広い年代の女性がスタジオに集い、一緒になってラインダンスを踊る。「1万人のラインダンス」と名付けられた同イベントは、宝塚市「子ども委員会」の発案によるもの。現在のラインダンスにおけるギネス世界記録である2,569名を大幅に超える1万人超えに挑もうというのだ。宝塚市民はもちろん、全国津々浦々から参加表明してほしいとの想いから、汐美は、東京から参加する人のために無料でレッスンを教えている。「実は、私自身、ラインダンスを踊るのは95年の(宝塚歌劇団)研究科5年に在籍時以来なんです。ラインダンスは名前の通り、“人と人がつながる”ダンスなので、手をつないだ相手の動きの邪魔しないように、メンバーみんなの動きがキレイにみえるように踊るものだから、自然と思いやりの心が芽生えるのもステキですよね。しかも、今回の挑戦には石巻の中学生11人も参加したいと言ってくれています。きっかけは、数年前に震災支援で女川に行った際の中学校の先生との出会いです。その先生が石巻に転勤された先の11人の生徒と、宝塚でラインダンスを一緒に踊りたいという想いを抱いています。今は、その遠征資金の募金活動を必死に行っているところです」兵庫と宮城はともに震災を経験した土地であることからも、汐美の想いは並々ならぬものがあるのだろう。インタビューに答えるいきいきとした表情から、彼女自身が、今回の挑戦を通して様々な人との触れ合いを楽しんでいることがよく分かる。彼女のその気持ちはもちろん、レッスン受講者たちにもしっかりと届いている。「私は運動が大の苦手だったのですが、汐美さんのレッスンならと思って受けてみたところ、歌って踊ることの楽しさに目覚めました(笑)」「イベントには息子と旦那と一緒に参加予定なので、私が家族代表で受講しにきています」「宝塚のファンなんで、勝手に娘役になった気分でレッスンを受けさせていただいています」と受講生1人ひとりが笑顔で話すのを見ている汐美もとてもうれしそう。「とにかく楽しんでやることが第一ですよね。イベント当日にもご縁ができて、いろんな人たちとつながっていく場になればいいなと願っています。そしてそれがきっかけで、日本中がつながっていくことができたら、本当にステキなことですよね」イベント開催まであと数十日。興味のある方は、「宝塚1万人のラインダンス」公式webサイトをのぞいてみてほしい。
2014年08月30日100周年を迎え、様々な記念イベントが注目を集めている宝塚歌劇団。中でも、著名なOGが集結して贈るショーが、この『セレブレーション100!宝塚』だ。キャストは平成期に在団した元トップスター12名を中心に、アンサンブルにも元生徒(劇団員)12名、さらに日替わりゲストとスペシャルゲスト27名も加えた豪華版。『ベルサイユのばら』『エリザベート』『風と共に去りぬ』など、数多の傑作からよりすぐりの名曲と名場面で綴る構成だ。5月18日(日)、初日を前にゲネプロと囲み会見が行われた。『Celebration 100!宝塚~この愛よ永遠に~』チケット情報オープニングの「レインボウ宝塚」を歌いながら、杜けあき、麻路さき、高嶺ふぶき、稔幸、姿月あさと、湖月わたる、貴城けいが登場すると、ステージは一気に華やかなオーラに包まれる。続けて昭和の時代の名曲を、風花舞、星奈優里、大鳥れい、彩乃かなみ、蒼乃夕妃がキュートに歌い継ぐと、今度は貴城から順に、それぞれの代表作の主題歌を歌い上げてゆく。観ているうちに、こちらもすっかり彼女らが在団していた当時の自分に戻ってしまうのが“宝塚マジック”だ。ゲネプロでは日替わりゲストからA日程の眞帆志ぶき、初風諄、榛名由梨、スペシャルゲストからは加茂さくらが出演し、健在ぶりをアピール。1952年に39期生として入団した眞帆が「アマール・アマール」を小粋に歌うと、思わず見学席からも拍手が。そのほか、『ベルサイユ~』の初演(1974年)に出演した初風の「青きドナウの岸辺」、『風と共に~』(1977年)の初演を成功に導いた榛名の「さよならは夕映えの中で」など、全てが見どころといった印象。一方で、ダンスの名手である湖月と風花により『LAST STEPS』からタンゴの名場面が再現されるなど、宝塚歌劇団が芝居や歌はもちろんシアターダンスにおいても日本芸能史を支えてきたのだと、改めて思い出させてくれる演出となっている。ゲネプロ後に行われた囲み会見では、「39期生から96期生まで、家族でいえば3世代に渡るキャスト。でも誠心誠意、物事に取り組む姿勢は変わらないと感じました」と語った杜。「いまだに男役の姿のほうがラク」と麻路が笑わせつつも、「“努力・忍耐・根性”というのを教えてもらった。世の中が変わっても、そこは変わらなくていいのでは」という高嶺の言葉に全員がうなずくひとコマも。宝塚が100年続いた理由については、「古き良きものを大切にしている」(稔)、「伝統を受け継ぐ上下関係」(姿月)、「先輩から後輩への惜しみない指導」(湖月)とそれぞれに想いを述べた出演者たち。「それもずっと観てくださっているファンの方あってこそ」という貴城の言葉通り、劇団の歴史は“人”の歴史でもあったのだと、再認識できる舞台となりそうだ。公演は5月18日(日)から6月8日(日)まで東京・青山劇場、6月13日(金)・14日(土)に愛知芸術劇場 大ホール、6月24日(火)から30日(月)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて。取材・文佐藤さくら
2014年05月19日洋菓子店ハイジは4月4日より、宝塚歌劇団の5組(花組・月組・雪組・星組・宙組)の組カラーをイメージしたスイーツ「アルハンブラ」を、宝塚大劇場にて限定販売する。○ストロベリーなどフレーバーも5組「アルハンブラ」とは、チョコレートにこだわったカカオガナッシュをココアの優しくしっとりとした生地で挟んだお菓子。今年1月から宝塚大劇場で販売しており、好評を得ている。このほど、100周年を迎える花組・月組・雪組・星組・宙組の各組それぞれをイメージした「アルハンブラ」を販売する。花組(ストロベリーアルハンブラ)は、鮮やかなピンク色のストロベリースポンジに果肉感のあるストロベリーガナッシュを挟んだ。月組(ココナッツバナナアルハンブラ)は、ローストココナッツをふんだんに使用したスポンジに果肉感のあるバナナガナッシュを挟んだ。雪組(抹茶アルハンブラ)は、抹茶のスポンジと濃厚な抹茶のガナッシュを使用。宇治抹茶のみを使用しており、うまみの中にほんのり苦みも感じられる味わいとなっている。星組(ブルーベリーアルハンブラ)は、たまご風味のホワイトスポンジに果肉感のあるブルーベリーの甘酸っぱいガナッシュを挟んだ。宙組(フランボワーズアルハンブラ)にも、たまご風味のホワイトスポンジを使用。中には、果肉感のあるフランボワーズのガナッシュを挟んでいる。同商品は4月4日に発売。宝塚歌劇100周年 夢の祭典「時を奏でるスミレの花たち」より、宝塚大劇場チケットカウンター横「アンジュロ」で販売を開始する。価格は各260円。
2014年04月01日優しく包み込むような温かなオーラを持つ、宝塚歌劇団花組トップスター・蘭寿とむ。歌、ダンス、演技の3拍子が揃った蘭寿のサヨナラ公演が、2月7日(金)、兵庫・宝塚大劇場にて開幕する。演目は、ミュージカル『ラスト・タイクーン-ハリウッドの帝王、不滅の愛-』とショー『TAKARAZUKA∞夢眩』の2本立て。創立80周年の年に宝塚音楽学校に入学し、20年間タカラヅカひと筋で生きてきた蘭寿に、ラストステージにかける想いを訊いた。宝塚歌劇花組『ラスト・タイクーン-ハリウッドの帝王、不滅の愛-』チケット情報『ラスト・タイクーン』は、アメリカの作家フィッツジェラルドの未完の大作をベースにした物語。1930年代のハリウッド映画界を舞台に、大物プロデューサーの栄光と挫折や、亡き先妻と瓜ふたつの女性とのロマンスを描いたミュージカル。「強引にも周りをまとめて映画を作り上げていく大物プロデューサーを演じます。映画に魅せられて面白い映画を作ろうと集まってきた人たちは、タカラヅカの舞台に立ちたいと思って集まってきた私たちに重なるものがあり、共感できる部分が多いです。その気持ちを反映しながら、役を作り込んでいます」本作は演出家・生田大和の大劇場デビュー作でもある。生田の熱意と愛情を感じながら、日々稽古を重ねていると話す。「稽古をしながらも台詞を変えたり、新場面が増えたり、すごく熱意を感じます。私としては、遠慮なくぶつかっていけるのがとても嬉しいです。それに、「迷わず歩んだ、ただひとつの道を」というような、私のタカラヅカ人生と重ね合わせた歌詞や場面を作ってくださり、生田先生の愛情を感じます」。ショーでは「花組の男役の魅力を最大限に見せたい」と意気込む。「幕開きからかなりアップテンポで、花組のパワーがいきなり炸裂します(笑)。前半ではリズミカルでスピーディな場面を展開しつつ、ラストは男役全員で大階段での黒燕尾を。大好きな黒燕尾で、思い残すことなく踊りきりたいです」。20年間の集大成だからこそ、感傷に浸る暇はない。「本当に最後まで挑戦だなと思います。“これぞ蘭寿とむ!”というものを残したいですし、花組が最高に活気づいた状態でバトンタッチしたい。そして、ずっと応援してくださり、支えてくださった方々への感謝の気持ちを舞台で返したいと思います」。公演は宝塚大劇場にて2月7日(金)から3月17日(月)まで上演。東京宝塚劇場では4月10日(木)から5月11日(日)まで上演され、3月9日(日)より一般発売を開始。取材・文:黒石悦子
2014年02月03日かつて実在した宝塚歌劇団“男子部”を題材にした人気舞台『宝塚BOYS』が今夏4度目の上演。6月12日には同舞台の製作発表が行われ、出演の吉沢悠、良知真次、初風 諄、原案の辻則彦、演出の鈴木裕美、そして元男子部の吉井裕海さんが会見に出席した。『宝塚BOYS』チケット情報原作は辻則彦が著したドキュメンタリー『男たちの宝塚』。終戦直後の1945年、「明日の宝塚スター」を夢見て集まって来た個性豊かな男たち。しかし9年後、解散。その間、彼らはメインステージである宝塚大劇場に立つことは一度もなかった。そんな男たちのちょっと可笑しくも哀しい青春を描く作品だ。2007年初演、2008年、2010年と上演を重ねてきた同作を、今回キャストを一新して上演する。会見では、主演の吉沢悠をはじめ、一同が公演への思いを次のように語った。■吉沢悠初演から大成功している舞台に自分が加われるということで、期待半分、不安半分です。7人の関係性がお客様の心を動かす作品だと思うので、歌やダンスのテクニック以上に7人の人間関係をもう一段・二段と深めていきたい。■良知真次初演を見てこの舞台からパワーをもらったので、今度は自分が希望を与えられるようになりたい。自分がこの世界に夢を持って入った時の初心に戻れる作品だと思う。男子部の方々に失礼のないように演じていきたい。■初風諄私も同じ志を持って、宝塚歌劇団に入団したので当時の男子部の方々の気持ちがよく分かる。(2014年に)宝塚歌劇団が100周年を迎えるが、このような尊い歴史があったことを伝えたい。■辻則彦(原案)4回目の上演ということで感慨深く思っております。これからも男子部に関わった一人として、彼らの気持ちを伝えていきたい。■鈴木裕美(演出)今回の新しいBOYたちは非常に優秀。クオリティーの高いものをお見せできると思う。舞台人として失礼のないように稽古をしていきたい。■吉井裕海(元男子部)(舞台上でも出てくる)「馬の後ろ脚」役で実際に大劇場の舞台に立ちました。何度見ても泣けてくる作品だと思う。フィナーレが一番好き。今年もまた泣きたい。公演は7月23日(日)から8月11日(日)まで、東京・シアタークリエにて。その後、8月13日(火)に愛知県芸術劇場 大ホール、8月24日(土)・25日(日)に兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール、9月11日(水)に新潟市民芸術文化会館 りゅーとぴあ・劇場でも上演。東京・愛知・兵庫公演のチケットは発売中。新潟公演は6月22日(土)より一般発売開始。なお、チケットぴあでは新潟公演のインターネット先行抽選を6月15日(土)午前11時より受付。
2013年06月14日宝塚歌劇団花組の東京公演『オーシャンズ11』が3月29日に東京宝塚劇場で開幕する。同日、公開舞台稽古が行われ、花組トップスター蘭寿とむ、娘役トップスター蘭乃はなが会見を行った。宝塚歌劇団花組『オーシャンズ11』チケット情報『オーシャンズ11』は2001年にアメリカ、2002年に日本で公開された映画。宝塚歌劇団では2011年に星組が世界初のミュージカル化をし、その好評を経ての今回の花組での上演だ。物語は天才詐欺師ダニー・オーシャンが10人の仲間たちとともに、妻・テスの恋人であるホテル王ベネディクトの経営するカジノの金庫破りに挑むというアクションドラマ。映画ではジョージ・クルーニーが演じたダニーに蘭寿、ブラッド・ピットが演じたラスティ・ライアンに専科から特別出演する北翔海莉が扮するのをはじめ、花組のスターたちがハリウッドスターに劣らぬ個性を炸裂させていて、楽しい仕上がりになっている。宝塚らしくショーシーンもふんだんに盛り込まれて、見どころも満載だ。会見では蘭寿が「桜が満開の良い時期に初日を迎えられて嬉しく思っています。自分自身の役作りとしては、映画のジョージ・クルーニーがものすごく格好良かったので、自分も大人で頭がきれ、でもテスには弱いというあたりを出せたら。全体としてもイリュージョンが変わっていたり、客席降りがあったりとエンターテインメント性が(初演より)もっと高くなっています。花組ならではの『オーシャンズ11』を皆さんに楽しんでいただければ」と見どころをアピール。また、この日は宝塚音楽学校で101期生合格発表があったということで、「私は合格発表の日、一番前で陣取って発表を待っていたんです。(合格者の番号が書かれた紙が)張り出された瞬間、隣にいた紺野まひるちゃんと手を取りあって大騒ぎして喜んだらそれがニュースに流れまして、学校に内緒で受験していたので、びっくりした担任の先生から『今あなたテレビに映ってるけど、どういうことかしら?』と電話がきました(笑)」というエピソードを披露、そして「宝塚は来年100周年を迎えます。彼女たちが次の宝塚を担っていく人たちだと思うので、“宝塚の舞台が大好き”という気持ちを一番大切に持って、頑張っていただきたい」と101期生にエールを贈っていた。公演は5月5日(日)まで同劇場にて。チケットは発売中。
2013年03月29日三井住友カードをはじめ銀行系カード会社などで組織するVJAグループはこのたび、07年よりVJAのイメージキャラクターをつとめている宝塚歌劇団雪組トップスター「音月桂」さんの退団(12月24日)に伴い、同団月組の準トップスター「明日海りお(あすみりお)」さんを新たなイメージキャラクターとして起用することを決定した。明日海りおさんは、03年4月『花の宝塚風土記』の初舞台後、05年『エリザベート』新人公演でルドルフ(少年)役に抜擢されるなど、透明感のある甘く端正な容姿と天性のスター性で宝塚歌劇団入団当初から注目を集めた。11年『アリスの恋人』ではバウホール単独初主演し、12年6月『ロミオとジュリエット』より月組準トップスターに抜擢されるなど、実力と人気を兼ね備えた男役スター。また宝塚歌劇100周年を目前とし、その幕開きを飾る13年1月公演『ベルサイユのばら』オスカルとアンドレ編では、オスカルとアンドレを役替わりで演じることも決定し話題になっているという。VJAグループは、13年1月以降、明日海りおさんが登場する新聞広告、雑誌広告、看板等を積極的に展開し、今後、明日海りおさんの透明感を活かした広告を多くの人に見てもらい、一層の飛躍を目指す「VJAグループ」のブランドイメージ向上を図っていくとしている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月11日稲垣吾郎にとって初のミュージカルとなる、『恋と音楽』が、12月1日、東京・PARCO劇場にて開幕した。ヒロイン役を務める元・宝塚歌劇団花組トップスターの真飛聖にとっても、退団後初めての舞台出演作となる。初日の昼には公開舞台稽古が行われ、稲垣と真飛、演出の河原雅彦の3人が囲み取材に応じた。脚本は鈴木聡。稲垣が演じる田代幸雄は、数々の傑作ラブストーリーを手がけてきたものの、自称・恋愛経験がないミュージカル作家。新作を書き上げ、プロデューサー(浅野和之)とともにキャスティングを考えるが、主演女優をなかなか決められずにいた。ふたりの若手俳優(大和田美帆と菅原永二)が売り込みに訪ねてきてもうわの空。主演女優に完璧な女性像を求めすぎるがゆえに、イメージにあう女優が見つからないのだ。何も決まらないまま打合せが終わると、ひとり部屋に残された田代の前に謎の女(真飛)が現れる。不審に思う田代だったが、話をするうちに彼女以外の主演女優はありえないと確信し、そして恋に落ちる。翌日、プロデューサーに紹介しようと彼女を待つが……。「ミュージカルを敬遠されていた方でも、違和感なく楽しめて、ほっとできるように腐心した」と河原が話すように、初心者にも馴染みやすい自然なコメディ作品に仕上がった。コメディはお手のものだが、ミュージカルは初挑戦となる稲垣は「いろんなことに挑戦してきましたが、こんなに楽しいものがあったんだなという気持ち」とコメント。ジャズの生バンドをバックに歌うことについても「すごく快感。やみつきになりそう」と話すなど、初ミュージカルを楽しんでいる様子だ。経験豊かな役者陣の演技とセッションするように、アドリブで変化するジャズバンドの演奏も魅力的だ。宝塚退団後、初めての舞台となる真飛は「男役でしか舞台に立ったことがなく、女子の役は初めて。女子としての不安がありますね(笑)」と笑ったが、稲垣も河原も声をそろえて「家に帰っても、ずっと真飛さんのことを考えてますよ」と真飛のヒロイン役にメロメロ。コメディでありつつも、ストーリーは大人の恋愛。稲垣は会見の最後に「この寒い冬に、心も身体も温まる、ちょっとほろ酔い気分になれるようなミュージカルができました。ぜひ期待していてください」とメッセージを送った。公演は12月1日(土)から28日(金)までPARCO劇場、1月11日(金)から14日(月)まで森ノ宮ピロティホール、1月26日(土)から27日(日)までイズミティ21 大ホールにて。取材・文:大林計隆
2012年12月03日