わが家には3歳と6歳の子どもがいますが、なかなか身につかないのが「お片付け」。部屋におもちゃが散乱し、結局片付けるのは私です。お片付けしやすいよう収納ボックスを設置しているのですが、それだけではダメなよう。今回は、先輩ママに聞いた「子どものお片付けを成功させるテクニック」をご紹介します。 おもちゃを片付けやすい量にする先輩ママの家に遊びに行ったときのこと。おもちゃの量が少ないことに気付きました。先輩ママは、今、夢中になっているおもちゃだけを選んで出しているそうです。 量が少ないと子どもが片付けやすいことを聞き、家に帰っておもちゃの整理整頓を開始。今はもう興味のないおもちゃをしまうと、驚くほど収納ボックスがすっきりしました。おもちゃの量を減らすことで大量に散らかることがなくなり、子どもが片付けやすい量になりました。 片付けの分類はおおまかにするわが家では、おままごと類は黄色のボックス、ボールは赤色のボックスなど、細かく分けていました。見た目もきれいで取り出しやすい。ところが、それは私の自己満足だったんです。子どもにとって分類が細かいとお片付けがしにくくて当然。特に2歳前後の小さな子どもだとなおさらです。 そこで先輩ママに教わったのが「片付けの分類はおおまかにすること」です。たとえばブロックだけは赤色のボックスに入れて、あとは大きな箱にしまえばOKなど。お片付けの難易度を下げられますよね。 イラストなどで収納ボックスをわかりやすくするたとえば車のおもちゃを収納するボックスに車のイラストを貼り付ける。最初は手間がかかりますが、一度やっておけば、あとがラクだと先輩ママは言います。 私は今まで黄色のボックスはおままごと入れなど、カラー別に収納をするよう説明していました。しかし、言葉だけでは大人だってなかなか覚えられませんよね。そのことに気付いたんです。なるべく子どもに伝わりやすくするためには、イラストが一番わかりやすいかもしれません。 子どもがお片付けをしてくれるようになれば、ママ自身もラクになりますよね。まずわが家で心がけようと考えているのは食事前などに必ずおもちゃを片付ける場面を明確につくること。お片付けの習慣化はまだまだわが家の課題です! イラスト:sawawa著者:田中由惟一男一女の母。二人目の出産を機に食品会社を退職。現在は子育てのかたわら、記事執筆をおこなう。趣味はスポーツとピアノ、美味しいものを食べること。
2019年06月20日子どもたちの入園入学、そして進級のこと。自分のことを自分でできるように、しっかりと整えておいてあげたいですよね。お母さんも子どもも肩の力を抜いて、イライラしない毎日を。イレギュラーなこともたくさん起こるだろうから、決まったことはルーティンにしておけば、あたふたしません。今回は入園編。わが家も今年幼稚園に入園する末っ子のために準備中。毎日のお支度ルーティン起きて、ごはんを食べて、歯を磨いたらお着替え、がわが家のルーティン。食べこぼしたり、歯磨きする時にびしょびしょになったりするので、幼稚園期は着替えを最後にしています。一方のママは、幼稚園のお弁当の準備、自分のメイクに、洗い物、お洗濯…!その間に何度も起こる「ママ手伝って!」コールに対応するために、子供のお仕度コーナーはリビングや、その近くにあるのが便利。支度コーナーには、毎日着る制服と帽子、バッグをひとまとめに。準備の動作を一ヵ所にまとめることがポイントです。忙しい朝にあちこち移動せず、リビングで登園準備を完了させます。子供の身長に合わせた支度コーナーをつくる親が手を貸さなくても自分でできるように、子供の身長に合わせた高さにフックを取り付けました。その下にはシンプルな収納ボックスを置いて完成。子供が取り出しやすい高さに。そして、親の目が届きやすい場所を選びます。制服と帽子はフックに。はじめは無理にハンガーにかけることを押し付けず、引っ掛ければOK!くらいの気持ちで。支度とお片付け、どちらも簡単な動作にしておいてあげることがポイントです。ポイッと1アクションでお片付け子供はポイッとお片付けが得意。出しっぱなしにしておくと乱雑になりがちなリュックや手提げバッグは、すっぽり隠れるボックスに。これなら子供でも簡単にお片付けできますよね。冬の上着や手袋などもここにポイ!少々荒っぽくても気になりません。わざわざ取り出さなくても、このままバッグの中身をチェックできるから、散らからないのもうれしいんです。自分でお弁当箱を入れたり、園からのお手紙を出したり…。子供が動作を起こしやすい高さにすることで、お片付けをエスコート。お絵かきセットとおみやげ保管ボックス園から帰ったら、バッグから出てくるおみやげたち。お弁当箱、着替え、タオル、連絡帳…持ち帰った本日の力作!バッグを開けたら、その日園で起こったいろんな出来事が溢れ出てくるようで、この時間は親子にとってお楽しみの時間。持ち帰った作品は、親が勝手に捨てるのではなく、子供の話をじっくり聞いて、「これはとっておく?」と聞くようにしています。じっくりとお話しすると納得するようで、「捨ててもいいもの」への踏ん切りがつく様子。「とっておきたいもの」は大切に保管ボックスに。保管ボックスを支度コーナーに一緒に置いておくといいですよね。お絵かきノートやクレパス、おりがみなどをセットにしたかごも。お友達とお手紙を交換したり、園で習ったおりがみを披露してくれたり…読み書きするものは、思いついたらいつでも自分で取り掛かれるように誘導しています。入園まであと3ヶ月。子供の成長をゆっくりと見守りながら、「自分でできる」を増やしてあげれるように。暮らしづくりに、子供の目線に合わせた工夫をぜひ取り入れてみてくださいね。 ■暮らしのはなし ■こどもと暮らす 連載:整理収納アドバイザーのお片付けノート お片付け 文・nami sasaki整理収納アドバイザー。暮らしのまんなかにはいつも散らかし三兄弟。毎日の暮らしを愉しむ工夫探しがすき。収納で家事を心地よく。
2019年03月10日買ったりもらったり、どんどん増えていく子ども部屋のおもちゃたち。毎日次々と違うおもちゃで遊ぶので、どんどん床が見えなくなっていきます…。せめて出かける前のタイミングや、夜寝る前のタイミングで片付けようとしてきたのですが、姉妹2人がかりで荒らされた部屋、毎回毎回なかなか大変です。この「引き出しに名前」作戦で、ムスメも片付けの戦力となり、だいぶ楽になったように思います。…が!せっかく片付けたお部屋も、1歳児オコメの前では1分と持ちません。まぁそうですよね、もちろんムスメもそうでした。ムスメのやる気をなくさないためにも、「しっかりお片付け」は寝る前の1回だけにすることに。まぁそのお片付け中にも遊び始めちゃうのが1歳児ですけどね…。きれいな子ども部屋を保てるのはもう少し先のこととなりそうです(笑)。
2019年01月02日クリスマスのメニューはお決まりですか?テーブルに並べるだけで一気にパーティー感が増すフライドチキン。ただ、揚げ物の準備とあと片付けを考えるとつい作るのも億劫に…。そんな人に朗報!実はフライパンでもフライドチキンが作れちゃうのです! 骨のついていないもも肉を使うので、揚げ時間もぐっと短縮できます。スパイスをしっかり効かせているので、お店にも負けない美味しさですよ。■フライパンでできるフライドチキン調理時間 30分レシピ制作:料理講師、料理家 西川 綾<材料 2人分>鶏もも肉 200g 塩コショウ 少々鶏むね肉 200g 酒 大さじ1 塩コショウ 少々 溶き卵 2個分 オールスパイス 小さじ1/2 ハーブソルト 小さじ2 チリパウダー 少々 粗びき黒コショウ 小さじ1 強力粉 大さじ2~3サラダ油 適量<下準備>・<衣>の材料を混ぜ合わせる。<作り方>1、鶏もも肉は身の厚い部分に切り込みを入れて人数分に切り、塩コショウをする。2、鶏むね肉は身の厚い部分に切り込みを入れて人数分に切り、塩コショウをしてさらに酒をもみ込む。3、(1)、(2)に<衣>をつけ、フライパンに2~3cmのサラダ油を熱してカラッと揚げる。骨がついていないので、手をよごさずに食べられるのも魅力。子どもも食べやすいフライドチキンの完成です。
2018年12月23日前回から2回にわたってご紹介しているは心理学的に見た「片付けがはかどる魔法の言葉」。【前編】では、実験により「失うものを意識すると、人はリスクを取って行動しやすくなる」ということが分かりました。これはノーベル経済学賞も受賞した心理学者、ダニエル・カーネマンが提唱したプロスペクト理論に基づいています。その中に、「損失回避性」という言葉があります。これは、人は「何かを失う」ということに堪え難い苦痛を感じる反面、「得られるもの」に対しては相当な想像力を働かせなければ実感できないということです。■ 心理学的に見ると、片付けは「そもそも困難な作業」だった。片付けという作業を思い起こしてください。いらなくなった食器を捨てたり、着なくなった洋服を捨てたり……。Flatpit / PIXTA(ピクスタ)基本的に、「捨てる」「処分する」というのが主な内容です。つまり、片付けというのは、必然的に「何かを失う」という作業なのです。「失うもの」に目を向ける以上、保守的になる。つまり、「捨てないで取っておこう」という選択をしやすいのは、心理学的に見ても当然のことだったのです。「ものが片付かない……」と嘆いている人が多いのは、何も不思議なことではなかったんですね。Graphs / PIXTA(ピクスタ)■ 身近なところで実感できる「損失回避性」とは?たとえば、クローゼットを片付けているとしましょう。スペースがいっぱいなのですが、新しく買いたいコートもあります。最近あまり着ていないコートを手に、あなたは考えます。Satoshi KOHNO / PIXTA(ピクスタ)「このコートを処分すれば、新しいコートを買えるんだけど……」古いコートを捨てて、新しいコートを買う。新しいものの方が綺麗ですし、流行にも合っていることでしょう。理論的には、正しい選択と言えるはずです。でも、なぜか踏み切れない。結果、「う〜ん、一応取っておこう」となってしまうのです。これが、まさに心理学でいう「損失回避性」なのです。「得るもの」より「失うもの」の方が、大きな価値を感じてしまうんです。■ 片付けがはかどる、心理学的に立証された「魔法の言葉」とは?上記のようなシチュエーションで、片付けを前に進めるにはどうしたら良いのでしょうか?実は、良い方法があります。考え方をひっくり返せば良いのです。自分にこう問いかけてみましょう。「このコートを処分しなかったら(新しいコートを諦めたら)、何を失うのかな?」あまり気に入っているわけでもないコートを着続けていたら……。年末に夫の実家に行くのに、みすぼらしく見えて面目を失ってしまうかもしれない……。年明けに予定している旅行の楽しい気分も半減してしまうかもしれない……。こんな風に「片付けずに取っておいたら〇〇を失う」という考え方をすると、面白いことが起こります。さっきまで片付けを邪魔していた「損失回避性」が、急に味方をしてくれるようになるのです。「古いコートを捨てないと、新しいコートを買えない。新しいコートを買えないと、〇〇を失ってしまう!」Somemeans / PIXTA(ピクスタ)子どもだましのようですが、これは本当に効果的です。人間の心理というのは不思議なもので、カラクリが分かっていても影響を受けずにはいられないものなのです。今までなかなか進まなかった片付けも、これで一気にはかどるようになるはず。これこそが、片付けがはかどる魔法の言葉。「これを片付けなかったら、何を失う?」を、今年のお大掃除には意識してみてはいかがでしょうか。【参考】※ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?』
2018年12月14日「片付けをしようと決めたものの、なんだか今日はやる気が出ない……」そんな日はありませんか?人間たるもの、気分の浮き沈みもあって当然です。ところが、お部屋は放っておくと、容赦なく散らかっていくというのも辛い現実。そこで今回は、心理学から学べる「どうしてもやる気が出ない時の対処法」をお伝えします。■ 「やる気が出ない!」のは、誰もが持つの悩み!アメリカで人気の、マーラ・シリーという整理整頓のプロフェッショナルをご存じでしょうか?自らをFlyLady(フライレディ)と称する彼女は「5分間お部屋レスキュー」というテクニックを提案しています。これは「部屋の一番汚い部分を探して、5分間だけそこを片付ける」というもの。M&T / PIXTA(ピクスタ)一番散らかっている場所を見つけたら、スマホでも目覚まし時計でも良いので5分間のタイマーをセットしましょう。そして、その5分間だけ片付けをしてみるのです。■ 好きな音楽でも聴きながら、ただ時間を過ごすだけここで注意点です。やる気が出ない時に「ここを綺麗に片付けなければ……」と考えると、やる気は一層なくなります。「5分だけだから、すぐ終わる」と考えて、時間を過ごすだけのつもりで臨みましょう。ちなみに筆者のオススメは、5分程度のお気に入りの曲を聞くことです。xiangtao / PIXTA(ピクスタ)好きな曲を聞いている間だけなら、気分が乗らない時間もなんとか過ごせそうです。しかも、1曲だけで良いのです。■ 5分後、あなたのやる気はどうなるか?なんとか5分やりきると、目の前の状況はどうなっているでしょうか?溜まっていたゴミをゴミ箱に捨てただけかもしれませんし、散らかっていた衣類をタンスにしまっただけかもしれません。kaka / PIXTA(ピクスタ)ここでまだやる気が出なければ、無理をするのはやめましょう。「5分頑張ったから、今日はここまで!」と潔く切り上げるのがベターです。ところが不思議なことに、5分ほど経過した時点でやる気が出てくる人が多いのです。これが、マーラ・シリーが提案する「5分間お部屋レスキュー」のすごいところなんです。■ 科学的にも証明!たった5分で脳に起きること。前述のような「5分程度やってみると、なんだかやる気が出てくる」という現象は、昔から研究対象になってきました。100年以上前のことですが、ドイツの精神科医であるエミール・クレペリンが「作業興奮」という概念を提唱しています。これは簡単に言うと「作業をやり始めると気分がノッてくる」ということなのですが、近年では脳科学の見地からも証明されています。Deja-vu / PIXTA(ピクスタ)脳には「側坐核」という箇所があり、刺激すると快感を覚えるため“快楽中枢”とも呼ばれています。この側坐核は、「成果が見える」ということが大好物。ちょっとした成果でも、「楽しい!もっとやろう!」とやる気をどんどん引き出してくれます。A_Team / PIXTA(ピクスタ)■ 片付け作業は、脳の「側坐核への刺激に向いている。片付けの良いところは、たった5分間でも手を動かせば何かしらの変化が起きること。「ゴミがちょっとだけ少なくなった」「服が少しだけ片付いた」CORA / PIXTA(ピクスタ)ほんの小さな変化でも、脳は「成果が出た!もっとやろう!」とやる気を出してくれるのです。そうなれば、もうこっちのもの。タイマーが鳴ろうが、曲が終わろうが片付けを続ければ良いだけです。kou / PIXTA(ピクスタ)ついさっきまでやる気が出なかったのが自分でも不思議なくらい、片付けが楽しくなるかもしれませんよ。【参考】※Fly Lady.net※児玉光雄『超一流アスリートが実践している本番で結果を出す技術』
2018年10月29日片付け習慣を身につけようとした時に、あなたならどのような目標を立てますか?例えば、こんな目標はどうでしょう?「1日15分、掃除しよう!」。とても分かりやすいですよね。でも、この目標には心理学的に見て「間違えている箇所」があるんです。意外に見落としがちな「間違い」についてご説明いたします。■ 「きっちり目標」と「アバウト目標」は、どっちが良い?ダイエットクラブで行われた実験で、非常に興味深い事例があります。kou / PIXTA(ピクスタ)被験者全員に栄養指導と運動方法を教えたあと、2つのグループに分けます。Aグループ…「最初の1週間で1キロ痩せる」という目標を立てるBグループ…「最初の1週間で0.5〜1.5キロ痩せる」という目標を立てるつまり「きっちりした目標を設定したAグループ」と、「アバウトな目標を設定したBグループ」に分けたのです。Fuchsia / PIXTA(ピクスタ)そして、1週間後に結果を測定します。■ この実験は失敗…?ではありません。結果は、なんと両グループとも差がありませんでした。厳密にはAグループは平均1キロ、Bグループは1.2キロと若干の差はあったのですが、これは誤差の範囲です。momo / PIXTA(ピクスタ)「それじゃ、結局、何も分からないのでは?」と思いますよね。ところが、この実験の目的は「各グループが1週間で何キロ痩せたか」を比べることではなかったのです。1週間のダイエットを終えた被験者に、こう尋ねました。「このプログラムを、あと10週間やってみますか?」この質問こそ、実験の要だったのです。■ 続けたいか?続けたくないか?それが問題!「1週間で1キロ痩せる」というきっちりした目標を立てたAグループで、10週間のプログラムに追加で申し込んだ人は約50%でした。それに対して「1週間で0.5〜1.5キロ痩せる」というアバウトな目標を立てたBグループでは、同じプログラムに80%以上の人が申し込んだのです。shimi / PIXTA(ピクスタ)つまり、「アバウトな目標を立てた方が、努力を持続しやすい」ということが判明したのです。■ 「到達可能性」という心理作用とは?なぜ、人はアバウトな目標の方が努力を維持しやすいのでしょうか?原因としては、「アバウトな目標の方が、自分の裁量に幅を持たせられる」ということが挙げられます。「1週間に1キロ痩せる」と決めてしまうと、結果は「達成できた」or「達成できなかった」の2つしかありません。「0.5〜1.5キロ」としておくと、「達成できた」の中にも「なんとか達成できた(0.5キロ)」から「すごく達成できた(1.5キロ)」まで幅が生まれます。aijiro / PIXTA(ピクスタ)そして「どの程度の達成を目指すか」を、自分で調整することもできます。ダイエットをしていれば、調子の良い日があれば悪い日もあります。そんな時に「なんとしても1キロ痩せなければ!」と思うのと、「今週は0.5キロまででもしょうがないか」と思えるのでは、モチベーションに大きな差が生まれるのです。たとえ少し調子が悪くても、「なんとか達成できた」という選択肢を残しておくことに意味があるんですね。これを、心理学的には「到達可能性」と呼んでいます。■ 幅を持たせて正しい目標に設定し直してみましょう。ダイエットと同じく、片付け習慣も「続けてこそ意味がある」といえます。SoutaBank / PIXTA(ピクスタ)そのためには調子の良い時だけでなく、調子の悪い時にも目を向けて考えてみるのが「正しい目標の立て方」なんですね。もちろん、調子が良ければ目標の上限(ダイエットの実験でいえば「1.5キロ痩せる」)を目指すのも良いでしょう。それは調子の悪い時のための貯金だと考えておけば良いのです。ということで、冒頭の目標を心理学的に正しく設定し直すとこうなります。「1日5分〜15分、掃除しよう!」xiangtao / PIXTA(ピクスタ)これで、片付け習慣はグンと身につきやすくなりますよ。【参考】※『スイッチ! ──「変われない」を変える方法』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
2018年10月08日皆さまは、片付けが得意ですか?「定期的に片付けをしないと落ち着かない」なんてステキな発言をされる方もいらっしゃるのも事実なのですが、“なんとかそれなりに見えるように暮らすのが精一杯”という方も少なくないのではないかと思います。しかし、だからといって自分に甘くしていると、あっという間に足の踏み場がなくなってしまいます!それは避けたいけれども、やっぱり片付けは億劫……。それなら“完璧な片付け”という高いハードルを目指すのではなく、ハードルの低い、簡単に、時短でできる片付け術を心がけてみるのはいかがですか?■ そもそも、一気に片付けようとするのは無謀筆者の友だちや知り合いに聞いてみると、片付けが面倒くさかったり、やる気が起きない、つい後回しにしてしまうという人や、何から手をつければいいのかわからない人、とにかく片付けが苦手な人というのは、一気に全部をやろうとする傾向があるようです。3人家族の住む家には、トータルで3000〜4000点のモノがあるともいわれています。HiroS_photo / PIXTA(ピクスタ)それを一気に片付けようとするのは無謀ですし、ハードルが高いと感じるのは当たり前。「とりあえず○○だけやっておく」とハードルを下げるアイディアを出していこうと思います。具体的にはどのようにすればいいのか?4つのアイディアをご紹介させていただきます。■ 1.片付ける日は「ゴミの日の前日」に設定するhiropixx / PIXTA(ピクスタ)資源ごみ、古着、使わなくなった子どものおもちゃなどはゴミの日の前日に“ひとつずつ”対応していくのが良いでしょう。繰り返しているうちに、徐々に部屋が片付いてきます。モノを溜め込みすぎると、溜め込んだ分だけどんどん片付けの大変さが増してしまうので、思い切って処分することはとても大切なことなのです。■ 2.「とりあえずの収納場所」を確保しておくたとえばソファーの下にかごを置くなど、1部屋につき1か所まで、とりあえず収納しておくための“ちょい置きスペース”を確保するのもオススメです。Graphs / PIXTA(ピクスタ)ちょい置きスペースを作りすぎると、逆に部屋が散らかって見えてしまいますのでご注意を!そして、そこが満杯になったら片付けに取り掛かるというマイルールを設ければ散らかりにくい部屋になります。■ 3.「隠れスポット」を探しておく“何かをしまえそうな空間”を把握しているのとしていないのとでは、いざ掃除をするときの大変さが桁違いです。ですから時間があるときに、“ここにはハンディクリーナーを収納できそう”とか“洗濯ばさみや洗濯ネットはここにしまえそう”というふうに考えて、家の中を見て回ることも重要なことなのです。kenjii / PIXTA(ピクスタ)■ 4.新しいモノを買ったら、収納場所を確保する新しいモノを買ったら、それをどこに保管するかをその都度、考えたほうがいいです。anzphoto_Inc, / PIXTA(ピクスタ)そうしないと、すぐに部屋がモノで溢れてしまいます。新しく揃えたモノでも、そのものに興味関心がなくなると、どうしても放置しがちになってしまいがち。ですから、興味関心が続くうちに、それを収納するスペースを確保してしまうのもオススメの方法ですよ。templa / PIXTA(ピクスタ)いかがでしたか?整理収納アドバイザーの資格を取得するにあたり、定期的に見直す習慣づけをすることが大切だということを勉強しますが、片付け下手な人はその習慣がない人が多いようです。思い立ったときに少しずつやっていくことが、片付け上手に近づくための近道なのですね。片付けというのは面倒くさい作業ですが、少しずつ取り入れていってみてください。
2018年09月19日「心理学を応用した片付け習慣・その16」でもご紹介した通り、人は予測を立てるのが苦手です。今回は、人が予測する片付けにかかる時間がいかに曖昧なものかについてご紹介いたします。■ その片付け、どのくらい時間がかかりますか?片付けに必要な時間を考える時に、今までの経験を参考にする方も多いでしょう。「去年はこのくらいかかったから」「似たような片付けでこのくらいかかったから」というのが、判断の根拠になります。つむぎ / PIXTA(ピクスタ)しかし、一年のうちに数回程度しかない衣替えや大掃除などの所要時間は、記憶も曖昧になりがちです。SoutaBank / PIXTA(ピクスタ)そんな時は、「なんとなく、このくらいで終わりそう」というとても曖昧な判断になってしまうのも仕方ありません。■ 人の心理が分かる!課題提出に必要な時間を予測する実験片付けに必要な時間を予測する上で、参考にしたい事例があります。カリフォルニア大学の経済学教授、ステファノ・デラ・ヴィーニャ氏によって行われた実験です。被験者となる学生を集めて、課題として論文を作成してもらいます。Graphs / PIXTA(ピクスタ)その前に、あらかじめ「自分が論文の提出に何日かかるか」を予測させます。makaron* / PIXTA(ピクスタ)そして、課題の論文が実際に提出するまでの日数を計測しました。■ 人は誰しも自信過剰!? 論文に間に合った学生は少数派だった!その結果は、誰しも身に覚えのある結果となりました。2/3以上の学生が、自分が立てた予測より実際の提出が20日以上も遅れてしまったのです。これは論文なのでピンと来ない方もいらっしゃるかもしれませんが、分かりやすいのは夏休みの宿題ではないでしょうか。kmonmon / PIXTA(ピクスタ)「最後の3日だけ頑張れば終わらせられる!」と思っていたのが、いざ手をつけてみるとまったく終わらず……。休み明けに先生に叱られた経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)論文を提出した学生たちも、同じ心境だったかもしれませんね(笑)。■ 人は無意識に「都合の良い条件」で考えてしまうもの!実験を行ったヴィーニャ氏は、「人は自分の能力を高く見積もる傾向がある」と考察しています。また「すべてが調子良くできたら」という希望的観測に基づいた予測を、そのまま目標設定にしてしまう傾向もあるそうです。少し大掛かりな片付けについては、「意外とはかどらないかも」「調子の良い時もあれば、悪い時もある」と冷静な判断をするように心がけることが大切と言えます。Deja-vu / PIXTA(ピクスタ)時間に余裕があれば、気持ちにも余裕が生まれます。あらかじめ「もう少し時間がかかるかも」と考えて予測を立てておけば、きっと片付けも楽しみながら進めることができるはずです。【参考】※スティーヴン・レヴィット「レヴィット ミクロ経済学 基礎編」
2018年09月17日片付け習慣を身につけるうえで、とても大事なことは「継続すること」です。ところが、なかなか長続きしないという悩みを持った方も多いのではないでしょうか。今回は、そんな方に知っておいてもらいたい心理学の知識をお伝えします。■ 「どうにでもなれ効果」って!? これは立派な理論です。トロント大学の心理学者であるポリビー・ジャネットは「The What-The-Hell Effect.」という理論を発表しています。日本語に訳すと「どうにでもなれ効果」。なんとも軽妙なネーミングですね。しかし、これも実験に基づく立派な理論です。どのようなものなのか、ご説明しましょう。■ ダイエットの意志を挫折させる、「どうにでもなれ効果」の恐ろしさ。「クッキーの味を評価する実験」と称して集めた被験者を、3つのグループに分けます。そして、各グループに実験開始前にピザをふるまいます。Aグループ…ダイエットをしていない(普通の大きさのピザ)Bグループ…ダイエット中(普通の大きさのピザ)Cグループ…ダイエット中(A、Bグループより大きく見えるピザ)june. / PIXTA(ピクスタ)実はピザの容量自体は全員同じなのですが、Cグループだけ大きく見えるピザを渡します。その後、クッキーを食べてもらいます。すると、各グループでクッキーを食べる量に違いが見られました。ささざわ / PIXTA(ピクスタ)被験者には「味の評価について調べる」と言っておきながら、実際は「どのくらいの量を食べるか」を測る実験だったのです。■ むしろダイエット中だからこそ、こんな結果に。A、Bグループに比べて、Cグループの被験者は平均1.5倍もの量のクッキーを食べてしまったのです。ダイエットをしていないAグループよりも、ダイエット中であるはずのCグループの方がたくさんのクッキーを食べてしまいました。muu / PIXTA(ピクスタ)これは「カロリーを抑えなきゃ!」と考えていたCグループの被験者に、「どうせ大きなピザを食べちゃったし、今日はもう好きなだけ食べちゃえ!」という心理が働いたためだと考えられています。まさに「どうにでもなれ効果」という名に相応しい結果が出てしまいました。■ 「どうにでもなれ効果」は防げるの?有効な目標の立て方とは。「どうにでもなれ効果」が起こりやすいのは、「何かを抑制する目標」であることが挙げられます。たとえば、片付けに対してこのような目標を立てていませんか?小さなゴミでも、そのまま放置してはいけないデスクの上に、書類を出したままにしてはいけない片付けをする前に、テレビを見てはいけないこれらの目標も、うまくこなせているうちはまったく悪いことは起こりません。しかし、「しまった!できなかった……」という時が問題です。ゴミや書類が少しでも片付けられなかっただけで、「あぁ、もういいや!」となってしまう。A_Team / PIXTA(ピクスタ)テレビを見はじめてしまったら、その時点で「今日はもう無理!」と考えてしまう。プラナ / PIXTA(ピクスタ)これが、「どうにでもなれ効果」の怖いところです。■ 「〇〇する」という、能動的な目標設定に切り替えるまずは、目標設定の仕方を見直してみましょう。前述の目標は、以下のように言い換えることができます。小さなゴミは、見つけたらその場で拾うデスクの上は、何もない状態にしておく片付けが終わってから、テレビを見る(テレビを見たら、片付けをする)Graphs / PIXTA(ピクスタ)「何かを抑制する目標」は、達成できなかった瞬間にすべてが台無しになってしまいます。しかし「〇〇をする」という目標は、たとえその場で達成できなくても、まだ挽回できるチャンスがあります。片付け習慣を身につける時には、「〇〇をする」という能動的な言葉で目標を立ててみてはいかがでしょうか。【参考】※ケリー・マクゴニガル 『スタンフォードの自分を変える教室』
2018年08月23日「もし、この散らかった部屋が綺麗に片付いたら……」片付け習慣を身につけようとする時、「綺麗に片付いたあとのこと」を想像しない人はいないでしょう。ピカピカに磨き上げられたキッチン、ホコリひとつ落ちていないリビング。「綺麗になった部屋を具体的にイメージすれば、片付けに対するモチベーションが上がるはず!」と思いませんか?実はそれ、心理学的に考えると大間違いだったんです!「難題をやり切ったあとのこと」を想像すると逆効果になってしまうという、常識に反するような研究結果があります■ ここに素敵なハイヒールがあります。それを履いたあなたは…。ニューヨーク大学の心理学者であるガブリエル・エッティンゲンの実験をご紹介しましょう。女性の被験者を集めて、2つのグループに分けます。Aグループ……ハイヒールを履いて「足が痛くて辛いわたし」を想像してもらうBグループ……ハイヒールを履いて「都会を颯爽と歩くわたし」を想像してもらうtobe / PIXTA(ピクスタ)想像してもらう時間をとったあと、それぞれの血圧の変化を測ります。するとAグループの被験者は血圧が変わらなかったのに対して、Bグループは血圧が下がったのです。ちなみに、血圧はモチベーションにとって非常に重要な要素です。血圧が下がるということは「リラックス状態」になったことを意味しており、「やる気が出てくる」状況ではありません。■ 「想像上の満足」だけで、人は本当に満足してリラックスしてしまう『「パブリック・コミットメント」ってなに?心理学を応用した片付け習慣・その3』でもご紹介した通り、人は「まだやっていないことを周囲から褒められる」だけでも十分に満足してしまう可能性がります。さらに「まだ達成していないことをやりきった自分」を想像するだけでも、モチベーションを失ってしまう可能性が高いのです。さわだゆたか / PIXTA(ピクスタ)つまり、「ポジティブな想像は、実際の行動力を奪ってしまう」ということです。■ 実は逆効果かも?巷に溢れるモチベーションアップ方法。受験生に対して、「試験に受かった自分を想像しよう!」という号令。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)仕事において、「営業成績でトップになった自分を想像しよう!」という激励。freeangle / PIXTA(ピクスタ)思い当たる方もいらっしゃるのではないでしょうか。これらの「想像上の満足」を与えるイメージは、リラックスするには最適です。しかし、実際の行動を起こすためには逆効果であることが心理学的には証明されています。■ 本当に片付けをしたいなら、想像はほどほどに。雑誌やインターネットで綺麗なお部屋の写真を見て、「こんな風に暮らしたい!」と思うのも大事なことです。お手本がなければ、どこを目指せばいいのか分からないですものね。ただし、片付けに関しては少し注意が必要です。「綺麗になったあとのお部屋のイメージ」よりも、「お部屋が散らかっているという現実」にしっかり目を向けてください。polkadot / PIXTA(ピクスタ)「これをどうにかしなきゃ!」という危機感も、片付け習慣を身につけるためには必要な刺激なのですから。【参考】※ガブリエル・エッティンゲン『成功するには ポジティブ思考を捨てなさい 願望を実行計画に変えるWOOPの法則』
2018年08月03日夏の帰省時は実家の片付けをするチャンス。これから実家の片付けを始めようと思っている方が参考になるよう、具体的なプロセスやちょっとしたコツをご紹介します。【準備編】 【実践編】に続き、2日間かけて取組んだ実家の片付け。いよいよ「完結編」です。■ 45リットルのごみ袋が15袋も!両親と筆者の3人で行った片付けは、とても実りのあるものでした。ごみの量は45リットルの袋が15袋とカゴや突っ張り棒!これらがほぼクローゼット内に収められていたことに家族一同驚くばかりでした。おかげで3か所のクローゼットはスッキリし、妹と赤ちゃんが使う部屋のクローゼットに関しては、空きスペースをたっぷりと確保できました。ハンガースペースを全幅確保!下段は何もなし!【片付け前】無造作収納の掃除用具【片付け後】コロコロ&ワイパーはヒモとS字フックで吊り収納実家の片付けレポート最終回は、小さな工夫や気配りで片付けを成功させる秘訣をご紹介します。■ 昼食、おやつの準備と時間の確保はマスト!おさらいになりますが、片付けは日中におこない、作業時間は多くて5~6時間にとどめておきましょう。意識して準備したいのは、昼食とおやつやお茶の支度です。Fuchsia / PIXTA(ピクスタ)片付けに注力できるよう、温めるだけなどの簡単な食事が良いでしょう。作らない場合は事前に買っておけばすぐに食事ができ、作業で疲れた気持ちとお腹を満たしてくれます。デリバリーを頼むのも良いですね。ちなみに筆者は片付けの日、朝食後にポテトサラダを作り置き。ピザトーストを焼いてワンプレートランチにしました。昼食の時、午後はこの場所をやろう、などと打合せを兼ね親が疲れていないかを忘れずに確認しましょう。母は疲れたようなので、午後は愛犬と見守り役にさらに、おやつの時間を設けることもオススメです。お茶やおやつを口にしながら小休止することで、もうひと踏ん張りできますよ。おやつタイムに母がいつもより高級なコーヒーゼリーを用意してくれました。■ 親のパーソナルスペースには口を挟まないのも気配りこれまで成功談を記してきましたが、実は母と揉めそうになったシーンが2回ありました。1度目は「もう着ない服を処分するか決める時」。Satoshi KOHNO / PIXTA(ピクスタ)母のコート類を整理していた時、30年物のコートが出てきました。母は何年も着ていないけれど、気に入っていたので処分できないと言います。着ないものは処分したほうが良いと思った筆者はそのことを母に伝えたのですが、思いきれない様子。母は久々にコートに袖を通して見せてくれましたが、今の母の体型には大きすぎると思い、率直に「サイズが合っていないよ」と言いました。ですが、母はこの先いつか着る!と強く思っていたため処分せずに残すことにしました。2度目は片付け2日目の出来事。リビングにあるサイドボードを片付け中に、空き缶とノートに挟んだ書類が大量にあるのを発見してしまいました。母に聞くと、支払い明細書や家計簿代わりに残しているレシートの束でした。母は家計簿を付けていませんが、「とりあえず」レシートを残しています。筆者が「家計を管理できているなら家計簿をつける必要はないので、レシートはどんどん処分したらどうか」と提案しましたが、母は捨てたくないようでした。「着ない服を捨てない」「要らない書類を捨てない」という、どこのご家庭にもありがちな些細なことですが、これらは母の「パーソナルスペース」であることに気がつきました。実家には十分に置けるスペースがあったので、母の思いを尊重しその後の管理は母に任せることにしました。近しい間柄だとついつい踏み込み過ぎてしまいますが、個々の心のスペースは適度な距離を取るのが大切だなと強く感じた出来事でした。■ 実家の片付けは余白を残し、この先どうするかは親にゆだねるのも手farmer / PIXTA(ピクスタ)キッチンにいる時間の多い筆者の母。収納に関してお直しポイントをすでにたくさん見つけている筆者ですが、今回キッチンはあえてノータッチ。それは、クローゼット収納の見直しを通じて、母自身にベストな収納方法を少しでも見つけてもらえたら良いなと考えていたからです。事実、母はキッチンに「赤ちゃん関連グッズ置き場」をひとまとめに作り、洗面所の棚の一部を空けて妹のコスメを入れるコーナーを設けるなど、自ら工夫して収納しています。大掛かりな片付けを敢行したことで、母の片付け力は確実に向上しています!いかがでしたか。高いハードルと思われがちな実家の片付けですが、家族が一緒ならきっとクリアできるはずです。家族みんなが健やかに暮らすためにも、この夏トライしてみることをオススメします。
2018年07月25日夏の帰省時は実家の片付けをするチャンス。これから実家の片付けを始めようと思っている方が参考になるよう、準備から作業の手順、処分品まで一挙公開します!前回に続き、2日間かけて取組んだ実家の片づけ。今回は親のお悩みを解消しながら収納スペースを片づける「実践編」です。■ 住む人が使いやすい収納を考えよう筆者の実家は3LDKのマンション。5年前に一部リフォーム済みなので、年季の入った家具はすでに処分しています。大型家具の処分は、事前に自治体へ処分の申込が必要なので、帰省前に親御さんに手配してもらうなどの段取りが必要になります。筆者の実家の見える部分はとてもスッキリ片付いています。しかし、各部屋のクローゼットが今ひとつ機能的でないと感じていた筆者。今の収納法で「使いづらくないか」両親に聞いてみたところ、「出しにくい、使いにくい」と即答。ここで実家にありがちな収納パターンを下記にまとめてみました。モノがカテゴリー別に収納されていない掃除用具を取り出しにくい場所に収納している客布団が出し入れしづらい未開封の贈答品、不用品が収納スペースで幅をきかせているみなさんのご実家にも当てはまることはありませんか?筆者が定期的に整理していますが、なかなかキレイをキープできません。それは両親が悪いわけでなく、実家のライフスタイルに合っていないのです。その家に住む人が使いやすく、リバウンドしない収納にすることが重要です。では実際に、実家の困った収納を解決する方法をご紹介していきます。■ 客用布団、掃除機、孫のおもちゃ…。スムーズな出し入れを考えて収納!画像は実家のメインのクローゼットです。リフォーム前は押入れで現在も上下に仕切りがあります。実家のメインのクローゼットの問題点は2つ。1. 客用布団が出し入れしづらい2. 奥行きがあるため、ついつい奥にものを押し込んでしまう順番に解決していきます。実家の客用布団は現在2組。布団は筆者が月1回泊まる程度なので、普段は1組しか使いません。毎回父と2人掛かりで布団を出し入れし、意外と手間のかかる作業でした。片づけにあたり、クローゼット内部を観察すると、上段の脇に布団をちょうど1組置けそうなデットスペースを発見。布団を立てれば入るかも?筆者は2組の布団を一箇所にしまうよりも、1組だけ出し入れしやすければ良いと考えました。そのことを親に提案し布団の配置換えの許可がおりたので布団を移動。デットスペースに出番の少ない布団が1組収まりました。モノの配置を大きく変えたい場合は、小さなことでも親に相談するのがオススメです。お互い気持ちよく作業できるよう、住人である親の意見を尊重しながら進めてくださいね。配置換え後、布団の出入れがとても楽になりました。不用品の処分もしたので、意外に重い愛犬の「トイレシート」や、別室にあった掃除機を下段に収めることもでき、掃除機があった場所には床置きの健康器具を収めてどんどん良い収納サイクルが生まれてきました!■ 備え付けの棚以外に平置きしないルール作りに着手次に、とりあえず奥に見せたくないものを押し込んでしまうのを止める策として、備え付けの棚以外に平置きしないルール作りに着手。筆者が譲ったセリアのPlentyBoxは「孫の小さなおもちゃ箱」に変身しました。以前はまさかのレジ袋収納でした専用箱に入れることで甥や姪のお片付けが身に付くかもしれない、と期待を込めたアイデアです。未開封の贈答品は譲るか、手間でなければリサイクルショップへ持っていきます。自分が使えそうなモノは遠慮なくいただきましょう。今回の片づけで筆者がもらった品々。祝儀袋を溜め込むのは実家あるあるの1つですね■ 作業員は子ども、親は監督兼助手?軽作業は親に協力してもらおう実家の片づけは役割分担が大切ですが、重労働を親に任せるのは禁物です。今回、吊り下げ収納とハンガーを買ったので、パッケージ剥がし、ゴミ袋用意、ゴミの分別などの軽作業は父にお願いしました。筆者はクローゼットの入れ替え作業を進めながら、手の空いた父に「文具」の仕分けを依頼。左のペン立てに収まった文具以外は処分同時に母にはメイク道具の仕分けを依頼しました。事前に筆者のメイク道具画像を見てもらい、使うものだけを選んでもらいました手前が残すメイク道具。母が常々「重い」と嘆いていた箱も処分して半分以下になりました。「いつか使うもの」「予備」「使わないもの」に分けてもらい、同じものが重複していることに二人とも驚きながら、どんどん仕分けしてくれました。筆者は作業中何度も「今使うもの」「今必要な物」と今という事を連呼していた気がします。片づけることは、「今」という日常をより大事にすることなのかもしれません。次回は実家の片付けが上手くいくための小さな工夫やヒントをご紹介します。
2018年07月23日片付けを続けていると、作業がマンネリ化してくることもあるかもしれません。最初の頃は綺麗になっていくお部屋にテンションが上がっていたのに、一度綺麗になったお部屋を「キープする」のが難しい。目に見えた変化が起こらないというのは、モチベーションが上がりにくいですよね。そんな時に試してもらいたい、簡単なテクニックがあります。■ 人間の感情は操作できる?体を使って心を操る方法。ドイツのフリッツ・シュトラックという社会心理学者が、大学生を対象にある実験を行いました。それは「漫画を読んでもらって、面白さに点数をつけてもらう」というものです。Graphs / PIXTA(ピクスタ)非常に単純な実験ですが、ひとつだけ変わった点がありました。鉛筆を用意して、被験者全員に口でくわえてもらうのです。masa / PIXTA(ピクスタ)学生を2つのグループに分けて、鉛筆のくわえ方を変えてもらいます。Aグループ…鉛筆を横にくわえるBグループ…鉛筆の先をくわえるすると、Aグループの学生の方が「この漫画は面白い!」と判断したのです。同じ漫画を読んだにもかかわらず、なぜ違いが出てしまったのでしょうか?■ 鉛筆をくわえると、口はどうなる?理由は、鉛筆をくわえる動作をしてみると分かります。実際にくわえなくても良いので、くわえた時の口の動きを再現してみてください。Aグループのように横にくわえると、「い」の発音をしている口になります。ICHIMA / PIXTA(ピクスタ)Bグループのように先をくわえると、「う」の発音の口になりますよね。polkadot / PIXTA(ピクスタ)それは、そのまま「楽しんでいる時(笑っている時)」と「不満がある時(すねている時)」の表情そのものなんです。■ 表情が先か、心が先かこの実験から分かるのは、「同じ作業でも、笑顔でやると楽しく感じてしまう」ということ。しかも「鉛筆をくわえる」というのは、「感情を伴わない完全な作り笑い」です。hanack / PIXTA(ピクスタ)それでも、人は「楽しい」と感じてしまうんです。古くからある「笑う門には福来る」ということわざは、実は心理学的にも証明されていたんですね。■ せっかく片付けをするなら、笑顔でやるだけで本当に楽しめる!片付けがマンネリ化してきたら、「音楽を聴きながらやる」「新しい掃除の方法を試す」というのも面白いでしょう。ただ、今すぐにできて効果抜群の方法も思い出してください。それは「笑顔でやる」ということ。kou / PIXTA(ピクスタ)単純なことですが、同じ作業でもきっと楽しめるようになるはずです。【参考】※クラウス・ベルンハルト『敏感すぎるあなたへ緊張、不安、パニックは自分で断ち切れる』
2018年07月22日自宅の片付けがある程度できてくると次に考えたいのが実家の片付け。実家に帰った時、キッチン、水回りや至る場所で「こうしたほうが良いのに」と片付けのお直しポイントを見つけることはありませんか。今回は筆者が実家帰省中に2日間かけておこなった「実家の片付け」の体験レポートです。これから実家の片付けを始めようと思う方が参考になるよう準備から作業の手順や処分品まで一挙公開します!■ 片付けによい時期や期間は?Blue flash / PIXTA(ピクスタ)片付けの時期は、これから始まるお盆休みや9月のシルバーウイークがオススメです。冬は寒いので体が動きにくく、リビングに「こたつ」「ストーブ」などの暖房器具が出ていると生活動線が悪くなり、作業中つまずいて怪我をする可能性があります。さらに「片付けを一度の帰省で終わらせる」と意気込むのはオススメできません。モノを大切にする親世代はモノが多いケースが大半で、1日で完結するのは厳しいと思います。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)片付けは体力と気力を消耗しますので、「1~2日間」「作業時間は1日最大5時間程度」を目安におこなってください。それ以上作業すると、自宅へ戻った時に疲れが出てしまいます。また、帰省中の外出は家族にとっても楽しみのひとつなので、無理なく片付け計画をしてください。また、5月のゴールデンウイークも活動しやすい時期なので片付けによい季節です。■ 「ライフスタイルの変化」が片付けのタイミング実家の片付けは親御さんにとって、「大イベント」として受け取る方が多く、「引っ越し」や「年末の大掃除」以外に大がかりな片付けの必要はないと考える方が多いと思います。kou / PIXTA(ピクスタ)しかし、どんなご家庭にも下記のようなことがきっかけでライフスタイルの変化が訪れます。子どもの独立親御さんの定年退職介護子どもの出産前後の里帰りペット趣味(はじめる、やめる)などライフスタイルの変化と共に身の回り品が増えたり、不要なものが出てきます。筆者の実家の場合、妹が出産後の里帰り中です。里帰り予定の2か月前、両親に「妹と赤ちゃんが来て荷物が増えるのでクローゼット内の整理をしてはどうか」という提案をしました。「片付け」という言葉を聞くだけで両親は「大変そう」と尻込み気味でした。そして、母から「クローゼットに入らなかったら床に置けばよい」との声がありました。【片付け前】両親の寝室(健康器具の床置き発見!)妹の部屋と他の部屋を日に何度も行き来する母や妹を思い浮かべると生活動線である床にモノを置くことは賛成できない筆者。特に慌てやすい母が転倒でもしたら……と思うと、スッキリした部屋は必要不可欠だと感じました。【片付け前】帰省前の妹の部屋(赤ちゃんグッズがスタンバイ)床に整頓せずにモノを置くことは、家族が転倒するなど室内事故の原因にもなるので、老後の家庭内事故のリスクについても話し合うことをオススメします。■ 収納グッズや片付け方法の成功体験をシェアするのがコツ片付けを提案した際、親にお気に入りの収納用品や片付け方法を事前に伝えました。例えば「ニトリの省スペースハンガーで統一したら、収納スペースが増えた」「カバン専用ホルダーを付けたら、散らかりにくくなった」など、取り入れて上手くいった収納用品や方法をシェアすると、親が片付けに興味を示してくれました。実家用に買ったニトリのハンガーとバッグホルダー会話だけでは想像しにくい場合、実際に自宅で使っている様子を事前にスマートフォンで撮影し、画像を見てもらうとよりイメージしやすいと思います。いかがでしたか。画像のようにメインクローゼット収納の入れ替えが完成しました。【片付け前】遠目だとキレイですが、出し入れ困難品が多数……【片付け後】上段はバッグホルダーで仕切りました。右が父用、左が母用次回は実際の様子やポイントをご紹介します。
2018年07月19日片付け習慣を身につけようと思って頑張っていても、どうしても長く続かない。そんな悩みを持っているのは、あなただけではないはずです。「ひょっとしたら、私は片付けに向いていないのかも?」と思っている方に、お伝えしたい心理学の理論があります。ペンシルベニア大学のポジティブ心理学センターにてセンター長を務める、マーティン・セリグマンの研究から導き出された「学習性無力感」という理論についてのお話です。■ 片付けが長続きする人と、長続きしない人にはどんな差がある?あなたの周りで、片付け上手な人はいますか?mits / PIXTA(ピクスタ)その人は、もしかしたら片付け習慣をうまく身につけられたのかもしれません。テキパキと片付けをこなしていて、しかもそんなに苦労しているようにも見えない。そのような人と、片付け習慣が身につけられない人の差はどこにあるのでしょうか?■ 不気味な実験が明らかにした、人間の学習理論。1960〜1970年代にかけて、前述した心理学者のマーティン・セリグマンによってある心理学の実験がさかんに行われました。以下のような、少し不気味な雰囲気を帯びた実験です。被験者をグループ分けして、2日間に渡ってわざと大音量の不快な音楽を聞かせます。GARAGE38 / PIXTA(ピクスタ)そして目の前にボタンを置いておくのですが、被験者には何のボタンかは説明しません。ボタンの役割は次の通りになっていました。Aグループ:押すと音楽が止まるボタン。Bグループ:押しても音楽が止まらないボタン。音楽を流し始めると、Aグループはすぐにボタンの役割に気づきます。そしてボタンを押して、不快な音楽を止めることができました。Bグループの被験者もとりあえず押してみるのですが、音楽に変化がないのでそのまま我慢し続けます。■ ここからが実験の本領発揮!あなたならどうする?翌日にも、やはり被験者に大音量の不快な音楽を聞かせます。すると、今度はグループごとに行動に違いが見られました。Aグループ:ボタンを押して、すぐに音楽を止める。Bグループ:ボタンを押そうとせず、ただ我慢し続ける。Bグループの被験者たちは「押しても、どうせ止まらない」と、諦めてしまっていたのです。Graphs / PIXTA(ピクスタ)実はこのとき被験者には内緒で、Bグループのボタンも押せば音楽を止められるように付け替えてあったんです。押せば不快な音楽を止められるのに、押そうとしなかった。これが、マーティン・セリグマンによる「学習性無気力」という理論を実証した実験です。■ 全員がボタンを押さなかった……わけではない!ところが、Bグループの被験者のうち2日目にもボタンを押した人もいました。0120 / PIXTA(ピクスタ)話を聞いて分析してみると、「挫折は一時的なもので、いずれ克服できる」という楽観主義的な傾向が強かったそうです。割合としては3分の1程度とのことなので、「意外と多いな」という印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんね。「私はボタンを押さない方だろうな……楽観主義者とは違う」と思っても、悲観するのは早すぎます。誰でも楽観主義的な考え方を身につけられる、簡単な方法があります。■ 片付け習慣を身につけたいなら覚えておきたい、「楽観主義的」な考え方とは?片付けは毎日できれば理想ですが、普通に生活していればできない日も当然でてきます。そんな時は「今日できなかった」と落ち込むのではなく、「次にできるまでに何日かかるか」に目を向けてみましょう。例えば、忙しくて10日間片付けができなかったとしましょう。悲観的に考えれば「10日も片付けをサボってしまった私はダメ人間だ……」となりますが、こう切り替えて考えてみます。Deja-vu / PIXTA(ピクスタ)「最後に片付けをした日から、何日で復帰できるかな?」そして見事片付けに復帰できたら、「11日目に復帰できた!」と自分を褒めてあげます。これが12日だろうが、30日だろうがあまり関係ありません。大事なのは「いつ復帰しようかな?」と、片付け習慣への復帰を前提にして考えることです。■ 「片付け習慣を身につける」というボタンを押し続けてみる。あなたが片付けをできなかった日というのは、たまたま片付けができなかっただけなのではないでしょうか。それをつい「もう片付け習慣は身につかないんだ」と考えがちです。それはあなたが悪いのではなく、単純に人はそういう習性を持っているというだけのこと。片付け習慣を身につけた人たちだって、最初から今まで1日も欠かさず片付けをしてきたとは限りません。kou / PIXTA(ピクスタ)そして「1週間くらいできなかったけど、今日はやってみよう!」と、何度もチャレンジしてきたのかもしれませんね。散らかった部屋の中で、あなたの目の前に用意された「片付け習慣を身につける」というボタン。Graphs / PIXTA(ピクスタ)もしかしたら、昨日までの「片付け習慣は身につかない」というボタンと入れ替えられてるかも。今日のボタンは効果があるのか、押してみるまで分からないと思いませんか?【参考】※マーティン・セリグマン『学習性無力感―パーソナル・コントロールの時代をひらく理論』
2018年07月03日忙しい毎日を送る中で、片付け習慣を身につけるのは難しいものです。とくに子育て中の方や共働きの方などは、不意に発生する用事も多いですよね。子どもが熱を出したり、仕事のトラブルで帰宅が遅れたり……。そんな時には、「片付けをしよう!」というやる気自体はあっても、「なんでだろう?結局できなかった……」ということもあるのではないでしょうか。「やる気がないわけではないが、なぜかできない」という現象が起こる原因と、その対策をお伝えします。■ 「なぜかできない……」その原因は、やる気不足ではありません!アリゾナ州立大学で心理学とマーケティングの名誉教授をしている、ロバート・チャルディーニという学者がいます。彼によると、「やる気がないわけではないが、なぜかできない」ということは誰しも頻繁に起こるそうです。ダイエットをしているのにレストランでデザートを頼んでしまったり、運動のために階段を登ろうと決めたのにエレベーターを使ってしまったり……。Key West / PIXTA(ピクスタ)こうなってしまうのは、まだまだやる気が足りないからでしょうか?一概にそうとも言い切れないという、興味深い心理実験の報告があります。■ 薬物中毒患者にも効果抜群だった!「〇〇したら、〇〇する」作戦アメリカでは薬物中毒が深刻な社会問題となっており、中毒患者の更生施設もたくさんあります。施設では退院後の就職のために職務履歴書を書くように勧めていますが、なかなかうまくいきません。freeangle / PIXTA(ピクスタ)そこで、以下のような実験が行われました。Aグループ:「職務履歴書を書いて下さい」とだけ伝えます。Bブループ:「昼食後に食堂の席が空いていたら、そこで職務履歴書を書いてください」と伝えます。YsPhoto / PIXTA(ピクスタ)つまりBグループには、職務履歴書を書くために必要な条件を付け加えたのです。■ 心理学の実験でも稀に見る大差をつける結果にただ「職務履歴書を書いてください」と伝えただけのAグループは、一人も書きませんでした。いつでもどこでも書けるにもかかわらず、一人も書けなかったのです。ただ、この結果自体は被験者の属性を考えれば不思議ではないかもしれません。驚くべきはBグループです。「食堂の席が空いていたら」と条件を加えるだけで、なんと8割の被験者が職務履歴書を書くことができたのです。さわだゆたか / PIXTA(ピクスタ)■ 日常の動作の一つをスイッチにして、記憶を呼び起こす。「やる気はあるが、なぜかできない」その理由は、単に忘れているだけ。より具体的に言うと、「行動するのに適切なタイミングを逃しているだけ」の可能性が高いとロバート氏は分析しています。日常の中で適切なタイミングを逃さないように捕まえれば、物事は習慣化することができます。たとえば、「朝食を食べてお皿を洗ったら、すかさずハンディモップを持つ」「夜の歯磨きを終えたら、そのまま水回りを掃除する」という具合です。mits / PIXTA(ピクスタ)片付けは、空いた時間を使ってやろうとするとついつい忘れがち。日常の動作に組み合わせて、「〇〇したら、〇〇する」という一連の流れで覚えてみましょう。そうすれば、難しく思える片付け習慣も意外とすんなり習慣化できるかもしれません。【参考】※ロバート・チャルディーニ『PRE-SUASION :影響力と説得のための革命的瞬間』
2018年06月25日片付けを進めようと思っても、手につかないこともありますよね。「自分でやろうと決めたのに、今日もダメだったなぁ……」こんな日が続くと、片付けのことを考えること自体が嫌になってしまいます。今回はそんな悩みを抱える人の多くに共通する片付けが陥りがちな問題点と、ビジネスやスポーツの現場でも積極的に取り入れられている「目標勾配仮説」からその対策を解説します。■ 片付け初心者が陥りがちな大きな間違いとは?まず、片付け習慣を身につけようと考えた時のことを思い出してみましょう。その時、あなたはどんな気持ちでしたか?雑誌で素敵なお部屋の写真を見た直後かもしれませんし、誰かが遊びにくると決まったタイミングだったかもしれませんね。YsPhoto / PIXTA(ピクスタ)そんな時には、やはりテンションが上がっているものです。そしてその状況では、人はどうしても思い切った目標を立ててしまうことが多いのです。片付けでいえば「この写真みたいなお部屋を目指す!」とか、「友達に羨ましがられるようなお部屋にしよう!」といった感じでしょうか。つまり、現状からゴールまでの距離があまりにも遠すぎるのです。■ 1世紀近く前から実証されている「目標勾配仮説」とは?1884年にアメリカのニューヨーク州で生まれた心理学者のクラーク・ハルは、若くして腸チフスやポリオに感染してしまいます。一命はとりとめますが、視力の低下や肢体不自由といった後遺症が残りました。しかし、彼は学者としての半生を諦めることはありませんでした。SK Photo / PIXTA(ピクスタ)他人から見れば過酷な状況ですが、その中でも彼は「人のモチベーションはどこから生まれるか」という研究に没頭します。そして数ある心理学の中でも非常に有名で、現在でも有効性が証明されている研究を発表しました。これは「目標勾配仮説」と呼ばれ、ビジネスやスポーツの現場で積極的に取り入れられています。■ 「もう少しで目標達成だ!」という感覚が行動意欲を刺激するこの仮説を分かりやすく一言で言うと、「人は目標までの距離が近くなるほど頑張れる」ということです。逆に言えば、「目標までの距離が遠すぎると頑張れない」ということにもなります。有名な24時間テレビのマラソンの例を考えてみましょう。「24時間で100キロを完走する!」と言うと、とてつもなく困難な作業に思えます。imacoconut / PIXTA(ピクスタ)しかし、こう言い換えてみるとどうでしょう?「普通の速度で24時間歩く」人の歩行速度は平均で時速4〜5km程度。つまりこれは、計算してみるとほぼ同じことを言っています(24時間×5km=120km)。Kazpon / PIXTA(ピクスタ)つまり、休憩時間を考慮しても実は小走り程度で十分クリアできる目標なのです。丸1日寝ずに歩くのは確かに大変ですが、「平均で1時間に5キロ歩けばゴール」と考えてみれば自分でも実践できそうな気がしてきませんか?これが、目標を小分けにした時の効果です。■ 意欲が湧きやすくなる「スモールゴール」とは片付けも同様で、「この部屋を見違えるように綺麗にしよう!」というよりも「まずはテレビボードの周辺を整頓しよう」という方が達成意欲が湧いてきます。このように小分けにされた目標は「スモールゴール」と呼ばれています。先の例で言えば、人によっては「テレビボード周辺」というのも少し大きすぎるかもしれません。kouchan / PIXTA(ピクスタ)もっと細かく、「今日はビデオデッキが入っているスペースを掃除する」「明日は引き出しの中身を確認して、いらないものを捨てる」という目標でも十分です。「綺麗なお部屋」という大きな目標を達成するためには、達成意欲の湧きやすい「スモールゴール」の積み重ねが大事だということを意識してみてはいかがでしょうか。【参考】※Ran Kivetz『The Goal-Gradient Hypothesis Resurrected』
2018年06月18日「片付けをしたい気持ちはあるんだけど、なかなか手がつけられなくて……」という相談をいただくことがあります。この記事を読んでいただいている方にも、身に覚えはないでしょうか?片付けの本を読んだり、道具を買ってみたり……。だけど、いざ片付けをしようとなってもなかなか重い腰が上がらない。そんな時に参考になる心理学の実験が、スタンフォード大学の心理学者であるエイモス・トベルスキーによって行われました。片付けのような作業を進める際に使える、「当たり前のようだけど、実は忘れがち」なテクニックをお伝えします。■ つい忘れがちな「期限」。これがないと片付けは始まらない?「片付けを習慣として身につける」というのは、長期間にわたる作業になります。もしあなたが、「いつも使っているデスクの上を片付けよう」と思ったとします。すると、「今日の夜のうちにやってしまおう」という計画も立てやすいですよね。しかし、これがダイニングルームの場合には事情が変わります。たとえ大掃除のように丸一日かけたとしても、なかなか満足に片付けることができない人も多いはず。しかも、日々の暮らしの中で実践していくには数日〜数週間かけて一部屋を片付けるというケースも多くなります。FUTO / PIXTA(ピクスタ)こんな時に、つい忘れてしまうもの。それは「期限」です。■ 「期限」の効果を明らかにした、スタンフォード大学の実験とは?前述のスタンフォード大学で行われた実験では、学生を2つのグループに分けて、各自レポートを提出してもらいました。Aグループ:無期限で提出を受け付けたBグループ:期限付きで提出を受け付けたtkc-taka / PIXTA(ピクスタ)この2つのグループを追跡調査すると、レポートの提出率に明確な差が出ました。「無期限の方が好きなタイミングで取り組めるから、提出率は高くなるのでは?」と考えたくなりますが、やはりそこは心理学の実験。直感に反する、意外な結果が得られました。■ いつでもできることは、いつまでもやらない!それが人の心理上記の実験では、提出期限がないAグループは25%の学生がレポートを提出しました。これに対して、期限を設けたBグループではなんと66%もの学生がレポートを提出したのです。freeangle / PIXTA(ピクスタ)この種の「期限の有無による目標達成度」を比べる実験はいくつか行われていますが、どれも同様の結果が得られています。レポートの提出に限らず、割引クーポンの使用率でも同様の結果になりました。無期限のクーポンは使用率が低く、期限付きクーポンの方が高い確率で使用されました。これらの実験で判明したのは、「人は期限を設けていないことには時間を使えない」ということです。言い換えると、「いつでもできることは、いつまでもやらない」のが私たち人間の性質なのです。■ もちろん片付けにも応用できる、ジャンル不問のテクニック!期限を設けることを、心理学用語では「ピリオダイゼーション」と呼んでいます。スポーツ選手のトレーニング目標などにも使われているため、体育会系の部活動に所属していた経験がある方は聞いたことがあるかもしれませんね。このテクニックは、短時間で終わる作業よりも長期間にわたる作業にこそ効果的です。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)当然、レポートやトレーニングだけでなく片付けにも効果は抜群。たとえば「今月の31日までにダイニングルームを整頓する」というように、期限を明確に決めることで行動に移せる可能性が高まります。自分自身で期限を設ける「ピリオダイゼーション」というテクニック。「ここまでやったら終了」という明確な終わりが見えにくい片付けですが、期限を区切ることを意識すればきっと習慣化もしやすくなるはずです。【参考】※池田貴将『モチベーション大百科』
2018年06月07日綺麗なお部屋をキープするためには、片付け習慣を身につけることがとても大事。でも時には「面倒だな〜」と感じてしまって、思うように片付けが進まない日もあるでしょう。そんな時には、「どうして片付けをしたいのか」ということを振り返ってみるのも大切なことです。これは、習慣化を扱う書籍などではお馴染みとなっている「目的を再認識する」「初心に戻る」という作業です。ところが、この作業は一歩間違うと逆効果になってしまうことはあまり知られていません。今回は、心理学の実験で判明した「正しい片付け習慣の身につけ方」をお伝えします。■ どうして片付けをするの?その理由を書き出してみよう!xiangtao / PIXTA(ピクスタ)あなたが片付けをしたい理由はなんでしょうか?「友人を招いても恥ずかしくない部屋にしたいから」という人もいれば、「いつも探し物が見つからなくてイライラするから」という人もいるでしょう。この「目的や動機」を思い出すのが、冒頭にお伝えした作業です。Mr.Jub / PIXTA(ピクスタ)用意するのは紙とペンだけでOK!パソコンやスマホのメモ機能でも良いのですが、実物の紙に書いた方が頭の中が整理されるという研究があります。できれば紙とペンを使いましょう。■ 「理由や動機は、数が多いほど良い」というのは間違った思い込み清十郎 / PIXTA(ピクスタ)いざ書き出してみると、パッと思いつくのは2つか3つ程度の人が多いのではないでしょうか。もしかしたら、1つしか思い浮かばない人もいるかもしれませんね。でも、そこで「動機がこれだけしかないなら、そもそも自分は片付けなんてしたくないのかも……」とは思わないでください。これは「理由や動機は、数が多いほど良い」という、間違った思い込みが原因なのです。ましてや、「理由をもっとたくさん探さなきゃ!」と考えてはいけません。それを実証する、興味深い実験をご紹介しましょう。■ 課題は多いほど良いわけではない!? 経営者対象の実験で出た意外すぎる結果とは?saki / PIXTA(ピクスタ)ペンシルバニア大学の組織心理学者であるアダム・グラント氏は、会社の経営者を集めて2つのグループに分けました。そして、「自分の会社の強みを書き出す」という課題を与えます。Aグループには、強みを3個だけ書いてもらいます。そして、Bグループには12個書いてもらいました。そして課題を終えたあとに、「自分の仕事にどれくらい満足しているか」というアンケートを取りました。繰り返しになりますが、彼らは全員が会社の経営者。当然ながら、自社の強みについてたくさん書けた方が満足度が高くなりそうだと予想できます。ところが、結果は意外なものでした。■ 数が増えると、「書き出したもの」が重要に思えなくなる。polkadot / PIXTA(ピクスタ)なんと、自社の強みを3個だけ書き出したAグループの方が、12個書き出したBグループより仕事に対する満足度が10ポイント中で平均2.5ポイントも高くなったのです。理由としては、「人は直感的に思い浮かぶもの以外にはあまり価値を見出せない」ということがあるようです。つまり、12個も書いていくうちに「うちの会社の強みって、大したことじゃないかも……」と感じてしまったということです。これを片付けに当てはめて考えると、次のようなことが言えます。■ 最初に思いついた数個の動機を、何度も思い出して大切にする。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)部屋を片付けるのに、いくつも理由や動機を考える必要はありません。それどころか、数が多すぎると逆効果であることも心理学の実験で分かっています。なので、最も効果的なのは「パッと思いつく理由や動機を、何度も思い出す」ということなのです。あなたは、どうして部屋の片付けをしようと思ったのか。Graphs / PIXTA(ピクスタ)片付けが面倒になってきた時は、紙とペンでその理由を書き出してください。2〜3つあっても良いですし、1つだけでももちろん大丈夫!その1つだけの動機を忘れないようにすれば、きっと片付け習慣も身につけることができます。【参考】※THE WALL STREET JOURNAL.『あなどれない「手書き」の学習効果』※アダム・グラント『ORIGINALS誰もが「人と違うこと」ができる時代 』
2018年05月30日「片付けを習慣にして、綺麗な部屋を目指そう!」と思っても、なかなか一朝一夕にはできないのが現状です。「私はなんでできなのか…。そもそも片付けができない人間なんだろうか。」と悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。前回は、片づけが、つい先延ばしになる原因を解説しました。今回は、ハーバード・ビジネス・スクールのテレサ・アマビール教授が発表した「進捗の法則」を参考に、片づけの習慣に応用できる方法を紹介。原因解消には、モチベーションの維持と進捗状況の確認が秘訣のようです。プラナ / PIXTA(ピクスタ)■ 片付けは続けることが一番大切!心理学に基づく「続けるテクニック」とは?kou / PIXTA(ピクスタ)気分が落ち込んでしまうと、片付けそのものに対するモチベーションが低下してしまいます。結果として、お部屋は散らかったままに。モチベーションはさらに下がるという、まさに負のスパイラルです。そこで、ハーバード・ビジネス・スクールのテレサ・アマビール教授が発表した「進捗の法則」という考え方に基づくテクニックをご紹介します。片付けは「一度の作業ですべて綺麗になる」というものではないので、日々続けるためのモチベーションが一番大事。モチベーションを維持するための、効果的な考え方を身につけましょう!■ どこに意識を向けるかで全然違う!モチベーションを維持する秘訣とは?TATSU / PIXTA(ピクスタ)「今日も片付けをするぞ!」と思うと、つい「今から片付ける場所」に目を向けがちです。片付けるべき場所は、リビングのソファ周辺や脱衣所の棚の中など、考えただけでもたくさんあります。そうなると、やっぱり片付けをするのが億劫になりますよね。そんな時は「今から片付ける場所」ではなく、「すでに片付けた場所」に意識を向けましょう。最初は書類や郵便物が散らばって手狭になっていたダイニングテーブルが、今では食事だけで広々と使えるようになっている。使いかけの備品が散乱していた洗面所が、必要最低限の物だけになってすっきり整頓されている。そんな「すでに片付けをした場所」に注意を向けてみてください。そうすると、「最初から考えれば、少しは片付いたかな。よし、続きをやろう!」という気持ちになれるのではないでしょうか。■ 目標に対しての「進捗状況を実感」できると、モチベーションが上がる!タカユキ / PIXTA(ピクスタ)これは、「目標に対してどの程度の進捗状況かが把握できると、人の生産性は高くなる」という理論に基づいています。登山やマラソンで「ゴールまで残された距離よりも、今まで進んできた道のりを振り返ったほうが楽になる」という経験をしたことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか。片付けも一緒で、「すでにこれだけの場所を綺麗にできた」という感覚を持つことができれば、手付かずの場所の片付けに対してもモチベーションを上げやすくなるのです。■ 片付けた場所を、成果として写真で記録しよう!freeangle / PIXTA(ピクスタ)「進捗の法則」をより効果的に利用するのにオススメなのは、「小さな範囲でもいいから、片付けた場所を写真に撮る」ということです。誰かに見せるためではなくて記録用なので、スマホのカメラでも十分です。そして、片付けのモチベーションが下がりそうな時に振り返ってみてください。きっと「よし、他の場所もやってみよう!」と思えるはずです。少なくとも、「片付けられない自分」というマイナスな考えに悩まされる心配はありません。注意点としては、そのままスマホいじりに熱中してしまわないこと!それは前回の記事を参考にしてみてください。そこだけ注意していただければ、写真に撮っておくという方法にはもう一ついい効果があります。■ 人間は忘れっぽい!なので、写真であとから振り返ることができるようにしようさわだゆたか / PIXTA(ピクスタ)いくら片付けをしっかりしても、暮らしているうちにお部屋はまた散らかっていくことがあります。時間が経ってからまた片付けようと思っても、「ところで、前回はどんな風に片付けたんだっけ?」と記憶が曖昧になっていることもあるでしょう。そんな時でも手元に写真データがあれば、どこに何を収納するのかすぐに思い出せます。あるいは、前回よりも効率の良い収納方法を思いつくかもしれません。つまり、過去の自分を参考にできるということです。せっかくの片付けの機会を一度きりのものにせず、毎回アップデートしていくことができるんです。【参考】※テレサ・アマビール『マネジャーの最も大切な仕事――95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力』
2018年05月14日「お部屋の片付け、習慣にしたいなぁ……」と思っているあなたにも、こんな経験がありませんか?polkadot / PIXTA(ピクスタ)いざ片付けをしようと思ったところに、ちょうどLINEの着信が……。返事をした手で、そのままなんとなくFacebookを開いて友達の投稿に「いいね!」をしたら、「そう言えば、行ってみようと思っていたレストランのランチ、明日もやってるかしら?」と気になり始めてGoogleを起動。ついでにTwitterで口コミをチェックしていたら、気づけば1時間近くが経過し、結局、今日も片付けはできずに先延ばしに……。どうして、「やらなければ!」と分かっている片付けでも先延ばししてしまうのでしょう?今回は、その原因について考えてみましょう。プラナ / PIXTA(ピクスタ)■ 人なら誰もが持っている!? 先延ばしの原因とは?sasaki106 / PIXTA(ピクスタ)カナダにあるカルガリー大学のピアーズ・スティール教授の研究によれば、人が先延ばしをする大きな原因として「衝動」というものがあるそうです。目の前に魅力的な何かがあると、つい衝動的にそちらに気を取られてしまうという経験、ありますよね。例えば、つい、美味しそうなお菓子を食べてしまうつい、新しい洋服を買ってしまうつい、スマホでSNSを見てしまう実はこの「つい、〇〇してしまう」のが、いろいろな物事の習慣化を妨げる要因になっているんです。■ 衝動的な気持ちは20秒我慢すればおさまる!セーラム / PIXTA(ピクスタ)人なら誰しも持っている「衝動性」ですが、じつは簡単に抑える方法があります。研究によると、人は衝動を感じてから20秒間我慢できれば「〇〇したい」という気持ちを抑えることができるそうです。20秒と聞くと短そうですが、実際にじっとしていると意外と長い時間です。そして、いつも20秒間我慢できるとは限りません。肉体的、あるいは精神的に疲れていたりすると衝動を抑えるのはとても難しくなります。そこでオススメなのが、「衝動を感じた物事に対して、アプローチするのに20秒以上かかる環境を強制的につくる」という方法です。■ 「スマホの置き場所」は少し面倒な所にする!Graphs / PIXTA(ピクスタ)現代人が、「つい時間を使ってしまう」という代表格がスマホです。そこで、本気で片付けの習慣を身につけたい人にオススメの方法です。スマホの定位置を、すぐ手に取れない場所にしてしまいましょう。普段リビングで過ごしているなら、少し離れた部屋に置いてみてください。クローゼットの中や洗面所、2階にある廊下の突き当たりも良いかもしれません。「立ち上がってわざわざ取りに行く」という行動が必要になる場所であれば、どこでも大丈夫。いつも充電器をそこにセットしておき、帰宅したらそこで充電するという癖をつけるのも効果的です。■ スマホを置く場所を変えられなければ「機内モード」に!「充電場所まで変えるのはさすがに面倒だな……」という方は、機内モードでも良いでしょう。実際、筆者は家に帰ってからは特別な用事がない日は基本的に機内モードにしています。それだけでも、「不意に届いた通知に気を取られて、つい時間を奪われる」というリスクを抑えることができます。通信機能が使えないだけなので、カメラやメモが使えるという点では便利な方法です。もちろん、いっそのこと電源を切ってしまってもOK!です。再起動までに20秒程度はかかるので、そもそも電源を入れる気すら起きなくなります。■ 掃除道具は20秒以内に手に取れる場所に!遥花 / PIXTA(ピクスタ)スマホとは逆に、掃除道具はすぐに手に取れる場所に置くことが大切です。できれば、20秒以内に取れる場所が理想です。使う道具はすべてでなくて構いません。とにかく「片付けを始める」きっかけにさえなればいいので、ハンディモップ1個や雑巾1枚でも全然OK!いつも座っているソファの近くに収納があれば、一番手の届きやすい引き出しに入れましょう。そして「あ、片付けしなきゃ」と思ったら即、行動に移すのがコツ。脳が「やらない言い訳」を考える時間を与えないのも、習慣化にはとても大事なことです。【参考】※ピアーズ・スティール著『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』※CTV NEWS『Procrastinate much? How 20 seconds could help keep you on task』
2018年05月09日前編につづき、心理学で片付けが週間づく方法を、ハーバード大学院の教授のトッド・ロジャース(Todd Rogers)が発表した論文『Reminders Through Association.』を参考にご紹介しています。後編では、論文を参考に応用した、片付けのテクニックです。誰でも簡単に実践できますので、ぜひ試してみてくださいね。つむぎ / PIXTA(ピクスタ)■ イラストの方がインパクト大!文字はあまりにも身近にありすぎて注意を引かないGraphs / PIXTA(ピクスタ)まず【前編】で出した問題の答えからご紹介いたしましょう。出題は以下になります。無作為に選んだ人を対象にして、「コーヒーショップのクーポンを渡して、忘れずにそれを使ってもらう」という課題を与えます。そして、コーヒーショップのレジには以下の2つの方法をリマインダーとして設置しておきます。A.レジの横に、「クーポンを使う」と書いた紙を貼っておく。B.映画『トイ・ストーリー』に出てくるキャラクターの写真を見せて「この写真を見たらクーポンを使う」と覚えておくようにあらかじめ伝えておく。そして、その写真をレジの横に貼っておく。どちらのグループが、クーポンを忘れずに使う確率が高かったでしょう?Graphs / PIXTA(ピクスタ)「そりゃ文字で書いてあるAグループでしょ!Bグループの写真なんて、なんの意味もないじゃない」と思うところです。しかし実験の結果、なんとBグループの方がクーポンを使う確率が36%も高くなったのです。500人の被験者を対象に行われたので、信頼性はとても高い数字です。これは多くの人にとって意外な結果だったと思いますが、それが心理学の面白いところ。「普通」や「常識」というものを心理学で研究してみると、実はあまりあてにならないこともあります。現代人にとって文字はあまりにも身近にありすぎて注意を引かず、見てもすぐにその場で忘れてしまう傾向があるようです。スマホのカレンダー機能やリマインダー機能も同様で、文字で通知されるため「重要性」が認識されにくいのでしょう。■ なんでこれがここに?目を引かす、注意を引かせることが大事!TATSU / PIXTA(ピクスタ)それに比べて、「目を引くもの」のリマインド効果は非常に高くなります。「なんでこんな場所に、これがあるの?」という注意を引いてくれて、それから「あ、そういえば〇〇をしなきゃ!」と思い出すことで脳の中で意識を連結させた方が、人は実際の行動に移しやすくなるということです。では、この「Reminders Through Association(邦訳:連想リマインダー)」と呼ばれるテクニックを、お部屋の片付け習慣を身につけるために活用するにはどうすれば良いのでしょう?いま、お部屋を見渡してみてください。「これ、なんでこんなところにあるんだっけ?」というものがありませんか?それを、リマインダーとして設定してみるといいでしょう。■ できるだけ「変なモノ」を!その環境に似つかわしくないモノで習慣づける実験によると、あまりにも周囲の環境と馴染んだものには「連想リマインダー」は向いていないようです。例えば、キッチンの中で食器をリマインダーにしようとしても、それはあまり効果がないということです。そのような場合は、数年前の旅行でお土産に買った奇妙な色の人形でも、抽選でもらった変なロゴが入っているマグカップでもなんでも構いません。大事なのは、「その環境に似つかわしくなくて、なるべく目を引くモノ」ということです。違和感があればあるほど効果的なので、あえて目を引く変なものを探してきて置くのもアリです。ちなみに、筆者の場合は100均で買った「だるま」を使っています。真っ赤で目を引いて、そこに存在する必然性がまったくないのでリマインダーとしては最強です。そして、それを見たら「10分だけ片付けをする」と決めてください。片付けの場所は、決めなくても大丈夫。最初のうちは、とにかく10分だけ時間をとって片付けをすることを習慣にしてみましょう。■ 目を引くモノだけに、悪目立ちを避けるにはどうしたらいい?Ryu K / PIXTA(ピクスタ)「連想リマインダー」の欠点としては、リマインダー自体が変なものであるが故に、どうしても普段から目を引いてしまうことです。そこで、「毎日視界に入るけど、自分しか見れないような場所」に置いておくのがオススメです。女性なら毎朝使う化粧品を入れた棚の中でもいいですし、男性ならスーツをしまっているクローゼットの中でもいいでしょう。そして、それを見たら「そうだ、10分間掃除をするって決めたんだ!」と思い出してください。紙のメモやスマホのカレンダー機能より、片付け習慣を身につけられる可能性がグッと高まります。片付けを習慣化するテクニックはいくつかありますが、その中のひとつとしてぜひ試してみてはいかがでしょうか。(おわり)【参考】※Todd Rogers『Reminders Through Association』※Todd Rogers(ハーバード大学 公共政策大学院HPより)
2018年04月26日「よし、今日からお部屋の片付けを習慣にしよう!!」と思い立つ時ってありますよね。そんな時に「何かいい方法ないかな?」と考えてインターネットで調べてみたり、本を探して読んでみる人も多いでしょう。「よし、頑張ろう!」と決心はするものの、なかなか続けるまではいかないのが現状です。そこで、ハーバード大学院の教授のトッド・ロジャース(Todd Rogers)が発表した論文『Reminders Through Association.』に、とても参考になるものを見つけました。この論文を応用したお片付けテクニックを、前編・後編に分けてご紹介します。前編では、片付けができない原因で起こりがちな考え方についてお話します。つむぎ / PIXTA(ピクスタ)■ ほかの用事でつい後回し!どうしても思い通りに進まない片付けUshico / PIXTA(ピクスタ)「あ、もう子どもを迎えに行かなきゃ!」「そういえば、そろそろお醤油がなくなりそう。スーパーに買いに行こう!」このように、いろいろな用事に時間を取られて、気づけばもう夜。Ushico / PIXTA(ピクスタ)「今日はもうできないから、明日やろう……」と、仕方なく諦めて就寝。朝起きれば、次の日には別の用事が目白押し。部屋の片付けはすっかり忘れてしまって、「また今度の週末にでも……」と思ったまま、やっぱり週末も予定で埋まって片付けができないまま。そこで忘れないようにと思って紙のメモやスマホのスケジュールを使っても、その場では「そうだよね、やらなきゃな。」と思いながら、ついつい先延ばしにしてしまう。toronoco / PIXTA(ピクスタ)この状態が続くと、人はこう考えがちです。「自分は、もともと片付けができない人間なんだ。やろうと思っても、すぐ忘れてしまう。きっと性格の問題だからしょうがない」そして片付け自体を諦めてしまい、世の中でたくさん紹介されている片付けのノウハウも活用されません。でも、「片付け習慣が身につかないのは性格のせい」というのは大間違い!それは性格のせいではなく、ただ単に片付けを習慣化するテクニックを知らないだけなんです。■ 心理学を応用すれば、どんな人でも片付けができるようになる?Deja-vu / PIXTA(ピクスタ)日本はもちろん、世界各国の大学をはじめとした機関では心理学の研究が盛んに行われています。有名なものでは「囚人のジレンマ」や「ラベリング効果」というものがあり、経営書や自己啓発書ではよくこれらの単語が登場します。しかし、心理学で研究された内容は経営や自己啓発だけにしか使えないわけではありません。心理学は、人間の精神や行動を研究する学問です。当然、片付けの習慣化にだって応用できます。それでは「片付けが習慣化できない」と悩むあなたのために、心理学的に実証されている方法をご紹介します。■ ハーバード大学院の教授による常識と反するテクニックとは?Graphs / PIXTA(ピクスタ)ハーバード大学院の教授のトッド・ロジャース(Todd Rogers)が発表した論文『Reminders Through Association.』で、面白い研究成果が報告されています。その報告をご紹介する前に、ひとつ問題をお出しします。無作為に選んだ人を対象にして、「コーヒーショップのクーポンを渡して、忘れずにそれを使ってもらう」という課題を与えます。そして、コーヒーショップのレジには以下の2つの方法をリマインダーとして設置しておきます。A.レジの横に、「クーポンを使う」と書いた紙を貼っておく。B.映画『トイ・ストーリー』に出てくるキャラクターの写真を見せて「この写真を見たらクーポンを使う」と覚えておくようにあらかじめ伝えておく。そして、その写真をレジの横に貼っておく。さて、2つのグループのうち、どちらがコーヒーショップのクーポンを忘れずに使う確率が高かったでしょう?後編では、実験結果と実際の活用例をお伝えします。(つづく)【参考】※Todd Rogers『Reminders Through Association』※Todd Rogers(ハーバード大学 公共政策大学院HPより)
2018年04月25日ひと口に「整理収納」「お片付け」といっても、一人一人悩んでいるポイントは異なります。ご自身のこと、ご家族のこと……。それこそ“汚部屋”でお悩みの方から、よりキレイに、より美しく収納を構築したいという向上心の高い方まで様々です。そのため、筆者のお片付け講座に来ていただいた方からは、講座の後にピンポイントで悩みを相談されることが多いんです。今回は、講座に参加されていた「よりキレイに」を求める方が悩んでいた「家族が服を脱ぎっぱなしにする」問題の解決法についてご紹介したいと思います。Graphs / PIXTA(ピクスタ)■ 自分に向いている「収納の構築法」や「片付けルール」を探すRina / PIXTA(ピクスタ)ある相談をされに来た方の話です。整理収納に関する意識が高く、片付いていない状況にストレスを感じる方で「仕事から帰ってくると、家族の衣類などがソファーや床に乱雑に置いてあってストレスになる」と悩んでいらっしゃいました。片付けの仕方については「モノを使ったらすぐに定位置に戻せる」人もいれば、「まとめて定位置に戻す」方が習慣化しやすいという人もいます。でも、筆者は無理に最初から定位置に戻さなくても良いと考えています。日常行う単純作業は、ほとんどの方が「ルーティーン化(決められた一連の動き)」していて、それをすぐに変えることにストレスを感じる方の方が多いからです。ストレスを解消する生活を送るための整理収納なのに、ストレスを増大させては意味がないですよね。■ すぐ片付ける気になれない人には「モノの一時保管場所」を!MN4 / PIXTA(ピクスタ)このように、すぐに片付ける気になれない方にオススメしたいのは「モノの一時保管場所」を作ることです。脱ぎっぱなしにするご家族がいるなら、脱ぐ場所の近くに一時保管用のカゴを置いておきます。クローゼットのある部屋に行くとき、あるいは寝る前にカゴを持って行くようにすれば、自然と片付ける習慣が身に付きます。Graphs / PIXTA(ピクスタ)他にも、例えば旦那さまが帰ってきてカバンやスーツをリビングに脱ぎ捨てる……なんて行為が日常的であれば、スーツの一時置き場をリビングや玄関に作りましょう。衣類をサッと掛けられる「ウォールハンガー」や「ポールハンガー」などを置くのがおすすめです。お子様の上着などであれば、カゴでも良いでしょう。いかがですか?「家族が片付けてくれない」「協力してくれない」とストレスを感じるよりも、どうしたら片付けられる習慣がつくようになるのか考える方が前向きですし、ストレスも軽減されますよ。ぜひ試してみてくださいね!(written by 伊東隆志)
2018年04月09日家賃10万円の賃貸で、部屋の1/5を不要品が占拠しているとしましょう。すると、ひと月2万円の無駄遣いになっていますよね。このようにお片付けと家計を結びつけた考え方をしてみると、効率よくお片付けするにはどうしたら良いかが見えてきます。今回はプロのファイナンシャルプランナーでありお片付けアドバイザーの橋本絵美さんに、お片付けと家計管理の観点から上手なお片付けの方法を教えていただきました。「モノ」は増えているのに「お金・時間・空間」は減っている快適な暮らしは、何で決まるのでしょうか?普段からファイナンシャルプランナーとしてさまざまなご家庭の相談を受けている橋本さん。幸福を決める要素は4つあるそうです。それはズバリ、「お金、空間、時間、モノ」。これらはお互いに関わりあっているのです。例えばお金で道具を買う(お金が減る)と、管理しなければいけない(時間が減る)、置き場所が必要になる(スペースが減る)、モノは増えるなどです。大切なことは、モノが増えると「お金・時間・空間は減る」こと!物はたくさん持っているのに、とても暮らしづらい……。そんなことはありませんか?取材にご協力頂いた、橋本絵美さん。ファイナンシャルプランナーとして活動するほか、お片付けと家計を結びつけたセミナーを開催しています。「モノ」は循環させるべき実はモノにはライフサイクルがあるんです。今日必要なものも、明日には必要なくなっているかも知れません。自分にとって不必要になったモノが、次の日には友人にとって必要なモノになっているかも知れませんね。必要なモノは惜しまずそろえる!不要になったら手放す!ということを実践すれば、モノもお金も循環し、それらに執着することがなくなります。その分豊かな暮らしに気持ちを向けることができる。これほど幸せなことはありませんね。「使うかも」「高かったから」「買ったばかりだから」は禁物橋本さんのご自宅の現在の冷蔵庫とキッチン高価なお買い物だったとしても、必要性が欠けたなら手放すことが大切です!橋本さんも高価な家電を手放した経験があるそうです。橋本さん宅では、500リットルサイズ(20万円クラス)の大家族用冷蔵庫を購入。将来使うことを予想しての購入でしたが、大きくて掃除しきれなかったり、子どもが自分でモノを取れなかったりと、ストレスになることも多かったそうです。橋本さんは思い切って新品の冷蔵庫を買い換えたそう。7人家族になった今でも、270リットル(5万円)を使用しているとのこと。この冷蔵庫によって、掃除がしやすくなり、サイズダウンでキッチンのスペースが空いたり、子どもたちが自分でモノをとれるようになりました。購入する食材が厳選されるのでムダもなくなりますよね。ちなみに、もともとの冷蔵庫はフリマアプリで、7万5000円で売れたそうです。新たな手出し0円でコストを削減できることがあるんですね♪最も効果を感じやすいのは……キッチン!キッチンはお料理で一番時間を割く場所です。それだけに時短ができているか、ストレスなく家事ができているか最も顕著に表れてしまうところ。キッチンの掃除をスイスイ進めるにはポイントがあります。まず食材を処理することです。賞味期限が切れているかどうかでサクサクお掃除を進めましょう。毎日使うスペースなので使っている・いないもわかりやすいですね。食材はすべて冷蔵庫へしまってしまえば、管理が楽になります。レシピも思い浮かび安くなり一石二鳥です♪調理器具は、用途ごとに一つに絞ってしまいましょう!おたまとレンゲ、ボールをどんぶりで代用、ひとつに絞っては?こういった家事の中心になる場所を整理すると、圧倒的に効率が良くなったのが実感しやすいとのことです。収納グッズが解決するのはそのときだけ大きくお片付けをしたいなら収納を整理しちゃいましょう。基本テクニックは「全出し」!「服が入らないから収納グッズを買おう」で解決するのはそのときだけです。「友だちが来るからちょっとキレイにしたい」なら、収納グッズでお片付けもオッケーです。ですが、収納グッズを買うと、スペースが埋まる、着ていないはずの洋服が処理できない、設置・利用・スペースにコストがかかるなど、あとで大変になってしまう可能性が高くなります。「住みやすく、暮らしやすくしたい」なら、中身をきちんと選別しましょう。例えばこの押し入れは、0.5㎡ほどの空きスペースとなってしまっています。35㎡の賃貸だとすれば0.01%が使われていないことになります。つまり、家賃10万円なら月々1,000円のムダ遣いと言えないでしょうか?手放すときも、気持ちよく!おトクに!お片付けをしていると、手放そうか迷うモノもあるでしょう。でも、悩んでいる時間にも、コストがかかっています。決断しにくいモノは、思い切って手放しちゃいましょう。捨てることに抵抗がある人は、「売る」と「譲る」がオススメ!基本は「売る」。中古買い取りショップやオークションなど、中古品を待っている人がたくさんいます!家電の付属品などは、キレイな内に手放してしまうことで買い手が付きやすくなります。もちろん、高価なモノは高く売れることもあります。「譲る」のも重要なポイント。利用しやすいのは病院や学校、幼稚園に「寄付」することです。また、ご近所さんで「ご自由にどうぞ」コーナーをつくると、廃棄しにくいモノも意外と持って行って貰えることがあります。橋本さんが大切にしているのは、ママ友ラインでの呼びかけ♪普段から自分のモノを譲っていれば、自分が欲しいときに譲って貰えるようになります!片付けもやりくりも上手につきあっていきたいお片付けをすることは、家計管理にも繋がっているんです。お片付けとの上手な付き合い方を知ることで、快適な暮らしを手に入れていきたいですね。●取材協力橋本絵美ファイナンシャル・プランナーお片づけ・プランナー慶應義塾大学商学部卒。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。2種証券外務員。子供10人の幸せ大家族を目指す、1男4女を育てるママFP。子供=お金がかかるという考え方ではなく、子供は宝であり、ママたちが安心してもう一人子供を産めるようにサポートしたいという思いからFPとなる。貯まる家計の仕組みづくりと子どもがいてもすっきり片付く部屋づくりのアドバイスを得意とする。幼少時より蓄えてきた知恵と自身の経験を生かし、幸せな家庭を築くための提案を行っている。明日から使える節約コラムやママ向けセミナーも好評。
2018年03月19日毎日使うキッチン。お料理好きであればあるほど道具も多くなりますし、どうしても散らかってしまいがちですよね。そこで、今回はお片付けのプロ「インブルーム」のお片付けコンシェルジュのテクニックを伝授していただきました。プロならではの視点は、「なるほど」と納得させられることもたくさん。実体験しないとわからないことも、いっぱいありました♪使いやすくて、散らからないキッチンにするためにヒアリングお片付けをレクチャーしてくれたのは、個人宅から企業まで幅広く整理・収納サービスを手掛けている「インブルーム」の須田木実さん。専門の研修を受けた「お片付けコンシェルジュ」で、いわばお片付けのプロ中のプロです。モデルのキッチンは、東京都中野区にお住まいの30代主婦、マユさんのご自宅です。共働きで、お片付けをする時間がなかなか取れないそう。ダイニングキッチンが狭く、食器棚を置くスペースがありません。須田さんのヒアリングの様子。最初はマユさんも緊張気味です。お片付けコンシェルジュの須田さん(右)が、「料理は毎日しますか?」といった基本的なことから「お片付けの頻度は?」といった項目をヒアリングしていきます。驚いたのは、マユさん(左)の勤務体系までヒアリング項目があったことです。その理由は、後でわかりますよ♪キッチンビフォー状態は…こちらはお片付け前のキッチン。食器や調味料があちこちに散らばって収納されている上、さらに入り切らない食器がカウンター上に散らばっています。全部、出しちゃいましょう!キッチンのお片付けの基本は、吊り戸棚やキッチン下収納にあるモノを「一度全部出す」ことです。写真はキッチン下収納にあったモノだけですが、この量です。不用品もいっぱいありそうです。取捨選択しましょう!フレンドリーな須田さんに、マユさんの緊張もほぐれていきます。収納の中のモノを全部出すことによって、不用品がいっぱいあることに気付きます。ここで、お片付けコンシェルジュの須田さんがマユさんに質問します。「使う」「使わない」「迷う」の3択でモノを振り分けていくんです。ひとつのモノについて考える時間は「5秒」。じっくり考える必要はありません。上の写真の100均の水切りシートは4つも同じものがありました。「使うかと思って買ったんですけど、一度も使ってないですね」とマユさん。つまり不用品ですね。「これからは試しにひとつ買ってみて、活用できると思えばまた買うといいですね」と須田さんからアドバイス。単に片付けを教わるだけでなく、今後の買い物の参考にもなりますね。賞味期限の切れた調味料もたくさんありました。スペースを無駄にしてしまっていたんですね。引き出しの中には、菜箸が4本もありました。メラミンスポンジもいっぱいありすぎです。いつの間にか増えてしまったものです。お片付けをすることによって、「あれ、スポンジどこにいっちゃったかなぁ。また買おうかなぁ」といった不要な買い物を避けることができるようになりますね。プロの使えるノウハウ♪両方とも100均で買えるプラのバスケットですが、左のほうがすっきりして見えませんか?右の丸空きのほうは、中身が丸見えですよね。「バスケットは、四角いメッシュのほうがスッキリ見えます」と須田さん。また、〔セリア〕や〔キャンドゥ〕で取り扱っている〔イノマタ化学〕の100均グッズは、メイドインジャパンでクオリティが高いそうです。四角いバスケットもイノマタ化学製。インブルームとコラボ開発しているグッズもあります。排水口に放り込んでおくタイプのパイプ洗浄剤は、いらない部分をハサミでカットしてスペース効率を高めます。同じようなアイテム、ほかにもありますよね。左がよく使うタッパー、右があまり使わないタッパー。こうしてよりわけておけば、調理時間の短縮にもつながります。バスケットにモノを収納する際には、何が入っているのか細かく書いておきます。面倒に思うかもしれませんが、あとで書いておいてよかった!と思うはずです。お片付けコンシェルジュは、マユさんの仕事が夜勤もありハードなことも考慮に入れて、「使いやすさを」をポイントにお片付けをアドバイスしてくれます。それでは、細部のビフォーアフターを見てみましょう!「不要なモノは捨てる」「よく使うものを手前に」という効率面も考えられたビフォーアフターを見ていきましょう♪吊り戸棚は…ビフォーアフタータッパーなど、マユさんがよく使うもモノは吊り戸棚の下側に、上側には身長のあるご主人のモノを収納しています。引き出しは…ビフォーアフター「どこに何があるかわからない」状態の引き出しが、すっきりしました♪キッチン下(流し下とカウンター下)ビフォーアフター食器棚がないためモノがまだ多めではありますが、使いやすさでは以前と雲泥の差があります。ポイントは「縦の動線」です。流しの下にはスポンジやケミカル類など流しに使うモノを収納。カウンターの下には、料理に使う調味料が収納されています。キッチン下(コンロ下)ビフォーアフターマユさんが一番感動していたコンロ下の収納部分。ファイルボックスを使うことで、フライパンや鍋を縦に収納するというプロ技が光ります。お片付けにひとりで悩むことはありません♪実は最初マユさんは、お片付けを人に教えてもらうのにやや抵抗があったそう。「自分がダメ主婦みたいで」……その気持ち、わかります。でも、共働きであったり、子供の世話が忙しかったり……今の世の中、お片付けに集中できないのも仕方がない場合もあるでしょう。そんなとき、ちょっぴり勇気を出してプロのお片付けコンシェルジュに相談してみるのはいい手かもしれませんよ。今回のキッチンお片付けによって、「よく考えれば、ダイニングキッチンにある三段ボックスの中身っていらないものばっかりだなぁ。三段ボックスを捨てれば食器棚が置ける!」と新発見があったそうです。お片付けをきっかけに、モノや整理に対する考え方そのものが変わるかもしれませんね。プロの技が光る収納インブルームって?インブルームは、個人、法人のお片付けコンシェルジュと整理収納アドバイザーなどの資格講座を行っている会社です。東京に30名、大阪に20名のお片付けコンシェルジュが在籍しています。今回のキッチンお片付けでお願いしたのは、プチコンサルティングと作業代行を合わせてスタッフ1名、2.5時間/12,000円のお試しコースです(取材時は撮影の時間短縮のため、2名での作業をお願いしました。通常はお試しコースだとキッチン下収納くらいまでということです)。リピーターも多く、そのほかのコースもたくさんあります。キッチンに限らず、クローゼットや洗面所のお片付けに関しても定評があります。カリスマお片付けコンシェルジュの中山真由美さんは、雑誌や書籍、「ヒルナンデス!」などのTVでもお馴染みです♪お片付けに悩んでいる人は、まずはお試しコースをお願いしてみるのがオススメです♪問い合わせ先・サービスエリア■電話での問い合わせ0120-954-150(平日10:00〜18:00)■サービスエリア・関東エリア東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県(1都3県)にて、東京メトロ青山一丁目駅(弊社最寄り駅)より、片道1.5時間以内で移動が可能な場所・関西エリア大阪府、京都府、兵庫県、奈良県にて、梅田駅より片道1時間以内で移動が可能な場所上記エリア外の場合は、実費交通費と別途出張料金(1名5,000円税別)になります。インブルーム公式HP
2018年02月13日キレイなお部屋にはあこがれるけど、片付けはちょっと苦手……。いつでも片付けられるように、整理整頓はやはり簡単にできるようにすることが大切です。今回はラベリングから写真整理まで、片付けがはかどるアイテムをご紹介します!ラベリングだってスタイリッシュに!《ピータッチキューブ》収納するときに、中身がわかるようにラベリングしておくだけで後々がとてもラクになります。ラベルライターはいかにも業務用というような見た目をしているイメージがありますが、実はこんなにコンパクトでおしゃれなものもありますよ!__________7hm7_____さんのアイデアでは使い方をとても分かりやすく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。ピータッチキューブで整理整頓♪ラベリングは楽しくわかりやすく♪《pomini》「ラベリングするなら中身を一目瞭然にしたい!」という方にはこちらがおすすめ。収納ケースに入れる前に中身の写真を撮るだけで、その場でラベルができあがります。しかもかわいくデコレーションもできるから、片付けが楽しくなりそうですね☆スマホの写真をその場で印刷!《pomini》でできる収納整理術かわいいタグで仕分けをしよう♡《ガーリー「テプラ」》かわいいものが好きな方におすすめしたいラベルライターがこちら♡フォントや囲みなどが種類豊富で、別売りりぼんと《お名前タグメーカー》を使えば子どもの持ち物に便利なネームタグも作れます。そして、タグに二次元コードを付けて専用アプリで読み取れば、収納の中身を確認することもできる優れもの☆これは大活躍してくれますよ!絶大な人気《ガーリー「テプラ」》がパワーアップ♡気になる新機能などを徹底解説思い出もこれで整理整頓☆《Omoidori》写真は意外と整理整頓のお悩みポイント。アルバムにしてしまい込む方が多いと思いますが、せっかくの思い出はやはりすぐ出せる場所に置いておきたいものですよね。《Omoidori》は写真をキレイにデータ化するのにとっても便利!家に写真がたくさんある方はぜひ参考にしてみてくださいね☆写真を整理整頓!《Omoidori》でアルバムに入れたまま簡単・キレイにデータ化!最後に毎日の整理整頓を助けてくれるラベリング用と写真整理用アイテムをご紹介しましたが、気になるものはありましたか?忙しい毎日だからこそ、お片付けは上手に楽しくラクしたいものですよね☆便利なアイテムを活用して、あこがれのお部屋を目指しましょう!
2017年12月31日ちょっぴり面倒なお片付けも、ちょっとしたコツを知っているだけでぐっと楽チンに。どなたでも簡単に取り入れられる収納アイデアをご紹介。今回は子どもが自分でできる!を作る楽しいルール作りをご紹介します。毎朝の習慣付け。自分で登園の準備ができるルール作り。朝は、自分の準備に、朝ごはんに、何かとバタバタしがち。そんな時、小さな子どもも自分で登園の準備ができるようになると親はとても助かります。3歳頃から自分で準備をする習慣づけを促すと、朝の時間にも余裕ができますね。バッグに上着、帽子など、帰宅したらわかりやすい場所に自分でかけられる場所を作ってあげましょう。自分では届かない場所、親と共通のラックではなく、「自分専用」の場所を作ってあげるだけで、子どものやる気はぐっとあがります。専用の家具を買うのは小学校ぐらいから…と考えている場合は簡単にとりつけることができるフックを使うのがおすすめ。自分の使うものに「住所」を作ってあげることが、お片付け習慣化の第一歩です。天然木とスチールを組み合わせた北欧風デザインなのでインテリアに馴染みます。プチスツールをひとつ玄関においておくだけで、靴の脱ぎ履きも手間取りません。▼ご紹介したアイテム⇒ toscaキッチンツールフック ⇒ 北欧風プチスツール 保育園に来ていく服も、自分で準備ができる習慣を。この箱に入れる、というワンクッション作ってあげるだけで、子どももトライしやすくなります。前日の夜、明日の天気と気温を教えるなどの声がけも忘れず、最初はアドバイスしながら一緒に楽しみましょう。Tシャツ、ズボン、下着、タオル…、自分で組み合わせを考えられるようになっていきます。取っ手のあるボックスにすればリビングや寝室への移動も簡単です。樹脂製なのにソフトな質感と色合いのフランス収納ボックス。籐よりも子どもに安心の手触りと使い勝手です。▼ご紹介したアイテム⇒ Life Storyクラフトオブロングシリーズ収納ボックスL 増え続けるおもちゃ対策、まずは入れるだけの収納ボックスを成長と共にどんどん増えるおもちゃ類。移り気な子どもたち、次から次に新しいおもちゃを出しては収拾がつかなくなることも日常ですね。きちんと分類して収納することが理想ですが、まずはざっと大分類をして、「車は水色!」「ブロックは黄色!」などのように一旦入れるだけでいい場所を作ってあげるのが小さな子どもにも分かりやすい収納です。用途によって、大きさと色を選べるボックスなら見た目もすっきり。とりあえずボンボンいれて重ねるだけで片付きます。特に使用頻度が高いのに雑多になりがちな「ブロック」「ミニカーや電車」「おままごとセット」などをザッと入れておくのが便利です。Lサイズは高さと収納力もあるので、中を小分けしても。おままごとに必要なものを一式!という収納も可能ですね。お気に入りの色とおもちゃの住所を作ってあげて、とりあえず入れるだけの収納は、小さな子どもにも習慣化しやすいお片付け方法です。子供部屋のお片づけが楽しくなる、蓋付き収納、スマイルボックス。ブロックや車などのおもちゃをガサッと収納しておくのにピッタリです。▼ご紹介したアイテム⇒ スマイルボックスS(フタ付き収納ボックス) ⇒ スマイルボックスM(フタ付き収納ボックス) ⇒ スマイルボックスL(フタ付き収納ボックス)
2017年12月24日大掃除をツラくする原因の1つが、家中にあふれたモノ。片付けに疲れ、肝心の掃除が適当になる場合も。大掃除の前に余計なモノを抜くことがラクしてキレイな家にするコツだという。 「『抜く』というのは“譲る”“売る”“支援物資にする”“捨てる”のどれかで家の外へ出すこと。ほかの収納場所にしまうのでは意味がありません。不要なモノを抜かずにいるとモノは増える一方です」 こう語るのは関西のシニアブロガー・ごんおばちゃまだ。 「『いただきものだから』『高かったから』と処分できないモノは多いですね。迷ったら捨てないでいいんです。抜くべきときは自然に訪れます」(ごんおばちゃま・以下同) ごんおばちゃまの片付け法は、1日わずか30分。決めた場所のモノを吟味し、いらないモノを抜いていくだけ。整理整頓は後回し、迷ったら抜かないでいい。何度も同じ場所を見るうちに、だんだん抜くべきものがわかってくる。 「『まだもったいないと思う?』『本当に使う気持ちがある?』と自分問いかけるうち、自然と抜けるようになります。そうすると、今度は家中の『抜くべきモノ』が見えてくるんです」 ごんおばちゃまの“抜き”メソッド3原則は次の通り。 (1)1日絶対30分まで! キッチンタイマーを使ってきっちりはかる。それ以上は絶対NG! (2)いらないモノを「抜く」だけ 移動も掃除もしない。迷ったら取っておいてOK。 (3)人のモノには手を付けない リビングで家族のモノを抜いた場合はひとまとめにして1週間はキープしておく。 また、「壊れている」「期限切れ」「使えるけど使っていない、使う気がしない」……こんなモノはスグ抜こう! モノがなくなれば掃除もしやすくなり、家事もラクに。そんな“抜くだけ” 片付け法を場所別に紹介。 【キッチン】 モノが多いキッチンは1度では終わらない。まず1巡目はシンク下の調理器具類から始め、次に棚や冷蔵庫などを回って、食器棚は最後に。シンク下は、使っていない調理器具を潔くどんどん抜いていく。ふだんの調理に、鍋は3サイズあれば事足りる。焦げ付いたり取っ手が取れたりして使っていない鍋はすぐに抜く。 【クローゼット】 まずハンガーにつるしてある服から着手。最初に「絶対に着ない服」を抜き、次に「いつか着るかも」を着てみて、現時点で似合わなければ抜く。衣装ケースも同じ方法で行う。 【リビング】 家族のモノが集まるリビングも1回では終わらない。リビングボードやテレビボードなど引出しの多いところから着手。「なぜここに?」と思うモノや不要なモノをばんばん抜く。自分以外のモノは捨てずに「とりあえずケース」に入れ、1週間たったら処分すると家族に宣言しよう。 モノを減らすのは大変だからこそ、一気にはやらない。キッチンやリビング、クローゼットは30分ずつ何回にも分けて抜く。 「片付けは心も体も疲れます。もうちょっとやりたいと思うくらいが、継続するコツなの」
2017年12月06日