先日、上演決定が発表されたミュ ージカル『衛生』のチラシビジュアル、W主演を務める古田新太・尾上右近による映像コメント、30秒のCM映像が公開された。本作は、古田と脚本・演出を手がける福原充則による「汚いミュージカルをやろう」という構想から始まったミュージカル。 W主演を務める古田と尾上演じる親子が汲み取り業者・諸星衛生を「利益を出すためなら殺人もいとわない」という方針で経営し、のし上がっていく様を描く。登場人物が全員悪者=「善人不在」という欲望にまみれているが、彼らが行う悪行の限りを見るうちにかえって清々しい気持ちを味わえる異色の物語だ。今回公開されたチラシビジュアルは悪者たちが一堂に会し「善人不在。」という言葉通りの表情を見せている。主演の古田と尾上のほか、共演には元宝塚歌劇団雪組トップ娘役の咲妃みゆ、近年つかこうへい作品などで俳優としても注目を集めるNONSTYLEの石田明、映画・ドラマ・舞台と、活躍の場を広げ続けるともさかりえ、福原作品『その夜明け、嘘。』『俺節』に出演した六角精児らが「“汚い”ミュージカル」の住人として参加。音楽を「いきものがかり」の水野良樹と益田トッシュが手がけ、透明感のある旋律が悪行を積み重ねる家族の横暴ぶりを彩る。本日4月19日(月) 12:00〜25(日) 23:59までオフィシャルホームページにて先行予約を受付中。ぜひ善人不在の世界一“汚い”ミュージカル『衛生』に期待してほしい。ミュージカル『衛生』 古田新太・尾上右近(W主演)映像コメント&CM映像【公演概要】ミュージカル『衛生』リズム&バキューム東京公演:2021年7月9日(金)〜25日(日)TBS赤坂 ACTシアター大阪公演:2021年7月30日(金)〜8月1日(日)オリックス劇場福岡公演:2021年8月9日(月)〜11日(水)久留米シティプラザ脚本・演出:福原充則 / 音楽:水野良樹(いきものがかり)、益田トッシュ出演:古田新太、尾上右近、咲妃みゆ、石田明(NON STYLE) 、村上航、佐藤真弓、ともさかりえ、六角精児オフィシャルホームページ先行:4月19(月) 12:00〜4月25日(日) 23:59詳細:
2021年04月19日映画『すくってごらん』(3月19日公開)の公開初日舞台挨拶が19日に都内で行われ、尾上松也、百田夏菜子、柿澤勇人、石田ニコル、真壁幸紀監督が登場した。同作は大谷紀子による世界初の金魚すくい漫画の実写化作。思い描いていた順風満帆なエリート銀行員人生から外れ、荒んだ気持ちを抱えて左遷の地にやってきたプライドは高いがネガティブな男・香芝誠(尾上松也)が、金魚すくいの店を営む美女・吉乃(百田夏菜子)と出会い、世界一静かで優雅なスポーツといわれる「金魚すくい」やそれを取り巻く人々と出会い、成長していく。歌うシーンや英語ラップにも挑戦した松也は「本当にチャレンジングな構成になってまして、歌もふんだんに使われてますし『これどうなるんだろう』と一抹の不安がよぎったくらいぶっ飛んだ脚本だったんですけど、そのチャレンジングな精神が僕の中では共鳴しました」と明かす。撮影について「百田さんには割と厳しく接してきた」という真壁監督は、ピアノ演奏にも挑戦した百田の努力を改めて称賛し、「監督から褒めていただくことがなかった」という百田もこの言葉には喜ぶ。百田は「普段音楽の世界にいながら歌や楽器と触れる時間になるとどうしても後ろ向きになってしまう私を、松也さんが一番近くで応援してくださってました。ピアノのシーンの時もお休みの日なんですけど応援に来てくださったりとか」と感謝。「『ももいろ歌合戦』という番組でピアノ一本で松也さんと一緒に歌う企画では、不安定なピアノで生放送で歌うって相当やりづらいと思うんですけど、私がどんなに間違えても『大丈夫大丈夫、もう1回やろう』『本番で間違えても、もう1回最初からやろう』と言ってくださって、本当に心強かったなと思います。松也さんとじゃなかったらこんなに色んな挑戦ができなかったと思います」と深い感謝を表した。「松也さんが現場を盛り上げてくれたり和ませてくれたりした」(石田)、「初日から、松也が『カッキー、飲みに行こう』って。松也の部屋に押しかけて、帰れと言われても帰らないと言ってずっと一緒にいました。でっかい器に救われた」(柿澤)と、次々と松也に感謝。松也は「嬉しいです。僕も映画初めての主演だったので」と応え、「カッキーは出てもらったことによって、すごく心強かったし、石田さんは僕より年下なんですけど、ものすごい堂々としてらっしゃるので安心感があった。キスシーンはお互い初めてで僕はめちゃくちゃ緊張してたんですけど堂々としてたので」とそれぞれの様子を明かす。百田については「2人のシーンがずっと続いてましたので、どういう風に接したらいいかと思ったらすごくフランクに接してくださった」と振り返り、「終わったあとも、『ももいろ歌合戦』でピアノのこともお願いして。涙を流されてた時はグッときました」とその時の気持ちを語った。
2021年03月13日明日3月12日(金)より公開される映画『すくってごらん』が、松屋フーズとのコラボキャンペーン開催を発表した。尾上松也が初主演し、ももいろクローバーZのリーダー・百田夏菜子が初のヒロイン役を務める金魚すくい映画『すくってごらん』。この度、『すくってごらん』にちなみ、尾上“松也”と松屋が映画と商品のPRをかけて、「金魚すくい」対決を行った。その金魚すくい対決動画を特設サイトで観て、プレゼントに応募した方の中から抽選で「尾上松也さんサイン入りポスターと松屋オリジナルグッズ」をプレゼント。このキャンペーンは本日3月11日(木)〜4月9日(金)まで開催される。【コラボキャンペーン詳細】応募期間 : 3月11日(木)12:00〜4月9日(金)23:59まで内容 : 金魚すくい対決動画をご覧いただきご応募いただいた方の中から抽選で当選された3名様に「尾上松也さんサイン入りポスターと松屋オリジナルグッズ」を ブレゼント!※松屋オリジナルグッズは、松屋オリジナルTシャツ、松屋オリジナルトレーナー、松屋オリジナルパジャマとなります。<参加方法>1.下記URLより金魚すくい対決動画を最後まで視聴「応募する」ボタンをタッブして応募ベージで必要事項を記入して送信当選発表 : 当選発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます。『すくってごらん』3月12日(金)より公開
2021年03月11日尾上松也が初主演し、ももいろクローバーZの百田夏菜子が初のヒロイン役を務めた映画『すくってごらん』が3月12日(金)より公開される。この度、本編映像と、新たな場面写真が公開された。本作は、思い描いていた順風満帆なエリート銀行員人生から外れ、荒んだ気持ちを抱えて左遷の地にやってきたプライドは高いがネガティブな男・香芝誠が、世界一静かで優雅なスポーツと言われる“金魚すくい”や、それを取り巻く人々と出会い、成長していく物語である。世界初の金魚すくいマンガにして「このマンガがすごい!」にもランクインした大谷紀子による同名漫画を、『ボクは坊さん』で長編監督デビューを果たした真壁幸紀が映画化した。キャストは香芝を尾上、彼が一目ぼれする美女・吉乃を百田が演じるほか、柿澤勇人、石田ニコル、矢崎広、大窪人衛、清水みさと、辻本みず希、北山雅康、鴨鈴女、やのぱん、竹井亮介、川野直輝、笑福亭鶴光らが名を連ねた。公開された映像は、支店に着任した香芝の歓迎会として、金魚すくい大会が吉乃が営む「紅燈屋」で行われた場面。香芝は支店の面々が金魚すくい大会を楽しむ中、気が乗らず一足先に帰宅してしまう。彼が夕食を作ろうと煮干しを取り出すと、なぜかその煮干しが水の中で泳ぎだす。思わず、持ち帰ったポイで煮干しをすくうと、そこに香芝を心配した吉乃が「鍵開いてたもんやから」とおはぎを持って訪ねて来る。そこで香芝はポイを握りしめている姿を見られてしまうのだった。本作の見どころのひとつは、もちろん“金魚すくい”。世界一静かで優雅なスポーツと言われるが、実際は夏祭りや縁日でしか体験したことがない人がほとんどだ。映画『すくってごらん』のキャストたちも同様で、撮影に入る前に、“金魚すくい”の道場へ練習に行き、名人からコツを学んだ。まず、金魚は追いかけるだけではなくて待つ。焦って追いかけるとポイが破れてしまうので、金魚がポイに乗ってくるまで静かに動かずにいる感覚だ。尾上松也は「つまり、すくうとは待つことであり、香芝は“金魚すくい”を通してそれに気づいたのでしょう。自分の理想や自分の考えにこだわって突き進みがちですが、冷静になって立ち止まり、どうするべきか考えることが必要だったのです。これは恋愛にも友情にも言える普遍的なことだと思います。そう思って演じました」と“金魚すくい”から多くを学んだようだ。また、ポイが破れたら終わりではなく、破れてからどうするかも面白さのひとつ。特に競技では破れても気にせずに、少しでも残っている部分ですくい続けるのだ。それは出世競争に“敗れた”香芝がこの後どうするかと重なる。“破れる”と“敗れる”、金魚を“すくう”ことで、人生を見つめ直し自らを“救う”。そんなダブルミーニングから導かれる展開も興味深い。あわせて公開された場面写真では、金魚売り・王寺昇の車に乗りながらも白けた表情の香芝、寂しそうに部屋で“小赤”を見つめる香芝、真剣な表情で破れたポイを持つ香芝など、“金魚すくい”と関わってだんだんと変わっていく彼の姿が切り取られている。“金魚すくい”でよく見かける金魚が、“小赤”だ。観賞用からはじかれたものなのだと吉乃から聞いた香芝は「君たちも脱落者か」と彼らに自分自身を見る。が、そんな“小赤”も飼い方次第で、大きく育ち、何十年も生きるものもいる。左遷の地で人生と恋の荒波にもまれる香芝は果たして救われるのか? “金魚すくい”と香芝、その行く末が気になるところだ。『すくってごらん』3月12日(金)公開
2021年03月08日5歳の頃から舞台に立つ歌舞伎俳優であり、大ヒットドラマ『半沢直樹』をはじめ、映像の世界でも活躍を見せる尾上松也だが、意外なことに、映画での主演はまだだった。そんな松也が、“金魚すくい”を題材にした人気マンガを基に発想を飛ばし、歌やダンス満載の摩訶不思議な世界へと誘う映画『すくってごらん』で、満を持しての初主演。東京本社から異世界のごとき田舎町へと左遷された銀行員・香芝誠に扮している。そして香芝がやってきた町の、謎の金魚売り・王寺昇に扮しているのが、劇団四季出身で、舞台のみならず、こちらも連続テレビ小説『エール』ほか、現在、映像世界でも活躍する柿澤勇人。舞台人として元々交流のあるふたりが、映画初共演を果たした本作の印象や、撮影期間のエピソードなどを語り合った。脚本を読んだ段階では、「何がしたいんだ?」と(笑)。(松也)── とてもユニークでオリジナリティのある作品です。原作マンガおよび脚本を読んだときの印象は?松也原作は、今までにない“金魚すくい”というテーマを扱っていて、金魚をすくっている瞬間とか、いわゆるマンガらしさを発揮している部分がすごく良かったです。キャラクターの存在感もとても面白かった。映画の方は脚本を読んだ段階では、正直、想像がつかなくて、「何がしたいんだ?」と、とにかく衝撃でした(笑)。── 歌やダンスが満載でした。脚本にも、「ここで歌う」などと書かれているのですか?松也書いてありました。「ここ音楽入る」とか。「金魚すくい」というテーマが大きくあるにも関わらず、なぜここまで複雑にして表現しようとするのか、全く分かりませんでした(笑)。でも、そこが面白いと感じて惹かれたんですよね。柿澤僕は、真壁(幸紀)監督から「原作は読まなくてもいい。あまり囚われないでほしい」と言われていたんです。読んではみましたが、確かに王寺はぶっとんじゃってるし、中性的で可愛らしくて、謎めいていて、そこに寄せ過ぎると、あまりにも現実味がないキャラクターになってしまう。どうやってアプローチしようかと考えました。それに松也が言ったように、脚本を読んでも「どうなるの?」と(笑)。よく分かりませんでした。でも、歌や、僕の場合はピアノや踊りもありましたが、クランクイン前に、納得いくまでリハーサルができましたし、あとは現場に行ってからだと思っていました。観客が共感できる“普通”の人と、実際にいるようでいない謎めいた人── 香芝と王寺を演じるにあたって、どんなところを心掛けましたか?松也香芝は、王寺くんなんかに比べると、とても普通のキャラクターですが、突然英語でラップを始めたり、感情の表現は突飛なんです。ですが映画を観る方に共感していただけないといけない人物ですので、なるべく変に作り込まず、できるだけ“普通”という感覚を大切にしていました。アクセルを踏むときには踏みつつ、共感できる普通の人物であるようにと。柿澤僕の場合は、マンガが中性的で可愛らしい役だから可愛らしくやるかというとそうでもなくて、自分が持っているパーソナルな部分と合わせていきました。香芝くんは、数字を求めて生きてきて、エリート街道を外れてしまった人。王寺は、“金魚すくい”を通して、そんな香芝くんにイライラを解き放って、もっと楽しい感情を知ってもらいたかった。別に恩着せがましく何かを言う人ではないし、謎めいた人ですが、そこをそのまま謎めいてやっても変な人になってしまうので、実際にいるようでいないみたいな微妙なラインを狙いました。最終的にマンガには囚われませんでしたし、それがよかったと思います。何度も出かけた食事で、共演者たちとの仲もばっちり── ヒロインの吉乃を演じた百田夏菜子さん、香芝に急接近する明日香を演じた石田ニコルさんら、他の共演者のみなさんとは、どうコミュニケーションを?松也僕もかっきー(柿澤さん)も、舞台では座長を何度も務めていますが、映画はまた違いますし、どうやってみんなをまとめていったらいいのか手探りしながらクランクインしました。遠慮しながら撮影していくのも違うと思ったので、時間があるときには率先して声をかけてご飯に行っていました。元々僕は、コミュ力がないんですけどね(苦笑)。でも、かっきーが入る前から、入りやすい空気を作っておきたかったので、みんなで何度か食事に行っていました。柿澤ほんと、結構みんなでご飯に行ったよね。松也1週間くらいしてかっきーが合流してくれたときには、本当に嬉しかったですし、頼もしかったですね。共演者のみなさんともとてもフランクに接してくれて。かっきーは練習しなくてはならないことが多くて、僕よりも大変だったにも関わらず、現場を明るくしてくれました。今回、現場の雰囲気がとてもよくて、それはかっきーをはじめとしたみなさんが、一緒にそうした空気感を作ろうとしてくださったからだと思っています。本当にみんなでしょっちゅうご飯に行っていましたし、最終的にはほぼ毎日、ホテルの僕の部屋に集まって、朝まで帰らなかった(笑)。柿澤あはは。そうだったね。完成した作品を観て、「みんな、芝居うま!」となりました(笑)(柿澤)── 今回、香芝は“金魚すくい”が盛んな町に入り込みましたが、どこか不思議な町に行けるなら、どんなところに行ってみたいですか?松也僕はL.A.に行きたいです。柿澤L.A.?そうなの?(笑)松也いや、僕、いまスニーカーにドはまりしてて(笑)、L.A.って、驚くほどスニーカーがあるんですよ。柿澤それは日本では買えないの?松也買えないものもあるね。だから、壁中スニーカーがぶわ~って並んでる凄い店に行って、買いあさりたい!柿澤へえ。僕はなんだろう。全く浮かばない。松也かっきーはアルコールのプールに飛び込みたいんじゃないの?泳ぎながら飲んで、50メートルくらいのときにはもうベロベロっていう。柿澤あはは!それイイ!アルコールの町に行って、プールで思いきり泳ぎたいです(笑)。── 作品が完成してみていかがですか?松也印象に残っているのは、自分がいなかったシーンです。あと、美術でも作ってはいますが、ロケした元々の町並みが、非常に幻想的だったんです。すごく魅力的で、そこがきちんと映し出されているので、見どころのひとつかなと思います。あとは苦労して深夜まで撮影した最後のシーンが印象深いですし、実際、本編でもとても良かったです。みんな総出で撮ったお祭りのシーン。すごく楽しかったですし、お気に入りです。柿澤僕は芝居でのやりとりは、主に松也と百ちゃんのふたりだけだったので、あまり絡みのなかったニコルちゃんのシーンなんかが新鮮でした。そしてとにかく全員のキャラクターと芝居が完全にハマっていて、浮いている人がひとりもいないのがすごいと思いました。「みんな、芝居うま!」と(笑)。かついい音楽がある。それぞれの歌に個性が強く出ていながら、全体のピースがぴったりハマっている。全員のキャラクターが実に上手くハマった作品だと感じました。『すくってごらん』3月12日(金)公開取材・文:望月ふみ撮影:川野結李歌尾上松也さん、柿澤勇人さんのサイン入りチェキを1名様にプレゼントします!ぴあアプリを ダウンロード(dpia-app://contentAll?contentId=6394ad38-6ef8-4801-80d9-6abc330677b4&contentTypeId=2) すると、この記事内に応募ボタンがあります。
2021年03月03日2月放送開始の大河ドラマ『青天を衝け』への出演をはじめ、歌舞伎界の枠を超えて活躍する尾上右近が京都・南座公演『三月花形歌舞伎』に登場する。中村壱太郎、中村米吉、中村橋之助ら注目の若手と挑むのは、三大名作のひとつ『義経千本桜』より『吉野山』と『川連法眼館』をAプロ・Bプロの役替わりで上演。加えて彼ら4人が日替わりで『歌舞伎の魅力』を解説する。「三月花形歌舞伎」チケット情報『吉野山』は義経を追って形見の鼓を携えて旅をする静御前が、お供の佐藤四郎兵衛忠信とはぐれ、後に再会するまでの道行きを艶やかな舞踊で表現する。『川連法眼館』は忠信が義経の元を訪ねたところへ、静御前が実は子狐が化けた忠信を伴い現れる。子狐ははぐれた忠信に代わり、母狐の皮が張られた鼓と静御前を守って来たのだ。両作品で忠信役を勤める右近は、自主公演「研の會」第一回公演で同役を選ぶほど、思入れの強い「憧れのお役」と明かす。「スチール撮りでは、衣裳を着ただけで感動して涙が止まらなかったことを思い出しました。まさか本興行で実現するとは。信じていれば願いは叶うと、23歳だった当時の自分に教えられた気がする」と感慨もひとしお。Bプロで同役を勤める橋之助は後輩でもあり「負けられない」と一 層の気合が入る。通常ダブルキャストでは踏襲する型や指導者が異なるが、今回は共に(七代目 尾上)菊五郎に指導を仰ぐ。「『川連法眼館』の狐忠信は中性的な役ですが、立役の橋之助さんと、本興行では圧倒的に女方が多い私がやる中性的なお役とでは、型は同じでもおのずと違いが出る」と見る。ペアを組む壱太郎は互いに自主企画の公演や作品に出演し合うなど苦楽を共にし、夢を語り合う間柄。「尊敬する先輩という関係を超えた精神的な恋人」と絶大な信頼を寄せる。また同級生の米吉は、「醸し出す華やかな雰囲気や舞台度胸が圧倒的。何よりお喋りが上手なので、お芝居もそうですが彼が案内役をつとめる『歌舞伎の魅力』はとても楽しくなると思います」と期待する。歌舞伎俳優を父に持たない右近。様々な分野で経験を積み、いつか後輩が憧れる「稀有な存在」 となり得るその日まで、信じた道を邁進する。「今回、音羽屋ゆかりの演目『川連法眼館』の狐忠信は、本興行のお役としては初めて菊五郎のおじさんに教えていただきます。また『吉野山』の忠信の引っ込みの演出では僕がまだ本名だった頃にご縁をいただいた(四代目市川)猿之助のお兄さんから許しを得て、澤瀉屋(※)の型『ぶっ返り』に挑戦させていただく。いろいろミックスしながらも自分の形を模索している姿をこの重要な公演で提示できるのは嬉しいです。テレビ、映画など、どのジャンルも本気ですが、歌舞伎ほど分かりやすい本気は見逃してほしくないですね」。(※)「澤瀉屋」の「瀉」のつくりは、正しくは“わかんむり”です。公演は3月6日(土)から21日(日)まで(12日(金)は休演日)、京都・南座にて上演。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2021年02月17日現在、歌舞伎座『二月大歌舞伎』の第一部『泥棒と若殿』(山本周五郎作)に出演中の歌舞伎役者・尾上松緑が2月12日、東京・歌舞伎座で取材に応じた。同作で演じるのは“泥棒”である伝九郎。2007年(平成19年)5月、歌舞伎座にて十世坂東三津五郎(2015年没)の若殿との共演で好評を博し、今回は三津五郎さんの長男・坂東巳之助演じる若殿との共演が実現した。「襲名した直後で、自分の中でも、どういう風に役者としてやっていけばいいのか、悩んでいた時期。そんなときに、三津五郎の兄さんから『一緒にやってみよう』とお誘いいただき、救われた思いもあった」と初演を振り返る松緑。それだけに、演目への思い入れも強く「三津五郎の兄さんとご一緒でなければ、演じられない」と、別の俳優との『泥棒と若殿』を断ってきたという。そこに舞い込んできたのが、巳之助との共演だった。「役者冥利につきる。うれしいし、ありがたいです。巳之助さんの後ろ姿を見ると、体型は違うはずなのに、三津五郎の兄さんを思い出しますし、でも、もちろん違うわけで、巳之助さんはいい役者だなと思いながら、毎日新鮮な気持ちで演じさせていただいている。彼ら若い世代は応用力も強いから、『親父さんはこうだった』みたいなことを言う必要もないし、実際にいいキャラクターを作ってきてくる」と巳之助への信頼は早くも厚い。『泥棒と若殿』より、左から松平成信=坂東巳之助、伝九郎=尾上松緑(c)松竹三津五郎さん、巳之助との共通点・相違点については「感情を抑えた正確さで芝居を構築する兄さんですから、絶対に(芝居の)計算から外れない。巳之助さんもそういう部分はありつつ、若さで感情がバンと発露することも。年上の目線から『かわいいなあ、しょうがねえな、何とかしてやらないと』と思うこともありますね(笑)。2人は親子ですから、根っこのDNAは近いですが、ちょっと角度が変わっただけで、(両者の間に)すごくふり幅がある」と分析する。尾上松緑(c)松竹昨年8月の公演再開を経て、年明けから座席数50パーセント(904席)、三部制で各部に演目・幕間ありの上演が行われている。客席から伝わる熱気や雰囲気は「まだまだ、劇場に行くのは控えようと思う人も多い中で、おかしな言い方かもしれないですが、“一生懸命に”楽しもうという気持ちを感じる」といい、「大向うがないのは正直、さみしいと思うこともなくはないですが、その分集中して見てもらえているのかなと。少しずつ、お客様も楽しんでいいんだ、喜んでいいんだと思ってくださっている。ワクチンの話題もありますし、去年よりは先行きが明るくなりつつあるのかなと…」と事態の収束に期待を寄せた。『戻駕色相肩』浪花の次郎作=尾上松緑(平成21年『五月大歌舞伎』より)(c)松竹来月上演の「三月大歌舞伎」では、第一部の舞踊『戻駕色相肩』で浪花の次郎作にふんし、与四郎役の片岡愛之助、禿たより役の中村莟玉と共演する。「愛之助さんとは付き合いも長くて、すぐに息が合うんで。あまり筋を追うというものではないですし、踊りのきれいさ、華やかさを見ていただきたいです」とアピール。コロナ以前の状況に戻るには、まだ時間がかかりそうだが「我々も暇しているわけではありません。セミで言うところの地面でエネルギーを蓄えている時間。ここを無駄にしないで、劇場が全席OKになったとき、お客様に『前よりも歌舞伎が盛り上がっているね』と言ってもらえるような準備だと解釈してします」と未来を見据えている。尾上松緑(c)松竹取材・文:内田涼『二月大歌舞伎』2021年2月27日(土)まで上演中『三月大歌舞伎』2021年3月4日(木)~2021年3月29日(月)会場:東京・歌舞伎座
2021年02月15日尾上松也が初主演し、「ももいろクローバーZ」のリーダー・百田夏菜子が初のヒロイン役を務める世界初(!?)“金魚すくい映画”『すくってごらん』。今回、バレンタインデーに合わせ松也さん演じる左遷銀行員・香芝と、百田さん演じる吉乃がデュエットを初披露する特別映像が解禁となった。今回の映像は、左遷の地で仕事一筋で生きていくと決めたはずの香芝だが、吉乃への想いがあふれ、夢が現実になったかのような、2人のデュエットシーンから始まる。電話ボックスの外にいる香芝と、中にとじこもっているように見える吉乃が見つめ合い、手のひらを重ねながら歌う曲は「鼓動の理由」。百田さんはこのシーンについて「男性の方と声を重ねる機会があまりないので、すごく新鮮でした。松也さんの声と自分の声が重なるのも、実際にやってみないとどうなるかわからなかったですし、合わさったときにこんなふうにひとつの声になるんだとすごく感動しました」と振り返る。やがて香芝が吉乃の手をとって外へ連れ出すが、幻想的でロマンチックなだけでなく、切なさを感じるのは、メロディはもちろんのこと、王寺昇(柿澤勇人)を見つめ涙を流す吉乃や、それを見てしまう香芝、王寺を睨みつける香芝の姿から3人の関係が見え隠れするからだろう。一方、現実では「好きになってくれはったんですね?」という吉乃の言葉に動揺する香芝。彼女のピアノを弾く姿や、出会ったときからの表情のひとつひとつに反応し想いが募っていくが、その想いは届くのか。吉乃の想いは一体、どこにあるのだろうか?吉乃がピアノで弾いている曲は「小赤」。百田さん自身が実際に演奏した音が使われており、今回が初披露となる。香芝が吉乃の演奏に見惚れてしまう、という説得力があるアレンジが重要だったため、ほぼピアノを触ったことのなかった百田さんにとっては難しい曲となったが、真壁幸紀監督は「そこに妥協しなくて、心から良かったな、と思います」と見事な演奏をみせた百田さんに称賛の言葉を贈っている。その後に続く「この世界をうまく泳ぐなら」は2曲目の「小赤」とメロディーは同じ。この曲は本編では香芝と吉乃、王寺昇の3人が歌うが、今回の映像では香芝と吉乃の歌唱部分が使用されている。「この世界を~」の香芝のソロ部分の「語れ そっと 恋を」という歌詞部分もポイント。「小赤」とのアレンジの違いと詞が楽しめる。最初は敬遠していたはずの金魚すくいを楽しむ香芝と、それを見つめる吉乃。“Be my valentine(私の特別な人になって)”で終わる本映像だが、はたして香芝と吉乃の恋のゆくえは?本作は、そんな彼らの恋模様をシリアスなシーンだけでなく、あるときはポップに、あるときはコメディに昇華させつつ、同じメロディでアレンジが異なる曲が多くあり、詞や曲調の変化から物語をより一層感じとれるようになっている。音楽を担当したのは、過去に「東方神起」や「AAA」「Every Little Thing」含め数多くのアーティストに楽曲提供する音楽プロデューサーの鈴木大輔。映画1作まるごとの制作は今回が初めてだったが、十分な存在感を見せる音楽に注目だ。『すくってごらん』は3月12日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:すくってごらん 2021年3月12日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開(C)2020映画「すくってごらん」製作委員会 (C)大谷紀子/講談社
2021年02月14日尾上松也が初主演し、ももいろクローバーZのリーダー・百田夏菜子が初のヒロイン役を務める映画『すくってごらん』が3月12日(金)公開される。本作よりバレンタインデーに合わせて、香芝誠(尾上)と生駒吉乃(百田)の切ない恋心を描いた特別映像が解禁となった。原作は世界初の金魚すくいマンガにして「このマンガがすごい!」にもランクインした傑作マンガ『すくってごらん』(大谷紀子 / 講談社)。メガホンを取ったのは、長編デビュー作『ボクは坊さん。』で高い評価を受けた俊英・真壁幸紀。原作と同じ奈良県を舞台に「和」の世界と斬新な映像表現を融合させ、大胆かつ優雅、そして華麗なるエンタテインメントが誕生した。物語は、とある失敗で左遷されたプライドは高いがネガティブな銀行員・香芝誠の、都会から遠く離れた地で出会った「金魚すくい」を通じた思いもよらない成長が描かれる。香芝を演じるのは映画初主演の尾上。彼が一目ぼれする美女・吉乃を初のヒロイン役となる百田が務める。公開された映像は、夢の様なデュエットシーンから始まる。電話ボックスの外にいる香芝と中にとじこもっているかのような吉乃が見つめ合い、手のひらを重ねながら歌う曲は『鼓動の理由』。百田はこのシーンについて「男性の方と声を重ねる機会があまりないので、すごく新鮮でした。松也さんの声と自分の声が重なるのも、実際にやってみないとどうなるかわからなかったですし、合わさったときにこんなふうにひとつの声になるんだとすごく感動しました」と振り返る。やがて香芝が吉乃の手をとって外へ連れ出す。ロマンティックなだけでなく、切なさを感じるのはメロディーはもちろん、王寺昇(柿澤勇人)を見つめ涙を流す吉乃、それを見てしまう香芝の姿や王寺を睨みつける香芝から、3人の関係が見え隠れするからだろう。一方、現実では、「好きになってくれはったんですね?」という吉乃の言葉に動揺する香芝。彼女のピアノを弾く姿や出会ったときからの表情のひとつひとつに反応し想いが募っていく。吉乃がピアノで弾いている曲は初披露で百田自身も演奏した『小赤』。香芝が吉乃の演奏に見惚れてしまう場面ゆえ、説得力が要求されるため、ほぼピアノ未経験の百田には難しかったという。しかし真壁幸紀監督は「そこに妥協しなくて心から良かったなと思います」と称賛の言葉を贈った。その後に続く『この世界をうまく泳ぐなら』は『小赤』と同じメロディでできている曲。本編では香芝と吉乃、王寺昇の3人によって歌われるが、今回の映像では香芝と吉乃の歌唱部分が流れている。さらに「この世界を~」の香芝のソロ部分の「語れ そっと 恋を」という歌詞部分もポイントなので『小赤』とのアレンジの違いと詞を楽しんでほしい。 最初は敬遠していた金魚すくいを楽しむ香芝とそれを見つめる吉乃。そして本映像は「Be my valentine(私の特別な人になって)…」で終わる。はたして香芝と吉乃の恋のゆくえは?本作は恋模様をシリアスにだけでなく、あるときはポップに、またあるときはコメディにまで昇華させている。同じメロディでアレンジが違う曲が多くあり、詞や曲調の変化から物語をより一層感じとれるようになっているのも特徴だ。音楽を担当したのは、東方神起やAAA、Every Little Thing含め数多くのアーティストに楽曲提供する音楽プロデューサーの鈴木大輔。彼による存在感のある音楽にも注目してほしい。映画『すくってごらん』3月12日(金)公開
2021年02月14日映画『すくってごらん』の真壁幸紀監督と座長を務めた尾上松也さん。互いを信頼し合い、本気で作品と向き合う撮影期間を通して作り出された、本作の「愛する表現」とはいったい。夜の撮影でも、毎カット、全力で歌ってました。――ラップや歌、スクリーンに映し出される言葉が、ポップな世界観を作り出していますね。真壁:原作の躍動感や優雅さは、音楽をフィーチャリングしたときにすごく合うんじゃないかと思ったんですよね。配信で大作も観られるなか、映画館だからこそ味わえる映画の魅力として、音にこだわりたいなと。松也:真壁さんのことは撮影に入る前から「どうかしてるぜ」って思ってました(笑)。金魚すくいの漫画に歌を入れて描こうとする、ぶっとび感ときたら。撮影に入るまで、どんな作品になるのか明確にイメージできるわけではなかったのですが、正直、監督のそのぶっとんだ感覚が好きだと思ったんですよね。真壁:松也さんなら、そんなわけのわからない映画に乗っかってくれるんじゃないかと。初主演でこれをやってくれる気概と器の大きさに感謝ですし、現場がすごくいい雰囲気だったのは、座長が楽しく現場をもり立ててくれたから。朝一番だけちょっと機嫌が悪かったけど(笑)。松也:朝だけがね、どの現場でも駄目なんですよ(笑)。真壁:夜の撮影が多かったから逆に良かったかも。夜は人間、疲れてくるものなんですけど、松也さんは集中してやってくれて、スタッフが眠い顔をしてるとそこをちゃんといじりつつ、共演者も引っ張ってくれてた。松也:「オンリー・ユー、オンリー・ミー」のシーンも、結構、夜遅い撮影でしたよね。「近所迷惑になるので、もう歌わなくていい」とスタッフさんたちに言われても、毎カット、本気で歌ってました。監督は何もおっしゃらなかったですし、香芝が勇気を出して一歩踏み出す瞬間には迷いがないほうがいいと思ったので、僕も歌っていいのかどうかという迷いは捨てました(笑)。歌わなくても、音楽は流してましたし。真壁:それは松也さんの役作りとして大切ですし、その全力の歌を聴いてる吉乃役の百田(夏菜子)さんの役作りにもすごく響く。実際、あれだけ歌われると、百田さんの芝居も変わりますよね。本当にいいものを撮れるなら、プロデューサー陣の声が聞こえないふりをするのは監督の仕事です(笑)。――監督が「愛する」という表現で大切にされていることは?真壁:エンターテインメントにおける恋愛ものでは、やっぱり大袈裟に描くことが主流なんですけど、そこにどう自分の目線を入れて作品にするかは考えてます。この脚本を書いてるときは、自分とは違う価値観を受け入れるかどうかだという話を結構してたんです。逆に言えば、価値観を受け入れるということは愛すること。香芝という出世命の人間が、金魚すくいばかりしてる町で、自分とは違う価値観の人たちと出会って成長していく。それが、大きな意味で人を愛するということになってる。松也:そんな香芝の成長が、最初と最後で点と点が繋がるようになればいいなと思って演じさせていただいていた気がします。そこは撮影に入ってからも結構悩んでいたところですね。真壁:物語の冒頭で出会う王寺昇(おうじ・のぼる)に最後、香芝が「お兄さん」と呼びかけるんですけど、それは松也さんのアイデアですね。松也:そもそも香芝は人のことを「お兄さん」と呼ぶヤツが好きではない。それなのに、王寺には初対面からそう呼ばれ、しかも自分が好きな吉乃が惚れている相手でもある。基本的には彼に対しては憎悪しかないのですが、最後の最後に一番嫌いだった相手を、一番嫌いな呼び方で呼ぶことで、香芝の中で変な偏見がなくなって、階段をひとつ上ったことを見せられたらなと思いました。真壁:100%晴れやかな「お兄さん」だったら嫌だなと思っていたんですけど、まだ受け入れきっていない感がありつつ、成長を感じさせるのがいいですよね。キャスティングって役者さんへのラブレターなんですけど、素晴らしい愛情を返していただきました。真壁幸紀1984年5月14日生まれ。東京都出身。『ボクは坊さん。』(‘15年)で劇場用長編映画監督デビューし、海外の映画祭でも注目を浴びる。監督作『すくってごらん』は3月12日、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー。尾上松也1985年1月30日生まれ。東京都出身。1990 年に二代目尾上松也を名乗り初舞台。『メタルマクベスdisc2』など歌舞伎以外の舞台でも活躍。山崎育三郎、城田優と立ち上げたプロジェクト「IMY(アイマイ)」でも活躍。ジャケット¥36,000パンツ¥18,000(共にミスターオリーブ/ウォークインクローゼット TEL:03・5459・1885)シャツ¥31,000(ティーエスエス/ティーエスエス 代官山ストア TEL:03・5939・8090)その他はスタイリスト私物※『anan』2021年2月17日号より。写真・野呂知功(TRIVAL)スタイリスト・椎名宣光ヘア&メイク・岡田泰宜(PATIONN)取材、文・杉谷伸子撮影協力・バックグラウンズ ファクトリー(by anan編集部)
2021年02月12日恋心や愛を表現するときに、歌は大きな武器になる。大谷紀子さんの人気コミックが原作の『すくってごらん』で、尾上松也さんは改めてその事実に気づかせてくれる。演じることで大切なのは、そこに感情があるかどうか。ミュージカルでも活躍する歌舞伎界のホープが演じるのは、左遷された片田舎の町で金魚すくいの店を営む美女・生駒吉乃(いこま・よしの)に恋をする銀行員・香芝誠(かしば・まこと)。エリートコースからはずれた憂鬱な心の声や恋心が、赤と青のコントラストが美しい「和」の世界観の中、ラップや歌でポップに描かれる。中盤、街中で吉乃に想いをぶつける「オンリー・ユー、オンリー・ミー」は、恋の高揚感のみならず、身勝手さも浮かび上がらせる。「まさしく、愛を伝えるのに歌はぴったりな手段ですよね。自分の想いが爆発してしまったがゆえに左遷されたように、香芝は心に爆弾みたいなものを抱えている。吉乃に想いをぶつけるシーンでは台詞を歌として表現していますけれど、想いが爆発した表現として非常にしっくりきました。歌舞伎では踊りのときはもちろん、お芝居の中でも音楽を使って表現します。歌舞伎もミュージカルも映像作品も、演じるということにおいて重要なのはその中に感情があるかどうか。それを表現できるかどうかということなんです。もちろん、映画と歌舞伎では表現の技法は違いますし、この映画でも歌舞伎とは変えています。ですが究極は、愛の表現に限らず、表現という意味ではどのエンターテインメントもすべて同じだと思いますね」そのうえで、愛するという表現で大切にしていることは?「自分が人を愛した記憶を思い起こすというか。その人をイメージするわけではないですが、演じるうえではそのときの感情が大きく役に立つと思います。今回でいえば、何よりその瞬間に吉乃さんを愛してるという気持ちをちゃんと持つことですかね」自分の経験が反映されるとなると、当然、年齢を重ねることで変化もあるのだろうか。「全然違ってきますよね。好きという感情はあっても、一緒にいると悪い部分も見えてきたり、我慢しなくてはならないこともあります。20代前半の頃は、そういう自分にとって嫌なことは全部受け入れられなかった。ですが、年齢も経験も重ねるなかで、相手を変えるのは無理ですので、結局は、相手の駄目な部分や自分とは違う部分も受け入れられるかどうかだと考えるようになりました」それは吉乃が自分のことを愛してくれないという認めたくない現実を受け入れ、彼女の幸せを願うことに通じる。ポップなテイストの中に大人な視線があるこの作品を通して届けたいことは何だろう。「人を決めつけないということですよね。自分が変わることで周りも変わる。自分が勇気を持って踏み出さないかぎりは何も変わらないということは、恋愛だけにとどまらない、人に対する愛情というところ。生活において色々な方と接するなかで、誰しも大なり小なり苦手に感じる相手はいるでしょうけど、そういう方も角度を変えて見たら意外といい人だったりする。そういうことにふと気づくような作品になったらいいですね」この作品が幸せな余韻をくれるのは、その証拠だろう。映画館を後にするときには、思わず香芝が歌った歌を口ずさんでいる自分に気づくかもしれない。「音楽と映像美のチャレンジングな構成も純粋に楽しんでいただきたいですね。音楽と映画はニコイチだったりして、『ホール・ニュー・ワールド』が流れれば、『アラジン』のシーンが浮かぶ。欲を言えば、『オンリー・ユー、オンリー・ミー』がかかったら、観てくださった方の脳裏には香芝が吉乃に想いをぶつける情景が浮かんでくれるような映画になれたらいいですね」Q.松也さんにとって愛しさを感じるものはなんですか?スニーカー。『マイケル・ジョーダン:ラストダンス』を観たら、エアジョーダンが急に欲しくなりました。『スター・ウォーズ』などずっと好きなものはあるのですが、こんなに急激にハマったのは初めて。もし、急に熱が冷めたら、買い集めたスニーカーが自分にとって何の価値もないものになってしまうのではないかと心配です。Q.愛する表現が印象的な映画があれば教えてください。『ラブ・アクチュアリー』。キーラ・ナイトレイが演じる親友の奥さんに惚れちゃった男が、玄関先で何も言わず、フリップを見せて愛を伝えて、君が幸せであればいいんだと何も求めないで帰っちゃう。あのシチュエーションがすごく素敵です。ある種、香芝の感情と似てますよね。せつないのですが、観ているこちらもすっきりする。Q.ラブとライクの違いはなんだと思いますか?ライクは、その人のいいところだけしか見ないこと。ラブは、その人の駄目なところも受け入れること。本当に愛してると言える友人たちが僕にはいるのですが、彼らのことは悪いところも全部知っていて、そこも好き。悪いところも含めて、その人ですから。そこまで思えない人のことは、まだラブまで至ってないのでしょうね。尾上松也1985年1月30日生まれ。東京都出身。1990 年に二代目尾上松也を名乗り初舞台。『メタルマクベスdisc2』など歌舞伎以外の舞台でも活躍。山崎育三郎、城田優と立ち上げたプロジェクト「IMY(アイマイ)」でも活躍。ジャケット¥36,000パンツ¥18,000(共にミスターオリーブ/ウォークインクローゼット TEL:03・5459・1885)シャツ¥31,000(ティーエスエス/ティーエスエス 代官山ストア TEL:03・5939・8090)その他はスタイリスト私物※『anan』2021年2月17日号より。写真・野呂知功(TRIVAL)スタイリスト・椎名宣光ヘア&メイク・岡田泰宜(PATIONN)取材、文・杉谷伸子撮影協力・バックグラウンズ ファクトリー(by anan編集部)
2021年02月12日尾上松也の初主演映画『すくってごらん』から、歌唱シーンや金魚すくいシーンなど、歌と笑いが収められた本予告編と本ポスターが完成。百田夏菜子が役名“生駒吉乃”として主題歌を歌うことが発表された。本予告では、たった1つの過ちで左遷され、気持ちが荒む香芝(尾上松也)が謎の美女・吉乃(百田夏菜子)と金魚すくいに出会うシーンが。偶然出会った吉乃にひと目惚れし、「お兄さん、こっち」といざなわれるまま、金魚すくいの店「紅燈屋」に迷いこむと、そこは夢と現実の境が曖昧になったかのような魅惑の世界。本作の見どころの1つである、優雅で斬新な映像表現を垣間見ることができる。そんな香芝は、取引先のカフェ店員・山添明日香(石田ニコル)に「かわいくて、切なげな姿に惚れちゃったんだ?」と見抜かれるが、彼は動揺しながらも認めたくない。仕事一筋で生きていくと決めたはずだが、明日香からキスをされ、さらに心揺れて「なんだー!!」と仁王立ちで叫ぶことに。左遷の地での予期せぬことの連続に、少しずつ変わっていく姿が印象的だ。そしてついに、「真剣勝負だ!」とポイを持って宣言する香芝。仕事しか知らなかった“元エリート”銀行員が人生の大逆転をかけた一世一代の大勝負に臨むのか!?また、本予告はもちろん、本編中に流れる歌は全てキャストの歌唱によるもの。「紅燈屋」のシーンで流れる「ゆらゆらゆらり~」という歌詞の曲は、今回初めて披露される百田さん演じる生駒吉乃の歌声。さらに、熱唱する香芝、ピアノを弾く吉乃と王寺昇(柿澤勇人)、山添明日香はギターを手に歌う姿も。本ポスターでは、「人生も恋も大ピンチ!」というコピーと、人生と恋の荒波にもまれ様々な表情を見せる香芝、彼にとって大きな存在の吉乃、そして王寺昇、山添明日香らが集まった明るく、遊び心あふれるコラージュに。百田さん演じる生駒吉乃が歌う主題歌のタイトルは「赤い幻夜」。詳細は、後日発表となっている。『すくってごらん』は3月12日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:すくってごらん 2021年3月12日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開(C)2020映画「すくってごらん」製作委員会 (C)大谷紀子/講談社
2021年02月03日東京・国立劇場のロビーには、手慣れた所作で、後援者に挨拶して回る紫の着物姿の富司純子(75)の姿があった。公演中の新春歌舞伎『四天王御江戸鏑』には、夫・尾上菊五郎(78)、長男・尾上菊之助(43)がそろい踏み。酒宴のシーンではNiziUの『Make you happy』が流れ、菊之助らが縄跳びダンスを披露するなど観客を大いに沸かせていた。富司は“梨園の妻”の傍ら、女優として16年ぶりに主演した映画『椿の庭』も今春に公開される。公私とも順風満帆に思える富司だが、実は深い悩みを抱えていた。「長男の菊之助さんと、この2~3年ほど、まともに口を聞いていないそうです」(後援会関係者)蜜月だった親子に、いったい何があったのか――。’13年2月、菊之助は中村吉右衛門(76)の四女・瓔子さん(38)と結婚。歌舞伎界は沸いた。「富司さんの幸せの頂点は、和康さん(菊之助)の結婚だったでしょう。嫁の瓔子さんは音羽屋の跡継ぎを産み、ご実家の播磨屋さんのお客さんまで引っ張ってきてくれましたから」(歌舞伎関係者)新婚生活は、都内の一等地にある実家の二世帯住宅で始まった。「2000年に新築された3階建てで、建物の持ち分3分の1は菊之助さん。富司は嫁の瓔子さんに《朝は必ず、10種類以上の野菜を使った自家製ジュースを作る》といった“音羽屋のイロハ”を教え込みました」(前出・後援会関係者)結婚した年の11月には、第1子長男・和史くんが誕生。菊五郎、吉右衛門という人間国宝の祖父2人を持つエリートだ。「菊五郎さん以上に、吉右衛門さんの喜びは相当なものでした。吉右衛門さんのところは娘4人でしたから、初孫の男の子に“自分の芸を伝えられる”と満面の笑みでした」(前出・歌舞伎関係者)■菊之助夫妻の共同名義で4億円を借入その4年後の’15年7月、菊之助夫妻に第2子の長女も生まれた。「そのころから菊之助さんは“子供2人で手狭になった”と二世帯住宅を出ると言いだしました。その転居先が“仮住まい”の賃貸物件ではなかったから問題となったのです」(前出・後援会関係者)菊之助は’16年11月に都内一等地にある超高級新築マンションを瓔子さんと共同で約4億円を借入して購入していたのだ。「富司さんは長男が家を守ってくれるように二世帯住宅を建てたわけですから、これは大誤算です。実家を出ていっただけでもショックなのに、しばらくして夫婦共同名義で4億円もローンを組んだことを聞き、音羽屋として面子が立たないと感じたようなんです。“瓔子さんの父・吉右衛門さんのバックアップがあるから、それだけ借りられる”ということですから……」(前出・後援会関係者)これを機に、富司と菊之助夫妻との間に溝ができたというのだ。「富司さんは菊之助夫妻には音羽屋流を貫いてほしいと思っています。和史くん誕生後は、より一層、その思いが強くなったといいます。ただ、瓔子さんにとっては、和史くんに父の播磨屋流もどこかで受け継いでほしい思いもあります。“孫に少しでも多く会わせたい”気持ちも募ります。菊之助さんは播磨屋の将来も見据える瓔子さんを守りたい一心で、新居を購入し家を飛び出したようなんです」(前出・後援会関係者)1月中旬、国立劇場の舞台を終えた菊之助は家具店でバスマットを購入後、タクシーでその超高級マンションへと帰っていった。前出の後援会関係者が語る。「菊之助夫妻には、’17年9月に第3子となる次女が誕生しています。歌舞伎界では珍しく周囲に極秘にしていたのは、すでに実家を出ていることをあまり知られたくなかったこともあったと思います。’19年には珍しくバラエティ番組に出演して『ウチの母は天然』と、富司さんが自らの誕生日を1カ月間違えたエピソードを楽しそうに話していたのですが……」■富司を直撃すると…’19年5月、和史くんは尾上丑之助を襲名して初舞台を踏む。会見で菊之助は、「父、岳父(吉右衛門)のお芝居をどんどん見て、古典の面白さ、奥深さを追究してほしい」と熱弁。“鬼平”吉右衛門も“ジジバカ”へと豹変した。「手取り足取り芝居を教えていました。ただ、コロナ禍以降は会うこともままならなくなり、瓔子さんがつなぐリモート対面が精いっぱい。吉右衛門さんは寂しくて孫の絵を描いていたほどです。現在、吉右衛門さんは体調不良で歌舞伎座を休演中です。そんな吉右衛門さんを支えているのは、孫からの電話と『孫が歌舞伎の世界でハツラツと生きられるよう土台を作らなければ』という信念だそうです」(前出・歌舞伎関係者)吉右衛門は、瓔子さんに播磨屋を継ぐ“2人目の男の子”を期待しているという。「当代の吉右衛門さんも高麗屋から養子に入ってまで守り続けた播磨屋の芸ですから、孫に継いでもらいたいと思うのが本心です。この3月には自分が監修を務める国立劇場の座頭に菊之助さんを起用しています。富司さんは、明らかに播磨屋側に傾いているように映る菊之助さんに『音羽屋の跡取りの覚悟を持って』と心から願うゆえ、しばらく距離を置くことで自覚を促しているといいます。歌舞伎界で“團菊”と称されるように、市川團十郎に次ぐ大名跡・菊五郎を彼は将来継ぐのですから……」(前出・後援会関係者)1月下旬、国立劇場に自家用車で優雅に現れた富司に話を聞いた。――女性自身です。「はい、何ですか?」――菊之助さん一家が実家を出て以降、不仲だと聞いています。「……」問いかけた記者には答えず、運転手を呼び、足早に劇場内へと立ち去ってしまった――。かつて富司は本誌のインタビューでこう力説していた。「梨園に嫁いだ以上、家代々伝える芸を継承させる、次にバトンを渡すという責任があります。しかも、芸を継げるのは『男の子でないと』という規律がありますから」(’06年12月19日号)富司が訴えていた「大名跡の覚悟」、今の菊之助にはどう聞こえているのだろうか――。「女性自身」2021年2月9日号 掲載
2021年01月26日映画版では描かれなかった宮崎駿の名作漫画全7巻の壮大な物語全てを新作歌舞伎化した「風の谷のナウシカ」のBlu-ray&DVDが、本日1月20日(水)リリースされた。この度、必見の名シーンが映像で到着した。宮崎作品初の歌舞伎舞台化、同時にスタジオジブリの関連作品歌舞伎舞台化も初となった本作。主人公ナウシカを尾上菊之助、ナウシカと対する皇女クシャナを中村七之助が演じ、新橋演舞場で上演された本作のチケットは即日完売、全国の映画館でディレイビューイングとして上映もされ話題となった。今回到着した映像は、<火の7日間>で世界を焼き尽くした「巨神兵」が、歌舞伎の舞台でも姿を現す必見の名シーン。巨大な産業文明は滅び、大地のほとんどは巨大な蟲が生き、有毒な瘴気を発する菌類の森、腐海に覆われる。それでも人間同士の争いは止むことがなく、トルメキア王国と土鬼諸侯国連合帝国の2大国が対立。そして、土鬼帝国の聖都・シュワの奥深くでは、兵器「巨神兵」が目を覚まそうとしていた。巨神兵と対峙するのは皇兄・ナムリス(坂東巳之助)。弟・ミラルパ(坂東巳之助/2役)を亡き者にして土鬼神聖皇帝の座についたナムリスは、旧世界の兵器を手中にし、世界をも手に入れるべく動き出す。そして旧世界の英知を封印した、古代文字で覆われたシュワの墓所。ついに辿り着いたナウシカたちに主は世界の再建について語りかける――。声を担当したのは、重要無形文化財保持者(人間国宝)の中村吉右衛門だ。世界の再建の秘密を知り、それでも墓所を倒し、闇へ帰すことを選択したナウシカ。本作では蘇った旧世界の兵器「巨神兵オーマ」と、シュワの「墓所」との戦いを、それぞれ「オーマの精」(尾上右近)と「墓の主の精」(中村歌昇)として顕現させることで表現している。なお、今回リリースされるBlu-ray&DVDには、昼の部を前編、夜の部を後編として収録。名場面を収めたフォトブック、映像特典なども収録されている。(cinemacafe.net)
2021年01月20日2020年最大のヒットドラマとなった『半沢直樹』での好演も記憶に新しい尾上松也が、〈このマンガがすごい!〉大賞にもランクインした金魚すくいを題材にした原作漫画を、ユニークな世界観で映画化した『すくってごらん』で映画初主演を果たす。尾上松也演じる、東京本社から左遷された銀行員・香芝が、“金魚すくい”を通じて成長していく姿を、歌やダンスを盛り込みながら見つめていく本作。香芝が一目惚れするヒロイン・吉乃を演じるのは、人気アイドルグループ・ももいろクローバーZの一員であり、女優としても注目を浴びている百田夏菜子だ。3月12日の全国公開に向け、1月15日からはチケット発売が開始。ぴあ限定絵柄のクリアファイル付きムビチケも同日発売となる。初共演となったふたりが撮影を振り返った。突如として始まるラップに「どこからあんな発想が出てくるの?」── 原作の持つ“金魚すくい”という題材に加えて、映画版ではさらにユニークな世界が構築されています。おふたりとも登場シーンから歌を披露していますね。松也香芝は冒頭、柿澤(勇人)くん演じる王寺の車に乗った途端に歌い出してますからね。今回、いくつもの歌を歌いましたが、途中、ラップまでありますから。百田大好きですよ、あのラップ。松也僕も好きだけど、どこからあんな発想が出てくるんだろうと思いました(笑)。非常にトリッキーな演出で、なおかつあそこは急に英語になりますからね。英語でラップする機会なんてなかなかないですから、難しかったです。プラス動きもありましたし。銀行内でのシーンで、動きをみんなで合わせる必要があったので、事前にみんなで練習してから現場入りしました。それから、支店長が書類にハンコを押してリズムを刻むシーンがあるのですが、支店長が全然できなくて(笑)。百田そうだったんですか。松也何度もやりましたね。みんなで文句言ってプレッシャーをかけながら(笑)。── 百田さんは歌に加え、ピアノを弾くシーンもあります。百田そうなんです。幼稚園のときにピアニカを触ったことがあるくらいで、ピアノを弾いたことなんてありませんでした。最初に音源をいただいたときは、「だいぶピアノ弾いてる感じだけど、これをやるの?」と心配になりました。でもやっていくうちに楽しくなって、最初は、本編で使われるピアノの音は吹き替える予定だったんですけど、せっかく弾けるようになったんだから、音も自分の音にしたほうが伝わるねということで、レコーディングしたんです。歌のレコーディングには慣れていますが、ピアノのレコーディングは初めてでした。幻想的なデュエットシーンを成功させたのは、バスケット⁉── デュエット場面もありました。電話ボックスが登場するシーンはとても幻想的でしたが、松也さんは水を浴びていましたね。松也倉庫のようなスタジオに、セットを立て込んで撮影しました。百田最後に松也さんが電話ボックスを開けると、水がバシャ!と顔にかかって現実に戻るんですけど、1発で成功させないといけないので、緊張感がありましたよね。松也スタッフで事前に何回もテストをしたので、スタジオ内を何人もずぶ濡れの人が歩いてました(笑)。本番では、真正面から顔に水を受けましたが、なんとか1発で成功させました。── 初共演ですが、デュエットというのは、仲良くなるきっかけになるものですか?百田仲良くなれたのはバスケットですよね。松也そうそう!序盤に百田さんと踊り子さんたちが登場して、僕が不思議な世界に誘われていくシーンがあるんです。そこのリハーサルを、ロケ地近くの体育館でやった時に、せっかく体育館だし、百田さんもバスケ部だったということで、みんなでバスケをしたんです。フリースロー対決をして、負けた人がアイスクリームをおごることになって。百田私が勝ちました!松也あのとき、最初にバスケで仲良くなれたのはすごくよかったですね。百田それがあったから、デュエットも、よりやりやすかったのかもしれません。脚本からは想像しきれなかったオリジナリティ溢れる世界観が魅力── 完成作を観て、お互いのシーンで印象的だったところを教えてください。松也僕は後半、吉乃さんが王寺の歌っているところを見て、涙を流しているシーンがとても印象的でした。キレイだったのと当時に、香芝としては吉乃に惹かれているわけですから、複雑なシーンでした。そこから続く、石田ニコルさんの演じる明日香さんが加わっての、幼なじみ3人で話している場面も、自分は入れない感じがあって切なかったです。百田私は香芝さんと明日香さんのデュエットシーンです。すごく好きな曲ですが、あそこは特に大人な感じがあって引き込まれました。おふたりがすごく魅力的でした。松也僕は、あのときが映像で初のキスシーンだったんですよ。映像ファーストキス。百田奪うんじゃなくて、奪われてましたよね(笑)。松也すごく緊張してたんですが、ニコルさんにリハーサルの時からしれっとキスされて(笑)。ニコルさんも映像ファーストキスだったらしいんですけどね。── 改めて初主演&初ヒロインを務めた感想は?百田脚本だけでは想像しきれないことばかりの作品でした。しかも今回、共演させていただいた方々が、みなさん全然違うジャンルで活躍されている方ばかりだったことも新鮮で、撮影が楽しみでした。それに、自分がヒロインという重要なポジションでやらせていただくなんて想像もしていないことでした。松也でもいつも“週末ヒロイン”なわけでしょ。百田確かに週末はヒロインですけど。って、そういうのはいいですから!(笑)とにかく、この世界に飛び込んでみたいと思って挑戦させていただきました。みなさんとの関係性や掛け合いを大切にできたと思います。松也脚本からは想像ができないからこそ、興味が湧いて、魅力を感じた作品です。「これをどうやるの?」と(笑)。現場では、真壁(幸紀)監督が思い描いているものを形にしようという空気を作って、とにかくみんなで楽しくいられればいいという思いでした。引っ張っていけたかは自分では分かりませんが、そうしたいい空気にはなっていたと思います。ふたりとも、脚本からはどんな映画になるのか想像ができなかったと振り返る『すくってごらん』。大胆な映像表現と演出で、原作の持つオリジナリティをさらに発展させてみせた。不思議な城下町を訪れた主人公は、何を“すくって”みせるのか。達者な役者たちが生み出す世界に身を委ねて感じて欲しい。取材・文:望月ふみ撮影:稲澤朝博『すくってごらん』 3月12日(金)公開ムビチケ前売券(カード)発売中特典:A4オリジナルクリアファイル(数量限定)※ぴあ限定オリジナルクリアファイル付きムビチケ前売券(カード)は チケットぴあ() にて発売中原作者・大谷紀子による描き下ろしイラストのムビチケぴあ限定特典のオリジナルクリアファイル(C)2020映画「すくってごらん」製作委員会 (C)大谷紀子/講談社尾上松也さん、百田夏菜子さんのサイン入りチェキを2名様にプレゼントします!ぴあアプリを ダウンロード(dpia-app://contentAll?contentId=97740401-ef6e-4a86-b3a5-d4fd2dc23277&contentTypeId=2) すると、この記事内に応募ボタンがあります。
2021年01月15日尾上松也初主演映画『すくってごらん』より、4種類のキャラクターポスタービジュアルが公開された。とある失敗で左遷された、松也さん演じる銀行マンの香芝誠が、都会から遠く離れた地で出会った金魚すくいを通じて成長していく物語が描かれる本作。今回到着したキャラクターポスターは、金魚すくいの店「紅燈屋」で初めて金魚すくいに向き合う香芝をはじめ、暖簾をくぐる、百田夏菜子(「ももいろクローバーZ」)演じる「紅燈屋」の生駒吉乃。吉乃が「お兄さま」と呼ぶ、柿澤勇人演じる謎の男・王寺昇が、金魚カーに乗っている姿。奈良の古き良き街並みを背に写る、香芝に恋心を抱く石田ニコル演じる魅惑的なカフェ店員・山添明日香の4名がそれぞれ写し出されている。金魚のモチーフと共に、「“元”エリート銀行員」、「運命的に出会う謎の美女」などと、キャラクターについてのコピーも添えられている。さらに、1月15日(金)よりムビチケ前売券(カード)が販売される。こちらは、原作者・大谷紀子による描き下ろしイラスト。映画キャストにあわせ、松也さん演じる香芝と百田さん演じる吉乃が金魚すくいを楽しんでいる姿が描かれている。特典は、キャラクターポスターの写真が使用されたA4サイズのオリジナルクリアファイルとなっている(数量限定)。また「BE LOVE」3月号(2月1日発売)では、大谷さんの撮影ロケレポート漫画の掲載も予定されている。『すくってごらん』は3月12日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:すくってごらん 2021年3月12日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開(C)2020映画「すくってごらん」製作委員会 (C)大谷紀子/講談社
2021年01月14日大谷紀子の金魚すくい漫画を原作とした、尾上松也の映画初主演作『すくってごらん』より、本作の映像初公開となる特報映像、さらに場面写真も到着した。本作は、順風満帆なエリート銀行員人生から道を外れ、荒んだ気持ちを抱えて左遷の地にやってきた、松也さん演じる香芝誠が、世界一静かで優雅なスポーツといわれる「金魚すくい」や、それを取り巻く人々と出会い、成長していく物語。今回到着した映像では、本作のヒロイン・生駒吉乃(百田夏菜子)が、「一戦交えてってくださいな」と誘うシーンや、大きな水槽にたくさんの金魚が泳ぐ美しい映像。そして、生駒に「惚れちゃったんだ」と言い放つ山添明日香(石田ニコル)、「楽しんでいってくださいね」と言う王寺昇(柿澤勇人)など、恋の物語も期待膨らむシーンが見られる。さらに、『モアナと伝説の海』のマウイ役や、ミュージカルなど多くの舞台にも参加する松也さんが歌唱するシーンも挿入されている。『すくってごらん』は2021年3月、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開予定。(cinemacafe.net)■関連作品:すくってごらん 2021年3月、TOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開(C)2020映画「すくってごらん」製作委員会 (C)大谷紀子/講談社
2020年12月23日今月も引き続き、四部完全入れ替え制での上演だ。桟敷を含め、前後左右を開けた千鳥型の席配置となる。第一部は『弥生の花浅草祭』。江戸時代、三月に催されていた浅草神社の三社祭の山車人形を題材に、常磐津、清元、長唄と音楽が変化していく中を、ふたりの役者がそれぞれ四役を踊り分けていく躍動感あふれる変化舞踊だ。片岡愛之助が竹内宿禰、悪玉、国侍、獅子の精を、尾上松也が神功皇后、善玉、通人、獅子の精を踊り分ける。第二部は古典落語『星野屋』を題材に、2018年に上演された新作歌舞伎。青物問屋の星野屋昭蔵に囲われている元芸者のおたか。金の工面に困った昭蔵はおたかに別れ話を切り出す。一緒に心中することになってしまったが、おたかに死ぬ気はさらさらなく……。中村七之助のおたか、市川中車の昭蔵、市川猿弥が母お熊、片岡亀蔵が和泉屋藤助。個性あふれる面々がだましだまされる面白さを味わいたい。第三部は近松門左衛門作の人形浄瑠璃として初演された『傾城反魂香』。絵師の浮世又平は生来言葉が不自由で、女房おとくがいつも彼の代弁をする。師匠の土佐将監を尋ね土佐の名字を名乗りたいと申し出るが、又平には功績がなく、弟弟子に先を越されてしまう。又平は絶望し、死を覚悟する。最期に手水鉢に自画像を描くと筆の勢いが奇跡を招いて……。相手を思い合う夫婦の愛情に心が温まる。実直な又平に中村勘九郎、かいがいしいおとくに市川猿之助、弟弟子の狩野雅楽之助に市川團子、将監の北の方に中村梅花、将監光信に片岡市蔵。第四部は『日本振袖始』。日本神話を扱った近松門左衛門作の舞踊劇だ。出雲国の八岐大蛇を鎮めるために、毎年ひとりずつ娘が人身御供に差し出される。今年は稲田姫が捧げられることになる。どこからともなく現れる岩長姫だが、実は大蛇の化身だった。毒酒とも知らずに好物の酒を次々飲み干し、ついには稲田姫をも。そこへ素戔嗚尊が姫と宝剣を取り戻しに現れて……。坂東玉三郎の岩長姫実は八岐大蛇、中村梅枝の稲田姫、尾上菊之助の素戔嗚尊。文:五十川晶子歌舞伎座『十二月大歌舞伎』2020年12月1日(火)~2020年12月26日(土)会場:東京・歌舞伎座※坂東玉三郎新型コロナウイルス感染症の濃厚接触者と認定されたため、12月1日(火)~7日(月)は下記の配役にて上演。【第四部】『日本振袖始』12月1日(火)~7日(月)岩長姫実は八岐大蛇尾上 菊之助素盞嗚尊坂東彦三郎12月9日(水)~26日(土)岩長姫実は八岐大蛇坂東玉三郎素盞嗚尊尾上菊之助
2020年12月01日歌舞伎俳優の尾上松也が、映画『すくってごらん』で初主演を務めることが14日、明らかになった。ヒロインをももいろクローバーZのリーダー・百田夏菜子が務める。同作は大谷紀子による世界初の金魚すくい漫画の実写化作。思い描いていた順風満帆なエリート銀行員人生から外れ、荒んだ気持ちを抱えて左遷の地にやってきたプライドは高いがネガティブな男・香芝誠(尾上松也)が、金魚すくいの店を営む美女・吉乃(百田夏菜子)と出会い、世界一静かで優雅なスポーツといわれる「金魚すくい」やそれを取り巻く人々と出会い、成長していく。日曜劇場『半沢直樹』(TBS)でのIT社長・瀬名役も記憶に新しい松也は映画初主演で“元エリート”銀行員の香芝誠を演じる。さらに香芝が一目ぼれする美女・生駒吉乃役として、百田が初のヒロイン役を務める。主人公が左遷初日に運命的に出会い、一目ぼれをするミステリアスな女性を演じ、今までの元気いっぱいのイメージを封印し大人の佇まいで新たな一面を見せる。原作は世界初の金魚すくいマンガにして、『このマンガがすごい!』にもランクインした『すくってごらん』(大谷紀子/講談社)。映画化を熱望していたファンも多く、今回待望の実写化となった。メガホンをとったのは、長編デビュー作『ボクは坊さん』で高い評価を受けた俊英・真壁幸紀で、原作と同じ奈良県を舞台に、原作で描かれた城下町と金魚の持つ「和」の世界観を活かしながら、斬新な映像表現を駆使した新たなる物語を誕生させた。○尾上松也 コメントオファーを頂いたとき、金魚すくいのお話ということと、漫画を映画にするにあたってのアプローチの仕方が想像もつかない、なんて無茶なことをしようとしているんだと。ぜひ一緒にチャレンジしたいと思いました。出来上がったものを観たら、案の定ぶっとんだものになっていて、初主演のプレッシャーもありましたが、改めて出演してよかったと思いました。とにかく今までに見た事のない作品というのは間違いないです。非常に幻想的で、金魚と光のコラボレーションで魅せる日本ならではの映画、日本にしか出来ない映像美に満ちた作品になっています。○百田夏菜子 コメント台本をどんなに読み込んでも想像し切れなかった部分がたくさんあって、撮影中もどうなるんだろうと思っていましたが、吹き出してしまうようなシーンもいくつかあって、すごくおもしろい純粋に楽しい作品になりました。日本の良さや日本らしさがたくさん詰まっていて、日本人で良かったと思える瞬間もある映画です。そして、初ヒロインのほかにも私にとって初めての挑戦もたくさん詰まっています。まだ言えないこともたくさんあるので、みなさまには色々なことを楽しみにしていただきたいです。○真壁幸紀監督 コメント配信全盛の時代に、映画館という空間でしか成立しない映画を作りたかった。その為には「稀代のエンターテイナー」である尾上松也さんの才能が必要でした。映画を見終わった後、誰もが「映画館で観なければ意味がない。松也さんしかこの役は出来ない」と思うはずです。『幕が上がる』を観て以来、ずっと役者としての百田夏菜子さんに興味がありました。圧倒的な”光“の中 に見える”影”がとても美しく、彼女を撮れば、まさしく”映画”になりました。主演のお二方の名前を見て、勘の良い方は「これは...」とお気づきかと思われますが、その予想すら超える“エンターティメント”を映画館に″体験”しに来てください。○原作者・大谷紀子 コメント長かった……! やっと……やっとここまで辿り着きました。映画化のお話を頂いたのが約4年前。コロナの影響もあって今このタイミングでの発表となりました。主演の香芝役を尾上松也さん、ヒロインの吉乃役を百田夏菜子さんに演じて頂けるという、贅沢かつ幸せな作品です。『すくってごらん』を描くにあたってお世話になった方々、読者の皆さまのお力あっての映画化です……! 本当に感謝しかありません!! 上映される頃には三密も解かれて楽しく鑑賞出来ることを願っています。
2020年10月14日エンタメサイト「uP!!!」にて配信中の番組『Treasure Chest』第2回目のゲストが尾上右近に決定した。『Treasure Chest=(宝箱)』は、俳優・モデルとして幅広く活躍中の伊藤あさひがMCを務めるuP!!!オリジナルトーク番組。第2回目のゲストはバラエティ番組でも注目を集める歌舞伎界のプリンス2代目尾上右近がゲストとして登場する。番組恒例のゲストが持参する「自分の宝物」のコーナーでは、尾上が歌舞伎俳優と清元との二刀流だからこその貴重な宝物を披露。歌舞伎への思いや責任感を熱く語ることから始まり、MC伊藤あさひへ人生観のアドバイスをするなど、ふたりは初対面とは思えない濃密なトークを展開。兄のような存在の尾上がまるでMCのように伊藤をひっぱりつつ、尾上の今後の展望や恋愛観に迫っていく。uP!!!ではauスマートパスプレミアム会員に向け、9月30日(水)12:00より、毎週水曜日更新で全4回にわたり配信。auスマートパスプレミアム会員はauキャリア以外の方でも入会できるため、入会方法など詳細はuP!!!にて確認してほしい。●伊藤あさひコメント今回尾上さんとは初対面で、最初はとても緊張していたのですが、すごくフランクに話してくださり、最後のほうはリラックスしていろいろお話しさせて頂きました。実際に歌舞伎をやられてる方のお話を聞いて興味を持ちましたし、本当に歌舞伎が大好きな方で、且つやりたい事に対してとても真っ直ぐな方だなと思いました。●尾上右近コメント本人には言えないですけどね、とっても素晴らしい青年でしたね。歌舞伎の世界ではまだまだ若手で先輩の方が多い中、8つ下の俳優さんと話す機会はなかなかなく、大人っぽく落ち着いていて、色々な事をきちんと見えていて、でも初々しいところもあり、刺激を受けました。全編通して歌舞伎の話をさせていただきまして、歌舞伎の魅力を感じて、歌舞伎が気になるエンタメと思ってもらえたら嬉しいなと思います。◆uP!!!オリジナルトーク番組『Tresure Chest』配信概要メインMC:伊藤あさひ第2回出演ゲスト:尾上右近配信プラットホーム:エンタメサイト「uP!!! 」詳細、視聴はこちら: 対象ユーザー:auスマートパスプレミアム会員※月額情報料499円/初回30日無料※auスマートパスプレミアム会員はauキャリア以外の方でも入会できます。<配信:2020年9月30日(水)12:00~>第1回:9月30日(水)12:00~11月4日(水)12:00第2回:10月7日(水)12:00~11月4日(水)12:00第3回:10月14日(水)12:00~11月4日(水)12:00第4回:10月21日(水)12:00~11月4日(水)12:00※10/28(水)~11月4日(水)は1~4回まで全編試聴を予定(アーカイブ期間)お申込み・詳細はこちら:
2020年09月30日山崎育三郎、尾上松也、城田優による「IMY歌謡祭」が、Streaming+とPIA LIVE STREAMにてライブ配信されることが決定した。日本のミュージカル・演劇シーンをリードする山崎育三郎(I)、尾上松也(M)、城田優(Y)の3名が、日本初の新しいエンターテインメントを生み出すべく昨年立ち上げたプロジェクト「IMY」(アイマイ)。昨年4月には、第1弾公演として「IMY 旗揚げコンサート~まだ色々曖昧なトリオの明確な門出~」を開催。今回の歌謡祭は、第2弾公演となる。ライブ配信するのは、夜公演。昼公演とは少し企画内容が異なっている。なお、チケットは10月2日(金)10時~11日(日)20時まで販売される。「IMY歌謡祭 ライブ配信」は10月10日(土)Streaming+、PIA LIVE STREAMにて配信(19時開演)。※アーカイブ配信期間(見逃し配信)10月11日(日)0時~23時59分(cinemacafe.net)
2020年09月28日歌舞伎俳優・尾上松也が、ABEMAにて記念すべき初MCを務めるオーディション番組「主役の椅子はオレの椅子」が9月16日(水)22時より配信スタートとなる。19人の若手俳優たちが、舞台の「主役の椅子」を勝ち取るため、毎日オーディションに挑み、さらには共同生活も送るという内容で、熾烈なバトルが繰り広げられることが想像できる。「もしこの話が来ても…受けません(笑)」と笑顔を交えて話す松也さんだが、彼らと同じ年端の頃は歯を食いしばり、自分の生きる道を必死に模索していたという。歌舞伎はもとより、映像作品やミュージカル、バラエティー番組と躍進が続く裏には、知られざる努力もあった。松也さんの語ってくれた経験は、若手俳優たちの奮起のひとさじになるに違いない。俳優同士の熾烈なサバイバル・オーディション番組「話が来ても、受けない(笑)」――主役の座をかけてサバイバル生活をするというオーディション番組が始まります。内容を聞いたとき、どう感じましたか?松也:19人の俳優がともに生活をして、オーディションを受けて、舞台の主演から何かをつかもうとする、という内容なんですよね。自分は、歌舞伎をはじめ舞台が中心なものですから、最初「舞台の主演を競い合う」ことに、すごく魅力を感じました。少なからず、同じ演劇というものを志す人間として、どのような感じで挑戦するのかを見てみたいな、と思ったんです。――松也さんは、もはやオーディションを受けることはないと思いますが、演劇人として、俳優の先輩として、MCとして、いろいろな気持ちでご覧になりそうですか?松也:そうですね。僕も若い頃には、歌舞伎以外の分野で、オーディションを何度も受けていましたから。この番組に出る方たちは、10代ないし20代前半が中心ですけれど、板の上に立ったときの燃えたぎる情熱は、たぶんどんな立場になっても変わらないですし、逆に言うと忘れてはいけないこと。ですので、単純にドキュメンタリー番組として面白いところもありますが、僕自身は、この番組を通じて、かつて自分がオーディションを受けたときのことを思い返しながら、自分自身のこれまでの役者人生とこれからの考え方が変わるのかななど、照らし合わせながら見ていきたい気持ちです。――実際、その年の頃にこのお話がきていたら、受けていたと思います?松也:いや…これはきついです(笑)。僕なら絶対心が折れるから、もしこのお話しが来ても、僕は受けません(笑)。オーディションは受けに行きましたけど、この「一緒に生活する」ことが過酷だと思う。ただ生活するだけではなく、毎日誰かが落とされていくのでね…。偏見かもしれませんが、芸能活動をする人方、特に第一線で活躍されている方の多くは我が強いですし、そういう方が生き抜いていかれる世界だと思うんです。それで言うと、団体行動に向いている人は早々いないと思いますし、僕自身も決して向いていない(笑)。だから、19人の皆さんは参加を決めただけで本当にリスペクトですよ。歌舞伎界で“主役の椅子”を取るため、松也さんが取った行動とは――松也さんの俳優としてのこだわりや信条など、教えていただけますか?松也:僕の大きなひとつの指針となっている言葉は、「継続は力なり」です。何でも諦めたらそこで終わりなので、自分の夢や理想があり本当につかみたいなら、どんなことがあってもその気持ちを絶やしてはいけないと思っています。…ですけど、続けるって大変に難しいことですよね。僕自身、折れそうになることは何度もありますが、何とかやってこられたのは、周りの人の助けと、やはり死ぬまでチャレンジ精神や向上心を持っていることで。実体験として、まだ何か花開くような兆しもないときから、そう信じてやってきて、結果的には花開いてつながったものが多いので、すごく大事なことかなと思っています。――本番組のMCしかり、歌舞伎以外にも、様々な活動をされていらっしゃいます。どうしてそこまでチャレンジ精神を持ち続けていられるんですか?バイタリティの秘訣は?松也:僕の中では…大きなコンプレックスが作用していると思います。歌舞伎界は世襲制が強いのですが、僕はもともと家柄のない人間なので、恵まれていたわけではなく、フィーチャーされづらい位置にいたんです。父は僕が二十歳のときに亡くなりましたので、なおさら「これは自分でなんとかしなくてはならない」と思いを強くしましたし、父がせっかく作ってくれたレールの上をただ歩くのでは、それこそ“主役の椅子”は取れません。歌舞伎界で“主役の椅子”を与えてもらうためには、歌舞伎以外の活動を通じて、多くの方に見ていただけるようになって、必要とされる存在にならなきゃいけない、という気持ちがあったんです。――歌舞伎以外の選択をする際、前例がなかったのもありますし、怖くはありませんでしたか?松也:おっしゃる通り、今の僕のような立ち位置でやっている人って、いないんですよね。今でも心細いです。それでも、失敗しようがしまいが、そこで動かないことには何も未来が拓けない状況でしたので、周りに何を言われようが「やるだけのことはやってみよう」と決意して始めました。「大丈夫、絶対に俺はこうなるんだ」というイメージを忘れずに継続させていたことが、自分の中では大きな力になったと思います。「穏やかな夜を欲してる」松也さんの意外な今の“推し”は…――情報解禁時のコメントでは「“推し”を探して見て頂ければ」とありました。今、松也さんが“推し”ている人、もしくはモノなど、ありますか?松也:モノになるんですが…この自粛期間中に、キャンドルにどハマりしました。今も絶賛ハマっています。緊急事態宣言のとき、断捨離をしたんですね。その中に、たまにいただくキャンドルがあって、普段はあまり使わないので捨てようかなと思ったんですけど、捨てる前に「せっかくだから1回つけてみようか」と。試しにつけたら、炎から目が離せなくなりました。そこから集め出して、今は毎晩20個近くのキャンドルを焚いて、夜を過ごしています。――一時的なブームで終わりそうですか?続きそうですか?松也:キャンドルに関しては、続きそうなんですよ。全メーカーを網羅したいと思っていますし、それが終わったら自分でも作ってみたくて(笑)。もともと、明るい蛍光灯みたいな色は好きじゃなくて、家の灯りはオレンジっぽい淡い色にしていたんです。だからか、キャンドルの炎は、すごくリラックスできる感じなんですよね。ホッとするんです。――自粛中も今も、1日の終わりに一息つける時間のおともとして役立っているんですね。松也:あまりそういう人間じゃないと思っていたんですけど、自粛期間中は、自分もいろいろストレスを感じていたようでして。「このままだとヤバいな」という感じもあったんです。家の中で、自分の癒やしになるようなこと、ストレス発散になるようなことはないかなと思ったときの出会いだったので、キャンドルは本当に落ち着きますね。…さらに言えば、リビングのテーブルの上にキャンドルを20個ほど載せて、焚いて、その前のテレビには焚火のYouTubeを流しています(笑)。ライトを全部消して、それだけで過ごすという。コロナ渦以前は、自分がそういうことで夜を落ち着いて過ごすなんて想像もしていなかったんですけど、「こんな穏やかな夜を欲してるのか」と思いますよ(笑)。これが今の僕の“推し”です。(text:赤山恭子)
2020年09月16日尾上松也(35以下、松也)えりさんとは家族ぐるみで身内みたいなお付き合いをさせていただいて。渡辺えり(65・以下、渡辺)そうそう、お母さん(元新派女優の河合盛恵さん)とは“えりもりコンビ”で『ぴったんこカン・カン』(TBS系)に出ました(笑)。妹の(春本)由香ちゃんとも今春、舞台『有頂天作家』で共演する予定でしたし。コロナの影響で延期になってしまったけど。松也4年前、舞台『狸御殿』でえりさんと共演させていただいたときは、毎晩のように飲みに行ってましたよね。渡辺あのときは母子役で。新橋演舞場は(故・中村)勘三郎さんゆかりの劇場だったので、私が何度も泣いて演技できなくなる日もあって。そのたびに松也くんがカバーして慰めてくれたんだよね。松也えりさんは大先輩ですけど、本当にどんな新人の方よりも探求心と向上心が強くて、見習わなくてはと驚かされました。渡辺松也くんは明るくて、人を甘えさせてくれる、ドンと来いという大きな親分肌のところがあって、一緒にお芝居してると勘三郎さんのたたずまいを思い出して、すごくうれしいんです。2人は8月21日からの舞台『消えなさいローラ』でも共演する。松也は現在、ドラマ『半沢直樹』に瀬名洋介役で出演中。実は渡辺も大の『半沢』ファンであり、話題は収録秘話へと移っていった。渡辺見てますよ、『半沢直樹』!皆さんの顔芸、すごいよね(笑)。松也ありがとうございます。現場では直前までフェースシールドをつけているので、本番では皆さんのテンションが急にあがるんです(笑)。渡辺7年前の第1作のときから見てたの?松也見てはいましたが、続編への出演が決まってから改めて全部見直しました。やはり、惹かれましたね。香川(照之)さんも(片岡)愛之助さんも、あれだけ大胆な演技をしても『半沢直樹』の中では普通に感じられる。笑えるのに説得力があるじゃないですか。僕も頑張らないとなと心しましたね。今回は残念ながら香川さんと(市川)猿之助さんとは現場が一緒になることがなくて……。渡辺瀬名社長が着ている、あの白いVネックのインナー、すごく似合ってるわよ!松也あの白いインナーはジャイさん(福澤克雄監督)が決めてくださったんです。皆さんスーツが多いなか、瀬名だけがカジュアルなのですが、服装には無頓着、先輩肌ってイメージで選んだそうです。渡辺スティーブ・ジョブズ(アップル社の創業者)をモデルにしたとかあったの?松也いや、原作を読んだ僕のイメージと、ジャイさんの思い描く瀬名像で構築しました。瀬名は正義漢で熱い男ですからね。歌舞伎の諸先輩方の怒った表情を想像したり、どんな演技をされるのかを予想したりしながらつくっていきました。渡辺大和田役の香川さん、第4話ではほんとに泣いてましたよね。松也香川さんは変幻自在ですよね。あの演技力には頭が下がります。原作では大和田は登場していないので、ドラマの演技はオリジナルなんです。渡辺会社のシーンでも何十人もエキストラ使って、緊張しない?松也僕の役は重要な役だとジャイさんから伺っていたので、撮影初日は緊張しましたね。堺雅人さんとの最初のからみでは堺さんがすごい長ゼリフで、それが完璧だった。専門用語がたくさん入ってるのに、まったくかまずに。そんな堺さんに引っ張られ、僕も負けていられないという気持ちになりました。堺さんは緊張してた僕を見て、『歌舞伎、これから先どうなるの?』とかフランクに気さくに話しかけてくださって。渡辺堺さん、私が演出した舞台にも出てくれたことがあったんですが、打ち合わせに20分遅れてきたから思わず雷落としちゃって。もっとやさしくしとけばよかった(笑)。ほかに印象に残ってるシーンある?松也僕が郷田社長(戸次重幸)のオフィスに乗り込んで詰め寄るシーンです。瀬名社長は短気なのでいきなりぶち切れ、堺さんが体を張って止めに入る場面があったんです。そのとき堺さんが「全然遠慮しないで振り払っていいよ」っておっしゃってくださったので、思いきりできました。「これぞ『半沢直樹』!」って感じでした。渡辺半沢さんとの剣道のシーンも素敵だったわね。松也あのシーンは1日がかりで撮ってたんですよ。道場を去るシーンでは、これからいよいよ反撃開始だと。そう思ったら思わず「うおー!」と口から奇声が出ちゃって!渡辺アドリブでしょ?監督から怒られなかった?松也逆にジャイさんが喜んでくださって、褒められたんです。渡辺それは私も鼻が高い(笑)。『消えなさいローラ』は松也にとって7カ月ぶりの舞台になる。松也僕、えりさんが演出される舞台にまた出演したいと言っていたので、今回ようやく夢がかないました。渡辺松也くんは私が演出した歌舞伎『新版 舌切雀』にも出てくださって、あれが初対面。松也あのときは僕はまだ22歳。当初はセリフもないお役だったのが、勘九郎さんが早変わりで2役勤めるはずが間に合わない。それでもう一つのお役を(片岡)孝太郎さんが勤めることになって、そのお役が僕に回ってきた。稽古中はえりさん、僕のことをかなり我慢してくださってましたよね(笑)。渡辺勘三郎さんに「あの子、大丈夫?」なんて失礼なことを言ったら「いい役者んだから我慢して見てやれよ」と怒鳴られて。稽古終わるころには反省してました。松也2人芝居は僕の人生で3回目。最初に稽古場入ったとき、お芝居ができる喜びでグッときました。1月の新春浅草歌舞伎以降、舞台に立っていませんから。渡辺コロナだから握手もハグもできなかったですけど(笑)。松也今回の舞台はミステリアスで、コメディでもあり、深い話なのでぜひご覧いただきたいです。「女性自身」2020年9月1日号 掲載
2020年08月19日俳優の菅田将暉、中村倫也、尾上菊之助、小日向文世、アイドルグループ・乃木坂46の白石麻衣が出演する「アサヒスーパードライ」の新テレビCM「2020年、みんなの夏。」篇が、10日より全国で放送される。「2020 年、みんなの夏。」篇は、“動き出そう。新しい未来へ。”というメッセージとともに、夏の暑さの中で仕事に取り組みながら、5人が躍動感を持って前向きに生きている姿を描いたもの。それぞれが一生懸命仕事に取り組んだ後に、おいしそうに「スーパードライ」を飲む。今回、緊急事態宣言解除後の撮影となったが、フェイスシールドの着用、室内換気、ソーシャルディスタンスの確保などの徹底した感染予防対策を実施。CMキャラクターである5人は、「夏の暑さの中で前向きに取り組む姿を、躍動感のある動きと熱い表情で表現してほしい」と依頼されて撮影に臨んだ。菅田は夏の青空の下で、元気に外を駆け抜ける若手ビジネスマン役を、中村さんはテレワークで奮闘する姿を演じ、2人が「スーパードライ」を飲むシーンの撮影では、監督やスタッフが思わず「飲みたい」と口に出してしまうほど、“ビールがうまい瞬間”を表現した。菊之助は工場長役を熱演。整備士役を演じた小日向は監督と綿密な打ち合わせをして撮影に臨んだ。そして、デザイナーを演じた白石は、重い本を運ぶシーンやプレゼンをするシーンなどさまざまな演技に挑戦し、幅広い表現力にスタッフから感嘆の声が上がった。
2020年07月10日俳優の中村倫也、女優の杏らが所属する芸能事務所「トップコート」のYouTubeチャンネルで21日、中村がストーリー、杏が絵を担当した絵本動画が公開され、反響を呼んでいる。絵本のタイトルは『つきのくらしは』で、月で暮らすウサギ、カニ、女の子のやりとりを描いたほっこりするストーリー。中村(ウサギ役)、木村佳乃(カニ役)、佐々木希(女の子役)が声を演じ、尾上菊之助が語りを務めている。豪華コラボによる絵本動画に、「素敵なお話だ」「ステキな絵本ありがとうございます!!」「なんて豪華なメンバーなんでしょ!! 「いい話にいい声、素敵すぎる… トップコートさんありがとう」「可愛いお話と絵でほっこりしました」「メンツ豪華すぎです」「読み語り付き絵本、とても癒されます」「こんな心が暖かくなる絵本は久しぶりですウサギ」などとコメントが続々。「倫也くんも杏ちゃんも色んな才能があるんですねえ」「杏さん、絵うまっっっ!!!!」「素敵なお話!可愛い絵!優しい声! 皆さん本当に色々な才能をお持ちなんですね」「杏さんの絵がとても可愛らしくほのぼのとしてますね」「倫也くんのストーリー素敵」「尾上さんナレーション神ってる」「佳乃さんの声の演技が圧巻でした!!」「のぞみさんの声癒されました」と、それぞれの才能を称賛する声も上がっている。
2020年05月22日俳優・中村倫也らが制作した絵本の動画が、所属事務所「トップコート」の公式YouTubeチャンネルで公開。「とっても心温まる」「可愛い」「ほっこり」とファンから絶賛の声が寄せられている。今回公開されたのは、「つきのくらしは」というタイトルの絵本で、つきに住むウサギ、カニ、女の子の3人が、桜の苗を植えるが…というほっこりする物語。動画終盤には手書き文字でクレジットも記載されており、可愛らしい温かな絵は、先日の弾き語りも話題となった女優・杏が担当しているほか、キャラクターの声は木村佳乃(カニ役)、中村さん(ウサギ役)、佐々木希(女の子役)。また、尾上菊之助が語りを担当している。今回物語を作り、ウサギの声も務めた中村さんは、Twitterで「みんなで絵本を作ってみました。楽しんでいただけたら幸せです」と呼びかけている。すでに、6万回以上視聴されている本動画(5/22現在)。視聴した人たちからは「とても素敵なお話と優しいタッチの絵、みなさんの朗読にほっこりしました」「ほのぼのとしました娘も嬉しそうに見ていました」「杏ちゃんの絵がとてもキレイで、皆さんの声だけの演技に吸い込まれました」「心がほっこり暖かくなりました」など“癒やされた”という声が多く寄せられている。(cinemacafe.net)
2020年05月22日昨年末に上演され、大きな注目を集めた新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』のディレイビューイングが開催されている。昼の部を“前編”、夜の部を“後編”として舞台の模様を収録した映像を映画館の大スクリーンで上映。新橋演舞場の公演チケットは即日完売しており、映画館にも多くの人が足を運ぶことになりそうだ。『風の谷のナウシカ』は、宮崎駿の同名漫画、ならびアニメーション作品で、日本だけでなく海外の観客からも熱狂的な支持を集めている。歌舞伎版は全7巻の漫画を2部の通し新作歌舞伎として上演したもので、壮大な世界観、重厚なドラマ、哲学的な主題を古典歌舞伎の技法を用いながら描いている。主人公ナウシカを尾上菊之助、トルメキアの皇女クシャナを中村七之助が演じ、丹羽圭子と戸部和久が脚本を、G2が演出を手がける。前編は2月20日(木)までの上映で、28日(金)から3月5日(木)まで後編を上映する。新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』ディレイビューイング前編2月20日(木)まで後編2月28日(金)から3月5日(木)まで
2020年02月15日昨年末に新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』での好演が話題を呼んだ歌舞伎界の新鋭・尾上右近(27)。「新しい年もチャレンジングな1年にしたい」という言葉どおり、次に挑戦するのは、現代劇。’17年放送のNHKドラマ『この声をきみに』のスピンオフ舞台『この声をきみに〜もう一つの物語』(大阪公演/3月6〜8日、サンケイホールブリーゼにて。東京公演/3月12〜22日、俳優座劇場にて)だ。「型が決まっている歌舞伎はセリフをほぼ観客に向かってしゃべるけれど、現代劇は相手と向き合う。歌舞伎では感じられない、会話の重要性と難しさを実感しました」(右近・以下同)今作は、ある朗読教室に集まり、声で心を開放していく人たちの交わりを描く心温まる大人のラブストーリーだ。専門外のジャンルにも果敢に挑む姿が頼もしい。祖父と父は六代目・七代目清元延寿太夫。清元という古典音楽の宗家に生まれた右近が、歌舞伎役者を志したのは、3歳のときだった。「おばあちゃんの家に行ったときに、映画監督の小津安二郎さんが父方のひいおじいさん(六代目尾上菊五郎)の『春興鏡獅子』を撮った映画を見たんです。で、歌舞伎の魅力に取りつかれて、『あの役になりたい!』と。あの日の様子をすごく鮮明に覚えていますね。部屋に西日が差していて……あれは僕のなかに残っているいちばん古い記憶です」「女性自身」2020年2月11日号 掲載
2020年02月03日「5カ月に及ぶ撮影でしたが、視聴率は初回から2桁をキープ。最終回は16.4%と、昨年放送の新作連ドラでは平均視聴率No.1作品となりました」(テレビ局関係者)木村拓哉(47)の主演ドラマ『グランメゾン東京』(TBS系)の打ち上げが昨年12月下旬、都内のホテルで行われた。午後6時開始を前に、木村をはじめ、鈴木京香(51)、Kis-My-Ft2の玉森裕太(29)、及川光博(50)、尾上菊之助(42)など主要キャストが続々と会場入り。「今回の撮影現場で京香さんは笑顔を絶やさず、常に周囲を明るくしていました。この日の打ち上げでも、スタッフ一人一人を気遣っていました」(ドラマ関係者)打ち上げでは抽選会が行われ、木村は賞品を3つも出したという。「なかでも豪華だったのが『4泊6日のペアのパリ旅行』。ミシュラン三つ星を獲得し、ドラマにも登場した有名レストラン『ランブロワジー』の食事券付きで、総額50万円超という大盤振舞いでした」と語るのは、別のドラマ関係者。「2点目は木村さんの私物であるバイクのヘルメットとブーツ。劇中で小道具として使っていたものです。3点目がサイン入りの木村さんのソロアルバム。1月8日発売の前に用意してくださいました」さらに“祝勝会”ならではの“三つ星”サプライズゲストが!「主題歌を担当した山下達郎さん(66)が急遽会場に来られ、主題歌『RECIPE』と、17年前の木村さんの主演ドラマ『GOOD LUCK!!』(TBS系)の主題歌『RIDE ON TIME』の2曲を披露したんです。参加者はみんな総立ちで聴き入っていましたね。山下さんは歌い終わると帰られましたが、いつも落ち着いている京香さんもこのときばかりはうれしさのあまり絶叫して大はしゃぎしていました」(参加者)撮影時のNG集も流され、4時間半にわたる1次会はお開きに。2次会は、近くのカジュアルダイニングで行われた。「木村さんはジャニーズの後輩・玉森さんが翌日、紅白のリハーサルだったらしく、一緒にウオツカのショットを酌み交わしたりして、『思いっきり暴れてこいよ!』と初出場する彼を激励していました。店にはカラオケもありましたが、皆さん話が尽きない感じで、歌うよりもおしゃべりしっ放し。宴は深夜3時過ぎまで続いたそうです。ふだん2次会には姿を現さない京香さんも参加され、深夜0時ごろに一足先に帰られました」(前出・参加者)恋人・長谷川博己(42)との結婚が近いと報じられる鈴木。2020年は“三つ星”獲得となるかーー。「女性自身」2020年1月21日号 掲載
2020年01月06日木村拓哉が東京で三ッ星を目指すフランス料理シェフを演じた「グランメゾン東京」の最終回となる11話が、12月29日放送。尾花とリンダの“勝負”で見せた木村さんと冨永愛の演技に心が震えた視聴者から絶賛の声が寄せられている。尾花夏樹はパリに自分の店を持ち二つ星を獲得するまでに至るも、日仏首脳会談でアレルギー食材混入事件を起こし転落。そんな尾花が天才的な舌を持つシェフ・早見倫子と出会い、東京で「グランメゾン東京」を立ち上げ、再び三ッ星を目指す…という本作。尾花を木村さんが演じるほか、「グランメゾン東京」のシェフ・早見倫子に鈴木京香。ギャルソンの京野に沢村一樹。「グランメゾン東京」に参加する相沢瓶人に及川光博。平古祥平に玉森裕太。「グランメゾン東京」のパティシエ・松井萌絵に吉谷彩子。バイトとして「グランメゾン東京」の立ち上げメンバーとなる芹田公一に寛 一 郎。ソムリエの久住栞奈に中村アン。祥平の恋人で萌絵に嫉妬する蛯名美優に朝倉あき。尾花のライバルで東京で「gaku」のシェフをしている丹後学に尾上菊之助。「gaku」のオーナー・江藤不三男に手塚とおる。尾花の元カノで「グランメゾン東京」の星取りを妨害するリンダ・真知子・リシャールに冨永さんといったキャスト。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。ミシュランの審査が近づくなか、フレンチ“禁断の食材”マグロで三ッ星を取れる料理を作ろうと試行錯誤する尾花だが、メニュー開発は一向に進まず、不安になった倫子はマグロに代わる魚料理を自分が作ると言い出す。そして完成した「ハタのロティ」を試食した尾花はいままでみせたことがない表情を見せるが、三ッ星はマグロ料理で行くといい、革新的な一皿を完成させる。そして来店した調査員に倫子はハタのロティを提供すると言い、尾花は店を辞めると言い出す。結果倫子は三ッ星を獲得、その様子を涙を浮かべ眺めていた尾花は「ハタのロティ、死ぬほど旨かった」と倫子を褒めたたえ、再び新たな挑戦をしようと言うのだった…というストーリーが展開した。グランメゾン東京に星を取らせまいとミシュランに裏工作するリンダに尾花が直談判。「いままでで最高!その感動を味わいたくてフーディーたちは世界中を旅する」も世界中の美食を味わい尽くしたリンダは「何を食べても心が動かなくなってる」と指摘し、首に手をまわし「もう1度経験したくないか。あの興奮を」と、ささやくように告げる。このシーンに「なんか洋画観てるみたいにカッコよかった」「首に手をかけながらウィスパーな尾花夏樹かっこよすぎ」などの声が相次ぐ。また木村さんの演技を「役柄にたくさんの記号を作ってる…話題やブームになりやすいよう自ら分かりやすく仕掛けてたのでは…!?って思って震えてる」と分析する声や「ハタのロティを食べた後、うっすら涙を浮かべて、わずかに微笑みを浮かべた後、感情を抑えて、素っ気ない対応をする木村拓哉の演技が素晴らしすぎた」と、繊細で微妙な表情を駆使した今作での演技を讃える声も。そして尾花の説得で再び来店したリンダに、グランメゾン東京のスタッフたちが総力を挙げて最高の料理を提供していく…リンダを演じた冨永さんにも「冨永さんだからこそ出せる凄み」「冨永愛さん、はまり役だな。セリフ言わなくっても顔だけでこの存在感 お見事」と絶賛の声が送られる。一方、伝説のジビエ猟師として尾花たちに食材を提供してきた峰岸(石丸幹二)の妻役でお笑いタレントの椿鬼奴が出演。トラックを運転しながら鬼奴さんがアニメ「鬼滅の刃」の主題歌「紅蓮華」を歌っていたシーンにも、多くの視聴者が反応。「グランメゾン東京でも鬼滅の刃のop熱唱しちゃうくらいハマってるんだねw声出して笑っちゃったww」「グランメゾン東京観てたら、椿鬼奴が紅蓮華歌ってて笑ったwww鬼滅ほんと好きなのね」などの反応が集まっていた。(笠緒)
2019年12月30日