本記事では、初心者の方でも簡単にできる、わかりやすい投資信託選びのポイントについて解説します。結論を先に申し上げます。コストは運用成績に寄与しないので、0.3%以下(より低い方が良い)などから選ぶ市場はおおむね効率的だと考えられるので、市場平均に連動するだけのインデックス型投資信託を選ぶ毎月分配型は資産形成に適していないので避けるだけでよいバランス型を選ぶ際は、株式比率が何%なのか理解してから選ぶ本記事では上記4点に焦点を当てます。どういうことでしょうか。それでは見てみましょう。初心者の方でもできる投資信託の銘柄選び方2ポイント!最低限ここをチェック!初心者の方が投資信託選びで迷った際は、まず次の2点を最低限チェックしてみてください。コストは運用成績に寄与しないので、0.3%以下(より低い方が良い)などから選ぶ市場はおおむね効率的だと考えられるので、市場平均に連動するだけのインデックス型投資信託を選ぶ投資信託は国内に5千本とも6千本ともいわれる本数があります。しかし、それらを一つずつチェックしていては大変です。そこで、証券会社のHPや各種カタログなどで迷った時は、上記2つの項目をチェックしてみてください。多くの場合、選択肢は激減し、数本だけに絞られます。それにしても、どうして投資信託を選ぶ際に、上記2点が重要なのでしょうか。投資信託の選び方ポイント①手数料が低い方が良いワケまず、投資信託を保有する時には手数料(コスト)がかかります。この手数料は金融機関などで働く方のお給料などになります。つまり、金融機関は手数料ビジネスの一面も持っているのですね。もちろん悪いことではありません。手数料は金融機関などの売り手側にとっては収益ですが、私たち個人の投資家にとってはただの手数料(コスト)です。そのため、手数料をかければかけるほどに、私たちの利益が減っていきます。損失が出ている場合は、損失がより大きくなるだけです。ちょっと下の図表を見てみましょう。上記は、仮に過去数十年間の平均リターンが2.5%の投資信託が過去に存在していたら、利益を再投資する複利効果(雪だるま式)に増えた場合、何年間でお金が2倍に増えたか?というシミュレーション一例です(税金など無視した場合)。複利効果について:72で実質的な運用成果を割ると、何年間で元本が2倍になるかが、分かります。ご覧のように「まったく同じ運用成績」の投資信託の場合、手数料が高いだけで、元本が大きく増えるまでに数十年間も余計にかかってしまうことが確認できました。ここからも、手数料が成績に寄与しないことが分かります。投資信託では、手数料は純然たるマイナス要因なので0.3%以下などから選ぶだけで良い。それより高いのは無視して良い。投資信託の選び方ポイント②インデックス型投資信託のワケ次に投資信託を選ぶポイントのインデックス型投資信託について、わかりやすく説明します。インデックス型投資信託とは、株式や債券などの市場平均に連動するだけの投資信託のことを指しています(基本的に手数料分だけ市場平均を下回ります)。わかりやすくいうと、「平均」を狙うものです。多くの初心者の方は「プロの運用する、手数料の高い特別な投資信託の方が良い成績を残せるに違いない」という勘違いをしています。残念ながら、現代の市場では正解は次のようなものだと考えられます。「プロの運用する、手数料の高い特別な投資信託の方が良い成績を残せるのなら、市場の平均が効率的になるので、市場平均に連動するだけのインデックス型投資信託がコストの安い分、良いと考えられる」というものです。下の図表をご覧ください。一般的な初心者の方の「賢いプロが運用する投資信託」のイメージは上側のようなイメージだと思います。しかし、現実的には、現代の市場は「賢いプロが運用する投資信託」や機関投資家などのプロだらけのイメージです。このような世界(おおむね効率的な市場)においては、市場の平均が大変に効率的になります。つまり、「賢いプロが運用する投資信託」が優れていればいるほど、平均が良くなります。また、手数料が高いほど、市場平均に劣ることになります。そのため、結論としては、手数料の安い、インデックス型投資信託を選ぶことが、理論上は良いと考えられます。投資信託を選ぶ際に重要なことは、手数料が低いこと&市場平均に連動すること積立投資に向いている投資信託銘柄の選び方は?積立投資に向いている投資信託の選び方も、基本的に上記と同様です。積立投資における投資信託選び方より大事なポイントの一つは、長期でできるかどうか積立投資における投資信託の選び方も、やはりコストは運用成績に寄与しないので、0.3%以下(より低い方が良い)などから選ぶ市場はおおむね効率的だと考えられるので、市場平均に連動するだけのインデックス型投資信託を選ぶということになります。そして、より重要なのは、長期でその「自分の選んだ投資信託」を売らずに買い続けることができるのか?という問題です。なぜここが重要なのでしょうか?投資信託で短期間に売買すると、平均よりも成績が悪くなる?初心者の方がやってしまいがちなミステイクの一つとして、3年以内に投資信託を売買してしまう。つまり、買い替えてしまう、ということが挙げられます。なぜ、頻繁な売買がいけないのでしょうか?下の図をご覧ください。(※図表は筆者作成参考文献:敗者のゲームチャールズ・エリス)図表は、米国の1984年から1998年までの14年間における、ある市場平均の株価の伸びと、投資家の実際の成績を表しています。青い方が市場平均です。オレンジが投資家の実際の成績です。どちらがいいか、と言えば、明らかに市場平均の方が良いですね。もうその理由はお分かりですね。「賢いプロが運用する投資信託」のコストを引く前の成績こそが市場平均と近似していると考えられるからです(別の言い方をすると、賢いプロの運用するコストの高い投資信託は多くの場合、青の成績より劣る)。そして、仮に私たち個人が、彼らより賢くないとした場合、市場平均に劣るのは当然です。それにしても、成績がひどく悪いです。なぜでしょうか。それは、多くの個人投資家が3年以内に投資信託を売却してしまうからです。短期的に売買をするということは、市場の平均ではなく、自分たちで変な運用をすることを意味し、それは市場の平均(賢いプロの平均)より悪い成果になることをこのデータは意味しているのかもしれませんね。市場平均で長期的に積立投資に徹すれば、青い方の成績になるのは統計的なデータからも明らかです。しかし、私たちはついついミステイクをしてしまいます。統計的には、長期で積立投資に徹することが良い結果になることを示している初心者の方でもできる、投資信託のタイプ別選び方。それでは、初心者の方でもできる、投資信託のタイプ別の選び方を見てみましょう。本記事では、毎月分配型投資信託とバランス型投資信託にスポットを当てます。初心者に人気の毎月分配投資信託のメリット・デメリットとは?結論から言うと、毎月分配型投資信託は資産形成に適していないので、無視してかまいません。そもそも手数料が高いので効率が悪いです。人は目先の利益が欲しい、という人類共通のクセのようなものがあります。しかし、資産形成においては、利益を再投資して雪だるま式に資産を増やす(複利効果)が重要です。ただ、これには「長い時間」をかけることも重要です。毎月分配型投資信託は初心者に人気があります。しかし、専門家は買いません(効率が悪いから)。毎月分配型にメリットがあるとしたら、毎月お金がもらえるところです。しかし、長期で見るとデメリットです。なぜでしょうか。整理してみましょう。どうするかは個人の自由ですが、2018年から始まった金融庁管轄の「つみたてNISA」という制度には、運用商品選別の要件として「毎月分配型投資信託ではないこと」というものがしっかりと明記してあります。ですから、「つみたてNISA」には毎月分配型投資信託は入っていません。初心者に人気のバランス型投資信託の選び方は?バランス型投資信託を選ぶポイントは信託報酬と呼ばれる手数料が0.3%程度であること(低い方が良い)バランス型の中身が各種市場平均で構成されていること株式比率が何%か一目でわかること(株式比率が何%かわからないものは無視するだけでよい)この3点です。3つ目が新しいポイントですね。初心者の方がバランス型投資信託を選ぶ際は、株式比率で見分けるバランス型投資信託を選ぶ際は、株式比率が何%入っているのか、チェックして、希望の割合を示しているモノを選びましょう。よくある種類としては次のような割合があります。バランス型投資信託 株式比率40%バランス型投資信託 株式比率60%バランス型投資信託 株式比率80%この中から、希望の株式比率のものを選びます。ちなみに、理論上は株式比率が高い方がハイリスク・ハイリターンです。長期的に見て、数十年後などにお金を大きくしたい(途中でお金が必要にならない)のなら、株式比率が高い方が選択肢になると考えられます。【初心者向け】投資信託でファンドや銘柄の選び方のポイントをFPが解説まとめ初心者の方でもできる投資信託の選び方は①手数料が安い②インデックス型投資信託であること投資信託の選び方がどれだけ適切でも、短期的に売買していると運用成績は悪化しやすい毎月分配型投資信託を選ぶのは避ける。バランス型投資信託は好みの株式比率を選ぶ本記事では、初心者の方でもすぐにわかる投資信託の選び方を見ました。途中で意外な内容もあったかもしれません。ですが、それらのポイントを一つ一つひも解いていくことが、私たち個人の資産形成をより合理的なものにするのかもしれません。
2019年03月27日本記事では投資信託で投資をする際のリスクやデメリットについて解説をします。そして株式投資と投資信託の違いについてもわかりやすく説明します。まず、結論から申します。投資信託のリスクには各種ありますが、投資では基本的に値動きがぶれる幅などのことをリスクと申します。本記事では誰でもできるリスクの対処方法についても考察します。こちらの結論は「なにもしない(ほったらかし)」ということです。投資信託のデメリットは、手数料(コスト)が高いものがある、途中で償還される(運用が終わってその時価で売却される)ことなどがあります。また、株式投資と投資信託の大きな違いは、分散の程度(あまり分散されていないか、すごく分散されているか)という違いが個人投資家にとっては大きなところです。それでは、詳しく・わかりやすく見ていきましょう。投資信託での投資におけるリスクや危険性とはどのようなもの?まず、投資信託には各種のリスクがあります。投資のリスクとは一般的に値動きの幅のことを指します。つまり、投資信託で投資を行った場合、買った時のお値段よりも高くなったり・低くなったりする、という可能性のことをリスク(値動きの幅)と申します。リスク(値動きの幅):一般的にはリスクとはマイナスなイメージで語られることが多い。しかし、投資の世界ではリターンの振れ幅のことなので、プラス(もちろんマイナスも)に大きく値動きがぶれることも「リスクが大きい」と表現される。そのため、投資信託での投資で特に重要なリスクは「価格変動リスク」と呼ばれるものです。ちなみに、リスクとリターンの効率を考えた場合、同じリスクの度合いなら、よりリターンが高い方が「効率が良い」という風に考えることが一般的です。効率が良い:長期的に見て同じような期待リターンなら、値動きの幅が小さい(リスクが低い)方が運用としては安定していることになるので、効率が良い、ということ。そして、その価格変動に影響を与える要因にはさらにいろいろとあります。どのようなものでしょうか。投資信託の各種リスクとは代表的な投資信託でのリスクには次のようなものが挙げられます。このような各種リスクが挙げられます。いずれも、未来のことですので、現時点では、はっきりといつ・どこで・どのくらい影響するのかが、不透明な状況です。投資信託のデメリットは手数料投資信託のデメリットは、先ほどのリスク(値動きの幅)のことではありません。確かに、一般的にはリスクは嫌われる存在です。しかし、投資においてはリスクがなければリターンが補償されないと考えられる世界です。リスクによってリターンが補償されるという考え方:リスク(値動きの幅)があるからこそ、世界中の金融機関などのお金の専門家は、リスク(値動きの幅)の大きさに応じてリターンがつくように現在の株価などの適正価格を求めると考えられます。つまり、預貯金のようにリスク(値動きの幅)がないなら、リターンは大変に低いものになります。また、株式のようにリスク(値動きの幅)が大きいからこそ、リターンが長期的・統計的には高くなる、と考えられます。これが、リスクによってリターンが補償される、という考え方です。つまり、投資信託を含む投資において、リスクは必ずしもデメリットではなく、重要なカギなのですね。それでは、投資信託のデメリットとは何でしょうか?それは手数料です。手数料は運用成果を押し下げるだけの存在です。そのため、手数料の高い投資信託を保有する、ということは資産形成においてデメリットとなります。どういうことでしょうか。下の図をご覧ください。※図表は筆者作成図表左端の運用成績は投資信託で分散投資をしている場合、誰に任せても上げたり下げたりすることが意図的にできません。統計的には「市場平均に連動するタイプのインデックス投資信託」と呼ばれるものが合理的だと考えられます。誰に任せても運用成果は変わらない:運用成果は、これまでに見た各種リスクや景気などによって、価格が変動することによって起こった結果です。勘違い(錯誤相関)してはいけないのが、誰かスゴイプロに高い手数料(コスト)を支払っても、運用成果は向上しない、ということです。一例:読者の方が筆者に年間十万円の手数料で、例えば日経平均株価に連動する投資信託を任せても、株価の動き(上がっても下がっても)は全く無関係であり、単に十万円を損するだけです。このような世界(おおむね効率的な市場)においては、手数料とは、単純に実質的な運用成果を押し下げるだけのものだと考えられます。ところで繰り上げ償還になったり、投資信託を解約するとどうなる?ちなみに、先ほど「繰り上げ償還リスクというものが出てきました。これは一般的には金融機関がその投資信託の運用を途中でやめてしまうことを意味しています。運用を途中でやめる理由としては、投資家の資金があまり集まらず、採算が合わない場合や、運用成績が振るわない、などがあるようです。繰り上げ償還されると、その時の時価で払い戻されることになっています。いわば投資信託を解約したことになるのですね。投資信託を解約すると、その時の時価の値段で損得が決まります。ここまで見てきましたように、価格変動リスクがあります。そのため、自分が買った時よりも高くなっていれば利益になります。反対に値下がりしていれば損失となります。買った時よりも安い値段で売ると、損失となる簡単で初心者の誰にでもできる!投資信託における「わかりやすい」リスクの対処方法の説明ここまでで、投資信託には価格が変動するリスクとその要因などについて理解をしてきました。それでは、投資信託のリスク対処方法について見てみましょう。わかりやすく結論を先に言うと「なにもしない(ほったらかし)」です。投資信託のリスクに対する対処法「なにもしない(ほったらかし)」投資信託のリスクに対する対処方法は「なにもしない(ほったらかし)」です。どういうことでしょうか。じつは、リスクには「中央回帰性」と呼ばれるクセのようなものがあります。※図表は筆者作成参考文献:敗者のゲームチャールズ・エリス上の図はリスクをイメージ化したものだと思ってください。左側の図を見ると、マイナスとプラスの幅(リターンの散らばり・値動きの幅)が同じようになっています。そして、ゼロ付近・中央がもっとも多く発生することが分かります。ここは「なんとなくそうかな」くらいの認識で構いません。また、左の図を値動きのイメージにしますと、右の図のようなイメージです。ゼロ付近がもっと多く発生し、プラスとマイナスの幅も同じようになっています。これは、平均があれば、振れ幅が上下同じようになる、というようなイメージでまずは構いません。これは、リスクには中央回帰性がある、ということを意味しています。ということは、どういうことでしょうか?長期で見ると、リスク(値動きの幅)のプラスとマイナスはほぼ等しいと考えられる。リスクには中央回帰性があるので、投資信託のリスクに対する対処方法は「なにもしない(ほったらかし)」ことで初心者でも自然に対処される可能性がある「中央回帰性がある」をもう少し分かりやすく表現します。次のような感じです。大きく値上がりするほどに、中央に戻る(値下がりする)力が強くなる大きく値下がりするほどに、中央に戻る(値上がりする)力が強くなるちょっと難しいですね。わかりやすく身近な例で例えますと、気温です。平均気温がそれぞれの都市にあります。ですが温度差があります(投資ではこの気温差がリスク(値動きの幅)です)。夏に気温が高く上がるほどに、中央に戻る(平均気温に近づく)冬に気温が低く下がるほどに、中央に戻る(平均気温に近づく)誰でも経験がありますね。また、平均気温(投資では過去の平均リターン)があるからこそ、気温差(リスク(値動きの幅))があります。平均気温は気温差からできています。投資のリスク(値動きの幅)は過去のリターンからできています。リスクには中央回帰性があると考えられる。つまり、なにもしない(ほったらかし)と、元に戻りやすいということ。事実、「なにもしない(ほったらかし)」方が運用成果は良くなりやすいリスクには中央回帰性があるとした場合、どのようにしたら、対処できるでしょうか。一つの答えは「なにもしない(ほったらかし)」です。おさらいですが、リスクとは値動きの幅でした。そしてリスクには中央回帰性があるのですから、どんどん下がっていっても「投資対象が合理的に分散されているなら」長期的に見て・過去からの統計的に見ても、中央に戻ると考えられます。ということは?そうです。なにもしないことで、自然とリスク(値動きの幅)の対処は完了します。これは初心者でもプロでも、どなたにでも簡単にできるリスクの対処方法です。実際になにもしない(ほったらかし)にした場合の運用成績を見てみましょう。※図表は筆者作成参考文献:日本経済新聞2018/8/2上記の図をご覧ください。通常の投資信託(左側)の青い棒が投資信託全体の期間10年の平均上昇率です。4%くらいありますね。つまり、なにもしない(ほったらかし)と、4%くらいの運用成績になるはずです。しかし、通常の投資信託のオレンジの棒が投資家の平均利益率です。なにもしない(ほったらかし)場合の半分の2%くらいしか成果が上がっていません。不思議ですね?なぜでしょうか。これはリスク(値動きの幅)に対処しようと慌てて(しかし多くの場合、賢く考えたつもりで)売買をしたがゆえに、こうなってしまいました。残念ながら、賢いはずの私たちはそれほど運用が上手くないのです。一方、右側がなにもしない(ほったらかし)運用の成果です。正確には確定拠出年金(iDeCo・イデコ)での運用成績です。確定拠出年金(iDeCo・イデコ)では、多くの人(一説にはほぼ99%近くの人)がなにもしない(ほったらかし)のです。これは普通の証券会社の口座で投資信託(ファンド)を保有しても投資対象が同じなら、同じ成績です。その結果は、ご覧のとおり、平均上昇率(右側の青い棒)を投資家の平均利益率(オレンジの棒)が超えています。なぜ同等ではなく、平均を超えているのでしょうか?それは、確定拠出年金(iDeCo・イデコ)では自動的に利益を非課税で再投資してくれるからです。そのため、平均を超えています。つまり、雪だるま式(複利効果が発生)にお金が増えているのですね。ですから、リスク(値動きの幅)に対処して慌てて下がった時に売り、高い時に買うよりも、なにもしない(ほったらかし)の方が「多くの人にとっては」良くなる、ということが見て取れます。これは、初心者の人でも、専門家でも、等しく起こることです。統計的に見ると、リスクに対する対処方法は「なにもしない(ほったらかし)」がベターになりやすい。それは、中央回帰性あることも関係している。投資信託と株式投資との違い、リスクとメリットについて最後に、株式投資と投資信託の違いやメリットそしてリスクについて見てみましょう。投資信託で国内・海外の株式投資を行うことの違いとメリットとは?リスクはどうなる?株式投資とは、一般的に個別の株式数社に投資をすることを指します。そして、投資信託でも株式投資ができます。投資信託はいわば入れ物です。この入れ物に株式を数十~数千社いれたようなものが株式主体の投資信託です。では、投資信託で株式投資をすることの違いとメリットはどのようなものでしょうか。それは分散投資がしやすいことです。個人で株式を数千保有することは、資金的に無理があります。しかし、分散したほうがリスク(値動きの幅)が小さくなります。分散とリスクに対する詳細は下記関連記事をご確認ください。投資信託で株式投資をすることで、リスクは個別の株式投資より小さくなります。これが投資信託で株式投資を行うことのメリットです。投資信託のリスクをFPが解説!株とは何が違う?まとめ投資信託のリスクとは、一般的に各種要因によって「価格が変動する」こと投資信託のデメリットとは、手数料が高いものがあること株式投資と投資信託の違いは、対象が広く分散されているか、そうでないか今回は、投資信託のリスクや対処方法、株式投資との違いを見てみました。リスクの対処方法については、「まさか、なにもしない(ほったらかし)方が良い成績になるなんて」と意外な結果に驚かれた人もいるかもしれません。しかし、ここに人と投資の本質が隠されているように筆者は感じます。この点を突き詰めて、理論的に考察していくと、結論としては「市場平均に連動するインデックス型投資信託を長期×分散×積み立て投資に徹して、なにもしない(ほったらかし)」という、非常に退屈な、しかし、大変に効率の良い答えに行きつくのではないでしょうか。
2019年03月26日ベストセラー書籍 『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』 の著者、のじまなみさんにインタビュー。性教育アドバイザーでもあるのじまさんは「セックスを伝えることは最大の防犯になる」と断言しています。最大のタブーを親子間で共有することは、後々のコミュニケーションにも役立つはず。子育ては長期間に及ぶものなので、リスク管理は欠かせません。第二回目の記事では「具体的な性教育の仕方」をお伝えしましたが、なかなかハードルは高いけれど、それでもトライするメリットが多大にあるということはおわかりいただけたのではないでしょうか。そして今回は、「性教育によってもたらされるもの」についてです。のじまなみ さん性教育アドバイザー。「とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会」理事長。防衛医科大学高等看護学校卒業後、看護師として泌尿器科に勤務。自身にも三人の娘がおり「子供達が危険な性の情報に簡単にアクセスできる世界にいる」ことに危機感を抱き、2016年「とにかく明るい性教育【パンツの教室】アカデミー」を設立し、その後協会を立ち上げ、国内外のお母さんたちに性教育を伝えるべく、日々飛び回っている。 とにかく明るい性教育 パンツの教室協会 のじまなみ ブログ ■性教育は最大の防犯教育である「セックスは素晴らしいもの。でも不用意な妊娠を防ぐためには、避妊の方法も同時に伝えなければいけません」とのじまさん。男女関係なく、性被害は起こりますが、妊娠については、男の子側と女の子側と受けるダメージは違ってきます。前回の記事でもお伝えしましたが、なぜ不用意にセックスをしてはいけないのか、若いうちに妊娠するとどうなるのか、と言うことも含めて包み隠さず話すことが大切です。セックスに対して興味を持つのはごく当たり前のこと。「興味本位ではなくて、セックスの先に伝えたいことを考えるといいと思います。性教育は子どもの笑顔と未来を守るものであり、恥ずかしいことではない、とお母さんが自身に言い聞かせながら、やってみてください」のじまさんによると、性教育を受けている子はセックスの初体験の年齢が上がるというデータもあるそうです。聞けば聞くほどに重要性を持つ性教育ですが、ここで素朴な疑問をもう1つ、のじまさんにお聞きしました。―― これまではお母さんが行うことを基本としてお話が進んできましたが、では、お父さんは性教育にどのように関わってもらえばよいのでしょうか?「ここまでお話ししてきたことからもお分かりいただけるように、性教育は“待ったなし”です。私自身は父親に性教育を受けましたが、基本的にはお母さんが取り組んだほうが良いと思っています。なぜなら、それが一番の近道だからです。繰り返しますが、性教育は“待ったなし”です。いつ我が子が性トラブルに巻き込まれるか分からないのです。 これまで私は4,000人のお母さんに性教育の手ほどきをしてきましたが、親からきちんと性の話を受けたことがあるのはたった4人、つまり全体の0.1%です。お父さんはそれ以上に性教育を受けてきていません。今のお父さんたちは『いずれ知るだろう』というスタンスで、内心子どもを心配していても言えることがない。お母さん自身が、性教育のハードルを乗り越えることに加えて、お父さんの意識まで変えようとするのは、正直言ってなかなかしんどいです。つまり“時間がかかるの”です。まずはお母さんから性教育をはじめれば、自然と家庭内で性教育に対する前向きな意識が育っていくでしょう。もちろん、お父さんが積極的に性教育に関わるのに越したことはありません。でも、最初は“参加してくれたらラッキー”くらいに構えているとよいかもしれませんね」なるほどの意見! 過剰に期待せずに、でんと構えてもらい、夫婦として基本的な考えを合致しておけば、子どもも安心ですね。ちなみに、すでに独自で性教育している方で、今回お聞きしたお話のようにできていなかったと言う方もいらっしゃると思いますが「心配はありません」と、のじまさん。「マイナスの性教育をしてしまった場合は、2倍の性教育をして肯定してあげることです。何しろ自己肯定感を育てることが大切です」自己肯定感を育むということは、子育てにおいては肝となるべきこと。「性」だけを切り抜かず、子育て全体の中のひとつとして捉えて見てはどうでしょうか。■性トラブルは身近にゴロゴロ転がっている!性教育については、ちょっと怖い話も伺いました。「これまでは知らない人からの危険を回避する、というお話でしたが、実は知っている人からの性トラブルも多いという現実があります」。これはなかなかに怖い話。身近な人間からの性トラブルは、子ども自身、母親に話すことを躊躇してしまいそうですが、日頃からなんでも話せる関係性を作っておけば回避できそう。子どもにとって、味方なのだ、ということを常に伝えておくことで安心させるといいのかもしれません。また、ネットが発達した最近では、ライン婚やSNS婚なども増えてきているのだそう。人と人との可能性、出会いも広がりましたが、気軽に人間関係も繋がれるということは、リスクもその分強まったことにもなります。危険はあちこちに転がっているということ。決してそれは、他人事ではないのです。母親として未然にトラブルを防ぐこと。性教育は必須の教育なのだということがわかるでしょう。■アイデンティティーの強要社会性教育の話の延長で、のじまさんが現代の「子育て」の変化について実感していることも話してくれました。「ここまでは子どもへの話でしたが、デジタル時代になって生きづらくなったのは大人も同じ。SNSが広がったことで、得られる情報は増えたけれど、余計な情報も知ることになりました。そのことによって、人は無理やり『アイデンティティ』を持たないといけなくなった。それは子育て中のお母さんにとってマイナスになることもあります」支持されるのは、“素敵なお母さん”。おしゃれなファッションをして、スタイリッシュな家具に囲まれ、家事も上手で、教育にも熱心。比べてはいけない、と思いつつ自分と比べてしまうのが人間の心理というもの。このような必要性が問われる情報が、母親自身の自己肯定感をも奪ってしまう、とのじまさんは指摘しています。筆者も育児と仕事の両立で悩んで挫折した経験があるのですが、その頃はまだそんなにSNSを使ってない時代でした。あの時にSNSがあったらと思うと正直、ゾッとすることもあります。「気にしない」「私は私!」と強い自分を持つこと。そのままの自分を認めてあげること。子どもを大切にできるのは、自分を大切にすることができるお母さんなのではないでしょうか。そういう意味でも、性教育から「自己肯定感」を育むことは、お母さんにとっても得るものはとても大きい。■お母さん同士で共感する時代へ!性について、セックス、生理、命が生まれること。今回ののじまさんのお話は、どれをとっても心を掴まれる事柄ばかり。堂々と性教育していきたいものです。確かに、性教育をすぐにしようと思っても、いくつものハードルがあり、なかなか手がけられないというお母さんもいるかもしれません。日々、性教育の他にたくさんやらなければならないことがあり、なんでもお母さんへ負担がのしかかってしまっている現実はありますが、こういう時こそ、お母さん同士で繋がり、必要なことをシェアしてみてはどうでしょうか。タブーなことからは見て見ぬ振りをして、踏み込まなかった時代から、タブーを打ち破り、共感しあう時代へ。今こそ、お母さんの意識改革の時なのかもしれません。
2019年03月25日性教育アドバイザーで、 「お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!」 の著者であるのじまなみさんに、「性教育」についてお話を伺いながらご紹介する連載の2回目です。前回は日本の性教育の実態を伺い、なぜ性教育が必要なのか、その危険性について述べました。今回は、具体的な性教育の実践法についてご紹介したいと思います。のじまなみ さん性教育アドバイザー。「とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会」理事長。防衛医科大学高等看護学校卒業後、看護師として泌尿器科に勤務。自身にも三人の娘がおり「子供達が危険な性の情報に簡単にアクセスできる世界にいる」ことに危機感を抱き、2016年「とにかく明るい性教育【パンツの教室】アカデミー」を設立し、その後協会を立ち上げ、国内外のお母さんたちに性教育を伝えるべく、日々飛び回っている。 とにかく明るい性教育 パンツの教室協会 のじまなみ ブログ ■性教育は、子どもの「自己肯定感」を育むために必要まずは前回触れた、のじまさんによる性教育の3つのメリットについてお話ししていきましょう。1、自己肯定感が高まり、自分も人も愛せる人間になる2、性犯罪の被害者・加害者にならない3、低年齢の性体験・妊娠・中絶のリスクを回避できる1、自己肯定感が高まり、自分も人も愛せる人間になる1 についてですが、日本の子どもは、世界有数の先進国であるのにも関わらず、自己肯定感が低いと問題視されています。深刻なのは、10代の死因のトップが自殺であること。背景にあるのがこの自己肯定感の欠如だ、とのじまさんは指摘しています。「性教育を通じて、あなたは奇跡が重なって生まれてきたのだ、ということを伝えると、子どもは『愛情』を受けとり、エネルギーにしていくことができます。そして、子どもの自己肯定感を育むことで、親子間のコミュニケーションがスムーズになり、深い絆で結ばれるようになります」2、性犯罪の被害者・加害者にならない2 の性犯罪については、筆者が 「SEIJUKU」 (セイジュク)という性教育ワークショップを始めた理由とも重なっています。社会のトラブルの根幹にあるのは性問題。そのことから身を守るには、きちんと性について知ることが親子で必要だと考え、興味のある方同士でセッションを始めたのですが、この中でよく話題に上るのがいつ自分の子どもが加害者に、被害者になるかわからないという不安についてです。「まだまだ子どもだから」と思っているうちに、子どもはどんどん外からの情報を得て、親が感知できない知識を増やし、危険な領域に入っていきます。善悪を見極められるようになるまで、大人が正しい知識を持ってストップをかけなければいけません。「覚えておきたいのは、性犯罪の被害者は女の子だという思い込み。実は被害者の4割は男の子だという事実です。男の子を好む小児性愛者は一定数おり、とても陰湿です。性犯罪にあった子の精神ダメージは計り知れません。お母さんが積極的に防犯に関わり、女の子も男の子も性犯罪から、身を守る方法を教えてあげてください」3、低年齢の性体験・妊娠・中絶のリスクを回避できる3 の不用意な妊娠については、誰もが避けたい大きな関心事ではないでしょうか。ただ、ここで重要なのはセックスを語らずに性教育はできないということ、とのじまさん。「セックスについては常に説明できるように準備しておく必要があります。そして、今どうしてセックスをしてはいけないのか、デメリットとメリットをお母さんの口から伝えることが重要です。思春期のセックスへの興味本位による行為を防ぐためにも、きちんとした知識を、明確に伝えてください」■性教育は、何歳の時に、何から始めるか3大メリットについては子育てにおいてとても重要であることはご理解いただけたと思います。早速始めいところですが、気になるのが性教育をスタートする年齢です。のじまさん曰く性教育をスタートさせるのに適しているのは「3歳」だというから驚き。「私は、子どもたちが、まだうんこ、おっぱい、ちんちん、が大好きな年齢である3歳から10歳の下ネタ全盛期の時に行うべきだと考えています」性を本格的に意識しないうちに始めるというところがポイント。のじまさんによると、精神分析学の創始者として知られるフロイトが研究した発達段階から考えても3歳から10歳は性教育の適齢期に当てはまると言います。「フロイトの説では、母乳などから栄養を得ることが快感の『口唇期』をへて、幼児はトイレトレーニングがうまくいくようになる『肛門期』に移ります。そして、幼稚園から小学校入学前くらいになる『男根期』を迎え、男の子と女の子の体の違いに気づく。男の子が自分のおちんちんを触ったり、興味を示す頃ですね。この子どもが自分の体に興味を持った時にこそ、声をかけましょう」ここで、のじまさんにある疑問をぶつけてみました。―― 家族構成や、兄弟の有無、一番めか二番目か、そして気になる男の子と女の子では、性教育の仕方は変えたほうがいいのでしょうか?「男の子と、女の子でも基本的には同じことを話します。男の子の体と女の子の体の違いをお互いに知らないと、相手のこともいたわれませんし、自分の身も守れません」男女の違いで大きいのはちんちんとおっぱいなど、体のつくりが違うこと。そして、外せないのが生理のことでしょう。お母さんの中には、異性である男の子に生理の話をするのを躊躇してしまう、という方もいると思います。けれど、生理があって初めて子どもができるのです。そのことを知らずに、ナプキンを持っている女の子をからかうようになっては、お互いに傷ついてしまい、生理が『悪者』として捉えかねません」「よく性教育のデメリットを気にされるお母さんもいらっしゃいますが、性教育を知らない子ほど、外で大人をからかったり、他人との距離を測りかねて、土足で踏み込んだりします。パーソナルゾーンに入ってしまうのは知らないからです。女の子には毎月の生理を楽しみにさせられるのはお母さんの力です。男の子には、毎月生理が女の子にはあり、いたわるように教えてあげる。お互いのことをきちんと理解できれば、やさしい子どもたちに、そしてなんでも話せる親子関係を築くことができますよ」■性教育の伝え方にも順番がある!性教育は、男女の体の違いから、同じことを男の子にも女の子にも始める、ということはお分かりになったと思います。その後は、どんな順序で伝えていけばいいのか、のじまさんに伺ってみました。「まずは体の違いそして次に命の話、最後に防犯の話。この順序ですね。命の話というのは『赤ちゃんはどうやってできるか』というセックスの話です。最初はわからないことも多いと思いますが、話をしているうちに、ちゃんとそれぞれが繋がるようになり、自分で理解できるようになります」性教育を実践するには、まずはお母さんがペニスやセックス、膣といった言葉を恥ずかしがらずに言える必要があります。そのほかに、男の子のマスターベーションや精通についてもお母さん自身が理解していなければいけません。生理や精通を迎えるということは、体の成長の証でとても喜ばしいこと。とはいえ、あれこれ一気には伝えられませんから、焦らず少しずつ伝えていってみてください。「体の話の時に、ぜひ伝えていただきたいのが体にはプライベートな大切な場所・水着ゾーンがあるということです。人には見せても、触らせてもいけない大事な場所があるということを具体的に説明することで、身を守る基準を教えることができます。もし突然身の危険が迫っても、子ども自身がはっきりと『NO』と断ることができるように教育することが大切です。見知らぬ人だけでなく、友達同士でも水着ゾーンに対しては踏み込んではいけないということも教えてください」ちなみに私が娘二人に性教育を始めたのはお風呂の時間です。とっても大事なところである『おまた』を洗おうというデリケートゾーンコスメを使うところから始めました。私はついついお風呂にこだわって話していましたが、「お風呂でももちろんよいと思いますが、場所やシーンは特にこだわらず、日常的に話ができるようになると、性教育のハードルも下がると思いますよ」とのじまさん。ご飯を食べている時や、くつろいでいる時など、さりげない日常に挟み込むことができるようになれば、お母さんの方もよし、やるぞ! と構えなくて済むようになりそう。また、のじまさんは繰り返し伝えることが重要だと言います。「いろんなパターンで、やるなら徹底的に行うことです。1度で済む話ではないので、繰り返し行い、子どもの中で繋がるように話していくことが大事です」性教育をしていくイメージ、少しは浮かんだでしょうか。難しく考えることはなく、わかりやすく少しずつ、長い時間をかけて伝えるということだと思います。そして、この性教育というのは、現代社会を生きるお母さんにとっても実は大きな意味のあることなのです。このことについては、次の3回目で詳しく述べたいと思います。
2019年03月24日先日、実に興味深い本が発売されました。それは 「お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!」 というショッキングなタイトル。これは、父親から性教育を受け、パンツの教室協会理事として日々奔走していらっしゃるのじまなみさん著書による性教育の本です。これが今、売れに売れているのだそう。表立っては「悩んでいる」とは言えない。けれど、この本を手に取る人がたくさんいると言うことは、つまり、のじまさんが投げかけたこの言葉、この不安要素は、子育て中のママの核の部分に刺さった、ということではないでしょうか。のじまなみ さん性教育アドバイザー。「とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会」理事長。防衛医科大学高等看護学校卒業後、看護師として泌尿器科に勤務。自身にも三人の娘がおり「子供達が危険な性の情報に簡単にアクセスできる世界にいる」ことに危機感を抱き、2016年「とにかく明るい性教育【パンツの教室】アカデミー」を設立し、その後協会を立ち上げ、国内外のお母さんたちに性教育を伝えるべく、日々飛び回っている。 とにかく明るい性教育 パンツの教室協会 のじまなみ ブログ ■「性教育」は子どもたちを危険から守る手段情報氾濫時代。私たちは今、インターネットを通して、あらゆる情報に常に囲まれ、監視し、されながら日常を過ごしています。これはここ10年くらいのこと。スマホやパソコン、タブレット、ゲーム機などは、もはや現代人には欠かせない生活必需品です。でも、ここからどんどん「性」に対しての情報は発信されています。こんなに身近に「性」に対するモノやコトが手に入ってしまうのは、じつはとても怖いこと。特に、子育て中のママたちにとって、これは驚異以外の何者でもありません。一方で、私たちはその「リスク対策」をきちんと取れているでしょうか? そのために今、必要なのは、これまで“なあなあ” にされてきた「性教育」という教育です。これが、親自身にとっても子どもたちにとっても「危険から守る手段」になるのです。子育ての一般常識が30年前とは全く違うように、性教育もまた、新たなステージにきています。■「まだ早い」は「もう遅い」! 性教育は何歳から?筆者は、小さい頃から二人の娘に性教育をし始め、数年前から性教育ワークショップ「SEIJUKU」と言うグループを主宰しています。性教育に関心が高いママたち同士で、性教育についての情報をシェアする活動を行なっているのですが、そのセッションでも、それぞれのママが非常に不安を抱えていることが浮き彫りになっています。ママ自身が受けてきた性教育もバラバラ、性教育の指針がなく、どうやって伝えてよいのかわからない、迷っている人がとても多いという現状は、思ったよりも深刻なのでは? と感じています。ちなみに、のじまさんの話によると、ユネスコが2009年に発表した「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」では「性教育の開始年齢」が設定されており、なんと5歳だといいます。そして、のじまさんが行なっているパンツの教室では、「3歳から10歳の間に行うべし!」と伝えています。この年齢を聞いて、みなさんはどう思いますか?そんな世界の指針を尻目に、日本の性教育の現状といえば、全く進んでいない、と言ってよいでしょう。1990年に入りHIV問題が起きた時に、慌てて性教育を推進する動きが始まりましたが、すぐにバッシングが起こって、それ以降は後退する一方。政府も統一した指針は示さず、学校によって応対もバラバラ。熱心に性教育しようとする先生がいれば、それが問題視されると言うネガティブな方向へ進んでしまう。人の前では性教育の話はしてはいけない、それは学校でも同じ。タブー視されているのが「性教育」なのです。「日本でまだまだの性教育事情。なのに、その一方で日本は『性産業先進国』と、なんとも恥ずかしい汚名をいただいています。世界のポルノの6割は日本で生産されており、コンビニでは子どもの目線の高さに堂々とHな本が置いてあります。活発になったインターネットは、子どもと誤った性の情報を簡単につなぎ、子どもが性の対象になった事件を伝えるニュースは、毎日のように聞こえてきます。ママたちも一度はヒヤッとした経験があるのではないでしょうか?」と、のじまさんは警鐘を鳴らします。■「うちの子に限って」が起こり得るスマホやタブレット、ゲームは子育て中のママにとってはありがたいツールです。働きながら子育てをして家事も担って、そして最近では受験する子も増えています。何もかもがママたちの肩にのしかかってきて負担が大きい今の社会で、『ちょっと子どもに動画を見てもらってひと休みする』ことをダメだとは言えないでしょう。しかし、ここに恐ろしいリスクが潜んでいると言うことも自覚しなければいけません。のじまさんによると、2歳でもYouTubeからアダルトサイトに飛んでHな動画を目にしてしまった、と相談してくるケースはたくさんあるといいます。わずか2歳。「まだまだ赤ちゃんだから」と、うかうかしてはいられません。「それだけではありません。自分の裸の動画を撮って相手に送る、と言ったトラブルも多数報告されています。もちろん、撮りたくなるような仕掛けをされているので、子どもにはなんの罪もありません。子どもは面白いからやってしまう。そこにどんな危険があるか知らないから、そうしてしまうだけ。気をつけることができるのは、身近なお母さんしかいないんです」これらはなぜ起こってしまうのか?「交通ルールと同じです。教わっていないから。誰かがストップをかけて、イエス、ノーの判断を教えなければならないのに、教えられる大人が少ないんです」学校で教えられる性教育は20年前から何も進んでいないと言われています。また、教える内容も学校によってバラバラだし、4年生の保健体育では時間数も少なく、肝心なことは教えてくれません。そう、そもそも“母親が性教育について何も知らない状況では、何も始まらない”ということなのです。「性教育にはメリットしかありません!」とのじまさんは力強く断言します。その3大メリットは以下の3つ。1、自己肯定感が高まり、自分も人も愛せる人間になる2、性犯罪の被害者・加害者にならない3、低年齢の性体験・妊娠・中絶のリスクを回避できる子育てに悩むすべての女性が、どきっとさせられる事ばかりです。この3つを読むだけでも、性教育の必要性を感じていただけたのではないでしょうか。詳しくは2回目の記事で「では、性教育を具体的にどう行なっていくべきか」を含め、詳しく触れます。
2019年03月24日本記事では投資信託の基準価格(価額)とは?について記しています。基準価格(価額):正確には投資信託の価格は基準価「額」(格ではなく額)なのですが、本記事では初心者の方にもわかりやすく、読みやすくするために、基準価格(価額)と表記させていただきます。投資信託の基準価格(価額)とは、それぞれの投資信託のお値段のようなものです。しばしば以下のよう誤解もあります。「基準価格(価額)が高い方がいい」「基準価格(価額)が低いのが割安だ」「基準価格(価額)が上がり続けているのが良い投資信託」結論から言いますと、そのようなことはありません。やさしく・詳しく見ていきましょう。投資信託の基準価格(価額)とは?どんな意味?上がる仕組みは?そもそも、投資信託の基準価格(価額)とは、どのような意味なのでしょうか。投資信託の基準価格(価額)とはいわゆるお値段のようなものです。投資信託の基準価格(価額)とは、いわゆるお値段という意味投資信託は「入れ物」のような存在です。国内外の株式や債券などの金融商品を「入れ物」に入れて、みんなでお金を出し合って購入する、というようなイメージです。これによって、個人でも少額で分散投資ができやすくなります。分散投資:投資対象を分散することで、分散していない状態よりもリスク(値動きの幅)を小さくすることが、誰にでも簡単にできる(自然に発生する)。ということは、この「入れ物」に入っている株式や債券などの金融商品の値動きが変動すると、投資信託のお値段である基準価格(価額)も変動する、ということになります。投資信託の基準価格(価額)はどう決まる?純資産総額÷口数=基準価格(価額)投資信託の基準価格(価額)は基本的に純資産総額÷口数で算出されます。純資産総額:投資信託のいまの価値のようなもの。「入れ物」に入っている金融商品の値動きによって変わる。口数:投資信託の受益権の単位。株式でいうと、一株に当たるイメージ。しかし、これは覚えなくても、理解していなくても特に運用や選び方には困りません。むしろ、これを難しく考えすぎて次のような誤解が生まれることの方が困ります。「基準価格(価額)が高い方がいい」「基準価格(価額)が低いのが割安だ」「基準価格(価額)が上がり続けているのが良い投資信託」これらについては、後半で解説します。ちなみに更新時間は当日ではなく、「入れ物」の中のお値段が確定した後日が一般的です。投資信託の基準価格(価額)が上がる仕組み投資信託の基準価格(価額)が上がる仕組みを身近な例で例えましょう。例えば、異なるアイドルユニットのコンサートチケットをカゴ(入れ物)に複数入れて、ネットオークション(市場)に出したとします。このように「入れ物」に複数の商品が入っているのが投資信託のイメージです。ネットオークション(市場)に公開されていますので、カゴ(入れ物)の価格は変動します。価格が上がる仕組みを見てみましょう。カゴ(入れ物)に入っているアイドルユニットの人気が全体的に上がれば値上がります(欲しい人が増えるため)。下がる仕組みも単純です。カゴ(入れ物)に入っているアイドルユニットの人気が全体的に下がれば、お値段は下がります(高いままだと買い手がつかないため)。仮に台風直撃(金融危機)などになればカゴ(入れ物)全体の価格は急落します。このようなイメージで投資信託の基準価格(価額)も中身の金融商品の値動きにより、変動していきます。ただ、前述のように分散してありますので、単品のアイドルユニットのチケットだけの値動きよりはマイルドになります(これが分散によりリスクが下がる、ということです)。投資信託の基準価格(価額)と手数料の関係は?投資信託の基準価格(価額)は、前述のような仕組みで上がったり・下がったりします。では、この基準価格(価額)からいつ手数料が引かれているのでしょうか?手数料:ここでは「持っている間」ずっと引かれていく「信託報酬」と呼ばれる手数料のことです。これは基準価格(価額)が更新されたときにはすでに引かれています。じつは、手数料がすでに引かれた状態が、私たちが目にする基準価格(価額)です。多くの人は「持っている間」ずっとかかる手数料については「お知らせ」が来ないので無頓着です。しかし、手数料は運用成果に直接関わる重要な問題です。投資信託の基準価格(価額)は分配金(株の配当のようなもの)が出るとどうなる?初心者の方に人気のある分配金ですが、これが出ると基準価格(価額)はどうなるのでしょうか?分配金:投資信託から受け取れるお金のこと。普通と特別の2種類がある。分配金が出ると、その分基準価格(価額)は下がります。つまり、その時点だけで見ると、損も得もしていません。非常に乱暴な表現をしますと、次のような感じです。Ⓐ分配金がない投資信:基準価格(価額)が1万円の場合→基準価格(価額)は1万円そのままですね。今度は分配金が百円あった場合です。Ⓑ分配金が百円の投資信託:基準価格(価額)が1万円の場合→分配後の基準価格(価額)は9900円分配金は百円合計は1万円このようになり、分配金「なし・あり」で全体的な金額は、この時点では、どちらも同じです。投資信託は分配金が出ないタイプの方が、長期では基準価格(価額)は大きくなりやすい?ただし、現実にはⒶの方が利益を内部で再投資するので雪だるま式にお金が大きくなりやすく、資産形成上は有利だと考えられます。一方、Ⓑの分配金がある方は、現実には利益としての分配金には税金がおよそ2割かかりますので、現実にはおよそ9980円となります。複利効果も得られず資産形成には不利だと考えられます。分配金が出ると、得をしたような気がするが、価値自体は得も損もしていない。税金と複利効果を考えると、分配金がないほうが有利。投資信託の基準価格(価額)は分配金の利回りの高さに影響する?また、分配金の利回りランキングなどで利回りが高いものが上位に上がることがあります。ただ、それらを見ると、基準価格(価額)が低いものが目立つことがあります。どうしてでしょうか?じつは、分配金の利回りは、基準価格(価額)が下がるほどに大きく「見える」という特徴があります。一例を挙げてみましょう。基準価格(価額)が1万円で分配金が百円→表面的な利回りは1%基準価格(価額)が5千円で分配金が百円→表面的な利回りは2%というように、基準価格(価額)が小さいほど、利回りが大きく「見える」ということになります。ただ、これは現実には、次第に私たちの出したお金が小さくなることを意味しています。資産運用で、ご自分の資産を次第に大きくしたい方にとっては、分配金の利回りが大きく「見える」ものに固執するのはよくありません。基準価格(価額)が小さくなるほど、分配金の利回りは大きく「見える」。しかし、特に意味はありません。投資信託の運用に基準価格(価額)は関係ある?高い方がいい?どう生かす?結論から言いますと、運用や投資信託選びにおいて基準価格(価額)はそれほど重要ではありません。それどころか投資信託の基準価格(価額)にとらわれ過ぎると、投資信託での資産運用が大変に間違った方向に行きやすくなります。わかりやすく見てみましょう。投資信託の基準価格(価額)と運用・選び方には基本的には関係がない下の図表をご覧ください。※図表は筆者作成時系列ごとに、同じ投資対象(例えば国内株式の市場平均に投資をする投資信託)が3種類あるとします。それぞれⒶⒷⒸです。中身は同じですが、それぞれ誕生した(設定された)時期が違います。そして、大切なのは、どれも基本的に1万円からスタートしている、ということです。投資信託の基準価格(価額)は高い方がいいは間違いな理由上記の図を見ると、「基準価格(価額)が高い方がいい」「基準価格(価額)が低いのが割安だ」「基準価格(価額)が上がり続けているのが良い投資信託」という考え方が誤りであることがわかります。わかりやすく解説します。まず、Ⓐは景気・株価が上がり始めてから誕生したので1万円から始まります。その後、Ⓑは景気・株価がかなり良い時期に生まれたのですが、やはり1万円から始まります。このとき、Ⓐは2万円で、Ⓑは1万円です。この時に、「ⒶとⒷどちらがお買い得か?」「どちらが優れているか?」と言われても、スタート時期が違うだけですので、「どっちでも一緒」と答えざるを得ません。しいて言えば手数料が低い方が「マシ」なだけです。投資信託の基準価格(価額)が低いのが割安だ、も間違い上記のような状況では、「いやいや、Ⓑの方が1万円で割安でしょう」と思われる人もいるかもしれません。しかし、そのようなことはありません。同じ種類のリンゴを1個1万円で買うのと、リンゴ2個を2万円で買うのと同じです。どちらを選んでも本質的には同じのと、一緒のようなものです。さらに時間が進み、景気が悪くなった場合に、Ⓒが生まれました。Ⓒはやはり1万円から始まります。このとき、Ⓐは0.7万円でⒷは0.3万円に基準価格(価額)が下がっています。この時に「ⒶとⒷとⒸどれがお買い得か?」「どれが優れているか?」と言われても、やはりスタート時期が異なるだけですので、「どれでも一緒」と答えざるを得ません。やはり、手数料が低い方が「マシ」なだけです。そして、上記のⒸが設定されたような時期になると、「基準価格(価額)が低いのが割安だ」と言っていた人々は「Ⓑは運用成績が悪いからダメだ。損切りだ」「ⒶよりⒷより、Ⓒが良い。乗り換えだ」などと思うかもしれません(先ほどの「低いのが割安」とは矛盾していますが、しばしば人はそう思います)。しかし、同じ中身(この場合は国内株の市場平均)なのですからどちらでも同じです。投資信託の基準価格(価額)が上がり続けることってある?また、ⒶⒷⒸいずれを保有していたにせよ、投資対象の値動きが悪くなってくると、「基準価格(価額)が上がり続けているのが良い投資信託」という勘違いもしがちです。仮にⒹのような値動きをする投資信託(対象が債券など)があったとします。※図表は筆者作成このとき、Ⓓはやはり1万円から始まります。そして、債券価格が上がっている状態などでは2万円になったとします。このとき、多くの人は近視眼的に「ⒶⒷⒸは下がっていてダメだが、Ⓓは上がり続けていて良い投資信託だ」と勘違いをしがちです。その結果、「よし、ⒶⒷⒸを売って、調子の良いⒹに買い替えよう」などと思ってしまいがちです。ただ、このような行動は単純に「高く買って・安く売る」という損をする行動を自ら実現しただけです。このように言語や図表で解説すると誰でも「高く買って・安く売る」のは「変な行動」だと思いますが、実際には「変な行動」に気が付かずに真面目に「変な行動」をしてしまうのが、普通の状態かもしれません。要注意です。投資信託の「基準価格(価額)は高い方がいい」は大間違い:まとめ投資信託の基準価格(価額)とは「入れ物」の中に入っている金融商品のお値段のようなもの投資信託の運用に、基本的に基準価格(価額)は関係ないのでとらわれ過ぎに注意!投資信託の基準価格(価額)が「安いのが割安」で「高いのが割高」ということではまったくない本記事では投資信託の基準価格(価額)について見てまいりました。本記事内で触れましたように、投資信託の基準価格(価額)にはそれほど大きな意味はありません。投資信託の運用で大切なのは、長期×分散×積み立て投資です。安い時ほど、損切りせずに「安く買う」ことが最終的に「高く売る(より現実的には取り崩すというニュアンスになるかと思います)」ことにつながるのではないでしょうか。
2019年03月22日本記事では投資信託の3種類の手数料と、それに対する「得するための初心者の方でもできる1ポイント」についてやさしく解説します。本記事の結論を先に言いますと、まず投資信託の手数料には「買う時・持っている間・売る時」の3種類があります。そして投資信託の手数料のポイントはたった一つ、低い方が良い、ということです。それではわかりやすく見てみましょう。投資信託の手数料3種類を解説します投資信託の手数料には、大きく次の3種類があります。買う時(購入時手数料)持っている間(信託報酬という名の手数料)売る時(信託財産留保額)どのようなものでしょうか。もう少し詳しく見てみましょう。1. 投資信託を購入する時にかかる手数料(購入時手数料)まず、投資信託を買う時には、購入時手数料と呼ばれる手数料がかかることがあります。下の図表は投資信託をわかりやすく図解したものです。左端にいる私たちがお金を出し合って、株式や債券などの入った投資信託(図の黄色い袋)を購入する、という図です。そして、先ほどの購入時手数料は、私たち投資家が投資信託を購入する際に、銀行や郵便局、証券会社の売り手側に支払うお金のことを指しています。これが購入時手数料です。購入時手数料とは、買う時に発生することのある手数料のこと。投資信託を買う時にかかるお金は売っている場所によって異なる?さて、まったく同様・あるいはほぼ同様の投資信託であっても、売っている場所によってこの購入時手数料が異なることがあります。なぜでしょうか?その理由を身近な例で言いますと、百貨店とネットでのお買い物のようなものです。例えば同じ商品であっても、百貨店では少し高いお値段がついていることがあります。また、同じ商品でも、ネットショップで買えば少し安い値段で買えることがあります。同じ、あるいはほぼ同様の投資信託であっても、売っている場所によって購入時手数料が異なることがある。②投資信託を購入後、運用してもらっている間にかかる手数料次に、投資信託を買って持っている間にかかる手数料について解説します。これは信託報酬と呼ばれます。上の図で言いますと黄色い袋の下にいる3人(現実には複数)の人々(機関)に支払うお金です。ザックリと言いますと、「企画する人・運用する人・管理する人」といったイメージの人々です。私たちは彼らに運用を任せているのですから、報酬(私たちにとっては手数料)を支払わなければなりません。それが信託報酬です。投資信託を運用してもらっている間にかかる手数料の平均は?一般的には、年率で0.1%程度から1.7%程度まで、持っている間にかかる手数料には幅があります。例えば、信託報酬が1.5%で、ずっとお値段が百万円の投資信託があった場合(現実には毎日変動する)、年間ではおよそ1万5千円の信託報酬がかかる、というイメージです。それでは平均ではどのくらいの信託報酬がかかるものでしょうか。見てみましょう。※図表は筆者作成参考:QUICK研究所調べ2018年2月末インデックス型投資信託:いわゆる市場平に連動するこ目標とした投資信託アクティブ型投資信託:いわゆる市場平均を超えることを目標とした投資信託③投資信託を売る時にかかる手数料また、売る時に信託財産留保額という手数料がかかることもあります。これは、投資信託を売ると、残っている投資家が不利益を被らないようにするための手数料と言われています。得する1ポイントレッスン!いくらが適切?高いのと無料、どっちが得する?ここまで「買う時・持っている間・売る時」の3種類の手数料について見てきました。それでは手数料で得する1ポイント解説です。結論から言いますと、手数料がいくら高くても、得をすることはありません。ですから、ゼロまたは低い方から選ぶことが得するポイントです。すなわち、投資信託の手数料で得をするためには、高いものを選ばずに「買うときは0・持っている間は0.3%以下・売る時は0」という点を守ることです。手数料で得する:より正確には、手数料は運用成績に寄与しないので得はしません。ここでは、高いものを選ぶより低いほうを選んだ方が計算上得をする、という意味合いです。投資信託の手数料で得する方法は?高いより低い方が良い理由手数料は上記で見ましたように、場所によっても異なりますし、投資信託の種類によっても、大きく違っていました。ただ、結論からいうと、手数料は高いより低い方を選ぶ方が得をしやすい、ということです。次のような観点で見ることが重要です。このようなものです。なぜでしょうか?投資信託の手数料は高いほどリターンを下げて儲からなくしてしまう?投資信託によくある誤解として、各種手数料が高いほどに良いことがありそう、という勘違いをしてしまうことです。しかし、現実には株価などの金融商品の値動きは法則性はありません。専門家の誰にも何を買えば良いのかがわからないのが現実です。また、投資信託は、投資信託という「入れ物」に複数の金融商品がたくさん入っていますので、テーマやジャンル、投資対象が同じようなものであれば、どれも似たような値動きになってきます。そして、手数料と国内外の株価・債券などの値動きは関連性がありません。そのため、投資信託に対して手数料が高いほど、実質的な運用成果を押し下げてしまうことになります。投資信託の手数料で実質リターンが下がる計算例住宅などを建てる場合は「コストをかければかけるほど」良い家ができます。しかし、資産運用(お金を増やす)においては、「手数料をかければかけるほど」私たちの実質的な運用成果は下がります。投資信託の手数料の計算式のイメージは次のようなものです。投資信託の成績 - 手数料=実質的な運用成果ちなみに、上記計算式の運用成果は、投資の世界では誰かが頑張っても意図的に上げることはできません。それは、投資信託を運用する専門家が優れていないのではなく、世界中の専門家が優れているからこそ、差が出せないと考えられます。一例を挙げましょう。投資信託の成績5% - 手数料0.5%=実質的な運用成果4.5%投資信託の成績5% - 手数料1.5%=実質的な運用成果3.5%このように、手数料が高いだけで運用成果が押し下げられます。投資信託の手数料で得するたった1つのポイント、それは手数料が低いものを選ぶこと。銀行や楽天証券・SBI証券などの販売会社で手数料は異なる?先ほども少し触れましたが、投資信託の各種手数料は、銀行・郵便局・楽天証券やSBI証券などの売る場所で異なることがあります。同様の投資信託であっても、異なることがあります。ただ、投資信託という「入れ物」の中身が同様であれば、どこで購入しても運用成績は基本的に同じようなものです。中身が同様:例えば、国内の株式が入っている投資信託なら、基本的に同じように値動きが推移します。手数料分だけ運用成績は押し下げられます。そのため、あくまでも理論上のお話ではありますが、投資の効率を突き詰めると、手数料の比較的高い銀行や郵便局は選択肢から外れます。手数料の安さを考えるなら、オンラインで売買ができるものが有利になると考えられます。投資信託にかかる手数料の目安おさらいでは、投資信託の手数料の目安をもう一度おさらいします。投資信託にかかる3種類の手数料とは?得する1ポイントレッスン:まとめ投資信託の手数料には「買う時・持っている間・売る時」の3種類がある投資信託の手数料の目安は「0・0.3%以下・0」手数料が高いほど、実質的なリターンが下がってしまう、ということを知らないままでは損しやすい本記事では投資信託の3種類の手数料と、それに対する得するための初心者の方でもできる1ポイントについて解説しました。おさらいをしますと、まず投資信託の手数料には「買う時・持っている間・売る時」の3種類がありました。そして投資信託の手数料の目安はたった一つ、低い方が良い、ということでした。初心者の方でも手数料を「0・0.3%・0」から選ぶと、高いものを選ぶよりは得をしやすくなりますので、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
2019年03月19日本記事では、投資信託のリスクや種類、その対処法についてわかりやすく解説します。結論から言いますと、投資信託のリスクとは、値動きの幅を指すことが一般的です。また、そのリスクの種類には、価格変動リスク・為替リスクなどがあります。それらリスクに対する対処方法は「分散」することです。値動きの異なる投資対象に分散投資をするだけで、初心者の方にも、プロにも、同じくリスクが下がるという「少し良いこと」が起こります。それでは、詳しく見てみましょう。投資におけるリスクとは?まず、リスクとは何でしょうか?日常生活においては、しばしば「危険性」などと表現されます。しかし、投資におけるリスクとは「標準偏差・リターンの散らばり・リターンのバラツキ」のことを意味します。標準偏差≒リスク:ここでの標準偏差とは、リターン(収益率)の散らばりのこと。1標準偏差・2標準偏差・3標準偏差とある(本記事においてはここはまだ理解しなくても構いません)。初心者の方にとって重要なことは、リターン(収益率)の散らばりがリスク(値動きの幅)であるということ。つまり、リスクはリターン(収益率)からできている。また、リターン(収益率)はリスク(値動きの幅)からできている、ということ。標準偏差というと難しい印象を抱きます。どういう内容でしょうか。私たちの日常生活の気温で例えると、リスク(値動きの幅)とは、気温の振れ幅のことです。寒い日・暑い日、色々とありますが、およそ統計的にはしばしばその範囲(振れ幅)に収まります。この温度の散らばりこそが投資で言うところのリスク(値動きの幅)です。そして、リターン(収益率)とは、気温でいうところの平均気温のようなものです。つまり、平均気温(投資でのリターン)は気温の振れ幅(投資でのリスク・値動きの幅)からできています。また、気温の振れ幅(投資でのリスク・値動きの幅)があるので、平均気温(投資でのリターン)が存在します。もちろん、気温と投資の値動きは異なりますが、初心者の方向けの最初の理解としては、このイメージをまずは持っておいていただければ話が分かりやすくなると思います。投資の世界では、リスクが大きいということは、短期的(1年間など)に見た場合、大きく損得する可能性がある、ということを意味しています。リスクとはマイナスだけでなく、プラスの振れ幅も指すことが一般的です。すなわち「リスクが大きい」ということは、「価格の振れ幅が大きい」ことを意味しています。ですから、短期的に見ると、大きく得をしたり、損をしたりすることも意味しています。リスクとは、値動きの振れ幅のこと。プラスになってもマイナスになっても、どちらもリスクと表現されることが一般的。投資信託のリスクの種類それでは、投資信託には、どのようなリスクがあるのかを見ていきましょう。大きくは以下4つございます。順に詳しくみていきましょう。価格変動リスク金利変動リスク為替リスクカントリーリスク1. 価格変動リスク代表的なリスクとして挙げられるものが価格変動リスクです。これは、文字通り基準価額が変動するリスクを指しています。基準価額:いわゆる投資信託の価格のこと。投資信託という入れ物に入っている金融商品の値動きに応じて、基準価額も変動するつまり、投資信託を持つ(投資をする)ということは、元本保証ではなく、常に価格が変動し、元本が割れてしまう(損する)可能性を背負う、ということを意味しています。イヤなことに思えますが、イヤなことを背負うからこそ、リターンという見返りが得られるということです。これがリスクによってリターンが補償(保証ではない)される、という考え方です。そうでなければ、世界中の年金機構や金融機関の誰もリスクを背負わず投資などしないことになります。2. 金利変動リスク金利変動リスクとは、文字通り金利が変動してしまうことにより、価格が変動するリスクを指しています。金利とは、一般的には十年国債利回りを指します。乱暴に言いますと、金利が低いと、住宅ローンなどの借金がしやすいですし、高いと借金がしにくいものです。一例ですが、そんな金利が変化すると投資信託の価格はどうなるでしょうか?一般的には次のようになるだろうと考えられます(現実にはこの通りにならないこともあります)。※近年では、このようにはならず、債券も株式も同時に下がったり、上がったりすることもあります。金利が上昇すると、なぜ債権の価格が下落して、利回りが上昇すると考えられるのか?初心者の方には「なんでそうなるの?逆じゃないの?」という疑問が浮かぶかと思います。しかし、中身は簡単です。日常生活のお買い物で例えます。夕方のスーパーで出来立てのおいしいお惣菜が300円で売っています。その場合、誰でも前日に作られた売れ残りのお惣菜を同じ300円では買おうとしません。古いお惣菜を売るには、価格を下げないといけません。同様に、金利が上昇した世界では、新しい債券は普通のお値段で金利が高い状態です。その世界では、すでにあった債券は金利が低いので、そのままのお値段では売れません。そのため、金利が上がると価格は下落します。また、価格が下落するということは、(少し難しいですが分母が小さくなったので)金利が上がることになります。3. 為替リスク為替変動リスクというものもあります。これはどういうことでしょうか。一例ですが、私たちは日本に住んでいますので、日本円に換金して普段のお買い物をします。しかし、投資信託を通じて、海外の株式・債券などにも投資をすることができます。その際、私たちが投資をしたお金は、現地の通貨で働きます。ザックリ言うと、外貨で運用をしていることになります。ということは、それを円に換算した場合には、為替というものの影響を受けることになります。為替の話をすると、非常に難しくなりますので、話をシンプルにさせていただきます。ザックリ言うと、円安という状況になると有利になりやすく、円高という状況になると不利になりやすくなります。そのため、海外の株式や債券主体の投資信託(ファンド)自体の運用成績が良いとしても、大きく円高になっていると、全体ではマイナスになっていたりもします。これが為替リスクです。この「円安になるか、円高になるか?」というのは、未来のことなので分かりません。為替リスクの性質に関しては、丁半博打のように、「丁か半か」「円安か円高か」というどちらかの状況に賭けている面が強くなります。その為、為替リスクを背負う場合は、その点を理解して行うことが重要です。また、為替リスクを背負うなら、外貨預金などのように、生産に積極的に参加していない資産ではなく、外国株式・外国債券などのように、生産に積極的に参加している資産に投資を行うことも理論上は重要だと考えられます。4. カントリーリスクカントリーリスクとは、その国における出来事に対するリスクです。例えば、ある特定の国の株式や債券に投資をする投資信託があったとします。そうすると、その国の政情や自然災害・景気などの影響を大きく受けてしまいます。株式主体の投資信託のリスクは大きいけどそこが逆に利益(期待収益率)においては魅力的?投資信託においては、株式と債券の2種類がいわゆる「伝統的資産」です。この株式と債券は、どちらがリスク(値動きの幅)が大きいでしょうか。一般的には次のように考えられています。つまり、次のような認識が一般的です。株式主体の投資信託(ファンド)はハイリスク・ハイリターン債券主体の投資信託(ファンド)はローリスク・ローリターンただ、上記はあくまでも、一般的な株式と債券に対するザックリとした認識です。実際には、債券であっても、ハイリスクな投資対象ばかりを組み入れている投資信託もありますので、一概には言えません。国内株式・外国株式・国内債券・外国債券のそれぞれのリスクと利益(期待収益率)のイメージ図それぞれの資産クラスのリスクとリターンを大雑把にイメージ化すると、次の図表のようになります。資産クラス:国内株式・外国株式・国内債券・外国債券などのように、資産を組み分けしたもの。投資信託での投資を考える際は、この資産クラスをどのように組み合わせるかがとても重要だと考えられる。ちなみに、資産クラスの組み合わせにより、運用成果の8割が決まる、とも言われている。※図表はあくまでもイメージです。この図からも見て取れるように、おおむねリスクとリターンは比例すると、考えられています。※必ずいつでも比例するわけではありません。初心者の方でも簡単にできる、投資信託のリスクの対処方法は【リスク分散】このように、魅力的な投資信託であっても、常にリスク(値動きの幅)があります。ただ、できればリスクは小さくしたいものです。どのようにしたらリスクを小さくできて効率の良い投資になるでしょうか。効率の良い投資:一般的に同じリスク(値動きの幅)なら、期待リターン(将来の期待収益率)が大きい方が効率が良い投資と捉えられる。しかし、投資のリターンは未来のことなので、そもそもの数字があまりあてにならないと考えられる。過信は禁物。投資の非市場リスクは、分散することで簡単に初心者でも低減できる【リスク分散】じつは、投資におけるリスク(値動きの幅)は、初心者の方でも簡単に小さくできます。その方法は投資対象を「分散」する「だけ」で良いのです。つまり、分散投資をする「だけ」でリスク(値動きの幅)が小さくなります。なぜでしょうか?例えばコンビニエンスストアです。もしもコンビニで「食パン」しか売っていないと、売り上げはどうなるでしょうか?一般的に夏は食パンが売れませんので、夏には売り上げが小さくなり、冬には上がります。投資でいうところの値動きの幅(リスク)(この場合は売り上げの幅)が大きい状態です。リスク(値動きの幅)を小さくするにはどうしたらいいでしょうか?答えは、「サンドイッチを置けばいい」です。つまり、対象を分散したのですね。こうすることで、夏と冬との売り上げ差が小さくなりました。つまりリスク(値動きの幅)が小さくなりました。※図表は筆者作成さらに小さくするにはどうしたらいいでしょうか?答えは、「文房具・乾電池・肉まん・ジュース・おでん・お茶・ストッキング・ライター・雑誌などなど、とにかく品数を増やせばいい」だけです。こうすることで、年間を通じての売り上げ差、つまりリスク(値動きの幅)を小さくすることができます。すなわち、投資の場合も同様です。投資対象を分散する「だけ」で初心者の方でもリスク(値動きの幅)を小さくできます。そして、投資信託は、それ自体が一軒のコンビニのようにあらかじめ分散されている存在です。ということは、後はカンタンですね。理論上は、国内株式・外国株式・国内債券・外国債券などの資産クラスが異なる4種類程度に分散投資をすると、リスク(値動きの幅)がより小さくなることになります。コンビニでいうと、地域の違う4店舗のコンビニオーナーになるイメージです。ただ、どんなに分散をしても、リスク(値動きの幅)は残ります。台風(金融危機)が来れば、どこのコンビニの売り上げも下がります。こればかりはどうしようもありません。ただ、分散していないよりは被害が小さくなります。リスクに対する対処方法:投資対象を分散するだけでリスク(値動きの幅)は下がる。この点において初心者とプロの差はない。また、プロが運用して効率よく分散投資をしてくれている金融商品、それこそが投資信託。投資信託での投資では初心者でも長期保有が重要このように、投資信託で投資を行えば、初心者の方でも簡単にリスクを小さくすることができます。しかし、どの投資信託でも同様ですが、短期間(1年や5年程度の短期間内)に投資信託を売買した場合には、この分散によるリスク低減効果があまり望めないこともあります。そのため、投資信託では長期保有が重要です。この長期という期間は、20年30年、あるいは一生涯という長い期間です。つまり、長期保有とは短期間のリスク(値動きの幅)で利益を得る投資スタイルではありません。長期的にリスク(値動きの幅)を背負うことで、期待リターン(将来の期待収益率)を追うものです。ただ、それでも確実にうまく行く、という保証はありません。投資信託のリスクまとめ投資信託のリスクとは、値動きの幅のことを指すことが一般的「どうでもいいリスク」は「分散」するだけで、誰でも簡単に打ち消せるから、「どうでもいいリスク」は背負わない方が良い理論上は分散するとリスク(値動きの幅)は低減できるけど、短期では丁半博打になるので「長期×分散×積み立て」が大切本記事では、投資信託のリスクとはどのようなものなのか、種類や対処方法について見てみました。おさらいですが、リスクとは値動きの幅からできています。つまり、リスクはリターンのバラツキ(散らばり)からできています。これを難しく言うと標準偏差と言いました。投資信託のリスクには、いろいろありますが、基本的には諸要因によって価格が変動する幅のことです。債券主体の投資信託よりも株式主体の投資信託の方がリスクは高い傾向にあります。そして、リスクとリターンはおおむね比例すると考えられます。そして、効率の良い投資を求めると、投資対象を分散することが重要でした。それは、分散するとリスク(値動きの幅)が小さくなるからです。初心者の方でも専門家でも、同様のことが起こります。そして、あらかじめある程度分散投資がされている金融商品が投資信託です。リスク(値動きの幅)は普段、頭ごなしに嫌われる存在だと思います。ですが、その中身をよく見てみると、意外な姿だったのではないでしょうか。リスクと仲良くなって、きちんと理解をしてあげると、新しい気づきがあるかもしれません。
2019年03月12日本記事では、「投資信託の分配金とは?」「分配金の種類(普通分配金・特別分配金)」「分配金の受け取り方法(受け取りコース・再投資コース)のメリット・デメリット」そして「受取と再投資、どちらを選ぶのが得?」という点について、わかりやすく解説していきます。先に結論を記します。現役時代の資産形成期には再投資が重要と考えられる毎月分配型は理論上は資産形成において不利と考えられる一体、どういうことでしょうか。なんだか、意外な気もします。その理由をわかりやすく解説します。投資信託(ファンド)の分配金とは?2種類の分配金について、基本をわかりやすく解説します投資信託(ファンド)とは様々な金融商品を入れることができる、入れ物のようなものです。私たちは投資信託を通して、誰でも簡単に少額から分散投資をすることができます。そして、投資信託の中身の金融商品によっては、分配金と呼ばれるお金が受け取れることがあります。投資信託によっては、分配金と呼ばれるお金が受け取れるものがある投資信託(ファンド)の分配金の種類は、普通分配金と特別分配金の2種類。見方をわかりやすく解説この、投資信託(ファンド)の分配金には以下の2種類があります。普通分配金特別分配金(元本払戻金)お金が受け取れるのですから、どちらでもとてもうれしい気がします。それぞれどのようなものでしょうか。詳しく見てみましょう。分配金には「普通」と「特別」の2種類がある投資信託の普通分配金。利益だから基本的に税金がおよそ20%かかりますまず、普通分配金です。これは私たちにとっては「利益」にあたります。どのような時に受け取れるのでしょうか?例えば、投資信託(ファンド)の運用成績が良い時には利益としての普通分配金が受け取れます。利益ですから、基本的に税金がかかります。20.315%かかります。例えば、1万円の普通分配金が出たなら、税金としておよそ2031円引かれるのですね。そして、私たちの手元に受け取れるお金(手数料(コスト)など無視)はおよそ7969円です。これは、利益ですから仕方がありません。ちなみに税制優遇されているiDeCo(イデコ)やつみたてNISAでは基本的に非課税です。iDeCo(イデコ)とは?わかりやすく簡単に解説!知って得する税制優遇制度!投資信託の「特別分配金」は手数料(コスト)の高いATM?では、もう一つの特別分配金とは、どのようなものでしょうか。iDeCo(イデコ)とは?わかりやすく簡単に解説!知って得する税制優遇制度!「特別」とついていますので、なんとなく良いイメージを抱きがちですが、そうではありません。特別分配金は別名「元本払戻金(がんぽんはらいもどしきん)」と呼ばれています。何でしょうか。それはつまり、「私たちの出したお金(元本)が払い戻されるだけ」のお金なのです。利益ではありません。利益ではないのですから、当然ながら税金もかかりません。この特別分配金(元本払戻金)について、以下のように勘違いをすることが良くあります。税金がかからなくてラッキー(毎月分配型などの場合)毎月お金がもらえてお徳だこれは本当にそうでしょうか。例えば、銀行預金なら、税金はもちろん、手数料もかからずに自分のお金を引き出すことができます。しかし、投資信託では、毎日「信託報酬と呼ばれる手数料(コスト)」が発生しています。つまり、高い手数料を支払いながら自分のお金を引き出しているATM状態、によく似ています。とてもお得とは思えません。特別分配金(元本払戻金)は、一見するとお得な気がしますが、意味はありません。むしろ、元本が痩せやすい種類ですので、注意が必要です。投資信託の分配金の受け取り方法2種類(受け取りコース・再投資コース)メリット・デメリットを解説&比較今度は、投資信託の分配金の受け取り方法について見てみましょう。分配金の設定がある投資信託の場合、分配金の受け取り方法を選択できる場合があります。分配金の設定がある投資信託:分配金の設定がない投資信託もあります。本記事では、次の2種類について見てみます。分配金受け取りコース分配金再投資コースなんとなく直感的には「受け取りコース」の方がお得感が感じられるかもしれません。それぞれのメリット・デメリットを見てみましょう。分配金受取コースとは?投資信託の分配金受け取りコースとは、文字通り分配金を受け取る方式です。メリット目先の利益が手に入る(普通分配金の場合)デメリット分配金を受け取るたびに、基準価額が下がる(資産が痩せていき、複利効果を活かした資産形成になりにくい)特別分配金(元本払戻金)の場合、高い手数料を支払って、自分のお金を受け取っただけになる(やはり資産が痩せる)基準価額:いわゆる投資信託の価格のこと。例えば、基準価額1万円の投資信託があり、分配金を100円出したとする。基準価額は9900円になる。投資家のその時点の総額は、分配後の基準価額9900円+普通分配金100円=分配前の基準価額1万円となり、ここだけ見ると、得も損もしていない。しかし、多くの人は分配金を受け取ると「得をしたような気持ち」になりやすい。上記のように、分配金と分配後の基準価額の総額は分配前の基準価額と同様であり、基本的に損得をしていません。しかし、このように、「分配金」というお金の名前がついてしまうと、人は「まるで違うお金・得をした」と感じてしまいやすくなります。行動経済学ではメンタル・アカウンティング(心の会計)などと呼ばれます。メンタル・アカウンティング:例えば、初めてのアルバイトで手にした1万円と、重役になってから手に入れたお給料の中の1万円では、重みが違うように感じる。しかし、両者はあくまで同じ1万円であり、その人がお金に色(想い)を付けただけに過ぎない。分配金再投資コースとは?投資信託の分配金再投資コースについて見てみましょう。こちらは、分配金が出た場合、同じ投資信託に再投資をしてくれるものです。メリット:複利効果が働きやすくなる(お金を大きくしやすくなる効果が見込める)デメリット:普通分配金の場合、利益なので税金がかかる特に重要なのが、複利効果が働きやすくなる、ということです。どういうことでしょうか。これはつまり、お金を雪だるま式に増やす形式ですよ、ということです。20年、40年などの長期での資産形成を行う場合は、とても重要な考え方です。分配金再投資コースを選ぶなら、内部で自動的に再投資してくれる投資信託を選んだ方がお得?上記のように、分配金再投資コースを選ぶということは、複利効果を得やすくする、というものです。しかし、分配金再投資コースでは、一度外部に利益を支払った形になりますので税金がおよそ20%もかかります。合理的に考えるのであれば、税金が2割も引かれた状態で再投資をするのは、効率が悪いことです。それなら、分配金の設定がない投資信託(内部で自動的に再投してくれる)を選択しておけば、2割もの税金を引かれることなく、より効率的に資産形成ができます。ちなみにiDeCo(イデコ)と呼ばれる税制優遇制度で投資信託を買えば、分配金などの利益は自動で再投資してくれます。これが複利効果を発揮するには一番有利です。つまり、理論上はお金をもっとも大きくしやすい、ということです。投資信託の分配金の2種類のメリット・デメリットまとめ少し難しくなってきましたので、まとめておきましょう。分配金の受け取り方法とは異なりますが、分配金のない(内部で再投資をしてくれる)投資信託も比較のため、まとめます。資産運用では、「効率の良い・悪い」「合理的・非合理的」というレベルでの差はありますが、どの方法が良いかというのは、個人が好きなように決められます。ただ、それでも理論上、効率の良いものはどのようなものだと考えられるのか、について知っておくと良いかもしれません。結局、投資信託の分配金は「受取と再投資」どちらを選ぶのが得?それでは、投資信託の分配金に関しては「受け取りと再投資」、理論上はどちらが良いのでしょうか。結論から言いますと、再投資コースが、資産形成においては有利だと考えられます。どうしてでしょうか。投資信託での資産形成の方法は、ニワトリたちを増やすのと同じ?少し、話がそれるように感じるかもしませんが、あなたがニワトリをたくさん買っているとします。あなたは、ニワトリが大好きなので、たくさん増やさないといけません。次のうち、どちらがより効率よくニワトリを増やせるでしょうか?ニワトリが産んだ卵を片っ端から食べるニワトリが産んだ卵を孵化させて、大きく育てる正解は2ですね。話を資産運用に戻します。1は「受け取り」です。そして、2が「再投資」です。資産形成においては「再投資」が効率が良いと考えられる。投資信託の分配金に対しては双曲割引が働くので、分配金を受け取りたくなるのは自然なこと。しかし、お金は増えにくい単純なお話ですが、理論上は、利益を再投資して長期(数十年)でお金を大きくした方が有利になりやすくなります。しかし、私たちはついつい、双曲割引が働き、目先の利益である分配金を受け取りたくなります。双曲割引:近いものは、遠くの魅力的なモノよりも、より魅力的に見えやすい現象。例えば、ダイエットや適度な運動をすれば将来的に健康に過ごせるのは、頭では分かっている。しかし、目の前のお菓子の誘惑には勝てない、のと同じこと。資産運用でも、再投資をした将来の大きなお金よりも、目先の分配金を受け取る誘惑に負けてしまいやすい。毎月分配型投資信託は資産形成においては手数料も高くて不利になる?また、投資信託の中には、毎月分配型投資信託というものもあります。文字通り、毎月、分配金(普通・特別)が受け取れる種類のものです。前述の双曲割引がありますので、多くの人はこのタイプが魅力的に思えます。しかし、ここまで見てきましたように、複利効果がうまく発揮できません。ニワトリで例えると、ニワトリが少なくなるので増えにくい、ということです。金融庁の方からも、以下のように情報を発信しています。分配金を出している投資信託の場合、元本の払戻し(特別分配金の支払い)や運用成果の悪化により基準価額が下がると、分配金利回りが上昇することになる。このように、分配金利回りランキングの上位は、必ずしも運用成果の良い投資信託とは限らない。毎月分配型投資信託は、分配頻度の少ない投資信託よりも、信託報酬が高くなる場合があるほか、毎月分配型投資信託を再投資した場合、分配金にかかる税金の分、複利効果が悪くなる。出典:金融庁 平成27事務年度金融レポート投資信託の分配金の仕組み:まとめ投資信託の分配金には、普通分配金と特別分配金の2種類があるじつは特別分配金はもらうだけ損になりやすい受取と再投資、選ぶなら理論上は再投資の方が合理的今回は、投資信託の分配金の仕組み・受け取り・再投資などについて見てみました。また、直感的に考えた場合と、理論的に考えた場合では、多くの人にとっては正解が異なることになることもしばしばあります。結局のところ、選ぶのは投資家自身です。しかし、ほんの少しの考え方の差が、長期投資では大きな差になることがあります。納得のいくまでじっくりと考えても良いポイントかもしれません。
2019年03月10日本記事では、投資初心者の方に向けた、投資信託の始め方と、おすすめファンドの選び方をわかりやすく解説します。投資信託とファンド:投資信託とは、複数の金融商品が入った分散投資に適した金融商品のこと。投資信託のことをファンドと呼ぶこともある。広義のファンドとは運用する機関などを指すこともあるが、本記事内では、投資信託=ファンドとする。結論を先に言いますと、投資信託初心者の方に気を付けていただきたいおすすめファンドの選び方・見方は以下の4点です。よくわからないものは無視する長期投資では株式主体にするコストが0.3%より高いものは選ばないインデックス型投資信託を選ぶそれでは、詳しく見ていきましょう。そもそも、投資信託とは?わかりやすく簡単に解説しますまず、投資信託とはザックリ言うと「みんなでお金を出し合って、運用は運用者に任せる」という金融商品です。みんなでお金を出し合いますので、投資信託を利用すると、少額でも投資を行うことができます。現在では、百円から世界数十か国の数千の株式や債券に分散投資をすることもできます。投資信託の仕組み:運用者はファンドマネージャーと呼ばれる、個人やチームを指すことが一般的。その他に、販売・企画する機関や財産を分別管理する信託銀行などが投資信託を構成している。投資信託をさらに簡単に言うと「なんでも包める風呂敷」みたいなものさらに投資信託をイメージ的に表現します。投資信託とは、大きな風呂敷の中に複数の金融商品を入れたようなものです。投資信託とは、分散投資に適した金融商品投資信託について、よりわかりやすく詳細に記した記事は、こちらです。ご興味のある方はご一読いただければ幸いです。投資信託に関する大切なメリット・デメリットについてわかりやすく解説しています。投資信託と株式投資との違いをわかりやすく解説します投資信託を行ったことがない初心者の方の頭の中に浮かぶ疑問としては「投資信託は株式投資や債券投資とは別物なの?」という疑問ではないでしょうか。この疑問の答えは、「イエスでもあり、ノーでもある」です。どういうことでしょうか。投資信託は前記の通り、イメージ的には大きな風呂敷の中に複数の金融商品を入れたようなものです。ですので、株式ばっかりをたくさん入れることもできます。もし、個人投資家(私たち)がその「株式ばっかり入った投資信託」を買えば、それは投資信託で株式投資をしていることになります。また、債券ばっかりをたくさん入れることもできます。それを買えば、私たちは投資信託で債券投資をしていることになります。その他にも、不動産投資をすることもできますし、金(ゴールド)投資を行うこともできます。さらにそれ以外にも、海外の株式・債券・不動産などにも誰でも手軽に分散投資が少額からできます。別の言い方をしますと「投資信託という中身の金融商品はなく、投資信託は、いろいろな投資商品を包み込める入れ物」という言い方もできます。投資信託と使うと、株式投資や債券投資ができる。しかも、合理的に分散投資した状態で行える。投資信託の始め方を3ステップで説明それでは、投資信託の始め方をわかりやすく3ステップで見ていきましょう。証券会社に口座を開く自分の口座にお金を入れる投資信託を選んで、買う1. 証券会社に口座を開く最初のステップは、証券会社に投資用のあなた専用の口座を開くことです。証券会社:銀行や郵便局や、対面形式の証券会社もある。しかし、これらは一般的に人件費や家賃が高いため、自然と私たちが負担する手数料(コスト)が高くなりがち。手数料(コスト)が高いと、その分だけ運用成績が押し下げられる。そのため、手数料(コスト)の低い大手のオンライン証券会社を選ぶことが、理論上は望ましいと考えられる。この口座は、投資信託を買うための「お財布」のようなものです。お財布ですから、その口座にお金がないと、基本的に投資信託を買うことができません。現在では、インターネット上で口座開設のための資料請求ができます。届いた資料に記入などして、必要書類とともに返送すると、口座を開設できることが一般的です(証券会社により異なります)。また、残念ながら特定の○○証券で買えばいわゆる「平均」を上回るスゴイ成績が出せる、ということはありません。証券会社はオンライン証券会社が手数料(コスト)が安い傾向にあり、結果としてお得になりやすい。2. 自分の口座にお金を入金する証券会社などの自分専用の口座が開設できたら、お金を入金します。基本的にこの入金したお金の範囲内で取引を行います。現物取引などと呼ばれます。入金額は少額でも問題ありません。投資初心者の方こそ、最初のうちは数百円などの少額で行ってみるのが良いでしょう。金額が高額でも少額でも、金融商品の値動きのパーセンテージ(%)は変わりません。つまり、少額でも高額の投資と同じ経験を積むことができます。これを保有効果と言います。保有効果:行動経済学などでは、自分の持ち物は価値が高い、などと感じてしまう効果を指す用語。しかし、同じ用語で「投資信託などを持っているだけでも、経験がたまり、理解が深まること」などを表すこともある。一例:アイドルの曲を聴いていると、自然と生活の中でもアイドルの情報が入ってきて、いつの間にかメンバーの詳しい情報が頭の中に入っている。投資においても同様で、少額でも投資をしていると、自然と金融知識が増えやすくなる傾向にある。3. 投資信託を選んで買うお金が入金できたら、投資信託を購入することができます。購入したい銘柄(ファンド)を選んで、投資信託を購入します。もちろん売ることもできます。投資全般に言えることですが、基本的に利益を上げるには「安く買って、高く売る」ことが重要です。その差益が売却益となります。投資信託を始めたい、初心者でもできる、投資信託(ファンド)の見方・選び方を説明しますそれでは、初心者の方にもわかりやすい投資信託(ファンド)の見方・選び方を見てみましょう。初心者の方に気を付けていただきたい、投資信託の見方・選び方結論を先に言いますと、以下の4点です。よくわからないものは無視する長期投資では株式主体にするコストが0.3%以下より選ぶインデックス型投資信託を選ぶ1. よくわからないものは選ばない投資信託は国内だけでも五千本とも六千本ともいわれる商品数があります。これだけあると目を通すだけでも一苦労です。しかも、名前もカッコいいものやら、星(☆)がたくさんついているものなどたくさんあり、思わず目移りしてしまいます。しかし、どのように名前がカッコよくても、星がたくさんついていても、ランキングが上位でも、前年(または過去)の運用成績が良くても、それらはじつは、あてになりません。また、どれを買っても、長期的に見れば「ほぼ確実に買った時よりも値下がりする時がくる」のが普通です。その時に慌てて売ると、「高く買ったものを安く売る」という損をする行動に結びつきます。大事なのは中身です。普段の私たちの洋服選びと同じ感覚で良いのです。大切なのは、中身です。誰だって、洋服を買う時に、黒い袋の中に入っているサイズや色、デザインが不明の謎の服を買う人はいませんよね。もし、中身が「よくわからない」ものがあったら、それらは「全て無視」して構いません。まずはこれを覚えておいてください。中身がよくわからないものは選ばなくていい。焦って買う必要はどこにもない。焦って「買いたい」という気持ちが強い場合は、心理的にバイアス(歪み)が生じていて損をしやすい行動をとりやすいので、いったん落ち着きましょう。投資信託のリスクとは?初心者の方にも分かりやすく投資信託は、基本的に「どれを買ってもいつか損する時はきます」という金融商品です。このようにいうと、驚かれるかもしれませんが、そういうものです。損をしている状態、買った時よりも値下がりしている状態を「含み損」と言います。これは、どのような投資信託を買っても、基本的に「いつか必ず含み損」になる時が来ます。これを価格変動リスクと言います。もちろん、値上がりした状態「含み益」にもなります。一般的に、リターンが高い投資信託ほど、この価格変動リスクは大きいです。投資の世界では、基本的にリスクとリターンはおおむね比例する2. 長期でできる人はリスクが高い株式主体にする投資信託を買う目的は何でしょうか?それは、資産形成のためです。そして資産を形成するためには、リターンとリスクの大きな金融商品を長期で保有することが理論上は大切です。リターン:収益率ともいう。未来のことは分からないので、投資の場合は「期待リターン」と呼ばれることも一般的。基本的に「期待リターン」は未来のことなのであまりあてにならない。過信には注意。では、リターンとリスクが大きい金融商品とは何でしょうか。それは株式です。参考文献:「敗者のゲーム原著第6版」チャールズ・エリス著上記の表を見てみますと、およそ86年間での年率リターンでは、リスクの高い株式の方が高くなっています。そのため、ここだけを見ると、長期投資ができる人にとっては、リスクとリターンはおおむね比例すると考えられるので、株式を保有することが重要だ、と考えられます。しかし、現実的には、すべての人が長期投資ができるとは言えません。そのため「近々お金が必要だ」という人は預貯金を重視すべきです。また、「大きく減るのはイヤだし、お金を将来あまり大きくしたくない」という人がいた場合には債券の比率を増やすことも選択肢として挙げられます。しかし、20年間や40年間など、いますぐ使わないお金がある場合は、できるだけ大きくした方が良いのではないか、と合理的な投資では考えることもできます。ちなみに「つみたてNISA」と呼ばれる投資制度では、基本的に株式主体の投資信託しかありません(一部バランス型あり)。この理由をじっくり考えてみることが、長期投資では重要ではないでしょうか。長期間投資ができる人にとっては、ハイリスク・ハイリターンの株式が効率が良いと考えられる。しかし、実際には、人によりやはり異なる。投資信託は貯金代わりになる?ならない?投資信託は価格変動リスクがあります。そのため、投資信託は貯金代わりになりません。投資信託を貯金として使うのは、あまり合理的とは言えないかもしれません。資産が減ると困る人は、安全資産(預貯金・個人向け国債)をメインに考えることが重要です。3. 手数料(コスト)が高いものは選ばない投資信託には、手数料(コスト)がかかります。とりわけ、信託報酬と呼ばれる手数料(コスト)は0.3%以下から選ぶことが重要です。その理由は、手数料(コスト)は、運用成果に寄与しないからです。投資信託は複数の金融商品を入れているものですから、投資初心者の方からすると手数料(コスト)が高いということは、特別な運用をしているのだから、その手数料(コスト)分だけ、運用成績が良いだろうという誤解をしてしまいがちです。しかし、現代の市場では手数料(コスト)をかけると、その分だけマイナスになってしまうだろうと考えられます。その理由は、どの金融機関の運用者も賢いからです。全員が賢い世界では、コストを多くかけた方が不利になってしまいます。信託報酬と呼ばれる手数料(コスト)は0.3%以下から選ぶ投資信託の2つの種類、アクティブ型とインデックス型投資信託には大きく分けて2種類があります。スタイル内容コスト現実の運用成果アクティブ型投資信託市場平均を超えることを目標とする高い傾向連続しては市場平均を上回りにくいインデックス型投資信託市場平均と連動することを目標とする低い傾向コスト分だけ市場平均を下回る非常に乱暴に書きますと、この2種類です。アクティブ型とインデックス型、どちらが良いと思いますか?4. インデックス型を選ぶ初心者・プロ問わず、投資信託を選ぶ際には、インデックス型投資信託を選ぶことが合理的だと考えられます。インデックス型投資信託:大きな風呂敷に「市場の平均」を入れたようなイメージの投資信託。これを選ぶことで、市場平均に投資をしたのと同じような効果が得られる。ただし、手数料(コスト)分だけ市場平均を下回る。投資初心者の方が前記の表を見ると、「アクティブ型投資信託と呼ばれるものが、市場平均を超えるし、手数料(コスト)も高いし、良さそうだ」とやはり誤解をしがちです。しかし、現代の市場では金融機関などのいわゆるプロ(おりこうさん)が9割のお金を運用している、と言われています。結論から言えば、「市場平均」と呼ばれるものは「世界中のお金のプロが知恵を出し尽くした結果」と酷似しています。別の言い方をすれば、「アクティブ型の(効率的な)平均、かつコストが低いもの、それがインデックス型」です。ですから、長期間投資を行い、資産形成を合理的に行うには、コストが安く、アクティブ型の(大変に効率的な)市場平均である、インデックス型投資信託を選ぶことが重要です。理論上合理的だと思われる投資対象はインデックス型投資信託。それはアクティブ型が優れていればいるほどに、効率的になる存在。初心者向けの投資信託の運用のコツは?それでは、投資信託の初心者(そしてプロでも)おすすめの運用のコツをわかりやすく見てみましょう。投資額は毎月、少額でも良い。資産形成のカギは「長期×分散×積み立て」まず、積み立て投資が合理的です。じつは、プロでも投資のタイミングは読めないからです。そして、投資対象を世界中に分散します。これがいまでは数百円から誰でもできます。そして、投資期間は1年や2年ではありません。20年・30年という長期で行うことが重要です。その理由は、1年や2年では、どのように分散投資をしても「丁か半か」のように、値動きが投機的になってしまうからです。木を育てるように、長く大きな目で見守ります。短期的に見れば、木は冬には枯れます。しかし、枯れたときに「この木はダメな木だった」と言って、伐採しては元も子もありません。投資信託も同様です。価格変動リスクや景気の良し悪しがありますので、冬に木が枯れるように、ほぼ確実に元本割れします。その時に「これはダメな投資信託だった」と言って売却すると、含み損が現実の損になります。これでは、いつまでたっても資産運用は合理的になりません。資産形成で重要なのは、長期×分散×積み立て。株価などが低い時にも、積み立て投資に徹することが、「安く買う」ことにつながり、資産形成においては重要。むしろ、株価などが上がっている状態では収益率が下がる要因になるので、イヤな気持ちになってもおかしくないのだが、そのような合理的な人は稀有な存在。多くの人は株価などが下がると(収益率が上がるにも関わらず)イヤな気持ちになって売りたくなる、という不思議な性質が私たち人間には備わっている。心のエラーに要注意。投資信託では、ほったらかしが多くの人にとってはより良い成績になりやすいそして、意外かもしれませんが、統計的なデータを見ますと、「ほったらかし」にした方が運用成績が良くなる傾向にあります。この理由は、先ほども触れましたが「プロでもタイミングが分からない」からです。そうである以上、プロの英知の結晶である市場平均の入ったインデックス型投資信託を「ほったらかし」にすることこそが多くの人にとっては重要です。ほったらかし運用:いわゆる積み立てるだけの投資。買うだけで売らない。売る(取り崩す)のは、老後などの「お金が要る時」だけというもの。投資信託の始め方やおすすめファンドの選び方:まとめ初心者の方の投資信託の始め方:まずは証券会社に口座を開設するおすすめファンドの選び方は4ポイント①良く分からないものは無視②長期では株式型重視③コストが安い④インデックス型であること投資信託の運用のコツは「ほったらかし」でなにもしないこと本記事では、投資信託の始め方やおすすめファンドの選び方について初心者の方にもわかりやすいように解説をしてみました。資産形成や資産運用というと、大変に難しいという印象を抱かれるかもしれません。しかし、ポイントだけを抑えれば、中身は非常にシンプルになっていきます。それは、世界中の金融機関・ファンドマネージャーなどの「お金のプロ」が優秀だからです。私たちは、そんな彼らの知恵を低い手数料(コスト)で拝借することができます。そして、運用方法自体も、彼らが素晴らしいからこそ、シンプルな「ほったらかし」へとなっていくものです。資産運用はポイントをしっかりと押さえておけば、未来のあなたを助ける心強い存在になるかもしれません。
2019年03月09日投資信託とは金融商品の一種です。投資信託のことをファンドなどと呼んだりもします。元本は確保されていません。つまり、損をする可能性があります。投資信託とファンド:広い意味では、ファンドとは運用する金融機関などを指す場合にも使われる。本記事ではファンドとは投資信託のことを指す。損をする可能性:基本的にどの投資信託を選んでも、損をする可能性がある。何を選んでも、ずっと運用成績が良い、ということはない。投資信託の大まかな仕組みを言葉で表すと、次のようなものです。投資信託は、多数の投資家から資金を集め、第三者である専門家がその資金を運用・管理し、その運用による利益を出資割合に応じて投資家に還元する仕組みである。出典:金融商品ガイドブック2018年度版投資信託とは何かをかみ砕いて言いますと、「みんなから集めたお金をプロが運用する」わけですね。そして、景気が良かった場合などには、利益をくれることがある、というものです(分配金の設定がない投資信託もあります。この場合は最終的な売却差益が利益となります)。投資信託とは?その意味をもう少しわかりやすく説明しますそれでは、もう少しわかりやすく投資信託とは何か、について見てみましょう。投資信託を大変に乱暴にイメージで表現しますと「大きな風呂敷」のようなものです。投資信託とは「大きな風呂敷」ですから、いろいろなものを包むことができます。日本国内の二千社程度の株式や、日本国内の1万種類程度の債券すらも投資信託という「大きな風呂敷」に入れることができます。一例ですが、日本国内の株式を入れた投資信託なら「国内株式の投資信託」と呼ばれます。また、日本国内の債券を入れた投資信託なら「国内債券の投資信託」と呼ばれます。株式と債券:どちらも私たちが購入することで、いわゆる「会社にお金を働きに出す」ことができる仕組み。一般的に投資の「伝統的資産」とは株式と債券の2種類を指すことが多い。その他の「代替資産」には不動産・金(ゴールド)・商品(石油や大豆)などがある。筆者はしばしば「株式と投資信託とは違うものですよね?」という質問をいただきますが、このように、同じものもありますし、違うものもあります。まだ少しわかりづらいですね。さらにかみ砕いていきましょう。投資信託とは?何でも入れられる便利な風呂敷このように投資信託という「大きな風呂敷」には、たくさんの金融商品を入れられます。そのため、「投資信託とは?」という質問には色々な答え方をすることができます。つまり、投資信託を購入することで、株式投資もできれば、債券投資もできる、さらには金投資や不動産投資できる、ということになります。もちろん、海外の株式・債券・不動産などにも投資ができます。また、種類も様々なモノがあります。ほんの少しですが、一例を挙げてみましょう。※表は筆者作成名称中身・スタイル・特徴インデックス型投資信託市場の平均に連動することを目指すものアクティブ型投資信託市場の平均を超えることを目指すものターゲットイヤー型投資信託退職時期などに合わせて運用が変化するものバランス型投資信託国内外の株式・債券など複数の「資産群」が入っているもの毎月分配型投資信託分配金と呼ばれるお金が毎月受け取れるもの上場投資信託(ETF)株式市場に上場している投資信託不動産投資信託少額から不動産投資ができるものファンド・オブ・ファンズ複数の投資信託を組み入れた投資信託このように、たくさんの種類があり、その他にもたくさんあります。現在国内で流通している投資信託は5千本とも6千本ともいわれています。ただ、これらのたくさんの種類を把握・理解する必要はありません。重要なところだけ押さえておけば十分です。投資信託の仕組みをわかりやすく図解で解説しますそれでは、投資信託の仕組みをわかりやすく図解しましょう。※図解は筆者作成まず、上記の図で左端にいるのが私たちです。私たちは証券会社などを通して、投資信託を購入することができます。電卓を持っているのが証券会社の人です。真ん中の黄色い袋のイメージが投資信託です。投資信託とは風呂敷のようなものですので、中には国内外の株式や債券などを入れることができます。大きな黄色の袋のところにいる人たちが投資信託を管理・運用・販売などする人たちです。そして、前述のように、その種類はたくさんあります。私たちが投資信託を購入するということは、私たちのお金が投資信託という「大きな風呂敷」の中身の株式や債券を通じて、世界中の会社などで働くことも意味しています。投資信託のメリット・デメリットをわかりやすく解説ここまでで、ザックリと投資信託とはなにか?が見えてきました。ここからは、投資信託のメリット・デメリットについてわかりやすく見てみましょう。投資信託のメリット「分散」とその意味をわかりやすく説明します投資信託のメリットをわかりやすく言うと「分散投資がしやすい」ところです。分散投資と言いますと、有名すぎる格言の一つに「卵を一つのカゴに盛るな」というものがあります。どういうことでしょうか。これは、「大切な卵を一つのカゴに盛っていると、卵を落とした場合、多数の卵が割れてしまって大変だから、カゴを分けましょう」という意味合いです。お金に置き換えますと、こうなります。「資産を分散して投資していないと、金融危機時などで暴落した場合には、(慌てて売却した場合)大損してしまって大変だから、投資対象を分散しましょう」ということになります。これが一般的な分散投資のイメージです。投資信託で簡単にできる、分散投資とは?上記のような事態を避けるためには、分散投資が必要です。つまり、投資対象を分けるのです。これは現代ポートフォリオ理論でも重要な考え方です。現代ポートフォリオ理論:1952年ハリー・マーコウィッツ。同氏は1990年「資産運用の安全性を高めるための一般理論形成」においてノーベル経済学賞を受賞。もう少し、踏み込んで説明しますと、投資対象を分散すると、リスク(値動きの幅)が小さくなります。少しむつかしいように感じますが、これは「少し良いこと」を意味しています。これは、特別な分析や経験がなくても、誰にでも起こる現象です。大切なことですので、もう一度言います。誰でも、投資対象を分散することで「少し良いこと」が起こるのです。いくらで買える?投資信託を使えば、2億円かかる株式投資も100円程度からできるつまり、投資をする上では、株式や債券を一種類だけに集中して買うと、「卵を一つのカゴに盛った状態」になるので、あまり合理的とは言えません。そこで、分散投資が必要です。そして、上記のように、分散すると誰でもリスク(値動きの幅)が小さくなる、という「少し良いこと」が起こるので、できるだけ分散投資をした方が良いことになります。ただ、私たち個人が株式を千社・二千社買うとなると、とても大変です。仮に一社平均十万円とした場合、一億円・二億円が必要です。そんな大金はありません。さらに海外にまで分散投資をしようとしてはより大変です。そこで便利なのが投資信託です。風呂敷ですから、千社・二千社など簡単に入れられます。そして、基本的に1万円程度で買えます。証券会社によっては、百円から買えます。今では本当に、数百円あれば、誰でも世界中に合理的な分散投資ができる時代になっているのです。このように便利ですので、「もう一つの年金」とも呼ばれるiDeCo(イデコ)や、つみたてNISAでも、投資信託が運用商品として採用されています(つまり、個別の株式や債券は買えません)。投資信託のメリットは、少額で誰でも分散投資ができること。つまり、リスクを抑えた運用がしやすい、ということ。投資信託のデメリットである手数料(コスト)とその意味を説明しますそんな分散投資に向いている投資信託ですが、当然ながらデメリットがあります。それは、手数料(コスト)が高いものがあるということです。わかりやすく見てみましょう。投資信託のデメリットのコストとは?投資信託のデメリットの手数料(コスト)は、大きく3種類が挙げられます。買う時持っている間売る時基本的にこの3種類の手数料(コスト)がかかります。もう少し詳しく見てみましょう。投資信託を買う時にかかる購入時手数料の意味を説明しますまず、買う時にかかるお金(手数料)です。購入時手数料などと呼ばれます。下の図ですと、電卓を持っている女性(金融機関)に支払うお金です。ただ、この購入時手数料には運用成績との相関性はありません。つまり、どれだけたくさんの購入時手数料を支払っても、運用成績は良くなりません。単純に、その手数料(コスト)の金額分だけ目減りした資産で運用が始まるだけです(ただし、金融機関は儲かります)。例えば、購入時手数料が3%で投資額が100万円なら、3万円が引かれて、97万円から始まる、というイメージです。私たちには何のメリットもありません。まったく同じ中身の投資信託で購入時手数料が無料(ノーロードともいう)のものがあることが一般的ですので、そちらから選ぶ方が賢明です。購入時手数料:現在では無料(ノーロード)の投資信託が販売されている。選ぶ場合は無料の中から選ぶことが重要。投資信託を持っている間にかかる信託報酬の意味を説明します次は投資信託を持っている間にかかる、信託報酬と呼ばれるものです。上の図解で言いますと、風呂敷袋の下の人たちの手間賃のようなものです。投資信託(ファンド)を運用する人たちはボランティア活動ではありませんので、お給料が必要です。そのため、投資信託を持っている間には、この信託報酬と呼ばれるものが毎日かかります。年率1.5%などで表記されていますが、毎日引かれます。例えば(現実には値動きは毎日変わりますが)ずっと元本が100万円の投資信託があるとして、それを持っていれば、年間1.5%の信託報酬なら、1万五千円÷365日=一日あたり40円くらいが引かれるイメージです(現実とは異なります、あくまでも直感的なイメージとしてお考え下さい)。ただ、現実には引かれた後の金額が表示されているので、投資家の中には引かれていることを知らない人もいます。また、「信託報酬を○○円もらいました」という旨のお知らせも来ません。基本的に、「買う時」の選ぶ際にチラッと目にするだけです。そのため、軽く扱われてしまうこともあります。しかし、信託報酬が高いと、それだけ確実に実質運用成果が押し下げられます。長期投資では数百万円も手数料(コスト)だけでかかることが現実にあります。そして、こちらの信託報酬も運用成績との相関性はありません。たくさんの信託報酬を支払っても、特に良いことは起こりません。私たちが損をしやすいだけです。そのため、信託報酬は0.3%以下から選ぶようにしましょう(より低い方が良いです)。信託報酬:単純にマイナスに作用するだけなので、0.3%以下から選ぶ。例えば運用成績が平均・年2%の投資信託があっても、信託報酬が年1.5%なら、2―1.5=0.5%の実質運用成果になるだけ。そして、信託報酬が年0.1%なら、2―0.1=1.9%になるだけ。合理的に考えるなら、低い方が良い。投資信託を手放すときにかかる「信託財産留保額」の意味を説明します最後に、投資信託を手放すときにかかる手数料(コスト)について見てみましょう。それは信託財産留保額と呼ばれます。冒頭で投資信託は「みんなでお金を出し合う仕組み」というお話をしました。ということは、見方を変えれば、途中で抜けられると困るという一面もあることになります。そこで信託財産留保額がかかることがあります。日常生活で例えるなら「職場のみんなで忘年会を予約したけど、当日参加できないメンバーがいるとお店が困る。だから、途中で抜ける場合は、ある程度のキャンセル料を支払わないといけない」そんなイメージが近いかもしれません。ただ、やはりこの信託財産留保額もただの手数料(コスト)です。運用成績向上には寄与しません。また、信託財産留保額の設定がない投資信託がやはり多くあります。飲食店の予約でいうと、キャンセル料金なし、というイメージです。当然ながら、信託財産留保額も「ない」方が良いです。信託財産留保額:信託財産留保額の設定が「ない」方から選ぶ投資信託のメリットの分散投資とデメリットである手数料(コスト)に対する合理的な考え方少しむつかしくなったかもしれませんので、投資信託のメリットの「分散」とデメリットである手数料(コスト)について、おさらいします。※表は筆者作成内容理由メリット分散投資がしやすい分散すると「リスク(値動きの幅)」が下がるというちょっと良いことが誰にでも起こる投資信託なら、数百円で世界中に分散投資が誰にでも可能デメリット手数料(コスト)が高いものがある手数料(コスト)と運用成績(世界の景気など)には相関性がない手数料(コスト)が高いと、その分だけ運用成績が確実に押し下げられるこのような内容でした。ついつい、投資経験が浅いうちは「誰かに高い手数料(コスト)を支払って、運用を任せると良いことが起こりそう」と勘違いを起こしそうになります。しかし、合理的に投資を考えてみますと、そのように「手数料をかければ運用成績が上がる」ということは起こりません。手数料(コスト)は純粋に運用成績を押し下げるだけのもの手数料(コスト)は純粋に「運用成績を押し下げるだけのもの」です。そして、分散投資は理論的に正しいことです。そうである以上、投資信託は分散投資の重要な選択肢です。だからこそ、手数料(コスト)には厳しい目を向けていかなくてはいけないのではないでしょうか。投資信託のデメリットは手数料(コスト)が高いものがあること。手数料(コスト)は、理論上、運用成績を押し下げるだけの存在。投資信託とは?:まとめ投資信託とは、複数の金融商品が入った金融商品投資信託のメリットは分散投資が容易な点投資信託のデメリットはコストが高いものがある点本記事では、投資信託とは?に焦点を当てて記しました。投資信託の本数が国内だけで六千本くらいありますが、途方に暮れることはありません。今回の手数料(コスト)のポイントなど、一つ一つ抑えていけば、本当に驚くほど合理的な投資対象の本数は絞られてきます。大切な資産運用だからこそ、合理的な投資対象がどのようなものなのかを理論的に把握しておくと良いのではないでしょうか。投資信託は分散投資に適しているが、手数料(コスト)の高いものには気を付ける
2019年03月06日いま、1,500万円までは教育費を一括で生前贈与しても非課税になるって知っていた?今年3月で見直されてしまうこの制度。じつはうまく使えば、相続税を大きく減らすことができるんです。「現在、孫や子どもへの教育資金を贈与する場合、1,500万円まで非課税という特例があります。しかし、この特例は今年の3月末で、見直されるんです」そう解説してくれたのは、円満相続税理士法人代表で相続専門税理士の橘慶太さん。’13年4月に始まった教育資金一括贈与の特例。現在、使うことができる代表的な5つの“特例”、「教育資金贈与の特例」「結婚・子育て資金贈与の特例」「住宅取得資金贈与の特例」「夫婦間贈与の特例」「相続時精算課税の特例」のひとつで、子・孫が30歳になるまで、用途を教育費に限って贈与できる。高齢者の資産を若い世代に移すことで、世代間格差を是正しようというのが教育資金一括贈与の特例の“建て前”だが、じつはこれ、相続税の節税にも効果がある。「相続税は財産が大きくなればなるほど、税率も高くなる累進課税です。だから、生前贈与であらかじめ財産を減らせば、相続税も減らすことができますが、贈与税の基礎控除額は年間110万円まで。これを超えた額には贈与税がかかってしまいます。1,500万円を贈与しようと思えば、贈与の対象が20歳以上で366万円、20歳以下の場合は450万5,000円の贈与税がかかります。でも、この特例を使えば、贈与税はゼロ。つまり、即効性のある節税対策ができるのです」(橘さん)ただし、使用の条件は厳しい。「これは、30歳未満の子どもや孫の教育資金として使うなら非課税となる制度。信託銀行などに専門口座を開設し、教育資金として使われた証拠になる領収書を提出しなければいけません」(橘さん)ここでいう教育資金とは、幼稚園や学校、職業訓練学校の入学金や授業料。さらにPTA会費、修学旅行費、ユニホーム代もOK。塾や水泳教室、自動車学校などの習い事代、寮費用も含まれる。「ただし、留学費用としての渡航費はOKだけど、ホームステイ代はダメ。学校に直接支払われるものは、1,500万円まで非課税だが、業者などに支払うものは500万円までなど、細かいルールがあるので、気を付けなければなりません。領収書の提出を忘れると、教育費用として加算されないので注意が必要です」(橘さん)また、30歳までに使い切れなかった場合、残額に贈与税がかかることに。使途は教育費に限るうえに、お金の管理は孫や子ども名義の専用口座で行わないといけないなど、制限が多いこの制度。祖父母から孫に一括贈与する場合、親世代は恩恵をあまり受けていないように感じるかもしれない。『残念な相続』(日本経済新聞出版社)の著書などがある税理士の内藤克さんは利点をこう語る。「親世代にとっては、教育費が浮いたぶんを、ローン返済や貯蓄などに使えるわけです。つまり、祖父母から孫にお金が移動しているように見えて、実質的に自分たちがもらっているのと同じ(笑)。親の生前に確実に確保しておくという意味でも、特例を使うのはアリかもしれません」(内藤さん)また、橘さんも、ある条件のもとであれば、有効な制度だと語る。「死期が近くて、いますぐ相続税を減らしたい人には有効です。それから、『そのつど、教育費を払うね』と約束していても、子育て、孫育ては長期間。その間に、もし認知症になれば贈与が認められなくなりますので、元気なうちに確実に渡すため、制度を利用するという考え方もあるでしょう」ただし、この制度は今年3月末で終わってしまう、現国会で審議されている「2019年度税制改正」で、2年延長される見込みだが、子や孫の所得の上限ができるなど、やや制限される。「子や孫の年間所得が1,000万円を超えると、制度は使えなくなりますが、これに引っかかる人はなかなかいないはず。また、祖父母が贈与してから3年以内に亡くなって、その時に孫が23歳以上であれば、その時点で口座に残っている残高が相続税の対象となるように。相続税対策で始めても、すぐに祖父母が亡くなってしまったら、無意味になることも考えられます」(橘さん)これらの制限が適用されるのは、本年度の4月1日以降に契約した人。制限を避けようと思えば、3月末までの契約が必要だ。銀行で申し込んでから、すべての手続きに2~3週間はかかるが……。「『申込み基準』のため、ギリギリ3月末でもセーフ。でも、駆け込み需要も増えているので3月中旬には決断を」(信託銀行職員)とはいえ、相続税の節税目的なら、年間110万円の基礎控除の範囲内で、毎年贈与を行うのが“王道”だ。通常の贈与であれば、贈与されたお金の使途が問われることはない。さらに、贈与税を払ったほうが“お得”なケースもあるという。「ちょうど、資産の額が、相続税の税率が切り替わる境目にある場合、贈与税を払ってでも資産を減らしたほうが得になることもあります。ただし、非常に複雑な計算が必要なので、税理士などの専門家に相談したほうが安全です。現在は人生100年時代。行きすぎた贈与をすると、贈与した側が将来困窮する懸念もあります。さらに、偏った生前贈与で不平等が生じて、相続トラブルに発展することも」(内藤さん)生前贈与のご利用は計画的に!
2019年03月04日「現在、孫や子どもへの教育資金を贈与する場合、1,500万円まで非課税という特例があります。しかし、この特例は今年の3月末で、見直されるんです」そう解説してくれたのは、円満相続税理士法人代表で相続専門税理士の橘慶太さん。’13年4月に始まった教育資金一括贈与の特例。現在、使うことができる代表的な5つの“特例”、「教育資金贈与の特例」「結婚・子育て資金贈与の特例」「住宅取得資金贈与の特例」「夫婦間贈与の特例」「相続時精算課税の特例」のひとつで、子・孫が30歳になるまで、用途を教育費に限って贈与できる。高齢者の資産を若い世代に移すことで、世代間格差を是正しようというのが教育資金一括贈与の特例の“建て前”だが、じつはこれ、相続税の節税にも効果がある。「相続税は財産が大きくなればなるほど、税率も高くなる累進課税です。だから、生前贈与であらかじめ財産を減らせば、相続税も減らすことができますが、贈与税の基礎控除額は年間110万円まで。これを超えた額には贈与税がかかってしまいます。1,500万円を贈与しようと思えば、贈与の対象が20歳以上で366万円、20歳以下の場合は450万5,000円の贈与税がかかります。でも、この特例を使えば、贈与税はゼロ。つまり、即効性のある節税対策ができるのです」(橘さん・以下同)ただし、使用の条件は厳しい。「これは、30歳未満の子どもや孫の教育資金として使うなら非課税となる制度。信託銀行などに専門口座を開設し、教育資金として使われた証拠になる領収書を提出しなければいけません」ここでいう教育資金とは、幼稚園や学校、職業訓練学校の入学金や授業料。さらにPTA会費、修学旅行費、ユニホーム代もOK。塾や水泳教室、自動車学校などの習い事代、寮費用も含まれる。「ただし、留学費用としての渡航費はOKだけど、ホームステイ代はダメ。学校に直接支払われるものは、1,500万円まで非課税だが、業者などに支払うものは500万円までなど、細かいルールがあるので、気を付けなければなりません。領収書の提出を忘れると、教育費用として加算されないので注意が必要です」30歳までに使い切れなかった場合、残額に贈与税がかかることに。「上限いっぱいの1,500万円を贈与されて、公立中高、国公立大学と進んだ場合、使い切るのは難しいかもしれませんね。また、非課税枠は子ども1人あたり1,500万円なので、両方の祖父母からもらって計3,000万円などとすることはできません」使途は教育費に限るうえに、お金の管理は孫や子ども名義の専用口座で行わないといけないなど、制限が多いこの制度。橘さんは、ある条件のもとであれば、有効な制度だと語る。「死期が近くて、いますぐ相続税を減らしたい人には有効です。それから、『そのつど、教育費を払うね』と約束していても、子育て、孫育ては長期間。その間に、もし認知症になれば贈与が認められなくなりますので、元気なうちに確実に渡すため、制度を利用するという考え方もあるでしょう」
2019年03月04日投資を始めるのに代表的な金融商品が、株(株式)と投資信託です。投資信託とは、投資家から集めた資金をファンドマネージャーと呼ばれる運用の専門家が、株式や債券、不動産など複数の資産に分散投資し、その収益を投資家に分配する金融商品です。投資を始めるにあたって、「株式と投資信託どちらから始めたらいいの?」と迷う人もいるかもしれません。そこで、株式と投資信託を比較しながら初心者がどのように投資を始めたらいいのかを解説していきます。まずは、株式と投資信託のそれぞれのメリットを見ていきましょう。株式投資のメリットまずは、株式のメリットから解説します。①リアルタイムで取引できる株式は取引所が開いている時間なら、いつでも好きな値段で売買できます。注文方法も指値注文(値段を指定)、成行注文(値段を指定しない)など複数の方法があります。一方、投資信託は1日1回算出される基準価格での取引になります。いくらの基準価格で買えたかという正確な値段は翌日以降にならないとわかりません。②コストが安い株式の現物株取引の場合のコストは売買手数料だけです。一方、投資信託は購入時の手数料の他に、信託報酬などの保有コストがかかります。信託報酬とは、投資信託を管理・運用してもらうコストとして、保有している間は投資家が毎日支払い続ける費用のことです。信託報酬は年0.5~2.0%程度が一般的です。③自分で銘柄を選べる投資信託は国や地域、テーマなどを選ぶことができますが、どの銘柄を買うかというのは運用のプロであるファンドマネージャーに任せます。一方、株式投資では自分で銘柄を選ぶことができます。どの程度のリスクを取ってリターンを取りたいのかを自分で決めることができる投資家は、株式投資の方が向いているでしょう。うまくいけば短期間で2~3倍になる銘柄を見つけることもできます。ただし、大きく下落するリスクもあります。株式の方がよりハイリスク・ハイリターンであるということを理解しておくようにしましょう。④株主優待を受け取れる株式投資では、株主優待を受け取ることができます。株主優待とは、企業が株主に自社製品や優待券、カタログギフトやお米などのモノやサービスを送るモノです。お中元やお歳暮に近いもので、株式を保有しているだけで毎年もらえます。株主優待を導入している企業数は1,368社(2017年9月現在:大和インベスター・リレーションズ調べ)で、上場企業の約36%が導入しています。投資信託のメリット続いて、投資信託のメリットを見ていきましょう。①少額から購入できる株式の最低購入代金は下がってきているとはいえ、数万円以上の資金が必要になります。銘柄によっては数百万円も必要になることもあります。一方、投資信託はネット証券なら100円から購入することができます。投資信託は、株式に比べて資金的なハードルははるかに低いです。さらに、5,000円など金額指定で購入することができます。毎月、決まった額を投資したい場合も投資信託は便利です。②分散投資が可能ひとつの株式に投資していると、その企業の業績が悪化したり不祥事が起こったりすると、大きな損失になります。そこで、複数の企業に投資しておけば、ひとつの企業の株価が下がっても他の銘柄でカバーすることができます。しかし、株式投資で分散投資しようとすると、複数の銘柄を買う必要があります。特に、少額から投資を始めたい初心者にとっては、銘柄選択の手間もかかり、分散投資のハードルは高くなります。しかし、投資信託を購入すれば、複数の銘柄に投資しているので、簡単に分散投資することができます。③個人では投資しにくい国や地域に投資できる外国株に挑戦しようと思っても、初心者では情報も知識も不足しています。外国株式取引口座が必要になったり、円をドルやユーロなど外貨に交換したりする必要があります。新興国株などは、取り扱っている証券会社も限られます。しかし、投資信託なら先進国や新興国など国や地域に関して特別な知識がなくても簡単に投資することができます。株式投資と投資信託の比較表初心者は投資信託から始めることをオススメ初心者の方には投資信託から始めることをオススメします。その理由は以下の2つです。①運用をプロにまかせることができる株式投資は自分で銘柄を決める必要がありますが、投資信託なら運用のプロであるファンドマネージャーに任せることができます。株式投資についての知識を学ぶには時間がかかります。投資信託ならテーマや国・地域をおおまかに決めるだけで始めることができます。②少額から分散投資することができるネット証券なら100円から購入でき、複数の銘柄に分散投資することができます。また、新興国など自分では手がだせないような国への投資も可能です。ただし、投資信託では株式のように短期間で大きな利益を狙うことは難しいですし、信託報酬などの保有コストもかかるので、投資信託を選ぶ際はしっかり中身を調べるようにしましょう。投資信託の種類をご紹介投資信託は運用方針によって、次の3つに分類されます。公社債投資信託:主として、国債などの公社債を中心に運用され、株式を一切組入れない投資信託です。株式投資信託:株式を組み入れることができる投資信託です。ただし、公社債の組み入れも可能で、債券型投資信託など、株式を組み入れていなくても株式投資信託に分類されるものもあります。不動産投資信託:主に不動産を中心に運用するもの投資信託です。一般に投資信託といえば、「株式投資信託」に分類されることが多くなります。株式投資信託の種類を確認しておきましょう。株式投資信託の種類①国内株式型投資信託国内の株式を中心に運用を行うファンド(投資信託)です。日経平均株価やTOPIXなど株価指数に連動する「インデックスファンド」と、企業の調査を行い、株価指数を上回る運用成果を目指す「アクティブファンド」の2種類があります。②海外株式型投資信託外国の株式に投資するファンドです。米国や欧州などの先進国や中国、ブラジル、インドなど新興国に投資するものや、医療やハイテクなど業種ごとに投資するファンドもあります。③債券型投資信託債券へと投資するファンドです。国内型(国内債券)と海外型(外国債券)に投資するタイプに分類できます。日本は低金利が続いているので、外国債券に投資するタイプが人気です。④バランス型投資信託国内外の株式だけでなく、債券や不動産など幅広い商品に分散投資できるファンドです。国際分散投資を簡単に行うことができるので、初心者の方にもオススメです。⑤テーマ型投資信託「AI」や「フィンテック」など、特定のテーマに関連した株式を買い付けるファンドです。テーマ株は人気がでると大きく上昇することが期待できる反面、銘柄を絞り込んでいるので、下落した時の損失も大きくなるリスクがあります。上場している投資信託「ETF」とは?ETF(上場投資信託)は、日経平均株価やTOIX(東証株価指数)などの特定の指数に連動する運用成果を目指して運用される、インデックス型の投資信託です。投資信託の特徴に加えて、株式のように取引所でリアルタイムに取引することができます。株式と投資信託の特徴をあわせ持った金融商品といえるでしょう。ETFと投資信託の違いは保有コストにもあります。保有コストは信託報酬ですが、ETFは通常の投資信託よりもさらに保有コストが安くなっています。投資信託は、販売会社(証券会社など)、受託会社(信託銀行)、運用会社の3社に対して信託報酬が払う必要があります。ETFは市場で購入するので、販売会社に信託報酬支払う必要はありません。その分、保有コストが安くなるのです。ただ、買付金額に関しては、投資信託が100円から購入できるネット証券もあるのに対し、数万円かかるのが通常です。少額から始めたい投資家は、投資信託からチャレンジしましょう。株式投資/投資信託/ETFの比較表最後に、ETFを加えた比較表を見てみましょう。株式と投資信託の違いまとめ今回は、株式と投資信託の違いについて見てきました。株式のメリットは次の4つです。リアルタイムで取引できるコストが安い自分で銘柄を選べる株主優待を受け取れる投資信託のメリットは以下の3点です。少額から購入できる分散投資が可能投資しにくい国や地域に投資できるといった7つの違いがありました。初心者の方には少額から分散投資できる投資信託から始めることをオススメします。さらに、株式の特徴を持った投資信託であるETF(上場投資信託)もリアルタイムで取引したい投資家にオススメです。自分の投資スタイルに合わせて資産運用を始めるようにしましょう。
2019年02月06日いつまでにいくらの資金が必要かわかっている場合は、それに向けて資金をためる必要があります。代表的な資金は、学資・住宅資金・老後の資金です。これらの資金をためる方法はいくつかありますが、将来必要になる資金は貯蓄や定期預金、生命保険などで用意することが多くあります。今回は生命保険の積立と、積立型生命保険と銀行預金の比較をご紹介します。積立型生命保険とは積立型生命保険とは、保険料としてお金を支払い資金をためつつ、契約期間中に保障がついている死亡保険のことです。積立型生命保険の代表的な商品には学資保険があります。学資保険は銀行に預けるよりも利率がいい場合があり、かつ、保険期間中は死亡保険がついているので、万一の場合は学資金が満額支払われます。このように、資金の積立を生命保険で行うと銀行に預けるよりもメリットがある場合があります。積立型の生命保険の種類は?ここでは積立型の生命保険の種類をご紹介します。資金の積立は目的と用途によっては銀行へ貯蓄するよりも生命保険で積立を行ったほうがいい場合があるので、ご自身がどういう目的で積立をされるのか考えながら読み進めてください。積立型の生命保険には4種類あります。終身死亡保険学資保険個人年金保険養老保険以下にこれらの積立型の生命保険をご紹介します。1. 終身死亡保険終身死亡保険は保障が一生続く死亡保険で、一定年数経過後は解約時に返ってくるお金が支払った保険料よりも多くなります。2. 学資保険学資保険は子どもの教育資金を準備するための保険です。毎月一定額の保険料を支払いながら、お子さまの入学や卒業に合わせてお祝い金や学資金を受け取れます。被保険者である親に万一のことがあった場合は、以後保険料を支払うことなくお祝い金や学資金を受け取れます。保険料の一括払いや、年払いを選択することで、月払いに比べて支払った保険料より多くの学資金を受け取れます。3. 個人年金保険個人年金保険は、契約時に定めた年齢になると年金を受け取れる保険です。年金の原資を保険料として支払っていき、年金開始前に死亡した場合は死亡給付金が支払われます。個人年金保険への加入は銀行預金と違い、使いたいときにすぐおろせるわけではありません。満期以前に解約する場合は支払った保険料よりも少ないお金しか戻ってきません。4. 養老保険養老保険は一定期間保険料を払込み、満期時に死亡保険と同額の満期保険金が支払われる保険です。満期時に死亡保険金と同額の満期保険金が受け取れます。現在、養老保険よりも返戻率の高い終身死亡保険が販売されているので、そちらに加入される方が多いです。積立型の生命保険と掛け捨て型の生命保険のメリット/デメリットをチェック積立型の生命保険の対義語として掛け捨て型の生命保険があります。掛け捨て型ですので保険期間が終わると保障がなくなり戻ってくるお金がありませんが、保険料は積立型に比べると安いです。メリットデメリット積立型生命保険保険料を支払えば一定期間で必要な資金をためることができる。契約期間は死亡保障ついている。積立てる資金が保険料に含まれるため保険料が割高。満期以前に解約すると支払った保険料よりも受け取るお金が少なくなる。たまったお金はすぐにはおろせない。掛け捨て型生命保険保険料が安い。保険期間が終わると保障がなくなり、戻ってくるお金がない。生命保険の積立と銀行預金はどう違うの?前項までで生命保険で行う資金の積立をみてきました。ここからは積立型の生命保険と銀行預金の違いをご紹介します。銀行預金にはどういうものがあるの?銀行で預金する場合、7つの預金があります。普通預金定期預金総合口座当座預金貯蓄預金大口定期預金積立定期預金1. 普通預金普通預金はみなさんが普段お使いの銀行口座のことで、預け入れや払い戻しが自由にできます。また、自動支払いや自動受け取りが可能です。2. 定期預金定期預金ではあらかじめ預入期間を決めてお金を預け、原則満期日まで引き出しができません。一定期間預けるので金利が高いです。3. 総合口座総合口座は普通預金と定期預金などを組み合わせた口座です。ためる、増やす、受け取る、支払う、借りるといった機能があります。4. 当座預金当座口座は手形や小切手の支払いに使われる預金です。利息は付きません。5. 貯蓄預金貯蓄預金は残高が一定以上あると普通預金より金利が高くなることが多い預金です。出し入れ自由ですが、自動支払い、自動受け取りができません。6. 大口定期預金大口定期預金は1,000万円以上の一括預け入れで利用可能な定期預金です。金額と期間に応じた金利が設定されます。7. 積立定期預金積立定期預金は、毎月決まった日に預金の積み立てを行う定期預金です。使用目的が決まっている資金の準備に利用されます。積立型の生命保険と銀行預金の比較積立型生命保険と銀行預金の共通点は「資金がたまる」点ですが、主な違いは3つあります。積立型生命保険は死亡保障がセットになっている貯まったお金を自由におろせるかどうか万一の場合の受取人を指定できる1.積立型生命保険は死亡保障がセットになっている積立型生命保険と銀行預金の大きな違いは、積立型生命保険は死亡保障がセットになっている点です。これは最大のメリットと言ってもいいです。学資保険を例にすると、満期学資金が300万円だった時、契約直後に被保険者である親に万一のことがあった場合その後も保障は続き、満期時には学資金が満額支払われます。一方で300万円銀行預金でためようとした場合、初回の入金後に親に万一のことがあったら口座に残っているお金しか残りません。2.貯まったお金を自由におろせるかどうかたまったお金を自由に使えるかどうかという点も積立型生命保険と銀行預金の違いとしてあげられます。銀行預金は普通預金の場合、いつでも口座のお金を出し入れできますが、積立型生命保険は銀行預金のようにたまった資金をすぐにおろすことはできません。積立型生命保険にもたまった資金を一定の利率で借りる契約者貸付という制度があります。ですが、契約者貸付はご自身がためた資金を保険会社に利子を払いながら借りることになります。そして請求をしてから口座へ振り込まれるまでに数日必要です(保険会社により異なります)。3.万一の場合の受取人を指定できる万一の場合の受取人を指定できる点も積立型生命保険と銀行預金の違いとしてあげられます。万一の場合に遺言などがないと預金口座は相続の対象としてみなされます。相続の対象になると相続権がある親族間で相続トラブルが起こる可能性があります。そうなってしまうと資金を残したい家族に全額渡せない場合が生じます。その場合、積立型生命保険で受取人を指定していれば相続トラブルを回避でき、資金を残したい家族にスムーズにお金を残すことができます。積立型生命保険のメリットと注意点積立型の生命保険と銀行預金を比較しましたが、ここからは積立型生命保険のメリットと注意点をあらためてご紹介します。積立型生命保険のメリット積立型生命保険のメリットは3つあります。死亡保険がセットになっている確実に資金がたまる受取人を指定できるので相続トラブルを回避できる積立型生命保険のメリットは保険商品であることを最大限に活用している点です。万一の場合は必要な資金を指定した受取人に残すことができ、保険料を支払えば確実に資金をためることができます。積立型生命保険の注意点積立型生命保険の注意点は2つあります。満期前に解約すると、払い込んだ保険料よりも戻ってくるお金が少ない場合がある貯蓄のように必要な時にすぐおろせない積立型生命保険の注意点は、満期以前に解約すると払い込んだ保険料よりも戻ってくるお金が少なく、たまったお金はすぐおろせない点です。緊急にお金が必要になった場合、期待していた解約返戻金(解約した時に戻ってくるお金)を受け取れないかもしれません。積立型の生命保険で資金を積み立てられる場合はこれらのことにご注意ください。生命保険の積立に関するまとめこれまで「生命保険でできる資金の積立」「生命保険の積立と銀行預金はどう違うの?」「積立型生命保険のメリットと注意点」をみてきました。目的がしっかりしていて保険料を支払っていける場合は、生命保険で資金の積立をおすすめします。保障と貯蓄の2本立てができる積立型の生命保険で資金の積立という目標を達成してください。
2019年02月06日藤井聡太七段(*)が幼いころ受けていたことで注目を集めている『モンテッソーリ教育』。その歴史は古く、とくに海外では優秀な人材を育てる教育法として確固たる地位を築いています。一方で、「興味はあるけど、近所にモンテッソーリ教育の幼稚園や保育施設がない……」と諦めている方もいるのではないでしょうか?たしかにモンテッソーリ教育は、専門の知識を身につけた教員のもと、専用の教具を使わなければ学ぶことが難しいと思われがちです。しかし、自宅でもその要素を取り入れて遊ぶことは可能なのです。今回は、モンテッソーリ教育を取り入れた遊びの紹介と、それによって子どものどんな能力が伸びるのか、詳しくご説明します。*…2019年1月現在自立心と自己肯定感が育まれる独自の教育メソッドまずは、モンテッソーリ教育について簡単におさらいしましょう。■モンテッソーリ教育とは?女性医師であり教育家でもあったマリア・モンテッソーリによって、20世紀初頭にイタリアで考案された、子どもの自発性を重視する教育法。「子どもには自分を育てる力(自己教育力)が備わっている」という考え方が根本にあり、「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」ことがモンテッソーリ教育の目的。40年以上にわたりモンテッソーリ教育を実践している『愛珠幼稚園』の園長・天野珠子先生は、「子どもの自主性を尊重し、それを大人が気づき、手伝うことで子どもの自立につなげていくことを大切にしています」と話します。つまり、親がすべきことは、「手取り足取りフォローしてあげるのではなく、挑戦する心を育てて応援すること」なのです。天野先生は「一人でできることが増えるほど、子どもの自己肯定感は育ちます」と述べています。モンテッソーリ教育とは、子どもを自立へと導き、自分で考えて物事に対応できるようになる、いわば“生きる力”を育む教育法でもあるのです。■モンテッソーリ教育の特色子どもは、その時期の発達に沿って「一人でやりたいこと」が出てくる。それは、“ある時期”に“ある行為”のみに現れることがわかっており、その時期を『敏感期』と呼ぶ。敏感期には、その時期に合わせた専用の教具を使って遊ぶ。それらの教具を使ったあらゆる学習活動を『お仕事』と呼び、子ども自身が自由に選んで遊ぶことで発育と自立をうながす。天野先生によると、「敏感期に合わせて、夢中になることを満足するまでやらせてあげるという経験が子どもの成長には必要」とのこと。敏感期に適切な環境に出合うと、子どもは集中現象を起こします。そして、集中現象が次々に満たされていくと心が満足し、お腹が空いたのも忘れるほど夢中になるらしいのです。私たち大人は、子どもが夢中になって何かに取り組んでいる様子を見守りたい反面、時間の都合や周囲への遠慮などから「さ、もう充分遊んだでしょ?」と切り上げてしまうことがよくあります。しかし、子どもの“夢中”は、大きな成長につながる重要な鍵です。時間や状況が許す限り、満足するまでとことんやらせてあげましょう。続いて、『敏感期』と『お仕事』について詳しくご説明します。敏感期に寄り添う優れた教育プログラムまず、本格的な『敏感期』に入る前に幼稚園で最初に行うのは【日常生活の練習】です。これはモンテッソーリ教育の基礎にもなるので、しっかりと身につけなければなりません。その後、【感覚教育】【言語教育】【算数教育】【文化教育】と続きます。■日常生活の練習大人のまねをしたがる「模倣期」と、身体が発達する「運動の敏感期」を利用して、自分の体を意志通りにコントロールする能力を身につけることが目的です。・ボタンをかける・室内を掃く・洗濯をする・ものを磨く・縫うなど、日常生活で行うさまざまな動作を大人がお手本を見せながら練習します。「自分のことを自分でできるようになる」という自立心や独立心のベースを築くことができます。■感覚教育言語・算数・文化教育という知的教育分野の基礎となります。感覚器官を使ってさまざまなことを練習し、感覚を洗練させることで、外界からより繊細な情報を収集できるようになり、知性や情緒が発達します。・対にする・段階づける・仲間分けするという3つの操作法が組み込まれた教具を使うことで、「ものを観察する能力」と「ものを考える方法」が身につきます。■言語教育絵カードや文字カードを使い、ことばの発達段階に合わせてきめ細やかなステップを踏んで、語彙を豊富にしたり文法を覚えたりします。「日常生活の練習」や「感覚教育」と合わせて行うことで、自然と文字の読み書きができるようになります。■算数教育算数教具を手で扱いながら、数の概念の基礎、十進法から簡単な計算までを学びます。ビーズを使い、数の具大量や十進法で桁が上がることを体感したり、数種類の切手を交換して掛け算を覚えたりします。■文化教育「ことば」と「数」以外の幅広い分野を学びます。世界地図パズルや時計などの教具に触れながら、子どもの知りたいという要求に応えるのです。分野を統合した「総合学習」のようなものです。幼稚園や教育施設で使用される教具は360種類にものぼり、すべて体系的につながっています。赤、青、黄の三原色をベースにした色鮮やかなものが多く、優れた教育的効果を発揮するだけではなく、子どもが思わず触りたくなるような魅力あふれるものばかりです。モンテッソーリで学ぶ子どもの「お仕事」モンテッソーリは著書の中で、「大人の仕事が生産的労働であるならば、子どもの仕事は人間を形成すること」と述べています。「つまみたい」「並べたい」といった衝動も、子どもの内面からあふれる自立への強い欲求であると言えるでしょう。つまり、家庭の中での自立や人間形成につながる事柄はみんな、子どもが自分自身を創るための「お仕事」でもあるのです。「モンテッソーリのメソッドを家庭で取り入れるためには、何よりも大人の子どもに対する接し方を重視する必要があります」と語るのは、モンテッソーリ教育施設「吉祥寺こどもの家」園長の百枝義雄先生。まずは、子どもをよく「観察」することから始めましょう。親にとっては不可解に見える子どもの行動にも、子どもが大きく成長するヒントが隠されているのです。子どもの “こだわり” と “伸びる能力” の関係性は以下です。同じことを同じ順序で繰り返したい「順序へのこだわり」→段取り力へ発展同じことを同じようにしたい「習慣へのこだわり」→集中力を育てる同じ場所に同じ人がいないと気持ちがわるい「場所へのこだわり」→倫理観へ発展高いところに乗って歩きたい「運動へのこだわり」→バランス感覚をつける3本指を使いたい「指先運動へのこだわり」→器用な手先をつくる(引用元:東洋経済ONLINE|家でもできる「モンテッソーリ教育」のコツ)このように、「こだわりを満足させることで伸びる能力」について理解できていれば、家庭でもモンテッソーリのメソッドを取り入れやすくなるはずです。家庭で子どもの能力を引き出すポイント次に、モンテッソーリ教育を取り入れた簡単な遊びをご紹介します。おすすめは「親指・人差し指・中指」の三指を使うお仕事です。【あけ移し】トングなどを使って豆や石を一方の容器からもう一方の容器に移します。100円ショップでも手に入るシュガートングが、子どもの手にはちょうどいいですよ。慣れてきたらピンセットを使って、大きめのビーズのあけ移しにも挑戦してみましょう。仕切りのあるケースを使えば、色別に分けて入れることもできます。色を認識し、判断して選り分けるという工程が生まれるので、難易度もアップしますよ。【お料理のお仕事】玉ねぎの皮むきや茹でたじゃがいもの皮むき、またはゆで卵の殻をむく、など「むく」という作業は料理を始める最初のステップとして非常に有効です。指先を使うだけの作業なので危険度が低く、すぐに達成感が得られるのもいいですね。また、前出の百枝先生による『「自分でできる子」が育つ モンテッソーリの紙あそび』(PHP研究所)では、モンテッソーリ園と同じ「お仕事」を自宅で再現する方法が紹介されています。この本を参考に、ハサミやのり、とじ針と毛糸などの道具を用意すれば、付属の型紙を使って気軽に「お仕事」に挑戦できます。たとえば、型紙を写して線に沿って「切る」、線に沿って一定間隔で描かれた点を目印にして「穴をあける」または「縫う」など、モンテッソーリのメソッドに基づいた手法で遊ぶことができるのです。そして、あの藤井七段が子どものころ100個作ったことで話題になった「ハートバッグ」の型紙と編み方も載っています。最後に、子どもが興味を抱き「やってみたい!」となったとき、親は次の点に注意しましょう。・親のお手本を子どもが見ているときには話さない・説明するときは動きを止める・手出しや口出しはしない・子ども自身が試行錯誤するチャンスを奪わない・出来ばえを評価しない穴をあける道具(「かるこ」など)や、抜い差し用の針は、初めて使わせるとき「危なくないかな?」と心配になるかもしれません。使うときは危なくないように見守ったり、子どもの手でも扱いやすい小さめの道具を用意したりと、「どうしたら子どもがうまく使えるか」ということを考えて取り組ませるといいでしょう。『「自分でできる子」が育つ モンテッソーリの紙あそび』(PHP研究所)***モンテッソーリ教育を家庭でも取り入れるには、道具を揃えるより先に「親の心がけ」が必要です。子どもが夢中で取り組んでいる様子を黙って見守り続けるーー簡単なようで難しいですよね。しかし、子どもには大人が思っている以上の能力が備わっています。子どもの自己教育力を信じて、見守ってあげましょう。(参考)Study Hacker こどもまなび☆ラボ|藤井聡太六段、Amazon共同創立者ジェフ・ベゾスが幼児期に受けていた「モンテッソーリ教育」とは?日本モンテッソーリ教育綜合研究所|モンテッソーリ教育についてStudy Hacker こどもまなび☆ラボ|子どもの自主性を尊重し、集中力と柔軟な対応力を育む「モンテッソーリ教育」【愛珠幼稚園園長 天野珠子先生】Study Hacker こどもまなび☆ラボ|子どもたちが自ら育つ力を応援する「モンテッソーリ教育」のメソッド【愛珠幼稚園園長 天野珠子先生】産経WEST|天才・藤井四段も学んだ「モンテッソーリ教育」とはー集中力と自分らしさ、周囲に流されず「好きなことをとことん追求する子供」に『できる子になる!0歳からのお手伝い』クーヨンBOOKS12,2015年6月,クレヨンハウス.東洋経済ONLINE|家でもできる「モンテッソーリ教育」のコツ百枝義雄・百枝知亜紀 著(2018年),『「自分でできる子」が育つ モンテッソーリの紙あそび』,PHP研究所.
2019年01月29日教育資金は、人生三大資金の1つとされ、子育て世帯の方々からしますと、子供が誕生したことをきっかけに、貯金や資産運用などといった方法であらかじめ教育資金の準備をする方が多いと思います。しかしながら、いざ、教育資金が必要な時期になった際、準備していたお金よりも足りない場合も十分に考えられることから、時には教育ローンなどの借入に頼らざるを得ない場合もあることは確かです。そこで本記事では、教育ローンの借入を検討している方を対象に、教育ローンの総合案内記事として、教育ローンの基本的なポイントから、教育ローンの審査・金利・おすすめなど、多くの方が持っている疑問や教育ローンで押さえておきたいポイントまとめて紹介します。教育ローンとは教育ローンとは、おもに、子供の進学にかかる教育費用や授業料などの支出に充てることを目的としたローン(借金)で、大きく国の教育ローンと民間の教育ローンに分けられます。厳密に解説しますと、教育ローンは、子供の教育資金だけに借入が限られているわけではありませんが、通常、教育ローンは、子供のまとまった教育資金を準備するために活用されることが多くなっているのが現状です。また、基本的に教育ローンは、両親が教育ローンを申し込んだ金融機関からお金を借入することも多いため、教育ローンを申し込む時点において、借入する方が、定職に就いていることや個人信用情報に問題がないことなど、細かな事情も問われることになります。併せて、教育ローンは、完済までの返済期間が長くなってしまうことが一般的であるため、何も考えずに借入するのではなく、ライフプランを考えた借入のメリットとデメリットもあらかじめ知っておくことがとても大切です。以下、教育ローンの基本的な部分から教育ローンのメリットおよびデメリットも紹介した記事が同サイト内で公開されておりますので、そちらも合わせて読み進めてみることをおすすめします。教育ローンの返済計画を立てた借入をしっかりと行いましょう教育ローンは、通常、借入から完済までの返済期間が長くなってしまうことが多いため、あらかじめ、教育ローンの返済計画を立てた借入をしっかりと行う必要があります。特に、教育ローンの返済計画を立てる上で大切なポイントは、家計確認をすること、そして、教育ローンの返済シミュレーションを実行することの2つは絶対に欠かせないポイントと言えます。また、できる限り、教育ローンの繰上返済も考慮した返済計画を立てることができれば、将来のライフプランにゆとりが持てる結果につながるとも考えられます。教育ローンを借入する際は、限度額いっぱいで借入しないこと教育ローンは、いくらくらい借りるのが良いのか?といった疑問を抱えている方も多いと思いますが、こちらの考え方につきましては、住宅ローンの考え方と同じように、限度額いっぱいで借入することは厳禁です。この理由は、借入できるお金を借りたとしても、そのお金を借入から完済までの長い期間に渡って滞ることなく返済できなければ本末転倒だからです。では、どのような考え方で教育ローンを借入する必要があるのでしょうか。それは、ご自身の懐具合に合わせた返済可能額で借入する必要があります。返済可能額とは、その名前の通り、毎月余裕を持って返済していくことができる金額のことを指し、具体的に、毎月の手取収入から家計支出などを差し引いた後の実際に余るお金を考えなければなりません。なぜならば、新たに教育ローンの借入を行うということは、返済時期は別として、毎月の収入から家計支出などを差し引いた後の余るお金から新たに教育ローンの返済が支出されることになるためです。そのため、返済可能額を考えずに教育ローンの借入を行った場合、毎日の生活に支障が生じることが考えられ、多重債務の原因や最悪な場合は、自己破産といった結果を招いてしまう原因にもなり兼ねません。教育ローンと奨学金のどちらを使うのが良いのか?まとまった教育資金を準備するための方法には、教育ローンを借入するほかにも、奨学金を活用する方法もありますが、教育ローンと奨学金のどちらを使うのが良いのか?といった疑問を持たれている方も多いと思います。上記表を見ますと、教育ローンも奨学金も、いずれも教育資金を目的とした借入であることには変わりありませんが、借入する人や資金の受け取り方など、細かな点を比較して見ていきますと、大きく異なることが一目でわかります。ただし、いずれの借入をするにしても、特に、保護者の方には、教育ローンを借りる前に知っておいていただきたいお金の考え方があり、先に解説した返済計画を立てる場合やシミュレーションをする場合も「教育ローンと奨学金を借りる前に知っておきたい考え方とは?金利や損得以前に押さえるべきポイントを紹介」記事を通じて確認することができます。ご自身の将来のライフプランにも活かされる内容となっておりますので、併せて読み進めてみることをおすすめします。教育ローンや奨学金を活用して失敗しないために必要なこと教育ローンや奨学金は、お金を借入する人が異なるものの、いずれも長期の借金でありますから、計画的な準備と対策をしておかなければ、後々、生活が困窮する原因や最悪な場合、自己破産などに追い込まれる危険性があります。このような失敗をしてしまう一番の原因は、お金を借入する本人の考え方や事前行動の欠如にあると筆者は率直に感じておりますが、すでに紹介した返済計画や事前対策をあらかじめ行っておくことで、失敗することは簡単に避けられることは確かです。人の振り見て我が振り直せと言われることもありますが、どのような考え方が失敗することになるのか、以下、教育ローンや奨学金の質問から典型的に失敗する原因を個別に解説している記事がありますので、教育ローンや奨学金を活用する予定がある方は、以下の記事も読み進めておくことを強くおすすめします。教育ローンの審査に通過するためのポイント教育ローンを借入するためには、教育ローンを申し込んだ金融機関の審査に必ず通過しなければなりませんが、どの金融機関でも審査される一般的な審査項目は以下の通りです。個人信用情報に著しい問題がないか安定した収入があるのか教育ローンが、収入に対して多重債務にならないか上記の審査項目に対して、1つでも問題がある場合は、教育ローンを借入することは難しくなる可能性が高くなりますが、これら3つの具体的な解説につきましては、以下記事からそれぞれ個別に確認することができます。将来的に教育ローンの借入をする予定がありそうな方は、特に、読み進めていただきたい内容となっており、中には、教育ローンの借入が必要だからといって、短い期間で一時的に対策しようとしてもどうにもならないこともありますので、要チェックです。教育ローンの借入をするには、どこがいい?教育ローンの借入をするには、どこから借入すれば良いのか気になる方も多いと思いますが、この疑問を解決するためには、国の教育ローンと民間の教育ローンについて、それぞれ特徴を知ることが大切です。また、国の教育ローンや民間の教育ローンは、金利や融資限度額にもそれぞれ違いがあることから、特徴を知るだけではなく、それぞれを比較検討していくことも大切になります。なお、以下、同サイト内で公開している記事では、国の教育ローンと民間の教育ローンの違いについて比較しており、併せて、金利や特徴についても紹介しているため、教育ローンの借入をどこからしたら良いのか疑問を抱えている方にはおすすめです。教育ローンを比較検討するためのポイント教育ローンを比較検討する際のおもなポイントは、以下の通りです。金利は、どのような種類があるのか年利率は、どのくらいなのか保証料や保証人が必要なのか借入金額はどのくらいまで可能なのか返済期間はどのくらいまでなのか融資の対象となる条件はどうなのか上記の内容は、金融機関によってすべて異なるほか、いわゆるメガバンクと呼ばれる有名な銀行だからといってお得な融資条件であるとは限りませんので、やはり、複数の金融機関同士で比較検討することがとても大切です。教育ローンの金利を考える上でのポイント教育ローンや住宅ローンを借入する上で、金利を見て借入を検討することは当然のことである一方、目に見える金利(表面金利)だけで選ぶことは厳禁です。また、教育ローンには、おもに3つのリスクがあると考えられ、教育ローンを借入する前のリスク、教育ローンを借入している在学中のリスク、卒業した後における返済途中のリスクについて考えておくことも大切です。そのため、教育ローンの金利だけではなく、これら3つのリスクについて、どのようなリスクでどのような対策を考えておく必要があるのか、あらかじめ知っておくことをおすすめします。教育ローンを銀行から借入する場合の注意点教育ローンを銀行から借入するということは、民間の教育ローンを借入することを意味し、担保や保証料について、あらかじめ注意しておかなくてはなりません。これは、国の教育ローンに比べて民間の教育ローンは、種類が様々あることに加え、担保の有無によって金利や借入限度額が異なるほか、保証料があるといった特徴があるためであり、結果として、これらは将来返済していくことになるお金に直接の影響を与えるためです。ちなみに、国の教育ローンは、銀行に比べて金利が低く、保証料や担保も必要ないことから、優先して教育ローンの借入を検討されることをおすすめしたいのですが、借入できる金額が少ないことや同居している親族以外の保証人が必要などといった縛りもありますので、この辺の注意点も知った上で、どちらの教育ローンを活用するのが得策なのか検討する必要もあるでしょう。教育ローンについてのおすすめ記事を紹介教育ローンは、借入から完済までの返済期間が長いものであるからこそ、借入計画や返済計画を立てることは、とても大切になりますが、何よりも教育ローンを無事完済し終えた成功者の体験談を知ることは大切だと考えます。成功談、失敗談から学べることはたくさんあるわけでありますから、教育ローンを借入する前は、教育ローンの完済に成功した方の体験談を目通しすることで、これからの借入に活かすことをおすすめします。なお、教育ローンは、住宅ローンの借入と同じように、長い期間に渡って返済をしていかなければならないことが多いため、返済期間中に、借り換えを検討される方もおられると思います。こちらに関しましても、教育ローンの借り換え効果について考察したものを公開しておりますので、併せて読み進めておくことで、より、教育ローンを初めて借入する際の大切さがおわかりになると思います。教育ローンまとめ教育ローンの総合案内記事として、教育ローンの借入から完済までに必要なことを幅広く紹介させていただきましたが、本記事の内容を一通り目通しいただきまして、関連記事を読み進めていただくことで、無理のない教育ローンの借入ができるものと思います。教育資金は、人生三大資金の1つにあたり、多くのみなさまにとって極めて重要なお金にあたりますが、教育ローンを借入する場合は、計画的な借入と返済計画をあらかじめ立てておくことでうまくいくことは確かです。本記事が、これから教育ローンを借入するみなさまにとって有意義なものになっていただければ幸いです。
2019年01月18日住宅ローンや生活費、教育費などについて、ファイナンシャルプランナーに相談してみたいけれど、お金のことは正直話しづらいという気持ちがあります。富士山南麓・静岡県東部で暮らし活躍する素敵な人30名を取材して1冊にまとめた『富士山の麓で見つけたヒト・コト・シゴト』。本の中で、静岡県駿東郡小山町でオーダーメイドの家具を作る工房「TREOW FURNITURE WORKS」を紹介しています。今回、工房併設の展示室で、ファイナンシャルプランナーの有資格者による住宅購入資金セミナーが催されると聞き、早速、取材に行ってきました!■ 静岡県駿東郡小山町にある、家具職人の工房併設のアトリエ小山町は、静岡県と神奈川県と山梨県の県境に位置する町。富士山はもちろん、その外輪状に伸びる三国山系、神奈川県の丹沢山地、そして箱根の外輪山を眺めることができます。箱根の外輪山で最も高いのが、標高1212mの金時山。この山は金太郎伝説発祥の山として知られており、古くから小山町は金太郎生誕の地だと言われています。そんな小山町に、「TREOW FURNITURE WORKS」を主宰する家具職人の石井直樹さんの工房併設の展示室があります。石井さんが自作したヘリンボーンの床が印象的な展示室では、ソファやダイニングテーブル、チェアやスツール、キャビネットのほか、絵や写真のためのフレームや手付きのボックスのような生活雑貨まで大小さまざまに手がける石井さんの作品を実際に見ることができます。けして広くはないけれど、石井さんの人柄や、作り出す家具が持つ佇まいにしっくりくる空間です。「Hanko House」という名の印鑑ケースも作っています。玄関に置いておくと、宅配便の受領時などにとても便利。■ 展示室で、住宅購入資金セミナーを開催この展示室では、時折、石井さんが自ら企画するイベントを開催しています。過去には、エアプランツの着生ワークショップや、地元に暮らすイラストレーターの個展などが開催されてきました。そして今回、「大人の学びの時間」として「ファイナンシャルプランナーによるーあなたの将来を考えるライフプランワークショップー」という全3回の講座を開催するといいます(しかも参加費無料!)。1回目は教育費、2回目は住宅購入資金、3回目は貯蓄。どれも知っておきたいことばかりですが……でも、一体どうして、家具工房の展示室でファイナンシャルプランニングの講座を?2016年、子供の誕生をきっかけに、家の購入を考え始めた石井さん。その時、加入している保険の内容の見直しをファイナンシャルプランナーに依頼し、この先の人生と家族を支える新たなプランを見積もってもらったそう。「保険といえば商品の紹介をされるばかりで、肝心の中身がわかりづらいと感じていました。ところが、ファイナンシャルプランナー有資格者の話はとてもわかりやすく、驚いたんです」と石井さんは言います。お金に関わることはなんとなく聞きづらいイメージがあります。相談前の石井さんもそう感じていたそうですが、実際はとても相談しやすかったと言います。その後、石井さんが自邸を購入する際、住宅購入資金とローンの返済について、再び話を聞きに行ったそう。「自分のこの先の人生をイメージできたことがとても良かったんです。そういうことを、実はみんな知りたいんじゃないかと思って、今回のセミナーを企画しました」石井さんが自身のことを相談したのは、生命保険会社に勤務する御殿場市在住のファイナンシャルプランナー有資格者・芹澤誠さん。さまざまな場所で行われるさまざまな内容のセミナーに招かれ講師として活躍しており、住宅の購入相談を中心に、年間50件以上の相談を受けているそう。ファイナンシャルプランナー資格以外にも、宅建士や住宅ローンアドバイザーの資格も持っています。セミナー自体は、講師の自己紹介からスタート。40代半ば。2人の子供の子育て真っ只中という講師の穏やかでフレンドリーな人柄に、なんとなく緊張していた参加者たちが安堵の表情を浮かべます。■ ライフプランニングは自分の価値観を大切に生きるためのツール人生の4大資金=教育・住宅・老後・保険の話から始まった講座。途中、家を買うのはゴールではないという心に響く言葉がありました。実際に家を建てるにあたりどんな家を建てたいかをどう考えどう決めていくか。住宅ローンを払いながら、教育資金、老後に向けての蓄えをどう作っていくか。30歳で家を建てた場合をシミュレーションして、グラフなどを使い、わかりやすく教えてくれました。収入や家の価格、暮らしにかかる生活費など、どの例えも地に足がついている金額だったので自分の暮らしをイメージでき、とても身近に感じられました。講師の「万一だけでなく、万一が起きなかった老後資金も守るために」という言葉が印象に残ります。自分の価値観を大切に人生を組み立てていくのが、ライフプランニング。そこに必要なお金を考えるのがファイナンシャルプランニングなのだと理解できたら、いずれも人生を楽しくするためのツールとして、とても大切なことなのだとわかりました。講座を終える頃には、すっかり前向きな気持ちに。お金の話を、今まで避けて通っていたのが悔やまれます。今回の連続講座「大人の学びの時間」は3回とも終了しましたが、今後も開催予定でいるそう。日程などの詳細は、TREOW FURNITURE WORKSのFacebookページやInstagramで告知があります。ぜひチェックしてみてくださいね!富士山の麓で見つけた ヒト・コト・シゴト住みやすい町で自分らしく暮らす・働く。沼津や三島、御殿場など富士山を望む町で見つけたすてきな人と場所を紹介!日刊Sumaiのライターである永井理恵子さんが企画・執筆した本。富士山の麓で仕事をする、クラフト作家、雑貨屋、パン屋、農業など、地元人でも知らない30か所をじっくり紹介し、地方で身の丈に合った暮らしをする、をテーマにしたスローライフな1冊です。
2019年01月17日2020年に日本の教育が大きく変わると言われています。学習指導要領の改訂と大学入試改革が行われます。変わるとは知っていても具体的にどんな風に変わるのか、意外と知らない方も多いのではないでしょうか。「うちの子はまだ小さいから早いな」と思う方もいるかもしれませんが、小学校の勉強がどう変わるのかを知って、早くから対策をすることは決して無駄にはなりません。まずは改革の概要をしっかり理解しましょう。1. 学習指導要領の大幅な改定学習指導要領とは、日本教育の大まかな指導目標です。都度見直されていますが、2020年には小・中・高校で全面的に見直されます。教科・科目面では、小学校3・4年生で「外国語活動」、5・6年生で「英語」教科化、高校では「公共」「歴史総合」「地理総合」「理数探求」などが新設されます。さらに学びの特徴として以下のようなものが導入されます。(1) アクティブラーニングの導入アクティブラーニングとは「主体的・対話的で深い学び」を示し、教科ではなく授業方法です。正解を先生が教える一方的な授業ではなく、解き方を班ごとに話し合ったり個々に意見を出し合ったり、という双方向、対話的な学びのスタイルを取ります。(2) プログラミング教育の実施小学校でプログラミングが必修化されます。プログラミング言語や技術を学ぶというよりは「プログラミング的思考」を学びます。プログラミング的思考とは、何か問題があるとき解決するための最適な方法を考え、予測し、それをトライ&エラーで解決することです。今までの、知識を詰め込みいかに覚えるかという教育から、覚えたことをどう使っていくかに重点が置かれていきます。解決力や、持っている知識をどう使うかが問われるようになります。2. 英語改革年々進むグローバル化に向けて、英語教育についても改革が行われます。使える英語力を目指し、学習開始年齢の前倒し・4技能(聞く、話す、読む、書く)の取得を求めての改革となります。・小学校3・4年生週1コマ程度の「外国語活動」年間35コマの授業聞く・話すことの言語活動・小学校5・6年生週2コマ程度の「英語」年間70コマの授業成績(数値による評定)がつく活字体の読み書き語順への気付き・中学生・高校生英語の授業は英語で行うことを基本とする高校では「論理・表現」の科目新設(スピーチ、プレゼンテーション、ディベート、ディスカッションなど)覚える単語数も、現状は中学で扱う英単語が1200程度ですが、小学校の間に600~700語学びます。現状の中学生レベルの半分以上を、小学校卒業までに学ぶということですね。そして英語についても、覚える授業から、コミュニケーションを重視とした内容に変わっていきます。より実践的な話す力が求められることになります。但し2020年に向けて既に任意で英語を取り入れる小学校も増えています。私の息子が通う小学校では、外国人講師を招いた外国語活動を隔週1回程度行っているようです。3. 大学入試も大きく変わる2020年の改革では、大学受験も大きく変わります。まだ幼稚園や小学校低学年だとピンとこないかもしれませんが、成長と共に関係してくる部分ですので今の内から理解しておきましょう。大きく変わるのはマークシート方式の「センター試験」が廃止となり、「大学入学共通テスト」に移行します。数学・国語で80~120字の記述があるなど、思考力・判断力・表現力も評価されます。英語についても、今までの「読む・書く」から「読む・書く・聞く・話す」を評価され、民間資格や検定試験も評価されます。活用できる資格・検定試験は「ケンブリッジ英語検定」「TOEFL」「TOEIC」「IELTS」「TEAP」「英検」「GTEC」で、高校3年生の4~12月に受検した2回までの結果が採用されます。今までの知識を詰め込む教育からどのように変わるのかお分かりいただけたでしょうか。ただ、思考・判断するためには当然知識が必要となります。知識があるのはあくまでスタートラインということになり、そこから考える・自分の意見を言う力が必要になってきます。それを試験やテストで発揮するためには、日頃からの勉強方法を少しずつ変えていく必要があるでしょう。大学受験を考えていない場合でも、こういった能力は将来社会で必ず必要となってきます。頭の柔らかい小学生の内から意識することで、無理なく少しずつ力がつくはずです。学校や塾の勉強も大切ですが、一番良いのは家庭でコミュニケーションを取っていくことです。是非会話の時間を多く持ち、子どもにたくさん質問を投げかけることを意識してみて下さい。教育改革に負けない地頭を作っていきましょう。
2018年12月21日「子どもの発達に合わせて、そのときにもっともふさわしい教育をする」ことが特徴の「シュタイナー教育」(インタビュー第1回参照)。実際の教育現場ではどのような授業がおこなわれているのでしょうか。東京賢治シュタイナー学校で1年生のクラス担任を務める鴻巣理香先生は、その特徴を「世界とのつながりをとおして学ぶこと」だと語ります。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/石塚雅人(インタビュー・校内撮影のみ)記事冒頭画像:東京賢治シュタイナー学校 校内子どもには遊びでも明確な教育の意図がある――シュタイナー教育では1年生を「ならし期間」としているそうですが、一般の学校とどうちがうのでしょうか。鴻巣先生:当校には幼児部もありますが、学校にはいろいろな幼稚園、保育所から子どもたちが入学してきます。ですので、子どもたちの緊張がほどけて「仲間」になるまでには時間が必要です。そのため、最初に取り組むのは、「共同の生活の場」をつくること。一般の学校ではいきなり授業がはじまりますよね。でも、その前の段階が十分にできていないと、まだ幼児の延長上にある1年生は落ち着いて学べません。学びの特徴として、当校の1年生の席は円形になっていることが挙げられます。――それにはなにか大きな意味があるのでしょうか。鴻巣先生:これは「みんなが出会える場所」だということを意識したものです。入学当初の子どもたちが持っているのは「わたしと先生」という感覚。「わたしがみんなの一部」という感覚がまだないのです。だから、みんなが一斉に先生と話そうとする。そこで、「ひとりずつね」「誰かが話しているときは一緒に聞いてね」と話し、聴くことを練習していくなかで、子どもたちは「みんな」になっていくわけです。――いわゆる授業の内容はどんなものですか?鴻巣先生:いまお話した、円形に座ってお話をすることが1日のはじまり。そして、詩を唱えたり、歌を歌ったりします。これがもう授業なんです。椅子をしまって「ライゲン」(ストーリーを語りながら動物などを演じる教師を子どもが真似るリズム遊びのようなもの。※詳しくはインタビュー第2回参照)をすることもあります。お話をしながらいっぱい動くのですが、子どもたちにとっては遊びみたいなものでしょう。でも、教師としては、日本語のリズムで詩を一緒に唱えて覚えさせる、体の大きな動きやこまかい動きを練習させるといった、明確な意図があるものです。そして、これらの活動のなかには「共同でやること」、そして「自分自身が取り組み練習すること」が必ず含まれます。それが1年生にとっての学びなのです。「土台」ができあがれば学習速度が一気に上がる――一般的な授業とは大きく異なるようです。鴻巣先生:もちろん、国語や算数など、一般的な教科に該当する授業もあります。ただ、シュタイナー教育では、最初に学ぶための「土台」をつくることを重視します。先ほどお話したように、これらは子どもにとっては遊びみたいなものですから、親御さんに「今日は学校でなにしたの?」と聞かれると、子どもは「先生と遊んできた」と答える。ですから、親御さん、特にお父さんのなかには心配してしまう方もいますね。「この学校、大丈夫かな」って(笑)。ただ、わたしたちは、子どもがどんな時期なのかということに重きを置いて、人間の成長に合わせた無理のない学びにしているだけのことです。まわりから見ると、3年生まではすごくゆっくり学んでいるように見えるでしょう。ですが、きちんと土台ができあがると、4年生以降ではかなり早く学びが進むのです。――「エポック授業」というものが大きな特徴だと伺いました。鴻巣先生:これは、すべての学年の1時間目におこなわれる110分の授業です。110分というと長く感じると思いますが、1年生だったら最初の45分から1時間くらいは、先ほどお話したライゲンなどをして子どもたちは動いています。そして、30分くらい集中して勉強をする。そして最後の15分は教師の話を聴きます。勉強の内容は、一般の学校の国語、算数、理科、社会にあたる教科です。しかも、2週間から4週間ほどのスパンで、毎日、同じ教科の同じ内容を集中的に学びます。そして、その教科が終わったら、次の教科に集中する。前の教科で学んだことは、1回寝かせます。たとえるなら味噌のようなもので、寝かせて発酵させるわけです。――寝かせることにはどういう意味があるのでしょうか。鴻巣先生:寝かせているのですから、他の教科に取り組んでいるときには、学んだことが頭のなかに出てくることはありません。でも、しばらくたってふたを開けたときには熟成されている。しっかり潜在意識に刻まれ、強化された記憶のなかから「こうだった!」と取り出すことができるわけです。子どもの成長段階をしっかりと見つめる――貴校の授業で特に強く意識していることがあれば教えてください。鴻巣先生:一般の学校で学ぶ内容も、より生活に根差したものとしてとらえるということです。3年生の算数ではものの単位を習います。ただ、それを「紙の上」で終わらせることはありません。1kmを学ぶためには、1mのロープを10本つなげて10mのロープにして、それをみんなで持って実際に測ります。なぜなら、わたしたちのまわりには「世界と切り離されたもの」はなにひとつないからです。世界とのつながりをとおして学ぶことは、実際にそこにあるものの見方――「観点」を学ぶということ。だからこそ、授業でならったもの以外のものを見ても、学んだことをきちんと活かせるようになる。応用が効くと言ってもいいかもしれません。これは「紙の上」だけでの学びでは得られないものです。――一般の学校に通う子どもを持つ親御さんでも生かせる貴校の教育の考え方はありますか?鴻巣先生:まずは、いまお子さんがどういう時期にあるのか、しっかり見てあげてほしいですね。1年生は幼稚園児と比べると大きくなったように見えますが、さまざまな場面でまだ親の支えが必要な段階です。いまの子どもたちには、「できないことはいけないこと」という感覚があるように思いますが、できなくても平気なんですよ。失敗してもまたやってみたらいい。ただ、親が一緒にやってあげる必要があります。そして、もう支えがいらないのか、助けてほしいけど言えないだけなのか、そういうことをきちんと見抜いてあげてほしいと思います。■ 東京賢治シュタイナー学校■ 東京賢治シュタイナー学校幼児部たんぽぽこどもの園■ 東京賢治シュタイナー学校 インタビュー一覧第1回:「点数」で子どもを評価しない――力強い意志を育む「シュタイナー教育」の本質第2回:「模倣となりきり」で想像力が伸びる――感覚がフル稼働する「シュタイナー教育の1日」第3回:お片づけに“小人さん”が登場!?――「豊かなイメージ」が日々の子育てにも生きる第4回:1年生が「円形の席」で学ぶこと――シュタイナー教育が重視する「学びのベース」【プロフィール】東京賢治シュタイナー学校1994年、30年以上にわたり公教育に携わった鳥山敏子氏が公立学校を退職し、天地人のつながりのなかに生きようとした宮沢賢治の生き方を理想として長野・美麻に若者のための学びの場「賢治の学校」を立ち上げる。その後、ドイツのシュタイナー学校の見学をとおして「子どものための学校」こそ必要だとし、1997年に東京・立川に拠点を移して前身である「東京賢治の学校」を創設。1999年に幼児部、2005年には高等部を開設。2013年より現校名となる。鴻巣理香(こうのす・りか)東京賢治シュタイナー学校教師(1年生クラス担任)。「正直であるというところから人間は真の強さを生み出す」を信念とする。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2018年12月14日「シュタイナー教育」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。ドイツで誕生した教育思想ですが、おそらく多くの人にとって耳慣れないものでしょう。日本でシュタイナー教育をおこなう東京賢治シュタイナー学校の取材をとおして見えてきたのは、一般常識や他人の意見でぶれることのない、力強い「意志」を育てる教育でした。同校幼児部教師・池田真紀先生(写真右)と、学校教師・鴻巣理香先生(写真左)にお話を聞きました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/石塚雅人(インタビュー撮影のみ)ドイツで生まれ日本の風土に合わせて発展――そもそも、「シュタイナー教育」とはどんなふうにはじまったものでしょうか。池田先生:もともとはオーストリアの哲学者であるルドルフ・シュタイナー氏がはじめた教育です。当時は第一次大戦のさなか。「健全な人間が育たないと健全な社会には変えられない」という、社会運動の一端としてはじめられたそうです。鴻巣先生:当時のドイツの普通教育は、いまの小学4年生くらいまで。その後は、上の学校に進むのか、あるいは社会に出て徒弟制度のなかで働くのか、その時点で決めないといけませんでした。その頃、シュタイナーの講演を聴いた大きなタバコ会社の社長が、彼に「学校をつくってほしい」と依頼しました。従業員のほとんどはごく短い期間の普通教育を受けただけだったということもあり、従業員たちが「子どもたちには彼らに合う場でしっかり学ばせてあげたい」と社長に要望したのだそうです。そうして、はじめてのシュタイナー学校が誕生しました。池田先生:その後、日本に伝わった当時は、ドイツでの手法をそのまま踏襲していたようです。でも、日本のなかでそれぞれの学校や幼稚園が試行錯誤しながら、その地域に合ったシュタイナー教育をおこなうようになっています。ただ、根本となる「人間」とはなにか、というとらえ方は、どこのシュタイナー教育も同じものです。子どもたちの年齢と成長に合った教育――その根本である、シュタイナー教育の特徴というとどんなものになるのでしょうか。池田先生:「子どもの年齢や発達にふさわしい教育を与える必要がある」という発想ですね。まだ合わないものを早くさせたり、逆に必要なことをさせなかったりということではなく、そのときそのとき、成長を続ける子どもに合ったカリキュラムを組んでいます。鴻巣先生:シュタイナー教育は1919年にはじまり、2019年に100周年を迎えます。でも、100年たったからといって、子どもが育っていくために必要なものは変わりません。子どもの年齢、成長に合ったものを手渡していくということが、シュタイナー教育のいちばんの特徴だと思います。当校の教師は、一般の公立校や私立校で教師をしていた者がほとんどですから、一般の学校とのちがいをよくわかっています。そのちがいとは、人間のとらえ方、発達に関する観点ですね。幼児期に体ができてはじめて勉強ができる――シュタイナー教育では、0〜7歳、7〜14歳、14〜21歳という7年単位で人間の成長をわけて考えているとのこと。実際に、7年が区切りになっていると感じますか?鴻巣先生:本来、人間の成長はひとつながりのものです。でも、学校制度のなかでここからは上の学年だというふうにわけざるを得ません。そういうなかで子どもたちをどう発展させるかというところは、学校であり教師が工夫するしかない。わたしたちの教育は、幼児だからここまで、1年生だからこれをやる、2年生だからこれをやると押し付けるものではありません。もちろん、各学年で取り組むべきカリキュラムはあります。それは、それぞれの「時期に合っている」もので、「彼らの成長を助ける」ものだということです。池田先生:7歳を例にすると、「歯が抜ける」ことが大きなサインとなります。乳歯が抜けるのはだいたい1年生の前後です。それが、シュタイナー教育では、「きちんと体ができた」「勉強ができるようになった」というサイン。0歳から7歳までのあいだは、勉強させるのではなく、きちんと体をつくってあげることが大きなテーマなのです。鴻巣先生:乳歯が抜けると、すでにその下には永久歯が準備されていますよね。ということは、体のなかでもっとも硬いものをつくっていた大きな力が余っているということ。その力を使って「覚える」ということが可能になる、とシュタイナー教育では考えているのです。一般の学校だと、1年生になるといきなり勉強に入ります。でも、まだ体ができあがっていない幼児の名残がある状態では、「覚える」ことがすごく難しいのだと私たちは見ています。シュタイナー教育が育む自分を信じる力――シュタイナー教育を受けた子ども、そうでない子どもで、その後にどんなちがいが出るものでしょうか。鴻巣先生:卒業生がよく口にするのは、「根拠のない自信がついた」ということ(笑)。それは、小さい時期を競争しないで育っているからだと思います。もちろん、高等部など上の学年に進めば切磋琢磨することも必要ですが、基本的には「この子は100点、この子は50点」というふうに点数で子どもを評価しません。そうすると、「これは自分がしっかりできる」「この子はこういうことが上手だから教えてもらおう」という考えが身について、なにかが「できないから責められる」という経験がないのです。それが「根拠のない自信」につながっているのではないでしょうか。――とはいえ、大学進学などを考えれば、競争も必要になってきます。鴻巣先生:当校の卒業生たちは、「点数」で進路を選びません。偏差値がいくつだからこの大学に行くというようなことはしないのです。「○○先生がいるから」「学びたいことを学べるから」と明確な志望理由を持っていますし、進学しない子にもきちんと理由がある。そして、「ちがう」と思ったら、また戻って自分がやるべきこと、やりたいことを探している。その「へこたれない力」は、本当にすごいと思いますね。もちろん、卒業後に夢を持ちながらもまだ中途半端な状態にある子もいます。若者ですから、そういう時期があって当然でしょう。ただ、そんな子も、「いまの仕事が一生の仕事ではないけど、学ぶところがあるからいまはこれをやる」というふうに、自分が立っている位置をきちんと理解しています。池田先生:当校の教師が、いろいろな生き方を認めていることも大きいかもしれません。普通だと、高校卒業の時点で進学先や就職先など送り出す先が決まっていないと、教師も心配しますよね。でも、当校の教師はいろいろな可能性を認めて待ってあげている。それで、「先生たちは自分をちゃんと受け止めてくれている」「ひとりじゃないんだ」「やっていける」と感じているのではないでしょうか。■ 東京賢治シュタイナー学校■ 東京賢治シュタイナー学校幼児部たんぽぽこどもの園■ 東京賢治シュタイナー学校 インタビュー一覧第1回:「点数」で子どもを評価しない――力強い意志を育む「シュタイナー教育」の本質第2回:「模倣となりきり」で想像力が伸びる――感覚がフル稼働する「シュタイナー教育の1日」(※近日公開)第3回:お片づけに“小人さん”が登場!?――「豊かなイメージ」が日々の子育てにも生きる(※近日公開)第4回:1年生が「円形の席」で学ぶこと――シュタイナー教育が重視する「学びのベース」(※近日公開)【プロフィール】東京賢治シュタイナー学校1994年、30年以上にわたり公教育に携わった鳥山敏子氏が公立学校を退職し、天地人のつながりのなかに生きようとした宮沢賢治の生き方を理想として長野・美麻に若者のための学びの場「賢治の学校」を立ち上げる。その後、ドイツのシュタイナー学校の見学をとおして「子どものための学校」こそ必要だとし、1997年に東京・立川に拠点を移して前身である「東京賢治の学校」を創設。1999年に幼児部、2005年には高等部を開設。2013年より現校名となる。池田真紀(いけだ・まき)(写真右)東京賢治シュタイナー学校幼児部教師(クラス担任)。「古くならないいまの時代に合ったシュタイナー教育」を目指す。鴻巣理香(こうのす・りか)(写真左)東京賢治シュタイナー学校教師(1年生クラス担任)。「正直であるというところから人間は真の強さを生み出す」を信念とする。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2018年12月08日日本が誇る世界的大企業・ソニー。その巨大企業は、じつは科学教育発展のための助成財団を運営しています。その助成財団「ソニー教育財団」は1959年から大本となる活動を開始し、現在ではその活動の幅を大きく広げています。公立校の教員が抱える問題の解決のため、また、2020年から小学校ではじまるプログラミング教育必修化のサポートのため、ソニー教育財団がおこなっている活動について、理事長・高野瀬一晃さんにお話を聞きました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)大小さまざまな規模の研修で教員のネットワークづくりを支援わたしが理事長を務めるソニー教育財団が小中学校の先生の助成をはじめたのは、1959年から。理科の先生から理科教育論文を募り、優秀な論文を執筆した先生に助成金やソニー製品を贈呈するという「ソニー小学校理科教育振興資金」です(インタビュー第1回参照)。すると、その活動が新たな展開を生みました。1963年、優秀な論文を執筆して受賞した先生が所属する学校が「ソニー理科教育振興資金受賞校連盟」というものを組織し、先生同士でネットワークをつくって互いに切磋琢磨していこうという動きが起きたのです。そこで、その先生たちの研修などに必要な費用をソニーが提供することにしました。「ソニー理科教育振興資金受賞校連盟」は、「ソニー科学教育研究会」(SSTA)と名称を変え、理科教育に関心のある先生ならだれでも参加できる会として、現在も活動を続けています。会員の先生の数は、いまでは約2000人。みなさん、理科教育に本当に熱心な先生たちです。SSTAの会員の多くは公立校の先生。じつは、公立校の先生たちはひとつの問題を抱えています。異動があっても市町村内の別の学校に行くだけということがほとんど。市町村外に異動することがあっても、都道府県内の異動にとどまります。すると、先生たちは他の都道府県の先生とのネットワークをほとんど持つことができないのです。しかも、教員独特のメンタリティーなのか、なにか授業で問題が起きたとしても、同じ市町村内の先生にはアドバイスを求めにくいらしい。おそらくは、互いにコンペティターだと認識しているのでしょう。その問題を解決するため、わたしたちはSSTA会員の先生を対象とした3泊4日の全国特別研修会というものを開催しています。集まるのは全部で約100人の先生たち。そこで、たとえば北海道、青森、広島、福岡の先生がグループとなって授業の単元(学習活動の題材)開発をおこなってもらう。こうして、先生たちは「同じ釜の飯を食った」仲になる。全国に先生同士のネットワークができ、先生たちは互いにアドバイスを求めたり、アドバイスをしたりできるようになるわけです。また、全国特別研修会の他にも、全国を4つのブロックにわけておこなう「ブロック特別研修会」や都道府県単位の支部ごとの研修会も実施しています。これらにより、草の根運動ではないですが、学校現場の授業の質を上げることに貢献できていると自負しております。プログラミング教育のキモはプログラミング言語習得ではないこういった先生たちの研修のサポートの他に、ソニー教育財団では新たな試みをはじめています。わたしはもともとソニー株式会社では資材調達に携わってきました。ビジネスの現場に長く身を置いてきた立場からも、今後のソニー教育財団がどういうミッション、ビジョンを共有し、どこに向かって活動すべきかを考えています。ソニー創業者の井深大の考えも高く掲げながらも、未来志向が必要だと思うのです。その未来志向のなかではじめたのが、プログラミング教育のサポート。いま、日本のビジネスの現場にはソフトウェアエンジニアが圧倒的に不足しています。そのため、2020年から小学校でプログラミング教育が必修化されるのですが、問題はそれを教える先生たちにそのスキルや指導経験がないということ。そういう先生たちを、なんとかサポートしなければなりません。たまたまではあるのですが、ソニーでは異なるグループ会社がそれぞれにプログラミング教材を開発しました。ひとつは「MESH(メッシュ)」というもの。これは、人感センサーや光センサーなど、さまざまなセンサーやスイッチ機能を持ったブロック形状の電子タグとアプリを組み合わせ、プログラミングすることでいろいろなアイデアをかたちにできるというものです。画像提供:ソニー教育財団もうひとつは、「KOOV®(クーブ)」。こちらは、子どもたちの大好きなカラフルなブロックと電子パーツで動物やロボットなどのかたちをつくり、そこにアプリからプログラムを転送することで、自分でつくった作品を動かすことができるというものです。(本記事冒頭画像もKOOV)画像提供:ソニー教育財団わたしたちは、これらをSSTAの先生たちに無償で貸し出し、プログラミング教育に役立ててもらっています。その授業はたとえばこんな内容です。教室にゴミが散らかっているという問題があるとしましょう。そこで、MESHをつかってみんながちゃんとゴミ箱にゴミを捨てるようにするための方法を子どもたちに考えてもらう。たとえば、ゴミ箱を開けると、ゴミ箱のなかの光センサーが反応して、あらかじめ録音していた「きちんとゴミを捨ててくれてありがとう」という音声が流れるようにするとか。MESHもKOOV®も直感的に使えるビジュアルプログラミングを採用しているので、プログラミングの専門的な知識がなくても問題ありません。重要なのは、「○○すれば△△が起きる」といった、プログラミングの基本的な考え方を身につけることです。プログラミング教育というとコンピューター言語を覚えるといったイメージをするかもしれませんが、その根本となる考え方、「論理的思考」を身につけることが、重要なプログラミング教育だと思うのです。■ ソニー教育財団理事長・高野瀬一晃さん インタビュー一覧第1回:ソニーが“子ども投資”を59年間も続ける深い理由第2回:世界のソニーが手がける「プログラミング教育サポート」第3回:卒業生400人、みんな理系じゃないから面白い。ソニーの凄すぎる自然教室の全貌(※近日公開)第4回:日本人教員がビックリするのも納得。豪州が取り組むSTEAM(スチーム)教育の凄さ(※近日公開)【プロフィール】高野瀬一晃(たかのせ・かずあき)1954年1月18日生まれ、東京都出身。早稲田大学教育学部卒業。1990年、ソニー株式会社入社。資材調達のエキスパートとして1993年からドイツ、ハンガリー、フランス、スウェーデンなどヨーロッパ各国に赴任。2005年に本社へ復帰し、DI事業本部、テレビ事業本部の資材部門部門長、調達本部本部長、調達担当役員(SVP)などを歴任し、2015年に定年退職。その後、公益財団法人ソニー教育財団理事長を務める。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2018年11月20日「レッジョ・エミリア教育」を知っていますか?優れた幼児教育として、世界中の保護者から注目を浴びています。その発祥となったイタリアの都市レッジョ・エミリアは1991年、米国の週刊誌『ニューズウィーク』により、幼児教育における国際的なロールモデルとして挙げられました。米Googleの社員が利用できる預かり保育にも、レッジョ・エミリア教育が取り入れられているそう。いったい、一般的な幼児教育と比べてどのような特徴があるのでしょうか?今回は、小さな子どもに関わる者ならぜひ知っておきたいレッジョ・エミリア教育について、簡単にご紹介します。レッジョ・エミリア教育の発祥レッジョ・エミリア教育の始まりは、第二次世界大戦の終戦直後でした。北イタリアの都市レッジョ・エミリアの近くにあるヴィッラ・チェッラ村の人々は、戦争で破壊された建物からレンガや石を集めたり、ドイツ軍が残した戦車を売り資金を集めたりして、学校を建てはじめたそう。地元の教員だったローリス・マラグッツィ(1920~1994)はそれを見て感動し、ローマで教育心理学を学びはじめます。1950年に学位を取得するとレッジョ・エミリアに戻り、学校の運営を手伝ったり新たな幼児教育施設を建てたりしたそうです。マラグッツィは市当局と協働し、1963年に公立としては初めての幼児教育施設をオープンさせました。その後も公立の施設は増え、レッジョ・エミリアの保育施設は18に、幼児教育施設は51にまでなったそう。これらの施設で行われている教育が、レッジョ・エミリア教育と総称されているのです。レッジョ・エミリア教育の理念レッジョ・エミリア教育における指導者的存在となったマラグッツィは自身の教育理論を本として残しておらず、レッジョ・エミリア教育に体系的なメソッドはありません。しかし、マラグッツィによる詩「100の言葉」は、レッジョ・エミリア教育の理念を象徴するものとして知られています。以下はその一部です。子どもは100の言葉を持っている(そしてもっともっと何百も)けれど99は奪われている学校と文化が頭と体を切り離す彼らは子どもにこう言うのだ手を使わずに考えなさい頭を使わずやりなさいよく聴きなさいしゃべってはいけません楽しまずに理解しなさい(引用元:St Joseph’s School|The Hundred Languages of Children)この詩のなかでは、従来の幼児教育が冷たいものとして非難されています。そして、その反対がレッジョ・エミリア教育だといえるでしょう。「100の言葉」は子どもが持つ無限の可能性の象徴です。そして、人にはそれぞれ異なる価値観や個性があることを意味しています。2010年代の「多様性社会」を先取りしたものといえるかもしれません。レッジョ・エミリア教育の実践では実際に、レッジョ・エミリア教育では何が行われているのでしょう?以下ではレッジョ・エミリア教育の特徴を紹介します。1.プロジェクトレッジョ・エミリア教育の大きな特徴は、「プロジェクト」と呼ばれる活動です。これは、長ければ1年にも及ぶ長期間、一つのテーマを掘り下げるというもの。テーマは子ども同士の話し合いによって決定され、工作や調べ活動が行われます。子どもたちが議論しやすいよう、プロジェクトは4~5人の小グループで行われることが多いそう。また、グループには保育士だけでなく、保護者や地域住民といった大人も加わって、話し合いや見守りをします。このプロジェクト活動において子どもが学べることは多くあります。幼児教育を専門とする冨貴田智子・准教授(愛知江南短期大学)が、幼稚園で1カ月に渡るプロジェクト活動を行ったところ、以下のように子どもたちの「自律性」および「協同性」の成長が見られたそうです。自律性:-子どもたちだけで設計図について話し合っていた。-自由遊びの時間にも自主的にプロジェクト活動を進めていた。協同性:-自分の意見を強く主張しつつも、他者の話に耳を傾けて考えを変えた。-他者を批判したら逆に批判されたことにより、新たな気づきを得た。2.ドキュメンテーション「ドキュメンテーション」も、レッジョ・エミリア教育を語るには欠かせないものです。子どもたちが活動する様子は、文字や写真・動画によって記録されます。そしてパネルとしてまとめられ、誰もが見られる場所に展示されます。子どもがそれを見て、自分たちの活動を振り返ることにより、次に活かすのが目的です。もちろん、保育士にとっても指導の参考資料となり、保護者や地域住民といった来園者に活動を紹介する有効な手段ともなります。幼児教育学を専門とする伊東久実教授(身延山大学)は2011年、レッジョ・エミリア教育を実践する米国の保育施設を視察したところ、ドキュメンテーションは以下のように作成されていたそうです。-造形美術の専門教師(アトリエリスタ)と保育士による、2~3人のグループが担当。-子どもが活動している様子を多数の写真に収め、録音する。-子どもが興味を示したことに関して、1枚もしくは数枚の写真をピックアップする。-活動の過程や子どもの考えが分かるような言葉を添える。-教室や廊下に掲示する。具体的に、ドキュメンテーションには以下のようなことが書かれていたそうです。子どもたちの行動や発言が細かく記録されているので、その場にいなかった人でも様子をありありと思い浮かべることができますね。エレーナは来てすぐにライトテープルの脇にいるフェリックスのもとに直行した。四角や三角などの異なる形を見ながら、エレーナは「丸のかたちはないの?」と尋ねてきた。しかし、丸の形がないと知ると、彼女は自分で丸を作り始めたのだ。彼女が三角形をつなぎ合わせれば円を作れる、という直感を持っていたことに私は驚いた。エレーナ:私は丸を作ったよ。今度は丸を分解していくの。フェリックス:僕は四角を集めてる。これってマグネットなんだ。マグネットがいっぱい!エレーナは、円を作るために組み合わせた三角形をひとつひとつ指さしながら言った。エレーナ:青、だいだい、緑、だいだい、だいだい、緑。フェリックス:これとこれは同じ色だ。(だいだい色の三角形を2つ指し示しながら)(後略)(太字による強調は編集部で施した)(引用元:身延山大学 リポジトリ|レッジョ・アプローチによるドキュメンテーションの実例検討 (長澤市郎先生退職記念号))伊東教授によると、この施設におけるドキュメンテーションは、以下の3つの観点に基づいて行われていたそう。1.子どもの思考を視覚化できるよう、効果的にレイアウトする。2.結果報告ではなく、子どもたちの探究活動の経過の記録である。3.子どもを「多大な可能性を持つ存在」としてとらえ、尊敬する。日本でも、子どもたちが工作や遠足をしている写真を掲示している保育園・幼稚園はありますが、あくまで「活動の簡単な紹介」にとどまっているのではないでしょうか。ドキュメンテーションのように、文字による詳しい説明はほぼ見られませんよね。子どもたちを尊敬し、彼らが何を行って何を考えているのかを客観的に分かりやすく表現するドキュメンテーションは、レッジョ・エミリア教育を体現しているものといえるでしょう。3.教育環境レッジョ・エミリア教育を取り入れている施設には、「アトリエリスタ」という美術専門の教師がいます。一つの園につき1人が配置され、プロジェクト活動やドキュメンテーションの作成に関わります。「ペダゴジスタ」という教育学専門家の存在も、レッジョ・エミリア教育における特徴のひとつです。ペダゴジスタは複数の施設を担当しており、週に1回程度訪問する日には、保育者とアトリエリスタとで徹底的に話し合うそう。教育に関してアドバイスをするほか、運営にも関わるそうです。レッジョ・エミリア教育においては、施設のデザインも重要です。レッジョ・エミリア教育の施設には、「ピアッツァ(広場)」と呼ばれる空間があります。イタリアの都市は広場を中心として展広がっており、そこは噴水や市場があって人々が集まるスペースとなっているのですが、レッジョ・エミリアの施設でも同様。たとえばレッジョ・エミリア市のある乳幼児センターでは、ピアッツァは建物の奥にあり、年齢の異なる子どもたちの教室に囲まれています。着替え遊びができるコーナーや「劇場」のコーナーがあるそうです。また、市内の別の施設のピアッツァは、やはり教室に取り囲まれています。着替え遊びのコーナーのほか、合わせ鏡で作られた空間に入って遊ぶ「万華鏡」という遊具もあります。さらに、レッジョ・エミリア教育を取り入れた保育園を日本で経営する、ナチュラルスマイルジャパン株式会社代表取締役の松本理寿輝氏によると、レッジョ・エミリア市の保育園では、閉園時間になると街の人々がワインやチーズを持った人々がピアッツァに集まって会話を楽しむそう。子どもも自然と加わるとのことです。街と保育施設が分断されず、住民と子どもが場所を共有しているのは理想的ですね。レッジョ・エミリアの保育施設にとっては、「アトリエ」も重要です。ここには芸術活動に必要な用具・材料が置かれ、ドキュメンテーションや子どもの作品が飾ってあります。「まるで実験室のよう」と表現する人も。保育施設全体で使われる大きなアトリエのほか、各教室に備わっている「ミニアトリエ」もあります。アトリエには、小石や葉っぱなどの自然物が丁寧に保管されており、子どもの興味・関心を刺激します。日本にレッジョ・エミリア教育の施設はある?さて、ここまで読んでみたら、レッジョ・エミリア教育を取り入れた施設に子どもを通わせてみたくなったかもしれませんね。日本には、レッジョ・エミリアの保育園や幼稚園はあるのでしょうか?実は、レッジョ・エミリア教育の考えを取り入れている施設は都内では珍しくありません。アトリエリスタやペダゴジスタといったプロフェッショナルの確保、ピアッツァの設計など、日本にそのまま輸入するには難しい点もありますが、レッジョ・エミリア教育の基本的な理念を実践している施設をご紹介しましょう。-代沢インターナショナルスクール(世田谷区、渋谷区)「レッジョ・エミリア・アプローチ」を全面に打ち出し、一人一人の個性を尊重することを重視しています。プロジェクト活動はもちろん、ドキュメンテーションも実施。写真・子どもの発言・先生のコメントから成る「ジャーナル」を作成し、保護者が子どもの学習活動を把握できるようにしているそう。また、スクールのコミュニティ形成のため、イベントや課外活動には保護者の積極的な参加を求めています。-まちの保育園(練馬区、港区、武蔵野市)・まちのこども園(渋谷区)上述したナチュラルスマイルジャパン株式会社の運営する、レッジョ・エミリア教育の考えを重視した施設です。アトリエの設置や、外部の人も見られるようなドキュメンテーションの掲示など、レッジョ・エミリア教育の方法論を積極的に実践しています。それだけではなく、施設を開放して保護者や地域住民向けのイベントを開いたり、カフェを併設したりなど、施設と地域コミュニティを一体化させようという姿勢は、まさにレッジョ・エミリア教育の思想を体現したものといえるでしょう。レッジョ・エミリア教育を家庭で取り入れるにはレッジョ・エミリア教育に興味があっても、近くに施設がなかったり、費用がネックになったりする場合もありますよね。そんなときには、レッジョ・エミリア教育のエッセンスを家庭生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?たとえば、プロジェクト活動。休日の過ごし方を、子どもと話し合って決めてみてはどうでしょう。展覧会やワークショップなどの情報が載った冊子やWebサイトを子どもに見せ、どれに参加したいか自分で考えさせるのです。なぜそれを選んだのか、どんな点に興味を持ったのかを説明してもらうのもよいですね。また、以前に出かけた場所の感想を聞いてみて、気に入ったようであれば同じような場所に行ってみると、子どもの興味・関心がさらに広がりそうです。ドキュメンテーションの作成にもチャレンジしてみてはどうでしょうか。ノートやスクラップブックに、子どもが活動しているときの写真を貼り、子どもが発した言葉をそのまま記録すればOK。このとき注意したいのが、ドキュメンテーションは「思い出のアルバム」とは異なるということ。カメラ目線でポーズを取った「記念写真」ではなく、子どもが作品の制作や読書に熱中しているときの写真を選びましょう。ドキュメンテーションはあくまで「探究活動の経過の記録」です。子ども本人や親が見返して「気づき」が得られるよう、客観的に編集することを意識してみましょう。そして家族がいつでも手に取れるよう、リビングなど共有スペースに置いてくださいね。レッジョ・エミリア教育を知る本「レッジョ・エミリア教育をもっと知りたい!」という方には、本を一冊読んでみることをおすすめします。まずは、『驚くべき学びの世界~レッジョ・エミリアの幼児教育~』(ACCESS、2011年)。レッジョ・エミリア市の協力により2011年にワタリウム美術館(渋谷区)で開催された、「驚くべき学びの世界展」の内容がたっぷり詰まっています。レッジョ・エミリア教育のなかで子どもたちの作り上げたアートの美しい写真をふんだんに収録。読者の感性に直接訴えかけてくるような紙面を見ると、それだけでも子どもに対する考え方が変わりそうです。ほかに日本語で読めるものとしては、イタリア語・イタリア文化を教えるダンテ・アリギエーリ協会を創設したアレッサンドラ・ミラーニ氏による『レッジョ・アプローチ 世界で最も注目される幼児教育』(文藝春秋、2017年)があります。日本のプレスクールにおいてどのようにレッジョ・エミリア教育を実践したか、という経験に基づいて書かれたので、日本人の親にとっても共感しやすいのではないでしょうか。電子書籍版もあるので、気になったらワンクリックですぐに読むことができます。***プロジェクト活動やドキュメンテーションからうかがえるように、レッジョ・エミリア教育では子どもを一人の人間として尊重し、自主性を重んじているのですね。「幼児教育にはこんなアプローチもあるんだ」と、新たな視点を与えてくれます。就学前のお子さんをお持ちなら、近くにレッジョ・エミリア教育の施設があるか、調べてみてはいかがでしょうか。(参考)StudyHacker|レッジョ教育Newsweek|The Best Schools In The WorldHowStuffWorks|Google Benefits and Day CareThe Atlantic|Reggio Emilia: From Postwar Italy to NYC’s Toniest PreschoolsReggio Children|Loris MalaguzziReggio Children|Reggio Emilia – City of a Hundred Languages和光大学|レッジョ・エミリア・アプローチとの対話St Joseph’s School|The Hundred Languages of ChildrenJWCPE Repository|レッジョ・エミリアの幼児教育と保育環境愛知江南短期大学|プロジェクト活動を通した子どもの自律性・協同性が育つ過程の検討StudyHackerこどもまなび☆ラボ|イタリアの革新的なアート教育「100人には100通りの考え方がある」個性を大切にするレッジョ・エミリア・アプローチ身延山大学 リポジトリ|レッジョ・アプローチによるドキュメンテーションの実例検討 (長澤市郎先生退職記念号)政策シンクタンクPHP総研|子どもたちがまち中の人と出会える環境を代沢インターナショナルスクールまちの保育園ワタリウム美術館|驚くべき学びの世界展
2018年11月18日ウーマンエキサイトで連載中のちゅいママさんの記事 「日本の義務教育で本当に教えて欲しいことは? 夫婦で話し合ってみた」 で、日本の義務教育に関するアンケートを実施。「義務教育で今後重視してほしいと思うこと」「今の義務教育で見直した方がいい(減らしてもいい)と思うこと」について、さまざまな意見が集まりました。■“お金”にまつわる社会の仕組みを教えて!2020年度から小学校でのプログラミング教育、英語の必修化が始まります。パパやママは、子どもたちが自分たちの小学校のときとは違う教育を受けることに不安や期待を抱いているのではないでしょうか。ちゅいママさんとご主人も、これを機に「義務教育」について話し合ったそうです。おふたりがまず「義務教育で今後重視してほしいと思うこと」は、ずばり “お金” のこと。お金は貯金するだけでなく、「増やす」「活用する」方法もあるんだということを教えてほしいということで、それに共感するコメントや、税金や年金といった“お金”にまつわる社会の仕組みについて「教えてほしい」という意見が多数集まりました。社会の仕組みについて、しっかり学習すべきと思います。給料をもらうと、いくら、どこに、なぜ納税するのか。働き方、正社員と派遣社員、自営業の仕組み。年金や保険制度の意義、どんな場合にどのような社会保障があるのか教えてほしい。お金、税金、社会保険などなどの社会の基本的な仕組みを知らない人が多すぎる。確定申告(自分の税金の計算)くらい自分でできるようになるべき。FPの勉強内容を授業でやってほしい。政治についても、若い意見がより反映されやすいように選挙に行く姿勢を養ってほしい。性についても、生理が始まる頃から教えるのではなく、保育園、幼稚園から男女の違いを教えるべき。知ることが自分の身を守る事になると思うから。■多様性を認めないと、世界から遅れていくちゅいママさんご夫婦からは、「自分の意見を自分で考えて述べる」教育をしてほしいという意見も。これにも賛同の声が挙がり、 “ディスカッション” や “ディベート” を積極的に取り入れてほしいとのコメントが寄せられました。●ディスカッションと、働くことディスカッションは、自分の意見を持つこと、発信することの大切さ、さらには協調性や気配り、視野を広くもつ重要性を学べると思う。応用編でディベートも取り入れるとおもしろい。働き方について。まずは働くことの意味、働き方の選択肢、マイナーな職業についてなど小学生から取り入れてほしいです。マイナーでも生活を支えているお仕事も早くから知ってほしい。●性教育日本では、恥ずかしい事として隠してしまう傾向がある。でも、小さなときから性に関してオープンにして、きちんと知り理解する機会があれば、性の問題や不妊治療、望まない妊娠・中絶などで苦しむ人たちが今より少なくなるのでは? と思う。●人権・権利の大切さもっとかみ砕いて分かりやすく教えて欲しいです。いじめも、性犯罪も、暴力も、差別も、すべて相手の人権・権利を軽視・無視した結果起こるものだと思うので。相手を尊重することの大切さを具体的に伝えて欲しいです。●多様性を認める「みんなと同じが良い」という風潮、日本にはありますよね。多様性を認めないところに日本という国が他の国に遅れをとり、伸びていかない理由があると思います。その子らしさを認め、それを伸ばすような教育を。そして平均的に良いよりも、何か得意なこと、好きなことを見つけ伸ばすような教育が良いと思います。●インターネットリテラシー(インターネットを正しく使うための知識、能力のこと)子どもたちは生まれたときから当たり前のようにある世界。親が思ってるより子どもたちはネットの世界を自分たちでも使いこなすけど、それに伴うリスクなどは無知な子どもが多いと思います。だから学校でインターネットを使ったたくさんのメリットやそれにまつわる良くないことも教育していってほしいと思います。●交渉能力アクティブラーニング、生徒が能動的に学べるような授業を行うこと。●環境問題使い捨てが主流になりつつあるけど、その先を見据えて使い捨てているのか。もっと積極的に環境問題を取り上げて欲しい。そして、教育するべき問題だと思う。未来を生きるのは自分たちだから。親は未来の環境はどうにもしてあげられない。■「英語」「プログラミング」「道徳」は必要ない?一方、「今の義務教育で見直した方がいい(減らしてもいい)と思うこと」についてはどんな意見が集まったのでしょうか。「見直してほしい教科」としては、2020年に新たに導入されることになる「英語」「プログラミング」、そして本年度から新たに教科化となった「道徳」に関しての意見が集まりました。●道徳の授業・違う意見を考える人をあぶりだして、弾くことにしかならないと思う・自分の意見を出したら先生からおかしいと言われ認められなかった。道徳の授業は、大人の考えの押し付けだと思う。・核心を教えない、上っ面だけの道徳の時間。学校の先生ではなく、ちゃんと心のスペシャリストを呼んで教えさせてほしい。●英語・数年先には機械が簡単に翻訳して話してくれる。それより自国の文化や習慣、言葉遣いは必須であり、自国を紹介できないのに多国語を喋れるだけになっても意味はない。・漢字学習ですら覚えるの大変なのに、なぜ英語までさせるかわかりません。・ムダな日本語英語習わせなくてもいいと思う。そんなのでは身につかない。いまの時代、言葉が通じなくても機械が何とでもしてくれる。他にすべき事を伸ばすべき。・英語のゲームや歌などはお遊び過ぎてまったくもって時間のムダ。●プログラミング・プログラミングは、教育する側の体制が整っていないなら、時期尚早かと。そもそも学校の先生、プログラミングの授業できるんですか?・子どもが大人になったら全然違う言語や仕組みになっていそうなので、役に立たないのでは?・義務教育でしなくてよくないですか。選択肢を与えて各々やりたい子に興味ある分野を深く学ばせたらいい。・いま習っても、習わなくてもパソコンはいつかは使えるようになる。パソコンなどのハード面に投資するのももったいない。その費用と時間を貧困対策や教育格差解消に使って欲しい。●計算・解き方がわかれば電卓つかっていいと思う。筆算ができるようになるメリットって?・計算するだけの宿題は不要英語教育を必要ないと考える人の根底にあるのは、「正しい日本語を使えるようにすることの方が大切では?」という意見が多くあるように思えます。またAI化が今後ますます進むことを考えたときに、コンピューターが得意とする分野(計算、翻訳を含む英語)に力を入れたり、暗記させるよりは、自分の考えを言えるための力やその土台となる国語力を育む教育をしてほしいとするコメントを多くみかけました。意見がかなりわかれたのが、歴史。「必要ない」とする人、「日本の黒歴史も教えるべき」とする人、「世界の国からみた日本の歴史を教えてほしい」など、意見がかなりわかれました。■個性をつぶす日本の教育方針を見直してほしい学校の教科だけではなく、勉強や学校の在り方から日本的教育方法など、大きな視点での意見も集まりました。みんな同じ、みんな一緒を重視する教育をやめるべき。海外の飛び級制度のような、個人の能力に合わせて教育を受けれるようにしてほしい。多様性の受け入れにもつながる。個性が認められる社会を作るきっかけにもなり、いじめも減る。「先生に注意されるから」、「みんなそうだから」、「集団生活を学ぶ場だから」、「何でかわからないけど決まりだから」と、いまだに個性をつぶす教育が横行している点は、早急に見直した方が良い。通知表も、他人の評価ばかり気にする子になってしまうから自己評価表にするべき。学力テストでの学力の差別化、子どもの能力の数字化はやめてほしい。授業のほとんどがただのテスト勉強に。過去問題をただ単にたくさんやった子が点数取れるテストなど意味がない。宿題は、時間がない先生が採点に忙しいだけ。宿題よりもっと家族や友人や地域で育む時間など大切なことがある。失敗してもいいって教えて欲しい。子ども自身の人生や自分自身の歩み方についての勉強や学びが、本当に少ないなと思います。教科書どおりに学ぶのではなく、子ども自身が興味があることを伸ばしつつ、それに基づく勉強もしっかりすればいいのかなもしれないなと思いました。好きなことや、やりたいことを摘み取ってしまったら悲しいし、何より時間がもったいないなと思います。それなら、もっと遊ぼうよ!と思ってしまいますね(笑)小学校でも留年させてほしい。教育を受ける権利。理解してから進級してください。分数を理解してない大人、人生損してるよ!学校は、足並みを揃えすぎ。はみ出た子どもを気にしすぎ。学校側から管理しやすいというのはわかるけど、人は人、自分は自分です。ほかに、校則や服装、生活指導といったルールの見直しを訴える声や、「1クラスの生徒数を少人数にして手厚い対応ができるようにしてほしい」といった意見も出ました。日本の平等教育とは、「同じ内容を一斉に教える」という一斉教育が主流で、そこには「理解している」は含まれていないこともあります。しかし海外などで考える「平等」とは、「ここまでは理解させて上の学年に行く」というもの。日本ではほとんどない留年も、海外ではあるとされています。「本当の教育とはなにか?」親自身も今後ますます考えていかなければいけない時代なのかもしれませんね。■パパママが望む“義務教育”のあり方とはアンケート結果を見てみると、パパやママによって義務教育に“重視してほしい”点、そして“減らしてもいいと思う”点はさまざまでした。かつて自分が学校で学んだことがどれだけ“今”に役立っているか。逆にどんなことを学校で学びたかったか。そんな経験を踏まえてパパやママが望むのは、教科というよりも、生きる力…、“将来子どもが生き抜くための力”を養ってほしいと思っているように感じました。必修科目が増え、今後どうなるかわからない点もありますが、学校、先生、地域、そして家庭でうまく連携を取りながら、子どもたちの豊かな成長を促していければいいですね。Q.「義務教育で今後重視してほしいと思うこと」についてのご意見をお書きください。回答数:184Q.「今の義務教育で見直した方がいい(減らしてもいい)と思うこと」についてご意見があればお書きください。回答数:159アンケート集計期間:2018/9/21~9/25ちゅいママさん記事で使用したデータ: 「こんな教育をしてほしい! 親が望む義務教育でやってほしいこと【パパママの本音調査】 Vol.298」
2018年10月18日早めの幼児教育を!街に出かければ、幼児教育を専門にしている塾があるほどです。でも塾に行かせるほどでもないし、私たちは何をしたらいいのやら…と悩みますよね。誰かに相談するにも、ママ友もいないし、思い悩んでしまいがち。今回は、そんな0歳児から出来る教育方法をパピマミ編集部が紹介していきます。絵本の読み聞かせは0歳からの赤ちゃん教育絵本の読み聞かせって教育なの? と思われるかもしれません。しかし0歳の赤ちゃんでも、きちんとした教育のひとつになります。というのも、読み聞かせにはさまざまな効果があります。まず赤ちゃんにとってママの声や温もりを感じる精神的な発達を促します 。赤ちゃんにとってママの声は安心しますから、たくさん読んであげてください。絵本を持っていなくても、保健所の乳児健診のときに絵本を貰ったり、図書館でお子さんの月齢にあった絵本をレンタルできます。月数の浅い赤ちゃんは、内容を理解しづらいかもしれません。しかし、読み聞かせてあげることが何より大事なのです。子育て支援センターは大事な教育の場子育て支援センターは、赤ちゃんと何をしたらいいか分からないママたちの学校 でもあります。施設によって保健師さんや看護師さん、栄養士さんに相談できます。もちろん、ママの学びの場だけでなく、赤ちゃんの発達に繋がることがあります。他の赤ちゃんに触れると、観察力や感情の発達にも繋がります 。月数の早い赤ちゃんの行動を真似してみたり、たくさんの人たちに囲まれてみたり。我が子の成長を一緒に楽しみましょう。支援センターにあるおもちゃは、消毒されていたり安全な物ばかりなので子供たちもたくさんの物に触れられます。開催されているイベントの多くは、ママだけじゃなくパパも参加できるので近くの施設をチェックしてみてください。0歳の赤ちゃんだから出来るリトミックの教育法「リトミック教室」を知っていますか?リトミックとは、スイスで生まれた音楽の教育法 です。音楽に合わせて手遊びをしたり踊ったり、音を鳴らしてみたりと、家ではやりづらいことを行います。もちろん、お友達を作って一緒に楽しめますし、パパも参加できます。楽しみながら音楽に集中すれば、豊かな表現力が養われます。踊りにもメリットがあり、基礎体力やリズム感を身につけられます。また自分とは違う他人の表現力を感じられると、他人を受け入れる精神も身につき、友達も作りやすくなります。リトミック教室に通うと、大人になるにつれて必要な精神力と体力を養える のです。教室によって雰囲気ややり方も違うので、まずは近くの色々な教室を覗いてみましょう!0歳の赤ちゃんは家の中での生活が教育の場になっている赤ちゃんは、家の中の生活でも成長に繋がる経験 をたくさんしています。まだ新生児の赤ちゃんは、目が見えなくてもママやパパの声、ママのおっぱいの味、洋服の肌触りや沐浴の水の触り心地を理解しています。そのうち目がはっきり見えてくるようになると、いつも置いてある家具やおもちゃに興味を持ったり、思考力や感情にも変化 をもたらします。離乳食が始まると食べ物の存在や味覚を認識し、もっと赤ちゃんの世界が広がっていきます。ハイハイを始めて色んな場所に狙いを定めて移動することや狙ったものを手で掴むこともまた成長の過程では必要なこと。優しい目で見守るだけで、赤ちゃんは勝手に成長 していきます。まとめ赤ちゃんの教育は他にもたくさんあります。0歳から海外生活をすれば2カ国語を難なく話せます。0歳から出来ることは無限にあり、子どもの可能性が大きく広がります。0歳からの教育を重視するママもどんどん増えてきて、今では0歳から当たり前のように習い事をしています。ぜひ、考えてみてください。●文/パピマミ編集部
2018年10月16日いま、教育資金は「情報戦」です。たとえば、教育関係の公的な助成・補助金は、申請するからこそ、もらえるお金。申請しなければ、もらえません。また、いまや大学は、返さなくていい給付型の奨学金をこぞって増やしている時代です。これらを「知っている」のと「知らない」のでは、大違い! 充実してきた教育支援制度の情報を、教育資金に詳しいファイナンシャルプランナーの竹下さくらさんにピックアップしてもらいました。【「教育費どうしようかな?」と思ったら】 第1話 “情報格差”で、子どもの進路に影響が出る!? 第2話 普通の進路でも、老後破産する!? その落とし穴とは 第3話 児童手当が大学資金に! “いつの間にか貯まる”教育資金ワザ ■低所得のひとり親家庭に給付するお金児童扶養手当死別や離婚などで母親または父親、父母がいない場合は祖父母などひとり親家庭で18歳未満の子どもを養育している人が、低所得の場合にもらうことのできる手当です。受け取れる額は、「養育している子どもの人数」と「親の収入(所得)」によって違い、とても複雑なので、詳細はお住まいの市区町村窓口に問い合わせをすることが大切です。申請をした後、1~3ヶ月程度の認定審査があり、認定日の月の翌月分から支給が開始されます。■幼稚園の月謝、入園費の補助私立幼稚園就園奨励費補助金私立幼稚園に通う場合は、ぜひ「私立幼稚園就園奨励費補助金」の活用を!国が自治体に依頼している補助金制度で、満3歳児から5歳児(年長)までの月謝と入園費を対象に受けることができます。きょうだいの人数、年齢、親の収入(住民税の額)、そして住んでいる自治体などで補助金の額は異なります。なお、千葉県野田市のように公立幼稚園に通う世帯にも助成しているところもあります。一方で市区町村によっては制度がない場合や国の基準よりも厳しく設定しているところなど助成額も異なるため、まずは自治体に問い合わせをしましょう。■高校の授業料の無償化高等学校等就学支援金(国の制度)家庭の所得に応じて、高等学校の授業料が支給されるシステムです。現金で直接、生徒や保護者が受け取れるというものではなく、学校設置者(学校法人など)が生徒本人に代わって受け取り、授業料と相殺されます。申請書類は、入学時は4月に、継続して支給を受ける届け出手続き関係は6月~7月頃に高校から配布されます。ただし、モデル世帯(給与所得のみの夫婦・16歳以上の高校生一人・中学生一人の4人世帯の例)で言えば、年収約910万円以上になると就学支援金は受けられません。■返さなくていい奨学金!?今回の取材で、筆者が一番驚いたのは、「返さなくていい奨学金」が増えていること。そのなかでも、最近の一大トレンドとなっているのは、「予約型」の奨学金です。これはおもに地方からの受験生が対象で、受験前に申し込み、合格したら支給をされる奨学金のことです。申し込みは、前年度の秋のことが多く、それゆえ「予約型」。つまり、現役生の場合は、この情報を「知っていて」、高校3年生のときに応募しておかなければなりません。現在、多くの大学は、予約型の奨学金を設けています。●早稲田大学「めざせ! 都の西北奨学金(予約型)」半期(春学期)の授業料が免除。●慶應義塾大学「学問のすゝめ奨学金(予約型)」地方の新入生500人に年額60万円~90万円を卒業まで支給します。国立大学でも、たくさんの奨学金給付があります。たとえば、一橋大学の「一橋大学学業優秀学生奨学金制度」では、前年度にとくに優秀な成績を収めた学部生12名以上に月8万円(年96万円)を毎月送金します。支給は1年間限定ですが、親の年収制限を設けるなど家計の経済状況は加味されません。奨学金といえども、返済義務があるものは、大学を卒業した途端、数百万円もの借金を背負うもの。返さなくていい奨学金を上手に活用することで、親の家計への負担を減らし、子どもの進学に役立てることができます。そんな時代がやってきたのは、喜ばしいこと。みなさんに制度を知ってもらい、活用して欲しいです。いかがでしたか? いつの時代も、「わが子にできるだけのことをしてあげたい」というのは、当然の親心。けれども、先行き不透明ないま、教育資金作りに不安を感じる人も多いことでしょう。この連載が、教育資金の「情報格差」を解消し、前向きな教育資金作りの第1歩を踏み出すキッカケになるとうれしいです。■今回のお話を伺った竹下さくらさんのご著書 『「教育費をどうしようかな」と思ったときにまず読む本』 竹下さくら著/日本経済新聞出版社 ¥1,500(税別)竹下さくらさんファイナンシャル・プランナー(CFP)。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。慶応義塾大学商学部にて保険学を専攻。卒業後、損害保険会社・生命保険会社の本店業務部門等を経て、1998年よりFPとして独立、現在に至る。主に個人向けのコンサルティングに従事し、講師・執筆活動なども行っている。
2018年09月29日前回、ごく普通の家庭が「知らぬ間に陥りがちな2つの落とし穴」についてファイナンシャルプランナーの竹下さくらさんに教えていただきました。【「教育費どうしようかな?」と思ったら】 第1話 “情報格差”で、子どもの進路に影響が出る!? 第2話 普通の進路でも、老後破産する!? その落とし穴とは 第3話 児童手当が大学資金に! “いつの間にか貯まる”教育資金ワザ 第4話 「もらえる」教育費がトレンド! 充実の教育支援制度を活用するには -->落とし穴に落ちないためには、教育資金は、あらかじめ資金計画を立て、長い時間をかけてコツコツと計画的に準備する必要があります。今回は、具体的な教育資金づくりについてお話しを伺います。■児童手当が大学資金となる「教育資金づくりで大切なことは、子供が小さいころからコツコツと積み立てることです」(竹下さん)。そのための軍資金として心強いのが「児童手当」です。児童手当から受け取れる額は、次の表のとおりで、0歳から15歳までの総額は、198万円(※)にもなります。まさに、「ちりも積もれば山となる」ですね!大学進学に合わせて備えておきたい額は、国公立・自宅通いケースの学費総額をもとに200~300万円が一つの目安と言われていますが、児童手当を積み立てるだけで、この最低ラインは賄える計算となります。※児童手当の0~15歳までの総額198万円=15,000円×12ヶ月×3年+1万円×12ヶ月×12年:第1子、第2子の場合の例。一人あたり。▼児童手当の対象年齢と支給額■児童手当は、さかのぼってはもらえない!児童手当で覚えておいて欲しい注意点は、「申請が遅くなった際、その分をさかのぼってはもらえない」ということです。子どもが生まれた場合は、出生届が受理されて初めて、児童手当の申請を市区町村の役所が受理する流れになっています。ですから妊娠中に必要な書類などを役所の窓口やホームページなどで確認し、出産後は速やかに申請することが大切です。出産直後のママが動くことが厳しい場合も多いので、申請手続きの流れをパパと一緒に、シミュレーションしておくと良いですね。 ■「学資保険」はなぜおすすめなのか教育資金づくりの「はじめの一歩」は、児童手当を軍資金に、家計とは切り分けて積立てを始めることです。その手段として、おすすめしたいのが「学資保険(子ども保険)」です。「マイナス金利の影響もあり、最近お得度が下がり気味ではありますが、根強い人気が続いています。理由はおもに3つあります」(竹下さん)。▼学資保険の魅力3つ魅力その1確実に教育資金を準備できる安心感がある学資保険は、親の死亡時には以後の保険料支払いが免除になった上で満期金がうけとれる“保険ならでは”のしくみがあるプランが人気です魅力その2税制優遇がある満期などで受け取るお金は一時所得扱いになるので、増えて得した額が50万円を超えなければ実質的に非課税です。預貯金で積立した場合、得した額の約20%は税金として源泉徴収されます魅力その3子供のお金として色づけができる家計が苦しくなったり、住宅ローン返済が滞りそうになった時でも、学資保険は「取り崩しにくい心理が働く」と言われています出典: 「教育費をどうしようかな」と思ったときにまず読む本 より一部抜粋筆者としては、学資保険は保険商品ならではの「強制力」が大きな魅力だと感じています。有無を言わさず(←ここ、とても大事です)、自動的に指定口座から保険料が振り替えられているので、最初から「そのお金が無いこと」で生活する習慣がつきます。ですから、「いつの間にか貯まっている感」があるのです。■学資保険を選びときにチェックすることどの学資保険を選ぶか? というときに最初にチェックしたいのは、「返礼率」です。返礼率とは、支払った保険料に対して、受け取れる保険金の割合を示す率。たとえば、返礼率105%だったら、保険料を100万円支払えば、合計で105万円受け取れるということになります。ちなみに、これだけおすすめしておきながら、筆者の学資保険デビューは、長男を出産した1年後(汗)。初めての出産後、慣れない育児で手一杯になってしまい、教育費のことまで頭が回りませんでした。いまは、妊娠中から入ることができる学資保険も増えているので、プレママ時代に、学資保険のリサーチ&契約しておくのもアリだと思います。学資保険の注意点としては、途中で解約すると、ほぼ間違いなく損をする点。その時点の解約返戻金(解約することで戻ってくるお金)は、それまで支払った保険料より少なくなるのが通常です。確実に満期まで続けられるよう家計に無理のない保険料での利用が無難です。■「低解約返戻金型終身保険」vs「学資保険」最近は、保険ショップで「学資保保険に入りたいのですけれど」と相談すると、低解約返戻金型終身保険をすすめられることが多くなっています。低解約返戻金型終身保険とは、一生涯を保障する生命保険である「終身保険」の一種です。この終身保険を、適当な時期に解約して、解約返戻金を教育資金にあてるという使い方をします。この保険について、メリットとデメリットを整理しておきましょう。▼「低解約返戻金型終身保険」のメリット①教育資金として現金化できるタイミングを選べる「学資保険」が満期日(18歳の誕生日など)まで現金化できないのに対して、この保険であれば、保険料払込期間を経過していれば、いつ解約しても、ほぼ損をしません。たとえば、AO入試や推薦入試で合格すると、高校3年生の秋には入学金を支払う必要があり、お金の工面に困ることも考えられます。②親にもしものことがあった場合の死亡保障が大きい「親の死亡保障確保の点から言えば、同じ保険料の学資保険に入るよりも、死亡保障額が大きいので、費用対効果が高いです」(竹下さん)▼「低解約返戻金型終身保険」のデメリット保険料払込期間中に解約するとペナルティが大きい保険料払込期間とは、保険契約者が保険料を支払う義務がある期間で、保険契約を結ぶ時の条件として定められています。最初に取り決めをするので、あとから保険を見直すとペナルティが大きく、少ししか解約返戻金を受け取ることができません。「低解約返戻金型終身保険の利用は、家計に無理のない保険料水準が大前提で、しくみをしっかり理解できる保険中級者なら、視野にいれて検討するのも一策です」(竹下さん)■今回のお話を伺った竹下さくらさんのご著書 『「教育費をどうしようかな」と思ったときにまず読む本』 竹下さくら著/日本経済新聞出版社 ¥1,500(税別)竹下さくらさんファイナンシャル・プランナー(CFP)。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。慶応義塾大学商学部にて保険学を専攻。卒業後、損害保険会社・生命保険会社の本店業務部門等を経て、1998年よりFPとして独立、現在に至る。主に個人向けのコンサルティングに従事し、講師・執筆活動なども行っている。
2018年09月28日「教育資金は、まさに『聖域』。家計がどれだけ苦しくてもほかの支出を見直し、最優先で教育資金だけは死守するご家庭を、これまでたくさん見てきました」と言うのは、ファイナンシャルプランナーの竹下さくらさんです。竹下さんの事務所には、教育資金に関する相談がじわり、じわりと増加しているそう。お話しを聞いてきました。ファイナンシャルプランナー 竹下さくらさん自らの生活者としての経験を踏まえた、家計の運営や、教育資金設計のご相談のほか、講演、執筆活動などを行っている。■「教育資金」で夫婦ゲンカとなるケースが多い竹下さんは、言います。「教育費の話が発端で、大きなケンカになってしまうご夫婦、じつは多いんです。そのときの心の傷は、子育てが終わったあとの夫婦関係にまで、影響を及ぼしてしまう…。それが、現実です」。筆者の周りを見渡してみても、多くの夫婦ゲンカの要因は、「子どものこと」と「お金のこと」、そして「お互いの実家のこと」が多いのでは? と感じています。「教育資金」の問題は、これがミックスされた話なので、「そりゃ、夫婦関係の『綻び』になるよなぁ」と、妙に納得してしまいます。■教育費と老後資金は「綱引き」の関係一方で、子どもの教育にお金をかけすぎて老後資金が枯渇するケースも、じつは少なくないそうです。「実際に、『老後のやりくりが大変』というご家庭の相談を受けていると、いまのお金がない状況を招いた原因として、教育費をかけすぎたことをあげる方が少なくありません」(竹下さん)。会社員の場合、生涯年収は有限です。その「限りがあるお金」の中で、教育費と老後資金は、常に「綱引きの関係」にあります。遠い将来、お金で揉めない夫婦になるためには、「教育費のかけすぎ」にも注意しなければいけないんです。▼「教育費」と「老後資金」は“綱引き”関係こんな現状のいま、教育資金について、ママたちが「本当に知っておくべきこと」を、この連載では考えてみたいと思います。「教育資金に関して、『情報格差』を感じます」(竹下さん)。まずは、そんな「情報格差」の例を3つほど、教えてもらいましょう。■情報格差1、ママ友からの情報は正しいのか?一点目は、ママ友からの情報で焦る妻が増えているそうです。「『この地域、中学受験をする人が多いの』と妻が夫に相談しても、夫は考えすぎだと聞き流すばかりで、妻の『不安な気持ち』を受け止めて一緒に考えてくれる夫は少数派という実感があります」(竹下さん)。「中学受験をするかどうか?」。ママとしては、たしかに無関心ではいられない問題ですよね。でも、周りの「ママ友情報」だけに振り回されるのは、あまりおすすめできません。なぜなら、子どもの進路については、基本的に後戻りができないからです。あたり前のことながら、私立中学に合格すれば、その後6年間、「私立の学費」を払い続けなければなりません。「志望校名 + 学費」で検索してみると、学費に関する情報は、わりと簡単に出てきます。「その金額を、家計から6年間、きちんと支払い続けていけるのか?」を、まずはイメージしてみましょう。また、ママ友情報だけでなく、夫の職場の同僚、実際に進学希望の学校に通わせている人などにも話を聞き、幅広い範囲での情報を仕入れることも大切です。そういった情報を得つつ、夫婦でもしっかり「わが家の方針」を話し合い、中学受験にトライするかどうかの最終決定をしましょう。■夫婦の「子供の進路イメージのすり合わせ」は大変!この時点で、「子供の進路イメージ」が夫婦でまったく異なっていることに気がつく方も多いようです。竹下さんも、こんなふうにおっしゃいます。「教育資金の相談を受けていて頭を悩ますことが多いのは、夫婦で『子供の進路イメージ』がかけ離れている場合が多いという事実です」。じつは筆者自身、長男を中学受験させるかどうかで、夫と相当、揉めました。長男が小学校の2年生の秋、「中学受験させるかどうか?」を初めて話し合った日のことは、いまでも鮮明に覚えています。中高一貫校に通っていた夫は、「中学受験をして、俺の母校に行って欲しい」の一点張り。高校まで地方(京都)の公立育ちの私は、「中学受験!? 何のために必要なの?」。あのときの、「私、こんな人と結婚していたんだ」という驚きは、まさに青天の霹靂レベルでした。この話は語り出すと長くなるので割愛しますが、「夫婦で『子供の進路イメージのすり合わせ』をするのは、とても大変なこと」だと、自分自身の実感を込めて思います。でも、あの時点で、夫婦で何度も何度も、ときにはケンカになりながらも話し合いをしたので、長く厳しい(結果的に息子3人とも私立の中高一貫校に通っています)「教育費戦線」を、夫と「同志」として過ごすことができています。■情報格差2、低所得世帯は進学をあきらめざるをえない?「シングルマザー・シングルファザー、低所得世帯の場合、教育資金については充実したさまざまな施策があるのですが、そのことを知らず、『人並みの教育を受けさせてやれない』と嘆いている世帯が多いようです」(竹下さん)仕事も子育てもすべて一人で抱えていたり、生活や心身ともに余裕がないせいか、必要な情報をうまくキャッチできていない人が多いのかもしれませんね。本連載の後半では、公的助成・奨学金などについても整理しますので、それをキッカケにして情報のアンテナを今より少し立ててみてはいかがでしょうか?■情報格差3、親の時代の常識は、いまの時代に通じるのか?たとえば、「大学はとにかく国公立。授業料が私立の半額ですむから」という常識は遠い過去の話です。いまの国立の授業料は私立の3分の2程度。国公立にこだわって下宿になるより、自宅から私立に通うほうが総額は安くすみます。また、「給付型奨学金」や「授業料免除」が充実している私立大学の数が、本当に多くなってきました。ですから、こういった制度を利用して私立大学に通う方が、国公立に進学するよりも割安になる場合もあります。今回、竹下さんのところに取材に伺って、筆者が一番驚いたことは、この「私立大学の給付型奨学金」の充実ぶり。ただ、こういった奨学金は、「高校3年生の秋に予約が必要」など、さまざまな要件を満たさなければなりません。これらは、情報がアップデートされている分野なので、まさに「情報力」が必要ですね。「情報を知っているか否か?」。それが、「子どもの進路の幅の差」になる時代になってきているのです。次回は、教育資金。知らぬ間に陥りがちな2つの『落とし穴』についてお話しを伺います。■今回のお話を伺った竹下さくらさんのご著書 『「教育費をどうしようかな」と思ったときにまず読む本』 竹下さくら著/日本経済新聞出版社 ¥1,500(税別)竹下さくらさんファイナンシャル・プランナー(CFP)。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。慶応義塾大学商学部にて保険学を専攻。卒業後、損害保険会社・生命保険会社の本店業務部門等を経て、1998年よりFPとして独立、現在に至る。主に個人向けのコンサルティングに従事し、講師・執筆活動なども行っている。
2018年09月26日子どものいない夫婦は、養育費や教育費といった子どもに関する費用が掛からないため、子あり夫婦に比べると生活に余裕が生まれそうなイメージ。ただ、気になるのが「老後のこと」ですよね。年々珍しくなくなっている子なし夫婦ですが、老後の生活費や貯金はどのくらいあれば良いのでしょうか。今回は子なし夫婦の老後にフォーカスを当ててみます。 老後の生活費はどのくらい?厚生労働省の「平成28年簡易生命表」によると、平均寿命は男性では80.98年、女性では 87.14 年となっています。定年が60歳だとすると、少なくとも20年はセカンドライフの期間があるということ。子どもがいないため夫婦でゆっくり暮らせる老後ですが、生活費などお金の面ではどうなってしまうのでしょうか。まず、基本的に定年となるのは60歳ですが、年金は65歳からの支給になります。その間のつなぎとして、65歳まで「再雇用」といった形で働くことができる企業が多数あります。収入は現役時代よりも少なくなりますが、子どもがいない夫婦は自分たちだけの収入で生活していく必要があるので、65歳まで働いたほうが安心です。それから年金生活となるのですが、総務省統計局の「平成29年度家計調査報告世帯属性別の家計収支(二人以上の世帯)」のデータを見てみると、高齢夫婦の無職世帯は毎月平均263,717円の支出があり、54,519円の赤字になっているそうです。生命保険文化センターの「平成28年度 生活保障に関する調査(速報版)」によると、「ゆとりある老後生活費」は月額34.9万円だそうです。公的年金や退職金だけでは、何年間も賄えそうにありませんね。 理想の貯金額それでは65歳になるまでに、老後資金はいくら必要なのでしょうか。先ほど平均寿命が男女共に80歳以上だとお話ししましたが、現在100歳の人も珍しくありません。95歳まで生きると仮定して、老年資金が30年間必要だとします。赤字が54,519円だったので、年間約65万円が30年だとすると、必要額は最低でも1950万円以上。ゆとりある老後生活を送りたいなら、赤字は139,802円になるので、年間約168万円が30年で5,000万円以上必要ということになります。また、夫が先に亡くなってしまったときのこともも考えておきましょう。妻は、夫が受給していた老齢厚生年金の一部を「遺族厚生年金」として、自分の老齢基礎年金に上乗せすることができますが、それでも何かあったときに不安ですよね。日々物価も上昇していて、もらえる年金額はこれから下がっていくと言われています。さらに子どもがいないため、困ったときや介護などは外部サービスや老人ホーム頼みになるので、生活資金以外のお金も必要になってきます。最低でも3,000万円以上貯金しましょう。ちなみに子ども1人育てるのに必要な額は3,000万円以上だと言われています。子どもがいないからといってその分お金を使っていると、老後になって慌てることになってしまうかも。今から老後資金を貯めておきましょう。 亡くなったときのことを考える考えたくはありませんが、考えなければならないのが亡くなったときのこと。その中でも気になる「相続」と「お墓」のことについてご紹介します。まず相続について。配偶者は常に相続人となり、次に子どもが優先されます。ただ、子どもがいない場合は複雑です。例えば子なし夫婦の夫が亡くなった場合、夫の直系尊属(父母や祖父母など)が相続人、直系尊属がいない場合は、夫の兄弟姉妹が相続人となります。取り分は以下のとおり。配偶者と直系尊属が相続人の場合配偶者2 / 3、直系尊属(2人以上のときは全員で)1 /3配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合配偶者3 /4、兄弟姉妹(2人以上のときは全員で)1 /4夫の親族とお金の問題で関わることになるので大変です。夫が遺言で「全財産は妻に」という趣旨のことを記しておけば、相続で悩むことも少ないかもしれません。ただ、その後妻が亡くなった場合、夫婦の全財産が妻側の直系尊属か兄弟姉妹へいくことになるため、夫の親族からすれば不満につながることも。死後の揉めごとを避けるために、夫婦で遺言を残しておく必要がありそうです。そして死んだ後に入るお墓について。子どもがいないため、供養されないのではと不安になりますよね。将来的な管理も気になるところ。「永代供養墓」というものがあるのをご存知ですか。お寺や霊園が家族の代わりに供養や管理をしてくれるお墓です。一式の費用を支払うだけで良いので安心です。また、「樹木葬」というものもあります。許可を得た専用の敷地に遺骨を埋葬し、墓石の代わりに樹木を植えます。こちらも一式の費用を支払うだけ。ペットの骨と一緒に埋葬できるところもあるので、さまざまな家族の形に対応しています。 子どもがいないということで、老後はさまざまな不安があるかもしれません。とりあえずすべきことは、お金を貯めておくことと、夫婦で老後の過ごしかたを話し合い、相続やお墓についても決めておくこと。子どもがいる・いないに関わらず、いつなにが起こるかわからないので、準備はしっかりしておくといざというときに安心です。素敵な老後が過ごせるとよいですね。 参考:人生100年時代突入?老後の不安を軽くする3つの考え方平成28年簡易生命表の概況老後の生活費は年金プラス月5万円で安心家計調査報告(家計収支編)―平成29年(2017年)平均速報結果の概要―「平成28年度 生活保障に関する調査(速報版)」まとまる子ども1人にかかる費用は3000万円もかかるって本当?老後の生活費27万円、貯蓄額2080万円相続人の範囲と法定相続分永代供養墓とは樹木葬とは
2018年05月15日最近ではほとんどの学校で実施している性教育ですが、親子間での教育はまだまだされていない家庭も。今の親世代が子どものときには、家庭内でなんとなくタブーとされていた性教育。今、親となって子どもにどう伝えたらいいのか悩む人もいるようです。Q.子どもの性教育、いつから始めますか?1.未就学児 4.1%2.小学校低学年 6.7%3.小学校高学年 43.2%4.中学生 23.6%5.高校生 4.1%6.その他 7.2%7.家庭ではしない 11.2%小学校高学年が43.2%ともっとも多い意見となりました。女の子は初潮のタイミングがきっかけになることが多いようです。一方、家庭ではしないという人も11.2%いるという結果になりました。■聞かれたら親としてはっきり伝えたい子どもに聞かれたら包み隠さず話すべきと考える人が多いようです。学校での性教育がきっかけで、家で聞かれることもあるようですが、恥ずかしいことと思わずに誠実に答えていきたいと考えているようです。「現在小1ですが、先日学校で性教育の授業がありました。男女の体の違いなどの話で、まだ性教育と言えるほどではないかもしれませんが、子どもに質問されたら話せる範囲で答えていくつもりです」(北海道 30代女性)「聞かれたらその都度、当たり前に話しています。母が産婦人科に務めていたので、私も小さなころから隠すことなく伝えてもらいました。男の子は女の子を大切にするため、女の子は自分の身を守るために教えています。家庭で教えなければ、学校では足りませんし、誤った知識が先に入ると困るのはかわいそう。親の責任だと思っています」(東京都 40代女性)「我が家では『結婚しなくても赤ちゃんは生まれる?』などの子どもからの質問には、隠さず本当のことを教えています。普段から性に対して恥ずかしいことではないと思われていれば、親にも相談してくれてます」(愛媛県 30代女性)「体の変化がある時期には、はっきり伝えなければいけないと思う。親のつとめとして。聞かれたらそのままのことは、今も伝えるようにしています。自然なことであって、いけないことではないけど、自分の体は自分で守れるようにしてあげたいです」(北海道 30代女性)■自分が性教育を受けていないだけに悩む現在のパパママ世代は学校ではもちろんですが、家で親とそういった話をしたことがある人は少数派。だからこそ、自分の子どもにはどう伝えたらいいか悩んでいる人もいました。「どこまで教えるべきなのか悩みます。私の世代の性教育は避妊、避妊、避妊と、とにかく避妊についてが多かったですが、不妊についてはなにも教わっていません。不妊が増えているこの時代、妊娠適齢期と不妊についても学ぶべきだと思います」(東京都 20代女性)「私自身、6年生のときに結婚しただけでは子どもができないと初めて知り、両親がそういう行為をしたという事実があまりにもショックで大泣きした記憶があります。子どもにはどう教えるか悩むところです」(茨城県 40代女性)「家庭で教わった覚えがないので、どうしたら良いのかわかりません」(新潟県 30代女性)「小4、小3、0歳のママです。正直、性教育はいつから始めたらいいのか悩んでいます。3人目を妊娠してから、長男に『どうやったら赤ちゃんができるの?』と聞かれて、なんて答えていいか迷いながら、神様が運んでくれると言いました」(奈良県 30代女性)「どのタイミングで、どう話してよいかわかりません」(神奈川県 40代女性)■小さなときから年齢に応じた伝え方が大切 性教育はいつから始めるというよりも、年齢やその子の成長に合わせて説明していくというのが理想的なのかもしれません。性教育というと抵抗があるかもしれませんが、命の話としてしっかりと伝えられるといいですね。「『おなかの中に赤ちゃんのベッドがあるんだよ』と月経のことを教えたのは、息子が4歳くらいのときでした。一緒にお風呂で出血を見るわけですから、堂々と教えたかった。そのころ、『赤ちゃんはどこから生まれてくるの?』という質問にもちゃんと答えました。『すごいことなんだよ、こんな狭いところから生まれてくる赤ちゃんは命がけなんだよ、あなたは本当に頑張って生まれてきてくれた宝物だよ』って。男女間の性についてもいずれ愛を持って話したいと思います」(鳥取県 40代女性)Q.子どもの性教育、いつから始めますか?アンケート回答数:4498件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2018年04月13日