木村達成×村川絵梨、水田航生×昆夏美、平間壮一×花乃まりあの3組が回替わりで出演するミュージカル『The Last 5 Years』が6月28日に開幕。これに先立ち、全キャストによる舞台挨拶と、水田×昆ペアによるゲネプロが行われた。『Songs for a New World』『パレード』などで知られるジェイソン・ロバート・ブラウンが作詞・作曲・脚本を手がけ、2001年に米・シカゴにて初演された本作。翌02年にオフ・ブロードウェイへ進出し、14年には映画化され、山本耕史を中心とする日本人キャスト版でも繰り返し上演されたこの作品を、今回は小林香の新演出で届ける。小林香創作にあたって互いの稽古を見せない状況をつくった小林は「同じ脚本を3組がそれぞれの個性で解釈したので、まったく異なる作品に仕上がった」と手応えを語る。各ペアの個性を「木村×村川は非常にナイーブ。水田×昆はとにかくパッション。平間×花乃はジェントル」と表すと、キャスト陣は口々にうなずいてみせる。登場人物は、活躍し始めた小説家ジェイミーと女優の卵キャシー。この二人が出会って結婚し、別れにいたる5年間をそれぞれの立場から綴るストーリーだが、ジェイミー視点では出会いから別れに向かって、キャシー視点では別れから出会いに向かって“逆行”する様子が描かれる。双方の時間軸が正反対に進み、時に交錯する劇構造も見どころだ。木村達成木村はこの“交錯”時に歌われる「The Next Ten Minutes」を話題に挙げ、「劇中ではこのナンバーで初めてキャシーと目を合わせて愛を誓うのですが、向き合った時の絵梨さんがあまりに素敵で。奥さんになる女性の花嫁ドレス姿に感激して泣いてしまう新郎の気持ちを初めて実感しました」と笑顔を見せる。その言葉を受けたペアの村川は照れ笑い。自身は2010年にも本作でキャシー役を演じているが、小林の新演出に触れて「今回はまったく別の、新しい『The Last 5 Years』になりました」と自負する。さらに「ミュージカルのご経験が豊富な木村さんから毎日刺激をいただき、楽しい日々を過ごせた気がします」と続き、稽古を振り返った。村川絵梨「このあと行われるゲネプロで頭がいっぱいで、気もそぞろ……」と口火を切り、会場を笑いで包んだ水田。小林からペアの特徴を「パッション」と称されたことに対して「昆ちゃんの発するエネルギーに向き合いジェイミーとして返していくと、お互いのパワーが呼応し合っている感じがします。その時間が尊かったですね」と相手役の昆を見つめる。水田航生その昆は、平間から「二人は首を動かすタイミングまで合っているって聞いたよ」と指摘されると「何も打ち合わせしてないよね?」とアクリル板の向こう側にいる水田に確認する。途端に「気が合うってことだね」「熱烈に愛し合ってる!」と壇上の他ペアから囃し立てられると、恥ずかしそうに微笑んだ。昆夏美自身が主演を務めたオリジナルミュージカル『Indigo Tomato』をはじめ、小林の演出を受けるのは今回で3度目になる平間は「感覚的な僕と“何となく”で繋がってくださる方」と阿吽の呼吸で稽古が進んだことをうかがわせる。「そこに自然な雰囲気で入ってきてくれた花乃ちゃんにも感謝したいですね」と笑った。平間壮一花乃は、浮気してしまうジェイミーについて「平間さんがやっていると“許してあげちゃおうかな”って気になります」「愛情深さが全面に出ていて女心に刺さってしまう」と吐露。すかさず小林が「浮気を許容する発言とも取れますが新婚さんですよね?」とツッコミを入れると、慌てて「実生活とは別問題です!」と切り返し、会場の笑いを誘った。花乃まりあゲネプロは、昆キャシーによる楽曲「Still Hurting」で幕開け。自分の元を去ったジェイミーに対する嘆きを歌い上げるナンバーだが、小林が「20年前の作品をいま改めて上演する意味を考えて、現代を描いた2021年版として取り組みました」と語った通り、昆が立ち上げるキャシー像は力強い。傍目には“ジェイミーに捨てられた女”だが、何かを決意したように彼からプレゼントされた時計と指輪を外す表情は雄弁で、“痛みを抱えながらも次へ進む女”を印象づけた。対する水田ジェイミーは「Shiksa Goddess」で、キャシーと出会って恋に落ちた高揚感を全身で表現する。「君こそ女神だ」「君のストーリーを書こう」と小説の創作意欲をかき立てられ、浮き足立つ様子はキャシーと対局をなしており、この両者におけるギャップを冒頭に見せつけられるからこそ、やがて二人を待ち受ける結末を思い切なさが募った。時を順行するジェイミーと逆行するキャシー、正反対に進む二人の時間軸が交錯する瞬間は「The Next Ten Minutes」に結実する。独唱がメインを占めるこのミュージカルにおいて珍しくハーモニーが楽しめる楽曲で、二人はボート上で見つめ合いながら「君の10分を共有したい」「人生を分かち合いたい」「この世界が崩れても離れない」という永遠の愛を歌い上げる。劇中では、仕事で成功を収めるジェイミーに対して、俳優として芽が出ないキャシーは次第に劣等感を募らせていく。二人のすれ違いは、仕事もプライベートも軌道に乗ってパーティー三昧のジェイミーによる「A Miracle Would Happen」、彼のサイン会で孤独を感じるキャシーの「A Part of That」で感じられるだろう。悲しいラストを飾るのは、キャシーの「Goodbye Until Tomorrow」とジェイミーによる「I Could Never Rescue You」のマッシュアップだ。“Goodbye”の解釈が二人の間でこれほど異なってしまうとは──。運命的な出会いに胸を弾ませる昆キャシーと、自分の情けなさに落ち込み諦念を滲ませる水田ジェイミーの姿から、観客は何を受け取るだろうか。なおステージ下手上部では、劇中の経過年数を表す数字のランプ(1・2・3・4・5)が点灯。これまでの日本版にはなかった演出で、二人が辿った5年の歴史をよりわかりやすく追体験できる創意工夫も見受けられる。5人編成のバンドによる生演奏も、作品世界を彩るスパイスとして機能していた。公演は7月18日(日)まで、東京・オルタナティブシアターにて。その後、22日(木・祝)〜25日(日)に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールと巡演する。チケット販売中。取材・文:岡山朋代ミュージカル『The Last 5 Years』2021年6月28日(月)〜7月18日(日)会場:東京・オルタナティブシアター他、大阪公演ありチケット情報
2021年06月30日●『青天を衝け』の“なか”がくれたもの「今年は原点回帰の一年」と話すのは女優の村川絵梨。現在放送中のNHK大河ドラマ『青天を衝け』では、15年前に自身がヒロインを演じた連続テレビ小説『風のハルカ』ぶりに大森美香氏の脚本で演技に挑戦。また、6月28日に開幕予定のミュージカル『The Last 5 Years』では11年前と同じ役で出演することが決まっている。“初心を見つめ直す”機会を与えられ、「自分の奥に眠っているものが出てくる感覚があった」と振り返る。それは大河ドラマから再演ミュージカルへ繋がる、大きな糧となった。――大河ドラマ『青天を衝け』の脚本は、ご自身がヒロインを演じた朝ドラ『風のハルカ』(2005年~06年放送)と同じ大森美香さんでした。「脚本・大森美香」と書いてある台本を開き、役者として読み進められるうれしさを改めて感じましたし、大河でも大森さん節を随所に感じられて懐かしかったです。撮影前に引っ越しをしたのですが、その作業中に棚の上からバサバサッと『風のハルカ』の台本が落ちてきたんですよ。これはクランクイン前に大森さんが“思い出しておいてね”と思っているのかなとか、そういうことを考えていました。嘘みたいな話ですけど、嘘じゃないです(笑)。――『青天を衝け』では渋沢栄一(吉沢亮)の姉・なか役。演技は年齢設定18歳からのスタートでした。こんなに若い年齢設定の役は久しぶりでした。さらになかは明るくて勝ち気な子。テンションもめっちゃ高くて、最初はどう演じようかと戸惑いました。“もう一度フレッシュさを思い出さなくてはいけない役”でしたが、なかと向き合っていく過程で、自分の奥に眠っているものが出てくる感覚がありました。――「眠っていたもの」とは?新人の頃のような「まっすぐな気持ち」です。作品自体もフレッシュさがありましたし、なかは明るくてエネルギッシュ。演技を重ねていき、なかを通じて自分が若返ったと思います。エネルギーもたくさんもらいました。最近、生活に疲れている女性の役が続き、実生活では周囲の友人が結婚して出産する話を聞いて「私もそういう年齢になったのか」と感じていたのですが、なかからエネルギーをもらって、不安もあったけど無理なく演じられました。オンエアで『青天を衝け』を見て、「私、まだまだ若いじゃん!」って安心したのを覚えています。周囲からも、最近「若くなった」と言われることも多くなったんです。なかを演じていまの自分に自信が持てました。――6月28日からスタートする『The Last 5 Years』は、男女の出会いから別れの5年間を歌いで紡いでいく傑作ミュージカル。村川さんは2010年の公演と同じく、キャシー役を演じます。当時の村川さんはこの作品が初ミュージカルでした。『青天を衝け』と同様、原点回帰となりそうですね。本当にそうです。もう一度、フレッシュさを思い出さざるを得ない状況が続いているんですよね。今年は原点回帰の一年だと思います。――キャシーは女優の卵。なかと同じくフレッシュでエネルギーを求められる役になりそうです。そういう意味では、なかからもらったエネルギーをキャシーに活かせると思うんです。明るくてエネルギーにあふれる役のギアは、なかを演じたことで既に入っているので、いま自分の中で勢いがある。「ギアを入れなきゃ!」と思わなくてもいいので、なかのおかげでキャシーに向き合える。なかからキャシーへ、とてもいい流れだと感じています。●リベンジのミュージカル「楽しみでしかない」――11年ぶりのキャシー役ですが、村川さんは『The Last 5 Years』の再演を熱望されていたようですね。はい。当時の私にとって、この作品は舞台2本目であり、初ミュージカルでした。いま振り返ると、若さゆえにできた作品だと思っています。いろいろ知識があったら飛び込めなかった。お相手が山本耕史さんで、ほぼ山本さんと私の2人だけの芝居。普通なら「無理かも」と思ってもいいのに、無知だった私は「わーい、やりたーい」って感じで飛び込んだんです。11年前はミュージカルで歌う楽曲をセリフとして届けることが絶対にできていなかった。勢いだけでやっていたので。その後、ほかのミュージカルや舞台の出演を重ね、25歳くらいのときに「もう一度あの作品をやりたい」と思いました。――11年前のもどかしさを晴らす、リベンジの作品なのですね。同じ役をもう一度演じることをあまり望まないタイプですが、この作品は唯一、「もう一度チャレンジできるならば」と思っていました。なのでオファーがあったとき「よしっ!」って。『青天を衝け』を経ての挑戦に本当にいいタイミングだなと改めて思います。――今回はどのように演じたいと思っていますか?この作品は出会いから別れまでを男性目線、別れから出会いまでを女性目線で進んでいく切ないストーリーです。その切なさをお伝えするにはどうすればいいのか。演出を担当する小林香さんとお話をしながら一緒に作品を作らせてもらっています。11年前は必死だったから、一緒に作るなんてことも考えられなかったです。あと楽曲を上手に歌うのはもちろんですが、歌をセリフとしてお届けすることが一番の課題です。全編ほぼ歌で構成されているので、お客さんに「こういうストーリーだった」と理解していただかないとダメ。それを前回はできていなかったので、絶対にできるようにしたいと思います。――当時お相手役だった山本耕史さんに再演のことを伝えましたか?はい、連絡させていただきました。『The Last 5 Years』は耕史さんがとても大切にされていた作品です。受け継がせていただくような気持ちで頑張りますとお伝えしました。耕史さんは「当時よりいまのほうが女優としていい感じに熟していていいかもね」と言ってくれました。もし、耕史さんが観劇に来ていただけるならこっそり来てほしいです。来ることを知っていたら緊張しちゃうから(笑)。――多数の舞台に立たれている村川さんですが、舞台に出演していて思うことはありますか?映像のお仕事からスタートし、その後舞台を経験して映像と演技の向き合い方が全然違うと感じました。私は大きな舞台に立ったときの発声がまだできていないなと痛感しています。そういうのは映像では教えてもらえない。舞台に立ったからこそ気づく。その経験を映像でも活かせると思っているので、舞台は年に1~2本は立ちたい。じゃないと成長できていない気がして。だから舞台は軸になる存在。それは初舞台を踏んで以降、ずっと変わらないです。――『The Last 5 Years』は約8年ぶりのミュージカル。さまざまなプレッシャーがあると思いますがいかがですか?とにかくボイトレに行って、とにかく歌い込むことが大事になる稽古だと思っています。でも不安よりも期待が大きい。楽しみでしかないんです。「さぁ、ドキドキするぞ」って。――今回は村川さんと木村達成さん、水田航生さんと昆夏美さん、平間壮一さんと花乃まりあさん。この異なる3組のカップルでそれぞれ上演されます。同じ作品ですが、全然違うカップルになりそうで私も楽しみ。これまでの『The Last 5 Years』を一新するので、再演とはいえ、新作と言っても過言ではないかも。私も役と同じく、女優の卵だったときの気持ちや、11年前の気持ち、恋愛の甘酸っぱい気持ちを思い出し、久しぶりのミュージカルを楽しみたいです。
2021年06月13日●「光栄な気持ちもありますがプレッシャーのほうが大きい」2001年に初演されて以降、世界中で繰り返し上演され、2014年には映画化もされた『The Last 5 Years』は、異なる時間軸で展開される男女のすれ違いを題材にした傑作ミュージカルだ。熱狂的なファンを持つ同作が、新鋭の演出家・小林香を迎えた新演出バージョンとして再構成され、6月に上演される。今回、3組のキャストがカップルを演じ、ジェイミーを演じる一人として俳優の水田航生が出演する。水田は「オファーいただいて光栄な気持ちもありますが、プレッシャーのほうが大きい」と心境を告白。その理由は、山本耕史にある。山本は2005年・07年・10年と過去3度ジェイミーを好演し、高い評価を得た。尊敬する存在で、プライベートでも仲がいい山本からジェイミーを継ぐことになった水田が、役への想いや山本との忘れられないエピソードを明かしてくれた。山本から「こういう作品があって、昔ジェイミーを演じたんだ」「曲がかっこいいんだよ」などと、『The Last 5 Years』について間接的に聞いていた水田。そのときは将来、自分がジェイミーを演じるとは夢にも思わなかった。『The Last 5 Years』は小説家のジェイミーと駆け出しの女優のキャシーの5年間の物語。ジェイミー目線では恋に落ちるところから決別まで、キャシー目線では愛の終わりから幸福な恋人時代までを逆行する形で描く。2人の時間軸が合うのは幸せの絶頂期となる結婚式のシーンのみ。全編“ほぼ歌”で構成され、ジェイミーとキャシー以外の登場人物はなし。たった2人だけのミュージカルで、それゆえ山本も「本当に難しい作品」と話していたという。「耕史さんにジェイミーを演じますと報告したとき、『マジで難しいよ。できるのか、お前』というのが最初のリアクション。愛のあるプレッシャーをかけられましたね」と振り返る水田。細かな役作りの話はしていないが、「耕史さんは『この作品はミュージカルだけど“芝居”だから』と繰り返し言われました。僕が歌のスキルを伸ばしたいと言ったら『ある意味で歌になりすぎないようにしなよ。やっぱり歌も芝居だ』と。そう教えてくれました」と明かす。山本との出会いは2014年に上演されたミュージカル『オーシャンズ11』。作品が終わっても交流は続き、毎日飲みに行っていた時期もあった。「俺の青春時代は耕史さんとの飲みの思い出ばかり。耕史さんがご結婚される前は朝まで飲んで、耕史さん家に行って、Hulu見ながら寝落ちする…というループをずっとしていました。どれだけ奢ってもらったか(笑)」。2人でいるときの会話は「記憶に残らないような話ばかり」と笑う水田だが、「20回に1回は役者として悩んでいることを口にすると、親身になって相談に乗ってくれる。本当に兄貴肌なんです」という。「正直に言うと、役者を辞めようと思ったことがあった。若気の至りで色んなことを人のせいにしてしまっている時期で、もう全部1回投げ出したくなった。そのとき耕史さんに『辞めようと思う』と言ったことが、実は1回だけあるんです」。そのとき返ってきた反応は、水田の予想を反するものだった。「当時の耕史さんなら『辞めたければ辞めろ、やりたいことやれ』と言うだろうと思っていたんです。でも、耕史さんは『辞めるな』と。『続けることに意味があるから、お前は続けろ』と言われて、意外でした。俺は本気で相談しているわけではなく、軽い感じだったけど耕史さんはガチで返してくれた。その言葉が意外だったからこそ記憶に残っていますし、忘れられないです」と感慨深い。「いま役者を続けてきてよかったと思うので本当に感謝ですね。『辞めろ』と言われていたら今ここにいないかもしれない」と山本に頭があがらない。●相手役は昆夏美「リアリティのある関係性になれれば」難易度が高い作品だけでなく、尊敬する先輩が演じた役を継ぐことになる。「彼が演じた役を果たして自分ができるのか、難解な曲を歌えるのか」。悩みは尽きないが、「楽曲をただの歌として捉えていくと、1つの曲という認識で終わってしまう。劇中に登場しない曲と曲の間の出来事、ジェイミーの心境や思いを真剣に考えないとただコンサートのように歌うだけで終わってしまう。そうならないようにしていかないといけない」と前を向く。水田の相手役、キャシーを演じるのはミュージカル女優の昆夏美。彼女とは初共演となる。「初共演ですが共通の知り合いが多くて、この間ビジュアル撮影で初めてお会いし、お互い『お話はよく聞いています』と挨拶しました。そのときに『同世代だから敬語止めよう』とも話しました。昆ちゃんと呼んでいます(笑)。年も近いので初対面に感じなかった。フランクに話せる方というのが第一印象です」と相性は抜群のよう。演出を担当する小林氏は水田・昆ペアについて、「とても現代的な感覚を持ち込んでくれそう」とコメントしている。“現代的な感覚”という表現について聞くと、水田は「その言葉に僕自身もしっくりきました」といい、「今のカップル、ニューヨークで夢を追いかけている人。どこかにいそうな人を演じられる2人。そういう意味で言ってくれたのではないか。リアリティのある関係性になれればいい」と自分たちペアならではの持ち味を出したいと意気込む。「ストーリーはファンタジーではなく、割と身近にある人間模様です。どうやって人と出会って、どう付き合うのか。そこに葛藤や、人間臭い誰しもが共感できるような普遍的なお話です。役や時代背景が難しい設定ではないので、心のフィルターを通したときに、どういうものが演技で出てくるのかなと今の段階で楽しみです。昆ちゃんと演出の香さんと濃密なディスカッションをして、誇りを持って演じたいです」。新演出となるミュージカル『The Last 5 Years』は6月28日から7月18日まで東京・オルタナティブシアター、7月22日から25日まで大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて上演。水田と昆のほか、木村達成と村川絵梨、平間壮一と花乃まりあが出演する。
2021年06月08日先日、映画コメンテーターの有村昆さん(44)がセクシー女優との不倫未遂を週刊誌にスクープされ、そのガツガツとした口説き方に失笑が集まりました。これを受け、有村さんは活動自粛を発表。現在は妻と子どものケアに尽くしているといいます。有村さんといえば、元々“ボンボン”エピソードを多数披露しており、明るくハイテンションな性格が親しまれていました。その明るさで妻の丸岡いずみさん(49)との共演も多く、新婚当時はラブラブエピソードを披露していましたから、今回の一件によるイメージダウンは避けられません。「あんなに仲が良さそうだったのに」と思った方もいるかもしれませんが、そういえば最近、同じく元々ラブラブをアピールしていた元卓球日本代表の福原愛さん(32)も、浮気をスクープされていました。浮気自体良くないことですが、ラブラブアピールからの浮気はさらにダメージも大きいものです。しかし芸能人に限らず、スタート時にはラブラブの熱々だったのに、気づけば温度が下がり、そして関係に興味を失っている人はかなり多いのではないでしょうか。それが自分のパートナーだったら避けたいところですが、その心理はどこにあるのかみていきます。■恋愛初期はボーナスタイム人というのは誰しもが恋愛のスタート時には熱量が高まり、ラブラブな時間に突入します。「あばたもえくぼ」で相手のすべてが良く見え、相手のすべてが愛しく感じる時期が、恋愛のスタート時といえます。しかしこのボーナスタイムは、人によって短くて1カ月ほど、長くても3年くらいで収束していきます。また、夫婦2人の時は仲が良かったけれど、子どもが生まれて親という役割を求められたところで、相手を異性として見られなくなり、関心を失うケースも多いです。ボーナスタイムが何年で終了するかは人それぞれですが、今回取り上げたような、アピールが激しいタイプの人は、そもそも相手から異性として求められ、満たされ、加えて周りから祝福される状態が恋愛であると考えているフシがあります。そうなるとスタート時のボーナスタイムが終わったところで相手への関心を失い、別の相手を見つけたほうがまた刺激的で満たされる。そんな風に思い、浮気に走ってしまうのです。■恋愛の目的が、信頼関係構築か欲求を満たしたいのかなぜこんな風に考えてしまうのかというと、恋愛やパートナーシップで満たしたいことがずれているからということもあるでしょう。本来だと恋愛やパートナーシップなど親密な関係はラブラブな時期も経験して通り過ぎた上で、さらに時間をかけて本当の意味で相手と自分の信頼関係を構築していくことに意味があったりします。しかしこうした恋愛初期段階で熱量が冷める人というのは、恋愛は「自分の満たされない欲求を満たし合うもの」だと思っている場合があります。もっと褒めてほしい。存在を肯定してほしい。寂しい気持ちを埋めてほしい。性欲を満たしたい。こんな気持こそ恋愛で満たすものだと考えており、そして恋愛初期には自然と満たされるものです。しかし関係が落ち着くと、だんだん相手はこうした欲求を満たしてくれなくなります。その結果、「なんかもう相手のことが好きじゃないかも。前みたいな刺激が足りない」みたいな感覚になり、別れを決めたり、「妻(夫)は家族」というカテゴリに入れ、恋愛枠の相手を新たに探し始めるのかもれしれません。■浮気性の中にある「寂しさ」いわゆる恋愛体質という人の心の中を紐解いてみました。浮気する側を養護するわけではありませんが、彼らもある種、可哀想な人であると、筆者は思います。恋愛体質が強すぎる人はそもそも生まれて初めて「愛」というものを実感するとされる幼少期に、不安定な愛情を受けて育ち、「満たされない」「寂しい」という感覚を心の中に大きく抱えているケースもあるからです。例えば、普段から養育者である親の情緒が不安定だったとか、理由もわからず、親が家に居たり居なかったりしたとか。他にも、普通の家庭環境だったとしても、言葉やスキンシップでの愛情のやり取りが十分なされないだけで、幼少期の子は寂しさを抱えてしまうといわれています。こうした小さい頃から抱えた満たされない感覚が、後に人前で過剰にラブラブアピールしたり、手っ取り早く愛情を求めて浮気する癖につながっていくケースはあります。有村さんや福原さんがどうだったかはわかりませんが、皆さんの周りの浮気性の人はどうでしょうか。浮気の被害者は当然、された側のパートナーです。しかし浮気する心理を紐解くと、する側も可哀想な側面があるのかもしれません(だからといって、それを手放しに許しましょうと言いたいわけではありませんが)。現在、有村さんはご家族のケアに向き合っているそうです。この向き合う時間が、夫婦の新たなパートナーシップの形成にプラスになること。そして新たなハイテンションアリコンとしての復活を、祈るばかりです。(文:おおしまりえ)
2021年05月25日ラウール(Snow Man)と吉川愛をはじめ、堀田真由、濱田龍臣、坂東龍汰、岡本夏美ら若手俳優が集結した映画『ハニーレモンソーダ』のイベントが昨日5月18日、ユナイテッド・シネマ豊洲にて無観客で行われた。映画タイトルにちなみ、しゅわしゅわの泡をイメージした風船パネルが飾られた今回のイベント。塩対応でソーダみたいに刺激的だけど、本当は誰よりも優しいレモンソーダ男子・三浦界役のラウールさんは「(単独で)主演の映画は初めてなので、観てくださる方の反応が楽しみです」と期待し、「今日は初めてのことがたくさんで、めちゃくちゃ緊張しています。ガチガチです」と心境を明かすと、ほかのメンバーから笑いが起こった。また「完成した作品を観るときは緊張して、恥ずかしくて仕方がなかったです。客観的に観ても心がぷるぷると潤いました」と感想を述べ、「本編を観たときはちょうどマスクをしていたので、(照れ隠しのため)半分くらい目を隠しながら観ていました」とふり返る。完成した作品を観たときは、ラウールさん、吉川さん、岡本さんの3人が居合わせたそうで、吉川さんは「前の座席に座っているラウールさんが、キュンキュンシーンになると下に消えていくんです」、岡本さんも「あんな大きい人が居なくなれるんだというくらい沈んでいました」と鑑賞中のラウールさんについて明かす場面も。そして、ヒロイン役の吉川さんはラウールさんとの共演をふり返り「最初お会いしたときは全然目が合わなくて、仲良くなるシーンはどうしようと思ったんです。ですが、”三浦界”のスイッチが入るとコロッと変わって、私の目を見てくださるようになって」と話すと、瀬戸悟役の坂東さんが、ラウールさんの人見知りエピソードとして、初対面の本読みの時に小声で挨拶をしたモノマネを披露。一方、界の元カノ・菅野芹奈役の堀田さんは「演じるときは10代の揺れ動く心情を表現するのが難しかったです。また、公開前なので詳しくは言えないのですが、何度もテイクを重ねられないシーンがいくつかあり、そこが精神的に鍛えられました。どのシーンなのか、公開されたらぜひ観て欲しいです」と見どころをアピール。印象的なシーンについて聞かれた、界と羽花のクラスメイト・高嶺友哉役の濱田さんは「印象的なのは…」と言葉が詰まり、すかさず「がんばれ!」(岡本さん)「起きてる?」(坂東さん)とフォローする場面も。続けて「羽花から相談を受けて、友哉なりに受け止めながらも、自分の思いを独り言のように話すシーンです。監督と何度も話し合いながら、探りながら撮影しました」と語った。また、ラウールさんと吉川さんも本作の印象的なシーンについて「学校に羽花ちゃんと手を繋いで入っていくところです。女の子、男の子たちから『キャー』と言われて、撮影していて恥ずかしくなってしまいました。(普段のアイドルとは違い)学校という施設の中で制服ということもあり、非日常体験ができました」(ラウールさん)、「自転車に乗るシーンです。あり得ないくらいの坂を、足を付けずにずっとあがっていかなくてはいけなくて。ものすごく暑くて、倒れてしまうんではないかと思いましたが、カメラも気にせず一生懸命漕ぎました」(吉川さん)とそれぞれコメントしていた。イベント最後には、吉川さんは「この映画はキュンキュンシーンだけではなくて、友情だったり、人間のリアルが描かれている作品です。自分も青春を味わえる素敵な作品になっていますので、一人でも多くの方に観ていただきたいと思います」、ラウールさんも「スクリーンに映し出される映像も、感心できるものになっていると思いますので、ぜひ劇場でご覧ください」と挨拶し、幕を閉じた。『ハニーレモンソーダ』は7月9日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ハニーレモンソーダ 2021年7月9日より全国にて公開(c) 2021「ハニーレモンソーダ」製作委員会(c)村田真優/集英社
2021年05月19日ブロードウェイミュージカル『メリリー・ウィー・ロール・アロング』〜あの頃の僕たち〜が東京・新国立劇場 中劇場で上演中だ。ブロードウェイのショービジネス界が舞台。フランク(平方元基)、メアリー(笹本玲奈)、チャーリー(ウエンツ瑛士)の3人の人生を中心に、現在から過去へと約20年間を“逆再生”で描いていく。『スウィーニー・トッド』などで知られるスティーブン・ソンドハイムが作詞・作曲を手掛け、本作のメアリー役を演じた女優のマリア・フリードマンが演出を担う。日本では8年ぶりの上演だが、今回は「新演出版」という位置づけ。平方、ウエンツ、笹本のほか、昆夏美、今井清隆、朝夏まなとら実力派キャストが顔をそろえている。初日前のゲネプロ(総舞台通し稽古)を見た。恋愛関係にしても、友情にしても、仕事にしても、どうしてこうなったのか、なぜあのときあの道を選んだのかと考えることはきっと誰にでもあるだろう。人生に「正解」も「不正解」もないだろうし、振り返ったとて過去は変えられないのだが、確かにその後を決定づける分岐点はある。そんな人生の切なさと、人間の不器用さやたくましさ、そして人々の絆を思わせる、ちょっぴり大人なミュージカル。ソンドハイムの珠玉の楽曲とともに、存分に味わってほしい。上演時間は2時間50分(休憩20分)。ただし、18時半公演の回は休憩15分。東京公演は31日(月)まで。愛知公演、大阪公演も予定されている。キャストのコメントは以下の通り。■平方元基今までのどの作品よりも大変でした。あまりの大変さに先輩に弱音を吐いたら、「大変な分、いい作品になるさ」。心がスッと明るくなりました。このカンパニーとだから、今日までこれました。どうか皆様、作中、沢山の沢山の小さな大きな発見をしてみてください。それはどれも間違いでなく正解でもなく、あなただけに送られたギフトになると思います。■ウエンツ瑛士まずは、この様な状況下で舞台の幕を開けられる事に心から感謝しています。そしてなによりも足を運んで下さるお客様へ、我々はその気持ちに応えられる作品をご用意しました。お互いの顔もハッキリと認識できずに、リモートでの稽古でどこまで行けるか不安でしたが、胸を張ってお客様をお出迎え出来ます。万全の感染対策をしてお待ちしてます。■笹本玲奈この作品をお客様のいらっしゃる前で生でお届けできる事を信じて、キャストスタッフ一同、厳しい感染対策の中、心を一つにお稽古してまいりました。家族や友人と会えなかったり、お互いの表情を見て会話する事も、お互いに触れる事も許されない今、舞台が大好きなお客様が明日からまた元気に生きていこう!と思って下さる様、最高の舞台をお届けしてまいります。取材・文:五月女菜穂
2021年05月18日5月13日配信の『FRIDAY デジタル』で、ラブホテル密会が報じられた映画コメンテーターの有村昆(44)。記事によると「キミの彼氏になりたいな」などと相手女性に積極的にアプローチしていたという。同誌の取材に対して、「軽率な行動をとったことに対し反省しております」と認めた有村。翌14日には所属事務所を通じて、芸能活動を自粛すると発表された。各メディアによると、レギュラーである『地方創生プログラム ONE-J』(TBSラジオ)と水曜コメンテーターを担当する『内山絵里加のふくわうち』(静岡・SBSラジオ)の降板も決定したという。有村は、フリーアナウンサーの丸岡いずみ(49)と’12年8月に結婚。互いに「いずみん」「こんちゃん」と呼び合うなど、仲睦まじい夫婦として知られている。だが有村の予期せぬ“裏切り”に、SNSでは《精神的に大丈夫なのかな》《可哀想すぎ》と丸岡を心配する声が広がっている。「丸岡さんは’11年に発生した東日本大震災の現地取材の影響もあり、重度のうつ病を患っていました。そんな彼女を結婚前から支えてきたのが、有村さんでした。2人は’11年4月に知人を介して知り合い、有村さんが丸岡さんに一目ぼれ。いっぽう丸岡さんは当初、有村さんを男性として意識していなかったそうです。ですが有村さんは、東京から丸岡さんの暮らす徳島まで何度も通ったのです。丸岡さんは結婚式で、有村さんのことを『苦しい時に隣にいてもらいたい人と結婚したかった。彼がまさにそうだった』と嬉しそうにしていました」(芸能関係者)■夫婦で苦難を乗り越えたのに…’18年1月に長男をもうけた夫妻だが、そこに辿り着くまでには並々ならぬ苦労を重ねていた。「丸岡さんは結婚直後に自然妊娠したのですが、流産してしまいました。その後も不妊治療に励みましたが、再び流産に……。強いショックを受けた丸岡さんですが、諦めきれず代理母出産に踏み切ったのです。有村さんも妻の決断を尊重し、積極的に知識を深めるなどしたといいます」(丸岡の知人)海外での代理母出産によって、念願の我が子に恵まれた2人。強い結束力で苦難を乗り越えたいっぽうで、経済的には厳しい状況に陥ってしまったという。「丸岡さんが不妊治療などに費やした費用の総額は、3~4千万円にのぼると言われています。また結婚してからの6年半で、夫妻の貯金は底をついてしまったそうです。そのことについて、有村さんもワイドショーで認めていました。それでも子供を授かった喜びのほうが大きく、『夫婦二人三脚で生きていく』と決意。都内に購入したマンションも、有村さん名義でローンを組んだといいます。息子さんは今年、3歳になったばかり。ますます育児費用もかかってきますし、有村さんが仕事を失うのは大きな痛手でしょう」(前出・芸能関係者)自らの過ちによって“無職”となった有村は、どのように家族と向き合っていくのだろうか。
2021年05月16日映画コメンテーター・有村昆(44)が女性に交際を申し込んでいたと5月13日に報じられた。しかし、その口説きぶりがネットで大炎上となっている。有村は12年8月、フリーアナウンサーの丸岡いずみ(49)と結婚。そして、18年1月には代理母出産によって第一子が誕生している。そんな有村だが、『FRIDAYデジタル』によるとバーで働く女性に「キミの彼氏になりたいな ムラムラした時はいつでも呼んでくださいね!」と発言したという。さらにディナーの際には、性行為にちなんだクイズを出題。また「何もしない」と約束をしたものの、ホテルで下半身を露出。別の日には、昼間から「アヒージョって、言葉の響きがエロい」など下ネタを連発したという。出会って間もないころから、女性に下ネタで猛アタックした有村。ネットでは下品な言動の数々に、「セクハラ!」など非難の声が殺到している。《有村昆ダッセぇな。とんでもないセクハラじゃんか》《下品な下ネタ言ってくるあたり、女バカにしすぎな?》《気持ち悪…セクハラオヤジやん》《女なめすぎ》有村は同件を受けて14日、芸能活動を自粛すると発表。さらに『地方創生プログラム ONE-J』(TBSラジオ)などのレギュラー番組を降板することも明らかになっている。騒動の余波はまだまだ広がりそうだが――。はたして、自粛で禊を済ませることはできるだろうか?
2021年05月14日映画コメンテーターの有村昆が、14日発売の写真週刊誌『FRIDAY』で女性問題が報じられたことを受け、芸能活動を自粛することが同日、わかった。有村が所属する芸能事務所・ホリプロは、公式サイトを通じて「弊社所属映画コメンテーター有村昆につきまして、一部報道にありました自覚の無い軽率な行動に対し当面の間、芸能活動を自粛することに致しました」と報告。「ファンの皆様、今回の報道でご迷惑をお掛け致しました各関係者の方々には心から深くお詫び申し上げます」と謝罪した。また、ラジオ番組の降板も決定。TBSラジオ『地方創生プログラム ONE-J』は「本日発売の写真週刊誌で、番組出演者の有村昆さんに関する報道がありましたが、これを受け有村昆さんは、当番組から降板することが決定しました。番組を楽しみにして頂いているリスナーの皆様にお詫び申し上げます」、SBSラジオ『内山絵里加のふくわうち』は「本日、水曜パーソナリティーの有村昆氏が芸能活動自粛を発表したことを受け、5月19日以降における当番組の有村氏の番組降板を決定いたしました。新しいパーソナリティーにつきましては決定次第、番組内で発表します」とそれぞれ公式Twitterで伝えている。14日発売の『FRIDAY』は、有村が緊急事態宣言下の4月下旬の夜にホテルで女性と密会したことなどを報じていた。
2021年05月14日ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』が日本初演から10周年を迎え、新たなキャストで上演される。シェイクスピアの名作を2001年にパリでミュージカル化した同作は、全世界でヒットし、日本では2010年に宝塚歌劇団星組が初演を行った。その後2011年に日本オリジナルバージョンを上演して人気を博し、今回は2019年以来2年ぶりの上演で、10周年を迎える。『エリザベート』『モーツァルト!』など手掛けた日本初演作は軒並み大ヒットし、近年では『ポーの一族』『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』といった“名作の世界初のミュージカル化”も成功させている小池修一郎氏が潤色・演出を手がけ、過去のロミオ役では城田優、山崎育三郎、古川雄大、柿澤勇人、大野拓朗、ジュリエット役には昆夏美、フランク莉奈、清水くるみ、生田絵梨花、木下晴香、葵わかなとミュージカルスターの登竜門に。2021年の公演では、ロミオ役に黒羽麻璃央と甲斐翔真という気鋭の若手たちが、ジュリエット役に伊原六花と天翔愛というフレッシュな2人が抜擢された。今回は、2年前にマーキューシオ役を演じ新たにロミオ役となった黒羽、そしてロミオと敵対するティボルト役となった立石俊樹にインタビュー。同い年で東北出身という共通点のある2人に、同作への思いや互いの印象などについて話を聞いた。○■ジュノンボーイの時から見ていた——お二人の仲の良さが写真や動画撮影の時から伝わってきたのですが、黒羽さんの出演されていたドラマ『パパ、はじめました』に立石さんがゲストに来られたのが初対面でしょうか?黒羽:そうなんです。もちろんその前から知っていましたけど、その時から様子がおかしかった……。立石:その時、特にやばかったんじゃないかなあ。黒羽:“特に”だったの!?(笑) 僕たちが出演していた『テレビ演劇 サクセス荘3』でも共演できる回がなかったので、そのままの印象で止まっていたんだけど、最近はミュージカル『黒執事』にも出られていて「かっこいいな」と思って、久々に会ったら今日もやっぱり変でした(笑)。飲まれちゃいそうになるんです、立石ワールドに! 危ない危ない。立石:印象が変わってない(笑)。逆に麻璃央くんは普段どういう感じなの?黒羽:真面目に、このままの感じ。立石:そうなんだ! 東北出身で同い年なんですよね。僕、麻璃央くんがジュノンボーイ(ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト)に応募していた時から知っていたんです。僕も多分同じ時に申し込んだような……。黒羽:えっ、そうなの!? 第23回! 高2の時!立石:出してる! 高1で最初に申し込んで周りの目が恥ずかしくてやめて、高2でも申し込んで、恥ずかしくてやめて……だから当時から「同じ東北出身としてすごいな」と思ってた。黒羽:東北人にはそういう仲間意識があるんです。平和でのほほんとしてる。立石君を見てるとわかるけど、平和な人が多いから(笑)。だからやっぱり、今回ティボルト役なのは意外でした。みんな驚いたと思うけど、そんなキャスティングをする小池先生の中には、やっぱり何か考えがあるんだと思います。稽古場でどんなティボルトが見られるのか、すごく楽しみです。立石:麻璃央くんは前回の『ロミジュリ』でマーキューシオを演じていて、僕も活躍を見て刺激を受けていましたし、こうして憧れの『ロミジュリ』で新たにロミオとティボルトとしてバチバチできることは、不思議ですし嬉しいです。いい意味で新しい風を吹かせられたら。黒羽:間違いなく、違う風は吹く(笑)。楽しみです。色々な風が吹いた方がいいから。○■自分の色を出すためには——小池先生のお話も出ましたが、新型コロナウイルスの影響で中止となってしまったミュージカル『エリザベート』のルキーニ役、ミュージカル『るろうに剣心 京都編』の志々雄真実役に続いて、今回『ロミオ&ジュリエット』で黒羽さんがロミオ役に抜擢されているので、すごく期待がかかっているのかなと思いました。黒羽:ありがたいことに……。『エリザベート』が中止になってしまった時に、『るろ剣』でリベンジしたいと思っていたけれど、『るろ剣』も中止になってしまって。悔しい思いが積み重なってきていて、難しい役ですが、その思いを発散して期待に応えられるように頑張りたいと思っています。——立石さんは、もう小池先生とはお話などされたんですか?立石:オーディションの時に少しお話ししました。ティボルトを演じて歌ってみて……4時間ぐらいスタジオにいたのかな。その時はどういう方なのかまだわからなかったのですが、期待に応えたいというか、自分の持てるもの全てを出し切りたいと思わせてくれる方だなと思いました。黒羽:さらけ出したくなるよね。あとは心の中まで見透かす方だから、本当に全力で挑んでいかないと。——テニミュ(ミュージカル『テニスの王子様』)に出られていた方には、稽古場で「ラケットを振ってみて」と無茶ぶりするという噂も…。黒羽:ちょっと「いいのかな」と思いながら応えるんですが(笑)。今回、立海出身のキャストが多いんです。前回は青学(せいがく)が多かった。立石:確かに!——皆さんが歌う「世界の王」が、色々な背景を持った若い方たちが集まっている『ロミジュリ』自体と重なるような気持ちにもなります。黒羽:今回、R&Jダンサーの方も含めて若い方が多いので、「若気の至り」を全開に出していく、令和版の『ロミジュリ』が作れるんじゃないかなと思っています。大人になればなるほど、冷静になって考えちゃう部分もあるけど、若い時は突っ走るしかない、みたいなところがあるから。立石:名作中の名作ですし、僕自身は、まず本当に素直に嬉しい気持ちが先行しています。ミュージカルをもっとやっていきたいという気持ちがあって、そういう中で抜擢していただいたので、難しいことは考えられなくて、シンプルに「全力でやる」という気持ちです。——ちなみにお二人はどの曲が好きですか?黒羽:僕はロミオの1発目の「いつか」という曲が好きです。いろいろ運命が動き出す曲でもあるし、まだジュリエットとロミオはその時はまだ出会ってないけど、同じ物に手を伸ばしている。結末を知っているからこそジーンと来るものもあるし、色々なことが始まるという意味でもすごく好きです。立石:僕はいっぱいあるんですけど、自分の役で言うとやっぱり「ティボルト」。唯一、「ティボルト」という名前が曲名になっているので。黒羽:すごいよね、曲名が「ティボルト」だもん。立石:曲中でもすごく「ティボルト」と出てくるし、自分の名前を歌うぐらい、誇りとか色々と感じるものがあるのかな。——ティボルトとして、ワイルドさは出して歌われるんでしょうか?立石:難しいですけど、稽古の中で自分が演じる意味を見つけないといけないと思います。まだ僕自身も過去の皆さんが演じられていたティボルトを重ねてしまう時があるし、お客さんも重ねるところもあるだろうし。黒羽:難しいよね。たくさんの偉大な方々が演じてきているから、「こうでなくちゃいけない」というのが作られるのは非常に怖い。演じている側としても、自分の中でちゃんとその感情になるように噛み砕く時間が欲しくて、たくさん稽古をしたいです。今回はもし自分の中で「違う」という気持ちが生まれたら、ちゃんと言おうと思ってるんです。実は「そうしないと、今後苦しくなるよ」というアドバイスもいただいて。前回は初めてカンパニーに入ったし、過去の映像をたくさん見て、前の方がどう動いていたのかに沿いすぎてしまったところがありました。今回は自分の気持ちで動いた通りに演じることも大事にしていかないと、自分の色が出て来ないから。○■「柔軟に」というアドバイス——黒羽さんから立石さんに、小池先生の稽古に挑むにあたってのアドバイスはありますか?黒羽:昨日ついた稽古がころっと変わったりもするけど、そこは柔軟に(笑)。柔軟にしないと、「この感情で動くはずだったのに」と、パニックになっちゃう。立石:なるほど、柔軟に……。黒羽:でも間違いなく良い方向に運んでくださるので! 2年前はWキャスト自体が初めてだったし、「こんなに演出が細かいんだ」と驚いたんです。手の角度や倒れ込んだ時のポーズまで演出がついていてびっくりしたんですけど、いざ劇場で自分が出ていない時の場当たりやゲネプロを観ると、やっぱりすごくきれいで。「こんなに計算して作られてるんだ、すごいな」と気付くことが出来ました。——それはWキャストならではですね。では、最後に改めてメッセージをいただければ。黒羽:僕は『ロミジュリ』という作品に出会って、「もっと上手くなりたい」「これからもミュージカルをやっていける人間になりたい」と思うようになりました。色々な出会いをくれた作品ですので、今回も新たな出会いが楽しみだし、また面白いことが始まっていく予感がするので、ぜひお楽しみに!立石:僕はとにかくワクワクしています。1度、他の作品(MANKAI STAGE『A3!』)の劇中劇でティボルトを演じたことがあって、縁も感じています。そのワクワクや嬉しい気持ちを力にして、全力で向き合って楽しみたいです。ここでしっかり力をつけて、劇場で皆さんにお届けしたいと思います。——そんなお二人のバチバチ具合も楽しみにしています。黒羽:青あざを作ってたらごめんなさい(笑)立石:プライベートは普通で(笑)■黒羽麻璃央1993年7月6日生まれ、宮城県出身。2010年に第23回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストにて準グランプリを受賞し、芸能界入り。主な出演作にミュージカル『テニスの王子様』2ndシリーズ(12年~14年)、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ (15年~)、舞台『黒子のバスケ』(16年~)、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』(19年)、映画『いなくなれ、群青』(19年)、ドラマ『寝ないの?小山内三兄弟』シリーズ、『テレビ演劇 サクセス荘』シリーズ(19年~)、『恋はつづくよどこまでも』『SUITS/スーツ2』(20年)など。配信中のParaviオリジナルストーリー「リコハイ!!」に出演中。7月には自身が企画プロデュースする野球イベント「ACTORS LEAGUE 2021」が開催予定。■立石俊樹1993年12月19日生まれ、秋田県出身。男性ダンス&ボーカルグループ「IVVY」のボーカルとして2015年から音楽活動を開始する。主な出演作にミュージカル『テニスの王子様』シリーズ(17年~)、MANKAI STAGE『A3!』シリーズ(18年~)、ドラマ『チョコレート戦争~朝に道を聞かば夕べに死すとも可なり~』『社内マリッジハニー』(20年)、映画『遮那王 お江戸のキャンディー3』、映画『ツナガレラジオ~僕らの雨降Days~』、舞台『チョコレート戦争~a tale of the truth~』、主演ミュージカル「黒執事」~寄宿学校の秘密~など。
2021年05月14日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回はモデル・女優の岡本夏美さんです。「看護師や弁護士など専門的な役柄にも挑戦してみたいです!」と語る岡本さんの素顔に迫りました。映画、ドラマに引っ張りだこ!清純派から曲者まで演じきる!NHKよるドラ『きれいのくに』に出演中。「見る人によって受ける印象が違う新感覚のドラマです。初めて台本を読んだとき、不思議な気持ちでした。物語にからくりもあって、どんどん面白くなりますよ!」。4月末公開の『映画 賭ケグルイ』にも出演。「ほぼずっと目を閉じているんですが、たまに目が開いたり、表情の変化が面白いので注目してください!」。最近、人生初の陶芸に挑戦。「先生に褒めてもらえたのが嬉しくて、つい何皿も(笑)。他にも塗り絵をしたり夢中になることが好き」プロジェクターで一日中映画観賞!ベッドに寝転んでお菓子をつまみながら(笑)、おうち時間を楽しんでます。家族でドライブを楽しんでいます。昨年免許を取得したので、家族と一緒に自然を見に行ってリフレッシュ!ピピ君が自己肯定感を上げてくれます。教えてないのに「なっちゃん可愛いね」って言ってくれるのが嬉しい~!おかもと・なつみ1998年生まれ。放送中のドラマ『きれいのくに』(NHK総合)に出演中。4月29日から公開の『映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』では西洞院百合子を怪演。※『anan』2021年5月5日-12日合併号より。写真・土佐麻理子文・松下侑衣花(by anan編集部)
2021年05月04日ミュージカル『マリー・アントワネット』が28日に東京・東急シアターオーブにて初日を迎え、キャスト陣がコメントを寄せた。同作は『エリザベート』『モーツァルト!』など数々の傑作を生み出したミヒャエル・クンツェ&シルヴェスター・リーヴァイが手がけるミュージカル。2006年に日本で初演を迎えて以来世界で上演されている。フランス革命で散った王妃マリー・アントワネット(花總まり・笹本玲奈)と、庶民の娘マルグリット・アルノー(ソニン・昆夏美)、2人の“MA”の運命が交錯する。華麗なドレス満載の華やかな世界と、パンを食べるのにも困る庶民の姿を対比し、実力派キャストたちがフランス革命に向かうキャラクターたちを熱演。背後に渦巻く陰謀や民衆の暴走など、革命の負の面も描く物語となっている。公演は東京・東急シアターオーブにて1月28日〜2月21日。27日の公開ゲネプロには、花總まり、ソニン、田代万里生、上原理生、原田優一、駒田一、彩吹真央 、彩乃かなみ、川口竜也らが登場した。○花總まり コメント今回はコロナ禍での上演ということで特別な想いをキャスト一同が抱いてでの舞台になります。この舞台をご覧頂きたい、成功させたいという気持で各自様々な感染予防対策を精一杯行ってまいりました、観客の皆様におかれましてはどうぞこの特別な『マリー・アントワネット』をお楽しみ頂ければ幸いです。残念ながら観劇が叶わなかった方々にもこの舞台上から熱いメッセージをお届けする気持ちと全てに感謝して演じたいと思っております。○笹本玲奈 コメント徹底された厳しい感染対策の中で進めてきたお稽古を経て、今日無事にこの日を迎えられる事を心から嬉しく思っております。今後どの様な状況になるかは誰にも分かりませんが、一回一回の公演を『今日と言う日は今日しかない』という心持ちで務め、劇場にお越しくださったお客様に最高の舞台を全身全霊でお届けします。○ソニン コメントこの作品の再演が意味のあるものだと感じれる瞬間が多くありました。私にとって大切な役であり再び出演できる事に心より感謝し、興奮しています。厳しい状況の中で開幕までたどり着いた事は、カンパニーで起こした革命的な偉業だと思っています。お客様が、普段見ている世界で悩んでいる事を、舞台を通じ浄化し昇華できるそんな力を信じて、私は瞬間瞬間を誠実に皆様にお届けします。エンタメが届ける力を、明日を生きる糧を、お持ち帰りいただけるような力を持ってるこの作品、是非に受け取りにいらしてください。○昆夏美 コメントこのような厳しい状況の中ではありますが、再びこの作品をお客様にお届けできますこと大変嬉しく思っております。カンパニー一同、気持ちを一つに稽古を重ねました。幕が開くということは決して当たり前ではなく、奇跡なんだと感じます。この奇跡に感謝をし、責任を持って舞台を務めたいと思っております。そしてご観劇くださったお客様の心の潤いとなれば幸いです。○田代万里生 コメントいよいよ劇場へ! 昨年は公演中止が相次ぎ、個人的には2019年12月以来、約一年振りのミュージカル出演となりますが、この作品が控えていることが心の支えでもありました。演出家も振付師も海外から生中継で稽古場映像をチェックして下さり、沢山のスタッフにも支えて頂きながらブラッシュアップを繰り返して今日を迎えています。フィクションとノンフィクションが融合した超大作。こんな今だからこそ、この作品から新たな気付きが生まれると信じています。○甲斐翔真 コメント健康で安全に。そして限られた時間の中で濃密に作り上げてきたこの作品をお客様に届けられるという「喜び」に満ち溢れています。ここまで来るためにバックアップをして下さった全ての方々に感謝し、初日に挑みたいと思っています。最初は、想像の数十倍の高いハードルに呆然としました。こんな大役が自分に務まるのか、と悩むこともありました。でも今は、この作品に関われていることを誇りに思います。大好きな『マリー・アントワネット』に出演できて幸せです。フランス革命という激動の時代、マリーという『人間』を心底愛し、命がけで救い出そうともがいたフェルセンを楽しみにしていただければと思います。
2021年01月28日東京ディズニーリゾート内の商業施設「イクスピアリ」のシネマコンプレックス「シネマイクスピアリ」では、2021年1月15日(金)より3週間にわたり、ディズニー映画『ベイマックス』『美女と野獣』のリバイバル上映を実施する。上映期間は、2021年1月15日(金)~2月4日(木)の3週間限定。上映作品は2014年公開の『ベイマックス』と、2017年公開の実写版『美女と野獣』で、すべて<2D吹替版>上映。短編作品の同時上映はない。各作品の上映時間は決定次第、シネマイクスピアリの公式サイトで告知する。特別料金興行となり、各作品大人・大学生 1,100円(税込)、高校生~幼児・シニアほかは800円(税込)で鑑賞可能だ。また、東京ディズニーランドでは、2021年1月13日(水)~3月18日(木)の65日間、新アトラクション「ベイマックスのハッピーライド」があるトゥモローランドを中心としたエリアで、「ハッピーフェア・ウィズ・ベイマックス」というフェアを開催する。このフェアではベイマックスと一緒に笑顔の写真を撮影する「ハッピーフェア・ラボ」や、好きな容器とお菓子を選び、自分だけの組み合わせを作ることができる店舗など、複数の魅力的な催しを実施していく予定だ。なお、スペシャルメニューなどは早くも年内に提供が始まる。上映作品紹介『ベイマックス』【監督】ドン・ホール/クリス・ウィリアムズ【日本語吹替キャスト】菅野美穂(キャス役)、小泉孝太郎(タダシ役) ほか『美女と野獣』【監督】ビル・コンドン【出演】エマ・ワトソン/ダン・スティーヴンス ほか【日本語吹替キャスト】昆夏美(ベル役)、山崎育三郎(野獣役)配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン(C) 2020 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.※取材時の状況に基づいて記事化しています。ショー/パレード、メニュー、グッズなどすべての情報は予告なく変更になる場合があります。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ベイマックス 2014年12月20日より全国にて公開© 2014 Disney. All Rights Reserved.美女と野獣 (2017) 2017年4月21日より全国にて公開© 2016 Disney. All Rights Reserved.
2020年12月21日「レ・ミゼラブル」「ミス・サイゴン」「ウエスト・サイド・ストーリー」などで大役を重ねるミュージカル俳優・小野田龍之介のデビュー20周年を記念するコンサートが、11月6日に東京・よみうり大手町ホールで開かれる。今29歳ながらキャリアは長く、2001年に初めてミュージカルの舞台に立ってから、今年で20年目。「お客さんと一緒に、これまでの歩みを噛みしめるような時間になれば」と語る。20曲前後が披露される予定。ファンからのリクエストも交えた、ミュージカルのベスト盤のようなラインナップだ。過去の出演作の楽曲が大半だが、ディズニーファンとして知られる彼のお気に入りナンバーも。圧倒的な歌唱力を誇るが、プロのダンサーを母に持ち、エンターテインメントへの入口は意外にもダンス。歌って踊ってのショースタイルも可能だが、今回は歌を届けることに専念する。「元々はダンスの人間からすると、20周年で自分がこうしてコンサートをするなんて考えられなかった。選曲しているとき、いろんなことが走馬灯のように思い出されて、ワクワクする楽しさというよりありがたさを感じたんです。今までやってきた役への感謝とリスペクトを込めたコンサートにできたら」昼の回は昆夏美、夜の回は知念里奈がゲスト出演。「昆さんはミュージカル界では数少ない同い年の仲間で、知念さんは僕が15歳ぐらいからの長いお付き合い。昼・夜で別のデュエットナンバーも歌わせていただきます」。また、音楽監督はミュージカルファンにはおなじみの大貫祐一郎が務め、「心強いバディを得た」とうれしそう。幼い頃から舞台の世界に生きてきた小野田にとって、今年はかつてない経験だった。「僕たちは舞台上からエネルギーを与えるだけじゃなく、客席からもいただいて返していく。その循環ができなかった期間はエネルギーが枯渇している気がして、ちょっと怖かったし不安でした。一方で、きっと当たり前になっていたものを改めて見出すことができた。今リハーサルをしていても、人間が紡ぐものってこんなにも心を動かすんだなと実感しています」「生涯現役でこの仕事を続けていきたい」と力強く語る彼が、今年得たものを胸に大切な歌を届ける。文章:武田吏都
2020年10月30日昆夏美が、谷賢一の作・演出によるKAAT神奈川芸術劇場プロデュース『人類史』に出演する。これまでミュージカルを主戦場としてきた昆にとって初めてとなる、ストレートプレイ作品への挑戦。初日を約2週間後に控えた思いを語ってもらった。KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『人類史』公演・チケット情報人類200万年の歴史が、約120分で描かれる本作。ヒトはなぜ他の生物を押しのけ、地球の頂点に君臨することができたのか──。世界1,200万部を突破したベストセラー『サピエンス全史』に着想を得た谷が、二足歩行・言語の獲得・農耕の開始・科学革命といった人類の進化におけるターニングポイントを、無言劇・音楽劇・会話劇をハイブリッドさせながら舞台に立ち上げる。類人猿から天才数学者まで、今回さまざまな役に扮する昆は「新しい自分に出会えそうな予感がしています」とこのチャレンジを前向きに捉え、日々の稽古に取り組む。苦労しているのは、一幕冒頭で描かれる類人猿のリアルな動き。「膝を地面につけず、手と足のみで体を支える四足歩行をやったら……全身筋肉痛で」と苦笑しながら、肩こう骨から腕を回すなどゴリラのような動きを再現してみせた。一転、ガリレオの唱えた地動説が市井の人々に波紋を広げていく二幕は、数式や科学用語がバンバン飛び交う会話劇だ。ここで昆が演じるのは、数学・物理学・天文学の知識に長けた神童アウグスト。宇宙の摂理を数式で解明するシーンでは大量のセリフが待ち受けており、内容の難しさに圧倒されながらも「理解すれば自然と口を突いて出てくるはず」とめげる様子はない。「神や宗教といった“虚構”を信じる力が人類を発展させた」という『サピエンス全史』で提唱されている学説も、本作にはふんだんに盛り込まれる。国家の存在に疑義を唱えた奴隷が殺されてしまう古代エジプトや、行き過ぎた信仰が村八分を生むペスト大流行のエピソード、地球や宇宙についてもっと知りたい、繋げたい、と探求してきた人々の歴史を挙げながら、昆は「こうした歴史を私たち人類の“原点”と俯瞰できるのがこの作品の魅力」とまっすぐに伝えた。数万年単位で時を跳躍しながら進む物語には、どの時代・場所にもなぜか同じ容姿をした若い男(東出昌大)、若い女(昆)、老人(山路和弘)が登場する。この三者がどのように交差してホモ・サピエンスの歴史を紡ぐのか、またKAAT上演の『三文オペラ』(2018年)で谷とタッグを組んだドレスコーズの志磨遼平が手がける音楽にも注目したい。公演は10月23日(金)~11月3日(火・祝)に、神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 ホールにて。チケット販売中。取材・文:岡山朋代
2020年10月16日劇作家・演出家の谷賢一作・演出舞台「人類史」に、東出昌大、昆夏美、山路和弘がメインキャストで出演することが決定した。いまから約10万年前。まだサルの一種に過ぎなかった人間は、肉食動物に追い回され、両手両足を使って地べたを這い回り、木の実や虫を食べて暮らしていた。それがあるとき二足歩行を始めたことで道具・言語・火などを手に入れ、またたく間に文明を開花させ動物界の頂点に立つ。やがて高度な社会を形成し、ついには科学の力によって宇宙の仕組みにまで到達することになるが、その驚異の発展を支えたのは「想像力」。物語は、数万年単位で時間を跳躍しながら進んでいき、どの時代・どの場所にも何故か同じ顔・姿をした「若い男」「若い女」「老人」が登場。それらは遠い先祖・子孫の関係のようにも見えるし、生まれ変わりのようにも見える。同じ顔・姿をしたこの三者を中心に10万年の人類史を駆け抜ける――。福島と原発の歴史を問い直した「福島三部作」で社会問題に鋭く切り込み、岸田國士戯曲賞・鶴屋南北戯曲賞をW受賞した谷さんが次に挑戦するのは、人類の歴史。人類が力の強い他の生物を押しのけてこの地球の頂点に君臨できたのはなぜか?その謎をホモ・サピエンスだけが持つ「虚構を信じる」という特殊な能力から読み解いたユニークな学説に着目し、言葉、身体表現、音楽が混然一体となった演劇ならではのアプローチで人類史を描く。音楽は、志磨遼平(ドレスコーズ)が担当し、「三文オペラ」で意気投合した最強コンビが壮大な世界観を表現する。また、音楽と並んで作品の重要な要素となる振付は、森山未來とのコラボレーションなどにも参加しているエラ・ホチルドが担当。物語の中心となる若い男・若い女・老人は、東出昌大、数々のミュージカル作品で活躍中の昆夏美、声優・俳優と幅広く活躍し、谷さんからの信頼も厚い山路和弘が演じる。ほかにも、演劇と身体表現を融合させる試みを体現する重要な役割は、谷さんとエラがオーディションで選んだ16人の俳優・ダンサーが担う。なお、チケット一般発売は9月19日(土)、KAme(かながわメンバーズ)先行発売は9月12日(土)となる。●コメント<谷賢一>怒涛のように、濁流のように通り過ぎる日常を一時停止して、人間について考える。人生について考える。それこそが劇場の意義だ。こうも慌ただしい日々を生きていると考えが及ばないが、「人間とは何だろう?」、そう改めて考えることができる場所が劇場である。劇場は省察の場所であり、哲学の場所であり、祈りの場所だ。本作『人類史』とは大きく出たが、要は人類がどう成長し、繁栄して来たかを描く一つの成長物語である。なぜ人類は他の生物を圧倒し得たか? どのように文化やコミュニケーションを発展させてきたか? その変遷をエラ・ホチルドの振付によるダンスと志磨遼平の作曲による音楽、そして演劇で描き出す。日常を一時停止して、考えてみよう。人類とは一体どのようにして、今日ここまで辿り着いたのか?<東出昌大>初めにお話を伺った際はその壮大なテーマに目を見張りましたが、今は演出の谷さんの向かれている方向を、共に見据えている心持ちです。視線の先にどのような地平が広がっているのか、今から稽古の日々を心待ちにしています。<昆夏美>今回このお話をいただいた時に、我々人類の歴史という、大きなスケールをどのように1つの作品にまとめるのかと興味と期待が膨らみました。演劇という表現の自由の可能性を持ってこそ、体現できる部分もあるのではと思います。難しそうな題材だと思う方もいると思います。でもまずはそれでいいと思っています。正直私も人類がどのように進化したのかと深く考えたことがありませんでした。この舞台で一緒に考えてみませんか?<山路和弘>人類史…。そりゃ毛皮のパンツにモジャモジャ頭、石の貨幣…etc。思い浮かべるのはその辺りか。ポスターを撮るというので髪は切らない様に心掛け、いざ現場へ。え?洋服?それもチョイとおしゃれな…。ハナっから裏切られたこの舞台、稽古場もさぞや気持ち良く裏切ってくれる事だろう。演出家谷賢一。楽しみだ。そしてしばらくひっ込んでろ、腰痛!コロナ!KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「人類史」は10月23日(金)~11月3日(火・祝)KAAT神奈川芸術劇場<ホール>にて上演。(cinemacafe.net)
2020年08月31日2夜にわたって放送される、井上芳雄がホストを務める「僕らのミュージカル・ソング2020」。この度、第一夜の曲目が明らかに。さらに、すでに発表されている出演者のコメントも到着した。同番組は、“いまだからこそ聴きたいミュージカル・ソング”をテーマに、6月と7月に放送する特別番組。第一夜には、今年の上演が中止となってしまったミュージカル3作品から出演者が登場、代表曲を歌唱する。『「ウエスト・サイド・ストーリー」Season3』より浦井健治、柿澤勇人、桜井玲香、伊原六花による「トゥナイト」、浦井さんと柿澤さんによる「マリア」。「エリザベート」より井上さんが「最後のダンス」を。「ミス・サイゴン」より昆夏美が「命をあげよう」、屋比久知奈と小野田龍之介が「サン・アンド・ムーン」を披露。浦井さんは「残念ながら公演はできませんでしたが、今回歌唱出来たことで、この役を昇華というか、ひとつの“けじめ”がつけられたのかな、と感謝しています」と思いを明かし、柿澤さんも「今回公演が中止になって何かで残したいという思いがあったのでこのような機会を頂けて感謝しています」とコメント。桜井さんは「今なかなか劇場で直接聴くことができない素晴らしい楽曲がたくさん放送されるのでご自宅で楽しんで頂けたら嬉しいです」と言い、伊原さんは「ミュージカルの曲は聞くだけで元気を貰えると思います。『ウエスト・サイド・ ストーリー』の世界を感じて頂けたら嬉しいです」とメッセージ。昆さんは「本来なら公演をしていたこの時期に、この劇中衣装を着て歌うことができて本当に胸がいっぱいです。開幕に向けて稽古を重ねてきた『ミス・サイゴン』メンバー皆の思いを背負って心を込めて歌いました!」と歌唱に込めた思いを述べる。「とっても緊張しました」とふり返った屋比久さんは、「再演の機会があった時に見たいなと思 って頂ければ嬉しいです」と話し、小野田さんも「アクリルボードを挟んでのデュエットに戸惑いつつも楽しみました(笑)やっぱり皆でなにかを作り上げるって最高ですね!まだミュージカル公演が再開できてない今、きっと記憶に残る番組になるのではないかと思います」と語っている。さらに、上白石萌音が「カラー・オブ・ザ・ウィンド」(『ポカホンタス』より)と、井上さんとのデュエットで「A Million Miles Away」(『アラジン』より)を爽やかに歌い上げる。上白石さんは「今日パフォーマンスできてやっぱり歌って楽しいなと実感しました。距離をとって歌うなど制限はあるにしても誰かと声を合わせて歌うことで繋がりを感じて幸せでした」と参加した感想を語り、「ミュージカルファンのみなさんにとっては楽しみにしていた舞台が見られなくてすごく辛い時期だと思います。形は少し変わったとしても、また劇場に行けるその日までずっと舞台を好きでい続けていて下さい!私も心待ちにしているひとりです。一緒に辛抱強く待ちましょう!」とコメントを寄せている。さらに本番組のホストを務める井上さんは「現在のミュージカル界の様子がわかる、内容の濃い番組になりました。みなさんに元気をお届けできれば嬉しいです!」と仕上がりに自信をみせた。また、番組では出演者によるトークコーナーも。長きにわたり「エリザベート」の演出を務める小池修一郎(宝塚歌劇団)と井上さんのトークコーナーでは、「エリザベート」を含めた2人それぞれの上演することが叶わなかった作品を通して、心境や状況をふり返る。「僕らのミュージカル・ソング2020」第一夜は6月20日(土)20時~、第二夜は7月25日(土)21時~WOWOWプライムにて放送。(cinemacafe.net)
2020年06月18日阿川佐和子がMCを担当するTBS系土曜朝の番組「サワコの朝」。その4月4日(土)オンエア回に、女優の高畑充希がゲスト出演する。子役時代を経て中学時代にホリプロの45周年を記念したオーディションで選出され、高校進学後はミュージカル「ピーターパン」の主役に抜擢。17歳の時には舞台「奇跡の人」でヘレン・ケラー役を熱演し、さらに注目を集める。2013年連続テレビ小説「ごちそうさん」に西門希子役で出演すると、「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』などの作品で多くの人に知られる存在に。一途に信念を貫く主人公を演じた「過保護のカホコ」「同期のサクラ」や人気グルメコミックをドラマ化した「忘却のサチコ」などのドラマから『引っ越し大名!』『ヲタクに恋は難しい』などの映画、「エレクトラ」といった舞台まで幅広く活躍する高畑さん。今回は、3年前の舞台「エレクトラ」で母娘役での初共演が実現したという憧れの女優からのサプライズメッセージ映像を紹介しながら、共演時のエピソードをトーク。また1人で舞台のモノマネをして遊ぶほど“舞台”が大好きだったが、一方で「人の先頭に立つとか、学級委員長をやるとか、めちゃくちゃ程遠い学生だった」という幼少期をふり返り、「こんな未来が待っているとは想像していなかった」と語る高畑さんに阿川さんが驚く場面も。いまでも「カメラを向けられているのが怖い」という高畑さんの、劇中では見られない意外な素顔に迫っていく。2020年はミュージカル「ミス・サイゴン」への公演も予定されている高畑さん。ブロードウェイミュージカルの日本版として1992年から公演されてきた同作。ベトナム戦争末期のサイゴンで出会った戦災孤児の少女キムとアメリカ兵クリス、2人が出会うきっかけとなったエンジニアらの運命を描いていく。エンジニア役を市村正親、駒田一、伊礼彼方、東山義久が務め、クリスには小野田龍之介、海宝直人、チョ・サンウン、高畑さんはキム役を昆夏美、大原櫻子、屋比久知奈と共に演じている。ミュージカル「ミス・サイゴン」は5月23日(土)より帝国劇場で上演予定。プレビュー公演は5月19日(火)から22日(金)まで。「サワコの朝」は4月4日(土)、7時30分~TBS系でオンエア。(笠緒)
2020年04月03日舞台『ミス・サイゴン』の製作発表が26日に都内で行われ、エンジニア役の市村正親、駒田一、伊礼彼方、東山義久、キム役の高畑充希、昆夏美、大原櫻子、屋比久知奈、クリス役の小野田龍之介、海宝直人、チョ・サンウン、ジョン役の上原理生、上野哲也、エレン役の知念里奈、仙名彩世、松原凜子、トゥイ役の神田恭兵、西川大貴、ジジ役の青山郁代、則松亜海らが登場した。同作は1992年に初演をむかえて以来、日本での通算上演回数は1368回を重ねる。ベトナム戦争陥落間近のサイゴンを舞台に、愛と別離の物語が繰り広げられる。製作発表は全員で「火がついたサイゴン」を披露し、さらに全キャスト楽曲メドレー「世界が終わる夜のように」「トゥイの死」「今も信じてるわ」「生き延びたけりゃ」「命をあげよう」「ブイドイ」「アメリカン・ドリーム」のパフォーマンスを行った。初演より同作に主演し、2016年の公演では一度卒業も宣言した市村だが、「その方がお客さん入るかな」とジョークを飛ばす。卒業撤回は「想定内ですね。今回はまた0からやってみたいなと思って。前やったことはすっかり忘れて、やったことのないような方向から」と意気込んだ。小さい頃から両親と一緒にミュージカルを観に行っており、同作を何回も観ていたという高畑は「偶然、ヘリが止まって、筧(利夫)さんが15分フリートークしてくださった回を観てたりして、思い入れの深い作品」と明かす。「自分には務まらない、遠い存在の役だったんですけど、今年28歳で、もしチャレンジできるならそろそろ最後なんじゃないかと思ったので、ダメ元でオーディションを受けてみようと思って受けてみたのが、一昨年。決まった時はびっくりもしましたし、嬉しかったけど、今はどうしようという感じで。プレッシャーもありますけど、初めてお会いできた方も多くて、ワクワクが膨らんできました」と心境を表した。高畑と同じく、初出演の大原も「デビュー映画の打ち上げのときに『ミス・サイゴン』の歌を歌って、そこからスタッフさんが初舞台のオファーをくださったりして、すごくご縁のある作品でとても嬉しかったです」と、思い入れたっぷり。また「フランス人寄りのエンジニア」という伊礼は、「初演から演じ続けている方と一緒になることは、まあないですよ。今後もない。貴重な経験なのでしっかりと、盗めるものは盗んでいきたい」と語る。東山は「最初に帝劇に立った時は、『エリザベート』のトートダンサーとして踊っていたので、こういう形でまた帝国劇場に帰ってこられたのは身が引き締まる思い。足を無駄に上げるようなエンジニアとか、柔軟性を生かしたエンジニアをやってくのかな」と会場のオーディエンスを笑わせていた。製作発表終了後の取材では、再度卒業について聞かれた市村が「今は、続けられる限りやってくれと言われてます。120歳……できるだけ長く。息子がクリスやるくらいまで」と答える。ミュージカル出演が7年ぶりという高畑は、その間のトレーニングについて「全然やってなかったです。なので、お尻に火がつきまして……」と苦笑。「今、必死でみなさんに追いつけるように頑張っております。(お尻が)燃えてます。お稽古がすごく楽しみです。役になった時にそれぞれどんな風になってくのか楽しみにしています」と意気込みを表した。同作は東京・帝国劇場にて5月23日〜6月28日に上演された後、北海道、長野、大阪、静岡、富山、愛知、福岡、埼玉と全国8都市で公演を行い、9月6日に千秋楽を迎える。
2020年02月26日40年以上にわたり作詞家として第一線を走り続ける一方で、近年はオリジナルミュージカルの創作にも情熱を傾けている森雪之丞。これまでに『サイケデリック・ペイン』(2012)、『SONG WRITERS』(2013)、『怪人と探偵』(2019)という、毎回毛色の異なる作品で脚本と作詞を手がけてきた。そんな森が作・作詞・楽曲プロデュースする新作、『ロカビリー☆ジャック』が本日12月5日より東京・シアタークリエで開幕。『SONG WRITERS』をともに生み出した、岸谷五朗(演出)と屋良朝幸(主演)との再タッグも話題の作品だ。森が今回選んだ題材は、1950年代に誕生し、一世を風靡したロカビリー音楽。売れない歌手のジャックは、スターになるために悪魔と契約を交わす。それは成功と引き換えに、ジャックの中に“愛”が生まれ大きく育った時、命とともにそれを悪魔に渡すというものだった。1年後、スターへの階段を駆け上がるジャックの前にひとりの女性シンガー・ルーシーが現れ、ふたりは一瞬で恋に落ちる。ジャック(屋良)、マネージャーのビル(海宝直人)、ルーシー(昆夏美)ら、情熱的な若者たちの愛と友情の結末やいかに……。もうひとつの大きな話題は、作曲家のひとりとして、『歌うたいのバラッド』『ずっと好きだった』『やさしくなりたい』などで知られる斉藤和義が名を連ねていること。およそミュージカルとは縁遠そうなアーティストの参加が実現したのは、やはり森が楽曲プロデュースを手がけているからこそと言えるだろう。斉藤が果たしてどんな楽曲を提供するのか、またそれらをミュージカル俳優たちがどう歌うのかにも注目が集まっている。12月30日(月)までシアタークリエ、1月11日(土)・12日(日)に福岡市民会館 大ホール、1月16日(木)に愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホールにて上演。文:町田麻子
2019年12月05日ディズニーの名曲コンサート「フレンズ・オブ・ディズニー・コンサート2021(Friends of Disney Concert 2021)」が、東京国際フォーラムにて2021年4月24日(土)に開催される。ディズニーの名曲と映像を楽しむコンサート「フレンズ・オブ・ディズニー・コンサート」は、ディズニーゆかりのアーティストが、ディズニーの名曲を歌うコンサートだ。スクリーンでは関連する映像も上映され、特別に編成されたバンドと歌手の奏でる音楽とともに、ディズニーの雰囲気に浸り込める。6度目の開催となる今回は、ディズニーアニメーション映画『アナと雪の女王2』で日本語版オラフ役を務めた武内駿輔や、『塔の上のラプンツェル』日本語吹替版にてラプンツェル役歌唱部分や『シュガーラッシュ:オンライン』日本語吹替版にてアリエル役を担当した小此木麻里、ディズニー実写映画『ムーラン』の日本版主題歌「リフレクション」を歌唱した城南海らが初出演。『美女と野獣』(プレミアム吹替版)でベル役を務めた昆夏美は、2018年に引き続き登場する。さらに、第1回公演より毎年出演している中川翔子や山寺宏一、4回目となるパパイヤ鈴木など豪華ゲストアーティストがステージに立つ。詳細フレンズ・オブ・ディズニー・コンサート 2021日程:2021年4月24日(土)※当初、2020年4月19日(日)を予定していたが開催が延期となった。時間:昼公演 13:00開場、14:00開演 / 夜公演 17:00開場、18:00開演会場:東京国際フォーラム ホールA住所:東京都千代田区丸の内3丁目5番1号チケット価格:S席 8,700円、A席 7,700円、B席 6,700円(全席指定)※価格は税込チケット先行受付(抽選):3月15日(月)10:00~チケット一般発売日:4月4日(日)10:00~※3歳未満入場不可※B席のみ一般発売より販売する※2020年4月19日(日)の公演チケットはそのまま使用することができ、同番号で入場できる。なお、昼公演から夜公演の変更、夜公演から昼公演への変更はできない出演:フレンズ・オブ・ディズニーバンド & シンガーズゲスト・アーティスト(50音順):相葉裕樹/小此木麻里/城南海/昆夏美/坂元健児/武内駿輔/中川翔子/パパイヤ鈴木/平野綾/山寺宏一演出:TETSU(Bugs Under Groove)Presentation licensed by Disney Concerts. © Disney
2019年11月15日7月24日、「FNSうたの夏祭り2019」(19時~22時28分)が放送されました。ジャニーズからは、KinKi Kids、Hey! Say! JUMP、嵐、Kis-My-Ft2、ジャニーズWEST、SixTONESが出演し、会場を盛り上げました。嵐は、デビュー当時の映像をバックに、デビュー曲「A·RA·SHI」と「果てない空」の2曲を披露。美しい生歌に感動するファンも。また話題になったのが、ジャニーズJr.ながら唯一出演していていたSixTONES。滝沢秀明さんがMVをプロデュースした「JAPONICA STYLE」を披露し、デビュー前とは思えない貫禄を見せつけました。また、メンバーの京本大我さんは「ディズニースペシャル企画」で昆夏美さんと「ライオンキング」の「愛を感じて」をデュエット。美しすぎる生歌には絶賛の声が相次ぎ、「SixTONES」と「京本大我」がダブルでトレンド入りを果たしました。さらに、スペシャル企画では、Hey!Say! JUMPもディズニーの仲間とコラボレーションし「小さな世界」を披露。ミュージカルのようなステージは大盛り上がりでした。毎年恒例でジャニーズが総出演する音楽特番としては、今年はまだ「MUSIC STATION ウルトラFES」(テレビ朝日)が残っています。詳細の発表が楽しみですね。
2019年07月25日高畑充希(27)が来年5~6月に東京・帝国劇場で上演されるミュージカル「ミス・サイゴン」でヒロインのキムを演じると、一部スポーツ紙が報じた。1989年に英ロンドンで初演された同作。ベトナム戦争を背景に、ベトナムの少女キムと米軍兵士クリスの悲恋を描くミュージカルの名作。これまで亡くなった本田美奈子.さん(享年38)、松たか子(41)、笹本玲奈(33)、新妻聖子(38)らがヒロインを演じてきた。記事によると高畑は大原櫻子(23)や屋比久知奈(24)、昆夏美(27)とともに交代でキムを演じるという。高畑と大原と屋比久は今回が初めてで、昆は3度目の出演。4人は英国から来日したスタッフらを前に2度のオーディションを経て、役を射止めたという。「高畑さんはNHKの朝ドラ『とと姉ちゃん』でヒロインをつとめ、主演作はドラマ・映画ともにヒットするなど女優としての実績十分。出演オファーも後を絶たないと聞いています。そんななかで自らオーディションを受けるということは、よほど思い入れのある作品ということでしょう」(演劇担当記者)もともと高畑といえば、05年に「山口百恵トリビュートミュージカル プレイバック part2~屋上の天使」の出演者オーディションで主演の座を獲得して芸能界入り。07年から12年までは、6年間にわたってミュージカル「ピーターパン」の8代目ピーターパン役を務めていた。「幼いころから好んでミュージカルのサントラを聴いていたこともあり、ミュージカルが女優としての“原点”となっているそうです。多忙なスケジュールをぬって舞台もこなしていただけに、今回もその成果を存分に発揮してくれそうです」(芸能記者)
2019年05月17日ゴールデンウイークの語源は映画の宣伝用語。今週は映画三昧というのはいかがでしょうか?年間約500本を鑑賞しているという映画コメンテーターの有村昆氏(42)にGWに、おすすめの“必見映画”を紹介してもらった。今回は、公開が終了した過去の映画。気になるものがあったら、DVDを借りに走ろう!■「この世界の片隅に」(配給・東京テアトル2016年公開)アニメーションの中で僕も妻も大好きな映画の1本です。絵のタッチが水彩画のような薄い感じで、もの凄く優しい。何気ない、のんびりとした、すずさんという主人公は本当に素朴なんですよ。今まで、たくさんの戦争映画ってありましたが、あんなに軍隊が出てこなくて、いち女の子の視点から見た戦争を描いた映画は、まずなかったです。あんなに、のほほんと暮らしていた女の子でさえも、戦争で腕がとれて、今後、どうやって、生きていっていいか、わからくなったりするんですよ。 自然災害とか戦争とか、いつ日本で起こるかもわからない出来事を1人の視点で、描いた傑作でしたね。GWに家族が集まった時こそ見て欲しいです。子供はアニメという取っつきやすさもあるし、おじいちゃん、おばあちゃん世代は戦争を知っているし、家族みんなで1本真面目な作品を、見てもらうのも、いいかなと思います。■「フィフティ・シェイズ」シリーズの「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」(配給・東宝東和2015年公開)「フィフティ・シェイズ・ダーカー」(2017年公開)「フィフティ・シェイズ・フリード」(2018年公開)の3部作。原作はアメリカのコミケみたいなところで大ヒットした自費出版の“官能小説”なんですよ。アメリカの主婦が、この小説にハマりまくったんです。それが映画化されたんですが、 この映画はアメリカで大ヒットを飛ばして、日本でもTOHOシネマズシャンテで全国ロードショーしました。R18でエッチなんですけど見た目が超オシャレで女性が見て凄くかっこいいと思える映画です。■「アイ・フィール・プリティ!人生最高のハプニング」(配給・REGENTS2018年公開)主演がエイミー・シューマーというぽっちゃりしたコメディ女優さんで、日本語吹き替え版を渡辺直美ちゃんがやっているんです。主人公はトレーニング中に頭を打って気絶しちゃうんですが、その後に意識が戻って自分の姿を鏡で見たらスーパーモデル級に!でも周りの人たちは、前の彼女のままに見えているんですよ。自分だけはスーパーモデルになってると思っているので、 どんどん自信を持ち始めると、その勘違いが逆に好転していくんです。僕もこの作品を見ているうちに、なんか不思議と彼女がきれいに見えてくるんです。逆に「どうせ私なんて」って、うじうじ言ってると本当にそうなってしまうんじゃないかと。この映画は、物事は考え方しだいで、未来が変わるということを教えてくれました。ネガティブになって悩んでいる人におすすめです。悩んでいることが、ちっぽけに感じてきます。■「ビッグ・アイズ」(配給・ギャガ2015年公開)ティム・バートン監督作品で、1960年代のアメリカでの実話なんです。その時代に、画家のアンディ・ウォーホルが絶賛したこともあり、目がものすごく大きい女の子のイラストが、めちゃくちゃ流行ったんですよ。でも、そのイラストの作者のウォルター・キーンさんは実は、その絵を描いてなくて奥さんが描いていたんです。奥さんは、旦那が売れてくれれば嬉しいと思って描いていたんですが、旦那がパーティー三昧で遊び惚ける。でも絵がめちゃくちゃ売れて奥さんも裕福な生活をしているので、真実を告発するかどうかで悩む話です。だから日本でいうと佐村河内守さんと新垣隆さんのゴーストライター問題のようなストーリーでしょうか。今の時代は女性監督や女流作家とか、出てこられる時代ですけど、今から5、60年前の時代は男性の作品だから表に出られたという背景があるんですよ。だからその時代は、絵だけじゃなくて、小説など他にもゴーストライターで奥さんが書いていた可能性が、実は過去にあったんじゃないかというのを、一石投じる映画なんです。■「カメラを止めるな!」(配給・アスミック・エース、ENBUゼミナール2017年公開)もう地上波放送もされましたが、まだ見ていないという方は、このGWで是非見てもらいたいです。僕がはじめて知ったのは水道橋博士がTwitterで大傑作だとつぶやいているのを見て知ったんです。観てみたら面白すぎて、僕もひっくり返っちゃたんですよ。しかも映画の専門学校の卒業制作の作品で監督も出演者も無名 。37分間ワンシーンワンカットの長回しで、裏方が一生懸命やっているじゃないですか、こんな雑草魂で映画を撮るって素敵だなと思いました。■「恋人たちの予感」(配給・日本ヘラルド映画1989年公開)メグ・ライアンとビリー・クリスタルの出演映画で、“男女の友情は成り立つのか”というお話。10年来の友達の二人が男女の関係になるのですが、あくまで友達のまま。 しかし、男は 結婚したがるように。メグ演じる女性の方も少しづつひかれていって、最終的にどうなるか……。通常の恋愛映画なら最後は男女が「I love you」って言って終わるじゃないですか。なんとこの映画の最後は「I hate you」「あなたのことが大嫌い」と言って終わるんです。そのあたりも注目ポイントですね。もう一つ、他の恋愛映画との違いは女流脚本家が書いている点です。今までの恋愛もののヒット作は男性脚本家だったんです。おそらく世界で初めて女流脚本家が恋愛ものを書いて大成功した例なんですよ。本当の女性の気持ちは、女性にしかわからないということを教えてくれる映画なので、「そうよ、それそれ」と共感できる女性は多いと思います。■「アイ、トーニャ史上最大のスキャンダル」(配給ショウゲート2018年公開)アラフィフ・アラカン世代の方はご存知だと思いますがフィギュアスケートで過去2度冬季オリンピックに出場したトーニャ・ハーディングがライバル選手を襲撃して、負傷させた疑惑が浮上し、当時のワイドショーを騒がせたものを、実際に描いたという話です。それぞれ当事者に、インタビュー形式で質問して「私はやっていません」とか「私はトーニャに言われてやりました」とか答えているんですよ。でも、言ってることが食い違ってくる、果たして真実は……という話なんです。なぜトーニャが、あんなに暴力的なことをやってしまったのか。それは お母さんにルーツがあったということがわかるんです。スケート漬けの毎日で、お母さんはトーニャをめちゃくちゃスパルタ教育でボッコボコにしているんです。トーニャはそういったお母さんを見て育ったので、こういった事件を起こしてしまったのか……という部分もある。だからアラフィフ・アラカンの女性がこの作品を見たときに今まで自分がどういう風に子供を育ててきたかというのを自己確認できる映画です。(取材・文:インタビューマン山下)
2019年04月30日4月開幕のミュージカル『レ・ミゼラブル』にジャベール役で初出演。これまでにも『エリザベート』『ジャージー・ボーイズ』など人気作、話題作に出演してきた俳優・伊礼彼方がミュージカルカバーアルバム『Elegante』をリリースする。プロデュースは藤井隆。2006年にミュージカル『テニスの王子様』でデビュー、2008年に人気作『エリザベート』ルドルフ役に抜擢され、以降、大作ミュージカルからストレートプレイ、朗読劇など、豊かな表現力を武器にジャンルを問わない活躍を続けている伊礼彼方。待望のミュージカルカバーアルバムに収録されるのは、伊礼が実際に舞台で演じた役柄のナンバー『Field of Angels~天使の園~』(2011年上演『GOLD~カミーユとロダン』より)、『We Were Dancing』(2010・13年『アンナ・カレーニナ』より)、昆夏美とのデュエット曲『Sister』(2012年上演『ハムレット』より)といった“持ち歌”とも言えるものから、『最後のダンス』(『エリザベート』より)といったミュージカル定番曲まで多彩。なかでも、今春出演するミュージカル『レ・ミゼラブル』より、日本版タイトル『スターズ』として知られる名曲を、アルゼンチン出身の伊礼ならではのスペイン語で歌う『Estrellas』は必聴だ。再演を重ねる王道の人気作品に出演したと思ったら、想像の斜め上を行くチャレンジングな作品に出演したりと、いわゆる“ミュージカル俳優”のくくりで語れない面白さが伊礼の魅力のひとつでもある。今回、藤井隆と手を組んだこのCDリリースも、予想外ながらも伊礼らしい。とはいえ、中身はこれまた意外なまでに真正面からミュージカルの名曲に向き合っているので、ミュージカルファンは要チェックだ。リリースに際し伊礼は「真剣に音楽と向き合おうと思って動き出した私の思いに、藤井さんプロデュースの下、素晴らしいスタッフに支えられて出来上がった王道のミュージカルナンバー! 自信作です。是非聴いてください!」とコメントを寄せている。伊礼彼方ミュージカルカバーアルバム『Elegante』はSLENDERIE RECORDより4月17日(水)リリース。伊礼彼方『Elegante』2019.4.17 RELEASE/Produced by 藤井隆【収録曲】1 Field of Angels~天使の園~(「GOLD~カミーユとロダン~」より)2 We Were Dancing(「アンナ・カレーニナ」より)3 Love Can’t Happen(「グランドホテル」より)4 Sister(「ハムレット」より) Duet With 昆夏美5 最後のダンス(「エリザベート」より)6 This is the moment(「ジキル&ハイド」より)7 Estrellas(「レ・ミゼラブル」より) ※日本語タイトル「スターズ」
2019年04月03日日本初演から30余年を迎えたミュージカルの金字塔『レ・ミゼラブル』が全国5都市で上演される。「革命と正義」「誇りと尊厳」などさまざまなエッセンスに彩られた19世紀フランスが舞台の群像劇。罪人から真っ当な人間へと改心を試みるジャン・バルジャンを主軸にさまざまな人間ドラマが描かれる。本作で革命家の青年マリウスに恋する貧困層の娘エポニーヌをトリプルキャストで演じるのが昆夏美だ。新演出版となった2013年から今回で4度目の出演となる。ミュージカル「レ・ミゼラブル」チケット情報「この作品の魅力だと思うんですけど、やればやるほど新たな発見が毎回あって。決してゴールはないんだなと思っています」。例えば楽曲を前回とはまったく違う気持ちで歌ってみるなど、いろんな角度から作品を深めている。「演出家からの指示も、前回と同じようにとはならないので。私も役への固定概念を捨てて、お客様の中にも革命が起こるぐらい柔軟に演じられたらと思います」。前回の2017年公演では、『恵みの雨』でそれまでにない幸福感を感じたという。政府軍との銃撃戦の最中、マリウスの腕の中で歌うエポニーヌ最期の曲だ。「現実を分かっていながらもひとりでマリウスとの空想にふけるのが『オン・マイ・オウン』だと思いますし、自分が夢見ていたことが最後に手に入るなんて想像もしていなかった。切なくて深い場面だなと。エポニーヌにとって幸せの頂点にある歌だと思います」。演出家からは毎回「悲劇のヒロインにはならないで」との指示が飛ぶ。「特に『オン・マイ・オウン』は音楽も感傷的ですし、もしかしたらお客様はそういう部分を期待されているのかなとも思うのですが、絶対に自分を憐れんではいけない。エポニーヌを演じる上で一番重要なことです」。ミュージカル女優を夢見た中高生時代、「木の役でもいいからあれば出演したい」とこいねがった本作に、デビュー2年目で初出演を果たした。「当時は年齢的にもキャリア的にも一番下だったので、『妹みたいなエポニーヌが新鮮でした』というお手紙をいただいたときは嬉しかった」。時が経ち、今回6人いるエポニーヌとコゼットの中では最年長だ。「もう妹みたいには演じられない(笑)。自分で積み重ねてきたものや、新たなエポニーヌたちに気付かされることもたくさんあると思うのでワクワクしています」。改めて、本作の魅力とは?「ジャン・バルジャン、ジャベールなど誰の視点で観るかで感想も変わりますし、複数キャストによる個性の変化も感じられる。その中に愛や許し、いろんなメッセージがあるので。歴史あるミュージカルで明日への活力を養っていただければと思います」。公演は4月15日(月)よりプレビュー公演の後、4月19日(金)に東京・帝国劇場で開幕。6月に愛知・御園座、7月に大阪・梅田芸術劇場メインホール、7月末から8月に福岡・博多座、9月に北海道・札幌文化芸術劇場hitaruで上演される。大阪公演のチケットは3月23日(土)一般発売開始。3月6日(水)10:00より先行先着プリセール実施。取材・文:石橋法子
2019年03月06日断頭台の露と消えたフランス王妃、マリー・アントワネット。舞台のみならず映画、小説など多くの作品で描かれている王妃を、今までにない新たな視点で描く新演出版 ミュージカル『マリー・アントワネット』。2018年9月の福岡公演を皮切りに、全国3都市での上演を経て、2019年元旦開幕の大阪公演で大千穐楽を迎える歴史ロマン大作だ。王妃マリー・アントワネット(花總まり/笹本玲奈)と対峙する民衆側の娘マルグリット・アルノーを演じるソニンが大阪で会見、公演への意気込みを語った。ミュージカル「マリー・アントワネット」チケット情報大好評に終わった福岡、東京公演を振り返りソニンは、「1幕終了直後は、誰にも感情移入できないとの感想をよく耳にした」と明かす。「マリーはハチャメチャで自由奔放だし、でも人々の誤解からマリーは悪人扱いされて、そう思い込んだ民衆も民衆だし、一体何なんだこの作品はと。でもそう思って観ていると、2幕でその疑問が全部回収され、納得や共感が生まれてくる。とてもチャレンジングな作品だと思います」。マルグリット・アルノー(昆夏美とWキャスト)は、本作において唯一架空のキャラクター。マリーと同等の熱量で物語を牽引するもうひとりのヒロインでもある。「演出家ロバート・ヨハンソンから、マルグリットには民衆の一員としてお客さまを連れて、一緒に(物語世界を)旅してほしいと言われました。架空の人物ですが、当時の貧困にあえぐ民衆のリアルも表現しなければならないので、難しい。ずっと憎しみの負のオーラをまとい、幸せの瞬間が1ミリもない役なので、休日にはなるべく太陽の光を浴び、塩風呂に入るなどして邪気を払っています(笑)。普段の私は“人を許すこと”をモットーにしているので、自分と真逆の役を演じるのは本当に大変で。でもそれくらい入り込めているということでもあるので、素敵な役をいただいて役者としてはとても充実しています」。「マリーは革命の犠牲者だった」というかつてない視点で紡がれる本作。新たなマリー像との出会いも見ものだが、同時に優れた芸術がそうであるように、さまざまな解釈ができる“幅と隙”があるのも本作の魅力と語る。「ふたりの女性の物語でもあるので、特に女性のお客様は、マリーとマルグリットが互いに目を背けられない状況にあるのが分かるから、感じ入って心揺さぶられるようです。私の友人も『ミュージカルでここまで大泣きしたのは初めて』とパンパンに目を腫らして楽屋を訪れて、私の顔を見て再び泣くという(笑)。また、いま歴史として語られることも、実際に当時を見たわけではないので本当のところは分からないですよね。フェイクニュースが取り沙汰される現代にも通じる話ですが、あなたは何を信じ、どんな物差しで物事を見極めるのか。『本当の真実とは何か』と強く提示しています。そこは多くのメッセージを持つ本作のなかでも特に、誰の心にも響く濃厚で力強いメッセージのひとつだと思います」。大阪公演は、2019年1月1日(火・祝)から15日(火)まで梅田芸術劇場メインホールにて上演。チケットは発売中。取材・文:石橋法子
2018年12月19日少女マンガから抜け出たようなビジュアルで西洋のコスチュームを着こなし、数々の歴史大作でラブロマンスを演じてきた古川雄大が、ミュージカル『マリー・アントワネット』で、マリー王妃と恋に落ちるフェルセン伯爵を熱演している。「マリーは国王ルイ16世に対する愛とは別に、フェルセンに恋している。人間味あふれるマリーに、今まで多くの人が描いていた“マリー・アントワネット”の印象が変わってくる作品になるのではないかと思います」。ミュージカル「マリー・アントワネット」チケット情報18世紀、フランス。王妃マリー・アントワネット(花總まり/笹本玲奈)と庶民の娘マルグリット・アルノー(ソニン/昆夏美)、ふたりの“MA”が出会うとき、歴史に新たな真実が浮かび上がる…。『エリザベート』『モーツァルト!』を生んだミヒャエル・クンツェ脚本・歌詞、シルヴェスター・リーヴァイ音楽・編曲による歴史ロマン大作。日本では2006年の世界初演以来11年ぶりの上演が実現。今回は、2014年に韓国で初演されたロバート・ヨハンソン演出版が初登場する。初演と比較して新たに16曲が追加され、登場人物も新キャラクターが加わり、逆に姿を消した人物も。「演出家も音楽家も常により良い作品を目指しているので、9月の福岡公演で練り上げたものが10月の東京公演でさらに変更された部分もたくさんあります。特にマリーとフェルセンの楽曲、そしてルイ16世を加えた3人で歌う楽曲などはすごく変わりました」。主演のマリー役は花總まり、笹本玲奈が交互に演じる。「花總さんのマリーは恋に生きる少女のようで引き込まれます。それだけに、彼女が女性として成長していく過程で、フェルセンとしては心の距離を感じ、切ないです。笹本さんのマリーは一目みただけでも強い輝きを放つようで、王妃としての華を感じます。彼女のパワフルな歌声に引っ張られている部分もあります」。マリーといえば、貧困にあえぐ民衆に放ったとされる「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」の暴言から悪人の印象が強いが、ロバート版ではそこに一石を投じる作りになっている。「ロバートさんからは、マリーが勘違いから処刑されたことを伝えたいと言われました。王室という閉ざされた環境やオルレアン公による陰謀により、彼女は殺されてしまったのだと。もうひとりのMA、マルグリットは物語の中で唯一架空の人物ですが、彼女に観客は感情移入するんじゃないかと思います。ずっとマリーに恨みを抱いていた彼女が、その想いを変えていく…。今まで描かれたことのないマリー像に仕上がっていると思います」。大阪公演は、2019年1月1日(火・祝)から15日(火)まで梅田芸術劇場メインホールにて上演。チケットは発売中。取材・文:石橋法子
2018年11月19日ミュージカル『マリー・アントワネット』の製作発表が3日、都内で行われ、花總まり、笹本玲奈、ソニン、昆夏美、田代万里生、古川雄大、吉原光夫、シルヴェスター・リーヴァイが登場した。同作は『エリザベート』『モーツァルト!』など数々の傑作を生み出したミヒャエル・クンツェ&シルヴェスター・リーヴァイが手がけるミュージカル。2006年に日本で初演を迎えて以来世界で上演され、今回12年ぶり・新演出版で日本上演される。フランス革命で散った王妃マリー・アントワネット(花總・笹本)と、庶民の娘マルグリット・アルノー(ソニン・昆)、2人の“MA”の運命が交錯する。初演の際にもキャスト候補として名前が挙がったものの、当時は宝塚歌劇団に所属していた花總。「新演出版でも私に役を与えてくださったことに光栄ですし、身の引き締まる思いです」と感謝し、「マリー・アントワネットは、1人の女性として、1人の母親として、フランス王妃として、ものすごく成長を遂げていく。彼女がどんどん変わっていく生き様をぜひ自分なりに追求して、皆様にいろんなことを感じていただけたらいいなと思います」と意気込んだ。初演時はマルグリット・アルノーを演じ、今回出産を経て王妃を演じることとなった笹本は「 体型も戻りましたし、しっかりとドレスを着てマリー・アントワネットとして最後まで立つことができるように頑張りたいと思います」と語る。マリー・アントワネットが当時の王族には珍しく、母乳で子供を育てていた点に注目し「芯の強さを感じましたし、最後まで誇りを持っていた姿を演じたい」と役への思いを明かした。演出家から「フランス革命は、世界で一番最悪な革命だったと言われている」と聞いたというソニンは、「こないだまで(『1789 -バスティーユの恋人たち-』で)革命を信じて戦ってたのに……と思っていたんですけど、人々が革命というのに酔いしれて、自分を見失うような狂気じみた行動が出てくる。全然切り取り方が違うフランス革命を体現していて、深い」と、フランス革命の物語の魅力を分析。昆は「12年前にこの作品に出会ってから大ファンでして、『いつ、また上演されるのかな』とずっと思っていたので、自分が出演させていただけるという驚きと、日々感謝を感じている」と喜びを表した。またマリー・アントワネットの愛人となる、フェルセン公爵を演じる田代と古川の2人は「貴公子」感が大事だという紹介に笑みを浮かべる。田代は「初演を演じた井上芳雄さんが先日稽古場にいらして。お帰りになる時に『どうでした?』と聞くと、(井上は)『ほとんど知らない曲だった』と。それくらい新鮮に見てくださったようです」と、新演出版の違いを明かした。一方古川は「光夫さんから『君だけ、(『花より男子』の)道明寺みたいだね』言われて。僕も万里生さんの衣装を見てちょっとびっくりしたんですけど、 この衣装のように違いのあるフェルゼンを演じられるように頑張っていきたいです」と語り、周囲の笑いを誘っていた。オルレアン公役の吉原は、マリー・アントワネットについて「この世の中で初めてメディアに中傷された人、嘘偽りで殺されていった人」と分析。「地面がゆるい世の中じゃないですか。なんでもメディアがそう言えばこっちに行ったり」と現代の風潮に苦笑しつつ、「そういう時代の中ですが、自分は何なのかということを、作中の誰もが持っている」と、同作の魅力を表した。キャスト陣は400人のオーディエンスの前で、6曲の歌唱も披露。「100万のキャンドル」(昆夏美+アンサンブル)、新曲の「遠い稲妻」(田代万里生)、「私こそがふさわしい」(吉原光夫)と、歌い上げていく。さらに製作発表に駆けつけたリーヴァイがピアノ伴奏を務めた新曲の「孤独のドレス」(笹本玲奈)、「もう許さない」(ソニン+アンサンブル)、「あなたへ続く道」(花總まり+古川雄大)と続き、会場からも拍手が沸き起こっていた。
2018年09月02日2017年春に参加型の公演として全国8カ所で開催された「ディズニー・ハワイアン コンサート」。12,000人を動員するほどの大盛況のイベントが、約2年ぶりに新バージョンとなって開催されます。テーマは「ハワイ&ディズニー」2017年春に公開された「モアナと伝説の海」や「リロ&スティッチ」などのディズニー映画をテーマに、ハワイ&ディズニーの組み合わせで展開された前作。今回は新バージョンとして、新たなキャストが加わり開催されます。ディズニーファンにはたまらない注目の出演者昆夏美さん新キャストには、実写版「美女と野獣」のベルの声優を務めた昆夏美さんが出演。「ロミオ&ジュリエット」や「レ・ミゼラブル」など数々の有名なミュージカルで活躍するミュージカル界を牽引する大人気女優のひとりです。マーク・ケアリイ・ホオマルさんリロ&スティッチの曲「リロの歌」のシンガー、マーク・ケアリイ・ホオマルさんも新キャストとして出演。ディズニーファンにはたまらない豪華出演者の仲間入りは見逃せません。アーロン・サラさんハワイアンミュージックの世界で有名な音楽家・ピアニストのアーロン・サラさんが総合プロデューサーとして仲間入り。今作では音楽監督・ピアニスト・シンガーを担い、多彩な才能を発揮します。「ディズニー・ハワイアン コンサート2019」の詳細日時|会場1月16日(水)18:30開演神奈川:神奈川県民ホール1月18日(金)18:30開演広島 :広島文化学園HBGホール1月19日(土)17:00開演神戸 :神戸国際会館1月20日(日)14:30開演名古屋:日本特殊陶業市民会館フォレストホール1月20日(日)17:30開演名古屋:日本特殊陶業市民会館フォレストホール1月21日(月)18:30開演福岡 :福岡シンフォニーホール1月23日(水)19:00開演東京 :Bunkamuraオーチャードホール1月24日(木)14:00開演東京 :Bunkamuraオーチャードホール1月24日(水)18:00開演東京 :Bunkamuraオーチャードホール公演時間約2時間チケット価格S席;9,500円A席:8,500円チケット先行発売日・2018年8月25日(土)10:00 ~ 9月8日(土)23:59公式HP:Rakuten チケット・2018年9月10日(月) 12:00 ~ 2018年9月19日(水) 23:59※神奈川・名古屋・東京公演のみ公式HP:ローソンチケット・2018年9月21日(金)発売開始時間未定※東京公演のみ公式HP:Bunkamuraオーチャードホールチケット一般発売日2018年9月22日 10:00~出演者アーロン・サラAaron.J.Sala (音楽監督)マーク・ケアリイ・ホオマルMark Keali’I Ho’omaluナプア・グレイグNapua Greigキナ&カラニKina&Kalani昆 夏美Natsumi Konカイウラニ・カーKa’iulani Car (ミス・アロハ・フラ2016)など問い合わせ先公式HP:Disney「ディズニー・ハワイアン コンサート2019」に参加してみよう約2年ぶりに開催される「ディズニー・ハワイアン コンサート2019」。参加型の公演として大盛況をおさめた前作からパワーアップして帰ってきた本イベントは、楽しめること間違いなしです。ぜひ新年のお出かけ先の候補に入れてみてください。
2018年08月27日