とことん草間ワールド! 日本を代表する新アートスポット誕生どこまでも果てしなく増殖する水玉、ビビッドなカラー…壮大な独自の芸術で世界を席巻する前衛芸術家・草間彌生。彼女の作品が結集した「草間彌生美術館」が、満を持して東京・牛込に誕生しました。開館を記念した特別展「想像は孤高の営みだ、愛こそはまさに芸術への近づき」が、2017年10月1日(日)から2018年2月25日(日)まで開催中です。本展は最新絵画シリーズ《わが永遠の魂》を中心に、選りすぐりの代表作から最新作品までを展示した美術館のこけら落とし展。限られたスペースで安全で快適に作品を楽しむために、入場は完全予約制(1日4回入れ替え)となっています。とことん草間ワールドを体感できる本美術館は、芸術ファンはもちろん、パワーや情熱を感じたい人々にぴったりの新アートスポット。記念すべき特別展で注目したい作品の一部をご紹介します。生命賛歌を謳い続けて 《愛はとこしえ》フリーハンドで描いたドローイングを版画にした連作50点「愛はとこしえ」シリーズ。本展ではうち27点をぐるりと取り囲むように展示しました。線や水玉、紋様の反復や集積といった草間ワールドを代表するモチーフをはじめ、宇宙人のような摩訶不思議なキャラクターも登場します。作品を通してずっと「愛」について表現し続ける草間の情熱が、部屋いっぱいに溢れています。草間彌生の集大成がここに 《わが永遠の魂》2009年から制作をはじめ、今もなお新作が発表し続けられている「わが永遠の魂」シリーズ。1日1点か2日1点という驚異的な速さで制作が進む本シリーズから、選りすぐりの16点が展示されています。まるで色彩が爆発しているかのよう。アクリル絵の具で描かれた“草間ワールド”は、まさに彼女の集大成。芸術家としての飽くなき挑戦と創造の闘いを全身で感じられるはずです。いつの間にか作品の一部に… 《無限の彼方へかぼちゃは愛を叫んでいく》体感型インスタレーション「ミラールーム」は草間の代表的な表現方法のひとつ。無限に増殖するモチーフを体感することのできる最新作《無限の彼方へかぼちゃは愛を叫んでいく》が登場しました。本作はオレンジ色に瞬くかぼちゃが、闇にどこまでも広がっていく世界を表現したインスタレーション作品。鑑賞者と作品の境界線をなくしてしまうような、そこはかとないエネルギーと不思議な力が詰まった空間がありました。文/おゝしろ実結イベント情報イベント名:草間彌生美術館開館記念展「創造は孤高の営みだ、愛こそはまさに芸術への近づき」催行期間:2017年10月01日 〜 2018年02月25日住所:東京都新宿区弁天町107電話番号:(03) 5273 1778 (開館日の11:00~17:00)
2017年10月20日大人気のアーティスト、草間彌生さんの個人美術館が東京・新宿に新しくオープンしました。草間さんの世界にひたれる空間ってどんな感じなのでしょう?プレスプレビューを取材してきましたので、レポートします!開館記念展スタート!【女子的アートナビ】vol. 8710月1日に開館した草間彌生美術館では、年に2回のペースで展覧会を開催。草間さんのさまざまなアートを毎年楽しめるようになっています。こけら落としとなる開館記念展『創造は孤高の営みだ、愛こそはまさに芸術への近づき』では、最新絵画シリーズ《わが永遠の魂》を中心に構成。今展のために作られたというインスタレーション作品も展示されています。まずは、外観からご紹介。真っ白な建物が美術館です。場所は新宿区弁天町の住宅街。最寄り駅は、都営地下鉄大江戸線の「牛込柳町」駅ですが、東京メトロ東西線の「早稲田」駅からも行くことができます。こちらは入り口付近の写真。1階のガラス部分には、草間さんの水玉模様がデザインされています。細長い美術館で、中に入るとワンフロアは比較的コンパクト。展示室には階段で上がっていきます。まずはモノクロの世界へ!最初の展示室では、モノクロの連作「愛はとこしえ」シリーズの27点を見ることができます。これらの作品は、2007年から3年間で描いたドローイングを版画にした連作。黒のマーカーペンを使いフリーハンドで描いた画面には、おなじみの水玉模様をはじめ、抽象的な形が繰り返し出てきたり、細かい線がびっしりと描かれていたりして、モノクロの草間ワールドを楽しめます。3階はとってもカラフル!続いて3階の展示室に行くと、一転して鮮やかな世界が広がっています。こちらは2009年から手がけ、現在も制作を続けられている大型の連作「わが永遠の魂」シリーズ16点。1日に1点(または2日に1点)という早いペースで描かれている同シリーズは、すでに530点を超えています。2017年の春に開催された『草間彌生展―わが永遠の魂』でご覧になった人も多いと思いますが、今回の展覧会では同シリーズ最新作を初公開。新しい作品を見られるなんて、個人美術館ならではの魅力です。2分間のかぼちゃ体験♪次は4階へ。扉しか見えませんが、この部屋の中にミラールームの最新作《無限の彼方へかぼちゃは愛を叫んでゆく》があるとのこと。まずは扉の前でスタッフの方から鑑賞について次のような説明を受けます。・入れ替え制で入場する・2分間限定で鑑賞する・展示物には手を触れないそして順番に数名ずつ中に入ると、スタッフが扉を閉めてストップウォッチで2分計測。時間になると扉を開ける……という手順です。閉じ込められる感があってちょっとドキドキ。こちらが展示室内の写真。密室の中に無数の水玉かぼちゃが鎮座しています。鏡の反射や照明の効果でかぼちゃがどんどん増殖していくように見えて、ちょっと怖い感じ……。体感型のインスタレーションであるミラールームは、草間さんの代表的な作品シリーズのひとつ。これまで松本市美術館などいくつかの場所で違うパターンのミラールームを体験したことがありますが、私的には今回のかぼちゃが一番インパクト大でした。最後の5階は資料閲覧スペース。そこから続く屋上ギャラリーでは新作の巨大かぼちゃ作品《Starry Pumpkin》を見ることができます。トイレも必見!展示作品のほかに、ぜひ見ていただきたいのがエレベーターとトイレ。どちらにも赤い水玉がいっぱいデザインされていて、小さなミラールーム状態になっています。特にトイレは自分ひとりで贅沢に草間ワールドを体感できるので超オススメです(でもトイレの数が少ないので、あまり長居しすぎないようにしてくださいね)。最後は1階のショップでお土産もチェック。美術館限定のクッキーや水玉グッズなど記念に買って帰りましょう。なお、この美術館は日時指定の予約・定員制となっています。詳しくは公式サイトをチェックしてみてくださいね。Information会期:~2018年2月25日(日)※開館日は木・金・土・日曜および国民の祝日(月~水、12月25日〜1月17日は休館)時間:11:00〜17:00※1日4回(各回定員50人・90分の入れ替え制)のチケット事前購入制①11:00〜12:30(11:30までに入場)、②12:30〜14:00(13:00までに入場)、③14:00〜15:30 (14:30までに入場)、④15:30〜17:00(16:00までに入場)会場:草間彌生美術館料金:一般 1000円 / 小中高生 600円
2017年10月13日前衛芸術家として世界的にその名を知られる草間彌生の美術館(東京都新宿区弁天町107)が10月1日に開館を迎える。入館チケットは日時指定の予約・定員制、1日4回各90分入れ替えの事前購入制となっているが、人気の高さゆえ2ヶ月先まで予約がいっぱいだという。こけら落としとなる開館記念展「創造は孤高の営みだ、愛こそはまさに芸術への近づき」では、最新作の「わが永遠の魂」を中心に、モノクロドローイングシリーズや新作のかぼちゃ立体作品なども展示される。一般公開に先駆けて9月26日に行われたプレス内覧会では、草間彌生氏本人が会場を訪れ、「私の終生の念願であった草間彌生美術館を建て、みなさまに作品を見ていただきたいという心からの希望が達せられました。これは私の生涯における最大の感激であります。(中略)あなたたちの志によって私を鼓舞していただきたい。その強い願いをあなたたちに伝えたいと思い、この美術館を建てました。私の愛する美術館を、ぜひあなたも最大の愛をもって一生愛していただきたいと思っております」と開館への想いを語った。外苑東通り沿いに面した草間彌生美術館は、地上5階、地下1階建ての建物で、白い水玉模様があしらわれた壁が目印となっている。1階のエントランスを抜けて階段を上ると、2階の壁一面には、モノクロドローイングのシリーズ「愛はとこしえ」27点が展示され、さらに3階に上がると、2009年から現在も描き続けられている大型の絵画連作「わが永遠の魂」16点が現れる。今年描き上げられたばかりの「私の悲しみの青春の死が足音を立ててやってくるのだ」、「私の愛の億万のきらめきをあなたにあげたい」も展示され、モノクロ世界の2階から一変して、鮮やかで濃密な彩りの世界に引き込まれる。螺旋階段を上り4階へ着くと、初公開のミラールーム「無限の彼方へかぼちゃは愛を叫んでゆく」が待っている。暗闇の中に浮かぶ無限のかぼちゃを見つめていると、心地よい“没入感”に浸れるだろう。「無限の彼方へかぼちゃは愛を叫んでゆく」屋上には、金やピンクのタイルで飾られた立体作品「Starry Pumpkin」が展示され、新宿の街が一望できる見晴らしのよい場所で、草間作品を鑑賞することができる。階段に面したガラス窓から自然光が豊かに降り注ぐように設計された展示室や、エレベーターやトイレの中などいたるところに水玉模様があしらわれている点もポイントだ。エントランス横にあるミュージアムショップも、美術館限定のクッキーやハンカチなどが販売されているのでお見逃しなく。「Starry Pumpkin」【展覧情報】草間彌生美術館開館記念展創造は孤高の営みだ、愛こそはまさに芸術への近づき会期:10月1日~2018年2月25日会場:草間彌生美術館住所:東京都新宿区弁天町107時間:11:00~17:00(入れ替え制)休館日:月・火・水曜日(祝日は除く)、12月25日~2018年1月17日入場料:一般 税込1,000円、小中高生 税込600円、未就学児無料チケットはWEB SITE()で購入可能
2017年09月26日ファッションや映画など多様な文化を滋養にして、美しくしなやかに生き方を主張するパリジェンヌたち。世田谷美術館で開催する『ボストン美術館 パリジェンヌ展 時代を映す女性たち』のキャッチコピーも「『パリジェンヌ』は流行じゃなくて、生き方です!」とある。アメリカ・ボストン美術館所蔵のマネやドガ、ルノワールなど印象派の絵画のほか、写真やイラスト、服飾資料なども展示し、多角的に“パリジェンヌ”の源泉をたどる本展。その記者発表会が9月5日、三軒茶屋の世田谷文化生活情報センターで行われた。【チケット情報はこちら】会見では世田谷美術館・学芸部主査の塚田美紀氏が登壇し、5つのチャプターに分けられた本展について解説。チャプター1では、ルイ14世の死去により、文化の中心がヴェルサイユから、裕福な市民のサロンがあるパリへと移行する様子を紹介。技巧を凝らしたドレスや、日本の有田焼まで取り入れたティーセットも展示される。チャプター2では、フランス革命後、19世紀に見られた女性への視線が示される。小説家として活躍するような進歩的な女性も当時は登場していたが、フラゴナールの『良き母親』に見られるように「パリジェンヌの実態というよりは、社会的に期待されたイメージ」(塚田氏)が数多く描かれた。チャプター3では、19世紀半ばにパリの街の大改造が行われたことで、市民の消費も拡大。パリジェンヌのモードが発展を遂げ、ついには世界中で注目を浴びるに至った様子が示される。サージェントの『チャールズ・E.インチズ夫人』は、パリジェンヌ風のドレスに身を包んだアメリカの女主人を描いた名作だ。続くチャプター4では、いよいよ19世紀後半にルノワールやドガら印象派の巨匠たちの作品が登場する。中でも注目は、マネの大作『街の歌い手』。今回は約70年ぶりの修復後、初の公開となる。その後も画家たちのミューズとなった多くの女性たちや、カサットやモリゾなどの女性画家、またサラ・ベルナールら女優の台頭によって、パリジェンヌの名声は高まってゆく。チャプター5では、20世紀に入ってのカルダンやバレンシアガのドレスや、踊り子のイラスト、モデルや女優の写真までを紹介。5つのチャプターをたどることで、パリジェンヌが後世の文化にいかに影響を与えたかを改めて感じられる内容になっている。本展は2018年1月13日(土)から4月1日(日)まで東京・世田谷美術館で開催。その後は4月11日(水)から6月10日(日)まで広島・広島県立美術館にも巡回予定。取材・文佐藤さくらPhotographs(C)Museum of Fine Arts, Boston
2017年09月19日女子的アートナビ番外編、今回はパリで超有名な美術館のひとつ、オルセー美術館の取材レポをお届けします!もとは〇〇だった!【女子的アートナビ】番外編オルセー美術館は、パリ左岸、セーヌ川沿いにあります。もとは駅だった場所を使っているので、建物や内部もちょっと独特。あとで館内の写真もお見せしますが、駅の風情も感じられるステキな空間になっています。こちらは入り口の写真。時刻は開館30分前の9時ですが、すでに人が並び始めています。現在、パリではテロ防止のため、美術館や教会等の施設に入る際、手荷物検査やボディーチェックが行われています。特に人気の美術館では、入場までに30分以上待つこともあるので、朝一番や閉館前など比較的空いている時間帯に行くと入りやすいです。空間がとってもおしゃれ♡それでは、館内に入ります!オルセー美術館はルーヴル美術館、ポンピドゥー・センター(国立近代美術館)と並ぶパリ三大美術館のひとつ。主に1848年から1914年までの西洋美術作品が展示されています。1900年のパリ万博にあわせて建設された駅舎を再利用しているので、丸天井の空間がそのまま残されていて開放感たっぷり。装飾などもおしゃれです!大人気の印象派ギャラリーへ館内は3つのフロアにわかれているので、まずは最上階の5階にある印象派ギャラリーから鑑賞スタート。モネ、マネ、ルノワールやシスレー、セザンヌなどなどの超有名な作品かズラリと並んでいます!オルセー美術館の展覧会は日本でもたびたび開かれているので、何度か目にしたこともある絵画も展示されていますが、やはり現地で見るのは格別。上の写真はエドゥアール・マネの傑作《草上の昼食》です。こんな名画、なかなか日本では見ることができません!この作品は4人の男女が森の中でピクニックをしている場面を描いたものですが、男性たちはスーツにネクタイまでつけているのに、手前にいる女性はヌード。しかも現実世界にいる女性のようです。当時、ヌードは神話世界に出てくる女神を描くのが一般的だったので、この絵は「下品だ!」とかなり批判を浴びたようです。2階にはゴッホの人気作も!2階にあるゴッホとゴーガンの展示室にきました。やはりゴッホの人気は絶大!人が集まり、熱気ムンムンです。こちらはゴッホの《星月夜》。ローヌ川の左岸からガス灯がきらめくアルルの街の夜景を描いたもので、青と黄色のコントラストがとてもきれいです。画家自身も愛着を持っていた作品で、オルセーのなかでも人気作のひとつです。このほか、2階ではスーラやシニャックなど新印象派の絵画やロダンなどの彫刻、アールヌーヴォーの家具なども見ることができます。熊もヌードも見られる地上階へ!地上階に降りてきました。ここには、ロダンの弟子、フランソワ・ポンポンの彫刻《白熊》があります。シンプルな造形なのに、すごい熊っぽくて愛らしさ満点!来館者にも大人気の作品です。こちらはマネの《オランピア》。古典的な絵画の構図をまねていますが、横たわる女性は現実世界の娼婦として描かれています。先ほどご紹介した《草上の昼食》と同じく、この絵も当時は大ブーイングを受けたそう。これらの問題作品も、今では近代絵画の傑作といわれています。私はマネが好きなので、ご紹介作品が偏ってしまいましたが、オルセー美術館にはほかにもクールベやナビ派、ロートレックの絵画などまだまだ多くのすばらしい作品があります。館内にはおしゃれなカフェやレストランもあるので、休憩しながら丸一日滞在するのがおすすめです。ミュージアムショップもすごい!ミュージアムショップは美術館を出たところにあります。オルセー美術館の所蔵作品をモチーフにしたステーショナリーや食器、スカーフなどがいっぱい!思わず買ってしまったのが、ポンポンの《白熊》ミニチュア版。小さくてもかわいい!ゴッホの《星月夜》がプリントされたマイクロファイバーも入手。発色がきれいです。夕刻、美術館を出ると、入り口にはまだ人が並んでいました。ふだんは18時閉館ですが、木曜日だけは21時45分までOK。なので、木曜夜に訪れると入りやすいかもしれません。オルセー美術館は作品だけでなく、駅舎を利用した建物も、レストランのランチもショップのグッズも何もかもがステキでした。パリに行く機会があったら、ぜひぜひ足を運んでみてくださいね!※本記事の写真はオルセー美術館の許可を得て撮影・掲載しています。
2017年09月12日熊谷守一没後40年の大回顧展が、2017年12月1日(金)~2018年3月21日(水・祝)の期間、東京国立近代美術館で開催されます。スケッチや日記まで含めて200点を超える展示品が集められ、97年の人生をひたすらに生き、描き続けた熊谷の人生と、その創作の秘密に迫ります。97年の人生をひたすらに生き、描いた画家、クマガイモリカズ花や鳥や虫、何気ない庭の一角。明快な線と色で身近なものを描く作品で広く知られる熊谷守一。一見おだやかに見える作品の背後には、科学者のような観察眼と、考え抜かれた制作手法が隠れています。97年の人生をひたすらに生き、描いた画家の軌跡を存分に紹介する――それがこの、没後40年の大回顧展です。●熊谷守一とは1800(明治13)年、岐阜県恵那郡付知村に生まれた熊谷は、1897(明治30)年に上京。1900(明治33)年、東京美術学校西洋画科撰科に入学し、黒田清輝、藤島武二らに師事しました。一時帰郷して材木運搬などの仕事に就くも、再上京。二科会を中心に発表を続け、二科技塾の講師も務めます。戦争を挟んで次々と家族の死に見舞われた熊谷。戦後、明るい色彩と単純化されたかたちを特徴とする画風を確立し、97歳で没するまで制作をおこないました。熊谷は、こんな言葉を残しています。「みんなはわたしのことをすぐ仙人、仙人と呼びますが、わたしは仙人なんかじゃない、当たり前の人間です……」熊谷守一の実直な人柄が偲ばれる言葉ですね。●展覧会の構成※章のタイトルは全て仮題です●1章 画業の始まり(1910-1920年代)1900年、熊谷は東京美術学校(現・東京藝術大学)に入学し、黒田清輝らの指導を受けました。授業で人体のデッサンを学び、1920年代以降の裸婦像の基礎を作ります。また、闇の中でのものの見え方を追究するなど、早くから独自のテーマにも取り組みました。1910年、故郷岐阜に戻り、材木を扱う仕事に就いたのち、再上京。山仕事の経験は生涯、作品や生活態度に影響を与えました。●2章 さまざまな模索(1930-1940年代)この時期の熊谷は、絵の具を厚く塗り重ねる技法を用いて多くの裸婦像を描きました。また、山や海に出かけて風景画を制作してもいます。こうした裸婦像や風景画の中から、くっきりした輪郭線と色に特徴付けられる戦後の作風が、次第にかたち作られていきました。この頃に描かれた膨大な数のスケッチは、戦後の作品にも繰り返し使用され、熊谷作品の土台を成すものとなりました。油彩以外に書や水墨画を手がけるようになったのも、この頃です。●3章 線と色の完成(1940-1970年代)戦中から戦後にかけ、くっきりした輪郭線と色を特徴とする、もっともよく知られた画風が完成しました。熊谷は76歳の時に体を壊し、それ以後は自宅から滅多に出ず、庭の花や虫、鳥といった身近なものを描くようになります。しかしながら実は、こうしたモチーフのいくつかは、1940年代に描かれたスケッチに登場しています。そのことからも、長期にわたってねばり強く関心を持ち続ける熊谷の制作の特徴がうかがえます。【展覧会概要】名称:「没後40年熊谷守一生きるよろこび」会期:2017年12月1日(金)~2018年3月21日(水・祝)会場:東京国立近代美術館所在地:千代田区北の丸公園3-1URL:
2017年09月01日ツタンカーメンから村上隆まで…ボストン美術館の至宝が登場(写真左)フィンセント・ファン・ゴッホ《郵便配達人ジョゼフ・ルーラン》1888年、(右)フィンセント・ファン・ゴッホ《子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人》1889年何世代もの偉大なコレクターたちに支えられ、卓越した美術作品を収蔵するボストン美術館。北米で一番歴史のある美術館から、古代エジプトや中国美術、日本美術、はたまたフランス絵画やアメリカ絵画、版画・写真、現代美術といった珠玉の美術作品80点が堂々来日しました。<ボストン美術館の至宝展-東西の名品、珠玉のコレクション>は、上野の東京都美術館で開催中。東京会場での会期は2017年7月20日(木)〜10月9日(月・祝)となっています。巡回展となる本展は、東京会場の後、神戸、名古屋へと場所を移し開催予定です。まるで美術の百科事典、ボストン美術館のエッセンスをぎゅっと凝縮した貴重な機会を見逃すことなかれ。初里帰りの涅槃図やゴッホの傑作も大注目まず注目したいのが、本展で初めての里帰りを果たした、英一蝶(日本 1652-1724)の《涅槃図》(1713)です。横たわる釈迦の周りで生きとし生けるものすべてが感情豊かに嘆き悲しむ様子を描いた本作は、1911年にボストン美術館コレクションに収蔵されました。そして2016年8月から2017年5月まで大規模な修理が施され、その彩りを今に伝えます。古来の伝統を今の技術者が後世に残してゆく、大きな営みを細部までじっくりとご覧あれ。そしておなじみフィンセント・ファン・ゴッホ(オランダ 1853-1890)の描いたルーラン夫妻の肖像もそろって来日。ゴッホの親しい友人であったジョゼフ・ルーランをはじめ、ゴッホはその家族をモデルに20点以上もの肖像を描いたといいます。その中から《郵便配達人ジョゼフ・ルーラン》(1888)と《子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人》(1889)の傑作2点が満を持してやってきました。(写真左)クロード・モネ《ルーアン大聖堂、正面》1894年、(右)クロード・モネ《アンティーブ、午後の効果》1888年他にもお馴染みのモネの睡蓮といった印象派の絵画や、近代的な手法を用いた写真コレクション、今日も根強い人気を誇るアンディ・ウォーホルなど、見どころを挙げれば尽きることはない本展。美術ファンは垂涎間違いなし!取材・文/おゝしろ実結イベント情報イベント名:ボストン美術館の至宝展-東西の名品、珠玉のコレクション催行期間:2017年07月20日 〜 2017年10月09日住所:東京都台東区上野公園8−36東京都美術館企画展示室電話番号:03-5777-8600
2017年08月25日おもちゃ売り場に行くと女の子向けのおもちゃと男の子向けのおもちゃがはっきり分かれています。メルちゃんは戦隊ヒーローグッズと一緒には並んでいないし、プリンセスはトミカと一緒に並んではいません。そこで、なんのために子どもがおもちゃで遊ぶのか、根本的なところから考えてみましょう。■おもちゃは出力するためのツール通常、女の子のおもちゃと男の子のおもちゃをはっきりと区切る保育園や幼稚園は少ないと思います。それは子どもの好奇心が何よりも大切だからです。子どもたちは、毎日たくさんの情報を吸収しているので、子どもは遊びを通して頭のなかを整理するのです。そのため、おままごとをしているとき、男の子でもお母さん役をするし、女の子でもお父さん役をします。昨日あったできごとや自分がなりたい自分に、おもちゃや遊びを通してなりきります。そうしたことで積み重なった頭の中のことを発散し、整理するのです。一言で説明するとおもちゃは子どもにとって「出力ツール」なのです。秩序が芽生えた時期に大活躍するおもちゃ3歳ごろになると「秩序」が芽生えます。例えば道路は端っこを歩かなければいけない、ご飯を食べながらスマホやテレビを見てはいけない、靴は脱いだら揃えなければいけないなど、保育園やご両親から得たルールを人に求める時期です。それはもう赤ちゃんではない証拠です。彼らは「僕だってちゃんと見てるんだぞ」と正義の塊になります。以前、担任をしていたクラスに秩序の塊のような男の子がいました。誰かが順番を守らなかったり、食事中におしゃべりしたり、脱いだ靴をすぐにしまわなかったりすると一目散に飛んできて注意するんです。気づけば同級生に「○○くん、うるさい」「こないで!」なんて言われるようになり、少し可愛そうでした。そんなとき個人面談でお母さんから「電車のなかやスーパーなどで見知らぬ人を注意するようになって困ってる」と相談を受けました。これは彼が今まで教わった秩序のアウトプットが足りていないと解釈した私は、メルちゃんを買うことを勧めました。すると、彼はメルちゃんという自分でお世話しなければいけない人形=今まで教わったことをアウトプットする対象を得ました。そして、数日後から彼は保育園で友だちに注意することをやめ、公共の場で見知らぬ人に注意することもやめました。こういった例があるように、おもちゃは男女関係なく子どもたちに寄り添います。子どもが、なにかしらの理由を元におもちゃを求めることはよくあることです。頭ごなしにダメ、というよりも子どもの遊んでいる様子を観察してから考えてみてください。
2017年08月16日優れた玩具で遊んでほしいという願い目黒区美術館は、1987年に開館して以来30年の間、国内外の質の良い木製玩具を収集してきました。「子どもたちには優良な玩具を身近に感じ遊んでほしい」という願いから今回の展示会を開催。スイスの有名玩具メーカーの創業者が残した、「子どもはおもちゃを通して、世界を知っていく」をテーマにしています。木の魅力を堪能できるワークショップも開催予定です。「みる・遊ぶ・知る」の視点から北欧の玩具を紹介7月8日(土)から9月3日(日)まで開催されている展示会「ヨーロッパの木の玩具-ドイツ・スイス、北欧を中心に」。本展示会は主に、三つの視点から玩具を紹介するユニークなスタイルです。北欧の木で出来た玩具を「みる・遊ぶ・知る」の視点から楽しめます。「みる」では、数百点ある木製玩具のコレクションを展示し、積み木やパズルを見ながら遊びの想像力を膨らませます。「遊ぶ」では、実際の木製玩具に触って遊ぶことができます。「知る」では、ドイツで伝統玩具を作っているアーティストが来日し、日本で初めて作品作りを実演します。木製ろくろで作る玩具の精巧さに大人も夢中!展示会の開催中に、ドイツのエルツ地方で玩具を作っているクリスチアン・ヴェルナー氏が来日します。エルツ地方で作られている玩具は「ライフェンドレーエン」という木製ろくろが使われます。これは世界でも珍しい技術で、ヴェルナー氏はその技術を習得した数少ないアーティストです。その木製ろくろで作られた動物のおもちゃは精巧で、見る人を夢中にさせます。ヴェルナー氏のワークショップと公開制作と共に、「キャンドル立て 動物たち」という展示作品にも注目です。プレイルームで木の玩具の魅力に触れる展示会ではプレイルームが併設されており、目黒区美術館がコレクションした木の玩具に触れて遊ぶことができます。鮮やかな色付けがされた積み木や、動物の形をしたパズルなど、子どもだけではなく大人も楽しめる玩具が揃っています。また、美術館で人気のスイスの玩具メーカー、ネフ社の玩具も遊ぶことも可能。木の玩具ならではのぬくもりを感じられ、魅力を発見できるプレイルームで、楽しい時間を過ごしてみませんか?展示会に関連したワークショップも開催予定今回の展示会に合わせ、目黒区美術館では子どもの夏休みの期間中に様々なワークショップを企画しています。手のひら位の大きさの木を磨いて木目を浮かび上がらせるなどの、子どもも大人も木の魅力を感じて楽しめる企画が予定されています。木の玩具を収集し続ける目黒区美術館ならではの、木に焦点をあてたワークショップは他ではなかなかできない体験です。目黒区美術館は、JR目黒駅から約10分、東急東横線の中目黒駅からは約20分ほどのところにあります。周辺は緑が豊かで、地元の人の憩いの場にもなっています。木の質感や魅了を存分に堪能できる展示会に、是非足を運んでみてください。イベント情報イベント名:ヨーロッパの木の玩具(おもちゃ)―ドイツ・スイス、北欧を中心に催行期間:2017年07月08日 〜 2017年09月03日住所:東京都目黒区目黒2-4-36電話番号:03-3714-1201
2017年07月27日東京・上野にある東京都美術館で「ボストン美術館の至宝展ー東西の名品、珠玉のコレクション」が、2017年7月20日(木)~10月9日(月・祝)まで開催されています。ゴッホの傑作であるルーラン夫妻の肖像画や、日本を代表する浮世絵師・喜多川歌麿の作品など世界を代表する名作80点がこぞって来日。古代エジプト、日本美術、中国美術、フランス絵画、現代美術など、盛りだくさんの展覧会の見どころを、アソビュー編集部員が取材してきました。ボストン美術館とはアメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストン市にある美術館・ボストン美術館。地元市民をはじめとした多くの美術コレクターの作品寄贈によって、1870年に設立されました。アメリカ独立100周年の1876年に開館し、2020年には設立150年を迎えます。国や州の財政的援助を受けることなくコレクションの拡充、施設の拡張を続けており、世界屈指の規模を誇ります。選りすぐりの傑作80点を展示!約40年ぶりに来日する至宝たちは必見ボストン美術館のコレクションを対象とした展覧会は、過去に何度か開催されてきました。しかし、古代エジプト・日本美術・中国美術・フランス絵画・現代美術から現代アートまで幅広いジャンルの傑作が展示され、総合的に楽しめる展覧会が開催されるのは、日本で約40年ぶり。またとないこの機会を逃したら、次に開催されるのはまた40年後かもしれません。世界の至宝が年代、ジャンル問わず一堂に会する「ボストン美術館の至宝展」の気になる内容を見ていきましょう!沢山ある作品の中から編集部員が厳選した「これだけは見てほしい!」至宝をご紹介します。1章古代エジプト美術1876年の開館当初から、館内で重要な位置を占めていた古代エジプト美術。地元の収集家よって貴重なコレクションからの寄贈を受け、確かな出土品の獲得に努めてきました。1905年からはアメリカのハーバード大学と共同で発掘調査も開始。その発掘成果は、今日で40,000点を超えボストン美術館の古代エジプト美術コレクションの中核となっています。今回の展覧会では、エジプトの都市・ギザで発掘された古王国時代の出土品を中心に、11点がボストンから来日しています。●「墓のレリーフの断片供物の行列をみる墓主ケネブ」今から4,000年以上前のギザに居住していた建築家の大家族のひとりだった、ケネブの墓から発掘されたこの断片。断片の上部に描かれているのは、神々への最高の捧げものである雄牛を引いた二人の男です。一体どこへ向かっているの?と問いかけたくなる彼らは、この断片とは別の区画に描かれているケネブのもとへと向かっているそう。ちなみに、左下に頭部だけのぞかせている人物は、ケネブの兄弟にあたるペピィメルアンクプタハが描かれたものです。●「ツタンカーメン王頭部」額に長方形の布を当て、耳を出す形で頭を覆うネメス頭巾を被った姿が印象的な、「ツタンカーメン王東部」。若くして亡くなった謎の少年王・ツタンカーメン王を象ったこの石像頭部は、彼の墓ではなくツタンカーメン王が信仰を復活させた古代エジプトの太陽神・アメン神を主祭神とするカルナック神殿から出土した作品の可能性が高い、と伝えられています。凛とした顔だち、彼を象徴するネメス頭巾が特徴的な至宝です!2章 中国美術古代エジプト美術に続き、中国美術作品も多く保有されています。作品の余白などに描かれた絵と、関連した文書や詩が添えられている中国美術特有の作品が、多数展示されています。●徽宗、「五色鸚鵡図巻」1110年代頃中国の王朝・北栄の第8代皇帝の徽宗(きそう)によって描かれた作品です。徽宗が花鳥画を専門分野としていたことは、歴史的にも文献的にも知られること。1000年以上も前に書かれた作品にも関わらず、真筆であると広く受け入れられてきました。題詩によると、中国南部の地である嶺表から、“ズグロゴシキインコ“という珍しい鶏が宮廷へと献上された出来事を記念して描いた絵と言われています。杏の花が咲きほこる庭園を鶏が飛ぶ姿を記録するために皇帝が描き上げた、淡く優しい色使いの作品は必見です。●陳容、「五龍図巻」1244年約10メートルに及ぶ長大な絵巻。沸き立つに描かれるのは9匹の龍が、沸き立つ雲と荒れ狂う波の中を飛翔する姿が筆墨によって描かれている存在感抜群の作品です。作者である陳容(ちんよう)は、画家をはじめ、地方官吏・書家・詩人でもあり多才な人物だったと言われています。画家としては、水墨画を得意とし竜画の名手としても名高かったそうです。実物の他に、見やすいように拡大展示もされています。じっくりと細部まで鑑賞し、墨に墨を重ねる「破墨」や墨をはね散らす「溌墨」と呼ばれる巧みな技法が使われている箇所を見つけてみてください。3章 日本美術今回の展覧会でも大きな注目を集めている、日本美術コレクション。日本国外で最も日本美術作品を所蔵しているボストン美術館には、なんと約10万点に及ぶ日本作家の作品があるのだとか!19世紀後期に日本を愛し、日本中を旅した偉大なコレクター達が収集した美術品たちは、ボストン美術館のあるアメリカにおいて、日本文化の敷衍や正当な評価の生み出しにも貢献しました。日本から渡米し、初めての日本へ里帰りする作品にも要注目です。●司馬江漢、「秋景芦雁図」1700後~1800初年哀愁ただよう雁(カリ)が目を引く、司馬絵江漢の絵画作品。司馬江漢は、江戸時代の蘭学者(オランダ語を通じて輸入された西洋学問の研究者)であり、画家でもありました。確かによく見ると、作品右上の落款には、横書きのオランダ語のサインも添えらえています。彼は、狩野派、浮世絵など様々な画流を学びましたが、特に洋風画の開拓者として知られています。この作品も西洋画にヒントを得て、水平線を低く描き、遠近法を用いた景色を後景に描くことで、画面上に奥行きと広がりある世界が演出されているのです。ちなみに、作品名にもあるように、この作品が描かれている季節は“秋”ですが、「冬景芦雁図」という“冬”バージョンの作品も。雪景色が広がり、その中にうずくまる雁が描かれた作品「冬景芦雁図」は、この機会にぜひ合わせてみてほしい作品です。●英一蝶、「涅槃図」1713年とにかく大きい!至宝がずらりと並ぶ館内でもひと際目立つ「涅槃図」。それもそのはず、画面だけでも高さ約2.9m、幅約1.7m、表具を含めれば高さ約4.8m、幅約2.3mにも及びます。涅槃(ねはん)に入る釈迦と悲しみにくれる人々、動物、羅漢たちがぎっしりと描かれています。鮮やかな色彩も美しいです。作品の大きさと劣化がが目立ち、収蔵されているボストン美術館でも25年以上公開ができていなかったこの作品。なんと、今回の展覧会開催を機に画面の亀裂や汚れ、糊離れなどの改善を主におよそ170年ぶりに本格的な解体修理が実施されました。現地のコレクターにより渡米した「涅槃図」は、今回約130年ぶりに初めて日本に里帰りを果たします。作品解説もしっかりとされているので、ぜひ立ち止まってチェックしてみてください!●鳥居派、「絵看板鈴木栄小町」1758年現代の街中広告や電車内のつり革広告のような役割を果たしていた、絵看板。人々を歌舞伎の芝居へと引き込むポスターとして芝居小屋の軒下に飾られ、画面には主役の演者たちが演じる選りすぐりの場面が描かれています。美術品というよりは、飾られる期間が限られる宣伝物だった絵看板は、ほとんどが破棄されており現存しているものはほんのわずか。そんな貴重なこの作品は、現存される看板絵の中でもっとも古いものなのだそうです。●喜多川歌麿「三味線を弾く美人図」1805年頃近年、国内外問わず巻き起こっている“浮世絵ブーム”!北斎、広重、写楽と並び世界的に知られる浮世絵師、喜多川歌麿が晩年に手がけた「三味線を弾く美人図」も展示されています。浮世絵黄金期に美人画絵師として活躍した歌麿の集大成と言われるこの作品は、“横長の軸” “上半身のみの構図”といった珍しい構図が特徴!三味線の調律をしているこの美人は手の込んだ髪飾りを身に着けていることから、芸者または娘浄瑠璃師が描かれているのではないか、と示唆されています。4章 フランス美術数多くのヨーロッパ美術コレクションの中から、世界的に特に名高い19世紀フランス絵画のコレクションが厳選されて来日しています。特に、モネ、ルノワール、ピサロ、ミレー、そしてヴァン・ゴッホの作品は見逃せません!まさにフランス美術における至宝がずらっと並ぶこの章は、見どころ満載です。●カミーユ・ピサロ、「ポントワーズ、道を照らす陽光」1874年019世紀のパリ郊外にある小さな町が優しく描かれたこの作品。比較的幅の広い筆遣い特徴的な表現は、ピサロの初期作品にみられる特有の技法です。都会を離れ、田園地帯に実際に身を置いて制作されたこの作品は、身の回りにあるごく普通の情景が率直に描かれた作品となっています。●クロード・モネ、「睡蓮」1905年1日本でもファンが多い、フランスの印象派を代表する画家・モネの作品です。画面に描かれる睡蓮の花はもちろん、この絵の見どころはなんと言っても“水面”。画面上には“水辺に浮かぶ睡蓮”しか描かれていないものの、水面に映る光や空、岸辺の樹々から水辺を囲む周囲の世界を垣間見られます。水平線などこれといった区別や線引きを表すものはないにも関わらず、画面の下から上へと遠ざかるように奥行きを感じさせるこの作品は、1909年にパリで発表された彼の名作の一つです。●アンリ・ファンタン=ラトゥール、「卓上の花と果物」1865年2まるで写真みたい!と絵の繊細さに思わず驚いてしまうファンタン=ラトゥールの静物画。彼は、独特かつ保守的な様式での制作を好み、とにかく細部まで実物をそのまま描写する静物画、その中でも特に花の絵画を専門とする画家でした。●フィンセント・ヴァン・ゴッホ、「郵便配達人ジョセフ・ルーラン」1888年、「子守唄ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人」1889年3ゴッホは、1888年にパリを発って南フランスを発って南フランスにある小さな町・アルルに移住しました。その時に、町内で最も親しい友人となり、彼のお気に入りのモデルとなったのが地元で郵便の仕事をしていたジョセフ・ルーランでした。ちなみに、夫・ジョセフをモデルにした油彩画はこの作品を合わせて、全部で6作品あり、本作は一番最初に描かれたものです。また、ほぼ全身を描いた唯一の作品としても有名です。ゴッホは、のちにジョセフの妻・オーギュスティーヌと3人の子供たちの肖像画も手がけました。夫妻の肖像画が来日するのは、今回が初めて!展覧会の目玉作品として注目を集めています。●エドガー・ドガ、「腕を組んだバレエの踊り子」1872年4フランスの印象派画家のドガは、踊り子をモデルとした作品を多数残している「踊り子の画家」として有名です。ここでいう“踊り子”とは、パリのオペラ座のバレリーナを指します。裕福な銀行家の息子だったドガはオペラ座の定期会員となり、会員しか許されない舞台裏に出入りすることも許されていました。よって彼は生涯にわたり、その時にみた踊り子の自然なしぐさや表情が描写された作品を生涯多数残しています。ちなみに、この作品はドガがなくなったとき、彼のアトリエに未完成のまま残されていたものなのだそうです。5章 アメリカ絵画5絵画の最終章を飾るのは、もちろんボストン美術館のあるアメリカ美術です。18世紀から20世紀半ばまで、様々な年代の作品を楽しめるアメリカ絵画コレクションは見ごたえ抜群です!●ジョン・シングルトン・コプリー、「ジョン・エイモリー」1768年6縦横それぞれ1メートル以上ある、大きなキャンパスに描かれたダイナミックな当時の貿易商の肖像画です。手には自分宛ての手紙、背後には帆船が描かれ、海運業で利益を得ていた彼の功績がそれらのアイテムによって表現されています。●ジョン・シンガー・サージェント、「ロベール・ド・セヴリュー」1879年7子犬と少年のどこかぎこちない表情が愛らしい、この作品。野心的なアメリカ人画家・サージェントは主にイギリスを拠点として活躍しましたが、イタリアに生まれフランスで美術教育を受けた生い立ちから、欧州各国の影響を受けた独特な画風が特徴的です。伝統的な古典技法を用いて多数の肖像画を手掛けた「最後の肖像画家」とも呼ばれています。●ジョン・シンガー・サージェント 、「フィスク・ウォレン夫人(グレッチェン・オズグッド)と娘レイチェル」1903年8これもまたサージェントの縦1.52メートル・横1.03メートルほどある大きな肖像画です。モデルとなった夫人は、音楽と美術を愛した教養のある国際人で二児の母親でもあり、作品からもどこか知性や母性を感じられる温かみがあります。ブロンズの髪やシルクドレスの質感、うっすら赤らんだ頬の巧みな描写と優しい色合いに、思わずうっとりしてしまいます。6章版画・写真919世紀半ばから20世紀にかけてのアメリカを描写した収集作品の中から、アメリカを代表する芸術家のホーマー、ホッパー、シーラー、アダムの4人の作品が展示されています。モノクロの世界に映しだされた、当時の人々の暮らしや自然の美しさにはどこか懐かしさすら感じます。7章現代美術19世紀~20世紀以前の作品が多く収蔵されていることで知られるボストン美術館ですが、現代アートをけん引するアーティストの作品も多数展示されています。今回は、ウォーホル、村上隆をはじめ、色鮮やかな風景画が有名なホックニーや写真から映画まで幅広い制作領域をもっているテイラー=ジョンソンの作品が大集結!ケヒンデ・ワイリーの「ジョン、初代バイロン男爵」など、現代アートらしいポップで鮮やかな作品たちが、見る人を元気にしてくれます。展覧会限定のオリジナルグッズも要チェック!ミュージアムショップには、ボストン美術展限定のオリジナルグッズも多数販売されています!気になった作品がモチーフとなったグッズは、つい欲しくなってしまうはず。注目作品はの多くは、どれもグッズになっています。オリジナル巾着にあめが入ったオフィシャルグッズは、お土産にも喜ばれそう。巾着には、ゴッホの“ルーラン夫妻”や、歌麿の“三味線を弾いた弾く美人”など展覧会の注目作品の数々でモデルになった人物がランダムにプリントされています。まさに、これぞ夢のコラボ!といった限定グッズはここでしか手に入らないので要チェックです!退館するときも必見!「会場限定記念号外」とフォトスポット展覧会を見終えて最後の最後に置いてあるのが、この「会場限定記念号外」。訪れた人しか手に入らないこの号外は、「涅槃図」や“ルーラン夫妻”、「睡蓮」などの主要作品がすべてもれなく掲載されています。もちろん、号外なので無料です。来館記念に一部持ち帰ってみてはいかがでしょうか。今回の展覧会の大注目作品であるゴッホの「ルーラン夫妻」と記念撮影ができるフォトスポットもあります。ボストン美術館の至宝展では、今しか見られない至宝たちが勢ぞろい。期間中には、タイアップイベントやスペシャルコンテンツも続々と登場予定です。これを逃したらしばらく見られないかも!?普段あまりアートに触れない人でも気軽に楽しめる、この夏イチ押しの展覧会です。イベント詳細名称:ボストン美術館の至宝展ー東西の名品、珠玉のコレクション会場:東京都美術館 企画展示室住所:東京都台東区上野公園8−36会期:2017年7月20日(木)~10月9日(月・祝)開催時間:9:30~17:30 ※金曜は20:00まで、7月21日、28日、8月4日、11日、18日、25日は21:00まで ※入室は閉室の30分前まで 休室日:月曜日、9月19日(火) ※ただし、8月14日(月)、9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開室料金:一般 1,600円(1,400円)、大学生・専門学校生 1,300円(1,100円)、高校生 800円(600円)、65歳以上 1,000円(800円)公式サイト:
2017年07月21日きっと美術館が好きになる!!子どものための特別な日「キッズデー」とはUpload By 発達ナビニュース感受性の豊かな子ども時代に、美術・芸術になるべくたくさん触れさせてあげたい。でも、「美術館は静かに鑑賞するもの」という暗黙のルールを意識して、落ち着きがなかったり、静かに鑑賞することが難しいお子さんを美術館に連れて行くことに、ためらいを抱かれる保護者の方もおられるかもしれません。本日ご紹介する東京都美術館の「キッズデー」は、そんなご家族の心配を解消すべく生まれた、子どもとその家族のための特別な日。普段は休室日である月曜日を、子どもたちのために特別に開室し、周りを気にすることなくゆったりと過ごすことができる企画です。昨年に続き、2回目の実施となる今回は、子どもたちに、美術館を楽しんでもらうためのさまざまなプログラムを用意しているとのこと。また子ども専用の日のため、子どもたちがのびのびと展覧会を見て回ることができます。キッズデーの特別プログラムとは!?その一部をご紹介!事前申し込み不要で参加できる「とびらボードでGO!」では展示室の作品を実際に見ながら、とびらボードと呼ばれる磁気式のボードにスケッチをすることができます。Upload By 発達ナビニュース子どもたちが頑張って描いたスケッチは、スキャナーで読み取り、色をつけた後に絵ハガキにして持ち帰ることができるそうです。Upload By 発達ナビニュースアート・コミュニケータが子どもに寄り添い、展覧会を一緒に楽しむプログラムも!Upload By 発達ナビニュース東京都美術館(都美→とび)では、一般の方と美術館の架け橋となるような大人たちが、アート・コミュニケータ、「とびラー」として活動しています。「とびとびスペシャル ボストン美術館」のプログラムでは、美術館を楽しむ達人である「とびラー」たちが、障害の有無にかかわらず、子どもたちに寄り添い、いっしょになって展覧会を楽しみます。とびラーは障害に関する専門家ではありませんが、子どもたちが美術館に来てくれることを心待ちにしている大人のお友達として一緒に美術館を楽しんでくれます!「他のお客さんへ迷惑を掛けてしまうのでは?」「実際のところ、美術はよく分からないから」そんな不安をお持ちでも、とびラーが心強い味方になって親子での美術鑑賞を後押ししてくれるとのこと!こちらのプログラムは、あらかじめ予約が必要となっています(申し込み多数の場合、抽選)。締切は7/17(月) 23:59までとなっているので、興味のある方はお申し込みをしてみてはいかがでしょうか。東京都美術館「キッズデー」開催概要キッズデーにご来場頂いた中学3年生以下のみなさん(先着1000名様)には、特別なプレゼントもご用意しているそうです。気兼ねなく美術館を楽しむことができるこの機会。自由研究の題材も見つかるかもしれませんね!2017年7月31日(月)9:30~16:00(入室は15:30まで)東京都美術館 企画展示室中学3年生以下の子どもとその保護者※ただし、小学3年生以下の方は保護者同伴での入室をお願いします。中学生以下は無料、保護者はボストン美術館の至宝展の観覧券(招待券・前売券も可、半券不可)が必要申し込み不要。開催日時にご来場ください。 ただし、「とびとびスペシャル ボストン美術館」等、一部のプログラムは事前申し込みが必要です。詳細は以下のWebページをご覧ください。キッズデーのご案内|東京都美術館関連するイベント:「障害のある方のための特別鑑賞会」(事前申し込み制)東京都美術館では、定期的に障害のある方のための特別鑑賞会を実施しています。普段は混雑している特別展を障害のある方が安心して鑑賞できるよう、休室日に開催する鑑賞会です。キッズデー同様に、ゆったりと展覧会を楽しむことのできるイベントとなっています。このイベントは、身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳などを持っている方とその介助者(1名まで)が対象となります。次回は2017年8月28日(月)(申し込み7/24(月)まで)に行われるとのことなので、興味をもたれた方は下記のリンクから詳細を確認してみてはいかがでしょうか。障害のある方のための特別鑑賞会|東京都美術館
2017年07月14日東京・上野にある東京都美術館で、「ボストン美術館の至宝展ー東西の名品、珠玉のコレクション」が、2017年7月20日(木)~10月9日(月・祝)まで開催。ゴッホの傑作・ルーラン夫妻の肖像画2点を筆頭に、古代エジプト、日本美術、中国美術、フランス絵画、現代美術など、選りすぐりの作品80点が来日します。アートファンは必見ですよ。ボストン美術館とは?ボストン美術館は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストン市にある美術館です。地元市民の熱意と、さまざまなコレクターの作品寄贈によって、1870年に設立されました。アメリカ独立100周年にあたる1876年に開館し、国や州の財政的援助を受けずにコレクションの拡充や施設の拡張を続け、2020年に設立150周年を迎えようとしている現在は、世界有数となる約50万点の作品を所蔵しており、世界有数の規模を誇っています。展覧会の見どころ「ボストン美術館の至宝展」では、古代エジプト、日本美術、中国美術、フランス絵画、現代美術など同館の幅広いコレクションから厳選された珠玉の80点が紹介されます。ボストン美術館のコレクションによる展覧会は、これまでも繰り返し開催されてきましたが、幅広い内容を総合的に楽しめる展覧会は、日本で実に約40年ぶり。さらに今回は、世界有数となる約50万点のコレクションの形成に寄与したコレクターやスポンサーの活動にも光を当てていきます。●ボストン美術館が誇る傑作80点が集結。本展では、ボストン美術館が誇る傑作80点が大集結。古代エジプト美術、中国美術、日本美術、フランス絵画、アメリカ絵画、版画・写真、現代美術と、古今東西の名品が一堂に集う、またとない機会です。●日本初!ファン・ゴッホの傑作、ルーラン夫妻の肖像画を2点同時に展示!注目は、ファン・ゴッホの傑作と名高い「郵便配達人ジョゼフ・ルーラン」 と「子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人」。パリを離れ南仏アルルに移り住んだゴッホにとって、ジョゼフ・ルーランはモデルとなってくれる数少ない相手でした。2点同時に展示されるのは日本で初めての試みなので、見逃せませんね。●英一蝶(はなぶさいっちょう)の巨大涅槃図、約170年ぶりの修理を経て初の里帰り!ボストン美術館で約170年ぶりに修理が行われた英一蝶(はなぶさいっちょう)の仏画の代表作「涅槃図」が、本展で初めての里帰りを果たします。海を渡ってから、その作品を実際に見た人はごくわずか。江戸時代の人々が祈り、想いを馳せた、一蝶による幻の巨大涅槃図は必見です。●世界屈指のコレクションに隠れたコレクターたちの物語をたどる!ボストン美術館は、世界有数の規模と知名度を誇る美術館ですが、世界中の多くの美術館とは異なり、公的な財政的援助を受けていません。ボストン美術館のコレクションは、ボストンとニューイングランド地方の市民の慈善活動によって支えられてきました。今回の展覧会では、美術品だけでなく、コレクションの形成に関わった人々にも焦点が当てられます。いつ、どのように、何が収集家たちを駆り立てたのか、そのストーリーを辿りましょう。各セクションの見どころと注目作品を紹介!●1章 古代エジプト美術三大ピラミッドが建つギザで発掘された王の頭部や、墓からのレリーフ、ヌビアの王の立像、ジュエリーなど、ボストン美術館とハーバード大学による共同発掘調査の成果を中心に展示されます。●ツタンカーメン王頭部《ツタンカーメン王頭部》エジプト、新王国時代、第18王朝、ツタンカーメン王治世時、紀元前1336-1327年Museum purchase with funds donated by Miss Mary S. Ames,11.1533Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Bostonこの名前のない王頭部は、第18王朝の若き王として知られるツタンカーメンと考えられています。王はネメス頭巾をかぶり、額にある縦の溝にはウラエウス(蛇形記章)あったとのではないかと推測されており、頭巾の上には、上下エジプト統一の象徴である二重冠の赤冠の一部が残っています。加えて、アーモンド型の眼、官能的な唇と、その魅力的な顔立ちは、1922年に「王家の谷」で発見された黄金のマスクと酷似していることが指摘されています。●2章 中国美術約9千点からなるボストン美術館の中国美術コレクション。その内容は、絵画、陶磁器、彫像、装飾品など多岐にわたります。今回は、その中から、ボストン美術館が誇る北宋・南宋絵画の名品を厳選して紹介します。●九龍図巻(作者:陳容)陳容《九龍図巻》(部分)南宋、1244年(淳祐4年)Francis Gardner Curtis Fund, 17.1697Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston約10mに及ぶ長大な画面に描かれた九匹の龍。沸き立つ雲と荒れ狂う波の中、あるいは悠然と飛翔し、あるいは佇むさまが粗放な筆墨で描き出されています。作者の陳容は南宋末期に活躍した画家で、龍図を得意としたことで知られており、特に、本図は、かつて清朝の乾隆帝も旧蔵した龍図の名品です。●3章 日本美術ボストン美術館の約10万点に及ぶ日本美術コレクションの形成には、モースやフェノロサ、ビゲローら、日本を愛したコレクターたちが大きく貢献したことで知られています。初めて里帰りを果たす作品も含め、江戸美術の優品が集結します。●風仙図屏風(曾我蕭白)曾我蕭白《風仙図屏風》江戸時代、1764年(宝暦14年/明和元年)頃Fenollosa-Weld Collection, 11.4510Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston勢いよく渦を巻き、強風を呼び起こす黒雲は、まるで龍の存在を示唆するかのようです。荒れ狂う波濤、揺れ動く木々のなか、剣を持つ男が橋を挟んで黒雲に対峙しており、緊張感ある攻防の後方には、風に吹き飛ばされた滑稽な表情の男たちが描かれています。さらに、その後ろには白と黒の兎のつがいがひっそりと姿を見せています。墨の濃淡、線と面、緊張と弛緩、大胆さとユーモアを巧みに織り交ぜた、蕭白の代表的作品です。●三味線を弾く美人図(喜多川歌麿 )喜多川歌麿 《三味線を弾く美人図》江戸時代、1804-06年(文化1- 3年)頃Fenollosa-Weld Collection, 11.4642Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston繊細で優麗な描線を特徴とし、様々な姿態、表情の女性美を追求した美人画の大家・喜多川歌麿。本作は、晩年に手掛けられた作品で、集大成とも言える傑作です。横長の軸にモデルは上半身のみという珍しい構図になっています。●涅槃図(英一蝶)英一蝶《涅槃図》(写真は修理前)江戸時代、1713年(正徳3年)Fenollosa-Weld Collection, 11.4221Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston英一蝶(はなぶさいっちょう)は、江戸に生きる人々の風俗画を得意とした一方で、仏画も多く手がけたことで知られる画家です。同展で公開される「涅槃図」は、一蝶による仏画の大作であり、江戸時代の仏画の代表作。画面だけでも高さ約2.9m、幅約1.7m、表具を含めれば高さ約4.8m、幅約2.3mにも及びます。画面いっぱいに、涅槃に入る釈迦と悲しみにくれる菩薩、羅漢、動物たちを鮮やかな色彩で描いており、一蝶の力の入りようが伝わる傑作です。本図は、1886年以前にフェノロサが購入して以来、ボストン美術館で収蔵されてきましたが、作品の大きさと経年による劣化ゆえ、同館でも25年以上にわたり公開が実現できませんでした。そのため、本展での公開に際して、画面の折れや亀裂、汚れ、糊離れなどを改善するため、約170年ぶりに本格的な解体修理を実施。初めて里帰りを果たします。●4章 フランス美術所蔵するヨーロッパ美術コレクションの中から、世界的に名高い19世紀フランス絵画のコレクションを紹介。バルビゾン派、印象派、ポスト印象派の絵画には、ボストン市民の好みを色濃く反映されています。●睡蓮(クロード・モネ)印象派を代表する画家モネは、1890年代から「積みわら」や「ルーアン大聖堂」、そして代表作でもある「睡蓮」などの連作を開始し、同じ主題を繰り返し描きながら、天候や時間帯によって様々な表情をみせる対象を捉えていきました。本展で展示される「睡蓮」では、水平線はなく、モネの視線は水面に集中しています。それにもかかわらず、画面の下から上へと遠ざかるように奥行きを感じさせる睡蓮や、水面に映る空と岸辺の木々が、絵画の外に広がる無限の空間が想像させてくれます。なお、こちらの作品は、1909年にパリで開催された48点の「睡蓮」による「睡蓮――水の風景」展で発表されたもので、ただちにボストンのコレクターに購入されました。●卓上の果物と水差し(ポール・セザンヌ )ポール・セザンヌ《卓上の果物と水差し》1890–94年頃Bequest of John T. Spaulding, 48.524Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Bostonキュビスムをはじめとする20世紀の美術に多大な影響を与えた「近代絵画の父」、ポール・セザンヌ。セザンヌは「静物画のモチーフは果物が良い」として、リンゴを好んで描いたという逸話が残っています。卓上の皿に盛られたリンゴなどの果物はもちろん、水差し、テーブルクロスの柄までもが計算しつくされ、絶妙なバランスを保っています。●腕を組んだバレエの踊り子(エドガー・ドガ )エドガー・ドガ《腕を組んだバレエの踊り子》1872年頃Bequest of John T. Spaulding, 48.534Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Bostonフランスの印象派画家・ドガは、踊り子を扱った作品を数多く残していることで知られる「踊り子の画家」。踊り子とは、パリオペラ座のバレリーナを指す言葉で、オペラ座の定期会員になると舞台裏に入ることが許されました。裕福な銀行家の息子だったドガは、定期会員となり舞台裏にも出入りしており、目撃した踊り子の自然のしぐさ、表情を丹念に描きました。本作は、目を閉じて腕を組む踊り子を描いた作品で、背景は燃えるような赤い色をしています。何か物思いに耽っているような踊り子の憂いの帯びた表情にも注目してください。●郵便配達人ジョゼフ・ルーラン(ファン・ゴッホ)フィンセント・ファン・ゴッホ《郵便配達人ジョゼフ・ルーラン》1888年Gift of Robert Treat Paine, 2nd, 35.1982Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Bostonファン・ゴッホ(1853~1890)が描いた、ジョゼフ・ルーランをモデルにした油彩画は全部で6点です。本作は、最初に描かれたもので、ほぼ全身を描いた唯一の作品して知られています。ファン・ゴッホがソクラテスにたとえた立派なあごひげをもつ頭部だけでなく、魅力的な手の動きも力強く丹念に表現されています。また、青を基調とした画面に、制服の装飾やボタンの黄色が効果的に配されているのも特徴です。●子守唄、ゆりかごを揺らす オーギュスティーヌ・ルーラン夫人(ファン・ゴッホ)フィンセント・ファン・ゴッホ《子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人》1889年Bequest of John T. Spaulding, 48.548Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston組み合わせた手にゆりかごの紐を持つジョゼフの妻。「子守唄」という副題が付けられることや、「ルーラン夫人の肖像」もしくは「子守するルーラン夫人」とも表記されることがあります。ゴッホの入院により一時中断したこちらの作品。制作の再開を伝えるファン・ゴッホの手紙には、「絵画を制作することは、傷ついた心を慰めるものだ」と綴られています。どことなく母性を感じさせる作品で、「人の慰めとなる芸術」を目指した画家の意が反映されているとも言われています。なお、画家自身によって4点の同じ構図の油彩画が制作されています。●5章 アメリカ絵画ボストン美術館の天井画も手掛けたサージェントの作品やアメリカ印象派の絵画など、18世紀から20世紀半ばまでの作品によって、アメリカ絵画コレクションの一端を紹介します。●ロベール・ド・セヴリュー(ジョン・シンガー・サージェント)ジョン・シンガー・サージェント《ロベール・ド・セヴリュー》1879年The Hayden Collection - Charles Henry Hayden Fund, 22.372Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Bostonジョン・シンガー・サージェントは、19世紀後半から20世紀前半にかけてイギリスで活躍したアメリカ人の画家です。イタリアに生まれフランスで美術教育を受けており、様々な国の絵画の影響を受け、独自の優美な画風を生み出しました。また、伝統的な古典技法によって多数の肖像画を手掛け、「最後の肖像画家」とも言われています。「ロベール・ド・セヴリュー」は、上流階級の子供と小型犬を描いたサージェントの代表作です。その洗練された技巧に圧倒されますよ。●6章 版画19世紀半ばから20世紀のアメリカを描いた充実した収集作品の中から、アメリカを代表する芸術家・ホーマー、ホッパー、シーラー、アダムス4人を紹介。人々の暮らしや自然の美しさを映す版画と写真が並びます。●機関車(エドワード・ホッパー)1920年代以降のアメリカン・シーンを描いたホッパーは、油彩画が広く知られていますが、秀でた版画家でもありました。特にアーティストとしての活動の初期に多くの版画を手掛けており、「機関車」も、その時期の作品です。機関車の存在感が際立つ構図、その先に広がるトンネルの闇と周囲との明暗のコントラストに、その後の作品に共通する特徴を見ることができます。●7章 現代美術同時代のアーティストの作品に常に着目してきた美術館において、成長著しい現代美術コレクションからウォーホル、村上隆をはじめ、ホックニーの色鮮やかな風景画、テイラー=ジョンソンの映像作品などを紹介します。●ジャッキー(アンディ・ウォーホル)ウォーホルは、1960年代にスープの缶詰や著名人の写真を素材にした作品を発表し、その後のポップ・アートの隆盛を牽引したアーティスト。1963年に起きたケネディ大統領の暗殺事件後には、広く配信された大統領夫人ジャクリーンの写真をもとに複数の肖像画を制作。また、それらを組み合わせ作品として発表しました。そこには事件前の笑顔のジャクリーンや葬儀の際に深い悲しみに暮れる彼女の姿が繰り返し登場しました。さらに、期間中は、タイアップイベントやスペシャルコンテンツが登場予定です。詳細は公式サイトにて随時発表となりますので、ぜひチェックしてくださいね。イベント詳細名称:ボストン美術館の至宝展ー東西の名品、珠玉のコレクション会場:東京都美術館 企画展示室住所:東京都台東区上野公園8−36会期:2017年7月20日(木)~10月9日(月・祝)開催時間:9:30~17:30 ※金曜は20:00まで、7月21日、28日、8月4日、11日、18日、25日は21:00まで ※入室は閉室の30分前まで 休室日:月曜日、9月19日(火) ※ただし、8月14日(月)、9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開室料金:一般 1,600円(1,400円)、大学生・専門学校生 1,300円(1,100円)、高校生 800円(600円)、65歳以上 1,000円(800円)公式サイト:
2017年06月21日展覧会「魔法の美術館― 光と遊ぶ超体感型ミュージアム」が神戸ファッション美術館にて開催される。会期は、2018年7月14日(土)から9月2日(日)まで。体感型の光のアートを楽しむ「魔法の美術館」「魔法の美術館」は、見て、参加して、楽しむ、体感型の展覧会。来館者の動きに合わせて、色とりどりの光や影のモチーフ、映像、音が変化する作品などが、美しくも不思議な空間を演出する。日本を代表する気鋭のアーティストが作り出した魔法のような空間に入り込み、心ゆくまで遊びつくすことが可能だ。登場する全21点の作品すべて写真撮影も自由となっており、SNSに投稿して楽しむこともできる。動く影が幻想的な「Lifelog_シャンデリア+Lifelog_モビール」小松宏誠の「Lifelog_シャンデリア+Lifelog_モビール」は、天井から吊り下げられた繊細な造形のシャンデリアや、展示されたモビールが回転。壁に映し出された影の動きを楽しめる幻想的な作品だ。自分がキュビスムの世界に「.hito」自分のキュビスム的な姿を楽しめる「.hito」。イスに座ると自分がキュビスム的な姿になり、動きに合わせて変化する。ポリゴンチックになった自分の動きを楽しんで。自分の歩いた道から波紋のように光が広がる「七色小道」「七色小道」は、一見ただの通路に見える道。歩き出すと、自分の跡から様々な色や光が広がっていき、他の人が出す色と混ざりあう。ただ歩いているだけで無意識のうちにお互いに影響を与え合っている様子を参加型アートという形で表現した。時間の経過によって広がった光は形を変えながら消えてしまうので、常に違う姿の「七色小道」を楽しむことができる。【詳細】魔法の美術館― 光と遊ぶ超体感型ミュージアム会期:2018年7月14日(土)~9月2日(日)開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)休館日:月曜日、2018年7月17日(火) ※7月16日(月・祝)は開館場所:神戸ファッション美術館住所:兵庫県神戸市東灘区向洋町中2-9-1入館料:一般 1,000(800)円、大学生・65歳以上 500(400)円、高校生以下 無料※()内は前売り(館内のみ)、または30人以上の団体料金。※小学生以下は保護者(高校生以上)の同伴が必要。出品アーティスト:田中陽、坪倉輝明、藤本直明、小松宏誠、徳井太郎/清水雄大、藤元翔平、重田佑介+Zennyan、岡田憲一、宮本昌典/小岩原直志
2017年06月11日子どもの暮らしを彩るモノ・コトづくりに愛をもって携わる達人に、その舞台裏を余すところなく語っていただく本連載。4回目は、人と環境にやさしいシンプルで良いものを発信し続けるブランド、無印良品が行っている子育て世代に向けた取り組みについてお聞きしました。<お話をうかがった達人さん>木村夏美さん 無印良品 渋谷西武スタッフ。5歳の男の子のママ。<無印良品の「木育広場」「木育ルーム」について>「木育広場」は、子ども服売り場のある無印良品の店舗を中心に設置している子どもの遊び場。国産の木材をふんだんに使ったあたたかみのある空間で、子どもたちが自由に遊ぶことができる。全国の無印良品50店舗以上に導入。また、渋谷西武では、親が店内で買い物やインテリア相談をしている間、専任スタッフが子どもの面倒をみてくれる一時預かりサービス「木育ルーム」を開設している(2017年4月現在)。無印良品「木育広場」「木育ルーム」の詳細はこちらから。 ■渋谷にも、親子がほっと一息つける空間を無印良品では、子育て世代にもっと快適なくらしをご提案する取り組みのひとつとして、店舗内に子どもが遊べるスペース「木育広場」の設置を進めています。もともと、無印良品では人や環境へのやさしさにこだわったものづくりをしており、子どものおもちゃも国産の木材を中心に、シンプルであたたかみのあるアイテムを多く取りそろえてきました。そんななか、東京おもちゃ美術館が推進している木の大切さとぬくもりを伝える活動「木育(もくいく)」に出合いました。無印良品が大切にしている考えと通じるところが多く、ともに木育活動を進めたいと、ファミリー層が多く来店する店舗への木育広場の設置をスタートしました。木育広場は、東京おもちゃ美術館の監修のもと、国産のスギの囲いやヒノキの床材を取り入れたやさしくも落ち着きのある空間にデザインされています。子どもたちはおもちゃで遊んだり、絵本を読んだり。フロアには靴を脱いで上がりますので、ハイハイ期の赤ちゃんでも安心です。無印良品渋谷西武の「木育広場」。囲いや床はもちろん、机、いす、おもちゃも木製のものが中心。親の目が行き届きやすいスペースで、子どもはのびのび、ママはちょっと一息入れられます。渋谷西武の無印良品では、2013年のリニューアルを機に、子ども服売り場と同フロアに木育広場を設置しました。最近では再開発の影響もあってか親子連れの姿も多く見かけるようになりましたが、当時の渋谷は、まだ「若者の街」のイメージが残っている頃でした。子ども服をそろえているショップやベビーカーで入れるお店もあまりなかったので、とくに小さい子のいるファミリーにとっての渋谷は、ちょっと足を運ぶのがためらわれるエリアだったかもしれません。渋谷へ遊びに来たり、近辺にお住まいの親子が、気軽に立ち寄れてほっと一息つけるようなスペースをつくりたい。渋谷西武での木育広場づくりには、そんな想いもあったんです。木育広場に置いてあるおもちゃのほとんども、木でできています。なかでも子どもたちに人気なのが、木のたまごがたくさん入った木製プール。なかに入ったときの、体や足にたまごがポコポコ触れる感覚が楽しいんでしょうね。遊びに来たお子さんは、みんな夢中になっていますよ。お子さんが遊んでいる様子を見ながら同フロアでのショッピングを楽しんでいる方もいれば、お子さんと一緒に木育広場で過ごし、ママ同士で情報交換をしたり、くつろいでいるママの姿も多く見かけます。毎週のように通ってくださる親子もいて、私たちの想いのとおり、育児のちょっとした息抜きの場としてお役立ていただけていることを、とてもうれしく思っています。■一時預かりサービスで、たまにはじっくり買い物を楽しんで渋谷西武の無印良品では、一時預かりサービス「木育ルーム」も開設しています。こちらは、もっと店内でじっくりと買い物したいというお客さまのご要望もあって、サービスを開始しました。 木育ルーム(※)では、生後6ヵ月の赤ちゃんから6歳(未就学児)のお子さんを、保育のプロがお預かりしています。落ち着いて店内を回りたい方やインテリア相談をしたいときはもちろん、併設のカフェCafe & Meal MUJIでたまにはひとりでゆっくりお茶をしたいときにもご利用いただけます。木育広場と木育ルームは隣り合っていて、通常時は扉で仕切っていますが、毎週水曜日には扉を外してオープンスペースにし、東京おもちゃ博物館のおもちゃコンサルタントと一緒に遊べる時間を設けています。このときは普段は出していないおもちゃでも遊べますので、よく遊びにいらしてくれるお子さんも、いつもとはまた違った新鮮な時間を過ごせるのではないかと思います。また、おもちゃコンサルタントのみなさんは育児経験が豊富な方々ばかりなので、ママのちょっとした子育てのお悩みを聞いてくれたりもするんですよ。(※)木育ルームの利用には、MUJI Passport会員登録が必要です。■ショッピングだけじゃない! 好奇心を刺激するワークショップも充実無印良品では、企業の目指すところである「感じ良いくらし」に共感いただけるクリエイターのご協力のもと、各店舗独自のワークショップやイベントも定期的に開催しています。これまでに開催したワークショップのなかで子どもたちに人気だったのが、麦みそづくりです。九州産の無農薬・無化学肥料で育てられた大豆と小麦を使い、仕込みをするワークショップだったのですが、普段はなかなかできない体験をとても楽しんでいる様子でした。このほかでは、焼き物の器づくりや、こけ玉づくりといった、ちょっと大人向けかな? と思うワークショップも意外と子どもにも好評だったんです。このようなワークショップを通して、ものづくりの面白さや、さまざまな文化に触れられる機会を増やしていくことが、ひいては子どもたちのすこやかな成長のお手伝いになるのではないかと考えています。今後も、たくさんのクリエイターとコラボレーションしながら、できるだけ国産のものを使用して、無印良品ならではのワークショップを企画していくつもりです。ワークショップやイベント情報は、無印良品のサイトやアプリ「MUJI Passport」で告知していますので、チェックしてみてください。おもちゃコンサルタントやクリエイターをはじめとするその道のプロフェッショナルのお力を借りながら、環境に配慮したよりよいものづくりをしていくと同時に、子育て世代はもちろん、無印良品にいらっしゃるみなさんに「無印良品に行くと、なんだかほっとできるね」と思ってもらえるような空間づくりを、これからも進めていきたいと思っています。■無印良品では、ほかにもこんな取り組みが!■ベビーベッドレンタル使用期間は短いけれど、信頼できるベッドを使いたい。そんな子育て世代のニーズから生まれたサービスです。必要な期間だけ使えるからむだがない、うれしいサービスです。■キッズサマーキャンプ無印良品キャンプ場で毎年開催されている、子どもだけ(小学生)が参加できるキッズサマーキャンプ。大自然のなか、初めて会う仲間同士で山歩きをしたり、カヤック・カヌー体験をしたり、料理をしたり。子どもにとってまたとない経験の場となりそうです。■子どもの絵のマイバッグ無印良品で販売されている「子どもの絵のマイバッグ」は、子どもたちが子どもたちのために描いた絵がプリントされています。このバッグの売り上げの一部(1点につき15円)が、病気や戦争、災害などで心のケアが必要な子どもたちの支援を続けている特定非営利活動法人 子供地球基金に寄付されます。<木村さんの一押し!>無印良品渋谷西武には、Tシャツやハンカチ、バッグなどに刺しゅうや写真プリントを施してオリジナル商品がつくれる「カスタマイズ工房」があります。入園・入学グッズへの名入れ、運動会のクラスTシャツや卒園・卒業の記念品はもちろん、子どもが描いたパパの似顔絵をTシャツにプリントして父の日に贈るなど、子どもとのくらしをもっと楽しむためにお役立ていただければと思います。無印良品 HP: 文:コミヤカホル
2017年05月24日東京・銀座にあるシャネル・ネクサス・ホールで、6月22日から7月23日まで写真展「東京墓情 荒木経惟×ギメ東洋美術館」を開催する。日本を代表する写真家として第一線で活躍する荒木経惟。妖艶な魅力を放つ花々や緊縛ヌード、愛してやまない東京の街、亡き妻を思い見上げ続けた空景、苦楽をともにした飼い猫チロといった、様々な対象を被写体に独自の死生観を鮮烈に描き出し、海外でも熱狂的な支持を集めている。同展では、2016年にパリにあるフランス国立ギメ東洋美術館で開催した大規模個展「ARAKI」において、荒木の50年間の作家活動を振り返るレトロスぺクティブとともに発表した撮り下ろしの新作「東京墓情」を日本で初公開する。同美術館所蔵の写真コレクションより、荒木がセレクトした幕末・明治期の写真作品も併せて出展。加えて、同展のために撮り下ろした新作も発表し、大病を経験した荒木が抱く、濃密な“死”への意識が垣間見れる写真展となっている。【イベント情報】「東京墓情 荒木経惟×ギメ東洋美術館」会期:6月22日~7月23日会場:シャネル・ネクサス・ホール住所:東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4階時間:12:00~20:00入場無料会期中無休
2017年05月23日こんにちは! イラストレーターのにわゆりです。皆さんのお家にはどれくらいのおもちゃがありますか? わが家はいただき物やおこさまセットのおまけのおもちゃなど、買わなくてもどんどんおもちゃが増えており、あふれ返っている状態です。涙しかし、遊ぶおもちゃはほんの一部で、ほとんどが見向きもされないおもちゃ達…少しずつ処分してはいるものの、あふれそうなおもちゃ箱を見ながら毎度ため息が出てしまうかーちゃんなのです。ふと部屋に転がっているおもちゃを見ながら、「もっと大事にしてほしいな~」と思っていた時、こんな事がありました。近所のお友達が、空気でふくらむ剣でぶんぶん遊んでいたのですが、それを見たモン太はすかさず「いいなーそれ! 貸してよ! 」すると、「これあげるよ! 」とお友達。 「え~! 大事な剣でしょ? 少しだけ借りたら返すよ! 」と言うと「いいよ! だってオレにはこれがあるから! 」と大事そうに背中から取り出したものは…!な、な、なんと、トイレットペーパーの芯をつなげた棒! 「自分で作ったんだ~」と嬉しそうに見せてくれました。なんて、純粋でかわいいんだ…そんな話をとーちゃんにすると、もともとDIYやもの作りが大好きな人なので、早速You tubeで工作の動画を検索、段ボールで飛行機を組み立ててくれました。これには子ども達も大喜び! 喧嘩にならないよう1人1個作ってくれて(どれだけ作ってもお金かかりませんよ!)それぞれ色を塗ったりビニールテープを巻いたり、楽しい工作タイム。飛行機を持ち帰ったお友達のお母さんから、すごく大事にしてるのよ~! と聞いて、工作好きのとーちゃんに感謝したかーちゃんです。やっぱり、オリジナルで作ったものって特別な想いがあるんだなぁ。モン太もすっかり工作にはまり、いつも材料を探し回るように。(笑)最近は、仮面ライダーのアイテムをパパと一緒に作って大切に保管しています。もちろん本物のアイテムも持っているのですが、音が出なくても光らなくても自分で作ったものは、本物と同じくらい大事なようです。かーちゃんとっても嬉しいぞ!材料を集めすぎて今度はそっちの箱が溢れ返っていたり、作ったあとは紙くずや床にくっついたビニールテープが散乱していますが、それも小さい頃ならではだと思えば平気です。作り始めると集中して、頭をフル回転で働かせながら作っている姿を見ると、創作するって大事だなぁとしみじみ思うかーちゃんなのでした。
2017年05月19日小さいお子さんのいるご家庭では、まだ目を離せずリビングで遊ばせている方も多いのではないでしょうか?そんなときに悩みになるのがリビングでのおもちゃ収納。せっかくこだわったインテリアもおもちゃの派手さが浮いてしまったり、うまく片付けられなかったり…。今回はそんな悩みを解決するリビングのおもちゃ収納アイデアをご紹介♪リンゴ箱を使ってリビングのおもちゃ収納をDIY!小さいお子さんがいると目を離せないのでリビングで遊ばせる事が多いですよね。そんなときにリビングで収納ができるおもちゃ棚をWorkShopSalonCOMO?さんのアイデアからご紹介いたします♪材料はりんご箱2つ、キャスター台2つ、木製のディッシュラックです。キャスター台にりんご箱を重ねます。ビス留めした方が安全ですよ♪バタバタ倒れたり、取り出しづらい絵本はディッシュラックをブックエンドにするといいですよ!りんご箱は大容量なので、大きいおもちゃや絵本などを収納するのにぴったりです♪木の温かみを感じられるのでリビングに置いても違和感ないですよね!ぜひ参考にしてみてください。▼WorkShopSalonCOMO?さんのアイデアはこちら▼りんご箱で簡単おしゃれなキッズ収納をDIY♡一石二鳥!リビングの雰囲気に合わせたおもちゃ収納棚子供のおもちゃって色やデザインが派手なものが多いですよね…。せっかくこだわったリビングのインテリアの雰囲気を壊してしまう原因にもなります。でもmacahomeさんはリビングのインテリアの雰囲気を壊さずに見事におもちゃ収納をDIYしました!まずは決めたサイズの木材を用意します。用意できたらビスで棚の形に組み立てていきます。側面、底面を打てたら中板、天板の順でビス打ちをしましょう!次に背面です。平面も同様にビス打ちをしましょう。背面には窓になる部分に穴を開けます。開けたらお好みの色で塗装しましょう♪窓は端材などを使って作ります。お好みで布などを貼るといいですよ!背面の方にあらかじめ窓枠を固定しておき、布などで装飾した窓を丁番で固定しましょう♪あとはステンシルなど装飾を施して完成です!リビングにおもちゃ収納棚、兼間仕切りを作る事でリビング内にお子さんのプライベート空間を作る事もできます。これならおもちゃも収納できて一石二鳥ですよね♪▼macahomeさんのアイデアはこちら▼男前インテリア最強の敵?!女の子おもちゃを収納できる間仕切り棚!これで安心!リビングに安心しておけるおもちゃ収納をDIYおもちゃの収納ボックスを買ったもののうまくサイズが合わないなんてことありませんか?リビングは人の出入りも多いのでちょっとした出っ張りも危ないですよね。今回は我が家さんのアイデアからおもちゃの収納をDIYしたアイデアをご紹介します♪まずは寸法に合わせた木材を用意します。お好みの色で塗装しましょう!塗装が終わったらボックスの形に組み立てるだけ。深めに作ってあげるとおもちゃがたくさん収納できますよ!あとはお好みで装飾をします!100均でもおしゃれなものが揃いますよ♪蓋の裏には緩衝材を貼るといいですよ。出っ張りがなくなり足を引っ掛ける事もなくなりそうですね♪お子さんに装飾をしてもらって自分だけのおもちゃ収納を作るのも愛着が湧いて良いかもしれません!▼我が家さんのアイデアはこちら▼初心者さんにも ♪ 端材とセリアでオモチャ入れをDIYカラボにぴったり!リビングにぴったり!なおもちゃ収納皆さんはニトリの「カラボにぴったり」シリーズをご存知ですか?そんな「カラボにぴったり」シリーズで作ったリビングのおもちゃ収納のアイデアをsayo.さんのアイデアからご紹介いたします♪材料ニトリのカラーボックスカラボにぴったり収納ボックス専用引き出しレール(2本組)カラボにぴったり収納ボックス(浅型、深型)作り方まずはカラーボックスを説明書通りに組み立てていきます。ニトリのカラーボックスは部品ごとに番号もついているので簡単に組み立てられます!組み立てたカラーボックスの中にレールを取り付けます。レールにビスが付属されているのでご安心ください♪最後に収納ボックスを取り付けるだけ。「カラボにぴったり」シリーズなら採寸の必要もなくジャストサイズの部品が揃うので便利ですよね!リビングのおもちゃ収納で問題になるのが来客時…ごちゃごちゃしている中が見えるのは嫌ですよね。でも「カラボにぴったり」シリーズから収納ボックス専用の蓋が別売りされているので安心です♪カラーボックスの高さがお子さんが遊ぶのにぴったりな高さなので、まだ目を離せないお子さんをリビングで遊ばせるのにもぴったりです!ぜひ参考にしてみてくださいね。▼sayo.さんのアイデアはこちら▼ニトリのカラーボックスシリーズだけで子供グッズを全て収納!まとめいかがでしたか?簡単にリビングのおもちゃが収納出来るだけでなく、インテリアにもなるものばかりでしたね!DIYするのも簡単なものが多かったのでぜひ挑戦してみてください♪リビング収納のアイデアをもっと見るおもちゃ収納のアイディアをもっと見る
2017年05月15日展覧会「日本の家1945年以降の建築と暮らし」が、東京国立近代美術館にて2017年7月19日(水)から10月29日(日)まで行われる。安藤忠雄、隈研吾、伊東豊雄ら56組による住宅建築を紹介安藤忠雄・西沢立衛・隈研吾他、日本の建築家56組による75件の住宅建築を、400点を超える模型・図面・写真・映像などを通して紹介する「日本の家1945年以降の建築と暮らし」展。2016年秋からローマ・ロンドンを巡回し日本での展示は3都市目となる。1945年以降の日本の住宅建築に焦点を当てて本展は、1945年以降の日本の住宅建築に焦点が当てられている。というのも、1945年は日本の住宅建築におけるターニングポイントであり、世界的に見ても珍しい、高名な建築家の手による個人住宅群が多数日本に誕生するきっかけとなった年だからだ。1945年は終戦の年。戦争が終わり、一面が焦土と化し、住宅が圧倒的に不足したことで、土地を買い持ち家に住むことが政策として推奨されるように。結果として建築家による個人住宅が多く誕生した。この時期に「建築家が個人住宅を手掛ける」文化が定着したことで、のちに多くの建築家が個人住宅を手掛けられる環境が作られた。プリツカー賞受賞建築家による個人住宅も誕生高名な建築家が個人住宅を手掛けることは、建築家の仕事のほとんどが公共建築である欧米の多くの国では非常に珍しい。ゆえに建築界で最も栄誉あるプリツカー賞受賞者など日本を代表する建築家による住宅建築の展示は、非常に驚きをもって迎えられ、ローマ・ロンドン両会場で好評を博した。「家族のあり方」などテーマごとの展示70を超える作品は、「プロトタイプと大量供給」、「大地のコンクリート」、「家族のあり方」など13のテーマごとに展示され、依頼者と建築家双方がどのような考えから作品の造形に至ったのかを分かりやすく展示。一見突飛に見える建築も、そのときどきの最先端の暮らしに合わせていくために作られたものであることがしっかりと理解できる。中に入って楽しめる大型模型など体験型企画も展示だけでなく、体験型のイベントも。中に入れる実物大模型や若手建築家との協働による夏休みに合わせたワークショップなど、建築の面白さを存分に体感できる企画も予定されている。【詳細】日本の家1945年以降の建築と暮らし期間:2017年7月19日(水)~10月29日(日)時間:10:00~17:00(金・土は21:00まで)※入館は閉園の30分前まで休館日:月曜日、9月19日(火)、10月10日(火)※9月18日(月)、10月9日(月)は開館会場:東京国立近代美術館1階 企画展ギャラリー住所:東京都千代田区北の丸公園 3 -1料金:一般 1,200(900)円(税込)、大学生800(500)円(税込)※かっこ内は20名以上の団体料金※5時から割引 金・土の17:00以降は一般1,000円(税込)、大学生700円(税込)で観覧可※リピーター割引 本展使用済み入場券提示で二回目以降一般500円(税込)、大学生250円(税込)で観覧可出展建築家一覧:相田武文、青木淳、東孝光、アトリエ・ワン(塚本由晴+貝島桃代)、阿部勤、安藤忠雄、五十嵐淳、生物建築舎(藤野高志)、生田勉、池辺陽、石山修武、伊東豊雄、乾久美子、o+h(大西麻貴 +百田有希)、大野勝彦+積水化学工業、岡啓輔、柄沢祐輔、菊竹清訓、岸和郎、隈研吾、黒川紀章、黒沢隆、金野千恵、坂倉準三、坂本一成、篠原一男、篠原聡子、島田陽、白井晟一、清家清、妹島和世、丹下健三、手塚建築研究所(手塚貴晴+手塚由比)、dot architects(家成俊勝+赤代武志)、中川エリカ、中山英之、難波和彦、西沢大良、西沢立衛、西田司、長谷川逸子、長谷川豪、広瀬鎌二、藤井博巳、藤本壮介、藤森照信、前川國男、増沢洵、宮本佳明、無印良品、毛綱毅曠、山下和正、山本理顕、吉阪隆正、吉村順三、アントニン・レーモンド【問い合わせ先】ハローダイヤル03-5777-8600
2017年05月13日シャネル(CHANEL)は、「東京墓情 荒木経惟×ギメ東洋美術館」展をシャネル銀座ビルディング内シャネル・ネクサス・ホールにて開催する。期間は、2017年6月22日(木)から7月23日(日)まで。2017年度第3弾プログラムとなった今回は、世界で活躍する日本人写真家・荒木経惟の写真展を開催。東洋美術専門の美術館としてヨーロッパ最大規模を誇る、フランス国立ギメ東洋美術館にて行われた、大規模個展「ARAKI」にて発表された、新作「東京墓情」を日本初公開する。「東京墓情」は、大規模個展「ARAKI」の中で撮り下ろしの新作として発表されたシリーズ。大病を経験し、そこから得た濃密な“死”への意識。その葛藤を抱きながらも自身の写真家人生を振り返った本作は、今の荒木経惟そのものを映し出す。また、「東京墓情」に加え、荒木がギメ東洋美術館所蔵の写真コレクションよりセレクトした、幕末・明治期の写真作品を併せて紹介。妖艶な魅力を放つ花々や緊縛ヌード、東京の街、亡き妻を思い見上げつづけた空景、苦楽をともにしてきた飼い猫チロなど、さまざまな対象を被写体に、独自の死生観を鮮烈に描き出してきた、写真家ならではの世界観が楽しめるはずだ。【イベント詳細】東京墓情 荒木経惟×ギメ東洋美術館開催期間:2017年6月22日(木)~7月23日(日)時間:12:00~20:00 ※入場無料・無休会場:シャネル・ネクサス・ホール住所:東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F
2017年05月05日コンラッド東京と展覧会「大エルミタージュ美術館展」がコラボレーション。同展をモチーフにしたスイーツブッフェ「エルミタージュ・コレクション」が、2017年5月25日(木)から6月25日(日)までの期間限定で提供される。六本木・森アーツセンターギャラリーで開催中の「大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西 洋絵画の巨匠たち」は、ロシア・エルミタージュ美術館の絵画コレクションより、その中核をなす16〜18世紀の巨匠たちの名画85点を、国・地域別に紹介するもの。同展からインスピレーションを受けた今回のスイーツブッフェでは、ヨーロッパ各地からスイーツ&セイボリーが集結。ロシアやポーランド、イタリアなどで昔から愛されている、ラム酒のシロップをしみ込ませたケーキ「ババ」をはじめ、スペインで人気のプリンに爽やかなオレンジをあしらった「クレームカタラナ オレンジ」、オランダやベルギーなどで親しまれている「スペキュロス」という、スパイスが入ったクッキーフレーバーのアイスクリームなど、正統派からユニークなものまで一度に味わえる。またセイボリーには、ロシアの伝統料理「ボルシチ」をゼリーで楽しめるほか、濃厚な4種類のチーズの味わいが広がる「クアトロチーズタルト」や、たっぷりと乗せたスモークサーモンにイクラとサワークリームがアクセントのオープンサンドなど、こちらもバラエティ豊かなメニューが用意されている。ヨーロッパ絵画の醍醐味を堪能できるエルミタージュ美術館のコレクションに思いを馳せながら、優雅な午後のひとときを過ごしてみてはいかがだろう。【開催概要】コンラッド東京 スイーツブッフェ「エルミタージュ・コレクション」提供期間:2017年5月25日(木)〜6月25日(日) ※毎週木〜日曜および祝日のみ時間:15:00〜17:00場所:コンラッド東京 28階 オールデイダイニング「セリーズ」料金:1名 4,000円+税 ※サービス料別※ソムリエセレクトのグラスシャンパーニュ付きは1名 5,000円+税 ※サービス料別内容:■スイーツ(全10種)ババ/スペキョロス アイスクリーム/クレームカタラナ オレンジ/ティラミス/キルシュトルテ/チェリーとピスタチオナッツのカップケーキ/木苺のギモーブ/フレジエ/ベリーとスプマンテのジュレ/マカロン■セイボリー(全3種)ボルシチのゼリー/クアトロチーズタルト/ライ麦パンのオープンサンド スモークサーモン サワークリームとイクラ■プレーンスコーンクロテッドクリームと苺のジャムを添えて■ドリンクドイツ・ロンネフェルト社のティーセレクション※表示の内容および料金は、仕入れ状況により予告なく変更になる場合あり。【予約・問い合わせ先】TEL:03-6388-8745(レストラン予約直通)
2017年05月04日子どもが生まれると、驚くほどモノが増えますよね。とくに困るのがおもちゃ!人からもらったり、何気なく買い与えたりしているうちに、いつの間にか増えてしまっているものです。いいなと思って買ってあげても、興味を持ってくれないこと、すぐに飽きてしまうことなんてしょっちゅう。もったいないし、場所ふさぎだし、何とかしたい!というママは多いのではないでしょうか。そんなときこそ活用したいのが、“おもちゃレンタルサービス ”です。悩めるママの救世主となるこのサービス、どんなものなのかご紹介していきましょう。●おもちゃレンタルサービスとはおもちゃレンタルを提供している会社は年々増えており、それぞれ独自のカラーを打ち出しています。例えば知育玩具に特化した会社、木のおもちゃだけを貸し出している会社、キャラクターグッズを中心に展開している会社などです。だいたいの料金相場は、月額コースで2,000円〜3,000円 といったところ。中には「10日で1,000円」といったようなプチコースを設定している会社もあります。●気になるポイント1:破損したときは?ほとんどのレンタルサービスでは、通常使用における破損や汚れなら弁償不要としています。入会時に保証金が必要な会社もありますが、修理代や買い取り費用に比べたら微々たる額。安心して、思う存分遊ばせることができるでしょう。●気になるポイント2:衛生面は?赤ちゃんは何でも口に入れてしまうので、衛生面も気になりますよね。でも、大丈夫。洗浄・除菌はどのサービスも徹底して行なっています。洗浄には薬剤ではなく電解水を使うなど、安全性にも配慮されているので安心です。●おもちゃレンタルのメリットおもちゃレンタルを利用しているママたちは、どんなメリットを感じているのでしょうか。インタビューしてみました。●(1)「ハズレ」が少ない『おもちゃ選びのプロが、子どもの月齢や発達に沿ってチョイスしてくれます。そのせいかハズレが少なく、よく遊んでくれますね。親では絶対に選ばないようなものが届くこともあり、目からうろこが落ちることもあります』(20代女性/主婦/1歳女の子のママ)子どものオモチャ選びが難しいのは、子育て経験者なら誰もが知っていることでしょう。おもちゃレンタルなら、おもちゃ選びを専門家がサポートしてくれます。その子の「いま」にピッタリのおもちゃを選んでくれるから、ハズレが少ないんですね。●(2)省スペースになる『飽きたおもちゃ、卒業したおもちゃなどで家が溢れかえり、足の踏み場もないほどでした。子どもには「しまう場所がないから、もう新しいのは買わない!」と言ってばかり。でも、おもちゃレンタルを使うようになって激変しました。省スペース になったし、子どもも次々新しいおもちゃで遊べるようになって喜んでいます』(40代女性/会社員/4歳男の子、3歳女の子、1歳女の子のママ)子どもにとって遊びは知的好奇心を刺激する大切なもの。おもちゃだって、収納を気にせずにたくさん用意してあげたいですよね。家がスッキリしてママも嬉しい。新しいおもちゃで遊べて子どももハッピー。おもちゃレンタルにはそんなメリットがあるんです。●(3)上質なおもちゃをリーズナブルに楽しめる『知育玩具や上質なおもちゃって、値段が高いですよね。だからといって、適当なものや質の低いおもちゃは与えたくない……悩んでいたときに、おもちゃレンタルを知りました。何種類も借りることができ、トータルで考えると買うより断然おトク です』(30代女性/パート/3歳男の子、9か月女の子のママ)そう、おもちゃってホントに高い!しかも、自然素材のものや国産のもの、北欧製おもちゃのような“質のいいもの”は、気軽に買えないお値段だったりしますよね。私はかつて、とある有名な木製電車セットを買おうと思って、その値段にのけぞったことがあります。そのときは諦めてしまったのですが、レンタルサービスの存在を知っていれば迷わず借りたでしょう。お財布を気にせず、いいものを与えたいママにとっても、心強い味方になってくれるんですね。●サービス利用時の注意点最後に、おもちゃレンタルサービスを使うときの注意点をまとめておきましょう。●(1)逐次交換はできないことがある月額コースなどの場合、逐次交換はできないことが多いです。つまり、万が一届いたおもちゃが子どもにとって「ハズレ」だったとしても、すぐには交換できない ケースがほとんど。次の配送日まで待たなければいけないので、1か月は“ハズレおもちゃ”と共に過ごさなければならないんですね。費用は変わらず発生するので、これをちょっと損だと感じる人もいるようです。●(2)大型遊具は対象外のこともコンビカーや木馬、室内ジャングルジムなどの大型遊具には対応していない会社もあります。「気軽に買えない大型遊具こそレンタルしたい」という人は、あらかじめよく調べてから契約を結びましょう。●(3)感想を送るのがちょっと面倒サービス利用中は、送られたおもちゃにお子さんがどれくらい興味を持ち、どの程度遊んだかを報告することになっています。これは、お子さんの傾向を掴み、より適したおもちゃを選ぶための大切な資料となるもの。ただし、育児にてんてこ舞いなママにとって、じっくりと報告を書くのは難しいことかもしれません。まとまった時間が取れない、やっぱり面倒くさい……という声もありました。----------いかがでしたか?経済的なこと、スペース的なことを考えると、おもちゃはレンタルで済ますほうが効率的なのかもしれませんね。モノで溢れかえった家で困っているなら、おもちゃレンタルサービスを有効活用してみてはいかがでしょうか?●文/パピマミ編集部●モデル/いちご姫(いちごショートくん)、神山みき(れんくん)
2017年05月04日東京・京橋の東京国立近代美術館フィルムセンターにて、日本アニメーションを紹介する「映画の教室 2017 素材から観る日本アニメーション」が、2017年6月28日(水)から7月26日(水)までの毎週水曜日、全5回開催される。日本でアニメーション映画が誕生したとされる1917年から100年を迎えた2017年。今回の「映画の教室」では、今や日本を代表する文化に成長したアニメーション映画を、切り紙、人形、セル画といった、映画を作る“素材”に注目した構成で紹介する。6月28日(水)に行われる第1回目のテーマは「切り紙・影絵アニメーション」。カラーセロファンによる艶やかな影絵アニメを制作した大藤信郎の作品など、全6作品を上映する。カンヌ国際映画祭でピカソやコクトーが絶賛したという大藤作の『くじら』や、切り紙アニメの傑作『月の宮の王女様』など、注目作品が揃う。7月5日(水)の第2回目では、ティム・バートンにも影響を与えたとされる持永只仁などの人形アニメーション(パペットアニメ)作品を上映。翌週の第3回目は、1958年に公開された日本初の長編カラーアニメーション映画『白蛇伝』を上映する。7月19日(水)の第4回目もセルアニメーションにフォーカス。虫プロが倒産する前の最後の作品となった実験的映画『哀しみのベラドンナ』を上映する。「アニメロマネスク」として発表された、文学性の高い大人向けの作品だ。最終回は、テーマを「さまざまな素材と手法」として、古いものは1924年から、新しいものでは2002年の『頭山』までの全8作品が紹介される。切り紙と実写を合成した大藤信郎の『煙り草物語』や、写真や紙芝居風の手法を用いた虫プロの作品など、様々な素材やスタイルが交差するラインナップだ。各回とも、上映に加えて研究員による約15分の解説がつく。定員制となっており、19時20分から(発券は当日19時から)開始する。なお、本上映会は10月11日(水)より別のテーマで後期の開催も予定されている。【詳細】「映画の教室 2017 素材から観る日本アニメーション」開催日:2017年6月28日(水)、7月5日(水)、12日(水)、19日(水)、26日(水) ※全5回・毎週水曜日開始時間:19:20~ ※終了時間は各回異なる。約15分間の研究員の解説付き。開場・発券:当日19:00~ ※発券は地下1階受付。※定員制(151名)※混雑時も19:20まで席を確保できる「映画の教室」会員証(300円)を発売。会場:東京国立近代美術館 フィルムセンター 小ホール住所:東京都中央区京橋3-7-6 料金:一般 520円、高校・大学生・シニア 310円、小・中学生 100円、障がい者と付添者1名・キャンパスメンバーは無料※定員に達し次第締め切り。発券は1人1枚まで。※学生・シニア・障がい者・キャンパスメンバーなどは証明できるものを提示。<スケジュール>■6月28日(水)「切り紙・影絵アニメーション」約64分上映作品:『黒ニャゴ』[デジタル復元版](3分・千代紙映画社)、『くじら(KUJIRA)』[デジタル復元版](9分・大藤スタジオ)、『幽霊船(YUUREI SEN)』[デジタル復元版](11分・大藤スタジオ)、『お蝶夫人の幻想』(12分・朝日映画)、『お花のおひめさま』(18分・日本教育映画株式会社)、『新版 月の宮の王女様』[サクラグラフ版](11分・横浜シネマ商会)■7月5日(水)「人形アニメーション」約61分上映作品:『ペンギンぼうや ルルとキキ』(16分・人形映画製作所)、『道成寺』(19分・川本プロダクション)、『おこんじょうるり』(26分・桜映画社=エコー社)■7月12日(水)「セルアニメーション:東映動画」約79分上映作品:『白蛇伝』(79分・東映動画)■7月19日(水)「セルアニメーション:虫プロ 」約80分上映作品:『la sorcière 哀しみのベラドンナ』(80分・虫プロダクション)■7月26日(水)「さまざまな素材と手法」約53分上映作品:『煙り草物語』(3分・自由映画研究所)、『AN EXPRESSION(表現)』(3分)、『PROPAGATE(開花)』(4分)、『人間動物園』(2分・久里実験漫画工房)、『めもりい』(6分・虫プロダクション)、『創世記』(4分・虫プロダクション)、『りすのパナシ』(21分・電通=電通映画社)、『頭山 Mt.HEAD』(10分・Yamamura Animation)※記載した上映分数は、当日のものと多少異なることがある。
2017年04月25日東京・上野にある東京都美術館で、2017年4月18日(火)~7月2日(日)まで、『ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展 16世紀ネーデルラントの至宝 ― ボスを超えて ―』が開催されています。16世紀のネーデルランド絵画を代表するピーテル・ブリューゲルの最高傑作「バベルの塔」が24年ぶりに展示されるとあって大注目。さらに、奇想の画家ヒエロニムス・ボスの傑作2点も初来日します。「バベルの塔」展が東京都美術館で開催!「バベルの塔」が24年ぶりに来日『ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展 16世紀ネーデルラントの至宝 ― ボスを超えて ―』が、東京・上野にある東京都美術館で開催されます。期間は、2017年4月18日(火)~7月2日(日)まで。今回の展示会の目玉は、16世紀ネーデルラント絵画の巨匠として名高いピーテル・ブリューゲルの代表作の1つと名高い「バベルの塔」。日本で展示されるのは24年ぶりとなります。また、ブリューゲルに影響を与えた奇想の画家、ヒエロニムス・ボスの貴重な油彩2点も初来日。そのほかにも、同時代の絵画や彫刻など約90点で、16世紀ネーデルラント絵画の魅惑の世界を紹介します。見どころ①ブリューゲルの最高傑作「バベルの塔」日本で展示されるのは実に24年ぶりとなる「バベルの塔」。本展では、なぜこの傑作が生まれたのか、そしてブリューゲルがどのようにしてこの傑作を描いたのかなど、様々な角度から「バベルの塔」を紐解いていきます。●ピーテル・ブリューゲル1世とは?ヨハネス・ウィーリクス 「ピーテル・ブリューゲル1世の肖像」(部分)1600年出版 エングレーヴィング Museum BVB, Rotterdam, the Netherlands16世紀のネーデルラント派を代表する画家・ピーテル・ブリューゲル。版画下絵作家として頭角を現し、後に油彩画の製作も手掛けました。人々の暮らしや民話、寓話を生き生きと描き、素朴さの中におかしみや批判的視点を織り込んだ作品で知られています。特に、油彩画は世界に40点ほどしかないため、希少価値が高く、日本での公開が最も難しい画家の1人とされています。●「バベルの塔」はここが凄い!「バベルの塔」鑑賞のポイントとして、まず挙げられるのが、その壮大な構図とスケール。他の画家による14〜15世紀の「バベルの塔」の作例が数階建ての塔を建設する人々を描くのに対し、ブリューゲルは地平線まで見渡すパノラマを背景に、巨大な塔を画面一杯に配置。卓越した想像力によって、かつて誰も思いつかなかった壮大なスケールで描くことに成功しました。また、米粒ほどの大きさで実に細かく描かれた人々にも注目してください。その数はおよそ1,400人と伝えられており、割れたレンガ屑の飛び散った様子や、作業員たちが休む飯場など、「実際の塔の建設に何が必要なのか」と、ブリューゲルが想像力をめぐらせて建設現場の細部を書き込んだことがわかります。その細部にもこだわる執拗な想像力と超絶技巧が、実際には存在しない塔にリアリティをもたらしています。●どうしてブリューゲルは「バベルの塔」を描けたのか?伝説の塔を前例にないかたちで描いたブリューゲルには、2つの重要な能力が備わっていると考えられています。ここでは、「バベルの塔」以外の作品からその能力をわかりやすく解説します。ます、1つ目の能力は、ブリューゲルを語る上では外せない、その鋭い観察眼と写実性。ブリューゲルは、農村で働く村人や祭りの様子なども積極的に描き、晩年は“農民のブリューゲル”とも称されました。その観察眼は鋭く、16世紀の人々の風俗が詳細に、且つ写実的に描かれています。「バベルの塔」で描かれた働く人のリアリティは、このような暮らしへの観察眼から生み出されたことがわかります。ピーテル・ブリューゲル1世、彫版:フランス・ハイス アントウェルペンのシント・ヨーリス門前のスケート滑り 1558年頃 エングレーヴィング Museum BVB, Rotterdam, the Netherlandsさらに、ブリューゲルは、以前のボスやパティニールらの伝統を受け継いだ、風景画の名手でもあることが知られています。主題を画面手前で展開させつつ、背景には、遥か遠くを見渡すような広大なパノラマ風景を描写。「バベルの塔」を含め、様々な作品で、遥か遠くを見渡すような壮大な光景を描く技術を発揮しています。見どころ②奇想の画家ヒエロニムス・ボスの傑作2点が初来日また、2016年で没後500年を迎え、ブリューゲルにも大きな影響を与えたと言われる奇想の画家、ヒエロニムス・ボス。現存するボスの絵画は25点ほどですが、今回そのうちの2点、「放浪者行商人」、「聖クリストフォロス」が初来日します。●ヒエロニムス・ボスとは?ヘンドリック・ホンディウス1世 「ヒエロニムス・ボスの肖像」(部分) 1610年 エングレーヴィング Museum BVB, Rotterdam, the Netherlandsヒエロニムス・ボスは、オランダの南部の街・スヘルト—ヘンボスで活動した画家です。ネーデルラント伝統の写実的な細密描写を生かしつつ、地獄の背景やそこの住み着く妖怪たちを想像力豊かに描いた宗教画で、強烈な個性を発揮。16世紀ネーデルラント画壇に一大旋風を巻き起こし、ネーデルランドを治めたブルゴーニュ公フィリップや、スペインのフェリペ2世らも熱心に作品を収集したと伝えられています。また同時代人たちやブリューゲルにも大きな影響を与え、模倣作品や画風を踏襲「ボス風」作品が数多く制作されました。現存作品は、ブリューゲルよりも少ない"約"25点。今もなお作者が議論されている作品もあるため、油彩画数については学説がわかれています。●人生の選択を描いた1枚「放浪者」「放浪者」は、行商の旅人を描いた油彩画。旅人が娼館の誘惑に後ろ髪を引かれる一場面を描いたこの作品は、それまで一般的だった宗教画とは異なる画題を選び、16世紀のネーデルラント画壇に一大旋風を巻き起こしました。誘惑し合う男女や小用を済ます男が子細に描かれており、世俗の営みに対するボスの関心が現れています。貧しい身なりの旅人は、娼館に立ち寄ったことを後悔しているのか、それともただ通り過ぎようとしているのか。全ての人間は人生において、常に選択を迫られているという暗示が込められた作品と考えられています。●成人の物語にちりばめられる奇想モチーフ「聖クリストフォロス」ヒエロニムス・ボス 「聖クリストフォロス」 1500年頃 油彩、板 Museum BVB, Rotterdam, the Netherlands (Koenigs Collection)キリストを背に乗せて川を渡ったという聖人、聖クリストフォロスの物語を描いた作品「聖クリストフォロス」。キリスト教の聖人伝をモチーフにしていながらも、猟師に吊された熊、廃虚にいるモンスターなど、ボスならではの謎めいたモチーフがちりばめられています。見どころ③「ボス・リバイバル」旋風ヒエロニムス・ボスに基づく 「聖アントニウスの誘惑」 1540年頃 油彩、板 Museum BVB, Rotterdam, the Netherlandsボスの死後もその作品の人気は衰えることはなく、数多くの作家が模倣作品を描きました。また、16世紀半ばには、ボスの画風をまねた版画や絵画が人気を博す「ボス・リバイバル」が巻き起こったと言われています。今回は、ボスの全作品の中でも、最も代表的な作品の1つ、「聖アントニウスの誘惑」のコピー作品が展示。作者不詳のこの作品は、ボスの死後約25年後に制作されたもので、最も忠実なコピーの1つとされています。ピーテル・ブリューゲル1世、彫版:ピーテル・ファン・デル・ヘイデン 「大きな魚は小さな魚を食う」 1557年 エングレーヴィング Museum BVB, Rotterdam, the Netherlandsさらに、ボスのモチーフを使用して制作されたブリューゲルの作品「大きな魚は小さな魚を食う」も登場します。ネーデルラントのことわざを版画化したこの作品には、足の生えた魚や空を飛ぶ魚などといったボスのモチーフが至るところに描かれています。さらに、版元によって「ヒエロニムス・ボスの構想による」と書き添えられており、死後40年以上たっても、ボス人気が衰えていなかったことがうかがえます。●奇妙なモンスターたちを探してみよう!ボスが描いたモンスターたちは、ヨーロッパで人気を集め、彼の死後も、ネーデルランドの芸術家たちが、こぞって取り上げるモチーフとなりました。そんなモンスターたちが会場にある「ボス風」版画作品の中に潜んでいます。現代的な感性にも通じる奇妙なモンスターたちをじっくりと鑑賞してみてください。イベント詳細名称:『ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展 16世紀ネーデルラントの至宝 ― ボスを超えて ―』会場:東京都美術館 企画展示室住所:東京都台東区上野公園8-36会期:2017年4月18日(火)~7月2日(日)開室時間:9:30~17:30※金曜日は20:00まで(入室は閉室の30分前まで)。休室日:月曜日※ただし5月1日(月)は開室。価格:一般 1,600(1,400)円、大学生・専門学校生 1,300(1,100)円、高校生 800(600)円、65歳以上 1,000(800)円※()内は前売券・20名以上の団体券。※前売券は2017年1月11日(水)~4月17日(月)で販売。※中学生以下は無料。※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳持参者と付き添い(1名まで)は無料。※4月19日(水)、5月17日(水)、6月21日(水)はシルバーデーにより65歳以上無料。※毎月第3土・翌日曜日は家族ふれあいの日とし、18歳未満の子を同伴する保護者(都内在住、2名まで)は一般当日料金の半額(いずれも証明できるもの提示)で入場できる。特設サイト:東京都美術館 公式サイト:。
2017年04月20日ロシアの女帝エカテリーナ2世のコレクションが基礎となり、日々進化し続けるエルミタージュ美術館。16世紀〜18世紀にかけて芸術分野における巨匠やその作品群は“オールドマスター”と呼ばれ、今なお多くの人々を魅了し続けています。そんなオールドマスター傑作の数々が、この春六本木に大集結。珠玉のコレクションを、ぜひその目で確かめて。珠玉のオールドマスター作品が目の前に18世紀、女帝エカテリーナ2世が美術品収集をはじめたことをきっかけに生まれたエルミタージュ美術館。エントランスを入ってすぐのエカテリーナ2世の肖像は、まるで「どうぞ私のコレクションを見ていって」と彼女が出迎えているかのよう。16世紀ルネサンス時代のティツィアーノや、17世紀オランダ市民絵画を代表するレンブラント、18世紀フランスを象徴するロココ主義のヴァトー。名だたる巨匠の作品が集結した本展は、エルミタージュ美術館展の決定版となっています。趣向を凝らした展示方法にも注目して展示室内は章ごとに赤や緑、金色など章のイメージに合った色で分かれています。同時代の作品を地域別に分けた本展は、それぞれの国の当時の風潮や雰囲気を味わうのにもうってつけです。またエカテリーナ2世の在位中に取得された作品のキャプションには王冠マークがついており、彼女の趣味趣向などを空想するのも楽しそう。巨匠の作品だからと身構えず、自分ならではの楽しみ方を見つけられるのも本展の魅力のひとつです。取材・文/おゝしろ実結イベント情報イベント名:大エルミタージュ美術館展オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち催行期間:2017年03月18日 〜 2017年06月18日住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階森アーツセンターギャラリー電話番号:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2017年04月18日東京国立博物館、国立西洋美術館、上野動物園など、東京・上野地区にある10施設を1回ずつ利用できる共通入場券「UENO WELCOME PASSPORT」の販売が、2017年4月1日(土)からスタートします。利用期間は2017年9月30日(土)まで。さらに、今回は、「特別展チケット」が1枚付いたタイプも新たに登場します。文化の街・上野をお得に楽しみたい方にぴったりですよ。「UENO WELCOME PASSPORT」が今年も販売!2015年に始まった「UENO WELCOME PASSPORT」は、上野地区の文化施設を1回ずつ利用できる共通入場券。4度目の発行となる今回は、これまでの常設展・動物園などに入場できるパスポート型の入場券に加えて、対象施設で開催される指定の特別展から1つを選び観覧できる「特別展チケット」が1枚付いたタイプも新たに登場します。なお、利用期間は2017年9月30日(土)まで。春から夏休みまでの期間にわたり、より便利に、お得に上野地区の観光を満喫できます「UENO WELCOME PASSPORT」とは?「UENO WELCOME PASSPORT」は、東京国立博物館、国立科学博物館、国立西洋美術館、上野動物園、旧岩崎邸庭園、東京都美術館、上野の森美術館、下町風俗資料館、朝倉彫塑館、書道博物館の10施設の常設展などに、利用期間中、各1回入場できるお得なパスポート型の共通入場券です。また、今回新たに発行する「特別展チケット」付きは通常の内容に加え、東京国立博物館、国立科学博物館、国立西洋美術館、東京都美術館、東京藝術大学大学美術館の5館において、指定の特別展のうち1つを選んで、観覧することができます。今回はスタンプラリーマップつき!上野の知識を深めようパスポートには案内地図として、「上野双六名所図絵 すごろくスタンプラリーマップ」が付属しています。さらに、各名所ごとの解説が載っており、散策しながら上野とその周辺の知識を深めることができますよ。このスタンプラリーマップで、施設を回り、7個以上スタンプを集めた方には、オリジナル・クリアファイルをプレゼントします。また、東京藝術大学大学美術館、東京文化会館、国立国会図書館国際子ども図書館、国立近現代建築資料館の4館では、パスポート持参した方にポストカードを配布します。「UENO WELCOME PASSPORT -上野地区文化施設共通入場券-」詳細販売・利用期間:2017年4月1日(土)~2017年9月30日(土)※ 東京都美術館は2017年10月9日(月・祝)まで有効。販売価格:2,000円(税込、常設展等入場券)、3,000円(税込、常設展等入場券+特別展チケット)※常設展等入場券+特別展チケットは3,000部限定販売販売場所:(1) 各施設チケット窓口東京国立博物館/国立科学博物館/国立西洋美術館/上野動物園/東京藝術大学大学美術館/上野の森美術館/下町風俗資料館/朝倉彫塑館/書道博物館※ 旧岩崎邸庭園、東京文化会館、国際子ども図書館、国立近現代建築資料館での販売はありません。(2) 店舗等での販売東京都美術館ミュージアムショップ/東京藝術大学大学美術館ミュージアムショップ/エキュート上野/松坂屋上野店/上野マルイ/浅草文化観光センター/東京観光情報センター(都庁第一本庁舎1階)/京成インフォメーションセンター(成田空港内)等(3) インターネット販売上野「文化の杜」公式ウェブサイト内 利用対象施設①常設展および総合文化展への入場(各施設1回)東京国立博物館/国立科学博物館/国立西洋美術館②入館および入園(各施設1回)上野動物園/旧岩崎邸庭園/下町風俗資料館/朝倉彫塑館/書道博物館③指定の展覧会に入場(各施設1回)東京都美術館「杉戸洋展」/上野の森美術館④指定の特別展に100円引きで各1回入場国立西洋美術館/東京都美術館⑤持参者にポストカードをプレゼント東京藝術大学大学美術館/東京文化会館/国際子ども図書館/国立近現代建築資料館「特別展チケット」対象施設(指定の特別展1つに限り1回観覧できます)東京国立博物館/国立科学博物館/国立西洋美術館/東京都美術館/東京藝術大学大学美術館「特別展チケット」指定の特別展①東京国立博物館特別展「茶の湯」/日タイ修好130周年記念特別展「タイ 〜仏の国の輝き〜」/フランス人間国宝展/興福寺中金堂再建記念特別展「運慶」②国立科学博物館特別展「大英自然史博物館展」/特別展「深海2017」③国立西洋美術館シャセリオー展/アルチンボルド展④東京都美術館ブリューゲル「バベルの塔」展/ボストン美術館の至宝展⑤東京藝術大学大学美術館特別展「雪村-奇想の誕生-」/ 藝「大」コレクション パンドラの箱が開いた!イベント詳細URL:
2017年03月29日皇居や千鳥が淵、北の丸公園といった都内有数の桜の名所エリアに立地する東京国立近代美術館では、4月9日(日)まで「美術館の春まつり」として桜とともに楽しむイベントを開催している。東京国立近代美術館では、風情のある日本の美が堪能できる2つの展覧会を中心に、さまざま催しを実施。「所蔵作品展MOMATコレクション」では、国内最大規模1万3,000点を超える所蔵作品から約200点を厳選、年に1度だけとなる水面に散る桜を描いた重要文化財作品・川合玉堂《行く春》や菊池芳文《小雨ふる吉野》(この2点はいずれも4月16日(日)まで)など、名作の数々を展示。4月2日(日)の「所蔵作品展 MOMATコレクション」無料観覧日には「春まつりトークラリー」を開催。ガイドスタッフとの対話による作品鑑賞を楽しみながら、スタンプラリー方式で作品を巡るスペシャルプログラムとなっている。また、「茶碗の中の宇宙樂家一子相伝の芸術」では、初代長次郎、本阿弥光悦の作品をはじめ、千利休が愛した名碗も揃い、樂家450年の伝統と技を楽しめる。3Dスキャン技術で再現した、手にとって触れる初代長次郎の「万代屋黒」などにも注目。十五代樂吉左衞門のサイン会・講演会なども開催される。三國清三シェフがプロデュースした館内2階のレストラン「ラー・エ・ミクニ」のテラスカフェでは、お花見弁当をはじめ桜の季節の特別メニューを販売、1階前庭には京都の老舗「一保堂茶舗」による期間限定の茶店が出店、本格的な煎茶や抹茶、和菓子なども提供される。期間中には、近隣で「千代田のさくらまつり」も開催されており、4月1日(土)・2日(日)には無料巡回バスが運行。桜を愛でながら気軽な散策も楽しめそう。東京国立近代美術館「美術館の春まつり」は4月9日(日)まで開催中。「所蔵作品展MOMATコレクション」「茶碗の中の宇宙樂家一子相伝の芸術」は5月21日(日)まで実施。(text:cinemacafe.net)
2017年03月28日リビングでのおもちゃの収納に悩んでいるママは多いのではないでしょうか?子供が小さいうちは目の届くリビングで遊んでほしい…しかしリビングは来客のときにも使いますよね。だからこそ今回はひと目の気にならない、おしゃれ収納をDIYするアイデアや実例をご紹介します!【事例1】ベジタブルボックス風の収納&テーブルをDIYmacahomeさんは、DIYで余った廃材を使って、テーブルにもおもちゃの収納にもなるベジタブルボックス風のおもちゃ収納をDIYしたそうです!蓋を閉じておけばテーブル、開ければおもちゃの収納という2way。簡単に作り方をご紹介していきます!今回使ったものは、こちらの廃材。幅90mm,厚み12mmの廃材を12枚用意します。まずはボックスの側面部分。板を並べてビスで固定していきます。3枚の板を並べて、横板を渡しビス留めしていくのですが、ここでひと工夫!まずは端の2枚のみを留めます。その後、間の板を入れて固定するようにしていけば多少ずれても箱自体には影響しません。こうすることでビス留めの作業やりやすくなり、箱全体の完成度も高まります。ビスを一つずつしか留めていないため、この時点では動いてしまいますが、組み立てれば動かなくなりますので、安心してくださいね♪続いてボックスの底板と側面を組み立てていきます。こちらも厚さ12mmの板です。側面をしっかりと直角になるように固定していきます。90度で固定できないと歪んだ箱になってしまうので、十分注意して組み立ててくださいね!その後は、橋を渡すように残りの6枚をビス留めしてボックス部分の完成です!続いて蓋の部分を作製していきます。蓋も同様に廃材を使っていきます。板を並べ、ビス留めしていきます。蝶つがいを使って、蓋を固定していきます。蓋もある程度重さがあるので、それに耐えきれる大きさの蝶つがいを用意しましょう。また蓋を作製する際の注意点なのですが、蓋を閉じたときに蓋の裏側の横板が当たってしまうと閉まらなくなってしまいます。注意してくださいね!裏には移動しやすいようにキャスターを取り付けます。蓋が開いたまま止まるように、チェーンでも固定しています。こちらも耐荷重の高いものでないと思わず指を挟むなどして危険ですので、しっかりとしたものを取り付けるようにしてくださいね。そして全体を塗装してきます。今回使ったのはBRIWAXのジャコビアン!これを塗るだけで一気に手の込んだ本格的なものになりますね♪最後に取っ手を取り付けます。取っ手は取り付ける部分に印をつけて、ドリルで穴を開けて裏から固定します。素敵なテーブルにもなるおもちゃ箱の完成です!リビングに置いてあってもインテリアに馴染んでくれるおもちゃ箱、オススメです。▼macahomeさんのアイデアをもっと見る▼ベジタブルボックスをDIY!キャスターつきで大容量♪テーブルにもなって子供部屋に最適!【事例2】ニトリのカラーボックスでおもちゃの収納箱を簡単DIY!sayo.さんは、ニトリのカラーボックスを使ってリビングにおいてあっても遜色ないおもちゃ収納をDIYしています。とても簡単にできるので、是非最後までご覧ください!今回メインに使うものはこちら!ニトリの、幅41.9cm×奥行29.8cm×高さ59cmの2段カラーボックスです。1000円もしない価格で手に入れることができ、またニトリ製品のため簡単に組み立てることもできます。間仕切りを入れない状態まで組み立てます。こちらもニトリで購入した「引き出しレール」です。左右セットで税込み99円で購入可能なので、カラーボックスを購入する際に一緒に調達してしまいましょう!カラーボックスの穴の部分に、レールの付属されているビスを入れていきます。もともとこのような使い方が想定されているものなので、左右のレールの高さを合わせるのも簡単ですし、ビス留めもとてもに簡単にできるそうですよ♪こちらもニトリの収納ボックス!カラーボックスにピッタリのサイズにデザインされているので、安心して購入することができます。また、サイズやカラーも豊富なため、お部屋の雰囲気と相談して決めてくださいね♪あとは最初に取り付けたレールにはめれば完成!大変な作業もないので、力に不安な女性でも作ることができると思います。▼sayo.さんのアイデアをもっと見る▼ニトリのカラーボックスシリーズだけで子供グッズを全て収納!【事例3】りんご箱でつくる子供用おもちゃ収納WorkShopSalonCOMO?さんは、りんご箱でおしゃれな収納をDIYしたそうです。既には箱になっているものをうまく活用していくDIYアイデアです!用意したのはこちら!============*りんご箱×2*キャスター台×2*ディッシュラック×2============WorkShopSalonCOMO?さんも仰っていますが、業務用のりんご箱はそのまま用いるとトゲなどが使っているときに刺さってしまう可能性があるので、しっかりとヤスリがけを行って子供でも安心して使えるようにしておくことが重要です。こちらはりんご箱にキャスター台を取り付けたときの写真。WorkShopSalonCOMO?さんは、この上にも同じりんご箱を重ねて、2段の収納にしたそうです!上の段に置くもの次第では留めずに上に置くだけでも良いかもしれませんが、不安な方はビス留めをおすすめします。本をたてる部分には、本来お皿を立てるための、木製ディッシュラックを活用したそうです。奥にも同じものを並べることで、等間隔のシェルフにすることができます!既にはこの状態のものを活用すれば、時間も労力もかからずに作製することができます!りんご箱も木製なので、塗装しても少し雰囲気の違ったものになると思います。ぜひ挑戦してみてください!▼WorkShopSalonCOMO?さんのアイデアをもっと見る▼りんご箱で簡単おしゃれなキッズ収納をDIY♡【事例4】端材でおしゃれ!おもちゃもたくさん入る収納ボックスをDIY我が家さんは、端材と100均のセリアの商品を活用して、おもちゃ箱をDIYしたそうです!もともとはこのようにかごを置いていたそうなのですが、サイズが合わなく飛び出す形に・・・。今回はそれも改善するためにDIYしていきます。まずは完成したときの箱の大きさを考えて、端材をカットしていきます。ホームセンターによっては、購入時のレシートで再カットしてくれるところもあるようなので、是非活用してみてくださいね!そして、リリーホワイトとワックスで塗装していきます!お部屋の雰囲気に合わせて色を変えたり塗り方を変えてみてくださいね!塗装が乾いたらビスで組み立てていきます。蓋の部分は蝶つがいで固定し、開けられるようにしています。正面にはステンシルで塗装をしたのと、セリアのハンドルをつけています。ステンシルに関しては、以下のアイデアでも紹介しています!是非参考にしてみてください★ステンシルで男前DIY!〜作り方からアレンジ例までご紹介〜ステンシルに加えて蓋の部分にはダイソーのプレートで装飾しています。安価ながらも本格的なデザインが嬉しいですね◎このように、簡単ながらも本格的な収納が完成しました!周囲のもののサイズに合わせて自分なりにアレンジしてみてくださいね!▼我が家さんのアイデアをもっと見る▼初心者さんにも ♪ 端材とセリアでオモチャ入れをDIY【事例5】片付けるのではなくあえて「見せる」収納!TsunCoRicoさんは、ここまでご紹介したアイデアとは逆に、あえて綺麗に並べることで収納するアイデアを紹介しています!TsunCoRicoさんのお家に眠っていたDINKYTOYSというミニカー。今まで押し入れの奥に放置されていた、このレトロでおしゃれなミニカーをインテリアにしていきます。SPF材を棚の長さにカットしていきます。オイルステインで塗装していくのですが、TsunCoRicoさんはオーク色を塗った後にウォルナット色で重ね塗りしていったそうです。今回、高い部分に棚を設置するということで、棚を少し斜めに傾けて見やすく、でも車が前に落ちてこないように、車止めも作って安全対策も工夫されています。車止めには波釘を使い、タイヤの間隔に合わせて板に打ち付けていきます。一番下の棚板の部分には、柵を付けて収納の幅を出しています!あまり重たいものは吊るせませんが、何かメモを飾る程度であれば十分です◎このように少し高いところでも、板を斜めにすることによって車が見えやすくなっています。これもDIYだからこそできる工夫ですよね!しまうだけでなく、「見せる」収納。かわいいおもちゃで挑戦してみてください♪▼TsunCoRicoさんのアイデアをもっと見る▼DIYでミニカーも主役級インテリアに☆いかがだったでしょうか?今回はリビングでもできるおもちゃの収納アイデアを5つご紹介しました。簡単に実践できるアイデアばかりなので、ぜひとも自宅に合うようにDIYに挑戦してみてください!収納のアイデアをもっと見るのアイデアをもっと見る
2017年03月27日東京・品川の「原美術館」では、3月26日(日)に、パリの有名パティスリー「ピエール・エルメ・パリ」、子どもたちの豊かで美しい未来を育むプロジェクトを手がける「Polar Inc.」が、1日限定イベント「“Paques” 復活祭 2017あなたのうさぎはどこ?~アートを見てチョコレートを探そう~」を開催する。本イベントは、美術館のギャラリーガイドや伝統行事のイベントを通して、「芸術や文化が日常にある生活」をより身近に感じてもらうことを目的とした、子ども対象の体験型イベント。パック(復活祭。英語ではイースター)は、キリスト教の最大お祭りとも言われ、十字架にかけられたイエス・キリストの復活を祝う記念日だ。日本でも最近、その文化が知られるようになり、巷のスイーツショップでは、卵やウサギ、あひるの形をしたお菓子が店頭に並ぶ光景が見られる。「ピエール・エルメ・パリ」と「原美術館」、「Polar Inc.」は、パックの伝統を紹介し、子どもたちにも知ってもらいたいという思いから、毎春、この伝統行事を原美術館の庭で開催している。参加者はバスケットを片手に、庭に隠されたイースターエッグやバニーを探すゲームを体験し、ホールでは復活祭の歴史や、それにちなんだチョコレートの説明や展示、「ピエール・エルメ・パリ」のフランス人パティシエによるチョコレートのデモンストレーションを見ることができる。さらに今年は、セルフポートレイトをテーマにしたアートワークショップも開催。イベントは、同日の13時~、15時~の2回開催となり、定員は20名(3歳~12歳以下の子ども、大人同伴可)。参加費は無料(子ども1名、大人1名分の入館料は無料)。3月7日(火)より「ピエール・エルメ・パリ」のオフィシャルサイトより申し込みを受け付け中。(text:cinemacafe.net)
2017年03月10日「MOMAT コレクション」が東京国立近代美術館にて開催される。期間は2期に分かれており、前期は2017年2月18日(土)から4月16日(日)まで、後期は4月18日(火)から5月21日(日)まで。「MOMAT コレクション」は、国内最大規模約13,000点の所蔵作品から約200点を厳選して紹介する所蔵作品展。時宜にかなったテーマや切り口で年に数回ガラッと作品を入れ替え、多様な作品をとおして明治以降の日本美術の流れをたどることができる。今期の見どころは、春のこの期間しか見られない、桜を描いた日本画作品。川合玉堂《行く春》、菊池芳文《小雨ふる吉野》、松林桂月《春宵花影図》の3点がそろって展示されるのは8年ぶりで、前期のみの展示となる。その他、第3室の「おなじみのあの作品のモデルがこの作家で、この作家とあの作家は友人で、あの作家はこの人の……」と人脈の広がりを楽しめる展示「男たちのつながり 劉生を起点にして」や、第5室で紹介される「日本の近代美術に与えた影響」という観点から収蔵してきた西洋美術にも注目だ。なお、東京国立近代美術館では2017年3月25日(土)から4月9日(日)まで「美術館の春まつり」を開催する。風情のある日本の美を堪能できる、本展と「茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術」の2つの展覧会のほか、様々な催しが開催される。皇居や千鳥が淵、北の丸公園といった桜の名所エリアの散策に合わせて、ぜひ立ち寄ってみては。【詳細】所蔵作品展「MOMAT コレクション」会期:2017年2月18日(土)~5月21日(日)会場:東京国立近代美術館 本館 4~2階住所:東京都千代田区北の丸公園3-1開館時間:10:00~17:00※金曜日、土曜日は20:00まで※入館は閉館30分前まで休館日:月曜日、3月21日(火)※ただし3月20日、27日、4月3日、5月1日は開館アクセス:東京メトロ東西線「竹橋」駅1b出口 徒歩3分観覧料:一般 430(220)円 大学生 130(70)円※高校生以下および18歳未満、65歳以上、障害者とその付添者1名、MOMATパスポート持参者、キャンパスメンバーズ、友の会、賛助会員、 MOMAT支援サークルパートナー企業(同伴者1名まで、シルバー会員は本人のみ)は無料※()内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込無料観覧日:毎月第一日曜日、国際博物館の日(5月18日(木))問い合わせ先:03-5777-8600(ハローダイヤル)■展示される重要文化財・川合玉堂《行く春》(1916年) ※前期のみ・原田直次郎《騎龍観音》(1890年)・萬鉄五郎《裸体美人》(1912年)・岸田劉生《道路と土手と塀(切通之写生)》(1915年)・中村彝《エロシェンコ氏の像》(1920年)・上村松園《母子》(1934年) ※後期のみ■美術館の春まつり会期:2017年3月25日(土)~4月9日(日)会場:東京国立近代美術館住所:東京都千代田区北の丸公園3-1問い合わせ先:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2017年02月25日洗練された空間で「世界のアート」を体験するスイスの建築家マリオ・ボッタによって設計された、洗練された佇まいが印象的なこの美術館。展示会を作るにあたり世界的な専門家を招き、国際的にアートに貢献しているアーティストの参加も実現するという極めてクオリティの高い美術館。渋谷という街に居を構えながらも、内向きな地域主義に陥ることなく活動をしており、世界に向けてアートを発信しています。スリリングなパフォーマンスが圧巻! 「コンタクトゴンゾ展 Physicatopia」「コンタクトゴンゾ(contact Gonzo)」とは、2006年に垣尾優と塚原悠也によって結成された、セゾン文化財財団助成対象アーティスト(2011年〜)。現在のメンバーは塚原悠也、三ヶ尻敬悟、松見拓也、NAZEの4名で、肉体の衝突を起点とする独自の牧歌的崇高論を構築し、即興的なパフォーマンス作品や、映像、写真作品の制作、マガジンの編集などを行っています。「フィジカトピア(Physicatopia)」では、サッカースタジアム用のパフォーマンス作品『xapaxnannan』発表後に発見された文章に基づいた彫刻の他、未発表のものを含む過去のパフォーマンス作品記録映像を見ることができます。世界的なアーティストや専門家たちによって作り上げられる展示会は一見の価値あり。圧倒的なパワーを持ったコンテンポラリーアートは、静かに鑑賞するだけでなく、没入して体感できるのも魅力のひとつ。新しい閃きを感じたい人は、ぜひ訪れてみて。取材・文/西尾 宇宙スポット情報スポット名:ワタリウム美術館住所:東京都渋谷区神宮前3-7-6電話番号:03-3402-3001
2017年02月24日