いま引く手あまたの人気俳優・大泉洋を主演に迎え、気鋭監督・原田眞人が井上ひさしの時代小説を元に映画化した『駆込み女と駆出し男』の劇場公開日が、2015年5月16日(土)に決定。併せて、大泉さん、戸田恵梨香、満島ひかりに続く超強力キャストの面々も発表され、樹木希林、堤真一、内山理名、山崎努、武田真治、キムラ緑子ほか日本映画界・演劇界を代表する名優たちが勢揃いしていることが明らかとなった。江戸時代――時は老中・水野忠邦による“質素倹約”の天保の改革真っ直中。鎌倉に建つ東慶寺は、幕府公認の駆込み寺(縁切寺)として離縁を求める女たちの最後の砦。だが、女たちは駆込み後、御用宿にて聞き取り調査をし、夫を呼び出した上で離婚の意志(三行半を書くか否か)を確認。夫が三行半を書かない場合に東慶寺へ入山し、2年の修行を経て、晴れて離婚成立、という過程を経なければならなかった。戯作者に憧れる医者見習いで、御用宿・柏屋の居候である信次郎(大泉さん)は、男のような名前を持つ柏屋の女主人、源兵衛(樹木希林)とともに男と女のもつれた愛の糸を解き、訳あり女たちの人生の新たな出発を手助けすることに…。本作は、離婚率は現代の2倍といわれる江戸時代の駆込寺を舞台に、見習いの医者兼駆け出しの戯作者の男が“離縁調整人”となり、さまざまな事情を抱えて駆込んでくる女たちが織り成す人情エンタテインメント。作家・井上ひさしが11年かけて紡いだ時代小説「東慶寺花だより」を元に原田監督が映画化し、当時の男女の“離縁”事情だけでなく、江戸の風俗や文化もふんだんに盛り込んでいるという。離縁調停を行う御用宿・柏屋の女主人となる樹木さんは、役所広司主演の原田作品『わが母の記』に続く出演。「南総里見八犬伝」を記した当時の戯作者、曲亭馬琴には山崎努。また、満島さん演じる“駆込み女”・お吟を妾に持つ日本橋の唐物問屋、堀切屋三郎衛門に堤真一。さらに、前夫をゴロツキ侍に殺され、乱暴の後に無理やり妻にされた壮絶な過去を持つ“駆込み女”に、原田作品初出演となる内山理名。柏屋の番頭・利平に木場勝己、その妻・お勝にキムラ緑子、縁切寺の東慶寺の院代・法秀尼には、元宝塚宙組トップ娘役の陽月華、もうひとりの駆込み女に神野三鈴、水野忠邦の腹心・鳥居耀蔵に北村有起哉、ヤクザの親分に橋本じゅん。そして、戸田さん扮する、顔にヤケドの跡がある駆込み女・じょごのDV夫・重蔵を武田真治が演じている。原田監督は、この第2弾豪華キャストの各々についてコメントを寄せてくれている。「樹木希林さんには三代目柏屋源兵衛という仰々しい男の名前を持つ女傑をお願いしました。『赤ひげ』でぼくがもっとも好きなエピソードに出ていた山崎努さんには、戯作の神様をお願いしました。堤真一さんは盟友であり、名優です。江戸の光と影を背負った儲け役を楽しんでもらいました。内山理名さんは、文字通り体を張った熱演で、一皮むけたのではないかと思っています。この映画で原田作品に4作品連続登板となるキムラ緑子さんとは、深く愛し合っているので、次も、その次も出演をお願いするつもりです。武田真治さんは、江戸時代のDV男がぴったりでした。本人は心やさしすぎて大変だったろうと思います。陽月華さんは、法秀尼役は彼女しかいない、と脚本段階でイメージしていました。美しい以上に剽軽で思い切りの良さがある人です。神野三鈴さんは、一緒に仕事をするのが本当に愉しい超演技派です。ハチミツ浣腸のシーンがあるのですが、その場では死ぬほど笑って苦しかった。北村有起哉さんは素晴らしい俳優で、英国演劇界の重鎮と拮抗できる名優になる人だと思います。そして、橋本じゅんさんは、「原作を読んだとき近江屋三八は彼の為に書かれた役だと思いました。大泉洋さんが演じる信次郎とのトークバトルは映画史に残る名場面だと思っています。演ずる気迫に心を打たれました」。監督自身も太鼓判を押すキャストたちの化学反応に期待感が高まる。『駆込み女と駆出し男』は2015年5月16日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年09月27日女性向けWEBサイト「免疫美人Labo」はこのほど、全国の20代~40代の女性600名を対象に実施した「敬老の日」に関する意識調査の結果を発表した。調査は8月28日に行われた。○女性の5割が「おばあちゃんは理想の女性」と回答調査ではまず、「おばあちゃんは理想の女性ですか」と質問したところ、「理想の女性である」あるいは「どちらかというと理想の女性である」と回答した割合が、20代女性は57.5%、30代女性では50.0%、40代女性は44.5%と徐々に少なくなり、若い世代ほど、おばあちゃんを理想と思っていることがわかった。また、そう思う理由を自由回答で聞いたところ、「肌がきれい」や「かわいらしい」、「優しい」といった回答が多く見受けられた。○おばあちゃんの魅力は「笑顔」次に、「あなたご自身のおばあちゃんの生き方は魅力的と感じますか?」という質問では、「感じる(49.3%)」「感じない(50.7%)」という結果に。また、「感じる」と回答した人に、その理由を聞いたところ、最も多かった回答は「日々笑っている姿(55.1%)」だった。次いで「家族を大切にしている(46.6%)」「へこたれない(40.2%)」「物事を潔く受け入れている(36.1%)」と続き、圧倒的に笑っている姿が魅力的に映っていることが浮き彫りとなった。○理想のおばあちゃんは「吉永小百合」「芸能人で理想のおばあちゃんといえば誰ですか?」という質問をしたところ、「吉永小百合(55.8%)」が断トツ1位となり、「いつまでも美しく年齢を感じさせない品のある女性だから」、「いつもキレイに着物姿でとても素敵です」、「おしとやかでキレイ。昔ながらの日本人の女性という感じ」といった声が寄せられた。以下、「八千草薫(42.5%)」「野際陽子(28.7%)」「樹木希林(25.3%)」と続き、ドラマでもおばあちゃん役の多い女優が上位を占める結果となった。(「免疫美人Labo調べ」)
2014年09月10日理化学研究所(理研)とカネカは3月29日、植物の中でも樹木の細胞壁に多く含まれる高分子量の芳香族化合物「リグニン」の分解物を微生物に与えることで、バイオプラスチックの1種で、多くの微生物がエネルギー貯蔵物質として体内に蓄えるポリエステルである「ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)」の合成に成功したと共同で発表した。成果は、理研 環境資源科学研究センター バイオマス工学連携部門 酵素研究チームの富澤哲特別研究員、同・沼田圭司チームリーダと、カネカ GP事業開発部の松本圭司将来技術グループリーダーらの共同研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、日本時間3月29日付けで米化学会発行の科学誌「ACS Sustainable Chemistry & Engineering」オンライン版に掲載され、後ほど印刷版にも掲載される予定だ。環境循環型社会へと転換を図るためにには化石資源を代替できる技術をあらゆる分野で早急に確立する必要があるが、太陽電池をはじめとする各種代替えエネルギー生産技術が実用化されているエネルギー分野に比べ、材料分野は石油由来プラスチックの代替材料がいまだ確立されておらず、立ち後れた状況となっている。しかし、研究開発そのものが進んでいないわけではなく、バイオプラスチックは代替材料の有力候補の1つとして注目されているのはご存じの通りだ。そうした製品化されたバイオプラスチックの1つが、「ポリ乳酸」である。生物由来の資源(バイオマス)を主原料とするバイオプラスチックは、これまで、大気中の二酸化炭素の量を総体的には増加させない「カーボンニュートラル」という観点が強調されてきたが、実用化に向けていくつかの課題があった。その1つが、食料系バイオマスを原料としてバイオプラスチックを生産することによる食糧問題の悪化だ。その問題は、食料生産と競合しない非可食かつ未利用のバイオマスを原料とすれば回避できる。リグニンは未利用の植物性バイオマスとして知られており、樹木の細胞壁に多く存在し、芳香族化合物からなる高分子量化合物だ。リグニンの構成成分である「p-クマル酸」、「カフェ酸」、「フェルラ酸」、「シナピン酸」などの「リグニン誘導体」(これらがネットワークを形成することでリグニンが形成される)は「スフィンゴモナス」属や「シュードモナス」属の微生物細胞内で「芳香族カルボン酸」を経て、「ピルビン酸」や「オキサロ酢酸」、「コハク酸」に変換されることが知られている。さらに、ピルビン酸から誘導される「アセチル-コエンザイムA」は、ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)の前駆体の1つだ。これは、微生物を利用してリグニン誘導体を原料としたPHAの生産が理論上可能であることを示唆しているという。今回の研究では未利用バイオマスの代表格であるリグニンを原料とし、PHAというバイオプラスチックを微生物合成することが目標とされた。研究チームは、まずPHAを効率よく合成する微生物を探すため、11種類の微生物を前述した4種類のリグニン誘導体と、芳香族カルボン酸(「バニリン酸」、「4-ヒドロキシ安息香酸(4-HBA)」、「2,5-ジヒドロキシ安息香酸(2,5-DHBA)」、「3,4-ジヒドロキシ安息香酸(3,4-DHBA)」、「シリンガ酸」、「3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸(3,4,5-THBA)」)が単一炭素源として含まれる無機塩培地で培養し、それぞれの微生物の増殖の評価が行われた。その結果、芳香族カルボン酸の1つである4-HBAの存在下でPHAの生産株として有名な「ラルストニア・ユートロファH16」(R.ユートロファ H16)が比較的良好な増殖を示したのである。続いて、R.ユートロファ H16のPHA合成能力を検討するために、その増殖、PHAの蓄積量、および合成されたPHAの化学構造の解析が実施された。R.ユートロファ H16の培養方法は、最初から無機塩培地で培養する1段階培養、およびR.ユートロファ H16を成長しやすい富栄養培地で増殖させた後に、無機塩培地へ培地を変え培養する2段階培養の2種類で行われた形だその結果、R.ユートロファ H16の乾燥菌重量は0.69g/Lであり、PHAを63wt%蓄積することが判明(画像1~3)。2段階培養では、2,5-DHBAと3,4-DHBAを炭素源とした場合にPHAの蓄積が確認でき、PHA蓄積率は26wt%と13wt%だった。精製後に得られたPHAは、糖や植物油を原料として合成したPHAに比べ、分子量がやや低いものの、フィルムなどのプラスチック製品として利用可能な物性が示されたのである。得られた結果を代謝経路と併せて考察した結果(画像4)、R.ユートロファ H16では、リグニン誘導体から芳香族カルボン酸に変換する経路(画像4注の赤点線矢印)がリグニン誘導体をPHAへと変換する際のボトルネックであることが明らかとなり、代謝経路を改変することにより、PHAの生産性をさらに改善できることが示されたという。今後は、未利用バイオマスであるリグニンを、バイオプラスチックの生産という形だけでなく、幅広いバイオリファイナリー技術と融合することにより、幅広い物質生産へと利用することが求められるとする。また、リグニンは植物から得られるバイオマス資源の中で、唯一芳香族を有する化合物であり、有効利用が期待されているとした。また今回の研究では、リグニンが有する芳香環を開環することで利用しているが、開環反応を経由せず芳香族化合物として利用することが望まれるという。一方で、リグニンの分解物を利用するのではなく、非常に高分子量のリグニンを分解すると共に物質生産を行う新しいタイプの微生物も必要になるとした。研究チームは今後、リグニン分解とバイオプラスチックの合成を同時に進める新たな微生物反応系の構築を目指すとしている。
2014年04月01日古希(70歳)、傘寿(80歳)を過ぎてもなお、年に複数本の映画やドラマに出演し、日本映画界に欠かせない存在感を放つ八千草薫(82歳)と樹木希林(70歳)が揃って「VOGUE JAPAN Women of the Year 2013」を受賞。11月26日(火)の授賞式に出席した。各分野で活躍する女性を称える同賞だが、今年は受賞者の9人中に4人が女優となった。27歳にして高い演技力で高い評価を集める満島ひかり、モデルとして活躍し、今年ハリウッド大作『ウルヴァリン:SAMURAI』で女優デビューを果たした福島リラと共に八千草さん、樹木さんという2人のベテラン女優が選出された。八千草さんは現在公開中の『くじけないで』に今年亡くなった実在の詩人・柴田トヨさん役で主演しているほか、アカデミー賞「外国語映画部門」の日本代表の『舟を編む』、ドラマ「最高の離婚」などに出演し存在感を発揮した。受賞に際し「若い人ばかりの中で少々照れますが」と言いつつ、「『VOGUE』は若い頃から読んでました」とも。今年1年を「次から次へと仕事が来て、ありがたいのですが少し疲れました」とふり返り、「若いときと違って頑張らず、いまを生きていければいいかなと思います」と来年に向けた抱負を口にした。八千草さんが落ち着いた着物姿で登場したのと対照的に、樹木さんは色鮮やかな花柄のワンピースで来場。今年3月に日本アカデミー賞「最優秀主演女優賞」を受賞した際、スピーチにおいて、“全身がん”であることを告白したが、この1年を「療養の1年でした」と述懐。体調については「ずっと同じ。いいんじゃない?悪くはないので」と語った。一見、対照的な2人だが、昨年公開の映画『ツナグ』で一緒のシーンはないものの共演を果たしており、この日も肩を並べて笑顔で報道陣の取材に応じた。樹木さんは体調管理について問われ「整形と化粧ですかね?」とユーモアたっぷりに答え、さらに「皇潤です(笑)」と八千草さんがCM出演する健康食品の商品名を挙げ、笑いを誘う一幕も。会場に展示されている「レクサス」のスーパーカー「LFA]のボディに“女性として輝く秘訣”を書くようにと求められると、八千草さんは「いつも楽しく」、樹木さんは「相手を照らし、その反射でチョッと光る」と書き込んだ。(黒豆直樹(cinema名義))
2013年11月27日今年、最も輝いた女性たちを表彰する「VOGUE JAPAN Women of the Year 2013」の授賞式が11月26日(火)、都内で開催され、樹木希林に八千草薫、満島ひかり、タレントの大久保佳代子、壇蜜ら受賞者が一堂に会した。スタイルや生き方、美において読者をインスパイアした各分野で活躍する女性を表彰するもので、今年で9回目を迎える「VOGUE JAPAN Women of the Year」。女優の樹木希林、八千草薫、満島ひかりに、今年『ウルヴァリン:SAMURAI』で女優デビューを果たした福島リラ、タレントの大久保佳代子に壇蜜、モデルのCHIHARU、東京五輪招致のプレゼンテーションを行い注目を集めたアスリートの佐藤真海、アーティストのスプツニ子!の9名が受賞した。ドラマ「Woman」では強く生きるシングルマザーを映画『夏の終り』では抗しきれない愛に生きる女性を演じるなど多彩な役柄で高い評価を受けた満島さん。テレビと映画の仕事の合間を縫って出演した舞台の仕事に触れ「今年は3本の舞台に出て充実した1年でした。お客さんの前でお芝居することで学びもあり、ライブを味わいました」とニッコリ。この日はドレスではなくカジュアルで活動的で力強い印象をもたらすショートパンツ姿だったが、輝く女性に贈られる賞を受賞したとあって「もうすぐ28ですが、女性に生まれたことをもっと大切に、化粧やファッションにももっと興味を持って楽しくやっていきたい!」と女性ならではの魅力のアップを誓っていた。八千草さんは「若い人の中で少々照れくさいですが…ありがたく思います」と受賞の喜びを語る。樹木さんは「70になって、ひとつずつ持っているものを削いで、省略する――そんな時間になっているのですが、にもかかわらずこのような賞をいただき戸惑っています」と語る。五輪招致のプレゼンテーションでの活躍で注目を浴びた佐藤さんだが、競技者としても今年7月の世界選手権で銅メダルに輝くなど充実の1年となった。「普段はOLアスリートなので場違いで…」と緊張気味に笑っていたが「女性として外からも中からも輝いていけたら」と挨拶した。大久保さんは「普段やっていることからかなり遠い」と受賞に戸惑いを覚えているようだが、それでもしっかりとドレスアップして登場。展示されている「レクサス」のスーパーカー「LFA」のボディにメッセージを書くように求められると「程欲(ほどよく)」と記入。「ほどほどに欲をもって」と女性として輝く秘訣を明かした。壇蜜さんは「良くも悪くもみなさんの世界をにぎやかすことができた、そのご褒美としてここにいると思っています。みなさんあっての壇蜜です」とファンや仕事の関係者への感謝を口にしていた。各界から選ばれた今年もっとも輝きを放った9名に会場からは温かい拍手が送られていた。(黒豆直樹(cinema名義))
2013年11月26日堺雅人と満島ひかりが初の夫婦役に挑戦し話題を集めた、トヨタのハイブリッド車をテーマにした新たなキャンペーン「TOYOTOWN(トヨタウン)」シリーズのTV-CM。このたび、阿部寛、西尾由佳理を起用した新CM「TOYOTOWN・郵便配達」篇が、本日(10月1日)よりオンエアされる。この「TOYOTOWN」シリーズは、15年前に植えられた世界初の「ハイブリッド」という樹の周りに生まれた「TOYOTOWN」という街を舞台に、トヨタのCMに出演している様々な人物たちの物語が展開する。街に新たに引っ越してきた夫婦役を演じる堺さんと満島さん、街の中心にそびえる“ハイブリッドの樹”を演じる樹木希林らをメインキャストに、豪華な顔ぶれが登場し、不思議な世界観が描かれる。“ジーンズ姿の市長“として木村拓哉(SMAP)も登場し、ますます注目を集める本シリーズに今回、新たに阿部さんと西尾さんが住人として加わることに。阿部さんは自転車と革鞄という昔ながらのスタイルに身を包んだ街の郵便配達員として、西尾さんは街のトヨタのお店に勤める店員として登場する。今回のストーリーは、これまで以上にコミカル。自転車というエコな乗り物で仕事に励む阿部さんが、ある日、トヨタのお店で「プリウスPHV」に出会うことから始まる。西尾さんが「プリウスPHVはリッター61キロ。“プリウス61(ロクイチ)”と覚えてください」と説明すると、何かに気付いた阿部さんは愕然と膝をつく。そして、彼の首の後ろには「61」と記されたプレートが…。実は、阿部さん演じる郵便配達員は、PHVと同様に、電気を充電する「61号」と呼ばれるアンドロイドだった、というもの。『テルマエ・ロマエ』で古代ローマ人を演じるなど多彩なキャラクターを演じてきた阿部さんだが、今回の出演について「いままでいろいろな役柄を演じさせていただきましたけど、たぶん、アンドロイドというのは初めてじゃないかな、と思います」と明かす。さらに、本シリーズのテーマである“ハイブリッド”にちなんで、阿部さん自身は何と何のハイブリッドなのか?と聞いてみると、「僕の仕事は、常に何かしらの“役”に“自分”を投影すること。そういう意味では、(役者そのものが)ハイブリッドな仕事と言えるのかもしれません。いままでの自分と過去の歴代の偉人だとか、融合するという意味で、いろいろな役を演じてきましたね。今回は、アンドロイドという異色の役ですけれど、(役とのハイブリッドを)楽しんでやっています」と役者道についても語ってくれた。新TV-CM「TOYOTOWN・郵便配達」篇は全国にてオンエア中。(text:cinemacafe.net)
2013年10月01日映画館で働くスタッフ選出による映画祭で、今年で4回目を迎える「日本シアタースタッフ映画祭」の授賞式が5月10日(金)に開催され、「主演男優賞」に輝いた阿部寛、「主演女優賞」の樹木希林、「助演女優賞」の橋本愛など受賞者が一堂に会した。全国各地の映画館スタッフの投票によって決定し、運営も有志の映画館スタッフによって行われる同映画祭。今年は東宝スタジオがあり、昔から多くの映画人が暮らした“映画の街”として知られる東京・成城の成城ホールで開催された。『桐島、部活やめるってよ』で「助演女優賞」を受賞した橋本さんは、トロフィーを手に喜びを噛みしめるように「本当に…すっごく、嬉しいです」と喜びを語る。「控室でもスタッフの方にお話を伺いましたが、この映画祭は映画に対する愛で支えられている。その舞台に立てることが夢みたいです」と公開される映画とお客さんに最も近い位置にいる映画館スタッフに選出されたことに大感激。これまでホラー作品への出演が多かったが、自身は「痛み、血、骨に弱いので観るのを避けてます。自分が出演した映画の試写でも目をつぶってます(苦笑)」と告白。同作への出演で当初は「やっとキラキラした学生がやれると思った」と語るが、脚本の手直しが重ねられる中で、ゾンビシーンが挿入され「そういうイメージなんだなと思いました…」と苦笑していた。同作で共演し、また一緒のシーンはないものの現在放送中のNHKドラマ「あまちゃん」でも共演している落合モトキとの交際報道があったばかりとあって、報道陣からは交際に関する質問が飛んだが、表情を崩すことなく無言を貫いた。「デートは楽しかったですか?」という問いかけに対しては、樹木さんが「ええ、楽しかったです」ととっさに助け舟を出す一幕もあった。各受賞者の役柄や作品に合わせたユニークな手作りの表彰状の文言も同映画祭の特徴。『テルマエ・ロマエ』のローマ人役で「主演男優賞」に輝いた阿部さんに対しては、「日本人離れした彫の深さでローマ人役を…」と読み上げられると客席は笑いに包まれ、阿部さん自身もニッコリ。「すごくお客さんが入って、僕の人生にこんなことがあるのかと嬉しかった。五十前の男が全裸になったコメディでこうして賞をいただけたのは予想外」と受賞の喜びを口にした。現在は同作の続編を撮影中でありパーマのかかった髪型で登場したが、「続編はもっとすごいです」と期待を観客のあおっていた。このほか「音楽賞」に『のぼうの城』の上野耕路、「新人賞」に『桐島、部活やめるってよ』の東出昌大、「脚本賞」に『鍵泥棒のメソッド』の内田けんじ監督、最高賞にあたる「グランシャリオ賞」にはアニメーション映画の『おおかみこどもの雨と雪』に授けられ、同作の細田守監督の「監督賞」と併せて2冠に輝いた。会場にはサプライズで『のぼうの城』の犬童一新監督、樋口正嗣監督、樹木さんが「主演女優賞」を受賞した『わが母の記』の原田眞人監督も来場し、受賞者に花束を手渡し、会場は盛り上がりを見せた。(text:cinemacafe.net)■関連作品:のぼうの城 2012年11月2日より全国にて公開(C) 2011『のぼうの城』フィルムパートナーズ桐島、部活やめるってよ 2012年8月11日より新宿バルト9ほか全国にて公開(C) 2012「桐島」映画部(C)朝井リョウ/集英社テルマエ・ロマエII 2014年ゴールデンウィークより全国東宝系にて公開
2013年05月10日離婚経験者に言わせると、離婚とは結婚以上にエネルギーを要するものらしい。確かに想像に難くない。もとは赤の他人の男女とはいえ、それまで何年も家族として生活してきたのだ。財産分割の問題もあれば、子供の問題もある。それまで夫婦の共有とされていたあらゆるものに、新しい方向性を見出さなければならない。すべてをいったんリセットするためには、解決しなければならない問題が多すぎるのだろう。それにもかかわらず、近年の日本の離婚率はずいぶん上昇している。厚生労働省が発表しているデータによると、2000年代の離婚率は高度経済成長期のそれの約2倍である。自分の周辺を見渡しても、離婚経験者は決して一人や二人ではなく、中には離婚経験が3回、4回といった猛者までいる。しかも、それぞれが離婚歴を隠そうともせず、どこか堂々としているのも特徴的だ。いつのまにか、離婚は恥の範疇ではなくなったのかもしれない。離婚を恥と感じない人が増えたということは、すなわち「すべての離婚が必ずしも悪とは限らない」と考える人が増えたということでもある。事情と経緯によっては、「離婚やむなし」とならざるをえない場合もあれば、離婚したほうがお互いにとって最善だ、と肯定的に考えるケースも少なくない。また、これは単なる言葉遊びにすぎないが、”バツイチ”ならぬ”プライチ”なる言葉まで出てきた。無論、離婚によって人生経験がプラスされたという意味である。できちゃった婚を”授かり婚”と言い換えるようなものだ。果たして、そういう風潮があるからか、最近では男女の離婚劇を加害者と被害者という観点で語ることが多くなった。たとえば、ある夫婦が男性側の浮気や暴力によって離婚した場合、その加害者はもちろん男性で、被害者は女性であるということだ。こうなると、悪いのはもっぱら加害者の男性ということになり、被害者の女性は世間から温かい同情の目を向けられる。だから当の被害者女性も離婚に関して自分は一切悪くないと自覚し、それどころか世間の同情を集めるうちに、だんだん悲劇のヒロイン意識まで芽生えてくる。自分にうしろめたさがまったくなく、なおかつ周囲も自分に味方してくれるわけだから、離婚した自分に恥を感じることもないのは当然で、だから被害者として離婚を経験した者は、その後も堂々としていられるのだろう。これは芸能界では特に顕著な傾向だと思う。たとえば、あるタレント夫婦が離婚したとして、ワイドショーなどのゴシップメディアが真っ先に騒ぎ立てるのは、その離婚原因である。そして、離婚原因がわかれば、今度はどっちが加害者でどっちが被害者であるかという論調になり、加害者とされたタレントは世間から激しいバッシングを浴び、一方の被害者タレントは離婚に関してまったく非がないということになり、世間から同情を集めたりする。被害者タレントにとってみれば、こういう同情が集まるのは離婚後の芸能活動に大きなプラスとなる。所属事務所の巧みなブランディング戦略によって、不遇な出来事を乗り越えた悲劇のヒロイン(ヒーロー)というイメージを勝ち取り、さらなる人気向上につなげることができるからだ。思い当たるタレントは山ほどいることだろう。しかし、冷静に考えると、少し心に引っかかるものがある。本来、すべての離婚において、加害者と被害者が完全に分かれることなどありえない。どちらか一方の浮気や暴力が原因で、どうしても離婚せざるをえなくなった場合でもそうだ。一般的に被害者とされる側に完全に責任がないと言い切れるのか。離婚とは通り魔殺人の類ではないだろう。これに関して、女優の樹木希林(敬称略)が以前こんな話をされていた。樹木希林の夫といえば、言わずと知れたロックミュージシャンの内田裕也(敬称略)である。彼女は夫がこれまで何度も粗暴な事件を起こしてきたにもかかわらず、それでも離婚という決断を下さなかった理由について、ある記者会見でこう言ったのだ。「籍を入れた責任上、夫だけ奈落の底に落として、自分だけ保身ということはしません」。これにはおおいに膝を打った。そうなのだ。本来、すべての夫婦にはどちらにも均等に「籍を入れた責任」というものがあり、そのうえで夫婦関係を解消するわけだから、それがたとえ相手方の悪事が原因であっても、自分にまったく非がないということはありえない。離婚の被害者にも、この「籍を入れた責任」というものがある以上、それを重く受け止めることも重要だろう。要するに、冒頭で述べたところの「離婚を恥と感じない人々」の中には、被害者意識が強すぎるあまり、そしてそれに同情する人々が多すぎるあまり、この「籍を入れた責任」を忘れてしまっている、あるいは軽んじている人も多いと思うのだ。だから、テレビ番組などで自身の離婚劇を涙ながらに告白できるタレントが出てくるのだろう。自らの責任を棚に上げておいて、よくもまあ、自己陶酔に浸れるものである。現代日本の離婚率の上昇には、こういった”入籍責任”の軽視も深く関係しているように思う。世の中には「離婚やむなし」の複雑な事情も多々あることは百も承知のうえで、それでもあらためて、離婚という”事の重大さ”を認識したいものだ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年01月25日福山雅治主演、是枝裕和監督の最新映画が『そして父になる』というタイトルに決定し、公開日と共演者の情報が公開された。本作で初の父親役を演じる福山扮する主人公は、ある日病院から電話があり、小学校受験真っ只中の6歳の息子が、実は出生時に病院で取り違えられた他人の子どもだったことを知らされる…。血のつながりを選ぶのか? 一緒に過ごした6年という時間を選ぶのか? 人生の壁にぶつかり悩みながらも成長する男の姿を描く。福山の妻を演じるのは、NHKドラマ小説「カーネーション」で国民的人気を博した尾野真千子。そして、もうひと組の夫婦を演じるのは、NHK大河ドラマ「龍馬伝」で福山と夫婦役を演じた真木よう子と、福山とプライベートでも親交の深いリリー・フランキー。そのほか、是枝作品ならではの風吹ジュン、國村準、樹木希林、夏八木勲ら豪華キャスト陣が脇を固める。本作は、3月25日にクランクインし、5月6日にクランクアップ。2013年10月5日(土)に、新宿ピカデリー他全国公開を予定している。『そして父になる』2013年10月5日(土)新宿ピカデリー他全国ロードショー
2012年12月27日福山雅治が主演を務め、是枝裕和監督がメガホンを握る最新作『そして父になる』が来年10月5日(土)より全国にて公開されることが決定し、さらには尾野真千子や真木よう子、リリー・フランキーを始めとする共演者の面々が遂に明らかとなった。ある日病院からの1本の電話で、小学校受験真っ只中の6歳の息子は、実は出生時病院で取り違えられた他人の子供だったことを知らされる。血の通わぬ我が子に変わらない愛情を迷わずに注ぎ続ける妻と、一見粗野だが温かい相手方の家族との交流を通し、主人公・良多はそもそも自分は「父親」であれたのかを問い始めることとなる…。本作で初の父親役に挑戦した福山さん。その妻役をNHK連続ドラマ小説「カーネーション」で国民的人気を博した尾野真千子、もう一組の夫婦役をNHK大河ドラマ「龍馬伝」で福山さんと夫婦役を演じた真木よう子と、プライベートでも親交の深いリリー・フランキーが演じている。さらに、風吹ジュン、國村準、樹木希林、夏八木勲といった是枝作品ならではの豪華ベテラン陣がその脇を固めている。自身初となる父親役を「父性があまり感じられないタイプなので、そのまま役に入っていけたと思います」と語る福山さん。「やっていくうちに自然と変化が出てくるのではないかと思っていました。是枝さんの現場は映画の撮影でありながら、ドキュメントのような、はたまた実験のような現場でした」と是枝組参加の喜びを語る。さらに「すごく共感してくれる人と、分からない人に別れる作品かもしれませんが、台本を読んで僕はとても共感できました。ひとりの男が、息子であるとか妻であるとか、自分以外の存在に対してどれだけ愛情を注げるのか」と本作のテーマを明かしてくれた。また、真木さんからは「福山さんとは以前共演していますが、今回のような嫌なヤツも意外とハマってるな、と。見たことがない福山さんが見れると思います」という気になる情報も!自分は人生の勝ち組だと信じて疑わなかった男が、初めて人生の壁にぶつかり、自分自身と向き合うとき、一体最後に何を選択するのだろうか?公開を楽しみに待ちたい。『そして父になる』は2013年10月5日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。© 2013『そして父になる』製作委員会(text:cinemacafe.net)■関連作品:そして父になる 2013年10月5日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2013『そして父になる』製作委員会
2012年12月27日長野県茅野市の蓼科高原で第15回となる「小津安二郎記念蓼科高原映画祭」が開催される。開催日時は10月27日(土)、28日(日)の2日間。上映場所は茅野市民館と新星劇場の2か所。日本映画史上、黒沢明、溝口健二と並び三大巨匠と称される小津安二郎監督は、蓼科高原を気に入り、蓼科にある山荘でシナリオライターの野田高梧とともに多くの作品を生み出した。この映画祭は、小津、野田両氏にゆかりのある蓼科高原・茅野市で「小津映画・小津のこころ」に触れるとともに、小津に続く国内外の映画の上映やさまざまなイベントをとおして、この地から21世紀の映画が生まれることを願って平成10年にスタートした。今回の上映作品は小津安二郎監督作品「父ありき」、「東京の合唱(コーラス)」。追悼・新藤兼人監督として「一枚のハガキ」、「午後の遺言状」のほか、日本映画監督協会新人賞作品、市民公募作品など13タイトル。さらに短編映画コンクールも行われる。ゲストは女優の樹木希林、川上麻衣子、映画監督の原田眞人、三島有紀子、砂田麻美、鈴木健介、活動弁士の澤登翠、近代映画協会社長兼プロデューサーの新藤次郎、共同通信社編集委員の立花珠樹各氏が出演の予定だ。なお、ゲストはやむを得ない事情により変更になる場合がある。映画上映のほか、シネマカフェ、交流パーティーなどが行われる。また、茅野市民館ロビーで新藤兼人監督写真展も企画されている。上映スケジュール、料金など詳細は蓼科高原映画祭ホームページで確認を。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月22日俳優の松坂桃李その他の画像が17日に公開中の主演映画『ツナグ』のヒットを記念して都内劇場で行われた舞台あいさつに登壇した。この日は松坂の24歳の誕生日ということで会場全体で松坂を祝福した。辻村深月の人気小説を映画化した本作。死者と生者を一度だけ会わせることができる少年と彼の依頼人たちが紡ぎ出すドラマを描き、公開2週目にして週末興行ランキング1位に躍り出た。先週1位の『アウトレイジ ビヨンド』、2位の『踊る大捜査線』を抜き去っての1位獲得に松坂は「まさか『アウトレイジ』よりも…。公開後にこうして舞台あいさつができるのはなかなかないことで、みなさんの口コミのおかげ。スタッフ、キャストを代表してありがとうございます」と客席に深々と頭を下げた。これまでのプロモーションには、祖母を演じた樹木希林と一緒に出席することが多かったが、この日は松坂ひとり。改めて樹木の存在について「本当のおばあちゃんのように支えてくださった」と感謝の思いを口にした。劇中の夕食のシーンで、樹木が松坂の皿にしらたきをよそい、松坂がそれを鍋に戻すというやりとりがあるが、これもその場のアドリブが入っているそう。松坂は「本当にしらたきが苦手で食べられないんです(苦笑)。樹木さんに『嫌いなものは?』と聞かれ『こんにゃくです』と答えたら入れられました」と明かした。24歳の誕生日ということで観客がバースデイソングを合唱。映画にちなんで満月をモチーフにした特製ケーキが運ばれた。24本のロウソクを松坂は笑顔で吹き消し「24には24のときにしかできない役があると思う。役者の立場でいろんなものを届け、表現したい」と抱負を語った。映画では、人生でたった一度だけ満月の夜に“ツナグ”を介して死者と会うことができるが、この日はサプライズで国民的映画『男はつらいよ』の寅さん(渥美清)と“キング・オブ・ポップ”マイケル・ジャクソンのそっくりさんの芸人が登場。松坂が演技の勉強を兼ねて、大好きな山田洋次監督作品のDVDを見ているということもあり、寅さんは『男はつらいよ』のDVDセットをプレゼント。マイケルは自身の死後に公開されて大ヒットを記録したライブ映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』のDVDを贈った。思わぬビッグな死者との対面に松坂は困惑気味。人生でたった一度の死者との再会が勝手にこの2人となってしまい「僕、呼びましたっけ?」と苦笑を浮かべていたが、すかさず寅さんが「それを言っちゃあ、おしまいよ」とおなじみのセリフで返し、劇場は笑いに包まれた。『ツナグ』公開中
2012年10月17日松坂桃李が単独初主演を果たした『ツナグ』の初日舞台あいさつが6日、東京・TOHOシネマズ日劇にて行われ、松坂をはじめ、共演の樹木希林、桐谷美玲、橋本愛、大野いと、遠藤憲一、平川雄一朗監督が登壇した。樹木とのプロモーション期間が撮影期間を上回ったという松坂は、「撮影期間も含めてこうして長い時間を過ごしたけれど、結局、何も掴めないまま。どこまですごい方なのか、まったく底が知れないまま終わってしまった」と、濃密な時間を振り返った。その他の写真原作は、いま最も注目されている女流直木賞作家・辻村深月の同名小説。死者との再会を望む人々の願いを叶える仲介役“ツナグ”を司る高校生・歩美(松坂)の葛藤と成長を、親子、恋人、親友の3つのエピソードを通して描く。本作の映画化を聞いて、「どうしてもこの歩美という役をやりたかった。誰にもやらせたくないなと思った」という松坂は、初日を迎え「こうして皆さんの前に立っていられることがうれしくて、幸せすぎて、もう何と言っていいか…。この作品に自分の名前を刻めたことがうれしくて仕方がない」と感激の面持ち。そして、観客から「映画を観て、泣いた場面はありますか?」との質問を受けると、「台本の時点でグッときていた。特に親子の再会のシーンはきましたね」と回答した上で、「あとは、自分の名前がエンドロールにあがってきた時。すごくグッときたなあ!」と、喜びを露に。「映画には3つの別れがあると聞いたことがあります。1つ目はクランクアップの時。2つ目は映画が完成した時。3つ目はお客さんに届いた時。そしていま僕は『ツナグ』の3つ目の別れの瞬間にいます。作品を手放すのは寂しいけれど、うれしい思いもある。感謝の気持ちを伝えたいです」とあいさつし、主演として見事に締めてみせた。そんな松坂のことを、実の孫を見守るように見つめていた樹木は、「最初のうちは『ああ…』と思うこともあったけれど、今日に至ってはもうマイクを離さない。この成長ぶり!もう安心したので、これでご無礼いたします」と、その成長に目を細め、太鼓判を押していた。『ツナグ』公開中
2012年10月09日直木賞作家・辻村深月の同名小説を映画化した『ツナグ』が10月6日(土)に公開初日を迎え、主演の松坂桃李、樹木希林、桐谷美玲、橋本愛、大野いと、遠藤憲一、平川雄一朗監督が舞台挨拶に登壇した。一生にたった一度、亡くなった人と会える。その仲介役を司る“使者=ツナグ”の青年・歩美(松坂さん)は、母への後悔を引きずる横柄な男、突然姿を消した婚約者を待ち続けるサラリーマン、ケンカ別れした親友に会いたい女子高生の願いを叶えるうちに、ある疑問と葛藤を抱くようになり…。『ツナグ』のほかにも、多くの邦画が公開されたこの日。のっけから遠藤さんが「こんな強面で、『アウトレイジ』じゃなく『ツナグ』に出させていただいて、不思議な感じがします」と挨拶して観客の笑いを誘うと、同日公開された『新しい靴を買わなくちゃ』にも出演している桐谷さんの「本当にこの作品に出られて良かったという思いしかない」という挨拶に対して、樹木さんが「ほかの映画館でハイヒールがどうのとかなかった?」と鋭いツッコミ。「いまはもう『ツナグ』のことだけなので、ハイヒールのことは置いといていただければ……」と慌てる桐谷さんに会場は爆笑に包まれた。そんな樹木さんとプロモーション活動を行ってきた松坂さんは、撮影からの日々をふり返り、「撮影で樹木さんと過ごした時間と、プロモーションで過ごした時間を数えたら、ついに撮影期間を上回りました」と報告。樹木さんから「最初はあぁ…と思うこともあったけど、今日に至ってはマイクを離さない、この成長ぶり!保護者のつもりで宣伝活動に関わったけど、もう安心。これでご無礼させていただきます」と太鼓判をおされると、「もう本当に底が知れません!こうやって長い期間一緒に過ごしましたけど、結局何も掴めないまま、どこまで凄い方なのか底が知れないまま終わってしまいました」と恐縮。「“底なし沼”の樹木希林です」とおどける樹木さんに笑顔を弾けさせていた。また、この日は観客とキャストを“ツナグ”という意味を込めて、観客からの質問を受けるティーチインも実施。映画と同じように親友を亡くした経験があるという男性から、「残された側はどう思うのが大切だと思うか?」と質問された橋本さん&大野さんが、言葉に詰まりながらも「この映画で伝えていることと同じで、前を向いて笑顔で生きること。それが亡くなった人への恩返しだと思います」(橋本さん)、「笑顔でいてもらえると、死んだ側も成仏できると思います」(大野さん)と回答すると、すかさず樹木さんが「生きている人が生き生きと人生を歩んでくれることが、死んだ方の喜びという形に受け取ったのね。よく喋れましたよ」と優しくフォロー。笑いを誘う一方で、締めるところは締め、舞台挨拶を終始リードしていた。『ツナグ』は全国東宝系にて公開中。■関連作品:ツナグ 2012年10月6日より全国東宝系にて公開© 2012 「ツナグ」製作委員会アウトレイジビヨンド 2012年10月6日より新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2012 「アウトレイジ ビヨンド」製作委員会新しい靴を買わなくちゃ 2012年10月6日より全国にて公開© 2012「新しい靴を買わなくちゃ」製作委員会
2012年10月07日第32回吉川英治文学新人賞を受賞した辻村深月のベストセラー小説を映画化した『ツナグ』の特別試写会が10月2日(火)、都内で開催され、主演を務める松坂桃李を始め、共演する樹木希林、佐藤隆太、桐谷美玲、平川雄一朗監督が出席した。この日は「想いを“ツナグ”小指チェーン」と銘打ち、松坂さんら登壇者5名と会場に駆けつけた996人の合計1,001人が“指きりげんまん”に挑み、見事ギネス世界記録を更新した。死者と生者を繋ぐ“使者”を務める青年・歩美(松坂さん)によってたった一度の再会を果たす人々のドラマが綴られる本作。主人公を軸に、親子に恋人、親友などそれぞれに思いを残したまま死に別れた人々の絆が壮大なスケールで描かれる。松坂さんにとっては、初の映画単独主演作品で、「今日ご覧になったみなさんは、ぜひ周りの人たちに映画を“繋いで”いただければ」と思いは格別の様子だ。そんな松坂さんを筆頭に、ギネス世界記録にチャレンジすることになった、この日の試写会。競技の正式名称は「ロンゲスト・ピンキー・スウェア・チェーン」といい、具体的には参加者全員の小指の“指きり”が少なくとも1分間、繋がり合った状態をキープできれば成功というのがルールだ。当日はギネスの本場である英国・ロンドンから、ギネス世界記録公式認定員である石川佳織さんが来日し、松坂さんたちのチャレンジを厳しい眼差しでチェック!1分間の挑戦が終わった後も、石川さんの審査を待つ必要があり、松坂さんも「何とも言えない緊張感ですね…」と表情も恐々。ついに石川さんの口から、チャレンジ成功が告げられると、会場からは一斉に歓声が上がった。「記念すべき歴史的な瞬間に立ち会えて幸せです。ご協力いただき、ありがとうございます!」と満面の笑みの松坂さん。チャレンジ開始前は「これって何か意味があるのかなあ…」と興味のないフリ(?)をしていた樹木さんも、いざ記録達成すると「ありがとうございます!」とバンザイをしながら安堵の表情を浮かべていた。また“チャレンジ”にちなみ、今後挑戦したことを聞かれた佐藤さんは「スカイダイビング」と即答。一方、恋人役で佐藤さんと共演した桐谷さんは「少し気が早いですが、正月のおせち料理を作りたい」と意欲満々。ところが、樹木さんが「おせちなんて買った方が早い!」と一刀両断し、桐谷さんは「じゃあ上手くいかなかったら、そうします…」と苦笑しきりだった。『ツナグ』は10月6日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ツナグ 2012年10月6日より全国東宝系にて公開© 2012 「ツナグ」製作委員会
2012年10月02日映画『ツナグ』の特別試写会が9月25日(火)に都内で行われ、上映前の舞台挨拶に松坂桃李、樹木希林、さらに主題歌を担当したJUJUが登壇。生で主題歌「ありがとう」を熱唱した。直木賞作家・辻村深月の同名小説を映画化した本作。死者と生者を一度だけ再会させることができる“ツナグ”という務めを負った青年が、思いを残したまま別れることになった人々の再会に立ち会う中で成長していくさまを描く。松坂さんは樹木さんの印象を尋ねられ「安心と興奮を与えてくれる人。お会いする前は緊張していたし厳しい人だと聞いてたんですが、すごく優しく包み込んでくださいました」と感謝の思いを語る。さらに「一緒にプロモーションを回る中で、『そんなところで?』というすごいところで『ツナグ』の宣伝をしてくれるんです」と感服した様子だった。樹木さんは「松坂くんの祖母を演じました。役でもそうですが、ここにも付き添いというか、おじゃま虫として付いて来ました」とイタズラっぽい笑みを浮かべるが、この日も次々と思うがままの放言を連発!松坂さんが「いつも現場に食べ物を持ってきてくれるんです」と樹木さんの優しい一面を明かすと、樹木さんは「うちで余ってたからね」と語り、「映画に出演しているよりも、プロモーションの方が3倍くらいある気がする」と愚痴をこぼして会場の笑いを誘う。JUJUさんが登場する間際に司会者からJUJUさんのことを知っていたかと問われると、モゴモゴと口ごもりつつ「似ているような感じですよね。“JUJU樹林(じゅりん)”って言うんですか?」とトボケて、さらに松坂さんに「JUJUさんは独身なの?」と質問。松坂さんが「どうですかね?」と困惑した表情で答えるのも構わず、「何か生まれるといいわね。(この映画が縁で)繋がれば」と“ツナグ”にちなんで“孫”の松坂さんとJUJUさんの交際を希望し、2人を繋ぐキューピット役に立候補!?客席の女性ファンからは「えー?」っとブーイング気味の声が聞こえてきたが、「大丈夫よ」と鷹揚に答え、再び会場は笑いに包まれた。ピアノ伴奏に乗せたJUJUさんの「ありがとう」の熱唱に会場は酔いしれたが、JUJUさんは出番直前での樹木さんの一連の発言にかなり動揺したよう。「『JUJU樹林です』って出てきた方がいいかな?と思いました(笑)。松坂さんとのお話も舞台袖で聞きながら『繋がらないです!』って言ってたんですが、客席から『えー?』という声も聞こえてきてどうしようかと思いました」と苦笑いを浮かべて語った。最後まで“希林節”は衰えることなく、JUJUさんの歌う「ありがとう」の歌詞にちなみ、出会えてありがとうと言える人は?という問いに、樹木さんは期待通り(?)「40年近く別居している夫(内田裕也)に出会えてありがとうと言いたい」と答え、客席からは笑いと大きな拍手が沸き起こった。『ツナグ』は10月6日(土)より公開。「ありがとう」は10月10日(水)リリース。■関連作品:ツナグ 2012年10月6日より全国東宝系にて公開© 2012 「ツナグ」製作委員会
2012年09月25日辻村深月の人気小説を映画化した『ツナグ』の完成報告会見が11日に、都内で行われ、松坂桃李、樹木希林、桐谷美玲、橋本愛、大野いと、遠藤憲一、八千草薫、平川雄一朗監督が出席した。その他の写真本作は、生者と死者を1度だけ再会させる仲介人という特殊な仕事“ツナグ”の見習いをする高校生の歩美(松坂)が、数々の依頼人と出会ううちに自身の行為に疑念を抱き、心の葛藤と向き合う姿を描いた作品。共演の樹木は、歩美へ仕事を引き継ぐ祖母・アイ子を演じる。「映画を観終わって、親に電話してたくさん話をしました。日常でなかなか言えなかった『ありがとう』を言えるようになりました」と語る松坂。本作で単独初主演を果たしたが、「主演と言うプレッシャーがなく現場に飛び込めたのは、みなさんの支えがあったおかげ」と共演陣への感謝を口にし、「僕にとって(本作の出演者との共演は)財産です。この先10年、20年と続けて、ふり返ったとき、『ツナグ』があったからと思えるくらい濃密な時間を過ごせました」と語った。松坂は、遠藤と八千草の親子パート、桐谷と佐藤隆太による恋人パート、そして橋本と大野の親友パートと各エピソード全てに出演しているが、特に親友のパートに関して「男としては怖いなと思いました。女性の生々しい関係にゾッとしました」と自身の理解を超えた女同士の関係への本音をのぞかせる。そんな松坂に対し樹木は、「孫がちゃんと成長するように」と横から口を挟み、松坂の手を取りつつ「男の嫉妬もすごいんですよ。これから世の中に出たらそのあたりも感じるようになる」と辛口のアドバイスをおくっていた。樹木はこの日も自由奔放な発言を連発。八千草と遠藤について「絶世の美女の八千草さんの息子が何で遠藤さんなのか?」とキャスティングに疑問を呈したかと思えば、監督の演出について「気を入れていたのは若い3人(桐谷、大野、橋本)の芝居の部分だけなんです。『もうOKでいいじゃないか?』というところでも粘っていた」と明かすなど言いたい放題。ここ最近、樹木の口からオセロ・中島の洗脳問題などの内幕が語られていることもあって、報道陣からは「樹木さんが芸能ニュースと我々(報道陣)をツナぐ存在」という言葉も出たが、樹木は「つながされてるんですよ!」と一蹴。「そろそろこのへんで」と自ら会見に幕を引くなど最後までマイペースぶりを発揮していた。『ツナグ』10月6日(土)より全国東宝系にて公開
2012年09月11日映画『ツナグ』の完成報告記者会見が9月11日(火)、東京国際フォーラムにて完成披露試写会に先立って行われ、主演の松坂桃李を始め、樹木希林、桐谷美玲、橋本愛、大野いと、遠藤憲一、八千草薫に平川雄一朗監督が出席した。直木賞作家・辻村深月の人気小説を映画化した本作。死者と生きている者の橋渡しをする青年を軸に、親子に恋人、親友などそれぞれに思いを残したまま死に別れた人々の絆が描き出される。松坂さんは「この映画を観終わって、僕は親に電話してたくさん話をしました。なかなか、日常では言えなかった『ありがとう』という言葉が言えるようになりました」と明かす。松坂さんはこの日、ズラリと並んだ豪華キャスト陣全員と共演シーンのある唯一の存在だが、それぞれとの時間を「僕の財産です」と断言。「主演というプレッシャーもなく現場に飛び込めたのは、みなさんの支えのおかげです。みなさんとお芝居の時間を共有できて、僕がこの先も役者として10年、20年とやっていってふり返ったとき、『この作品があったから』と思えるだろうというくらい濃密な時間を過ごせました。誇りに思います」と、この作品が分岐点となるくらい大きな経験だったと語った。そんな松坂さんの祖母を演じた樹木さんは「すくすく育ってまして」と“孫”の成長に目を細めるが、松坂さんが映画の中の橋本さんと大野さんの親友同士のパートについて「男としてはちょっと怖い。女の生々しい関係にゾッとしました」と語るとすかさず反応!「孫がちゃんと成長するためにアドバイスさせてもらいます」と前置きし、「男の嫉妬もすごいんですよ。これから世の中に出たら分かると思います」と松坂さんの手に自分の手を重ねながら熱弁をふるった。橋本さんは親友役の大野さんと長く時間を過ごし「いとのことは“戦友”だと思ってます。共演していると競争心が湧くこともありますが、この作品に関してはいとと一緒に戦っている意識だった」とふり返った。その大野さんは、完成した映画を観て「自分が泣いているシーンを観て泣いてしまいました」と告白。「人の大切さが分かる映画で、そんな作品に出させていただけて嬉しいです」と言葉に力を込めた。桐谷さんはこの日、欠席となった佐藤隆太の恋人役を演じたが「最初のシーンが再会のシーンで『どうすればいいんだろう?』と不安でしたが、監督に粘っていただき、佐藤さんにも『頑張ろう』と声を掛けていただきました」と感謝の思いを口にした。遠藤さんと八千草さんは親子を演じたが、樹木さんからは「絶世に美女の八千草さんのご子息がどうして遠藤さん?」とキャスティングへの疑問が…。遠藤さんは撮影時にも樹木さんから同じことを言われたそうだが、苦笑を浮かべつつ「八千草さんは即徳の温かさでオレを包んでくださって、『お母さん』という気持ちにさせくれました」と述懐。「こんな大きな息子を持つのは初めて」という八千草さんも「この子とどうやって暮らしてきたんだろう?と考えたときに、きっと言いたいことも言えずにぶっきらぼうに過ごしてきたんだろうなという気がして、息子という感じがしてきました」と優しい笑みを浮かべながら語っていた。『ツナグ』は10月6日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ツナグ 2012年10月6日より全国東宝系にて公開© 2012 「ツナグ」製作委員会
2012年09月11日映画『わが母の記』のブルーレイ&DVD発売を記念して10日、ニコニコ生放送で樹木希林と山本太郎のトークライブが実現。ライブを前に2人が会見に臨んだ。その他の写真今年になって、ドラマ『約束~名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯~』での久々の共演を果たし、「こういう人に映画を観てもらってどう感じたか聞きたいと思った」という樹木の指名で今回のトークライブは実現。山本は「この映画には1秒も出てないんですが」と恐縮しつつ、「いまや犯罪者扱いの僕を呼んでくださってうれしいです」と笑顔を見せた。この日のトークは「タブーなし」と銘打って行われたがまさにタイトルに偽りなし! 映画に関してはわずかに話したのみで、それ以外の話題は山本が関わってきた原発問題や結婚、山本の姉の大麻所持による逮捕、中島知子(オセロ)の洗脳問題など多岐にわたり、2人は全く遠慮することなく思いの丈を語り合った。樹木は山本の脱原発運動について「同じ気持ちだったけど、私には飛び出す体力もパワーもなかった。でも全員が同じ気持ちに駆られていたと思う。私は動かないタイプだけど、あなたはすぐに動いた」と山本の行動力を高く評価しエールをおくった。結婚に話が及ぶと、1か月ほどの交際でスピード婚を果たした山本は「彼女は特殊な家庭にいて、守ってあげたいという気持ちがあった」と説明する一方で、「これまで結婚制度は必要のない制度だと思っていた。契約書で安心を得るというのは嫌だった」と持論を展開。すると樹木は自身の結婚を引き合いに「それ(結婚制度)には絶対に意味があるんですよ」とピシャリ。内田裕也との入籍について「相手のサインなんか関係なく、自分で書いて出した」と仰天の告白をし、「私もこんなのは紙1枚と思っていたけど、それで社会と繋がったんです。同棲だけなら、別れても(周囲は)誰も傷つかないけれど、籍を入れていると離婚にはエネルギーがいる。次の人? 現れないですよ。次の結婚で幸せになると思ったら大間違い。我慢が効くようになるだけで、相手の質はだんだん落ちるの」と奔放に語り、会場をわかせた。山本の姉の逮捕の話題になると、事件を知らなかった樹木は詳細をその場で山本から直接聞き出した上で爆笑。山本の姉ということで週刊誌などでも大きく取り上げられたが、樹木は「太郎さんがこういう仕事をしているということで、それは承知してないといけない」と語り、山本も「そもそも日本のルールに違反しているわけだし、国策に反対の立場で物を申す人間として脇が甘かった」と話した。それでも「(逮捕は)残念だけど、僕の姉であることは変わりない」と変わらぬ絆について語った。映画と関係ない話題ばかりで山本は「映画のことよりフォーカスされそう」と恐縮していたが、樹木は「宣伝しようがしまいが買う人は買うし買わない人は買わない」と鷹揚に構え、大女優の貫録を見せつけていた。『わが母の記』9月8日(土)ブルーレイ&DVD発売ブルーレイ5040円(税込)DVD3990円(税込)発売元・販売元:キングレコード
2012年09月10日直木賞作家・辻村深月の同名小説を映画化した『ツナグ』の大ヒット祈願イベントが13日に東京の神田明神で行われ、主演の松坂桃李と樹木希林、平川雄一朗監督が出席した。その他の写真死んだ人間と生きている者をつなぐ“使者”の役割を務める歩美(松坂)。彼を通じて後悔や疑問、様々な思いを残したまま死に別れた人々がたった一度の再会を果たすと同時に、歩美自身がこの務めを通じて成長していくさまを描き出す。死者と生者が再会するという物語にちなんでお盆のこの時期に開催されたヒット祈願。松坂らに加え、劇中で歩美がつなぐ“親友”、“家族”、“恋人”の3通りの計15組のペアが招待され、祈願に参加した。祈願を終えた松坂は「やっと映画が完成して嬉しい気持ちです。ヒットも大事ですが、見てくれる人の心に残ってくれる作品になればと思います」と笑顔で語った。樹木は「神田神保町の出身なので神田明神にはなじみがあります」と明かしつつ、「これでヒットしなかったら神田明神のご利益がないと言われてしまう」と懸念するが、平川監督は「ヒットする気がします」と晴れ晴れとした表情で語り自信をのぞかせた。本作で樹木と松坂は、祖母と孫の関係を演じているが、松坂は「安心と興奮を同時に与えてくださる方でした。最初はドキドキ緊張しましたが、いざ撮影に入ってみると何をやっても大丈夫という感じで、包み込んでくれるような温かい気持ちがこみ上げてきました」と樹木との初共演の感想を明かす。また、本作で単独初主演を飾ったことについて「主演ということよりも希林さんや仲代(達矢)さんら、大ベテランの方とやらせていただけるということの方が大きかった」と本音を漏らした。一方の樹木は「大ベテランの“大”というのはただ長くやってるだけ」と笑いつつ、松坂については「いまどきこういう人がいるんだ? というくらい素直でアクがない子」と評価。さらに「彼がスターになるかどうかは拝んでもダメ。本人にかかっているので後はよろしく」と飄々とした口調で語ったが、松坂は神妙な顔で「日々精進します!」とさらなる飛躍を誓った。『ツナグ』10月6日(土)より全国東宝系にて公開取材・文・写真:黒豆直樹
2012年08月13日映画『ツナグ』のヒット祈願イベントが8月13日(月)に神田明神(東京・神田)で行われ、主演の松坂桃李と樹木希林、平川雄一朗監督と一般から招待された15組のペアが出席。映画の完成を報告すると共に祈りを捧げた。辻村深月の人気小説を映画化した本作。死者と生者をつなぐ“使者”を務める青年・歩美(松坂さん)によってたった一度の再会を果たす人々のドラマが綴られる。物語に合わせて、死者たちがこの世に帰ってくるお盆のこの時期にヒット祈願が行われることになった。招待された人々の願いが書かれた巨大絵馬を映画さながらに“使者”として奉納した松坂さんは「恋人に親子、親友。どの人の思いもとても強く感じています」と神妙な顔つき。完成した映画について「ヒットも大事ですが観てくださる一人でも多くの方の心に残る作品になれば」と思いを明かした。NHKの連続テレビ小説「梅ちゃん先生」での好演などでお茶の間での知名度も急上昇中で、今年上半期で「最もブレイクした俳優」No.1に選ばれた松坂さん。本作は記念すべき初の単独主演映画になるが、「僕にとっては主演ということよりも、樹木さんや仲代達矢さんといった大ベテランの方とご一緒させていただいたことの方が…」と緊張した面持ちで心情を吐露。特に祖母役を演じた樹木さんについて「安心と興奮を同時に与えてくださる方でした。撮影が始まる前は緊張しましたが、いざ入ってみると、何をやっても大丈夫という安心感で包み込んでくださった」と語り、「この経験はこれからも生きてくると思います。ありがとうございました」と頭を下げた。樹木さんはそんな松坂さんについて「すごく素直でアクのない子で、いまどきこういう人がいるんだ?と感じた」と語り、「スターになるかならないかは拝んでもダメ。あとは本人にかかっているのでよろしく!」とそっけない口調で助言を送り笑いを誘った。もしも映画のように死んだ人間に会えるなら?という問いに松坂さんは「宮本武蔵に会いたい。いつか自分でやってみたい役なので」と回答。樹木さんは「こっちが会いたいと言っても向こうが承知するかどうかということもあるからね」と茶々を入れつつ、「私は文句を言う相手と謝らなくちゃいけない相手の2通りいるけど、両方会いたくない」と飄々と語った。最後に松坂さんは「身の回りの大切な人のありがたさ、日常の幸せや喜びを感じさせてくれる作品」と映画をアピール。樹木さんも「いまは死ぬことが“非日常”になって怖いことになっているけど、死は当たり前に誰もがたどる道。あまり怖がらずに、同時にいまを生きるという意味で観ていただけたら」と呼びかけた。『ツナグ』は10月6日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ツナグ 2012年10月6日より全国東宝系にて公開© 2012 「ツナグ」製作委員会
2012年08月13日若手女流作家・辻村深月のベストセラー小説を原作に、『アントキノイノチ』、『今日、恋をはじめます』など話題作への出演が続く人気若手俳優・松坂桃李を主演に迎えて映画化した『ツナグ』がこの秋、公開となる。このたび、本作の主題歌に人気女性シンガー、JUJUの7年越しの名曲「ありがとう」が起用されることが決定した。若者の微妙な心情や思春期独特の揺れ動く心情を捉えた透明感のある作風で女性からの支持を集める辻村深月の人気小説を原作とする本作。死者との再会を望む人のために仲介役を司る“ツナグ”として、他人の人生に深く関っていく一人の青年の心の葛藤と成長が描かれる。今回、主題歌に抜擢されたJUJUの「ありがとう」は彼女の真骨頂とも言われるバラード曲。デビュー当時からライヴで披露されており、ファンの間では人気曲「奇跡を望むなら…」と肩を並べる名曲として語り継がれてきた同曲が、7年の歳月を経てついに日の目を浴びることになった。JUJU本人も「今回の楽曲は、約7年間温め続けた、私にとっても大切な楽曲」とこの抜擢を受け感動もひとしお。「人と人との絆の大切さを描いた作品だからこそ、かけがえのない人に出会えたことに“ありがとう”と、ご覧になった方に、共感していただける楽曲になることを願っております」と喜びのコメントを寄せている。一足先に同曲を聴いた松坂さんは、「JUJUさんの声は歌詞の世界観にスッと入っていける」とその魅力を語り、「メロディ、詞、声、全てから会いたい人への気持ちがあふれていて感動しました。この楽曲が『ツナグ』の一部となり、スクリーンで流れるのがいまから楽しみです」と今回のタッグへの期待を隠せないよう。松坂さん演じる歩美の祖母を演じる名女優・樹木希林を筆頭に佐藤隆太、桐谷美玲、橋本愛、別所哲也、本上まなみ、浅田美代子、八千草薫、そして仲代達矢と日本映画界を代表する錚々たる顔ぶれが紡ぐ“再会”の物語。「人と人との運命とも言える出逢いと、その出逢えたことに関する感謝の気持ち」を歌うJUJUの楽曲とその優しい歌声は、どのように響くのか?主題歌「ありがとう」は、映画公開に合わせて、“JUJUの日”である10月10日(水)にリリースされる。『ツナグ』は10月6日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:今日、恋をはじめます 2012年12月8日より全国東宝系にて公開アントキノイノチ 2011年11月19日より全国にて公開© 「アントキノイノチ」製作委員会ツナグ 2012年10月6日より全国東宝系にて公開
2012年07月19日強い母ちゃんに美しい母、たくましい“肝っ玉母さん”、優しいママ、厳しいお母さんなどなど母親も千差万別。もちろん映画の中で描かれる母親像もいろいろ。映画を観ながら本筋とは関係ないところで「うちの母親と同じこと言ってる!」とか「こんな母親の下で育ったらどうなってたかな?」なんて考えに浸る人もいるはず。シネマカフェのランキング企画「シネマカフェゴコロ ランキング5」ではこの1か月、「あなたが思う“理想の母親”女優」をテーマにアンケートを実施。国内外を問わず多くの作品を引き合いに、様々な女優にたくさんの票が投じられたが1位に輝いた理想の母は?結果を大発表!男女を問わず多くの支持を集めて“ベスト・マザー”の座を獲得したのは、還暦を過ぎて尚、その美しさに全くかげりを見せない吉永小百合。2008年に公開され、愛情深い一家の母を演じた映画その名も『母べえ』を始め、これまでに数々の作品で魅力的な母親を演じてきた。60代以上のサユリストからは「理想の“母親”だなんてけしからん!理想の“女性”だ!」との声が挙がるかもしれないが、吉永さんよりもひと回りからふた回り下の50代、40代の男性からの票が多数集まった。一方で興味深いのは比較的若い30代の女性からの支持が高い点。「素晴らしい人だと思うから」(30代・女性)という声に代表されるように、同じ女性として「こうありたい」と思う憧れの女性と言えそう。今秋公開の主演作『北のカナリアたち』ではまさに母のような愛情で教え子たちを包み込む教師を演じており、完成が待たれる。続いて第2位には八千草薫がランクイン。近年では母親役だけでなく愛情豊かな祖母役を演じることも多いが、80歳を過ぎて尚、多くの演出家や監督からのオファーが途切れることがないのは八千草さんにしか出せない優しさ、気品があるからこそ!「おしとやかさの中に強さがある」(50代・男性)、「良妻賢母そのもの」(30代・女性)と多くの票を集めた。3位に入ったのは数多くのドラマで明るく子供たちを励ます母親を演じてきた黒木瞳。“かわいいお母さん”の代名詞とも言える存在で、こんな母親がいたら反抗期なんてなかったのに、なんて感じる人も多いのでは?「肩肘張らずに、自然体で生きている感じがステキです」(40代・男性)、「いつも笑顔を絶やさないから」(30代・女性)といった声が多く寄せられた。そして、公開中の『わが母の記』で認知症を抱えつつも息子との絆を繋ぎ直そうとする愛情あふれる母を演じ、絶賛を浴びている樹木希林が第4位に。何と言っても樹木さんの魅力はその器の大きさ。映画撮影中のエピソードにとどまらず、プライベートでのさまざまな出来事に対する姿勢などを含め、ドンと構えて動じないその姿に“強く、包容力のある母親像”を見る人が多数!「酸いも甘いも経験してそう」(20代・男性)、「物事の捉え方、対応の仕方が素晴らしい」(30代・女性)という声が多かったが、20代、30代の若い層を中心に支持を集めたというのも興味深いところ。樹木さんという“母”を持つ内田也哉子&もっくん(本木雅弘)夫妻がうらやましい!ここまで日本人の女優が並んだが、唯一、海外の女優でベスト5に入ったのはアンジェリーナ・ジョリー。ブラッド・ピットとの間に生まれた子供たちや養子の母として世界中を駆け回る姿に「カッコイイ母親」(30代・男性)、「究極の美しい母」(20代・女性)などといった称賛と羨望の声が寄せられた。プライベートでの母親っぷりに注目が集まりがちだがオスカー主演女優賞にノミネートされた『チェンジリング』を始め、これからまさに母親になろうとする妊娠中の女性を演じた『マイティ・ハート/愛と絆』など、女優としても“母”の顔をしっかりと見せてくれているのでこちらも要チェック。ランク外にはやはりCMの力のすさまじさというべきか、ソフトバンクのCMに“母”&“祖母”役で揃って出演している樋口可南子と若尾文子、今年のアカデミー賞で2度目の主演女優賞に輝いたメリル・ストリープ、意外なところでは「情熱的でものごとをはっきりというところがいい!」といった意見を集めた歌手の和田アキ子など多彩な顔ぶれが並んだ。いろいろな母親像が挙げられたが、全体的に子供を温かく見守ってくれる包容力のある母親像を理想とする向きが多い結果に。さてあなたは誰を理想として子育てに奮闘する?「“理想の母親”女優」ベスト51位:吉永小百合2位:八千草薫3位:黒木瞳4位:樹木希林5位:アンジェリーナ・ジョリー次回の「シネマカフェゴコロランキング5」のテーマは「“ダメ男”が似合う俳優は?」。こちらもぜひ、ご応募ください。「シネマカフェゴコロランキング5」『母べえ』通常版発売・販売元:松竹株式会社 映像商品部価格:3,990円(税込)発売中© 「母べえ」製作委員会■関連作品:北のカナリアたち 2012年秋、全国にて公開ツナグ 2012年10月6日より全国東宝系にて公開わが母の記 2012年4月28日より全国にて公開© 2012「わが母の記」製作委員会■関連記事:“母の日”サプライズで義理の息子・本木雅弘登場に樹木希林、感激!宮崎あおい、原田作品は「大変だと聞いていた」タレ込みの犯人は堺雅人?桐谷美玲、綾野剛と遠距離カップル役で『新しい靴を買わなくちゃ』パリ撮影に挑戦!紫綬褒章受章の役所広司を宮崎あおい、樹木希林ら女優陣が花束で祝福『わが母の記』宮﨑あおい「家のいろいろな所から声が聞こえる感じがいい」
2012年05月28日役所広司、樹木希林、宮崎あおい出演の映画『わが母の記』の興行収入が10億円を突破し、当初の予想を上回る動員を記録していることから、このほど上映の延長が決定した。その他の写真本作は文豪・井上靖が自身の人生や家族との実話を基に綴った『わが母の記~花の下・月の光・雪の面~』を原作に、普遍的な家族の愛を描いた物語。役所が作家・伊上を、樹木が母親の八重を、宮崎が三女の琴子を演じ、第35回モントリオール世界映画祭の審査員特別グランプリ受賞をはじめ、海外の映画祭でも注目を集めている。4月28日から全国公開された本作は、公開初日から好調な動員を記録し、このほど動員97万人、興収10億円を突破。シニア層が多いのが特徴で、配給の松竹によると、平日も動員が落ちることはなく、レディース・デーの稼働も好調、女性客の比率が高いという。また、映画館の場所をたずねる問い合わせや「シネコンでのチケットの買い方がわからない」という問い合わせもあるそうで、日頃、映画館をあまり利用しない観客の心もつかんでいるようだ。松竹・映画営業部長の熊谷浩二氏は「昨年ゴールデンウィークに公開し日本アカデミー賞を総なめにした『八日目の蝉』に引き続き、本年もゴールデンウィークに興収10億を超えるヒット作品を配給できました。各興行会社や劇場からムーブオーバーおよび2番上映希望のお話を数多くいただいており、現在フィルムや DCP(デジタル上映用の映像・音声データ)のスケジュールを調整しているところです」と説明。今年のゴールデンウィークも多くのヒット映画が生まれたが、その多くが子ども、若者向け作品だっただけに、大人の観客がじっくりと観賞できる本作のヒットは、年配の映画ファンにとって朗報といえるのではないだろうか。『わが母の記』公開中
2012年05月25日5月13日(日)、母の日を記念して、都内劇場にて大ヒット公開中の『わが母の記』の特別上映会が開催。“わが母”こと樹木希林と原田眞人監督、さらにサプライズゲストとして樹木さんの義理の息子である本木雅弘が登壇し、「母」への想いを明かした。昭和の文豪・井上靖の自伝的小説を原作に、母に捨てられたという複雑な過去をもつ作家・伊上洪作が認知症を患った母との暮らし、そして周囲の家族の支えを経て改めて母と向き合い過去の真相を知っていく姿を描いた、親子の絆の物語。樹木さんは「うちの娘が『私はローマ風呂の方(『テルマエ・ロマエ』)を観たい』と言っていたので、ちょっとしどろもどろになってしまったんですが、『わが母の記』も健闘しているという事を聞きまして、今日は来させていただきました」と、冒頭の挨拶から小気味よい毒舌を全開。本作で八重の“老い”を表現するためには相当の苦労があったようで、「ハリウッド映画と違って予算が少ないですからね(笑)。老けメイクをして下さる方もいないですし、撮影も順撮りではないので、午前と午後とで演じる年齢が違うこともあって大変でした」と撮影をふり返った。一方で「体が小さくなるように、骨を抜いて撮影をしていましたので(笑)」と相変わらずの毒気のある冗談で会場を沸かせた。そして、サプライズゲストとして義理の息子である本木さんが、樹木さんの似顔絵を基に作られたフラワーアートと共に登場すると、会場からは割れんばかりの歓声が!こういった映画のイベントでの樹木さんの共演は初めてとなったが、「母の日、おめでとうございます。樹木さんと親子関係になってから17年になるのですが、みなさんもよくご存知の通り、日常生活も緊張感に満ち満ちた婿生活を送っています」と母に負けず劣らず、キレのある挨拶で会場を笑いで包んだ。当の樹木さんは、1,100本ものカーネーションを使用したフラワーアートについて「もったいない(笑)!」と言いつつも、「とても驚きました。家でも芸能界のことはほとんど何も話さないんです。同じ家に住んでいても、ただ洗い物を一緒にして、お皿を拭いてもらったり、という関係なんです。今日は布団をかぶって寝てしまおうと思います(笑)。あと、原田監督はいつも奥様と息子さんが一緒にいらっしゃるんです。私はいつもひとりで寂しい思いをしているのですが、今日で、一挙に取り返すことができました。ありがとう!」と感無量の様子だった。『わが母の記』は全国にて公開中。■関連作品:わが母の記 2012年4月28日より全国にて公開© 2012「わが母の記」製作委員会■関連記事:宮崎あおい、原田作品は「大変だと聞いていた」タレ込みの犯人は堺雅人?紫綬褒章受章の役所広司を宮崎あおい、樹木希林ら女優陣が花束で祝福『わが母の記』宮﨑あおい「家のいろいろな所から声が聞こえる感じがいい」シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第26回)あなたの“理想の母親”女優は誰?樹木希林、認知症の役は「やりたがる役者がいないので私に回ってくる(笑)」
2012年05月14日先週末公開を迎えた役所広司主演の映画『わが母の記』が、公開から1週間を迎えた5月6日(日)、観客動員数50万人突破の大ヒットを記念して役所さんを始め、宮崎あおい、原田眞人監督が舞台挨拶に登壇。それぞれに作品に込めた想いと喜びの胸中を明かした。昭和の文豪・井上靖の自伝的小説を映画化した本作。母に捨てられたという複雑な過去をもつ作家・伊上洪作が、認知症を患った母との暮らし、そして周囲の家族の支えを経て改めて母と向き合い過去の真相を知っていく心温まる感動作だ。この日の舞台挨拶には“わが母”樹木希林の姿はなく、これに役所さんは「希林さんのいつもの毒舌を聞けないのは寂しいです。その代わり、“可愛い”宮崎あおいさんが忙しい撮影の合間を縫って来てくれました」と語り、会場の笑いを誘った。さらに本作に参加した感想を問われると「これまで力強く斬新な作品を撮り続けてきた監督が、故郷・沼津に腰を据えて本当に“日本映画”というふうに撮られたのは僕にとっても新鮮でした」と語り、原田監督と久しぶりのタッグを組んだ喜びをふり返った。本作で原田作品に初参加となった宮崎さんは、「(クランク)インする前に、違う作品で(原田作品に)参加されたことのある役者さんから『大変ですよ』と伺っていました」と明かすと、原田監督から「誰、それ!?」とすかさずツッコミが!その迫力に押されてか「堺(雅人)さんです…、あっ!名前言っちゃった(笑)」とタレ込みの犯人を暴露。慌てた宮崎さんは「『すごい素敵な人だけど、現場は大変だよ』と仰ってました」と、『ツレがうつになりまして。』に夫婦役で共演した“夫”堺さんを必死にフォローする一幕も。この日、5月6日は本作の原作者・井上靖の生誕105周年の日でもあり、原田監督はこの記念の日に大ヒットの報告ができたことに感慨もひと潮といった様子で「特別な日です!今日は晴れがましい気持ちでこの日を迎えることができました。ありがとうございます!」と上機嫌で挨拶。さらに「僕のこれまでの作品の中で一番評判がいいです。僕のことを嫌いな評論家も褒めたくれた(笑)」と率直過ぎる思いを明かし、会場を沸かせた。本作はモントリオール国際映画祭での審査員特別グランプリ受賞を始め、世界中の映画祭で上映され高い評価を得ているが、この日新たにチェコ共和国で開催される長い歴史を持つカルロビバリ映画祭での招待上映が決定。開催地のカルロビバリが世界有数の温泉地でもあることから、原田監督は「『テルマエ・ロマエ』の阿部(寛)ちゃんがいるかもしれないなと思っています」と茶化しながらも頬を緩めた。最後に役所さんは、「海外でももっと多くの人々に観てもらって、そして息の長い映画になって、もう一度大ヒット舞台挨拶がしたい」と語り、舞台を締めくくった。『わが母の記』は全国にて公開中。■関連作品:わが母の記 2012年4月28日より全国にて公開© 2012「わが母の記」製作委員会■関連記事:紫綬褒章受章の役所広司を宮崎あおい、樹木希林ら女優陣が花束で祝福『わが母の記』宮﨑あおい「家のいろいろな所から声が聞こえる感じがいい」シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第26回)あなたの“理想の母親”女優は誰?樹木希林、認知症の役は「やりたがる役者がいないので私に回ってくる(笑)」理想の“尽くす男”たちを発表!水嶋ヒロ、役所広司ら“侍”型の俳優たちが上位に
2012年05月07日「ロングバケーション」「ビューティフルライフ」などの大ヒット恋愛ドラマを数多く手がけてきた北川悦吏子が岩井俊二と共にタッグを組む注目のラブストーリー『新しい靴を買わなくちゃ』がこの秋、公開となる。中山美穂と向井理のW主演、パリでのオールロケ撮影ということで話題を集めている本作だが、さらに、いまTVに映画に引っ張りだこの若手人気女優・桐谷美玲が出演、映画では初の海外撮影に臨んだことが明らかとなった。愛の街・パリを舞台に、旅行のために訪れたカメラマンの千(向井さん)とここに住むフリーライターのアオイ(中山さん)の偶然の出会いから始まる特別な3日間を描いたラブストーリー。北川監督が自ら脚本を手がけ、プロデューサーの岩井さんは撮影監督も務めている。先月より日本テレビ「NEWS ZERO」で新キャスターに就任し、7月に公演を控える舞台「新・幕末純情伝」では沖田総司役として初舞台・初主演に挑戦、さらに映画では『荒川アンダー ザ ブリッジ』を始め『逆転裁判』、『ツナグ』など話題作に引っ張りだこの桐谷さん。女優としての評価が急上昇している中での大抜擢となった本作で彼女が演じるのは、向井さん扮する八神千(せん)の妹、鈴愛(すずめ)。日本とパリで遠距離恋愛中の彼氏・カンゴ(綾野剛)に会うため、兄を強引にパリに連れてきたキッカケとなる重要な役柄である。劇中では向井さんと中山さん、桐谷さんと綾野さんの2組の男女が交互に描かれており、桐谷さんは次の一歩を踏み出そうとする等身大の女性を演じる。桐谷さんがパリに訪れたのは小春日和の3月中旬、約5日間の滞在でクランクイン初日から撮影に臨んだ。扮する鈴愛は遠距離恋愛を続けるいまの関係から一歩踏み出そうと、綾野さん扮する恋人・カンゴに会いに来るという設定で、北川監督からは自然なカップルを描く演出として、桐谷さんと綾野さんの掛け合いのシーンでは2人にアドリブの指示も。若いカップルが時におかしく、時に現実的に、素直な演技ができるようアクセントを加えていった。現場では、一際目を引く桐谷さんの可愛さに多くのフランス人が足を止め撮影に見入ってしまう状況が続き、北川監督も「本当に女の子の夢が全部詰まった子。可愛くてバンビみたいで、ふわふわと綿菓子のようで、キラキラとキャンディのようで…」と彼女の魅力にメロメロだった様子。さらに、「賢い人でした。賢い人は、時に大胆です。大胆なお芝居をしてくれているところもあります。ぜひ、チェックしてください。いままでの彼女ときっと違うと思います」とその演技に確信を抱く。一方、桐谷さんは天真爛漫な女性・鈴愛を演じるにあたり「北川監督のキュートさを思い出しながら演技させていただきました」と明かし、初挑戦となった映画での海外撮影については「ロケーションがとにかくロマンチックで綺麗の一言に尽きます!撮影場所のすぐ後ろにノートルダム寺院やセーヌ川があって、素敵な景色に背中を押されて素敵なラブストーリーが撮影できたと、パリの景色に感謝しています」と大好きな街・パリでの撮影を満喫したようだ。桐谷さんがアドリブで魅せる、等身大の女性・鈴愛のラブストーリーとは?彼女の新たな魅力が発見できる一作になりそうだ。『新しい靴を買わなくちゃ』は10月、全国にて公開。■関連作品:ツナグ 2012年10月6日より全国東宝系にて公開新しい靴を買わなくちゃ 2012年10月、全国にて公開■関連記事:樹木希林、イケメン俳優・松坂桃李との初共演に「乞うご期待!」中山美穂×向井理が年の差恋愛で魅せる!パリ撮影も順調に進行中
2012年05月04日井上靖の自伝的小説を原田眞人監督が映画化した『わが母の記』が公開されている。本作は、原田監督が「巨匠・小津安二郎監督の作品に近づきたい」と撮り上げた作品だ。そこで、『早春』(1956年)以降の6作品で、小津組のプロデューサーを務めた山内静夫氏に作品を鑑賞していただいた。山内氏は本作をどう観たのだろうか?その他の写真本作は文豪・井上靖が自身の人生や家族との実話を基に綴った『わが母の記~花の下・月の光・雪の面~』を原作に、普遍的な家族の愛を描いた物語。役所広司が作家・伊上洪作を、樹木希林が母親の八重を、宮崎あおいが三女の琴子を演じている。試写室から出て、原田監督と対面した山内氏は「監督さんのいる前だと緊張するね」と笑みを見せながら「とても爽やかな印象。映画としてどっしりしているし、そこに“人生”が描かれている」と鑑賞した直後の印象を述べる。「一家がいて、それぞれが人生を背負っている。映画は物語だけではなくて、そこに“人生”があるのがいい。みんなが色々な気持ちで生きている空気がしっかりと漂っていて、ここ最近の映画にはない日本映画を観た気がしました」。原田監督は「改めて小津安二郎監督の作品を集中して勉強して、これまで小津作品の“本当の良さ”に気づいてなかったな、と。小津さんという存在には憧れていましたが、この3年で画期的に印象が変わりました。その結果としてこの映画が出てきた」と振り返り、山内氏は「映画を観ている間は集中していたので小津作品のことは思い出すことはなかった」と語るも「主人公の作家と母の姿を観たときに小津作品のことが頭に浮かびました」という。大学で教鞭をとっている原田監督は「今の若い世代は小津監督や黒澤明監督を知らなくても、少しガイドをしてあげると、とてもいい感性をもっている。だからこそ、良い芸術をちゃんと伝えるのが僕らの世代の役割なのではないかと思うようになった」と言い、山内氏は「撮影所がなくなってしまったのが大きいですよね。かつては撮影所で映画だけではなく色々なことを先輩から学ぶことができた。映画の世界にとって撮影所がなくなったことが本当に悲しい」という。以前より原田監督は「この映画は若い人に観てもらいたいし、僕が小津さんへの愛を込めたこの映画を観てもらうことで、そのうちの何パーセントかの人が小津映画に興味をもってほしいんです。そうやって文化を継承していかないと新しいものは生まれない」と語っている。本作を公開中の劇場では、若い観客も多く足を運んでいるそうだが、彼らが本作をどのように観たのかも気になるところだ。『わが母の記』公開中
2012年05月02日「ぴあ」調査による4月28日公開の映画・満足度ランキングは、役所広司、樹木希林、宮崎あおいらが出演した『わが母の記』がトップに輝いた。2位にアキ・カウリスマキ監督の最新作『ル・アーヴルの靴みがき』が、3位に水谷豊主演の家族ドラマ『HOME 愛しの座敷わらし』が入った。その他の写真1位の『わが母の記』は、井上靖の自伝的小説を『クライマーズ・ハイ』の原田眞人監督が映画化した昭和の家族の物語。出口調査では「自分の育った環境が映画とは違っても学びとれることが多く、親子の絆の強さを感じた」「行ったり来たりする愛情に涙。自分のことに置き換えて見つめなおした」「古き良き日本の時代風景が表れていて繊細で、心に訴えかける作品」「原作を読んだがとても満足のいく映像化だった」「樹木希林の演技は並大抵ではない。素晴らしいのひと言に尽きる」「生きていたら母と観たかった、人生まだまだがんばりたい」「家族で観て、家族の絆を確認してほしい」など、50代から80代を中心に高い満足度を集め、涙目で劇場をあとにする観客の姿が印象的だった。2位の『ル・アーヴルの靴みがき』は、ヨーロッパの移民問題を描いた約5年ぶりとなるカウリスマキ監督の新作。アンケート調査では「期待以上!貧しくても真面目に生きる人々の姿は思い出すだけでも涙が出てくる」「人間の本来あるべき姿、善意、生き様が描かれていた」「道徳を学ぶことができるので学生に観てほしい」「無駄が一切なく愛にあふれたおとぎ話のような映画」など映画ファンを中心に好評だった。(本ランキングは、2012年4月28日(土)に公開された新作映画12本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2012年05月01日映画『わが母の記』が4月28日(土)に公開を迎え、役所広司を始め樹木希林、宮崎あおい、南果歩、ミムラ、菊池亜希子、原田眞人監督が舞台挨拶に登壇。春の紫綬褒章の受章が発表された役所さんに女性キャストから花束が贈られた。井上靖の自伝的小説を映画化した本作。母に捨てられたという複雑な思いを抱える作家が認知症の母を呼び寄せて共に暮らし始めるが、家族をはじめとする周囲の支えの中で改めて母と向き合い、その思いを受け止めていく姿を描く。役所さんは「登場を待っている間に何を話そうかと考えていたんですが、“わが母”希林さんがずっと話してて考えられなかった」と苦笑い。原田監督とは監督と主演という関係で『KAMIKAZE TAXI』(’95)、『突入せよ! あさま山荘事件』(’02)といった作品を作ってきたが「若い頃に出会い、この監督とずっと一緒に仕事をしていきたいと思った。僕も監督も年を取って、また新しい映画ができたと思います」と感慨深げに語った。樹木さんは役所さんと親子を演じたことについて「私には息子がいないのでわかりませんが、もしこんな息子がいたらどんどん働かせようと思います」とユーモアたっぷりに語り、笑いを誘う。だが、そんな樹木さんから女優陣は多くのものを得たよう。宮崎さんは「どんどん体が小さくなっていく様子や、日によって大きさが変わったりするのを間近で見られて貴重な経験をさせていただきました。贅沢なお時間をいただき、緊張しましたが楽しかったです」と笑顔で撮影をふり返る。南さんも樹木さんの演技を傍で見て心酔したようで「一生ついていこうと思った」と語ったが、樹木さんは「私じゃなくて渡辺謙さんに一生ついていってください!」と切り返し、再び会場は笑いに包まれた。この日は一家の久々の再会となったが、“長女”ミムラさんは「久しぶりに会ってこの家族の一員になれて本当に良かったなと思います」としみじみ。菊池さんはこの日の上映にお母さんが来場しているそうで「母は少しだけ希林さんに似てるんです」とニッコリ。「私がこの仕事をやると言ったとき、頷いてはくれなかったんですが、この映画に出たことで理解してもらえたら、少しでも親孝行できたらと思います」と思いを明かした。役所さんには女優陣ひとりひとりから花束が手渡されたが「仕事をしてきたスタッフ、キャストのみなさん、そして『わが母の記』のみなさんのおかげ」と周囲への感謝の思いを口にした。『わが母の記』は全国にて公開中。■関連作品:わが母の記 2012年4月28日より全国にて公開© 2012「わが母の記」製作委員会■関連記事:『わが母の記』宮﨑あおい「家のいろいろな所から声が聞こえる感じがいい」シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第26回)あなたの“理想の母親”女優は誰?樹木希林、認知症の役は「やりたがる役者がいないので私に回ってくる(笑)」理想の“尽くす男”たちを発表!水嶋ヒロ、役所広司ら“侍”型の俳優たちが上位に役所広司、宮崎あおいからの「色気がある」という言葉に大テレ
2012年04月30日