トラノコとは、買い物のおつりで投資できるアプリです。おつりなので少額から気軽に投資を始めることができます。今回は、トラノコのメリット・デメリットと実際の評判について解説します。トラノコとはトラノコトラノコは、TORANOTEC株式会社が運営している「おつり投資アプリ」です。これまで投資をしたことがない人でも気軽に資産運用を始められます。「おつり投資アプリ」とは、毎日の買い物のおつりを、自動的に世界中の資産に分散投資できるアプリです。ただ実際に現金のお釣りで投資を行うわけではなく、アプリに登録したクレジットカードでの買い物データを基に投資額を決める仕組みです。トラノコにクレジットカードやアマゾン・楽天などのECアカウントを登録するだけで、おつりデータが即時に更新されます。マネーフォワードやZaim など提携する家計簿アプリを使っている人はカードの登録も不要です。アカウントを連携させるだけで利用できます。セブン銀行や野村総合研究所、リアルワールドなど大手企業が主要スポンサー企業なので安心できる会社です。メディアにも多く掲載されています。おつりで投資の仕組みいつも通りに買い物をするトラノコや提携している家計簿アプリに登録しているクレジットカードや電子マネーなどで買い物をします。買い物代金がチャージされます。投資したい「おつり」を選択トラノコ「トラノコおつり捕捉サービス」やマネーフォワードやZaimなど提携家計簿アプリを通じて、買い物データに連動したおつりデータがトラノコ上に表示されます。ただ実際に発生したおつりを積み立てるのではなく、あらかじめ設定した金額によって積み立てるおつりが決定。「おつり」は設定した金額で買い物した端数になります。設定金額は、「100円」「500円」「1000円」の3種類です。たとえば、350円の買い物をした場合、以下がおつりとなります。設定金額100円:100円×4=400円で支払うので、400円-350円=50円で「50円」がおつり設定金額500円:500円-350円=150円で「150円」がおつり設定金額1000円:1000円-350円=650円で、「650円」がおつり選択したおつりが、自動で投資される毎月1回、その月に選択した「おつり」の合計が、銀行口座から自動で引き落とされ、投資に回ります。毎月の投資上限額の設定も、投資資金の追加もできます。運用状況をアプリで確認トラノコ運用状況は、毎日更新されます。投資している資産の構成情報も一目でわかります。出金もいつでも可能です。トラノコのメリットトラノコ2007年に一括で投資を行った場合、代表的な株価指数であるTOPIX(東証株価指数)は、日本10年国債のパフォーマンスを下回っています。国債は、国が発行しているので元本が保証されています。リスクをとって株式(TOPIX)に投資するより、安定して増える日本国債に投資したほうがいいと思ってしまいます。毎月1万円ずつ投資しかし、毎月1万円ずつおつりを投資していた場合は、パフォーマンスが大きく異なります。トラノコTOPIXに毎月1万円ずつコツコツ投資することで、日本国債を大きく上回るリターンを出せることがわかります。一度に購入するのではなく複数回に分けて投資することで、2008年のリーマンショックのような大きな金融危機でも安い値段で購入することができ、平均購入価格を下げる効果があるためです。リスクとリターンに合わせて、3つのファンドを選べるトラノコトラノコはリスク許容度に合わせて、次の3つのファンドを選べます。安定重視の「小トラ」リスクを抑える事を重視し、比較的リスクが低い債券の割合が高いファンド。トラノコバランス重視の「中トラ」債券に加え、比較的リスクの高い株式をある程度加えたファンドトラノコリターン重視の「大トラ」リターンを重視し、比較的リスクの高い株式の割合が高いファンドトラノコリスクに応じて世界中の株式や債券、不動産などに分散投資トラノコは、リスクを分散させるために世界中の株式や債券、不動産などに分散投資していますが、直接投資しているわけではありません。実際に投資を行っているのは厳選されたETF(上場投資信託)です。ETFとは、株式市場に上場している投資信託。保有コストである信託報酬などの費用が安いことが特徴です。2017年12月時点の投資対象のETFは、以下の通りです。トラノコマイルやポイントでも投資できるトラノコで投資できるのは、「おつり」だけではありません。トラノコが提携するポイントやマイルも、現金に交換することで簡単に投資できます。ポイントやマイルを使えば、資金ゼロで投資を始められます。トラノコが現在提携しているポイントやマイルは以下の通りです。トラノコ[adsense_middle]トラノコのデメリットトラノコそれでは、運用報酬と月額利用料のコストを考えた場合、いくら以上になったらトラノコのコスト負担は他社のアクティブファンドより安くなるのでしょうか。トラノコでは、以下のような年間コストのシミュレーションを公表しています。トラノコ運用額が40.9万円を超えると、コスト負担は下がる結果になっています。毎月1万円ずつ「おつり投資」をすると3年以上かかる計算になります。短期的にはコスト負担が気になりますが、投資は10年、20年と長期に渡って行なうものです。トラノコはおつりやポイントでコツコツと投資を続ける仕組みになっています。投資金額が少ない間はあまりコストを気にせず、長期的な視点で運用を続けるようにしましょう。トラノコのオトクな連携サービストラノコ毎月ポイントプレゼントトラノコ投資額にかかわらず、毎月ポイントやマイルがたまります。現在は、以下の3つのサービスと提携しています。いずれか1つのサービスを選びます(他のサービスとの併用はできません)。nanaco:毎月必ず20ポイント。さらに口座開設申し込みで、3500ポイントもらえます。ANA:毎月必ず5マイル。口座申し込みで700マイルもらえます。dポイントクラブ:毎月必ず15ポイント。口座申し込みで3000ポイントもらえます。毎月割引サービストラノコ毎月割引サービスでは、ニチガスの指針があった支払いにおいて100円が割引されます。また、最初の3ヵ月はトラノコの利用料は無料です。お試しで試してみるのもいいでしょう。学生は利用料が無料15歳未満はトラノコを利用できませんが、15歳~23歳未満の学生であれば、月額利用料300円が無料になります。「学生こそ投資を始めてほしい」という思いから「トラノコ学割」がスタートしたのです。アプリに学校名と学籍番号を入力するだけで、学生証などの送付は必要ないので簡単に始められます。トラノコ15歳から毎月3000円ずつ投資すれば、22歳の時点で334,604円貯まります。23歳以降は利用料がかかりますが、アクティブファンドなどよりもコスト負担が軽くなる40.9万円まであとわずかです。早いうちからトラノコを始めていれば、コスト負担が少なくなるというメリットがあります。[adsense_middle]トラノコの退会・解約方法トラノコを退会する場合、アプリやウェブサイトのアカウント情報ページを開き、「トラノコを退会する場合」という項目を選択します。注意事項などが表示されるので了解したら、トラノコIDなどの情報を入力した上で同意。これで退会となります。ただし、トラノコを退会しても投資口座自体は引き続き運用されるので、口座の解約も考えるのであれば退会後にメールもしくは電話で解約手続きを行う必要があります。手続きが面倒な場合は、投資口座から出金を行い残高ゼロにします。残高ゼロで1年間経つと口座の閉鎖が行われるので、手続きの必要はありません。トラノコの退会・解約の注意点連携するサービスが停止するトラノコを解約した場合、ポイントやマイル との連動も停止されます。利用中に貯めていたトラノコポイントも消滅します。出金手数料がかかる出金手続きは、アプリなどで出金リクエストを行います。出金リクエスト後、ファンドを売却し2日で出金の確定、1週間程度振込口座への送金となります。なお、出金手数料は金額にかかわらず300円です。出金に時間がかかりますし、解約手数料もかかるので、解約後に全額出金ということであれば手続きを間違いないように気をつけましょう。トラノコを再開する場合トラノコを退会しても、口座の運用が続いている場合は簡単に再会することができます。アプリから自分のアカウントにログインすると「再会する」のをボタンがあるので、そこから手続きをします。口座を解約、もしくは全額出金後1年以上経っている場合は口座自体が閉鎖されています。その場合は新規開設になるので、もう1度口座開設手続きをする必要があります。トラノコは安全?トラノコに預けた資産の安全性はどうでしょうか。トラノコに投資した顧客の資金は信託銀行が分別管理しており、トラノコが万一破綻した場合でも全額保護されます。お金が返ってこない危険性は低いと考えられます。まとめ少額から投資できるのがトラノコの魅力です。最初は月額利用料の負担が大きいものの、長期で資産を続ければコスト負担はアクティブファンドよりも低くなります。おつりやポイントで投資を開始できるというのが、トラノコの大きなメリットです。ある程度まとまった資金がないと投資を始められないと躊躇している人が多いと思いますが、トラノコなら気軽に投資を始められます。スマホアプリで簡単に始められるので、投資を考えている人にオススメです。最初の3カ月は月額利用料がかからないので、トラノコのアプリをダウンロードして投資を始めてみてはいかがでしょうか。
2019年08月13日オードリー・ヘプバーン主演の映画『ティファニーで朝食を』のシネマコンサートが、東京・有楽町の東京国際フォーラム ホールAにて2019年10月12日(土)に開催を予定していたが、開催延期を発表。振替公演は、2020年1月13日(月・祝)に開催される。生演奏×大スクリーンで楽しむ!映画『ティファニーで朝食を』映画『ピンク・パンサー』シリーズの監督として知られるブレイク・エドワーズがメガホンを取り、1961年に公開された『ティファニーで朝食を』。ニューヨーク5番街を舞台に、オードリー・ヘプバーン演じる自由奔放な女性ホリーと、ジョージ・ペパード演じる自称作家のポール、互いに秘密を抱える2人の恋を描いたミステリアスなラブストーリーだ。本イベントでは、大スクリーンでの上映に合わせて、東京フィルハーモニー交響楽団が音楽パートを生演奏。生演奏映画のセリフや効果音はそのままに、フルオーケストラによる大迫力の音楽に合わせて映画本編を楽しめる。映画を彩る名作の数々本作の音楽といえば、『刑事コロンボ』や『ピンク・パンサー』のテーマのほか、数多くのヘプバーン作品を手掛けた映画音楽の巨匠ヘンリー・マンシーニによる優美な調べの劇伴の数々。中でも、ヘプバーン自らが歌った劇中歌「ムーン・リバー」は世界中で大ヒットを記録し、第34回アカデミー賞で歌曲賞とドラマ・コメディ映画音楽賞を、グラミー賞では最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞、最優秀編曲賞の3冠を獲得するという偉業を成し遂げている。ちなみに、ヘプバーンがマンシーニに宛てて「音楽のない映画は燃料のない飛行機のようなもの。私たちはまだ地上で現実の世界にいます。けれども、あなたが作曲したとても美しい音楽が、私たちの映画を空に舞い上がらせてくれました」という手紙を送ったというのも有名な逸話だ。「写真展オードリー・ヘプバーン」オフィシャルグッズを特別販売なお当日には、本公演の会場ロビーにて、「長崎県美術館 県民ギャラリー」で開催中の「写真展オードリー・ヘプバーン」オフィシャルグッズを特別販売。美しいオードリー・ヘプバーンのグラフィックプリントを施したハンカチやポーチ、マグネットをはじめ、写真集などが展開される。【開催概要】【開催概要】映画『ティファニーで朝食を』シネマ・コンサート開催日時:2020年1月13日(月・祝) 13:30開場/14:30開演 〈振替公演〉※2019年10月12日(土)開催を予定していたが台風の影響により、開催を延期。※チケットは、10月12日(土)分のチケットにて振替公演にそのまま入場可能。※チケット払い戻しも可能。払い戻し詳細は、後日公式サイトにて発表。※チケットを紛失した場合は、再発行・払い戻し不可。会場:東京国際フォーラム ホールAチケット価格(税込/全席指定):S席 9,800円/A席 7,800円※3歳未満の入場は不可。チケット取扱:ローソンチケット、チケットぴあ、イープラス、CNプレイガイド<上映作品>ティファニーで朝食を Breakfast at Tiffany’s(1961年公開)監督:ブレイク・エドワーズ原作:トルーマン・カポーティ音楽:ヘンリー・マンシーニ出演:オードリー・ヘプバーン/ジョージ・ペパード/パトリシア・ニール/バディ・イブセン上演時間:2時間18分(休憩20分込)※英語上映・日本語字幕付き演奏:東京フィルハーモニー交響楽団<アイテム例>・角マグネット 500円+税・ハンカチ 2,400円+税・ポーチSサイズ 1,000円+税・ポーチMサイズ 1,400円+税・写真集「AUDREY HEPBURN」 2,400円+税・ポストカードブック 1,200円+税・一筆箋 700円+税
2019年07月29日大手金融グループに属するSBIソーシャルレンディング。2011年からサービスを開始し、融資残高は300億円を超えています。業界最大手の一社ですが、投資家からの評判や口コミはどうなのでしょうか。これまでの実績と併せて解説します。SBIソーシャルレンディングは貸付型クラウドファンディングSBIソーシャルレンディングは、貸付型クラウドファンディングの一種です。貸付型クラウドファンディングとは、「資産運用をしたい投資家」と「資金ニーズのある企業」をインターネットを通じて結びつけるサービス。つまり、「お金を必要とする企業」に「お金に余裕のある投資家」が「お金を提供するサービス」です。SBIソーシャルレンディング矢野経済研究所の調査によると、2017年度(2017年4月~2018年3月)の国内クラウドファンディングの市場規模は、前年比127.5%増の1,700億円と推計されました。今後さらに国内クラウドファンディング市場は拡大する見込みで、2018年には2,000億円を超えると考えられています。矢野経済研究所そして、2017年度の国内クラウドファンディングにおける類型別構成比は、貸付型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)が約90%を占めています。その中でも SBIソーシャルレンディングは、業界最大手の一つなのです。矢野経済研究所SBIソーシャルレンディングの特徴SBIソーシャルレンディングは、maneoなどに続き、2011年にサービスを開始しました。ソーシャルレンディング業界の中でも最大手の一つです。それでは、SBIソーシャルレンディングの特徴について見ていきましょう。事業基盤がしっかりしている1万円から投資できる名目利回り3~10%の分配金を毎月受けられるキャンペーンを行っている【SBIソーシャルレンディングの特徴①】事業基盤がしっかりしているSBIソーシャルレンディングは、証券や銀行など多くの金融機関の事業を展開する「SBI グループ」に属するソーシャルレンディング事業者です。 ソーシャルレンディング事業者は新興企業が多く、事業基盤が不安な会社もあります。しかし SBIソーシャルレンディングは、ネット証券業界最大手でもあるSBIグループに属しているということで、 他のソーシャルレンディング事業者とは一線を画しているといえるでしょう。【SBIソーシャルレンディングの特徴②】1万円から投資できるSBIソーシャルレンディングは、最低投資金額が1万円。少額からソーシャルレンディングを始められるので、初心者でも手掛けやすいサービスになっています。【SBIソーシャルレンディングの特徴③】名目利回り3~10%の分配金を毎月受けられるSBIソーシャルレンディングは元本保証ではありませんが、3~10%の高い利回りが狙えます。さらに毎月分配金を受け取れます。【SBIソーシャルレンディングの特徴④】キャンペーンを行っているSBIソーシャルレンディングSBIソーシャルレンディングでは、定期的にキャンペーンを行っています。直近で一番新しいのは、2018年11月の「SBIポイントプレゼンのご案内」。これは、「SBISL不動産ディベロッパーズローンファンド9号」に出資を行った場合、実際に運用が開始された出資額の0.5%相当の SBIポイントをプレゼントするというキャンペーンです。キャンペーンはいつも実施しているわけではありませんが、ノーリスクでお金を増やせるチャンスとして、 SBIソーシャルレンディングのサイトをチェックするようにしましょう。[adsense_middle]SBIソーシャルレンディングの実績それでは、 SBIソーシャルレンディングの実績を見ていきましょう。SBIソーシャルレンディングSBIソーシャルレンディングの登録完了者数は36,517人。融資残高は314億円となっています。 元本償還の実績は以下の通りです。オーダーメード型ローンファンドSBIソーシャルレンディングオーダーメード型ローンファンドとは、事業資金など明確な資金使途を持つ事業者を対象としたローン事業者に投資するファンドです。オーダーメードなので不定期に募集が行われます。SBIソーシャルレンディングの中で最も利回りが高く、8%の利回りがある商品が出てくることもあります。 ただし商品によって異なりますが、最低投資金額は5万円以上の場合が多くなります。現在運用しているオーダーメード型ローンファンドの中で、延滞中のファンドはありません。期間限定で募集されますが、利回りが高く魅力的な案件が多いので、 SBIソーシャルレンディングの中でもおすすめのファンドです。ただし、過去にはデフォルト(貸し倒れ)を起こしたファンドもあるので、注意しましょう。不動産担保ローン事業者ファンドSBIソーシャルレンディング不動産担保ローン事業者に貸付を行うファンド。不動産担保ローンというのは、不動産を担保にしてお金を借りられるサービスで、事業者に資金を貸し付けます。名目利回りは3~5%と他のサービスよりも低いものの、最低投資金額が1万円と低く、過去にデフォルトや延滞が起こったことがない点も魅力です。比較的安全度が高いファンドと言えるでしょう。SBIソーシャルレンディングの口座開設方法口座開設の手順SBIソーシャルレンディングを始めるためには、まず口座開設が必要です。 メールアドレスや必要書類を登録し、 会員登録します。ログインIDの取得登録フォームに必要情報を入力必要書類の登録本人確認キーの到着投資家登録完了1.ログインIDの取得投資家登録(個人)をクリックし、ログイン ID、 パスワード、メールアドレスなどの設定を行います。入力したメールアドレスに SBIソーシャルレンディングから Eメールが届くので、クリックして登録申請フォームにアクセスします。2.登録フォームに必要情報を入力ソーシャルレンディングは金融商品取引となるため、年収や資産状況、取引経験などを入力する必要があります。 これらは、投資家適合性のチェックページで行います。3.必要書類の登録登録情報画面から必要書類登録ボタンをクリック。 専用画面からマイナンバー確認書類、本人確認書類、銀行口座(分配金などの送金先口座)を登録します。4.本人確認キーの到着SBIソーシャルレンディングが本人確認書類を受領した後、自宅に簡易書留でハガキが届きます。申請終了からハガキが届くまで、通常3~5営業日ほどかかります。ハガキが届いたらマイページにログインし、表示された画面上で「本人確認キー」を入力して送信ボタンをクリックします。5.投資家登録完了以上で投資家の登録は完了です。マイページから希望のファンドに出資・申し込みができます。SBIソーシャルレンディングの口座にログインできない場合IDやパスワードを間違って入力すると 、SBIソーシャルレンディングの口座にログインできません。パスワードを忘れた場合は、再度パスワードの発行が必要です。ホームページ画面の右上の端に表示されている「ID・ パスワードを忘れた方のボタン」をクリックします。会員登録時に登録したメールアドレスを入力して SBIソーシャルレンディングに送信します。その後、 IDと新しいパスワードが記載されたメールが届くので、新パスワードを入力してログインした後、パスワードの変更を行います。業界初のクイック入金サービス住信SBIネット銀行の口座を持っている顧客は、振込手数料を負担することなく、 SBIソーシャルレンディングに入金できる「クイック入金サービス」を利用できます。クイック入金サービスはソーシャルレンディング業界では初めてで、2019年2月16日から始まりました。クイック入金サービスにより、出資金の入金時、分配金の受取人ともに振込手数料を気にしないで、 SBIソーシャルレンディングサービスを利用できるようになりました。[adsense_middle]SBIソーシャルレンディングの注意点SBIソーシャルレンディングで失敗しないために低金利の状況下で、3~10%と高い利回りが期待できる SBIソーシャルレンディングは注目を集めています。しかし、ソーシャルレンディングは元本が保証された金融商品ではありません。きちんと注意点の確認をしないまま投資をしてしまうと、失敗してしまう可能性もあるのです。元本が返ってこないなどのトラブルを避けるために、注意点を確認しておきましょう。【SBIソーシャルレンディングの注意点①】損失が出る可能性がある (業界最大手のmaneoでもデフォルトが発生)ソーシャルレンディングは、元本保証の金融商品ではありません。 SBIソーシャルレンディングでも過去に遅延やデフォルト(貸し倒れ)が起きたことがあります。不動産担保ローン事業者ファンドは担保が設定されているので比較的安全ですが、担保の価値は一定ではなく必ずしも売却できるとは限らないので、絶対に安心というわけではありません。これは、 SBIソーシャルレンディングだけでなく、業界最大手のmaneoでも遅延やデフォルトが発生しているので、ソーシャルレンディング事業の注意点として認識しておきましょう。SBIソーシャルレンディングは、1万円から投資が可能なので分散投資に適した金融商品です。一つの案件に集中投資するのではなく、複数の案件に分散投資をしてリスクを減らすようにしましょう。また、案件の内容をきちんと精査し、納得できない部分があれば投資を見送るという判断も必要です。単純に利回りが高いからといって投資をすると、遅延やデフォルトのリスクを見逃してしまう可能性があるからです。ソーシャルレンディングの案件は増えており、募集されるファンドも多数あります。内容に納得できない案件であれば、投資を見送るというのも一つです。自分が納得できる案件だけに投資するようにしましょう。【SBIソーシャルレンディングの注意点②】満期が来るまで現金化できない投資は余裕資金で行うのが原則です。特にソーシャルレンディングは、満期が来るまで現金化できないというデメリットがあります。株式や投資信託など他の金融商品であれば、お金が必要になった時にいつでも売却できます。一方ソーシャルレンディングでは、すぐに現金化することはできません。満期が一年のファンドに投資した場合、1年が経過してファンドの償還が行われるまで現金化できないのです。初心者の人は、一年未満など期間の短いファンドから始めることをオススメします。 そして、将来的に必要になる資金をソーシャルレンディング投資に充てないようにしましょう。【SBIソーシャルレンディングの注意点③】ロールオーバーに注意SBIソーシャルレンディングでは、資金がロールオーバーされる可能性があります。ロールオーバーとは、資金の供給が多いにも関わらず借り手の希望額が少ないとき、貸付資金が待機したまま長く待たされることです。案件に募集したのに貸付までに時間がかかり、貸付が実行されない間の利息も入りません。高利回りの案件ほどロールオーバーのリスクが高まるので注意が必要です。ただ、ロールオーバーが多かった「SBISLカンボジア技能実習生支援ローンファンド」は2019年7月19日で募集を終了しています。SBI証券の投資家は特典コードでポイントをゲットできるSBIソーシャルレンディングの投資家登録および口座開設を行うとき、「特典コードまたはご紹介者名を入力」という欄があります。これは6桁の特典コードですが、SBI証券などSBIグループで何かしらの投資をしているユーザーにメールで案内がきます。たとえば、SBI証券で取引しているユーザーに対し、 SBIソーシャルレンディングを新規登録すれば、SBIポイントをプレゼントするという内容などです。ただし、ポイントプレゼントは過去に行っていたものであり、現在は利用できません。キャンペーン同様、 SBIソーシャルレンディングからのお知らせを待つようにしましょう。SBIソーシャルレンディングの評判に関するまとめSBIソーシャルレンディングは、大手金融グループであるSBIグループの一員なので、信頼性が高い会社です。業界でも最大手の一つで、案件の豊富さで人気があります。国内では低金利が続く中、3~10%と高い利回りが狙えるのも魅力です。国内のソーシャルレンディング市場は拡大を続けており、今後も注目は高いでしょう。口コミについても、いい評判が目立ちました。しかし、ソーシャルレンディングは元本が保証されている金融商品ではありません。1万円と少額から利用できるので、複数の案件に分散投資してリスクを軽減させるようにしましょう。
2019年07月28日吉本興業は18日、お笑いコンビ、ザ・パンチのパンチ浜崎が反社会的勢力と接触したとして注意をしたと、公式サイトで発表した。サイトでは、「パンチ浜崎に関しまして、弊社に対し反社会的勢力との接触に関する情報提供があったところ、パンチ浜崎本人から、『昨年、知人の別荘に遊びに行き、海水浴場の海の家で飲食した際、入れ墨の入った複数の男性からビールをご馳走になりました。その御礼を伝えた際に流れで記念撮影に応じたのですが、その後不安になりその場を離れたということがありました』との報告を受けましたので、弊社としましては、パンチ浜崎に対し、気をつけるように注意を行いましたことを報告させて頂きます」と伝えた。パンチ浜崎は、反社会的勢力のイベントに事務所を通さない闇営業で参加したとして謹慎処分を受けている。
2019年07月19日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「ゲーム障害」です。世界的な問題。依存症患者対策をきちんと考えて。世界保健機関(WHO)は5月、国際的な疾患に、「ゲーム障害」を加えることを決めました。ギャンブル依存症などと同じ精神疾患に分類され、治療が必要なものと位置付けられたのです。具体的には、「ゲームをする時間や頻度などを自分で制御できない」「ほかの日常の活動よりもゲームを優先する」「その結果、家族や仕事など日常生活に支障をきたし、それがわかっていてもゲームをやめられない」。そんな状態が12か月続くと、「ゲーム障害(依存症)」と診断されます。ゲーム依存症が注目されるようになったのは、ゲームがオンライン化されて常時接続ができるようになったからです。世界中のプレイヤーが同時に参加し、ゲームのなかに一つの世界を作るようになり、ゲームをし続けられるようになりました。中国や韓国では、長時間ゲームを続けたあまり下半身がうっ血して死に至った事例などが出ています。日本でも親がゲームに熱中するあまり、乳児を衰弱死に至らせた事件が起きました。世界的に社会問題化しており、体調悪化や死に至るケースが各地で報告されるようになったことをうけ、WHOは新しく疾病に分類したのです。これにより、治療や予防、患者の社会復帰などの対策を決める際の基準にしてほしいと促しています。しかし、依存症対策は追いついていないのが現状です。薬物と同じように、ゲーム障害でも互助グループが最近、オンライン上に立ち上がりました。治療はそこを入り口にしますが、ゆくゆくは専門家などと引き合わせ、最終的にはネットを離れて、家族や第三者とリアルワールドで人間関係を築けるようになるまでケアが必要になりますから、とても長い時間がかかります。「ゲーム障害」という病名がつくと、人生の落伍者のようなレッテルを貼られがちです。でも、逆に病名がついたからこそ、どうしたら抜けられるのか、皆で考えようとする意識が大切です。依存症患者を生む背景には、生きづらさを生んでしまう社会の問題もあります。ゲーム障害の患者を「厄介な人」と斬り捨てるのではなく、本人が社会生活にちゃんと戻れるように、寛容さをもって向き合いたいですね。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年7月24日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年07月17日本記事ではNISA(ニーサ)口座での初心者におすすめの投資信託(ファンド)について考察します。NISA(ニーサ)口座での初心者におすすめの投資信託(ファンド)1本はコレ!メリットや違いを理解しようニーサとは少額での投資を行う個人投資家向けの税制優遇制度です。まず最初にニーサ口座について、押さえておきたいポイントを理解しましょう。NISA(ニーサ)口座のメリットとは?普通の口座との違いニーサ口座のメリットを一言で言うと「利益が非課税になること」です。この点が最も大きな点です。その他の点は、通常の証券口座と大きくは変わりません。その他の特徴としては以下のようなものが挙げられます。(※図表は筆者作成)どこでニーサ口座が開けるんですか?ニーサ口座は証券会社などで開くことができます。前述のようにニーサの最大のメリットは「運用で得た利益が非課税になる」ということですが、それ以外のリスク(値動きの幅)やリターン(見返り・利率など)は通常の資産運用と変わりません。ニーサ口座ではどんな商品が買えるの?年間の投資枠が120万円あるニーサですが、買える金融商品は一般的なものです。つまり、株式と投資信託(上場投資信託:ETF含む)です。株式・・・・・個別の企業の株式のこと(トヨタや日産、マクドナルドなど)投資信託・・・複数の金融商品の入った金融商品(国内外の株式や債券などに幅広く分散投資がしやすい)ファンドの評判はあてになる?ニーサで投資信託を選ぶ際に、「運用成績が良かったファンド」を選ぶ方が多いかもしれません。ただ、これは文字通り「良かった」と過去形です。残念ながら資産運用の世界では過去は未来を保証するものではありません。つまり、過去に「良かった・悪かった」ものが未来も良い・悪いとは限らない、ということです。それでは何を目安に投資信託を判断したらよいのでしょうか。次に、初心者の方に最低限押さえてほしいポイントを3つ見てみましょう。[adsense_middle]投資信託を始めるなら「手数料・分配金利回り・銘柄の中身」の3つをチェック!投資初心者の方がニーサ口座で投資信託を選ぶなら、次の3つのポイントをチェックしてほしいと思います。手数料が低いか毎月分配型ではないか銘柄は株式が主体であるかどうかちなみにこれは、イデコ(個人型確定拠出年金)でも、通所の課税口座でも同様のチェックポイントです。そして、「つみたてニーサ」という税制優遇制度ではあらかじめ似たような選定基準が入っています。筆者はこの選定基準を「金融庁フィルター」と呼んでいます。金融庁フィルターには、「過去の成績」や「評判」という選別方法の概念はありません。【ニーサ口座で投資信託を選ぶときのチェックポイント①】「手数料」まずは手数料から見ていきましょう。手数料は単純に運用成績から差し引かれるお金です。利益が出ている場合は、その利益を押し下げる効果が手数料にはあります。利益が出てていない場合は、さらに損失を広げる効果が手数料にはあります。ですから手数料は低ければ低いほど良いのです。金融商品の手数料ってどれくらいならいいの?投資信託の具体的な数値を挙げましょう。この基準に当てはまるものだけを選択肢として残せば問題ありません。金融商品の手数料って高いほど良い成績になるんじゃないの?中には上記の説明だけでは納得されない方もいらっしゃるかもしれません。何しろ住宅購入の場合などは、高いお金を支払えば支払うほどに家の性能は良くなっていくからです。そのため、「金融商品でも同じではないか?手数料が高い方が良い成績になるのではないか?」と思われるかもしれません。しかし答えはノーです。現代の市場では運用成績は長期的に見ると市場平均が最適となるため、手数料の安い投資信託を保有することが唯一「マシ」な成績を得ることにつながります。【ニーサ口座で投資信託を選ぶときのチェックポイント②】「分配金利回り」初心者の方にチェックしていただきたいポイント2つ目は分配金の利回りです。分配金というのは、大変乱暴に言うと「利益や投資したお金を配ってくれること」です。保有している投資信託の成績が良ければ(市場次第)利益がもらえますし、そうでない場合は投資したお金の一部が返ってくるというものです。前述のように、ニーサでの投資枠は年間最大120万円です。そうなると、初心者の方の中には「投資額が120万円ならできるだけ分配金が多い方が良いだろう」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、結論から申し上げますと、効率の良い投資を考えた場合は分配金利回りがゼロのものを選ぶことが重要です。なぜでしょうか。投資信託および資産形成で重要なのは効率ではないかニーサのみならず、資産運用全般で重要なのは「効率」だと筆者は考えています。この効率とはどういうことでしょうか。効率の解釈にはいろいろあると思います。ここでは「同じ期間・同じ金額を投資をするのなら、できるだけお金が大きくなる方が効率が良い」とします。例えば100万円を10年間投資に回したとします。読者の方は次のどちらが効率が良いと思われるでしょうか?10年後に100万円が110万円になっている10年後に100万円が150万円になっている直感的に多くの方が2の方が良いと思われたのではないでしょうか。筆者もそう考えます。投資信託を始めるなら分配金利回りはゼロから選ぶそうである以上、投資信託を選ぶ際は資産形成の効率が良くなるものを選ぶことが大切です。そのため、先ほどの結論「効率の良い投資を考えた場合は分配金利回りがゼロのものを選ぶことが重要」となります。なぜなら、分配金は「利益や投資したお金を配ってくれること」ですから、再投資の効果が弱まってしまいます。簡単に言うと雪だるまを大きくする力が弱まってしまうのです。投資信託の分配金利回りは、高ければ高いほどいいんじゃないですか?世間の評判やランキングを拝見すると、分配金利回りが高い投資信託が上位にきていることがしばしばあります。しかし、それは見方を変えると「効率の悪い投資信託ランキング」でもあると筆者は考えます。分配金はゼロから選ぶことが重要です。ゼロであっても内部で再投資されます。雪だるま式にお金が大きくなる効果が高まります。先ほどの筆者の質問で「2」を選ばれた方は、効率を重視しているわけですから、冷静に考えれば分配金の利回りが高い投資信託は買わないのが正しい選択肢ではないでしょうか。【ニーサ口座で投資信託を選ぶときのチェックポイント③】「銘柄の中身」が株式主体であるかどうか初心者の方に知ってほしい最後のチェックポイントは、投資信託の銘柄の中身です。やはり結論を先に申しますと、株式が主体になっている投資信託かどうか?ということです。ちなみに銘柄の名前はほとんど重要ではありません。投資信託の銘柄は名前で選ぶのではなく、中身が株式かどうかで選ぶことが重要です。そして、銘柄選びでもやはり「効率」が重要です。そして、ハイリスク・ハイリターンの伝統的な資産は「株式」です。下の表は年金機構の想定している各資産の期待リターンを載せたものですが、債券よりも株式の方が期待リターンが高く想定されています。期待リターンとは、確実ではないがこのくらいのリターンが期待できるのではないか、という数値また、一般的に株式から得られるリターンは長期で見ると5~6%程度(+無リスク金利)になるのではないかと言われています。必ずそうなるとは断言できませんが、この点を考えても長期の資産形成で重要なのは株式であると筆者は考えています。(※図表は筆者作成)[adsense_middle]筆者の考える「自分が初心者だとしたらおすすめしたい投資信託の銘柄」それではここで、筆者の考える初心者の方におすすめの投資信託の銘柄を一つ挙げてみたいと思います。いくつか候補はありますが、今回は特にシンプルにするために一つの銘柄に絞ります。前回の記事でイオン銀行について触れましたので、本記事でもイオン銀行で買える銘柄で考察をしてみたいと思います。(※図表は筆者作成、数値は記事作成時点)これ一本で、日本を除く先進国二十数か国の株式千数百社に分散投資をしたことになります。この銘柄を買えば儲かるんですね?気を付けていただきたいのが、これを買えば必ず儲かるわけではないということです。結果は市場次第です。ただ手数料が低く・分配金がなく・中身が株式なので「マシ」であるだろう、というだけです。金融商品ってどのタイミングで売買したらいいですか?基本的に売買のタイミングは世界中の誰にもはっきりとは分かりません。つまり、いつ安く・高くなるかが良く分からないのです。例えば2008年の金融危機クラスの金融危機を待って(安くなるのを待って)いると、もう11年近く待つことになってしまいます。この先もいつ金融危機が来るのか分かりません。いつが高いのかもまた同様に分かりません。そのため次のような売買タイミングが考えられます。将来の値上がりを期待して、一括で投資するタイミングが読めない以上、毎月の積立投資に徹する筆者は個人的に積立投資が初心者の方には良いと思います。その理由は初心者の人(あるいは多くの人)が安くなると売りたくなり、高くなると買いたくなるという「認知エラー」にかかり、損をしてしまいやすいからです。初心者の方こそ、そしてベテランでも、積立投資に徹するのが良いと筆者は考えます。NISA(ニーサ)口座での初心者におすすめの投資信託に関するまとめ初心者におすすめの投資信託選びでは「評判」をそぎ落とす手数料と分配金利回りもそぎ落とす資産形成では効率を重視する本記事では効率について触れました。人生100年時代とはいえ、認知症や資金面、退職年齢のことなどを考えますと、案外資産形成をできる時間というのは短いのかもしれません。そうであるのなら、やはり効率の良い資産形成を考えることが重要ではないでしょうか。期間・年齢・働き方は人それぞれ異なります。そのため年齢や投資期間によって最適な金融商品の選び方が異なるような気がします。ところが効率を考えると、銘柄の選定方法はいつも同じになるのではないでしょうか。異なるのはシンプルに投資金額のみではないでしょうか。つまり運用商品は同じで、異なるのは投資する金額と預貯金などでリスクをコントロールする、という形です。本記事が読者の方の合理的な資産形成の一助になれば幸いです。
2019年07月16日昨今、EQ(心の知能指数)やSQ(社会的指数)など、さまざまな能力について取りざたされていますよね。しかし、「やっぱり “頭の良さ” として馴染み深い、IQ(知能指数)が気になる」「子どもの将来のためにIQを高めてあげたい」と考えている親御さんも多いことでしょう。そこで今回は、「IQが高い子どもの特徴」や、「子どもの社会的な成功とIQとの関係」についてご紹介します。そもそもIQって何?そもそもIQとは、「人間が知能を使って物事を処理する能力を表す数値」のこと。知能検査によって測定された精神年齢を実年齢で割り、100倍にした数値です。85~115が平均といわれています。日本でトップクラスの学力を誇る東大生のIQは、平均120ともいわれていますが、IQが高いからといって、必ずしも学力が高いとは限りません。また、IQの高さは遺伝や環境の影響も大きいといわれています。慶應義塾大学(行動遺伝学)の安藤寿康教授いわく、IQはおよそ5割が遺伝の影響を受け、残りの5割のうち3割は家庭環境が影響するのだそう。安藤教授は、親からどんな遺伝子を受け継いだとしても、学習をすれば必ず能力は伸びるといいます。IQが高い子どもの特徴IQが高い子どもには、どのような特徴があるのでしょうか?詳しくみていきましょう。・頭が良くて賢いIQの高い子どもは、頭が良くて賢いといわれています。勉強ができるという学習能力としての賢さだけでなく、大人びた物言いや考え方をするなど、精神的に賢い場合もあるのが特徴です。IQの高さについて、医学博士の青木聡氏は次のように述べています。IQテストにおける「正答率の低い問題」とは、共通ルール(共通点)を見つけるのが難しい問題のことです。つまり、テストの結果がいい人(IQが高い人)は、「共通点を見つける能力」に優れていることになります。(中略)「共通点を見つける能力」とは、簡単に言うとパターン認識能力のことです。たとえば、友だちの妹とすれ違ったときに、「あ、似ている」と、友だちの顔が脳裏に浮かぶことがあるかと思います。どこか似ていると感じるのは、共通する特徴(共通点)を無意識に読みとっているからです。(引用元:ダイヤモンド・オンライン|「考える」「悩む」「時間がかかる」問題に対して、IQの高い天才はなぜ迷わず瞬時に答えを出せるのか?)IQが高い子どもの賢さには、パターン認識能力によって物事の共通点を読み取っていることが影響しているといえるでしょう。・言葉を覚えるのが早いIQの高い子どもは、会話や字の読み書きができるようになるのが、ほかの子どもに比べて早いといわれています。小児精神科医のクラウディア・ヤンケッチ氏いわく、IQの高い子どもは、脳の柔軟性が高く、ふたつの脳半球(中脳と大脳半球)を結ぶ間脳が発達しているのだそう。そのため、脳を最大限に利用することができるのだといいます。IQの高さには脳の発達も関係しているようです。・困難を乗り越える力が弱いIQの高い子どもは、賢さが目立つ反面、苦手な分野に対して向き合う力が弱い場合があります。前出のクラウディア氏いわく、IQの高い子どもは、完璧主義であるせいで、間違えることよりも諦めることを選択してしまうのだそう。そのため、困難に直面したらすぐに諦めてしまう傾向にあると言います。IQの高い子どもには、失敗は成功の源だということをしっかりと伝えてあげるべきですね。IQが高いと社会的に成功する?IQの高い子どもは学習能力が高いケースもよくみられるため、「IQが高ければ社会的に成功できるのでは?」と考える人も少なくありません。しかし、それは間違いです。東京大学名誉教授で白梅学園大学学長、日本保育学会会長の汐見稔幸氏は、次のように述べています。私たちは「文字が読める、うまくブロックを積み上げられる、三角形と四角形と五角形を区別できる」といった、目に見えて知的に賢くなったと感じる認知的な能力を重視しがちです。しかし、幼児期に認知的な能力を高めることが、その後の人生の成功や安定につながっているのか、いろいろ調べた結果、あまり関係がないことがわかってきました。大事なことは、うまくいかないときに諦めず「どうしてかな」「こうやってみよう」「これがだめなら、ああやってみよう」など、あくまで目標の達成まで頑張る姿勢を身につけることです。我慢できること、感情をコントロールする力なども大事です。(引用元:すくコム NHKエデュケーショナル|世界で注目される非認知的能力って?)IQなどで測ることのできる能力は、「認知的能力」と呼ぶのだそう。一方で、引用内で述べられているような「目標に向かって頑張る」「我慢する」「感情をコントロールする」などの能力は「非認知的能力」と呼ばれています。AI技術が発達し、グローバル化が進みゆく昨今。先の見えない社会を生き抜いていかなければならない子どもたちが伸ばすべきなのは、「やり抜く力」や「自制心」といった「非認知的能力」ではないでしょうか。***子どものIQが高いと、つい「頭が良いなら、将来レベルの高い大学にいけるかも?」「エリートになれるかも?」と期待してしまうこともあるかもしれません。しかし、育児や教育においては、IQや学校の成績といった目に見えるものばかりを気にするのではなく、「この先、子どもが生きていくために必要な力は何なのか」という目線を持つことが重要ですね。文/田口 るい(参考)こどもまなび☆ラボ|感情を書き出すとEQが伸びる!IQよりも大切な「心の知能指数」を高めようこどもまなび☆ラボ|「SQ」って知ってる?今を生きる子どもたちに「社会的指数」が重要なワケ進路のミカタ|ずば抜けたIQの天才児!?クラスにもいるかもしれない「ギフテッド」ってどんな人?All About|マシュマロ実験で判明!学力に重要なのはIQより○○All About|世界中が注目する「非認知能力・自制心」を育む方法All About|世界トップが実践!子供の「非認知能力」を育むヒントNEWSポストセブン|子供の学力、遺伝とともに母からの愛情で大きく変わるものすくコム NHKエデュケーショナル|世界で注目される非認知的能力って?ダイヤモンドオンライン|「考える」「悩む」「時間がかかる」問題に対して、IQの高い天才はなぜ迷わず瞬時に答えを出せるのか?Swiss info.ch|周囲と同化し、識別しにくいギフテッド・チャイルド
2019年07月16日本記事ではイオン銀行の投資信託人気ランキング上位のファンドを筆者が考察します。また、最後に筆者の考えるイオン銀行の投資信託の「おすすめ銘柄」をランキング形式でご紹介します。※各数字およびランキング内容は記事執筆時点の内容です。イオン銀行の人気投資信託をランキング形式で学ぶそれでは、イオン銀行の月間購入件数ランキングを見てみましょう。多数あるラインナップの中から多くの方が選んだ銘柄(評判の高い銘柄)は、このようになっていました(取材時)。イオン銀行の人気ランキング5位「ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)」はどんなもの?5位の「ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)」は、日本を含む世界の株式に広く投資をすることを目的としている投資信託です。また、毎月分配金も支払われます。初心者の方に大変な人気のあるタイプが毎月分配型です。イオン銀行の人気ランキング2位~4位の銘柄「日経225インデックスファンド」はどんなもの?それでは、2位~4位までを見てみましょう。2位:日経225ノーロードオープン3位:iFree日経225インデックス4位:野村 インデックスファンド・日経225『愛称:Funds-i 日経225』2位~4位までは、いずれも次の共通点があります。市場平均と連動することを目指すインデックス型投資信託対象は国内株式で日経平均株価に連動することを目指す買う時と売るときにかかる手数料がゼロ合理的な投資対象は手数料が0.3%以下のインデックス型投資信託2位~4位までが株式主体のインデックス型投資信託であることには、筆者としては大変共感できます。なぜなら、資産運用を考えた場合には、合理的な投資対象は以下のような点が欠かせないからです。手数料が0.3%より低い(より低い方がよい)株式が主体であること市場平均と連動することを目指すインデックス型投資信託であること上記の理由をとてもコンパクトに解説します。手数料は運用成績を押し下げるだけなので手数料は引く方が良い。債券はローリターンなので、同じお金で投資をした場合の期待収益額が株式と比べて低い。市場平均は世界中の機関投資家(専門家)の平均なので、長期的に見るほどに市場平均を超え続けることが難しい、という理由です。イオン銀行の人気ランキング1位の銘柄「SBI 日本株4.3ブル」はどんなもの?取材時の人気ランキング一位の銘柄は「SBI 日本株4.3ブル」という投資信託です。これはどのようなものなのでしょうか。イオン銀行のサイト説明によると、国内株式市場のおおむね4.3倍になる投資成果を目指すもの、という内容が記載されています。ブルは牛のことこの名称「SBI 日本株4.3ブル」 の「ブル」とは何でしょうか?このブルとは牛のことです。牛というのは相手を攻撃するときに、角を下から刺し、上に放り上げるそうです(見たことはありませんが)。その動き(下から上)を指して金融の世界では、ブルと名がつく投資信託は「対象の数倍の値動きをすることを目指す投資信託」を指すことが一般的です(てこの意のレバレッジともいう)。ちなみに、何倍動くかも種類によって異なります。この「SBI 日本株4.3ブル」は日本株式市場の4.3倍の値動きをすることを目指しています。イオン銀行で「SBI 日本株4.3ブル」投資信託を買うと、結果はどうなる?このブル型の投資信託は前述のように、対象の株式市場などが上昇すると数倍の値動きをします。大変に乱暴に言うと、株式市場が上がる前に仕込んでおいて、高くなった時に売却すると通常よりも大きな利益が得られる、というものです。イオン銀行の「SBI 日本株4.3ブル」投資信託購入時の手数料はいくら?ちなみにこの投資信託は、以下のような費用がかかります。持っている間にかかる手数料(年率)0.95%購入時手数料(買うときのみかかる)2.16%[adsense_middle]イオン銀行の投資信託人気ランキングの筆者の評価とデメリット以上5本の人気ランキングのラインナップをざっくりと見て参りました。ただ、どのようなランキングであっても、基本的に「ほとんどあてにならない」という風に考えておくことが重要かと思います。何しろ投資信託を含め、どのような金融商品であっても、過去の値動きは未来を予測するのに役に立たないからです。また、上位に来ているものが必ずしも投資家にとって有利なものとは限りません。イオン銀行の人気投資信託ランキング5位の評価とデメリットはどのようなものか?それでは5位の「ニッセイ グローバル好配当株式プラス(毎月決算型)」から見ていきましょう。結論から申しますと、筆者はこの「毎月分配型」という種類の投資信託は中身がどのようであれ、個人の資産形成に不向きであると考えています。なぜでしょうか。それは、分配金と呼ばれるお金を「毎月受け取れてしまう」ことに原因があります。分配金は利益のこともありますが、運用がうまく行かない時は自分の投資したお金が戻ってくる仕組みです。そのため、長期的に見ると資産形成がうまく行きません。毎月分配型の投資信託は無駄が多く、積立に向かないし、信託報酬も高いわかりやすく言うと、無駄が多いのです。合理的な資産形成とは時間経過とともに利益が利益を生み、雪だるま式に大きくなっていくことを目指します。しかし、分配金を毎月受取れてしまうということは、せっかくのお金を大きくするチャンスを失うことになります。雪だるまが次第に小さくなってしまうのです。イオン銀行の人気投資信託ランキング2位~4位の評価とデメリットはどのようなものか?ランキング2位~4位までは、インデックス型の投資信託なので、個人的には合理的だと思います。2位:日経225ノーロードオープン3位:iFree日経225インデックス4位:野村 インデックスファンド・日経225『愛称:Funds-i 日経225』突然ですが問題です。上記3つの投資信託は「連動を目指す指標が同じ・いずれもインデックス型投資信託」という共通点がありますが、3つのうちどれが理論上合理的でしょうか?信託報酬は同じ対象で同じインデックス型投資信託なら低い方がマシだと考えられる筆者の考える正解は3位の「iFree日経225インデックス」です。なぜでしょうか。それは、3つの中で唯一、持っている間にかかる費用が0.1%台だからです。他の2つは0.4%台、0.8%台とともに高い数値です。同じ日経平均株価に連動することを目指すインデックス型投資信託なら、表面的な運用成果は同じになると考えられます。そして、実質的な運用成果はコストがかかる分だけ下がります。つまり、仮に平均リターン(年率)が3%なら、次のようになります。コストが0.1%→3ー0.1=2.9%(コストが低いと実質的な成績がマシになる)コストが0.8%→3ー0.8=2.2%(コストが高いと実質的な成績が悪くなる)極端に言うと、まったく同じ内容でも名前とコストが違うだけで運用成果に差が出てしまいます。同じ投資対象とインデックス型投資信託であるならば、名前やランキングで選ばずにコストで選ぶことが合理的だと考えます。自国バイアスがかかっているのでは?また、2位~4位までに国内株式のインデックス型投資信託が固まっているのも少し偏りがある気がします。国内株式が悪いわけではありませんが、同じ値動きをするものばかりを選んでも分散効果はそれ以上生まれません。どこの国でも自国の株式や債券を多く保有したがる、という考え方の偏り(自国バイアス)があることが知られていますが、これには注意が必要です。分散投資の効果(リスクを低減させる)をより有効に発揮させるためには、日本株式のみならず、先進国株式も保有することが重要だと考えます。[adsense_middle]イオン銀行の人気投資信託ランキング1位の評価とデメリットはどのようなものか?1位の「SBI 日本株4.3ブル」について見てみましょう。これは「投資」には向きません。「投機」向きの商品です。※投機が悪いわけではありません。投資とは違うという性質の解説です。投機がしたい方にはうってつけの金融商品と言えるでしょう。この商品には以下のようなデメリットがあります。長期保有していると意図しない値動きになる当然だが、対象の価格が下がるとそれに応じて大きく値下がりする手数料が高い(持っている間にかかる手数料(年率)0.95%購入時手数料2.16%)ブル型は短期決戦・投機的に使う?ブル型は対象の値動きを増幅したような値動きをします。そのため、対象が大きく値下がりすれば、大きく含み損を抱えます。つまり、リスク(値動きの幅)が大きいのです。「でも、長期間保有していれば、いつか大儲けできるでしょう」という意見もあるかと思います。その可能性はあります。しかし、このブル型は中身が複雑な金融商品ですので、長期保有していると値動きが予期しない動きをすることがあります。そのため短期的・投機的な運用方法になることが予想されます。しかし、短期的・投機的な運用は結果がランダム・ウォーカー(でたらめ)になります。このような理由から、投資ではなく投機であり、それは老後のための資産形成・運用には向いていないと筆者は考えます。筆者の考える、イオン銀行のおすすめ投資信託ランキングここでのおすすめとは、筆者が合理的だと考えるものです。個別銘柄を推奨する意図はありません。特に儲かるわけでもありませんし、損をしないわけでもありません。運用成果は市場次第です。イオン銀行の投資信託で世界の株式に広く分散投資イオン銀行の投資信託ラインナップから筆者が選んだ銘柄は以下の5つです。いずれも次のような特徴があります。投資対象は株式インデックス型投資信託持っている間にかかる手数料が比較的低い(5位が高いのが残念)買う時と売るときにかかるお金はゼロ分配金は「ない」ブル型では「ない」つみたてニーサでも買えるイオン銀行の投資信託の積立投資のやり方【結果を良くする方法】上記のような投資信託を保有し、65歳や70歳などのお金が必要になる時期まで積立投資に徹するのが良いと筆者は考えます。もちろんまとまった資金で行っても構いませんが、認知的なエラー(高いと買いたくなり、安いと売りたくなる)が起こりやすいので、何も考えなくてもよい積立投資に徹するのが良いやり方だと思います。また、つみたてニーサという税制優遇口座を利用するのも重要です。運用結果を向上させようという意思があるのなら、「何もしない」で数十年間積立投資に徹するのが良いでしょう。そうするだけで認知的なエラーを防ぎ、誰でも市場平均に近い運用成果を得られると考えられるからです。イオン銀行のおすすめ投資信託ランキングに関するまとめランキングは過信しないブル型は長期投資にはいらない「いいな」と思うものにはたいてい大きなデメリットがある本記事ではイオン銀行のおすすめ投資信託について考察してみました。本文内でも触れましたが、ランキングを過信するのは危険です。「売れ筋ランキング」もそうですが、他に「トータルリターンランキング」「利回りランキング」「〇〇賞受賞ファンド一覧」などにも注意が必要です。それらから探しても合理的な運用商品に出会うのは難しくなります。かえって「魅力的すぎる」投資信託に惑わされやすいでしょう。本記事が皆様の合理的な資産運用の一助になれば幸いです。
2019年07月10日世の中には様々な資産運用があります。一般的には「株」や「投資信託」をイメージされる方が非常に多くいらっしゃいます。今回はその資産運用の中でも「債券投資」を取り上げて、その基本知識とメリット・デメリットの両側から解説していこうと思います。初心者の方でもなるべくわかりやすく、債券投資を身近に感じていただけるように、極力専門用語は使わないようにしていますので、どうぞ安心して読み進めてください。債券投資とは?どんな種類がある?「債券投資」という言葉だけを聞いても、そもそも債券って何なのかわからない方も多いのではないでしょうか。まずは「債券」が何なのか、次に債券投資の種類、債券を選ぶ際にポイントとなる事項について、これから順を追って確認したいと思います。債券って何?債券投資の種類ついて債券とは、国や企業、地方公共団体などが資金調達のために発行する「借用書」のことを指し、この借用書を一般的には「有価証券」と呼んでいます。近年ペーパーレス化が進み、ほとんどの場合実際の紙で発行することはなくなりました。債券の種類債券の種類は、まず大きく「国債」と「外国債」に分けられます。これは、その名の通り日本発行の債券か、海外の債券かということです。また、別のジャンルで分けると「公社債」とも呼ばれる債権があります。これは「公共債」と「社債(民間債)」を合わせた総称です。公共債とは、国や地方公共団体、政府関係機関が発行する債券を指します。「社債」は、民間企業が発行する債券のことです。償還期限で分類すると「短期債」「中期債」「長期債」があります。他にも「利付債(ゼロクーポン債)」や「公募債」「私募債」などもあり、その種類は非常に多岐にわたり、利率による分類、期間による分類などその分類方法も様々です。債券を選ぶポイントこの中から実際にどれを購入するか選ぶポイントとしては、やはりご自身の投資スタイルにより合ったものを選ぶと良いでしょう。「より安全に」「少しでも増やしたい」「できれば短い期間の物を買いたい」など、どのような目的で債券投資を始めるかというところを基準として、ご自身の目標とする投資方法に見合った分類の中から債券を選ぶとスタートしやすいと思います。「債券」を「投資」する投資とは、売買や交換で差益を生むことを指します。例えば100円で購入したものが、3年後には120円に値上がりしていて、それを手放す(売買)ことによって、20円の利益が生まれます。この一連の流れを「投資」と言います。債券投資とは、債券のやりとり又は決められた償還期間を保有し続けることで「増やして受け取る」ことを指します。具体的なシステムについては、この後詳しく見ていきます。利率、利回り、どういう意味?利率、利回り全て似ている用語ですが、その違いをハッキリ説明できる方は多くないのではないでしょうか。どれも、債券投資を行う際だけでなく、資産運用全般で常識的に使われている重要なキーワードです。それぞれについて重要なポイントをまとめていきます。この利率と利回りについては、今後も頻繁に耳にするワードです。ここでしっかり理解しておくと良いでしょう。利率=クーポンレート利率とは、額面に対して支払われる利息の割合を指します。「クーポンレート」とも呼ばれることがあります。債券投資だけに限らず、投資の場合はこの「クーポンレート」を使うことが多いです。ちなみに利子と利息はほぼ同じ意味ですが、利息は受け取る際に一定利率で付く金銭であるのに対し、利子は一定利率で支払う金銭のことを指します。受け取るのか、支払うのか、という違いがあります。ちなみに、利子はクーポンと呼ばれることもあります。利回り=複利運用の利息の平均額もう一つ、似ている用語に「利回り(%)」があります。利回りとは、金利と置き換えられる場合もあり、ほとんど同じ意味で使われています。利回りとは、投資金額に対して複利で運用した結果の額(利子も含める)がどのくらいを占めているか割合で表すものです。債券投資の基本とはここまで、債券の種類と、債券投資でよく使われる用語について解説してきました。では実際に債券投資をスタートしようとした場合、どのような点に着目すればよいのでしょうか。引き続き基本的な知識を紹介していきます。債券投資の仕組み債券投資は、購入した価格より上回った価格で売却することで利益が生まれます。債券価格が、額面を上回ることを「オーバーパー」、価格が同等のものを「パー」、額面を下回ることを「アンダーパー」と呼びます。価格の変動は、その有価証券の発行元である国や団体の動向に大きく左右されます。例えば外国債を購入した場合は、そのカントリーリスクも長期的に注視しなければなりません。新発債と既発債債券は「新発債」と「既発債」というものに分けられます。「新発債」は、新規発行の有価証券を購入し、原則として満期償還日(生命保険でいう満期のイメージ)まで保有することで利益をもたらす債券投資です。満期償還日には、債券額面が受け取れることはもとより、償還期間は債券を保有し続けている間、毎年決められた利子を受け取ることができますので、非常に安定性と収益性の高いものであると言えます。一方、償還日前に債券を譲渡することも可能で、その時点での金利により現金化して利益を生む投資方法もあります。これらによって償還日前に手放された債券のことを「既発債」といいます。外国債の注意点外国債を購入する場合は、多少は外貨運用の知識が必要であると言われます。国債に比べてリスクも大きいですので、債券投資初心者の方にはおすすめできない投資のひとつです。[adsense_middle]ズバリ!債券投資のメリット・デメリット数多くある債券投資のジャンルの中で、初心者の方が選ぶのは困難を極めるのは仕方がありません。またこれまでに債券投資を経験された方でも、改めて読んで納得できるようなメリット・デメリットのポイントをまとめました。ここでは代表的な3つの債券についてご紹介します。債券投資のメリット債券投資は「収益性」「安定性」「流動性」という特徴がありますが、これら3つは大きなメリットであると言えます。債券投資は中長期に渡って安定的に行うことが多く、決められた保有期間中は、定期的に利子を受け取ることもできます。また、償還日には額面金額を受け取ることができ、元本の安定性も高いと考えられてます。一度購入すると、その期間が終わるまで持ち続けているだけで良く、株式投資の様に頻繁に売買を繰り返して利益を生むものではないので、投資自体を初めて行う方でもおすすめできます。債券投資のデメリット(=リスク)債券投資とは、長期的に安定的に増やしていくイメージです。株式投資などと違い、短期間で急激に利益を生む投資方法ではありません。しかし運用方法が安定しているとはいえ、多少のリスクもあります。特にデメリットとして挙げられるのは「信用リスク」です。債券の発行元団体に万が一の事があった場合、額面を下回る金額しか戻ってこない場合もあります。リスクをデメリットと考えるなら、外国債の場合は「カントリーリスク」も懸念材料です。発行元の国の情勢や、その地域の環境などで大きく左右されます。カントリーリスクとは、債券(有価証券)を発行している国や、企業などの置かれた地域の政治情勢、経済環境により価格に変動が発生する場合があるというリスクのことを指す。債券と株の違いとは?債券に元本保証があるという大きなメリットがあることは、お解りいただけたと思います。一般的に、投資といえば「株」を連想される方が多くいらっしゃいますが、債券と株の大きな違いはこの「元本保証の有無」にあります。債券(ここでは社債をイメージしてください)も株も、企業が発行したものを購入するというシステムは同じです。しかし、株の場合は元本保証はありませんし、企業そのものの経営状態が株の値動きに直結します。また、企業自体の問題ではなく企業の所属する業界イメージなども大きく影響を与えます。債券はこんな人におすすめこれまでの内容から、債券投資の中でも、国債なのか海外債なのかでリスクや運用方法が全く違うことがお解りいただけたと思います。では実際に、どのような人が向いているのか、主な商品別に見ていきましょう。個人向け国債他の資産運用方法と比較すると、短期間で多くの利益が出る商品ではありませんが、長期的にゆっくり少しずつ増えていくイメージなので、投資自体をこれから初めてスタートしてみたい人におすすめです。金融に関する知識が薄くても安全です。また、少額(1万円)からスタートできるので、投資する資金が少ない人でも始めやすいでしょう。社債一般的には5~10万円以上から購入する場合がほとんどです。社債の発行元企業の経営状態や、その企業を取り巻く環境、更にはその企業の業界の動向にも注目したほうが良いので、最低限の金融・経済知識は必要となります。初心者向けというよりは、金融経済に関する知識を持っている方にはおすすめです。外貨建て債券全般外貨による資産運用(外貨建て商品や外貨預金など)を以前から行っている人で、外貨の知識を持っている方はおすすめです。その国の背景や世界情勢などに目を向け、常に新しい情報を入手し、様々なリスクを考慮して購入する債券を選ばなければなりません。債券投資の仕組みやメリット・デメリットに関するまとめ債券の種類は多岐にわたりますが、ご自身の投資に対する考え方や経験した年数などに応じて上手に組み合わせてみてはいかがでしょうか。メリット、デメリットも参考に、初心者の方でもまずは少額からスタートしてみるのも良いかもしれません。参考として、個人投資家の方によるブログ等を読んでみられるのもおすすめです。実際にどのような運用をしているのかなどもチェックしてみると良いのではないでしょうか。
2019年07月04日本記事は初心者の方が投資信託で大失敗をしないために知っておくべき知識を紹介します。また、どのような投資信託を買っても、積立投資であっても、絶対に大損してしまう落とし穴の運用方法と回避策をお伝えします。大損する投資信託の運用方法をお教えします投資で重要なことは長期×積立×分散投資です。分散投資には投資信託が適しています。それは、極端に言えば一つの銘柄を購入すれば、世界中の株式へと分散投資をしたのと同様の効果が望めるものもあるからです。ですが、どのように長期×積立×分散投資をしていても、大損をしてしまうことがあります。それはどのような場合に起こるのでしょうか。詳しく見てみましょう。積立投資をしていて、市場が暴落したらどうする?投資信託を損切りすべき?長期×積立×分散投資をしていると、ほぼ確実に将来、市場の大暴落に遭遇すると考えられます。しかし、結論を先に申しますと、慌てる必要はありません。それは景気が循環する、という性質を持っているからです。景気循環:景気は永遠に好景気にならないし、永遠に不景気にもならない。日本の四季のように、好景気・不景気はグルグルと回るのが当たり前。景気は循環します。そして、株価というものは未来の会社の利益を割り引いたものだと考えられます。それはすなわち、株価というものも、大きな視点で見ると景気によって上がったり下がったりを繰り返しながら成長をしていく、ということです。投資初心者の方は、最初にこの点をしっかりと理解することが重要です。※図表は筆者作成【質問】積立投資をしていて、市場が暴落!投資信託を損切りすべき?では質問です。『あなたが長期分散積立投資をしていて、市場が大暴落しました。元本は大きく割れています。なんと買った時の半額にまで基準価額(投資信託の値段)が下がっています。大きな含み損を抱えた状態です。あなたは損切りしますか?どうしますか?それはなぜですか?』積立投資を中断して売却する(損切りする)積立投資を継続する積立投資で将来の期待収益率を上げるには「安い時に買う」こと先ほどの問題で1の「積立投資を中断して売却する(損切りする)」を選んでしまうと、どうなるでしょうか?結果だけ見ると、大損失が確定してしまいます。つまり、投資信託で大損してしまうわけです。そのため、投資においては、1の損切りは不正解です。ただし投機では正解です。投機では正解:短期的な売買や生産に積極的に参加していない資産(金や通貨や短期の株式投資など)に資金を投じること。結果はランダムウォーカー(でたらめ)。この場合は、賭けが外れた状態なので、損切りをすることが正解。投資ではどこまで行っても、積立にせよ、一括投資にせよ「安く買って高く売る」ことで将来のリターンが生まれます。つまり、安い時に買うことこそが、将来の期待収益率を上げる方法です。そのため、先ほどの問題の正解は、2の積立投資を継続する、です。積立投資において将来の期待収益率を上げる唯一の方法は、「安い時に買うこと」積立投資をしていて大暴落&大赤字になったら、万歳!喜んで!あなたが欲しいスーツやバッグがあるとします。これがある日、大バーゲン!突然半額になりました!どんな気持ちですか?誰だって嬉しいと思います。しかし、これが投資信託になると、人の気持ちは反対(悲しい気持ち)になってしまいます。なぜでしょうか。それは、人には利得に対して損失を1.5倍から2.5倍嫌がる、というクセがあるからです。人の脳が投資信託の下落が(本当は利得のチャンスだが)損失であると誤解してしまうのだと筆者は考えます。難しいことではありますが、投資信託で大損をしたくない人は、市場が大暴落したら「嬉しい!」と思うクセをつけないといけません。株式市場が世界的に大暴落したら、安く大量に買うチャンス到来!ということ「投資とは、お金を長期で働ける場所に放置する」ということ大損しないためのもう一つの知識は、投資と投機をしっかりと理解することです。短期間での投資信託の売買・・・ランダムウォーカー(でたらめ)なので運次第長期間での積立投資・・・市場のリスクの評価機能が正常なら、リスクのある資産には長期的に見ればリターンがつくと考えられる[adsense_middle]銀行などの手数料の高いところでの勧誘にご注意投資には各種のリスクがつきものです。また、市場が効率的な場合、リスクに応じたリターンがつく、と考えられます。しかし、背負っても意味がなく、マイナスにしか作用しないリスクもあります。それが人的リスク、この場合は銀行などの窓口での勧誘です。勧誘される投資信託は相手(銀行など)にとって有利になりやすい特に上記のような勧誘で紹介されやすい投資信託は手数料が高い傾向にあります。勧誘・紹介される投資信託は全て無視してよい。【長期で見ると、大損しているのと同じことになる理由①】手数料手数料はあくまでも手数料です。手数料をたくさん支払えば、世界の景気が良くなり株価が上昇し、私たちの投資信託の運用成果が向上する!・・・ということはありません。単純に運用成果から手数料が引かれ、実質的な運用成果が下がるだけです。また、「ほんの1%程度だ」という考え方も危険です。・図表は筆者作成ほんの少しの手数料であっても、長期投資では大きく運用成果を下げるだけの要因になるからです。【長期で見ると、大損しているのと同じことになる理由②】勧誘銀行などでの勧誘にはもう一つの注意点があります。それは、勧誘されて「乗り換え」をした場合に考えられます。市場が大暴落した場合に初心者の方が銀行の窓口などに相談に行くと、「こちらに乗り換えませんか?」などと言われるかもしれません。ただこの時に、いま暴落しているものを手放し、好調なものに乗り換えるという行為は非合理的です。それは単純に『長期分散積立投資なのに投機的な損切りをした挙句に、高いものをわざわざ買う』という、結果として大損をする行為だからです。不安になったら、それは人間のクセ(誤作動)かもしれないなぜ、上記のような大損をする行為をしてしまうのでしょうか。それはやはり人が「利得に対して損失が1.5~2.5倍嫌い」というクセを持っているからだと筆者は考えます。資産運用で不安になったら、「何もしない・積立投資に徹する」というのが多くの場合正解になると考えます。長期的に見ると、何もしないことが良い結果になることが多い。市場が効率的な世界ではなおさらそうなると考えられる。【疑問】いやいや、大暴落時に売って底値で買い直せば、もっと儲かるでしょう?このような疑問も浮かぶかもしれません。しかし株価など、金融商品の値動きはランダムウォーカー(でたらめ)です。長期的に見て、リスクに対してリターンが期待できるだろう、という程度のことしか言えません。つまり、ランダムウォーカー(でたらめ)なのですから、大暴落時に売って、もっと下がったところで買い直す、ということは多くの人には不可能なのです。ランダムウォーカー(でたらめ)ですから、一部のラッキーな人にしか起こらないことです。それを法則のように思い込むのは、錯誤相関や後知恵バイアスと呼ばれる認知機能のエラーです。一方、長期分散積立投資なら、何もしないのですから、誰しもがリスクに応じたリターンが期待できるだろう、と考えられます。投資には法則はない。値動きはでたらめで誰にも読めない。当たることはあるが、それはただの偶然。投資信託で大損しない方法に関するまとめ大暴落&大赤字になったら万歳!積立投資では損切りはいりません銀行の勧誘と手数料にご注意本記事では、投資信託で大損しない方法について考察しました。筆者にも経験がありますが、初心者の方はとかく「何かしたがる」ものです。しかし、長期投資においては、市場が効率的だとした場合、何もしない方が良い結果になりやすくなります。本記事が読者の方の合理的な資産形成の一助になれば幸いです。
2019年06月22日サークルと聞いてパッと思いつくイメージは、大学生たちの活動という方は多いのではないでしょうか?今回は大学生ではなく、社会人たちによる社会人のためのサークルについてご紹介します。社会人サークルとは?社会人サークルとは、趣味などがあう社会人同士で集まり、コミュニケーションをとりあって親交を深めることができる組織のことです。主にスポーツをする体育会系のサークルや、絵や音楽を楽しむ文化系のサークルなど、その種類は多岐にわたります。どうやってサークルを探すのか?社会人サークルに加入するための具体的な方法は、主に2つです。1つ目は、社会人サークルを募集しているサイトを利用することです。社会人サークルのみを取り扱ったサイトも存在しており、このサイトから自分の趣味ややりたい事によって、狙いのサークルを見つけ出す事が出来ます。2つ目は、SNSを通じて趣味の合うサークルを見つけ、コンタクトを取ることです。社会人サークルの多くは、SNSで広報活動をしています。そのため、自分の趣味などのキーワードでSNS内を検索することで、望みのサークルを探し出すことが出来ます。社会人サークルの特徴社会人サークルの特徴としては、飛び入り参加が可能ということや、性別を問わず幅広い年齢の方と出会うことができるということなどが挙げられます。初対面の人が多いため、気軽に一人で参加しやすいというのも特徴の1つです。社会人になった後だと、学生の頃のように友人を作ることは難しいと感じる方も多いです。しかし、社会人サークルは仕事とは関係のない共通の趣味を持った人の集まりのため、新たに友人を作ることが出来ます。パートナー探しにも有効!社会人サークルでは、パートナー探しを一番の目的としている方も多くいます。サークルの会員同士での交流も活発のため親睦を深めやすく、比較的男女関係に発展しやすいといえます。社会人になると、学生の頃のように様々な異性と関わる機会が減ってしまうことも少なくありません。しかし社会人サークルは、先程も説明したように、幅広い年齢の方男女問わずいるため、自分のタイプの異性を見つけることのできる可能性は高いです。
2019年06月17日本記事では積立投資におすすめであろうと筆者の考える投資信託1位~5位までを、ランキング形式で紹介します。※本記事は特定の投資信託を推奨・斡旋する意図はありません。合理的な投資を考察するものです。積立投資におすすめの投資信託とは?まず最初に、積み立て投資におすすめの投資対象について、初心者向けの押さえておきたい基本的な考え方を解説します。本記事では以下の2点です。短期的に見ると、大きく損をする可能性のある株式が主体の投資信託であること個別の株式ではないまた、上記以外の基本として、「信託報酬が0.3%以内、購入時手数料・売る時にかかるお金はゼロ」「市場平均に連動するインデックス型であること」の2点が挙げられます。【おすすめしたい積立投資の選び方①】短期的に見ると、大きく損をする可能性のある株式が主体であることそれでは、本記事の2つのポイントのうち、最初の①から見てみましょう。短期的に見ると、大きく損をする可能性のある株式が主体の投資信託であることこれは、積立投資初心者の方にとっては「どうして大きく損をする可能性のある株式が主体の投資信託が重要なの?損する可能性の低い方が良いのでは?」と思われるかもしれません。その理由は、市場が効率的な場合、『リスクとリターンはおおむね比例する』と考えられるからです。市場が効率的とは:現代の株式市場や債券市場などは、機関投資家(プロ)が過半を占めているとされる。そのため、正常に株価などが判断されていれば、リスクの低いものは低い割引率の高い価格が付くので、将来の期待リターンは低くなると考えられる。つまり、ローリスク・ローリターンである。一方で、リスクの高い株式主体の投資信託は、より割り引かれた価格が現在ついている(投資家の要求リターンが5~6%と高い)はずなので、将来の期待リターンは高くなると考えられる。つまり、ハイリスク・ハイリターンであると考えられる。そして、株式が主体の投資信託はハイリスク・ハイリターンな金融商品です。積立投資では、目先のリスク(激しい縦の値動き)ではなく長期での期待リターンを望むもの積立投資では毎月コツコツと数千円~数万円程度を分散して投資していきます。そのため、長期的に見て期待リターンが大きくなるものを投資対象として選ぶことが重要だと筆者は考えます。これは、同じ金額を同じ期間、投資に回すのなら、できるだけ大きくなった方が良いだろう(効率が良い)、というシンプルな考え方だと思っていただけるとわかりやすいかと思います。期待リターンとは:「このくらいのリターンが期待できるのではないか」とする一つの目安。ただ、あやふやな未来のことを数値化したものなので、算出する人や機関によって数値は異なる。また、未来のことなのであまりあてにならない。ちなみに、短期投資でも長期投資でも、効率の良い投資をすることが重要だと筆者は考えます。そのため、積立投資の期間や、年齢によって投資対象の考え方や対象そのものが大きく変化することはないと考えています。【おすすめしたい積立投資の選び方②】個別の株式ではない「株式がハイリスク・ハイリターンであるなら、投資信託ではなく個別の株式をピンポイントで買えば良いではないか?」とも思われるかもしれません。しかし、こちらも理論上は分散投資を誰でも手軽に行える投資信託を選択する方が合理的になります。なぜでしょうか?その理由は、投資信託で保有した方がリスク(値動きの振れ幅)が小さくなるからです。リスクとは:しばしば「危険」という意味でも用いられるが、資産運用の世界では同時にリターンの散らばり(標準偏差)・値動きの振れ幅を指す。つまり、リスクが高い・低いとは、統計的に見た資産(株式や債券)の値動きの振れ幅が大きいか小さいかをここでは指す。複数の株式を保有すると、初心者でも専門家でも、誰でも簡単にリスク(値動きの振れ幅)が小さくなる一例ですが、個別の株式の場合、リスクが大きいです。一方、資産運用では期待リターンが同じならリスクが低い方が効率が良い、と考えられます。そして、投資信託とは「入れ物」のようなものですので、株式主体の投資信託を保有すれば、その中には数十から数千社程度の株式が内包されているのと同様の分散効果が生まれます(種類による)。また、そのように複数の金融商品を保有すれば(投資信託を持てば)自然とお互いの値動きの振れ幅が干渉しあい、値動きのトータルの幅を小さくします。その為、分散投資をした方が合理的、ということになります。【質問】ちょっと待って!リスクが高い方がリターンが高いなら、分散しないで個別の株式の方が有利なのでは?上記のような質問も浮かぶかもしれません。確かに、ある特定の株式が短期間に十倍などに値上がりすることがあります。それは事実です。また、先ほども述べましたように、リスクとリターンはおおむね比例すると考えられます。しかし、全体的に見た場合、答えはノーだと思われます。なぜでしょうか。それは、分散することで簡単に消えてしまう個別株式のリスクは、市場の参加者が評価しない、と考えられるからです。つまり、初心者でも複数保有すれば簡単に相殺することのできるリスク(非市場リスク)には、誰も追加的なリターンを付けないだろう、という考え方です。非市場リスクとは:例えば、会社の社長が交通事故やセクハラで逮捕されたりすることによる株価の下落など。市場や景気などとは無関係の企業個別のリスクなどを指す。市場が効率的であるならば、評価されるリスクとは、分散することでは消せない市場リスクだけだと考えられます。市場リスクとは:分散投資によって消すことのできない、市場全体にかかるリスクのこと。一例:2008年の世界金融危機など。つまり、どのように分散投資を徹底していても、将来的にはほぼ確実に大きく値下がりする時期が来る。そして、それは投資信託を保有することで、誰でも市場リスクだけを背負うことができやすくなります(種類による)。[adsense_middle]積立投資におすすめの投資信託ランキング以上を踏まえました、筆者の独断と偏見による積み立て投資におすすめの投資信託ランキングを5位~1位まで発表します。※数値は記事執筆時点の内容です。1位だから絶対に儲かる!というワケではありませんよくある誤解として、ランキングの上位を買えば儲かる、というものではありません。運用成果は市場次第、つまり世界の景気次第です。景気が良くなれば、未来の利益が上がるので、現在の株価が上がります。つまり、運用成績が良くなります。また、どのように分散投資をしようとも、本文中で触れたように、消せない市場リスクが残ります。景気が悪くなれば、未来の利益が下がりますので、現在の株価が下がります。つまり、運用成績が今度は悪くなります。そのため、長期間積み立て投資をしていると、ほぼ確実に大きく目減りをする時期(金融危機)に遭遇するでしょう。安い時にたくさん買うことができるのが積み立て投資のメリット積立投資においては、金融危機時などの大きく値下がりした時もコツコツと買い進めることが重要です。つまり、安い時期に買うことで将来の期待収益率の上昇を期待できます。積立投資をしているのにも関わらず金融危機時に慌てて売却をすると、全く反対の成果になることが容易に想像できます。積立投資におすすめの投資信託に関するまとめ積立投資におすすめの投資信託はリスクが大きい株式主体の投資信託であること個別の株式より投資信託の方が効率が良いのではないかどのような分散投資をしても、未来においては大きく値下がりする時がくると想定する今回は、積立投資におすすめの投資信託についてランキング形式で考察しました。積立投資そのものは、人間の持つ認知エラーを回避し、合理的な資産形成を『誰にでも』できるようにする、素晴らしい仕組みだと筆者は考えます。本記事が読者の方の合理的な資産形成の一助になれば幸いです。
2019年06月17日本記事では、松井証券で買える投資信託の中から筆者が「合理的ではないだろうか」と考える投資信託を5つランキング形式でご紹介します。※本記事は特定の金融商品の推奨を意図するものではありません。商品名や各数値は執筆時点の情報です。筆者が考える、松井証券の投資信託おすすめランキング1位~5位それでは最初に松井証券の投資信託ランキング上位1位~5位の発表です。松井証券でのおすすめ投資信託の選定理由【おさらい】選定理由は以下の通りです。信託報酬が0.3%以下であること(コストは運用成績にマイナスにしか作用しないため)市場の平均に連動するだけのインデックス型であること(市場平均が効率的であり、長期で見た場合にアクティブ型をしのぐと考えられるため)株式が主体の投資信託であること(株式はリスクが高く、リスクプレミアムがつくと考えられ、同じ期間投資をするならば債券よりも期待リターンが高く、お金を大きくしやすいと考えられるため)上記は長期分散投資をする際に、非常に重要になるポイントです。松井証券でのおすすめ投資信託は4種類の組み合わせでしかない?上記に挙げたランキング1位~5位までの投資信託は、一見すると複雑な金融商品に見えますが、その内容は割とシンプルです。以下の4つの資産クラス、またはそれらの組み合わせでしかありません。国内株式先進国株式新興国株式米国株式これだけです。先ほどのランキング1位~5位のそれぞれの比率をザックリと見てみましょう(数値はおおよそであり、必ずしも正確なものではありません)。このようになりました。世界に分散投資と言っても、世界的に見るとアメリカがとても巨大なことが透けて見えてきます。【質問】それなら米国株式だけ買えばいいのではないですか?ザックリ言いますと、世界の株式の大きさでいうと米国が半分近くを占めているので、世界に分散投資をするとどうしても米国の比率が高くなる、という一面があります。そこで考え付くのが「じゃあ、米国の株式市場の投資信託一本でいけばいいのではないか?」という考えです。確かに、過去を振り返ってみると、米国株式市場は大きく伸びてきました。しかし、資産運用の世界では過去は未来を予想するのに意味を成しません。過去の情報は未来を予想するのに役に立たない:株価は未来の利益を割り引いたものであり、未来はあやふやなものです。しばしば人は過去の値動き(チャート分析など)で未来を予測しようとしますが、それが当たった気になるのは錯誤相関(勘違い)という人の心が作り出した幻想だと筆者は考えます。過去の分析で未来が分かれば誰でもお金持ちになれますが、現実にはみんなが同じように考え、動きます。その結果としてランダム・ウォーカー(でたらめ)に株価は推移すると考えられます。[adsense_middle]《分散投資》釣り堀が4つあったら、4つの釣り堀に糸を垂らす資産運用において、未来のことはたいへんに「ふわふわ」したものです。そのため期待リターンもあまりあてになりません。期待リターン:国内株式や先進国株式などの各資産の期待されるリターン。正確にはわからないが、長期で見た場合には株式の場合は、『無リスク資産の金利(長期金利など)+投資家の要求リターン5~6%=リスクプレミアム』ではないかと言われることもある。ただ、やはりどこ(景気の谷か山かなど)で買うかによって同じ期待リターンの物を買っても、結果は大きく異なると考えられる。ただ、資産運用では分散が重要ですので(理由は後述)、米国株式のみならず、国内・先進国(日本除く)などに広く分散投資をすることが重要かと思います。一か国などに限定して投資をした場合、長期間にわたってその国の景気が低迷した場合、長期的な期間が経っても、株価が十分に回復しないことが考えられます。一例としては、1989年の国内株式バブルの崩壊が挙げられます。30年経った現時点でも(単純な比較はできませんが)日経平均株価はバブル期の半値程度です。乱暴な言い方をしますと、長期投資と言えども、生きている間に回復しない可能性があります。その可能性を下げるためにも分散投資が重要だと筆者は考えます。複数の資産クラスを組み合わせると、リスクが下がる、だから分散する意味があるまた、値動きの異なる複数の金融資産を保有(分散投資)すると、良いことが起こります。それは何でしょうか?正解は、リスク(値動きの幅)が小さくなる、ということです。これは、一つずつの金融資産の値動きが小さくなるわけではありません。組み合わせて保有した場合に、トータルで値動きの幅が小さくなる、という意味です。※図表は筆者作成例えば国内株式・先進国株式・新興国株式・米国株式の4つの資産クラスは、それぞれ値動きがやや異なります。松井証券でもどこでも、投資信託のおすすめは株式のバランス型になる?上記の理由から、どのようなランキング上位の投資信託であれども、複数組み合わせて自分でバランス型のポートフォリオを組む、あるいは株式だけのバランス型投資信託を選択することが考えられます。ポートフォリオ:金融資産の組み合わせのこと。類義語で資産クラスの組み合わせをアセットアロケーションというが、わかりにくいので本記事ではポートフォリオで統一します。【質問】債券も入れたバランス型投資信託の方が良いのではないですか?確かに債券(国内債券・先進国債券など)を入れると、リスクが下がる傾向にあります。しかし、筆者はおすすめしません。なぜでしょうか。それは、期待リターンも低くなるからです。同じ期間、資産運用を行うのであれば、ある程度分散ができていれば、期待リターンが高い方が効率が良いと筆者は考えています。それを具体的に表したのが、本記事のランキング1位~5位です。もちろんこれは個人投資家の考え方次第です。数十年後にお金が大きくなっているほうが良いか、あまり大きくなっていない方が良いか、人によっては後者を選ぶ人もいるかもしれません。ただ、経済学的には、人はお金は大きい方が満足するもの、と筆者は認識しています。一方、行動経済学的には人はリスクが小さい方を好む、という傾向があります。行動経済学:経済学に心理学を足したような学問。行動経済学では、人は利得に対して損失の方が1.5倍から2.5倍嫌う、と言われている。そのため、買い時のチャンスでしばしば損切りをしたくなる。端的に言うと、人類はお金は大きくしたいけど、リスクはイヤだ、という矛盾した気持ちを併せ持っているのが「普通」なのかもしれません。資産運用で重要なのは、冷静に合理的な投資対象・運用方法を選択して、維持し続けることかもしれません。松井証券で買えるおすすめの投資信託に関するまとめ松井証券でのおすすめ投資信託は国内・先進国・新興国・米国の株式市場に連動する投資信託分散をするとリスクが下がるので、上記の市場に連動するインデックス型を組み合わせるのが現実的分散はするが、債券を入れたバランス型では効率が悪いと考えられる本記事では松井証券でのおすすめ投資信託を考察してみました。未来はどうなるかわかりません。そのため、できるだけ効率よく資産運用を考えることが重要ではないかと思います。本記事が読者の方の合理的な資産運用の一助になれば幸いです。
2019年06月09日本記事では、SBI証券の投資信託で、筆者の考える「理論上合理的だと考えられる投資信託」をランキング形式で5つ挙げます。※本記事は特定の金融商品の勧誘を意図するものではありません。尚、投資信託の基本的な情報は以下記事をご覧ください。SBI証券でおすすめの投資信託ランキングそれでは早速ランキングを発表します。※数値は執筆時点1位:ニッセイ外国株式インデックスファンドランキング1位のニッセイ外国株式インデックスファンドは、日本を除く先進国株式に投資を行う投資信託です。MSCIコクサイインデックスと呼ばれる先進国株式の指標と連動することを目指すインデックス型の投資信託です。インデックス型の投資信託:いわゆる市場平均と連動することを目指す投資信託。4位に米国株式がランクインしていますが、こちらのニッセイ外国株式インデックスファンドにもすでにアメリカ株式が組み込まれている状態です。外国株式の分散投資と言えば、このMSCIコクサイインデックスと呼ばれる先進国株式の指標を指すことが一般的かと思います。2位:eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)こちらは、国内株式市場の市場平均のトピックスと連動することを目指すインデックス型の投資信託です。国内株式と言えば、トピックスと日経平均株価が有名です。組み込み銘柄はトピックスが1部上場全て(およそ二千社)で、日経平均株価は225社です。ただ、200社程度に分散投資をすると、市場平均と同じような値動きになることが知られています。3位:SBI・新興国株式インデックス・ファンドこちらは、FTSEエマージング・インデックスと呼ばれる新興国株式の市場平均と連動することを目指すインデックス型の投資信託です。これは筆者個人の意見ですが「未来のことははっきりとは分からないものの、リターンとリスクのバランス(効率)が先進国株式と比べると劣る」気がします。そのため3位に入れています。4位:楽天・全米株式インデックス・ファンド4位は楽天・全米株式インデックス・ファンドです。こちらは米国株式のインデックス型投資信託です。ただ、すでに1位に出ている先進国株式(MSCIコクサイインデックス)の中には、米国株式が7割近い比率で組み込まれています(記事作成時)。5位:SBI・全世界株式インデックス・ファンドこちらは、日本・米国を含む先進国・新興国の対象指標と連動することを目指すインデックス型の投資信託です。非常に適切な言い方ではありませんが、1~4位の投資対象をまとめたような存在だというとイメージしやすいでしょうか。もちろん指標や比率は異なります。世界全体の株式に広く投資をすることができます。[adsense_middle]SBI証券でおすすめの投資信託ランキングへの質問集【質問①】どれを買うのがおすすめですか?どれを選ぶかは個人投資家の意思によるので筆者には何とも言えません。という前提を踏まえまして、個人的な意見としては「日本を除く先進国株式のMSCIコクサイインデックス」と、「国内株式のトピックス」に連動することを目指すインデックス型の投資信託が効率が良いと思います。また、コストが低ければ、中身(指標・市場平均)が同じ場合、どれでも同じだと思います。リスク(値動きの幅)を下げるには、投資金額全体における安全資産の保有比率(預貯金や個人向け国債)を増やすことがシンプルで良いかと思います。【質問②】ランキング上位が「儲かる投資信託」ということ?このランキングは上位に行くほど「儲かる投資信託」というわけではありません。投資信託は「入れ物」のようなものですので、他の投資信託でも中身が同じなら、同じように値動きが推移します。また、可能性としては、今年購入して、来年には三割下落、あるいはそれ以下にも下がっている可能性もあります。通常の金融商品と同じく、高く買ったものを安い時に売れば、損失が確定します。また、頻繁に売買を繰り返すことで、運用成績が「ほったらかし」にした場合よりも下がることが統計的なデータから知られています。ほったらかし:いわゆる何もしないこと。人は利得に対し、損失を1.5倍~2.5倍嫌がるという性質があることが知られている(損失回避性)。そのため、頻繁に売買すると、無意識にも「高く買って安く売る」を選択してしまいがちになる。結果として全体で見ると、何もしない方が成績が良くなりやすい。SBI証券での投資信託ランキングの選定理由ここで上げているのは、資産運用を考える際に、リスクとリターンから考えて効率が良いと思われる株式の投資信託を中心に挙げています。また、コストは運用成績にプラスに寄与しないので、コストが低いものを考慮しています。さらに、アクティブ型の運用成果の平均が市場平均に酷似し、事前に成績の良いアクティブ型を見分ける術がないので、インデックス型の投資信託を挙げています。アクティブ型:いわゆる市場平均(インデックス)を超えようとする投資信託。しかし、アクティブ型が優れていればいるほどに、市場平均に連動しようとするインデックス型の投資信託が効率的になる、というジレンマがある。また、長期的に見れば、市場平均を連続して上回り続けられるアクティブ型も存在が難しくなる。そのため、インデックス型の投資信託が有利であると考えられる。【質問③】どうして債券主体の投資信託がランキングに入っていないのですか?今回のランキングには債券が主体の投資信託が入っていません。なぜでしょうか?それには理由があります。それはリスクが低く、期待リターンが低いと考えられるからです。期待リターン:国内株式や外国債券といった資産のクラスなどで想定されるリターン。文字通り「期待」であり、あまりあてにならない数値。債券主体の投資信託はおおむねリスクが低いのでランキングに入っていない基本的に、各資産のリスクとリターンはおおむね比例するだろう、と考えられます。つまり、ローリスクならローリターンであり、ハイリスクならハイリターンである、というものです。そして、債券は例外もありますが、基本的にローリスク・ローリターンな存在です。一方、株式は基本的にハイリスク・ハイリターンです。つまり、お金を大きくするという目的においては株式主体の投資信託がランキング上位に入り、債券主体の投資信託はおのずとその下になってしまう、という考え方をここではしています。【質問④】どうしてバランス型の投資信託がおすすめのランキングに入っていないの?バランス型の投資信託とは、国内外の株式だけでなく、国内外の債権も組み入れて、リスクを抑えた値動きを目指します。バランス型でも、基本的に株式比率が高まると、リスクの高いバランス型になっていきます。バランス型をランキングから外した結論を先に言うと、リスクを抑えたがゆえにリターンが平均化されてしまう、つまり、運用の効率が悪くなると考えられるため、今回はバランス型は入れていません。期待リターンの最大化を考えると、バランス型はおすすめのランキングに入れない基本的に資産運用ではリスクを抑えながら、その中で期待リターンの最大化を考えます。しかし、二十年や長期での資産運用ではどうでしょうか。例えば、いま二十歳で七十歳までの資産運用を考えている人がいるとします。運用期間は五十年あります。ということは、その間はお金を引き出さないわけです。この場合、極端な言い方をしますと、『リスクが高くても低くても関係ない。五十年後などにお金が最大限に大きくなっているのが望ましい』と考えることもできます。先に触れた債券主体の投資信託や、バランス型の投資信託を選択すると、自然と期待リターンが下がりますので、五十年後などにお金が最大限大きくなっていない可能性があります。もちろん『五十年後などにお金があまり大きくなっていないのが望ましい』という人がいるのであれば、その人にとっては債券主体やバランス型の投資信託が最適なものになるでしょう。しかし、基本的に伝統的な経済学では人はリターンに関しては(低いよりも)高い方が良い、という考え方をするものだと思います。FPが選ぶSBI証券でおすすめの投資信託に関するまとめランキング上位=いつでも儲かる投資信託というわけではない。債券主体の投資信託はリスクが低いので、ランキング上位に入らない。期待リターンの最大化を考えると、バランス型投資信託はランキング上位に入らない。今回は長期分散投資の視点から見た、SBI証券でのおすすめ投資信託をランキング形式にしました。本記事で重要なのは、何が何位なのかもそうですが、そのほかに「どのようにして考えて、その順位になったのか?」「なぜアクティブ型や債券主体、そしてバランス型が入っていないのか?」ということです。本文内でも記しましたが、損をする方法は「高く買ったものを安く売ってしまうこと」です。そして、長期投資をするとほぼ確実に大きく損をする時期が来ます。いわゆる金融危機です。その時を「安く買って将来の期待収益率を上げるチャンス」にするか、「損切りと称して高く買ったものを安く売ってしまう」かは、考え方次第ではないでしょうか。本記事が読者の方の合理的な資産運用に一助になれば幸いです。
2019年06月01日投資をはじめたいけれど、どうしたら良いのかわからない…そんな“投資”にまつわるお悩みに答えてくれたのは、ファイナンシャルプランナー/米国公認会計士の岩崎淳子さんです。Q. 投資の種類が多くてわけがわかりません!おすすめをひとつ教えてください!A. “低リスク”で“まあまあの利回り”を狙える、“インデックス投資信託”がおすすめです。“低リスク高リターン”は望めないが、“低リスク、まあまあのリターン”は実現可能。先生おすすめの投資法が、インデックス投資信託(以下、投信)だ。「インデックスとは市場の全銘柄の平均価格で、日経平均株価やNYダウのように市場全体の調子を表す指数のこと。インデックス投信はこの“市場平均”に沿って運用される、いわば『市場のすべての株を少しずつ買う』ような商品です。上の図で説明すると、A社の株のみを持つ場合、A社の業績が悪化すると大きく損をしてしまいます。一方、A社、B社、C社すべての株を市場と同じ割合で買うインデックス投信なら、A社の損をB社やC社でカバーできます。このように、インデックス投信はリスクを最小化しながら、そのリスクの中で最大限の利回りを維持できる。これは多くのリサーチで学術的に証明された事実です」このように指標に応じた平均的な運用を目指すことを「パッシブ(受け身)投資」と呼ぶ。対して、平均を超える利回りを目指し、特定の株式を狙って買う「アクティブ投資」というやり方もあるが…。「アクティブ投資で超高利回りが出るのは“たまたま”で、長期的にその利回りを維持するのはほぼ不可能。アクティブ投資は運用に手間と努力を要す分、コストがかかる点でもおすすめできません」Q. 初心者が適当に買っても利益が出ますか?A. インデックス投信の運用方法も、重要なポイントです。市場の“平均値”に投資することでリスクを減らすインデックス投信。より安全に利益を得るには、買い方にちょっとしたコツがある。「短期的には株価は必ず騰落しますが、10年、20年平均という長いスパンで見れば、日々の変動の影響はほぼ受けない。投資は10年単位の長期で続けるのが基本です」とはいえ、高値の時に買ってしまったら損をしそうだけど?「それを防いでくれる買い方が、毎月の定額積立。当然、価格は市場に応じて変動しますが、購入価格が高かろうと安かろうと、定額でコンスタントに買い続けていけば、買値も平均化していきます」最後のコツは、投資先選び。「世界の株式市場に占める日本の割合はわずか8%ほど。日本以外の先進国や新興国を含む、世界中の資産に投資先を広げれば、どこかの国や地域の経済が落ち込んでも他の地域の成長分によってカバーでき、リスクを分散できます」Q. 投信がいいのはわかったけど、結局、何を買えばいいの?A. 必要な「6つのパーツ」を、「セット買い」しましょう!コストが安く、世界市場に分散したインデックス投信を、毎月定額積立&長期保有するのが、リスクを下げ、利回りを大きくすることはわかってきた。しかし、3000あるといわれる中から商品を選びきれず、せっかく芽生えた投資意欲が萎えてしまうというのは、実はよくある話。ここはズバッと買うべきものを教えて!「メインになるのは、株式に投資する『株式型』です。さらにリスクを下げたいなら、比較的値動きが小さい『債券型』を加えましょう。株式型と債券型を別々に持つことで、購入比率によってリスクとリターンの調整ができます」株式型も債券型も、投資先を世界中に分散させたほうが、リスクも分散される点は同じ。まとめると、買うべきは、(1)日本株式インデックス投信、(2)先進国株式インデックス投信、(3)新興国株式インデックス投信、(4)日本債券インデックス投信、(5)先進国債券インデックス投信、(6)新興国債券インデックス投信の「6つのパーツ」。でも、そんなにもたくさん買うのは複雑で難しそう…。「株式型も債券型も、個別に買わずとも世界中に分散して投資できるように設計された商品もあるので安心を。それは、株と債券がセットになった『バランスファンド』。これだと、自分で株と債券の比率を調整できないのが短所ですが、できるだけシンプルに買いたい人はそちらをどうぞ」手軽に始めたい人におすすめの、インデックス投信の2つの「セット買い」。とにかく手軽さを優先したい人は「バランスファンド」で一気買い!株式と債券がすでに交ざっているのがバランス型。「実際の市場と比べると日本比率がやや高く、新興国が入っていないものも多いので、世界分散が完全実現されていないのが欠点ですが、セットで買える手軽さは魅力的」・日興 DCインデックスバランス・DCニッセイワールドセレクトファンド・ダイワ・ライフ・バランス・三菱UFJ国際投信 eMAXIS Slim バランスリスク&リターンを調整できる「全世界株式」&「全世界債券」の2つ持ち。基本となるのが、現実の世界市場の構成比率に合わせて設計された「全世界」の株式型と債券型。「2つを別々に買っておくと、のちのち比率がずれても自分で調整できるので、手間を惜しまない人は、2つ持ちをぜひ」【全世界株式】・楽天・全世界株式インデックス・ファンド・SBI・全世界株式インデックス・ファンド【全世界債券】・楽天・全世界債券インデックス(為替ヘッジ)・ファンド岩崎淳子さんファイナンシャルプランナー/米国公認会計士。上智大学を卒業、米パデュー大学大学院経営科学修士。独学でCPAとPFSの資格を取得。著書に『お金が勝手に貯まってしまう 最高の家計』(ダイヤモンド社)がある。※『anan』2019年5月29日号より。イラスト・菜々子取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2019年05月25日投資アレルギーを治して、お金が増える仕組みを学びましょう。教えてくれたのは、ファイナンシャルプランナー/米国公認会計士の岩崎淳子さんです。Q. お金は銀行口座に預けとくのが一番安全じゃないんですか!?A. 預金を放置しておくと、実質的に資産が目減りする可能性もあります。たとえ超低金利で利息が大してつかなくても、預けたお金が減らない“元本保証”は魅力ですが…。「金融機関が破綻しても、預金1000万円までとその利息については保証される安心感はとても大きく、日本人は世界的に見ても“預金好き”の傾向にあります。でもちょっと待って!確かに預けた“金額”そのものは減りませんが、お金の“価値”は、物価上昇率に応じて変化します。たとえば、1%のインフレだと、理論上、100円のリンゴは1年後には101円に。でも、預金の利率が仮に0.1%とすると、元本の100円に10銭の利息しかつかず、101円に値上がりしたリンゴはあなたには買えません。実際は、これよりもっと低金利。今、日銀は2%のインフレ目標を掲げていますので、金利が2%以上なければ、預金だけだとお金の実質的な価値は下がってしまうのです」Q. 投資はお金持ちがするものでしょ。私には関係ないですよね?A. リスクを取らなければいけないのは、むしろ「お金が足りない人」です。一般的に、老後に必要な資金は、高齢夫婦1世帯あたり約3000万円といわれている。これを30年間で預金だけで貯めようとしたら、月の貯金額は8万4000円!「この金額を見ると『そんなに無理!』という人が大半ですよね。それが当然ですし、普通の人が預金だけで老後資金を作るのは非常に負担が大きいのです。この事実を踏まえれば、ある程度のリスクを取りながら投資で一定の利回りを確保する必要があるのは、十分な収入や資産のあるお金持ちではなく、月8万円超貯蓄する体力のない人だとわかると思います」超低金利の今、8万円を30年間預金し続けても3000万円は貯まらないが、もし平均5%の利回りで運用できれば、4万円ずつで目標に到達。ここでポイントになるのが「複利」。前年分の利子にもさらに利子がつく複利なら、お金が加速度的に増えていくため、預金でも投資でも複利は重要なキーワード。それでも、リスクと聞くと及び腰になってしまうが…。「投資に元本割れのリスクがあることは大前提です。しかし、そのリスクを最小限にする簡単な投資の方法もあります」Q. もし大負けして、お金がなくなったらどうしよう…(泣)。A. 投資といっても種類はさまざま。リスクとリターンを見極めましょう。一般的に、リスクを抑えるとリターンも低くなり、高いリターンを求めるとリスクも高まる。たとえば、リスクが最も低い国債の場合、個人向け日本債券は、国が破たんしない限り、満期には元金が戻ってくる。しかし、利率の最低保証値は直近で募集していたもので、0.05%とかなり低い。「利率0.001%の預金より高く、投資に踏み出す一歩として預金以外の方法を試すのにはいいでしょう。ただ、資産を増やせるだけの利回りは確保できません」では優良物件を選べば家賃収入でリターンが見込める不動産は?「目の前に高層ビルが建つなど不測の事態が起き、資産価値が急落する可能性もあります。“低リスク&高リターン”は理想でしかないと思ったほうがいいでしょう」主な投資の種類・債券…国や企業が資金調達のために発行する。信用度の高い国の債券は極めて安全度が高いが、リターンも低い。リスクを極度に嫌う人や投資の入門には向いている。・株式…持ち株数に応じて配当金を受け取れたり、値上がりした時に売れば売却益も得られる。会社の製品やサービスの優待が受けられる場合も。値動きは激しい。・投資信託…投資家からお金を集め、運用のプロが株式や債券などに投資し、投資額に応じて利益が還元される。投資先が分散されるので、比較的リスクを抑えやすい。・不動産投資…継続的な家賃収入は魅力だが、物件を選ぶ力やメンテナンス費がかかりハードルが高い。火災や景観変化などで資産価値が急落することもあり、リスクは高め。・外貨預金…円を外貨に替えて預金し、為替レートの差で損益が出る。利息も外貨でつく。預金時よりも円安になれば利益が出るが、円高になると損失が出る。手数料も高い。岩崎淳子さんファイナンシャルプランナー/米国公認会計士。上智大学を卒業、米パデュー大学大学院経営科学修士。独学でCPAとPFSの資格を取得。著書に『お金が勝手に貯まってしまう 最高の家計』(ダイヤモンド社)がある。※『anan』2019年5月29日号より。イラスト・菜々子取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2019年05月25日本記事では投資信託の解約手続きと上手な解約方法について考察します。投資信託の解約手続きをわかりやすく解説投資信託は様々な金融商品の入った「入れ物」のようなものです。基本的に安く買ったものを、高い時期に解約・換金することで差額を利益とすることができます。※図解は筆者作成【質問】投資信託の解約とは何のことですか?本記事での解約とは、個人投資家が一度購入した投資信託を「手放す・売却する」ことを指しています。また、解約のことを換金と呼んだりもします。投資信託の解約方法(わかりやすい手続き方法)換金の流れは、一般的に次のような流れです。換金を申し込む(個人投資家がインターネットや電話で取引をしている証券会社などへ連絡をします)換金の申し込みから原則として4営業日目以降に投資家本人の証券口座などに支払われます。営業日とは何のこと?投資信託はすぐに解約できる?どのくらいの期間がかかる?投資信託は基本的にクローズド期間(後述)のないものなら、いつでも解約できます。ただ、上記のように基本的に4営業日後に換金されます。営業日とは、一般的な投資信託の場合、国内の証券取引所で取引が行われている日を指します。つまり、土日や祝祭日は営業日にカウントされない、土日などを挟むとさらに先になる、ということです。インターネット証券ならいつでも解約できますか?換金の「当日」となる受付時間は基本的に、営業時間の午後三時までです。※一部投資信託によって異なることがあります。投資信託の解約ができないなどのトラブルはありますか?投資信託によっては、一定期間解約できないものがあります。この解約できない期間のことを「クローズド期間」と呼びます。クローズド期間とは、一般的に解約による資金の流出を防いで安定的な運用をするために設定されることがある。ただ、現在ではクローズド期間のないオープン型(いつでも解約できる)ものが主流。購入前に「目論見書」などで確認をしておきましょう。解約したけど、いつ値段が確定するの?基本的に、投資信託は解約手続きをした時の金額(基準価額)がいくらなのかが、すぐには、はっきりと分かりません。これは投資信託が「入れ物」のようなものですので、その中にたくさん入っている株式・債券などのお値段を算出するのに時間がかかるからです。基本的に国内に投資している投資信託の場合、解約・換金の申し込みを(営業日の3時までに)した場合、その後計算されます。値段が確定するのは、翌日の朝です。※外国に投資している投資信託の場合は、さらに翌営業日に決まることが一般的です。投資信託の場合、値段が決まるまで少し時間がかかるので、解約した時の値段(基準価額)とは少しずれるのが普通。投資信託の上手な解約方法とは?それでは、投資信託の上手な解約方法について見てみましょう。【質問】投資信託の解約には手数料がかかりますか?投資信託を解約する時に「信託財産留保額」というお金がかかるものがあります。また、「信託財産留保額」がかからないものもあります。信託財産留保額とは:解約時の投資信託の基準価額に対してX%という形で引かれてしまう手数料(コスト)。注意をしていただきたいのは、この「信託財産留保額」という手数料には運用成績を押し上げる効果がない、ということです。つまり、「信託財産留保額」という手数料が高くても、何一つとして良いことが起こらないということです。購入する前に目論見書などで「信託財産留保額」が「かかりません・なし」などの表記のものから選ぶことで無料のものを選ぶことができます。解約に手数料がかかる投資信託があるが、購入前に手数料がかかるものを選択肢から外すだけでゼロにすることができる。投資信託の頻繁な解約・換金にはデメリットがありますか?多くの初心者の方がおかしてしまう間違いに「頻繁に投資信託を解約・換金する」というものが挙げられます。しかし、これは経験則的に運用成績を押し下げることが知られています。つまり、投資信託において頻繁な解約・換金はデメリットと言えます。下の図は、投資信託を売買した場合と、ほぼ何もしなかった場合の運用成績を比較したものの一例です。※図表は日本経済新聞2018/8/2を参考に筆者作成青い線は、投資信託の基準価額の期間10年の平均上昇率です。そして、左のグラフのオレンジの線が頻繁に解約・換金をした投資家の平均利益率です。2%ちょっとというところです。一方、何もしない(ほったらかし)投資家の平均利益率が右のオレンジの線です。確定拠出年金では売却することができますが、多くの人は何もしていないことが知られています。何もしないので、分配金が再投資され、雪だるま式に増えていますので、基準価額の平均上昇率5%を大きく超えています。これは、特定の人に起こるラッキーなことではなく、同じ投資対象を持って「ほったらかし」にしたすべての人に共通して起こった良いことです。じつは投資信託では、なにもしない(ほったらかし)にした方が(統計的に見ると)運用成績が良くなることが経験則的にわかる。短期的に売買をすると、運用成果が押し下げられることが知られている(損切りはデメリットを誘因する)しばしば、人は投資信託の基準価額が買った時の値段を下回ると損切りをしたくなります。しかし損切りをするということは、とりもなおさず、「頻繁に解約・換金をする」ということになります。上記で見ましたが、これはデメリットです。全人類共通のクセとして、利得に対して損失を1.5倍~2.5倍怖がる、という性質があります。そのため、(根拠のない)損得ラインに対して、下回ると損切りをしたくなります。そして、そのほかの好調な投資信託に乗り換えたくなります。しかし、これは単純に「高く買って安く売る」を繰り返すだけです。売り手側にとっては手数料が稼げるので良いかもしれませんが、個人投資家としては損失を招く行為です。投資で利益を得るにはどうしたら良いのかを、もう一度再確認することが必要ではないでしょうか。投資で利益を得る基本:安く買って、高く売る(積み立て投資でも一括投資でも、同じ)。基本的に投資信託を解約する時は「いつでも」ではなく「お金が必要な時」だと考えておく投資信託の上手な解約方法とは、基本的にお金が必要な時に解約する、ということです。もちろん、売買のタイミングが正確に読める人間はこの地球上に存在しません。そのため、上手な解約方法はどのようなものか?と問われると、「老後などのお金が必要な時期に、毎年、X%やX万円という決まった率や金額を機械的に取り崩していく」という無味乾燥な考え方が出てきます。取り崩す:しばしば一気に儲けたい・売りたい、という感情があるが、合理的な資産運用を考えると、一気に解約するよりも、運用を継続しつつ、定期的に「取り崩す」ことが資産を大きくしつつ長く使える可能性がある。これは、定率法や定額法などと呼ばれます。定率法とは、毎年5%と決めたら、資産から5%分の資産を解約・換金し取り崩すもの。景気状況により多く取り崩せる年と少なくなる年が出てくるというデメリットがある。メリットとしては定額法よりも資産が長く存続するという可能性がある。定額法とは、毎年百万円と決めたら、資産から毎年百万円分を解約・換金するもの。景気状況に関係なく定額を取り崩すので生活設計が立てやすいというメリットがある。反面、景気悪化時には資産が大きく目減りしやすい、というデメリットもある。一概にどちらが有利とは言えません。その時の経済状況やご自身の資産状況により、有利になる方を選ぶことが良いと思います。上手な解約方法とは、解約・換金しないと生活ができないときに、取り崩していくことだと考えられる。投資信託の解約手続きまとめ投資信託の解約は申し込み日から基本的に4営業日後に支払われる投資信託の解約・換金には「信託財産留保額」がかかることがあるので、かからないものを事前に選んでおく投資信託を頻繁に解約・換金すると運用成績が悪くなる、というデメリットがついてくる今回は、投資信託の解約手続きや上手な解約方法について見てみました。解約というと、ついつい目先の利益を追いたくなります。しかし本記事で見てきましたように、経験則的には短期的に利益を確定して解約しない方が良いことが分かります。解約においても「長期」という考え方がとても重要だと筆者は考えます。本記事が皆様の合理的な資産形成の一助になればさいわいです。
2019年05月22日本記事では、投資信託の利回りについて、初心者の方にも直感的にわかりやすい図解を交えながらやさしく解説します。しばしば個人投資家は「分配金の利回りが高い投資信託が欲しい」と考えたり「投資信託の利回りランキングからファンドを選択する」という行為をしがちです。しかし、それらは合理的な投資から遠ざかることになる行為です。なぜでしょうか。詳しく見てみましょう。投資信託の利回りとは?投資信託の利回りとはなんのことでしょうか。それは、「分配金の利回り」を指すことがあります。分配金:平たく言うと、投資信託から受け取れるお金のこと。ただ、自分のお金が返ってくるだけの元本払戻金(特別分配金)も分配金なので注意が必要。そのため、多くの投資家は分配金の利回りが高い(多い)ものが良い投資信託だと誤解をしがちです。ただ、結論から言いますと、分配金の存在は、資産運用において効率が悪い存在だと考えられます。また、値上がりによる売却差益を含めたトータルでの見返りを「リターン」と呼ぶこともあります。この売却差益を含めた利回りが、本質的な利回りであるとも考えられます。ただ、投資信託の場合、利回りと言えば、前述のように分配金利回りを指すことの方が一般的かもしれません。見返り:運用の世界においてはしばしばリターンと呼ばれる。リターンは過去二十年間などの平均リターンを指す場合や、これから期待できる期待リターン(期待収益率)を指す場合などがある。ただ、未来は不透明なのでリターンは「あまりあてにならない」存在だと考えられる。※図解は筆者作成投資信託の分配金利回りとはどんな意味なの?計算方法は?一般的に投資信託の分配金利回りとは、一年間で得られた分配金を現在のお値段(基準価額)で割ったものを指します。一例を挙げましょう。Xファンドから、分配金が年間で600円出た。いまのXファンドの価格が1万円だ。600÷10000=0.060.06×100=6%この場合、Xファンドの過去一年間の分配金利回りは6%だった、ということです(税・手数料無視)。ここだけを見ると「分配金利回りが高いファンドが儲かる・良いファンド」と思い込みがちです。分配金利回りとは、一年間で得られた分配金を現在のお値段で割ったもの。投資信託の利回りとなる利益にはどんな種類があるの?先ほど少し触れましたが、投資信託の利回りを構成しているモノには、インカムゲイン→保有していて得られる分配金などキャピタルゲイン→売却差益があります。ここではひとまず「2種類の利益の得方があるのだな」という認識で構いません。ちなみに、利率と利回りはどう違うの?利率と利回りの違いは以下のような内容です。※図表は筆者作成利回りは、投資信託のように、お値段(基準価額)が変わるものに用いられます。気を付けたいのは、価格変動リスクのある投資信託の利回りとは、あらかじめ確定しているものではなく、未来においては不透明だということです。投資信託の分配金利回りはどのくらいが良いの?見方の目安を教えて!それでは、投資信託での分配金利回りはどのくらいが良いのでしょうか。分配金ランキングなどを見ますと、高いもので利回り40%や30%というものがあります。または、10%台のものもあります。どれが適切でしょうか?見方の目安をズバリ言いますと、「分配金利回りがあるものはすべて無視してかまわない」です。分配金利回りはゼロが効率が良いと考えられる。分配金利回りランキングはすべて無視してかまわない。なぜ分配金の利回りがゼロの方がいいのか?投資信託の利回りの誤解。分配金の仕組みはどうなっているの?分配金の仕組みはどのようになっているのでしょうか?初心者の方イメージしていただきたいのは、「良くも悪くも、分配金は投資信託の中から出る」ということです。図で言うと、袋(基準価額)の中から分配金が出てきています。上段の絵のように、分配金が出ると、投資信託自体のお金が小さくなります、(当然ですが)。ただ、分配金を10万円受け取っているので、総額は100のままです。下段の絵のように、分配金がない場合は、総額が100のままです。つまり、分配金をもらっても、もらわなくても、その時点のお金の総額は、同じです(より正確に言うと、利益である分配金をもらうと税金がかかるので、分配金をもらう方が、より損です)。ここだけを見ても、分配金には意味がないことがわかります。また、分配金の利回りが高い方が良い、というのも誤解であることがわかります。投資信託の利回りが高いということは、それだけたくさん投資信託がしぼみやすい、ということ。また、分配金をもらっても、もらわなくても、お金の総和は変わっていない(税引き後は分配金をもらった方が損になる)。つまり、合理的な複利効果(雪だるま式)が発揮されにくく、不利になりやすい。投資信託の利回り 毎月多くの分配金がもらえる方が良い?また、投資信託利回りランキングなどを見た場合、上位を占めるのは、毎月分配型と呼ばれる投資信託です。こちらは文字通り「毎月」分配金がもらえます。しかし、毎月利益が出る投資信託など存在しません。運用成果は基本的に景気次第だからです。そのため、利益が出ないときは、自分の身を切って分配金を出さないといけません(特別分配金などと呼ばれます)。ザックリ言うと、自分の出したお金を「特別分配金(元本払戻金)」と称して受け取ることになります。もちろんコストがかかりますから、高い手数料を支払いながら、銀行のATMでお金を引き出しているようなものです。非常に効率の悪い行為です。このように、毎月分配型は、タコがおなかを減らして、自分の足を食べてしまうようなタイプの投資信託です。次第に、タコ(お金)は小さくなりやすくなります。利回りの高い毎月分配型は、次第に元本が小さくなっていきやすいので、長期での資産形成において不利になりやすい。※投資信託の分配金について、より詳しくお知りになりたい方はこちらの関連記事をご覧いただければ幸いです。利回りの高い投資信託の注意点利益である分配金には税金がかかるこちらも先ほど少し触れましたが、利益である分配金(普通分配金)には、税金がかかります。そのため、分配金のある投資信託と、分配金のない投資信託(内部で再投資される)ものを比べると、同じ中身であれば、分配金がないほうが有利になります。つまり、分配金の利回りの高い投資信託よりも、分配金がないほうが良い、ということです。再投資による複利効果を最大限に発揮するのにも、分配金を受け取る方が不利になる。そうはいっても、投資信託の分配金は、利回りが高い方がうれしいんですけど・・・?このように説明しても、多くの人は「分配金があるものが欲しい」という「感情」が捨てきれません。それが「普通(ノーマル)」かもしれません。人には双曲割引というクセがあります。双曲割引とは:行動経済学などの用語。遠い未来にもらえる大きなお金より、先にもらえる少ないお金の方がより重いように感じてしまうなどの、人間のクセのようなもの。身近な例で言うと、ダイエットをした方がトータルでは良いのだが、目先のケーキの誘惑には勝てない、というもの。ザックリ言うと、目先の利益が大きく見えて、将来の大きなお金が魅力的に見えない、という人類共通のクセのようなものです。そのため、理論上は無分配型がお金を大きくするのには向いているのですが、しばしば人は自らが不利になるような分配金の高いものを選びがちです。投資信託の利回りに対する合理的な考え方結論を先に言いますと、分配金利回りと売却差益を分けて考えないことが重要です。前述の双曲割引が私たち人間にはありますので、ついつい分配金利回りに目が行きがちです。しかし、大切なのは、いかに合理的にお金を増やせるように考えるか、ではないでしょうか。目先の分配金を受け取らずに、複利効果を活かして、お金を大きくしてから売却し、トータルでお金を大きくすることが重要だと考えられます。投資信託の利回りってどう考えたらいいの?まずそもそも、投資信託の利回りはあてになりません。未来の分配金の利回りもあてになりません。平たく言うと、いくらカタログなどに利回りや期待リターンがX%と書いてあっても「あてにならない」ということです。以下、よくある誤解や質問について、見てみましょう。投資信託利回りが高いおすすめファンドはなんですか?トータルでのリターンが高い投資信託とは、基本的にハイリスクの株式主体の投資信託になると、理論上は考えられます。それは、投資の世界では、リスクとリターンはおおむね比例する、と考えられるからです。つまり、ハイリスク・ハイリターンという関係です。毎月分配型などの利回りの高い投資信託では、債券主体であることが多いです。しかし、債券主体では、一般的に株式よりもローリスクです。そのため、長期間投資を行っても、思うようなリターンがついてこない可能性があります。株式主体の投資信託を保有しても、将来的なリターン(または利回り)がいくらになるかはわかりません。ただ、お金の増やし方においては、できるだけ大きく増える場所に「お金を置く」のが合理的だと考えられます。投資信託って利回りランキング以外の、運用成績ランキング上位を買えばいいですよね?残念ながら、去年運用成績の良かったファンドが、「将来も運用成績が良い」という相関性はありません。大げさなことを言うと、去年運用成績が一位だったファンドが良い、ということがお金の世界ではありません。また反対に、去年運用成績が悪かったファンドが、今年も悪い、ということも言えません。そして、誠に残念ですが、今年運用成績が良いファンドを事前に見つける方法は誰にもわかりません。つまり、過去のランキングや成績は将来を判断するうえで材料にならないのです。私たちができるのは、手数料の安いファンドを選んで保有することくらいです。※手数料について、詳しくお知りになりたい方は、下記の関連記事をご覧いただければ幸いです。投資信託の利回りについてまとめ一般的に投資信託の利回りは分配金利回りを指すことが多い資産形成においては、利回りよりも「期待リターン」が重要投資信託の利回りランキングは無視して良い今回は、投資信託の利回りについて、考察しました。まとめます。分配金の利回りに固執すると、本来の合理的な投資から離れやすくなります。投資信託の分配金は、「ない」方がより効率の良い資産形成になります。また、投資信託の利回りランキングもあてになりません。投資信託での資産形成において重要なのは、(非常に退屈ですが)長期×積み立て×分散投資です。分配金利回りの高い(多い)投資信託は一見すると魅力的です。しかし、資産運用の専門家は誰も自分では買わないのではないか、ということを考えるきっかけになれば幸いです。
2019年04月12日インデックス型投資信託を使えば、低コストで合理的な資産運用をしやすくなります。今回は、初心者の方にも良くわかるようにかみ砕いて、インデックス型投資信託の基本から解説していきます。初心者のためのインデックス投資講座インデックスと聞くと難しい印象を受けますが、ポイントを理解するととても合理的な投資に近づきます。図解を交えながら見てみましょう。投資信託のインデックスファンドって何ですか?投資信託の種類の中に、インデックス型と呼ばれるものがあります。大変乱暴に言いますと、インデックスファンドとは、各種指標に連動することを目的とする投資信託のことです。ファンドと投資信託:本記事内のファンドとは、投資信託を指しています。より広義の意味ではみんなから集めたお金を運用する機関を指すこともあります。投資信託とは、複数の金融商品を入れた「大きな入れ物」のようなものだと直感的にイメージしていただければ、まずは良いかと思います。※図表は筆者作成インデックスってどんな意味?そのインデックスというのは日本語にすると「指標(しひょう)・指数(しすう)」などとも呼ばれます。指標というと、身近ではあまり聞かないので、少しわかりにくいかと思います。指標をイメージ的にとらえると「平均」のような存在が近いかと思います。例えば、株式には株式の市場があります。ということは、その株式市場の値動きの平均のようなものが存在することになります。これが指標です。世の中には様々な投資信託がありますが、多くはこの各種指標を「超えよう」または「連動しよう」という目標を掲げています。そのため、インデックスのことをベンチマークなどとも呼んだりします。ベンチマークとは:測量の世界で使われる「基準」のようなもの。転じて、投資の世界では、「インデックス(指標)」を指すことが一般的。インデックスとは、市場の平均のような存在。投資信託のアクティブ型とインデックス型の違いはなに?先ほど述べましたように、投資信託には、各種指標(インデックス)を「超えよう」または「連動しよう」という目標を掲げているものに大別できます。以下の図のようなイメージです。※図表は筆者作成結論を先に言えば、理論上、投資において合理的だと考えられるものは目標としている指標(インデックス)に連動しようとするインデックス型投資信託だと考えられます。合理的なのはインデックス型投資信託だと考えられる。なぜ平均に連動するインデックスが合理的なの?世界中の人が賢いならどうなるの?なぜ、インデックスに連動するスタイルのインデックス型投資信託が理論上、合理的だと考えられるのでしょうか?例えば、ここにお金の神様がいるとします。神様が「世界中の投資家よ、頭が良くなれー」と魔法をかけたとします。途端にみんなが賢くなりました。するとどうでしょう。世界中の投資家は、世界中の株式市場などで「割安な株式を買って、割高な株式を売る」という賢い行為を行います。そうすると、それぞれの市場の平均であるインデックスが非常に効率的になります。※図解は筆者作成現実の市場もおおむね効率的であると考えられる。インデックス型はアクティブ型が頑張る限り、常に優位になると考えられるこのように「市場の参加者がおおむね賢い」世界においては、平均を超えようとするアクティブ型よりも、平均に連動することを目的とするインデックス型の方が合理的になると考えられます。なぜなら、みんなが賢いから、効率の良い平均点を超えにくいのです。直感的なイメージとしては、みんなが頑張るから、自然と平均が良く(効率的に)なるイメージです。※図表は筆者作成先ほどの神様のお話はあくまでも例えですが、現実の各市場も、世界中の金融機関の賢い人々によって見張られているので、「おおむね効率的であるだろう」と考えられます。このような考え方を効率的市場仮説と呼んだりもします。効率的市場仮説:市場の参加者(機関投資家など)はみな賢いので、割安な株式などを買い、割高なものを売るはず。そして、彼ら機関投資家が優れていればいるほどに、それは市場平均(インデックス)が効率的になる、という考え方。市場の参加者が賢い(あるいは同じような能力)の場合、市場の平均は効率的になる。つまり、アクティブ型が優れていればいるほど、それらの投資手法は通用しない、とも考えられる。つまり、現代の投資における最善策とは市場の平均に連動することではないか。投資信託のインデックスファンドにはどんな種類(指標・指数)があるの?では、そんなインデックスには、どのような種類があるのでしょうか。国内株式市場で代表的な指標と言えば、トピックスと日経平均株価が挙げられます。また、先進国株式のインデックスと言えば、MSCIコクサイインデックスが挙げられます。どのような内容なのでしょうか。見てみましょう。インデックス型の国内株式のトピックスまたは日経平均株価って何のこと?テレビやラジオのニュースの最後の方で「今日のトピックスと日経平均株価の数値」が発表されていますので、耳馴染みもあるかと思います。トピックスも日経平均株価も、いずれも国内株式市場のインデックスの一種です。特徴だけをまとめてみましょう(表現は初心者向けであり、厳密には異なります)。おすすめのインデックスはトピックスと日経平均株価、どっちなの?トピックスがおよそ二千社近い株式の市場平均であるのに対して、日経平均株価は、225社です。しかし、およそ二百社にも分散をすると、理論上は分散投資がされているので、トピックスも日経平均株価も同じように推移することが知られています(もちろん、差はあります)。世界に分散投資ができるインデックス型投資信託種類(一例)もちろん、世界各国の株式市場にもそれぞれの市場平均があります。ということは、それらの各市場にインデックスがあります。また、それらのインデックスに対応する形のインデックス型投資信託もあります。ここでは、重要な先進国株式のインデックスについて見てみましょう。いわゆる外国(先進国)株式の投資信託と言えば、上記のMSCIコクサイインデックスに連動する(または超えようとする)投資信託を指すことが一般的です。株式主体のインデックス型で投資をするメリットとおすすめの組み合わせは?では、インデックス型の投資信託で投資をするメリットとは何でしょうか。また、おすすめの組み合わせ(ポートフォリオ)とはどのようなものだと考えられるでしょうか。ポートフォリオ:金融商品の組み合わせを指すことが一般的。金融資産の組み合わせはアセットアロケーションと呼ぶが、本文内では混乱を防ぐために、ポートフォリオで統一します。インデックス投資と株式投資との違いとメリットはどこなの?インデックス型投資信託での投資と、個別の株式投資の違いは、分散がしやすいかどうかです。前述のように、インデックス型投資信託を選択すれば、多くの株式を保有したのと同じような効果が得られます。もちろん、個別の株式を個人で数百銘柄ほど保有すれば同じような効果が得られるのですが、その場合は、大変に高額な資金が必要になってしまいます。その点、インデックス型投資信託であれば、証券会社によっては数百円から分散投資が容易にできます。インデックス型投資信託を選択すれば、個別の株式にピンポイント投資をするよりは理論上は合理的な分散投資ができていることになる。ところで、インデックス投資で利益を上げるにはどうしたらいいの?基本的な利益の上げ方はシンプルです。安い時に買って、高い時に売ると、その差額が利益になる(数十年積み立てる、積み立て投資であっても同様です)または、利益を内部で再投資する(あるいは非効率でお勧めできないが、分配金を受け取り、課税後の少なくなった利益を再投資する)ちなみに、株式市場の値動きはランダム・ウォーカーですので、残念ながら、機動的に「タイミングを読んで、安く買って高く売る」ことで勝ち続けることは、できないと考えられます。ランダム・ウォーカー:効率的な市場においては、みんながそれぞれに分析をして、効率的に売買を繰り返している。その結果として、通用する分析方法や運用手法があれば、皮肉なことに通用しなくなる。結果として、株式などの金融商品の値動きは「なにもない原っぱを酔っ払いがフラフラ歩く」ように、法則性がないものになってしまう、と考えられる。そのため合理的な資産運用において大切なのは、短期的にタイミングを読んで「丁か半か」のバクチ的な行為をするのではありません。タイミングを読まずに、ひたすらに「長期×分散×積み立て投資」に徹することです。インデックス型投資信託での投資において重要なことは、「長期分散積み立て投資」まだあるメリット!インデックス型のコストはどうなの?インデックス型投資信託の大きなメリットの一つに「アクティブ型と比較するとコストが安い」ということが挙げられます。具体的な数字としては、保有している間にかかる信託報酬と呼ばれるコストがモノにもよりますが、平均的には1%程度違う、と言われています。※図表は筆者作成1%違う:運用において1%というのは、大変に大きな数値です。ここをきちんと下げられるかどうかが、長期では大きな差になると考えられます。ランダム・ウォーカーな市場では個人の頑張りで運用成績を上げることはできないと考えられます。私たち個人投資家にできることは、コストを下げることくらいです。インデックス型を選べば、初心者もプロと同じ成績になるのも大きなメリット前述のように、インデックスというものは、市場平均です。そのためインデックス型投資信託を選ぶということは、世界中の機関投資家の採点の終わったテストをカンニングするようなものです。しかも、それを格安で。インデックス型投資信託を選択すると、世界中のプロの運用成果を安いコストで拝借できるのと同じような効果が得られる。インデックス型投資信託のデメリットはどんなものがあるのか?デメリットとは少し違いますが、インデックス型投資信託は魔法ではないので、経済状態が悪い時はインデックス型投資信託であっても、長期間運用成績が悪くなります。仮に私たちが今日からインデックス型投資信託で投資を初めても、数年間運用成績がマイナスかもしれません。また、長期間行っても、数十年後に大きく株価などが下落した時(金融危機時など)に、慌てて売却をすると、マイナスになったり、それほど大きなリターンが結果として望めないことも十分に予想されます。インデックス型投資信託の筆者おすすめの組み合わせは?インデックス型投資信託でポートフォリオを組む際には、株式主体のインデックス型投資信託を選択することが理論上は重要だと考えられます。一例を挙げると次のような感じです。※図表は筆者作成上記のような組み合わせはいわゆる、「株式が100%」の組み合わせです。そして、この特徴はハイリスク・ハイリターンです。なぜこれがおすすめなのでしょうか。それは、資産形成が目的だからです。長期×分散×積み立て投資でできるだけ「お金を大きくすること」を目指すためです。ただ、あくまでも理論の上でのお話であり、未来は不透明です。そのため、これで絶対儲かる、とは言えません。インデックス型投資信託の株式や債券をバランスよく組んで、リスクを低減することは、理論上、優れているけれど?確かに、債券の入った投資信託を主体にすると、リスクは下がります。また、バランス型と呼ばれる投資信託のように、株式や債券を入れた投資信託の場合、リターンは平均化され、リスクはより低減されます。一見すると良いですし、理論上も優れていま。しかし、果たして本当に良いのでしょうか。考え方によるので正解はありませんが、数十年間という、長期間お金を使う必要がない資産形成期(老後に備える期間)においてはできるだけお金を大きくすることこそが重要ではないでしょうか。この点においては、正解はありません(ちなみにつみたてNISAでは株式主体のインデックス型投資信託がメイン)。ローリスク・ローリターンが良いか、ハイリスク・ハイリターンが良いかを決められるのは、投資家その人しかいないのではないでしょうか。初心者のためのインデックス投資講座:まとめインデックスとは、市場の賢い人々の平均のことインデックス型投資信託のメリットは、世界中のプロの分析結果を低コストで利用できることインデックス型投資信託のおすすめの組み合わせは、株式主体であることインデックス型投資信託を選択すると、自然と合理的な分散投資に近づきます。また、コストも安いので比較的「マシ」な資産運用に近づきます。インデックス型投資信託の中でも、長期×分散×積み立て投資において、より重要なのは国内外の株式のインデックス型投資信託だと考えられます。本記事が皆様の資産形成の一助になれば幸いです。
2019年04月04日本記事では投資信託で投資をする際のリスクやデメリットについて解説をします。そして株式投資と投資信託の違いについてもわかりやすく説明します。まず、結論から申します。投資信託のリスクには各種ありますが、投資では基本的に値動きがぶれる幅などのことをリスクと申します。本記事では誰でもできるリスクの対処方法についても考察します。こちらの結論は「なにもしない(ほったらかし)」ということです。投資信託のデメリットは、手数料(コスト)が高いものがある、途中で償還される(運用が終わってその時価で売却される)ことなどがあります。また、株式投資と投資信託の大きな違いは、分散の程度(あまり分散されていないか、すごく分散されているか)という違いが個人投資家にとっては大きなところです。それでは、詳しく・わかりやすく見ていきましょう。投資信託での投資におけるリスクや危険性とはどのようなもの?まず、投資信託には各種のリスクがあります。投資のリスクとは一般的に値動きの幅のことを指します。つまり、投資信託で投資を行った場合、買った時のお値段よりも高くなったり・低くなったりする、という可能性のことをリスク(値動きの幅)と申します。リスク(値動きの幅):一般的にはリスクとはマイナスなイメージで語られることが多い。しかし、投資の世界ではリターンの振れ幅のことなので、プラス(もちろんマイナスも)に大きく値動きがぶれることも「リスクが大きい」と表現される。そのため、投資信託での投資で特に重要なリスクは「価格変動リスク」と呼ばれるものです。ちなみに、リスクとリターンの効率を考えた場合、同じリスクの度合いなら、よりリターンが高い方が「効率が良い」という風に考えることが一般的です。効率が良い:長期的に見て同じような期待リターンなら、値動きの幅が小さい(リスクが低い)方が運用としては安定していることになるので、効率が良い、ということ。そして、その価格変動に影響を与える要因にはさらにいろいろとあります。どのようなものでしょうか。投資信託の各種リスクとは代表的な投資信託でのリスクには次のようなものが挙げられます。このような各種リスクが挙げられます。いずれも、未来のことですので、現時点では、はっきりといつ・どこで・どのくらい影響するのかが、不透明な状況です。投資信託のデメリットは手数料投資信託のデメリットは、先ほどのリスク(値動きの幅)のことではありません。確かに、一般的にはリスクは嫌われる存在です。しかし、投資においてはリスクがなければリターンが補償されないと考えられる世界です。リスクによってリターンが補償されるという考え方:リスク(値動きの幅)があるからこそ、世界中の金融機関などのお金の専門家は、リスク(値動きの幅)の大きさに応じてリターンがつくように現在の株価などの適正価格を求めると考えられます。つまり、預貯金のようにリスク(値動きの幅)がないなら、リターンは大変に低いものになります。また、株式のようにリスク(値動きの幅)が大きいからこそ、リターンが長期的・統計的には高くなる、と考えられます。これが、リスクによってリターンが補償される、という考え方です。つまり、投資信託を含む投資において、リスクは必ずしもデメリットではなく、重要なカギなのですね。それでは、投資信託のデメリットとは何でしょうか?それは手数料です。手数料は運用成果を押し下げるだけの存在です。そのため、手数料の高い投資信託を保有する、ということは資産形成においてデメリットとなります。どういうことでしょうか。下の図をご覧ください。※図表は筆者作成図表左端の運用成績は投資信託で分散投資をしている場合、誰に任せても上げたり下げたりすることが意図的にできません。統計的には「市場平均に連動するタイプのインデックス投資信託」と呼ばれるものが合理的だと考えられます。誰に任せても運用成果は変わらない:運用成果は、これまでに見た各種リスクや景気などによって、価格が変動することによって起こった結果です。勘違い(錯誤相関)してはいけないのが、誰かスゴイプロに高い手数料(コスト)を支払っても、運用成果は向上しない、ということです。一例:読者の方が筆者に年間十万円の手数料で、例えば日経平均株価に連動する投資信託を任せても、株価の動き(上がっても下がっても)は全く無関係であり、単に十万円を損するだけです。このような世界(おおむね効率的な市場)においては、手数料とは、単純に実質的な運用成果を押し下げるだけのものだと考えられます。ところで繰り上げ償還になったり、投資信託を解約するとどうなる?ちなみに、先ほど「繰り上げ償還リスクというものが出てきました。これは一般的には金融機関がその投資信託の運用を途中でやめてしまうことを意味しています。運用を途中でやめる理由としては、投資家の資金があまり集まらず、採算が合わない場合や、運用成績が振るわない、などがあるようです。繰り上げ償還されると、その時の時価で払い戻されることになっています。いわば投資信託を解約したことになるのですね。投資信託を解約すると、その時の時価の値段で損得が決まります。ここまで見てきましたように、価格変動リスクがあります。そのため、自分が買った時よりも高くなっていれば利益になります。反対に値下がりしていれば損失となります。買った時よりも安い値段で売ると、損失となる簡単で初心者の誰にでもできる!投資信託における「わかりやすい」リスクの対処方法の説明ここまでで、投資信託には価格が変動するリスクとその要因などについて理解をしてきました。それでは、投資信託のリスク対処方法について見てみましょう。わかりやすく結論を先に言うと「なにもしない(ほったらかし)」です。投資信託のリスクに対する対処法「なにもしない(ほったらかし)」投資信託のリスクに対する対処方法は「なにもしない(ほったらかし)」です。どういうことでしょうか。じつは、リスクには「中央回帰性」と呼ばれるクセのようなものがあります。※図表は筆者作成参考文献:敗者のゲームチャールズ・エリス上の図はリスクをイメージ化したものだと思ってください。左側の図を見ると、マイナスとプラスの幅(リターンの散らばり・値動きの幅)が同じようになっています。そして、ゼロ付近・中央がもっとも多く発生することが分かります。ここは「なんとなくそうかな」くらいの認識で構いません。また、左の図を値動きのイメージにしますと、右の図のようなイメージです。ゼロ付近がもっと多く発生し、プラスとマイナスの幅も同じようになっています。これは、平均があれば、振れ幅が上下同じようになる、というようなイメージでまずは構いません。これは、リスクには中央回帰性がある、ということを意味しています。ということは、どういうことでしょうか?長期で見ると、リスク(値動きの幅)のプラスとマイナスはほぼ等しいと考えられる。リスクには中央回帰性があるので、投資信託のリスクに対する対処方法は「なにもしない(ほったらかし)」ことで初心者でも自然に対処される可能性がある「中央回帰性がある」をもう少し分かりやすく表現します。次のような感じです。大きく値上がりするほどに、中央に戻る(値下がりする)力が強くなる大きく値下がりするほどに、中央に戻る(値上がりする)力が強くなるちょっと難しいですね。わかりやすく身近な例で例えますと、気温です。平均気温がそれぞれの都市にあります。ですが温度差があります(投資ではこの気温差がリスク(値動きの幅)です)。夏に気温が高く上がるほどに、中央に戻る(平均気温に近づく)冬に気温が低く下がるほどに、中央に戻る(平均気温に近づく)誰でも経験がありますね。また、平均気温(投資では過去の平均リターン)があるからこそ、気温差(リスク(値動きの幅))があります。平均気温は気温差からできています。投資のリスク(値動きの幅)は過去のリターンからできています。リスクには中央回帰性があると考えられる。つまり、なにもしない(ほったらかし)と、元に戻りやすいということ。事実、「なにもしない(ほったらかし)」方が運用成果は良くなりやすいリスクには中央回帰性があるとした場合、どのようにしたら、対処できるでしょうか。一つの答えは「なにもしない(ほったらかし)」です。おさらいですが、リスクとは値動きの幅でした。そしてリスクには中央回帰性があるのですから、どんどん下がっていっても「投資対象が合理的に分散されているなら」長期的に見て・過去からの統計的に見ても、中央に戻ると考えられます。ということは?そうです。なにもしないことで、自然とリスク(値動きの幅)の対処は完了します。これは初心者でもプロでも、どなたにでも簡単にできるリスクの対処方法です。実際になにもしない(ほったらかし)にした場合の運用成績を見てみましょう。※図表は筆者作成参考文献:日本経済新聞2018/8/2上記の図をご覧ください。通常の投資信託(左側)の青い棒が投資信託全体の期間10年の平均上昇率です。4%くらいありますね。つまり、なにもしない(ほったらかし)と、4%くらいの運用成績になるはずです。しかし、通常の投資信託のオレンジの棒が投資家の平均利益率です。なにもしない(ほったらかし)場合の半分の2%くらいしか成果が上がっていません。不思議ですね?なぜでしょうか。これはリスク(値動きの幅)に対処しようと慌てて(しかし多くの場合、賢く考えたつもりで)売買をしたがゆえに、こうなってしまいました。残念ながら、賢いはずの私たちはそれほど運用が上手くないのです。一方、右側がなにもしない(ほったらかし)運用の成果です。正確には確定拠出年金(iDeCo・イデコ)での運用成績です。確定拠出年金(iDeCo・イデコ)では、多くの人(一説にはほぼ99%近くの人)がなにもしない(ほったらかし)のです。これは普通の証券会社の口座で投資信託(ファンド)を保有しても投資対象が同じなら、同じ成績です。その結果は、ご覧のとおり、平均上昇率(右側の青い棒)を投資家の平均利益率(オレンジの棒)が超えています。なぜ同等ではなく、平均を超えているのでしょうか?それは、確定拠出年金(iDeCo・イデコ)では自動的に利益を非課税で再投資してくれるからです。そのため、平均を超えています。つまり、雪だるま式(複利効果が発生)にお金が増えているのですね。ですから、リスク(値動きの幅)に対処して慌てて下がった時に売り、高い時に買うよりも、なにもしない(ほったらかし)の方が「多くの人にとっては」良くなる、ということが見て取れます。これは、初心者の人でも、専門家でも、等しく起こることです。統計的に見ると、リスクに対する対処方法は「なにもしない(ほったらかし)」がベターになりやすい。それは、中央回帰性あることも関係している。投資信託と株式投資との違い、リスクとメリットについて最後に、株式投資と投資信託の違いやメリットそしてリスクについて見てみましょう。投資信託で国内・海外の株式投資を行うことの違いとメリットとは?リスクはどうなる?株式投資とは、一般的に個別の株式数社に投資をすることを指します。そして、投資信託でも株式投資ができます。投資信託はいわば入れ物です。この入れ物に株式を数十~数千社いれたようなものが株式主体の投資信託です。では、投資信託で株式投資をすることの違いとメリットはどのようなものでしょうか。それは分散投資がしやすいことです。個人で株式を数千保有することは、資金的に無理があります。しかし、分散したほうがリスク(値動きの幅)が小さくなります。分散とリスクに対する詳細は下記関連記事をご確認ください。投資信託で株式投資をすることで、リスクは個別の株式投資より小さくなります。これが投資信託で株式投資を行うことのメリットです。投資信託のリスクをFPが解説!株とは何が違う?まとめ投資信託のリスクとは、一般的に各種要因によって「価格が変動する」こと投資信託のデメリットとは、手数料が高いものがあること株式投資と投資信託の違いは、対象が広く分散されているか、そうでないか今回は、投資信託のリスクや対処方法、株式投資との違いを見てみました。リスクの対処方法については、「まさか、なにもしない(ほったらかし)方が良い成績になるなんて」と意外な結果に驚かれた人もいるかもしれません。しかし、ここに人と投資の本質が隠されているように筆者は感じます。この点を突き詰めて、理論的に考察していくと、結論としては「市場平均に連動するインデックス型投資信託を長期×分散×積み立て投資に徹して、なにもしない(ほったらかし)」という、非常に退屈な、しかし、大変に効率の良い答えに行きつくのではないでしょうか。
2019年03月26日本記事では投資信託の基準価格(価額)とは?について記しています。基準価格(価額):正確には投資信託の価格は基準価「額」(格ではなく額)なのですが、本記事では初心者の方にもわかりやすく、読みやすくするために、基準価格(価額)と表記させていただきます。投資信託の基準価格(価額)とは、それぞれの投資信託のお値段のようなものです。しばしば以下のよう誤解もあります。「基準価格(価額)が高い方がいい」「基準価格(価額)が低いのが割安だ」「基準価格(価額)が上がり続けているのが良い投資信託」結論から言いますと、そのようなことはありません。やさしく・詳しく見ていきましょう。投資信託の基準価格(価額)とは?どんな意味?上がる仕組みは?そもそも、投資信託の基準価格(価額)とは、どのような意味なのでしょうか。投資信託の基準価格(価額)とはいわゆるお値段のようなものです。投資信託の基準価格(価額)とは、いわゆるお値段という意味投資信託は「入れ物」のような存在です。国内外の株式や債券などの金融商品を「入れ物」に入れて、みんなでお金を出し合って購入する、というようなイメージです。これによって、個人でも少額で分散投資ができやすくなります。分散投資:投資対象を分散することで、分散していない状態よりもリスク(値動きの幅)を小さくすることが、誰にでも簡単にできる(自然に発生する)。ということは、この「入れ物」に入っている株式や債券などの金融商品の値動きが変動すると、投資信託のお値段である基準価格(価額)も変動する、ということになります。投資信託の基準価格(価額)はどう決まる?純資産総額÷口数=基準価格(価額)投資信託の基準価格(価額)は基本的に純資産総額÷口数で算出されます。純資産総額:投資信託のいまの価値のようなもの。「入れ物」に入っている金融商品の値動きによって変わる。口数:投資信託の受益権の単位。株式でいうと、一株に当たるイメージ。しかし、これは覚えなくても、理解していなくても特に運用や選び方には困りません。むしろ、これを難しく考えすぎて次のような誤解が生まれることの方が困ります。「基準価格(価額)が高い方がいい」「基準価格(価額)が低いのが割安だ」「基準価格(価額)が上がり続けているのが良い投資信託」これらについては、後半で解説します。ちなみに更新時間は当日ではなく、「入れ物」の中のお値段が確定した後日が一般的です。投資信託の基準価格(価額)が上がる仕組み投資信託の基準価格(価額)が上がる仕組みを身近な例で例えましょう。例えば、異なるアイドルユニットのコンサートチケットをカゴ(入れ物)に複数入れて、ネットオークション(市場)に出したとします。このように「入れ物」に複数の商品が入っているのが投資信託のイメージです。ネットオークション(市場)に公開されていますので、カゴ(入れ物)の価格は変動します。価格が上がる仕組みを見てみましょう。カゴ(入れ物)に入っているアイドルユニットの人気が全体的に上がれば値上がります(欲しい人が増えるため)。下がる仕組みも単純です。カゴ(入れ物)に入っているアイドルユニットの人気が全体的に下がれば、お値段は下がります(高いままだと買い手がつかないため)。仮に台風直撃(金融危機)などになればカゴ(入れ物)全体の価格は急落します。このようなイメージで投資信託の基準価格(価額)も中身の金融商品の値動きにより、変動していきます。ただ、前述のように分散してありますので、単品のアイドルユニットのチケットだけの値動きよりはマイルドになります(これが分散によりリスクが下がる、ということです)。投資信託の基準価格(価額)と手数料の関係は?投資信託の基準価格(価額)は、前述のような仕組みで上がったり・下がったりします。では、この基準価格(価額)からいつ手数料が引かれているのでしょうか?手数料:ここでは「持っている間」ずっと引かれていく「信託報酬」と呼ばれる手数料のことです。これは基準価格(価額)が更新されたときにはすでに引かれています。じつは、手数料がすでに引かれた状態が、私たちが目にする基準価格(価額)です。多くの人は「持っている間」ずっとかかる手数料については「お知らせ」が来ないので無頓着です。しかし、手数料は運用成果に直接関わる重要な問題です。投資信託の基準価格(価額)は分配金(株の配当のようなもの)が出るとどうなる?初心者の方に人気のある分配金ですが、これが出ると基準価格(価額)はどうなるのでしょうか?分配金:投資信託から受け取れるお金のこと。普通と特別の2種類がある。分配金が出ると、その分基準価格(価額)は下がります。つまり、その時点だけで見ると、損も得もしていません。非常に乱暴な表現をしますと、次のような感じです。Ⓐ分配金がない投資信:基準価格(価額)が1万円の場合→基準価格(価額)は1万円そのままですね。今度は分配金が百円あった場合です。Ⓑ分配金が百円の投資信託:基準価格(価額)が1万円の場合→分配後の基準価格(価額)は9900円分配金は百円合計は1万円このようになり、分配金「なし・あり」で全体的な金額は、この時点では、どちらも同じです。投資信託は分配金が出ないタイプの方が、長期では基準価格(価額)は大きくなりやすい?ただし、現実にはⒶの方が利益を内部で再投資するので雪だるま式にお金が大きくなりやすく、資産形成上は有利だと考えられます。一方、Ⓑの分配金がある方は、現実には利益としての分配金には税金がおよそ2割かかりますので、現実にはおよそ9980円となります。複利効果も得られず資産形成には不利だと考えられます。分配金が出ると、得をしたような気がするが、価値自体は得も損もしていない。税金と複利効果を考えると、分配金がないほうが有利。投資信託の基準価格(価額)は分配金の利回りの高さに影響する?また、分配金の利回りランキングなどで利回りが高いものが上位に上がることがあります。ただ、それらを見ると、基準価格(価額)が低いものが目立つことがあります。どうしてでしょうか?じつは、分配金の利回りは、基準価格(価額)が下がるほどに大きく「見える」という特徴があります。一例を挙げてみましょう。基準価格(価額)が1万円で分配金が百円→表面的な利回りは1%基準価格(価額)が5千円で分配金が百円→表面的な利回りは2%というように、基準価格(価額)が小さいほど、利回りが大きく「見える」ということになります。ただ、これは現実には、次第に私たちの出したお金が小さくなることを意味しています。資産運用で、ご自分の資産を次第に大きくしたい方にとっては、分配金の利回りが大きく「見える」ものに固執するのはよくありません。基準価格(価額)が小さくなるほど、分配金の利回りは大きく「見える」。しかし、特に意味はありません。投資信託の運用に基準価格(価額)は関係ある?高い方がいい?どう生かす?結論から言いますと、運用や投資信託選びにおいて基準価格(価額)はそれほど重要ではありません。それどころか投資信託の基準価格(価額)にとらわれ過ぎると、投資信託での資産運用が大変に間違った方向に行きやすくなります。わかりやすく見てみましょう。投資信託の基準価格(価額)と運用・選び方には基本的には関係がない下の図表をご覧ください。※図表は筆者作成時系列ごとに、同じ投資対象(例えば国内株式の市場平均に投資をする投資信託)が3種類あるとします。それぞれⒶⒷⒸです。中身は同じですが、それぞれ誕生した(設定された)時期が違います。そして、大切なのは、どれも基本的に1万円からスタートしている、ということです。投資信託の基準価格(価額)は高い方がいいは間違いな理由上記の図を見ると、「基準価格(価額)が高い方がいい」「基準価格(価額)が低いのが割安だ」「基準価格(価額)が上がり続けているのが良い投資信託」という考え方が誤りであることがわかります。わかりやすく解説します。まず、Ⓐは景気・株価が上がり始めてから誕生したので1万円から始まります。その後、Ⓑは景気・株価がかなり良い時期に生まれたのですが、やはり1万円から始まります。このとき、Ⓐは2万円で、Ⓑは1万円です。この時に、「ⒶとⒷどちらがお買い得か?」「どちらが優れているか?」と言われても、スタート時期が違うだけですので、「どっちでも一緒」と答えざるを得ません。しいて言えば手数料が低い方が「マシ」なだけです。投資信託の基準価格(価額)が低いのが割安だ、も間違い上記のような状況では、「いやいや、Ⓑの方が1万円で割安でしょう」と思われる人もいるかもしれません。しかし、そのようなことはありません。同じ種類のリンゴを1個1万円で買うのと、リンゴ2個を2万円で買うのと同じです。どちらを選んでも本質的には同じのと、一緒のようなものです。さらに時間が進み、景気が悪くなった場合に、Ⓒが生まれました。Ⓒはやはり1万円から始まります。このとき、Ⓐは0.7万円でⒷは0.3万円に基準価格(価額)が下がっています。この時に「ⒶとⒷとⒸどれがお買い得か?」「どれが優れているか?」と言われても、やはりスタート時期が異なるだけですので、「どれでも一緒」と答えざるを得ません。やはり、手数料が低い方が「マシ」なだけです。そして、上記のⒸが設定されたような時期になると、「基準価格(価額)が低いのが割安だ」と言っていた人々は「Ⓑは運用成績が悪いからダメだ。損切りだ」「ⒶよりⒷより、Ⓒが良い。乗り換えだ」などと思うかもしれません(先ほどの「低いのが割安」とは矛盾していますが、しばしば人はそう思います)。しかし、同じ中身(この場合は国内株の市場平均)なのですからどちらでも同じです。投資信託の基準価格(価額)が上がり続けることってある?また、ⒶⒷⒸいずれを保有していたにせよ、投資対象の値動きが悪くなってくると、「基準価格(価額)が上がり続けているのが良い投資信託」という勘違いもしがちです。仮にⒹのような値動きをする投資信託(対象が債券など)があったとします。※図表は筆者作成このとき、Ⓓはやはり1万円から始まります。そして、債券価格が上がっている状態などでは2万円になったとします。このとき、多くの人は近視眼的に「ⒶⒷⒸは下がっていてダメだが、Ⓓは上がり続けていて良い投資信託だ」と勘違いをしがちです。その結果、「よし、ⒶⒷⒸを売って、調子の良いⒹに買い替えよう」などと思ってしまいがちです。ただ、このような行動は単純に「高く買って・安く売る」という損をする行動を自ら実現しただけです。このように言語や図表で解説すると誰でも「高く買って・安く売る」のは「変な行動」だと思いますが、実際には「変な行動」に気が付かずに真面目に「変な行動」をしてしまうのが、普通の状態かもしれません。要注意です。投資信託の「基準価格(価額)は高い方がいい」は大間違い:まとめ投資信託の基準価格(価額)とは「入れ物」の中に入っている金融商品のお値段のようなもの投資信託の運用に、基本的に基準価格(価額)は関係ないのでとらわれ過ぎに注意!投資信託の基準価格(価額)が「安いのが割安」で「高いのが割高」ということではまったくない本記事では投資信託の基準価格(価額)について見てまいりました。本記事内で触れましたように、投資信託の基準価格(価額)にはそれほど大きな意味はありません。投資信託の運用で大切なのは、長期×分散×積み立て投資です。安い時ほど、損切りせずに「安く買う」ことが最終的に「高く売る(より現実的には取り崩すというニュアンスになるかと思います)」ことにつながるのではないでしょうか。
2019年03月22日本記事では、投資信託のリスクや種類、その対処法についてわかりやすく解説します。結論から言いますと、投資信託のリスクとは、値動きの幅を指すことが一般的です。また、そのリスクの種類には、価格変動リスク・為替リスクなどがあります。それらリスクに対する対処方法は「分散」することです。値動きの異なる投資対象に分散投資をするだけで、初心者の方にも、プロにも、同じくリスクが下がるという「少し良いこと」が起こります。それでは、詳しく見てみましょう。投資におけるリスクとは?まず、リスクとは何でしょうか?日常生活においては、しばしば「危険性」などと表現されます。しかし、投資におけるリスクとは「標準偏差・リターンの散らばり・リターンのバラツキ」のことを意味します。標準偏差≒リスク:ここでの標準偏差とは、リターン(収益率)の散らばりのこと。1標準偏差・2標準偏差・3標準偏差とある(本記事においてはここはまだ理解しなくても構いません)。初心者の方にとって重要なことは、リターン(収益率)の散らばりがリスク(値動きの幅)であるということ。つまり、リスクはリターン(収益率)からできている。また、リターン(収益率)はリスク(値動きの幅)からできている、ということ。標準偏差というと難しい印象を抱きます。どういう内容でしょうか。私たちの日常生活の気温で例えると、リスク(値動きの幅)とは、気温の振れ幅のことです。寒い日・暑い日、色々とありますが、およそ統計的にはしばしばその範囲(振れ幅)に収まります。この温度の散らばりこそが投資で言うところのリスク(値動きの幅)です。そして、リターン(収益率)とは、気温でいうところの平均気温のようなものです。つまり、平均気温(投資でのリターン)は気温の振れ幅(投資でのリスク・値動きの幅)からできています。また、気温の振れ幅(投資でのリスク・値動きの幅)があるので、平均気温(投資でのリターン)が存在します。もちろん、気温と投資の値動きは異なりますが、初心者の方向けの最初の理解としては、このイメージをまずは持っておいていただければ話が分かりやすくなると思います。投資の世界では、リスクが大きいということは、短期的(1年間など)に見た場合、大きく損得する可能性がある、ということを意味しています。リスクとはマイナスだけでなく、プラスの振れ幅も指すことが一般的です。すなわち「リスクが大きい」ということは、「価格の振れ幅が大きい」ことを意味しています。ですから、短期的に見ると、大きく得をしたり、損をしたりすることも意味しています。リスクとは、値動きの振れ幅のこと。プラスになってもマイナスになっても、どちらもリスクと表現されることが一般的。投資信託のリスクの種類それでは、投資信託には、どのようなリスクがあるのかを見ていきましょう。大きくは以下4つございます。順に詳しくみていきましょう。価格変動リスク金利変動リスク為替リスクカントリーリスク1. 価格変動リスク代表的なリスクとして挙げられるものが価格変動リスクです。これは、文字通り基準価額が変動するリスクを指しています。基準価額:いわゆる投資信託の価格のこと。投資信託という入れ物に入っている金融商品の値動きに応じて、基準価額も変動するつまり、投資信託を持つ(投資をする)ということは、元本保証ではなく、常に価格が変動し、元本が割れてしまう(損する)可能性を背負う、ということを意味しています。イヤなことに思えますが、イヤなことを背負うからこそ、リターンという見返りが得られるということです。これがリスクによってリターンが補償(保証ではない)される、という考え方です。そうでなければ、世界中の年金機構や金融機関の誰もリスクを背負わず投資などしないことになります。2. 金利変動リスク金利変動リスクとは、文字通り金利が変動してしまうことにより、価格が変動するリスクを指しています。金利とは、一般的には十年国債利回りを指します。乱暴に言いますと、金利が低いと、住宅ローンなどの借金がしやすいですし、高いと借金がしにくいものです。一例ですが、そんな金利が変化すると投資信託の価格はどうなるでしょうか?一般的には次のようになるだろうと考えられます(現実にはこの通りにならないこともあります)。※近年では、このようにはならず、債券も株式も同時に下がったり、上がったりすることもあります。金利が上昇すると、なぜ債権の価格が下落して、利回りが上昇すると考えられるのか?初心者の方には「なんでそうなるの?逆じゃないの?」という疑問が浮かぶかと思います。しかし、中身は簡単です。日常生活のお買い物で例えます。夕方のスーパーで出来立てのおいしいお惣菜が300円で売っています。その場合、誰でも前日に作られた売れ残りのお惣菜を同じ300円では買おうとしません。古いお惣菜を売るには、価格を下げないといけません。同様に、金利が上昇した世界では、新しい債券は普通のお値段で金利が高い状態です。その世界では、すでにあった債券は金利が低いので、そのままのお値段では売れません。そのため、金利が上がると価格は下落します。また、価格が下落するということは、(少し難しいですが分母が小さくなったので)金利が上がることになります。3. 為替リスク為替変動リスクというものもあります。これはどういうことでしょうか。一例ですが、私たちは日本に住んでいますので、日本円に換金して普段のお買い物をします。しかし、投資信託を通じて、海外の株式・債券などにも投資をすることができます。その際、私たちが投資をしたお金は、現地の通貨で働きます。ザックリ言うと、外貨で運用をしていることになります。ということは、それを円に換算した場合には、為替というものの影響を受けることになります。為替の話をすると、非常に難しくなりますので、話をシンプルにさせていただきます。ザックリ言うと、円安という状況になると有利になりやすく、円高という状況になると不利になりやすくなります。そのため、海外の株式や債券主体の投資信託(ファンド)自体の運用成績が良いとしても、大きく円高になっていると、全体ではマイナスになっていたりもします。これが為替リスクです。この「円安になるか、円高になるか?」というのは、未来のことなので分かりません。為替リスクの性質に関しては、丁半博打のように、「丁か半か」「円安か円高か」というどちらかの状況に賭けている面が強くなります。その為、為替リスクを背負う場合は、その点を理解して行うことが重要です。また、為替リスクを背負うなら、外貨預金などのように、生産に積極的に参加していない資産ではなく、外国株式・外国債券などのように、生産に積極的に参加している資産に投資を行うことも理論上は重要だと考えられます。4. カントリーリスクカントリーリスクとは、その国における出来事に対するリスクです。例えば、ある特定の国の株式や債券に投資をする投資信託があったとします。そうすると、その国の政情や自然災害・景気などの影響を大きく受けてしまいます。株式主体の投資信託のリスクは大きいけどそこが逆に利益(期待収益率)においては魅力的?投資信託においては、株式と債券の2種類がいわゆる「伝統的資産」です。この株式と債券は、どちらがリスク(値動きの幅)が大きいでしょうか。一般的には次のように考えられています。つまり、次のような認識が一般的です。株式主体の投資信託(ファンド)はハイリスク・ハイリターン債券主体の投資信託(ファンド)はローリスク・ローリターンただ、上記はあくまでも、一般的な株式と債券に対するザックリとした認識です。実際には、債券であっても、ハイリスクな投資対象ばかりを組み入れている投資信託もありますので、一概には言えません。国内株式・外国株式・国内債券・外国債券のそれぞれのリスクと利益(期待収益率)のイメージ図それぞれの資産クラスのリスクとリターンを大雑把にイメージ化すると、次の図表のようになります。資産クラス:国内株式・外国株式・国内債券・外国債券などのように、資産を組み分けしたもの。投資信託での投資を考える際は、この資産クラスをどのように組み合わせるかがとても重要だと考えられる。ちなみに、資産クラスの組み合わせにより、運用成果の8割が決まる、とも言われている。※図表はあくまでもイメージです。この図からも見て取れるように、おおむねリスクとリターンは比例すると、考えられています。※必ずいつでも比例するわけではありません。初心者の方でも簡単にできる、投資信託のリスクの対処方法は【リスク分散】このように、魅力的な投資信託であっても、常にリスク(値動きの幅)があります。ただ、できればリスクは小さくしたいものです。どのようにしたらリスクを小さくできて効率の良い投資になるでしょうか。効率の良い投資:一般的に同じリスク(値動きの幅)なら、期待リターン(将来の期待収益率)が大きい方が効率が良い投資と捉えられる。しかし、投資のリターンは未来のことなので、そもそもの数字があまりあてにならないと考えられる。過信は禁物。投資の非市場リスクは、分散することで簡単に初心者でも低減できる【リスク分散】じつは、投資におけるリスク(値動きの幅)は、初心者の方でも簡単に小さくできます。その方法は投資対象を「分散」する「だけ」で良いのです。つまり、分散投資をする「だけ」でリスク(値動きの幅)が小さくなります。なぜでしょうか?例えばコンビニエンスストアです。もしもコンビニで「食パン」しか売っていないと、売り上げはどうなるでしょうか?一般的に夏は食パンが売れませんので、夏には売り上げが小さくなり、冬には上がります。投資でいうところの値動きの幅(リスク)(この場合は売り上げの幅)が大きい状態です。リスク(値動きの幅)を小さくするにはどうしたらいいでしょうか?答えは、「サンドイッチを置けばいい」です。つまり、対象を分散したのですね。こうすることで、夏と冬との売り上げ差が小さくなりました。つまりリスク(値動きの幅)が小さくなりました。※図表は筆者作成さらに小さくするにはどうしたらいいでしょうか?答えは、「文房具・乾電池・肉まん・ジュース・おでん・お茶・ストッキング・ライター・雑誌などなど、とにかく品数を増やせばいい」だけです。こうすることで、年間を通じての売り上げ差、つまりリスク(値動きの幅)を小さくすることができます。すなわち、投資の場合も同様です。投資対象を分散する「だけ」で初心者の方でもリスク(値動きの幅)を小さくできます。そして、投資信託は、それ自体が一軒のコンビニのようにあらかじめ分散されている存在です。ということは、後はカンタンですね。理論上は、国内株式・外国株式・国内債券・外国債券などの資産クラスが異なる4種類程度に分散投資をすると、リスク(値動きの幅)がより小さくなることになります。コンビニでいうと、地域の違う4店舗のコンビニオーナーになるイメージです。ただ、どんなに分散をしても、リスク(値動きの幅)は残ります。台風(金融危機)が来れば、どこのコンビニの売り上げも下がります。こればかりはどうしようもありません。ただ、分散していないよりは被害が小さくなります。リスクに対する対処方法:投資対象を分散するだけでリスク(値動きの幅)は下がる。この点において初心者とプロの差はない。また、プロが運用して効率よく分散投資をしてくれている金融商品、それこそが投資信託。投資信託での投資では初心者でも長期保有が重要このように、投資信託で投資を行えば、初心者の方でも簡単にリスクを小さくすることができます。しかし、どの投資信託でも同様ですが、短期間(1年や5年程度の短期間内)に投資信託を売買した場合には、この分散によるリスク低減効果があまり望めないこともあります。そのため、投資信託では長期保有が重要です。この長期という期間は、20年30年、あるいは一生涯という長い期間です。つまり、長期保有とは短期間のリスク(値動きの幅)で利益を得る投資スタイルではありません。長期的にリスク(値動きの幅)を背負うことで、期待リターン(将来の期待収益率)を追うものです。ただ、それでも確実にうまく行く、という保証はありません。投資信託のリスクまとめ投資信託のリスクとは、値動きの幅のことを指すことが一般的「どうでもいいリスク」は「分散」するだけで、誰でも簡単に打ち消せるから、「どうでもいいリスク」は背負わない方が良い理論上は分散するとリスク(値動きの幅)は低減できるけど、短期では丁半博打になるので「長期×分散×積み立て」が大切本記事では、投資信託のリスクとはどのようなものなのか、種類や対処方法について見てみました。おさらいですが、リスクとは値動きの幅からできています。つまり、リスクはリターンのバラツキ(散らばり)からできています。これを難しく言うと標準偏差と言いました。投資信託のリスクには、いろいろありますが、基本的には諸要因によって価格が変動する幅のことです。債券主体の投資信託よりも株式主体の投資信託の方がリスクは高い傾向にあります。そして、リスクとリターンはおおむね比例すると考えられます。そして、効率の良い投資を求めると、投資対象を分散することが重要でした。それは、分散するとリスク(値動きの幅)が小さくなるからです。初心者の方でも専門家でも、同様のことが起こります。そして、あらかじめある程度分散投資がされている金融商品が投資信託です。リスク(値動きの幅)は普段、頭ごなしに嫌われる存在だと思います。ですが、その中身をよく見てみると、意外な姿だったのではないでしょうか。リスクと仲良くなって、きちんと理解をしてあげると、新しい気づきがあるかもしれません。
2019年03月12日本記事では、「投資信託の分配金とは?」「分配金の種類(普通分配金・特別分配金)」「分配金の受け取り方法(受け取りコース・再投資コース)のメリット・デメリット」そして「受取と再投資、どちらを選ぶのが得?」という点について、わかりやすく解説していきます。先に結論を記します。現役時代の資産形成期には再投資が重要と考えられる毎月分配型は理論上は資産形成において不利と考えられる一体、どういうことでしょうか。なんだか、意外な気もします。その理由をわかりやすく解説します。投資信託(ファンド)の分配金とは?2種類の分配金について、基本をわかりやすく解説します投資信託(ファンド)とは様々な金融商品を入れることができる、入れ物のようなものです。私たちは投資信託を通して、誰でも簡単に少額から分散投資をすることができます。そして、投資信託の中身の金融商品によっては、分配金と呼ばれるお金が受け取れることがあります。投資信託によっては、分配金と呼ばれるお金が受け取れるものがある投資信託(ファンド)の分配金の種類は、普通分配金と特別分配金の2種類。見方をわかりやすく解説この、投資信託(ファンド)の分配金には以下の2種類があります。普通分配金特別分配金(元本払戻金)お金が受け取れるのですから、どちらでもとてもうれしい気がします。それぞれどのようなものでしょうか。詳しく見てみましょう。分配金には「普通」と「特別」の2種類がある投資信託の普通分配金。利益だから基本的に税金がおよそ20%かかりますまず、普通分配金です。これは私たちにとっては「利益」にあたります。どのような時に受け取れるのでしょうか?例えば、投資信託(ファンド)の運用成績が良い時には利益としての普通分配金が受け取れます。利益ですから、基本的に税金がかかります。20.315%かかります。例えば、1万円の普通分配金が出たなら、税金としておよそ2031円引かれるのですね。そして、私たちの手元に受け取れるお金(手数料(コスト)など無視)はおよそ7969円です。これは、利益ですから仕方がありません。ちなみに税制優遇されているiDeCo(イデコ)やつみたてNISAでは基本的に非課税です。iDeCo(イデコ)とは?わかりやすく簡単に解説!知って得する税制優遇制度!投資信託の「特別分配金」は手数料(コスト)の高いATM?では、もう一つの特別分配金とは、どのようなものでしょうか。iDeCo(イデコ)とは?わかりやすく簡単に解説!知って得する税制優遇制度!「特別」とついていますので、なんとなく良いイメージを抱きがちですが、そうではありません。特別分配金は別名「元本払戻金(がんぽんはらいもどしきん)」と呼ばれています。何でしょうか。それはつまり、「私たちの出したお金(元本)が払い戻されるだけ」のお金なのです。利益ではありません。利益ではないのですから、当然ながら税金もかかりません。この特別分配金(元本払戻金)について、以下のように勘違いをすることが良くあります。税金がかからなくてラッキー(毎月分配型などの場合)毎月お金がもらえてお徳だこれは本当にそうでしょうか。例えば、銀行預金なら、税金はもちろん、手数料もかからずに自分のお金を引き出すことができます。しかし、投資信託では、毎日「信託報酬と呼ばれる手数料(コスト)」が発生しています。つまり、高い手数料を支払いながら自分のお金を引き出しているATM状態、によく似ています。とてもお得とは思えません。特別分配金(元本払戻金)は、一見するとお得な気がしますが、意味はありません。むしろ、元本が痩せやすい種類ですので、注意が必要です。投資信託の分配金の受け取り方法2種類(受け取りコース・再投資コース)メリット・デメリットを解説&比較今度は、投資信託の分配金の受け取り方法について見てみましょう。分配金の設定がある投資信託の場合、分配金の受け取り方法を選択できる場合があります。分配金の設定がある投資信託:分配金の設定がない投資信託もあります。本記事では、次の2種類について見てみます。分配金受け取りコース分配金再投資コースなんとなく直感的には「受け取りコース」の方がお得感が感じられるかもしれません。それぞれのメリット・デメリットを見てみましょう。分配金受取コースとは?投資信託の分配金受け取りコースとは、文字通り分配金を受け取る方式です。メリット目先の利益が手に入る(普通分配金の場合)デメリット分配金を受け取るたびに、基準価額が下がる(資産が痩せていき、複利効果を活かした資産形成になりにくい)特別分配金(元本払戻金)の場合、高い手数料を支払って、自分のお金を受け取っただけになる(やはり資産が痩せる)基準価額:いわゆる投資信託の価格のこと。例えば、基準価額1万円の投資信託があり、分配金を100円出したとする。基準価額は9900円になる。投資家のその時点の総額は、分配後の基準価額9900円+普通分配金100円=分配前の基準価額1万円となり、ここだけ見ると、得も損もしていない。しかし、多くの人は分配金を受け取ると「得をしたような気持ち」になりやすい。上記のように、分配金と分配後の基準価額の総額は分配前の基準価額と同様であり、基本的に損得をしていません。しかし、このように、「分配金」というお金の名前がついてしまうと、人は「まるで違うお金・得をした」と感じてしまいやすくなります。行動経済学ではメンタル・アカウンティング(心の会計)などと呼ばれます。メンタル・アカウンティング:例えば、初めてのアルバイトで手にした1万円と、重役になってから手に入れたお給料の中の1万円では、重みが違うように感じる。しかし、両者はあくまで同じ1万円であり、その人がお金に色(想い)を付けただけに過ぎない。分配金再投資コースとは?投資信託の分配金再投資コースについて見てみましょう。こちらは、分配金が出た場合、同じ投資信託に再投資をしてくれるものです。メリット:複利効果が働きやすくなる(お金を大きくしやすくなる効果が見込める)デメリット:普通分配金の場合、利益なので税金がかかる特に重要なのが、複利効果が働きやすくなる、ということです。どういうことでしょうか。これはつまり、お金を雪だるま式に増やす形式ですよ、ということです。20年、40年などの長期での資産形成を行う場合は、とても重要な考え方です。分配金再投資コースを選ぶなら、内部で自動的に再投資してくれる投資信託を選んだ方がお得?上記のように、分配金再投資コースを選ぶということは、複利効果を得やすくする、というものです。しかし、分配金再投資コースでは、一度外部に利益を支払った形になりますので税金がおよそ20%もかかります。合理的に考えるのであれば、税金が2割も引かれた状態で再投資をするのは、効率が悪いことです。それなら、分配金の設定がない投資信託(内部で自動的に再投してくれる)を選択しておけば、2割もの税金を引かれることなく、より効率的に資産形成ができます。ちなみにiDeCo(イデコ)と呼ばれる税制優遇制度で投資信託を買えば、分配金などの利益は自動で再投資してくれます。これが複利効果を発揮するには一番有利です。つまり、理論上はお金をもっとも大きくしやすい、ということです。投資信託の分配金の2種類のメリット・デメリットまとめ少し難しくなってきましたので、まとめておきましょう。分配金の受け取り方法とは異なりますが、分配金のない(内部で再投資をしてくれる)投資信託も比較のため、まとめます。資産運用では、「効率の良い・悪い」「合理的・非合理的」というレベルでの差はありますが、どの方法が良いかというのは、個人が好きなように決められます。ただ、それでも理論上、効率の良いものはどのようなものだと考えられるのか、について知っておくと良いかもしれません。結局、投資信託の分配金は「受取と再投資」どちらを選ぶのが得?それでは、投資信託の分配金に関しては「受け取りと再投資」、理論上はどちらが良いのでしょうか。結論から言いますと、再投資コースが、資産形成においては有利だと考えられます。どうしてでしょうか。投資信託での資産形成の方法は、ニワトリたちを増やすのと同じ?少し、話がそれるように感じるかもしませんが、あなたがニワトリをたくさん買っているとします。あなたは、ニワトリが大好きなので、たくさん増やさないといけません。次のうち、どちらがより効率よくニワトリを増やせるでしょうか?ニワトリが産んだ卵を片っ端から食べるニワトリが産んだ卵を孵化させて、大きく育てる正解は2ですね。話を資産運用に戻します。1は「受け取り」です。そして、2が「再投資」です。資産形成においては「再投資」が効率が良いと考えられる。投資信託の分配金に対しては双曲割引が働くので、分配金を受け取りたくなるのは自然なこと。しかし、お金は増えにくい単純なお話ですが、理論上は、利益を再投資して長期(数十年)でお金を大きくした方が有利になりやすくなります。しかし、私たちはついつい、双曲割引が働き、目先の利益である分配金を受け取りたくなります。双曲割引:近いものは、遠くの魅力的なモノよりも、より魅力的に見えやすい現象。例えば、ダイエットや適度な運動をすれば将来的に健康に過ごせるのは、頭では分かっている。しかし、目の前のお菓子の誘惑には勝てない、のと同じこと。資産運用でも、再投資をした将来の大きなお金よりも、目先の分配金を受け取る誘惑に負けてしまいやすい。毎月分配型投資信託は資産形成においては手数料も高くて不利になる?また、投資信託の中には、毎月分配型投資信託というものもあります。文字通り、毎月、分配金(普通・特別)が受け取れる種類のものです。前述の双曲割引がありますので、多くの人はこのタイプが魅力的に思えます。しかし、ここまで見てきましたように、複利効果がうまく発揮できません。ニワトリで例えると、ニワトリが少なくなるので増えにくい、ということです。金融庁の方からも、以下のように情報を発信しています。分配金を出している投資信託の場合、元本の払戻し(特別分配金の支払い)や運用成果の悪化により基準価額が下がると、分配金利回りが上昇することになる。このように、分配金利回りランキングの上位は、必ずしも運用成果の良い投資信託とは限らない。毎月分配型投資信託は、分配頻度の少ない投資信託よりも、信託報酬が高くなる場合があるほか、毎月分配型投資信託を再投資した場合、分配金にかかる税金の分、複利効果が悪くなる。出典:金融庁 平成27事務年度金融レポート投資信託の分配金の仕組み:まとめ投資信託の分配金には、普通分配金と特別分配金の2種類があるじつは特別分配金はもらうだけ損になりやすい受取と再投資、選ぶなら理論上は再投資の方が合理的今回は、投資信託の分配金の仕組み・受け取り・再投資などについて見てみました。また、直感的に考えた場合と、理論的に考えた場合では、多くの人にとっては正解が異なることになることもしばしばあります。結局のところ、選ぶのは投資家自身です。しかし、ほんの少しの考え方の差が、長期投資では大きな差になることがあります。納得のいくまでじっくりと考えても良いポイントかもしれません。
2019年03月10日本記事では、投資初心者の方に向けた、投資信託の始め方と、おすすめファンドの選び方をわかりやすく解説します。投資信託とファンド:投資信託とは、複数の金融商品が入った分散投資に適した金融商品のこと。投資信託のことをファンドと呼ぶこともある。広義のファンドとは運用する機関などを指すこともあるが、本記事内では、投資信託=ファンドとする。結論を先に言いますと、投資信託初心者の方に気を付けていただきたいおすすめファンドの選び方・見方は以下の4点です。よくわからないものは無視する長期投資では株式主体にするコストが0.3%より高いものは選ばないインデックス型投資信託を選ぶそれでは、詳しく見ていきましょう。そもそも、投資信託とは?わかりやすく簡単に解説しますまず、投資信託とはザックリ言うと「みんなでお金を出し合って、運用は運用者に任せる」という金融商品です。みんなでお金を出し合いますので、投資信託を利用すると、少額でも投資を行うことができます。現在では、百円から世界数十か国の数千の株式や債券に分散投資をすることもできます。投資信託の仕組み:運用者はファンドマネージャーと呼ばれる、個人やチームを指すことが一般的。その他に、販売・企画する機関や財産を分別管理する信託銀行などが投資信託を構成している。投資信託をさらに簡単に言うと「なんでも包める風呂敷」みたいなものさらに投資信託をイメージ的に表現します。投資信託とは、大きな風呂敷の中に複数の金融商品を入れたようなものです。投資信託とは、分散投資に適した金融商品投資信託について、よりわかりやすく詳細に記した記事は、こちらです。ご興味のある方はご一読いただければ幸いです。投資信託に関する大切なメリット・デメリットについてわかりやすく解説しています。投資信託と株式投資との違いをわかりやすく解説します投資信託を行ったことがない初心者の方の頭の中に浮かぶ疑問としては「投資信託は株式投資や債券投資とは別物なの?」という疑問ではないでしょうか。この疑問の答えは、「イエスでもあり、ノーでもある」です。どういうことでしょうか。投資信託は前記の通り、イメージ的には大きな風呂敷の中に複数の金融商品を入れたようなものです。ですので、株式ばっかりをたくさん入れることもできます。もし、個人投資家(私たち)がその「株式ばっかり入った投資信託」を買えば、それは投資信託で株式投資をしていることになります。また、債券ばっかりをたくさん入れることもできます。それを買えば、私たちは投資信託で債券投資をしていることになります。その他にも、不動産投資をすることもできますし、金(ゴールド)投資を行うこともできます。さらにそれ以外にも、海外の株式・債券・不動産などにも誰でも手軽に分散投資が少額からできます。別の言い方をしますと「投資信託という中身の金融商品はなく、投資信託は、いろいろな投資商品を包み込める入れ物」という言い方もできます。投資信託と使うと、株式投資や債券投資ができる。しかも、合理的に分散投資した状態で行える。投資信託の始め方を3ステップで説明それでは、投資信託の始め方をわかりやすく3ステップで見ていきましょう。証券会社に口座を開く自分の口座にお金を入れる投資信託を選んで、買う1. 証券会社に口座を開く最初のステップは、証券会社に投資用のあなた専用の口座を開くことです。証券会社:銀行や郵便局や、対面形式の証券会社もある。しかし、これらは一般的に人件費や家賃が高いため、自然と私たちが負担する手数料(コスト)が高くなりがち。手数料(コスト)が高いと、その分だけ運用成績が押し下げられる。そのため、手数料(コスト)の低い大手のオンライン証券会社を選ぶことが、理論上は望ましいと考えられる。この口座は、投資信託を買うための「お財布」のようなものです。お財布ですから、その口座にお金がないと、基本的に投資信託を買うことができません。現在では、インターネット上で口座開設のための資料請求ができます。届いた資料に記入などして、必要書類とともに返送すると、口座を開設できることが一般的です(証券会社により異なります)。また、残念ながら特定の○○証券で買えばいわゆる「平均」を上回るスゴイ成績が出せる、ということはありません。証券会社はオンライン証券会社が手数料(コスト)が安い傾向にあり、結果としてお得になりやすい。2. 自分の口座にお金を入金する証券会社などの自分専用の口座が開設できたら、お金を入金します。基本的にこの入金したお金の範囲内で取引を行います。現物取引などと呼ばれます。入金額は少額でも問題ありません。投資初心者の方こそ、最初のうちは数百円などの少額で行ってみるのが良いでしょう。金額が高額でも少額でも、金融商品の値動きのパーセンテージ(%)は変わりません。つまり、少額でも高額の投資と同じ経験を積むことができます。これを保有効果と言います。保有効果:行動経済学などでは、自分の持ち物は価値が高い、などと感じてしまう効果を指す用語。しかし、同じ用語で「投資信託などを持っているだけでも、経験がたまり、理解が深まること」などを表すこともある。一例:アイドルの曲を聴いていると、自然と生活の中でもアイドルの情報が入ってきて、いつの間にかメンバーの詳しい情報が頭の中に入っている。投資においても同様で、少額でも投資をしていると、自然と金融知識が増えやすくなる傾向にある。3. 投資信託を選んで買うお金が入金できたら、投資信託を購入することができます。購入したい銘柄(ファンド)を選んで、投資信託を購入します。もちろん売ることもできます。投資全般に言えることですが、基本的に利益を上げるには「安く買って、高く売る」ことが重要です。その差益が売却益となります。投資信託を始めたい、初心者でもできる、投資信託(ファンド)の見方・選び方を説明しますそれでは、初心者の方にもわかりやすい投資信託(ファンド)の見方・選び方を見てみましょう。初心者の方に気を付けていただきたい、投資信託の見方・選び方結論を先に言いますと、以下の4点です。よくわからないものは無視する長期投資では株式主体にするコストが0.3%以下より選ぶインデックス型投資信託を選ぶ1. よくわからないものは選ばない投資信託は国内だけでも五千本とも六千本ともいわれる商品数があります。これだけあると目を通すだけでも一苦労です。しかも、名前もカッコいいものやら、星(☆)がたくさんついているものなどたくさんあり、思わず目移りしてしまいます。しかし、どのように名前がカッコよくても、星がたくさんついていても、ランキングが上位でも、前年(または過去)の運用成績が良くても、それらはじつは、あてになりません。また、どれを買っても、長期的に見れば「ほぼ確実に買った時よりも値下がりする時がくる」のが普通です。その時に慌てて売ると、「高く買ったものを安く売る」という損をする行動に結びつきます。大事なのは中身です。普段の私たちの洋服選びと同じ感覚で良いのです。大切なのは、中身です。誰だって、洋服を買う時に、黒い袋の中に入っているサイズや色、デザインが不明の謎の服を買う人はいませんよね。もし、中身が「よくわからない」ものがあったら、それらは「全て無視」して構いません。まずはこれを覚えておいてください。中身がよくわからないものは選ばなくていい。焦って買う必要はどこにもない。焦って「買いたい」という気持ちが強い場合は、心理的にバイアス(歪み)が生じていて損をしやすい行動をとりやすいので、いったん落ち着きましょう。投資信託のリスクとは?初心者の方にも分かりやすく投資信託は、基本的に「どれを買ってもいつか損する時はきます」という金融商品です。このようにいうと、驚かれるかもしれませんが、そういうものです。損をしている状態、買った時よりも値下がりしている状態を「含み損」と言います。これは、どのような投資信託を買っても、基本的に「いつか必ず含み損」になる時が来ます。これを価格変動リスクと言います。もちろん、値上がりした状態「含み益」にもなります。一般的に、リターンが高い投資信託ほど、この価格変動リスクは大きいです。投資の世界では、基本的にリスクとリターンはおおむね比例する2. 長期でできる人はリスクが高い株式主体にする投資信託を買う目的は何でしょうか?それは、資産形成のためです。そして資産を形成するためには、リターンとリスクの大きな金融商品を長期で保有することが理論上は大切です。リターン:収益率ともいう。未来のことは分からないので、投資の場合は「期待リターン」と呼ばれることも一般的。基本的に「期待リターン」は未来のことなのであまりあてにならない。過信には注意。では、リターンとリスクが大きい金融商品とは何でしょうか。それは株式です。参考文献:「敗者のゲーム原著第6版」チャールズ・エリス著上記の表を見てみますと、およそ86年間での年率リターンでは、リスクの高い株式の方が高くなっています。そのため、ここだけを見ると、長期投資ができる人にとっては、リスクとリターンはおおむね比例すると考えられるので、株式を保有することが重要だ、と考えられます。しかし、現実的には、すべての人が長期投資ができるとは言えません。そのため「近々お金が必要だ」という人は預貯金を重視すべきです。また、「大きく減るのはイヤだし、お金を将来あまり大きくしたくない」という人がいた場合には債券の比率を増やすことも選択肢として挙げられます。しかし、20年間や40年間など、いますぐ使わないお金がある場合は、できるだけ大きくした方が良いのではないか、と合理的な投資では考えることもできます。ちなみに「つみたてNISA」と呼ばれる投資制度では、基本的に株式主体の投資信託しかありません(一部バランス型あり)。この理由をじっくり考えてみることが、長期投資では重要ではないでしょうか。長期間投資ができる人にとっては、ハイリスク・ハイリターンの株式が効率が良いと考えられる。しかし、実際には、人によりやはり異なる。投資信託は貯金代わりになる?ならない?投資信託は価格変動リスクがあります。そのため、投資信託は貯金代わりになりません。投資信託を貯金として使うのは、あまり合理的とは言えないかもしれません。資産が減ると困る人は、安全資産(預貯金・個人向け国債)をメインに考えることが重要です。3. 手数料(コスト)が高いものは選ばない投資信託には、手数料(コスト)がかかります。とりわけ、信託報酬と呼ばれる手数料(コスト)は0.3%以下から選ぶことが重要です。その理由は、手数料(コスト)は、運用成果に寄与しないからです。投資信託は複数の金融商品を入れているものですから、投資初心者の方からすると手数料(コスト)が高いということは、特別な運用をしているのだから、その手数料(コスト)分だけ、運用成績が良いだろうという誤解をしてしまいがちです。しかし、現代の市場では手数料(コスト)をかけると、その分だけマイナスになってしまうだろうと考えられます。その理由は、どの金融機関の運用者も賢いからです。全員が賢い世界では、コストを多くかけた方が不利になってしまいます。信託報酬と呼ばれる手数料(コスト)は0.3%以下から選ぶ投資信託の2つの種類、アクティブ型とインデックス型投資信託には大きく分けて2種類があります。スタイル内容コスト現実の運用成果アクティブ型投資信託市場平均を超えることを目標とする高い傾向連続しては市場平均を上回りにくいインデックス型投資信託市場平均と連動することを目標とする低い傾向コスト分だけ市場平均を下回る非常に乱暴に書きますと、この2種類です。アクティブ型とインデックス型、どちらが良いと思いますか?4. インデックス型を選ぶ初心者・プロ問わず、投資信託を選ぶ際には、インデックス型投資信託を選ぶことが合理的だと考えられます。インデックス型投資信託:大きな風呂敷に「市場の平均」を入れたようなイメージの投資信託。これを選ぶことで、市場平均に投資をしたのと同じような効果が得られる。ただし、手数料(コスト)分だけ市場平均を下回る。投資初心者の方が前記の表を見ると、「アクティブ型投資信託と呼ばれるものが、市場平均を超えるし、手数料(コスト)も高いし、良さそうだ」とやはり誤解をしがちです。しかし、現代の市場では金融機関などのいわゆるプロ(おりこうさん)が9割のお金を運用している、と言われています。結論から言えば、「市場平均」と呼ばれるものは「世界中のお金のプロが知恵を出し尽くした結果」と酷似しています。別の言い方をすれば、「アクティブ型の(効率的な)平均、かつコストが低いもの、それがインデックス型」です。ですから、長期間投資を行い、資産形成を合理的に行うには、コストが安く、アクティブ型の(大変に効率的な)市場平均である、インデックス型投資信託を選ぶことが重要です。理論上合理的だと思われる投資対象はインデックス型投資信託。それはアクティブ型が優れていればいるほどに、効率的になる存在。初心者向けの投資信託の運用のコツは?それでは、投資信託の初心者(そしてプロでも)おすすめの運用のコツをわかりやすく見てみましょう。投資額は毎月、少額でも良い。資産形成のカギは「長期×分散×積み立て」まず、積み立て投資が合理的です。じつは、プロでも投資のタイミングは読めないからです。そして、投資対象を世界中に分散します。これがいまでは数百円から誰でもできます。そして、投資期間は1年や2年ではありません。20年・30年という長期で行うことが重要です。その理由は、1年や2年では、どのように分散投資をしても「丁か半か」のように、値動きが投機的になってしまうからです。木を育てるように、長く大きな目で見守ります。短期的に見れば、木は冬には枯れます。しかし、枯れたときに「この木はダメな木だった」と言って、伐採しては元も子もありません。投資信託も同様です。価格変動リスクや景気の良し悪しがありますので、冬に木が枯れるように、ほぼ確実に元本割れします。その時に「これはダメな投資信託だった」と言って売却すると、含み損が現実の損になります。これでは、いつまでたっても資産運用は合理的になりません。資産形成で重要なのは、長期×分散×積み立て。株価などが低い時にも、積み立て投資に徹することが、「安く買う」ことにつながり、資産形成においては重要。むしろ、株価などが上がっている状態では収益率が下がる要因になるので、イヤな気持ちになってもおかしくないのだが、そのような合理的な人は稀有な存在。多くの人は株価などが下がると(収益率が上がるにも関わらず)イヤな気持ちになって売りたくなる、という不思議な性質が私たち人間には備わっている。心のエラーに要注意。投資信託では、ほったらかしが多くの人にとってはより良い成績になりやすいそして、意外かもしれませんが、統計的なデータを見ますと、「ほったらかし」にした方が運用成績が良くなる傾向にあります。この理由は、先ほども触れましたが「プロでもタイミングが分からない」からです。そうである以上、プロの英知の結晶である市場平均の入ったインデックス型投資信託を「ほったらかし」にすることこそが多くの人にとっては重要です。ほったらかし運用:いわゆる積み立てるだけの投資。買うだけで売らない。売る(取り崩す)のは、老後などの「お金が要る時」だけというもの。投資信託の始め方やおすすめファンドの選び方:まとめ初心者の方の投資信託の始め方:まずは証券会社に口座を開設するおすすめファンドの選び方は4ポイント①良く分からないものは無視②長期では株式型重視③コストが安い④インデックス型であること投資信託の運用のコツは「ほったらかし」でなにもしないこと本記事では、投資信託の始め方やおすすめファンドの選び方について初心者の方にもわかりやすいように解説をしてみました。資産形成や資産運用というと、大変に難しいという印象を抱かれるかもしれません。しかし、ポイントだけを抑えれば、中身は非常にシンプルになっていきます。それは、世界中の金融機関・ファンドマネージャーなどの「お金のプロ」が優秀だからです。私たちは、そんな彼らの知恵を低い手数料(コスト)で拝借することができます。そして、運用方法自体も、彼らが素晴らしいからこそ、シンプルな「ほったらかし」へとなっていくものです。資産運用はポイントをしっかりと押さえておけば、未来のあなたを助ける心強い存在になるかもしれません。
2019年03月09日投資信託とは金融商品の一種です。投資信託のことをファンドなどと呼んだりもします。元本は確保されていません。つまり、損をする可能性があります。投資信託とファンド:広い意味では、ファンドとは運用する金融機関などを指す場合にも使われる。本記事ではファンドとは投資信託のことを指す。損をする可能性:基本的にどの投資信託を選んでも、損をする可能性がある。何を選んでも、ずっと運用成績が良い、ということはない。投資信託の大まかな仕組みを言葉で表すと、次のようなものです。投資信託は、多数の投資家から資金を集め、第三者である専門家がその資金を運用・管理し、その運用による利益を出資割合に応じて投資家に還元する仕組みである。出典:金融商品ガイドブック2018年度版投資信託とは何かをかみ砕いて言いますと、「みんなから集めたお金をプロが運用する」わけですね。そして、景気が良かった場合などには、利益をくれることがある、というものです(分配金の設定がない投資信託もあります。この場合は最終的な売却差益が利益となります)。投資信託とは?その意味をもう少しわかりやすく説明しますそれでは、もう少しわかりやすく投資信託とは何か、について見てみましょう。投資信託を大変に乱暴にイメージで表現しますと「大きな風呂敷」のようなものです。投資信託とは「大きな風呂敷」ですから、いろいろなものを包むことができます。日本国内の二千社程度の株式や、日本国内の1万種類程度の債券すらも投資信託という「大きな風呂敷」に入れることができます。一例ですが、日本国内の株式を入れた投資信託なら「国内株式の投資信託」と呼ばれます。また、日本国内の債券を入れた投資信託なら「国内債券の投資信託」と呼ばれます。株式と債券:どちらも私たちが購入することで、いわゆる「会社にお金を働きに出す」ことができる仕組み。一般的に投資の「伝統的資産」とは株式と債券の2種類を指すことが多い。その他の「代替資産」には不動産・金(ゴールド)・商品(石油や大豆)などがある。筆者はしばしば「株式と投資信託とは違うものですよね?」という質問をいただきますが、このように、同じものもありますし、違うものもあります。まだ少しわかりづらいですね。さらにかみ砕いていきましょう。投資信託とは?何でも入れられる便利な風呂敷このように投資信託という「大きな風呂敷」には、たくさんの金融商品を入れられます。そのため、「投資信託とは?」という質問には色々な答え方をすることができます。つまり、投資信託を購入することで、株式投資もできれば、債券投資もできる、さらには金投資や不動産投資できる、ということになります。もちろん、海外の株式・債券・不動産などにも投資ができます。また、種類も様々なモノがあります。ほんの少しですが、一例を挙げてみましょう。※表は筆者作成名称中身・スタイル・特徴インデックス型投資信託市場の平均に連動することを目指すものアクティブ型投資信託市場の平均を超えることを目指すものターゲットイヤー型投資信託退職時期などに合わせて運用が変化するものバランス型投資信託国内外の株式・債券など複数の「資産群」が入っているもの毎月分配型投資信託分配金と呼ばれるお金が毎月受け取れるもの上場投資信託(ETF)株式市場に上場している投資信託不動産投資信託少額から不動産投資ができるものファンド・オブ・ファンズ複数の投資信託を組み入れた投資信託このように、たくさんの種類があり、その他にもたくさんあります。現在国内で流通している投資信託は5千本とも6千本ともいわれています。ただ、これらのたくさんの種類を把握・理解する必要はありません。重要なところだけ押さえておけば十分です。投資信託の仕組みをわかりやすく図解で解説しますそれでは、投資信託の仕組みをわかりやすく図解しましょう。※図解は筆者作成まず、上記の図で左端にいるのが私たちです。私たちは証券会社などを通して、投資信託を購入することができます。電卓を持っているのが証券会社の人です。真ん中の黄色い袋のイメージが投資信託です。投資信託とは風呂敷のようなものですので、中には国内外の株式や債券などを入れることができます。大きな黄色の袋のところにいる人たちが投資信託を管理・運用・販売などする人たちです。そして、前述のように、その種類はたくさんあります。私たちが投資信託を購入するということは、私たちのお金が投資信託という「大きな風呂敷」の中身の株式や債券を通じて、世界中の会社などで働くことも意味しています。投資信託のメリット・デメリットをわかりやすく解説ここまでで、ザックリと投資信託とはなにか?が見えてきました。ここからは、投資信託のメリット・デメリットについてわかりやすく見てみましょう。投資信託のメリット「分散」とその意味をわかりやすく説明します投資信託のメリットをわかりやすく言うと「分散投資がしやすい」ところです。分散投資と言いますと、有名すぎる格言の一つに「卵を一つのカゴに盛るな」というものがあります。どういうことでしょうか。これは、「大切な卵を一つのカゴに盛っていると、卵を落とした場合、多数の卵が割れてしまって大変だから、カゴを分けましょう」という意味合いです。お金に置き換えますと、こうなります。「資産を分散して投資していないと、金融危機時などで暴落した場合には、(慌てて売却した場合)大損してしまって大変だから、投資対象を分散しましょう」ということになります。これが一般的な分散投資のイメージです。投資信託で簡単にできる、分散投資とは?上記のような事態を避けるためには、分散投資が必要です。つまり、投資対象を分けるのです。これは現代ポートフォリオ理論でも重要な考え方です。現代ポートフォリオ理論:1952年ハリー・マーコウィッツ。同氏は1990年「資産運用の安全性を高めるための一般理論形成」においてノーベル経済学賞を受賞。もう少し、踏み込んで説明しますと、投資対象を分散すると、リスク(値動きの幅)が小さくなります。少しむつかしいように感じますが、これは「少し良いこと」を意味しています。これは、特別な分析や経験がなくても、誰にでも起こる現象です。大切なことですので、もう一度言います。誰でも、投資対象を分散することで「少し良いこと」が起こるのです。いくらで買える?投資信託を使えば、2億円かかる株式投資も100円程度からできるつまり、投資をする上では、株式や債券を一種類だけに集中して買うと、「卵を一つのカゴに盛った状態」になるので、あまり合理的とは言えません。そこで、分散投資が必要です。そして、上記のように、分散すると誰でもリスク(値動きの幅)が小さくなる、という「少し良いこと」が起こるので、できるだけ分散投資をした方が良いことになります。ただ、私たち個人が株式を千社・二千社買うとなると、とても大変です。仮に一社平均十万円とした場合、一億円・二億円が必要です。そんな大金はありません。さらに海外にまで分散投資をしようとしてはより大変です。そこで便利なのが投資信託です。風呂敷ですから、千社・二千社など簡単に入れられます。そして、基本的に1万円程度で買えます。証券会社によっては、百円から買えます。今では本当に、数百円あれば、誰でも世界中に合理的な分散投資ができる時代になっているのです。このように便利ですので、「もう一つの年金」とも呼ばれるiDeCo(イデコ)や、つみたてNISAでも、投資信託が運用商品として採用されています(つまり、個別の株式や債券は買えません)。投資信託のメリットは、少額で誰でも分散投資ができること。つまり、リスクを抑えた運用がしやすい、ということ。投資信託のデメリットである手数料(コスト)とその意味を説明しますそんな分散投資に向いている投資信託ですが、当然ながらデメリットがあります。それは、手数料(コスト)が高いものがあるということです。わかりやすく見てみましょう。投資信託のデメリットのコストとは?投資信託のデメリットの手数料(コスト)は、大きく3種類が挙げられます。買う時持っている間売る時基本的にこの3種類の手数料(コスト)がかかります。もう少し詳しく見てみましょう。投資信託を買う時にかかる購入時手数料の意味を説明しますまず、買う時にかかるお金(手数料)です。購入時手数料などと呼ばれます。下の図ですと、電卓を持っている女性(金融機関)に支払うお金です。ただ、この購入時手数料には運用成績との相関性はありません。つまり、どれだけたくさんの購入時手数料を支払っても、運用成績は良くなりません。単純に、その手数料(コスト)の金額分だけ目減りした資産で運用が始まるだけです(ただし、金融機関は儲かります)。例えば、購入時手数料が3%で投資額が100万円なら、3万円が引かれて、97万円から始まる、というイメージです。私たちには何のメリットもありません。まったく同じ中身の投資信託で購入時手数料が無料(ノーロードともいう)のものがあることが一般的ですので、そちらから選ぶ方が賢明です。購入時手数料:現在では無料(ノーロード)の投資信託が販売されている。選ぶ場合は無料の中から選ぶことが重要。投資信託を持っている間にかかる信託報酬の意味を説明します次は投資信託を持っている間にかかる、信託報酬と呼ばれるものです。上の図解で言いますと、風呂敷袋の下の人たちの手間賃のようなものです。投資信託(ファンド)を運用する人たちはボランティア活動ではありませんので、お給料が必要です。そのため、投資信託を持っている間には、この信託報酬と呼ばれるものが毎日かかります。年率1.5%などで表記されていますが、毎日引かれます。例えば(現実には値動きは毎日変わりますが)ずっと元本が100万円の投資信託があるとして、それを持っていれば、年間1.5%の信託報酬なら、1万五千円÷365日=一日あたり40円くらいが引かれるイメージです(現実とは異なります、あくまでも直感的なイメージとしてお考え下さい)。ただ、現実には引かれた後の金額が表示されているので、投資家の中には引かれていることを知らない人もいます。また、「信託報酬を○○円もらいました」という旨のお知らせも来ません。基本的に、「買う時」の選ぶ際にチラッと目にするだけです。そのため、軽く扱われてしまうこともあります。しかし、信託報酬が高いと、それだけ確実に実質運用成果が押し下げられます。長期投資では数百万円も手数料(コスト)だけでかかることが現実にあります。そして、こちらの信託報酬も運用成績との相関性はありません。たくさんの信託報酬を支払っても、特に良いことは起こりません。私たちが損をしやすいだけです。そのため、信託報酬は0.3%以下から選ぶようにしましょう(より低い方が良いです)。信託報酬:単純にマイナスに作用するだけなので、0.3%以下から選ぶ。例えば運用成績が平均・年2%の投資信託があっても、信託報酬が年1.5%なら、2―1.5=0.5%の実質運用成果になるだけ。そして、信託報酬が年0.1%なら、2―0.1=1.9%になるだけ。合理的に考えるなら、低い方が良い。投資信託を手放すときにかかる「信託財産留保額」の意味を説明します最後に、投資信託を手放すときにかかる手数料(コスト)について見てみましょう。それは信託財産留保額と呼ばれます。冒頭で投資信託は「みんなでお金を出し合う仕組み」というお話をしました。ということは、見方を変えれば、途中で抜けられると困るという一面もあることになります。そこで信託財産留保額がかかることがあります。日常生活で例えるなら「職場のみんなで忘年会を予約したけど、当日参加できないメンバーがいるとお店が困る。だから、途中で抜ける場合は、ある程度のキャンセル料を支払わないといけない」そんなイメージが近いかもしれません。ただ、やはりこの信託財産留保額もただの手数料(コスト)です。運用成績向上には寄与しません。また、信託財産留保額の設定がない投資信託がやはり多くあります。飲食店の予約でいうと、キャンセル料金なし、というイメージです。当然ながら、信託財産留保額も「ない」方が良いです。信託財産留保額:信託財産留保額の設定が「ない」方から選ぶ投資信託のメリットの分散投資とデメリットである手数料(コスト)に対する合理的な考え方少しむつかしくなったかもしれませんので、投資信託のメリットの「分散」とデメリットである手数料(コスト)について、おさらいします。※表は筆者作成内容理由メリット分散投資がしやすい分散すると「リスク(値動きの幅)」が下がるというちょっと良いことが誰にでも起こる投資信託なら、数百円で世界中に分散投資が誰にでも可能デメリット手数料(コスト)が高いものがある手数料(コスト)と運用成績(世界の景気など)には相関性がない手数料(コスト)が高いと、その分だけ運用成績が確実に押し下げられるこのような内容でした。ついつい、投資経験が浅いうちは「誰かに高い手数料(コスト)を支払って、運用を任せると良いことが起こりそう」と勘違いを起こしそうになります。しかし、合理的に投資を考えてみますと、そのように「手数料をかければ運用成績が上がる」ということは起こりません。手数料(コスト)は純粋に運用成績を押し下げるだけのもの手数料(コスト)は純粋に「運用成績を押し下げるだけのもの」です。そして、分散投資は理論的に正しいことです。そうである以上、投資信託は分散投資の重要な選択肢です。だからこそ、手数料(コスト)には厳しい目を向けていかなくてはいけないのではないでしょうか。投資信託のデメリットは手数料(コスト)が高いものがあること。手数料(コスト)は、理論上、運用成績を押し下げるだけの存在。投資信託とは?:まとめ投資信託とは、複数の金融商品が入った金融商品投資信託のメリットは分散投資が容易な点投資信託のデメリットはコストが高いものがある点本記事では、投資信託とは?に焦点を当てて記しました。投資信託の本数が国内だけで六千本くらいありますが、途方に暮れることはありません。今回の手数料(コスト)のポイントなど、一つ一つ抑えていけば、本当に驚くほど合理的な投資対象の本数は絞られてきます。大切な資産運用だからこそ、合理的な投資対象がどのようなものなのかを理論的に把握しておくと良いのではないでしょうか。投資信託は分散投資に適しているが、手数料(コスト)の高いものには気を付ける
2019年03月06日投資を始めるのに代表的な金融商品が、株(株式)と投資信託です。投資信託とは、投資家から集めた資金をファンドマネージャーと呼ばれる運用の専門家が、株式や債券、不動産など複数の資産に分散投資し、その収益を投資家に分配する金融商品です。投資を始めるにあたって、「株式と投資信託どちらから始めたらいいの?」と迷う人もいるかもしれません。そこで、株式と投資信託を比較しながら初心者がどのように投資を始めたらいいのかを解説していきます。まずは、株式と投資信託のそれぞれのメリットを見ていきましょう。株式投資のメリットまずは、株式のメリットから解説します。①リアルタイムで取引できる株式は取引所が開いている時間なら、いつでも好きな値段で売買できます。注文方法も指値注文(値段を指定)、成行注文(値段を指定しない)など複数の方法があります。一方、投資信託は1日1回算出される基準価格での取引になります。いくらの基準価格で買えたかという正確な値段は翌日以降にならないとわかりません。②コストが安い株式の現物株取引の場合のコストは売買手数料だけです。一方、投資信託は購入時の手数料の他に、信託報酬などの保有コストがかかります。信託報酬とは、投資信託を管理・運用してもらうコストとして、保有している間は投資家が毎日支払い続ける費用のことです。信託報酬は年0.5~2.0%程度が一般的です。③自分で銘柄を選べる投資信託は国や地域、テーマなどを選ぶことができますが、どの銘柄を買うかというのは運用のプロであるファンドマネージャーに任せます。一方、株式投資では自分で銘柄を選ぶことができます。どの程度のリスクを取ってリターンを取りたいのかを自分で決めることができる投資家は、株式投資の方が向いているでしょう。うまくいけば短期間で2~3倍になる銘柄を見つけることもできます。ただし、大きく下落するリスクもあります。株式の方がよりハイリスク・ハイリターンであるということを理解しておくようにしましょう。④株主優待を受け取れる株式投資では、株主優待を受け取ることができます。株主優待とは、企業が株主に自社製品や優待券、カタログギフトやお米などのモノやサービスを送るモノです。お中元やお歳暮に近いもので、株式を保有しているだけで毎年もらえます。株主優待を導入している企業数は1,368社(2017年9月現在:大和インベスター・リレーションズ調べ)で、上場企業の約36%が導入しています。投資信託のメリット続いて、投資信託のメリットを見ていきましょう。①少額から購入できる株式の最低購入代金は下がってきているとはいえ、数万円以上の資金が必要になります。銘柄によっては数百万円も必要になることもあります。一方、投資信託はネット証券なら100円から購入することができます。投資信託は、株式に比べて資金的なハードルははるかに低いです。さらに、5,000円など金額指定で購入することができます。毎月、決まった額を投資したい場合も投資信託は便利です。②分散投資が可能ひとつの株式に投資していると、その企業の業績が悪化したり不祥事が起こったりすると、大きな損失になります。そこで、複数の企業に投資しておけば、ひとつの企業の株価が下がっても他の銘柄でカバーすることができます。しかし、株式投資で分散投資しようとすると、複数の銘柄を買う必要があります。特に、少額から投資を始めたい初心者にとっては、銘柄選択の手間もかかり、分散投資のハードルは高くなります。しかし、投資信託を購入すれば、複数の銘柄に投資しているので、簡単に分散投資することができます。③個人では投資しにくい国や地域に投資できる外国株に挑戦しようと思っても、初心者では情報も知識も不足しています。外国株式取引口座が必要になったり、円をドルやユーロなど外貨に交換したりする必要があります。新興国株などは、取り扱っている証券会社も限られます。しかし、投資信託なら先進国や新興国など国や地域に関して特別な知識がなくても簡単に投資することができます。株式投資と投資信託の比較表初心者は投資信託から始めることをオススメ初心者の方には投資信託から始めることをオススメします。その理由は以下の2つです。①運用をプロにまかせることができる株式投資は自分で銘柄を決める必要がありますが、投資信託なら運用のプロであるファンドマネージャーに任せることができます。株式投資についての知識を学ぶには時間がかかります。投資信託ならテーマや国・地域をおおまかに決めるだけで始めることができます。②少額から分散投資することができるネット証券なら100円から購入でき、複数の銘柄に分散投資することができます。また、新興国など自分では手がだせないような国への投資も可能です。ただし、投資信託では株式のように短期間で大きな利益を狙うことは難しいですし、信託報酬などの保有コストもかかるので、投資信託を選ぶ際はしっかり中身を調べるようにしましょう。投資信託の種類をご紹介投資信託は運用方針によって、次の3つに分類されます。公社債投資信託:主として、国債などの公社債を中心に運用され、株式を一切組入れない投資信託です。株式投資信託:株式を組み入れることができる投資信託です。ただし、公社債の組み入れも可能で、債券型投資信託など、株式を組み入れていなくても株式投資信託に分類されるものもあります。不動産投資信託:主に不動産を中心に運用するもの投資信託です。一般に投資信託といえば、「株式投資信託」に分類されることが多くなります。株式投資信託の種類を確認しておきましょう。株式投資信託の種類①国内株式型投資信託国内の株式を中心に運用を行うファンド(投資信託)です。日経平均株価やTOPIXなど株価指数に連動する「インデックスファンド」と、企業の調査を行い、株価指数を上回る運用成果を目指す「アクティブファンド」の2種類があります。②海外株式型投資信託外国の株式に投資するファンドです。米国や欧州などの先進国や中国、ブラジル、インドなど新興国に投資するものや、医療やハイテクなど業種ごとに投資するファンドもあります。③債券型投資信託債券へと投資するファンドです。国内型(国内債券)と海外型(外国債券)に投資するタイプに分類できます。日本は低金利が続いているので、外国債券に投資するタイプが人気です。④バランス型投資信託国内外の株式だけでなく、債券や不動産など幅広い商品に分散投資できるファンドです。国際分散投資を簡単に行うことができるので、初心者の方にもオススメです。⑤テーマ型投資信託「AI」や「フィンテック」など、特定のテーマに関連した株式を買い付けるファンドです。テーマ株は人気がでると大きく上昇することが期待できる反面、銘柄を絞り込んでいるので、下落した時の損失も大きくなるリスクがあります。上場している投資信託「ETF」とは?ETF(上場投資信託)は、日経平均株価やTOIX(東証株価指数)などの特定の指数に連動する運用成果を目指して運用される、インデックス型の投資信託です。投資信託の特徴に加えて、株式のように取引所でリアルタイムに取引することができます。株式と投資信託の特徴をあわせ持った金融商品といえるでしょう。ETFと投資信託の違いは保有コストにもあります。保有コストは信託報酬ですが、ETFは通常の投資信託よりもさらに保有コストが安くなっています。投資信託は、販売会社(証券会社など)、受託会社(信託銀行)、運用会社の3社に対して信託報酬が払う必要があります。ETFは市場で購入するので、販売会社に信託報酬支払う必要はありません。その分、保有コストが安くなるのです。ただ、買付金額に関しては、投資信託が100円から購入できるネット証券もあるのに対し、数万円かかるのが通常です。少額から始めたい投資家は、投資信託からチャレンジしましょう。株式投資/投資信託/ETFの比較表最後に、ETFを加えた比較表を見てみましょう。株式と投資信託の違いまとめ今回は、株式と投資信託の違いについて見てきました。株式のメリットは次の4つです。リアルタイムで取引できるコストが安い自分で銘柄を選べる株主優待を受け取れる投資信託のメリットは以下の3点です。少額から購入できる分散投資が可能投資しにくい国や地域に投資できるといった7つの違いがありました。初心者の方には少額から分散投資できる投資信託から始めることをオススメします。さらに、株式の特徴を持った投資信託であるETF(上場投資信託)もリアルタイムで取引したい投資家にオススメです。自分の投資スタイルに合わせて資産運用を始めるようにしましょう。
2019年02月06日株式投資をする際、年間でどの程度の利益がでるのかというのは、最大の関心事です。その時に用いられるのが「利回り」です。自分が投資した金額に対して、年間どの程度の利益がでたのかを測る指標です。今回は、利回りの計算方法から、年間利回りの目標を何%にしたらいいのかを具体的に解説していきます。株式投資の参考にしていただければ幸いです。株式投資の利益は2種類バークシャー・ハサウエイ利回りが100%を超える年もありますが、長期での平均利回りは20.9%となっています。年率で20%を超える利回りを目指すということは単年では可能ですが、長期では世界一の投資家に挑むぐらいの高い目標となります。株式益回りでは7%程度株式益回りは「株式益利回り」とも呼ばれ、1株当たり税引利益(1株当たり純利益)を株価で割ったものです。会社の利益と比較して株価の利回りがどの程度かを測る指標です。計算式は以下のようになります。株式益回り=(1株当たり純利益) ÷ 株価 × 100東証1部の予想株式益回りは7.51%となっています。会社の利益から考えた場合、株式のリターン(利回り)は7.5%程度と考えることができます。債券と株式どちらがいいのかを判断する指標として「イールドスプレッド」があります。イールドスプレッドとは、債券と株式を比較して、どちらが割安かを示した指標です。長期金利(10年国債利回り)と株式益回りを比較します。計算式は以下のようになります。イールドスプレッド = 長期金利 - 株式益回り数値が大きい:債券投資が有利数値が小さい:株式投資が有利現在の長期金利はほぼゼロなので、株式益回りとの差(イールドスプレッド)はー7.5%前後になります。イールドスプレッドがー3%まで縮小すると、株式から債券へ資金シフトするといわれています。現在のイールドスプレッドでは株式投資の方が有利となります。株式配当利回りでは2%前後配当は税引後利益から還元されます。株式の利回りを考えた場合、最低でも配当利回りを上回ることを目標にしましょう。配当利回りの計算式は以下のようになります。配当利回り= 配当金 ÷ 株価東証1部の全銘柄の予想配当利回りは2.02%となっています。株式投資の目標利回りは4~5%程度が妥当以上をまとめると株式益回り7.51%配当利回り2.02%が東証1部銘柄の平均値となります。ただ、株式益回りは利益水準から考えた利回りです。株価は外部環境の影響も受けるので目標利回りを7.51%にするのは現実的ではありません。また、配当利回りを下回るということは、買値よりも株価が下落している(キャピタル・ロス)ことを意味します。以上のことから、現実的な目標としては、株式益回りと配当利回りの中間である4~5%程度が妥当な水準であると考えます。運用は複利で考えるヤフーファイナンスこのように配当利回りが5%を超える銘柄もあるのです。ただし、銘柄選択の際は配当利回りだけでなく、業績にも注意する必要があります。業績が悪化しているのに高配当を無理してだしている銘柄は、いずれ減配(配当を減らすこと)の恐れがあるからです。例えば、3%の高配当銘柄を購入した場合、年間のキャピタルゲインは2%程度が目標となります。5%ならキャピタル・ロスをださなければ目標達成です。この程度の利回りなら銘柄選びのハードルもかなり下がるのではないでしょうか。株式投資の利回り:まとめ今回は、株式の利回りについて解説してきました。利回りの目標は5%程度が現実的です。ただし、短期的には値動きの振れがあるので、長期での運用を考えましょう。そして、株式を長期で保有し続け、配当金を再投資することで「複利効果」を得ることができます。ただし、株式投資は元本や利回りが保証されているわけではありません。利回りはあくまでも目標と考え、余裕資金で無理のない運用を心掛けましょう。
2019年01月31日投資をしようと思った時、ぶつかるのが何を買うかという選択の壁…。選べなくて困ったら、AIを活用したロボット投資にお任せ!アルゴリズムが最適な資産配分を提案。何を買えばいいかわからない。投資に使う時間がない。そんな人は、ロボット投資という手も。「ロボット投資とは、人に代わってAIが、過去のデータをもとに、利用者ごとに最適な資産配分を導き出し、提案してくれるサービス。サービス会社のサイトで、リスク許容度や投資への関心度などを確かめるための簡単な質問に答えるだけで始められ、投資ビギナー向きです」とファイナンシャルプランナーの花田浩菜さん。相場の変動によって変わった資産配分を元に戻してくれるサービスもほとんどの会社が取り入れている。投資は、その対象を分散させるほど、リスクが減るのが定説。だが、分散投資を自分でやるには膨大な知識と手間が…。「ロボット投資は、国内外の株や債券、不動産などが組み合わせられており、手間なく世界中に分散投資ができます。とても便利ですが、AIに任せられるといっても、年に1回は運用状況をチェックしましょう。また、リスクがあることは、他の投資と変わりません」安くて手軽!ロボット投資のポイントをご紹介。POINT1100円から投資OK「最低投資額の低さは、投資に対する金銭的&心理的ハードルを下げてくれます」。クレジットカードでの支払いの端数で行う「おつり積立」のサービスもある。POINT2手間を省くなら「投資一任型」ロボット投資には、提案から購入まで任せる「投資一任型」と、購入は自分で行う「アドバイザー型」がある。「コストはかかりますが、より手軽なのは前者」POINT3手続きが比較的簡単口座開設のネット手続きは数分ほどで済み、入金すれば最短で翌営業日から利用できる。「投資への熱意が冷めないうちに始められるのも大きなポイントです」花田浩菜さん学習院大学経済学部卒業後、保険会社に勤務。その経験を活かし、現在はファイナンシャルプランナーとして活躍。Webや雑誌で金融の連載を持つ。anan 総研メンバーでもある。※『anan』2019年1月30日号より。イラスト・菜々子取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2019年01月25日日中忙しいサラリーマンは株式投資することはできないのでしょうか?そんなことはありません。実際、サラリーマンで株式投資をしている人はたくさんいます。ただし、本業があるので時間が限られているのも事実です。今回は、サラリーマンに向いている投資手法や面倒な確定申告をしないで済む方法を詳しく解説していきます。まずは、株式投資の手法から見ていきましょう。株式投資の手法は主に3つ株式投資の手法には主に次の3つがあります。デイトレード(短期投資)スイングトレード(短期投資)長期投資この中でサラリーマンに向いている手法はどれでしょうか。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。デイトレードは1日で決済する取引デイトレードとは、1日の値動きで売買する取引手法です。わずかな値動きを狙って株を取引きし、多い人は何十回も取引を行います。基本的に翌日にポジションを持ち越すことはありません。デイトレードの主なメリットは次の2つです。【メリット1】短期間で利益をだすことができる数円~数十円の値動きで利益を確定していくので、短期間で取引が終了します。もちろん、損切りになることもありますが、勝率は60~70%程度を目指すようにします。【メリット2】夜間のニュースに影響されない。1日の間で取引を終了させるので、取引時間外のニュースに影響を受けることはありません。海外市場でNYダウが大きく下落しても関係ないので、夜ぐっすり眠ることができます。それではデイトレードのデメリットについても見ていきましょう。【デメリット】取引に集中しないといけないデイトレードではわずかな利益を狙って売買を繰り返すので、取引画面を見続けなければいけません。今は、スマートフォン(スマホ)でも取引可能な時代ですが、日中仕事をしているサラリーマンは株価を頻繁にチェックすることは難しいでしょう。デイトレードはサラリーマンに不向きデイトレードは短期間で利益を狙えるなどのメリットもありますが、頻繁に株価をチェックする必要があることからサラリーマンには向いていません。隙間時間に取引を行っても、株価が気になって仕事に集中できなくなります。本業に支障をきたすようでは本末転倒です。スイングトレード(短期トレード)スイングトレードは数日~数ヶ月ほどポジションを持ち越すので、サラリーマンでも十分可能な取引手法です。デイトレードのように頻繁に株価をチェックする必要はありません。大まかな株価の値動きを捉えればいいのです。また、比較的短期のトレードなので投資成果がすぐにでます。副収入が欲しいサラリーマンの方にとって向いている取引手法といえるでしょう。指値・逆指値注文を利用しようただし、ポジションを保有していると株価が気になってしまうというデメリットがあります。そのために「指値(※1)・逆指値(※2)」の注文をいれておくようにしましょう。(※1)指値注文とは、買うもしくは売る値段を指定して注文する方法です。例えば、以下のようになります。500円の指値で100株の買い注文この場合は、株価が500円以下の場合に買いが成立します。1,200円の指値で2,000株売り注文1,200円以上の株価なら売りが成立します。値段を指定しない注文方法が「成行注文」です。買いの場合は最も低い売り注文、売りの場合は最も高い買い注文に対して注文が成立します。値段はいくらでもいいから即座に売買したい場合に使います。サラリーマンは株価を頻繁にチェックできないので、株価を新規に買う場合、利益確定をしたい場合は指値注文をだしておきましょう。(※2)逆指値注文は、株価が〇〇円より高くなったら買う・株価が〇〇円より安くなったら売るなど、指値注文にはできないような条件をつけることができます。これによって、リスクを最小限に抑えたり、一定の条件で利益を確保することができます。例えば、保有している株式の値段が400円で「株価が350円以下になったら成行で売る」という逆指値注文を出していた場合、350円になれば自動的に売りの成行注文が執行されます。日中株価を見れないサラリーマンは、逆指値注文が必須です。逆指値注文を入れておかないと、思わぬ損失が出る場合があるからです。指値注文、逆指値注文を出しておけば、株価を頻繁にチェックする必要はありません。注文が成立した時に約定メールが来るようにしておくだけでいいでしょう。スイングトレードはサラリーマンでも可能スイングトレードはデイトレードのように頻繁に株価を確認する必要はなく、指値・逆指値注文を入れておけば利益確定、損切りができるのでサラリーマンでも十分取引可能です。ただし、数日~数ヶ月での取引を行うので、「値動きが気になって仕事に集中できない」という状況になりかねません。ですから、短期的な株価に一喜一憂しない「長期投資」の方がサラリーマンには向いているでしょう。長期投資とは長期投資とは、数年~数十年単位で株価を保有することです。株式投資には値上がり益を狙う「キャピタルゲイン」と、配当や株主優待を狙う「インカムゲイン」の2種類があります。デイトレード、スイングトレードは「キャピタルゲイン」狙いとなりますが、長期投資では「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」の2つの利益を狙うことができます。株初心者はインカムゲイン狙いがおすすめ株式投資の醍醐味は、値上がり益である「キャピタルゲイン」ですが、値動きが気になってしまうという点では、スイングトレードと同じです。ですから、株初心者の場合はまずインカムゲイン狙いで株式投資をはじめることをおすすめします。インカムゲインは配当と株主優待インカムゲインとは、株式を保有することで安定的・継続的に受け取ることができる利益のことです。配当と株主優待の2種類があります。配当配当は、会社が稼いだ利益の一部を、株主に払うものです。「1株あたり5円」などと表します。もし、100株保有していれば、「5円×100=500円」の配当がもらえます。1,000株なら5,000円です。株主優待株主優待は、企業が株主に自社製品や優待券などモノやサービスを送るものです。日本独特の制度ですが、2018年9月末時点で導入している企業は1,450社(大和インベスター・リレーションズ調べ)で、全上場企業の40%以上が導入しています。長期投資はサラリーマンにおすすめサラリーマンは配当と株主優待のインカムゲインをもらいながら、長期で株式の値上がり益を狙うようにしましょう。この手法なら株価を頻繁にチェックする必要はなく、短期的な値動きに一喜一憂する必要はないので、仕事に支障をきたすこともありません。以上の結果をまとめると以下のようになります。サラリーマンの株式投資では、「長期投資」と「スイングトレード」の2つの取引が向いています。特に、株初心者の方は短期的な株価に一喜一憂しない長期投資から行うようにしましょう。サラリーマンの株の税金はどうなる?株式投資で利益がでた場合は確定申告が必要です。ただし、サラリーマンは給与所得者なので、株式投資での利益が20万円以下の場合は確定申告が不要です。それでは、株式投資で20万円以上出た場合はどうしたらいいのでしょうか。サラリーマンが証券口座を開設するときは「特定口座・源泉徴収あり」がおすすめ特定口座とは、1年間の株式の利益や損失を証券会社が計算してくれて、その内容をまとめた「年間取引報告書」を作成してくれます。さらに、「特定口座・源泉徴収あり」を選択していれば、証券会社が投資家本人に代わって税金を納めてくれるので、確定申告の必要はありません。サラリーマンはNISA口座も利用しようNISA口座とは、年間120万円の投資金額に対して、配当や値上がり益に対して税金がかかりません。非課税期間は5年間で、最大投資額は600万円です。通常は20.315%の税金がかかりますが、NISAを利用すれば税金がかかりません。是非、NISA口座も利用するようにしましょう。サラリーマンの株式投資に関するまとめ今回はサラリーマンに適した株式投資手法について解説してきました。結論から言うと、「インカムゲイン狙いの長期投資」が一番向いています。さらに、面倒な確定申告の手間を省くために、「特定口座」と「NISA口座」を開設するようにしましょう。ただし、長期投資も株式投資ですから、元本が保証されているわけではありません。必ず余裕資金で投資を行うようにしましょう。
2019年01月23日資産運用には分散投資の知識が欠かせませんが、実際に投資を考えている人にとって最大の関心は「どの商品が良いのか?」「効果的な分散投資のコツは?」といった内容ではないでしょうか。そこで今回は、効果的な分散投資を実現するためのコツと分散投資に適した金融商品の選び方を紹介します。資産分散のコツと金融商品の選び方まずは、資産分散のコツと資産分散に適した金融商品の選び方を紹介します。少し専門的な内容ですが、資産分散の効果を高めるためには知っておいて損はないでしょう。分散効果の高い資産を組み合わせる資産分散の基本は特徴の異なる資産に分散することです。具体的には、国内株式・外国株式・国内債券・外国債券を中心に分散します。特に反対の値動きをする資産同士を組み合わせることで効果が大きくなります。例えば、株式と債券は反対の値動きをする傾向にあるため、分散効果が高い組み合わせと言えます。組み合わせる比率はリスクとリターンの関係性で決める資産配分比率によってリスクとリターンの値が異なるため、どの資産にどれだけの比率で投資するかを決めることは非常に重要です。場合によってはリスクが同じでもリターンが異なることもあります。例えば、リスクが10%でリターンが5%になる組み合わせとリスクが10%でリターンが6%になる組み合わせがあったとすると、当然後者の方が効果的な組み合わせと言えるでしょう。つまり、同じリスクになる組み合わせがあれば、その中からリターンが最大になる組み合わせを選ぶことが重要です。定期的に資産配分比率を調整する様々な調査結果から、投資の結果の約94%は資産配分で決まることが明らかになっています。そのため、資産分散において当初に設定した資産配分比率を定期的に調整することが非常に重要です。具体的には、値上がりした資産(比率の上昇した資産)を売却し、値下がりした資産(比率の下落した資産)を購入することで資産配分比率を調整します。見直す時期は3~4ヶ月に1度程度が一般的です。ただし、世界情勢の急激な変化や金融危機等により短期間で大きく変化する場合には適宜調整することが必要です。インデックス型の投資信託を利用する投資信託はインデックス型とアクティブ型に分けることができます。インデックス型の投資信託は特定の指標と同等の運用成果を目指します。一方、アクティブ型の投資信託は特定の指標を目標にせず、積極的に利益を追求します。そのため、アクティブ型の方がハイリスクハイリターンと言えます。また、一般的にはインデックス型の方が手数料等の費用面が安く、リターンが同じであればインデックス型の方が有利です。一時的な運用であればアクティブ型でも良いですが、長期的な運用であれば費用面を考慮してインデックス型を選ぶ方が良いです。ETFが合理的インデックス型の投資信託の中でも特にETFがおすすめです。ETFとは投資信託の一種でExchange Traded Fund(上場投資信託)の略称です。ETFは特定の指標に連動することを目的としているため、その指標に含まれる個別銘柄を投資対象としています。例えば、日経平均株価に連動するETFの場合、日経平均株価に採用されている225銘柄に投資することで日経平均株価と同じような値動きを目指しています。つまり、ETFに投資するだけで特定の指標に関連する幅広い銘柄に投資するのと同じ効果を得ることができ、資産分散に適した金融商品と言えます。また、ETFは金融商品取引所に上場しているため、取引時間内であればいつでも売買できます。そのため、「基準価額(投資信託の値段)が10,000円になったら購入する」、「基準価額が12,000円になったら売却する」ということができます。一方、上場していない投資信託は1日に1度しか売買できず、購入価額や売却価額が確定するのも翌日以降となり、ETFのような機動的な取引ができません。つまり、売買の手続き後に相場が急落した場合には想定外の損失が発生することもあると言えます。もちろん、想定外の利益が発生することもありますが、余計なリスクを回避するのであればETFが合理的です。具体的な商品選択においては、国内株式であれば東証株価指数(TOPIX)、外国株式であればMSCIコクサイ・インデックス、国内債券であればNOMURA-BPI 総合、外国債券であれば世界国債インデックス等の各資産の代表的な指標に連動するETFを選ぶと良いです。時間分散のコツと金融商品の選び方次に時間分散のコツと時間分散に適した金融商品の選び方を紹介します。時間分散には定期的に一定数量を購入する定量購入と定期的に一定金額で購入する定額購入(ドルコスト平均法)がありますが、ここでは定額購入を前提に解説します。継続的に同じ商品を同じ金額で購入するドルコスト平均法の最大のポイントは継続的に同じ商品を同じ金額で購入することです。同じ金額で購入することで価額が高い時には購入口数が少なく、価額が安い時には購入口数が多くなります。その結果、1口当たりの購入価額(平均購入価額)を下げる効果が期待できます。平均購入価額を下げることができればその分だけ利益が出る可能性も高くなると言えます。短期的な値動きが大きい商品を選ぶ平均購入価額を下げるためには、価額の変動幅が大きい金融商品を選ぶことも有効です。価額の変動幅が大きいということは値上がり時には大きく上がり、値下がり時には大きく下がるということです。つまり、値上がり時には購入できる口数が極端に少なくなり、値下がり時には極端に多くなります。その結果、安い時に大量に購入することができ、平均購入価額を下げる効果が大きくなります。具体的な選択肢としては、国内株式や外国株式に連動するETFが有力です。個別リスクを回避する近年の研究結果によると個別リスクの回避には400銘柄以上の投資対象に分散することが必要だと言われています。そのため、個別株を利用する場合には非常に多くの手間と時間がかかり、購入後の管理も煩雑になります。そこで複数の個別株にまとめて投資できる投資信託やETFを利用すると効率的に個別リスクを回避することができます。税制優遇制度を有効活用する時間分散を行うと必然的に積立投資になります。そのため、積立NISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)等の税制優遇制度と相性が良いです。積立NISAの最大のメリットは運用益が非課税になる点です。通常であれば運用益に対して20.315%の税金が課税されるため、節税効果は非常に大きいと言えます。ただし、投資できる上限金額は年間40万円、非課税となる期間は投資した年から最長20年間となっています。iDeCoの場合は運用益が非課税になるだけでなく、掛金(積立金)が全額所得控除の対象になる点や将来の受取時には受取方法に応じて退職所得控除・公的年金控除の適用を受けることができる点もメリットです。ただし、原則60歳まで積立金を引き出すことができない点には注意が必要です。投資初心者にも簡単でおススメできる「つみたてNISA」とは?まとめ:分散投資に適した商品選びが重要金融商品には個別銘柄や投資信託等、幅広い選択肢がありますが分散投資にはETFがおすすめです。資産分散の場合には、各資産を代表する指標に連動するETFを組み合わせることで効率的な資産運用が可能になります。また、時間分散の場合には、日本株や外国株等の値動きの大きい指標に連動するETFを利用することで平均購入価額を大きく下げる効果が期待できます。つまり、分散投資の考え方を理解した上で、それに適した金融商品を選ぶことが重要だと言えます。
2019年01月01日