誰もが一度はやったことがある『絵しりとり』。『絵しりとり』とは、順番に絵を描いて言葉を使わずに『しりとりゲーム』を行うものです。相手が何を書いているのか汲み取るのが難しく、しりとりよりも少し難易度が高めでしょう。@IlllIlllIlIlIllさんが、友人と絵しりとりで遊んだ時のこと。しだいに、思わぬ方向へ進んでいったといいます。その時の絵をご覧ください。友人と絵しりとりしたけどなんか思ってたのと違うゲームだった pic.twitter.com/dS9NF00SSB — ِ (@IlllIlllIlIlIll) October 1, 2020 細かい点々だけで、絵しりとりが進んでいる!?りんご、ごま、マラカス…と通常の絵しりとりでスタート。しかし、『白ごま』あたりから様子がおかしくなってきます。細かな点だけで進んでいく絵しりとり。点の大きさに若干の変化はあるものの、まったく見分けがつきません!史上最高難易度の絵しりとりには、大きな反響が上がりました。・爆笑した!これなら絵心がない人でも永遠にできる。・ある意味天才だと思う。粉ものってこんなに種類があったのか。・めちゃくちゃ絵のクオリティが高いと思って見ていったら、そのあとめちゃくちゃ簡単になってて笑った。点だけでゲームを続けるのは、絵しりとりならではの面白さがありますが、以心伝心の仲でないと難しそうですね![文・構成/grape編集部]
2020年10月04日しりとりのルールにのっとり、紙に描かれたイラストを頼りに交代で絵を書き進める『絵しりとり』。家族や友人と遊んだ経験がある人もいるのではないでしょうか。イラストが示す言葉に悩んだり、しりとりがうまくつながらなかったりしますよね。『絵しりとり』で盛り上がる3兄妹3児の母親である、えむしとえむふじん(@mshimfujin)さん。子供たちの絵しりとりの様子を描いた漫画を、4日間連続でTwitterに投稿しました。絵しりとりで盛り上がる3兄妹の様子をご覧ください #コミックエッセイ pic.twitter.com/0C5nyzno2m — えむしとえむふじん@『小学生エムモトえむみの勝手きままライフ』発売中! (@mshimfujin) August 19, 2020 次女が「ん」でゲームオーバーにならないよう、フォローする長女。自信満々で描いた「パフパフ」と音がなるラッパのおもちゃの絵は、長男や次女にも母親である投稿者さんにも伝わらず、ショックを受けていました。その後も、絵しりとりは続きます。コイツ・・・多分動くぞ 絵しりとり編② #コミックエッセイ pic.twitter.com/XTmpL5jpI9 — えむしとえむふじん@『小学生エムモトえむみの勝手きままライフ』発売中! (@mshimfujin) August 20, 2020 次女が描いた人間のような絵に、翻弄される長男と長女。「ウデが外れる」というヒントでも分からない2人に対し、次女がため息をつきながら答えを明かします。「これはプラモデル」人間にしか見えない絵に「分かるか!」と、心の中でツッコミを入れる2人。3兄妹のやり取りに、クスッとさせられます!では、プラモデルの右隣に描かれた絵が何かを想像して、続きをご覧ください。『プラモデル』の後に描かれたのは…?見えないものが見えるってヤツは信じられない絵しりとり編③ #コミックエッセイ pic.twitter.com/UWI0GppaUX — えむしとえむふじん@『小学生エムモトえむみの勝手きままライフ』発売中! (@mshimfujin) August 21, 2020 長男と長女は、次女の描いた絵が再び分からなくなりました。ギブアップして答えを聞くと、正解はまさかの『時の流れ』。次女には、時の流れが川の流れのように見えているようです。果たして、3人のしりとりはどのような結末を迎えるのでしょう。サービス精神が旺盛だと良いというワケではない絵しりとり編 (完) 全4話 #コミックエッセイ 最後の絵はブログにもつけてなかったやつで、描いた本人たちもナニを描いたか覚えてませんとりあえず「こなごな」にしてこの絵しりとりは終わりにした模様前のお話(③話目) pic.twitter.com/XfasBEjILO — えむしとえむふじん@『小学生エムモトえむみの勝手きままライフ』発売中! (@mshimfujin) August 22, 2020 「意外なものを選びつつ、絶妙な分かりにくさで絵を描く。それが絵しりとりのうまさやねんで!」絵しりとりの楽しみ方を熱弁した長男。正解としてのギリギリの範囲を攻めると、より一層楽しめるのだといいます。最後は「こなごな」という回答で、絵しりとりが終了したそうです。【ネットの声】・食べていたカレーを吹き出しました。最初から最後まで面白すぎた!・特に妹ちゃんの回答が斜め上!子供の発想はすごいですね。・みんなセンスが飛び抜けすぎている…!投稿者さんいわく、「子供たちは勝負という感じではなく、楽しむためにやっていた」のだそう。互いの絵を考察し合った3人は、遊びながら想像力を高めることができたかもしれませんね![文・構成/grape編集部]
2020年08月22日小学生になると、図工の授業や理科の観察の勉強で絵を描く機会があります。絵を描くことが苦手になってしまった小学3年生の息子があることをきっかけに、描くことに夢中になり上達していきました。そこで、幼児絵画インストラクターの経験をもとに、息子と取り組んだ簡単に始められる練習方法を紹介します。絵を描くことが苦手になった理由小さい頃からお絵描きや工作遊びが大好きだった息子。小学生になってから絵を描くことが苦手になったのは、図工の授業や理科の授業で、絵が評価の対象になるという経験をしたことでした。自由に描くだけではなく、目的に沿った表現をするということに苦戦して自信をなくしてしまい、絵を描いたり工作することが楽しめなくなりました。そんな息子を見ていてなにかできることはないかと思いましたが、無理に絵を描くことを勧めたりすることは逆効果になると思い、「描きたい!」という気持ちになるまで見守ることにしました。絵が上手になりたい!と息子が思ったきっかけはマンガしばらく絵を描きたがらなかった息子にある日、「絵の描き方を教えて!」と相談されました。見守っていた私からしたら嬉しい相談。その動機の理由は、好きなキャラクターを描くことが小学校で流行っていて、自分も友達のように上手に描けるようになりたいと思ったからということでした。そこで、マンガの写しから絵を描く練習をしていくことにしました。漫画を描く練習をしていたら図工の時間も楽しくなった絵を描く練習というよりは、目当てのマンガのキャラクターを描きたい!という息子の気持ちを優先して練習をしていきました。【写し紙を使って描く】描きたいキャラクターの絵の写し描きからはじめました。無料ぬりえダウンロードなどを利用して家のプリンターで印刷をして、裏から絵をなぞり描きをする方法が手軽でおすすめ。写し描きを続けていくことで、線の引き方や形をとらえられるようになります。【模写をする】写し描きに慣れてきたら、今度は描きたいものをよく見て観察しながら模写していきます。はじめはどこから描いたらいいのかわからない様子だったので、バランスを把握することからはじめました。身体全体を描くのが難しければ、イラストの顔だけを描く練習からはじめてもいいですね。また、描く対象物をよく観察して特徴を見つけるという作業も大切です。写し紙で描く練習を毎日2、3枚、約1週間続けました。その後、模写をする練習を1週間ほど続けたら、ひとりで上手に見本を見なくても好きなキャラクターが描けるようになりました。絵を描くことがまた楽しくなり、前よりも図工の授業の苦手意識もなくなりました。そして、理科の授業で描いてきた植物の観察の絵が上達していてびっくり!先生にも褒められて自信がついたようでした。好きなキャラクターを描く練習だったら夢中になって取り組める子どもが多いと思います。絵は練習すれば上手になります。もし絵が苦手というお子さんがいたら楽しみながら、実践してみてはいかがでしょうか。<文・写真:ライターやまさきけいこ>
2020年08月09日全48枚の札に、日本の12か月折々の花が、4枚ずつ描かれているのが特徴の『花札』。猪鹿蝶や三光など、役の札を集める『こいこい』のルールで遊んだことがある人もいるのではないでしょうか。『花札』にハマった娘が…?@jun1sさんは、「次女に花札の『こいこい』を教えたところ、やたらハマった」といい、ある画像をTwitterに投稿しました。どうやら、次女が花札の札を模して描いたイラストのようですが、完成した絵が見た人々を唸らせる出来なのです。その作品を順番にご紹介します。梅・短冊(梅に赤短)『梅・短冊(梅に赤短)』のイラストでは、札の短冊につづられた「実に素晴らしい」という意味を持つ「あかよろし」が、「あの、よろしいですか」と問いかける文章に!追加で描かれている短冊に「いいよ」と返事が書かれていました。この後に続く会話が気になりますね。柳にツバメ『柳にツバメ』では、柳の葉がオバケとして描かれていました。ツバメが「キャー」と声を上げながら怖がっている様子に、クスッときます!松にツル『松にツル』の絵では、凛々しい顔のツルが「あ、あんたのことなんかっ別に好きとかじゃないんだからっ」と、頬を赤らめているようです。本物の札を見ても、ツンデレなツルにしか見えなくなりそう…!紅葉にシカ『紅葉にシカ』では、色鮮やかな紅葉が、任天堂の人気キャラクター『星のカービィ』として描かれていました。降ってくるカービィたちを見て、言葉にならない驚きの表情を浮かべるシカもかわいいです。桐に鳳凰『桐に鳳凰(ほうおう)』の札のイラストでは、中国神話の伝説の鳥である鳳凰が、桐を「おいしそう…」と見つめています!札の役名を覚えるためか、鳥の羽には「五光のやつ」と文字が書かれていました。次女に花札(こいこい)を教えたらやたらハマって、花札の絵を描き始めたのがこちらです。親バカだけど最高w pic.twitter.com/iPOQKfOto2 — jun1s (@jun1s) July 24, 2020 投稿者さんの次女が描いたユーモアあふれる絵を見た人からは、「娘さんのイラストの花札を商品化してほしい!」「控えめにいって最高」「子供の想像力は無限大…」と、称賛の声が上がっています。ちなみに、次女はオリジナルの札として、『竹に短冊』という作品も描いていたのだそう。「あかよろし」と言葉のリズムを合わせたような『身だしなみ』と書かれた短冊に、心が和みますね。次女の独自の目線で描かれた絵の数々は、花札が好きな人だけでなく、多くの人々の心を惹きつけました。[文・構成/grape編集部]
2020年07月29日身長差が20cm以上もあるカップルは、写真を撮るときは少し身長差に苦労するかもしれません。そこで、身長差カップルだからこそ絵になる身長差を生かしたフォトショットを紹介しましょう。映える!身長差を強調する最強フォトショットあえて身長差を強調するフォトショットを撮影してみるのも写真映えのポイントになりますよ。背の高い彼が彼女の後ろに立つことで、二人の身長差が際立ちます。また、彼が彼女の肩や腕に腕を回し、ハグをすることで彼の包容力をアピールすることができます。これは身長差のあまりないカップルの場合絵にならないので、周囲からも羨ましがられるカップルフォトになることは間違いないです。広角で写真を撮るときは、二人はできるだけ距離を近くし、前後または左右に並ぶようにすると良い写真に仕上がります。ピッタリ引っ付いてラブラブフォトショット二人がピッタリと引っ付いているフォトショットというのは、二人の身長差だけでなく、親密さをアピールするカップルフォトに仕上がります。彼女が彼に抱きついたり、彼の後ろから顔をひょっこり出している写真は、彼女の可愛らしさと彼の大きさを強調する写真になります。また、彼が彼女の身長に合わせて背を屈めている姿というのは優しい印象を与えてくれるものです。二人とも座った状態で彼の足の内側に彼女が入り込むポーズは、大きい彼に小さな彼女が守られているという感じに胸がキュンとしてしまうかも!段差や椅子を使ったフォトショット彼女の小ささ、そして、彼の大きさを強調するフォトショットは、段差や椅子を活用することで可愛らしい身長差カップルのフォトを撮影することができます。お互い向かい合い、彼女は彼よりも高い位置に立ちます。20cmから30cmの段差や椅子に立つと、二人の身長は自ずと同じくらいになるため、同じ目線で写真を撮ることができるのです。いつもは身長差があるので彼が彼女のおでこにキスをしますが、椅子や段差を利用すれば、小柄な彼女が彼のおでこにキスをしたり、向かい合ってキスをする可愛らしい写真を撮影できますね。逆に、背の高い彼が椅子に座り、彼女が立つというフォトショットも身長差カップルだからこそ絵になるのです。身長差を生かした写真身長差があるカップルだからこそ、あえて身長差を強調するフォトショットというのは絵になるものです。段差や椅子などをうまく活用することで、身長差のあるカップルだからできるかわいいカップルフォトに仕上げることができるのです。小さい彼女の可愛らしさ、彼の包容力を写真に収められます。
2020年07月05日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第61回アクマの辞典ア行【オ】➤「重い」(おもい)今回のテーマはあ行から「重い」である。体重の話ではない。確かに世の中には、物理的に重く、体積的に広い人が好み、といった人もいる。そういう方のために体重100キロ以上の淑女を揃えた、婚活パーティが秘密裏に開催されたりもしているようだが、エレベーターに1回3人ぐらいしかの乗せられないため、なかなか会場入りが終わらないという。ちなみに気合の入ったデブ専男性でも100キロあたりの女がボーダーでそれ以上だとキツと感じるらしい。このキツいとは、好みから外れるとかいう意味ではなく、むしろイイネなのだが、100キロ以上を超えると移動に支障が出てくる場合が多く、デートも満足にできなくなるといった意味でキツイのだそうだ。つまり「下半身(性的じゃない意味で)が強い動けるデブ」になれば、一部の層から熱烈にモテるかもしれないということだ。3ケタの大台を超えている人は中途半端なダイエットなどやめて、膝を鍛えたほうが良い。今回はそういう重さではなく、精神的な「重さ」の話である。昔から「重い女は男に嫌われる」と言われている。しかし、世の中には、女が自分の気に入らない行動を取った時に「重い」とか「お前のそういうところが嫌なんだ」と、あたかもそれが欠点かのように責めて支配しようと男もいるので注意が必要だ。もちろん、男が気に入らないことをすると「私を大事にしてくれてない」とさらに漠然としたことを言って、手こずらせてくる女もいる。では「重い」と言われる行動とは何か、というと第一に「束縛」だそうだ。いつどこで何をしていたか全て把握するだけで飽き足らず、コイツとは会うな、など行動を管理しようとするタイプは「重い」と言われる。他にもネガティブな発言が多いのも「重い」と思われるようだ。確かに、赤の他人がネガティブな発言ばかりしていたら「暗くていいなあ!好き!」と、映画『刑務所の中』の山崎努のように逆に元気になれるだろう。だが、家族や恋人がネガティブ発言ばかりしてくる場合、それを励まし続けるのは正直面倒だし、励ましミッションに失敗した時に送られてくる死をほのめかすLINEに逐一対処しなければいけないのも疲れる。しかも相手の希死念慮は、なぜか仕事中や午前2時など明らかに「試される時間帯」に起こるのである。だが、常に自由でいさせてくれて、俺の前ではいつも元気で明るく振る舞ってほしいなんていうのもわがままであり、それは結局、重い女が嫌なのではなく、俺に都合の悪い女が嫌、ということだ。よって、相手の行動を全て把握制限し、左内股にお互いの名前を彫り、右にはこれから生まれてくるであろう二人の子どもの名前を彫ろうなどという提案もしていないのに「お前重いんだよ」と言われた場合は、ただ俺の思い通りに動けと言っているにすぎない場合もあるので真に受ける必要はない。そもそも、物理的重さにも好みがあるように、精神的重さにも好みはあるのだ。世の中には束縛すら「愛されている」と感じ、放任されると不安になってしまうタイプもいるだろう。「重いんだよ」と言われたら、相性が悪かったと思って、内股タトゥー案をイイネと言ってくれる相手を探すというのも手である。--------------------------■ア行【ア】➤「あいみょん」(あいみょん)…腐せば老害と言われ、好きと言ったら媚びていると言われる、中年以上が触れづらいゾーン【イ】➤「陰キャ」(いんきゃ)…陰キャは、陽キャに陰キャ呼ばわりされるのがちょっと嬉しかったりする【ウ】➤「映り込み」(うつりこみ)…飯を二人分映りこませるのは彼氏アピールではなく、本当に二人前食う女もいるということを覚えておいてほしい【エ】➤「エモい」(えもい)…褒め言葉ではなく「よくわからない」という意味【オ】➤「重い」(おもい)…逆に自分の積載量が少ないのが悪いというケースもある**************************プロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。『ひとりでしにたい』 (モーニング KC)『ひとりでしにたい』 (モーニング KC)も発売中。
2020年07月05日どの時代も、ファッションにはその時の流行りがあるもの。ファッション誌を読むと、今後流行るコーディネートの特集が掲載されていますよね。ファッションの変化を描いた、さといも屋(@petit_flare)さんのイラストがTwitterで話題になっています。以前、さといもさんは『2017年と2007年の女子高生を比較した絵』を投稿し、多くの人から共感の声が寄せられました。『今のJK』と『昔のJK』はどれだけ違う?比較した絵に「めちゃくちゃ分かる!」さといもさんが新たに描いたのは、女性のファッションの変化。2020年と2010年に流行した女性のファッションの特徴を見事にとらえた、1枚のイラストをご覧ください!クリックすると画像を拡大します10年前と今の女の子のファッションの違い(それぞれの時代に特徴的なファッションを対比的に描きましたがあくまでも一例です) pic.twitter.com/8DlDRclW0e — さといも屋@活動縮小中 (@petit_flare) June 25, 2020 2010年代はスタイルをよく見せるためにスカートを短くして足を出したり、ウエストを高く見せたりするファッションが流行していました。また、全体的に彩度の高いものや、派手な柄などの華やかな服を着ることがオシャレとされていましたよね。さといもさんは最近の流行ファッションを見ていると、「10代とアラフォーの主婦が似たような服装をしていて、ファッションに年齢の垣根がなくなってきている」と思うそうです。現代は落ち着いた色合いで露出が少なく、体型をカバーするファッションが好まれているためかもしれませんね。投稿は拡散され、性別問わず多くの人から共感する声が寄せられました。・右のファッションが流行ってからもう10年も経ってることにビックリだよ…。・2010年頃は『森ガール』って言葉をよく聞いたような。・華やかな右のファッションもいいけど、シンプルで深みのある左のファッションも好きだな。「ファッションの流行は繰り返す」というのは、よく聞く言葉。現代のファッションは1990年代のリバイバルといわれています。2010年に流行したファッションも、いつか再び流行るかもしれませんね![文・構成/grape編集部]
2020年06月26日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第60回アクマの辞典パ行【ピ】➤「ピンヒール」(ぴんひーる)今回のテーマはパ行から「ピンヒール」だ。近年、ネット上で「#Ku Too」という、職場で女性にヒール靴を履くことを強要するのをやめようという運動が起こったために、ヒールを義務付けするのをやめる企業も増えている。ヒール靴というのは機動力を低下させ、さらに体への負担も大きい。魚であれば「職場ではエラを3分の1塞いで働きましょう」と言われているようなものであり、社会人うんぬん以前に生物として不自然なことをさせていると言ってもいい。しかし、人間というのは、体に悪いとわかっていて好きな物ばかり食ったり酒やタバコやクスリをやったりと、他の動物より圧倒的に生物としてトチくるった行動をしてしまう生き物なのだ。ヤギとかが「草よりこっちのほうが美味いから」と、ピザポテトばかり食っているところを見たことがないだろう。だが、徹底して合理的に生きる動物に対し、無駄な行動をしがちなのが人間らしさとも言える。よって強要するのはおかしいが、多少動きづらくて足が痛くてもカッコいいヒールを履きたいと思うのは個人の自由であり、その動機が己のオシャレのためだろうが、男にモテるためだろうが、それも自由でなのある。ちなみにヒールを履くことがモテにつながるか、というと、いつもの根拠0.02ミリサガミオリジナルネット情報によると「モテる」らしい。ペタンコ靴よりピンヒールを履いた女のほうが、男に声を掛けられやすく、また男に助けを求めた時も応じてもらえる率が高かったそうだ。しかし、これは海外での調査なので、日本でも同様なのかはわからない、むしろ日本の男はピンヒールという目立つファッションをしている女を避ける傾向にあるのではないだろうか。痴漢や、“駅で女に体当たりマン”のような輩は、相手が女であればビヨンセでも果敢に立ち向かうというわけではなく、抵抗しなさそうな地味めな女を狙ってやるのだという。また、少し前に「童貞を殺す服」と称して、セクシーなニットがネットで流行ったが、本物の童貞に言わせると「こんな格好している女がいたら怖くて逃げる」そうだ。だからといって、ヒールを履いた女に「そんな靴じゃ逆にモテないよ」などと忠告するのは余計なお世話だ。仮にモテるために履いているのだとしても、ヒールごときにビビって逃げる男はお呼びでないだろう、かかとにピザカッターがついていても挑んでくる男をご所望のはずだ。ちなみに「背が高い女がデートにヒールの靴を履いてくるのは相手の男に配慮がない」という意見もあるらしい。100歩譲って女が自主的に配慮するならいいが、カップルと無関係な人間や、男のほうが言っているのなら性質が悪い。そもそも相手の背が高いというのは、デートするまで常にスネまで地中にめり込んでいたというのでなければ、はじめからわかっていたはずである。つきあってみないとわからないことは多々ある、しかし一目でわかることに対して後から文句をつけるというのはただのクレーマーと呼ばれても仕方ないだろう。--------------------------■パ行【パ】➤「パプリカ」(ぱぷりか)…自意識が目覚めつつある年頃の子どもに無理やりパプリカを踊らせるのはやめよう【ピ】➤「ピンヒール」(ぴんひーる)…ヒール自体をやめたい人に「痛くないヒールの履き方」を送るというクソリプ【プ】➤「プロフィール」(ぷろふぃーる)…プロフに(笑)を入れてるヤツとはつきあうなとおばあちゃんが言っていた【ペ】➤「ペアルック」(ぺあるっく)…初期からダサくないペアルックに成功していた林家ペーパー【ポ】➤「ポーカーフェイス」(ポーカーフェイス)…事件後に同級生から「何考えているかわかんないヤツだった」と言われるタイプ**************************プロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。『ひとりでしにたい』 (モーニング KC)『ひとりでしにたい』 (モーニング KC)も発売中。
2020年06月21日ベビーカレンダー編集部がおすすめの「妊娠・出産・育児マンガ」をご紹介♪ 今回はInstagramのフォロワー5万人超のユウコトリトリ(@yuko_toritori)さん。小学生と保育園児の3きょうだいを育てるワーママさんです。 今回は、子どもに「お母さんの絵」を描いてもらったときのエピソードです。 「おかあしゃんの、ねずみ色の服だよ❤️」と屈託のない笑顔で言われました。 細部も切り抜き、仕上がりにこだわった作品です。 お母さんがいつも着ている部屋着をちゃんと見ていたのですね! 大好きなお母さんだからこそ、着ているものも印象に残っていたのでしょうね♡ ユウコトリトリさんの育児エピソードは、Instagramやブログなどから更新されています。そして、書籍「カエル母さん」が発売!ぜひチェックしてみてくださいね。 この投稿をInstagramで見る ユウコトリトリ(@yuko_toritori)がシェアした投稿 - 2020年 4月月22日午前6時55分PDT 著者:イラストレーター ユウコトリトリ2007年、2011年、2015年生まれの騒がしい三姉弟を子育て中のワーママ。Instagramにて、育児あるあるや日常の小ネタをカエル漫画でゆるっと更新中!
2020年06月17日児童書などの装丁や挿絵を手がける、イラストレーターの橋賢亀(@katsukame)さんが、1枚の絵をTwitterに投稿。大きな反響が上がりました。公開されたのは、橋さんが高校生の時に水彩で描いた祖母の肖像画。当時、「何も得意なことがない子供だった」という橋さんの背中を押すことになった絵をご覧ください。高校生の時に描いた祖母の絵何も得意なことがない子供だったのですが、当時先生にえらい褒められて、まさか?俺にむいてることがあるのか…?と思ったのでした pic.twitter.com/Xuuf4fBwnc — 橋賢亀 (@katsukame) June 1, 2020 「うちの祖母は本当にかわいいおばあちゃんでした」とつづった橋さん。絵を先生に提出すると絶賛されたため、「まさか?俺にむいてることがあるのか…?」と驚いたそうです。祖母の笑顔を描いた作品は、見る人々の心をわしづかみにしました。・何も知らない自分にも「いいおばあちゃんだな」って伝わる。・目が離せなくなる。ずーっと見ていたい。・自分の祖母を思い出して涙が…。・生まれて初めて絵を見て泣きました。橋さんの祖母は、このような愛情深い表情をいつも孫に向けていたのでしょう。祖母と孫の関係も垣間見える1枚に心打たれます。イラストレーターの道に進んだ橋さんのことを、今でも変わらぬ笑顔で見守り続けているはずです。[文・構成/grape編集部]
2020年06月11日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第59回アクマの辞典バ行【ブ】➤「ブロック」(ぶろっく)今回のテーマはバ行から「ブロック」である。言葉が生まれて以来、人間の最もポピュラーなコミュニケーション方法と言えば会話であった。しかし、時代の流れと共に、手紙、電話、聞いたあと爆発するメッセージなど手段が増えていき、ネットが生まれたことによりさらに多様化していった。そしてついに最後の砦であった仕事まで、コロナウィルスの影響により対面ではなくネットを使ったリモートで行われるようになった。未だに紙の書類や印鑑にこだわる企業が多かった状況を考えれば飛躍的な進化である。石器で狩りをしていた旧人類が、アイパッドでヘラジカを仕留めるようになったみたいなものだ。しかし、こういう対面ではないネット上のコミュニケーションは人間に思わぬ影響を与える。気が巨大になってしまうのだ。見つめ合うと素直におしゃべりできないどころか、「ンフッ」という鼻呼吸をするだけがやっとの人間も、ネット上であれば、同じクラスにいたとしたら3年間1度も話せないような可愛いアイドルに暴言や卑猥な言葉を送ったりしてしまえるのである。リモート業務でも、今まで会社ではそんな素振りを見せたこともなかった人間が、リモートになった途端、女子社員にプライベートなことを尋ねたりする「リモートセクハラおじさん」と化した例もあるようだ。ネットでよく見る、隙あらばワンチャン狙う痛いLINEおじさんも、現実では若い女に声もかけられないノーチャンおじさんである可能性が高い。エロ自撮りアカウントは、リアルでは大胆になれない女が脱ぎ、リアルでは積極的に女に声を掛けられない男がワンチャン狙うという地獄のマッチングが成立しているともいえる。このように、良くも悪くもネットなどを介したコミュニケーションはリアルより積極的になれるため、もちろん恋愛でもよく使われている。「LINEモテテク」や、意中の相手と仲良くなるためにまずSNSのアカウントを尋ねたりと、昨今ではネットコミュニケーションツールを上手く使いこなすことが、モテや恋愛を成就させる鍵と言っても過言ではなくなってきている。そして、ネットコミュニケーションには「ブロック」できる、という最大の特徴がある。「ブロック」とは相手が送ってくるメッセージを拒否したり、相手が自分のSNSを見られないようにしたりする機能である。リアルであれば、話しかけようとする相手の口に馬糞を詰めたり、こちらを見ようとしてくる目に薬指と人差し指を使った本格的目つぶしを食らわせたりするようなものだ。そんなリアルでは絶対できないことをやってのけられる、痺れて憧れる機能なのだが「ブロック」するのは勇気がいるのでなかなかできない、という人も多い。明確な拒否表示なため、相手を不快に思っているからブロックしたいのに、ブロックしたことを相手に知られたら不快に思われるのでは、というワケのわからない心理である。しかしブロックはブロックである、アタックではない、相手を攻撃しているのではなく自分を守っているだけだ。何かあればすぐ「自衛しろ」と言われる昨今である、不穏なものを感じたら防御は躊躇なくしたほうが良いのだ。そもそも使って良い機能だからついているのだ、リアルで馬糞をお見舞いするのを我慢してやっているのだからネット上でくらいは我慢しなくて良いだろう。しかし、押せば相手に巨漢が3人ぐらい体当たりしてくる「アタック」ボタンがついたらそれはそれで需要がある気はする。--------------------------■バ行【バ】➤「バチェラー」(ばちぇらー)…結婚してはいけない3B男子の第4候補【ビ】➤「ビデオ会議」(びでおかいぎ)…「顔映す必要あるか」と思うが、外出自粛中、人の形を保つのに一役買っている【ブ】➤「ブロック」(ぶろっく)…ブロックを攻撃と取る者もいるが、己が攻撃したからブロック(防御)された可能性が高い【ベ】➤「別腹」(べつばら)…浮気を繰り返す人間も「別腹」と思っているので罪悪感を持たせることはできない【ボ】➤「ボイチャ」(ぼいちゃ)…顔出しリモート飲み会をやっているのはリア充、比較的陽気な陰キャはこれ、普通の陰キャはツイッターだけ**************************プロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。★オフィシャルサイト★Twitter
2020年06月05日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第58回アクマの辞典ダ行【ド】➤「ドライブデート」(どらいぶでーと)今回のテーマは「ドライブデート」である。都会は交通が発達しているので、車好き以外そんなに車を所有していないと思うが、私の住んでいる村では、車がないのはIQが低いジョブズレベルのヤバさなのだ。もはや一家に一台どころか、大人一人あたり一台がデフォルトなので、男だろうが女だろうが車を所有しており、大正や明治生まれでなければ免許も大体持っている。よって「女子だけでランチしよーよ! 」とガーリーなことを言っても「全員車で現地集合」という走り屋の集会スタイルになるのだが、田舎ではこれが普通だ。したがって、車を持っていることに全く特別感がなく、むしろ持ってないほうが「こいつどうやって生きてるんだ? 」と一目置かれてしまう。それゆえ「車はステータス」と言われてもピンと来ないのだが、ひと昔前には、車は男のステータスで、所有はもちろん、何に乗っているかで男の価値が決まり、そして良い車の助手席に乗せてもらうのが女のステータス、という価値観があったらしい。確かに我が村とて、全員軽トラに乗っているわけではない。むしろ、「女は軽だが男で軽は恥」とか、「ラパンのコフレピンクやフレンチミントは女子らしさをアピりたい雑魚ども全員が乗ってるから、あえてフェニックスレッドで差をつけろ」みたいな田舎特有の車マウントがあるような気がする。ただ、田舎も都会も共通するのは「車にこだわっているのは男」という印象だ。確かに、男女によって「好みがちなもの」というものはある。男は、車や新幹線などの乗り物、怪獣、ロボット、『ダークナイト』を好み、女は『セックス・アンド・ザ・シティ』やセーラーウラヌスを好みがち、というような一般論だ。確かに、男女によって好む傾向に差があるのは否定できない。しかし、その傾向からはずれている者に対して厳しくなりがちなのは良くない風潮だろう。例えば、女でロボットアニメが好きと言えば「どうせ彼氏の影響だろう」「女にロボットの良さはわからんだろう」、「女はリカちゃん人形で昼顔ごっこでもやってな」と言われ、男が魔法少女アニメを好むと、どストレートに「変態」と言われたりするヤツである。その発想は古いとしか表現しようがなく、ツイッターで炎上したくてそう言っているとしか思えない。「車は男のステータス」という価値観を自分が持つのは良いが「よって、女は車を語るべからず」というような否定的価値観を持つのは前時代的である。それゆえ、パートナーが何を好きでも構わないが「この良さは男、もしくは女にしかわからない」という論調の場合は注意が必要である。ただし「風呂場でキンタマの上に座ってしまった」「湯船で股間にメチャクチャ湯が入って時間差で出てきた」など、本当に男や女にしかわからない事象、というものは存在するので、そういう発言はノーカンにしてあげよう。--------------------------■ダ行【ダ】➤「誰でもいい」(だれでもいい)…顔がよくて年収1000万円以上なら誰でもいい、の略なので注意【ヂ】➤「地蔵」(ぢぞう)…周りが、自分には興味のない話題で盛り上がっている時のオタク【ヅ】➤「妻」(つま/づま)…この肩書きを得ることでモテるようになる場合もあるらしいが、それに魅かれて来る男は全員ヤバい【デ】➤「電撃結婚」(でんげきけっこん)…「妊娠○カ月」というオプションがついてない者だけ電撃結婚を名乗りなさい【ド】➤「ドライブデート」(どらいぶでーと)…ドライブデートの時、「私が運転するんですよ。変わってますよね!」とアピる女も同様に古い**************************プロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2020年05月21日小さな頃に誰もが熱中したぬり絵。色鉛筆やクレヨンで無心になって色を塗っていくと、かわいいプリンセスやアニメのワンシーンが生き生きと蘇る。そんなぬり絵の楽しみが、世界中の大人たちの間で密かにリバイバルしているかもしれない。今や“Stay Home”がグローバルな合言葉。そんな中、リアルな作品鑑賞に代わって、美術館が発信するコンテンツに注目が集まっている。その一つがコレクションのアーカイブから生まれた「ぬり絵」。オランダにあるファン・ゴッホ美術館のウェブサイトでは、ゴッホのマスターピースをモノクロに変換した画像がダウンロードできる。アール・ヌーヴォーを代表する画家、ミュシャが描いたシンボリックなポスターやカレンダーの画像も、同様にミュシャ財団が提供している。いずれも無料で、思いのままに色を塗れば、まるで自分の作品のように表現できるのが魅力。後でオリジナルと見比べてみても楽しい。家にプリンターがない人はネットプリントを活用したり、タブレットのお絵かきにもおすすめだ。ゴッホとコラボ気分が味わえそう。ゴーギャンと共同生活をした家で描いた「アルルの寝室」。Vincent Van Gogh, ‘The Bedroom’(1888) Van Gogh Museum, Amsterdam長く行方不明で2016年に発見された作品も。Vincent Van Gogh, ‘View of the Sea at Scheveningen’(1882) Van Gogh Museum, Amsterdam代表作「ひまわり」。ゴッホになった気分で大胆に塗ってみて。Vincent Van Gogh, ‘Sunflowers’(1889) Van Gogh Museum, Amsterdam夢見るミュシャの世界を私の色で。植物のつるのように渦巻く特徴的なヘアスタイルは、さて何色が似合う?Alphonse Mucha, Poster for ‘Salon des Cent 20th Exhibition’(1896) Mucha Foundation©Mucha Trust 2020装飾的にデザインされた百合の花。細密な線を塗り分けていくのも大人のぬり絵の醍醐味。Alphonse Mucha, ‘Documents Decoratifs:linedrawing for Plate 33, featuring lily motifs’(1901‐1902) Mucha Foundation©Mucha Trust 2020※『anan』2020年5月20日号より。文・松本あかね(by anan編集部)
2020年05月15日EXILE TETSUYAがプロデュースを務める「AMAZING COFFEE」にて、スペシャル企画「ぬり絵バトルオーディション」が開催されることが15日、明らかになった。同企画は「アメコでうち活キャンペーン第5弾」として発表、5月22日~5月31日の期間中に開催される。スペシャルコラボレーションとしてEXILE TAKAHIROがぬり絵のデザインを担当した。新型コロナウイルスの影響を受け、この事態の終息を祈り1日でも早くLDHのエンタテインメントをファンの皆様にお届け出来るように願い、自宅でもAMAZING COFFEEを楽しんでほしいという想いから、「アメコでうち活キャンペーン」を開催。これまでにAMAZING COFFEE ONLINEでしか購入できないアイテムの販売や、ぬり絵企画などを実施している。参加者は、開催期間中にAMAZING COFFEEのオフィシャルホームページから絵柄のダウンロードし、色付けしたぬり絵を「#AMeCO」「#ポシト君」「#ぬり絵」のハッシュタグを付け、ペンネームを添えてInstagramに投稿。投稿された素敵な作品の中から“遊び心があったで賞”などと題し、受賞者へは、nstagramのダイレクトメッセージで連絡が行く。数名に「アメコのうち活セット」が贈呈され、投稿されたぬり絵はInstagramのAMAZINGポシト君アカウントにて随時紹介される。
2020年05月15日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第57回アクマの辞典ザ行【ゼ】➤「絶叫マシン」(ぜっきょうましん)今回のテーマはザ行から「絶叫マシン」だ。私は遊園地に行っても絶叫マシンにだけは乗らない、なぜなら怖いし、怖いことを楽しいとも思わないからだ。一体何が楽しくて乗るのか全く理解できないので、絶叫マシンが好きだという人間に聞いてみた。すると「スピード感がいい」「爽快感がある」「無重力最高」「その後に来るGで絶頂」など、今世ではわかりあえない言葉のみが返ってきた。ただしGがゴリラなら、そこだけはまだ理解の余地がある。このように「絶叫マシン」は人によって好き嫌いがはっきりと分かれるため、「絶叫マシン好きはこういうタイプ」といった心理分析も巷でよく見かける。こういう「赤縁メガネをかけている女は欲求不満だからヤれる」的な「○○な奴は××情報」をなくすのが世界平和の第一歩である。言い切っていいのは「絶叫マシン好きの人は絶叫マシンが好き」ということだけだ。これに関してだけは「オニギリ好き太郎さんについて調べてみました!好き太郎さんはオニギリが好きみたいですね!」のように、わかりきったことしか言わないクソキュレ―ションサイトの姿勢のほうが正しい。よって無根拠なのは前提として、絶叫マシンが好きな人はどんなタイプかというと「スリルを好むタイプ」らしい。何となくそんな気がしていたし、おそらく間違いではないだろうと思う。しかし「恋愛心理学」などと呼ばれる、治安維持のため、一生童貞を誓う者以外には信じることを法律で禁じるしかない心理学によると、絶叫マシンを好む女はスリルを求めるため、口説きやすいらしい。もはや「ヤレる」という結論にもっていければ何でもいいような気がするが、その結論は少し短絡的すぎる。絶叫マシン好きな人は、確かにスリルを好むのかもしれない。しかし、スリルを得るために「絶叫マシン」という、一応安全が保障された乗り物を選んでいるのである。そういうタイプは、むしろ「見ず知らずの男についていく」といったリスクの高いスリルを求めたりしないのではないか。つまり「いきなりトラックの前に飛び出す女は口説きやすい」のほうがまだ理屈が通っている。世の中には生まれ持った性癖が法に反するという人もいるが、その全員が犯罪者になるわけではなく、多くの人は、妄想やフィクションなどで欲求を解消し、ホンモノに手を出すことはないだろう。それと同様に、スリルを求める性格は生まれつきでも、全員がそれを、ワンナイトラブや、浮気、不倫、連続殺人で満たそうとするわけではなく、絶叫マシンのように、合法、安全、人の迷惑にならない行為で満たしている者もいるのだ。よって「絶叫マシンが好きな女はスリルを求めるので、即ヤリしやすい」という結論にはならない。もちろん絶叫マシン好きのヤリマンもいるだろうが、全員がそうではない。過去に偉人がこう言っていた「赤縁メガネをかけている女がドスケベなのではない、ドスケベな赤縁メガネの女がいるだけだ」と。一例をすべてに当てはめようとするから、誤解や、犯罪は起きるのだ。■ザ行【ザ】➤「雑食」(ざっしょく)…何でも食うという意味にされがちだが、我々がそこらへんの草とか食わないように、やっぱり相手も選んでくる【ジ】➤「地味系女子」(じみけいじょし)…男性向け○○女子の説明の最後は必ず、「○○系女子は××だから落としやすい!」になる【ズ】➤「図々しい女」(ずうずうしいおんな)…産休、育休、時短勤務など、与えられた権利を行使しただけで言われる時もある【ゼ】➤「絶叫マシン」(ぜっきょうましん)…乗りたがらない人を乗せようとするのはハラスメントである【ゾ】➤「(ストライク)ゾーン」(ぞーん)…ストライクゾーン広めだからをアピールする奴ほど、死球はきれいに避ける**************************プロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2020年05月05日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第56回アクマの辞典ガ行【ゲ】➤「幻滅」(げんめつ)今回のテーマは、が行から「幻滅」である。「幻滅」とは、イケていると思っていた男の初デート先がポッポだった上、財布がマジックテープで、その場にいたどの中学生よりも軽快なバリバリ音を轟かせた、など「思っていたのと違った」ためがっかりする現象である。しかしこの幻滅は男が悪いというより、勝手にしゃらくさいイタリアンレストランに連れて行ってくれて、会計はこっちが便所に行っている間に済ませてくれるから、仮に財布がマジックテープでもこちらが目にすることはない、と思い込んだほうに非がある。このように幻滅というのは、自分のイメージと実際の相手との差が大きかったときに起こりやすい。よって、相手がいくらイトーヨーカドー前に、ウォレットチェーンをチャカつかせながら参上してもそれがイメージ通りなら幻滅などしないのである。つまり、幻滅しないためには、まず相手に間違ったイメージを持たないことが大事である。私の知り合いに、旦那が金にだらしなく多額の借金すらある、という人がいる。さぞ結婚したことを後悔しているだろう、と思うかもしれないが、少なくともそんなそぶりはなく、旦那の悪口や愚痴も全然言わないのだ。なぜなら、出会ったときから、周りに「あいつは金にだらしないから関わるな」と忠告されていたからである。それを知っていて、つきあって結婚しているので、特に幻滅も後悔もないのだ。そうは言うても家族に借金があるのは困るやろという気もするが、別家計なので今のところ自分に害はないし、害が出ても自分に収入があるのですぐ別れれば良いから、特に不安やストレスはないらしい。このように、幻滅を防ぐためには、過度に相手を美化しないことも大事だが「相手に期待しすぎない」つまり「頼る」という発想を持ちすぎないことが大事である。例えば「この人と結婚すれば一生安泰」と思い込めば、当然そうじゃなくなったときに「思ってたんと違う」となってしまう。「病気」や「失業」など、生きていれば当然起こり得ることすら「裏切り」と感じ、「一緒に乗り切っていこう」という発想すら起こせなくなってしまうのだ。逆に、最初から頼るつもりでなければ、相手が思っていたのと違っても、そこまで動揺することはない。むしろ己に自立心がないから、自分の人生を変えてくれる王子様が現れるのを期待してしまい、相手を過度に美化してしまいがちになるという現象が起こるのかもしれない。よって、まずは、万が一相手が借金モラハラバリ財布野郎でも、なるようになると思えるぐらい己が自立すれば、自然と幻滅という現象自体起こらなくなるのではないだろうか。ポッポが不満なら、自分がイタリアンレストランに連れていけば良いだけなのである。あとポッポもバリ財布も別に悪くない、それで勝手に幻滅したり一喜一憂してしまったりする我々が悪いのだ。■ガ行【ガ】➤「ガラスの仮面」(がらすのかめん)…完結させないと死後勝手にAIに続きを描かせそうなので頑張ってほしい【ギ】➤「ギリイケメン」(ぎりいけめん)…人を「ギリイケメン」「ギリ抱ける」などと言ってくる人間とは付き合うなと、ばあちゃんという概念が言っていた【グ】➤「グルチャ」(ぐるちゃ)…すぐ「俺のいないところでグルチャが行われている」被害妄想が起こるので最初から入らないほうが良い【ゲ】➤「幻滅」(げんめつ)…女にムダ毛が生えていることに幻滅する男は、こちらを人間と思っていないということなので別れたほうが良い【ゴ】➤「ゴールイン」(ごーるいん)…結婚をゴールと考えていると後々問題が起こりやすいので「終わりの始まり」という意味では正しい用法**************************プロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2020年04月21日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第55回アクマの辞典ワ行【ワ】➤「若作り」(わかづくり)今回のテーマはワ行から「若作り」だ。人間、成人したあたりから、実年齢より若くありたいと思うようになる。なぜそう思うのか、まずは自分の気持ちの問題だ。誰だって、朝っぱらから鏡を見て、お母さんやお祖母ちゃんを越えて「ご先祖様光臨!?」と思いたくはない。自分の顔を見てテンションが下がるという地味なメデューサみたいな目にあわないために、いつまでも若々しく元気な顔でありたいと思うのだ。もう1つは、それによって周囲からの扱いが変わってきたりするからである。若い女はチヤホヤされ、逆に年増は三段オチの三段目にされた上、それを「ヤダ~もう! キンタマもいじゃうぞ! 」と笑って流すのが、正しい職場のババアの姿である、という世界観のもとで生きていかなければならないとしたら、処女の生き血をジャブジャブ浴びてでも若くありたいと思ってしまうだろう。日本は未だに、その世界観寄りなところがある。若さがもてはやされるとは「年を取ると急激にチヤホヤされなくなる」ということでもある、その恐怖が女を処女狩りに走らせるのである。しかし、私は昔、ブスについて研究した自著の中で「ブスは加齢に強い」という話をしたような気がする。ただ、読んだ人間の記憶に残らないのはもちろん、書いた人間の記憶にも残っていないので定かではない。若ければ全員チヤホヤされるわけではない、若くても全く神輿に乗せてもらえない女は存在する、ソースは私だ。よく年を取って「美貌が衰えた」などと言うが、衰える美貌がそもそもない人間だっているのである。そういうタイプは、年を取っても失う美貌もチヤホヤもないため「30を超えてから、周りの対応が急に冷たくなくなった」などと感じることはないだろう。むしろ「30代も20代と変わらず塩、そして40代になってもおそらく塩」なのだ。それがわかっているため「加齢に対する過剰な恐怖」がないのである。美人は失う物が多くて大変デブスなあ、という話だが、加齢によってなくなるチヤホヤなどそんなに惜しむ必要はない。年を取ってチヤホヤがなくなったのは「若さ、一点のみを評価していた勢」が消えたと考えるべきである。逆に言えば、今後評価してくれる人は「若さ」とかいう誰もが一度は持てる物ではなく「君は上手投げの型がすごくキレイだね」など、能力や内面を評価してくれている、とも言える。年を取り、周りの態度が変わることで自分を「オワコン」と感じてしまう場合もあるかもしれない。ただむやみに落ち込み、無理に若さに執着するよりは、「ワンチャン狙われる若い女」という性消費コンテンツとしても終われたのだ、と前向きに考えてみてはどうだろうか。■ワ行【ワ】➤「若作り」(わかづくり)…美容意識が低い中年ほど「中学生みたいな格好で外に出る」といった超若作りをしてしまう【ヲ】➤「ヲタクに恋は難しい」(をたくにこいはむずかしい)…映画版にオタクが軒並み激怒したため「やっぱりオタクは面倒くさい」という偏見を強調することになった、と言われているが、偏見ではなく本当に面倒くさい【ン】➤「ンジャメナ」(んじゃめな)…恒例の「無理やり」としか言いようのない「ん」。今回はアフリカの地名です。お納めください**************************プロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。★オフィシャルサイト★Twitter
2020年04月05日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第54回アクマの辞典ラ行【ル】➤「ルッキズム」(るっきずむ)今回のテーマはラ行から「ルックス(ルッキズム)」だ。コンプラが重要視される現代。意識の高い国では、他人を容姿でからかったり、見た目で差別したりするなんて、もはや原始人のやることであり、ウケるどころか、そんな北京原人はわが社にいらないとさえ言われてしまう。しかし私は、その昔「ブスの本懐」という本を出したことがある。「ブス」なんて「1秒でも早く燃えたい」という自短炎上目的以外、言わないほうが良い言葉である。幸い拙作は、内容があまりにもなさ過ぎたため燃えるところにすら行けなかったのだが、今ならタイトルだけで「ジャケ燃え」できるかもしれない。確かに、全く良い言葉ではないので、見るだけで不快という人がいるのもわかる。そんな攻撃的な言葉を使わずとも「攻めたデザイン」「プロ向け」「時代が追いついていない顔」など、ポジティブな表現はいくらでもできる。しかし「見た目で判断するのは良くない」と頭でわかっていても、われわれ人間は他のお動物様より能力が劣っているため、基本的に判断を「視覚」に頼り切って生きざるを得ないのだ。他のお動物様方なら臭いや鳴き声、ブチャラティなら相手の頬を舐めるなどして、相手が嘘をついているかなどを判断できるが、人間は下等生物なのでそれができない。よって人間のこともとりあえず見た目で判断するしかないのである。だが、この「見た目で判断する」というのは、時に必要なことだ。子どもに「人間は見た目じゃない」と言いながら「怪しい人には近づくな」とも言っているだろう。この「怪しい」というのは明らかに見た目のことを言っている「見た目が何かヤバいヤツには近づくな」ということだ。もちろん、見た目は紳士、中身はゴリゴリのロリコン、という御仁も多くいるので、それで全て判断できるわけではないが、ヤバい見た目の人がマジでヤバいケースももちろんある。「見た目で判断することにより回避できる危機もある」ということだ。「人は見た目じゃない」と言って、全裸に青龍刀、という武器にだけ金をかけすぎたアバターみたいな人に積極的に声をかけていたら命がいくつあっても足りない。見た目で判断することも大事、つまり「見た目も大事」ということである。ただ、ここで大切にすべき「見た目」というのは「パンツを履いている」「洗った服を着ている」「3日以内に風呂に入った痕跡がある髪」などの社会的見た目のほうである。生まれつきの顔の設計やデザイン、耐震強度を見て「基準以下だから不採用」と容姿が関係ない場でビジュアル差別するのは、やはり「㈱北京原人」の人間がやることである。逆に言えば、風呂に入って洗濯された服を着るだけで避けられるマイナス査定があるということだ。見た目で判断するなんてバカらしいと思うなら、逆に「清潔感」という見た目にこだわったほうが良いということだ。ちなみに恋愛対象として「顔が良い人が好き」「ブサイクとは付き合いたくない」というのは差別ではない。これはただの個人の好みの問題であり「無職はちょっと」というのと同じである。つまり、大変遺憾ながら「顔がいい人間がモテる」という現象に不当性はない、ということである。■ラ行【ラ】➤「ランジェリー」(らんじぇりー)…キャラクターパンツは「元カノからのプレゼント」と決めつけられるので履かないほうがいい【リ】➤「リモートワーク」(りもーとわーく)…ただの仕事持ち帰りなら平時でもやっている【ル】➤「ルッキズム」(るっきずむ)…中身を見られたらもっと困るのでむしろ見た目で判断してほしい【レ】➤「令和婚」(れいわこん)…令和離婚のほうが再スタートという意味で正しい【ロ】➤「ロック画面」(ろっくがめん)…ここが無難なヤツほど中身がヤバい**************************プロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2020年03月21日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第53回アクマの辞典ヤ行【ヤ】➤「病みアピール」(やみあぴーる)今回のテーマはヤ行から「病みアピール」である。病(ビョウ)には二種類ある、肉体的なものと精神的なもの、そして同じクリアファイルを10枚以上買ってしまうオタクだ。肉体的な病(ビョウ)というのは、精神的なものに比べれば、わかりやすいし、心配もされやすい。骨折している人に「このわざとらしい松葉づえ!」と井之頭五郎の顔で言うヤツがいたら、そっちのほうが何らかの病(ビョウ)に罹っている。しかし、精神的なほうは見た目ではわかりづらく、理解もされにくい、心配どころか「メンヘラ」と揶揄され、ただの面倒くさいヤツ扱いされることさえある。病(ビョウ)が理解されないのは由々しきことである。しかし病(ビョウ)でもないのに、病(ビョウ)みアピールをする面倒くさいヤツが実在するのも事実だ。そういうタイプがなぜ病みアピールをするか、というと、よく言われている通り、人の気を引くためである場合が多い。よって「かまってちゃん」と呼ばれることもある。しかし、かまって氏が求めるかまわれ方は、的確なアドバイス、間違っても厳しいご意見などではない。彼女たちが求めるのは、己から無限に繰り出される「でも」「だって」を全て笑顔で受けきる合気道の達人、そして「私のこと嫌いになったでしょ?」に永遠に「好きに決まってんだろ」と言ってくれる語彙少な目な人間だ。病みアピールをする人とはつまり、他人からの関心がないと不安になるタイプであり、その気の引き方が「心配させること」なのである。どれだけ励ましてもネガティブなことしか言わず、黙ったかと思えば、本文なしで大量の錠剤の写真が送られてきたりするので、結局「面倒くさい」ということになり、人が離れやすくなってしまう。しかし、なぜ世の中にかまって氏が存在するかというと必ず「かまう氏」がいるからである。「マジ…ムリ…リスカしょ…」というつぶやきにリプ0件、いいね1件だったら、二度とそんな投稿はしないし、もちろんリスカもしない。「病みアピールでかまわれた」という成功体験があるから、何度でもアピるのである。人の関心を求めるタイプは、他人を強く必要としているということだ。求めれば「お?俺の出番か?」とベンチコートを脱ぎだすヤツの一人や二人現れるものなのである。よって、他人を全く必要としていない人間より、むしろこっちのタイプのほうがモテてしまう。しかしベンチから出てくるのは、包容力のある男ではなく「こういう女に優しくすればすぐヤレる、という成功体験を得ているおじさん」かもしれないのだ。誰しも、人にかまわれたい、認められたいと思う時はある。しかし「溺れる者はクソリプおじさんにも抱かれる」という。そのたびに誰でもいいから抱きしめてと叫ぶのは非常に危険だ。孤独にさいなまれた時、平成初期の同人便箋でよく見た、自分で自分を抱きしめる「己抱き」のポーズをとることで気持ちを落ち着かせられるよう、日ごろから訓練しておこう。■ヤ行【ヤ】➤「病みアピール」(やみあぴーる)…SNSで繰り返すたびに周囲の人間の質が落ちる逆ふるい【ヰ】➤「ヰトゲンシュタイン」(ゐとげんしゅたいん)…ドイツにある姓それ以上言うことがない【ユ】➤「指毛」(ゆびげ)…第二関節から上に生えていると逆にモテる【ヱ】➤「酔い泣き」(ゑいなき)…本物の泣き上戸と、酔って泣き言を言ったらちやほやしてもらえた体験が死ぬまで忘れられないタイプに分かれる【ヨ】➤「米津玄師」(よねづけんし)…推しカプのイメソンを歌ってくれる人としてオタクにも人気**************************プロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2020年03月05日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第52回アクマの辞典ハ行【フ】➤「不機嫌」(ふきげん)ゲーム「龍が如くシリーズ」には赤ちゃんプレイ好きのヤクザがオムツ姿で出てくる。帰るな、今からすごく大事な話が始まる。登場した時はただの変態という位置づけだったが、最新作ではついに「子どもが生まれてから妻が冷たくなった」と嘆く、男に子育ての大変さを説く存在にまでなっている。保母役の嬢曰く「夜泣きをされても、どうしたら泣き止むのか、どうして泣いているのかさえもわからない」のだそうだ。理不尽ですらある、しかしそれが赤ん坊というものであり、それを育てることがいかに大変かということがよくわかる。最初、坊主頭の強面がオムツ姿で「バブー!」と現れた時は、こんな重要なことを伝える役になるとは夢にも思わなかった。しかし、世の中には赤ちゃんでもないくせに、このような理不尽をやってのける人間もいる。今回のテーマは、は行から「不機嫌」だ。人間、生きていれば不機嫌な時もある。むしろこのストレス社会、機嫌がいい時のほうが☆5のSSレアかもしれない。しかし、大人になったら、どれだけ心のオムツがビショ濡れでも、他人の前では「股間の通気性抜群」という顔をしなければならない。そして一人になってから、ファミチキなどを食って心のオムツを取り換える「自分の機嫌は自分で取る」行為をしていかなければいけないのだ。それにもかかわらず、プレイ料金を払っているわけでもないのに、未だにオムツを他人に取り換えてもらおうとする人間がいる。会社などでも、不機嫌を全く隠さないのに、どうして不機嫌なのか全く説明しない、まさに夜泣きしている赤ちゃんみたいなのが一人はいるのではないだろうか。赤ちゃんでも正直ストレスなのに、大人であればそのウザさは計り知れず、職場の空気は極めて悪くなる。それが上司だったりしたら、周囲は「赤ちゃんプレイの保母嬢」という、求人票に書いてない業務をしなければならなくなってしまう。もちろん、恋人や家族間でもこの「赤ちゃん」は現れる。むしろ、恋人や家族ほど甘えが強くなるので、赤ちゃん出現率が高い。なぜ怒っているのか説明せず、不機嫌アピールをして、相手に機嫌を取らせようとする行為自体が恋人同士の「プレイ」とも言える。だが、この不機嫌赤ちゃんプレイばかり続けるのは自分のためにもならない。怒っている理由を説明せず、ただ謝らせたり機嫌を取らせたりして終わりにすれば、相手はまた同じことをするからである。説明責任を放棄して、ただ「アバー」とおムズがっているだけでは、相手は「これをすれば怒る」ということを学べないままなのだ。乳幼児とお母さんのまま関係性が成長しないのである。最近、ツイッターなどには怒っている人ばかりで、昔の飯と猫とIQ3の下ネタしかなかったころが懐かしいという声も耳にする。しかし、怒りをはっきり表明しなければ何も変わらないという面もあるので、それはそれで必要なことだとは思う。赤ちゃんだって成長して、いつかは自分の要求を言葉で伝えるようになるのだ。恋人同士の赤ちゃんプレイも1年ぐらいで卒業して、後は言語でコミュニケーションを取るべきだろう。■ハ行【ハ】➤「初恋」(はつこい)…一番キレイなのを初恋にしがち、ノーカンにされた初恋が2~3個ある【ヒ】➤「冷え性」(ひえしょう)…すぐに「僕が温めてあげようか? ナンチャッテσ(^_^;)」とLINEが送れないようでは一人前のおじさんとは言えない【フ】➤「不機嫌」(ふきげん)…若いころは機嫌をとってもらえても、そのうち居酒屋の隅に放置されるようになる【ヘ】➤「ヘイシリ」(へいしり)…シリと二人きりじゃない時に言える人間は稀【ホ】➤「包容力」(ほうようりょく)…ただ「丈夫」と思われている節がある**************************プロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2020年02月21日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第51回アクマの辞典マ行【メ】➤「目が合う」(めがあう)今回のテーマはマ行から「目が合う」だ。昔「目と目で通じ合う」というような歌もあった。知らない? あの『闇金ウシジマくん』1巻で、風俗に沈められて妖怪人間ベラみたいになったOLが歌ってたやつだよ、と力説しても仕方ないのだが、目が合うことで始まる恋もあるらしい。一度目が合っただけで「俺に気がある」などと思うようなヤツは完全に危険人物なのでGPSを埋め込むべきだと思うが、俺に気があるのではと思うことで、逆に相手のことが気になり、いつの間にか好きになっている、ということもあるようだ。しかし、元来人間は、自分の見たいものを見ようとする生き物である。コンサートでアイドルがアリーナ2階席に視線を向けたら150人ぐらいが「自分を見た」と感じるだろうし、推しカプが同じコマにいたら「付き合っている」ように見えるのだ。よって「よく目が合う」というのも、既に相手に好意を持っているがゆえの錯覚である場合も多い。そもそも、よく目が合うのは、自分も相手をよく見ているからなのだ。もしくは、自分か相手が「後頭部に目がある系女子」の時だけである。たかが「目が合う・合わない」で、恋愛にまで発展するものかと疑問が生じるかもしれない。しかし、何とも思ってなかった人が夢に出てきたり、好きなガンダムが自分と同じGだったりしただけで相手のことが気になりだすように、人間は割とちょっとしたことで相手に興味を持つものなのだ。相手の気を引くために、頻繁に目を合わせる、というテクニックがないこともないだろう。それに「目を合わせない」というのは、常にコミュ症あるあるランキングのトップに食い込んでくる条件である。コミュ症あるある全部当てるまで帰れま10でも大体最初に出てくる。ちなみに当てづらいのが「『フヒっ』ではなく、よく聞いたら『ンフっ』が多い」だ。つまり、コミュニケーションにおいて「目を合わせる」ことが重要であることは否定できない。逆に言えば、コミュ症と目が合うようになったら相手はかなり自分に心を開いている、もしくは相手が「目を合わせたまま完全に心を手放す術」を習得したかである。そういう相手にムリに視線を合わせようとしてはいけない「コミュ強がマウントをとってきている」としか思われないので、ますます閉じてしまう。野生動物がいきなり人間の手から餌を食ってくれないのと同じだ、まずは100メートルぐらい離れるか、壁を3枚ぐらい隔てて目を合わせることから始めよう。なぜコミュ症が人と目を合わせないかというと、恥ずかしい、緊張する、怖い、など様々理由もあるが、じっと見られることにより悪事を見透かされそうで嫌というのもある。これは、コミュ症が全員時効待ちの連続殺人犯というわけではない。特に悪い事もしていないのに、交番の前で早足になってしまうように、コミュ症やネガティブな人間は「見られる」=「悪いところを見られる」と思ってしまうのだ。よって目を合わせたり、見つめたりすることで相手の気を引く方法というのは、それなりにポジティブで自分に自信のある人間にしか通用しない。ネガティブな人間を見つめても「格好がダサいと思われている」「そんなに俺がPIKOを着ているのがおもしろいか」という被害妄想を爆発させてしまうだけだ。郷に入れば郷に従えだ、もしコミュ症の気を引きたいという奇特な方がいたら、まず目を全く合わさずに会話するところから始めよう。そうすれば「珍しく話しやすい人に会った」と思われるだろう。■マ行【マ】➤「マクラ営業」(まくらえいぎょう)…すぐ相手がSNSに書くので減ったらしい【ミ】➤「見合い結婚」(みあいけっこん)…そのうちマッチング結婚と言われるかもしれない【ム】➤「無人島」(むじんとう)…「無人島に持って行くなら何?」という質問、「宝くじ当たったら…」に次ぐ虚無【メ】➤「目が合う」(めがあう)…コミュ症は大体、襟あたりを見ているので、胸元が開いていない服を着て来てくれるとありがたい【モ】➤「モブキャラ」(もぶきゃら)…モブおじさんのように主役と絡めるモブもいるので希望を捨ててはいけない**************************プロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2020年02月05日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第50回アクマの辞典ナ行【ニ】➤「肉じゃが」(にくじゃが)今回のテーマは、ナ行から「肉じゃが」だ。それとは直接関係ないのだが、先日テレビでローカル番組を見ていたところ、どこかの市町村が「イクメン表彰式」をした、というニュースが流れてきた。その地域で育児を頑張っている男性に表彰状を送ったのだという。てっきり壇上に上がっている男性たちは、赤の他人の子供の世話を無償で頑張ったに違いない、それは偉い、表彰状の一つや二つくれてやるべきだろう、と思ったのだが、どうやら頑張ったのは「自分の子供の育児」のようである。つまり、当たり前のことをしているだけなのに「偉い」と表彰状を貰っているのだ。これは我が地域、納得の過疎化、限界集落待ったなしと言ったところである。おそらく、妻のほうも同じぐらい育児をしているだろうに、表彰されるのは男だけだという。父親の育児が表彰されるなら、我々全員「息してる」という理由で金一封を貰っていいはずである。なぜ男が、己の子供を育てただけで讃えられるのかというと、今でも「育てないヤツ」のほうが多いからだ。つまり「珍しい」という理由で褒められているのだ。希少価値で褒めるなら、もっとイリオモテおキャット様や、マヌルおキャット様とかを讃えるべきだろう。それと同じように「料理ができる男」も、未だに「すごーい」と合コンに住んでるサーバルちゃんに褒められていたりする。「得意」とかいうレベルではなく「できる」だけで褒められる対象なのだ。片や女は「料理ができる」というのは、それこそ「息ができる」と同じぐらいできて当たり前と思われているので「毎日人間が食えるものを作っている」という偉業を成し遂げていても、全く褒められない。だが昔から、男は胃袋と玉袋をつかめ、お袋(おふくろ)はこっそり殺せ、と言うように「料理上手」は現在でも女のチャームポイントの一つとされている。そして「肉じゃが」というのは、男が喜ぶ料理の鉄板と言われていた。なにゆえ「肉じゃが」なのかは諸説ある。もちろん芋と肉が甘辛く煮てあれば、誰でも泣いて喜ぶに決まっているのだが、それに加え「肉じゃが」が「おふくろの味」という人が多かったからではないか、とも言われている。今では、おふくろの味もハンバーグやグラタン、ハッピーセットなど多様化しているので、肉じゃがはすでに男ウケメニューとは言えなくなっているのかもしれない。料理上手をセールスポイントにするのは悪くない。飯というのはマストなため、それが毎日致命的に不味いと、すぐに精神に異常をきたすので美味いに越したことはない。しかし、料理ができない女がダメというわけでもない。ひと昔前まで「嫁がメシマズで」というと、嫁のほうが悪く、夫は同情される側であった。だが、今ではもう「じゃあ、なんで自分で作らないの」と言われてもおかしくない。料理ができないなら他のできることを担当すれば良い。仕事も家事も、得意な人がやるほうが効率も良くなるに決まっているのだ。性別で役割を決めて、ムリヤリ苦手なことをさせるから、メシマズ女や甲斐性なし男という悲しきモンスターが爆誕するのである。■ナ行【ナ】➤「涙袋」(なみだぶくろ)…たまに目よりでかくなっていることに気付いてない人がいる【ニ】➤「肉じゃが」(にくじゃが)…好みのタイプ「家庭的」「肉じゃが をおいしく作れる人」は「処女一択」と同じレベルの地雷になりつつある【ヌ】➤「濡れ髪」(ぬれがみ)…見るだけならセクシーだが、髪を拭かずにウロウロするヤツとは結婚しないほうがいい【ネ】➤「ネット婚活」(ねっとこんかつ)…ネットで出会った人なんて、というが現実で出会うヤツも結構ろくでもない【ノ】➤「ノーメーク」(のーめーく)…化粧動画は、いかにノーメーク状態がブスか、にかかっている**************************プロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2020年01月21日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第49回アクマの辞典タ行【チ】➤「遅刻癖」(ちこくへき)今回のはタ行から「遅刻癖」である。まず、この原稿が締切りを3日過ぎている。だが私はこれでも編集者から「締め切りを守るほう」と言われているのだ。それ以外褒めるところがないので消去法で言っているのかもしれないが、裏を返せば、他の作家がいかに締め切りを守っていないか、という話である。どのぐらい守っていないか、というと私が聞いた最長は「半年」だ。しかしこの業界の特殊なところは、人気作家、作品であれば、出版社も読者も半年どころか18年ぐらい待ち続けてしまうという点である。しかも、ようやくやって来た時のコメントは「遅えよ」ではなく「ありがとう」なのだ。だが、これは本当に特殊な世界で、さらに選ばれた者のみが持つ異能力である。赤子が絶対夜泣きしないベビーベッドがあったとしても、納期を18年も遅らせるようでは商売にならない。確かに夜泣きは18歳どころか40近くなった今でもするのだが、さすがに体のサイズが合わないだろう。このように「時間を守らない」というのは、ほとんどの仕事で致命的なのである。いくら他の仕事ができても、遅刻癖があったり納期が守れなかったりすると全てが台無しなのだ。そういう人は作家のように「全員守らない」世界に行くことをお勧めする。恋愛面でも、遅刻というのは大きなマイナスである。デートに遅刻してくることの何がマイナスかというと、遅れてきたことよりも「軽んじられている」という印象を相手に与える点だ。誰だって、石原さとみとのデートだったら、遅刻などしないだろう。むしろ3日前から待っても遅いぐらいだ。つまり、初デートで遅刻をするというのは、“ディナーの店がサイゼリア”よりも明確に「自分に気がない」と思われてしまうのだ。本当に気がなくても、時間を守らないのは人間的信用も落とすため、遅刻はサイゼリアのハイグレード版と言って良い。また遅刻というのは、相手を軽んじているだけでなく「このぐらい遅刻しても相手は待つし、怒りもしない、なぜなら俺のことが好きだから」という、何様感の演出にも一躍買っている。逆に言うと、相手がいつもデートに遅刻するという場合は、相手に軽く見られているか、何をしても怒らないと思われている可能性が高いだろう。だが、決して相手を軽視しているわけではないが、遅刻してくる人というのもいる。「待ったら死ぬ病患者」はそれにあたる。世の中には生まれつき1分待つごとに寿命が1年縮むという、病(ビョウ)に罹っているものがいるのだ。待ち合わせでも待ちたくないため、「ちょっと遅れていく」という行動を取りがちなのだ。このタイプは、3時間など派手な遅刻はしない、毎回きっかり5分遅刻してくるなど、むしろ誰よりも時間を守った遅れ方をしてくる。病(ビョウ)なので、自信過剰系の遅刻魔よりある意味矯正が難しい。これはもう難病のパートナーを支えていると思って我慢するしかないだろう。また先天的特性上、どうしても遅刻してしまうという人もいるので、頭ごなしに怒るのではなく、一緒に原因を究明してあげることも必要だ遅刻というと軽く聞こえるが「約束を守る」というのは、信用問題であり、相手へのリスペクトの表れでもある。これから付き合いたい、長く付き合いたいという相手にはするべきではないだろう。もしくは、1時間とかぬるい遅刻はせず18年待たせたほうが良い。そうすれば相手は怒りなど超えて「来てくれてありがとう」という感謝と感動に変わっているはずだ。■タ行【タ】➤「タイミング」(たいみんぐ)…運の次に失敗責任をなすりつけられている存在【チ】➤「遅刻癖」(ちこくへき)…じっとしていられないので予定を入れまくり、それがちょっとずつズレることで遅刻するというヤツもいたので理由は様々【ツ】➤「妻スタグラム」(つますたぐらむ)…他人の写真をネットに載せる以上、俺スタグラムも並行してやるのが平等だと思う【テ】➤「てへぺろ」(てへぺろ)…「殴ってください」という意味【ト】➤「トリセツ」(とりせつ)…カナさんが激怒する男を見ながらワインを飲むために作った曲**************************プロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2020年01月05日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第48回アクマの辞典サ行【ス】➤「好きのサイン」(すきのさいん)今回のテーマはサ行から「好きのサイン」である。結論から言うとこういった「サイン文化」はあまりよろしくない。人差し指と中指の間に親指を握りこむとか、親指と人差し指で作った輪っかに、もう片方の人差し指をぶっ刺すとか、単純明快でわかりやすいサインならよい。しかし「部屋に来たということはOK」「スカートをはいて来たからヤッてよい」など、相手が全く出してないサインを勝手に受信するのは犯罪のもとである。逆に「察して」ではなく、ちゃんと言葉で伝える習慣もつけなければいけない。何事もサインではなく明確な意思表示が大事なのだ。しかし「やらないか」「スケベしようや」と、なかなか言葉で言えないのが我々である。サインを読んだり読ませたりする文化は今後も続くだろう。「好きのサイン」が使われるのはどんな時であろうか。時に我々は、どんなに魅力的でも「無理め」な相手より「イケそう」な相手を選んでしまうことがある。これは致し方ない。素人がエベレストに挑んで遭難死したら「無謀」と呆れられ「高尾山にしておけば…」と言われるだろう、それと同じだ。山は無難なのにしとけという癖に、恋愛は死を覚悟で過酷なエベレスト級の相手に挑むべき、というのはおかしい。そして「イケそう」かどうかを判断する材料が、相手が自分に「好きのサイン」を発しているかどうかである。また、自分からは告りたくない時に「好きのサイン」を発して、相手から告らせようという時にも使う。この「好きのサイン」の出し方だが、昔であれば、でかいネズミを捕まえて来たり、相手の前で石を遠くに投げたりする 、という方法が取られていたが、今では専ら「LINE」だという。恋愛記事でも「相手の気を引くLINEテク」などの記事をよく見かけるだろう。しかし、LINEでもサインの読み違いは起こる。「LINEを送ると必ず返事が来る」というだけで「イケる」と勘違いしてしまう人間もいるのだ。これはよくネットに晒されている「痛いLINEを送ってくるおじさん」にありがちなことだという。相手が「痛いLINEを送ってくる知らないおじさん」だったら無視できる、それ以前に貴様は誰だ、という話だ。しかし、その「おじさん」というのは、客だったり、上司だったり取引先だったり「立場上無視はできないおじさん」というケースがあるのだ。よって、たとえ嫌でも返事だけは返すため、おじさんはそれを「好きのサイン」と勘違いし、「ちゃんづけしてくる」「下ネタを入れてくる」からの「なんちゃって」とエスカレートしていってしまう。つまり、おじさんに限らず「返事が必ず返ってくる」だけで「イケる」と思うのは事故のもとだ。せめて相手のほうから業務連絡以外の「無意味なLINE」が来るようになってから、登る準備を始めたほうがよい。ネットで自分の出したLINEが晒されているのを発見したくはないだろう。■サ行【サ】➤「サプライズ」(さぷらいず)…フラッシュモブプロポーズを断られてびっくりすること【シ】➤「塩顔」(しおがお)…さっぱり系の美形、それ以外は「モブ」と呼ばれる【ス】➤「好きのサイン」(すきのさいん)…「気づいてくれない」ではなく「無視されている」可能性も考えよう【セ】➤「整形美人」(せいけいびじん)…整形は嫌と言う癖に「天然ブス」も嫌だと言う【ソ】➤「ソウルメイト」(そうるめいと)…「うちらソウルメイトじゃん?」は「絶対お前とは付き合わない」の意**************************プロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2019年12月21日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第47回アクマの辞典カ行【ケ】➤「倦怠期」(けんたいき)今回のテーマはか行から「倦怠期」だ。倦怠期とは、セックスさえしていれば二人の時間はあっという間という頃を過ぎ、やっと相手の全体像が見えるようになって「あれ、こいつこんなエロ大根みたいな形してたっけ?」と思う時期である。大体、付き合いたての頃というのは、ときめきで目が眩んでいるので、視力が0.03、視野が2度ぐらいしかなく、相手の良いところしか見えず、悪いところはぼやけて見える。その霧がだんだん晴れて、当初から薄々気になっていた違和感が浮き彫りになり始めるのが、付き合いだして3ヶ月頃だと言う。それに加えて「飽き」や「慣れ」も起こっているため、ここで最初の「こいつのこと本当に好きなのか」「このまま付き合って良いのか」のシンキングタイムが始まるという。「どう見ても働いてない」「とても殴ってくる」「独身と言っているが子連れ」「犬だ」などの、でかすぎる違和感は3日ぐらいで気づくはずだ。気づくのに3ヶ月かかる違和感というのは「別れる決定打になるほどの違和感」でないことが多いため、逆に悩ましいとも言える。完璧な人間などいない、大体完璧な相手なら自分と付き合うはずがない、今頃石原さとみと付き合っているだろう。むしろ、自分と付き合っている時点で「見る目がない」という欠点があるのは明らかではないか。よって、ある程度、我慢も妥協も必要である。しかし、その違和感が“今は許せても、今後絶対許せなくなる”というような「悪性」のものだったとしたら、病気と同じで、時間が経てば経つほど良くなるどころか病状が悪化していくだろう。さらに、時が過ぎるほど別れるのも難しくなっていく。初期症状のうちに「別れ」という名の根絶治療をしたほうが良い場合もあるのだ。このように、相手への違和感に気づいた場合は、それが良性か悪性かの見極めが重要になる。だが、倦怠期には「相手に不満があるわけではないが、ときめきもない」という状況も含む。このような倦怠期の解消については、すでにベストアンサーが出ている。「相手を変える」ことだ。どれだけマヨネーズやトリュフ塩で味変しても、カレーはカレーであり、「カレー味のウンコに変える」以上の抜本的改革にはならないのだ。それを承知の上で、味変でなんとかやり過ごしていくのが、長く交際することであり、もう味変すらすることなく同じものを食い続けるのが結婚だ。ここで、我慢できずに、家にカレーがあるのに、こっそりウンコを食いに行ってしまったりするタイプは、一人の相手と長く付き合うこと自体に向いていない。そう言うと、一人の相手と長く付き合ったり、結婚したりすることは、味気なくつまらないことのように思えるかもしれないが、飽きを超えると「食い飽きたが、これさえ食っていれば死なないし、腹は壊さない」という「安心感」や「信頼感」に変わったりもする。ときめきや、刺激は、長く付き合えば、確実に失われていく。だが、その分「寝ゲロを一緒に掃除してくれる相手」など、得ているものもあるはずなのだ。【カ】➤「隠れメンヘラ」(かくれめんへら)…最近は、逆に「見せるメンヘラ」というファッションがある【キ】➤「筋肉フェチ」(きんにくふぇち)…よく聞くと「痩せすぎで筋肉が浮き出ている細身の男が好き」だったりする【ク】➤「口説き文句」(くどきもんく)…「猫見にくる?」と言われたら、断れる自信がない【ケ】➤「倦怠期」(けんたいき)…感じているのが「飽き」なのか「嫌悪」なのかが重要【コ】➤「婚活」(こんかつ)…ベテランになるほどダメ、という珍しい業界プロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2019年12月05日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第46回アクマの辞典ア行【エ】➤「映画デート」(えいがでーと)今回のテーマはあ行から「映画デート」だ。私の住んでいるような村で、交際1年以上のカップルが行くところと言ったら、カラオケ、ネカフェ、ラブホテルのフリータイムぐらいしかない。つまり、簡易ラブホに行くか、ラブホに行くかの二択になるのだが、そんなただれたカップルにとって「映画」というのは比較的、健康的なデートである。しかし、映画がカップルにとって決定的な破局原因につながることもある。選んだ映画が「巨乳ドラゴン温泉ゾンビVSストリッパー5」だったから、というわけではない。上映中、やたらしゃべりかけてきたり、スマホをいじったり、果ては終盤で「ゲッツ!」という着信音を鳴り響かせてくるなど、センスを含めて相手に「ないわ」と思わせる行動が山ほどあるからだ。モラルとマナーの問題であるから、デートにサイゼリヤ云々如きより、よほど速やかに相手を萎えさせることができる。逆に、そういうことさえしなければ、無難なデートとも言えるだろう。だが、もちろん観た映画の内容がその後に無影響というわけではない。今、公開中の映画『ジョーカー』では、上映後どんよりしているカップルが散見されており「むしろそれがジョーカーの見どころ」と言っても過言ではないようだ。このように「デートに向かない映画」というものも存在する。一番向かないのは「鬱になる映画」だ。人間は、これだけ現実に嫌なことしかないのにフィクションでさらに嫌なことをするという変態生物なので、何故か結末がバッドエンドになる「鬱映画」が普通に出回っている。そういうものを事故ってデートで観てしまうと、その後の「夕食後ホテル」という完璧な流れが「そんな気分じゃない」になりかねない。ホテル前の時間つぶしで観た映画でそんなことになったら「痛恨」としか言いようがない。しかも「鬱映画」というジャンルはどこにでも潜んでおり、恋愛映画だからと言って油断できない。『タイタニック』と思って観たら『レボリューショナリー・ロード』だった、という大惨事もあるのだ。次に避けたいのは「よくわからない映画」だ。もはや、つまらないのかどうかさえわからない映画を観てしまった時、人は無口になる。つまり盛り下がってしまい、これもまたホテルが危うい。デートで一番観るべきは当然、おもしろい映画だが、つまらない映画が悪いかと言うと場合による。つまらなすぎると、逆に盛り上がるということもあるからだ。そこでオススメしたいのが映画『デビルマン』だ。この映画を観て、盛り上がれるかどうかで、感性が合うかどうかの12割がわかる。私は『デビルマン』を、デートで初めて観たのだが、鑑賞後、数々のツッコミどころでその相手と話が盛り上がることなく、その後破局した。あの時『デビルマン』のことで話が盛り上がっていたら、私の運命も変わっていたかもしれない。映画『デビルマン』は人の運命を変える最高のデートムービーである。【ア】➤「悪妻」(あくさい)…自称「悪妻」の女は自分のことをデキる嫁と思っている【イ】➤「犬派猫派」(いぬはねこは)…愚かな人間の好みなど、おドッグ様もおキャット様も興味ないと思う【ウ】➤「ウエディングハイ」(うえでぃんぐはい)…巨額の金を使いがちなのでマリッジブルーより結婚生活に影響が出やすい【エ】➤「映画デート」(えいがでーと)…何だかんだで「火薬の量が多いほど偉い」みたいな映画が一番無難【オ】➤「奥手」(おくて)…自分に興味を持ってくれない人間を、奥手や草食系と言いたがるプロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2019年11月21日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第45回アクマの辞典パ行【ポ】➤「ポジティブ」(ぽじてぃぶ)今回はパ行から「ポジティブ」だ。ひと昔前なら、ポジティブシンキングこそ人類にとって不可欠なものであり「ネガティブは治してポジティブになりましょう」という「ネガティブが病(ビョウ)かよ」という暴論が平気で跋扈していた。だが最近は「ネガティブで何が悪い」という開き直りや「ネガティブこそ良いんだ」という逆張りも珍しくなくなってきた。自分を変えるより、頭をゾウさんに踏まれるなどして、今の自分を認め、好きになるよう意識を変えたほうが、手っ取り早い、ということである。実際ポジティブとネガティブ、どちらが良いかというと「どちらも良い所と悪い所がある」としか言いようがない。おそらく、野生動物などに不用意に近づいてランチになってしまう人というのはポジティブなのではないか、と思う。そういう人間はヒグマに遭っても「ぬいぐるみみたい!」というポジティブシンキングをしてしまううえ「これはバズりまっせ」と事態を前向きに捉えすぎてしまうのだ。さらに「少しぐらい近づいて写真撮っても大丈夫だろう」と楽観的ゆえに軽卒な行動を取ることも多い。その結果ゴールデンカムイ2巻、みたいなことになってしまうのだ。その点ネガティブな人間はヒグマを見た瞬間「死んだ」と、全てを諦め、声一つ出さずに食べられることが可能だ。もちろん、これはネガティブを極めた人間にしかできない偉業であり、少しネガティブなぐらいの人間なら、すぐに危険を察知し逃げる、程度が関の山だが、生存率が高いのはこちらである。このようにネガティブな人間はポジティブな人間に比べ、慎重さはあるのだ。しかし、逆に「常に最悪の事態を想定する」ため、行動力が著しく低いという欠点も持ち合わせている。私がひきこもりなのも、外に出たら、トレーラー、隕石、通り魔、いずれかに当たって死ぬに決まっているからだ。あらゆるリスクヘッジをした結果のひきこもりなのである。その点ポジティブな人間は、行動力やチャレンジ精神は高い。このように一長一短なのだから、どっちが良いわけでも悪いわけでもないのだ。だが、個人は良いとして、パートナーとして一緒にいるとしたら、多くの人は「ポジティブな人のほうが良い」と答えるのではないだろうか。しかし、考えてみてほしい。パートナーが怪しい商材を片手に「絶対儲かるから」とポジティブなことを言い、あなたが何を言っても聞く耳持たず、結果大損しても「これは勉強代!」とさらにポジティブ波状攻撃をされたら「やっぱポジティブな人とつきあって良かった」と思うだろうか。だからと言って、ネガティブな相手に何を言っても「でも」「だって」「そんなの無理」で返されるのも腹が立つだろう。パートナーとして大事なのはポジティブかネガティブかではない。「人の話を聞くか、聞かないか」である。【パ】➤「パジャマ」(ぱじゃま)…パジャマと部屋着の境界線がなくなり、そのうち外出着とも一体化する【ピ】➤「ピンキーリング」(ぴんきーりんぐ)…クリスマス後のメルカリのエース【プ】➤「プーチン」(ぷーちん)…「塩対応」は彼の表情をマスターすることからはじまる【ペ】➤「ペット」(ぺっと)…ペットを飼うと婚期を逃すという人間は、なぜペットより結婚のほうが上と思っているのか【ポ】➤「ポジティブ」(ぽじてぃぶ)…何も考えてない奴をどうしても褒めなければいけない時に使う言葉プロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2019年11月05日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第44回アクマの辞典バ行【ベ】➤「ベッドテク」(べっどてく)今回のテーマはバ行から「ベッドテク」だ。若者のセックス離れ、草食化などと言うが、今でも男性誌からベッドテクページが消えることはない。もし本当にセックスに興味を失っているなら、このページはポメラニアンとかの写真になっているはずだ。むしろ女向けのベッドテクについては、情報が増えている。昔から存在してはいたのだろうが、一般誌で「女のお前ら! セックス特集だぞ! 集まれ! 」とやりだしたのは割と最近な気がする。「男に逃げられないようにつかむのは胃袋ではなく玉袋」と言えば語呂は良いが、そこは好みが分かれると思うので、まずは「その上にあるスティック状のもの」をつかみにいくべきだろう。しかし、ベッドテクで男の心をつかめ、と言われると「え~それだと~セフレとかにされちゃうじゃん~」と言葉より語尾のほうが長いんじゃねえの、といったような文句を垂れがちな我々だ。確かに、ベッドテクよりもっと大事なことあるだろ、という気がするが、諸外国から言わせると逆に「日本人はおセックス様を軽視しすぎ」だそうだ。実際、年間セックス回数は、おそらく日本がワースト1だった気がする。何故かというと、日本人は「明日仕事だから」と言ってセックスを控えたりするからだ。もうこの時点で、セックスがお盛んな国の人は「神よ…」とつぶやいて卒倒してしまうレベルだという。何故、楽しくない仕事のために、楽しいおセックス様を諦めなければいけないのか、という話だそうだ。そう言われてみれば、好きな食べ物を差し出されているのに「いや、これから嫌いな食い物を食うから、腹を空かせておかないと」と言って辞退するようなものである。意味がわからない。このように、日本はセックスに興味はあっても優先順位が低いので「ほかに大事なことがある」と何がほかに大事なのかわからぬまま、ベッドテクを学ぶということが後回しにされてきたのかもしれない。確かに女のほうも「観音様や! 」と拝まれるレベルのテクはなくて良いが、男同様、マナーレベルのベッドテクは「でも~セフレに~」などと言わず学んでおくべきだろう。しかし、女が男に求めるマナーと言ったら、避妊してほしい、乱暴にしないでほしい、ワキ毛をチェックする時間を与えろ、などいろいろあるが、男が女に求めるマナーとはなんだろうか。まず思いつくのは「噛まずにお舐めください」という、薬の用法によく書いてあるやつだが、それ以外あまり思いつかない。だが、もしかしたら男は女に「自分でオメガに気づいてほしい」と思っているのではないだろうか。オメガというのは股間が臭い女のことだ。あの部分はワキ同様、体質的にニオイがキツイ場合があるのである。しかし、0.01ミリ、サガミオリジナルレベルでも愛があれば、そんなことを男から女に伝えるのは憚られる。よって「我慢」するしかない。それを本人が気づき、自分で対策してくれたら、これほどありがたいことはない。もちろんこれは私の妄想であり、男が実際どう思っているかはわからない。このようにセックスマナーというのは「言ってくれなきゃわからない」の世界である。直接は言えなくても、どこかで言い続けていれば、いつかおセックス特集様が女に伝えてくれるだろう。【バ】➤「バイブス」(ばいぶす)…パリピにだけ「高まっている」ことを感じられる、謎の単位【ビ】➤「ビフォーアフター」(びふぉーあふたー)…美人にブスメイクをして「ビフォー」だと言っている説がある【ブ】➤「文学系男子」(ぶんがくけいだんし)…メガネをかけているイケメンのことちなみに理系男子はメガネをかけているイケメンのこと【ベ】➤「ベッドテク」(べっどてく)…知らなきゃ人体を破壊しかねないので、最低限知っとくべき【ボ】➤「ボディタッチ」(ぼでぃたっち)…セクハラをなくしたいなら、女のモテテクからもボディタッチを外すべきプロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2019年10月21日鎌倉時代の名品である《佐竹本三十六歌仙絵》。離ればなれとなった断簡を100年ぶりに集めた特別展『流転100年 佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美』が、11月24日(日)まで京都国立博物館で開かれている。「歌仙絵」とは、歌人・藤原公任(966~1041)に選ばれた三十六人の優れた歌詠み人たち「歌仙」の肖像画のこと。鎌倉時代以降、数多く描かれた歌仙絵の中でも、旧秋田藩主・佐竹侯爵家に伝わった歌仙絵は、《佐竹本三十六歌仙絵》と呼ばれる。かつて2 巻の絵巻物として伝わった《佐竹本三十六歌仙絵》は、その後売りに出され、大正8 年(1919)に当時の財界人たちが絵巻を一歌仙ずつ分割して共同購入。以降それぞれの歌仙絵は流転の道を歩むこととなった。今年2019年は、この《佐竹本三十六歌仙絵》が分割されて、ちょうど100年を迎える。担当研究員の井並林太郎(京都国立博物館研究員)は「これまでも《佐竹本三十六歌仙絵》の展覧会は開かれているが、本展では過去最大となる31 件を公開しており、今後開かれないかもしれない」と語る。さらに、分割する際に使った籤(くじ)やくじ引きの舞台となった建物である応挙館の襖(ふすま)といった当時を知るための資料、また、他の歌仙絵や異なる時代に描かれた三十六歌仙絵によって、幅広く作品について知ることができる。第1章は、《佐竹本三十六歌仙絵》が生まれる以前である、平安時代の名筆と国宝《三十六人家集》を紹介する。名筆、古筆を展示し、ひらがなの美しさを伝えた国風文化を感じることができる。特別展『流転100年 佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美』公式サイト()
2019年10月18日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第42回アクマの辞典ダ行【ダ】➤「だめんず好き」(だめんずずき)今回のテーマはダ行より「だめんず」だ。「だめんず」とは「ダメな男」を指すわけだが、「だめんず」はそれそのものより「そういう男が好きな女」を語る時に出てくることが多い。まず、だめんずの「だめ」とは何がダメかというと、ブサイクとかデブとか、ハゲとか、ハゲなのにまつ毛が長くてその割にスネ毛が薄いとか、そんな文字通り表面上の話ではない。だめんずの定義に外見的ダメさが入ってくることは滅多にない。そう言った意味では公平な世界である。「だめんず」の条件はいろいろあるが、いつの世も不動のトップ3である、イカれたメンバーを紹介するぜ。「DV(モラハラ)野郎」「金銭感覚崩壊太郎」「全身下半身」とても「だめんず」などというかわいい表現では収まりきらない、せめて「堕免豆」と漢字表記して、注意喚起すべきだろう。だが、そういう男とつきあったり結婚してしまったりした女を単純に「見る目がない」「選んだほうも悪い」と責めることはできない。そういう男は、交際や結婚した瞬間「リボーン」する場合も多く、ラーの鏡でも持ってないと見破れない、ということもあるのだ。しかし、普通の女なら「こいつボストロールやんけ」とわかった瞬間に逃げ出したり、倒して経験値を2500くらい手に入れた後は、同じ過ちを繰り返さなかったりするものである。それに対し「だめんず好き」と言われる女は、ボストロールだとわかった後も、正体がバレる前の姿を「本物のカレ」と自分に言い聞かせてつきあい続ける。もしくは正体がわかった上で「こんな緑色の紫ワンショルダー野郎とつきあってあげられるのは私だけ」と思い込んで離れられないのだ。そして別れたとしても、何度も狙って同じ犬のクソを踏むというより、踏み出したところに犬のクソが滑り込んでいるのか、というぐらい、自然に同じタイプとつきあってしまうのである。たまたま、つきあった男がダメだったり、支配されて別れられなくなったりすることは、誰にでもあり得ることだ。しかし、何度も同じようなタイプとつきあってしまうとは何事だろうか。理由としては「だめんずに目をつけられやすい」もしくは「だめんず(とつきあっている自分が)好き」もしくはその両方が挙げられる。自分に自信がない女はだめんずにつけこまれやすく、そして自信がない女はだめんずとつきあっている時だけ「普通の女なら逃げだしている男と私は互角にやりあっているんだ」という「自信」を持てるのではないか。そうだとしたら、別れた時に再び「自信喪失」してしまうので、また自信をつけにいってしまっても不思議ではない。だめんずに3千円渡すくらいなら「プロテイン一袋」買って、とりあえず「肉体的自信」でもつけたほうが良い。DV野郎に殴られても、殴り返せるようになって一石二鳥である。【ダ】➤「だめんず好き」(だめんずずき)…なぜ自慢げに言う女がいるかというと「手に負えない男と私はつきあえてる」という自負があるからだが、手に負えている時点でそんなにダメな男ではない【ヂ】➤「地雷」(じらい/ぢらい)…好きなものより「これが許せない」という話ばかりする人間がいる、もはや好きなのか【ヅ】➤「○○疲れ」(づかれ)…むしろなぜ疲れないのか不思議な生活をしているのがオタク【デ】➤「デート商法」(でーとしょうほう)…ターゲットが若者より、若者と話したい高齢者になりつつある、要注意【ド】➤「鈍感力」(どんかんりょく)…敏感や繊細を自称する人間ほど、他人の痛みへの鈍感力が凄まじいプロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2019年10月05日