東北大学は1月5日、長時間のビデオゲームが小児の広汎な脳領域の発達や言語性知能に及ぼす悪影響を発見したと発表した。同成果は同大学加齢医学研究所・認知機能発達(公文教育研究会)寄附研究部門の竹内光 准教授・川島隆太 教授らの研究グループによるもの。1月5日に米国精神医学雑誌「Molecular Psychiatry」電子版に掲載された。今回の研究では、一般から募集した健康な小児を対象に、最初に日々のビデオゲームプレイ時間を含む生活習慣などについて質問に答えてもらったほか、知能検査、MRI撮像を実施した。この時点での研究参加者の年齢は5~18歳(平均約11歳)だった。これらの研究参加者の一部が3年後に再び研究に参加し、知能検査とMRI撮像を受けた。その後、必要なデータが揃っている283名の初回参加時の行動データ、240名分の脳画像データを解析し、平日に被験者がビデオゲームをプレイする平均時間と言語性知能、動作性知能、総知能、脳の局所の水分子の拡散性とよばれる指標の関係を調査した。さらに、必要なデータが揃っている223名の初回参加時と2回目参加時の行動データと189名分の初回参加時と2回目参加時の脳画像データを解析し、初回参加時における平日にビデオゲームをプレイする平均時間が、どのように各参加者の初回から2回目参加時の言語性知能、動作性知能、総知能、脳の水分子の拡散性の変化を予測していたかを解析した。これらの解析においては、性別、年齢、親の教育歴、収入、親子の関係の良好性、居住地域の都市レベル、親子の数等各種交絡因子を補正し縦断解析の場合は、さらに初回参加時の値等の種々の交絡因子を補正した。これらの解析により、初回参加時における長時間のビデオゲームプレイ習慣は、初回参加時の低い言語性知能と関連し初回参加時から数年後の 2 回目参加時へのより一層の言語性知能低下につながっていることがわかった。また、同様に初回参加時における長時間のビデオゲームプレイ習慣は、初回参加時の前頭前皮質、尾状核、淡蒼球、左海馬、前島、視床などの領域の水の拡散性の高さ(高いほど水が拡散しやすく組織が疎であることの証拠とされる)と関連しており、さらに初回参加時から数年後の2回目参加時へのこうした領域の発達性変化への逆の影響(水の拡散性の発達に伴う減少がより少ない)と関連していた。また、言語知能、動作性知能、総知能のいずれも、共通して、左海馬、左尾状核、左前島、左視床、周辺の領域の水の拡散性と負相関していた。同研究グループはこの結果を、小児における長時間のビデオゲームプレイで、脳の高次認知機能に関わる領域が影響をうけ、これが長時間のビデオゲームプレイによる言語知能の低下と関連することを示唆するものだとしており、「今回の知見により発達期の小児の長時間のビデオゲームプレイには一層の注意が必要であると示唆されたと考えられます」とコメントしている。
2016年01月06日東京大学は1月5日、動物モデルにおいて治療用転写因子のmRNAを関節内へ送達することで変形性関節症の進行を抑制することに成功したと発表した。同成果は同大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻のハイラトアニ 特任研究員、大庭伸介 特任准教授、鄭雄一 教授(医学系兼担)と医学系研究科附属疾患生命工学センターの位高啓史 特任准教授、片岡一則教授らの研究グループによるもの。※位高特任准教授の苗字「位高」の高ははしご高変形性関節症は関節軟骨がさまざまな原因により変性し「クッション」と「ちょうつがい」としての機能を失うことで発生する。患者は、膝関節だけで国内に2530万人以上いると推測されている。これまでの治療では、人工関節置換術などの外科的治療を除いて薬物により痛みを取り除いたり、炎症を抑えたりする対症療法が主となっている。一方、変形性関節症の分子病態が次第に明らかになるにつれ、関節軟骨細胞の内部でその発症や進行に働く分子を標的にした病態修飾薬剤の開発が期待されており、治療に有効な遺伝子発現を調節する転写因子を細胞内で発現させることが、直接的かつ効率的な病態修飾療法の1つであると考えられている。ゲノムDNAから始まる内因性の遺伝子発現においては、タンパク質の遺伝情報をコードするDNA領域がメッセンジャーRNA(mRNA)としてコピーされ、タンパク質合成の設計図として働くことから、DNAの段階を経ずに、目的とするタンパク質合成を細胞内で迅速に誘導するための新しい核酸医薬として、mRNAの応用が期待されている。今回の研究では、治療用転写因子mRNAを高分子ミセル型mRNA送達システムを用いて、マウスに投与した。まず、mRNA内包高分子ミセルをマウス正常膝関節内に投与したところ、投与24時間後から4日後まで、関節軟骨細胞におけるmRNA由来蛋白質の発現を確認することができた。次に、変形性膝関節症を発症するモデルマウスの膝関節内に、3日に1回のペースで1カ月間、軟骨形成に働く転写因子RUNX1のmRNAを内包した高分子ミセルを投与した。その結果、RUNX1 mRNA投与群の関節軟骨では、送達したmRNAに由来するタンパク質の発現を認め、コントロールmRNA投与群と比べて変形性関節症の進行が有意に抑制されました。さらに、主要な軟骨基質蛋白質の1つであるII型コラーゲン、軟骨形成に必須の転写因子SOX9、細胞増殖マーカーである増殖細胞核抗原の発現が高い度合いまで進んでいた。同研究グループはこれらの結果について「膝関節内に送達したmRNAに由来するRUNX1蛋白質が関節軟骨内部で治療用転写因子として働くことで、軟骨細胞としての形質の維持や増殖に関わる遺伝子群の発現を調節し、変形性関節症の進行が抑制されたことを示すものです。」と説明している。
2016年01月06日仕事から疲れて帰り、家族から相談事をもちかけられたとき、「お願い、あとにして。いまは疲れているから」なんていった経験はありませんか?これは集中力がなくなっている状態で、思考系の脳が疲れているからなのだといいます。偏った脳の使い方をしているため、脳が不健康な状態になってしまっているということ。こんなときは思考系の脳を休ませ、他の部分の脳を使うといいのだそうです。そうやって不健康な脳を自分で調整し、健康な脳にしようと提案しているのが、『ゆがみをなおせば、毎日のワクワクを取り戻せる!「脳コンディショニング」』(加藤俊徳著、かんき出版)です。著者は医師、医学博士であり、「脳の学校」の代表でもある加藤俊徳氏。最先端の脳機能検査(COE)や脳酸素交換方式などを発見した脳科学研究の第一人者です。加藤医師は、有名人から市井の人々まで1万人もの脳画像を診断し、脳画像を見ただけでその人の人生がわかるともいいます。仕事のIT化によっていつも脳の同じ部分ばかりを使うため、現代人の脳は歪んできているといいます。しかし、全体にバランスよく脳を使うことによって、健康な100歳まで成長し続ける脳を保つことができるのだとか。つまり、その方法が「脳のコンディショニング」で、いわば「脳の使い方を変える」というわけです。■健康脳は8つの脳番地をバランスよく使う人間の脳は左脳と右脳に分かれていて、全体で120ほどの「脳番地」があります。また番地ごとに、おもに8つの働きがあるといいます。(1)思考系脳番地-考える、発想する(2)感情系脳番地-感じる(3)伝達系(発話・言語)脳番地-話す(4)運動系脳番地-体を動かす(5)理解系脳番地-物事を理解する(6)聴覚系脳番地-聞く(7)視覚系脳番地-目で見る(8)記憶系脳番地-覚えるこの8つの脳番地をバランスよく使うことで、健康脳が保てるというわけです。しかし現代人は、スマートフォンやパソコンなどへの過剰な依存により左脳ばかりを使うため、「左脳化」しているのです。とくに視覚系、理解系、記憶系の3つの脳番地、いわゆる右脳は使わなくなり、劣化しているといいます。著者は「生きるということは自分の目で積極的に見て情報を得、それを統合して記憶し、物事を理解すること」と話しています。この3つは、人間のもっとも重要な脳番地なのです。■偏った脳の使い方で現れる6つの劣化症状視覚系、理解系、記憶系の脳番地を使わなくなると、次の6つの劣化症状が起こります。(1)歳の差がある人と話ができなくなる(2)立ち上がった瞬間になにをしようとしたのか忘れる(3)会話中すぐに言葉が出てこない(4)一度にいくつかのことを並行してできない(5)新鮮な気持ちで朝がむかえられない(6)怒りやすくなってしまった思い当たる症状はありませんか?思い当たる症状がひとつでもあれば、脳が劣化してきているといえるのだそうです。「まだ20代、30代だから大丈夫」と思っていませんか?脳が最も成長する時期は20~30歳。だからこの時期にさまざまな経験をし、自分の能力を自覚することが重要。さまざまな経験が脳コンディショニングなのです。メリハリのある生活をおくり、脳をバランスよく使うことが大切です。脳の成長は30歳で一段落するため、「30歳は脳の成人式」といいます。その後、40代、50代と同じ脳ばかりを使い続けていると左脳化し劣化していきます。50歳は脳のターニングポイント。50代を境に脳コンディショニングを怠らずに伸びていく人と、なにもしないで劣化していく人との個人差が出るといいます。30代のも今すぐ脳コンディショニングを始め、続けていくと100歳になっても認知症にならないということです。■偏った「脳のクセ」を自分で調整しよう!では、コンディショニングとはどうすればいいのでしょうか。まず大切なのは、生活にメリハリをつけること。朝晩の生活のけじめ、平日と休日のメリハリ、私生活と仕事のけじめが大切だということ。そのためには、デジタルとアナログを使い分ける、鉛筆で書く、動画でなく本を読む、などが有効だそうです。また、脳にしみついた「左脳ぐせ」をなおすには、右脳を鍛えることが大切。たとえば、神社巡りや「○○めぐり」などで疲れた脳をリセットする、旅行や散歩などで観察力を高めて右脳を刺激することがいいとか。さらには、利き腕を変えてみたり、姿勢を正したりするなどによっても右脳を鍛えることができるといいます。とくに右脳の視覚系、理解系、記憶系の3つの脳コンディショニングのためは、「部屋をかたづけて集中力をアップさせる」「ブランドにこだわらず自分の見る目を鍛える」「頭皮をマッサージする」「ドン・キホーテで買いものをする」「動植物の世話をする」「1日の予定を逆算して立てる」「ぼんやりとする「おひとりさま」の時間をくつろぐ」「タンスの中のいらないものを捨てる」などがいいそうです。*意外と簡単に気軽にできるものばかり。生活にメリハリをつけ、まんべんなく脳を使うことで100歳まで成長し続ける健康脳が可能になるということ。そして本書は、ぜひとも「脳コンディショニング」をやってみたいと思わせてくれる一冊です。(文/森美奈)【参考】※加藤俊徳(2015)『ゆがみをなおせば、毎日のワクワクを取り戻せる!「脳コンディショニング」』かんき出版
2015年12月28日フロリダ州政府柑橘(かんきつ)局はこのほど、「グレープフルーツの脳機能に与える影響」についての研究結果を発表した。ホットグレープフルーツジュースを摂取すると、脳が活性化し集中力がアップすることがわかったという。同研究は、杏林大学 医学部 精神神経科学教室の古賀良彦教授に協力を依頼して行った。被験者は、22~23歳の健康な男女6名(男性4名、女性2名)。被験者には、「水(常温10℃以下)」「グレープフルーツジュース(常温10℃以下)」「ホットグレープフルーツジュース(約60℃)」の3種類を3分間かけて摂取してもらい、その後クレペリン検査用紙を用いて1桁の数字の足し算を実施した。実験の結果、計算問題達成数は、ホットグレープフルーツジュースを摂取した時が一番多くなることがわかった。常温の水と常温のグレープフルーツジュースの間には、大きな差は見られなかった。計算中は、光トポグラフィー検査装置を用いて、脳の血流量も測定。グレープフルーツジュース摂取の場合は、常温、ホットどちらでも、前頭葉の脳血流量が増え、脳が活性化する様子が観察できた。常温では、立ち上がりが速く(効果がやや弱い)、ホットではじわじわと立ち上がり効果が持続するという違いも明らかとなった。古賀教授は、常温で摂取したときの立ち上がりが早いのは「(常温ゆえに)素早く覚醒度が上がりサッパリ感を感じさせるためと考えられる」と見解を述べた。実験の終わりに、被験者に体感アンケートを実施。その結果、ホットグレープフルーツジュースは、「落ち着き」「気分」の2項目で、水や常温グレープフルーツジュースより高い評価が得られた。古賀教授はこれらの結果から、「ホットグレープフルーツジュースには、落ち着いて気持ち良く勉強できる雰囲気や状況を作るはたらきがあるのでは」と推測している。また、受験生が勉強前や勉強の合間にホットグレープフルーツジュースを飲むことは、集中力を高めて勉強の効率を上げるという点からおすすめであるという。また、「コーヒー・紅茶の場合はカフェインによる覚醒効果が期待できますが、摂(と)りすぎると眠りにくくなるなど、生活リズムが乱れる可能性もある。ビタミンCが豊富で低GI食品でもあるグレープフルーツを使ったホットジュースは、受験生の健康をサポートするという面からも有効といえるでしょう」ともコメントしている。
2015年12月17日EIZOは12月9日、4K超高精細映像伝送による血管内治療・遠隔指導システムの共同研究契約を、金沢大学とPFUビジネスフォアランナーと締結したと発表した。CTなどの画像診断装置で体内を見ながら、細いカテーテルなどを用いて血管の中から病巣に到達して行う血管内治療は、患者の身体に負担が少なく大きな効果も期待できるが、高度な専門的知識と医療技術が必要とされる。そのため、高難度の治療においては熟練した専門医の確認のもとでの施術が望まれるが、常にそのような体制で実施できる施設は多くない。こうした課題に対し、今回の共同研究では、4K超高精細映像のリアルタイム伝送技術を用いることで、遠隔地からカテーテルによる血管内治療の手技指導を可能にするシステムを開発し、2017年に実用化することを目指す。同システムはEIZOの4Kタッチモニタを含む医療ソリューションと、PFUビジネスフォアランナーの超低遅延・4K高精細映像伝送技術を組み合わせ、治療に必要な複数の医用画像を4K映像に合成して遠隔地へ伝送し、遠隔地から指導医が音声と自身の手差し映像を伝送することで、映像伝送の遅延が極めて小さいリアルタイムな遠隔指導を実現するというもの。研究では金沢大学が医療現場からのアドバイスおよび実証実験を、EIZOが医療用4Kタッチモニタおよび4K映像合成装置を、PFUビジネスフォアランナーが4K映像伝送装置およびカメラ、音声機器とシステム全体のインテグレートを担当する。3者は、同システムを実用化することで、地域遠隔医療の発展や指導下での施術機会増加による手技技術、安定性、治療効果の向上、指導医の負荷軽減、施術スケジュール調整の容易化などの効果が期待できるとしている。
2015年12月09日ぴあはこのほど、脳ヨガのやり方を本とDVDで紹介した新刊『白澤卓二と間々田佳子の脳活顔ヨガで活性脳&若顔・小顔』(1,058円・税込)を発売した。同書では、ベストセラーとなった『100歳までボケない101の方法』の著者・白澤卓二氏と、顔のたるみとシワを防ぐ「顔ヨガ」シリーズの著者・間々田佳子氏が開発した「脳活顔ヨガ」を紹介している。脳活顔ヨガは、手指を使った体操に顔ヨガを組み合わせたもの。1日3分、1日1ポーズでも、顔のアンチエイジングや脳の活性化が見込める一石二鳥の健康体操であるという。同時に2つの動きをすると脳は活性化し、その効果は脳の活動を「見える化」する光トポグラフィでも実証されているとのこと。「脳活顔ヨガ・基本編」では、「ムンクでダイヤモンド体操」「舌だしやぐらの体操」「でか目のオニ体操」「ひょっとこあやつり人形体操」などを紹介している。そのほか、「脳活顔ヨガ・応用編」、身体全体を使い、だれでも楽しくできる「顔脳活ヨガぱんぱん体操」も収録した。同書は全国書店、ネットショップのほか、「BOOKぴあ」でも販売している。
2015年12月08日アメリカの国立神経疾患・脳卒中研究所によると、世の中には400以上もの神経疾患が存在するそうです。脳にまつわる病気は珍しいものではないのです。でも、私たちは自分の脳についてどれだけのことを知っているでしょうか?『BUSTLE』では、最新の研究から明らかになった、脳にまつわる意外な事実を紹介しています。テレパシーの実現から、胃腸と脳の意外な関係まで、脳に関する知識をアップデートしておきましょう。■1:脳は感情によって記憶力を増すニューヨーク大学の研究によれば、記憶力は感情によって高まるのだといいます。とても嫌なことがあったとき、恐怖を感じたとき、またはうれしいことがあったとき、脳が刺激され、記憶力が高まるのです。たとえば震災のとき、どこでなにをしていたかよくおぼえていたり、初恋のことを忘れなかったりするのはこのためです。これはマウスを使った実験でも実証されていますこうした効果は、カウンセリングなどの技法の研究に役立てられているのだそうです。■2:胃腸の働きは脳に影響するカリフォルニア大学のエメラン・メイヤー博士により、人間の脳と内臓の間には深い関係があることがわかりました。内臓、特に胃腸の働きが鈍くなっているときは、うつなどの精神的な病気になりやすいという研究が発表されたのです。また、胃腸に善玉菌が増え、消化がスムーズに行われているときには脳の働きもよくなるのだそう。4週間善玉菌のサプリメントを摂取した人は、落ち込んだ気持ちややる気が出ないといった精神的な症状を感じることがなかったといいます。「最近なんだか調子が出ない……」という人は、胃腸の調子を整えてみるのもひとつの手です。■3:妊娠中は脳に変化が現れる妊娠中には、体だけではなく脳にも変化が現れます。妊娠中は、脳の記憶や感情をつかさどる部分が物理的に大きくなるのです。子どもが生まれてからもしばらくその状態は続きます。これは、妊娠によるホルモンバランスの変化によるもの。こうした働きにより、妊娠すると、赤ちゃんや周りにいる人と強いつながりを感じることができるようになるのだと考えられています。■4:脳が成長しきるのは25歳脳は、法的に大人になる20歳では、まだ成長しきっていないことが最新の研究から判明しました。特に、感情や行動をコントロールする部分の成長が未熟なままなのだといいます。25歳くらいまでは感情的になりやすく、プレッシャーなどにも弱い期間が続きます。脳の成長には意外と時間がかかるようです。■5:顔を認識できない病気は実在する「人の顔と名前がおぼえられない」といった記憶力の問題ではなく、人の顔を「顔」として認識できない、記憶できない、という病気があります。「相貌失認(そうぼうしつにん)」と呼ばれる脳障害の一種で、人口の2.5%ほどが苦しんでいると考えられています。自分の顔も認識できないため、日常生活に支障をきたす病気です。これは、脳の紡錘状回(ぼうすいじょうかい)と呼ばれる部分の機能に問題があった場合に起こると考えられています。相貌失認の人は相手の顔を認識できないため、相手の体格、におい、話し方や声などで誰と話しているかを推測するのだそうです。■6:テレパシーは実現可能?テレパシーは実現不可能なものではなさそうです。2013年にワシントン大学で、テレパシーを現実に近づける装置の実験が行われました。その装置は、脳波を他の人に送信し、受信した人の手がその考えに呼応するジェスチャーをするというものでした。単純な思考ならば伝わったといいます。研究者はコンピューターの通信技術に応用しようと考えているようですが、人の脳とコンピューターをつなぐ技術はまだ研究途中のようです。*まだまだわからないことも多い脳。科学の発展にともなって、どんどん仕組みが明らかになっていきます。今後の研究からも目が離せません。(文/スケルトンワークス)【参考】※Surprising Facts About The Human Brain-BUSTLE
2015年11月24日笑うことは健康にも繋がると言いますが、笑顔のとき、私たちの頭の中では何が起こっているのでしょうか?脳医学に詳しく、株式会社「脳の学校」の代表も務める医師・加藤俊徳先生に話を聞いてみました。怒るとそのことで頭がいっぱいになるけど、笑っているといろんなことを許容できるという感覚、覚えがある人も多いのでは?「怒っている時に比べて、笑っている時の脳内の酸素使用量は少ない。笑いは脳の余計な部分を使わず、脳にとって楽な状態なんです。笑いで脳はニュートラルな状態になり、複数の事態に対応できるように。笑った後は自然とやる気や集中力も上がります」加藤先生によると、運動系の脳番地内で占める面積がいちばん大きいのは、顔面と連動している部分なのだとか。「手や足を少し動かすよりも、顔を動かして表情を作るほうが、脳にとっては大きな運動をしたほどの脳活動になります」笑顔は体の一部の動きにすぎないけど、脳からすれば大きな動き。いろいろな笑い方をして表情を動かせば、脳への良い刺激に。「思い出し笑いは記憶系脳番地を、冗談を聞いて笑うのは聴覚系脳番地を使うというように、笑い方によって別々の部位が感情系脳番地に繋がっていきます。笑いは脳内の各機能間の連関を強めるのに非常にいい行為。逆に言えば、目や耳など違う入り口で笑いを起こすようにすると、脳の成長に繋がります」日々意識的に笑おうとすることで感覚を研ぎ澄まし、脳を元気にしよう。◇かとう・としのり医師、医学博士、株式会社「脳の学校」代表。記憶や感動など異なる機能を司る脳の部位を「脳番地」と呼び、脳の成長方法を研究。※『anan』2015年11月18日号より。(C)jordanchez
2015年11月11日電通の機能性表示制度専門チームはこのほど、20~60代の全国の男女1,000人を対象に実施した「機能性表示食品に関する消費者意識調査 2015」の結果を発表した。まず、「機能性表示制度 / 食品をどの程度知っているか」と聞いたところ、「制度の内容を知っている」(8.1%)、「ある程度、制度の内容を知っている」(29.5%)、「名称を聞いたことがある程度」(41.5%)となり、合計の認知は79.1%となった。6月の第1回調査に比べると、男性の認知が76.2%から79.4%に伸びている。同専門チームは、特定保健用食品(トクホ)がマークのみを含めると100%に近い認知を得ていることと比較し、「機能性表示食品については制度導入後間もないことを考えると、非常に高い認知率だ」とコメントしている。また、機能性表示食品やトクホを摂取している人を調べたところ、現時点での機能性表示食品ユーザー(7.3%)は、トクホユーザー(18.3%)との重なりが大きいことが分かった。実際に機能性表示食品を摂(と)っていると認識している人のうち、トクホ表示のある商品を飲んだり食べたりしている人の割合は65.0%を超えている。この結果から「もともとトクホを摂っている人が、機能性表示食品についても試していることがうかがえる」と分析している。制度の内容を改めて説明した上で、機能性表示食品とトクホの印象を聞くと、「安全性が高そう」「効果が高そう」「信頼できそう」といった項目における機能性表示食品の評価が低く出た。トクホに比べると、機能性表示食品は国の承認ではないという点での安全性評価や信頼感は低いことから、「制度の正しい理解や安心感の訴求が市場拡大に向けた課題だ」と指摘した。続いて、健康に良いとされる食品に支出できる金額を調べたところ、現在「何らかの健康機能がある食品を摂取している層」は月平均4,671円、「健康に良いとされる食品を摂取していない層」でも月平均1,567円の支出をしてもよいと回答。全体の平均は3,210円となり、多くの商品が出回って安全性・効果・信頼感が高まれば、市場拡大が期待できるとしている。健康機能のある食品で得られる効能効果で関心が高いものは、男性は「内臓脂肪」「体脂肪」「疲労」、女性は「疲労」「免疫」「骨」が上位となった。市場では内臓脂肪や体脂肪領域の機能性表示食品が活況を呈しており、男性でのニーズが高まっている。一方、女性では、これまでトクホとしてはうたわれてこなかった「疲労回復」や「免疫」などの健康機能に関心が集まっており、「機能性表示食品を新規開発する際には大きなヒントになりそうだ」とコメントしている。同調査は、楽天リサーチによって9月11日~13日の期間にインターネット調査よって実施された。対象は、20~60代の全国の男女1,000人となっている。
2015年11月04日「ココナッツオイルが脳に働く」と話題になっていますが、実はもっと脳にいいオイルがあるのをご存知ですか?それは、オリーブオイルにニンニクを漬け込んだ「アホエンオイル」。毎日の料理にかけるだけで、脳がすっきりすると話題を呼んでいます。■ニンニクに含まれる成分「アホエン」って?温めた植物油にニンニクを漬け込んだときにだけ抽出できる成分を「アホエン」といい、生のニンニクにはほとんど含まれていません。アホエンは活性酸素を減らすほか、脳の活性化、記憶力アップに効果があるといわれています。さらに、免疫力を高め、ガン細胞の分裂を抑える効果、白血病や皮膚ガンなどのガン細胞の増殖を抑制する効果などを含め、以下のような科学的効果の報告があるとされています。・脳年齢の若返り・動脈硬化の予防・活性酸素の抑制・美肌効果・肝臓保護作用・抗菌作用・ぜんそく予防・コレステロール値の正常化・尿酸値を下げる・中性脂肪が下がる・γ-GTPが正常になる■簡単で続けやすいアホエンオイルのパワー「アホエン」は生のままのニンニクを食べたり、高温で煮たり焼いたりする料理では摂取できません。ニンニクの匂い物質であり、アホエンの素「アリシン」は約50℃の油に溶かすことで、抽出できる成分だからです。また、無臭ニンニクにはアホエンの素となるアリシンが含まれないので、臭いがある通常のニンニクを選びましょう。(1)ニンニク3かけを細かく刻む(2)オリーブオイル(エキストラバージンタイプがおすすめ)150mlを耐熱容器に注ぎ、水を張った鍋に入れて湯煎で温める(3)オリーブオイルが50℃になったら耐熱容器を鍋から出して、(1)を加える(4)そのまま24時間置き、こし器でニンニクを濾す。(5)密閉容器に入れて冷暗所で保存し、1ヶ月以内に使い切るオリーブオイルを使う理由は、オリーブオイルの脂肪酸が悪玉コレステロールを減らす効果やビタミンEなどの栄養素が高いためです。気になるニンニクの匂いは控えめですが、しっかりした風味やコクがあるので、幅広い料理に合うのも特徴です。加熱はせず、料理の仕上げにサッと一振りして、料理にかけて1日1杯のアホエンオイルを摂取しましょう。*身近な食材で簡単につくれて、どんな料理とも相性が良い万能オイルなので、無理なく、毎日摂取できるのがうれしいですね。(文/Marico Taguchi)【参考】※篠浦伸禎(2012)『脳神経外科医が実践するボケない生き方』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2015年10月19日東北大学は10月5日、ヒト皮膚由来多能性幹細胞(Muse 細胞)を用いて脳梗塞動物モデルの失われた神経機能を回復することに成功したと発表した。同成果は東北大学大学院医学系研究科の出澤真理 教授と冨永悌二 教授らのグループによるもので、9月21日に米学術誌「Stem Cells」に掲載された。Muse細胞は骨髄・皮膚などに存在する腫瘍性を持たない多能性幹細胞で、肝細胞、筋肉、神経、グリア細胞、皮膚色素細胞、表皮、血管などへの分化が報告されている。同研究では、脳梗塞ラットにMuse細胞を移植した結果、梗塞部位に生着して自発的に神経細胞に分化し、大脳皮質から脊髄までの運動・知覚回路網を再構築した。また、脳梗塞で失われた運動・知覚機能の回復は約3カ月後も維持され、腫瘍形成は見られなかった。また、移植前にMuse細胞を神経に分化誘導する必要がなかったことから、脳梗塞に対して皮膚や骨髄などからMuse細胞を採取し移植することによって機能を回復する治療が実現する可能性があるという。今後、比較的小さな脳梗塞が単純構造の部位で生じ、かつ高度の症状を示すタイプの脳梗塞である「深部白質梗塞」に対してMuse細胞自家移植による「深部白質梗塞治療」に対してMuse細胞を用いた治療の開発を進め、3年以内に前臨床試験を終了し、臨床応用に移行することを目指すとしている。
2015年10月06日国立精神・神経医療研究センター(NCNP)は9月15日、神経難病である多発性硬化症(MS)患者の腸内細菌叢について解析を行った結果、細菌叢構造の異常、特に特定の細菌で著しい減少がみられることを明らかにしたと発表した。同成果はNCNP神経研究所 免疫研究部部長兼センター病院 多発性硬化症センターの山村隆 センター長、東京大学の服部正平 教授、麻布大学の森田 英利教授、順天堂大学の三宅幸子 教授の共同研究チームによるもの。9月14日(現地時間)に科学誌「PLOS ONE」オンライン版に掲載された。MSは脳や脊髄、視神経に繰り返し炎症性の病変が生じる慢性疾患。視力障害や手足の麻痺、高次脳機能障害などの神経症状を伴う再発を繰り返しながら、徐々に神経障害が進行していく神経難病で、患者は全国に約2万人いると推定されている。日本では過去30年間で患者数が約1000人から2万人近くまで増加しているが、まだ原因ははっきり分かっていない。近年、さまざまな自己免疫疾患に腸内細菌叢などが関与している可能性が注目されており、MSも自己免疫疾患の1つと考えられていることから、同研究グループは、患者数増加の背景に日本人の食生活の変化などが腸内細菌に影響を与え、発症しやすくなったのではないかという仮説を立て、MS患者の腸内細菌を構成する菌について研究を開始した。今回の研究では、NCNP病院に通院中の20名の再発寛解型を示すMS患者の寛解期の糞便を解析し、糞便を構成する数百種類の菌種の同定、多様性の評価などを行った。その結果、MSの腸内細菌叢では健常者と比べて、炎症性のリンパ球に対して抑制的に機能するリンパ球を効率よく誘導する細菌と同じグループに属する細菌が減少していることが判明。この腸内細菌叢の異常が発症の危険因子になっている可能性が考えられるという。再発頻度や再発症状の重症度などMSは個人差が大きい。同研究グループは今後、より多数の多様な背景をもった患者の腸内細菌叢の解析を進めることにより、同疾患の多様性を説明する因子が発見できる可能性があるとしている。
2015年09月15日ココナッツオイル認知は約6割最近話題のヘルシーフードといえば、ココナッツだろう。8月24日にココウェルが発表した生活者実態調査によると、ココナッツの認知度は約8割にものぼり、「ブーム」から「定着」へ移行した感がある。特に注目されているのがココナッツオイルで、栄養化の高さはもちろん、認知症予防にも効果があるといわれ、約6割の人が認知していることがわかった。「食べ方がわからない」も根強く人気の一方で、ココナッツを購入したくないという人も根強く、その理由としては「食べ方、調理方法がわからない」が圧倒的に多かった。ココナッツオイルの食べ方については、1位「トーストしたパンに塗って」の他、同率2位「炒め油として」、「デザートに入れて」、同率3位「カレーに使う」、「コーヒー・紅茶に入れて」など、普段の食生活に“チョイ足し”をして利用していることが判明。また、食用としてでなく、スキンケアとして使う人も多く、ココナッツオイル利用者の約4割が「肌に使ったことがある」と回答した。ウォーターは熱中症対策に高い効果その他、ココナッツウォーターは熱中症対策に高い効果があるとされ、近年猛暑の続く日本でも注目の的に。さらに、ココナッツシュガーにも関心が集まっており、低GI食品として糖尿病患者の食生活の助けになるのではと期待されている。(画像はプレスリリースより)【参考】・ココウェル プレスリリース(Value Press!)
2015年08月27日Alzheimer’s Disease Internationalは8月25日、2050年の認知症患者予想数などに関してまとめた「The World Alzheimer Report 2015」を明らかにした。同レポートによると、全世界には現在4,680万人の認知症患者がいるが、2030年には7,470万人にまで達し、2050年には現在の2.8倍となる1億3,150万人にまで増加すると予想されている。患者の増加数も深刻となっており、毎年990万人以上の新たな認知症患者が誕生していると推定されている。これは3.2秒ごとに1人の患者が増えている計算となる。認知症の治療などにかかる費用も増加の一途をたどっている。2015年は、2010年比で35%も多い8,180億ドルが認知症対策費用に充てられているが、2018年には1兆ドルに達すると見込まれている。同リポートによると、この数字はApple(7,420億ドル)やGoogle(3,680億円)の市場価値を上回るという。また、患者の多くが低・中所得国在住ということも報告されている。現在、世界の認知症患者の58%が低・中所得国に住んでいると見積もられているが、2050年には68%にまで上昇すると予想されている。なお、詳細はAlzheimer’s Disease Internationalのホームページにて確認できる(原文は英語)。
2015年08月25日新潟大学は8月20日、若年性認知症の原因疾患である「HDLS」の診断基準案を策定したと発表した。同成果は同大学脳研究所神経内科の今野卓哉 医師、西澤正豊 教授、同遺伝子機能解析学分野の池内健 教授らの研究グループと厚生労働省の共同研究によるもので、第56回日本神経学会学術大会で発表した。HDLSは65歳未満で発症する認知症である若年性認知症の原因疾患の1つで、大脳白質が病変の主座となる。HDLSを診断するためには、病理組織学的な検索が必要とされ、診断が困難だった。2012年に原因遺伝子が発見されてからは遺伝子解析による診断が可能となったが、大脳白質が侵される白質脳症の原因疾患は多岐におよび、実地臨床における鑑別診断はなおも難しい現状がある。そのため、数ある白質脳症の中からHDLSの可能性を見出し、効率よく遺伝子診断につなげるためには、HDLSの臨床的特徴を反映した臨床診断基準が必要となる。今回、研究班でこれまでに解析した変位陽性22家系24症例と、文献検索によって得られた変位陽性50家系77症例の臨床像を解析し、HDLSの臨床像と画像所見の特徴を系統的に抽出した。その結果、発症年齢は43±7歳、死亡年齢は52±9歳、死亡までの罹患期間は5±3年と、比較的若年発症で進行が速く、初発症状は認知機能障害が最も多く、次いで精神症状、運動症状の頻度が高いことがわかった。また、頭部画像では白質病変のパターンや脳梁の菲薄化、脳内石灰化病変などの特徴が見られ、これらの特徴に基づき、definite、probable、possibleの判定基準を持つ、臨床診断基準案を作成した。同案を用いると、変位陽性例を95%以上の感度でpossible以上と診断でき、ほかの白質脳症との鑑別においては、解析に用いた変位陰性白質脳症53症例のうち42%を鑑別することができたことなどから、同案はHDLSの臨床診断に十分寄与しうると考えられるという。
2015年08月21日生活の中にはやるべきことの優先順位があります。仕事の中で、または家庭の中でやるべきことに順位をつけて日々こなしていく。その中で、「運動」はあなたの優先順位のどの位置にあるでしょうか? ランニングやウォーキングをしようと思いながら、日々の忙しさや疲れ、面倒くささに負けてしまい、運動の優先順位を下げている方が多いかもしれません。そう、アラフォー世代の女性たちが継続できないのが、ジム通いやランニングなどの運動、いわゆる「有酸素運動」です。実はこの有酸素運動こそが、あなたが将来、認知症になることを食い止めてくれる、とても重要なテーマであることをご存じでしょうか。脳機能を専門とする研究者として、声を大にして伝えたい! 「運動は、人生において “必須科目” である」と。自由にしたいことを選ぶ「選択科目」ではありません。今、始めなければ、今、習慣にしなくてはいけない「理由」があるのです。では、わかりやすくご紹介していきましょう。「運動」と「認知症」との関係性運動といってもここでお伝えするのは有酸素的な運動です。有酸素運動とは、“運動能力を評価する「最大酸素摂取量」の60%~75%の運動を30分以上行う運動” のこと。年齢によって多少異なりますが、アラフォーの場合は心拍数が130前後となる程度の運動、となります。 この有酸素運動を日常的に行うことによって、脳に2つの効果があるとされています。まず、記憶に関わる脳の部分「海馬」の萎縮が防止されること。もうひとつは、有酸素運動によって「脳由来神経栄養因子(BDNF)」という、脳の神経の再生を促すタンパク質が増加するということです。そしてこの2つの効果が認知機能の低下を防ぎ、記憶力の向上が期待できるのです。わたしはこの話を尊敬する恩師、半場道子先生(現在 福島県立医科大学医学部)に伺い、そのまま走って家に帰ったほど刺激を受けました。ストレッチやヨガではだめなの?さて、すぐにでも運動を始めたくなるこんな研究結果があります。認知症ではない健康で高齢な男女を2群に分け、1つのグループには、「週3回のストレッチを中心としたヨガ」を継続し、もう1グループには「週3回の有酸素運動(歩行40分)」を継続。1年後に海馬の体積、BDNFの量を測定したところ、有酸素運動を続けていたグループが、ストレッチ・ヨガグループと比較して海馬が増加しており、BDNFの量も増加していたのです。左右の海馬の体積とBDNF量は正の相関を示しており、これは海馬体積が大きければBDNF量も多いということを意味しています。海馬体積、BDNF量の上昇とともに、記憶力テストの結果も増加した、という結果となりました。近年の脳科学では、「脳は思ったよりも再生し、新しい細胞が増える」ということがわかってきました。もちろんストレッチやヨガは心身をリラックスさせ、継続して行うことで様々な利点を得られます。しかし、活性物質を全身に送り届けるためには、ある程度の運動強度を30分以上継続して行うことが重要なようです。将来、あなたが「認知症」にならないために…年齢とともに海馬体積が減少し、そして記憶が衰えるということは自然の現象です。有酸素運動を継続することによってそれを少しでもくい止め、生活の質を維持することができるなら、有酸素運動運動は人生における必須科目とするしかありません。毎日、歯を磨くことや洗顔後に化粧水をつけることは習慣になっています。それと同じように、意気込む必要もなく、ただ淡々と運動をしていきましょう。運動を日々の習慣にしてしまえばよいだけなのです。「もう帰るのですか?」「この仕事、終わらせてよ」と言う人が、将来あなたの認知症の介護をしてくれるでしょうか。また、少しだけ掃除や洗濯を怠ったとしても大丈夫。運動による脳神経の再生にはかえられません。大切な家族のためにも、自分が心身ともに元気な姿でいられること。これがとても重要です。人生の必須科目「有酸素運動」の単位を落としてはいけません。有酸素運動をして気分もリフレッシュしてから、終わらせるべき仕事に着手する。疲れたまま仕事を続けるよりも、断然はかどることでしょう。さあ今日は “歩きやすくてかっこ良い、心踊るスニーカー” を買いに出かけてみませんか?
2015年08月18日明日香出版社はこのほど、書籍『「脳が若い人」と「脳が老ける人」の習慣』を発売した。同書の著者は、早稲田大学研究戦略センター教授で、脳の神経ネットワーク解析や行動解析を研究している枝川義邦氏。人間は年を取るとともに肉体が老いていくが、毎日運動を欠かさない人は、筋肉が落ちづらい傾向にある。それと同じように、「脳」にも衰えさせない行動があるという。書籍内では、「脳が若い人」になるために脳の働きをよくする習慣や、「脳が老ける人」にならないように脳を守るための習慣、うまくストレスをコントロールする習慣など、さまざまなメソッドを紹介。若い脳を保つため、生活の中で「やったほうがいい習慣」と「やらない方がいい習慣」を対比し45項目でまとめている。それぞれの項目は、仕事の現場や日常生活の中で取り組みやすいものになっているとのこと。価格は1,404円(税込)。
2015年08月04日情報通信研究機構(NICT)は7月28日、安静時の脳活動の脳画像データに対して脳内を活動の類似性で色分け(モジュール化)することで、統合失調症患者群と健常者群それぞれに特徴的な脳部位モジュールを推定する安定的な手法を開発したと発表した。同成果は、NICT脳情報通信融合研究センター(CiNet)の下川哲也 主任研究員と大阪大学大学院連合小児発達学研究科の橋本亮太 准教授らによるもの。詳細は「第38回日本神経科学大会」にて発表された。統合失調症は約100人に1人が発症する精神障害で、診断は医者が症状を診ることでなされ、客観的な検査などで判断する方法は確立していなかった。今回の研究では、統合失調症のデータ解析に向け、ネットワーク理論におけるモジュールに着目。従来、個人のモジュール構造のバラつきが大きいことから、集団を特徴付けるモジュール構造を推定することができなかったが、研究グループでは、統合失調症患者の安静時脳活動のfMRI(機能的磁気共鳴画像)データに対して、被験者間の差を考慮しつつ、従前の各個人でモジュール分け(色分け)する方法ではなく、新しい試みとして、平均化せずに、全員を一度に色分けすることで、モジュール解析する手法を新たに開発することで、結果のバラつきが少なく、安定的に、統合失調症患者群と健常者群それぞれに特徴的な脳部位モジュールを推定することを可能とした。今回の成果について研究グループでは、患者の主観的意見に左右されない、脳画像のデータに基づく客観的な診断法につながり、精神医学領域において注目される成果だとするほか、同手法を活用することで今後、医療の現場で実際に使えるような、医者の診断を補完する自動診断システムの開発に発展することが期待されると説明している。
2015年07月28日脳を育てることと、心を育てることは、なんとなく別のことに思えるかもしれませんが、「心=脳」ということが最近の研究の結果、明らかになっています。以前は、児童虐待の残す傷あとは、「心の問題」であると考えられていましたが、最近の脳科学の研究では子どものときに虐待を受けると、脳の一部に発達障害を起こす出典:日経サイエンス2006年12月号臨時増刊「インタビュー 熊本大学大学院医学薬学研究部小児発達社会学助教授 友田明美 子どもは親を選べない 脳科学は子どもの心を救えるか」ということがわかっているのです。近年話題になっている、突然感情を爆発させて暴力的になる「キレる子ども」になるかどうかも、脳の発達に関係があるそうです。脳の発達の基礎は、幼児期の親子関係の中で作られていきます。そこで今回は、脳科学で明らかにされてきた子どもの脳について紹介します。「キレない」ために大切なのは、脳の前頭前野言葉を覚え、計算し、人の気持ちを感じ取るときに重要な働きをしたり、「キレる」ことのブレーキ役となったりするのは、大脳の前頭前野です。前頭前野は脳の部位の中でも、もっともゆっくりと成長していきます。脳のおおよそは8~10歳くらいでほぼ完成を迎えますが、前頭前野だけは24~25歳くらいまで成長を続けるそうです。つまり、脳の構成がかたまる8~10歳までに脳の基礎を育てておく必要はありますが、大脳の発達は絶えず続き、足りないものがあれば補おうと変容したり、新たな刺激や発想があればいくらでも変わることができたりする柔軟性を持っています。つまり、8~10歳の時期を逃したら手遅れ、ということではありません。このことはしっかり覚えておいてください。「遊ぶことは学ぶこと」なのは、前頭前野の連携を鍛えるため前頭前野は知性を司る領域体を司る領域情動(感情)を司る領域の3つの領域に分かれています。そのうち、知性を司る領域は、体や情動を司る領域とうまく連携できて初めて、十分な発達をとげるのだそうです。脳科学者の篠原菊紀教授によると、ひと昔前は、子ども同士の遊びの中でこの結びつきが鍛えられていた出典:AERA with kids 2006年12月15日 「脳科学 発達行動学から見た早咲き脳 後のび脳」ということです。さらに、「今、ADHD(注意欠陥・多動性症候群)傾向や自閉傾向、LD(学習障害)といった子どもの増加が問題になっていますが、以前は子ども同士の遊びが、そうした障害の出現を抑制していたのではないか」と指摘しています。「子どもにとって、遊ぶことは学ぶこと」と、よく言われますが、先の指摘によるとこの言葉は理にかなっており、外で大騒ぎしながら遊ぶことは、子どもの脳が健やかに発達するために大切なことといえるでしょう。キレにくい子に育てるには、扁桃体の暴走をコントロールさせること前頭前野のある大脳の活動を支えるのは、脳全体の中心辺りに位置する大脳辺縁系です。記憶を司る海馬のほか、扁桃体(へんとうたい)があります。扁桃体は、生き物として「近づくべきか」「これは食べられるか」といった、危険性の判断や恐怖にかかわる部分です。幼児期に虐待されたり、愛情を与えられなかったりすると、この部分が育ち損なう可能性があるといわれています。扁桃体では、「好き」「嫌い」という感情も決めています。ここで判断された「嫌い」という感情が攻撃欲と結びつくと、扁桃体が暴走し、いじめや衝動的な攻撃が生じるのです。扁桃体を暴走させないためには、そのボリュームを増やしてしっかり攻撃欲をコントロールさせることが必要です。そして結果としてこれが、キレない脳、社会性を育てることにつながります。扁桃体は、幼児期に身近な人の笑顔、愛情表現を与えることで成長が促されることもわかっています。自分を育ててくれる親を見て「好き」になり、その好きな親が笑顔で自分を見ている、という経験は、お互いに「好き」という気持ちを共感することです。この体験が他人との信頼関係を築いていく原点となるのです。幼児期のやりたい気持ちを尊重することが脳の健やかな発達につながる子どものうちは、前頭前野が大人のようには完成していないので、大人よりも一時的な「好き嫌い」で物事を判断します。物事の重要性や優先順位を判断したり、本能的な欲望に理性的にブレーキをかけたりするのは前頭前野の活動です。子どもが「やってみたい」と思うことには、危なかったり汚かったり、眉をひそめたくなることもあるかもしれません。ですが、「やってみたい」気持ちをくじけさせてしまうと、せっかく芽生えた意欲をつぶしてしまいます。ルールに従い、我慢する、他人の意図や感情を理解するのは、ゆっくり時間がかかるもの。幼児期に大切なのは、しつけの前に、「やってみたい」意欲を出来る限り尊重し、挑戦させてあげることではないでしょうか。
2015年07月28日長さ16センチ、幅13センチ、高さ13センチ。重さは1.3キロでやわらかく、豆腐のような質感。これがなんだかわかりますか?答えは、私たちの脳。今回は、意外と知らない脳についての知識を『Live Science』より紹介します。■1:人類の脳はだんだん縮んでいる人類の脳はこの5000年ほどで、なんと150立方センチメートルも縮んでいるのだそうです。これは10%ほど縮んでいる計算になるのだと、ウィスコンシン大学マディソン校の古人類学者ジョン・ホークス氏はいいます。脳が縮んでいる詳しい原因はわかっておらず、研究者の間でも諸説あるのだとか。■2:脳は人体の中で最も大食い脳の重さは体重の2%にすぎませんが、血液中の酸素の20%と、糖分の25%を消費するといわれています。猿からヒトへ進化した際、この大食いの脳がなにを食べていたのかは専門家の間で議論になっていますが、最近は地中に埋まっていたじゃがいもなどの根菜を摂取していたのではないかという説が有力です。■3:脳のシワが多い人ほど賢い私たちの脳の表面はシワで覆われています。脳は表面に神経細胞(ニューロン)があるので、表面積が大きいほど、神経細胞の数が多く、賢くなるといわれています。しかし頭蓋骨内の限られた容積のなかで表面積を増やすためには、シワを増やすしかないわけです。ちなみにイルカの脳は、ヒトの脳よりもシワが多いのだそうです。■4:ニューロンは脳の10%しかない脳細胞と聞くとなんとなくニューロンをイメージしますが、実はニューロンは脳細胞全体のたった10%しかありません。では90%はなにでできているのかというと、神経膠(しんけいこう)と呼ばれる細胞。これはニューロン同士をつなぎとめる働きをしています。■5:脳腫瘍から救うナノテクノロジー脳内の毛細血管は、栄養素など特定の物質しか通しませんが、脳腫瘍の治療の際にはこの仕組みが仇となります。有効な成分が脳まで届かないため、薬を使って強制的に脳のガードを緩めなければならないのです。これを解決するのが、2009年に発表されたナノテクノロジー。治療に必要な成分をごく小さい分子にすることによって、薬を使わなくても脳まで届けることができる技術です。近い将来には、脳腫瘍も簡単に治療できるようになるかもしれません。■6:受胎後3週間から脳がつくられ始める胎児の脳は意外に早い段階で形成されます。なにしろ、受胎からたったの3週間で脳幹が形成されはじめるのです。脳幹は妊娠3か月で大きく成長していきます。4か月を過ぎたころにニューロンや神経膠が形成されますが、まだシワはありません。6か月を過ぎると、わずかにシワができはじめ、7カ月くらいでようやく脳らしい見た目になってきます。脳は意外と長い時間をかけてつくられるんですね。■7:10代独特の思考は脳のせい2006年に発表された研究では、10代の若者は、脳の仕組みが自己中心的になるようにできているといわれています。共感や罪の意識を感じる前頭前皮質(ぜんとうぜんひしつ)が、大人にくらべてあまり使われないのです。思春期の複雑な気持ちが、脳の影響だったとは驚きです。■8:大人になっても脳細胞はつくられる大人になってある年齢に達すると、もう新しい脳細胞はつくられないという話を聞いたことはありませんか?しかし、これは事実ではありません。2007年に発表された研究では、脳卒中になった女性の脳が、脳の似た部分の細胞を使ってダメージを受けた部分をカバーしはじめたとされています。また、大人のマウスの脳に新たな脳細胞がつくられたことも確認されています。脳は一生変化を続けているのです。■9:男女の脳はほとんど変わらない男性と女性とでは脳の仕組みが違うという話をよく聞きますが、必ずしもそうではないようです。2010年に、69か国のおよそ50万人の男女の計算能力を調査したところ、その能力の差はほとんどなかったというのです。まだまだわからないこともたくさんある脳。興味がわいた人は、さらに詳しく調べてみては?おもしろい発見がたくさんありますよ!(文/和州太郎)【参考】※10 Things You Didn’t Know About the Brain―Live Science
2015年07月25日「私たちの脳は、『楽をする』ことを忘れてしまったのです」『考えすぎる脳、楽をしたい遺伝子』(長沼毅著、クロスメディア・パブリッシング)の著者は、冒頭部分でそう主張しています。他の動物は、眠くなったら寝て、疲れたら休む。腹が減れば食べるし、からだの欲求に忠実に生きている。しかし人間は、先天的にからだの欲求に背いてしまう脳のトラブルを抱えているのだというのです。無理をする。疲れる。見栄を張る。ストレスがたまる。我慢する……。そんな困りごとが生まれるのは、あまりに高度に発達した脳があるから。だから本書では、「脳に振り回されずに生きる方法」を、生物学的な視点から考えているということ。■6,000年前よりも劣化した脳スタンフォード大学のある研究者によると、脳という臓器がもっともいいコンディションだったのは、いまから6,000年前。つまり文明ができたころだったのだとか。それどころか、実は文明の発達とともに、人間の脳は劣化しているというのです。これは文明の進化が、人間を自然から切り離し、城壁のなかへ閉じ込めてしまったから。私たちは脳を自然に対して使うのをやめた結果、その能力を人間関係に対して使うようになったという考えです。■脳の「どうしようもない部分」人間の脳の特徴な点は、抽象的なことを考えることができる能力。「メタ組織」といって、いろんなことを脳内宇宙で組み居合わせ、いままでになかったことをつくり上げられるということ。たとえば弓矢の発明がそうであるように、自然に対してこの能力は有効に発揮されていたといいます。そのように、建設的な方向へと広がるぶんにはいいのですが、「悩み」や「不安」など負の要素が脳のなかで堂々巡りしてしまう状態になると、一転して人を苦しめることに……。しかし現状では、脳の構造は遺伝子で決まってしまっているもの。だから、どうしようもない部分がある。いわれてみれば、たしかにそのとおりです。■少しでも楽しましょう人間の脳は進化の過程で、さまざまな遺伝子が誤用され、転用され、流用されるなかで偶然生まれたもの。だから、不都合がいっぱいあるわけです。いわば、「いろんな遺伝子の寄せ集め」でつくられたものだとも著者はいいます。ポイントはここ。「もともとからだの作りからしておかしいのだから、少しでも楽しみませんか」という考え方。それこそが、読者に訴えかけたいことの趣旨だということです。この点を踏まえて読み進めると、本書のメッセージをストレートに受け止めることができるでしょう。■楽になれるように生きよう私たち生物は、普通の状態がいちばん楽。健康も普通の状態をさすわけで、無理に働いたりしてからだを壊すなど異常なことだというわけです。からだが普通の状態でいたいと願っているのに、そうでないことをしたがるのが人間。しかし、そんな無理をせず、楽になれるように生きよう。著者は本書を通じ、そんなメッセージを投げかけているのです。*以後も、自分の個性を知る方法、群れのなかでの働き方など、知っておくと便利な脳の情報が満載。ぜひ一度、手にとってみてください。(文/印南敦史)【参考】※長沼毅(2015)『考えすぎる脳、楽をしたい遺伝子』クロスメディア・パブリッシング
2015年07月22日脳トレがもてはやされたのは、かれこれ十年ほど前のこと。しかしここ最近、再び脳トレの効果に注目が集まっています。年齢を重ねるごとに物忘れがひどくなり「脳が退化しているのかも?」と悩むアラサー女子も多いのではないでしょうか?そこで今回は、医学博士であり脳研究者の加藤俊徳先生のお話を参考に、脳を鍛えるトレーニング法をご紹介します!心が踊るような妄想をする!お給料が大幅にアップしたり、好意を寄せている男性から告白されたりなど、何でもいいのでハッピーになれる妄想をしてみましょう。好きな芸能人とデートするなんて妄想は、かなり幸せな気分に浸れそうですよね。妄想することで魅力的な表情になったり、豊かな感情を育てられるようです。モノの見方を変えて、色々な考え方を!「A=A」と決めつけるのでなく「A=B」にも「A=C」にもなるのでは?とモノの見方を変えるだけで、脳を柔らかくすることができます。一つに固執した考え方しかできないと、脳はどんどん劣化していきます。常に柔軟な考え方をするように意識しましょう。相手のいいところを見つけて、褒める!人に褒められると、誰でも嬉しくなりますよね。褒めることは他人を喜ばせる以上に、自分を幸せにしてくれる行為なんだそうです。自分の言葉や行為で相手が喜ぶと、それだけで嬉しくなりますよね。常に相手のいいところを探すように努めれば、脳がフルに働き、いい感情が生まれます。脳が若返れば、見た目も若返る?お酒やたばこに走ったり、ネガティブな考えをするのは脳にとって良くないこと。嫌なことがあった日こそポジティブな考えをするように心がければ、おのずとポジティブ脳になっていくそうです。たとえば、自分は28歳だと思い込んで暮らすだけでも効果があるのだとか。脳の若返りは見た目の若返りにも効果的なのです!単純なようで奥が深い脳トレ。あなたも今日から始めてみてはいかがでしょうか?
2015年07月13日「タバコの害」と聞くと、真っ先に「肺の病気」を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、実はタバコが心臓や血管の疾患とも深い関係があることをご存じでしょうか? 正しい知識を持つことが禁煙への第一歩です。そこで、内科・循環器科ぴあーすクリニック院長、ピアス(大貫)洋子先生に、喫煙と心臓・血管疾患の関係や禁煙外来について話を聞きました。○タバコと心臓疾患の関係――まずは喫煙と心臓・血管疾患との関係について教えてくださいピアス先生「タバコに含まれる主な有害物質は、ニコチン、タール、一酸化炭素の3つ。このうち、特に一酸化炭素は動脈硬化を促進します。動脈硬化が進むと狭心症や心筋梗塞といったリスクが高まりますので、喫煙と心臓・血管疾患は密接な関係にあるのです。中には、狭心症の治療を行っていた方が、タバコを吸った途端に心筋梗塞になったというケースもありました」――喫煙によって、どの程度リスクが高まるのでしょうか?ピアス先生「喫煙によって、肺がんを発症する確率は非喫煙者の4.5倍に、また心筋梗塞・脳卒中には2-3倍にリスクが高まるという研究データがあります(※)。また、たとえ禁煙しても、非喫煙者と同程度のリスクに戻るまでには15年かかると言われているのです。本数を減らせば病気になる確率は多少左右されるかもしれませんが、リスクが大幅に軽減されることはありません。やはり、病気のリスクを減らすためには、できるだけ早く禁煙するのがベストです」(※)日本がん疫学研究会発行の『生活習慣と主要部位のがん』より――よく「血管年齢」という言葉を耳にしますが、これはどういったことでしょうか?ピアス先生「血管年齢とは、動脈硬化の度合いのことです。動脈硬化が進む、つまり血管年齢が高くなるというのは、血管が硬くなったり、内腔が狭くなったりして、つまってしまいます。そして狭心症などの心臓・血管疾患をはじめ、脳梗塞などのリスクも上がります」○禁煙外来は保険適用が可能――ぴあーすクリニックでは禁煙外来に力を入れているとのことですが、その理由を教えてください。ピアス先生「私は心臓血管外科医師として、多くの患者さんの治療にあたってきました。しかし、大変な治療を経て治っても、しばらくすると心筋梗塞になったり、脳梗塞になったり、肺がんになったり……というケースが非常に多いのです。せっかくの治療が無駄になってしまいます。これは、根本から変えていかなくてはならないと感じました。『病気にならないように、指導、管理、治療ができないものか?』と。こういった疾患には、喫煙習慣が大きく関わっていますので、禁煙外来はその方法の一つ。禁煙外来は私のライフワークです」――患者さんはどのようなきっかけで禁煙外来に来られるのでしょうか?また、どのような治療をするのですか?ピアス先生「会社や家族に禁煙を促され、来院する患者さんが多いです。中には、『孫に臭いと言われて……』というおじいちゃんも。禁煙外来ではまず、タバコの害や禁煙のための心得などを説明し、吸いたくなったときの対処法をお話します。具体的には、薬を出しますので、それを利用するという流れです」――禁煙外来の効果について教えてください。ピアス先生「当クリニックでは、7割程度の患者さんが治療によって禁煙に成功しています。タバコがやめられない大きな原因は、実は『記憶』なのです。タバコを吸うと『よろこび』を与えるドーパミンというホルモンが出ますので、一時的にストレスが解消された感覚を味わえます。そして、この『スッキリした感じ』が記憶に残っているため、ストレスを感じるとタバコが吸いたくなってしまう。そんな場合に禁煙外来ではタバコを吸いたいという衝動を、 和らげる手伝いをします」――最後に、マイナビニュースの読者にメッセージをお願いします。ピアス先生「現在喫煙者でないのなら、まずは手を出さないこと。また、身近な人が喫煙者なら、タバコの害についてぜひ説明して、禁煙を促してあげてください。身近な人から言われると、それがきっかけとなって禁煙に取り組めるかもしれません。実は世界的に見ると、日本は禁煙後進国です。ずいぶん前からアメリカなどでは、禁煙は当然のこととして扱われていました。しかし、日本で禁煙外来が広く知られるようになったのはごく最近のこと。東京オリンピックも控えていることですし、ぜひ若い人たちから禁煙の和を広げていってほしいと思います」○今回お話を伺ったピアス(大貫)先生のプロフィール千葉大学医学部第一外科入局国立循環器病センター実験治療開発部研究員千葉県緊急医療センター心臓血管外科医長アメリカシアトルHope Heart Institute research fellow千葉大学医学部第一外科助手千葉県立循環器病センター心臓血管外科医長千葉県立循環器病センター心臓血管外科主任医長ぴあーすクリニック開設
2015年06月29日カリフォルニア プルーン協会はこのほど、カナダ・モントリオールで開催された「骨粗しょう症の栄養学的側面に関する国際シンポジウム」において、プルーンの有益性を示唆する2件の研究が報告されたと発表した。同シンポジウムにおいて、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の内科教授のバーナード・ハロラン博士は、プルーンの摂取と骨量増加の関連性について発表。マウスの食餌にプルーンを取り入れると、幼体期と成長期のマウスだけではなく、若年成体と成体のマウスでも、骨量増加を助ける可能性があることがわかったという。この結果を受け、ハロラン博士は「プルーンが生涯の早い時期から骨の健康をサポートし、もしかしたらわれわれの加齢に伴う骨関係の問題への有効な対策になりうる可能性が示唆されます」とコメントした。ポスターセッションでは、サンディエゴ州立大学運動栄養科学科の研究員・助教授のシリン・フーシュマンド博士が閉経後の女性を対象とした新しい研究結果を発表した。これまでの研究では、閉経後の女性が1年間にわたってプルーン1日100グラム(2サービング相当、約10~12個)を摂取すると、骨密度(BMD)が増加し骨代謝回転指標が改善されるという関係が明らかになっていた。同博士は今回、プルーンの摂取量を50グラム(1サービング相当、約5~6個)に減らした場合の有用性について研究したという。その結果、骨の健康改善と骨量減少の進行抑制に対しては、1サービングのプルーンでも有効かもしれないということがわかった。同博士は「風味豊かなドライフルーツで手軽な軽食でもあるプルーンが、骨量減少の予防に役立つ可能性があるのです」と研究の成果を語った。骨粗しょう症治療用の処方せん薬は進歩しているが、長期的有用性などの問題も多い。今回の研究結果を受けて、同協会は「プルーンは手軽でコストパフォーマンスの高い軽食および食材としてさらなる研究に値する」と期待を寄せている。
2015年06月22日水の安全性や選び方などをあらためて考え直すことを目的とする「水を考えるプロジェクト」はこのほど、20代~70代の全国の男女600名を対象に実施した「熱中症に関する意識実態調査」の結果を明らかにした。調査期間は5月27日~28日。まず「熱中症になったことはありますか」と尋ねたところ、23.0%が「ある」と回答した。次に熱中症の症状で、暑い時期に自覚したことがある症状について聞いた。現場での応急処置で対応できる軽症の熱中症である「めまい、失神、立ちくらみ」は52.2%が、「手足のしびれ・気分の不快」は13.7%が、「筋肉痛・筋肉の硬直」は6.2%が自覚した経験があると回答。半数以上の回答者が、軽度の熱中症の諸症状を経験していることが明らかとなった。熱中症の自覚症状があるのは約4人に1人に対し、実際に軽度の熱中症の症状を経験がある人は2人に1人となっていることから、自覚していない"隠れ熱中症患者"が多いことがわかる。熱中症対策として、1日どの程度の水分を摂取しているか尋ねところ、最も多い回答は「501ml~1,000ml」(42.0%)だった。環境省は「1日に飲料として摂取すべき水分量の目安は1.2リットル」としているが(※)、それに該当する「1,200ml以上」と回答した割合は19.0%で2割にも満たなかった。熱中症対策として、1日にどの程度の水分を摂取する必要があると思うか聞くと、環境省が目安として挙げている「1.2リットル以上」を選択した人は27.0%だった。そのほかの7割以上は、熱中症対策の水分補給に関して正しく理解していないことがわかった。今回の調査では、2人に1人が「隠れ熱中症」であることが明らかになったが、医学博士で管理栄養士でもある井上正子先生によると、「隠れ熱中症」は、自分で気づいたときには、重症化していることが多いという。「自覚がなくても、呼気や皮膚から水分は失われています。喉が渇いたと感じたら、すでに脱水気味になっていることが多いので、喉が渇く前から水分補給をした方が良いでしょう」と、熱中症予防には、こまめな水分補給が有効であるとアドバイスしている。※環境省の「熱中症環境保健マニュアル III熱中症を防ぐためには」より
2015年06月22日東京医科歯科大学は6月18日、小脳の神経細胞が徐々に脱落し運動機能が低下する脊髄小脳失調症6型(SCA6)の病態に、神経炎症が関与することを明らかにしたと発表した。同成果は東京医科歯科大学脳統合機能研究センターの渡瀬啓 准教授と相川知徳 特任助教の研究グループによるもので、国際科学誌「Human Molecular Genetics」に掲載された。脊髄小脳失調症は、アルツハイマー病、パーキンソン病に次いで患者数が多い神経変性疾患で、現在のところ有効な治療法は確立されていない。今回研究の対象となったSCA6は日本で最も患者数の多い優性遺伝性の脊髄小脳失調症の1つとして知られている。同研究グループは、プルキンエ細胞と呼ばれる小脳の神経細胞がSCA6で変性に陥る機構を解明するため、SCA6モデルマウスの小脳の遺伝子発現状況を網羅的に解析。その結果、SCA6モデルマウスではプルキンエ細胞変性が確認できるより前に、脳内の免疫系を担うミクログリア細胞が活性化していることを突き止めた。ミクログリアは神経組織が傷害を受けると活性化するが、その際、神経細胞傷害的なタイプと、神経細胞保護的なタイプ、さらにそれらの中間的な状態となりうることが知られている。活性化したミクログリアはある特定のToll様受容体(TLR)タンパクを発現しており、同研究グループはTLRシグナルがミクログリアを活性化していると予想。TLRシグナルの伝達を仲介する分子MyD88の遺伝子を欠損させたマウスとSCRモデルマウスを交配させ、ミクログリアの活性化を抑制を試みたところ、作成した2重変異マウスではプルキンエ細胞変性が抑制され、SCA6の症状が改善されていた。これらの結果から、SCA6モデルマウスでは、神経細胞傷害的なタイプが有意に活性化されており、プルキンエ細胞変性を悪化させていることが示唆された。今回の研究成果はTLRシグナルの機能を阻害することで、この病気の初期の病態を軽減できる可能性を示すものとなった。製薬企業などによって、TLRの機能を抑制する小分子化合物の開発が進められており、今後それらの化合物をSCA6モデルマウスへ投与する検証実験を通して、有効な治療法の開発につながることが期待される。
2015年06月19日慶應義塾大学(慶大)は6月16日、北里大学との共同研究で、遺伝性パーキンソン病患者由来のiPS細胞を樹立し、分化誘導した神経細胞を用いてパーキンソン病患者の脳内における病態を解明したと発表した。同成果は慶大学医学部生理学教室の岡野栄之 教授、北里大学医療衛生学部再生医療・細胞デザイン研究施設細胞デザイン研究開発センターの太田悦朗 講師(慶應義塾大学医学部共同研究員)、小幡文弥 教授らの研究グループによるもので、6月8日(現地時間)に医学誌「Human Molecular Genetics」に掲載された。同研究グループは全患者の10%を占める遺伝性パーキンソン病患者の発症メカニズム解明を目的に、原因遺伝子LRRK2に変異を有する優性遺伝性パーキンソン病家系内の患者2名からiPS細胞を樹立し、これらのiPS細胞から神経細胞のもととなる神経幹細胞を作製後、分化誘導した神経細胞について機能解析を行った。LRRK2に変異を持つ患者は、全患者の90%を占める孤発性パーキンソン病と臨床症状や発症年齢、治療薬に対する反応など似た特徴を示すことがわかっている。解析の結果、iPS細胞から誘導した患者の神経細胞群では、健常者の神経細胞群に比べ、酸化ストレスに対する脆弱性があったほか、ドーパミンの放出異常あること、細胞内のAKT/GSK-3βシグナル伝達経路の異常によってリン酸化タウが増加することも明らかとなった。また、iPS細胞を樹立したうちの1名の患者の死後脳を調べたところ、GSK-3β活性化によるリン酸化タウの増加、そしてそれが脳内に沈着して引き起こされる神経原線維変化が確認された。同研究グループは「今後、この患者由来のiPS 細胞を用いることで遺伝性だけでなく孤発性も含めたパーキンソン病の病態解明や治療のための新薬開発が期待される」とコメントしている。
2015年06月17日「痩せたいけど、ダイエットは苦痛」「いつもダイエットに失敗する」・・・そんなあなたは、脳を「ダイエット脳」に切り替えてみませんか?ダイエット脳で、楽しくダイエットを乗り切りましょう!■なぜ太ったのでしょうか?まず、自分の行動習慣・思考習慣を書き出してみましょう。自分の生活全体を振り返ることが「ダイエットの秘訣」です。現在の自分は、今までの生活習慣が作ったのですから、生活習慣を変えない限り痩せることはありえません。■なぜダイエットは失敗するのでしょうか?生活習慣を書き出すことで、太った原因がわかってくると思います。わかっちゃいるけど、やめられないお菓子。わかっちゃいるけど、運動なんてめんどくさい・・・。わかっちゃいるけど、ダイエットは続けられない・・・。どうしてでしょうか?それは、ダイエットが楽しくないから。好きでダイエットしているわけではないから、続けるのが難しいのです。では、どうしたら楽しくダイエットできるでしょうか?■なりたい自分を書き出す脳は現実と仮想の区別がつきません。そんな脳の特性をダイエットにも活用しましょう。なりたい自分の姿を書き出します。それも「なったらいいな~」ではなく、完成形・過去形で書きます。例えば、私の体重は45kg。7号サイズの赤いワンピースをきて、7月30日友人の結婚式に参加した。今年の夏はビキニで泳いだ・・・等。すべて、「なったらいいな~」ではなく、過去形で書くことがポイントです。そうすることによって、すべて現実化したこととして脳に暗示をかけることができます。■ビジョンマップを作る理想体型の芸能人の写真と自分の写真を並べて、「必ずこうなります。」と書き、芸能人の写真から自分の写真に向かって、矢印マーク(→)で結びます。さらに、痩せた後に自分がおこなう出来事をその周りに書き込んで、一枚のマップを作ります。「こんなことをして何になるんだろう、ばかばかしい」と思うかもしれません。しかし、これも重要なことなのです。脳は目から入る情報を現実化しようとします。いつも見えるところへマップを貼ったり、携帯の待ち受け画面にするなどして常に目に付くようにしていると、脳は現実化に向けて動いていくようになります。■具体的な予定をたてるいつまで、なんの為に、誰のために痩せたいのか?そのためには何をすべきなのか?等を書き出します。例えば、お腹を引っ込めたいなら、どんなエクササイズが有効か?グッズは?ダイエットサプリメントは?・・・などを本・ネットなどで調べます。ここを深掘りすると、「そもそも何故痩せる必要があるのか」が明確になります。調べない段階で、本当は痩せる気がないことに気づくからです。そして集めた情報を一枚の紙にまとめます。スマホにアプリを入れておき、いつでも開けるようにしておきましょう。■まとめダイエット情報は溢れていますから、ノウハウは無料でいくらでも手に入ります。でも継続ができず、ダイエット難民よろしく次々と新しいダイエット法に飛びつくのです。そして、結局痩せないというループ・・・。まずは、楽しいダイエット脳に変えては如何でしょうか?痩せた自分をニヤニヤ想像しながらダイエットできたら、幸せですよ。(林田玲子/ハウコレ)
2015年06月07日健やかな老後を過ごしたいと思う人は少なくないはず。でも、病気になってしまうとその願いは叶えられなくなってしまいます。実は、ぐっすり眠れないと悩んでいる人は、老後にある病気に悩まされるリスクが高くなるそうです。年齢とともに物忘れはひどくなる人間は年を取ると物覚えが悪くなりがちです。これは、加齢によって神経細胞が衰えると、記憶力や判断力が低下してしまうからですが、日常生活に大きな影響を与えることはありません。人間の老化は自然の摂理だと言えます。でも、認知症は病気であり、日常生活に支障をきたすことがあります。たとえば、直前の発言や行動を忘れてしまうことも。これは、脳の神経細胞にダメージが与えられているからだと考えられているんです。実は、睡眠の質が低いと、認知症の発症リスクが高まるという説があります。では、どうしてぐっすり眠れないと認知症になってしまうのでしょうか。熟睡できない人は認知症リスクが4倍米国神経学会の研究結果によると、熟睡できない人は正常な睡眠ができている人に比べ、認知症になるリスクが4倍になってしまうという結果が出ました。これは、脳の血中酸素が少なくなり、ノンレム睡眠(深い眠り)も短くなってしまうことが原因だと考えられています。睡眠は脳を休める時間だと言いますが、頭のなかに溜まったゴミをキレイに掃除する役割があります。このとき、アルツハイマー型認知症の原因とされるアミロイドβとタウタンパク質を、身体から出してくれるらしいんです。これらの成分は25年かけて蓄積され、認知症を引き起こすのだとか。早いうちからぐっすり眠る習慣があれば、予防できる可能性も高くなるでしょう。よい睡眠習慣で健やかな老後を過ごそう誰しもが健やかな老後を過ごしたいと思うはず。そのために、日常生活に支障をきたすような病気にはなりたくないでしょう。認知症は自分がした記憶や行動をすぐに忘れてしまい、場所や時間がわからなくなってしまいます。また、だんだんと理解力や判断力も低下し、心理的なストレスも溜まってしまうようです。これでは健康な老後を過ごすのは難しくなってしまうでしょう。ぐっすりと眠ることは、認知症のリスクを4分の1に抑えることになります。今まではなかなか寝つけなかったという人も、自分の生活習慣を見直し、よい睡眠サイクルを身につけましょう。Photo by GLinG GLoMo
2015年05月29日高齢化が進む日本では、認知症になる人の数も相対的に増えています。認知症のなかで最も多いのはアルツハイマー型、二番目に多いのはレビー小体型認知症と言われています。レビー小体型認知症は睡眠障害と似た症状が出ることもあるのだとか……。本当に睡眠障害?睡眠障害だと思っていたら、認知症のひとつである「レビー小体型認知症」だったということがあるそうです。この認知症は、脳のなかに「レビー小体」という特殊なたんぱく質が出現し、視覚情報の処理に影響を与えてしまうというもの。アルツハイマー型に次いで二番目に多いと言われ、具体的には次のような症状が現れます。1.幻視(いないはずの人や虫が見えて、触ろうとして手を伸ばしたり、声をかけたりする)2.筋肉がこわばり、動作がスローになる3.これらの症状に波があるなぜ、レビー小体型認知症が睡眠障害と勘違いされることがあるかというと「レム睡眠行動障害」でも似たような症状が現れるからです。レム睡眠行動障害とは?レム睡眠行動障害の特徴は、簡単に言えば、睡眠中に異常行動を起こすことで、次のような症状があります。・睡眠中に大声で話をしたり、笑ったり、説教をしたりする・睡眠中に手足を動かしたり、字を書くような動作をする・睡眠中にベッドから出て、歩きまわるこれらの異常行動がレビー小体型認知症の症状に似ていることから、レム睡眠行動障害として診断され、本来の病気である認知症になかなか気付けなかったなんてことも起こりえます。また、むずむず脚症候群と呼ばれる睡眠障害も、名前の通りに脚がむずむずして眠れなくなる病気ですが、「脚に虫が這いまわっているようだ」と訴えていた患者が実はレビー小体型認知症だったという例もあるようです。早期発見が重要!レビー小体型認知症は早期発見、早めの治療が大切だと言われています。家族や友人など身近な人で、冒頭にあげた幻視やその他の症状があるという人がいたら、一度医師に診てもらうようにしましょう。現時点では、体内に溜まったレビー小体を完全に取り除くことはできず、レビー小体型認知症を完治する方法も確立されていないそうです。ただ、症状を緩和したり抑制したりする薬はあるので、改善をすることはできると言われています。レム睡眠行動障害やむずむず脚症候群と診断された人も、症状がなかなかよくならなかったり、他にも気になる症状が出てきたりしたときは、早めに医師に相談するようにしましょう。Photo by Wonderlane
2015年05月25日