きょうご紹介したいのは、高野山開創1200年を記念して発行されたという『心を整える高野山のお経CDブック』(高野山一乗院著、アスコム)。平易でわかりやすい文章、そして大人気の寺院として知られる高野山一乗院の朝の勤行をそのまま収録したCDとによって、お経、そして高野山についての知識を無理なく身につけることができます。とはいえ、そもそもお経ってどんなものなのでしょうか?■お経を唱えることで心が安らぐ!お経は、古くから日本人に親しまれ、心を整えるために唱えられてきたもの。古くは戦国武将の真田幸村、近代であれば実業家の松下幸之助など多くの著名人も、心の安らぎを得るためにお経の力を借りていたのだといいます。しかし、そうなると、今度は高野山のことが気になってきます。■今年で開山1200年の高野山とは?和歌山県伊都郡高野町に位置し、今年で開山1200年を迎えた高野山は、日本人が古くから憧れ、心の拠り所を求めて訪れてきた場所。霊験あらたかな修行の地として知られており、悠久の神秘に出会える場所として人気のスポットです。訪れる人は、歴史の流れを感じさせる重厚な建造物、そして山深い自然が調和した荘厳で美しい景色に圧倒されるといいます。そして高野山では、いにしえの時代から変わることなく、独特な文化やしきたりが守られ、敬虔な生活が営まれています。そして、ここでお経が重要な意味を持つわけです。■毎朝必ず行われる「朝勤行」とは?お経は、修行のため、そしてお祈りのために毎日読まれているもの。そしてその象徴的なものが、高野山の寺院で毎日欠かさず行われている「朝勤行」なのだそうです。文字どおり、朝に行われるお経のこと。しかし、そうなると気になるのは、勤行の内容です。そこで、そのことについてご説明しましょう。高野山の朝勤行では、おもにお経を読んで、声明(しょうみょう)を唱えるのだといいます。声明とは、メロディーがついたお経のこと。お経だけだと抵抗もありますが、メロディーがついているなら親しみやすいかもしれませんね。厳しそうなイメージもありますが、朝勤行に参加すると、すがすがしい空気を感じ、お経の響きが心地よく感じられるのだとか。そして心が穏やかに整って、気分がリフレッシュする……というのですが、そんなに都合のいいことがあるのでしょうか?そう感じても無理はありませんが、つまりはそんな疑問を解消してくれるのが本書だということ。難しいことを考える必要はない。でも、お経が持つ力を、現代人のために役立てられないだろうかという思いからつくられたというわけです。■心を穏やかに整えてくれる深みが!しかも本書についているCDの最大の魅力は、高野山一乗院の本堂で、実際に収録されたものであるということ。レコーディングスタジオで録音されたものとは違い、歴史を背負った木造建築ならではの奥行きを実感できるのです。実際に聴いてみるとよくわかるのですが、お経だけでなく半鐘(鐘)の音も含め、耳に心地よいその音場には心を穏やかに整えてくれる深みがあります。お経と聞くだけで抵抗を感じてしまう方もいらっしゃるでしょう。ただし基本的には、聴いて、なにかを感じればいい。難しいことはなにも必要ない。そんなことを、本書と付属のCDは教えてくれると思います。(文/印南敦史)【参考】※高野山一乗院(2015)『心を整える高野山のお経CDブック』アスコム
2015年07月02日東京都・恵比寿のALにて、シンドウミツオ初の写真展「graphical photographyby mitsuo shindo」が開催されている。開催期間は6月7日まで、開場時間は12:00~19:00(最終日のみ17:00まで)。入場は無料。同展は、アートディレクター、グラフィックデザイナーとして音楽シーンをデザインしてきた信藤三雄の、写真家としての顔を紹介する初の写真展。1990年に制作されたフリッパーズ・ギターのアルバム「カメラ・トーク」に、アートディレクターとして参加していたパリでの撮影にて急きょ写真家デビューを果たし、写真を撮る楽しさに目覚めたのだという。最近では、AKB48の39枚目のシングル「Green Flash」の顔アップ写真も信藤の仕事だ。その後、仕事の現場で名だたる写真家たちを師匠として、三浦憲治からは「絶体絶命! どんな状況の中でもピントを外さない凄さ」、田島一成からは「写真に文字を入れさせない構図の強さ」、鶴田直樹からは「モデルへのポージング&多様なライティング」、そして荒木経惟からは「貪欲な姿勢」など、「撮り方」を学んでいく。また、なぜいまシンドウミツオとして"写真家宣言"をするのかという問いには、「人はぼくをアートディレクターというジャンルでしか評価しない。だから写真もその一部分であると思われてしまう。でも本当は、写真は写真として見てもらいたいんです。(中略) とにかく気分は新人。身軽に写真だけを撮ってみたいと思ったんです」と答えている。
2015年06月04日写真家の荒木経惟の個展が、5月25日から6月20日まで東京・六本木のタカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムで開催される。前立腺癌を経験し、13年には網膜中心動脈閉塞症を発症して右眼の視力を失った荒木経惟。同展では、その後も以前と変わらぬ精力的なペースで撮影を続ける荒木経惟のカラーとモノクロームによる最新作が展示される。同作は、「今は、往生から、向うの空側から世界を見てる。だから鏡写しなんだよ」と語る荒木経惟が、日常の風景を鏡写しのように反転させ、“往生を象徴する鏡の裏側から世界を見ている”という思いを込めて手掛けたもの。今年の春から撮影されてきた6×7ポジフィルムによるカラー写真と、日付入りのモノクローム写真には、彼の“死”から“生”に向かう現在の心境が収められている。また、荒木経惟による173点の作品を掲載した同展のカタログ(1万2,000円)が500部限定で刊行される。【イベント情報】会場:タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム住所:東京都港区六本木5-17-1AXISビル2階会期:5月25日から6月20日まで
2015年05月25日写真家の荒木経惟の個展「鏡の中のKaoRi 写経老人A 2015.5.25 75齢 Brithday」が、5月25日~6月20日まで東京・六本木の「タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム」で開催される。前立腺癌を経験し、13年には網膜中心動脈閉鎖症を発症して右眼の視力を失った荒木経惟。同展では、その後も以前と変わらぬ精力的なペースで撮影を続ける荒木経惟のカラーとモノクロームによる最新作が展示される。同作は、「今は、往生から、向うの空側から世界を見てる。だから鏡写しなんだよ」と語る荒木経惟が、日常の風景を鏡写しのように反転させ、“往生を象徴する鏡の裏側から世界を見ている”という思いを込めて手掛けたもの。今年の春から撮影されてきた6×7ポジフィルムによるカラー写真と、日付入りのモノクローム写真には、彼の“死”から“生”に向かう現在の心境が収められている。また、同展のカタログとして、荒木経惟による173点の作品を掲載した『鏡の中のKaoRi 写経老人A 2015.5.25 75齢 Brithday』(1万2,000円)が500部限定で刊行される。【イベント情報】「鏡の中のKaoRi 写経老人A 2015.5.25 75齢 Brithday」会場:タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム住所:東京都港区六本木5-17-1AXISビル2階会期:5月25日~6月20日まで
2015年05月25日『ジョジョの奇妙な冒険』で知られる漫画家・荒木飛呂彦の短編漫画『死刑執行中脱獄進行中』が森山未來の主演で舞台化されることが決まった。荒木作品が舞台化されるのは今回が初めて。『死刑執行中脱獄進行中』は、投獄されて理不尽な扱いを受ける死刑囚が脱獄を試みる密室サスペンス。1995年「スーパージャンプ」で発表され、後に発売された短編集に表題作として収められている。初めての舞台化に荒木は「予測できない期待感と楽しみがあります」とコメント。一方主演の森山は「荒木飛呂彦さんの持つ唯一無二の様式美を、身体、テキスト、音楽、照明、映像、衣装など、現代の舞台芸術が持ち得るかぎりの要素を総動員して、演出家、ダンサーをはじめとする素敵なクリエイター達と有機的に具現化していくつもりです。この舞台が演劇なのか、ダンスパフォーマンスなのか、ジャンルレスなインスタレーションなのか。それは観劇後のあなたの選択にお委ねします」とコメントを寄せている。構成・演出・振付は演劇ユニット「冨士山アネット」の主宰・長谷川寧。11月に東京・天王洲 銀河劇場で上演された後、12月には全国でも公演。
2015年05月18日生活のこと、親のこと、10年後の自分のこと。何を選んで進んでいけばいいのか、さっぱりわからない。 日々を過ごす中で、不意に感じる生きることへの心細さ。そんな心のモヤモヤをほぐしてくれる、“不安に効く本”を北海道砂川市『いわた書店』の岩田 徹さんに教えてもらいました。 『いわた書店』と言えば、「一万円選書」。店主の岩田さんが注文者の心に寄り添って1万円分の書籍を選んでくれるサービスです。現在、予約で約650人待ち。受付再開は2016年を予定。 そこで今回は特別バージョンで、岩田さんがこれまで選んだ本の中から、反響が大きかった本、今だから読むべき本で「一万円選書」を依頼。 「不安な時、悩みを抱えている時に、自分に合う文章はないだろうかと探しながら読めば、必ず『私のために書かれた文だ』と実感できる言葉に出合えるはずです」(岩田さん) ■No.1『手から、手へ』池井昌樹、植田正治、山本純司 親から子へ、そしてまた次の世代へ…。連綿と受け継がれていく“生”と、人間の心の優しさを、昭和の家族写真と美しい詩で綴る。「生きることってなんだろう、自分が生きている証って何?その答えを、素晴らしい詩と写真の力でわかりやすく教えてくれます。誰に薦めても喜ばれる一冊です」(集英社1200円)池井昌樹、植田正治、山本純司 ■No.2『人質の朗読会』小川洋子 南米のテロ事件で遺されたテープには、人質となって殺された日本人8人による、それぞれの人生の記憶、忘れがたい思い出が語られていた。「命に限りがあるという現実に、普段私たちは目を背けて生きています。そのことを再確認し、本当に大事なものは何なのか改めて考えさせてくれるでしょう」(中公文庫552円) ■No.3『恋する老人たち』荒木経惟 人生を自分流に愉快に楽しむ、おしゃれでお茶目な老人たちの写真を、写真家・荒木経惟がセレクト。洒脱な解説も付けて。「年齢を重ねることに恐怖を感じている人に。漠然と不安を抱くより、人生の最終局面でどうなっていたいかを考えてみては。素敵な老人たちの姿に、感じるものがあるはず」(筑摩書房2300円) ■No.4『きみのためのバラ』池澤夏樹(新潮文庫430円) ■No.5『日本語が世界を平和にするこれだけの理由』金谷武洋(飛鳥新社1200円) ■No.6『跳びはねる思考』東田直樹(イースト・プレス1300円) ■No.7『つるとはな 創刊号』(つるとはな1300円) ■No.8『向田邦子の陽射し』太田 光(文春文庫690円) No.4~8を選んだ理由は、本誌でぜひチェックしてみて! ◇いわた・とおる北海道砂川市にある、町の本屋さん『いわた書店』店主。10年前始めた「一万円選書」のサービスが昨年メディアで話題となり、注目される。 写真・多田 寛 ※『anan』2015年5月13日号より
2015年05月09日これほどの大物たちをただ一人で撮れる写真家は、今後現れないかもしれません。 写真の6人をはじめ、赤塚不二夫、ビートたけし、三宅一生…はたまた、染谷将太ら若手まで。雑誌『ダ・ヴィンチ』の連載企画として撮り続け、いまやなんと200人以上。荒木経惟の写真人生にはもちろん、日本芸能史にも残る写真集『男 ―アラーキーの裸ノ顔―』が誕生しました。本展では、撮り下ろしを含めた全207点を展示。日本を代表する写真家による、日本を代表する男たちの肖像を、お見逃しなく。 ◇information 荒木経惟写真展『男 ―アラーキーの裸ノ顔―』表参道ヒルズ 本館 B3F スペース オー東京都渋谷区神宮前4‐12‐104月24日(金)~5月6日(水)11:00~21:00(4月26日は~20:00、5月6日は~18:00)TEL:03・3497・0310(総合インフォメーション)入場無料 ※『anan』2015年4月29日・5月6日号より
2015年05月06日連休を利用して見るべき美術展・展覧会をご紹介。まずおすすめしたいのは、六本木の森美術館のリニューアル・オープンを記念して開催されている「シンプルなかたち展:美はどこからくるのか」。これは、パリのポンピドゥー・センター分館「ポンピドゥー・センター・メス」が「エルメス財団」とコラボレーションして昨年開催されたものが、日本展として巡回しているものだ。侘び茶の精神を示す長次郎の黒樂茶碗をはじめ、出品作品約130点の内、30から40%が日本だけの限定作品として組み直され、シンプルな形態の美に再度着目した見応えのある展覧会となっている。グッチ(GUCCI)新宿店では、映像や音楽、写真、パフォーマンス作品などを発表し、「VOGUE JAPAN ウーマン・オブ・ザ・イヤー2013」を受賞したことでも知られる現代美術家のスプツニ子!と共に、「Tranceflora - エイミの光るシルク」展を開催中。そんなスプツニ子!は、花や昆虫をモチーフにしたグッチの不朽のアイコン「フローラ」に着目し、「バラの香りのするシルク」を生物研と共同構想。また、約3,000個の光る遺伝子組換え繭で空間をデザインし、シューズデザイナーの串野真也が手掛けた「エイミの光るドレス」なども展示されている。ショッピングの合間に楽しむなら、表参道ヒルズの多目的ホール「スペース オー」では、荒木経惟の写真展「男 ーアラーキーの裸ノ顔ー」はいかが。これは、月刊文芸誌『ダ・ヴィンチ』の創刊20周年企画の一環として行われたもの。巻頭連載企画「アラーキーの裸ノ顔」に掲載された作品の中から、浅野忠信、堺雅人、三宅一生、松田龍平らが被写体となった全207点にも及ぶ男達の顔とじっくり向き合うことができる。その他、西麻布のインスタイル・フォトグラフィー・センターで開催中の、世界的に著名なロンドン出身の写真家テリー・オニールの写真展「テリー・オニール:華麗なる50年の奇跡」も併せてチェックしておきたい。1960年代、音楽や映画、ファッション界の新しいアイコンを見つけては写真を撮り、激動する60年代をフィルムに収め続けてきた、テリー・オニール。本展では、彼の約50年に渡る長いキャリアの中から、ブリジット・バルドー、オードリー・ヘップバーン、ザ・ビートルズ、デビッド・ボウイら著名人の貴重な写真約30点が展示される。最後に、京都に足をのばす際に訪れて欲しいのは、京都では史上最大規模となる国際的な現代アート展覧会「PARASOPHIA:京都国際現代芸術祭2015」。これは、世界の一線級で活躍する36組38名の作家による作品が市内で一斉に展示されるもの。メイン会場となる京都市美術館では、ニューヨークを拠点に彫刻やドローイングなどを作品の変化を通じて制作過程も含めて発表しているブラント・ジュンソーの作品など、総勢31組の作品を展示。また、もう一つの主会場となる京都府京都文化博物館の他、京都芸術センター、大垣書店烏丸三条店など8つの会場が舞台となる。同時に開催されているのが今回が3回目の開催となる「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」。今回は京都の町屋や歴史的建築物など15ヶ所の会場で計9カ国14組の作家が参加。中でもグッチのサポートで日本初の作品展が実現したヨシダキミコ(会場:花洛庵野口家住宅)や誉田屋源兵衛 黒蔵で開催されているフランスの写真家マルク リブーの「Alaska presented byシャネル・ネクサス・ホール)」ほかにも無名舎、有斐斎 弘道館など普段公開されていない会場での展示は要チェック。今年のゴールデンウィークは、忙しい日常から抜け出し、芸術に触れ心を潤してみてはいかがだろう。<この記事で紹介した展覧会一覧>■「シンプルなかたち展:美はどこからくるのか」会場:森美術館住所:東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー53階■「Tranceflora - エイミの光るシルク」展会場:グッチ新宿 3階住所:東京都新宿区新宿3-26-11 新宿高野ビル■「男 ーアラーキーの裸ノ顔ー」会場:スペース オー住所:東京都渋谷区神宮前4-12-10表参道ヒルズ地下3階■テリー・オニール : 華麗なる50年の軌跡会場:インスタイル・フォトグラフィー・センター住所:東京都港区西麻布5-2-9 インスタイル南麻布ビルディングB1F■「PARASOPHIA:京都国際現代芸術祭2015」会場:京都市美術館、京都府京都文化博物館、京都芸術センター、堀川団地(上長者町棟)、鴨川デルタ(出町柳)、河原町塩小路周辺、大垣書店烏丸三条店■「KYOTO GRAPHIE 京都国際写真祭」会場:虎屋京都ギャラリー、コム デ ギャルソン京都店、誉田屋源兵衛 黒蔵、堀川御池ギャラリー、嶋臺ギャラリー、両足院建仁寺、京都市役所前広場、有斐斎 弘道館、他
2015年05月03日私たちは日常、人と接するとき、相手の表情からどれほどの情報を読み取っているだろう?内に秘められた悲しみ、目の奥に映る恋心、滲み出る嫉妬心…。実のところそうした感情は、いかにポーカーフェイスを装えど隠しきれるものではない。そして端々から溢れる感情に、相手の思想や過去の思い出を垣間見たとき、人は相手に強い興味を覚えるのだ。表参道ヒルズ本館地下3階「スペースオー」にて開催中の荒木経惟写真展「男-アラーキーの裸ノ顔―」で、むきだしの心のままレンズに向かう男たち1人ひとりの“裸ノ顔”と向き合っていると、ふと、そんなイメージが浮かんでくる。雑誌『ダ・ヴィンチ』(KADOKAWA)にて連載中の「アラーキーの裸ノ顔」書籍化にあたり開催される運びとなった同展では、北野武、王貞治、原田芳雄、山崎努、桂歌丸ら大御所から、松田龍平、染谷将太、瑛太ら若手著名人に至るまでの男たちの顔とじっくり向き合うことができるのだ。作品背景はすべて白バック。鑑賞者のみならず荒木本人も、一切の装飾を排除した空間で、「裸ノ顔」と向き合ってきた。「背景も被写体が作るもんだから。俺はね、カメラを構えて“背景が出てくる”のを待ってるだけなんだよ」。そう明かす荒木が撮影空間にこだわるのには理由がある。「例えばTVの仕事だとかの合間に楽屋でぱぱっと撮影しちゃったら、楽屋の空気が写真に映りこんじゃうんだよ。そうじゃなくて、この作品を作るための時間を持って、“2人だけの関係”になんなきゃだめだよね」懐かしい時間、譲れない想い、望む未来…。それぞれが生み出した景色の前で、被写体たちはいかなる表情を湛えているのか。ぜひ、自身の目で確認してほしい。写真展会期は4月24日から5月6日。入場無料。会場内の特設ショップでは、「アラーキーの裸ノ男」でこれまでに撮り下ろした作品をまとめた写真集『男―アラーキーの裸ノ顔-』(KADOKAWA/4,930円)の他、トートバッグやTシャツなどのオリジナルグッズも販売している。
2015年04月24日野村佐紀子のインスタントフィルム写真展「UTSUSHIYO 映し世」が4月9日から5月11日まで、表参道のアートスペース「AM」で開催される。同展は野村にとって都内初となるインスタントフィルムによる写真展。彼女が発表を意識せずに、気持ちのおもむくままに撮りためてきた作品のうち約100点が出展される。ときに予期せぬ変容をもたらし、保存の過程によってはケミカルな反応を生み出すインスタントフィルム。そこに、瞬間を切り取るカメラマンとしての彼女の美意識と思想、感情が融合し、濃厚な時間のエッセンスを浮かび上がらせた。なお、今回展示される作品のうち16点は、同時刊行の写真集『moments』にも収録される。25日には野村佐紀子が来廊し、トークショーが行われる予定だ。野村佐紀子は1991年より写真家の荒木経惟に師事。その後、東京を中心にヨーロッパ、アジアで展覧会を行うなど、グローバルに活動している。男性のヌード作品が有名。代表作は漆黒の闇の中で仄かに浮かび上がるモノクロ作品集『黒闇』や『nude/a room/flowers』など。その他、超小型カメラを用いた『夜間飛行』、デジタルカメラで撮影した『hotel pegasus』など、様々な写真メディアに挑戦している。【イベント情報】UTSUSHIYO 映し世会場:AM住所:東京都渋谷区神宮前6-33-14神宮ハイツ301/302号室.会期:4月9日から5月11日まで時間:13:00から19:00まで
2015年04月02日表参道ヒルズの多目的ホール「スペース オー」で、荒木経惟の写真展「男 -アラーキーの裸ノ顔-」が開催される。期間は4月24日から5月6日まで。この展覧会は月刊文芸誌『ダ・ヴィンチ』の創刊20周年企画の一環として行われるもの。同誌の巻頭連載企画「アラーキーの裸ノ顔」に掲載された作品の中から、全207点の写真を展示。そこには役者、作家、スポーツ選手など、様々な被写体の男ぶりあふれる表情が切り取られている。主な被写体は赤塚不二夫、浅野忠信、いかりや長介、遠藤憲一、及川光博、王貞治、桂歌丸、堺雅人、須賀健太、園子温、染谷将太、五代目中村勘九郎、仲村トオル、野村萬斎、十代目坂東三津五郎、ビートたけし、魔裟斗、松田龍平、三宅一生、山田孝之など。また、会場では3月25日に発刊された写真集の他、関連書籍、DVD、ポストカードなどを販売。スペシャルゲストを招いてのトークイベントも予定されている。【イベント情報】男 -アラーキーの裸ノ顔-会場:スペース オー住所:東京都渋谷区神宮前4-12-10表参道ヒルズ地下3階会期:4月24日から5月6日時間:11:00から21:00(4月26日は20:00まで、5月6日は18:00まで)料金:無料
2015年04月02日『ジョジョの奇妙な冒険』を描いた漫画家の荒木飛呂彦先生は、自分でもビックリするくらい記憶力がないと語っていたが、記憶力がないことで、一度見た映画や本を始めて見るように何度でも楽しめ、感動できたりと、頭がからっぽになることで、新しいものをどんどんまた詰め込んでいけるという。そんな荒木先生のクリエイティブさが裏付けられたかのような研究結果があった。最新の研究によれば、クリエイティブな忘却のプロセスには長い抱卵期間など必要なく、多かれ少なかれリアルタイムに起こるものなのだそうだ。これをマイクロインキュベーション、より正式には抑制(inhibition)という。一連の実験によって、カリフォルニア大学の心理学者ベンジャミン・ストーム氏とトリシャ・パテル女史は、新しいアイデアをブレインストーミングするその行為が古いアイデアが脳裏に浮かぶことを防ぎ、さっと忘れてしまうことによって創造性が向上することを実証した。「この調査結果は、思考と忘却は本質的に結びついていることを示唆する。つまり、新しいアイデアを考えることで古いアイデアを忘れさせている。また、こうした忘却はクリエイティブな思考を行う能力を向上させるうえで、不可欠な役割を果たしている可能性もある」と、ストーム氏とパテル女史は『ジャーナル・オブ・エクペリメンタル・サイコロジー』に掲載された論文において結論付けている。クリエイティブな忘却を試験するために、まず彼らは創造的な固定観念を再現した。これは被験者に八つの身の回りの品々(新聞など)を見せ、品ごとに基準となる典型的な利用方法(ギフトの包装など)をリスト化している。半分の品については、被験者に1分間でできるだけ多くの他の利用方法を考えるよう指示した。これは”別用途課題”と呼ばれる創造性を試験する標準的な手法だ。新聞の再利用を例にとろう。「猫のトイレ」という”別用途”を思いつくためにはまず、「包装紙として」 という”基準用途”を打ち壊す必要がある。研究者の狙いは、クリエイティブな頭が固定観念を抑制するため、これが物忘れをさせるほど強いものなのかどうか確認することだ。そのため実験の最後には、被験者に基準用途(包装紙)を思い出すように求めている。これによってインキュベーション(アイデアの育成段階)の様子を垣間見ることができた。多くの別用途を思いついた被験者は、単にリストを読んだだけで他の用途を挙げなかった被験者に比べ、忘れた基準用途の数が多かった。言い換えれば、猫のトイレをひらめかせる何かは、頭がギフトの包装のことをもう思い出せないほど完全に忘れ去らせてしまうということだ。研究チームはこれを”思考誘発型忘却”と呼んでいる。抑制の効果は、被験者がどれほどクリエイティブであろうとするかに関係なく起きた。思考誘発型忘却は、猫のトイレといった普通の用途であれ、紙のガウンといった変わった用途であれ、別用途を思い浮かべるよう指示された被験者においては実際に起こる。だが注目すべきは、変わった用途を思い浮かべようとした被験者ほど回想の成績が悪かったことだ。まるで、オリジナリティーの高い抑制には余計な精神エネルギーが必要なようだ。この最初の結果を受けて、さらに実験が続けられた。ある実験では思考誘発型忘却は非常に強力で、基準用途を思い出す際にヒントを与えられていても起きていることが明らかとなった。また、別の実験では、被験者が基準用途から考えを発展させた場合は思考誘発型忘却の兆候が見られなかった。この結果は、抑制は固定観念とインスピレーションを区別できることを示唆している。最後の仕上げとして、全ての実験結果を統合して分析が試みられた。その結果、別用途を思い浮かべたことで忘却した度合いが大きい被験者は、忘却数が少なかった被験者よりも著しくクリエイティブ度の成績が高いことが判明した。そして、潜在的に固定観念となる要素を抑制することで、「より多様かつオリジナルな検索スペースを探索し、創造性に富んだ用途を思いつくことができる」と研究チームは結論した。ただし、科学的な観点から見ると、この実験は完璧なものではない。被験者数が少な過ぎるうえ、そもそも”別用途課題”は創造性の指標として根拠に乏しいと批判されているのだ(新聞を紙のガウンになど、ばかげているといった具合だ)。また、この結果が本当に抑制の現れと言えるのかはなはだ不確かである。被験者は新しいアイデアを考えるために古いものを遮断したのかもしれないし、あるいは新しいアイデアを考えるプロセスが古い記憶を妨げるのかもしれない。一般的な視点からは、こうした実験結果をどう生かせばいいのかよく分からない。思考の堂々巡りに陥ったら休憩をとるのだとしても、一体どうすれば固定観念を抑制する能力を鍛えることができるのだろうか? その意味では、この研究は実践的ではなく、創造性に関する理論的な説明を行ったにすぎない。だが、そうした欠点を除けば、興味をそそられる研究であり、クリエイティブなプロセスの理解を一歩進めたものだろう。また、せっかくいいアイデアを思いついたのに、書き留めなかったばかりに忘れてしまったことのあるアイデアマンにとっては、ちょっとした慰めにもなるはずだ。きっと優れたアイデアを忘れてしまうことよりも悪いことがある。それはひどいアイデアを忘れられずに、優れたアイデアを阻害してしまうことではないだろうかカラパイアブログ「カラパイア」では、地球上に存在するもの、地球外に存在するかもしれないものの生態を、「みんなみんな生きているんだともだちなんだ」目線で観察している。この世の森羅万象、全てがネイチャーのなすがままに、運命で定められた自然淘汰のその日まで、毎日どこかで繰り広げられている、人間を含めたいろんな生物の所業、地球上に起きていること、宇宙で起きていることなどを、動画や画像、ニュースやネタを通して紹介している。
2015年03月17日表参道のミュージアムショップ「MoMA DESIGN STORE」は3月19日、「ビョーク MoMA エキシビション カタログ」(8,424円)を発売する。このカタログは8日からニューヨーク近代美術館MoMAで開催されている回顧展に合わせて発刊されたもの。メインのペーパーバックでは、ビョークのメジャーアルバムにフォーカス。ライブでのパフォーマンス写真に、長年のパートナーである詩人のショーンが文章を書き添えた。その中には、「アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)」や「フセインチャラヤン (Hussein Chalayan)」など、名だたるデザイナーが手掛けたステージ衣装を身にまとったビョークの姿も写しだされている。その他、ナン・ゴールディン、ユルゲン・テラー、ステファン・セドゥナウィ、荒木経惟などが撮影した数多くの写真に加え、ミシェル・ゴンドリーらが手掛けたミュージックビデオのスチールカットも掲載。また、4冊あるブックレットにはMoMAのキュレーターや音楽評論家アレックス・ロス、音楽心理学者ニコラ・ディベンなども文章を寄稿しており、哲学者ティモシー・モートンとの対談がイラスト付きで掲載されている。これに、ビョークのCDアートワークをデザインしたポスターを加え、全6点のアイテムがラインアップされた。これらを収録するケースは“驚きの世界”をテーマに、「エムエムパリス(M/M Paris)」がデザインしている。現在、MoMAで開催されている回顧展では、実際に使用された楽器やツアー衣装、『オール・イズ・フル・オブ・ラブ』のミュージックビデオに登場したロボットなどを展示。更に、ニューアルバムの収録曲「ブラック・レイク」の映像インスタレーションや、過去のアルバムを映像や関連資料で紹介した展示を通じて、ビョークのアーティスト活動を振り返ることが出来る。
2015年03月17日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週木曜日は、アート・ブックショップ「ナディッフ」各店がオススメする1冊をご紹介。今回は東京・恵比寿の本店、ナディッフ アパート(東京都渋谷区恵比寿1-18-4NADiff A/P/A/R/T1階)です。■「bjork:archives」ビョーク(bjork)世界的に人気のアーティスト、ビョークが93年に発表したアルバム『debut』からのソロ活動をまとめた作品集で、5冊のブックレットとビョークのアルバムやシングルのジャケットをデザインしたポスターが封入された豪華なアーカイブ集。3月8日からスタートしたニューヨーク近代美術館(MoMA)での回顧展に合わせて発刊された。ブックデザインは、エムエムパリス(M/M Paris)によるもの。ミシェル・ゴンドリーや、スパイク・ジョーンズ、クリス・カニンガムによるミュージックビデオの写真や、長年コラボレーションをしていたアイスランドの詩人ショーン(Sjon)の詩的な文章に加え、アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)やフセインチャラヤン(Hussein Chalayan)による息をのむような衣装をまとったビョークの写真が収められている。カメラマンはナン・ゴールディン、ユルゲン・テラー、荒木経惟らによるもので、世界的に活躍するアーティストとビョークが作り上げてきた世界観を堪能できる。【書籍情報】「bjork:archives」著者:bjork出版社:Thames&Hudson言語:英語函入り(4冊+ポスター)/305×241mm発刊:2015年価格:9,350円
2015年03月12日トッズ(TOD’S)がスポンサードする写真家デヴィッド・ベイリー(David Bailey)の個展「STARDUST」が3月1日よりミラノのPAC(Padiglione D'Arte Contemporanea、現代アート・パビリオン)でスタートした。ベイリーは1938年ロンドン生まれ。アーティストら著名人のポートレートやスーダンなどのドキュメンタリーなど様々な時代を写真で切り取ってきた。注目なのは会場入ってすぐのコーナー。イヴ・サンローランやトム・フォード、ジョン・ガリアーノらのポートレートはファッション好きには堪らないだろう。キルトを纏って飛び上がるアレキサンダー・マックイーンや小走りしている80年代当時のカール・ラガーフェルドなど様々な表情のファッションレジェンド達が見られる。その他、荒木経惟、ブラッサイ、デヴィッド・ボウイ、クイーン、ローリング・ストーンズ、サルバドール・ダリ、アンディ・ウォーホルなど芸術、音楽、エンターテインメント分野の偉人達が普段見せない表情を見せた写真が並ぶ。静物画としての人骨や特異な男性を写したシリーズ、携帯電話のカメラで撮った作品達はベイリーの表現の深さを感じさせるものだ。前日に行われたオープニングイベントにはトッズ会長のディエゴ・デッラ・ヴァッレ、ウィメンズディレクターのアレッサンドラ・ファッキネッティ、メンズディレクターのアンドレア・インコントリ他、ファッションウィーク中ということもあって、カルラ/フランカ・ソッツァーニ姉妹、スージー・メンケス、マルセロ・バーロン、アンナ・デロ・ルッソら多くのファッション関係者が来場した。【イベント情報】STARDUST会場:PAC(Padiglione D'Arte Contemporanea)住所:Via Palestro, 14, 20121 Milano会期:3月1日から6月2日時間:9:30から19:30(火曜日は22:30まで)休館日:月曜日
2015年03月02日東京・新宿のBギャラリーで野村佐紀子の写真展「flower」が開催されている。期間は3月4日まで。野村佐紀子は91年よりアラーキーこと荒木経惟に師事。93年以降は東京を中心に、ヨーロッパやアジアなどで展覧会を開いてきた。一方で、97年には初の写真集として、男性が備えた繊細さと凶暴さを暴いた「裸ノ時間」を出版。男性のヌードを被写体に数々の作品を発表してきたが、13年の瀬戸内国際芸術祭では、岡山県玉野市に住む48人の老人を撮影。老いた身体と人生の歩みの中に、野村が感じた美しさを写真に収めている。今回の写真展では、野村が長い間撮り溜めてきた花の写真をはじめとする膨大な作品群から抜粋し展示、販売。会場では写真集『flower』(2,750円)の販売も行われ、20日には18時から、写真集を発行している出版社リブロアルテの一花義広と、本書デザイナーの町口景、野村佐紀子の3名によるトークセッションが行われる。【イベント情報】野村佐紀子 写真展「flower」会場:Bギャラリー住所:東京都新宿区新宿3-32-6 ビームスジャパン6階会期:2月13日から3月4日時間:11:00から20:00休館日:なし
2015年02月18日「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」は、写真家の荒木経惟が撮影した15SS広告キャンペーンビジュアルを発表した。15SSコレクションはダンサーなどの身体の自由な動きにヒントを得た、上品でリラックスした雰囲気を前面に押し出した。洗いをかけたカーフスエード、驚くほど柔らかいラムスキンなど、風雨にさらされたような独特の手触りを持つマテリアルを採用している。これにメンズではスモッキングやステッチ、退色加工などを施し、着古したような風合いを再現。ウィメンズではスパンコールやキャビアビーズといった装飾があしらわれた。カラーパレットにディープネイビーやスカイブルーを中心に、ペール、ミスト、バナーヌなどの明るい色合いを採用。一方、メンズはブルーやグリーンを多く用いて、淡い色合いの中でのバランスを追及している。キャンペーンビジュアルの公開にあたり、クリエーティブディレクターのトーマス・マイヤーは「ただ単純に刺激的であるという以上に、荒木氏の作品には力強い誠実さと人間としての痛切な感情がひそんでいるからこそ、いつまでも記憶に残るのだと私は思います」とコメントしている。なお、2月には撮影の現場を記録したドキュメンタリービデオが、公式サイトの「アート・オブ・コラボレーション」コーナーで公開される予定。
2015年01月08日ロンドンファッションウィーク4日目の9月15日、各ブランドが15SSウィメンズコレクションを発表した。デザイナーには、ショーのプレスレリースでインスピレーションやシェイプ、素材について語り尽くす人、シーズンを象徴する言葉を書き連ねる人もいれば全く語らない人もいる。「アーデム(ERDEM)」は語らないタイプで、これまでスタッフクレジット以上のものがショーで配布されたことはほぼなかった。そのアーデムが今シーズンは小冊子を配布した。そこには、19世紀後半のものと思われる巨大温室の側面図と平面図、そして19世紀のガーデンにたたずむ人と温室を写した3枚の写真が掲載されている。この3枚の写真と1枚の建築図面が、アーデムの今シーズンのコレクションを雄弁に語っている。1851年のロンドン万国博覧会をきっかけに各地に建設された巨大な温室と、そこにあふれるエキゾチックで生命力の強い熱帯の草木を、ヴィクトリア朝のシルエットを借りてドレスに仕立てたのが、このコレクションなのだ。深みのあるグリーンとブルーを多用し、刺繍やレースを贅沢に使って立体感を出したアイテムは、赤系の色をほとんど使っていないこともあって、どこかダークでメランコリックな雰囲気を醸し出す。温室の中を散策する女性のドレスは、白のコットンレースやシアーなイエローのレース、白地に白糸で立体感のある刺繍を施したトップとたっぷりしたスカートで、熱帯植物とのコントラストを描き出す。同じく刺繍やレースをふんだんに使い、木の葉モチーフや立体的な花のモチーフを使いつつ、アクリル板やメタリック素材を取り入れてサイバー風味の感じられるコレクションを見せたのは「ピーター・ピロット(PETER PILOTTO)」。フローラルやペイズリーのオーガニックな曲線が、円や長方形の幾何学パターンとコントラストを作り出す。今回プリントは使用せず、柄はジャカードや刺繍、パッチワークで表現されている。こちらも柄の上にアクリル板の飾りを乗せたのはユーゴスラビア人デザイナーによる「ロクサンダ・イリンチック(ROKSANDA ILINCIC)」改め「ロクサンダ(Roksanda)」。星や矢印を思わせる幾何学パターンにむらに色を乗せ、さらに円や球のアクリル板で飾った。無地アイテムはピンクやブルー、オレンジなど鮮やかな色のベースに色違いの大きな円を散らし、ときには円を切り刻んで重ね合わせている。鮮やかな色同士を1着の中で用い、時にはドレスの脇や肩にフリルと言うには大きすぎるパーツをはためかせることで微妙なバランスを作り上げた。「クリストファー・ケイン(Christopher Kane)」は、今年5月に亡くなったセントマーチン美術大学の名物教授、ルイーズ・ウィルソン(Louise Wilson)にコレクションを捧げた。ウィルソンは、セントマーチン美術大学MAファッションコースのコースディレクターとして、「アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)」を始め多くのデザイナーたちを育てた人物として知られる。もちろんケインも教え子の一人だ。ケインは、セントマーチン美術大学MAの学生として過ごした日々の思い出から出発して、自分自身の歴史を辿った。センセーションを巻き起こした卒業コレクションのボディコンスタイルをラグジュアリーに洗練させたサテンのボディコンドレスは、紐状のサテンが透けるシルクの上にコルセットのボーンのようなラインを描く。サテンのロープをニットのように編んだアイテムは、ケインが昔から好きだという写真家・荒木経惟をインスピレーションとしたものだ。ウエストをぎゅっと絞って腰回りにフェザーを施したデニムジャケットに膝下丈のイエローのスカートは、春のイングリッシュガーデンには書かせない蜂のシルエットを写したものか。「バーバリー プローサム(BURBERRY PRORSUM)」の今シーズンは「The Birds & the Bees (鳥と蜂)」をテーマに、イングリッシュガーデンの春を柔らかいカラーパレットとウエストをぎゅっと絞ったシルエットで表現した。柔らかいトーンのグリーンやイエロー、ブルーにピンクとパープルを加えたカラーパレットも、春のガーデンの色彩だ。フェザーや大きな丸いスパンコール、丸くカットした布が花びらのように重なり、ランダムなティアードのスカートがふんわりと風をはらむ。花はアブストラクトにアレンジされたプリントともなり、ウエストを絞るベルトはチュールを重ねてトンボの羽根を表現したドラゴンフライベルト。メンズでフィーチャーされた40年代のタイポグラフィーは、クラッチバッグやトレンチコートのプリントとなって登場、メンズからの連続性を見せた。「ジャイルズ(Giles)」は、クラシックなシルエットにヒョウや大蛇を大胆に乗せた、楽しくて少々怖いコレクション。ヒョウの毛皮の柄を模した一般的なヒョウ柄ではなく、ヒョウそのものの顔や手をモチーフに使っている。品のいいスクールガール風のパフスリーブのブラウスには背中に大きなヒョウの手が乗り、真っ白なケープ風ドレスの肩にもヒョウの手が。ゴージャスなロングドレスは全面を大蛇のプリントが飾る。
2014年11月28日カネカは11月13日、従来製品と比べてカテーテルの病変部通過性を向上させた経皮的冠動脈形成術用カテーテル「IKAZUCHI Zero(イカズチ ゼロ)」を開発したと発表した。経皮的冠動脈形成術用カテーテルは、先端部に血管を拡張することが出来るバルーン(風船)が付いたカテーテルで、腕や太ももの付け根の血管から挿入して冠動脈内まで進めたガイドワイヤに沿わせて、動脈硬化によって冠動脈が狭くなっている病変部まで到達させた後、バルーンで押し広げ、血管内腔を確保し血流を得るために使用されるもの。従来のIKAZUCHIに比べ、拡張時の直径が1.0mmのバルーンを開発したことで、完全閉塞もしくはそれに近い状態でも段階的に病変部を拡張しやすくしたほか、カテーテル先端部分(チップ)を細径にし、慢性完全閉塞病変や石灰化病変の通過性を向上させた。さらに、独自開発の新コーティングにより、血液に触れることで外表面コーティングの潤滑性を向上させており、その結果、血管との摩擦が減少し、スムーズな血管追従性・高通過性を実現したという。なお、同製品は同社子会社であるカネカメディックスを通じてすでに販売が開始されているという。
2014年11月13日「コスチューム ナショナル(CoSTUME NATIONAL)」は、“黒”にフォーカスした展覧会「Black Hologram」を、南青山の旗艦店内のギャラリー「LAB」で開催している。本展では、デザイナー、エンニョ・カパサが好む色・黒を中心としたアート作品のみを展示。ホワイトボックスであるギャラリー空間をキャンバスに見立て、複数の黒いアート作品が一体となってドラマを作りあげる。エンニョが、アート作品から日々インスピレーションを受け、コレクションへと昇華するという創造的な思考を空間に表出させることを企図。杉本博司の神経細胞のような写真作品、荒木経惟の寂寥感漂うモノクロの空、ヴォルフガング・ティルマンス(Wolfgang Tillmans)の艶を放つブラックプレートなど、作家の意外な一面を見せてくれる。【イベント情報】Black Hologram会場:CoSTUME NATIONAL | LAB住所:東京都港区南青山5-4-30CoSTUME NATIONAL Aoyama Complex1階会期:10月15日から2015年1月10日時間:11:00から19:00入場無料
2014年10月27日東京・銀座の資生堂ギャラリーで「荒木経惟 往生写集-東ノ空・PARADISE」展がスタートした。期間は12月25日まで。展覧会のタイトルである「往生写集」は、平安時代の僧侶・源信が著した仏教書『往生要集』(985年)から着想を得た荒木の造語。源信は多くの仏教の経典や論書などから“極楽往生”に関する要文を集め「死後に“極楽往生”するためには一心に仏を想い、念仏を唱えることが大切」と説き、後にその教えは日本の浄土思想の基礎となったと言われている。本展は、豊田市美術館、新潟市美術館、そして資生堂ギャラリーの3館合同で開催する企画展で、それぞれに異なるサブタイトルと出品作で構成。2009年の前立腺癌の発症と摘出手術、その後の愛猫チロの死や東日本大震災の経験などが荒木に自らの「死=往生」を意識させ、それを機にこの合同企画展が実現したという。最終開催地となる資生堂ギャラリーでは、「死=往生」から「再生」に向かっていく、荒木の現在の心境を捉えた作品を中心に展示する。【イベント情報】「荒木経惟 往生写集-東ノ空・PARADISE」展会場:資生堂ギャラリー住所:東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階期間:10月22日から12月25日時間:11:00から19:00(日曜日・祝日は18:00まで)休廊日:月曜日入場無料
2014年10月23日資生堂ギャラリーでは、アラーキーの愛称で知られる写真家・荒木経惟による作品展「荒木経惟 往生写集-東ノ空・PARADISE」(※Pは反転が正式名称)を開催している。会期は12月25日まで(毎週月曜休館)。会場は東京都・銀座の資生堂ギャラリー。入場無料。同展は、自らの「死」を意識し往生の準備を始めた荒木経惟が、人生を振り返りながら展開する、豊田市美術館(4/22~6/29)、新潟市美術館(8/9~10/5)との3館合同による企画展。その最終開催地である資生堂ギャラリーでは、同氏の今の心境を捉えた作品が中心に展示されるという。サブタイトルである「東ノ空」は、東日本大震災後、亡くなった方への鎮魂を願うと同時に被災地の復活を祈りながら、彼が毎朝自宅の屋上から撮り続けている最新作。一方の「PARADISE」は、一見暗闇の中に色鮮やかな花が咲き誇っているかのようで、実は朽ちかけた花と人形を写した生と死の物語を表す作品とのことだ。なお、11月12日 18:15からは、同展の展覧会解説ツアーが開催される。参加希望者は、時間になったら会場に集合とのことだ(申し込み不要)。また、関連企画として、12月6日 14:00~16:00には資生堂花椿ホール(資生堂銀座ビル3階)において、荒木経惟と昨年「爪と目」で芥川賞を受賞した作家・藤野可織によるトークセッション「荒木経惟×藤野可織」が開催される。このイベントでは、ブックデザイナーの名久井直子氏がファシリテーターを務め、音楽家・青葉市子氏による弾き語りも予定されている。参加費は無料。定員は200名で、参加に際してはこちらのページから申し込みが必要となる(申し込み多数の場合は抽選)。さらに、資生堂銀座ビル2階の展示スペースにおいて、10月7日~12月26日 月曜日~金曜日(ただし、10月22日~24日と11月10日~12日を除く) 9:00~19:00に、同社の企業文化誌「花椿」で連載中の穂村弘の対談「Talk」に出演したゲストを、荒木経惟が撮影した作品展も同時開催されている(入場無料)。
2014年10月23日東京都・表参道のラットホールギャラリーでは、アラーキーこと写真家・荒木経惟の最新シリーズを紹介する個展「切真(きりしん)」を開催している。開催期間は11月2日まで、開場時間は12:00~20:00(月曜休廊)、入場無料。同展では、ポジフィルムを半分に切り離し、組み合わせを変えて新たにつなぎ合わせたフィルムからプリントした最新シリーズ「切真」より、約30点の写真作品を展示。写真集の刊行とともに、今回の展示が初公開となる。昨年末に右眼の視力を失ってから撮影された、日常生活や街の風景、女性のヌード、花や人形のイメージを組み合わせた写真には、荒木の現在の心境が映し出されているとともに、「切る」行為によって新しい発見や物語を生み出している。なお、ポラロイドをふたつに切って新たにつなぎ合わせた作品「愛切(あいせつ)」や、ポジフィルムの右側を黒マジックで塗りつぶした作品「左眼ノ恋(さがんのこい)」に続く今回のシリーズでは、荒木の遊び心やユーモアとともに、自らの手による「破壊」と「再生」によって独自の生死観が表現されている。
2014年10月22日アートスペース「AM」(東京都渋谷区神宮前6-33-14神宮ハイツ301/302号室)が10月16日、東京・表参道にオープンする。2010年より14年春まで中目黒を拠点に活動していた「インポッシブルプロジェクトスペース(Impossible Project Space)」の企画スタッフが運営。更なるバージョンアップとなった。写真展を核に、様々なジャンルの表現者とのコラボレーションプロジェクトを多様な形で紹介する。オープニング企画として、写真家・荒木経惟のインスタントフィルムによる写真展「結界」を12月15日まで開催。「結界」はインスタントフィルム作品をカッターで二つに切り裂き再び貼り合わせた作品群で、その数数百点以上。世界各国で注目を浴びる華やかな活躍の一方、妻の死、癌の手術や右眼失明などを経て撮影された作品は聖俗を象徴的に表現しており、両極をしっかり結び合わせることで更に複雑なカオスを作り出す。会場ではインスタントフィルム原寸サイズ特製ボックスに入った荒木の作品集『結界』(アイセンシア刊)を先行発売する。【イベント情報】荒木経惟インスタントフィルム写真展「結界」会場:AM住所:東京都渋谷区神宮前6-33-14神宮ハイツ301/302号室会期:10月16日から12月15日時間:14:00から20:00休廊日:月・火曜日(最終日除く)入場無料
2014年09月30日写真家・荒木経惟の写真展「荒木経惟往生写集-愛ノ旅」が、8月9日より新潟市美術館にて開催される。本展は回顧展ではなく、仏教書『往生要集』が死後の極楽往生のために日々念仏を唱えることを説いたように、自らの日常や人々の営み等を撮影する「いま」の姿勢を初期代表作から新作までを通して紹介する。キーワードは「愛」。妻・陽子との新婚旅行を撮影した初期体表作『センチメンタルな旅』(1971)、妻の子宮肉腫判明から死去前後までを日付け入りで撮影した『冬の旅』(1991)を経て、荒木の愛は飼い猫や生まれ育った東京の街、女優、花、空へと展開していく。1980年代末の新潟・古町界隈の活気ある街並みと人々を記録した『新潟エレジー』(1988)、新潟の港や旅館で女優・大竹一重との「恋愛旅行の情景」をまとめた『冬恋』(1998)の2シリーズで、旅人・荒木が新潟の街とどのように向き合ったかも紹介。自らの似顔絵を始めとしたイラスト、写真集題字などの手仕事でも知られる荒木だが、本展でも和紙に墨書きで記した『愛ノ旅』と、二つに切ったポラロイドの組み合わせを変え貼り合わせた写真新作『愛切』(2014)の展示空間を盛り上げる「書」を寄せた。口紅部分は手彩色で妻を描いたシルクスクリーンも展示。また、伊藤若冲を紹介した美術家・辻惟雄と荒木による「アラーキーの奇想対談」(9月7日14時、メディアシップ日報ホールにて)、ヌードモデル撮影風景から妻への思いを語る姿まで荒木の日常に密着したドキュメンタリーの上映(9月6日から12日)など、荒木の魅力に多角的に切り込むイベントも開催する。【イベント情報】「荒木経惟往生写集-愛ノ旅」会場:新潟市美術館企画展示室住所:新潟市中央区西大畑町5191-9会期:8月9日から10月5日時間:9:30から18:00(観覧券販売は17:30まで)休館日:8月18・25日、9月1・8・16・24・29日入場料:一般1,000円大高生800円中学生以下無料
2014年08月05日4月10日にグランドオープンする日本最古の温泉、愛媛県松山市「道後温泉」を舞台にしたアートフェスティバル「道後オンセナート2014」の詳細が発表された。道後オンセナート2014は、道後温泉本館改築120周年を記念した温泉アートエンターテインメント。アーティストの草間彌生、フォトグラファーの荒木経惟、「マリメッコ(Marimekko)」テキスタイルデザイナーの石本藤雄、「ミナ ペルホネン(mina perhonen)」デザイナーの皆川明、詩人の谷川俊太郎が、ホテルの一室を作品として手掛けたことで話題だ。アートプロジェクトは大きく三つに分けられ、「オンセナートコレクション」では街全体を会場とし、道後駅から本館までの道筋にアートを配置。昼も夜も街を巡りながら道後の魅力を最大限に味わえる。道後温泉本館外観を一変させる演出も仕掛けられ、中谷芙ニ子による「霧の彫刻」では、本館北側の各階から霧を落とし込み、霧が街へと流れてくことで、温泉街らしい湯気に包まれたような空間を演出する。この日登壇した同氏は、「本館北側は非常にクラシックな佇まいで、風に吹かれて変化する霧と呼応して幻想的な空間を作り上げる。この一大プロジェクトそのものが非常に素晴らしいもの」と述べた。また最先端のメディアテクノロジーを駆使するクリエーティブ集団「ライゾマティクス(Rhizomatiks)」は本館南側で、建物の形状に合わせて映像を自在に投影するプロジェクションマッピングで光のアートを繰り広げる。登壇したライゾマティクス・真鍋大度氏はデモソフトを披露し、「iPadもしくはスマートフォンを使い、実際に目で見る外観と画面を通して見る外観の変化を堪能できる、訪れた人が操作して楽しめるコンテンツにしたい」と話した。その他にも、伊佐爾波神社の石段では鈴木太朗による照明演出を、オーストラリアのアーティスト、スティーブン・ムシンによる影絵など、多くの作品が街の至る所に現れる。泊まれるアート作品群「ホテルホリゾンタル(HOTEL HORIZONTAL)」では、約10のホテルや旅館の一室が著名アーティスト達の作品となる。草間や荒木、石本、皆川、谷川の5名が手掛けた作品は既に昨年のプレオープンで公開されているが、世界的アーティストである草間の作品を置く宝荘ホテルは1月に1,000人が以上が訪れ、来客数が増加しているという。グランドオープンでは新たに4作品が加わる。ホテルルナパークはモデルで女優のKIKIを迎え、山ガールと呼ばれた彼女らしい山小屋をイメージした部屋を用意。道後ややでは、フランス人アーティストジャン=リュック・ヴェルムートが、三つの時計とそこから円心円状に伸びる波線のドローイングで構成された部屋をデザイン。道後プリンスホテルは建築家の谷尻誠が、壁面や床すべてを絵画仕立てにして、部屋をトロンプイユ(騙し絵)的に加工する。ふなやは陶芸家葉山有樹がプロデュースし、一族の繁栄を願う伝統模様・魚藻文を使って部屋を演出。地域参加プロダクトでは、町づくりを担う地元住民たちが参加し、ロゴマークの作成やオンセナートユニフォームの開発を行う。アートパレードや、地元出身アーティスト月岡彩が企画する架空の旅行会社「ツッキーツアーズ」によるオリジナルツアープログラムなどを実施。上人坂エリアでは夜間滞在を目的とした大人のための遊び場を展開する。また本館館内の浴衣やタオルは、ビームス(BEAMS)がプロデュース。道後オンセナートは年間行事として2014年度末まで開催されるが、主催者側は一過性のものではなく、作品をつくるアーティストを次々と刷新してイベントを仕掛け、新しい担い手を育てる地域復興に根差したものにしていくと話す。事業実行委員会委員長の甲斐朋香氏は、「道後の魅力を存分に知ってもらい、更に松山や愛媛へと、全体的に楽しめるものになっていければ」と話した。【イベント情報】道後オンセナート2014会場:道後温泉およびその周辺エリア会期:グランドオープン4月10日フィナーレ12月31日779992225555999
2014年02月10日代官山の「ギャラリースピークフォー(GALLERY SPEAK FOR)」にて、写真家の笠井爾示(かさい・ちかし)の写真展「モスコヴァイト(MUSCOVITE)」が1月17日より開催される。本展は、昨年12月に刊行された同名写真集(光文社刊)を受けての開催。女優の真木よう子をモスクワ郊外の別荘やホテルの室内、地下鉄などで撮影。笠井の「フジファインピックス(FUJI FinePix)X100」によるスナップ写真のライブ基調と、ドキュメンタリーアプローチでの視線で、従来のタレントグラビア的話法とは異なる真木の魅力が引き出すことを企図。モスクワのシティスケープ、ポートレートなどを織り交ぜ、本展のために制作される半切サイズのオリジナルプリント約30点で構成。プリント作品に加え、写真集など関連アイテムも会場で販売する。1970年東京生まれの笠井は、80年から8年間ドイツで学び、95年に多摩美術大学を卒業。写真家のナン・ゴールディン(Nan Goldin)に見出され、荒木経惟に感化される形で97年に写真展「トーキョーダンス(Tokyo Dance)」を開催。翌年に同名写真集を刊行し、ストックホルムとニューヨークにて個展を開く。その後も内外のグループ展に多数参加し、数多くの女優やタレント、ミュージシャンのポートレート撮影も手掛けてきた。父親は舞踏家の笠井叡(あきら)。【イベント情報】「笠井爾示MUSCOVITE」場所:GALLERY SPEAK FOR住所:東京都渋谷区猿楽町28-2会期:1月17日から29日時間:11:00から19:00(最終日のみ18:00まで)休廊日:木曜日
2014年01月06日新社屋「花椿ホール」のオープニングプログラム開催資生堂は、10月2日に、銀座7丁目並木通りにオープンする地上10階・地下2階建ての本社社屋「資生堂銀座ビル」の「花椿ホール」にて、「Japan Original Beauty (ジャパン オリジナル ビューティー)~企業広告『わたしの開花宣言』シリーズと『ジョジョの奇妙な冒険』とのコラボレーションによるヘア・メーキャップ作品展示~」を、10月4日~9日までの6日間開催する。「花椿ホール」のオープニングプログラムとなる「Japan Original Beauty」は、2本立ての構成で、荒木飛呂彦氏の「ジョジョの奇妙な冒険」(集英社)に登場するキャラクターを題材に、資生堂ビューティートップスペシャリスト(以下、SBTS)原田忠が手がけた創作ヘア・メーキャップ写真19点と、現在、「文藝春秋」にて連載中の企業広告「わたしの開花宣言」シリーズより、荒木経惟氏撮影の美しく生きる女性の肖像 10点のあわせて29作品を展示するという。生産性向上を目的にオフィス機能の集約と効率化を推進「資生堂銀座ビル」は、本社旧社屋の建て替えによるもので、新しい社屋は、ワークプレイスとして6階から10階の5フロアを使用するほか、多目的ホール「資生堂花椿ホール」、肌に深い悩みを抱える方にメーキャップアドバイスを行う美容施設「資生堂ライフクオリティー ビューティーセンター」、フランス料理店「ロオジエ」及び外部テナントで構成。 このオープンにともない、生産性の向上を目的に、都内に分散しているオフィス機能の集約と効率化を推進するとしている。【参考リンク】▼資生堂ニュースリリース・本社新社屋 「資生堂銀座ビル」オープン・「Japan Original Beauty」を開催元の記事を読む
2013年09月25日瀬戸内海の島々を舞台に開催される現代美術の国際芸術祭「瀬戸内国際芸術祭」。2013年に行われる第2回目の日程などがこのほど決定した。第1回「瀬戸内国際芸術祭」は2010年7月19日から10月31日までの105日間にわたって行われ、8つの国と地域から75組のアーティスト、プロジェクト、16のイベントが参加し、93万人の来場者があった。第2回目となる2013年は、4月28日(日)から9月23日(祝)までの期間を、「ART SETOUCHI 春(4月28日~5月6日)」「ART SETOUCHI 夏(7月14日~8月19日)」「ART SETOUCHI 秋(9月15日~9月23日)」の3つの期間に分けて開催。会期総計は108日間に及ぶ規模となる。会場も前回の会場となった高松港周辺、直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島、宇野港周辺に加え、中西讃の五つの島が新たに加わることになった。参加アーテイストもベテランから新進の作家まで、22カ国・地域の175組・プロジェクトが名乗りを上げている。美術家の横尾忠則氏は土庄町の豊島の民家を改修し、絵画などを展示する「豊島横尾館」を整備する。また、写真家の荒木経惟氏も、JR予讃線のラッピング車両を手掛け、来場者の足をアートで彩る計画だ。アーティスト日比野勝彦氏が参加するほか、俳優の南果歩氏が演劇などを計画している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月28日「ニューヨーク・タイムズ」紙の人気ファッション・コラム“On the Street”と社交コラム“Evening Hours”を担当する名物フォトグラファー、ビル・カニンガム。ストリートファッション・スナップの元祖的存在でもある彼だが、親しい業界人でさえ彼のプライベートを知る人は少ない。そんな彼に密着した映画『ビル・カニンガム&ニューヨーク』が来年5月より日本にて公開となる。そしてこのたび本作のキュートかつポップなポスター・ビジュアルがひと足早くシネマカフェで解禁に!雨の日も風の日も青い作業着に身を包み、50年以上暮らしているカーネギー・ホールの上のスタジオアパートの部屋は、いままで撮影した全ネガフィルムが入ったキャビネットに占領され簡易ベッドが置いてあるだけ。キッチンもクローゼットもない。仕事以外のことには全く無頓着で、頭の中はいつもファッションのことだけでいっぱいのビル。リチャード・プレス監督が8年がかりで撮影交渉し、撮影と編集に2年、通年10年の製作期間を経て完成した本作は、自分の仕事をこよなく愛し、そしてニューヨーカーたちに愛され続けるビル・カニンガムという希有な人物を通して、人生の普遍的なテーマを追いかけたドキュメンタリー映画だ。ニューヨークのストリートに自転車で繰り出しては、ファッション・スナップを撮り続けること数十年。その鋭いセンスと独自の着眼点が、米「ヴォーグ」誌編集長アナ・ウィンターを始め世界中のファッション・ピープルから注目され、84歳の現在でも現役ファッション・フォトグラファーとして影響を与え続けている存在であるビル。今回、公開となったポスターには、アナ・ウィンターらセレブを始めとするビルが撮影したストリートでのファッション・スナップが満載。見ているだけで元気をもらえるビビッドなカラーで埋め尽くされたビジュアルが特徴の本ポスターのチラシには、写真界の大御所“アラーキー”こと荒木経惟やファッション界の大御所・コシノヒロコがビルに対する賛辞を寄せ、話題を呼んでいる。ニューヨークでたった1館の映画館で公開であったが、口コミで人気に火がつき、全米で異例の大ヒットを記録した本作。世界中の映画祭で観客賞を受賞し、アメリカの映画レビューサイト「Rotten Tomatoes」でも脅威の満足度99%を記録。コシノヒロコも「まさにファッション界の生き証人」と称賛を贈るビルと彼の周りの愛すべきキャラクターの人物たち、そしてファッションと街に生きる人々の様子はきっと心地よい刺激を与えてくれるはず。『ビル・カニンガム&ニューヨーク』は2013年5月、新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2012年12月21日