Netflixにて配信中の「愛の不時着」で韓国ドラマにハマった方々が、おそらく次に見始めたとおぼしき「梨泰院(イテウォン)クラス」が、これまた大ヒットとなっている。人気俳優ヒョンビンとソン・イェジンによる“ギャップ”ロマコメとは打って変わって、「梨泰院クラス」は、数々のヒットドラマでナルシストの御曹司や元格闘技選手などを演じて“ラブコメ神”との異名をとる主演パク・ソジュンが、学歴も、お金も、家族もない若者に扮して成功を目指し、大企業に復讐を果たそうとする青春群像ドラマ。しかも、『パラサイト 半地下の家族』が露わにした格差社会を背景に、個性豊かな若者たちが“自分の人生”のために必死で駆け上がる姿が幅広い世代の心をとらえている。名作の宝庫・WEB漫画が原作!人気俳優パク・ソジュンが“いがぐり”頭に!?原作は、“ウェブトゥーン”と呼ばれる韓国のWEB漫画。原作者のチョ・グァンジン自ら脚本を手がけ、ポン・ジュノ監督×ソン・ガンホ『グエムル 漢江の怪物』や、ソン・ガンホ主演『タクシー運転手約束は海を越えて』、ヒョンビン主演『スウィンダラーズ』など、実際にあった事件や社会問題を盛り込んだエンタメ作品が得意の映画配給会社「SHOWBOX」が初めて制作したテレビドラマ。本国では1月より放送され、高視聴率で3月21日(土)に最終回が放送。3月28日(土)からNetflixで配信されると、「愛の不時着」をしのぐ勢いで日本の「TOP10」を賑わせている。すでに紙ベースの漫画を追い抜いているといわれる韓国のWEB漫画は、日本と同様、人気作品となれば映像化されるケースは数多い。“韓国サラリーマンのバイブル”と称された同名WEB漫画を原作にした「ミセン~未生」(14/ユン・テホ)は社会現象となり、「Hey! Say! JUMP」中島裕翔主演で「HOPE~期待ゼロの新入社員~」として日本でもリメイクされた。同じ原作者の『インサイダーズ/内部者たち』はイ・ビョンホン主演で映画化。昨年大ヒットした『神と共に』シリーズや、「愛の不時着」でもオマージュされた映画『シークレット・ミッション』、シーズン2の制作が決定したNetflixシリーズ「恋するアプリ Love Alarm」、チュ・ジフンやリュ・スンリョン、ペ・ドゥナなどが出演するゾンビパニック時代劇「キングダム」など、そのジャンルも多岐にわたる。そんな今作で主人公パク・セロイを演じるのは、『パラサイト』でキム家の長男ギウ(チェ・ウシク)をリッチなIT企業社長パク家に引き合わせた張本人、大学生のミン役を務めたパク・ソジュンだ。ドラマ「彼女はキレイだった」(15)「花郎<ファラン>」「サム、マイウェイ~ 恋の一発逆転!~」(ともに17)「キム秘書はいったい、なぜ?」(18)ほか、映画『ビューティー・インサイド』(16)や『ミッドナイト・ランナー』(17)など話題作に出演し、日本に公式ファンクラブもある人気若手俳優のひとり。次回作は、韓国歴代興行収入第1位を記録した『エクストリーム・ジョブ』イ・ビョンホン監督の新作という。身長185cm、“10等身”のモデル並のスタイルで、野球選手を目指していたというスポーツマンでもある彼が、今作では原作の主人公に寄せる形で“いがぐり”頭に大変身。困惑したときや、感情を必死に抑え込んでいるときなどに、そのいがぐり頭を自分でペシペシ、ぐりぐりとする姿は色気すらあり、愛おしくなってしまう。パク・ソジュンのYouTubeチャンネル「Record PARK’s」ちなみに、『パラサイト』のチェ・ウシクとは実生活でも親友で、アカデミー賞授賞式をTVで見守る様子も彼のInstagramにはアップされている。BTS(防弾少年団)のVことキム・テヒョンらも交えた彼らのグループは「ウガウガ会」としてファンにはおなじみ。ドラマ「花郎<ファラン>」で共演して以来、パク・ソジュンと親交を深めたVが手がけた「Sweet Night」は劇中終盤を彩る、しっとりとした癒やしのバラード。韓国の主要チャートはもちろん、いまやアジア各国、アメリカのiTunesトップチャートなどを席巻中だ。本楽曲をはじめ、物語・キャラクターと見事にシンクロしたエモーショナルで、クールなOST(ドラマのオリジナルサウンドトラック)は、今作の大きな魅力のひとつ。躍動感にあふれたGahoの「始まり/Start」(原題)は主人公パク・セロイのポジティブな姿勢にぴったり、朝イチに聴きたくなる曲。タイトルからしてセロイの生き様そのもの(?)「石頭/Rock」(原題)は、ロック調のサウンドが腹の底から湧き上がる彼の怒りを表しているようで、宿敵に立ち向かう彼の力強さにハマる。韓国の六本木+渋谷を舞台にした、現代の青春群像劇原作となったWEB漫画は、「六本木クラス~信念を貫いた一発逆転物語~」というタイトルで日本向けに設定変更され、「ピッコマ」でも配信されている。このタイトルが示すように、「梨泰院(イテウォン)」とは地名のこと。大都市ソウル随一の繁華街で近隣に大使館が多く、米軍基地が近いことなどから国際色豊かで、ソウルタワーを臨む陸橋が劇中何度も登場するなど、まさに六本木のようなイメージ。さらに、通り沿いに店が隙間なく立ち並ぶ様は渋谷センター街のような雰囲気もある。原作者チョ・グァンジンが経営する居酒屋も梨泰院にあるという。そんな今作で主人公パク・セロイは、苦くてつらい過去と犯罪歴を背負いながら、梨泰院に“甘い夜”という意味の居酒屋「タンバム」をオープンさせ、“はみ出し者”の仲間とともに強大な敵に立ち向かい、大きな夢の実現を目指していく。彼の復讐のターゲットとなるのは、チャン・デヒ会長が率いる飲食業界のトップ企業・長家グループ。転校初日、同級生をいじめていた会長の息子を殴り倒したことが原因でセロイは高校を退学。長家グループに勤めていた父は職を失い、さらに交通事故で亡くなってしまう…という“韓流ドラマあるある”の悲劇が連続。演じる名優ユ・ジェミョンの凄みも相まって、チャン会長の徹底的な“悪役”ぶりが目を引く。やがて、宿敵チャン会長の自叙伝から起業や商売の真髄を学び、「人と信頼」をモットーに様々な人脈と秘策を駆使して、反撃を始めるセロイ。さらに、中卒で前科者の熱血“不器用”男セロイを取り巻く若者たち、それぞれの思いが、彼の復讐劇に大きな影響を与えてゆくことに。チョ・イソ(キム・ダミ)IQ162の天才、“いがぐり頭”に恋あるきっかけから「タンバム」のマネージャーとして採用された、IQ162の天才で、SNSのフォロワー76万人というインフルエンサー、チョ・イソ。良心の呵責を感じにくいソシオパス傾向があり、「名門大学を出て、大企業に就職、財閥出身の男性と結婚」という母の教えには全く興味なし。何に対しても本気になったことのない、満たされない思いを抱えていた彼女はセロイと出会い、初めて胸がときめく。演じるのは、『新しき世界』のパク・フンジョン監督作『The Witch/魔⼥』で、覚醒するアサシン少⼥を鮮烈に演じて新人賞を総ナメにしたキム・ダミ。今作でファン層をさらに広げ、日本でもおなじみの女優となるはず。オ・スア(クォン・ナラ)同情はいらない…セロイの初恋の人長家グループが支援していた施設で育ち、セロイの亡き父ソンヨルを慕っていたオ・スア。プライドが高く自立心に溢れ、長家に入社してキャリアウーマンとなる。演じるのは、チ・チャンウク「あやしいパートナー」にも出演していた元「HelloVenus」のクォン・ナラ。チャン・グンス(キム・ドンヒ)チャン会長の次男、イソに片思い中チョ・イソに片思いする、優しい男子。チャン会長の次男だが、愛人の子であるため10代で家から独立。演じるキム・ドンヒは、「SKYキャッスル~上流階級の妻たち~」にも出演した新鋭で、4月29日Netflix配信開始の「人間レッスン」にも起用され、期待を集めている。チャン・グンウォン(アン・ボヒョン)典型的なダメ御曹司わがままでキレやすく、トラブルメイカーとなるチャン家の長男。すべてはこの男から始まった。スアに思いを寄せるが見向きもされず。本来の姿は父の“調教”に怯えるヘタレ。アン・ボヒョンはドラマ「太陽の末裔」で注目された。マ・ヒョニ(イ・ジュヨン)「タンバム」の調理担当セロイが開店資金を貯めるため、工場で働いていたときに出会った。ヒョニのジェンダー・アイデンティティが鍵となるエピソードは感涙必至。演じたイ・ジュヨンは、ヤン・イクチュンらが出演の第21回釜山国際映画祭オープニング作品『春の夢』で映画デビューし、第14回大阪アジアン映画祭グランプリ作品『なまず』といったインディーズ映画で活躍。今作でも特に熱い視線を送られている。チェ・スングォン(リュ・ギョンス)セロイに恩義あるホールスタッフけんかっ早い元ヤクザだが、刑務所で出会ったセロンに影響されて改心。ヒョニといいコンビで、実はとても情に厚い男。リュ・ギョンスは映画『ミッドナイト・ランナー』や「2PM」ジュノ主演「自白」に出演。そのほか、アフリカ・ギニア出身で韓国語ペラペラ、「自分は韓国人だ」と揺るがないキム・トニー(クリス・ライアン)や、いじめられっ子からファンドマネージャーとなるイ・ホジン(イ・デイビッド)が登場。梨泰院の生き字引(?)であるBarのマスター役には、実際に梨泰院に店を持つ実業家でタレントのホン・ソクチョン。「雲が描いた月明かり」で今作のキム・ソンユン監督と組んだパク・ボゴムも、爽やかにカメオ出演する!加えて韓国映画ファンには、ムキムキになる前のマ・ドンソクも出演していた『悪のクロニクル』(15)で、“罪を犯した”ベテラン刑事と“彼を慕う”新米刑事として共演した名優ソン・ヒョンジュとパク・ソジュンが親子という点も胸アツ。しばしば回想で登場するヒョンジュさん演じる父とのやりとりは、涙なしには見られない。「自分の価値は自分が決める」…『パラサイト』への痛烈なリプライ『パラサイト』でキム一家の父を演じたソン・ガンホはシネマカフェのインタビューで、誰もが愕然としたクライマックスの展開を「これぞ、正解だ」と感じたという。「なぜなら、私たちが生きる現実世界は、映画のクライマックスをも上回るほど、残酷で冷酷だからです」。そう、現実はあまりにもつらく、残酷だ。今作のセロイのような何も持たざる者が国内トップ企業に挑み、復讐しようとするなんて無謀、不可能といっていい。現実世界ならば、“銀のスプーン”をくわえて生まれてきた長家グループ御曹司のグンウォンは何事もなく、他者を蔑みながら(父の影に怯えながら)トップに君臨し続けるだろうし、『パラサイト』のパク家もどこかでまた同じような暮らしを(トラウマを抱えながら)続けていくだろう。一方のキム家は、一生、あの半地下から抜け出すことはできないだろう。それでも、今作は経済や学歴の格差などによって、あらかじめ“定められてしまった人生”にも反旗を翻す。長家グループのデヒ会長は、刑務所に収監されたセロイに向かって「信念や気合いは弱者の強がりに過ぎない」と言い放つが、セロイは信念を胸に、傍目には恵まれた環境を放棄したイソをはじめ、様々な境遇やジェンダー、人種を越えて結ばれた仲間たちとともに“自分の人生”を生きようとする。「権力者や不当なことに振り回されたくない」「自分の価値は自分で決める」「お前はお前だから 他人を納得させなくていい」――。セロイが仲間に語りかける言葉が身に沁みて仕方がないのは、それが生きづらさを抱えた者たちの、万国共通の、人間としてごく当たり前の本音でもあるから。セロイたちの下剋上は、精神的にも、奇しくも物理的にも閉塞感に包まれたいまだからこそ余計に、カタルシスのあるストーリーとして観る者に等しく、優しく響いていく。(text:Reiko Uehara)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング
2020年04月27日現代美術家の森村泰昌による個展『森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020—さまよえるニッポンの私』が、原美術館にて4月12日(日)まで開催されている。名画や映画の登場人物あるいは歴史上の人物に自らが扮するセルフポートレイト作品で知られる森村泰昌。巧みなメイクや衣装で、時代や人種、性別を超えてさまざまな人物に自らが成り代わり、制作を通して原作やその背景に独自の解釈を加えることで、観る人の固定観念に揺さぶりをかける。1985年にゴッホの肖像画に扮したセルフポートレート写真を発表。以降、マネ、レンブラント、ダ・ヴィンチといった画家作品の登場人物になりきる「西洋美術史」シリーズ、ディートリッヒやマリリン・モンローなどに扮した「女優」シリーズ、ヒトラーやチェ・ゲバラ、三島由紀夫などに扮した20世紀の「男達」シリーズなど、一貫して自画像的作品で「私とは何か」をテーマに作品を作り続けてきた。同展では、そんな森村作品から、エドゥアール・マネ《オランピア》から生まれた初期代表作《肖像(双子)》と新作《モデルヌ・オランピア2018》をはじめ、マッカーサーと昭和天皇、三島由紀夫やマリリン・モンローのポートレート作品などが展示される。原美術館()
2020年01月30日展覧会「森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020―さまよえるニッポンの私」が、東京・品川の原美術館にて、会期を延長して2020年7月12日(日)まで開催される。なお、同館は臨時休館していたが、6月9日(火)より日時予約制で再開。現代日本における「私」とは──絵画や映画に現れる人物、あるいは歴史上の人物に扮したセルフポートレート作品で知られるアーティスト、森村泰昌。巧みなメイクや衣装により、時代や人種、さらには性別をも飛び越えた“自分”を演出してきた森村は、原作や背景に独自の解釈を加えるとともに、「私」とは何かという問いに一貫して取り組んできた。「森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020―さまよえるニッポンの私」で森村は日本近現代史と文化史にも目を向ける。第二次世界大戦後の日本では、戦前の考え方が否定され、西洋の価値観がその空白を埋めていった。そうしたなかで生まれ育った経験から「真理や価値、思想は、衣服のように自由に着替えられるもの」と思い至った森村が、約20点の作品を通して、現代日本における「私」とは何かという問いを投げかける。映像作品&レクチャーパフォーマンス会場では、2018年にニューヨークにて発表した映像作品《エゴオブスクラ》の再編集版を展示するとともに、この映像を用いた作家自身による“レクチャーパフォーマンス”を開催。長きにわたり⻄洋美術史を参照し、人種や性別を超えて他者に扮してきた背景や思いが、森村自身の言葉で語られる。マネ《オランピア》を参照した2作品を展示また、平面的な描法により、近代絵画史の転換をもたらしたエドゥアール・マネ《オランピア》を原作とする初期作と新作もあわせて紹介する。《オランピア》に描かれるのは、白人娼婦と黒人召使。彼女らは、初期の代表作《肖像(双子)》においては⻩色人種であり男性である森村に演じられることになる。そして新作《モデルヌ・オランピア》ではさらに、芸者と⻄洋男性の姿へと移しかえられる。また、同じくマネの作品を参照した《フォリーベルジェールのバー》も展示。“オランピア”2作と合わせてぜひ鑑賞してみて。詳細展覧会「森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020―さまよえるニッポンの私」会期:2020年1月25日(土)〜7月12日(日)〈日時予約制〉※2020年2月29日(土)〜3月17日(火)、および3月28日(土)〜6月8日(月)は臨時休館、6月9日(火)より再開※会期は延長※公式サイトより要事前予約会場:原美術館住所:東京都品川区北品川4-7-25開館時間:平日 11:00〜16:00 / 土日祝 11:00〜17:00※当面のあいだ、平日は開館時間を短縮し、水曜日の夜間開館は休止休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)入館料:一般 1,100円、大高生 700円、小中生 500円、70歳以上 550円、原美術館メンバー 無料※当面の間、10名以上の団体での来館は遠慮のこと※学期中の土曜日は、小中高生の入館無料※映像作品の上映は⼊替制※毎週日曜日のギャラリーガイドは当面の間、休止※来館に際しての注意事項など、詳細は公式サイトを確認のこと【問い合わせ先】原美術館TEL:03-3445-0651
2019年12月14日篠井英介と陰山泰が、琵琶と雅楽の楽器を使った「琵琶絵巻 朗読楽『天守物語』」を来年2月、東京・府中の森芸術劇場で上演する。過去3度の公演を行なってきたが、そもそもなぜ琵琶? なぜ『天守物語』なのか。40年来の“盟友”である篠井と陰山に話を聞いた。【チケット情報はこちら】陰山が自ら演出も務める本作だが、企画の始まりは琵琶奏者・友吉鶴心(ともよし・かくしん)との出会い。ふたりを引き合わせた友人の葬儀で、陰山が読む弔辞に合わせて友吉が琵琶を演奏するという「めったにない不思議な経験」(陰山)をした。そこで意気投合し、機会があれば一緒に何か出来ないかという話から行き着いたのが、篠井を加えての『天守物語』の朗読劇だった。琵琶と古来からの楽器を使う雅楽に、100年前に書かれた泉鏡花の戯曲という組み合わせは、一見、堅苦しく格式ばったものにも感じるが、陰山は「クラシックな楽器ですが、実は奏者の感性がすごく出るんです。僕らの感性と交わって“ライヴ”になっている」と語る。その言葉を受け篠井も「(共演する)雅楽の稲葉明徳さんも非常に多芸多才な方で、笙や篳篥(ひちりき)といった古典楽器から太鼓にパーカッションまでこなされて、音の世界に尋常じゃない広がりがあるんです」と力を込め、この公演を「朗読と音楽のセッション」と表現。「毎回、同じことをしてくれと言ってもできないし、センスと息で合わせながらやっています。非常にジャジーですね。『あぁ、今日はここでベベンっと入れてきたか。じゃあこっちはこうしてやろう!』という感じでこちらも楽しんでます」と笑顔で語る。『天守物語』は、白鷺城(姫路城)の最上階で“異界”の者たちを統べる富姫と人間の図書之助の恋を描いた物語。陰山は「非常によくできたSF」と本作を評す。「彫師の桃六という男が“馬鹿な奴らども、勝手に戦争してろ!”と言うんですけど、そこに泉鏡花の表現者としての魂を感じます。琵琶や雅楽の音と言葉によって想像をかき立てる、非常に朗読劇に合う作品だなと思います」篠井は以前富姫を演じた経験から「富姫というのは女形にふさわしい役で、僕らが若い頃は玉三郎さんの専売特許でしたからね。それをやらせていただけるというのは巡り合わせなのかなと、その時は一世一代の覚悟で臨みましたが、またこういう形でやらせてもらえるのが嬉しいし、どれだけやっても飽きることのないお役ですね」と語る。2人は共に80年代の小劇場ブームを体験した盟友でもある。共演は決して多くないが「あの熱狂の時代、苦楽を共にした同志」と陰山が言えば、篠井も「安心感が違います。感覚を共有しているからこそ、のびのびやらせてもらえる」と全幅の信頼を寄せる。若き注目株の小川ゲンを加え、3人の朗読と琵琶と雅楽の魅惑的な音色が混じり合い、どのような“和”のSFファンタジーが浮かび上がるのか?公演は2月24日(月・祝)、東京・府中の森芸術劇場にて上演。取材・文:黒豆直樹
2019年12月11日原美術館では、現代美術家・森村泰昌の展覧会「森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020−さまよえるニッポンの私」展を、2020年1月25⽇から4⽉12⽇まで開催する。映像作品「エゴオブクスクラ」より2020(参考写真)撮影:福永一夫 ©Yasumasa Morimura名画や映画の登場⼈物あるいは歴史上の⼈物に⾃らが扮するセルフポートレイト作品で知られる森村泰昌。巧みなメイクや⾐装で、時代や⼈種、性別を超えて様々な⼈物に⾃らが成り代わり、制作を通して原作やその背景に独⾃の解釈を加えてきた。1985年に「肖像(ゴッホ)」で鮮烈のデビューを果たし、以降、⼀貫して「私」とは 何かという問いに取り組む森村は、さらに⾃らが脚本を⼿がけ⾃演する映像作品や、ライブパフォーマンスへと表現の領域を広げている。2018年には、ニューヨークのジャパンソサエティーで展覧会「Yasumasa Morimura: Ego Obscura」を開催。その凱旋展と位置づけられる、東京2020展⽤に再編集された映像作品「エゴオブスクラ」と、この映像を⽤いて会期中開催される作家⾃⾝によるレクチャーパフォーマンスを通じて、日本近現代史、文化史に言及する。「ポートレイト(女優)/駒場のマリリン」1995‒2008 ©Yasumasa Morimura映像作品「エゴオブスクラ」 には、⽇本⼈の記憶に深く刻まれている昭和天皇とダグラス マッカーサー、あるいはマリリン モンローや三島由紀夫らに扮した森村が登場。1951年、大阪に生まれた森村は、戦前の教えが否定され、日本人に広がった「空虚」が、西洋の価値観で埋められていった時代の日本で教育を受けた。その個人的経験から、やがて「真理や価値や思想というものは(中略)いくらでも自由に着替えることができるのだ。」(映像作品「エゴオブスクラ」より)という発想を導く。「モデルヌ・オランピア2018」2018 ©Yasumasa Morimura30年に渡り⻄洋美術史に侵⼊しながら、森村は何を考えて⼈種や性別を超えてきたのだろうか。⾃らの⾔葉で⾃作が⽣まれた背景、そして、そこに込められた思いを語る「エゴオブスクラ」は、ニューヨークでも⼤きな反響を得た。森村は「エゴオブスクラ(Ego Obscura)」という耳慣れない言葉に「闇に包まれた曖昧な自我」という意味を込め、愛情のみでは⽚付けられない⺟国への複雑な感情をにじませながら、セルフポートレイトという形で、「さまよえるニッポンの私」とは何かという命題に挑む。会期中、作家自身によるレクチャーパフォーマンス「エゴオブスクラ 東京2020バージョン」を実施。スケジュールは、1月25日、26日、2月22日、23日、3月20日、21日、4月11日、12日のいずれも16時から17時まで。事前申し込み制となり、詳細はウェブサイト()にて確認を。戦後⽇本の復興を印象付けた先の東京オリンピックから55年を経た2020年、再び東京でオリンピックが開かれる年に、森村泰昌は「私」とは何かを我々にも問いける。【展覧会情報】森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020−さまよえるニッポンの私会期:2020年1⽉25⽇〜4⽉12日会場:原美術館住所:東京都品川区北品川4-7-25時間:11:00〜17:00(⽔曜は20:00まで、⼊館は閉館時刻の30分前まで)休館⽇:⽉曜⽇(祝⽇の場合は翌平⽇)料金:⼀般1,100円、⼤⾼⽣700円、⼩中⽣500円、70歳以上550円※原美術館メンバーは無料
2019年12月06日本日から東京・池袋の新文芸坐で特集上映「映画監督・加藤泰 情念の横溢」が開催される。時代劇や任侠映画など数多くの傑作を残した巨匠監督の作品を厳選して上映。名画座の定番にして、映画ファンなら絶対にハズすことができない超人気プログラムだ。加藤泰(かとうたい)は1916年に生まれ、叔父の映画監督・山中貞雄を頼って上京し、1937年に東宝に入社。いくつかの映画会社を転々とした後に伊藤大輔や黒澤明の下で助監督を務め、1951年に監督デビュー。映画黄金期に次々と公開される時代劇や任侠ものを数多く手がけヒット作を連発。その一方で実験精神あふれる作品や異色作、リアリズムを追求した時代劇も発表し、映画ファンを熱狂させた。今回の特集では膨大なフィルモグラフィの中から10作品を上映。ミュージカル風の演出や強烈なキャラクターが魅力の異色作『真田風雲録』、鶴田浩二主演の傑作『明治侠客伝 三代目襲名』、大ヒットシリーズ『緋牡丹博徒 花札勝負』と、その後日譚『緋牡丹博徒 お竜参上』など見逃せない作品が揃った。デジタルリマスターされた遺作『ざ・鬼太鼓座』以外はすべて35ミリで上映される。加藤泰作品はこれまでも繰り返し特集が組まれ、名画座ファンにはおなじみのプログラムになっているが、多くの作品でスクリーンを埋め尽くさんばかりの激情、哀しみ、今回の特集タイトルにもなっている“情念”が描かれる。俳優たちの鬼気迫る演技、観客を圧倒するクローズアップ、観る者の予想を裏切るカメラ位置……映画ファンを魅了し続ける加藤泰の美学を新文芸坐の大スクリーンで堪能できる必見の特集になっている。映画監督・加藤泰 情念の横溢新文芸坐11月25日(月)・26日(火)『明治侠客伝 三代目襲名』『骨までしやぶる』27日(水)・28日(木)『瞼の母』『沓掛時次郎 遊侠一匹』29日(金)・30日(土)『緋牡丹博徒 花札勝負』『緋牡丹博徒 お竜参上』12/1日(日)・2日(月)『炎のごとく』『ざ・鬼太鼓座 デジタルリマスター』3日(火)・4日(水)『阿片台地・地獄舞台突撃せよ』『真田風雲録』
2019年11月25日「即位礼正殿の儀の後に行われた晩さん会で狂言と歌舞伎を披露した後、海老蔵さんが萬斎さんと2人で話し込んでいたんです。とても真剣な表情で、誰も近づけないような雰囲気でした。この日、2人は来年の東京オリンピック開会式について打ち合わせをしていたようです」(海老蔵を知る芸能関係者)東京オリンピック・パラリンピックの文化・教育委員会の委員を務め、開会式にも出演するといわれている市川海老蔵(41)。そんな彼が、動きだしていた。10月23日、内閣総理大臣夫妻主催の晩さん会後に五輪開会式総合統括の狂言師・野村萬斎(53)と“極秘会議”を行っていたのだ。「海老蔵さんは、萬斎さんに対して『東京五輪の大舞台で宙乗りを披露できないか』と提案しています。そしてさらに、息子である勸玄くんとの共演を希望しているんですーー」(梨園関係者)“宙乗り”は歌舞伎における演出の一つで、舞台から飛び出して観客の頭上を飛ぶ派手なパフォーマンス。海老蔵は17年の七月大歌舞伎でも勸玄くん(6)との親子宙乗りを披露していた。「今年11月に『スター・ウォーズ歌舞伎』を開催するように、海老蔵さんの頭の中にはいつも『海外の人にも楽しんでもらえる歌舞伎を作っていきたい』という思いがあります。五輪開会式では、これまで練ってきた構想を披露したいと考えているのでしょう。すでに、松竹とも話し合いを進めています。松竹も『できれば数人、少なくとも2人はほかの歌舞伎俳優を出演させたい』と各所へ働きかけているそうです」(別の梨園関係者)そして来年5月からは、いよいよ親子同時襲名披露興行がスタートする。海老蔵は13代目・市川團十郎白猿、勸玄くんは8代目・市川新之助となる。「5月から7月までは歌舞伎座、その後は11月の博多座から全国を回ることになります。開会式は7月24日のため、出演に支障はないはずです。それに五輪は、各国の要人が集結しますからね。新之助となった勸玄くんの名を世界にとどろかせる絶好の機会です。過密スケジュールのなかで出演に意欲を見せているのも、『息子が世界に羽ばたけるようにしてあげたい!』という思いがあるのでしょう」(前出・別の梨園関係者)
2019年11月15日神奈川フィルハーモニー管弦楽団の首席ソロ・コンサートマスターを務める、石田泰尚氏がプロデュースした男性奏者のみの硬派弦楽アンサンブル「石田組」。その単独公演が10月14日(月・祝)、東京・赤坂にあるサントリーホール大ホールで行われる。今回の公演の見どころや石田組について、石田泰尚氏に話を伺った。【チケット情報はこちら】石田組の公演はクラシックのみならず、幅広いジャンルを楽しめることが特徴。今回の公演でも、E.バーンスタイン(近藤和明編曲)「荒野の七人」といった映画音楽や、クイーン(松岡あさひ編曲)「ボーン・トゥ・ラブ・ユー」のようなロックの名曲を演奏予定だ。特に聴いてほしい曲は、松岡あさひ氏が編曲したプログラム後半の4曲で、それらはすべて初披露となるもの。石田氏が太鼓判を押すだけあって、その仕上がりに期待したい。「チラシを見ただけではどんな集団なのか分からないと思う。実際に見に来ていただいてギャップをお伝えしたい」と、耳だけでなく目で見て楽しめることも、石田組の見どころのひとつだ。総勢13名の弦楽合奏団である石田組。そのコンセプトを尋ねると、「メンバーが思い切り演奏を楽しめる場にしたい」と語る石田氏。オーケストラ奏者が100人近いオーケストラで演奏する際は、時には周りに気を遣って気疲れすることもあるという。「自分たちが演奏を楽しむことで、お客さんにも楽しんでいただきたい」というのが石田氏の想いだ。石田組としての今後の目標は、長く活動を続け、まだ訪れていない地域を含め日本全国で公演を行うこと。そのためにはメンバーが離れないように、自分自身も練習を積み成長することを大事しているという。最後に観客へ向けてのメッセージを聞くと、「石田組はひとりひとりが主役。素晴らしいメンバーが揃っているので、全員のことを見てほしい」と語った。現在、前売り券がチケットぴあにて発売中。取材・文:松崎 優美子
2019年09月12日神奈川フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターを務めるヴァイオリニスト石田泰尚の近年の活躍がめざましい。その特異なルックスは、クラシックのヴァイオリニストのイメージとは一線を画し、コンサート会場で目にする動作も極めて独特。まさに、自らの世界観を作った男の存在感を、人は「カリスマ」と呼んでいる。その石田泰尚のソロ・コンサートが開催されるとなればこれは気になる。プログラムには、フランクの「ヴァイオリン・ソナタ」を中心としたクラシックの王道からピアソラのタンゴまで、現在の石田の実力を知る“試金石”とでも言えそうな名曲がずらりと並ぶ(9月2日:横浜みなとみらいホール&9月14日:ミューザ川崎シンフォニーホール)。現代のカリスマとはいかなるものか。それを確かめるチャンス到来だ!◆公演概要「石田泰尚ヴァイオリン・リサイタル」9月2日(月)横浜みなとみらいホール大ホール9月14日(土)ミューザ川崎シンフォニーホール●石田泰尚(ヴァイオリン)Yasunao Isida,Violin(C)井村重人神奈川県出身。国立音楽大学を首席で卒業、同時に矢田部賞受賞。新星日本交響楽団コンサートマスターを経て2001年神奈川フィルハーモニー管弦楽団ソロ・コンサートマスターに就任。以来“神奈川フィルの顔”となり現在は首席ソロ・コンサートマスターとしてその重責を担っている。これまでに神奈川文化賞未来賞、横浜文化賞文化・芸術奨励賞を受賞。幅広いレパートリーを誇り神奈川フィル他各地のオーケストラと協奏曲の演奏やリサイタルを行いソリストとしての顔も持つ。2014年 自身がプロデュースした男性奏者のみの弦楽アンサンブル“石田組”を結成。録音も多く2016年発売の“石田泰尚/LIVE”、2017年発売の“ALL BRAHMS LIVE”は共にレコード芸術誌上で準特選、さらに石田組デビューアルバム“THE石田組”は特選盤の評価を得た。2018 年には石田組がNHK-FM「ベストオブクラシック」およびBSプレミアム「クラシック倶楽部」 で放送されその熱いステージの模様は大きな反響を呼んだ。使用楽器は 1690 年製 G.Tononi、1726 年製 M.Goffriller。●中島剛(ピアノ)Go Nakajima,Piano東邦音楽大学ピアノ科首席卒業。ハンガリーリスト音楽院留学。ウィーンでのリサイタルなどを経て、CHANEL Pygmalion Days(2005年)、坂本龍一プロデュース「ロハスクラシック・コンサート2006」参加。国内に活動拠点を移し、ジョン・健・ヌッツオ氏、森山良子氏、東儀秀樹氏らなどと次々と共演。現在、東邦音楽大学講師。
2019年08月28日JALの新制服をエズミ(EZUMi)のデザイナー・江角泰俊が担当。2020年4月より導入される。テーマは“ハイブリッド モダンビューティー”航空運送事業に関わる全部門の制服を新たなデザインに一新するJAL。エズミのデザイナー 江角泰俊は、“ハイブリッド モダンビューティー”をテーマに、客室乗務員や地上接客部門の制服デザインを担当。異素材を組み合わせてオリジナリティを加えながらも、着心地の良さや動きやすさも重視した新制服を完成させた。客室乗務員客室乗務員の制服には、ワンピースとパンツスタイルの全2種類を用意。ワンピースは、航空会社の制服では珍しいバルーンスリーブを採用。またJALのロゴマークにちなんで、“鶴”の流線型を表す立体的なシルエットに仕立てている。地上接客部門地上接客部門には、通常のジャケット×スカートに加え、ワンピースが新登場。またラウンジスタッフの制服には、柔らかなピンクベージュに彩られたノーカラーのダブルジャケットが導入される。“手書き”で描いた満開のスカーフ地上接客部門の制服には、大判を整形したロングタイプのスカーフをセット。スカーフは、江角泰俊の手書きによる満開の花々をあしらったデザインで、約20色を使用した華やかな仕上がりとなっている。“レッド”をアクセントになお制服は、ダークカラーを基調に、JALのコーポレートカラーであるレッドをアクセントに採用。制服の袖口や胸元のポケットといったディテールをはじめ、ベルトやスカーフアクセサリーに差し込まれている。
2019年07月26日世田谷パブリックシアターの芸術監督・野村萬斎がホストとなり、毎回異なるゲストを招いて表現の本質に迫る人気シリーズ「MANSAI 解体新書」。7月に開催される記念すべき30回目は「特別版」と称し、萬斎が新作パフォーマンス『5W1H』を披露する。また、これまでの「解体新書」で培った“知の成果”をカタチにするため、パフォーマンスのビジュアルデザイン・テクニカルディレクションを日本を代表するクリエイター真鍋大度+石橋素+ライゾマティクスリサーチが手掛ける。【チケット情報はこちら】公演は二部制。第一部では新作『5W1H』を上演。When(何時)、Where(何処で)、Who(何人が)、What(何を)、Why(何故)、How(如何にして)、という《六何の法則》を記号化することで、人間のプリミティブなパフォーマンスを表現し、そこから“生きている人間”を実感していくという試み。第二部では各ステージごとにゲストを招き、萬斎とトークを繰り広げる。現在パフォーマンスの創作に取り組んでいる萬斎からコメントが寄せられた。「今回の『5W1H』は、今までの「MANSAI 解体新書」とはまた違う、観客参加型のレクチャー&パフォーマンスになる予定です。最新の映像や技術と、私の古典的身体がコラボレートします。「5W1H」という情報の基礎から、人間とはどこの誰であるという、自分の座標軸のような、ある種の因果の中で偶然ここにいる、という「立ち位置」を俯瞰できるような内容になると思います。きっと色々な方に色々な刺激があると思うので、トークではゲストの方含めて皆さんがどういう反応をされるのか楽しみにしています。だれもがふだんの生活ではなかなか認識することのない、けれど確かにだれもが持っている「自己」という存在そのものを、ちょっと揺さぶる体験が待っています。どうぞお楽しみに」公演は7月9日(火)から14日(日)まで東京・世田谷パブリックシアターにて開催。チケットはぴあにて発売中。<各回トークゲスト>7月 9日(火) 19時公演 首藤康之(ダンサー)7月10日(水) 19時公演 落合陽一(メディアアーティスト)7月11日(木) 14時公演 佐々木正人(多摩美術大学統合デザイン学科教授、東京大学名誉教授)7月11日(木) 19時公演 大友良英(音楽家)7月12日(金) 14時公演 コロッケ(エンターテイナー)7月13日(土) 14時公演 稲葉俊郎(医師 医学博士)7月13日(土) 19時公演 樋口真嗣(映画監督・特技監督)7月14日(日) 13時公演 田根剛(建築家)
2019年06月28日令和へと持ち越された、眞子さまと小室圭さんのご結婚延期問題。明治天皇の玄孫で作家の竹田恒泰さんは、お二人の結婚に「反対」だという。その理由とは?■小室さんには早く諦めてほしいと思っています。眞子さまとの結婚には、完全に反対です。いくら個人の意思が尊重される時代とはいえ、皇族方はご存在そのものが公的なのです。上皇陛下がどれだけ公のためにお尽くしになったか、眞子内親王殿下もよくご存じだと思います。そのため秋篠宮殿下がおっしゃったように《多くの人がそのことを納得し喜んでくれる状況》が大切になってくるのです。小室さんが1月22日に公表した文書は、彼を応援していた人まで絶望させたのではないでしょうか。金銭トラブルの発覚から1年以上も問題を放置し、秋篠宮殿下に《それ相応の対応をするべき》と求められた末に、あの回答。一方的に「解決済み」と説明したあの文書で、少しでも状況が進展すると思ったのでしょうか?当初は金銭トラブルが解消するのかどうかが焦点でしたが、もはや多くの国民が、小室さんの人間性や対処能力、誠実さに疑問を抱くようになりました。もし、あの時点で和解を成立させてトラブルを解消していれば「なかなかやるな」と多くの人が評価したかもしれません。それなのに小室さんは、ピンチをチャンスに変えることができず、オウンゴールしてしまいました。あの文書を公表してしまうような世間との感覚のズレは、内親王殿下を口説いてしまう常識のなさに通じているように思えてなりません。小室さんはロースクール留学にあたって、奨学金を得るために「眞子さまのフィアンセ」という肩書きを利用したという疑惑まであります。小室さんが本当に眞子内親王殿下のことを幸せにしたいと思っているのであれば、今の秋篠宮家の状況をどう考えているのでしょうか。小室さんとのご結婚問題で秋篠宮家の親子関係には大きな溝が生まれたといわれています。そのような状況になっても結婚を辞退しない小室さんは、自分たちさえ結婚できれば、相手の家族がどうなってもかまわないと考えているように見えてしまうのです。愛する人が大切にしている人たちを含めて幸せにするというのが、本当の愛ではないでしょうか?眞子内親王殿下や秋篠宮皇嗣同妃両殿下の心の痛みや苦しみを想像できていないように見えます。小室さんには、眞子内親王殿下を幸せにしたいという気持ちよりも、ただ眞子内親王殿下が欲しいという自分中心の気持ちしか感じられないのです。国民にとっても、それが大きな違和感になっているのだと思います。
2019年05月03日現在公開中の映画『七つの会議』の大ヒット御礼舞台あいさつが13日、都内で行われ、野村萬斎、及川光博、藤森慎吾、朝倉あき、福澤克雄監督が出席した。2月1日に公開初日を迎え、週末興行成績ランキングで1位、ぴあ映画初日満足度1位を獲得、そして公開から13日目で観客動員数100万人を突破した本作。大ヒットを記念して行われたこの日の舞台あいさつに、主演の野村萬斎らが登壇した。劇中で主人公の八角民生を演じた野村は「映画が100万人突破し、興行成績も2週連続で1位ということで本当にありがとうございます。皆様のお陰だと思っておりますし、リピーターの方が多いということで、中毒性の高い映画ということのようでございます。その中毒性を他の方にも分けていただきたいですね」と感謝の言葉を述べた。周囲の反響について、エゴサーチなどでネットでの評判を目にしたという野村は「皆さん針一本落としても気づくぐらいお芝居を集中して見ているみたいです」と好評の様子。女性社員の敵とも言える新田雄介役の藤森は「朝倉あきちゃんのファンの方だと思いますが、『お前絶対に許さないからな』というツイッターでの書き込みがありました。それに長野の両親と姉が映画館で見てくれたみたいで『映画は面白かったけど、あなたの役は過激なのね、あなたはそういう人間じゃないことは分かっているから』と言われました」と明かして笑いを誘った。舞台あいさつの後半には、社会人の悩みをキャスト陣がアドバイスをおくることになり、4月に新入社員となる20代の男性から先輩や上司と仲良くなるコツを問われた野村は「僕の本業は大先輩がたくさんいる業界。自分の自信があるところから小出しに出していってコミュニケーションをとることが大事だと思います」とアドバイスを。上下関係が厳しい芸人の世界に身を置く藤森も「標的を決めたら徹底的に調べますね。何が好きなのか調べてその話をします。好きだとアピールすることが大事だし、最終的にはモノでイチコロ!」と自身がしていることを明かし、及川は「笑顔じゃないですかね。笑顔であいさつが結構大事だと思います。笑顔は最強の武器ですよ」と笑顔の重要性を説いていた。『陸王』や『下町ロケット』、『半沢直樹』といった企業の矛盾や働く人々の葛藤や絆を描いて人気を博している作家・池井戸潤の同名小説を、『半沢直樹』や『下町ロケット』(いずれもTBS系)を手掛けた福澤克雄監督が映画化した本作。結果がすべてとも言われる中堅メーカーを舞台に、社内で起きたパワハラ騒動に隠された謎が明らかになると、会社員たちの人生、そして会社の存在をも揺るがす事件が巻き起こる、というストーリーとなっている。
2019年02月13日狂言師の野村萬斎、長男の裕基くん、長女・彩也子さんの親子3人が共演する公文教育研究会の新テレビCMが、1月21日からYouTubeで公開され、2月1日から全国で放送される。野村親子3人のCM共演は今回が初めて。現役大学生の彩也子さんはこれが記念すべきCMデビュー作となる。公文式OBの野村萬斎と裕基くんがそれぞれ2014年と2017年から、KUMONのCMに出演しているが、このたび同じく公文式OGの長女・彩也子さんも共演することになった。新CMは、「生きる英語力」編、「くもんの子」編、「一人ひとりのKUMON」編(各15秒・30秒)、「魅力の3教科」編(60秒)の4タイトル。野村親子3人の微笑ましい掛け合いを通じて、KUMONの価値と魅力を伝えるとともに、“親も!子も!やっててよかった、公文式!”というメッセージを全国の家庭に届ける。親子3人の初共演ということで、これまで以上に表情がにこやかだった萬斎。一方、裕基さんは姉の彩也子さんとの共演にやや緊張の面持ちを浮かべていた。そして、それ以上に緊張していたのが、今回が初めてのCM撮影となる彩也子さん。それでも、頼もしい父親と仲良しの弟と一緒ということで、次第に肩の力も抜け、撮影が進むにつれて父親譲りのセンスと度胸の良さを発揮。細かなアクションも難なくこなし、初体験とは思えない素晴らしい演技を披露していた。そんな姉の様子を見て、自身の緊張もすっかりほぐれたのか、「次のシーンはもっといけると思うよ」と裕基さん。兄のようなコメントで、現場には笑いがこぼれた。野村萬斎は「初めての親子3人で、不思議な感じもありましたが、撮影を楽しむことができました。自分が幼い頃やっていた公文のCM出演に加えて、親子共演も果たすことができ光栄です」とコメント。裕基さんは「今回は父に加えて姉も登場したので、前回よりも楽しんで撮影ができました。姉は思っていた以上に上手に演技をしていて、僕も負けられないなと思いました」と振り返り、彩也子さんも「初めてのテレビCMで、最初は手が震えてしまうほど緊張しましたが、父と弟が和ませてくれたので、無事に演技ができました。普段、こんなに大勢のスタッフさんたちに囲まれて仕事をしている父と弟を改めて尊敬しました」と語った。
2019年01月21日2月1日公開の映画『七つの会議』の完成報告記者会見が16日、都内で行われ、野村萬斎、香川照之、及川光博、音尾琢真、藤森慎吾、朝倉あき、吉田羊、世良公則、鹿賀丈史、北大路欣也、福澤克雄監督が出席した。『陸王』や『下町ロケット』、『半沢直樹』といった企業の矛盾や働く人々の葛藤や絆を描いて人気を博している作家・池井戸潤の同名小説を、『半沢直樹』や『下町ロケット』(いずれもTBS系)を手掛けた福澤克雄監督が映画化した本作。中堅電機メーカーを舞台に、社内で起きたパワハラ騒動に隠された謎が明らかになると、会社員たちの人生、そして会社の存在をも揺るがす事件が巻き起こる、というストーリーとなっている。主人公の八角民生役を演じた野村萬斎は、本作で初のサラリーマン役に挑戦した。「サラリーマンの役がやっと回ってきたという純粋な喜びもつかの間、地に足がついてない役かと思いましたが、話が進行していくうちに大きな犯罪や真相が分かっていきます。とにかく総当たり戦でもありますので、スリリングに演じて楽しい毎日でしたね」と満足げ。八角というキャラクターは「ぐうたらな役でしたね(笑)。最後まで見るとそうとも言い切れませんが、僕自身もぐうたらなので役作りとしては入りやすかったです」と語った。本作で初共演となった香川は「全くそんなことはなくて、常に姿勢をよくしてましたよ。対極の役の挑戦だったと思います」とべた褒めだった。また、昨年末に自身のインスタグラムで長年所属していた事務所との契約終了を報告し、独立との報道もある吉田羊は、野村扮する八角と離婚するも八角の良き理解者の元妻・淑子役を演じている。「私は会社勤めの経験がないので、サラリーマンのご苦労をこの映画で知りました。もしこの方々が私の旦那であるならば、帰ってきた旦那樣に一品夕飯のおかずを増やして提供したいと思います」と話した。それぞれの立場は違えど、サラリーマンの姿を描いた本作。それにちなみ、「このキャストの中で会社員に向いている人は?」という質問を投げ掛けられた福澤監督は「及川さんは絶対に失敗します。雰囲気的に自由過ぎちゃって。音尾さんもちょっとついていけないんじゃないかな。後は皆さん大丈夫ですよ」と回答。その回答に香川は「電車乗れないでしょ」と同意し、当の及川も「切符の買い方が分かりません。あっ! 今は切符じゃないんでしたっけ?」と笑いを誘っていた。映画『七つの会議』は、2月1日より全国公開。
2019年01月16日国内外の主要な美術館にコレクションされ、世界的に活躍する陶芸家・黒田泰蔵の美術館では初となる個展「黒田泰蔵 白磁」が、2019年1月12日から4月9日まで、静岡のヴァンジ彫刻庭園美術館にて開催される。《白磁 梅瓶》2018年© Taizo KurodaPhoto: Tadayuki Minamoto空間に溶け込むように静謐でありながら、緊張感あふれる力強さをもつ陶芸家・黒田泰蔵の白磁。1966年、20歳の若さでパリに渡り、のちの人間国宝となる陶芸家の島岡達三と運命的な出会いを果たした黒田は、カナダで陶芸を始めた。日本に帰国した後も、黒田はさまざまな技法で精力的に作陶に携わっていくが、45歳の時、「轆轤成形、うつわ、単色」という3つの条件を自身に定め、白磁のみの制作に傾注する。本展は、アメリカ・オハイオのクリーブランド美術館やニューヨークのブルックリン美術館、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館など、国内外の主要な美術館にその作品がコレクションされ世界的に知られる、黒田の美術館で初となる個展。轆轤に初めて触れてから約半世紀の後に辿り着いた白磁の現在を、黒田の代名詞といえる円筒を始め、梅瓶や花入、台皿などさまざまな白磁の最新作で展観する。磁土との対話の中、個を極限まで消していくことで純化された白磁がみせる抽象の世界。轆轤の回転が生み出す柔らかで張りのあるフォルム、釉薬を用いず、焼締めの後に磨かれた表面の艶やかな陰影、宙空へと薄く挽き上げられた口縁など、その美しさの特質には枚挙にいとまがない。《白磁 花入》2018年© Taizo KurodaPhoto: Tadayuki Minamoto会期中の2月下旬頃には、展覧会カタログが刊行。美術館の展示風景や出品作品の図版だけでなく、40年近く伊豆に窯を構え制作してきた作家の貴重なアトリエ風景が収録される。また、毎週土曜日の14時15分からは、会場にて担当学芸員が展覧会概要と作品の解説を行うギャラリートークが開催。申込不要で、当日の観覧券を持って直接会場へ行けば参加できる。クレマチスの丘にあるケヤキの緑に囲まれた和食の店、日本料理テッセンの1階にある「うつわ茶房 KEYAKI」でも、「͏黒田泰蔵展」が同時開催。2019年1月12日から4月9日の会期中、ヴァンジ彫刻庭園美術館で展示される作品とは別の白磁作品が展示される。静岡の地でうつわの可能性を追求し続けてきた黒田の、究極の白磁を堪能してみては。【展覧会情報】黒田泰蔵 白磁会期:2019年1月12日〜4月9日会場:ヴァンジ彫刻庭園美術館住所:静岡県長泉町東野クレマチスの丘 347-1時間:1月10:00〜16:30、2・3月10:00〜17:00、4月10:00〜18:00(入館は閉館の30分前まで)料金:1〜3月 大人1,000円(900円)、高・大学生500円(400円)、中学生以下無料4月 大人1,200 円(1,100円)、高・大学生800円(700円)、中学生以下無料※( )内は20名以上の団体割引休館日:水曜日
2018年11月27日池井戸潤原作の野村萬斎主演映画『七つの会議』の主題歌が、ボブ・ディランの「メイク・ユー・フィール・マイ・ラヴ」に決定。最新予告映像と本ポスタービジュアルも公開された。ロック界最重要アーティストであるボブ・ディラン。全世界アルバム・トータル・セールスは1億2500万枚を超え、38作のオリジナル作品、ライヴやコンピレーションを合わせると60タイトルを超え、600曲以上の自作曲、そして世界中で2千回以上のライヴを行い、半世紀以上に渡って常に第一線で活躍している唯一のアーティストだ。過去11度のグラミー賞受賞(1991年にはグラミー特別功労賞受賞)、1982年には「ソングライターの殿堂」入り、1988年には「ロックの殿堂」入りを果たすなど数多くの功績を残している。今回本作の主題歌に決定したのは、1998年のグラミー賞最優秀アルバム賞を受賞した「タイム・アウト・オブ・マインド」収録のバラード「メイク・ユー・フィール・マイ・ラヴ」。歌・作詞・作曲をボブが手掛けた本楽曲は、ビリー・ジョエル、アデル、エド・シーランなどなど、多くのアーティストもカバーするほどの名曲。なお、ボブが日本映画へ楽曲提供するのは、2016年のノーベル文学賞受賞後初となった。本映画製作着手と同時にボブの楽曲使用を打診、何度も交渉が続く中で、夏にフジロックで来日したボブがこの曲を演奏したことで一層の力を得、「正義」を問いそれが晴らされた印象的な場面、企業戦士が戦い終わった時の「鎮魂歌」として、疲れ切ったサラリーマンに癒しと希望を与えたいことを強調できるとさらに熱望。結果、約1年に渡る交渉の末、主題歌に決定したのだという。主題歌決定と同時に公開された予告編では、主題歌が挿入。主演の野村萬斎をはじめ、香川照之、及川光博、北大路欣也ら豪華キャストたちの激しい演技合戦を覗くことができる。なお、映画主題歌「メイク・ユー・フィール・マイ・ラヴ」をフィーチャーしたボブ初のラヴ・ソング集「フィール・マイ・ラヴ ~ Love Songs of BOB DYLAN」が2019年1月23日に発売されることも決定した(※日本独自企画)。『七つの会議』は2019年2月1日(金)より全国東宝系にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:七つの会議 2019年2月1日より全国東宝系にて公開©2019映画「七つの会議」製作委員会
2018年11月27日お笑いコンビ・オードリーの若林正恭と春日俊彰がパーソナリティを務めるニッポン放送『オードリーのオールナイトニッポン』(毎週土曜 25:00~)が、10月で放送10年目に突入する。この連載では、番組に携わる構成作家のチェ・ひろし、奥田泰、藤井青銅、ディレクターの石井玄、そしてパーソナリティのオードリーにインタビューをする他、番組密着やイベントレポートも行う。第2回は、構成作家の奥田泰にインタビューを実施した。○オードリーとの出会い――奥田さんがオードリーさんの番組につかれたきっかけをお聞かせください。芳樹さん(宗岡芳樹)がディレクターの頃に、ネタコーナーを強くしたいとなって、声をかけてもらいました。――確かに奥田さんはナイナイさんのオールナイトニッポンで常連のハガキ職人でしたよね。芳樹さんとは元々接点があったのですか。芳樹さんが営業から制作に異動になって、『チュートリアルのオールナイトニッポンR』で最初に仕事をしました。その後、ナイナイさんの番組本の制作で一緒にじっくりやらせてもらって、という感じです。――オードリーさんの番組につかれた時期はいつですか。13年の1月です。サンドウィッチマンさんがゲストに来られたスペシャルウィーク(12年12月12日放送)の後の、切りが良いタイミングでしたね。前任の長永(拓也)さんと入れ替わりでした。――オードリーさんとはその以前から接点があったのですか。お2人は覚えていないと思うんですけど、『ヤンピース』(ニッポン放送/06年~08年)という番組に作家として入っていたんですが、若手芸人だけがゲストで来る1週間があって来ていただきました。――以前からご存じだったんですね。オードリーさんへの印象は、ラジオに携わる前と後で変わりましたか。こういう印象だと最初から決めつけていたわけではないので、あまりないですね。ただ、春日さんがあんなに人見知りだとは思いませんでしたけど(笑)。無言でずっといられる方ですしね。○ブース内で"基本しゃべらない"理由――奥田さんは放送中、オードリーさんと一緒にブースに入られています。放送ではよく奥田さんの笑い声が聞こえてきますが、例えば「オチ前で笑わないように」など、意識していることはありますか。それは思うんですよ。春日さんのツッコミの前に笑わない方がいいなとか。我慢することもありますが、素直に面白いと笑っちゃいますね(笑)。若林さんは、僕らにしか分からないことをたまに言ったりするんですよ。さっきの楽屋の話が前提だったり、あとは同世代だからこそ分かることだったりとか。――奥田さんとオードリーさんの2人は同年代ですよね。若林さんも春日さんも微妙なラインをついてくるんですよ(笑)。『キン肉マン』の話でも「ヘル・ミッショネルズ」とかは俺らの世代でもパッと出てこないワードなんです。「ネプチューンマン」や「ビッグ・ザ・武道」とかはすぐ出てくるんですが。そこがちょっと面白いというか、聞いたら絵が出てくるんで、思わず笑っちゃいますね。――他の番組ではブースの作家さんが補足的にしゃべることもあったりしますが、奥田さんはほとんどしゃべられないですよね。そこは意識されているのですか。そうですね。そっちの方がいいと思ってますし、基本しゃべらないですね。ただ、言った方がいいときは、オンエアで聞こえる声じゃなく言ったり、書いたりはしています。例えば、「ここからはありでここからはなし」と名前を挙げていくトークをたまにするじゃないですか。そういったときは、2人が後から見ながらしゃべれるように、言ったことを僕がパーッと書き留めますね。○放送前、春日俊彰が必ず行う"仕事"――フリートークの内容について、お2人から事前に相談されたりするんですか。いや、トークには一切かかわらないです。ただ、若林さんとは本番前にしゃべっていますけどね。だからトークは生放送で全部初めて聴くんですよ。――若林さんとはどんなお話をされているんですか。ここでは言えない話が多いですね(笑)。――春日さんとは話されないんですか。「しんやめ」(コーナー「死んでもやめんじゃねーぞ」)を持っていて、「お願いします」だけです(笑)。春日さんだけ会議室が別なんですが、春日さんの仕事として、お菓子の袋を全部開けるという作業があるので、それは今でもやってもらっています。だから1回はこっちの会議室に必ず来られますね。――そんなルールがあるんですね(笑)。どういう経緯でそうなったんですか。分からないです。昔からそうなんですって。春日さんが全部袋をガンガンガンって開けていきます。だからお菓子を食べたくても、春日さんのところに行って、「すみません、開けてもらっていいですか」と言いにいきますね(笑)。○採用されやすいネタメールとは――話は戻りまして、ブースに入られる以外に、作家としてどんなお仕事をされているか、お聞かせください。主なところではネタメールの最初の粗選びですね。やはり一定レベルに達したものでないと、放送にはのせられないので。そこまで絞ったものを若林さん、春日さんにお見せします。後は本人たちがに好きなように選んでもらえばいいと思っているので。――どんなメールを省くのか、基準があればお聞かせください。まず、放送に適してない表現のあるものですね。後はお2人に合ってない内容のものです。例えば下ネタは読む人によって使えるワードが変わるので、「しんやめ」で春日さんが言って大丈夫かどうか、判断します。おぎやはぎさんなら言ってもいいけど、他の芸人さんだとキツイことがあるじゃないですか。――確かに、おぎやはぎさんの2人が言うから、許されていることもありますよね(笑)。それと芸能人ネタであれば、他のラジオやテレビのバラエティでよくネタにされる人は、新しい触れ方であればはじかないですね。例えばクロちゃんなどをネタにしても、どうしても後追いになってしまうので。後は、言い回しが長すぎてキレが悪すぎるものやオチが先にきちゃってるものでなければ、基本的にははじかないです。――となると、あまり作家側では省かないんですね。こっちの趣味、僕が好みかどうかでははじかないです。だから客観的に見て成立さえしていれば、お2人に持っていきます。――オードリーさんは放送前、ご自分たちでかなり選ばれているんですね。そうですね、2人とも選んでいますよ。芸人さんのラジオのよくある光景だとは思いますね。――それでは最後に、『オードリーのオールナイトニッポン』は10周年イヤーに突入しましたが、奥田さんの中でこの番組はどういう位置づけですか。ブースで好きなように笑って、1週間をリセットする感覚ですね。だから日曜日は仕事がないとうれしいです(笑)。
2018年10月19日耐熱性に優れている萬古焼の土鍋は、三重県の伝統工芸品のひとつ。直火はもちろん、電子レンジやオーブンでも使うことができ、さまざまな調理に活躍します。離乳食もアヒージョもキッシュも! 萬古焼の小鍋で簡単に作れます三重県の伝統工芸品である萬古焼(ばんこやき)は、熱に強く、電子レンジやオーブンでも使用することができる優れもの。三重県発のお魚離乳食通販サービスのmogcook(モグック)で取り扱っている萬古焼の小鍋(4,104円【税込み】)は、料理家・栗原友さんがセレクトしたアイテム。食べる量が少ない赤ちゃんの離乳食作りにぴったりです。今回は萬古焼の小鍋を使った離乳食レシピをご紹介します。『魚と牡蠣のお粥』(調理時間:約6分/対象:後期から)【材料】魚 1パック※このレシピに使われているお魚は「ぶだい」です。牡蠣(小) 1個葱 少々椎茸 3g全粥 適量(ここでは90g)【作り方】(下ごしらえ)魚は解凍しほぐす。牡蠣、葱、椎茸はそれぞれ食べやすく刻む。1.小鍋に全粥、魚、牡蠣、椎茸を入れて煮込みます。最後に葱を入れて、サッと煮ればできあがり。大人用は仕上げに醤油を加えると美味しく食べられます。牡蠣にはタウリン、ビタミンB2、鉄、亜鉛等が豊富で、心臓機能を強くしたり網膜の発達を促したり、味覚や嗅覚の機能を正常に保つ作用もあります。特に妊娠中や授乳中は貧血防止にもなるので摂取しましょう。萬古焼の小鍋は離乳食のお粥作りのほかに、グラタンやアヒージョ、キッシュなどの調理にも使えます。デザインもシンプルでお洒落なので、離乳食期が終わっても活躍しそうですよね。mogcook4周年を記念して、萬古焼の小鍋などをプレゼント中mogcookでは現在、サービス開始4周年を迎えたことを記念し、mogcookの由来である「もぐもぐ(食べる)」、「クック(調理する)」にちなんだ商品をプレゼントする「もぐもぐ・クックプレゼントキャンペーン」を開催中。2018年8月31日(金)までの期間中、定期配送3ヶ月・6ヶ月・12ヶ月分を一括購入されたお客様を対象に、先ほど紹介した萬古焼の小鍋のほか、萬古焼のミニカップ(1,728円【税込み】)やモグックオリジナルのベビースプーン(1,404円【税込み】)をプレゼント。離乳食に上手くお魚を摂り入れたいとお考えの方、これから離乳食が始まるという方、萬古焼のプレゼントがもらえるこの機会にモグックのお魚離乳食通販を利用されてみてはいかがでしょうか。詳しい情報は下記のホームページをご覧ください。【参考】mogcook
2018年08月20日「陸王」「下町ロケット」などの半沢直樹シリーズほか、代表作を数多く抱える池井戸潤。その中でも傑作小説として名高い「七つの会議」を、野村萬斎主演で実写映画化することが決定した。■あらすじ都内にある中堅メーカー・東京建電。営業一課の万年係長・八角民夫(野村萬斎)はどこの会社にもいる、所謂“ぐうたら社員”。トップセールスマンである課長の坂戸(片岡愛之助)からはその怠惰ぶりを叱責されるが、ノルマも最低限しかこなさず定例の営業会議では傍観しているのみ。絶対的な存在の営業部長・北川誠(香川照之)が進める結果主義の方針の元で部員が寝る間を惜しんで働く中、一人飄々と日々を送っていた。ある日突然、社内で起こった坂戸のパワハラ騒動。そして、下された異動処分。訴えた当事者は年上の部下、八角だった。北川の信頼も厚いエース・坂戸に対するパワハラ委員会の不可解な裁定に揺れる社員たち。そんな中、万年二番手に甘んじてきた原島(及川光博)が新課長として着任する。会社の“顔”である一課で、成績を上げられずに場違いすら感じる原島。誰しもが経験するサラリーマンとしての戦いと葛藤。だが、そこには想像を絶する秘密と闇が隠されていた…。■初の池井戸作品に出演する野村さん「結果がすべて」そんな考え方がいまなお続く会社が本作の舞台となり、主演を務めるのは狂言界の至宝にして、俳優としても存在感を放つ野村萬斎。捉えどころのない自由奔放な顔と、信念を貫く強い心を併せ持つ人物像の主人公・八角民夫に挑む。野村さんにとっては、初のサラリーマン役となり、「八角は一癖も二癖もある決して平凡ではない役どころなので、演技すること自体が新たな挑戦だなと思います」とコメント。作品に関しては「登場人物たちが人生を懸けてしのぎ合う、手に汗握る物語。原作をご存知の方も、そうでない方も、そのスリリングな展開を大いに堪能していただけるはずです」と大いに期待を寄せた。そのほかキャストにも、社内で絶対的な存在である営業部長・北川に香川照之。うだつが上がらない営業課長・原島に及川光博。営業成績トップでありながら突如パワハラで訴えられてしまう坂戸に片岡愛之助。零細ねじ工場の社長・三沢に音尾琢真、新進気鋭のねじ製造会社社長・江木に立川談春。そして御前様と呼ばれる親会社の代表取締役社長・徳山役に北大路欣也と、いままでの池井戸作品を支えてきた、重厚かつ超豪華な俳優陣が揃った。会社員たちの人生、そして会社の存在をも揺るがしていく、働くことの「義」を問う内容は必見だ。『七つの会議』は2019年より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2018年05月10日小説家・池井戸潤の『七つの会議』が実写映画化され、狂言師の野村萬斎が主演を務めることが10日、明らかになった。2019年の公開を予定している。同作は池井戸による企業小説を実写化。都内にある中堅メーカー・東京建電で起きたパワハラ騒動をきっかけに、想像を絶する秘密と闇が明らかになっていく。野村は営業一課の万年係長でぐうたら社員の八角民夫を演じる。『私は貝になりたい』『祈りの幕が下りる時』などを手掛け、『半沢直樹』『下町ロケット』『陸王』と池井戸作品とともに歩む福澤克雄がメガホンを取る。営業部長・北川に香川照之、うだつが上がらない営業課長・原島に及川光博、営業成績トップでありながら突如パワハラで訴えられてしまう坂戸に片岡愛之助、零細ねじ工場の社長・三沢に音尾琢真、新進気鋭のねじ製造会社社長・江木に立川談春、そして御前様と呼ばれる親会社の代表取締役社長・徳山役に北大路欣也と、実力派キャストが揃った。野村は「ようやくめぐり合えた池井戸作品。そして、福澤監督とのお仕事に心から喜びを感じています」と喜びを表す。「私自身、初のサラリーマン役。それでいて、八角は一癖も二癖もある決して平凡ではない役どころなので、演技すること自体が新たな挑戦だなと思います」と意気込んだ。また、共演者について「特に、香川さんは、芝居と古典芸能の両側の世界で生きる者として、"気""間合い"のような独特の感覚が互いにあるように感じています。共演が本当に楽しみですね」と期待を寄せた。ドラマ『半沢直樹』の土下座シーンも話題となった香川は「池井戸潤・福澤克雄の両巨頭が組む作品カラーはすでに国内に幅広く浸透しているという点では、そこに出演する私に求められる役割はほぼ確定していると言ってもいいのだが、主演の野村萬斎という鬼才と福澤との融解、あるいは彼と池井戸ラインとの化学反応こそは、私が現場で土下座してでも盗み見たい最大の焦点だ」と語る。及川も「『半沢直樹』以来の池井戸作品の出演となります。いただいた脚本がとにかく面白く、今作の一部として機能できることにワクワクしています」と期待を表した。同じく『半沢直樹』で独特の存在感を見せた愛之助は、「野村萬斎さんとはプライベートで仲良くさせて頂いておりますが、仕事をご一緒するのは初めてです。同じシーンが多いのでリラックスして撮影をすることができております。香川さんは歌舞伎の舞台でご一緒することがあるので、いろいろなお話ができ楽しませて頂いております」と印象を明かす。TEAM NACSの音尾は、「『陸王』に続いて、池井戸先生の作品にまた出演できて幸せです」、北大路も「『半沢直樹』以来、久しぶりの福澤監督演出になります」と、池井戸作品のオールスターが集結。立川は「狂言師、歌舞伎役者、アーティスト、ちょっぴり落語家も。あいかわらず福澤組のキャスティングは一筋縄ではおさまりきりませんね」と驚きを語った。福澤監督は「今作は『会議』を舞台にした物語。今まで見たことのないような映像表現に挑戦し、極限まで追い詰められた人間の心情と行動を、ドラマチック、且つダイナミックに描ければと思います」と構想を明かした。撮影は4月30日から始まり、6月上旬のクランクアップを予定している。
2018年05月10日フジテレビでは、アガサ・クリスティが1926年に発表した人気長編推理小説「アクロイド殺し」を、三谷幸喜脚本で日本で初めて映像化することが決定。野村萬斎を主演に迎えるほか、大泉洋、向井理、吉田羊、松岡茉優ら豪華キャスト共演で「黒井戸殺し」のタイトルで4月に放送される。「原作:アガサ・クリスティ×脚本:三谷幸喜」のコラボは、2015年にフジテレビ開局55周年特別企画として2夜連続で放送した「オリエント急行殺人事件」で初コラボが実現。続く今作は、クリスティの6作目の長編小説であり、エルキュール・ポアロシリーズの3作目にあたる「アクロイド殺し」が原作。事件が起きた人間関係を知るポアロの隣人による手記を読んでいく形で進んでいく本作は、その結末におけるトリックの斬新さによって、当時世界中に衝撃を与え、そのトリックを巡って「フェア・アンフェア論争」が引き起こされ、長らく映像化不可能とされてきた作品だ。「黒井戸殺し」のタイトルで映像化される今回は、「オリエント急行殺人事件」同様、萬斎さん演じる名探偵・勝呂武尊が主人公。そして医師・柴平祐を、舞台「ベッジ・パードン」で萬斎さんと同じ舞台には立っているものの、テレビドラマでの共演は今回が初めてとなる大泉さんが演じ、勝呂の良き相棒としてコンビを組み、事件の謎に立ち向かっていく。「オリエント急行殺人事件」以来、ドラマ出演は約3年3か月ぶりとなる萬斎さんは、「再び勝呂武尊を演じることができて、とてもうれしくもあり、やりがいもありました。前回の『オリエント急行殺人事件』のときより、人間味の増した勝呂になったのではないかと思います」とコメント。テレビドラマ初共演となる大泉さんについては、「いつもにこやかに明るく撮影現場を盛り上げてくれました。撮影の中で、洋くんと一緒にあぜ道を自転車で走るシーンがあり、偶然、勝呂が自転車から転げ落ちるシーンの倒れ方がチャップリンみたいになったところが、とてもおもしろかったです」と撮影中のエピソードも明かし、「10人の容疑者に対して、全員のアリバイを整理し、見破っていく駆け引きも見どころとなっています。複雑に絡み合ったアリバイを見事に解いていく勝呂武尊をぜひお楽しみに」と見どころを語っている。一方、とにかく台本が面白かったと話す大泉さんは、「三谷さん脚本による個性豊かなキャラクターたちがとにかく魅力的」と言い、萬斎さんについては「どんな役をやっても強力な印象を残すお芝居が大好きだったのでとてもうれしかったです。撮影中は、ずっと聞いてるとドンドン勝呂のキャラのとりこになり、最高に楽しい毎日でした。そんな勝呂と柴との掛け合いも見どころの一つだと思います」と話している。またこの2人に加え、物語を彩る個性豊かな登場人物たちを演じる俳優陣も決定。三谷作品初参加となる余貴美子、草刈民代、向井理、佐藤二朗、和田正人。三谷映画や舞台には出演しているものの、三谷ドラマには今回初出演となる寺脇康文。さらに、浅野和之、秋元才加、吉田羊、松岡茉優、藤井隆、今井朋彦、斉藤由貴、遠藤憲一が出演。彼らが代わる代わる事件の容疑者として浮上していく。夫を毒殺した疑惑のあった唐津佐奈子が死亡するところからはじまる本作。彼女を演じる吉田さんは、「故人ではありますが、語り手たちによる在りし日の私から、その人生を想像していただけるとうれしいです。大泉さんを想定した三谷さんの『当て書き』がこれまた楽しい!」とコメント。かねてより三谷作品に参加したかったという草刈さんは、「私演じます“満つる”さん、ちょっと変わった人です。このような役柄は演じたことがありません!でも、楽しかった~」と述べ、松岡さんも「野村萬斎さん演じる奇妙な探偵・勝呂に振り回されるのは大変心地よい時間でした」と参加した感想を語っている。そして“謎の男”役で出演する和田さんは、自身の役について「極めて重要な容疑者の一人です。明らかに怪しいです。疑われても仕方ない。誰が見てもそんな印象です。ストーリーを追っていく中で、加害者なのか?被害者なのか?と、そんなところにある種の面白みを感じる人物です」と説明しており、多くの登場人物の中でも特に気になるキャラクターだ。また脚本を手掛けた三谷さんは、「あの名作『アクロイド殺し』のドラマ化に関われるのは、クリスティファンの脚本家にとっては最高の喜びです。ミステリーの女王に敬意を表し、設定を日本に移した以外は、極力原作に忠実に脚色してみました」とコメントを寄せている。「黒井戸殺し」は4月、フジテレビにて放送予定。(cinemacafe.net)
2018年02月15日狂言師・野村萬斎主演の映画『花戦さ』が、6日からビデオマーケット、TSUTAYA TV、U-NEXTなどで配信をスタートし、DVDも同日発売された。映画『花戦さ』今年6月3日に公開された同作は、鬼塚忠氏の小説『花いくさ』が原作。花の名手である初代・池坊専好と千利休の友情や、京都の町衆・六角堂にいる花僧が、権力者・豊臣秀吉の乱心に刃でなく花をもって相手をあだ討ちするストーリーが展開する。専好を演じる萬斎は、役柄の「天真らんまん」「奇想天外」というイメージからオファーを受ける。クランクイン前には華道の指導も受け、細かい所作にもこだわって撮影に挑んだという。「命あるものにさらなる命を吹き込む、純粋(ピュア)な存在として演じたい」と意気込み、「特有の所作に、私なりの動きを生かせれば」と語っていた。各レビューサイトでは、Yahoo!映画が3.68点、映画.comが3.3点、フィルマークスが3.5点(2017年12月11日時点)。DVDには、メイキング、記者会見や舞台あいさつなどの特典映像が収録されている。(C)2017「花戦さ」製作委員会
2017年12月11日井上ひさしの中期の名作『シャンハイムーン』が、栗山民也演出、野村萬斎主演で上演される。本作にかける思いを萬斎に聞いた。「シャンハイムーン」チケット情報1991年に発表された本作は、『阿Q正伝』『狂人日記』などで知られる中国の文学者・魯迅の物語。1934年の上海を舞台に、蒋介石率いる国民党政府より逮捕令が出された魯迅と、彼を匿う日本人たちのある1か月を描いたせりふ劇だ。「2012年と2015年に栗山さんと一緒に井上さんの『藪原検校』を上演して、いい手応えがあった。前回が若い血流みなぎる人物を描いていたのに対して、今回はコンパクトで充実感のある、しっとりとした大人の作品をやろうということと、オリンピックを前に、日本国というものを考えるいい機会になるのではと、この作品をやることになりました」。日本を憎みながらも、日本人を愛した魯迅。国単位では火花を散らしながらも、人間同士は分かち合える。現代にも通じるテーマを、井上作品ならではの笑いを交えて描いている。「非常に現代的な問題を映し出しているとはいえ、国家のことやアイデンティティの問題ばかりではなく、抱腹絶倒なところもある。歯医者の奥田が使った笑気ガスによって失語症にかかり、全部濁音になっちゃうとか(笑)。いろんな仕掛けがあって、そこから段々と本心があぶり出されてしまう。重味と軽味のバランスが非常によくとれているお芝居だと思います」。登場人物は6人。5年ぶりの舞台出演となる広末涼子が魯迅の妻・広平を演じるほか、友人の内山夫妻を鷲尾真知子と辻萬長が、医者の須藤五百三を山崎一が、歯医者の奥田愛三を土屋佑壱が演じる。「ほとんど本屋の一室を舞台に繰り広げるワンシチュエーションの話。魯迅は医学部出身なのに医者嫌いで、心肺機能も悪いし虫歯だらけなのに診察を受けようとしない。そんな彼に周りが翻弄される姿が可笑しく映るんじゃないかなと思います。また、それぞれのキャラクターにも裏話や生き様が見えてくる、非常に緻密にできた作品です」。激動の時代だからこそ、鮮明に浮かび上がる国を越えた人と人とのつながり。そこに「愛情の原点がある」と萬斎は語る。「恩と感謝みたいなものが、全体的に貫かれている気がします。愛ゆえに何かしてあげたいと思い、それに対して非常なる感謝を思う。その愛情は、国の思想や何かを超越するんだと思います。愛情が愛として巡りめぐって返ってくる感動もある。そんなことも描かれた気持ちのいい話だと思います」。公演は、2018年2月18日(日)から3月11日(日)まで東京・世田谷パブリックシアター、3月14日(水)・15日(木)兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール、3月18日(日)新潟市民芸術文化会館 劇場、3月23日(金)・24日(土)愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホールにて上演。東京・兵庫公演はチケット先行受付中、順次一般発売開始。
2017年11月17日ゴジラという破壊神を演じた野村萬斎が、『花戦さ』では平和神に。どちらにしても、神の奇跡を表現する奇跡の俳優だ。○破壊神から平和神へ野村萬斎というと“ゴジラの中の人”を思い浮かべる人も多いだろう。『シン・ゴジラ』(16年)があれだけヒットしたのだから無理はない。謎の巨大生物ゴジラを、神がかった表現力で重厚に見せた彼だが、実は彼の本質は、ゴジラとは正反対の、軽やかな明るさにある。現在、ヒット中の映画『花戦さ』は、そっちの野村萬斎らしい映画で、恐怖の破壊神から一転、明るい平和神のような人物を演じている。そのレンジの広さには感嘆するばかり。『花戦さ』は、戦国時代、暴君・豊臣秀吉に、“花”で対抗した奇特な男・池坊専好(初代)の物語だ。織田信長が死んで、天下統一に最も近づいた豊臣秀吉は、権力をふりかざし、気に入らない人物を無慈悲に殺していく。その犠牲者は女、子供にまで及んだ。そんな彼に、たったひとり、唯一無二の方法で対抗した男・池坊専好の闘い方を描いた小説が、TBSの日曜劇場『JIN-仁—』、NHK朝ドラ『ごちそうさん』、大河ドラマ『おんな城主 直虎』などの森下佳子の脚本によって映画化された。池坊専好(初代)とは、いまから555年前、京都で誕生した、いけばなの源流・池坊の当主。彼の武器は“花”。ペンは剣より強しという言葉があるが、専好は、花で剣に対抗した。いったいどうやって? 花で勝てるものなの? という興味が、映画の縦軸となっている。花のみならず、茶や絵画など豊かな文化が描かれ、文化的な生活への祈りに満ちた作品になった。専好は、どんな危機的状況にも明るく前向きに対処していくと言えば聞こえがいいが、物語のはじめは、このひと、大丈夫か? と一瞬心配になるくらい、その場からはみ出ている。最初はまだ少年時代というのもあるが、「はいッ」と野村萬斎が笑顔で返事すると、それまで深刻だった空気ががらりと変わる。そんな感じで、披露した生花に問題が発生、秀吉を怒らせて、あわや、お手打ちになりそうなピンチも、持ち前のユーモアで回避する専好。この出会いから、やがて、彼と秀吉は宿命の闘いをすることになる……。○”ありえなさ”に説得力を持たせる力いわゆる“型破り”な男を野村萬斎は強い説得力をもって演じている。何かと深刻な武士の世界で、腰を落してのしのしと歩く武士に対して、彼は宙を飛ぶように走る姿はアニメーションのよう。苦虫をかみつぶしたような表情をする武士たちに対して、破顔一笑という言葉がふさわしいような笑顔をふりまく。振り返ると、野村萬斎の明るさが全国的に注目されたのは、NHKの朝ドラ『あぐり』(97年)だった。もともと、狂言師として活躍していたが、舞台の世界を知る人は限られる。それが、作家・吉行淳之介、女優・吉行和子の母である吉行あぐりのエッセイをもとにした朝ドラで、ヒロイン(あぐり)の夫で、風変わりな人物・エイスケを演じると、たちまち人気は拡大した。実在の旦那さまは妻より先立つのだが、「殺さないで」という嘆願が殺到したというエピソードは有名だ。それほど、いつでもどこでも明るく、ルールにとらわれない開放的な人物像は魅力的だった。このときも、萬斎が出ると、画面が何割も明るく見えた。その後、安倍晴明の映画『陰陽師』(01年)も大ヒットし、舞台活動のみならず、映像の世界でも活躍していく。『シン・ゴジラ』の樋口真嗣監督の映画『のぼうの城』(12年)では、一見、でくのぼうに見えながら、農民にも別け隔てなく接し、城のピンチに奇想天外な作戦を考えつくユニークな武将を演じていた。野村萬斎の明るさの根源は、彼が狂言師であることだ。「狂言」とは庶民を主役にした喜劇だ。この「狂言」と対をなすのが「能」で、貴族や上流階級の者を主役にしたシリアスな演目。「狂言」と「能」を合わせて「能楽」と呼ぶ。萬斎によるゴジラの歩き方が、能楽の手法・すり足を使っていることは有名だが、さらに彼は、手のひらを上にあげた神がかった動きを考案し、『シン・ゴジラ』のゴジラの風格をあげた。狂言師として活動する一方、萬斎は、ギリシャ悲劇やシェイクスピアの悲劇に挑んでもいて、静と動、悲劇と喜劇などを人間の相反するものを、偏らず見つめ、体現してきた成果が、幽玄の世界に近いゴジラの動きにも生きたのだろうと思う。『花戦さ』では、狂言における軽やかさを生かしたと思われる萬斎だが、花をいけるシーンとなると、集中力がハンパなく、実に崇高に見える。喜劇であろうとシリアス劇であろうと、伝統芸能・狂言の担い手として幼少時から研鑽を積んだことが、その所作に現れるのだ。能楽は、戦国時代以前、室町時代から存在していて(その歴史は600年と言われる)、信長も秀吉もそれを愛した。だからなのか、野村萬斎は、『花戦さ』の時代と馴染む。それは歌舞伎俳優にも言えることで、秀吉役の市川猿之助との共演シーンは、不思議なほどしっくりする。能楽といけばなの歴史も近い。どちらも、先人の思いを長く大切に受け継ぎ育み続けることでは共通。その果てしない営みが、花で武力に挑むことも可能ではないかと思わせる。野村萬斎は、ありえないことを起こす力を、身をもって信じせてくれる、奇跡の男だ。■著者プロフィール木俣冬文筆業。『みんなの朝ドラ』(講談社現代新書)が発売中。ドラマ、映画、演劇などエンタメを中心に取材、執筆。著書『挑戦者たちトップアクターズ・ルポルタージュ』『ケイゾク、SPEC、カイドク』、構成した書籍に『庵野秀明のフタリシバイ』『堤っ』『蜷川幸雄の稽古場から』などがある。最近のテーマは朝ドラと京都のエンタメ。
2017年06月14日公開初日を迎えた映画『花戦さ』の舞台あいさつが3日、東京・丸の内TOEIで行われ、野村萬斎、市川猿之助、中井貴一、佐々木蔵之介、佐藤浩市、山内圭哉、和田正人、森川葵、吉田栄作、篠原哲雄監督が出席した。この日は、豊臣秀吉に立ち向かう主人公の花僧、初代・池坊専好を演じた野村萬斎をはじめとするキャスト陣と篠原監督が勢揃い。主演の野村は「本当に今日という日を迎えられて嬉しいです。じっくり観ていただきたい映画で、1つ1つのシーンも見どころだと思いますが、何度も観ていただけたらと思います」とあいさつ。その野村扮する専好と秀吉(市川猿之助)、織田信長(中井貴一)、千利休(佐藤浩市)、前田利家(佐々木蔵之介)が共演した冒頭のシーンについて野村は「ロイヤルストレートフラッシュという噂もありますけど(笑)」と笑わせつつ、「もちろん撮影中は緊迫感がありましたけど、みんな仲良くというか、大勢人が出るシーンは時間が掛かるので、和気あいあいとやりました。みんながわりと京都弁に慣れようと京都弁を話している時に無理やり参入しようか戸惑っていました」と振り返り、初めて織田信長を演じた中井は「このメンバーだから1日で終わったんでしょう。異種格闘技戦みたいな感じで頑張りました」とジャンルが違えど芸達者な5人の力で乗り切ったことを賞賛していた。日本の伝統文化において同じ心を通じ合わせた天才花僧の専好と天下の茶人・千利休を演じた野村と佐藤。MCから「演じて分かり合えたことは?」という質問に佐藤は「この人(野村)の前で文化芸能は語れないでしょう」と恐れ多い様子だったが、「改めてというよりも野村萬斎を間近で見られる面白さはすごく楽しめましたね。お客さんになれました」と刺激を受けた様子で、野村も「2度目の共演で、けったいな役が多いので受け止めていただける方がいるってことは幸せなことだと思います」と佐藤に感謝しきりだった。野村萬斎、市川猿之助、中井貴一、佐藤浩市といった狂言、歌舞伎、日本映画界を代表する俳優陣が共演を果たした本作。暴君と化した豊臣秀吉(市川猿之助)の圧政から町衆を守るため、真っ向から秀吉に挑んだ花僧、初代・池坊専好(野村萬斎)の大勝負を描く。
2017年06月04日今週末に公開を控えた映画『花戦さ』に主演する能楽師で俳優の野村萬斎が、5月29日(月)今夜放送の日本テレビ系バラエティ「しゃべくり007」に出演。「ネプチューン」「くりぃむしちゅー」「チュートリアル」らとトークや企画を繰り広げる。狂言の世界だけでなく映画、テレビなどで幅広い活躍を見せる野村さん。大河ドラマ「花の乱」の細川勝元役や映画『陰陽師』シリーズでの安倍晴明役、最近では『のぼうの城』での成田長親(のぼう)役などが印象深いなか、昨年公開された『シン・ゴジラ』ではゴジラのモーションアクターを担当。同作のゴジラの独特の動きやポーズを生み出したことも大きな話題となった。そんな野村さんが今回トークで狂言の型を紹介する。「月を見る」「笑い方」などからトークが広がり、狂言風に「タクシーを止める」など狂言の型を使った様々な表現を見せる野村さんに注目だ。また企画は「狂言か?真実か?野村萬斎のウワサ007」ということで野村さんにまつわる数々のウワサの真相に迫っていく。「女優に会いたいからドラマに出る」というウワサは果たして真実なのか!?また今回は野村さんのほか、話題の芸人・みやぞんもゲストで登場。「イッテQ!」で見せる驚異的な身体能力が話題のみやぞんの様々な特殊能力が紹介される。野村さんの主演最新作となる映画『花戦さ』は、豊臣秀吉の圧政に立ち向かった実在の花僧“池坊専好”の姿を描いた作品。16世紀後半、織田信長が本能寺で倒れたのち、天下人の座は豊臣秀吉へ引き継がれ、戦乱の時代が終わりを告げようとしていた。だが、秀吉の圧政は次第に人々を苦しめていく。そんな中、町衆の先頭に立ち、秀吉に真っ向から戦いを挑んだ僧がいた。その名を池坊専好。華道池坊の歴史に名を連る花僧たちの中、ひときわ名手の誉れ高い専好が、天下人に対して武器としたのは、刃ではなく、命ある花の美しさだった――。野村さんが信長、秀吉といった戦国武将と関わりを持ち、天下統一の茶の湯者・千利休とも親交があった京都の花僧・池坊専好を演じるほか、専好と対立することになる天下人・豊臣秀吉役に市川猿之助、茶人・千利休役に佐藤浩市、織田信長役に中井貴一、前田利家役に佐々木蔵之介、吉右衛門役に高橋克実、れん役に森川葵、そのほか山内圭哉、和田正人、吉田栄作らが出演。また竹下景子が専好の良き相談相手として頼りにする尼・浄椿尼役を演じる。『花戦さ』は6月3日(土)より全国にて公開。「しゃべくり007」は5月29日(月)22時~日本テレビ系で放送。(笠緒)■関連作品:花戦さ 2017年6月3日より全国にて公開(C) 2017「花戦さ」製作委員会
2017年05月29日野村萬斎、市川猿之助、中井貴一ら「狂言×歌舞伎×日本映画界」のトップが競演する映画『花戦さ』。この度、来月6月3日(土)に公開を控えた本作から、豪華俳優陣が顔を揃え、演技合戦を繰り広げたシーンのメイキング映像が到着した。16世紀後半、織田信長が本能寺で倒れたのち、天下人の座は豊臣秀吉へ引き継がれ、戦乱の時代が終わりを告げようとしていた。だが、秀吉の圧政は次第に人々を苦しめていく。そんな中、町衆の先頭に立ち、秀吉に真っ向から戦いを挑んだ僧がいた。その名を池坊専好。華道池坊の歴史に名を連る花僧たちの中、ひときわ名手の誉れ高い専好が、天下人に対して武器としたのは、刃ではなく、命ある花の美しさだった――。本作は、信長、秀吉といった戦国武将と関わりを持ち、天下統一の茶の湯者・千利休とも親交があった、池坊専好という実在した京都の花僧の物語。そんな池坊専好役を務めるのは、狂言師・萬斎さん。ほかにも、専好と対立することになる天下人・秀吉役を猿之助さん、茶人・千利休役を佐藤浩市、信長役を中井さん、前田利家役を佐々木蔵之介、吉右衛門役を高橋克実、れん役を森川葵が演じ、戦国時代、時の天下人である秀吉に専好が単身立ち向かう姿を痛快に描いていく。そしてこのほど公開されたメイキング映像では、まず織田信長に所望され、池坊専好が自ら花を披露するシーンの撮影現場に入る猿之助さんらが映し出される。巨大な松のいけばな「大砂物・昇り龍の松」を吟味する信長に対峙する専好、庭先に豊臣秀吉、千利休、前田利家が控えており、その緊迫したシーンを中心に映像が構成されている。東映京都撮影所に組まれた岐阜城の大広間セットで繰り広げられた芝居は、名優たちの共演といった生易しいものではなく、ジャンルを越えて表現者たちがぶつかり合う、演技の熱量はすさまじい。「さすがは上様でございますな。お見事でございます」と笑う若かりし秀吉や、「何故、このような松を?」という信長の問いかけに天真爛漫に「て、て、天に向かって、その、グワワワーっと…」と答える専好さながらに、セリフをシャドーアクティングと称して練習する萬斎さん。また、「武人たる者、茶と花を、人の心を大事にせよ」と武人道を説く信長が、「猿!」と秀吉に呼びかけるも印象的。さらにほかにも、権力者となった秀吉と利休が茶室で激しくも静かに繰り広げた「合戦」と呼ぶにふさわしい、のちの悲劇を暗示させるシーンなども織り込まれている。『花戦さ』は6月3日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:花戦さ 2017年6月3日より全国にて公開(C) 2017「花戦さ」製作委員会
2017年05月23日今夏、世田谷パブリッシアター開場20周年記念公演として上演される『子午線の祀り』。1979年初演の、木下順二による不朽の名作に、同劇場芸術監督の野村萬斎が満を持して演出に挑む。舞台『子午線の祀り』チケット情報「『子午線の祀り』は、いわば僕の演劇の原体験なんです」と萬斎は語る。父(野村万作)が初演から出演していたこともあり、1979年の初演時から折あるごとに観劇していたと言う。そして1999年、32歳で平知盛役に初めて抜擢され、2004年の再演にも出演した。「古典的な『平家物語』の世界と現代劇との融合、歌舞伎や新劇など色んな出自の方々が己のスタイルをぶつけあって最終的にひとつの作品をつくりあげる、今の僕のすべての精神は『子午線の祀り』から始まったと言っても過言ではありません」萬斎にとって今作を演出するのは初めて。「今回の新しい演出の重要なテーマは“レクイエム”です。作品を通じて、観客は歴史や宇宙の運行という自分ではコントロールできない大きな世界と出会い、人はただ生かされているということを知る。それはひとつの“弔い”の儀式と言えるのではないかと思うんです。生も死も、等しく肯定せざるを得ない」主人公の知盛は13年ぶりに演じる。「クライマックスでの知盛の“見るべき程の事は見つ”という台詞は死が見えていない人には言えないものです。年齢を重ねた今なら、より真に迫って言えると思う。抗えない老化もひとつの無常ですから。諦念を持ちながらも、自分の生を全うしたという思いを持たないと、この台詞に真実味を持たせるのは難しい」。共演は、近年活躍目覚しい成河をはじめ、前進座の河原崎國太郎、実力派俳優の今井朋彦、村田雄浩、若村麻由美らが名を連ねる。「今回成河君にお願いする義経は、私の父や歌舞伎俳優の市川右近さんなどが演じてきた、古典的様式美が必要とされる役でした。でも今回は様式性よりも(萬斎がモーション・アクターを務めた)『シン・ゴジラ』ならぬ“シン・義経”にしたかった(笑)。成河君は身体にキレがあるし声も高くてよく響く。新しい義経像を作っていただけると期待しております」最後に、世田谷パブリックシアター20周年に寄せて、自身の芸術観を語ってくれた。「現代のアートは、ほとんどの作家が一代限りですよね。古典芸能は後継者に自分のDNAを入れこみ、無形文化財という伝統の厚みをつくる。芸術監督たるもの、パブリックに文化を担っている意識で、狂言が滅びないようにするのと同じように、現代演劇の天才たちのつくる演劇文化を残していきたいです」東京公演は7月1日(土)から23日(日)まで。世田谷パブリックシアターにて。なお、チケットぴあでは5月1日(月)よりインターネット先行申込みの受付けを開始する。チケットは5月14日(日)一般発売。取材・文:落 雅季子
2017年05月01日池坊専好役の野村萬斎をはじめ、市川猿之助、中井貴一、佐々木蔵之介、佐藤浩市ら「狂言×歌舞伎×日本映画界」のトップが集結する映画『花戦さ』。この度、本作の本予告とポスタービジュアルが解禁され、前売り鑑賞券も4月1日(土)より販売されることも決定した。16世紀後半、織田信長が本能寺で倒れたのち、天下人の座は豊臣秀吉へ引き継がれ、戦乱の時代が終わりを告げようとしていた。だが、秀吉の圧政は次第に人々を苦しめていく。そんな中町衆の先頭に立ち、秀吉に真っ向から戦いを挑んだ僧がいた。その名を池坊専好。華道池坊の歴史に名を連ねる花僧たちの中、ひときわ名手の誉れ高い専好が、天下人に対して武器としたのは、刃ではなく命ある花の美しさだった――。本作は、信長、秀吉といった戦国武将と関わりを持ち、天下統一の茶の湯者・千利休とも親交があった、池坊専好という実在した京都の花僧の物語。花を生けることで戦乱に生きる人々の心を救う花僧・池坊専好役に萬斎さん、専好と対立することになる天下人・秀吉役に猿之助さん、茶人・千利休役を佐藤さん、信長役を中井さん、前田利家役を佐々木さん、吉右衛門役を高橋克実、れん役を森川葵が扮し、戦国時代、時の天下人である秀吉に、専好が単身立ち向かう姿を痛快に描いていく。このほど公開された予告編では、時の権力者・秀吉の離宮を自害へと追いやることになる鬼気迫る怒りの表情や、信長の君主として凛とした佇まい、利家の専好に対する穏やかな表情、そして利休の包容力溢れる人柄が一目で分かる映像に。また、豪華メンバーが一同に会することになる映画冒頭、岐阜城の大広間のシーンで、10人がかりで14日間かけて作り上げた、松を昇り龍に見立てた幅4m55cm巨大な松のいけばなも登場。信長をして「見事なり」と言わしめ、専好の花の名手たる所以を一目で伝える迫力。しかし一転、「利休の話をするな」と怒り、驕り高ぶる秀吉も映し出され、「仏なんか どこにおるんや?」と涙する専好が「花をもって世を正そうぞ」と思いを込め、一世一代の「戦さ」へ突き進む姿が描かれている。さらに同時に解禁されたポスタービジュアルでは、「秀吉ギャフン」というコピーとともに、菖蒲の花を手に一世一代の大勝負に挑む専好をはじめ、生き生きした表情の登場人物たちが集結する、華やかな一枚となっている。『花戦さ』は6月3日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:花戦さ 2017年6月3日より全国にて公開(C) 2017「花戦さ」製作委員会
2017年03月17日