虐待のある家庭で育った夫と過去の記憶と向き合う決心をしたものの、過去に虐待していた義父や認知症を患う義母との関わり方などさまざまな葛藤を抱えていたときのお話。待望の子どもが生まれ、日常的に虐待がある環境で育った夫とこれから幸せな時間を築いていきたいと願うものの、過去に虐待していた義父に子どもを触れられることに嫌悪感を抱いてしまうチャト子さん。過去の過ちを悔いていることを祈るものの……!? 過去の過ちを悔い改めていてほしい… 「過去に虐待をしていた義父にわが子を触れられたくない……」という気持ちと、「過去の過ちを悔いているかもしれない」という気持ちの狭間で揺れ動くチャト子さん。そんなとき、夫から「もっと子どもに会わせてやったら?」と提案されます。 思うことは多々あるものの、高齢の義父母を想い、自分から歩み寄る努力をしようと決心。しかし、「本当の家族のように……」という義父の言葉に、つい本音が漏れそうになって……。 みなさんなら、どのように折り合いをつけたらいいと思いますか? 著者:マンガ家・イラストレーター チャト子2人の子どもを育てるアラフォー主婦。元フリーデザイナー・飲食店経営(火災に遭い休業)。リアルでは人に話せないような実体験などを漫画のネタにして昇華しています。
2022年10月18日園長先生から「虐待疑惑の通報があった」と言われたゆうこ。「何かの間違いです!」と否定すると、園長先生は「わかってますよ」と理解してくれました。話が終わり部屋から出ると、そこにはママ友軍団が待ち構えていて……。ボスママまさえを始めとしたママ友軍団に囲まれたゆうこ。「心配したんだよ。一体どうしたの? 何かあった?」と矢継ぎ早に質問され、正直に答えるか迷った末……。変に勘繰られるのも嫌だし、仕方ないか… 「他の人には言わないでね。実は誤解で虐待通報されて……」 ボスママ・まさえさんは「災難だったね。そのご近所さんも暇なのねえ」と言ってくれましたが、ゆうこは「気を付けるよ」としか言えませんでした。 なぜなら……まさえさんたちのことを人として信用できないから。娘のために一緒にいるだけ。 「信頼できる友だちなら、素直に相談できたのかな?」 ママ友たちとの関係に疲れ切ってしまったゆうこ。次のクラス替えでは、先生に相談してママ友軍団の子どもたちと同じクラスにならないよう相談したほうがいい? と頭によぎります。 でも娘は、年中になってもまさえさんの娘、さつきちゃんと一緒のクラスがいいと言っている……。 「私……バカだ」「親の都合で子どもの世界を壊そうとするなんて……」 思い直したゆうこは、子どもの世界を壊さないためにも、なるべくママ友たちに深入りしないで付き合っていくしかないと決意します。 それから数日後、ボスママ・まさえさん宅にて持ち寄りランチ会をすることに。 「もう少しでクラス替えだわね。またみんなで同じクラスだといいね」「もしクラスが違っても今まで通り付き合いしようよ。子ども同士も仲良いしさ」 ゆうこは表面では同調しつつも「それはイヤだ! 早く別のクラスになって距離置きたいよ……」と思ってしまいます。 それなりに和やかに進んでいたランチ会ですが、超絶空気の読めないさえちゃんが微妙な発言をしてしまい、ボスママ・まさえさんの口撃が始まってしまいました。 「ゆりちゃん(さえちゃんの娘)の意地悪落ち着いてよかったね。もうほかの子の持ち物隠したりしてないんでしょ?」 まさえさんは過去の言われたくない事件を持ち出します。 気まずくなったさえちゃんが席を外した途端、その事件を知らなかったとし子さんに詳細を話すまさえさん。 ただでさえ気の進まなかったランチが、もっと楽しくないものになってしまったのです。 ママ友関係はあくまで大人の事情であり、子どもたちの世界を優先するためにも我慢するべき? と悩むことは多いかもしれません。皆さんだったら、どう対応しますか? 著者:マンガ家・イラストレーター 原黒ゆうこ
2022年05月07日祖母との日常を、TikTokに投稿している、孫のotacraftさん。祖母は、祖父にちょっとしたドッキリをしかけました。サンタクロースの姿に身を包んだ祖母を見て、祖父は…。@otacraft おじーにドッキリしてみた #ドッキリ #クリスマス #tiktokクリスマス2021 ♬ オリジナル楽曲 - 南の島のおばーと孫祖母に対し、「誰がかわいいことをしているの?」と、照れつつも嬉しそうな反応を見せた祖父。祖父の反応を見るやいなや、祖母も「リンリンそりの鈴の音が」などと陽気に歌い出したのです!大好きな祖母の姿を見て喜ぶ祖父と、愛する祖父のために歌う祖母。2人の仲むつまじい様子が伝わってきますね。【ネットの声】・「かわいい」とちゃんといえる関係が素敵で、なんだか泣けてくる。・若い頃から、お茶目な彼女と照れ屋で優しい彼氏だったんだろうな。・おじいちゃんの照れっぷりにキュンとした。若い頃から、長年寄り添ってきた祖母と祖父。2人には、クリスマスイブの季節など関係なく、今後も愛を確かめ合っていくことでしょう!投稿主さんは、YouTubeでも祖母の日常を投稿しています。かわいい様子にもっと癒されたい人は、見てはいかがでしょうか。南の島のおばーと孫[文・構成/grape編集部]
2021年12月27日「すごく急で言い難いことですが、私は幼少期から父から虐待を受けていました」12月6日、YouTube上の動画でこう告白したのは、チャンネル登録者数34万人を誇る人気YouTuber「お料理の高校生」のねる(16)。サブチャンネルで行ったその衝撃的な告白内容が物議を醸しているのだ。「ねるさんは昨年11月から『お料理の中学生』として、YouTubeチャンネルを開設。父子家庭で育つねるさんが家族のために作る料理動画は、たちまち人気コンテンツに。高校生になってからもYouTuber活動を続けていたねるさんですが、今年9月ごろから突如としてSNSや動画の更新をストップ。10月23日にアップした動画では、『お金や数字に目を眩ませた大人たちが寄ってたかって全てをぐちゃぐちゃにして何処かへ去って行ってしまいました』と打ち明けていました」(ITジャーナリスト)現在、メインチャンネルの動画はほぼ削除され、Twitterやインスタグラムのアカウントも非公開となっている。すでに心配の声が寄せられていたなかで、冒頭のように父からの虐待をカミングアウトしたねる。本動画では“仲の良い父子家庭”を演じていたことを謝罪するとともに、父から虐待を受けた経緯について次のように語っている。「今回YouTubeを始めて収益化ができるようになり、父と喧嘩・口論になることがものすごく多くなりました。再生数が伸びていないことを理由にバスタオルを口に詰められ殴られ蹴られました」父からの暴力はさらに続いたといい、「踏ん張りもがいて、喉の奥から『やめて』と叫び、『ごめんなさい』と言い続けましたが、止まることはなく、それは長時間にわたって続きました」と告白。そして、ねるは次のように視聴者に問いかけている。「自分のどこが悪かったのか、パパを怒らせないために何かできることはなかったのか。考えても考えても私にはわかりません。バスタオルを口の中に詰めて殴ることは、普通のことなのでしょうか?私は普通がわからないので、それを教えてください」「ねるさんは『YouTubeを辞めたい』と父に伝えたそうですが、納得してもらえなかったそうです。耐えられず児童相談所にも相談したというねるさんは、現在は家を出て2カ月が経つことも明かしていました」(前出・ITジャーナリスト)概要欄には、《今は、何が正解かわからず、ただただ苦しくて怖くて、でも前に進まなければいけない状況です。耐えて耐えて頑張ります》と綴ったねる。あまりにも衝撃的な告白に《え、あんなに仲良さそうだったのに?》《物凄くショッキング》との声が上がる一方で、彼女の安全な暮らしを願う声が広がっている。《ひとまずは最悪な環境から逃げ出せて本当によかった。当面の生活のこととか不安はあるだろうけど、ねるちゃんが安心して生きていけることを願います》《無事で良かった。これに尽きる。安全に生活を送れますように》《ほんとの話なら、通報しなきゃいけないんだが。とにかく身の安全優先で気を付けてください》
2021年12月09日米フロリダ州デュバル郡で、優れた教師に贈られる「ティーチャー・オブ・ザ・イヤー」に選出された教師が、受賞した2日後に児童虐待の容疑で逮捕されたと、地元メディアのThe Florida Times-Unionなどが報じている。逮捕されたダーネル=クックマン・ミドル/ハイスクールの英語教師キャロライン・メラニー・リー(60)は、女子生徒を呼び出し、顔を殴った児童虐待の罪に問われているという。事件の発端は、デュバル郡の公立学校区(DCPS)が、Instagramにリーの「ティーチャー・オブ・ザ・イヤー」受賞を祝福するメッセージを投稿したことだと、The Florida Times-Unionは伝えている。この投稿は現在削除されているが、生徒からと見られるコメントが相次いで書き込まれていたとされる。The Florida Times-Unionによれば、投稿には彼女への賛辞ではなく、リーは授業中に「N」ワード(黒人に対する差別用語)を使っていたことや、彼女の言葉の端々にマイクロアグレッション(無意識の偏見や差別)が感じられたと指摘するコメントが書き込まれていたという。リーに殴られた被害者の女子生徒は、投稿にコメントした生徒の一人だったと、地元テレビ局のWKMGは報じている。リーに「話を聞きたい」と言われ、教室に呼び出された女子生徒は、彼女から複数回顔を殴られ、鼻から出血。校内に設置された防犯カメラ映像には、かなり怒った様子で歩くリーが教室に入り、その約4分後に女子生徒が顔を押さえながら教室から出てくる様子が収められていたのだ。前出のWKMGは、デュバル郡公立学校区の責任者ダイアナ・グリーンが「今回のような疑惑は、教育の現場では特にあってはならないものです。信頼されるべき立場にありながら子どもに危害を加える大人を、私は決して容赦しません」と強い言葉で発表した声明を紹介している。
2021年11月01日猫を飼っていると、いたずらをされたことはないでしょうか。希奈(kokosuke25)さんが飼っている猫は、飼い主の弟に、あるいたずらを仕掛けました。最初から最後までかわいすぎる様子が、こちらです。@kokosuke25弟の携帯をお風呂場から盗んできました##猫 ##猫のいる生活 ##ねこがいる生活 ##猫好きさんと繋がりたい ##ネコ ##猫可愛い ##愛猫 ##ココ♬ オリジナル楽曲 - な - 希奈お魚くわえた猫ならぬ、携帯くわえた猫…!スマートフォンが入った袋を、懸命に引きずっています。最後、スマートフォンの所有者である弟さんがいないか、チラ見をするという入念さも見せました。「いないかニャ…?」と思っていそうなその視線にも、キュンとしてしまうでしょう。猫の様子に、「賢すぎます!」「こんな動き初めて見ました。スマートフォンが憎いのでしょうか…」と、多くの人がハートを撃ち抜かれた様子。弟さんが構ってくれないため、スマートフォンをくわえていた…そう考えると、猫の嫉妬心も感じますね![文・構成/grape編集部]
2021年10月18日2021年9月、アメリカのフロリダ州の路上でゴミを食べていた子犬が、通りかかった親切な人によって保護されました。動物保護施設に連れて来られた時、子犬の首には鎖がきつく巻き付けられていて、食い込んだ鎖によってひどい傷を負っていたのです。メスの子犬は生後3か月ほどで、『セージ』と名付けられました。※見た人が不快に感じるおそれがある画像(傷口など)が含まれています。画像は左右にスライドしてご確認ください。 View this post on Instagram A post shared by Humane Society of Tampa Bay (@humanesocietytampabay) 施設では、すぐにセージの鎖を外すための手術を行いました。セージはとても人懐っこくて、ひどい痛みに耐えているはずにもかかわらず、診察台の上で医師たちにしっぽを振っていたといいます。手術は無事に終わり、セージのケガは順調に回復。保護されてから数日後には、里親の募集が始まりました。 View this post on Instagram A post shared by Humane Society of Tampa Bay (@humanesocietytampabay) 施設のInstagramに、セージについての投稿が載せられたことで、里親希望者が続々と寄せられたのだそう。その中で厳しい審査を経て、セージの里親になったのは、犬好きで知られる映画俳優のデイヴ・バウティスタ!2匹の元保護犬と暮らしているデイヴは、セージのことを知って心を痛め、里親になりたいと申し出たのです。こうしてセージは『ペニー』という新しい名前をもらい、ハリウッドスターの家族の一員になりました。 View this post on Instagram A post shared by Super Duper Fly (@davebautista) デイヴは、Instagramに投稿した動画でペニーを腕に抱いて、こう語っています。ペニーはバウティスタ家の一員になった。これからの一生のうち、再び虐待されることは絶対にない。もうすぐペニーは、最高の子犬ライフを過ごすことになるんだ。davebautistaーより引用(和訳) View this post on Instagram A post shared by Super Duper Fly (@davebautista) また、デイヴはペニーを虐待した人物の逮捕につながる有力な情報を提供した人に5千ドル(約55万円)を出すことを約束。この件については、すでにペニーを最初に保護した施設が1500ドル(約16万円)を出すことを表明しており、容疑者の特定が急がれています。デイヴがペニーの里親に決まったことを知らせる投稿には「これ以上パーフェクトな家族はいないでしょ」「嬉しくて涙が出た」「ペニーの最高のドッグライフが始まるね」など祝福の声が殺到しています。心ない人によって、つらい経験をしてしまったペニー。これからはデイヴの家族として、たくさんの愛情を受けながら幸せな毎日が送れることでしょう![文・構成/grape編集部]
2021年10月04日中山優馬が主演、児童虐待から“いちはやく”子どもを助けることができるよう設けられた児童相談所虐待対応ダイヤルをタイトルにした映画『189(イチハチキュウ)』。この度、その公開日が12月3日(金)に決定し、予告編・ポスターが解禁された。解禁となる予告編では、児童相談所虐待対応ダイヤル“189(いちはやく)”の解説から、不条理な暴力にさらされる子どもたちの現状とともに「パパにたたかれたのはうそです」「ぜんぶじぶんでやりました。」「ごめんなさい。」という、少女のセリフが続く。虐待を受けている少女・増田星羅(太田結乃)の泣き顔と、彼女の心の痛みを代弁するかのように怒りを爆発させた児童福祉司・大河(中山優馬)の「子供に寄り添う心すらないやつが子供の命を預かるな!」と熱くまっすぐなセリフが飛び出し、「どんなことがあっても必ず守るよ」と強い決意を秘め約束するセリフが切り取られた。5年振り2度目となる映画主演・中山さんの熱演とともに、名匠・加門幾生監督の元にダイヤル“189”を広めたいと集まったキャスト陣の熱量が感じ取れる予告編となっている。併せて解禁となったポスターには、「“いちはやく”救い出すために――」のコピーとともに、現実を突きつけられたかのような面持ちの中山さんが写し出され、実在事件から着想を得て、現実から目を背けずに映像化した本作で小さな命へと手を差し伸べる希望を込めたものに。また、主題歌は、声優としての活躍のみならず、TVアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」Aqoursのメンバーとしても活動し、9月29日に1st Single「ハネムーン」をリリースしたばかりの降幡愛が歌う「東から西へ」(Purple One Star)。予告編にて、その優しい歌声が一部解禁されている。挿入歌は、増田典子役を演じる灯敦生の「指先のミライ」。本作のために書き下ろされた楽曲となり、近日、監督に俳優・須賀健太を迎えたミュージックビデオが公開予定となっている。『189(イチハチキュウ)』は12月3日(金)よりグランドシネマサンシャイン池袋、イオンシネマほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:189 2021年冬、イオンシネマほか全国にて公開予定©映画「189」製作委員会 ヴァンズピクチャーズ
2021年09月30日『子ども虐待防止のためのCBT(認知行動療法)』講師大河内美和先生(headspace:オーストラリアの青少年向けメンタルヘルスサービス)大河内美和先生は、クイーンズランド州政府保健局で勤務された経験がおありで、世界25ヵ国で導入されWHOでも効果が認定されているTriple P(前向き子育てプログラム)の認定トレーナーとしてご活躍をされていました。日時、場所日時:2021年10月16日 (土)場所:オンライン※当日、オーストラリアからZOOMにてオンラインセミナーを行います。内容・ オーストラリアにおける子どものメンタルヘルスや虐待防止に関わる事情・子ども虐待防止に効果のあるCBTプログラム・オーストラリアで、エビデンスのあるCBTプログラムをどう実施しているか(システム)・個別のセラピーで子ども虐待に関する問題をどう展開するか・通常のCBTで対応できる子ども虐待の防止の仕方認知行動療法は、子どもの心理的支援に関わる専門職としては、知っておくべき知識・技法となり、子ども虐待防止の技法としても注目されています。などの内容を、このオンラインセミナーでは含んでおります。資料はこちらのサイトで、後日1000円(チケット代と別料金)で販売しております。必要な方だけ、ご購入ください。 チケット購入はこちらから : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2021年09月11日米インディアナ州カーメルで8月2日、ベビーシッターとして働くステファニー・L・ブラッドショー(47)が10代の少年に対する性的虐待で逮捕されたと、地元ニュースサイト・CURRENTなどが報じた。少年は発語がなく、自閉症の診断を受けていた。両親はシッターに少年を預けている時、家の複数箇所に設置した防犯カメラを作動させていたとCURRENTは伝えている。両親が当初警察に提出したカメラの映像には、ブラッドショーが少年を寝かしつける時にズボンを脱ぐ様子が収められていた。しかし、脱いだ直後にカメラの存在に気付いたブラッドショーは、自分たちが映らないようにカメラの向きを変えていたという。警察が過去の映像を遡って調べると、ブラッドショーと少年が性行為に及んでいる映像が見つかり、ブラッドショーは1件のレイプ、2件の性的虐待で逮捕、起訴された。地元テレビ局WISHが報じた裁判資料には、「ブラッドショーは、被害者の少年が性的な出会いを求めていたなどと供述した」と記載されていた。またブラッドショーは、「被害者の少年に性的な感情を抱いていたわけではないが、少年に性的な出会いを経験させたかった」と供述していたという。
2021年08月06日ブラジルで、虐待されている動物などを救う活動をしているマテウス・ライオラさん。彼は野良犬や飼い主がいない動物だけでなく、適切に世話をされていないペットたちを保護し、その活動の様子をSNSでシェアしています。1年中鎖につながれたままの犬が…マテウスさんは、「家の敷地内にいつも鎖でつながれている犬がいる」という情報を入手しました。その犬は屋外で鎖につながれたまま、寒い日も、暑い日も、雨の日も、晴れの日も、その場所で過ごしていたのです。彼は、その犬を助け出すことにします。家に着くと、住人が留守だったため、門のカギを壊して中に入りました。いきなり見知らぬ人が入って来たことで怖がらないように、慎重に犬に近付くマテウスさん。すると彼を見た犬は…感動の救出の瞬間をご覧ください。@delegado.matheuslaiolaVEJA O DESESPERO DESTA RESGATADA QUANDO ME VIU. Vida nova para ela ##fy ##fyp ##tiktok ##tiktokbrasil ##parana♬ som original - Matheus Laiolaマテウスさんを見るなり、大興奮で飛びつく犬。しっぽをブンブン振って、まるで大好きな人にやっと会えたかのような喜びぶりです。この犬は彼が自分を助けに来てくれたことが分かったのでしょう。そして犬は、彼らが鎖を切ろうとすると「早く!早く!その鎖を切って!」というように見つめていました。この動画にはTikTokだけで66万件を超える『いいね』が集まり、たくさんのコメントが寄せられています。・この犬の喜び方を見て涙が出た。・犬たちは、そこに愛があるかどうかで、いい人かどうかを判断しているよね。・このかわいそうな子を助け出してくれてありがとう。この犬の飼い主は動物を虐待したとして、調査が行われているということ。ウェブメディア『The Dodo』によると、助け出された犬は動物病院で診察を受けた後、まもなく新しい里親が決まったそうです。たとえ食事だけは与えていても、ずっと鎖につながれたまま自由に歩き回ることもできず、雨が降っても家に入れてもらえないなんて、犬にとって幸せであるはずがありません。新しい家族ができた犬が、これからは好きなだけ走り回り、たっぷりの愛情をもらって過ごせるといいですね。[文・構成/grape編集部]
2021年07月09日■前回のあらすじ叱られて育った妻と叱られずに育った夫。生育環境の違いやその後の人生経験から、夫婦の価値観はすれ違うことに。■ママ仲間が語る子育ての“ヤバイ話”■ついに子どもを叩いてしまい…■私って虐待してるの? 『子どもを叱りつける親は失格ですか?』 アベナオミ著 小川大介(監修)(KADOKAWA)1,200円(税抜) \ この後どうなる!? /書籍「子どもを叱りつける親は失格ですか?」はこちら 子どもを大切に思っているのに自分の気持ちをコントロールできず、さらに叱った自分を責めて落ち込む日々を過ごすママ・パパのためのコミックエッセイ。読んですぐに実践し、親子で変われるヒントが満載です!
2021年06月30日2016年8月、ブラジルに住むシルビア・レイッサさんは、1匹のメスのハスキーと出会いました。名前はマヤ。マヤは悪質なブリーダーのもとで繰り返し出産をさせられた後、瀕死の状態で放置されていたのです。海外メディア『Bored Panda』によると、健康状態の悪化で子供が産めなくなったマヤを、ブリーダーは毒殺するつもりだったといいます。その情報を聞いたシルビアさんはブリーダーに連絡を取り、マヤを引き取りに行きました。すると、そこには目を覆いたくなるほど痛々しい姿のマヤが横たわっていたのだそう。マヤは歩くことができず、飢えから自分の尿を飲み、フンを食べていたのだとか。その姿を見たシルビアさんは、「私がこの犬に新しい一生をスタートさせてあげる」と心に決めたのです。生きる希望を持ち続けたハスキー保護された時のマヤはガリガリにやせ細り、暴力を受けていたせいで後ろ脚はマヒしていました。また重度の貧血で、腎臓と肝臓にも問題がありました。シルビアさんは最初の48時間、付きっきりでマヤの看病をしたのだそう。彼女はマヤの健康状態の悪さから、「マヤが力尽きてしまうかもしれない」と、怖くてそばを離れられなかったのです。しかしそんな心配は不要でした。マヤは決して生きることを諦めず、少しずつ回復していったのです。 この投稿をInstagramで見る Maya & Família (@maya_especial)がシェアした投稿 生まれてからずっと、一度も愛されたことがなかったマヤは、シルビアさんに対して少しおどおどしていたのだそう。しかし1年半かけて体と心の健康を取り戻した後は、車いすで歩けるほどに回復。2021年現在は、ほかの犬たちに負けない速さで車いすで全力疾走できるほど元気になりました。※動画には見た人が不快に感じるおそれがある画像(傷口など)が含まれています。ご注意ください。 この投稿をInstagramで見る Maya & Família (@maya_especial)がシェアした投稿 この投稿をInstagramで見る Maya & Família (@maya_especial)がシェアした投稿 この投稿をInstagramで見る Maya & Família (@maya_especial)がシェアした投稿 シルビアさんは「マヤは私の人生を変えてくれました。愛に癒せない傷はないのです!」と語っています。人間によって生死をさまようほどつらい経験をしたにもかかわらず、シルビアさんに出会って、人を信じる勇気を見せてくれたマヤ。彼女が奇跡的に回復したのは、「この犬を幸せにしたい」というシルビアさんの祈りが通じたからかもしれません。シルビアさんとマヤの、愛と喜びにあふれた生活が1日でも長く続いていくといいですね。[文・構成/grape編集部]
2021年05月24日女優のエヴァン・レイチェル・ウッド(33)が、元婚約者でミュージシャンのマリリン・マンソン(52)から激しい虐待を受けていたことをInstagramで告白した。「私を虐待していた人間の名はブライアン・ワーナー。マリリン・マンソンとして知られています。彼は私が10代の頃から調教を始め、その後何年にもわたり恐ろしい虐待を加えてきました。私は洗脳され、服従するよう操られていたのです」ウッドは19歳だった’07年から、当時38歳のマンソンと交際をスタート。‘10年に婚約を発表したが、後日破局している。交際期間中、ウッドは髪の毛を黒く染めたり、メイクやファッションがゴシック寄りになったりとマンソンの影響を色濃く受けていた。それも、全てマンソンによる洗脳によるものだったのだ。告白はこう続く。「報復や誹謗中傷、脅迫を恐れて生きるのはもう終わりにします。私は、彼がこれ以上、他の人の人生を台無しにする前にこの男の危険性を暴き、この男に可能性を与えてきた数多の産業に目を覚ましてもらうためにここにいます。今後、沈黙を破るであろうたくさんの犠牲者の皆さんと共に、私はいます」2016年、ウッドは『Rolling Stone』誌のインタビューで、レイプやDVのサバイバーであることを明かし、これらの問題に焦点をあてた活動を続けてきた。’19年には、DVの時効を3年から5年に延長する法案を作成、カリフォルニア州のギャヴィン・ニューサム知事がこれに署名し、昨年1月に施行された。これまで、ウッドの加害者がマンソンであることは誰もが予想していたが、彼女は一貫して名前は伏せてきた。今回、彼女自身が勇気を持ってその名を告発したことで、音楽業界には激震が走っている。マンソンのアルバム3作を作ってきたレコード会社Loma Vista Recordingsが契約の打ち切りを発表したのだ。「エヴァン・レイチェル・ウッドと複数の女性によるマリリン・マンソンが虐待者であるとする告発を受け、Loma Vistaはマンソンの現行アルバムのプロモーションを中止します。我々は今後、マリリン・マンソンとの一切のプロジェクトから撤退します」同社のWebサイトから、マンソンの名は既に抹消されている。
2021年02月02日親などからの子どもに対する虐待に関して児童相談所が対応した件数は、2020年1月からの半年間で過去最多のペースとなっています(厚生労働省調べ)。虐待は、子どもを愛せず、憎く思っている家庭にだけ起こるものではありません。なぜ、虐待は起こってしまうのでしょうか。 虐待をしてしまう原因虐待をしてしまう原因としては主に3つに分けられます。 ・自分のイライラや不満を子どもにぶつけてしまう・子どもに対してよかれと思ってやっている・子どもに対して、全くの無関心である もう少し詳しくみていきましょう 自分のイライラや不満をぶつけてしまう場合・親自身が過去に虐待を受けていた・親自身が夫からDVを受けている・親しい友人や親戚がおらず、孤立した生活を送っており、頼れる人がいない・子どもに心理的に依存している(兄弟の世話を任ているなど)・望まない妊娠や育てにくい子どものため、子どもに対して回避感情がある・生活に多くのストレスがあるといったことが考えられます。 子どもに対してよかれと思っている場合・しつけをするために厳しい体罰を与えることが当然であると考えている・親の考える方法が最適だと思っているため、子どもが思う通りに対応しないことに納得がいかない(教育虐待など)などが考えられます。 子どもに対して全くの無関心の理由・望まない子どもである・育てにくいため、子どもに対して回避感情があるなどが考えられます。 虐待はなぜ恐ろしいのか?このように、そもそも、虐待をしようと思って子どもに対し虐待をおこなう親はあまりいません。イライラした自分の気持ちを結果的に子どもにぶつけていたり、よかれと思ってやっているしまったりしていることさえあるのです。 虐待の難しさは、自身が「虐待をしている」という認識がないまま、虐待がエスカレートし、止められないところまでいってしまう可能性があるところです。子どもが虐待で疲弊してしまうだけでなく、親自身の心身もまた疲弊し、最悪親子どちらか、または親子一緒に「死」にいたってしまうこともあります。 虐待を止めるには2020年1月からの半年間で虐待が過去最多のペースとなっていますが、新型コロナウイルスの緊急事態宣言が出されていた5月は、昨年より減少しているという結果がでています。「学校などからの情報提供が減り、潜在化した可能性がある」との専門家による指摘もあるようです。 つまり、虐待を止めるためには、なるべく早く第三者が気づくことが重要となります。虐待をしていることに自身で気づいたとしても、親が孤立していたり、親が隠そうとしたりすれば、第三者が気づくことはなかなか難しいのが虐待なのです。 虐待は誰にでも起こりうるという認識のもと、他人事ではなく、自分が子どもに虐待をしていないか?と自分自身に問いかけることが虐待を減らす一歩となるかもしれません。 著者:ライター メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2020年12月29日「家庭での虐待は大丈夫ですか」「コロナに罹った子供たちが、いじめに遭っていませんか」天皇皇后両陛下は心配そうなご表情で、そう問いかけられた。10月1日、小中学校の校長会会長や東京都教育委員会教育長ら4人を赤坂御所に招き、天皇陛下と雅子さまはコロナ禍の教育現場について説明を受けられたのだ。「皇后さまのご質問からは、コロナで生活が一変した子供たちに心から寄り添っていらっしゃることが伝わってきました。午後5時から1時間ほどの予定でしたが、終わったのは午後7時前でした」(東京都教育委員会事務局の担当者)これまで両陛下は、さまざまな分野の専門家から新型コロナに関するご進講を受けられてきたが、約60分間もの“大幅延長”は前例がない。今回のご説明に出席した東京都公立小学校長会会長の喜名朝博さんが、両陛下のご様子を明かす。「学校の行事が中止になり、子供たち同士の関わりやそこで育つ力を得られる機会が減っているとご説明申し上げますと、皇后さまは『運動会などが楽しかったと今でも言っています』と愛子さまのお話をしてくださり、学校行事の大切さについてよくご理解いただいていると感じました。私たちが説明しているときも、質問をされるときも、とても真剣にメモを取られている両陛下のお姿からは、ご関心の高さがうかがえました」雅子さまは今回の懇談の中で「虐待が増えていませんか」と、前出の喜名さんに質問されている。児童虐待は、雅子さまがとくに強い関心を示されてきた問題だ。《最近、国内では、子供の虐待や子供の貧困など、困難な状況に置かれている子供たちについてのニュースが増えているように感じており、胸が痛みます》’18年12月、雅子さまは誕生日に際してのお言葉で児童虐待の増加を憂慮されている。さらに翌’19年にも子供の貧困や虐待の問題に《心が痛みます》と、2年連続で言及されているのだ。厚生労働省によると、子供が親などから虐待を受けたとして児童相談所が対応する件数は年々増加の一途をたどり、今年1月からの半年間では9万8千件余りと過去最多のペース。緊急事態宣言が発令された4~5月は、昨年同期比で2%減っているが、虐待の“潜在化”という事態も危惧されている。つまり学校の休校や外出自粛に伴い、周囲の人が子供の異変に気づく機会が少なくなっているということだ。また、感染の恐れを理由に、児童相談所の職員が家庭訪問を断られるケースもあるという。コロナ禍は、児童虐待の実態把握と対策を困難にしているのだ。雅子さまは愛子さまがお生まれになってから、児童問題にいっそう力を注がれるようになり、児童養護施設を何度も訪れて、保護者がいない子や虐待された子らと交流されている。また聖路加国際病院にもたびたび足を運び、重病の子供たちを励ました。だが、コロナ禍で両陛下の施設訪問は難しい状況となっている。宮内庁関係者が言う。「陛下も雅子さまも、苦境にある子供たちに直接お会いになって激励される形がいちばん望ましいと思われているのは間違いありません。ですが新型コロナの完全な終息が見えない現状では当面、それは不可能です」4月には天皇陛下が“お手元金”から子供の貧困対策に取り組む『子供の未来応援基金』に5千万円を寄付されましたが、法律で寄付の上限が定められているため、1年に何度も行うことはできない。「雅子さまも、5月に日本赤十字社社長からのご進講でのお言葉が宮内庁HPに掲載されて以降、皇后としての公式なメッセージは発信されていません。5カ月に及ぶ“沈黙”には、雅子さま自身のもどかしい思いもおありでしょう。外出を伴う公務が難しい現在、両陛下は“新機軸”となる活動を模索されているのではないでしょうか。そんな中、今回の懇談にも今後の活動への“ヒント”があったように感じます」(前出・宮内庁関係者)今回の教育関係者らとのご面会で、休校期間中に教員が電話やパソコン、タブレット端末などで生徒と関わることで、以前よりむしろ深く話せる機会も生まれたと説明があった。天皇陛下は「コロナを経て見えてきたことをチャンスに変える発想の転換も必要ですね」と述べられたという。実は皇室でも、少しずつではあるがリモートの活用が進み始めている。この8月には両陛下が、新型コロナ流行下での水防災をテーマとした国際オンライン会議をお住まいの赤坂御所で聴講された。9月には、秋篠宮家の次女・佳子さまが、オンラインで開催された「全国高校生手話パフォーマンス甲子園」の開会式に動画で手話によるメッセージを寄せられた。現場に足を運び、直接対面して思いを伝える――。天皇陛下と雅子さまが上皇ご夫妻から引き継がれた皇室のあり方も、コロナ禍の長期化でより柔軟な対応が必要となっているのだ。「雅子さまは“困難な状況にある子供、虐待を受けている子供に希望を与えたい”という強い思いを持っていらっしゃいます。施設への直接の訪問がかなわない今、リモートで励ましの言葉を届けることはできないか――。雅子さまは前例なき試みの実現に向けて、すでに動きだされているのです」(前出・宮内庁関係者)苦しい状況にある子供たちに希望の光を――。子供たちの笑顔を取り戻すため、雅子さまの“慈愛の決断”が揺らぐことはない。「女性自身」2020年10月27日号 掲載
2020年10月16日「教育虐待」という言葉を聞くことが増えました。「虐待」とありますが、子どもを叩いたり、蹴ったりするわけではありません。教育的な虐待です。今回は、「教育虐待とは?」「教育虐待に陥りやすい親」などについて考えていきましょう。「もしかして私、教育虐待をしているかも?」と、不安に感じている人に向けた “教育虐待チェックシート” もありますよ。教育虐待とは教育虐待とは、教育を理由に子どもに無理難題を押しつける心理的虐待のこと。教育虐待は、子どもに度を超えた勉強をさせる行為だけではありません。子どもが望んでいないのにもかかわらず、親が習い事を強要することなども教育虐待にあたります。教育虐待という言葉は、もともと、社会福祉法人カリヨン子どもセンター(さまざまな事情から家に帰ることができない少年少女を受け入れるシェルター)のスタッフ間で使われていた言葉で、「あの親は、教育という名のもとに虐待しているよね」といった文脈で使用されていました。「教育熱心な親の常識の範疇を超えた行為」が虐待にあたるということです。また、校則を全廃し、さまざまなメディアで話題となった、東京都世田谷区立桜丘中学校の前校長・西郷孝彦氏は、トークイベント「桜丘中学校ミライへのバトン~選びたくなる、公立学校とは?~」で、教育虐待について以下のように語っています。「教育虐待というのは、“見えない虐待” です。日本においては“教育熱心”という言葉で虐待の実態が見えなくなっているのです」(引用元:西郷孝彦・尾木直樹・吉原毅(2019),『「過干渉」をやめたら子どもは伸びる』, 小学館.)西郷氏は、明らかに行きすぎた教育であるのにもかかわらず、周囲からは「あの家庭は教育熱心だ」と称賛されるような日本の社会にも問題があると主張しています。教育虐待をする親が増え続けている『ルポ教育虐待 毒親と追いつめられる子どもたち』の著者である、教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏は、「程度の違いこそあっても、以前より多くの親が教育虐待をしている」と話しています。“昔の教育熱心な親” には、「東大をはじめとした高偏差値の難関大学に入学させる」という明確なゴールがありました。しかし、いまは先が見えないと言われる時代。英語やプログラミング、コミュニケーション能力など、子どもに必要とされるスキルが多すぎて、「何が正しい教育なのか?」親自身もわからなくなってきているのです。そして、自らの不安を解消するために、子どもにあれこれとやらせてしまう――。では、どのような親の行動が教育虐待にあたるのでしょうか。教育虐待の例をいくつか挙げてみます。子どもをスケジュール漬けにしている子どもの勉強スケジュールを細かく管理する友だちと遊ぶことを許さない夜遅い時間まで勉強(習い事の練習)をさせる志望校や職業など、子どもの将来を勝手に決める成績が悪いなどの理由から子どもに暴力を振るう机や壁を叩く、怒鳴るなどの行為で子どもを威嚇する子どもの自尊心を傷つけるようなことを言う最後に挙げた、「子どもの自尊心を傷つけるようなことを言う」について、もう少し掘り下げてみましょう。教育虐待にあたるのは、以下のような言葉です。「なぜ15点も間違えたんだ!」「努力が足りないから100点をとれないんじゃないか?」「なぜこんな簡単な問題が解けないの!」「〇〇中学に合格しなければ、うちの子ではありません」「最低でも〇〇大学に行きなさい」「一番になれ!」「親の言うことが聞けないならば出ていけ!」文字にするだけでも胸が痛くなる言葉です。ですが、親は子どもが憎くて言っているわけではありません。最初は、「この子のために」「将来幸せになるために」という思いだったはずです。しかし、その「この子のために」という気持ちがエスカレートすることで、「あなたのために言っているのに……なぜ親の言うことが聞けないの!」という教育虐待になってしまうのです。教育虐待をされて育った子どもは……では、教育虐待を受けて育った子どもたちは、どのように成長していくのでしょう。前出の西郷氏は、「父親が勉強に口うるさいケースは、子どもの自己肯定感も成績も低下する傾向がある」と言っています。一緒に過ごす時間が多い母親ではなく、日常的な関わりが薄い父親からの教育虐待は、子どもの自尊心をガクッと低下させるのだそう。教育虐待は、子どもたちの心の成長に大きく関わっているのです。おおたとしまさ氏は、教育虐待を受けた子どもの傾向について以下を挙げています。自分自身で「やりたいこと」を見つけられない大人になって引きこもりになってしまった万引きなどの非行に走ってしまった過食や拒食などの摂食障害になってしまったぽっきりと心が折れて立ち上がれなくなった自分の子どもにも教育虐待をしてしまった「我が子の将来のために最高の教育を!」と頑張ってきたのに、頑張っているうちに子どもの顔が見えなくなり、結果的に教育虐待によって子どもを壊してしまう――とても残念なことです。教育虐待に陥りやすい親の「7つの特徴」どうやら、教育虐待をしてしまう親にはいくつかの特徴があるようです。『教育虐待・教育ネグレクト 日本の教育システムと親が抱える問題』の著者である、青山学院大学教育人間科学部教授・古荘純一氏は、教育虐待に走りやすい親の特徴を7つ挙げています。特徴1:両親ともに高学歴で、社会的地位が高い「成績がよくて当然、できなければ問題児」という考えが強い。また、「もし我が子がいい大学に入れなかったら……」という不安があるため、子どもに高成績を望み続ける。特徴2:自分の学歴に劣等感をもっている親自身が「学歴のせいで苦労してきた」ので、子どもには同じような苦労をさせたくないと強く思っている。子どもに過度な期待をしがち。自身の満たされない思いを子どもに投影している。特徴3:キャリアを捨てて育児に専念しているやりがいのある仕事についていたが、さまざまな理由から仕事を辞めなければいけなくなってしまった親。いままで仕事にかけていたエネルギーが、子どもの教育に向かうことが多い。特徴4:子どもの成績などの責任をすべて押しつけられている「子どもの成績が悪いのは、いつも世話をしている母親が原因だ」などのプレッシャーがある家。親族や父親からの重圧が大きいので、仕方なく、我が子に教育虐待をしてしまう。特徴5:母親は教育熱心だが、父親は教育に無関心父親は教育について無関心だけど、その一方で母親は異常に教育熱心。しかし「なぜ勉強しなければいけないのか」という哲学がないことが多いため、視野が狭く、情報に踊らされてしまう。特徴6:パートナーの教育虐待行為に反論できないパートナーの教育が「明らかに教育虐待」だとわかっていても、直接反論することができない親。パートナーの考え方に洗脳されてしまっている場合もある。特徴7:親自身が「きょうだい間の成績の差」に劣等感をもっている「お兄ちゃんは算数が得意なのに」などと、きょうだいと比較されて育った親。劣等感をもったまま育っているので、つい子どもの教育に厳しくなってしまう。我が子を教育虐待してしまうのは、親自身のコンプレックスが原因です。たとえば、教育虐待をする「東大に落ちて早慶に進学した親」は、はたから見たら高学歴ですが、当人は「東大に落ちた」というコンプレックスをもち続けています。だから、子どもがどんなに頑張って勉強をしていたとしても、「お父さん(お母さん)は、もっと頑張っていた。だから、お前もいま以上に頑張れ!」などと子どもに発破をかけるのです。頑張っているのに「もっと頑張れ」と言われる――子どもにとって、教育虐待は終わりのない虐待と言えるでしょう。教育虐待をチェックする「4つの問い」「もしかしたら、私も教育虐待しているかも?」そう感じた方は、以下のチェック項目にYES・NOで答えてみてください。じっくり考えてから答えを出してくださいね。□子どもは自分とは別の人間だと思えていますか?(YES・NO)□子どもの人生は子どもが選択するものだと認められていますか?(YES・NO)□子どもの人生を自分の人生と重ね合わせていないですか?(YES・NO)□子どものこと以外の自分の人生を持っていますか?(YES・NO)おおたとしまさ氏は、上記の質問の答えについて以下のように分析しています。◆迷いながらも「自分は大丈夫だ」と思えた人→問題なし◆NOに当てはまることがあるかも……と感じた人→これから改善していけばOK◆一切の迷いなく「YES!」と答えた人→教育虐待をしているかもいっさいの迷いなく「YES!」と答えた人は、「自分の教育は絶対に正しいんだ!」と思い込んでいます。それゆえ、子どもの気持ちに目を向けることができなくなってしまうのです。おおたとしまさ氏は、「教育虐待をしている親の多くは無自覚」だと言っています。教育虐待をしていることに親自身が気づいていないというのが、教育虐待のやっかいなところなのです。教育虐待をしないために気をつけることでは、教育虐待をしないために、親はどうすればよいのでしょうか?教育虐待という言葉を世間一般に広めたとされる、元武蔵大学人文学部教授の武田信子氏によると、教育熱心な親は「子どもの幸せ」を望んでいるのに対し、教育虐待をする親は「親としての成功」を望んでいるのだそう。子どもは親の所有物ではありません。子どもの人権は尊重しなければならないのです。「子どものため」と言いながら、実際は「親としての成功のため」になっていないかどうか、日々、自分自身の言動を確認しましょう。専門家の意見を参考に「教育虐待をしないために親が気をつけること」をまとめました。親は子育て以外の趣味や仕事をもつ子どもをまわりと比較しない子どもをひとりの人間として扱う子どもの意志を尊重する子どもの成果と親の評価は別である結果ではなく「過程」をほめる子どもにぼーっとする時間を与えるおおたとしまさ氏は、正しい家庭教育なんてものはないのだから、親はもっと迷うべきだと言っています。答えが出なくても、迷い続けていいのです。教育について、ああでもないこうでもないと迷う親を見て、子どもはこう思うはずです。「お母さん、お父さんは私のことを考えてくれている、こんなに愛してくれている」と。そして、迷いながらも、「この教育に、我が子は強い興味を示して目を輝かせているか」というアンテナを立て続けてください。子どもをしっかり見ていれば、教育虐待にはならないはずですよ。教育虐待について書かれた本最後に、教育虐待について書かれた書籍を紹介します。このなかの1冊だけでも読んでみてください。「親としての成功」ではなく、「子どもの幸せ」を願える親になれるでしょう。◆『ルポ教育虐待』教育虐待の事例を紹介しながら、親子の問題点に切り込んでいます。「毛根を食べるようになった息子」や「社会人になってから、うつ病を発症」など衝撃的な事例も。親自身の言動を見直すきっかけになるかもしれません。◆『受験で子どもを伸ばす親、つぶす親』著者は、精神科医でもあり、受験アドバイザーでもある和田秀樹氏。子どもの成績が悪いとき、学校や塾の勉強についていけないとき、親はどうするべき?目から鱗のアドバイスばかりが詰まっています。◆『教育虐待・教育ネグレクト』豊富な事例とともに、教育虐待を受けた子どもの心理が丁寧に説明されています。「発達障害だと決めつける親」「野球練習ばかりさせる親」など、勉強以外の教育虐待についても書かれています。***教育虐待は子どもの心に深い傷を負わせてしまいます。子どもの人生は子ども自身が決める!もし子どもが「決めた道」で失敗したとしても、自分で立ち上がり、また目標を見つけて頑張ることができるように、親は見守り続けることが大切です。親も子どもと一緒に “迷いながら” 成長していきましょう!そうすれば、教育虐待など絶対にしないはずですよ。(参考)おおたとしまさ(2019),『ルポ教育虐待 毒親と追いつめられる子どもたち』, ディスカヴァー・トゥエンティワン.西郷孝彦・尾木直樹・吉原毅(2019),『「過干渉」をやめたら子どもは伸びる』, 小学館.古荘純一・磯崎 祐介(2015),『教育虐待・教育ネグレクト 日本の教育システムと親が抱える問題』, 光文社.STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|「教育虐待」のやっかいな実態。今の子どもには“決定的に足りない”時間があるSTUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|教育虐待をする親とその学歴。その教育、本当に子どものためですか?STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|教育虐待は教育という大義名分のもとで行う人権侵害。でも親の多くは無自覚であるSTUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|心が折れて立ち上がれなくなってしまう、自信家なのに自己肯定感が低い人note|教育虐待(Educational Maltreatment)VERYオフィシャルサイト|そのひと言が“教育虐待”!?専門家に聞く“教育熱心”との違いとは?弁護士ドットコムニュース|耳元で「東大に行け」と怒鳴り続け、「医者になれ」と娘を暴行…弁護士が見た「教育虐待」エスカレートする親たち
2020年08月05日過去に入居者が亡くなった物件などは『事故物件』と呼ばれ、実際の相場よりも安く貸し出されています。そうした事故物件につきものなのが、心霊現象。もちろん、偶然や勘違いのひと言で片付けることもできますが、事故物件にまつわる心霊体験は後を絶ちません。これは、そんな事故物件から離れられずにいる幽霊と、そこに引っ越してきた少女のお話。悲しくもラストに温かな涙が流れる、爽(@sou_3634)さんの漫画『幽霊と幼女の話』をご紹介します。『幽霊と幼女の話』ひどい虐待を受けていた少女を、図らずも助けることになった幽霊。しかし、少女の母親は幽霊を怖がり、逃げ出したまま家に戻ってくることはありませんでした。突如始まった幽霊と少女の不思議な共同生活…しかし、少女はまだ幼く、ましてや生身の人間です。大人の助けをなくして生きていくことはできませんでした。命の危機に瀕している少女を目の当たりにし、幽霊がとった行動とは…そして、2人が迎えたラストとは。少女と同じ人生を歩んでいた幽霊幽霊と幼女の話 5/5 pic.twitter.com/eWciunrCFS — 爽(創作漫画描いてます) (@sou_3634) June 24, 2020 親からの虐待、学校でのいじめ、職場でのハラスメント…幽霊もまた、生前、つらい人生を歩んでいました。そしてついに、幽霊は自ら命を断っていたのです。そんな生前の自分の姿と少女を、幽霊は重ねて見ていたのかもしれません。幽霊のおかげで最悪の最期を迎えることなく、大人へと成長していった少女…そして生まれてきた娘は、黒髪が美しく、おままごとが好きな少女でした。もしかしたら、生まれてきた黒髪の少女は、あの日の幽霊の生まれ変わりなのかもしれません。つらい人生を歩んできた2人がつかんだ幸せなラスト。今度こそ、幸せな人生を送ってほしいと、漫画を読んだ多くの人が願ったはずです。爽さんのほかの作品はこちらから今回の『幽霊と幼女の話』以外にも、多くの作品を自身のTwitterで公開している爽さん。ぜひ、Twitterもご覧ください。Twitter:@sou_3634[文・構成/grape編集部]
2020年07月14日2019年6月19日に公布された改正動物愛護法の一部が、2020年6月1日に施行されました。どのような点が改正されたのでしょうか。改正された内容の中から、いくつかをご紹介します。ペットの殺傷や虐待の厳罰化、『多頭飼育崩壊』なども虐待に殺傷、虐待の罰則が厳罰化ペットなどの愛護動物に暴行を加え、殺したり傷つけたりした者に対する罰則がより厳しくなりました。・愛護動物をみだりに殺したり傷つけた者の罰則【改正前】2年以下の懲役または200万円以下の罰金【改正後】5年以下の懲役または500万円以下の罰金そのほかにも、虐待や遺棄した場合の罰則が、改正前は『罰金100万円』のみでしたが、改正後には『懲役1年または罰金100万円』となっています。『多頭飼育崩壊』など、著しく適正を欠いた密度での飼育も虐待に虐待については、詳しく内容が記されています。愛護動物に対し、みだりに、その身体に外傷が生ずるおそれのある暴行を加え、又はそのおそれのある行為をさせること、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、その健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束し、又は飼養密度が著しく適正を欠いた状態で愛護動物を飼養し若しくは保管することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行つた者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律ーより引用中でも、『飼養密度が著しく適正を欠いた状態で愛護動物を飼養し若しくは保管することにより衰弱させること』の文から、多頭飼育で動物たちを衰弱させた場合も、虐待とみなされ罰せられることになったようです。また、虐待の恐れがある場合や、不適切な飼育によって近隣住民の生活環境が損なわれた場合についても改正されました。・虐待の恐れ、または不適切な飼育をする者、施設に対して【改正前】勧告や命令、任意の立ち入り検査が可能【改正後】勧告や命令に加え、指導や助言、立入検査が可能また、犬や猫の繁殖制限についても…。・犬または猫が繁殖してしまい適正に飼養できない場合【改正前】繁殖を防止するための生殖を不能にする手術そのほか措置に、努めなければならない【改正後】繁殖を防止するための生殖を不能にする手術そのほか措置に、講じなければならない『多頭飼育』し、動物を衰弱させている疑いのある人の家や施設に立入検査ができるようになりました。これにより、『多頭飼育崩壊』を防げる可能性が高くなることでしょう。虐待の疑いのある動物を診察した獣医師による通報を義務化虐待の疑いのある動物を診察した獣医師による通報についても、このように改正されています。・獣医師がみだりに傷つけられた疑いのある動物を診察した場合【改正前】通報するよう努める【改正後】遅延なく、通報しなければならない近年、ペットをいじめる様子をインターネット上に投稿する例も確認されており、相次ぐ悪質な虐待事件の早期発見と防止のための改正です。これらのほかにもさまざまな点が改正されました。気になった人は環境省のウェブサイトを確認してみてください。動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律改正動物愛護法について、ネットではさまざまな声があがっています。・こういう法律がなくても、ちゃんと愛情を持って飼うことが何より大事で、それが当たり前のはずなんだけどな。・やっぱり、殺傷や虐待に関する罰がまだ軽いなとも感じます。人も動物も同じだよ。ペットも家族。・まだ十分ではないけれど、大きな一歩だと思う。改正について称賛する声もある中で「まだまだ、改善してほしい点がある」という声も多く寄せられていました。これからも、動物と人間のよりよい関係を築いていくために、改善してほしい点については声をあげていきたいものですね。[文・構成/grape編集部]
2020年06月02日2018年4月、1匹の猫を家族として迎え入れた、天道グミ(@kawakimon)さん。出会いは保護猫カフェで、天道さんはその猫の人懐っこい姿を見て、引き取ることを即決したといいます。しかし、引き取った猫はほかの猫とは違う点が1つだけありました。それは、前脚が1本ないということ。これは、そんな3本脚の猫を天道さんが正式に家族に迎え入れるまでの1週間を描いた物語。天道さんによる『3本足の猫がうちの子になるまで』をご紹介します。3本足の猫がうちの子になるまで⑪ pic.twitter.com/dAipzhEOaB — 天道グミ (@kawakimon) April 23, 2020 人間の虐待により前脚を失ったにもかかわらず、猫は人間を怖がるそぶりは見せませんでした。むしろ、どこに行くにもついてきて、一緒に寝たり、お尻をさわらせてきたりと人懐っこく、そのかわいらしさに天道さんは猫への愛情が深まっていくのを感じます。そして1週間後、お試し期間を経て、正式に猫を引き取ることを決めた天道さん。猫は、以前、決心がつかず飼ってあげられなかった野良猫の名前である『あさり』にちなみ、『しじみ』と名付けられ、今も天道さんの元で元気に暮らしています。3本脚というハンデを微塵も感じさせない、しじみちゃん。それはきっと、新たな飼い主である天道さんが毎日たっぷり愛情をそそいで育てているからなのでしょう。これからは天道さんのそばで、幸せいっぱいな毎日を過ごしてほしいですね。また、2020年4月24日に発売したエッセイ漫画『3本足のしじみちゃん』でも、天道さんとしじみちゃんのエピソードを楽しむことができます。ぜひこちらもご覧ください。応援してくださる皆様のおかげで「3本足のしじみちゃん」でます本当にありがとうございます☺️書き下ろしもたくさん描きました。おうち時間のお供にしじみのかわいさを是非4月24日発売↓ #3本足のしじみちゃん — 天道グミ (@kawakimon) April 23, 2020 [文・構成/grape編集部]
2020年04月24日お笑い芸人の若井おさむ(47)が4月21日、「婦人公論.jp」で家族から虐待を受けていたと告白した。その壮絶な過去に共感する声が相次いでいる。同サイトによると若井は子供の頃、母親を中心に家族から暴力を振るわれていた。大人になったある日、父は虐待について「全部母さんに言われてやったことなんや」と発言。しかし、若井は信じられなかった。そんな父は離婚を決意した途端に自殺。葬儀で母が「心臓発作で死にました」と話したため、「母と縁を切る」と親戚に話したところ「血が繋がっているのだから」と諭された。絶望し死に場所を探しひとり旅をしたが、ひょんな事がキッカケで芸人に。そして5年前、久々に母親と再会したが、彼女が兄や再婚相手の自慢話ばかりをしたため「ホントにプツンと縁が切れた」という。若井は「こんな母親でも、殺せば僕が罪人になる。自分の人生を台無しにしてしまう」「自分の人生を、親への憎しみのために失うわけにはいかんのですよ」とも語っている。若井の告白は、芸人たちの間でも話題となっている。エハラマサヒロ(37)はTwitterで《数少ない同期芸人。僕らは昔から知ってたけどここまでセキララに話すんやと思ってビックリした。子供の生い立ちについて考えさせられる全部リアル話です》とコメント。またサンキュータツオ(43)は《親を手にかけずに済んだというのは、マジで共感するところだ》とし、《同世代の人が親を殺めたとか、逆に殺されそうだから子を殺したという話を聞くたびに、親世代の価値観の押しつけを考える》とつづっている。さらにネットでは、虐待を受けて育った人たちから共感の声がこう上がっている。《私も同じような境遇でした。私の場合は死人は出てないので、人を許すという選択に至りました。許すというか、自分で自分の気持ちを丸め込み押さえ込み蓋をして生きてます。家族ってある時から病のようなものに変わるときもあります》《私も家族と縁を切っているが、この「家族と縁を切ったからこその幸せ」を理解してくれない人が多くて困る。善意という名の興味本位で勝手に根掘り葉掘り聞いておいて、でも血が繋がった家族なんだから…とか》《若井さん同様、こういう辛い半生だったからこそ、残りはうんとうんと幸せに生きなきゃ!と思います》また《こんな壮絶な人生を背負って「親父にもぶたれたことないのに」ってセリフ言ってたのか 言葉が詰まる》《人生を失わなかったのだから、幸せに生きてほしい》と若井へのエールも上がっている。多くの人たちに見守られながら、若井はこれからを歩むことになりそうだ。
2020年04月22日栗原心愛さん(享年10)を虐待し死亡させたとして傷害致死罪などに問われた父・勇一郎被告(42)に3月19日、懲役16年の判決が言い渡された。昨年1月、千葉県野田市にあるアパートの浴室で死亡した心愛さん。各メディアによると発見されたとき体に複数のアザがあり、胃にはほとんど内容物がなかったという。また公判では勇一郎被告の携帯電話に残された、心愛さんの苦しむ様子が撮影された動画も公開。裁判長は「尋常では考えられないほど陰湿で凄惨な虐待だ」と非難したという。「勇一郎被告は後悔を口にしてはいるものの、虐待については大半を否認していました。しかし、裁判長は『客観的な状況と整合しない』と一蹴したのです。また有罪判決ではありますが、懲役刑だと勇一郎被告がいずれ出所するということ。更生プログラムも含めて、今後の課題は山積みといえるでしょう」(NPO関係者)19年6月、勇一郎被告の妻であるなぎさ被告も傷害幇助の罪で懲役2年6カ月・保護観察付き執行猶予5年が言い渡されている。各メディアによると心愛さんに食事を与えず、勇一郎被告の虐待を認識しながらも静止しなかったとされるなぎさ被告。「夫に怒られると思った」などと証言したという。「勇一郎被告の暴力を見続けたため、なぎさ被告はストレスで正常な判断ができなかったといわれています。彼女は『娘が暴力を受けることで、自分が暴力を受けなくても済むと思った』とも明かしていました。彼女にはもう1人、子どもがいます。母としての責務を全うするためにも、トラウマ回復のプログラムを受ける必要があります」(前出・NPO関係者)また児童相談所には、その判断の適性を問う声が上がっている。各メディアによると心愛さんが「お父さんにぼう力を受けています」とアンケート用紙に書いたところ、柏児童相談所は彼女を一時保護。しかし勇一郎被告が「お父さんに叩かれたというのは嘘」などと書かれた心愛さんの手紙を持って現れたため、児童相談所は心愛さんを自宅に戻す判断をしたという。「相談所側は手紙について『父親に書かされている可能性が高いと認識していた』と明かしました。しかし相談所はその名の通り、あくまで相談がメイン。強い権限はなく、児童福祉司が虐待に関する専門的な知識を持っていないケースもあります。人手不足も深刻ななか、虐待の通報が年々増加。そのため、現場は疲弊しています。専門性を高めるような方針を打ち出すなど、そのあり方を検討すべきかもしれません」(全国紙記者)
2020年03月20日1歳半をすぎると、徐々に言葉が増えてきてかわいい盛り。ところが、わが家の長男が最近習得した言葉で大変困っているものがあります。それはズバリ「いたいよー!」。二言目には「いたい」と叫ぶので、虐待だと思われないか、いつも心配になります。 お風呂場でも「いたいよー!」お風呂場に入ったとたん「いたいよー!」が始まります。いつもお風呂場の窓を開け放っているので、間違いなく声は外にダダ漏れ。「お風呂場で痛いこと+子どもに熱湯でもかけている?=虐待」と思われそうで不安です。 「はー、始まった……」と思いつつ、長男に向けてというよりは、外を通る未知なる人物に向けて「いたくないでしょお~。あったかくて気持ちいいよねえ~。きれいきれいしようねえ~」と大声で話しかけ、「虐待していませんアピール」をする日々です。 ママの姿が見えなくなった途端にトイレや洗濯干しでママの姿が見えなくなると、とたんに絶叫が始まります。「ママーっ!!」と見つけるまで大声で叫び、最近覚えた「ねーどこー!?」に続きます。 外に聞こえるほどの大声なので、ご近所さんに「幼児を置き去りにして親が外出している+育児放棄=虐待」と思われるのではと気が気ではありません。私の返事が息子に届かないものなら、「いたいよーう! いたーい!」と習得した言葉が始まります。 きょうだいとのやりとりでも「いたいよー!」長女とおもちゃで遊んでいて、取り合いになると「いたいよー!」が始まります。長女が手をあげた形跡はないのですが、「いたい」を繰り返します。食事中もエプロンをつけると「いたいよー!」、苦手な野菜を食べさせようとすると「いったいよー!」です。歯磨きはもちろん断固拒否。無理に磨くと「いったーいーっ!」。 こんなに連呼されると、「あの家では子どもが1日中痛い目に合っている=虐待」と思われても無理ないレベルです。 「いたい」という言葉を発したときの家族の反応から「注目が集まる」ということを覚えたのかもしれませんが、なかなか厄介な言葉です。しばらくはこちらも大声で「虐待していませんからアピール」を外に向けて続けていかなくてはならなさそうです。みなさんのご家庭でもそんな「困った」はありませんか? 監修/助産師REIKO著者:伊川 遥女の子と男の子の二児の母。家事や子育てのかたわら、自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。趣味は読書、音楽、料理、ボルダリング、絵を描くこと。
2020年02月07日米フロリダ州のとある家庭で、住み込みで働いていたベビーシッターの女が、雇い主の子どもを性的虐待した罪で禁固20年を言い渡された。地元紙「Tampa Bay Times」が報じている。マリッサ・モウリー(28)がナディーン・キャンベルさん宅で住み込みのシッターとして働くようになったのは20歳のとき。キャンベル家はモウリーを娘のように温かく迎えたという。当時9歳前後だったキャンベル家の男の子が11歳になるころ、モウリーは本性を現す。性的虐待が始まったのだ。やがてモウリーは妊娠。雇い主はボーイフレンドとの間にできた子どもだと思い、彼女をいたわっていたという。2014年10月にモウリーは男児を出産。その後も性的虐待は男の子が14歳になるまで続いた。現在、被害を受けた男の子は17歳。5歳になる息子を育てながら高校に通っている。そう、モウリーが産んだのは被害を受けた男の子の子どもだったのだ。彼が生物学上の父親であることはDNA鑑定の結果からも明かだ。2017年に、キャンベルさんは息子に被害を打ち明けられ、警察に相談。キャンベル家を辞め、ウェイトレスとして働いていたモウリーは未成年者への性的暴行容疑で逮捕、起訴された。「父親であることで、この子がティーンエイジャーのうちにできることは限られてしまいます。放課後は息子の面倒を見なければならないし、デートだってできません。17歳で5歳の子がいる男とデートをしてくれる相手がいるとも思えませんけど。でも、この子は今まで会った中でも、最も素晴らしい父親の一人です」とキャンベルさんは語っている。
2019年10月21日香取慎吾(42)が10月20日、「#香取慎吾に罠をしかける」というハッシュタグでInstagramとTwitterを更新した。同タグはもともとファンが考案し、ネットで広がりを見せていたもの。タグに込められた思いが香取に届いたために、ファンは感激の様子だ。これまでSNSを小まめに更新してきた香取。しかしInstagramは7日、Twitterは9日で更新をストップしていた。そのためTwitterでファンは「#香取慎吾に罠をしかける」というハッシュタグを制作。食べることが大好きな香取をSNSにおびき寄せるため、《慎吾、うなぎだよー 精がつくよー》《オムライス カニコロトッピングは如何でしょう》《慎吾ちゃん出ておいで~チーズソースハンバーグ》といった投稿とともにタグを使って食べ物の画像を大量にアップ。そのフードの多様さから《完全に飯テロ》《私が飯テロにあうw お腹なりまくり》と感嘆する声も上がっていた。すると香取は20日、Instagramにシックな装いに身を包んだ自身の写真をアップし「#香取慎吾に罠をしかける」と投稿した。すると8時間で8万4,000件以上もの“いいね”を記録。またTwitterにも連動して投稿されると“いいね”は1.8万にものぼり、さらに「#香取慎吾に罠をしかける」がトレンド入りを果たした。香取が反応したことにファンは感激。その絆の確かさに、Twitterにはこんな喜びの声が上がっている。《慎吾ちゃんおっはー!ついに罠にかかりましたね ツイートしてくれてありがとう とってもとっても嬉しいです》《皆んなのタグ遊び、見ていてくれてたんだね!!それをタグで知らせてくれる慎吾ちゃんさすがっすね》《毎日更新くださっていたブログやいろいろな音沙汰も途絶え…みなさまが『#香取慎吾に罠をしかける』というタグを作って香取氏にお送りしていたメッセージが香取氏に届いていたという幸福感…香取氏ありがとうございますです》
2019年10月21日最近、新聞やテレビなどの報道で「教育虐待」が取り上げられ、特に中学受験をする子供の話として、注目を集めています。しかし、どの年齢の子供にも起きる可能性があるとも言われています。筆者も子供を中学受験させた経験者ですが、「教育虐待をしていたかも」という方の話を元に「教育虐待」について考えてみました。■ 教育虐待って一体どういうこと?makaron* / PIXTA(ピクスタ)最近は中学受験が盛んで「塾以外で過度に両親のいずれかが勉強を押し付ける」現象が起きています。これが「教育虐待」になりやすいとも言われています。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)また、中学受験に関する本も多く出版されていて、中でも「親の力が9割」という内容の本が多く出ていますが、「親がリードしなければ、子供の将来はダメになる」と誤解してしまう親もいるのでしょう。今回、ご近所に住んでいた方で「中学受験」がらみで離婚にまで発展した母親と連絡を取ることができ、実際にあった「教育虐待」について話を聞きました。■ 教育虐待は母親がしてしまうケースもあるNOV / PIXTA(ピクスタ)夫婦共働きで母親はウェブデザイナーとして在宅で仕事をしていて、父親は会社員というご家庭でした。近くに引越したのを機に仲良くさせていただいたのですが、子供3人全員を将来中学受験させるという方針のご家庭で、お付き合いに少し困りました。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)子供3人が全員とも幼稚園年長時から地元の小さな塾に通い、スイミングや習字、体操、空手と塾以外にもたくさんの習い事をしていました。筆者の子供とスイミングスクールが一緒で同じ時間帯に授業があり、しきりに「中学受験」について話をしてくるので、少し距離をおいた時期もあります。■ その家庭で起きた教育虐待の連鎖あんみつ姫 / PIXTA(ピクスタ)その後、年齢順に有名中学受験専門塾に通わせるようになり、会うたびに「有名校に3人とも通わせる」と話していました。ひとり目の子は中学受験をしましたが、全て不合格で地元の公立中学に通わせました。ふたり目の子は、上の子の様子を反面教師にしたのか、母親の目を気にしながらも、塾で上位クラスにいるように勉強をしていました。しかし、少しでも順位が下がれば、母親が「どうしてできないの!」と怒鳴り、必要以上にドリルをするようにしました。Graphs / PIXTA(ピクスタ)ふたり目の子供は、母親も満足する超難関校に合格し、その他の学校にも合格したのですが、母親が一番気に入った学校へ入学しました。一番下の子で、ついに問題が起きました。ふたり目の子と同じ学校への受験を考えて、中学受験の準備に入りました。成績は一時よかったものの、成績が落ち始めました。過度に独自のドリルをさせたり「なぜできないの!」としつこく説教したり勉強を強いるようになりました。父親が止めても、父親に「私にまかせて!」と怒鳴るようになったといいます。さらに成績が落ちることにもつながったのです。■ ついに子供の体に異変が…OrangeMoon / PIXTA(ピクスタ)ある日、母親が子供たちを起こしにいくと、一番下の子が激しい腹痛を起こしていて、慌てて病院に連れていきました。検査の結果、特に異常はなく、医師から「何か学校や習い事でつらそうにしているとかありますか?」と聞かれたそうです。母親は黙っていましたが、父親から「実は妻が子供に中学受験の勉強をきつくさせていた」と話し、医師から注意を受けることになりました。親から教育虐待を受けると、場合によっては「助けて!」という心の叫びとして、体の症状として出てくることもあるようです。医師からは強く「教育で子供を追いつめてどうするの?」とお叱りも受けたとか。その子供は「塾は嫌い。ママもパパも嫌い。勉強はいや」と泣きながら訴えて、母親は「教育で虐待をしていた」と気づき、父親も止めなかった自分を責め、中学受験をやめる決心をしました。このことで夫婦間の溝が生まれて離婚されたのですが、「自分の学歴コンプレックスから子供を苦しめた」と話していました。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)その母親が「こういう傾向の人が教育虐待をしやすいのでは」話してくれました。1.両親のどちらかに学歴コンプレックスがある2.父親もしくは母親の卒業校に通わせたいという強い希望がある3.共働きで金銭的余裕があるので、教育に力を入れたい4.両親ともに高学歴すべての家庭に当てはまるとはいいきれませんが、父親が教育虐待をしているケースも多いと教えてくれました。■ まとめmaroke / PIXTA(ピクスタ)最近は早期教育が盛んですが、教育虐待の始まりになっている可能性も少なくありません。高校や大学への進学後も、教育虐待によって心の傷を負っている子もいるようです。「子供には苦労させたくない」という考えの家庭は多く、教育方針が厳しい家庭は見かけます。しかし、ひとつ間違えると、家庭崩壊へ繋がります。親が歩んだ人生と、子供の歩む人生は違います。「子供が自分で将来を決めて進む」ということを大切にしながら、子供と接していきたいものです。
2019年07月30日父から受けた性虐待の、もっとも古い記憶は4歳当時のもの。中学の保健体育の授業で初めて、父から子どもをつくる行為をされていたと知った宮本ゆかりさん(49)。父だけではなく、幼い娘が抵抗できないのを見て見ぬふりをしてきた母の態度が、性虐待が終わった後も宮本さんを苦しめ続けた。家庭の外では言い出しにくい性被害。宮本さんは、ブログで自分の経験をさらけ出しながら、自分と同じ性虐待に苦しむ被害者を救おうと動き始めた――。「『親が問題なのだから、あなたは何も悪くない。あなたの人生は、あなたのものだから、親に気を使わずに自分の人生を生きてほしい』。親から性虐待を受けて、私のブログに連絡をくれた女子高生のAさんに会って、そんな話をしてきました」そう話す宮本ゆかりさん。香川県高松市在住の宮本さんは4歳から中学2年生まで、実父から“性虐待”を受けていた。自分と同じような被害者を出したくない。そんな思いから、’17年にブログで実名を公表し、自ら受けた性虐待とそのトラウマ(心的外傷)を克服してきた体験を公開。性虐待を受けている被害者から、メールで相談を受けている。今年3月、この活動が新聞で紹介されると、相談メールが月に20件も寄せられるようになった。冒頭のAさんもその一人だ。ゆかりさんの本業は美容師で、美容院を経営している。相談は、すべてボランティア。相談メールに返信するのは、深夜になることもある。それでも対応するのは、“性虐待”を受けた被害者の心理が、あまりにも社会に理解されていないからだ。今年に入ってからも、19歳の実の娘に性虐待を続けていた父親に対し、名古屋地方裁判所岡崎支部は、無罪判決を下した。裁判官は「抵抗できないほどの暴力や、心理的極限状況に追い込まれていたわけではない」と判断した。「幼いころから性虐待を受けていたら『抵抗してもムダ』という気持ちになるんです。しかも、彼女には2人の弟がいた。父の性虐待が世間に知られて仕事を失ったら、弟たちが生活できなくなると心配していたといいます。なぜ、そういう被害者の心理が理解できないのでしょうか」’17年7月、110年ぶりに性犯罪に関する刑法が厳罰化された。しかし、多くの問題が残っている。抵抗できないほどの暴力や脅迫があったと証明できないと罪に問われないなど、被害者側にとって立件のハードルが高いままだ。「被害を誰かに打ち明けたときに、『抵抗できたはず』『どうして周りに相談しなかったの?』などと言われると、<私が悪かったんだ>と、自分を責め続けてしまいます。そのことは、親から性虐待を受けたという事実以上に、被害者を苦しめます」ゆかりさんは、ときに相談者に会って話を聞くこともある。「冒頭のAさんは、義父から性虐待を受けていました。それでもしっかりと自分の進路を決め、高校卒業後は県外の大学に進学したいと言ってくれていました。でも、『やっぱり病気がちな母が気がかりだから、自分の思うように生きられない』と苦しんでいるんです。私も、彼女と同じように苦しんだから、『親にしばられなくていいよ』と伝えました」母親の対応も、被害者のトラウマを深くする。「私に寄せられる相談の9割が、父からの性虐待を母に相談したとき、『見て見ぬふりをされた』ことが心の傷になっています」ゆかりさん自身もそうだった。「性虐待を受けて傷ついても、気付いた大人が全力で守ってあげられたら、その子は早く立ち直れる。私はこれからも、その役割を果たしたいんです」
2019年07月29日育児放棄や虐待によって罪のない子どもたちが巻き込まれる事件を目にすることが日本でも増えていますが、今回ご紹介するのは、中東の子どもたちの過酷な現状を描いた話題作です。その作品とは……。全世界が絶賛する『存在のない子供たち』!【映画、ときどき私】 vol. 246中東の貧民窟に生まれた12歳の少年ゼインは、学校にも通わずに朝から晩まで両親に働かされていた。両親が出生届を出さなかったために、法的には社会に存在すらしていないゼイン。唯一の支えは妹のサハルの存在だけだった。ところが、サハルが11歳で強制結婚させられてしまい、怒りと悲しみからゼインは家出をしてしまう。そこでは厳しい現実が待ち受けていたが、ゼインは「僕を産んだ罪」を理由に、自分の両親を訴えることを決意するのだった……。中東が抱える貧困と移民の問題に真っ向から挑み、高く評価されている本作ですが、今回は全身全霊を捧げたこちらの方に、あふれる思いについてお話いただきました。レバノンが生んだ美しき才能ナディーン・ラバキー監督!2007年には、『キャラメル』で監督・脚本・主演を務め、一躍注目を集めたラバキー監督。女優としても幅広く活動しており、本作ではゼインの弁護士役として出演もしています。そこで、自身が目撃した現実やいまの思いについて語っていただきました。―まずは、多くの難民を受け入れてきたレバノンの現在の状況から教えてください。監督レバノンは文化的にも、国民の気質的にも、誰に対しても温かく歓迎するところがあるので、これまでに150万人以上の難民を受け入れてきましたが、これはいろいろな意味で大きな挑戦でもありました。そのなかで私たちはベストを尽くしてはいますが、本来この責任は世界でわかち合わなければいけないもの。難民条約にサインしたにも関わらず、多くの国がその責任を果たしていません。それゆえに、ヨルダンやトルコなど近隣諸国が難民の60%以上を受け入れており、経済的にも社会的にも大きな影響を受けています。世界で考えたら、本来はもっとできることがあるはずですが、これが現状です。―では、本作のストーリーは監督が実際に見たものが描かれているのでしょうか?監督レバノンでは苦しんでいる人々を当然のように目にする状況にあります。食べ物が足りないとか、戸籍がないために世間から“見えざる者”になってしまっている人や違法滞在者など、本当につらい現実です。水も電気もなく、まるで下水道のなかにいるかのような耐え難い環境で暮らしている人たちも多く、収容所やキャンプでは寒さが原因で亡くなる方もいるほど。いまでは難民だけでなく、レバノン人にとっても非常に厳しい状況が続いています。そして、そのなかでもっとも心を痛めているのが、子どもたちについてです。犠牲を払っている子どもたちの“声”を届けたかった―その思いがこの作品を作るきっかけとなりましたか?監督彼らが寒さに震えていたり、お腹を空かせていたり、学校に通えなかったり、子どもなのに仕事をしなければいけなかったり、つらい思いをしている姿を見るたびに、「私たち大人がいかに彼らを失望させているのか」「いかにシステムが欠落しているのか」を感じています。子どもたちが一番もろい存在のはずなのに、一番大きな代価を彼らに払わせてしまっているのです。その結果、自分の誕生日も知らず、無言のままに重荷を背負わされ、毎日虐待されるつらい生活が普通の人生だと考えている子どもはたくさんいます。そして、彼らは存在を知られることなく生まれ、存在を知られないまま亡くなっていくのです。私はそういった現実を見ているうちに、「何かしなければいけない」という責任を感じましたし、この映画を作ることを義務だと思うようになりました。つまり、子どもたちは声なき者だからこそ、この作品は彼らの“声”として届けたかったのです。―今回は主人公のゼインを演じた少年が本物のシリア難民であることをはじめ、全員がプロの役者ではないそうですが、どのように選びましたか?監督本作は3年間かけてリサーチをしてから脚本を書いたので、私自身が見たものからインスピレーションを受けており、事実が基になっています。キャスティングについても、現実世界で同じような境遇にある人を探すという方法で、彼らを見つけることができました。たとえば、ゼインの外見は、栄養不足が原因で実年齢よりも体つきが小さい子どもたちをたくさん見てきたということを反映させています。キャラクターのイメージとしては、家族のために早く大人にならなければいけなかった環境にあったため、聡明さと路上で生きるタフさを持つ、大人のような子ども。それが頭のなかで描いていたゼイン像でしたが、想像していた通りの少年と出会ったときは奇跡のようでした。―彼らの実人生が役に影響を与えた部分もありましたか?監督通常の映画であれば、脚本や監督のイメージに役を合わせていくものですが、今回は彼らの個性をベースにして、私たちがそこに合わせていくような作り方を意識しました。そもそも彼らの生活や人物像というのは私が想像で作り上げてはいけないものだし、そんな権利は自分にはないと感じていたからです。それほど現実にはリアルな苦しみと困窮があるわけだから、なるべく真実を捉えたいと考えていました。彼ら自身の経験や感情を私たちが描こうとしている物語やキャラクターを寄せていったので、スタッフも演者たちも現実とフィクションがわからなくなって混乱することもあったくらいです。演者が自分の経験をアドリブで語ることもあった―そのなかで忘れられない出来事もありましたか?監督実際、彼らが本能的に自分の経験を話すようなアドリブも多くありました。たとえば、子どもから訴えられたゼインの母親が「あなたは私のような状況に置かれたことがないからそんなことが言えるんだ」と弁護士役の私に向かって言うシーン。そのなかで、母親役の女性が「お金がなくて子どもに砂糖と水しか与えられない経験をしたことがないでしょう?」と訴えるのですが、これは彼女自身の経験です。彼女は映画のなかに出てくるスラム街に住んでいる人ですが、あの瞬間はゼインの母親としてではなく、自らの思いを語っていたのです。ほかのみんなも同様のことをしてくれました。―だからこそ、俳優では演じられないようなリアルな表情には思わず言葉を失いました。監督自らの現実と演じている役が入れ替わってしまうこともありましたが、彼らの言葉はすごく重要だったので、そういったものが自然に起きるようなオープンな現場は意識していたところです。つまり、彼らが「どんなことを言っても大丈夫なんだ」と自由でいられる環境をしっかり用意したいと思いました。それによって、彼らも“翼”を持つことができたのではないかと感じています。―とはいえ、撮影中に問題が起きたことも多かったのではないでしょうか?監督確かに、演者が翌日来ないかもしれないといった我々ではコントロールできない部分でのリスクはつねに負い続けていた作品だったと思います。というのも、戸籍や証明書を持っていないような人も多かったので。実際、ゼインを助けるエチオピア移民のラヒルを演じた女性が、拘束されたシーンを撮ったあとに逮捕されてしまったことがありました。そのときは、ラヒルの子ども役を演じていた赤ちゃんの両親も逮捕されてしまい、その先がどうなるのかわからない状況に陥ってしまったこともあったほどです。この方法でしか作ることができなかった作品―そんななかで、どのようにして作品を完成まで導いていったのでしょうか?監督そもそも大きなリスクがある作品だとわかっていたので、私たちは完全にインディペンデントで製作することにしていました。私の夫であるハーレドもプロデューサーとして入っていますが、ここまで大変だと知っていたら彼もやらなかったかもしれないですね……。まずは製作する場所も何もないところからスタートしなければいけなかったのですが、予定していた刑務所が閉鎖してしまうことになったり、せっかく見つけた子役たちもいま撮らなければ大きくなってしまうこともあったりしたので、すぐに撮影を開始しなければいけませんでした。ただ、子どもも大人も演技についてはまったくの未経験。「アクション!」といって求めているものをすぐに演じてくれるわけではなかったので、彼らとも時間を過ごす必要がありました。製作期間中はカメラマンも編集者もみな同じアパートで作業してくれました。編集などを含め完成までに2年。本当に小さな現場でしたが、これ以外の方法でこの作品を作ることはできなかったと思います。―撮影自体も困難が伴ったと思いますが、身の危険を感じることはありませんでしたか?監督もちろん、とても危険な場所ではありましたが、危害を加えられるというよりも、公害のような環境の問題のほうが大きいと感じました。というのも、貧困地域では雨が降ると、下水から水が溢れてきて、水浸しになってしまうからです。そのため、不衛生で臭いもすごいし、空気さえも汚染されているのがわかるほどだったので、私も熱を出してしまったことありました。しかも、当時私は2人目の子どもを出産したばかり。撮影の合間には授乳のために家に帰らなければいけなかったので大変でしたが、どんなに危険な状況でも、私たちは大きな目的があったし、使命感もあったので、それが続ける強さに繋がっていたと思っています。―まさに意志を貫く強さを監督から感じます。それを支えているものは何ですか?監督彼らは同じ状況に置かれたままなのに、「私は家族と幸せになっていいんだろうか」という罪悪感をいまだ抱いている部分もあり、心理的な負荷はまだ乗り越えられてはいません。「自分にはやらなければいけないミッションがあるんだ」という感覚があるからだと思います。人が存在しているのには、それぞれに理由があると考えています。私は恵まれていることに何かを変えることができるかもしれない自分なりの貢献方法や理由を見つけることができたと思っています。「ひとりひとりが物事を変えることができる」という考え方は甘いと言われるかもしれませんが、私は心からみなが自分なりにできることがあると信じているのです。その変化というものは、たとえ大きくなくても、他人の人生や命に影響を与えられることができると思っています。そんなふうに自分の目標や夢、そして存在理由を感じられることが、私にとっては毎朝起きる力になっているのです。日本でも同じ思いを感じている人はいるはず―それでは最後に、これから観る方に向けてメッセージをお願いします。監督状況は違っていても、同じような思いをしているような人は世界中にいるはずなので、ただ遠い国の話という風には感じないと思っています。実際、こういった問題はレバノンだけではなく、アメリカでも子どもの7人に1人のはお腹を空かせているような状況ですし、コミュニティのなかで端に追いやられてつらい思いをしている人は文化や国に関係なく、日本にもいるはずです。だからこそ、きっとみなさんの心に触れる作品だと思っていますし、人類はこのまま子どもたちに対する不公平さに目をつぶっていくことはできないと、私は信じています。目をそらしてはいけない現実がそこにはあるそれぞれの人物が放つ存在感と物語の持つ強さに圧倒され、激しく心を揺さぶられる本作。現代社会が抱える問題を描きつつ、「自分にできることは何か」「生きるとは」「愛されるとは」といった普遍的な思いがあなたのなかにも生まれるはず。映画の持つ力を目の当たりにすることができるいま観るべき1本です。胸を引き裂く予告編はこちら!作品情報『存在のない子供たち』7月20日(土)よりシネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国公開配給:キノフィルムズ©2018MoozFilms/©Fares Sokhon
2019年07月19日近年、虐待に関する悲しいニュースが続いていますよね。同じ子どもを持つ親として、心を痛めている方も多いのではないでしょうか。しかし、こうした問題は決して他人事ではありません。なぜなら、虐待は悪意のもとになされるものだけではないから。「子どものためによかれと思って」なされた行動が、親の自覚のないままに虐待とみなされるケースもあるのです。特に、「教育虐待」にはその傾向があります。「教育虐待」は、ここ数年で広まってきた言葉ですが、どのような行為を指すかご存知でしょうか?「知らない」という方のなかには、気づかないうちに当てはまってしまっている方もいるかもしれません。そこで今回は「教育虐待」と「教育虐待を未然に防ぐ方法」についてお話しします。「教育虐待」は子どもの将来に多大なダメージを与えるみなさんは、自分の子どもに下記のような「しつけ」や「教育」を行なっていませんか?・宿題が終わっていないと、夜遅くまでやらせる・解けない問題があると、「どうしてできないの?」と責める・塾や習い事でスケジュール漬けにしている・親子間の約束が守られなかったとき、厳しく責め立てる・成績が悪いと、「努力が足りない」「人間のくず」などの暴言を浴びせる一見、よくある「しつけ」や「教育」のように思われるかもしれません。しかし、これらの行為が子どもを過度に追い詰めた場合、「教育虐待」とみなされることがあります。青山学院大学の古荘純一教授によると、「教育虐待」とは、教育を理由に子どもに無理難題を押し付ける心理的虐待のこと。2011年の「日本子ども虐待防止学会」で初めて発表された、新しい考え方です。「教育虐待」を受けている子どもは、大人になってからも、他者からの指示がなければ動けなくなる恐れがあります。また、自信が持てない、何をしても楽しめないなど、心の問題を抱えてしまうことも。学校生活や就職活動を機に不適応行動を起こす人も少なくありません。こうしたことから、「教育虐待」は子どもの将来に多大なダメージを与えるということがわかります。「子どものために」と言いながら子どもを追い詰める親たち「教育虐待」という言葉を広めた武蔵大学の武田信子教授によると、教育虐待に走りやすい家庭は、下記のような特徴を持っている家庭が多いと言われています。1. 親自身が、経済的事情などで進学を諦めた経験がある2. 母親が不本意に仕事を辞めて、専業主婦になった3. 子どもの両親ともに高学歴で社会的地位が高い上記の1と2の親が「教育虐待」をした場合の理由として考えられるのは、自らの生き方や学歴にコンプレックスを抱いているということ。子どもには同じ苦しみを与えたくないという強い思いから、自分が経験した失敗を避けるための教育に力を入れてしまいます。一方、3の親の場合は “失敗知らず” ですが、逆に自らの成功体験に依存しているということが考えられます。自分の知らない道を子どもに歩ませることを極端に恐れ、子どもにも高学歴・社会的地位の高い大人を目指すことを強制してしまうのです。社会福祉法人カリヨン子どもセンターの石井花梨事務局長いわく、教育虐待は決して特別な家庭に限った話ではないのだそう。表面的には「子どものために」という親心のもとに行なわれているのです。しかし、本当に子どものことを考えていると言えるでしょうか。本当に子どものことを考えていれば、子どもを追い詰めるほどの行為には至らないはずです。そう考えると、「教育虐待」をしている親は、「子どものために」と言いながら、実際には自分のために、過度な「しつけ」や「教育」を行なっているのだと言えますよね。その教育、本当に必要……?子どもを見て考え直そうとはいえ、「しつけ」や「教育」そのものを怠るわけにはいきません。親として、子どもに適切な「しつけ」や「教育」を行ないつつ、「教育虐待」しないようにするには、どうすればいいのでしょうか。小児科医の高橋孝雄さんは、親の「しつけ」や「教育」が虐待になるかどうかの分かれ目は、「親の関心が子どもにあるのか、テストの点数や合格した学校などの成果にあるのか」であると言います。前者であれば、自分の行為によって子どもが追い詰められていたら、すぐに気づいて対処できるはずです。しかし、後者の場合、子どもの変化に気づけないまま、子どもを追い詰め続けてしまうことがあります。教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏いわく、現在の教育虐待には、「親自身の不安を解消しようとしている」という構造があるのだそう。我が子が新しい時代を生き抜いていけるのかが不安で、親が思う解決策を与えようと無理やり難関大を目指させたり、子どもの望まない習い事でスケジュールを埋めたりしてしまうのです。しかし、子どもたちがこれから生きていくのは、親たちが生きてきた世界とは全く異なり、予想もつかない世界。おおた氏は、親が与える解決策にはあまり意味がないと言います。まずは、「親は無力である」と親自身が自覚することが大切なのだそう。「教育虐待」を未然に防ぐのに必要なのは、まず子ども自身に関心を持つことです。子どもの様子をよく観察し、今行なっている「しつけ」や「教育」が本当にその子に必要なのか、よく考えなくてはなりません。たとえば、子どもが習い事に行くのを嫌がったとき、たまたま気分が乗らないだけなのか、ずっといやいや通っていたのか、はっきりさせることが必要です。そのうえで、なぜその習い事に通わせているのか、親の考えを伝えます。最後は、「続けるのか辞めるのか、あなたが決めていいよ」と、子どもの意思を尊重しましょう。子どもの人生は子どものものであることを自覚したうえで、子ども自身の生きる力を信じてあげることが大切なのです。***子育てをしていると、子どもが自分の分身であるかのような錯覚につい陥ってしまうことがあるでしょう。だからこそ、より幸せな人生を歩めるように導かなくては、と考えてしまいます。しかし、子どもは親と同じひとりの人間であり、親の分身ではありません。どんな人生を歩むことが幸せか、決めるのは子ども本人です。親が特別なことをしなくても、自分の思う幸せを追い求め、たくましく道を切り開いていきます。親は、それを一番近くで応援してあげればいいのです。(参考)こどもまなびラボ|「教育虐待」のやっかいな実態。今の子どもには “決定的に足りない” 時間がある日経DUAL|「勉強しなさい」エスカレートすれば教育虐待に東洋経済ONLINE|中学受験で教育虐待しやすい親の2つの特徴東洋経済ONLINE|「あなたのため」が「教育虐待」に変わるときPRESIDENT Online|なぜ「教育」という名の「虐待」が増えているのか朝日新聞DIGITAL|しつけに名を借りた虐待…どの家庭でも起こりうる「考える力」を伸ばす『地図育®』コラム|教育熱心も度が過ぎると虐待になる?あなたのその行動が”教育虐待”にならないように気を付けよう日経DUAL|「教育熱心」と「教育虐待」線引きはどこに?
2019年06月20日先行き不透明なこの時代、子どもの将来に不安を感じる親が、わが子になるべくたくさんの教育をほどこそうとする風潮があります。ですが中には、子どもが大きな負担を強いられているようなケースや、課題をさぼったり期待通りの成果を出さない時に、つい強く叱りすぎてしまったり、時には罰を与えてしまったり…。そんな話を聞くことも決して少なくはありません。どこまでが教育で、どこからが虐待なのか? 何が親をそこまで駆り立ててしまうのか?『追いつめる親』『習い事狂騒曲』の著者であり、教育ジャーナリストのおおたとしまささんにインタビュー。第2回は、「教育」と「虐待」の境目についておうかがいします。お話をうかがったのは… おおたとしまささん教育ジャーナリスト。麻布中高卒業、東京外国語大学中退、上智大学卒業後、リクルートにて雑誌編集。独立後、多数の育児・教育関連媒体の編集・企画に関わる。学校や塾などの教育現場を丹念に取材し、斬新な切り口で考察する筆致に定評がある。しつけから中学受験、夫婦関係までをテーマに、講演・メディア出演も多数。中高教育の資格、カウンセラーの資格。小学校教育の経験もある。『ルポ塾歴社会』『名門校とは何か?』『受験と進学の新常識』『中学受験「必笑法」』など著書は50冊以上。 『追いつめる親「あなたのため」は呪いの言葉』 の改訂版が2019年7月に出版予定。■教育と虐待、その境い目の見極め方法――明確な線引きは難しいと思うのですが、「教育的指導」と「虐待」の境目をきちんと知っておきたいです。おおたとしまささん(以下、おおたさん):概念的な線引きとしては、「子どもの人権を尊重しているか」というところです。子どもを親の所有物ではなく、自分と同じひとりの人間だと思うことができているかどうか、それが「教育的指導」と「虐待」の境目だと思います。――具体的な目安はありますか?おおたさん:例えば、1日5時間勉強させても全然平気な子もいるのですが、普通の子にさせたら大抵はつぶれてしまいます。それと同じで、負荷はその子にとっての相対的なものである、ということがまず大前提です。そして、その相対的な負荷が子どもの受忍限度を超えていることに気づくには、なんらかの負荷(勉強や習い事など)をかけた後の子どもの表情を見ればわかると思います。例えば、勉強が終わった後、「つらかったけどやっと終わったぜー!」というふうに晴ればれとした明るい表情になっているのか。それとも宿題が終わった後も「また明日もあるのか…」というふうに全然表情が輝かないのか。それが、ひとつの判断材料になると思います。負荷が終わった後にショボンとしているようでしたら、それは明らかに「これ以上やったらマズイ」というサインです。■「どうしてできないの?」「約束したでしょう?」2つの言葉が子どもを追いつめる――教育熱心すぎる親がやってしまいがちなNG対応はありますか? おおたさん:2つのパターンがあります。1つは、「どうしてできないの?」という言い方。そう言われても、わからないものはわからないのだからどうしようもないですよね。追いつめられれば追いつめられるほど、子どもの頭は真っ白になってしまいますし、「こんな問題ができないあなたはバカ」という含意が子どもを直撃します。――確かに…。ですが、親がつい言ってしまいがちな言葉です…。おおたさん:もう1つは「約束」です。例えば、テストで悪い点を取ると、教育熱心な親御さんは「どうしてこうなったのか?」「これからどうするか?」と冷静に原因と対策について話します。そして、「じゃあ具体的にどうするんだ?」と問いつめます。ヘビににらまれたカエル状態の子どもは、「これからはゲームの時間を減らして毎日勉強する」などと言わざるを得ません。ほとんど誘導尋問なのですが、こうして子どもは約束させられるわけです。でも、約束した時は本気でも、人間はそんなに強くありませんし、ましてや子どもです。ですが、約束が破られた時、「やるって約束したのに! 約束を破ったのか!」と親は理論武装して責め、子どもは言い逃れができず、追いつめられてしまうのです。――身に覚えがあるような…(苦笑)。おおたさん:実は、むやみに怒鳴ったりたたいたりする親御さんは少数で。最近の多くの親御さんは、こうして子どもを叱るに十分な理由をみつけてから、その正論を振りかざして、子どもを追いつめるのです。でも、たとえ、そこに正論があったとしても、相手を傷つけすぎて良いわけがないのです。親がやるべきことは、どうしたら子どもが悪かったと理解してくれるのか、次から改善してくれるのかを考えること。なのに、目的が自分のネガティブな感情を全部吐き出して、子どもにぶつけることに変わってしまっているのです。■体罰は愛ではない! 指導者としての未熟さが原因――「時には、ビシッと親の力を見せつけてやらないとなめられる」という厳しい親の意見も耳にしますが、どう思われますか?おおたさん:家庭において、親は絶対的な強者で子どもは弱者です。親という圧倒的に強い立場を利用して、逃げ場がない子どもを追い込むのは、穴に落ちた犬に石を投げるような卑怯(ひきょう)なことだと思いますけどね。以前、北海道で、親がしつけと称して山中に7歳の子どもを置き去りにした事件(※)がありましたよね? 当時も「親の行為はしつけか、虐待か?」と話題になりましたが、山中に幼い子どもを置いていくなどということがしつけのわけがない。あれは命に関わるような暴力的な行為で、たとえどんな理由があっても絶対にやってはいけないのです。――当時、「似たようなことをやってしまったことがある」という親御さんも少なくなかったですよね。おおたさん:中には、しつけと称して、愛があればたたいていいと体罰を容認する人もいますが、私は、体罰を生むのは愛ではなく、指導者としての未熟さだと思っています。言葉や態度による罵倒も同じです。スパルタ的な指導で子どもが伸びるという人もいますが、罰による成長は一時的なものであり、本質的な成長にはなりません。人は変えられる(外的動機づけ)のではなく、自ら変わる(内的動機づけ)のですから。 ■子どもの言動にイラッ「どうしても怒りが抑えられない時は?」――でも、親も未熟で、怒りの感情が抑えられない時もあります。そんな時はどうしたらよいのでしょう?おおたさん:ひとつ提案があります。子どもの言動にイラッとしてしまった時は、「今、自分は溺れかけているんだ」と考えてみてください。溺れている時、あなたはまず何をしますか? まず、口を閉じますよね? 次に、ジタバタするのをやめますよね? そうやって溺れた時と同じようにふるまったうえで、自分の感じていることをただ言葉にするのではなく、どうやったら子どもが前向きな気持ちで、自らの行動を改めようと思えるようになるか、翻訳するひと手間を考えましょう。いい翻訳が思いつかない時は、そのまま口を閉じていることが最善の策であることも少なくありません。――すでにやってしまった(手を出してしまったり暴言を吐いてしまったり)場合、親はどうやってリカバリーしたらいいのでしょう?おおたさん:間違いに気づいた瞬間から、親子関係をどうつくっていくのか、どんな親になりたいのか、それを考えればいいと思います。大切なことは、起きてしまったことを否定するのではなく、それを糧にするにはどうしたらいいかを考えること。望ましくないことが生じてしまった時、それを今後の糧にすることができるかどうかが、その人の強さだと思います。親も強くならなければいけないし、子どもにもその強さを学んでもらわなければならない。親も子どもも成長しています。親子関係も修復可能です。取り返しがつかないなんてことはないのですから。友人や仕事関係の相手にはきちんと配慮できるのに、わが子となると遠慮なく追いつめてしまう。子どもなら許されると思ってしまう。そこには、どんなに傷つけても結局、子どもは親以外には頼れない、という親のおごりや甘えがあるのかもしれません。でも、おおたさんが言うように、「たとえ、正論だとして相手を傷つけすぎて良いわけがない」のです。怒りが抑えられない時は、せめて「口を閉じる」こと。心に留めておきたいと思いました。次回は、おおたさんが考える「これからの時代に必要な力」についてうかがいます。※2016年、北海道の山中で、親が子どもをしつけのために車から降ろし、置き去りにした事件。7日後、子どもは無事発見された。取材・文/まちとこ出版社N
2019年05月29日