タレントのアレクことアレクサンダーが16日に自身のアメブロを更新。家出する際に持っていた“全財産”を公開した。この日、アレクは朝から妻でタレントの川崎希と大喧嘩したことを明かし「携帯も全てとりあげられた」と説明。運良く息子の小銭入れがポケットに入っていたそうで、コーヒーチェーン店『スターバックスコーヒー』を訪れたことを報告し「1人の時間て最高だな」とつづった。続けて「これが全財産」「これで家出、、、無理ではない」と述べ、小銭入れを手にした自身の姿やお札が入った小銭入れの中身の写真を公開し、ブログを締めくくった。
2024年04月17日妻子と母を捨てた放蕩息子のナオヤ。長い年月が過ぎ、ナオヤは自分が見捨てた母や元妻のアキからお金をせびります。縁を切ることを条件に住んでいる家を渡したアキと母。母はもうお金がないことをナオヤに伝え、ナオヤも専業主婦だった母にお金がないのも無理もないと納得してこの条件をのんだのでした。しかし、実はすべては母とアキの策略で、家はもとから引っ越すつもりでいたし、母もナオヤに伝えたよりも多いお金を持っていたのです。■前回のあらすじ本当はなにも譲りたくなかったけれど、跡取りとしてナオヤが家をどう維持するのか見てみたかったと話す母。実は、母はナオヤに伝えたよりもずっと多いお金を持っていたのです。養子縁組して間もないころ母が相続した土地が思わぬ価値に!義母はナオヤが知らない財産をたくさん持っていたのでした。さらには不労所得まで…。びっくりするほどのお金を、すべてナオヤではなくアキたちに譲りたいと言います。次回に続く 「裏切り夫から全て奪ってやった話」(全104話)は21時更新!
2024年03月06日■これまでのあらすじ結婚して以来子どもを望んでいた美咲だが、夫の拓也はその生い立ちから親になる勇気が出ず、非協力的になってしまっていた。思い悩む美咲を必死すぎて嫌とまで思っていた拓也だったが、先輩のアドバイスから美咲と話し合いを重ねてついに妊活をスタート。しかし1年後、待望の妊娠がわかるが、流産してしまう。数年後、美咲は赤ちゃんと生活するが、拓也が子育てに参加しないことに寂しさを募らせていた。そんなある日、拓也の態度にしびれを切らした美咲は「私たちに関心を持って」と訴える。しかし拓也に今は一緒にいたくないと言われ、美咲は拓也の心配が的中したと言う。「拓也は親になれなかった」のだと…。■親になれなかったのは夫だけ?■そんなこと言える立場?「拓也は親になれなかった」と口にした美咲に、拓也は「俺だけが親になれなかったのか?」と問いかけます。すると、育児を全部自分に押し付けて、帰宅しても何もしない、それに加え飲み歩くようになって、自分と花ちゃんと触れ合うことを避けているクセに…。「なんで被害者面してるの?」ハッキリと言い返す美咲に、拓也は「親になれないのはふたりの問題だ」と言うのですが、それはいったいどんな意味なのでしょうか?次回に続く「僕たちは親になりたい」(全64話)は12時更新!
2024年02月02日皆さんは、金銭関係で悩んでしまったことはありますか? 今回は遺産を狙う非常識な義両親の話とともに、そんなときの対処法をアンケートをもとに紹介します。※この物語はフィクションです。イラスト:モナ・リザの戯言夫の遺産を狙う義両親主人公の夫が、主人公と娘を残し他界してしまいます。悲しみに暮れる主人公に、義父が「息子の財産を全部よこせ」と言ってきました。主人公は「子どももいるんです!」と伝え拒否しますが…。出典:モナ・リザの戯言義母も「独り占めはずるいわ!」と言い、義両親から執拗に文句を言われるようになります。なんとか断り続けて1年後…。主人公のもとへ義父から「大事な話がある」と連絡が入りました。「無視してもしつこいから…」と主人公は観念します。娘を保育園に預けている間に、義両親と会って話すことにしたのでした。こんなとき、あなたならどうしますか?決着をつけて縁を切る自分の両親や弁護士などに相談し、遺産問題にできるだけ早く決着をつけます。話し合いのときに、義両親と縁を切ることも伝えます。(30代/女性)弁護士も同伴話し合いには応じますが、弁護士を同伴させていこうと思います。お金のことを言われた場合も、冷静に切り返すようにします。(20代/女性)今回は非常識な義両親の対処法を、みなさんのアンケートをもとに紹介しました。もし同じような出来事があったときは、ぜひ参考にしてみてください。※こちらの記事はみなさんから寄せられたアンケートをもとに作成しています。※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点でのものになります。(lamire編集部)
2023年12月21日今回は、物語を元にしたクイズを紹介します!クイズの回答を考えてみてくださいね。イラスト:モナ・リザの戯言息子の遺産を不当に奪おうとした義両親主人公は若くして夫を亡くします。すると義両親が「息子の財産を全部よこせ」と言い始めました。主人公は義両親に相続権がないことを説明します。義両親を説得出典:モナ・リザの戯言義両親からしつこく文句を言われたものの、主人公は断り続けました。それから1年半後、主人公のもとへ義父から連絡がきます。問題さあ、ここで問題です。若くして亡くなった夫の遺産を狙う義両親。断り続けているとある事態に発展します。何が起こったでしょうか?ヒント義父は主人公に話したいことがあるようです。みなさんは答えがわかりましたか?正解は…出典:モナ・リザの戯言正解は「実際に会って話し合うことになった」でした。「無視してもしつこいから…」と観念した主人公。娘を保育園に預けている間に、義両親と会って話すことにしたのでした。しつこい義両親相続権がないのに遺産を要求する義両親。主人公は大切な夫を亡くしたばかりなのですから、思いやる心を持ってほしいもの…。義両親とは適度な距離を保ちながら、良好な関係を築いていきたいものです。※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点でのものになります。※この物語はフィクションです。(lamire編集部)
2023年11月16日皆さんは、夫の言動に困ったことはありますか?今回は「財産狙いを疑われた女性の話」とその感想を紹介します。イラスト:モナ・リザの戯言御曹司と結婚主人公は、憧れだった御曹司の先輩と結婚します。結婚後は家庭を守ってほしいと考える夫に従い、主人公は仕事をパートに変更しました。それなのに夫は「財産狙いじゃないって納得させろ」と突然言い出したのです。夫が勝手に借りた高級マンションの家賃も割り勘にされ…。パートでの収入しかない主人公はカツカツです。贅沢をする夫の横で主人公は質素な生活を余儀なくされます。ついに限界がきてしまい…出典:モナ・リザの戯言「こんなの全然折半じゃない!」と主人公は夫を怒鳴りつけました。そして「子どもができたらどうするの?」と尋ねますが…。夫は「そのとき考える」と言って能天気に笑うだけ。大人っぽいのは外見だけで頭の中は子どもだと、夫の正体に気づく主人公でした。読者の感想財産狙いなんて思っていないのに、すべて折半にされるなんてきつすぎます。しかも贅沢する夫の横で苦しい思いをしないといけないなんて、ひどい話だと思いました。(30代/女性)パートでの収入しかないのに、夫と同額出すのは難しいですよね。主人公が怒ってしまうのも理解できるなと思いました。(20代/女性)※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点でのものになります。※実際に募集した感想をもとに記事化しています。(Grapps編集部)
2023年11月09日「Elles Films株式会社」代表取締役・粉川なつみさん。ウクライナで制作された1本のアニメーション映画を劇場公開するため、勤めていた会社を辞め「ほぼ全財産をなげうって」日本での配給権を獲得し、たった一人で「Elles Films」を設立。その後もクラウドファンディングの実施から製作委員会の設立、日本語吹替版の制作、宣伝業務など、映画公開に向けた作業の中心を担ってきた。そんな粉川さんの情熱に突き動かされる形で、多くの賛同者が集まり、アニメーション映画『ストールンプリンセス:キーウの王女とルスラン』が先日より公開中だ。もともと映画が好きで、映画業界で働くことを志し、その念願かなって宣伝会社で働き始めたという粉川さんだが、そんな彼女が20代半ばにして、自ら会社を設立してまで同作を公開しようと思ったのはなぜなのか? 粉川さんにたっぷりと話を伺った。映画宣伝へ入社、配給会社への転職――「Elles Films」を設立する以前から、映画宣伝会社で働いていらしたそうですね。映像業界で働くようになった経緯を教えてください。大学時代、ゼミの先生のツテもあって、映画宣伝会社「ガイエ」でインターンをしていて、そのまま入社することになりました。もともと、映画の美術監督になりたくて、それを学べる大学に進学したんです。ただ、実習で美術スタッフとして映画の現場に行くとものすごい激務で「これはちょっと自分には無理だなぁ…」と挫折しまして…。ただ、大学では現場のことだけでなく、映画のビジネスについても学ぶことができて、その授業がすごく楽しかったんです。当初は映画ができるまでの仕事をしたいと思ってたんですが、徐々に完成した映画をいかにお客さんに届けるか? という部分に興味がわいてきて、ガイエでインターンをさせてもらうことにしたんです。インターン初日に行ったのが、柳沢慎吾さんが『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』の公開アフレコをするという現場だったんですが、イベントを仕切ったり、マスコミ向けのリリースを執筆したり、その様子をSNSで拡散している会社の先輩たちの姿がすごい大人に見えました。インターンからその後、アルバイトになって、新卒のタイミングで入社しました。業務は映画のパブリシティ(※作品について、新聞や雑誌、テレビ、WEB媒体などのメディアで紹介をしてもらうための宣伝業務)、特にWEBを担当していました。公開される新作映画についてのリリースを作成して媒体さんに配布したり、マスコミ向けの試写会の対応、イベントの手伝いやライターさんやWEB媒体の編集者さんに作品をPRなどをしていました。――実際に映画業界で働き始めて、いかがでしたか?どんな業界、お仕事でもそうだと思いますが、中に入って、実際にやってみないとわからないことがたくさんありました。例えば、私はリリース(※作品の公開決定や、キャストの発表、舞台挨拶のレポートなど、マスコミなどに配布するための文書)を書くのがものすごく苦手でして(苦笑)。大学でも卒論を書いたりしていますし、文章を書くこと自体、決して苦手意識を持っていたわけではないんですけど、仕事のリリースが本当に書けなくて…。苦労して書いて、先輩に提出すると真っ赤になって戻ってくることの繰り返しでしたね。パブリシティの業務は1年ほどやらせていただいて、その後、タイアップ営業の部署に異動となりました。結局、ガイエにはアルバイト時代も含めて3年ほど在籍していたんですが、人事、パブリシティ、営業といろんな部署に関わらせていただきました。その後、2021年に映画の企画・制作からアニメ作品やアジア映画の配給・宣伝などを行なっている「チームジョイ」という会社に転職しました。――お話しできる範囲で、転職することになった経緯についても教えてください。コロナ禍で、映画業界もいろんなことがしばらくストップしてしまったんですよね。私がいたタイアップの部署も、全てのタイアップ案件が飛んでしまって…。会社も方向転換を余儀なくされた部分があって、どこまで映画に関わっていけるのか? という思いはありました。その時期、コロナでヒマだったこともあって、私はなぜか「OCTB -組織犯罪課-」という香港ドラマにめちゃくちゃハマってしまったんですね(笑)。別に以前からアジア系のドラマや映画が好きだったというわけでは全くないし、キラキラの恋愛ドラマでもなく、香港警察とマフィアの攻防を描く渋いドラマなんですけど…。そこから、中国語ができるようになりたいなと思って勉強を始めたりして「やっぱり、エンタメって面白いな」という気持ちになったんです。こういう作品に携われるような企業はあるかな? と思って、いろいろ調べて行き着いたのがチームジョイでした。――アジア系の作品の配給・宣伝だけでなく、企画や制作、グッズの販売など幅広く行なっていますね。まさにそこに惹かれました。映画の宣伝って、私がやっていたようなWEBの宣伝やタイアップだけでなく、本当にいろんな業務があるんですよね。それを最初から最後まで見られるのは配給会社だなと思っていました。ちょうどその時期、コロナ禍にもかかわらず、チームジョイの担当していた『羅小黒戦記ぼくが選ぶ未来』も大ヒットしていて、勢いも感じて応募しました。――転職されてみていかがでしたか? チームジョイではどんな業務を担当されたんでしょうか?チームジョイでの日々はめちゃくちゃ濃かったですね。実質、在籍したのは1年半くらいだったんですが、5年くらい働いていたんじゃないかって思うくらい。入社後は『羅小黒戦記』のグッズの輸入・販売に始まり、アニメーション映画『白蛇:縁起』の日本語吹替版制作パッケージ制作、宣伝と本当に何でもやっていましたね。入社して驚いたんですが当時、チームジョイには私のほかに中国系の社長を含めて、4人の社員がいたんですが、社長が中国のテレビ局の日本支社でジャーナリストをしていた経験がある以外、過去に映画業界で仕事をしたことがある人はひとりもいなかったんです。海外の映画を1本買うにしても、普通なら映画祭のマーケットに行ったり、セラーに連絡したりするんでしょうけど、そんなノウハウを誰も持っていない状況でした。そんな中、社長から「今日中にタイの映画で買えそうな作品をリストアップして」みたいなことを言われて…。私は英語もろくにできないし、日本に入ってきてないタイ映画をどうやって調べたらいいんだろう? という感じで(苦笑)。スマホに「HelloTalk」という語学系のアプリをインストールして、タイ語に設定して、タイで日本語を勉強したいという人たちを集めて「最近、おススメの映画を教えて」と聞いたりしたり、現地の大使館に直接、電話してみたり…。めちゃくちゃ非効率なんですけど、何とかやり方を探すという感じで、すごく鍛えられましたし、逆に通常のやり方を知らないからこそ、既存の方法にとらわれずにいろんな新しいことを試すこともできたのかなと思います。ウクライナのアニメ映画を日本で公開「私がやらなきゃ誰がやるんだろう?」」――ウクライナのアニメーション映画である『ストールンプリンセス』に巡り合うことになったのも、そうしたお仕事の中で?まさにそうで、『羅小黒戦記』も『白蛇:縁起』もヒットして、中国以外の作品もやってみようということになって、リサーチする中でウクライナのアニメーション映画の存在を知りました。――その後、会社を辞めて、自分で配給会社を設立して、『ストールンプリンセス』の日本での興行権を購入することになるまでの経緯について、教えてください。チームジョイでの日々は本当に楽しかったんですが、仕事をする中で、「自分だったらこういうこともするのにな」とか「将来、独立してみたいな」という気持ちが少しずつ芽生えてもきていました。先ほどもお話しましたけど、チームジョイは社長も自由で面白過ぎて、それを見ているうちに「私にもできるんじゃないか?」みたいな気持ちがわいてくるんですね。そんな中、ロシアによるウクライナ侵攻が始まったんです。正直、それまで世界情勢にものすごい関心を持っていたわけではなかったんですけど、21世紀にもなって大国が他国に侵攻して戦争が始まったということにものすごい衝撃を受けました。自分に何ができるか? と考えた時、ふとウクライナのアニメの存在を思い出したんです。調べてみたら、これまでウクライナのアニメーション映画が日本で劇場公開されたことはなくて、もしそれができれば映画業界としてウクライナ支援ができるんじゃないかと思ったんです。そこでウクライナの制作会社に「お問い合わせフォーム」から連絡してみました。連絡を取って、それこそ、いまどういう状態なのか? というところの話から始まって、スタッフのみなさんがポーランドやイギリス、フランスに散らばりながらも元気にやっているということで、最初は『MAVKA the forest song』という作品を買い付けたいと思ったんですが、まだ完成もしていない状況で、それとは別に『ストールンプリンセス』という作品もあるよという話になったんです。チームジョイでこの作品を配給できないかと思い、社長に相談したんですが、会社の規模的にひとつの作品の公開に全社員を注入するという感じなので、スケジュール的にいま、買ったとしても公開できるのはかなり先になってしまうので、難しいだろうということだったんですね。それをウクライナのスタジオにお伝えしたんですが、ウクライナって実は日本のアニメの人気が高くて、アニメEXPOみたいなものが開かれるくらいで「もし日本でウクライナの映画が公開されたら、これまでのような一方通行ではなく双方向の交流が生まれることになったので、残念だね。明るいニュースを届けたかったんだけど…」ということをおっしゃられたんですね…。それを聞いた時「これは私がやらなきゃ誰がやるんだろう?」という使命感に駆られてしまいまして…(笑)。そこから、会社で製作委員会を組んで配給できないか? など、いろんな方法を検討したんですけど、なかなか難しくて…「じゃあ、辞めようか」って。――そこで会社を辞めてまでやろうと決断できたのはなぜだったんでしょう?そこは本当にいろんな人に相談しました。だいたいみんなに反対されたんですけど、ガイエの元社長で、「映画.com」の編集長をされている駒井(尚文)さんにも話を聞いてもらったら、駒井さんは賛成してくれたんですよ。駒井さんご自身も30代で起業されたんですけど「もし(いまの粉川さんと同じ)20代半ばに戻れるなら、即起業してるよ」って言われました。配給権を買うのは自分のお金を使うつもりだという話をしていたんですけど「もしダメだったとしても、借金を背負うわけではないし、作品の権利も持ってるわけだから、それを持ってどこか別の配給会社に入社してもいいんだし、何とかなるよ。だからそんな不安に思わず、軽い気持ちでやってみな」と。経験やコネがないことが不安だという相談もさせていただいたんですけど「経験は、やっていくうちについてくるし、会社を作って自分で“社長”を名乗れば、相手方も社長クラスが出てくることが多くなるし、コネも向こうからやってくるよ」とおっしゃっていただいて、背中を押されました(笑)。そこでまず、ウクライナのスタジオに「私が買います」と連絡しました。――それから「Elles Films」を設立されたんですね。「会社を作る」となると、こまごまとした事務的な仕事などもあって大変そうなイメージがありますが、いかがでしたか?私、メッチャ雑なんです(苦笑)。正直、ギリでしたね。これ以上、あれこれ細かいことがあったら、無理だったろうなと思います(笑)。とはいえ、昔と違って起業自体はしやすくなってますし、ネットの情報も増えているので、何とかやれましたね。映画公開を実現させた“人との繋がり”――その後、映画の日本公開に向けて、どのような仕事があり、どうやって進めていったのかを教えてください。『ストールンプリンセス』の配給権は自分で買って、会社も設立したんですけど、日本で公開をするとなるとP&A費(プリント代と広告費用)がかかるんですね。広く日本で観ていただくには、吹替版であることはマストだと思ったので、日本語吹替版の制作費用も必要でした。最初は融資を受けることを考えて、計画書を持って銀行を回ったりもしたんですが、なかなか難しく…。そこでクラウドファンディングをすることを決めました。2022年の9月から11月にかけて、約2か月で目標金額は1,700万円だったんですけど、最初の1か月くらいは40万円くらいしか集まらず「これは終わったな…」と思いました(苦笑)。それでも、あきらめきれず、地方も含めていろんな媒体のお問い合わせフォームにニュースとして取り上げてほしいと連絡を入れて、そこから少しずつ取り上げていただけるようになり、最終的に950万円が集まりました。それでも足りなかったので、製作委員会を組むことにして、朝日新聞さん、KADOKAWAさん、ねこじゃらしさん(※『ドライブ・マイ・カー』の製作などにも参加している映画・映像コンテンツ製作会社)、ユナイテッドシネマさんの協力を得られることになりました。当初、1700万円で小規模での公開を考えていたんですが、5社のご協力によって、予算を増やして、日本全国で公開しようということになりました。――劇場公開の見込みが立ったわけですね。それ以外の日本語吹替版の制作についてはどのように進めていったのでしょうか?今回、ありがたかったのは、製作委員会方式を取ってはいるんですけど、日本語吹替のキャストなどに関して、委員会の意向などが入ってくることが全くなくて、こちらから相談したいことがあれば、アドバイスをいただくという形で、すごく自由にやらせてもらえたんですね。なので、日本語吹替版の制作は基本的に私が中心に進めさせていただきました。日本語版を制作する上で、まずは制作会社に当たって見積もりを取ってみたんですが、これがかなり高くて…(苦笑)。そんな時、クラウドファンディングに参加してくださった方で東北新社にお勤めされている方がいて、ある日、ご連絡をいただいて「東北新社で、できる限り値段を抑えて日本語版を制作できます」と言っていただけたんです。打ち合わせに伺うと「こういうやりかたをすれば、予算を抑えられるんじゃないか?」といろいろご提案をいただきまして、本当にありがたかったです。日本語版の台本に関しても、ウクライナの大使館のイベントのブースにクラウドファンディングのチラシを置かせていただいたんですが、それを見た方で翻訳を仕事にされている方が「もし協力できることがあれば」とご連絡をくださったんです。最初「タダでいいです」とおっしゃってくださったんですが、プロの方に仕事としてお願いするわけですから、ささやかではあるんですが報酬はお支払いしたんです。そうしたら、その額をそのままクラウドファンディングに出資してくださって…。キャスティングに関しては、日本語版の制作にあたっては、声優の方だけでなく、いろんな人に参加してもらって、より多くの人に興味を持ってもらえるような作品にしたいと思い、アイドル、芸人さん、YouTuberやVTuberなど、いろいろリサーチしました。東北新社さんからも「この役はこの方はどうでしょう?」などといったご提案をいただいて、進めていきました。――劇場回りのことや宣伝業務はどのように?劇場公開の規模に関しては、私が希望を出した上で、KADOKAWAさんが全国の劇場に営業をしてくださいまして、ユナイテッドシネマをはじめ、全国の劇場で公開されることになりました。宣伝は「紙・電波」と「WEB」でそれぞれ、フリーランスのパブリシスとの方にひとりずつ入っていただいてます。――予告編はどうやって制作されたんですか?予告編は大学時代の同級生にお願いしました。大学時代の友人たちは、制作の現場で働いている人が圧倒的に多いんですね。なので「映画をつくるなら手伝うよ!」と言ってくれる友人は多いんですが、映画完成後の仕事に関しては、残念ながら、あまり手伝ってもらえる人が少なくて…(笑)。そんな中でも、その友人は、テレビや映画の編集を仕事にしていて、助けてもらいました。――いろいろな人のつながりが…。本当に今回、多くの方に助けていただきました。どうしても少人数なので手が回らない部分も多いんですが、映画のポスターやチラシの配布についても、SNSでサポーターを募集して、ご厚意で配っていただいたり。本当にありがたいです。「軽い気持ちで(映画業界に)入ってきちゃえばいい」――ちなみに今後『ストールンプリンセス』以外の新たな作品の展開なども考えられているんでしょうか?めちゃくちゃ考えてます。既に2作目の配給は決まっていて、決して映画制作が盛んとは言えないシンガポールで、日本のコンテンツにも影響を受けたという監督が11年の歳月をかけてつくった映画がありまして、その配給と宣伝の委託を受けています。他にも韓国のアニメーション映画を交渉中で、今後は映画配給を中心に展開しつつ、他のエンタメ事業も色々考えています。銀行の融資を受けようとしたというお話をしましたが、どうしても映画って水モノで波があるものなんですよね。担当の方からは「低くてもいいから、安定した収入があれば…」みたいなことを言われて、その時はすごく腹が立ったんですよ。「それがあれば苦労しないし、そんなこと言う人がいるから映画という文化が…!」って(笑)。でも、冷静に考えたら、本当にその通りなんですよね。映画は好きなので、映画配給は継続的にやっていきたいけど、そのためにも一定の安定した収入がなくてはいけないなと。――最後に映画業界で働くことを志す人たちにメッセージをお願いします。私は映画にそこまで詳しいわけではなく、例えばゴダールをちゃんと見てるかというと全部見てないし、そんな自分に自信がなかったんですよね。でもここまでやってきて、感じたのは、私が楽しければ、きっとみんなも楽しいし、それでいいんだなということなんですよね(笑)。映画ってたくさん見てないと「映画好き」と名乗ってはいけないし、映画業界で生きてはいけないと思う人もいるかもしれませんが、そんなことは決してありませんし、映画だけでなく「エンタメが好き」という人がどんどんこの世界に入ってきてほしいなと思っています。――中途入社されたチームジョイでの仕事も、単に“映画好き”という視点ではできなかったことが多かったでしょうね。本当にそうで、チームジョイって良い意味で「お金好き」の人が集まった会社なんですよね(笑)。普通、そんなことしないでしょ? ってことをどんどんやってるし、「いままで、やったことのない仕事をどんどんやりなさい」という教えをいただきました。とりあえず、軽い気持ちで(映画業界に)入ってきちゃえばいいと思っています。(黒豆直樹)
2023年10月05日皆さんは若かったあの頃、どうしても親を許せないと感じたことはありますか?今回は、10代の頃に「実の親でも許せない!」と感じたというエピソードを紹介します。イラスト:しのささむつ大学受験のとき…大学受験のときの話です。私はほぼ無名の地方公立高校から旧帝大を目指していました。私が夜遅く出歩くのを親がいい顔しなかったので塾にも行かず、高校1年生の時から毎日10時間以上勉強して、なんとか現役で第一志望に入ることができました。親に合格を知らせたら、「合格させてやった感謝がない」と叱られました。叱られた理由出典:愛カツ親が言うには、私が合格できたのは毎日勉強できる環境を整えた親のおかげ(家の手伝いをさせなかった・バランスいい食事を出してやった・勉強にうちこめる経済状況である)であって、同じ環境なら誰でも合格できるそうです。だから本来なら「合格させてくださってありがとうございます」と言うべきなのに、その言葉が真っ先にないのは性格がおかしいと言われました。ちなみに親は私の合格をすぐ吹聴し、近所で「子供を優秀大学に入れた親」としてチヤホヤされていました。(33歳/女性/研究職)親の協力も重要だけど…もちろん志望校に合格するためには、親の協力も重要かもしれません。でも自分の両親には最初に「合格おめでとう」と言ってほしいものですね…。※こちらは実際に募集したエピソードをもとに記事化しています。(愛カツ編集部)
2023年09月17日■前回のあらすじ退院しても家には戻らずに施設に入るという義母。それに怒った義父は自分は施設に入るお金は払わないと言ってくる。また義妹は由貴たちに、義母を見捨てるのかとかみつくが、由貴が協力しているのは義母の希望だった。そして、義母は施設に入るお金は自身で払うと言うのだが…。 >>1話目を見る お義母さんが自宅の名義の話をあえて私たちの前でしたのは、きっと理由があるのでしょう。息子である景士をバカにして、自分が一番家族の中で偉いとみせてきたお義父さん。でも実際には自宅はお義母さんが払ってきたものでした。その事実を突きつけることで、お義父さんの態度をいさめたかったのだと思います。そしてもう2度と一緒に住むことはないお義父さんに対して、少しでも老後を安心して暮らすためのお義母さんなりの最後の優しさだったのかもしれません。次回に続く(全12話)毎日更新! ウーマンエキサイトのTwitterをフォローしてこの話の続きを先読み! ※この漫画は実話を元に編集しています脚本・ 日野光里 /イラスト・ ふゆ
2023年04月14日自分の子どもを亡くしたら何よりも悲しみが先にくるものだと思いますが、中にはそうではない人もいるようで…。 そこで今回は、息子の遺産を嫁から不当に全て奪おうとする義両親を描いた漫画「息子の遺産を不当に奪おうとした義両親の末路」を紹介します!『息子の遺産を不当に奪おうとした義両親の末路』主人公のソラは、若くして夫を失ったばかり。夫を亡くした悲しみに暮れる矢先、義両親が「息子の財産を全部よこせ!」と言ってきました。ソラは、幼い娘もいるし、夫本人の遺言もないので2人に相続権はないことを説明しますが、何度言っても聞く耳を持たない義両親。それから一年半が経ったある日、義両親から衝撃の話を聞かされます。なんと、夫に浮気相手と隠し子がいたことが判明。まだ幼い浮気相手との子のために遺産を譲るように言われます。内緒で浮気相手を作っていたことに初めはショックを受けるソラでしたが、義両親の話を聞くうちにつじつまの合わないことがいくつもあり…。子どもは義父と浮気相手との子であることが判明出典:Youtube弁護士に調査を依頼した結果、子どもの父親はソラの夫ではなかったことが判明。息子が大変な時期に浮気をし、その罪を亡くなった息子に着せて遺産まで奪いとろうとしていたことが分かり、怒りで震えるソラ。その後の処理は弁護士に任せて、ソラは義両親とは絶縁することになるのでした。卑劣な義両親の末路息子の死を悼むどころか、何も言えないのをいいことに遺産まで奪おうとしていたなんて信じられませんね。夫の汚名を晴らし、遺産を守ることができたのが何よりの救いです。(イラスト/モナ・リザの戯言)※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点でのものになります。
2023年04月07日lamireの大人気コンテンツ”連載漫画”の中から、編集部のおすすめ漫画記事をピックアップします!今回は、YouTube漫画を手がける漫画アパート皐月荘さんの、「浮気相手に夫の財産を貢いだ妻の末路」のあらすじやイチオシシーンをご紹介します♪この物語は…出典:lamireこの漫画は、主人公のマオが彼氏を応援するため、お金を貢ぐところからはじまります。しかしお金の出どころはなんと“夫との共有財産”。実はマオは既婚者なのです…。一方…出典:lamireマオの夫・ナオトはというと、妻の浮気にしっかりと気付いており、すでに弁護士に相談済みでした。証拠集めは万全で、妻への制裁計画を着々と進めている様子。そして、「ボーナスをもらってから離婚しよう」というマオの思惑を打ち砕くべく、ついに動きはじめました…!決戦の給料日出典:lamireボーナスを受け取る気まんまんのマオ。しかし、ナオトが突きつけたのは離婚届でした。予想外の展開に、驚きと怒りが湧き上がるマオでしたが、「慰謝料たっぷり払ってもらうからね!」と言い、離婚に向けての話し合いをすることに…。ところがマオはなぜか「女性は慰謝料をもらえるもの」だと勘違いをしており、「浮気した側が慰謝料を払う」ということを知った途端、態度が一変!浮気相手も責任逃れする始末…。そんな中、義母が急に…!?出典:lamire突然、マオの味方をする義母。ナオトはまさかの事態に驚きつつも「夫婦の仲を壊した上、共有財産にまで手をつけたのだから、それ相応の制裁は当然」と言い放ちます。出典:lamireその後、一連の流れを見ていた義父が激怒!なんと突然、義母に離婚を言い渡します。この話し合いでは、なんと義母もマオの浮気相手の男と関係を持っていたという衝撃の事実が判明!それを前々から知っていた義父は、この機会に離婚を突きつけたようです。この後マオと義母は家から追放され、慰謝料返済生活がスタートします…。衝撃の結末に驚愕、そしてスカッと!マオだけでなく、マオの母親まで同じ相手と浮気をしていた…というまさかの結末には驚きでしたね。とんでもない母娘に対し、冷静に対応したナオトと義父に拍手です!今回は編集部おすすめ漫画「浮気相手に夫の所有物を貢いでいた妻の末路」をご紹介しました。(lamile編集部)(イラスト/漫画アパート皐月荘)本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点のものになります。"
2022年08月04日夫に先立たれた妻が財産を相続した際、その一部申告漏れを指摘されるというケースが増えている。正しい認識で、先々のペナルティの発生を防ごうーー。「税務署から連絡を受けたときはびっくりしました。まさか自分が追徴課税を支払うことになるだなんて……」そう肩を落とすのは首都圏近郊に住むA子さん(70代)。A子さんは、夫の死後2年ほど経過してから税務調査を受け、その結果なんと数百万円のペナルティを科せられたという。夫は長年にわたり商売を営んでいた。夫が病いに倒れてから店をたたみ、夫名義の不動産をすべて処分。そのお金を夫と折半し、手元に所有していた。夫の死後、相続税の申告を税理士に依頼したとき、「預金通帳以外のお金は申告しなくてもいいのだろう」と考え、“へそくり”のことを伝えていなかった。押入れに保管していた多額のへそくりが、ペナルティの対象になったのだ。「タンス預金自体が悪いのではなく、問題なのは手持ちの現金まで税務署はわかるはずがないと、タンスの引出しやクローゼットの奥にしまってある現金について申告をしないことです。これは相続税を『過少申告』したことになります。配偶者が相続した課税遺産総額は『1億6000万円』もしくは『配偶者の法定相続分相当額』のうち、どちらか多い金額までは相続税が課せられないといったルールがあります。ところが、A子さんのケースは相続税を過少申告した『仮装隠ぺい行為』にあたる可能性があります。仮装隠ぺい行為と認定されると、配偶者の相続税の優遇措置が受けられなくなります。“へそくり”についても、すべて申告する必要があります」そう指摘するのは、税理士で円満相続税理士法人代表の橘慶太さん。橘さんはこれまで5000人以上の相続相談に乗り、手続きのサポートをするなかで、税務署に“狙い撃ち”される家族を見てきた。「結婚後、長年専業主婦をしていて、なおかつ実家の親から大きな遺産を相続したわけでもない。そういう妻の預金通帳に数千万円ものお金がある場合、『専業主婦だった妻の通帳に多額の預金があるのはおかしい』と疑われて調べられるのです。相続財産は夫が亡くなったときに残っていた『夫名義の財産』だと思う人も多いでしょうが、専業主婦の妻の通帳にあるお金は元をたどると『夫が稼いだお金』で構成されています。そのようなお金のことを『名義預金』といい、実際には夫の財産として相続財産に含める形で相続税を計算します」じつは、私たちの財産は、毎年の確定申告や給与の源泉徴収票をもとに「国税総合管理」(KSK)という国のシステムによっておおよそ把握されている。差額があると、「どこかに隠しているのではないか」と疑いの目を向けられるのだという。相続税の修正申告というと、「書類の不備」などを指摘されることをイメージするかもしれないが、相続税を申告しなかった人の財産もこのシステムで把握できるようになっていると橘さんは言う。「自分の預貯金が相続税の対象になるということは、まったく知りませんでした……」ため息をつくのは、首都圏在住のB子さん(80)だ。やはり相続税の申告漏れを指摘され、約100万円の追徴課税を支払うことになってしまったという。「申告漏れ」はB子さん名義の預金だった。「いきなり100万円と言われてショックでした。私の相続分には『配偶者の税額の軽減』が適用されたので相続税はかかりませんでしたが、2人の子どもたちの分には相続税が発生してしまいました」(B子さん)■夫からのプレゼントが対象になることもB子さんは生活費として夫からもらったお金の残りをコツコツ貯めて“へそくり”にしていた。このほかにも、20年ほど前に夫が定年した際に退職金の一部を預かっていた。「退職金を分けて、一部を妻の口座に入れるケースをよく見かけますが、妻へのプレゼントであれば年110万円を超えると『贈与税』が発生します。一時的に預かっているだけ、ということであっても、元をたどると夫が稼いだお金なので、相続財産に含めなければなりません」(橘さん)■「制度を知らなくて」は税務署には通用しない近年、税務署は相続税の申告書を提出しなかったB子さんのような「無申告者への税務調査」を積極的に行っているという。「不慣れだったので計算ミスをしてしまった、制度を知らなかった、という人に対しても税務署は容赦しません。’20年7月~’21年6月に税務調査を受けた家庭の85.3%が修正することになり、申告ミス等で、追加で課税される1件あたりの追徴課税額は943万円にもなりました」追徴課税の“ターゲット”になる財産は、預金のほかにもある。へそくりを使い株や投資信託など妻の名義で購入した金融資産も、元をたどって夫のお金であれば、相続財産に含めなければならない。このほかに、夫が保険料を支払っていた生命保険金、金やプラチナなどの貴金属類も相続財産になるため注意が必要だ。■追徴課税の“ターゲット”になりやすい財産【預金】妻名義の銀行口座のお金、タンス預金は、元をたどると夫の収入から成り立つので相続財産に含める。【不動産】自宅は「小規模宅地の特例等」が適用されれば相続税は8割減になるが、ほかに投資用の不動産がある、借地権付きの土地に建物を立てているなどのケースは要注意。【生命保険金】夫が保険料を支払っていたら、名義は妻でも受け取った生命保険金は相続財産に含める可能性が(※500万円×法定相続人の人数の分は非課税)。【株・投資信託】妻の名義で株や投資信託を保有していても、購入資金が夫のお金であれば、相続財産に含める可能性も。【金・プラチナ】夫から妻へのプレゼント、あるいは妻の自分へのごほうびであっても、購入資金が夫のお金であれば、相続財産に含める可能性が。「うちの財産はたいしたことはないから」と安易に判断せず、相続税が発生するかどうか、わからない場合は税務署や相続に詳しい専門家にきちんと相談しよう。相続で大切な資産を減らしてしまうことのないよう、親や自分のへそくりについて、正しい申告を心がけたい。
2022年06月09日多くの人が直面する親の介護問題。時間だけではなく、お金までかかったらたまったものではない。親の介護のコツは親のお金で行うこと。専門家が解説するーー。「“人生100年時代”といわれています。親の介護期間が長くなれば、そのぶん介護費用の負担も増加します。子どもが親の介護で苦しまないためにも、原則“親の介護は親のお金を使う”と決めておくことです。そうすれば、介護破綻を防ぐことにつながります」こう語るのは、『親の介護で自滅しない選択』(日本経済新聞出版)の著者で、介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さん。「2021年度 生命保険に関する全国実態調査」(生命保険文化センター)によると、在宅介護にかかる自己負担額は、月平均で4万8,000円。施設介護の場合だと、月平均12万2,000円もかかるという。また、同調査における介護期間の平均は5年1カ月。全体の17.6%の人が「10年以上」介護をしているというから、長期化のリスクにも備えなければならない。「親の介護費用を過度に負担したことで、子どもの教育費などにも影響を及ぼし、夫婦関係がギクシャクしてしまうケースも少なくありません」(太田さん・以下同)そこで太田さんに、世話をする子どもが損をせずに、親のお金で介護費を確保するための5ステップを指南してもらった。【1】親の財産を把握する「介護費用というのは、“いくらかかるかではなく、いくらかけられるか”が大事。そのためには、親の懐ろ事情を事前に知っておくことがとても重要となってきます」(太田さん・以下同)そもそも、親がどれだけお金を持っているか。ほとんどの子どもは知らないという。「親の年金額、預貯金、株、不動産、どのような保険に加入しているか、さらに借金の有無などを知っておくことで、どんな介護ができるか見えてきます」別居している子どもの場合、親が住民税課税世帯か非課税世帯なのかさえ、把握していないケースが多いそうだ。「もし非課税世帯であれば、医療費や介護費などの負担が軽減されます。ぜひ、親が元気なうちに財産の状況を聞いておきたいですね」しかし、普段からコミュニケーションが取れている親子なら聞きやすいが、そうでない親子も多い。子どもから突然お金のことを聞かれたら、怒りだしたり、戸惑ったりする親もいるだろう。「保険の話をきっかけにするのが有効です。たとえば、“私、〇〇という保険に入ったんだけど、お父さん(お母さん)はどんな保険に入っているの?”と聞いてみる。自分の情報を開示しながら、話を切り出せば、会話がスムーズになります。話の流れで、徐々に年金や預貯金の話に広げていく」また、親の確定申告を代わりにやることで、通帳や保険内容などをチェックすることもできる。もちろん、親に介護のことが心配だからと伝えて、ダイレクトに聞いてみるのも手だ。月々の年金額も含めた親の懐ろ事情が把握できたら、月にどれだけ介護に対してお金を使えるか、見えてくる。【2】代理人カードを作る要介護状態になれば、親は気軽に銀行に行けなくなるだろう。買い物や公共料金の支払いなど、日々の細かい支払いを肩代わりしているうちに、大きな負担になってしまうことも。「年金が振り込まれる親の口座のキャッシュカードをもう1枚作りましょう。これは本人以外の親族でもお金を引き出せる『代理人カード』と呼ばれるもので、多くの金融機関が対応しています。ただし、口座名義人が申請して作るものなので、親と相談したうえで、親が元気なうちに金融機関に同行して作っておきましょう」親のために使うお金は、親の口座から引き出したもので払おう。【3】「預かり金」の活用を検討する親からまとまったお金を預けてもらう方法もある。「たとえば、親の定期預金500万円を解約して、将来介護費用として使用するための“預かり金”として、新たに子ども名義の口座を作ります。その際、親子間で“覚書”を交わす。預かり金であれば、贈与税はかかりません。介護が始まったら、その口座から費用を出金する。親が亡くなった時点で残金があれば、そのお金は相続財産となります」相続や税金のトラブルを防ぐためにも、介護にかかった費用の明細と領収書は必ず残しておこう。【4】任意後見人契約を検討する本人に代わって財産管理や介護契約などを行うことができる「成年後見制度」というものがある。「この制度は、裁判所が後見人を選任する『法定後見』と、本人(親)が成年後見人を指名して契約する『任意後見』に分類されます。後者の『任意後見』は本人の意思によって決めることができるので、親が子どもを指名できます」親が元気なうちに、任意後見契約を結んでおけば、将来的に認知症になってからの財産管理や契約などをスムーズに行える。一方、「法定後見」の場合は、親の判断能力が低下したときに、成年後見人が必要と感じた親族らが申し立てを行って、裁判所が後見人を選任する。「必ずしも配偶者や子どもが後見人になれるわけではなく、面識のない弁護士や司法書士といった第三者がなるケースが多いようです」親の口座から介護費用を引き出したい場合でも、第三者の後見人にいちいちお願いして判断を仰がないといけなくなるという……。【5】地域包括支援センターに事前に話を聞く最後は、親が要介護になっても慌てないための情報収集!「はじめて介護をすることになると、不安や疑問、わからないことだらけです。各自治体には高齢者とその家族が気軽に無料で相談できる『地域包括支援センター』を設置しています。事前に親の住む地域にあるセンターに連絡して、親が要介護になったら“どんな介護サービスを利用できるか”“費用の軽減制度は?”など、介護に関するさまざまな情報をリサーチしておく。そうするといざ介護となっても慌てずに準備できます」長期化する介護期間を乗り切るためにも、親の介護は親のお金で賄う時代なのである。
2022年05月20日親が認知症になってしまうと、ただでさえ大きな精神的ショックを受けるものだが、じつはお金の面でも「財産凍結」という衝撃的な事態が起こってしまうのだ。老親が健在なうちにしっかり対策を取っておこうーー!「高齢者が保有している財産が、本人の判断能力の低下によって使えなくなる、動かせなくなることを、財産の『凍結』といいます。具体的には、預貯金の引き出しができなくなるほか、定期預金の解約、株式や投資信託などの売却も難しくなります。不動産の売却やリフォームも同様です。こうした凍結は認知症に限らず、脳梗塞や事故の後遺症などによって判断能力を失ってしまったケースでも起こりえます」こう語るのは、『親の財産を“凍結”から守る認知症対策ガイドブック』(日本法令)の著者で、司法書士法人ミラシア、行政書士法人ミラシア代表社員の元木翼さん。「父が脳梗塞で急に倒れて、しばらく入院してしまいました。万が一再発して判断能力がなくなったら、どうなるのでしょうか?」ある日、このような相談が元木さんのところに来た。相談者は50代の娘。相談者の父は若いころから株主優待銘柄の株取引が好きで、複数の銘柄を持っていた。病気になったとき、その株式を売却したお金を入院費や介護費用にあてたいと思っていたが、父から「売りたくない」と言われて困っているという。「万が一、脳梗塞が再発してしまい、お父さんの判断能力がなくなってしまったら金融資産は凍結されてしまいます。株式や投資信託はなるべくお父さんが元気なうちに売却して、そのお金を『信託財産』として家族信託を契約することをすすめました」(元木さん)このケースの場合、父が委託者で娘が受託者となる。金融商品をまだ手放したくない、というときは、成年後見制度の「任意後見」を使う方法もある。「親の判断能力が低下した後、任意後見人が手続きや取引を継続することができます。任意後見開始後、証券会社に『成年後見制度に関する届出書』を提出すると、証券口座は任意後見人によって管理されることになります。また、認知症対策としても一定の効果がある『生前贈与』を選択する人もいます。生前贈与を行うためには、財産を渡す親と財産を受け取る子どもの間で『贈与契約』を締結することになり、証券会社で所定の手続きが必要です。ほかの財産と同じく贈与税がかかる可能性があるので、どの方法がいいのか、税理士などにも相談したうえで決めたほうがいいでしょう」親が契約している生命保険や医療保険にも気をつけたい。高齢になるとケガや病気で入院することが増えてくるが、本人が認知症になってしまうと保険金や給付金を請求できなくなり、支払いが受けられないといったケースも起こりうるのだ。「生命保険の契約の有無や内容に関する確認や問い合わせは、原則として『契約者』が行いますが、認知症などで判断能力が低下すると保険会社に対してこれらの確認や請求ができなくなります。事前の対策として、配偶者や3親等以内の親族などをあらかじめ『指定代理請求人』にしておくと、本人の代わりに保険金などの請求が可能となります」そう話すのは司法書士法人ミラシアの司法書士、永井悠一朗さん。請求の対象となる保険金は、入院給付金、手術給付金、高度障害保険金、特定疾病保険金、介護保険金などで、親が被保険者で、かつ受取人のものに限られている。ただし、年金保険は対象外になっていることがあるので、親が元気なうちに保険会社に確認しておいてもらおう。■親の認知症で対策すべきは財産凍結だけではない親が認知症になってしまうと、「財産凍結」以外にも、お金にまつわるさまざまなトラブルが考えられる。たとえば、水道光熱費のような公共料金や新聞代など、多くの支払いをクレジットカード決済にしている場合。銀行によっては、口座が凍結されても自動引き落としが継続されてしまうことがある。最近では明細が郵送されず、ウェブ上で確認するようになっていることもあるので、何をカード決済にしているのかを事前に親に確認しておこう。また、認知症の親が他人にケガをさせたり、物を壊したりして、法的な賠償責任を負ってしまうようなこともあるだろう。そうした事態に備えるためには「個人賠償責任保険」への加入がおすすめだ。契約内容によっても変わるが、月々数百円程度で安心を買うと思えば、けっして高くはない。「財産凍結への対策をしながら、プラスアルファで、認知症になったときに起こりうるトラブルを知っておくことが、もしものときの備えにつながります。いきなり財産凍結の対策を親に持ちかけても、『まだ大丈夫』と取り合ってくれないかもしれませんが、『ケガや病気で入院したときのお金の引き出し方や保険の請求、定期的な支払いはどんなものがあるのか』といったことから始めると、すんなり話を聞いてくれるでしょう」(元木さん)いきなり大きなお金の話をするのではなく、具体的に起こりうるトラブルについて、親に想像してもらうことから話を進めていくことが大切だ。【PROFILE】元木翼司法書士、行政書士。司法書士法人ミラシア、行政書士法人ミラシア代表社員。相談業務や講演活動のほかメディアにも多数出演。近著に『親の財産を“凍結”から守る認知症対策ガイドブック』(日本法令)がある永井悠一朗司法書士。専門は相続、遺言、後見、家族信託。これまで100件以上の家族信託の組成に携わる
2022年03月19日親が認知症になってしまうと、ただでさえ大きな精神的ショックを受けるものだが、じつはお金の面でも「財産凍結」という衝撃的な事態が起こってしまうのだ。老親が健在なうちにしっかり対策を取っておこうーー!「高齢者が保有している財産が、本人の判断能力の低下によって使えなくなる、動かせなくなることを、財産の『凍結』といいます。具体的には、預貯金の引き出しができなくなるほか、定期預金の解約、株式や投資信託などの売却も難しくなります。不動産の売却やリフォームも同様です。こうした凍結は認知症に限らず、脳梗塞や事故の後遺症などによって判断能力を失ってしまったケースでも起こりえます」 こう語るのは、『親の財産を“凍結”から守る認知症対策ガイドブック』(日本法令)の著者で、司法書士法人ミラシア、行政書士法人ミラシア代表社員の元木翼さん。「認知症になって自宅での生活が難しくなったら、自宅を売却したお金で介護施設に入りたい」「空き家になっている母名義の実家を今のうちに売却したい」などと考えている人は多いだろうが、親が認知症になってからでは自宅の売却やリフォーム、建て替えだけでなく、自宅を担保にした借り入れもできなくなる恐れがあるという。このようなトラブルを避けるために利用する人が増えているのが「家族信託」だ。家族信託とは、判断能力があるうちに財産などの管理を家族に託す制度のこと。財産の管理を託す親が「委託者」、財産を預かり管理する子どもなどが「受託者」となり、委託者と受託者の間で信託契約を結ぶことになる。「相続や信託に詳しい司法書士などが書類を作成したうえで、公証役場に出向いて公正証書で信託契約を交わすのが一般的です。信託財産は自宅だけでなく、預貯金や金融商品なども対象にできます。子どもが受託者になるので、毎月支払う報酬は普通設定しませんが、専門家に書類の作成を依頼するなどの初期費用が必要になります。相場は信託財産の1%程度で、このほかに公正証書を作成する費用や登録免許税がかかります」そう話すのは司法書士法人ミラシアの司法書士、永井悠一朗さん。たとえば、親が「認知症になったら自宅を売却したお金で介護施設に入りたい」という希望を持っている場合の手続きは次のとおり。(1)親が持っている資産を洗い出したうえで、使う目的を明らかにする。(2)司法書士などの専門家が、家族と話し合いながら信託契約書を作成する。(3)委託者と受託者が公証役場に行き、信託契約を結ぶ。(4)金融機関で「信託口口座」を開設。その口座に信託金銭を移し、不動産の名義を受託者に変更しておく。「親は信託財産である自宅にこれまでどおり住むことができますし、自宅を売却したら、売却したお金は信託財産として介護施設への入居費用や生活費などに利用することができます。ただし、家族の仲が悪い場合は家族信託を断念するケースもあります。法律上必須ではありませんが、将来的な相続トラブルを避けるためにも、推定相続人の同意を得たうえで手続きを進めるようにしましょう。同意をもらうことができない場合は任意後見の利用を検討することになります。いずれにしても、家族が不利益を被らないよう、事前に関係者の意見を聞くことが大切です」(永井さん)また、後々の相続を考えるなら「生前贈与」を活用するプランもある。不動産や預貯金、株式や投資信託などの金融商品、自動車といった財産を子どもの名義に変更しておくという選択肢だ。自宅を生前贈与すると、贈与税や不動産取得税のほか、名義変更にともなう登録免許税がかかってくるが、「相続時精算課税制度」などを使えば贈与税は非課税になる場合もある。固定資産の対策では税金に注意が必要なので、事前に税理士などに相談してからベストなプランを決めよう。■土地などの売買ができなくなるトラブルに備え、親が認知症になる前にやっておくべきこと〈家族信託を利用する〉家族と協議し、司法書士などに信託契約書を作成してもらい、印鑑証明とともに公証役場に持参する(※すべての財産に対して使える)。■自動車などを売れなくなるトラブルに備え、親が認知症になる前にやっておくべきこと〈生前贈与を行う〉年110万円以下の非課税の範囲内で贈与する。相続開始前3年以内の贈与は、相続時に相続財産として加算されるので注意(※すべての財産に対して使える)。親の判断能力が低下したときに直面する「お金のトラブル」。もしものときでも慌てないように備えておこう。【PROFILE】元木翼司法書士、行政書士。司法書士法人ミラシア、行政書士法人ミラシア代表社員。相談業務や講演活動のほかメディアにも多数出演。近著に『親の財産を“凍結”から守る認知症対策ガイドブック』(日本法令)がある永井悠一朗司法書士。専門は相続、遺言、後見、家族信託。これまで100件以上の家族信託の組成に携わる
2022年03月18日親が認知症になってしまうと、ただでさえ大きな精神的ショックを受けるものだが、じつはお金の面でも「財産凍結」という衝撃的な事態が起こってしまうのだ。老親が健在なうちにしっかり対策を取っておこうーー!「高齢者が保有している財産が、本人の判断能力の低下によって使えなくなる、動かせなくなることを、財産の『凍結』といいます。具体的には、預貯金の引き出しができなくなるほか、定期預金の解約、株式や投資信託などの売却も難しくなります。不動産の売却やリフォームも同様です。こうした凍結は認知症に限らず、脳梗塞や事故の後遺症などによって判断能力を失ってしまったケースでも起こりえます」 そう語るのは、『親の財産を“凍結”から守る認知症対策ガイドブック』(日本法令)の著者で、司法書士法人ミラシア、行政書士法人ミラシア代表社員の元木翼さん。「銀行口座が凍結されてしまい預貯金が引き出せない」「定期預金を解約できない」といった「財産凍結」の備えには、金融機関が発行する「代理人カード」が、簡単かつ低コストな選択肢だという。「子どもが親のキャッシュカードを預かり、暗証番号を聞いてお金を引き出すことは、基本的には認められていません。とにかくコストを抑えながら簡単に備えたいという人は、金融機関で『代理人カード』というキャッシュカードを発行してもらうといいでしょう。1枚、1,000〜2,000円程度で発行してもらえます。カードが使える人は生計を一にする親族、または2親等以内など、金融機関によって異なります」(元木さん・以下同)子どもが親と離れて暮らしているので直接世話ができない、または金銭管理は専門家に任せたいというときは、「財産管理委任契約」や成年後見制度の「任意後見」を利用するケースがある。「『財産管理委任契約』は自分の財産が管理できなくなったときを想定して、財産の管理を子どもや第三者に委ねる契約のこと。ただし、契約時に公正証書の作成や裁判所の手続きが不要で、監督制度も不十分であるため、判断能力低下後は、成年後見制度を利用することが望ましいとされています。そのため、身体的な衰えで財産管理ができなくなったときの備えとして『財産管理委任契約』を結んでおき、その後、判断能力が低下してしまったら『任意後見』に移行するというように、2つセットで契約するケースが多いです」任意後見は、事前に選んだ後見人が、判断能力の低下後、生活に関わる手続きや金銭管理を代行できる制度。預貯金引き出し時の証明は不要だが、家庭裁判所が選んだ任意後見監督人に定期的に使途を報告する義務がある。「任意後見監督人は家庭裁判所が決めますが、弁護士などの専門家が選ばれるケースが大半。公正証書の作成を含めた初期費用は専門家に依頼すると約10万円。判断能力の低下後、家庭裁判所に申立てする際に約5万〜10万円、収入印紙や郵送費など、約5,000円が別途かかります」さらに任意後見は、法定後見と同様、親が亡くなるまでやめられないので、後見人(専門家が後見人の場合)と任意後見監督人への報酬が継続的にかかってくることに。報酬の月額の目安は、後見人が約3万〜5万円、監督人は約1万〜3万円。第三者に金銭管理を任せたい場合は、日常的な金銭管理(公共料金の支払いや預貯金の管理)や見守りを代行してくれる「日常生活自立支援事業」を使う方法もある。申込み先は市区町村の社会福祉協議会で、利用料は月額1,000〜3,000円と低コストで済む。最近では「信託銀行の認知症対策サービス」もあり、一定金額を預けると、入院・介護費用などの支払いを代行してくれる。■預金を引き出せなくなるトラブルに備え、親が認知症になる前にやっておくべきこと〈銀行で代理人カードを作る〉銀行窓口に通帳とキャッシュカード、届出印などを持参して手続きをすると、約1週間で発行してもらえる。〈日常生活自立支援事業を利用する〉市区町村の社会福祉協議会で手続きをすると、生活支援員が日常的な金銭管理(水道光熱費などの公共料金の支払い、預貯金の通帳・年金の管理など)を行ってくれる。〈任意後見制度を利用する〉家族と協議し、公証役場で公正証書の形式で契約。判断能力が衰えたら親族などが家庭裁判所へ任意後見監督人選任の申し立てをして、任意後見監督人が決まったときから契約内容が実行される(※すべての財産に対して使える)。親の判断能力が低下したときに直面する「お金のトラブル」。もしものときでも慌てないように備えておこう。【PROFILE】元木翼司法書士、行政書士。司法書士法人ミラシア、行政書士法人ミラシア代表社員。相談業務や講演活動のほかメディアにも多数出演。近著に『親の財産を“凍結”から守る認知症対策ガイドブック』(日本法令)がある
2022年03月18日親が高齢になると、急な入院や施設への入所時など、親に代わって手続きをすることが増えるが、親名義の銀行口座からお金を引き出すのは意外とハードルが高い。窓口で身分証明書を提示させられるだけでなく、「本当に預金を下ろすのを子どもに頼んだのか」と、親本人に電話で確認を取られるなど、煩雑な手続きが必要になるのだ。なかには、結局、子どもが一時的に費用を立て替えざるをえなくなる、というケースもあるという。「親御さんが認知症になったら、もっと大変になります。『預貯金を引き出せない』といったトラブルのほかにも、『親名義の自宅や株式を売れない』という事態が起こる恐れもあります。『うちの親は元気だからまだ大丈夫』と先延ばしにしないで、元気なうちから対策をしておくことが大切。認知症対策は『財産凍結』の対策でもあるのです」こう語るのは、『親の財産を“凍結”から守る認知症対策ガイドブック』(日本法令)の著者で、司法書士法人ミラシア、行政書士法人ミラシア代表社員の元木翼さん。2025年には高齢者の「5人に1人」がなるといわれている認知症。それにともなう「財産凍結」について元木さんが解説する。「高齢者が保有している財産が、本人の判断能力の低下によって使えなくなる、動かせなくなることを、財産の『凍結』といいます。具体的には、預貯金の引き出しができなくなるほか、定期預金の解約、株式や投資信託などの売却も難しくなります。不動産の売却やリフォームも同様です。こうした凍結は認知症に限らず、脳梗塞や事故の後遺症などによって判断能力を失ってしまったケースでも起こりえます」■認知症が発症してからでは打てる手が限られる親の判断能力が失われた後では、成年後見制度による「法定後見」しか選択肢がないのが実情だという。「法定後見は、家庭裁判所に家族などが申立てをすることで後見人が決まります。後見人の主な役割は、医療機関や介護保険サービスの手続きなどを親に代わって行う身上保護と、預貯金や不動産などの管理をする財産管理の2つがあります。ただし、後見人は家庭裁判所が決めるので、家族よりも弁護士や司法書士といった専門家が選任されることがあり、そうした専門家に支払う報酬が毎月かかってきてしまいます。また、親本人が亡くなるまで後見は続き、途中でやめることができません」(元木さん)法定後見は手続きが煩雑なので、専門家に依頼して進めるケースがほとんど。後見人の報酬額は管理対象となる財産の額によって変わってくるが、目安で月額2万〜6万円程度とされている。■財産を凍結させないための7つの選択肢「遅くとも親の年齢が80歳になるまでに財産凍結を防ぐ対策をスタートさせたほうがいいでしょう」そう話すのは司法書士法人ミラシアの司法書士、永井悠一朗さん。「財産凍結の対策として、まず行わなくてはならないのが、親の財産の棚卸しです。預貯金であれば、銀行口座をどこに、いくつ持っているのかを確認すること。たくさんの口座を持っているなら、1つにまとめておくとよいでしょう。また、定期預金も解約して普通口座に移しておくとよいでしょう。株式や投資信託などは、本人が元気なうちに現金化しておくという選択肢もあります」(永井さん)凍結対策を考えるうえでポイントとなるのが、「誰が親のお金を管理するのか」ということ。 図(画像参照)は、代表的な財産である「預貯金」の管理方法についてまとめたチャートだ。管理するのは「家族」か「第三者」か、そして、「とにかくコストを抑えたい」のか「万全な口座凍結対策をしたい」のかによって取るべき選択肢が変わってくる。「とにかくコストを抑えたい、簡単に済ませたいという人は、本人と生計を一にする家族などが使えるキャッシュカード『代理人カード』を銀行で発行してもらうといいでしょう。また、親との間で『財産管理委任契約』を結んでおけば、すべての口座を漏れなく管理することができます。ただし、これらは親の認知症が進行してしまうと、取引ができなくなる場合がありますので注意が必要です。万全を期すのであれば、費用はかかりますが、『家族信託』の公正証書を作成しておくという手がありますし、裁判所や専門家に監督してほしい、ということであれば『任意後見制度』を活用するという方法もあります。『生前贈与』も選択肢の1つです。贈与税には注意が必要ですが、親の財産の一部を、生前に子どもへ移しておくことで凍結を回避できますし、同時に相続税対策にもなります」(永井さん)永井さんによれば、親族間が不仲で相続トラブルを回避したいという人は、第三者にお金の管理を任せる方法がベストだという。前出の「任意後見制度」のほかにも、まとまった資金を預けておき、認知症になったときに施設などへの支払いを金融機関が行う「信託銀行の認知症対策サービス」や、市区町村の社会福祉協議会が公共料金の支払いや預貯金の通帳の管理をしてくれる「日常生活自立支援事業」も選択肢になる。【PROFILE】元木翼司法書士、行政書士。司法書士法人ミラシア、行政書士法人ミラシア代表社員。相談業務や講演活動のほかメディアにも多数出演。近著に『親の財産を“凍結”から守る認知症対策ガイドブック』(日本法令)がある永井悠一朗司法書士。専門は相続、遺言、後見、家族信託。これまで100件以上の家族信託の組成に携わる
2022年03月17日大人気マンガシリーズ、今回は日々野 希色(@hibino_kiiro)さんの新連載をご紹介! 「彼氏が隠れてママ活してました」第10話です。観念したのか、急にしおらしくなる彼…。彼の口から真実が語られますが…?【#10】<彼氏が隠れてママ活してました>出典:instagram競馬で全財産!?出典:instagram急にしおらしくなる彼。出典:instagramこんなの許せない…。出典:instagram次は別れると宣言。
2021年12月30日「うちの子どもたちは仲がいいし、大した財産もないから、自分が死んでもその後、相続トラブルになることはない」と思い込んでいる親たちは多い。ところが、家庭裁判所に持ち込まれる相続トラブルは、この20年で約1.5倍以上に増えて、近年の新受件数は1万4,000件強で推移。その約3分の1は「1,000万円以下」のケースという。「相続は遺産が少ないほどトラブルになりやすく、なかでも多いのは、すでに父親は他界していて、その後、母親が亡くなったことで、財産を子どもたちで相続する場合。すでに独立している子どもたちは集まれる機会が少ないうえ、限られた時間の中で決めなければならないことがたくさんあるので、冷静さを失いがち。特に、自宅とわずかな現金しか残っていないというケースは注意が必要です。やはり、親御さんが元気なうちに、自宅や預貯金をどのように相続してほしいのか、きちんと決めてもらうことが大切です」そうアドバイスするのは、相続問題に詳しい行政書士の竹内豊さん。「死んだ後の話をするのは不謹慎だ」と思うかもしれないが、親族が集まれる機会に、相続について話し合っておくことが、トラブルの回避につながるという。 本来、被相続人の死亡をもって始まるはずの相続だが、なぜ、生前から準備しておく必要があるのだろう。それは、「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10カ月以内に相続税の申告・納付」を、故人の居住地を所轄する税務署に出向いて行わなければならないというルールがあるからだ。「親が『遺言書』を遺していない場合は、相続人で遺産分割協議を行い、『遺産分割協議書』を作る必要があります。これを含めた必要な書類を10カ月以内にそろえ、相続税の申告・納付手続きを済ませなければなりません。仮に相続財産が基礎控除額(3,000万円+法定相続人の数×600万円)以下であれば相続税はかかりませんが、持ち家がある場合は、自宅の評価額だけで基礎控除額を超えてしまう可能性もあるので注意が必要です。万が一、申告が遅れてしまうと、不動産の『小規模宅地等の特例』などの優遇が使えなくなり、相続税の額が増えてしまう恐れも出てきます」(竹内さん・以下同)さらに、親に多額の借金があったことがわかった場合は、3カ月以内に家庭裁判所に相続放棄を申し出ることで、負債を背負わずに済むといった選択肢もあるので、モタモタしてはいられない。■スムーズな相続のためには親の生前から準備が必要もちろん“みとった後”も忙しい。葬儀や納骨のほかにも、健康保険、年金の死亡手続きや、銀行口座やクレジットカードの解約など、やらなければならないことは山ほどある。そんななかで円滑に相続を進めるためには、親の生前にやっておくべきポイントが3つあるという。まずは、相続財産を確認すること。「通帳を集めて残高を確認しておきましょう。相続開始後の預貯金の払い戻しは大変手間がかかります。複数口座があるとなおさらですので、口座はなるべく1つにまとめて、あとは親御さんが元気なうちに解約してもらうといいでしょう」通帳とともに、金融機関の届出印はどれなのか、目印のシールでも付けておくとわかりやすい。また、故人の銀行口座を解約するときに必要なこともあるので、日ごろから自分の実印もきちんと管理しておきたい。続いて、自宅はいくらの価値があるのかを、固定資産税の通知書をもとに調べておく必要がある。土地が共同名義になっていると相続時にややこしくなるので、自宅の登記簿謄本を取得して、所有者が誰なのか把握しておこう。2つ目のポイントは、誰が相続人になるのかを確認すること。きょうだいは2人だけなので、相続人は2人、と思いきや、じつは両親は再婚で先妻の子がいた、なんてこともありうる。「戸籍謄本を取り寄せて相続人の数を把握し、簡単な家系図を作成してみましょう。たとえば、父がすでに他界して、母の財産を3人の子どもが相続するときは、法定相続分は3分の1ずつになります」そして3つ目が、具体的な遺産の分け方を決めておくこと。介護の負担など、親との関わり方はきょうだいによって異なることもあるので、必ずしも法定相続分のとおりに分けなくてもよいというのだ。「たとえば、長男が親の介護やみとりの中心になり最期まで面倒を見たとしたら、『ほかのきょうだいたちより多くの財産をもらってもいいはず』、と思うでしょう。そのようなときは『遺言書』を活用して、相続に親の意思を反映せておくことです。きょうだい間の話し合いを円滑に進めるためにも、生前に『遺産の分け方の確認』をしておくことが大切です」相続でもめる原因の多くは、この「遺産の分け方」にあるが、そうしたトラブル回避の“切り札”になるのが「遺言書」だ。自ら公証役場に足を運んで、口述しながら公証人が作成する「公正証書遺言」と、原則すべてを自分で自書して作成する「自筆証書遺言」の2通りがあるので覚えておこう。いっぽう、「終活」ブームとともに耳にする機会が増えてきた「エンディングノート」は、相続財産を目録にするときには便利なツールだが、これだけで安心と思ってはいけないという。「エンディングノートは、終末期の医療の受け方やお葬式のやり方など、故人の希望を周囲の家族に伝えておくのにとても便利なツールなのですが、法的な効力はありません。かえってエンディングノートに書いてあることが原因でもめることもあるので、どれだけの財産を誰に遺すという相続に関しては、『遺言書』を作成して、具体的な分配方法を決めておくことをお勧めします」ちなみに’19年1月改正の相続法施行により、自筆証書遺言の作成は、だいぶハードルが低いものに。遺言書に添付する「財産目録」は、それまで手書きに限られていたのが、パソコンでの作成が認められるようになったほか、通帳などのコピー添付も認められるようになった。また、昨年7月からは、自筆証書遺言を市区町村の法務局で預かってくれる保管制度ができ、書類の不備を指摘してもらえるようになった。紛失リスクもなくなるので、ぜひトライしてみよう。■もめない相続のカギは相続人同士の“納得感”しかし、いくら「遺言書」で財産の分け方を指定しても、ほかの相続人から遺産の最低限の取り分である「遺留分」を請求されると、渡さなければならないといった決まりもある。たとえば、母と同居する長男が、「弟と妹は介護をほとんど手伝わないのだから、相続財産は分けなくてもいいだろう」と考えたとしよう。長男の気持ちを察した母は、「長男だけに相続財産を渡す」という「遺言書」を書こうとしたが、弟と妹から「遺留分」を請求されたら、法定相続額の2分の1を渡さなければならず“争続”のもとになる。もし遺産が3,000万円であれば、3人のきょうだいで分ける場合の法定相続額は1人1,000万円で、遺留分はその2分の1の500万円という計算になる。遺言書を書くときには、こうした遺留分に配慮し、相続人同士が納得できる内容にしておくことが望ましい。また、遺言書に不備があると無効になることも。遺言書を作成した「日付」の時点で親の認知機能に問題があったり、体調不良で正確な判断ができていないということが後でわかったりすると、無効になることがあるので注意したい。「遺言能力といって、遺言の内容を十分理解したうえで自分の死後にどのようなことが起こるのかを想定できる能力が問題になります。遺言能力がない人が遺言を書いたとして、ほかの相続人がその内容に納得いかないと家庭裁判所に申し立てられると、無効になる可能性があります」
2021年11月17日「遺産相続」と聞くと何を想像しますか? 今回の投稿者さんのエピソードは、なんと義理の母が遺産相続トラブルの相手…。え…そんな人いるの…信じられない⁉︎ と絶句したくなる義母の言動。投稿者さんの体験談に「うちも…あります!」「私はこうやって義母の無茶ぶりを乗り越えた!」など、多くのコメントが続々と集まりました!■最愛の母が亡くなり、妹と遺産相続について話し合うも…先日、シングルマザーで主人公の美来と妹を育て上げ、その後長い闘病生活を送っていた母が亡くなりました。遺産相続について妹と話し合い、私は遺産を放棄するということで話がまとまり、夫も納得していたものの…。突然、夫が母の遺産を妹と平等で分けられないか?と気まずそうに言うのはナゼ…。夫は、私の母が亡くなり遺産相続があったことを義母に話してしまったようで…。さらに、義弟までもが勝手に人の実家の値踏みまでする始末。この思いやりも何もない、私欲丸出しの態度は一体…!?■嫁の実家の財産=我が家の財産、という義母の思考回路がコワい!なんとか義母と義弟に遺産相続を諦めてもらいたく、夫に断りの電話を入れてもらったものの、義母はなかなか食い下がらず、約束もなく我が家に乗り込んできたのです…。自分勝手な物言いばかりする義母に唖然…。「息子の嫁に入る遺産は、自分たち家族のもの」という考えにも驚愕ながら、お金のためにここまでする義母に怒りを通り越して軽蔑の感情が…。■まさか、信じていた夫までもが…!?そして、まさかの夫までもが裏切るような発言を…!しかし、深い絶望に落とされそうになった時…⁉︎■「あり得ない!」と義母の態度にドン引きした共感の声が!・お義母さんの「どうにかして、お金を自分の懐に入れてやろう」という態度が、私の義母と重なりました。どこにでもいるんですね、こういう人。・ここまで人の家族の問題に介入する義母が居ることと、弟さんも非常識すぎて、凄くワガママな人だということが伝わってきました。ずっと騒ぐから、周りも面倒で好きにさせていたんでしょうね。最後はスカッとしました。・世の中こんな人が本当にいるのかと思うほどですが意外と見えない場所でやってるんですよね…。 資産を持った方が亡くなるとこういう問題って出ますよね。兄弟間で揉めるとか聞きますけど、よもや嫁の実家の資産までもぎ取ろうとするとは、、。そのうち義実家に迷惑かけられると言いますけど確実に義母の介護のほうが先では、、というか、すでに迷惑バ○ア、、。お金に汚くはなりたくないものです。登場人物の姉妹が心の清い方たちでよかった。■義母のとんでもない行動に「うちも、あるある!」と暴露話も殺到読者からも義母から受けた困った実体験が続々と届きました。・父が他界して17年して、母が事故で亡くなりました。 義母が遺産をどのくらい貰ったか気になるのか、仕事に行っている間にクローゼットを探した跡がありました。・私が第一子を出産して数ヵ月経った頃、近所に住む義母が夫に「急ぎで20万円かして欲しい」と言ってきたことがあります。義母は町内で地元の馴染み客を相手に小さな商店を営んでいます。その売掛金の回収が終わらないうちに仕入れ経費の支払い期日になってしまったため一時的に借りたいだけなので、お金は1週間くらいで返せるとのことでした。夫いわく、義母はご近所の客にいい顔をしたいため売掛金の回収が苦手で、毎年その時期になると一時的な借金を申し込んでくるのだとか。うちだって赤ん坊抱えてお金が必要な時期なのに気分悪いなあ、夫はもちろん断ってくれるよね…?と思っていたところ、なんと夫は出産でいただいた補助金やお祝い金をそれにあてようとしたのです。私が命がけで出産した息子のためのお金なのに、義母の商売のために産んだ訳じゃないわい!と怒り心頭でした。■義母との確執を乗り越えたエピソードも・以前家族経営をしており、義母と言い争いが絶えませんでした。あることがきっかけで義母が家族経営から離れ、主人から義母は相手にしないほうが良いと言われ、私もムリとなりましたので、挨拶以外完全にスルー。子どももいませんので、都合よく全く付き合いもしていません。母の日、誕生日など一切止めにしませんか、と提案し義母も了解しましたので現在は楽に暮らせています。・長男のママ友たちとワイワイ話して憂さ晴らし。悪い嫁と言われるのを承知で実家には顔を極力出さず、接点をなるべく持たないようにしました。そのうち夫の妹が嫁ぎ、子どもが生まれたのでそちらに関心がいったようです。・義母は何かあるとすぐに私を頼り、1日に何回も着信、呼び出しが。娘を妊娠中~6ヶ月まで続き、最終的に身体のあちこちに異変があらわれた。病院に行ったら「鬱の一本手前」と診断されました。気づけば体重も2ヶ月で7キロ減っていた。病院に行くまで気づきもしなかった。そのくらい追い詰められた時、6ヶ月の娘の顔を見て、「自分がつぶれたらこの子を守る人間がいなくなる。なら私が自分を守ることは、この子を守ることなんだ!」と決心ができた。そして義母に自分の意思をハッキリ伝えることができた。自分を守ることは罪ではないのだと気づけた。いつ巻き込まれるかわからない相続問題。投稿者さんは最後にどうなったのでしょうか…? 連載はウーマンエキサイトに掲載されています!▼義父母がシンドイんです!/絶句!亡き母が遺した財産を狙う義母…その呆れた言い分
2021年09月26日子供にとって、遠足はテンションが上がる一大行事。自分が子供の頃、「遠足の前日は、楽しみでなかなか眠れなかった」という人もいるのではないでしょうか。なかッち(@nkc_papa)さんは、子供の頃に体験した、遠足にまつわるエピソードをTwitterに投稿。内容に、親目線で共感する人が相次いでいます。遠足の前日、子供のひと言に親が絶句した理由話は、投稿者さんが小学校1年生だった頃にさかのぼります。遠足に行けることが嬉しいあまり、親にサプライズで伝えようと思った投稿者さん。前日の夜、突如として、親に遠足がある旨をハイテンションで伝えました。「実は……明日は遠足でーす!」小学校1年生の時、遠足が嬉しくてワクワクして親にサプライズで教えてあげたらきっと喜ぶだろうと思って前日の夜に「じつは〜……明日は遠足でーす!」って発表したらしばき回された事がある。— なかッち破天荒先生 (@nkc_papa) June 13, 2021 「親も喜ぶだろう」と思っていた投稿者さんですが、どうやら怒られたようです。子供が遠足に行くとなれば、当日のお弁当やお菓子、雨具など多岐にわたる準備が必要になります。投稿者さんの親は、「もっと早くいってほしかった…」と思ったのでしょう。投稿に対し、子供がいる人からは「親の気持ちが分かる」と共感が相次いでいます。・心臓に悪いひと言ですね…。でも無邪気!・怒る前に、思わず絶句しそうです。嬉しい気持ちは分かるけど、やめてほしくなりますね。・「母ちゃん、ごめん」と今ならいえます…。でも笑いすぎて、腹筋が崩壊しました。子供がやけに楽しそうな様子を見せていたら、遠足の予定がないかを確認しておくといいかもしれませんね![文・構成/grape編集部]
2021年06月24日■前回のあらすじ「母の遺産はお義母さんには一切関係ない」と話すと、義母の口から出たのは独身の妹のこと。「妹さんにはこの先迷惑をかけられるだろうし…」と言い始めたのです。 >>1話目を見る 母の遺産を放棄したいという私の意志に対して、「家族のモノ」という定義を持ち出してくる義母。さらにほとんど話したこともない妹についても偏見を持っていることがわかって…。妹のことを義母は何も知らないのに…。会ったこともほとんどなく、結婚式とお葬式で挨拶をしたくらいでなぜここまで言われなければならないのか。大事な妹に対する酷い言われ様に、私の我慢は限界を迎えていました。さらに義母は、「私がもし相続したなら夫婦共有財産となるから、弘樹と家族である自分(義母)にも権利がある」というように考えていることもわかりました。私自身は相続放棄するつもりでしたが、「婚姻中に相続で取得したものは夫婦共有財産にはならない」ということはわかっていました。分が悪いと感じた義母。今度は夫を説得し始めて…。義母に反論はできない情けない弘樹だけど、それでも私の味方だと信じてきました。しかし弘樹の言葉に背中が凍る想いが…。まさか夫まで私を裏切るの…!?次回に続く!※この漫画は実話をべースにしたフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/脚本・ 古口春菜 /イラスト・ ニタヨメ
2021年03月19日■前回のあらすじ母の遺産相続は放棄し、妹にすべて渡す予定だった私。それを了承していたはずの夫がいきなり「妹と私で平等に分けないか」と言い始めて…。 >>1話目を見る 弘樹にもきちんと理由を話し、亡くなった母の遺産を放棄して足に障害のある妹の志保に受け取ってもらうとしていた私。賛成していたはずの弘樹がどうして急に「やっぱり志保ちゃんと遺産を分けないか」と言い出すのか問いただすと…。弘樹の話によると、先日義実家に行った際、義母と義弟の雅史さんに相続について聞かれて話をしてしまったというのです。さらに驚くべきことに…。どうして私の実家の土地について義実家が口をはさんでくるのか…。弘樹から話を聞いた私は、頭が痛くなる思いでした。そこで私は…。次回に続く!※この漫画は実話をべースにしたフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/脚本・ 古口春菜 /イラスト・ ニタヨメ
2021年03月16日夫に子どもを預けて、たまには一人でゆっくりおでかけしたいですよね。でも、家に帰ると子どもがあざを作っていたり、ひざをすりむいていたり…。理由を聞くと「大したことないよ。目を離した隙にちょっと…」と苦笑いする夫。でも、笑ってすませられることではないこともあります。東京消防庁発表の 「救急搬送データからみる日常生活事故の実態」 によると、5歳以下の子どもが事故に合う場所は約7割が家の中。つまり、ほとんどの場合は親と一緒の時に起こっており、そのうち約10人に1人の割合で入院が必要な中等症以上となっています。どうして、親がそばにいながら、子どもの事故は起こってしまうのでしょうか? その理由を紐解いていきましょう。■子どもの事故、実は「親の脳タイプ」が原因になっていることも?一般的には、切り替えがうまく、複数の異なる作業を同時進行できるのがマルチタスク悩。一方、「今、目の前のこと」を最重要と捉えて打ち込む傾向がある方は、シングルタスク悩といわれ、他の作業を同時進行で進めることは苦手なようです。どちらの悩タイプなのか、見分け方としては「1日1回以上はやり忘れがある」かどうかで判断します。例えば、ゴミ当番なのに出し忘れた、頼まれた買い物をし忘れた、郵送物を出し忘れたなど些細なことで構いません。やり忘れて落ち込むことが1日1回以上あり、それが続く人は、シングルタスク悩の傾向が強いといえるでしょう。家事育児は、さまざまなことを同時進行で進めないといけないことが多いため、マルチタスクだといえます。小さいお子さんのいるご家庭なら、夕方はまるで戦争のような忙しさ。たとえば、子どもをあやしながら夕食の下ごしらえをして、早めに子どもと一緒にお風呂に入った後は、子どもの支度をしつつ自分も身支度を整え、夫の帰宅に合わせて夕食の仕上げをし、食器を洗いつつ洗濯機を回し、子どもを寝かしつけながら翌朝の朝ごはんのメニューを考え…。こういった家事育児をこなしつつ、子どもに危険が及ばないよう常に目配りをする必要があります。そのほかにも、入浴後、必ずお風呂のふたが閉まっているか確認している、料理の後、使った包丁はすぐしまっている、包装ビニールはふた付きのゴミ箱にすぐ捨てているという方がどれくらいいるでしょうか。これらはすべて、子どもが重篤なケガをする原因となるものばかりです。目の前のことをこなすだけが家事育児ではありません。それをする(もしくは、しない)ことで、その後どういったことが起こるかを想像しながら同時進行で進めるマルチタスク処理能力が求められます。子育てでは、「まさか◯◯するとは思わなかった」「ちょっと目を離しただけなんだ」という言い訳は通用しません。自分がどちらの悩タイプの傾向があるのかをまずは把握することが大切です。■コロナ禍で子どもの事故が起こりやすくなっている?まだまだ収まる兆しの見えない新型コロナウイルスの流行が、子どもの事故を誘発する可能性があります。毎日出社していたのがリモートワークに変わり、慣れないオンライン会議を重ね、家族がすぐそばにいる環境で仕事をするなど、まったく新しい形態で働くことが求められている方は多いでしょう。しかし、シングルタスク脳タイプは、仕事とプライベートを切り離すのが難しく、頭の切り替えができない人が多いようです。また、いつもとは違うルーティンで仕事をするのも向いていません。たとえば、別室で仕事をしていても、家族の気配に気が散ったり、子どもの声が気になってオンライン会議に集中できないなどで、いつもより仕事の効率が落ちて焦ってしまうケースは少なくないようです。一方、家で仕事をするようになってお互いに気をつかう反面、大人が常にいる安心感もあるでしょう。そのため夫婦間で、「すぐ戻ってくるから買い物の間、子どもを見てて」「今日の保育園のお迎えをお願いできる?」とついつい頼みごとも多くなります。互いに「わかった」と安請け合いしがちですが、マルチタスク脳と違い、シングルタスク脳は集中しがちです。目の前の仕事で頭がいっぱいになり、子どものことをきれいさっぱり忘れてしまうことがあります。実際、仕事に集中するあまり娘さんの保育園のお迎えを忘れてしまい、夜8時頃、保育園からかかってきた電話で初めて思い出した、というケースもあります。このように、シングルタスク脳の方は、仕事をこなしながら子どもに目を配ることが苦手で、仕事に集中すると子どもの存在を頭から消してしまうため、「ちょっと目を離した隙に…」「そんなことをするとは思わなかった」という事故が起きてしまうのです。コロナ禍によるリモートワークの増加で、これまでは「シングルタスク脳のうっかり」ですんでいたことが、子どもの事故につながりやすくなっているといえます。■安心して子育てをするための事故防止と対策では、シングルタスク脳は子育てができないかと、いうとそうではありません。マルチタスクをこなすのは苦手であることを自覚し、対策を立てれば事故を予防することができます。シングルタスク脳の傾向がある方は、うっかりを防ぐために以下の2つを意識することが重要です。・時間を短いスパンで意識すること・育児のルーティンを習慣化することシングルタスク脳は、仕事に集中しすぎる傾向にあるため、短いスパンで時間管理をしたり、子どもに関わる用事を思い出す必要があります。そこで、スマホや時計のタイマー機能を上手に活用して、音や振動で子ども関連の用事を思い出すようにするといいでしょう。また、子どもに関することを、いつものルーティンと結びつけて習慣化することも大切です。例えば、子どもを保育園へ連れて行く時に忘れ物が多いようなら、出かける時にいつも持ち歩くスマホや家の鍵と子どもの荷物を一緒に置いておくといいでしょう。また、パソコンや掛け時計など、必ず定期的に見るところに、子ども関連で忘れてはいけないことをメモして貼っておくのもおすすめです。例えば、脱衣所の時計の横に「お風呂のふたは閉めた?」と張り紙をしておけば、必ずふたを閉めるようになり、目を離した隙に子どもがお風呂でおぼれる心配もなくなります。自分は、シングルタスク脳タイプとマルチタスク脳、どちらのタイプなのかを見極め、シングルタスク脳の傾向が強い方はぜひ上記の対策を試してみてください。続けていくことでコロナ禍の新しい生活様式や、子育てが習慣化し、「うっかり事故」を予防できるでしょう。 エキサイトお悩み相談室で佐藤先生に相談する
2021年01月30日もしも親が「再婚したい」と言いだしたら……。子どもとして複雑な気持ちに加え、老親の再婚には財産や介護などさまざまな問題が。トラブルを防ぐ方法を聞いたーー。高齢者の再婚が増えている。国立社会保障・人口問題研究所によると、70歳以上の再婚数は’00年の1,718件から、’18年には3,955件と倍以上に急増中だ。「60代から70代になると、外出が減り、一気に人と会う機会が少なくなります。そんな日々を過ごす70代の方が“あと10年、20年は生きられる”と思うと、一緒に食事をしたり、旅行したりと、人生を豊かに過ごせるパートナーを求める気持ちが生まれるんですね」こう語るのは、中高年からシニアの婚活支援、結婚相談を行う「茜会」の後藤礼美さんだ。「本当に元気なご高齢者は多く、茜会に登録されている最高齢の女性は82歳で、男性は86歳です。恋愛することは生きる活力と心の安らぎを与えるので、みなさん、とっても若々しくなります」ただし、高齢の親の恋愛を素直に喜べない子どもも多いというのは、夫婦問題コンサルタントでファイナンシャルプランナーの寺門美和子さんだ。「40代、50代の方からの、親の恋愛・再婚に関する相談は年々増加傾向にありますが『いい年して、はずかしい』『いきなりあらわれた再婚相手に、財産の半分も持っていかれるのは嫌だ』と、拒否反応を示す方が多いです。しかし、私たちも若いころ親から反対されて経験したように、恋愛は反対されればされるほど燃え上がるもの。思わぬトラブルに発展することもあります」東京都在住の堀内美恵さん(56・仮名)も、その一人だ。「11年前に母を亡くし、その1年後に父がまさかの再婚宣言。父とは母が亡くなってからずっと不仲だったので“もう他人だし、関係ない”と、音信不通状態でした」ところが昨年、父が遺言も残さず、脳梗塞で急逝。ほとんど会話もしたことのない後妻と、相続の話を進めることになった。「最初は大人同士だしなんとかなるだろうと思っていたのですが、いざ話し合いとなると、後妻は『金融資産はほとんどない』と言い張り、開示を拒否。私たち家族の思い出がつまった実家も、あっさり売却すると言いだし、大もめに。裁判をしようにも、裁判費用のほうが高くつくし、10年近く、父に寄り添ってくれたのは事実。結局、家の評価額2,000万円に対して、半分の1,000万円を現金で後妻に支払い、実家の権利を手にしました」父親との音信不通状態を放置したために起きてしまったこのケース。生前、財産分与に関して話したり、遺言を書いてもらえていれば、このような事態は防げたはず。こうした事例は、誰もが直面する可能性があるからこそ、寺門さんのアドバイスに耳を傾けたい。「大前提は、ふだんからコミュニケーションをしっかりとること。親は自分の恋愛を積極的に話しません。『1人で寂しくない?』『いい人、いるの?』と聞いて、話しやすい雰囲気を作りましょう。急に身なりがきれいになるなど、変化を見抜くことも重要。交際相手がいることがわかっても、冷静に対応し、信頼してもらうことです」話ができる状況なら、財産問題にステップアップできる。「財産トラブルを防ぐためには、事実婚を選択してもらうのがシンプル。でも、好きな相手にはお金を残し、責任を果たしたいという思いがある可能性も。その先にあるのは入籍です」たった1人でも婚姻関係があれば、配偶者は財産の半分を取得する権利を得る。当人だけの問題ではなくなるので、入籍前に、家族全員で話し合い、納得する答えを見つけなくてはならない。「不動産や預貯金などの情報を共有して、誰が管理し、親の死後、どうやって分けるのか、道筋を決め、遺言を残してもらうことです。問題は財産だけではありません。介護は誰がして、高齢者施設に入る場合の資金や葬式代は誰が払うのか、親や配偶者の墓をどこにするのか、なども含めて話し合ってください。当然、交際相手の家族と話すことも必要。相続診断士などを交えて、話し合いを行うことがおすすめです」老親の再婚前に確認しておきたいことを、次のチェックリストにまとめたので参考にしてほしい。【老親の再婚で多発するトラブルを未然に防ぐチェックリスト】□ 再婚相手に子どもはいるか、いる場合連絡はとれるか□ 再婚相手が借金、酒やギャンブル問題などのトラブルを抱えていないか□ 親、再婚相手ともに兄弟姉妹との関係性はどのような状態か□ 再婚相手の介護は誰が行うのか、親が先立った場合はどうするのか□ 再婚相手の介護費用は誰が負担するのか□ 親、再婚相手はそれぞれどこの墓に入るのか□ 再婚相手の葬式、墓の費用は誰が負担するのか□ 今後墓を誰が管理するのか□ それぞれの資産(負の遺産も)は何がどれくらいあるのか□ 遺産分割はどのような分配にするのか(遺言書の作成まで行う)親の思いに耳を傾け、財産・介護・墓・葬式などトラブルを未然に防ごう。「女性自身」2020年11月10日号 掲載
2020年11月04日離婚する夫婦の間では、財産分与として現金や不動産の受け渡しをすることが多いでしょう。お金の受け渡しをするときに注意しておかなければならないのが税金です。本記事では、離婚時の財産分与や慰謝料、養育費の支払いで税金がかかることがあるのかを説明します。離婚の条件を決めるときには、なるべく税金の心配をしなくてすむ形にしましょう。離婚で財産をもらった。いくらから税金がかかる?国税庁1の場合には多過ぎる部分に、2の場合にはもらった財産すべてに贈与税がかかります。慰謝料は損害賠償金なので非課税離婚の際には、一方から他方に対し、慰謝料を払うことがあります。慰謝料というのは、損害賠償金です。精神的苦痛の埋め合わせをするものであって、それによって利益を得るようなものではありません。そのため、慰謝料は贈与税がかからない扱いになっています。慰謝料が多過ぎると課税されることも離婚時の慰謝料として多過ぎる場合には、多過ぎる部分に贈与税がかかる可能性があります。離婚慰謝料の相場は200~300万円と言われますが、実際にいくらから課税されるのかは一概には言えません。課税対象になるのは、慰謝料の金額が「社会通念上相当な金額」を超える場合です。事案によっても異なるため、課税対象にならないかどうかは弁護士、税理士等の専門家に確認するのがおすすめです。養育費は扶養義務の履行なので非課税離婚後には継続的に子供の養育費を払ってもらうことが多いでしょう。養育費は贈与税がかかるような性質のものではありません。扶養義務者から生活費や教育費を受け取っても、贈与税は非課税です。養育費も扶養義務の履行ですから、贈与税の心配をする必要はありません。養育費を一括払いしてもらった場合には?養育費を毎月払いではなく一括払いで受け取るケースもあります。この場合でも、養育費である以上、基本的に贈与税はかかりません。ただし、やはり金額が多過ぎるようなら課税リスクがありますから注意しておきましょう。扶養的財産分与は課税リスクがある離婚するときに一方が病気、高齢、乳幼児がいるなどの理由で働けない場合、直ちに生活に困ることがあります。このような場合に、扶養的財産分与という名目で、相手側が一定期間生活費を払う約束をすることも珍しくありません。扶養的財産分与は、金額によっては贈与税がかかる可能性があります。「扶養的」と言いますが、そもそも別れた夫婦の間に扶養義務はないからです。年間110万円以下なら大丈夫ですが、110万円を超える場合には事前に専門家に相談するのがおすすめです。不動産については譲渡所得税の申告が必要なケースがある離婚時に不動産がある場合に、関係してくる税金が譲渡所得税です。譲渡所得税がかかる場合には、確定申告が必要ですから注意しておきましょう。[adsense_middle]財産分与で家を渡した側に税金がかかる?夫婦で住んでいた自宅を、離婚時に妻のほうがもらうといったケースがあります。たとえば、不動産の名義を夫から妻に変更したり、夫婦共有名義から妻の単独名義にしたりするケースがあるでしょう。不動産の財産分与をした場合、財産を譲った側、前述の例では夫のほうに税金がかかる可能性があります。贈与税と違って、財産を渡した側に税金がかかることに注意が必要です。財産分与では時価で不動産を売却した扱いになる夫から妻に不動産を財産分与した場合、夫は収入を得ているわけではありません。しかし、課税上は妻に財産を時価で売ったのと同じ取り扱いになります。判例上も、譲渡した側は不動産の譲渡によって財産分与義務の消滅という経済的利益を受けていると考え、課税するのが相当とされています(最高裁昭和50年5月27日判決)。夫としては、不動産を譲った上になぜ税金までとられるか納得いかないかもしれませんが、不動産の財産分与は譲渡所得税の課税対象になることを知っておきましょう。譲渡所得税とは?譲渡所得税とは、主に不動産を譲渡したときの「譲渡所得」に対して課税される税金で、厳密には所得税と住民税を合わせた呼び方になります。譲渡所得とは、譲渡益のことです。たとえば、不動産を購入した金額よりも高い金額で売却した場合には、利益が発生していることになります。この利益に課税されるのが譲渡所得税です。譲渡所得の計算方法譲渡所得は、次の計算式で計算します。譲渡所得=収入金額-(取得費+譲渡費用)収入金額とは売却などで得た金額、取得費とは購入したときに払った費用、譲渡費用とは売却のときの必要経費になります。譲渡所得税の税率譲渡所得税の税率は、長期譲渡所得(保有期間5年超)か短期譲渡所得(保有期間5年以下)かで変わり、次のようになります(復興特別所得税は除く)。なお、保有期間10年超のマイホームについては、要件をみたすと所得税10%、住民税4%の軽減税率の適用が受けられます。譲渡所得税の特別控除マイホームの譲渡で要件をみたした場合には、3,000万円の特別控除が受けられます。上記の譲渡所得の計算式で計算した金額が3,000万円以下であれば、実際には税金がかかりません。3,000万円の特別控除は、住宅ローン控除と重複適用できないという制限があります。マイホームを譲渡した後、新しく買った住宅で住宅ローンを組む場合には、どちらを適用するのが得かを考えたほうがよいでしょう。3,000万円の特別控除の要件とは?マイホームを譲渡した場合の3,000万円の特別控除は、配偶者等の親族への譲渡では受けられません。そのため、離婚後の譲渡であれば特別控除が受けられることになります。ただし、特別控除には、マイホームに住まなくなってから3年以内の譲渡でなければならないという要件もあります。離婚前提の別居で夫のほうが家を出て3年以上経過していた場合、住民票がどうなっていたかに関係なく、特別控除は受けられません。譲渡所得税の納税方法譲渡所得税が発生するケースでも、勝手に納付書が送られてくるわけではありません。確定申告により譲渡所得を申告し、所得税についてはそのまま納付書等で納税する必要があります。住民税については、確定申告をすれば、譲渡所得の分も合わせて税額が決定されます。特別徴収の場合には給料から天引きされ、普通徴収の場合には自治体から納付書が送られてくることになります。譲渡所得税の申告が必要なケース不動産の財産分与で譲渡所得税の申告が必要なのは、不動産が購入時より値上がりしているケースです。不動産が値下がりしていれば、譲渡所得税については考えなくてかまいません。不動産が値上がりして譲渡所得が出ていても、3,000万円の特別控除を使うと税金がゼロになることも多いはずです。この場合にも、確定申告は必要ですから忘れないようにしましょう。不動産があればかかるかもしれないその他の税金離婚時に不動産を受け渡しする場合、譲渡所得税以外にも気を付けておかなければならない税金があります。税金が発生する場合にはいくらくらいになるのかも計算しておきましょう。現金でなく不動産で慰謝料を払った場合には「不動産取得税」に注意不動産取得税は、不動産の所有権を取得したときに、都道府県から課税される税金です。通常の清算的な財産分与ではかかりませんが、慰謝料代わりに不動産を譲渡した場合には課税されてしまいます。不動産取得税の税率税率は原則4%ですが、土地と住宅用の家屋については3%の軽減税率が適用されています(2021年3月31日まで)。税額計算の基準となるのは、不動産の固定資産税評価額です。土地建物・マンションの名義変更では「登録免許税」がかかる離婚時に土地や建物、マンションの名義変更を行う場合、法務局での登記手続きが必要です。登記手続きの際には、登録免許税を払わなければなりません。登録免許税をどちらが負担するかについて明確なルールがないため、離婚協議で話し合っておきましょう。登録免許税の税率財産分与を原因とする所有権移転登記の税率は2%です。税額計算の基準となるのは、固定資産税評価額です。不動産をもらった後は毎年固定資産税がかかる離婚時に不動産をもらった場合、翌年から毎年固定資産税を払わなければなりません。市街化区域では都市計画税もかかります。不動産取得税や登録免許税は離婚時だけですが、固定資産税・都市計画税は負担が毎年続きますので、注意しておきましょう。固定資産税・都市計画税の税率都道府県により多少異なりますが、固定資産税は1.4%、都市計画税は0.3%です。住宅用地については、特例により軽減措置が設けられています。税額計算の基準は固定資産税評価額です。離婚時の財産分与で課税されないためには?離婚時の財産の受け渡しでも、気を付けておかないと税金がかかることがあります。課税されないための注意点を知っておきましょう。[adsense_middle]財産を多くもらい過ぎない離婚時には、できるだけ多く財産をもらいたいという人も多いでしょう。離婚の原因が相手にある場合など、憎しみの気持ちから、「今ある財産は全部自分のものにしたい」「慰謝料1億円払わせたい」などと思うかもしれません。しかし、不相当に財産を多くもらってしまうと、贈与税が課税されてしまうおそれがあります。「財産をたくさん奪ってこらしめよう」という気持ちは、自分の首を絞めることになります。けじめとして慰謝料を相当額を払ってもらうのはかまいませんが、必要以上に要求するようなことはせず、円満に離婚することを意識しましょう。公正証書を残しておくお金の受け渡しをしていても、それが離婚に関するものであることが証明できれば、ほとんどの場合は課税されません。いちばん大切なことは、それが何のお金なのかを証明できる書面を残しておくことです。そのため、離婚時には離婚協議書を作成しておきましょう。ただし、通常の離婚協議書では「税金逃れのために後で作ったのではないか?」と言われかねませんから、公正証書にしておくのがいちばんです。公正証書なら作成日も明確ですし、本人が自分の意思で約束したことの証明にもなります。離婚時の財産分与にかかる税金に関するまとめ離婚時の財産分与では、原則的に贈与税はかかりません。慰謝料をもらった場合、養育費を払ってもらう場合にも同様です。ただし、離婚時に必要以上に財産を多くもらうと、贈与とみなされ課税対象となることがあります。贈与税はかからなくても、不動産の財産分与では譲渡所得税や不動産取得税、登録免許税が発生することがあります。離婚の条件について話し合うときには、税金の負担も考慮しておくようにしましょう。
2020年10月11日あなたの親は、あなたをどんな風に育てましたか?親が無意識に子どもに求めた生き方を、私たちは時として「呪い」として深く刻み込んでいます。そのひとつが「あなたならできる」という期待の言葉。でも、できるという期待は裏側に「できない私はダメ」というプレッシャーが含まれています。その言葉の呪い、どうやって解いていけばよいのでしょうか。文・おおしまりえ【おおしまりえの恋愛道場】vol. 83「あなたならできる」親からの呪いを抜け出すために知りたいこと「あなたならできる」親からそんな言葉をかけられた経験はありませんか。現在放送中のテレビドラマ『私の家政婦ナギサさん』が話題になっていますが、人気の秘密のひとつが、母親から主人公にかけられた言葉の呪いだといわれています。あなたならできるというフレーズには、一見すると相手への信頼とポジティブな期待を感じますが、当人からするとそうでもないことも…。例えばここ一番に「あなたならできる」と言われたら、頑張ろうという前向きな気持ちになるものですが、日常的に「あなたならできる」を刷り込まれていると、逆にできない自分を激しく責めてしまうことになります。そして悲しいことに、親の声がけのほとんどは後者であることが多いのです。親からの信頼と見せかけた過剰な期待は、子どもからすると良くないプレッシャーにしかなりません。では親からの呪いの言葉で自分が染まりきっている方はどうしていけば良いのでしょう。大切なのは「できる
2020年08月20日結婚生活を送っている間に、ローンを組むなど借金をすることはよくあります。離婚するときには財産分与で財産を分けますが、借金も分けなければならないのかが気になるところです。本記事では、離婚するときに借金の負担がどうなるのかについて説明します。あくまで一般的なルールなので、具体的なケースについては専門家に相談しながら対処してください。離婚時に夫婦の借金が残っている。誰が返済する?離婚するとき、預貯金や不動産などの財産のほかに、ローンなどの借金があるケースもあります。夫婦の借金が残っている場合には、誰が借金を返済するのでしょうか?離婚時には財産分与を請求できる離婚するときには、夫婦の財産として残っているものを分ける「財産分与」を行います。財産分与では、原則的に夫も妻も2分の1ずつの割合で財産を取得します。外で働いて収入を得ていない専業主婦の妻であっても、夫をサポートすることで財産形成に貢献しているからです。財産が夫名義になっている場合には、妻は夫に財産分与を請求できます。借金も原則的に分ける財産分与するときには負債も対象に含めます。つまり、借金も原則的には折半します。なお、財産分与するのはあくまで夫婦の借金なので、個人的な借金は対象外です。住宅や車の購入費用、生活費、医療費、子供の教育費に充てるための借金は夫婦の借金に含まれます。夫がギャンブルのためにした借金は夫婦の借金ではないので、妻が負担する必要はありません。相手名義の借金の返済を請求されても拒否できる夫がサラ金などで借りた借金を返せなくなった場合、「妻である自分が返済を請求されるのではないか?」と思い、離婚した方がメリットになると考えている人が時々います。しかし、たとえ夫婦でも、妻には夫の借金を返す義務はありません。お金を借りた場合、債権者に対して支払い義務を負うのは借りた本人です。夫が債務者になっている借金については、連帯債務者や連帯保証人になっていない限り、妻が返済を請求されることはありません。万一債権者に返済を請求されても、支払いを拒否できます。「借金を誰が負担するか」と「債権者に対して誰が支払い義務を負うか」は別問題ですから注意しておいてください。財産分与における借金の扱いは単純ではない上に述べたとおり、負債も財産分与するのが原則です。しかし、負債についてはいろいろなパターンがあり、現実にはそれほど単純な問題ではありません。以下、パターン別に借金の取り扱いを説明します。【パターン1】借金よりも財産の方が多いケースまず、負債よりも資産の方が多いケースについて説明します。資産から負債を差し引いて財産分与する【例】夫婦の財産として預金400万円(夫名義)、子供の教育費用に充てたローンの残金が100万円(夫名義)あるケースこのケースでは、400万円から100万円を差し引きした300万円が財産分与の対象です。つまり、夫も妻も150万円ずつ財産を取得できます。夫は金融機関にその後100万円を返済しなければなりません。夫名義の400万円の預金を夫がもらって妻に現金150万円を支払えば、夫の手元にも150万円が残るので、公平に財産分与ができます。住宅ローン返済中の家は注意借金として住宅ローンがあるケースは多いと思います。住宅ローンの残高は、他の資産からは差し引きしません。住宅ローン支払い中の不動産は、時価(売却価格)とローンの残高のどちらが大きいかで扱いが分かれます。①売却価格>残りのローンローン残高よりも売却価格の方が高い場合には、売却して得た代金でローンを完済できるので、売却が可能です。ただし、必ず売却しなければならないわけではありません。売却する場合には、ローンを返済して残ったお金を折半すればOKです。売却しない場合には、売却価格からローン残高を差し引きした金額が不動産の価値と考え、財産分与の対象に含めます。【例】資産として家(夫名義:時価1000万円、ローン残高800万円)、預金300万円(夫名義)がある場合この場合、家の価値は200万円ということになり、預金300万円と合わせた500万円が財産分与の対象となります。家を売却しない場合には、夫が家と預金をそのままもらい、夫から妻に現金250万円を払うことで公平な財産分与ができます。なぜなら、夫の手元にも妻の手元にも250万円の価値のある財産が残ることになるからです。②売却価格<残りのローン売却価格がローン残高を下回るようであれば、売却してもローンを完済できないので、通常売却はできません。この場合、不動産には資産価値がないと考え、財産分与の対象に含めないのが一般的な扱いです。家は財産分与の対象外なので、残っているローンも夫婦の借金ではないことになり、本来の債務者が負担します。住宅ローンのマイナス分を他の資産から差し引く必要もありません。住宅ローンについては他の問題も住宅ローンの残っている不動産については、他にもいろいろな問題が発生しがちです。たとえば、夫名義の家を妻がもらいたいときには、金融機関の承諾が得られず、名義変更が困難なことが多くなります。家が共有になっていたり、互いに連帯債務者になっていたりすれば、さらに問題は複雑化します。住宅ローン支払い中の不動産については、次の1、2に当てはまらない場合には、処理方法を考える前に専門家に相談するのがおすすめです。離婚時に家を売却して清算が可能家もローンも夫(または妻)の単独名義で、離婚後も名義人がそのまま引き継ぐ【パターン2】財産よりも借金の方が多いケース次に、夫婦の財産をひっくるめても借金の残高の方が多いケースについてみてみましょう。資産を超える債務は財産分与しないのが裁判実務資産よりも負債の方が多い場合、債務超過分は財産分与の対象にしないというのが裁判所でとられている主な考え方です。【例】預金40万円(夫名義)と、生活費に充てたカードローンの残高100万円(妻名義)があるケースこの例では、夫婦の財産は60万円の債務超過になります。預金を全部使って残る60万円の借金については、夫と妻で30万円ずつ分ける必要はありません。残る借金について、金融機関への支払い義務を負うのは妻ですが、妻は当然夫にも借金を負担してもらいたいでしょう。しかし、借金は夫と妻で当然に折半ではなく、具体的な負担の仕方は話し合いで決めることになります。[adsense_middle]支払い義務が残る借金の負担で争いになったら借金の支払い義務が残るケースでは、残った借金の負担について争いになりがちです。夫婦間の話し合いで解決しないときには、裁判所に調停を申し立てて解決する方法も検討しましょう。なお、協議や調停で解決しないときには審判等で裁判所が決めることになりますが、この場合には本来の債務者である側だけが借金の残額を負担しなければならなくなる可能性があります。離婚するときに残っている借金をどのようにしたらよいかわからない場合、まずは弁護士に相談した方がよいでしょう。離婚時の借金と財産分与に関するまとめ離婚で財産分与するときには、資産から負債を差し引きした残額が対象になります。資産から負債を差し引きするとマイナスになる場合には、残った借金を夫婦でどう分担するかを話し合っておきましょう。住宅ローン返済中の不動産があるとき、借金の負担について話し合いがまとまらないときには、早い段階で弁護士に相談するのがおすすめです。
2020年03月23日離婚すれば夫婦は他人になります。結婚している間は夫婦が共同で財産を築いたり子供の世話をしたりするものですが、離婚するとそうはいきません。離婚のときには、お金や今後のことについて夫婦間で取り決めをしておく必要があります。今回は、離婚時に取り決めする条件について説明しますので、参考にしてください。離婚の条件を決めないと離婚は成立しない?離婚の条件を詳細に決めなくても、離婚自体は可能です。しかし、後日トラブルになってしまうことがあります。離婚の条件とは?離婚のときに取り決めする条件としては、次のような事項があります。親権養育費面会交流財産分与慰謝料年金分割親権、養育費、面会交流は子供がいる場合に必ず決めなければならない条件です。財産分与、慰謝料、年金分割については、必要があれば取り決めしなければなりません。離婚届を出すだけで離婚はできる離婚を希望する場合、夫と妻の両方が署名捺印した離婚届を役所に提出するだけで、協議離婚という形で離婚ができます。離婚届には夫婦のどちらが親権者になるかを記載する欄はありますが、その他の条件については記載の必要はありません。子供がいる夫婦は親権者を決めなければ離婚できませんが、その他の条件については特に決めなくても離婚は成立します。とにかく離婚さえできればいいと条件を話し合わないまま離婚届を出してしまう人もいますが、離婚するなら条件面をしっかり取り決めしておくべきです。離婚の条件を決めておかないと後でトラブルになりがち条件を話し合っていないと、離婚後に「あのお金はどうなったのか?」などとトラブルになってしまう可能性があります。子供がいる場合には、「養育費を払って」「子供に会わせろ」といったことでも揉めてしまいがちです。離婚後もその都度話し合いができればまだ良いですが、お金については時効があるものもあるので注意が必要です。離婚する時点で、条件を取り決めしておきましょう。離婚の条件の決め方は?離婚の条件の決め方は、協議離婚と調停離婚で違います。協議離婚の場合には話し合いで協議離婚をするときには、夫婦の話し合いで離婚の条件を自由に決めることができます。相手の言いなりになって不利な条件を飲んでしまわないよう、自分の権利はきちんと主張しましょう。どんな条件が適切かがよくわからない場合には、弁護士などに相談するのがおすすめです。自分で話をしづらい場合には、弁護士に依頼して協議を代行してもらう方法もあります。離婚調停になったら裁判所で離婚調停で離婚するときには、条件についても裁判所で決めてくれます。裁判所では、夫婦が公平になるよう条件を調整してくれます。調停で提示された条件に納得しなければ応じる必要はありません。ただし、妥当な条件であるにもかかわらず拒否し続けると、調停不成立になって離婚自体ができなくなることがあります。離婚の条件は書類に残しておく調停離婚の場合には、裁判所で離婚の条件を調停調書にしてくれます。一方、協議離婚の場合には、離婚の条件が書面に残りません。後日のトラブルを防ぐために、離婚協議書を作成しておきましょう。離婚協議書は公正証書に慰謝料などお金の支払いについては、誓約書を書いてもらおうと考えている人もいると思います。通常の書面では相手が任意に払ってくれない場合に、裁判を起こさないと強制執行ができません。離婚時に公正証書を作成しておけば、裁判を経ずに給与差押などができます。養育費の支払いがある場合にも、支払期間が長期間になってしまうので、公正証書を作成しておきましょう。子供がいる場合に決めておくべき親権・養育費・面会交流離婚するときにまだ未成年の子供がいる場合には、親権、養育費、面会交流について取り決めが必要です。[adsense_middle]親権を決める時の注意事項親権とは未成年の子供について行使できる親としての権限です。監護養育、財産管理、法律行為(契約など)の代理などが該当します。婚姻中は父母の共同親権ですが、離婚後は単独親権となるため、父母のどちらが親権者になるかを決めなければなりません。離婚時には話し合いで親権者を決めることができますが、離婚後に親権者を変更したい場合には裁判所を通す必要があります。離婚時に納得できる形で決めておきましょう。養育費は算定表を参考に必要な額を請求養育費については、一般に裁判所の養育費算定表を参考に金額を決めます。と言っても、必要な金額は各家庭の事情によって異なるはずです。算定表の金額にこだわらず、何にいくら必要かを見積もって、夫婦でどう分担するかを話し合いましょう。離婚時に養育費の取り決めをしていなくても、子供が成人するまでは養育費の請求が可能です。しかし、相手と連絡が取りにくくなってしまうこともあるので、離婚時にきちんと決めておきましょう。面会交流はできるだけ柔軟な形で面会交流については、頻度や面会の方法、費用の負担などを決めておきます。子供を頻繁に会わせられない事情がある場合には、写真を送ることなどを決めておきましょう。子供が小さいと、急な病気で予定通り面会ができないこともあると思います。回数などを細かく決めてしまうとかえって揉めることになってしまいがちです。面会については、ある程度柔軟な形で決めておくのがおすすめです。夫婦の財産があれば財産分与をする財産分与とは、結婚している間に夫婦共同で築いた財産を、夫と妻それぞれの財産に分けることです。財産分与の割合は夫も妻も2分の1財産分与の割合は、原則として夫も妻も2分の1ずつです。婚姻中に形成された財産であれば、名義にかかわらず半分ずつになるよう分けてかまいません。専業主婦でも財産の半分をもらうことができます。後日支払いの場合には公正証書にする現金や預金は今あるものを分けるだけで済みますが、家の価値を精算する場合や将来受け取る退職金を分ける場合などは、手元に現金がなく、支払いが離婚後になることもあるでしょう。支払いが先になる場合には、支払日と支払方法を決めて公正証書にしておくのがおすすめです。財産分与は2年以内しかできない離婚時に財産分与の取り決めをしなかった場合、離婚後も2年以内なら請求が可能です。2年を経過してしまうと請求が困難になってしまうので請求のし忘れがないように気を付けましょう。慰謝料は離婚の理由によって発生する慰謝料は離婚のときに必ず払わなければならないようなものではありません。慰謝料が発生するケースでは、取り決めしておいた方が良いでしょう。[adsense_middle]法律上の離婚原因を作った側が支払う離婚になったことについて一方に法的な責任がある場合、他方は慰謝料を請求することができます。たとえば、夫の浮気が原因で離婚になった場合には、妻は夫から慰謝料を受け取れます。協議離婚する場合には、慰謝料の取り決めも当事者間で自由です。必ずしも支払義務がないようなケースでも、解決金という意味で一方が慰謝料を払うこともあります。慰謝料の金額はいくら?慰謝料の金額についても、夫婦の話し合いで自由に決められます。参考までに、離婚慰謝料の相場は200~300万円です。一般的な相場と比べてあまりにも高すぎる慰謝料を受け取ると、贈与税が課税されるリスクがあります。裁判になった場合には、慰謝料の金額は様々な要素によって変わります。慰謝料としていくら請求したらよいかわからない場合には、弁護士に相談すると良いでしょう。慰謝料には時効がある慰謝料請求権には時効があり、離婚後3年以内でないと請求できません。慰謝料を分割払いしてもらうこともできますが、取り決め自体は離婚後3年以内にしておく必要があります。年金分割は夫婦間の取り決めだけではできない専業主婦やパートだった人は、老後の年金が少なくなってしまいます。離婚時には年金分割についても取り決めしておきましょう。年金分割とはどんな制度?年金分割は、結婚していた期間中の厚生年金保険料納付記録を離婚時に夫婦で分け合える制度です。たとえば、ずっと専業主婦だった人の場合、厚生年金保険料を納付していないので、老後にもらえる年金がかなり少なくなってしまいます。夫の分の保険料納付記録を分けてもらうことで、老後の年金を増やせます。年金分割には、次の2つの方法があります。年金事務所での手続きが必要年金分割をする場合には、年金事務所での手続きが必要です。合意分割をする場合には夫婦の合意が必要ですが、夫婦が合意した離婚協議書や公正証書を残しておくだけでは年金分割されません。老後の年金は、日本年金機構にある標準報酬のデータにもとづき算定されます。年金分割の合意をしたら、離婚後に年金事務所でそのことを証明し、標準報酬のデータを変更してもらう必要があります。年金分割の期限は2年年金事務所での年金分割の手続き(標準報酬改定請求)は離婚後2年以内でないとできません。また、離婚後2年以内であっても、相手が死亡して1か月経てばできなくなってしまいます。年金分割をする場合には、離婚後速やかに年金事務所に行って手続きをしておきましょう。条件の有利・不利にこだわりすぎず、WinWinな離婚を目指そう離婚の際には、夫婦間で条件を話し合わなければなりません。自分ばかりが有利になるように考えていると、相手の納得を得られず、離婚までが長引いてしまいます。不利な条件に妥協する必要はありませんが、相手の立場も考え、お互いにとって良い形の円満離婚を目指しましょう。
2020年03月11日相続財産管理人は、相続する人がいない財産を管理します。あまり聞き慣れない言葉ですが、どんなときに関与することになり、どんな仕事をするのでしょうか?本記事では、相続財産管理人を置くべきパターンや就任までの大まかな流れを説明します。相続財産管理人って誰?どんな制度?相続があっても、相続財産管理人が必ず置かれるわけではありません。相続財産管理人が関与するのは、比較的特殊なケースです。相続人がいない・全員放棄の財産を管理する相続財産管理人が関与するのは、相続人が1人もいないか、相続人全員が相続放棄して財産を引き継ぐ人がいない場合で、必要性がある場合にのみ選任してもらえます。死亡した人が土地や建物、預貯金などの財産を持っていないなら、相続手続き自体必要ないので選任も不要です。誰がなる?申立時には候補者を推薦できますが、候補者が選ばれるとは限りません。家庭裁判所の名簿に掲載されている弁護士などの専門家が選ばれるのが一般的です。相続財産管理人を置くべきケース相続財産管理人が必要な場合としては、次のようなパターンが考えられます。(1) 特別縁故者が存在同一生計だった人や療養看護に努めた人など、特別の間柄だった人(特別縁故者)がいる場合です。特別縁故者が財産分与請求の申立をすれば、遺産の一部や全部をもらえる可能性がありますが、この請求の前提として相続財産管理人が必要です。(2) 借金を残している死亡した人が誰かからお金を借りていたら、お金を貸した人(債権者)は遺産から返済を受ける権利があります。もし相続人が1人もいなければ、債権者は「お金を返してくれ」と言う相手がいません。このような場合、相続財産管理人が付けば、遺産から返済してもらえます。(3) 全員が相続放棄した相続放棄した人も、新たに相続人になった人が遺産を管理可能になるまでは、遺産の管理を継続しなければなりません。すべての相続人が相続放棄した場合には管理義務を逃れられないので、負担をなくすためには相続財産管理人を選任してもらう必要があります。(4) 国や地方公共団体による用地買収死亡した人の土地を引き継ぐ人がおらずそのままになっているとき、国や地方公共団体が用地買収のために相続財産管理人選任を申し立てることもあります。役割と権限相続財産管理人の主な役割は、死亡した人の財産の清算です。たとえば、借金の支払いをしたり、預金の払い戻しをしたりします。清算完了後、残った財産は国のものになるので、これを国庫に帰属させる手続きも行います。どんなことができる?相続財産管理人は、自らの判断で保存行為(財産の現状を維持する行為)や管理行為(物の性質を変えない範囲で利用・改良する行為)を行う権限を持ちます。一方、処分行為を行う場合には権限外行為となり、裁判所の許可を受けなければなりません(※下表参照)。申立件数は増加している下のグラフは、平成21年から平成30年までの10年間に新規で受け付けられた相続財産管理人事件数です。グラフを見てわかるとおり、近年事件数は右肩上がりで増えています。亡くなるときに家族や親戚がいない人が増えていることが考えられ、この傾向は今後続くものと思われます。相続財産管理人選任申立方法は?おひとりさまの残した土地や建物、預貯金などがそのままになっている場合には、利害関係人などが申し立てれば、相続財産管理人を選任してもらえます。就任までの流れと必要書類を知っておきましょう。[adsense_middle]就任までの流れ相続財産管理人が就任するまでの流れは、大まかには次のとおりです。1. 申立書を提出死亡した人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申立書と必要書類を出します。2. 審理出された書類にもとづき、申立を認めるか却下するかの審理が行われます。3. 審判審理の結果、相続財産管理人を置くべきとなったときには、裁判所が適当な人物を選び、審判を出します。4. 公告相続財産管理人が選任されたら、裁判所は遅滞なくこれを公告するものとされています。準備すべき書類次のような書類を揃えて提出します。家事審判申立書戸籍謄本相続放棄申述受理証明書住民票除票(または戸籍附票)遺産に関する資料候補者の住民票等家事審判申立書裁判所のホームページにあるものをダウンロード・印刷して記入します。財産目録も添付します。戸籍謄本死亡した人の出生から死亡までのもののほか、相続人がいないことがわかる戸籍・除籍・改製原戸籍謄本すべてが必要になります。なお、法定相続証明制度を利用し、法定相続情報一覧図の写しを提出してもかまいません。法定相続情報証明制度とは、あらかじめ戸籍謄本の束を法務局に提出しておき、法務局で交付を受けた法定相続情報一覧図を提出する方法です。相続放棄申述受理証明書相続放棄により相続人がゼロになったケースでは、相続放棄申述受理証明書を添付します。住民票除票(または戸籍附票)死亡した人の最後の住所を証明するものが必要です。住民票はマイナンバーの記載のないものを提出します。遺産に関する資料遺産としてどんなものがあるのかがわかる資料が必要です。不動産がある場合には登記事項証明書及び固定資産評価証明書、預貯金がある場合には残高証明書等を添付します。候補者の住民票等候補者を指定する場合には、候補者の住所がわかるものを出します。住民票はマイナンバーの記載がないものが必要です。申立は自分でできる?申立の際には、戸籍謄本の収集に労力がかかります。第3順位までの相続人が1人もいないということを証明するためには、かなりの数の戸籍が必要になることがあります。忙しくて時間がない場合や手続きに自信がない場合には、弁護士や司法書士に依頼するとよいでしょう。相続財産管理人選任にかかる費用は?相続財産管理人の選任手続きには費用がかかります。実際に申立をする場合には、費用を上回るメリットがあるかどうかを検討しましょう。申立時の印紙代や切手代は?相続財産管理人選任事件で必要な収入印紙は800円分、切手は裁判所によって異なりますが数千円程度です。さらに、選任後は官報公告が行われるので、公告料金4,230円も納める必要があります。予納金も必要。相場はどれくらい?申立の際の印紙や切手はそれほど高額ではありません。しかし、相続財産管理人の報酬に充てる予納金も納める必要があり、これが高額です。金額は事案によって異なりますが、数十万円から100万円程度になります。相続財産管理人の報酬は相続財産から支払われべきものなので、清算後余剰があれば予納金は戻ってきますが、財産状況によっては戻ってこないこともあります。お金をかけても手続きするメリットがあるかを考えてから申立しましょう。おひとりさまは遺言を書いておく相続財産管理人選任の手続きは、面倒な上に費用がかかります。自分が死んだ後財産を引き継ぐ人がいないおひとりさまは、遺言を書いておくと、周囲の人に迷惑をかけずに済みます。遺言を書くときには、自筆証書遺言や公正証書遺言の形にし、法律的に無効にならないようにしておきましょう。相続財産管理人に関するまとめ身近で身寄りがない人が残した財産があり、自分に利害関係があれば、相続財産管理人の選任申立てを検討してみましょう。もし自分が特別縁故者の立場なら、財産を受け取れる可能性もあります。ただし、費用がかかるので、どれくらいのメリットがあるかを考えておかなければなりません。身寄りがいないおひとりさまは、周囲への負担がかからないよう、誰に財産を譲るかの遺言を書いておくことも考えましょう。
2020年01月31日