2016年4月に発生した熊本地震。最大震度7の地震により、熊本県のシンボルである熊本城は甚大な被害を受けました。熊本城は復旧・復元に向けて寄付を募り、2020年6月末までに総額44億円が集まっています。同年11月2日には、『熊本城災害復旧支援金』に個人として最高額の寄付があり、人々の注目を集めました。熊本城のため1億円の寄付!『熊本城復元整備基金』に寄付をしたのは、熊本市在住の女性。なんと個人で1億円を寄付したとして、熊本県熊本市の大西一史市長が感謝の言葉をTwitterに投稿しました。昨日熊本市在住の浅野敦子さんが熊本城復元整備基金に個人としては最高額の1億円を寄付して頂きました。本当に有難いことです。熊本市を代表して御礼を申し上げるととともに感謝状を贈呈させていただきました。貴重な浄財を熊本城の復旧のために大切に活用させていただきます。有難うございました。 pic.twitter.com/kKWG9HGMLi — 熊本市長 大西一史 (@K_Onishi) November 3, 2020 1億円の寄付は、並大抵のことではありません。大西市長は女性に感謝状を贈呈。ネット上では、女性の決断に称賛の声が相次いでいます。・ご厚意に感謝いたします!・熊本市民として御礼申し上げます。・とてもかっこいい!マネできないけど、私も熊本城を未来に残すためにできることをしていきたい。熊本城は『熊本城災害復旧支援金』のほかに、城主の証が発行されるなど特典が付く『復興城主』制度の寄付も受け付け中。多くの人の想いによって復旧・復元が進む熊本城の姿は、胸に迫るものがありますね。[文・構成/grape編集部]
2020年11月05日地域の子育て支援サークルで役員をしているママ。コロナ禍を機にオンラインで子育て支援サークルを開催することにしたそうです。新しい形での子育て支援活動をするまでの経緯や開催後の感想などを紹介しています。 私は仕事関連や自分の学びのために、Web会議ツールの「Zoom」を使うことがあったのですが、ある日「オンラインによる子育て支援」を発見! 試しに参加してみたらその素晴らしさに心がウキウキしました。このような体験をもっと多くの人にしてもらいたいと思い、私がおこなった新しい生活様式での子育て支援活動をご紹介します。 たまたま見つけた「オンライン児童館」新型コロナウイルスの感染拡大以前からZoomを使うことがあった私。外出自粛期間も友だちとSNSやZoomでつながりを持ち、乗り越えてきました。そんなある日、友だちのインスタグラムから「オンライン児童館」の存在を知りました。 そのころ、外出自粛は解除されたとはいえ、周りの児童館や子育て支援センター等は閉鎖されたり、限定的に解放されたりしている状態。試しに参加してみると、無料で手遊びや読み聞かせ、工作などをやってもらえ、親子共々楽しい時間を過ごすことができました。 広がるオンラインでの子育て支援調べてみると、他にもオンラインでの子育て支援が見つかりました。オンライン子育て広場、オンライン子育て支援センターなど個人でおこなっているものもあれば、自治体主導の子育てサロンもあり、親子ヨガや親子ダンスなどのレッスンもオンラインで受けられるようでした。 田舎に住んでいる私としては家にいながら全国の人とつながれたり、子育て支援を受けられたりして、新たな世界が開けたように感じたのです。 自分だけでなく、みんなにも広めたいこうしてZoomを使うことでコロナ禍もわりと楽しく過ごせていたのですが、ふと、Zoomが使えない人たちのなかには、ただただ孤独な育児に追い込まれている人もいるのではないかと思うようになりました。 ちょうどそのころ、地域の親子サークルの役員の間で「今年の活動は無理」と話していたのですが、「オンラインでの活動を広める良い機会だ!」と思い立ち、急ピッチで準備を進めました。 地域の子育てサークルをオンライン化役場の窓口や乳幼児健診で親子サークルのチラシを配ってもらったり、お試し会をしたりして、何とかオンラインでの活動を始めました。地域の民生委員さんも入ってくださり、初めてZoomを使った方も「意外と簡単だし、マスクもなくみんなの顔が見られてうれしい!」と笑顔になるのを見ると、おこなってよかったと思っています。 また、この活動をきっかけに、今度は自ら気になる講座やイベントを見つけて参加し、育児をより楽しめるようになった人がいてくれたらうれしいです。 専業主婦の中にはZoomになじみがなく不安な方もいたようですが、使ってみると意外に簡単でビデオやマイクをオフにして参加もできることから、かえって参加しやすいという感想ももらいました。今後ほかの地域や自治体でも取り組みが進めばうれしいなと思っています。 イラスト/sawawa監修/助産師REIKO著者:小林まり3男1女の母。元小学校教員。夫は土日出勤、出張も多いNPO職員。育児の大変さを実感しながらもコツをつかみ始めてきたところ。自身の経験を中心に執筆している。
2020年10月01日0〜2、3歳ごろまでの親子が遊べる子育て支援センター。新型コロナウイルスの感染拡大により、利用人数や時間などの制限付きのところも多いですが、徐々に利用できるようになっているところも増えてきたようです。私が1人目を出産したときに住んでいた地域では、児童館の中に乳幼児向けの一室が設けられていました。乳幼児健診のときにそのような場所があることを知りましたが、行ったほうがいいのかどうか迷ったときのことをお伝えします。 子育て支援センターに行くタイミング子育て支援センターに初めて実際に足を運んだのは、赤ちゃんが1歳になるかならないかのころ。かなり活発にハイハイや伝い歩きで動き回るようになり、1日中、自宅の中で過ごすことに限界を感じていたからでした。 子育て支援センターは自宅よりもずっと広いうえに、安全対策もしっかりされているため、のびのびと赤ちゃんを遊ばせることができました。また、スタッフの方やほかのママさんと他愛もないおしゃべりをすることで、思った以上にリフレッシュできた点もよかったです。 自宅ではできなかった経験ができる!子育て支援センターには、乳幼児向けの絵本やおもちゃがたくさん。自宅にあるもののほかにも「わが子はこういうものにも興味があるんだ!」と、新たな発見もありました。 また、私は手遊びなどでわが子と一緒に遊ぶのがあまり得意ではないため、自宅ではほとんどしていませんでした。そのため、スタッフの方が手遊びや歌を歌ってくれる時間があったことも、とてもありがたいと感じた点でした。 でも、無理をして行く必要はない!上の子が赤ちゃんのころは頻繁に通った子育て支援センターですが、下の子のときは上の子の幼稚園送迎などで忙しくなったこともあり、それほど足を運ぶことはありませんでした。 でも、そのことによって上の子と下の子の発育や発達上の差は、特に感じていません。メリットもたくさんある子育て支援センターですが、近くに支援センターがない、一度行ってみたけれど雰囲気が合わなかったなどの場合は、無理をしてまで行く必要はないと私は思います。 子育て支援センターで出会うママさんたちとの「行けるときに行き、会えたら話す」という距離感。この距離感も、幼稚園でのママさん関係とまた違い、そのゆるやかさがなかなか心地よかったです。 イラスト/ののぱ監修/助産師REIKO著者:奥田美紀二児の母。IT企業にてSE・プログラマーとしてシステム開発やWEBサイト運用等をおこなう。夫の転勤や子育てのために退職し、現在は妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年09月26日子育て支援センターをご存じでしょうか。市区町村や社会福祉法人、NPO法人等が運営する施設で、地域の子育て家庭に対する育児支援をおこなうことを目的としています。利用した方もいらっしゃると思いますが、利用をしていない方向けに子育て支援センターについてお伝えします。 子育て支援センターとはこんなところ子育て支援センターは地域の子育て支援の拠点として、全国に7578か所(2019年度)ある施設です。従事者や施設の差はありますが、子育て親子の交流の場の提供と交流の促進、子育てなどに関する相談・援助の実施、地域の子育て関連情報の提供、子育ておよび子育て支援に関する講習などの実施をおこなっています。 分類としては、以下の3つに分かれます。 ひろば型常設のひろばを開設し、子育て家庭の親とその子どもが気軽に集い、うち解けた雰囲気の中で語り合い、相互に交流を図る場となっています。公共施設内のスペースや商店街の空き店舗、学校の余裕教室、民家の一室などで実施しています。 センター型地域の子育て支援情報の収集・提供に努め、子育て全般に関する専門的な支援をおこなう拠点として機能するとともに、既存のネットワークや子育て支援活動をおこなう団体等と連携しながら、地域に出向いた地域支援活動を実施しています。保育所などの児童福祉施設や公共施設等が実施場所となっています。保育士や看護師など、育児・保育に関する知識・経験を有する人を2名以上配置しています。 児童館型民営の児童館、児童センターにおいて、利用児童の来館前の時間などを利用して、親子の交流・集いの場を設けるとともに、子育て中の親などの当事者等をスタッフに交えて、身近で利用しやすい地域交流活動を実施しています。 電話やメールなどで相談ができるところも利用するには、予約が必要なイベント以外では基本的には予約不要ですが、最近では新型コロナウイルスの影響で通常と異なる運営がされているケースもありますので、まずはホームページやお電話などで確認しましょう。相談ごとであれば、子育て支援センターにもよりますが、電話やメールで子育てについての相談を受け付けているところも増えています。ご相談の内容としては、子育て全般、子どもの発達・発育、一時預かりの紹介、子どもと遊ぶ場所など多岐にわたっています。 また、子育て支援センターではありませんが、ベビーカレンダーでも専門家への相談ができます。ユーザー登録をしたうえでログインすると、無料で助産師・管理栄養士などに相談ができるフォームが開きますので、ぜひご利用ください。 子育てについて不安になることもあると思いますが、子育て支援センターの利用や専門家の相談で解消される内容も少なくありません。子育てでお困りのことがある場合には、子育て支援センターの利用や本サイトも含めた専門家への相談をすることも検討してみましょう。 監修者・著者:ファイナンシャルプランナー 大野高志1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等 多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。
2020年09月23日0〜2、3歳ごろまでの親子が遊べる子育て支援センター。私が1人目を出産したときに住んでいた地域では、児童館の中に乳幼児向けの一室が設けられていました。乳幼児健診のときに、そのような場所があることを知りましたが、行ったほうがいいのかどうか迷ったときのことをお伝えします。 子育て支援センターに行くタイミング子育て支援センターに初めて実際に足を運んだのは、赤ちゃんが1歳になるかならないかのころ。かなり活発にハイハイや伝い歩きで動き回るようになり、1日中、自宅の中で過ごすことに限界を感じていたからでした。 子育て支援センターは、自宅よりもずっと広いうえに、安全対策もしっかりされているため、のびのびと赤ちゃんを遊ばせることができました。また、スタッフの方やほかのママさんと他愛もないおしゃべりをすることで、思った以上にリフレッシュできた点もよかったです。 自宅ではできなかった経験ができる!子育て支援センターには、乳幼児向けの絵本やおもちゃがたくさん。自宅にあるもののほかにも「わが子はこういうものにも興味があるんだ!」と、新たな発見もありました。 また、私は手遊びなどでわが子と一緒に遊ぶのがあまり得意ではないため、自宅ではほとんどしていませんでした。そのため、スタッフの方が手遊びや歌を歌ってくれる時間があったことも、とてもありがたいと感じた点でした。 でも、無理をして行く必要はない!上の子が赤ちゃんのころは頻繁に通った子育て支援センターですが、下の子のときは上の子の幼稚園送迎などで忙しくなったこともあり、それほど足を運ぶことはありませんでした。 でも、そのことによって上の子と下の子の発育や発達上の差は、特に感じていません。メリットもたくさんある子育て支援センターですが、近くに支援センターがない、一度行ってみたけれど雰囲気が合わなかったなどの場合は、無理をしてまで行く必要はないと私は思います。 子育て支援センターで出会うママさんたちとの「行けるときに行き、会えたら話す」という距離感。この距離感も、幼稚園でのママさん関係とまた違い、そのゆるやかさがなかなか心地よかったです。著者:奥田美紀二児の母。IT企業にてSE・プログラマーとしてシステム開発やWEBサイト運用等をおこなう。夫の転勤や子育てのために退職し、現在は妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2019年09月06日多様な経験を、支援に生かそう。福祉の仕事の基礎知識を得られ、複数の事業所と出会えるイベントを開催Upload By LITALICOキャリアLITALICOはこれまで、発達が気になる子どもの支援や、障害のある方の就職支援を通して、4万人以上の方に関わってきました。その中で感じたのは、支援する「人」の想いで、関わる人の可能性がひろがるということ。そして、支援する「人」が幸せでいることが、関わる人の幸せにつながるということ。だから私たちは、この業界で支援する「人」を増やし、想いがあって、多様な経験のある人に、この業界に関わり続けてほしいと思っています。もっと自分らしく働ける場所、困難のあるひとへのサポートが自分自身の幸せにつながる場所を見つけませんか?2019年2月に新たにオープンした、発達ナビの姉妹サイト「LITALICOキャリア」は、障害福祉・児童福祉分野に特化した求人サービス。ここでは、支援の仕事に新しく挑戦したい方、またこれから福祉業界に就職したい学生の方向けなど、「LITALICOキャリア」が開催するさまざまなイベント情報をご紹介します。【5・6月開催】LITALICOキャリア イベントラインナップUpload By LITALICOキャリア障害のある方の「働く」を支援する仕事って?LITALICOキャリアしごとフェスタ<イベント内容>・就労支援事業を展開する法人のブースを多数出展・就労支援の仕事についてゼロからわかる「まるわかりセミナー」/就職活動のコツがわかるセミナーなど、複数のセミナーを実施・業界専門のキャリアアドバイザーによる相談コーナーUpload By LITALICOキャリア発達が気になる子どもを支援する仕事って?LITALICOキャリアしごとフェスタ<イベント内容>・発達支援事業を展開する法人のブースを多数出展・発達支援の仕事についてゼロからわかる「まるわかりセミナー」/就職活動のコツがわかるセミナーなど、複数のセミナーを実施・業界専門のキャリアアドバイザーによる相談コーナーUpload By LITALICOキャリア【2020卒対象】フクシに興味のある学生大集合!LITALICOキャリアしごとフェスタ<イベント内容>・就労支援・発達支援事業を展開する法人のブースを多数出展・これで安心!福祉の就活まるわかり塾・新卒3年目以内の職員が語る!福祉のしごとのリアル・業界専門のキャリアアドバイザーによる相談コーナーUpload By LITALICOキャリア<イベント内容>・個別支援計画の考え方を知る/自分が実現していきたい支援や貢献について考えるワークショップ・児発管・サビ管として働く参加者同士でざっくばらんにお話しできる座談会・業界専門のキャリアアドバイザーに相談できるおしごと個別相談会「自分らしく働く」を考えるきっかけに発達が気になる子どもの「できた!」という笑顔を増やす。働くことに困難がある人の「働く喜び」を一緒に分かち合う。「LITALICO」キャリアで開催するイベントのテーマである発達支援・就労支援はそんな魅力ある仕事だと考えています。各イベントが「自分らしく働くとは?」を、一緒に考えられる機会になればと思います。みなさまのご来場をお待ちしております!▼LITALICOキャリアのサイトはこちら▼
2019年05月11日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「震災への備え」です。熊本地震から3年。震災への備えはできていますか?4月14日で熊本地震から丸3年になります。政府の地震調査委員会によると、今後30年以内のM7~7.5規模の地震の発生率は、青森県東方沖・岩手県沖北部で90%以上、宮城県沖が90%、茨城県沖は80%。M7の地震が発生する確率が50%以上の海域には、房総半島沖や相模湾も含まれます。また、南海トラフではM8~9の地震が起きる確率が70~80%といわれています。日本全国北から南まで、大地震が起こる可能性が高いのですが、みなさん備えはできていますか?東京都は、直下型地震が起きた際は、会社にとどまるようにという「帰宅困難者対策条例」を出しています。交通インフラが止まり、多くの人が移動すると混乱が起き、二次災害が起きたり、緊急車両が通れなくなるのを防ぐためです。しかし、東京商工会議所が会員企業を対象に調査したところ、1127社から回答があり、この条例を認知している企業は62.9%、従業員数10~29人の会社では43.9%でした。会社にとどまるからには、全従業員分の3日以上の備蓄が必要になりますが、それを備えている企業は半分にも満たないことがわかりました。東日本大震災時の数から推定すると、約380万~490万人の帰宅困難者が発生するといわれています。現状では、帰宅はできず、会社にとどまっても備蓄がないケースがほとんどになるでしょう。自分の身は自分で守るしかありません。水や非常食、充電器などは通勤時にも常備しておいたほうが安心です。リサーチ会社によると、災害の備えについて、20代の女性の3割は何もしておらず、逆に60代女性では準備をしていないのは1割のみでした。とにかく、自宅には1週間分の食料と飲料水、電気(電池や電源)、トイレの確保が必須です。また、家族や大切な人との連絡手段、落ちあう場所を決めておきましょう。携帯はしばらく繋がらなくなると思っておいたほうがいいです。直接落ちあえる場所を必ず確認しておきましょう。また、自宅からだけではなく、職場からの避難場所も確認しましょう。普段使っている道が使えなくなる可能性もあるので、3つくらいのプランを考えておくことも大事です。堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年4月17日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年04月16日神奈川県児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報ヨリドコロ横浜は、「ギフト=天性の才能や能力、神様からの贈り物」に満ち溢れている子どもたちが、もっともっと可能性を発揮できる世の中にしたい、という思いを胸に、2019年4月にオープンした事業所です。「アートデザイン療育」という、色彩をベースとしたカリキュラムを通して、子どもたちの表現力や創造力を養い、子どもたちの可能性を信じ、引き出し、将来の選択肢を広げるサポートをしているそう。お子さまの現状をしっかりと把握したうえで、「現段階での子どもたちの成長にとって何が一番よいのか」をご家族と一緒に追求し、楽しく個性を伸ばせる環境づくりを心がけています。ベテランの児童発達支援管理責任者をはじめ、小学校教諭、絵を極めてきたアーティスト、スポーツが大得意なお兄さんなど、さまざまな資格や特技をもつ専門スタッフが在籍しています。神奈川県の児童発達支援事業所をもっと見る通所支援施設とは?このコラムで紹介した「ヨリドコロ横浜」は児童発達支援を行う施設です。児童発達支援とは、障害児通所支援のひとつ。この4月から、新たにこのような通所支援施設を利用したいと考えている方も多いのではないでしょうか?そこで、通所支援施設とはどういうものかについて紹介します。これは、障害がある子どもを支えるための児童福祉法に基づく制度です。自宅から施設に通ってサービスを受けるタイプの事業の総称で、未就学児を対象とした児童発達支援、就学児が授業後や休みの日に通う放課後等デイサービスのほか、医療型児童発達支援や保育所等訪問支援などもあります。それぞれのサービスについて、詳しく紹介しているコラムもぜひ参考にしてみてください。施設の情報を探すには「施設情報」ページが便利!Upload By 発達ナビ施設情報LITALICO発達ナビの「施設情報」ページでは、放課後等デイサービス・児童発達支援施設を中心とした、お子さんの発達を支援する施設の情報を掲載中!お近くの施設を希望の条件に合わせて検索することができます。所在地や施設区分での検索のほか、受け入れ障害種別や受け入れ年齢、送迎や土日祝日の営業の有無など詳しい条件での絞り込みも可能になるなど、よりニーズに合った施設が探しやすいページへと少しずつパワーアップしています。また、新しく利用する施設を探すだけでなく、すでに利用中の施設があれば「利用者の声」を投稿することで他のお子さんの施設探しの参考になることも。ぜひお住まいの地域の施設を検索してみてください!
2019年04月09日9月1日は「防災の日」。災害はいつ起きるか分かりません。だからこそ平常時に、事前に震災などの自然災害に備えておくことが大切です。今回は、実際に被災した経験者だからこそ分かる、防災に必要な備えと心得に関する記事を、6本まとめてご紹介します!■ 震度6弱の大阪地震を経験!防災グッズはどこに保管するのが正解?つい先日起こった大阪の地震。震度6弱という大きな揺れを観測し、甚大な被害が出ました。被災したときに役立つのが防災グッズですが、何をどれだけ用意すればいいのでしょうか。CORA / PIXTA(ピクスタ)こちらの記事では、より安価で無理・無駄のない防災グッズの揃え方と緊急時に持ち出しやすい保管場所についても、アドバイスしています。簡単チェック!防災グッズの準備と保管場所《その他の関連記事》>非常食は「自宅用」「避難用」に分類!一人暮らしの防災対策・1>非常用持出袋の中身、32アイテム全部見せます!・その2【トノエル防災研究室】>簡単に使いこなせない「防災セット」、いかがですか?■ 大阪地震でも食器が割れなかった!その理由って?地震で食器棚から食器が落ちて割れてしまうと、破片が床に飛び散って大変危険です。しかし、食器棚ではなく引き出し収納に食器をしまっていたところ、食器が飛び出して割れる被害はほとんどなかったのだとか。食器は食器棚にしまうものという思いこみを捨てれば、合理的な安全対策が見えてくるかもしれません。こちらの記事では、食器をしまうのに最適な引き出し収納の高さについても言及しています。ぜひチェックしてみてください!地震に備えて、引き出し収納で食器の破損を防ぐには?■ 熊本地震経験者が教える7つの防災ポイントGraphs / PIXTA(ピクスタ)「防災の備え」イコール「防災リュックを買うこと」というのは思い込みです。防災リュックを用意するよりももっと大切なことは、家の中の棚や家具を総点検することでした!熊本地震を経験したからこそ分かった、「命を守るために今すぐするべきこと7つ」とは一体?防災への意識を変え、盲点を教えてくれる記事です。まず第1に、自身の命を守るためにすべきこと7つ■ 被災者に聞いた震災直後に「本当に困った事」2002 / PIXTA(ピクスタ)実際に震災を経験した人に「震災直後に困ったこと」について、アンケート調査を行いました。最も多かった答えは、日常生活で欠かせない「水」を手に入れることでした。こちらの記事のアンケート結果は、日頃の備えの参考にもなります。ぜひチェックしてみてください!震災直後に困ったこと。事前の備えに参考にしたいアンケート調査■ 看護師が教える非常食の選び方kou / PIXTA(ピクスタ)東日本大震災での経験を持つ看護師が推奨するのは、家族にあった非常食の選び方です。非常食なら何でもいいというわけではありません。病歴や体調、年齢にあったものを選んでおかなくては、非常食を食べて体調不良に陥ってしまう可能性もあります。高齢者や赤ちゃん、血糖値が高い人などにオススメの非常食をお教えします。自分は大丈夫?看護師が推奨する非常食の選び方■ 防災グッズに絶対入れておきたい○○とは?terumin K / PIXTA防災グッズというと、水、食料、毛布、簡易トイレなどが基本です。しかし、被災地の様子を見て回った看護師の筆者は「歯ブラシ」も忘れてはいけないと言います。歯ブラシが重要なその理由とは?また、記事では被災時に歯ブラシがなかったときの対処法についてもお伝えしています。防災グッズには「歯ブラシ」を忘れずに〜その理由とは?《その他の関連記事》>災害時に愛犬、愛猫はどうする?ペットの防災対策ですべきこと4つ
2018年09月01日これまでも様々な形で次世代を担う若きクリエイターの支援を行ってきた「ジョルジオ・アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」から、その支援の最新プロジェクト「ARMANI/LABORATORIO(アルマーニ/ラボラトリオ)」の詳細が発表。日本でも大ヒット中の『君の名前で僕を呼んで』のイタリア人監督ルカ・グァダニーノがその指揮をとる。本プロジェクト「アルマーニ/ラボラトリオ」は映画の世界に進むことを夢見る学生を支援するもので、第1シーズンは昨年11月に始動、その際は8名の若きクリエーターが選出された。彼らは定期的なレッスンを受け、今年2月のミラノコレクション期間中に完成作品『UNA GIACCA -A JACKET-』がお披露目。1着のジャケットを軸に時空を超えて展開されるストーリーは、短編映画としての高いクオリティが話題となった。今回、その注目プロジェクトの第2シーズンが立ち上がり、現在、参加クリエイターを募集中。応募は世界中から可能で、もちろん日本からの応募も可能となっている(応募フォームやレッスンは英語)。第2シーズンの指揮をとるのは、シチリア生まれの映画監督ルカ・グァダニーノ。現代社会の複雑さを切り取る鋭い目線と優れた美的感覚で、世界的に高い評価を得ており、『君の名前で僕を呼んで』は本年度アカデミー賞に作品賞、主演男優賞(ティモシー・シャラメ)など4部門にノミネート、最新作『Suspiria』(原題)にはダコタ・ジョンソンやクロエ・グレース・モレッツ、ティルダ・スウィントンらが出演する。これまでにヴェネツィア国際映画祭で審査員を務めた経験もあり、彼の代表作の1つ『ミラノ、愛に生きる』(ボルダー国際映画祭で最優秀作品賞を受賞)は、その名のとおりミラノを舞台とした作品で、ミラノへの強い愛を持つ人物として知られている。グァダニーノ監督以外に各分野のプロフェッショナルとして学生の指導にあたるのは、『胸騒ぎのシチリア』で監督と組んだデヴィッド・カイガニック/David Kaganich(脚本)ほか、Lucas Gath(撮影技術)、Walter Fasano(編集)、 Giulia Piersanti(衣装デザイン)、Fernanda Perez(メイクアップ)、Manolo Garcia(ヘアスタイル)といったメンバー。ジョルジオ・アルマーニ氏は、「映画はファッションのように、ビジュアルを駆使して私たちを魅了します。制作に関わる全ての人たちの仕事が最終結果に結びつく、究極のチームワークです。『アルマーニ/ラボラトリオ』は、映画業界のトップとして活躍するキープレーヤーたちの指導と支援を得て、生徒が一緒に作業を行う場です。この場のことを私は-フィルムアトリエ-と名付けたいと思います。今年は、イタリアや国際映画シーンで最もオリジナリティが高くエレガントな監督の1人であるルカ・グァダニーノとこのプロジェクトを行えることを非常に嬉しく思います」とコメント。また、グァダニーノ監督は「アルマーニ氏に最も敬意を表するのは、彼が彼の時代を作り上げてきたということです。今回、新世代の映画ファンをサポートする彼の熱い思いに心から共感し、私はこの招待状を喜んで受け入れました」とコメント。「優れた専門家をプロジェクトに参加させることで、非常に魅力あるチームを結成しました。今回は成長、アイデンティティ、女性の新しい世界、といったことをテーマに作品を作り上げます。そう、非常にアルマーニらしいキーワードをテーマに選んだのです」と、“いま”にふさわしいテーマを掲げている。(text:cinemacafe.net)■関連作品:君の名前で僕を呼んで 2018年4月27日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開© Frenesy, La Cinefacture
2018年07月05日オペラ界の最前線で活躍するテノール歌手たちが一堂に会する、輝く声の競演「藤原歌劇団トップ・テナーズ」が、昨年に続いて東日本大震災遺児支援チャリティ・コンサートとして3月20日(火)東京・新宿文化センターで開催される。村上敏明、笛田博昭、藤田卓也、西村悟、4人の出演者のうち、西村に意気込みを聞いた。【チケット情報はこちら】「この4人の共演はまれ。僕もダブルキャストで組んだ以外には経験がありません」。通常、オペラの主役級テノールは1演目にひとりなので、彼らがそこで共演することはまずありえない。「でも、お互いにライバル心をむき出しにして、ということはないんです。テノールって実は医学的にも無理があると言われるぐらい過酷なパートで、最後に高音をピタッと決めないとお客様に満足していただけない。だからこそ聴き手の心を掴むことができるのだとも思いますが、精神的にも追い込まれることが多いので、互いの演奏を聴いていても手に汗握るというか(笑)。他人事ではないんですよ。笛田さんがドラマティコ、村上さんがスピント、藤田さんがリリコ・スピント、僕がテノール・リリコ。このコンサートだけで、四者四様のテノールをお聴きいただけます」歌うのはひとり3~4曲前後。西村自身は、マイヤベーヤの歌劇《アフリカの女》より〈おお、パラダイス〉、フロトーの歌劇《マルタ》より〈夢のように〉、福島民謡〈会津磐梯山〉、ミュージカル《回転木馬》より〈ユール・ネヴァー・ウォーク・アローン(人生ひとりではない)〉を歌う。「復興支援のテーマに沿って選曲しました。〈おお、パラダイス〉はヴァスコ・ダ・ガマが新航路を発見して辿り着いたインドの美しさを歌うアリア。震災で失われた景色を、時間がかかってもいいから取り戻してほしい。そこに少しでも協力できればという思いを込めて。《回転木馬》は最近好きなんです。嵐のあとには必ず黄金の空が見える。君はひとりじゃない。コンサートの趣旨にもぴったりです」両親が仙台と福島の出身。7年前の3月11日は、イタリアから一時帰国中だった。「最初は、音楽家ってなんて無力なのだろうと感じていました。でも、音楽を通して安らぎや元気を届けることはできる。心の問題はこれから何十年ずっと続いていくことなので、僕らもまだまだこれから必要なんだなと思い始めています。しっかり準備してベストを尽くして歌うことが、お客様に対しての感謝でもありますし、被災地への思いにもつながると思っています」終演後には出演者ら自身も募金活動に協力する。テノールたちの熱い歌声と志に、われわれ聴衆もぜひ、それぞれに善意で応えたい。共演は田中祐子指揮の東京シティ・フィル。司会にミュージカル俳優の田代万里生。取材・文:宮本 明
2018年03月05日避難行動要支援者って?災害時に避難しにくいのはどんな人?出典 : 地震や津波、水害などの災害が起きたとき、自力で避難が難しかったり、避難に際して特別な配慮が必要な場合があります。阪神淡路大震災や東日本大震災の時などにも、高齢者や障害のある方の中には自ら避難するのに何らかの困難を抱えた方も多くいました。たとえば以下のような人は一人では避難しにくいと考えられます。・視覚・聴覚障害があり、災害発生時に周りの状況の把握がむずかしい。災害情報が得にくい・高齢者・身体に障害がある人で、自力での避難が困難な人・知的障害や精神障害などがあり、地震や災害が起きた時に、どう行動したらよいかわからない障害のある人・重度心身障害者、人工呼吸器や温度調整が必要な人そのため、このような人を避難行動要支援者とし、名簿を作成してスムーズな支援ができるように平成25年6月、災害対策基本法が改正されました。またこれらの周知のため、今年(平成29年)パンフレットや事例集も作成されました。リーフレット「災害時に備えて今できること」|厚生労働省避難行動要支援者の避難行動支援に 関する事例集|内閣府災害対策基本法改正によりできた「避難行動要支援者名簿」の制度出典 : この法律で、市町村に避難行動要支援者名簿の作成が義務付けられました。簡単に言うと、上記のような一人では避難が困難な人が、災害時にサポートを受けられるように事前に登録しておくという制度です。自治体が特に支援が必要な人を把握するとともに、災害時にスムーズに支援ができるよう、消防機関や警察、民生委員などの避難支援に関係する人に情報が共有できるようにすることが定められました。名簿には個人情報が含まれるため、災害対策基本法で個人情報漏えい防止のための規定もあります。実際に名簿をつくり、運用するのは市町村です。具体的な支援や制度については、自治体によって異なる場合があるので、お住まいの市町村に問い合わせることをおすすめします。発達ナビのユーザーの皆さんの中には、療育手帳や精神障害者福祉手帳の取得時などに名簿への登録や、情報提供の同意などを求められる場合があるかもしれません。また、災害があったときに一人で避難することが難しそうだと感じている人もいるかもしれません。避難行動要支援者がどのような支援を受けられるのかを知り、必要に応じて名簿に登録することで、災害への備えの一つとしてはいかがでしょうか?災害対策基本法避難行動要支援者名簿の作成等に係る取組状況の調査結果どんな支援をしてくれる?出典 : ・避難のための情報伝達情報を得ることが難しい人のために、その人が情報を得やすい方法で災害情報を得られるようにサポートします。・避難支援災害時、避難行動を支援します。また、要支援者の特性に合わせた個別の避難計画の作成や防災訓練をする場合もあります。平常時も支援者による声かけや見守りにつなげておくことも含まれます。・安否確認名簿が災害時の安否確認に活用できます。・避難場所以降の避難行動要支援者への対応避難した後も、避難場所での支援者への引き継ぎがスムーズに行えることがあります。名簿への登録は?出典 : 災害対策基本法では、以下を避難行動要支援者と定め、市町村に把握と名簿の作成を義務付けています。当該市町村に居住する要配慮者のうち、 災害が発生し、又は災害が発生するおそれがある場合に自ら避難する ことが困難な者であつて、その円滑かつ迅速な避難の確保を図るため 特に支援を要するもの具体的な対象者の範囲はお住まいの市町村によって異なります。以下に千葉市の場合をご紹介します。名簿に掲載される方65歳以上のひとり暮らしの方で、介護保険の要介護認定区分1・2の方、または要支援認定区分1・2に該当する方要介護認定区分3~5に該当する方次に該当する障害がある方視覚障害(1級又は2級)、聴覚障害(2級)、上肢機能障害(1級又は2級)、下肢機能障害(1級又は2級)、体幹機能障害(1級、2級又は3級)、乳幼児期以前の非進行性の脳病変による運動機能障害のうち上肢機能障害(1級又は2級)、乳幼児期以前の非進行性の脳病変による運動機能障害のうち移動機能障害(1級、2級又は3級)、呼吸器機能(1級)、小腸機能(1級)、精神障害(1級)、知的障害(AまたはⒶ)難病患者で身体障害者手帳1・2級の方及び小児慢性特定疾病等で療養負担過重患者の方制度の運用も自治体によって異なります。自分が名簿に登録されているか確認したいときや、定められた対象ではないが一人での避難が困難な場合などで、名簿への登録を希望するときはお住まいの自治体に問い合わせてください。制度の運用方法は市町村によって異なりますが、以下に大まかな流れをご紹介します。1. 市町村が支援が必要な人の情報を集め、避難行動要支援者名簿を作成します。避難行動要支援者名簿には、掲載者の氏名、生年月日、性別、住所、電話番号その他の連絡先、避難支援等を必要とする事由、その 他避難支援等の実施に必要な事項が掲載されます。参考:災害対策基本法49 条10 第 2 項2. 名簿情報を平時から支援者に提供していいか、確認がされ、問題なければ同意します。3. 同意した人の名簿情報が消防、警察、民生委員などの支援者に提供されます。4. 支援者が日常の声かけなどの見守りや避難訓練などの支援を行います。5. 災害時には市町村や支援者により避難行動に関する支援や安否確認などが行われます。個人情報が支援者に提供されることに不安を感じる人もいるかもしれません。災害対策基本法によって、避難行動要支援者名簿を提供した支援者には守秘義務が発生します。また各自治体で名簿情報の漏えいの防止のため必要な措置を講ずることも定められています。参考:避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針|内閣府名簿に登録がなくても避難行動に配慮が必要な人もいます出典 : 避難行動要支援者として名簿に登録していない人でも、災害時の避難に困難を抱える要配慮者の人がいます。たとえば発達障害のある人は、自閉症などの特性から、いつもと違うことに強い不安を感じたり、パニックになってしまうことがあります。学習障害がある場合、電光掲示板や掲示物などから情報を得るのが難しいかもしれません。障害が軽度で、名簿に登録していない人でも避難時に思わぬ困難が生じる可能性があることを覚えておきましょう。また外国の人は、日本語での緊急避難速報や避難誘導の声かけが理解できないかもしれません。このほかにも外見からは障害があることがわからない人もいます。もちろん妊娠している人や乳幼児、高齢者なども避難の際に配慮が必要です。全ての人が一人ひとり日ごろから、防災意識を持ち準備することが、地域に住むさまざまな人を災害から身を守ることにつながります。また災害時には、まず自分の身を守ることが第一ですが、周りに困っている人がいないかどうかにも目を配るように心がけたいですね。参考:要援護者の特性ごとの避難行動等の特徴|大阪市住吉区まとめ出典 : 避難行動要支援者というと、高齢者や身体に障害がある人をイメージすることが多いかもしれません。ですが、その他にも避難に際して支援が必要な人もいます。知的障害や精神障害のある方の中には非常時の状況判断が一人では難しい場合もあるでしょう。言語障害のある人は見た目からはわかりませんが、緊急事態を言葉で人に伝えることが難しい場合も考えられます。災害はいつ発生するかわかりません。まわりに様々な困難のある人がいること、そして災害が起きたときのことを想定して事前に対策をすることが、もしもの時の大きな備えとなります。避難行動要支援者名簿への登録はその一つです。行政や避難支援者に受けられる支援にはさまざまなものがあり、避難時のサポートだけでなく、もし避難生活がはじまっても引き継がれます。情報の共有をすることで、日ごろから地域の支援者ともつながりが持てます。また、名簿への登録がない人でも、避難時に支援を必要としている人がいるかもしれないことを心に留めておきましょう。
2017年09月01日発達支援施設とは?発達が気になるお子さんや、障害のあるお子さんを、ご家庭の中だけでサポートすることは容易なことではありません。そういった子どもたちのためにあるのが「児童発達支援」や「放課後等デイサービス」などの発達支援施設です!児童福祉法では、障害児通所支援と呼ばれ、全国各地にある施設に直接通うことで、必要なサポートを受けることができます。原則的に、小学生未満の未就学の子どもが通うことができるのが児童発達支援、小学生~高校生の就学児童が通うことができるのが放課後デイサービスです。児童発達支援では、小学校就学前の子どもを主に対象とし、支援を受けることができる施設です。日常生活の自立支援や機能訓練を行ったり、保育園や幼稚園のように遊びや学びの場を提供したりといった、多様な支援を目的としています。サービス・利用方法・費用・手続きの流れについては、以下の記事に詳しくまとめられています。放課後等デイサービスとは、障害のある就学児童(小学生・中学生・高校生)が学校の授業終了後や長期休暇中に通うことのできる施設です。放課後等デイサービスでは、生活力向上のためのさまざまなプログラムが行われています。トランポリン、楽器の演奏、パソコン教室、社会科見学、造形など習い事に近い活動を行っている施設もあれば、専門的な療育を受けることができる施設もあります。サービス・利用方法・費用・手続きの流れについては、以下の記事に詳しくまとめられています。どんな支援が受けられるの?児童発達支援や放課後等デイサービスにはさまざまなタイプがありますが、一部の施設では療育的なアプローチによる支援を受けられることもあります。ソーシャルスキルトレーニングをはじめ、さまざまな独自の療育プログラムが組まれている場合もあり、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士など専門資格を保有しているスタッフがいる施設もあります。また、障害のある子どもにとって、児童発達支援や放課後等デイサービスは、家庭・学校(園)につぐ3つ目の居場所となります。子どもにあった施設を選ぶことができれば、親子ともども充実した時間を過ごすことができるはずです。発達支援施設を選ぶときのポイントは?お住まいの地域にどんな施設があるかは、保健センター、子育て支援センター、児童発達支援事業所、発達障害者支援センターや、市町村の窓口で確認することができることもあります。これらの窓口で、子どもの特性にあった施設について相談してみることも有効です。公共の相談窓口以外に、インターネット上で施設を探すこともできます。LITALICO発達ナビの「施設情報」では、全国の児童発達支援施設や放課後等デイサービスを、合わせて約15,000施設掲載しています。それぞれの施設の受け入れ状況や、サポートの内容も詳しくまとめられています。また、各施設のスタッフが自分たちで更新している写真付きのブログや、実際の利用者さんからの口コミ情報も合わせて見ることができます。さらに、発達ナビ上から24時間いつでも、空き状況の確認や教室見学などの問い合わせをすることが可能です。利用にかかる費用は?児童発達支援と放課後等デイサービスは障害児給付費の対象となるサービスです。通所受給者証を取得することで国と自治体から利用料の9割が給付され、1割の自己負担でサービスを受けることができます。生活保護受給世帯・市町村民税非課税世帯: 0円市町村民税課税世帯(年間所得がおおむね890万円以下の世帯): 4,600円上記以外(年間所得がおおむね890万円以上の世帯): 37,200円このほかにおやつ代などの食費や教材費などの実費が必要になる場合もあります。また、自治体により独自の助成制度があります。児童発達支援の利用にかかる費用について、詳しくはこちらのコラムの「児童発達支援施設の利用方法」の章にまとめられています。生活保護受給世帯・市町村民税非課税世帯: 0円市町村民税課税世帯(前年度の年間所得がおおむね890万円以下の世帯): 4,600円上記以外(前年度の年間所得がおおむね890万円以上の世帯): 37,200円原則一割負担ですが、前年度の年間所得によっては負担額が0円であったり、1割以上である場合もあります。施設によってはおやつ代や制作物の材料代などがかかるところがあります。これらに加え、自治体により独自の助成制度がある場合もあるので、行政の窓口に問い合わせてみましょう。放課後等デイサービスの利用にかかる費用について、詳しくはこちらのコラムの「放課後等デイサービスの利用方法」の章にまとめられています。施設の利用方法は?発達支援施設に通うためには「通所受給者証」が必要になります。通所受給者証はお住まいの市区町村の福祉担当窓口・障害児相談支援事業所などに申請を行うとで取得することができます。この通所受給者証があることで、自己負担1割でサービスを受けることができるのです。障害者手帳がなくても、通所受給者証があれば、「児童発達支援」や「放課後等デイサービス」を利用できます。詳しい取得法や、申請の方法はこちらを参考にしてください。その他にも受けられるサービスはあるの?また、児童発達支援や放課後等デイサービス以外にも、受けられる支援があります。受けられる支援の詳細や申請方法はこちらにまとめられています。療育手帳・障害者手帳とは?障害者手帳とは、障害のある人が取得することができる手帳です。障害者手帳を取得することで、障害の種類や程度に応じてさまざまな福祉サービスを受けることができます。身体障害者手帳や療育手帳、精神障害者保健福祉手帳などの種類があります。まとめサービス・支援は多岐にわたるため、すべてを把握できず戸惑うこともあるかと思います。そんなときは、早めに相談することで、一歩ずつ疑問を解決してゆきましょう。保健センター、子育て支援センター、児童発達支援事業所、発達障害者支援センターや、市町村の窓口に相談することで、次のステップが見えてくるかもしれません。また、児童発達支援事業所や放課後等デイサービスなどのスタッフも相談に乗ってくれるはずです。一人で抱え込まず、相談できる相手を見つけ、適切な支援につなげていくことが大切です。
2017年08月29日障害者総合支援法の自立支援給付とは?出典 : 障害者総合支援法が定めるサービスには、大きく「自立支援給付」と「地域生活支援事業」の2つの種類があります。自立支援給付は、利用するサービス費用の一部を行政が障害のある方へ個別に給付するものです。具体的には、障害に関する医療や福祉サービス、福祉用具(補装具)などの費用が給付されます。自立支援給付の基本的な運用ルールは、国(厚生労働省)が定めます。これに対し、地域生活支援事業は、国が一律に運用ルールを定めるのではなく、障害のある方がお住まいの各地域で運用ルールを定めて実施した方が実情に応じた対応を期待できる事業や、一般的な相談対応のように個別の給付には当たらない事業をまとめたものです。例えば1人では外出が困難な方への付き添いを提供する「移動支援」や、手話通訳者や要約筆談ができる人を派遣・設置する「コミュニケーション支援」といった事業が挙げられます。詳しい法律の概要やサービスの内容などは次のリンクを参考にしてください。この記事では、自立支援給付の利用申請方法・利用負担額を詳しく解説していきます。障害者総合支援法の給付サービスの申請方法出典 : 自立支援給付の利用手続きはサービスごとに申請方法が異なります。それぞれの申請方法を詳しくご紹介します。障害福祉サービスには「介護給付」と「訓練等給付」の2種類があり、それぞれ申請の流れが多少異なります。介護給付を希望する場合は障害のある方の生活環境を踏まえ、どのような支援をどの程度必要とするかといった度合いを測る「障害支援区分(以下、支援区分)認定」を受けることが必要になります。訓練等給付を希望する場合には原則として支援区分の認定は不要ですが、共同生活援助(グループホーム)を利用する場合には、支援区分認定が必要となります。支援区分は、7段階の区分に分かれ、もっとも支援の必要性が高い区分が「6」、以下「5・4・3・2・1」と続き、もっとも支援の必要性が低い場合は「非該当」となります。支援区分は7段階の区分に分かれ、もっとも支援の必要性が高い区分が「6」、以下「5・4・3・2・1」と続き、もっとも支援の必要性が低い場合は「非該当」となります。この支援の必要性の区分によって、支給されるサービスの時間に違いが出てきます。一部のサービスは支援区分が低いと利用できないこともあります。以下が申請からサービス利用までの流れです。1. 市区町村の障害福祉担当窓口へ申請申請の際には、状況に応じて障害者基礎年金1級の受給の有無や介護保険申請の状況などを聞かれる場合があります。2. 障害者支援区分認定調査市区町村の認定調査員による面接が行われ、全国共通の質問票から心身の状況に関する80項目と状況の調査が行われます。詳しくは次のリンクをご覧ください。参考:障害者総合支援法における「障害支援区分」の概要|厚生労働省3.一次判定認定調査の結果に基づき、コンピューター判定が行われます。4.二次判定一次判定の結果と状況調査、医師意見書などを踏まえ、市区町村が主催する、支援区分や特別な支給決定(必要とするサービス量が基準よりも多い支給決定など)を審議する「審査会」で二次判定が行われます。医師意見書とは、医師が申請した方の心身の状態、特別な医療などに意見を付すものです(市区町村が依頼します)。5.障害区分認定二次判定の結果に基づき、非該当、区分1~6の全7段階で支援区分認定が行われます。各サービスの区分ごとのサービス量は上記のリンクを参考にしてみてください。6.サービス利用意向の聴取・サービス等利用計画案の提出支援区分の認定と並行して、市区町村から福祉サービスの利用等に関する計画(サービス等利用計画、または障害児支援利用計画と呼びます)の案を提出するように求められます。サービス等利用計画案、障害児支援利用計画案は市区両村から指定された特定相談支援事業者、障害児相談支援事業所が作成しますが、申請者自身による作成も可能です(申請した方自身が作成する計画をセルフプランと呼びます)。7.支給決定支援区分や本人の状況、家族・家庭の状況、現在の困りごとや将来に向けた希望、福祉サービスの利用意向、サービス等利用計画案などを踏まえてサービスが支給決定され、受給者証が申請者に通知されます。8.サービス担当者会議申請した方が利用する全サービスの担当者(サービス管理責任者)が出席し、利用する方に適したサービス提供のあり方や、事業所ごとに作成する「個別支援計画」の方向性などについて話し合われます。9.支給決定時のサービス等利用計画の作成市区町村の支給決定やサービス担当者会議での案協議をもとに、最終的なサービス等利用計画を作成します。(セルフプランの場合には、8・9が省略されることがあります)10.サービスの利用開始申請した方はサービスを提供する事業所と利用契約を結び、サービスの利用を開始します。サービスの量や内容については、サービス利用開始後であっても必要に応じて見直すことができます。Upload By 発達障害のキホン自立支援医療には、育成医療・更生医療・精神通院医療があります。育成医療は身体障害のある子ども向け、更生医療は身体障害のある方向け、精神通院医療は精神疾患があって定期的に通院している方向けに、医療の給付を行うものです。利用手続きに関しては市区町村ごとに異なるため、最寄りの市区町村または都道府県窓口に問い合わせてください。申請の際には下記のような事項や持ち物が必要になります。育成医療: 申請書、所得が確認できる書類、医師の意見書など更生医療: 身体障害者手帳精神通院医療: 指定医療機関の中から通院先を決めておくこと車いすや義足、補聴器や白杖などの補装具を製作・修理する際に要する費用の給付を「補装具費」と呼びます。補装具費の給付を受けるためには、障害のある子どもの保護者または障害のある本人が、お住まいの市区町村に申請します。市区町村は医師の意見書による身体障害者更生相談所の判定・意見を依頼し、補装具の製作や修理が必要かどうか決定し、給付が認められると補装具費支給決定通知書、補装具費支給券が発行されます。その後、補装具業者と製作・修理の契約を結び、完成品を受け取るとともに利用者負担(原則1割負担)を支払うことになります。障害者総合支援法の自立支援給付、利用者負担額はいくら?出典 : 障害者総合支援法の障害福祉サービスを利用した際の利用者負担は、原則として「1割」です。ただし、世帯ごとの前年度所得に応じて負担額の月額上限が定められているため、その金額以上の自己負担は生じないことになっています。利用月額が0円に免除される場合もあります。特に、生活保護を受けている世帯や住民税が非課税の世帯については、利用者負担はありません。世帯の範囲には、障害がある大人の場合は利用する本人と配偶者が含まれ、本人と配偶者の前年度所得を参考に負担額を決定します。親の所得は本人の前年度所得には換算されないことになっています。障害がある子どもの場合は、保護者の属する住民基本台帳での世帯が範囲となります。月額上限負担額の目安として、下記を参考にしてみてください。■障害者の利用者負担・生活保護受給世帯・・・0円・市区町村民税非課税世帯・・・0円・前年度所得約300万円以上~約600万円以下の方・・・9,300円・前年度所得約600万円以上・・・37,200円以上が障害のある方に提供している障害福祉サービスの利用者負担額になります。ただし、サービス事業所やグループホームなどで発生する食費、光熱費、交通費などの生活費などは別途に自己負担となります。出典:障害者の利用者負担|厚生労働省出典:障害福祉サービスの利用について|厚生労働省自立支援医療の場合には、下記の条件に当てはまる方であれば、0円~20000円までの月額負担上限となります。下記の条件に当てはまらない場合は原則1割負担となっています。また、入院時の食事療養費又は生活療養費(いずれも標準負担額相当)については原則自己負担になります。・生活保護世帯・・・0円・市町村民税非課税世帯で本人収入が80万円未満・・・2500円・市町村民税非課税世帯で本人収入が80万円以上・・・5000円・市町村民税を33000円以上納めている・・・育成医療の経過措置5000円・市町村民税を33000円未満から23.5万円以下納めている・・・育成医療の経過措置10000円・市町村民税を23.5万円未満以上納めている高額治療継続者・・・20000円自立支援医療における利用者負担の基本的な枠組み補装具費の利用者負担額は原則1割です。ただし世帯の所得に応じて負担上限額が設定されています。・生活保護世帯・市町村民税非課税世帯・・・0円・それ以外の世帯・・・37,200円また、補装具費については障害者本人または世帯が一定所得以上(市町村民税所得割の最多納税者の納税額が46万以上)の場合、給付対象外となります。また、例えば補装具を購入すると世帯の所得状況によっては生活保護の対象になってしまう場合があります。それでは本末転倒ですので、その場合は利用者が負担する費用は生活保護の対象とならない範囲まで減免することになっています。出典:補装具の利用者負担|厚生労働省障害者総合支援法が定める、医療費や食費の免除・減免制度出典 : 障害者総合支援法では条件を満たした方に向けて、生活費や医療費など別途利用料金を超えてかかった費用を免除する制度があります。■障害のある人向けの費用免除と上限・療養介護を利用する場合は、医療費と食費の軽減措置があります・入所サービス、通所サービスを利用する場合、食費・光熱費実費負担に対して減免・軽減する制度があります・グループホームの利用者向けに家賃助成する制度があります■世帯での合算額が基準額を超える場合の高額障害福祉サービス給付費同一世帯に障害福祉サービスを利用する方が複数いる場合や障害児が障害者総合支援法と児童福祉法のサービスを利用している場合などに利用者負担の合計額が一定の額を超えるとき、高額障害福祉サービス給付費が支給され利用者負担額が軽減されます。費用免除や上限、高額障害福祉サービス費についての詳しい内容は次の資料を参考にしてみてください。障害福祉サービスの利用について|厚生労働省まとめ出典 : 障害者総合支援法の給付支援における申請方法は、サービスごとに異なります。また障害福祉サービスの中でも介護給付、訓練等給付によって異なるため、複雑に捉えがちです。とはいえ、ほとんどのサービスは市区町村の障害福祉担当窓口で所定の書類への記入や提出を行えば、その後はある程度まで役所がリードしてくれますから、大まかな仕組みを把握していれば問題ないでしょう。また利用者負担額についても、給付を受ける人や世帯の収入に応じて市区町村が設定しますので、細かいルールまで把握する必要はありません。実際の運用ルールは複雑な総合支援ですが、手続きなどで迷ったらお住まいの市区町村の障害福祉担当課や市区町村から委託されている基幹相談支援センターや委託相談支援事業所へ相談してみましょう。
2017年08月04日障害者総合支援法とは?出典 : 障害者総合支援法とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」の通称で、障害がある方もない方も住み慣れた地域で生活するために、日常生活や社会生活の総合的な支援を目的とした法律です。障害がある子どもから大人を対象に、必要と認められた費用の給付や貸与などの支援を受けることができます。制度の実施主体は市区町村、都道府県などの行政機関となります。参考:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律障害者総合支援法が定めるサービスには、大きく「自立支援給付」と「地域生活支援事業」の2つの種類があります。自立支援給付は、利用するサービス費用の一部を行政が障害のある方へ個別に給付するものです。具体的には障害に関する医療や福祉サービス、福祉用具(補装具)などの費用が給付されます。自立支援給付の基本的な運用ルールは、国(厚生労働省)が定めます。これに対し、地域生活支援事業は、国が一律に運用ルールを定めるのではなく、障害のある方がお住まいの各地域で運用ルールを定めて実施した方が実情に応じた対応を期待できる事業や、一般的な相談対応のように個別の給付には当たらない事業のことをまとめたものです。例えば1人では外出が困難な方への付き添いを提供する「移動支援」や、手話通訳者や要約筆談ができる人を派遣・設置する「コミュニケーション支援」といった事業が挙げられます。また、障害のある方の日中活動を支援する「地域活動支援センター」や、生活自立度が高い人へ住まいの場を提供する「福祉ホーム」などの運営も、地域生活支援事業の枠組みに含まれています。障害のある方の生活スタイルは地域によってさまざまですので、地域生活支援事業のサービス内容も都道府県・市区町村によって異なります。地域生活支援事業には、相談支援も含まれます。お住まいの地域で提供されているサービスにどんなものがあるのか?給付支援を受けたいけれど条件は満たしているのか?などといった福祉サービスの利用に関することから、一般的な生活上の相談まで、さまざまな相談に応えます。障害福祉サービスの 利用について|全国社会福祉協議会障害者総合支援法に基づくサービスの利用対象は以下のように定められています。障害者手帳がなくても、医師の診断書により障害や定められた疾患のあることが確認されれば、利用対象となるケースもあります。・身体障害者・・・身体に障害がある18歳以上の人で、都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けている人・知的障害者・・・障害者福祉法にいう知的障害者のうち18歳以上の人・精神障害者・・・統合失調症、精神作用物質による急性中毒、またはその依存症、知的障害、精神病室などの精神疾患を持つ人(知的障害は除く)・発達障害者・・・発達障害があるため、日常生活や社会生活に制限がある18歳以上の人・難病患者・・・難病等があり、症状の変化などにより身体障害者手帳を取得できないが、一定の障害がある18歳以上の人・障害児・・・身体障害、知的障害、発達障害を含んだ精神障害がある児童、または難病等があり、一定の障害がある児童参考文献:遠山真世,二本柳覚,鈴木裕介/著『これならわかるすっきり図解障害者総合支援法』2014年 日経印刷/刊障害者総合支援法の自立支援給付で受けられる3つの給付サービス出典 : 自立支援給付には大きく障害福祉サービス(介護給付・訓練等給付)、自立支援医療、補装具という3つの給付があります。障害福祉サービスはさらに「介護給付」と「訓練等給付」の2類型へ分類されます。介護給付とは、障害があることで必要となる介護・介助サービス費用の一部を給付するものです。訓練等給付とは、就労に向けた訓練や福祉的な就労、安定した就労を支援するサービス、あるいはグループホームなど費用の一部を給付するものです。■介護給付・居宅介護(ホームヘルパー):食事や入浴、トイレなどの介助を提供します。・重度訪問介護:重度の肢体不自由や重度の障害のために常時の介護や見守り、外出支援などを必要とする方に、長時間の総合的な支援を提供します。・同行援護:視覚障害により自力での移動が難しい方に対して外出時の支援を提供します。・行動援護:行動障害があることで外出時などの支援が必要な方に対して、危険を避ける、先の見通しを立てる、コミュニケーションを仲立ちするなどの支援を提供します。・重度障害者等包括支援:最重度の障害(原則として障害支援区分が最重度の「6」であること)があり、常時の介護を必要としている方に対して、居宅介護や短期入所、生活介護など複数の介護サービスを組み合わせて提供します。・短期入所(ショートステイ): 障害のある方を介護している家族などの病気や所要、一時的な休養などのため、短期間、施設に入所するサービスを提供します。・療養介護:医療的ケアと介護を常に必要とする方に対して、医療機関などで医療サービスや介護、介助などをトータルに提供します。・生活介護: 日常的な介護や見守り、生活支援などを必要としている方(原則として障害支援区分「3」以上であること)に対して、日中の介護、介助や見守り支援を行うほか、創作的活動や生産活動、地域との交流活動などを提供します。・施設入所支援:重度の障害のある方(原則として障害区分「4」以上であること)に対して、施設内での夜間の介護、介助や見守り支援などを提供します。■訓練等給付・自立訓練: 障害のある方が地域で自立した生活を送ることができるよう、身体機能と生活能力の向上を目指した訓練を提供します。自立訓練には機能訓練と生活訓練の2種類があります。・就労移行支援: 一般企業での就労や、自ら企業することを希望する方に対して、就労や企業に必要な知識・能力の向上を図る訓練を提供しています。・就労継続支援: 一般企業などで働くことが難しい方に対して、福祉的な支援を受けながら働く場所を提供し、就労に向けた知識・能力の向上を目指す支援を提供します。就労継続支援には、雇用契約を結び最低賃金の支払いを原則とする「A型」と、雇用契約は結ばずに軽作業などを中心とする「B型」の2種類があります。・共同生活援助(グループホーム):標準的には5名程度(最大でも10名)の共同生活を行う住居において、相談や日常生活上の援助、食事や入浴、トイレなどの介護サービスを提供します。グループホームから一般住宅の生活に移行を目指す人を対象とした「サテライト型」もあります。自立支援医療とは、心身の障害の状態に対応した医療に対して、医療費の自己負担額を軽減する医療費の公費負担制度です。障害者自立支援法の成立以前はそれぞれ身体障害者福祉法に基づく「更生医療」、児童福祉法に基づく「育成医療」、精神保健福祉法に基づく「精神通院医療費公費負担制度(32条)」と、各個別の法律で規定されていました。これらを一元化した新しい制度として自立支援医療制度が創設されました。よって根拠となる法律はそれぞれの法律におきながらも、障害者総合支援法のもとで給付が行われるようになりました。給付には市区町村等で自立支援医療費支給の認定(支給認定)を受ける必要があります。・育成医療:身体障害のある子どもを対象に、障害を改善、軽減することで生活の能力を得ることが期待される治療に対して医療費の自己負担を軽減するものです。・更生医療:身体障害者を対象に、障害を改善、軽減することで生活の改善が期待される治療に対して医療費の自己負担を軽減するものです。・精神通院医療:精神疾患(てんかんを含む)の人を対象に、精神科の通院医療にかかる医療費の自己負担を軽減するものです。日常生活を円滑に送るために、身体の欠損や障害を負った身体機能を補完・代替する車いすや装具、義肢や補聴器、白杖などの用具に対して、補装具費(原則として、購入・修理費用の1割)を支給するものです。障害者総合支援法の地域生活支援事業は地域の実情に応じた支援を提供出典 : 地域生活支援事業は都道府県や市区町村が地域の実情に応じてさまざまなサービスや事業を実施するものです。住民に身近な市区町村で実施する地域生活支援事業には、外出時の付き添いを行う「移動支援」や、福祉用具を給付、貸与する「日常生活用具」、手話通訳や要約筆記を派遣する「意思疎通支援」、判断力が十分ではない人が成年後見人制度を利用しやすくするための「成年後見人支援事業」などがあります。地域生活支援事業には市区町村が主体の事業と都道府県が主体の事業があり、都道府県は人材育成や都道府県内の広域な事業を担うことになっています。Upload By 発達障害のキホン■市区町村事業・障害に対する理解促進・啓発・障害のある方や家族が自発的に行う活動の支援・相談支援事業・補助を受けなければ成年後見制度の利用が困難である方への費用助成・手話通訳者、要約筆談者などの派遣・設置・日常生活具の給付または貸付・手話奉仕員養成研修・移動支援事業・地域活動支援センターの設置・運営・福祉ホームの設置・運営・その他の日常生活又は社会生活支援など■都道府県事業発達障害や重症心身障害、高次脳機能障害など、支援に際して高い専門性や広域性が必要とされる障害について、相談に応じ、必要な情報提供を行っています。また手話通訳士や要約筆記者などの意思疎通ができる人材の育成を行っています。障害者総合支援法の相談支援事業は、困った時の強い味方出典 : 障害者総合支援法の下では、さまざまなサービスを組み合わせて支援プランをつくることができます。しかし、実際に利用するとなると、どのようなサービスがあって、自分はどれを受けられるのか、分からない点や不安な点が出てくると思います。その場合は、市区町村の障害福祉担当窓口や市区町村から委託された基幹相談支援センター、市区町村から指定を受けた特定相談支援事業所で相談支援を受けることができます。■基本相談支援障害がある方の福祉に関するさまざまな問題について、障害のある方や家族からの相談に応じ、必要な情報の提供、障害福祉サービスの利用のアドバイスなどを行うほか、成年後見人制度の利用など権利擁護のために必要な援助も行います。窓口は市区町村や市区町村から委託された基幹相談支援センター、市区町村から指定を受けた特定相談支援事業所になります。■計画相談支援・サービス利用支援障害福祉サービスなど申請を行う際に、障害のある方や家族から生活上の困りごとや将来の希望などをうかがい、サービス等利用計画の作成を行います。また福祉サービスを利用する際には、サービス事業者などと連絡調整を行います。窓口は市区町村の障害福祉課または市区町村から指定された指定特定相談支援事業者になります。・継続サービス利用支援支給決定されたサービスの利用状況の検証や生活上の状況確認(モニタリング)を行うとともに、サービス事業者などとの連絡調整を行い、必要に応じてサービス等利用計画の見直しをします。窓口は市区町村の障害福祉課または市区町村から指定された特定相談支援事業者になります。■地域相談支援・地域移行支援障害者支援施設等に入所している障害がある方や精神科病院に入院している精神障害のある方(原則として1年以上入院している方で、市区町村が必要と認める方)を対象に、地域生活へ移行するための支援計画の作成、生活環境が変わることへの不安の解消、外出への同行支援、住居確保、関係機関との調整などを行います。相談窓口は都道府県から指定された一般相談支援事業者になります。・地域定着支援居宅において単身で生活している障害のある方など、地域における安定した暮らしの実現に支援を必要とする方を対象に、常時の連絡体制の確保と、緊急時の対応などの支援を行います。相談窓口は都道府県から指定された一般相談支援事業者になります。■障害児相談支援障害児相談支援は児童福祉法を根拠に障害者総合支援法で実施しているサービスです。・障害児支援利用援助障害のある子どもが利用する障害児通所支援の申請を行う際に、障害児支援利用計画の作成を行います。また福祉サービスを利用する際には、サービス事業者などと連絡調整を行います。窓口は市区町村の障害福祉課または市区町村から指定された障害児相談支援事業者になります。・継続障害児支援利用援助支援決定されたサービスの利用状況の検証や生活上の状況確認(モニタリング)を行い、サービス事業者などとの連絡調整などを行い、必要に応じて障害児支援利用計画の見直しをします。窓口は市区町村の障害福祉課または市区町村から指定された障害児相談支援事業者になります。以上のように障害者総合支援法では、さまざまな相談に応えることができるよう体制を整えています。しかし、指定一般相談支援事業者、指定特定相談支援事業者、指定障害児相談支援事業者と言われても、どこに行って相談すれば良いのか、少々分かりにくいかもしれません。お住まいの市区町村のホームページなどで情報を得たり、または市区町村の障害福祉担当窓口や発達障害者支援センターなどへ問い合わせたりするとよいでしょう。障害がある子ども向けサービスは、児童福祉法で提供されます出典 : 障害のある子ども向けの各種福祉サービスは、児童福祉法に基いて提供されています。これは、平成24年の児童福祉法改正にあわせ、障害があっても「子ども」である以上は児童福祉の枠組みで支援すべきである、という理念を取り入れ、障害児だけが対象の福祉サービスを児童福祉法へ一元化したことによるものです。そのため、障害のある子どもについては、児童期に限定した福祉サービスは児童福祉法、児童も成人も対象となる福祉サービスは総合支援法が適用法令となります。もちろん、利用申請をして支援決定を受ければ、同時に両方のサービスを受けることができます。児童福祉法は子どもの支援に関する法律です。この法律における障害児福祉サービスの対象は障害のある18歳未満の子どもと定義されており、サービスは障害児通所支援と障害児入所支援の2つに分けることができます。支給決定の主体は、障害児通所支援が市区町村、障害児入所支援が都道府県となります。また、児童福祉法における「障害児」の規定には特に障害者手帳の所持が条件となっていないため、サービスの利用に当たり、手帳の有無は問われません。ただし、医師の診断書により障害があることを確認するケースはあります。■障害児通所支援障害児通所支援とは施設や事業所に通所して、日常生活や集団生活を送るために必要な能力を身につける支援を提供するサービスです。児童発達支援、医療型児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援の4種類があります。Upload By 発達障害のキホン詳しくは以下の記事、「障害児通所支援(児童発達支援・放課後等デイサービス)利用手順・施設選びのポイント・申し込み方法まとめ」を参考にしてみてください。■障害児入所支援障害児入所支援とは、療育などの必要性が認められた障害のある子どもを施設に入所させ、自立した生活を送ることができるよう支援するサービスです。障害のある子どもが入所できる施設は全国的にも限られているため、障害児入所支援については都道府県や大規模な政令指定都市などが所管する児童相談所が支給決定しています。障害児入所施設は医療機関を併設しているかどうかによって福祉型障害児入所施設と医療型障害児入所施設の2種類に分類されます。Upload By 発達障害のキホン障害児通所・入所支援を利用するには、通所受給者証または入所受給者証の交付を受ける必要があります。通所受給者証はお住まいの市区町村の福祉担当窓口・障害児相談支援事業所などに申請を行い、サービスの利用が認められ、支給決定を受けると取得できます。入所受給者証は各都道府県や政令指定都市などの児童相談所に申請し、サービスの利用が認められ、支給決定を受けると取得できます。それぞれ、受給者証が交付されたら、指定障害児通所事業所・入所施設などとサービスの利用契約を結ぶことができます。自治体ごとに申請方法が異なりますので、お住まいの地域に確認しましょう。詳しくは以下の記事、「【障害児通所・入所給付費】受給者証の取得方法、体験談まとめ」を参考にしてみてください。まとめ出典 : 障害者総合支援法では一人ひとりの障害特性や生活環境などを考慮しながら、本人に合ったサービスを提供しています。また平成30年に施行される法改正によって、よりきめ細やかなサービスの提供を図るため、障害福祉サービスを取り巻くさまざまな関係者との連携やサービスの質の向上、サービス内容の情報開示などの努力がなされます。以前と比べれば自分に合ったさまざまな支援を受けられるようになり、サービスが充実していけば家族の負担も少しずつ減ってくるでしょう。障害福祉サービスを取り巻く環境は着実に良い方向へと変化しているのではないでしょうか。また、障害のある子どもに関しては、障害者総合支援法だけでなく児童福祉法に基づくサービスなども並行して利用できます。さまざまな支援サービスを組み合わせるなど工夫し、上手に使うことで障害がある方とその家族の地域生活が充実していくことを期待したいところです。
2017年08月04日障害者総合支援法とは出典 : 障害者総合支援法とは、障害のある方もない方も住み慣れた地域で生活するために、日常生活や社会生活の総合的な支援を目的とした法律です。正式名称は「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」ですが、略して「障害者総合支援法」と呼ばれています。この法律に基づき、障害のある子どもから大人を対象に、必要と認められた福祉サービスや福祉用具の給付や支援を受けることができます。実施主体は主に市区町村、都道府県などの地方公共団体です。障害者総合支援法の概要|厚生労働省障害者総合支援法ができたわけ出典 : 障害者総合支援法が施行されるまでには、障害のある人が利用する福祉サービスの利用方法や負担額の決定方法を改正・改善してきた歴史があります。2003年3月まで、障害のある人が利用する福祉サービスの利用内容や利用できる量はすべて行政(都道府県や市区町村)が決定していました。これを措置制度といいます。しかし障害のある人の暮らしぶりを何から何まで行政が決定する仕組みには批判も多くありました。2000年には、高齢者が利用する福祉サービスについては原則として措置制度をやめて「介護保険制度」へ移行したことも受けて、支援費制度が導入されました。これは市区町村から福祉サービスの支給決定を受けた障害のある人が、サービスを提供する事業所を選択し、事業所との契約によって福祉サービスを利用する仕組み(利用契約制度)を取り入れており、大変に画期的なものでした。しかし、支援費制度の導入によりサービスの利用者が増加したこともあり、財源の確保が困難になったほか、地域ごとのサービス提供格差や障害種別(身体障害、知的障害、精神障害)間の格差が生じる問題が発生しました。(支援費制度は精神障害が対象外でした。)これらの問題を解決するために、、2005(平成17)年11月に「障害者自立支援法」が公布されました。しかし法律の理念がないことや、サービスの必要性を図る基準(障害程度区分)が障害特性を十分に反映していないなど、施行当初から問題が指摘されていました。特にそれまでは障害年金が収入の中心であれば自己負担なしだったところ、自立支援法では、サービス利用者に原則として1割の自己負担を設定しました。そのため、収入よりも自己負担額の方が多くなる人も出てしまい、サービスの利用を減らしたり控えたりするケースも発生しました。そこで2010年には自立支援法を改正し、1割の自己負担額を改め、以前のように利用者の収入に見合った自己負担(障害年金が収入の中心であれば自己負担なし)の設定となりました。さらにその後2013年には、「共生社会の実現」や「可能な限り身近な地域で必要な支援を受けられる」といった法の基本理念を定め、福祉サービスを利用できる障害者の範囲を見直して、難病がある方も対象にするなどの改正が行われ、現在の「障害者総合支援法」が成立したのです。なお、障害者総合支援法については、法の施行後3年が経過した時点で内容を見直すことになっており、2016年にさらなる法改正がなされています。改正された障害者総合支援法は平成30年(2018年)4月から施行されることになっています。 NET独立行政法人 福祉医療機構「障害者福祉制度解説」障害者自立支援法から障害者総合支援法改正への改善点4つのポイント出典 : 障害者自立支援法から障害者総合支援法への法改正が行われたことで、いくつかの改善点がありました。今回はその中でも主なポイントを4つご紹介しながら、障害者総合支援法の概要をご紹介します。法改正前の自立支援法では基本理念は設けられていませんでした。法改正によって、障害のある人を権利の主体と位置づける基本理念を定めました。基本理念の設定により、住み慣れた場所で可能な限り必要な支援が受けられることや、社会参加の機会の確保、どこで誰と暮らすかを選べるなど、障害のある人が保障されるべき権利がより明確に打ち出されたほか、障害の有無によって分け隔てられることのない「共生社会」を目指す方向性が示されました。障害者総合支援法の福祉サービスは、こうした理念に基づいて実施されることとなります。第一条の二 障害者及び障害児が日常生活又は社会生活を営むための支援は、全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため、全ての障害者及び障害児が可能な限りその身近な場所において必要な日常生活又は社会生活を営むための支援を受けられることにより社会参加の機会が確保されること及びどこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと並びに障害者及び障害児にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものの除去に資することを旨として、総合的かつ計画的に行わなければならない。支援費制度から自立支援法、そして障害者総合支援法という法制度の変遷は、支援対象となる人が見直されてきた歴史でもあります。かつて支援費制度下では、精神障害のある人は支援の対象ではありませんでした。それが自立支援法の成立によって支援の対象となりましたが、今度は発達障害のある人の位置付けが不明確であることが課題となり、2010年の自立支援法改正で発達障害も支援の対象であることが明確化されました。総合支援法ではこれまで支援が行き届かなった難病等の疾患のある人についても、支援対象者として新たに加わることとなり、サービスを受けられる方の範囲が広がりました。平成29年4月時点で、対象となる疾病は358疾病が対象になっています。詳しくは次の厚生労働省のサイトを参考にしてみてください。障害者総合支援法対象疾病(難病等)の見直しについて|厚生労働省自立支援法では、福祉サービスの利用に際し、障害の程度を測る指標を導入して、サービスの給付決定をしていました。これを「障害程度区分」と呼びます。ただ、主に日常生活行為が「できる」か「できない」かに着目して障害の程度を測っており、例えば食事が自分でできる/できないかだったり、排泄が自分でできる/できないかだったりで、できる項目が多ければ障害の程度は軽く、できない項目が多ければ障害の程度は重いという考え方が基本となっていました。しかし、一口に障害といっても、その実情は一人ひとりさまざまです。日常生活の中でも、自分でできるけれど時間がかかったり、自発的に行えなかったり、症状の調子が悪い時にはできなくなるなど、条件付きで「できる」という方もいます。どの程度生活に支障があるかは人によって異なりますし、「できる」「できない」で障害の程度を判断することは難しいのです。そこで障害者総合支援法では障害程度区分を改めて「障害支援区分」とし、障害のある人それぞれの生活環境を踏まえ、どのような支援をどの程度必要とするかといった度合いを測ることになりました。コンピュータによる一次判定とかかりつけ医の意見書、市区町村の審査会による二次判定によって、障害支援区分を認定することになっています。支援区分は7段階の区分に分かれ、もっとも支援の必要性が高い区分が「6」、以下「5・4・3・2・1」と続き、もっとも支援の必要性が低い場合は「非該当」となります。この支援の必要性の区分によって、支給されるサービスの時間に違いが出てきます。一部のサービスは支援区分が低いと利用できないことがあります。重度訪問介護とは、日常生活上で常に介護を必要とする方に対して、ヘルパーを長時間(最大で24時間)派遣し、訪問介護や身体的な介護や家事の援助、外出の付き添いや生活を送る上での相談や助言などを行う支援です。従来は身体障害者のなかでも重度の肢体不自由者のみが対象でしたが、その他の障害がある方でも提供されるようになりました。具体的には、重度の肢体不自由・知的障害・精神障害により重度の行動障害がある人(行動援護サービスに該当する程度の人)で、障害支援区分が「4」以上の人です。これにより、行動障害がある人も重度訪問介護を活用して一人暮らしするという選択肢が増えたといえます。障害者総合支援法の2本柱は、自立支援給付と地域生活支援事業障害者総合支援法のサービスは、大きく自立支援給付と地域生活支援事業の2種類があります。どちらも市区町村または都道府県が実施主体となっていますが、位置付けには違いがあります。自立支援給付は、国がサービスの類型や運用ルールを定めるもので、障害のある人が福祉サービスを利用した際に、行政が費用の一部を負担するものです。法律上は全体費用の「9割」を給付しますが、住民税が非課税の世帯であれば全額(10割)を給付します。一方、地域生活支援事業は、都道府県、市区町村が主体となって実施するもので、大まかな枠組みは国から示されていますが、サービスの類型や運用ルールは都道府県、市町村が定めています。障害のある方がお住まいの地域で自立した生活を送るために必要な支援のうち、地域の特性に応じて実施するサービスが位置付けられています。自立支援給付に位置付けられているサービスは、障害福祉サービス(介護給付・訓練等給付)、自立支援医療、相談支援事業、補装具の大きく4つです。たとえば障害福祉サービスでいえば、ヘルパーサービスや施設への通所・入所を利用するサービス、就労支援などが挙げられます。詳しくは以下の図をご覧ください。Upload By 発達障害のキホン地域生活支援事業として提供されるサービスには、障害のある人の外出に付き添う移動支援や、福祉用具である日常生活用具の給付または貸与、手話通訳や要約筆記を派遣する意思疎通支援、成年後見制度支援などが含まれます。地域生活支援事業の中には、市区町村が主体の事業と、都道府県が主体の事業があります。都道府県は手話通訳士などの人材育成や都道府県内の広域な事業を担い、市区町村は障害のある人に身近な自治体として、移動支援や日常生活用具の給付、貸与といった利用者にサービスを提供する役割を担っています。詳しい分類は以下の図をご覧ください。Upload By 発達障害のキホン障害者総合支援法は障害者手帳がなくても使える?利用対象は?出典 : 障害者総合支援法のサービスを使うためには、原則として障害者手帳が必要ですが、一部を除いて医師の診断書があれば手帳がなくても使うことができます。障害者総合支援法のサービス利用対象者は次のように定められています。・身体障害者・・・身体に障害がある18歳以上の人で、都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けている人・知的障害者・・・障害者福祉法にいう知的障害者のうち18歳以上の人・精神障害者・・・統合失調症、精神作用物質による急性中毒、またはその依存症、知的障害、精神病質などの精神疾患を持つ人(知的障害は除く)・発達障害者・・・発達障害があるため、日常生活や社会生活に制限がある18歳以上の人・難病患者・・・難病等があり、症状の変化などにより身体障害者手帳を取得できないが、一定の障害がある18歳以上の人・障害児・・・身体障害、知的障害、発達障害を含んだ精神障害がある児童、または難病等があり、一定の障害がある児童参考文献:遠山真世,二本柳覚,鈴木裕介/著『これならわかるすっきり図解障害者総合支援法』2014年 日経印刷/刊ここからも分かるとおり、サービスを受給するために障害者手帳が必要なのは身体障害がある方のみになります。身体障害以外の障害がある方は、本人や家族の希望と医師の診断書があればサービスの利用申請を行うことができます。ただし、医師の診断書については、障害や病名が対象となるかどうかを確認するため、国際的に使われている病名分類コードの記載が必須となります。詳しい情報やサービスの受給を希望する方はお住まいの市区町村の障害福祉課担当窓口へお問い合わせください。平成30年施行の法改正において創設されるサービスなどを紹介します!出典 : ここまでご説明してきた障害者総合支援法ですが、「生活」と「就労」に対する支援をより一層充実させることを目標とした新サービスの創設や、既存のサービスをより充実させるための法改正が行われました。正式名称を「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律」といい、障害者総合支援法と児童福祉法の一部が平成28年(2016年)に改正され、平成30年(2018年)に施行されます。児童福祉法のなかには18歳未満の障害児を対象とする支援が定められています。障害児が障害者総合支援法に基づいている障害福祉サービスを利用する場合もありますが、児童発達支援や放課後等デイサービス、保育所等訪問支援などは児童福祉法に根拠を置いています。今回の法改正では障害児への支援の拡充が盛り込まれました。そのため、今回は総合支援法とあわせて児童福祉法の一部改正についても説明していきます。■自立生活援助の創設現在、障害者支援施設やグループホーム入所・入居している方の中には、賃貸住宅などで一人暮らしを希望する方もいます。しかし知的障害や精神障害によって、生活能力に不安定さがあることなどで一人暮らしを選択できない方がいます。自立生活援助では本人の意思を尊重した地域生活を支援するため、一定期間にわたり定期的な巡回訪問を行い、食事や掃除、公共料金の滞納はないか、地域住民との関係は良好かなどの確認を行います。また定期的な訪問だけではなく、電話やメールなどで随時相談が行うことができるようになります。■就労定着支援の創設就労移行支援などを利用し一般企業へ就労した方で、就労に伴う環境の変化によって生活面に課題が生じてしまう方がいます。たとえば遅刻や欠勤の増加、身だしなみの乱れや業務中の居眠りなどの課題が環境の変化によって新たに生じるなどです。就労定着支援は就労定着支援事業所の方が職場・家族・関係機関への連絡調整を行ったり、職場や自宅に訪問し、生活リズムや体調などの指導や助言などを行ったりすることで、環境の変化に適応できるようサポートします。■重度訪問介護の訪問先の拡大重度訪問介護を利用している人が入院した際、普段利用していたヘルパーに支援をお願いすることが制度上できませんでした。またその人の特性やニーズに合った支援が入院先へ引き継げない場合もあり、利用者が困ってしまうことがありました。この改正によって、重度訪問介護を利用している方が入院中の医療機関においても、利用者の状態を熟知しているヘルパーを引き続き利用したり、そのニーズを的確に医療従事者に伝達したりなどの支援が利用できるようになります。■高齢障害者の介護保険サービスの円滑な利用障害福祉サービスと同様のサービスが介護保険法にある場合は、介護保険サービスの利用が優先されるようになっています。さらに高齢障害者が介護保険サービスを利用する場合、障害福祉制度と介護保険制度の利用者負担上限が異なるため、利用者負担(1割)が新たに発生する場合があります。またこれまで利用していた障害福祉サービス事業所とは別の介護保険事業所を利用しなければならないことがあるなどの課題が指摘されています。この改正によって、たとえば65歳になるまでの長期間にわたり障害福祉サービスを受けていた障害のある方、障害福祉サービスに相当する介護保険サービスを利用する場合、一定程度以上の障害支援区分の方や低所得者に対して、介護保険サービスの利用者負担が軽減されるような仕組みが設けられます。障害福祉サービス事業所が介護保険事業所としても機能しやすくするなどの見直しを行い、介護保険サービスがより円滑に利用できるようになります。■重症心身障害児などに対して訪問型の児童発達支援が創設障害児支援に関しては、複数の児童が集まる通所による支援が子どもの成長に望ましいと考えられていたため、これまで通所支援の充実を図ってきました。しかし現状では、重度の障害のため外出が著しく困難な障害児が発達支援を受けられません。そこで重症心身障害児などの居宅を訪問して発達支援を行うサービスが新たに創設されることになりました。■保育所等訪問支援の支援対象に乳児院と児童養護施設が追加保育所等訪問支援では、これまで保育所・幼稚園、放課後児童クラブ、小学校などに相談支援員が訪問していました。しかし乳児院や児童養護施設の入所者に占める障害児の割合は3割程度となっており、職員による支援に加えて、専門的な支援が求められているため、保育所等訪問支援の対象者を乳児院や児童養護施設の子どもたちにも拡大することになりました。■医療的ケア児に対する支援NICU(新生児特定集中治療室)などに長期入院後、引き続き人工呼吸器や胃ろうなどを使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが必要な障害児(以下:医療的ケア児)が増加しています。医療的ケア児が地域において必要な支援を円滑に受けることができるよう、地方公共団体は児童発達支援センター、障害福祉サービス事業所、特別支援学校などの福祉機関と、訪問看護ステーション、小児科診療所、地域小児科センターなどの医療機関と連携を図るために連絡調整を行う仕組みをつくることになりました。また医療的ケア児に対する支援については、すでに平成28年6月に施行されています。■障害児サービス提供体制の計画的な構築これまで市町村および都道府県に対して、障害福祉計画および都道府県障害福祉計画の作成を義務付けていました。法改正によって、障害児を対象にした障害児福祉計画および都道府県障害児福祉計画の作成を義務付けることになりました。また障害児相談支援の提供体制を整備し、障害児通所支援などの円滑な実施を確保するための仕組みも導入しました。障害児福祉計画は障害児通所支援や障害児相談支援の必要なサービス量の見込みを示すなどして、提供体制を確保していく努力を行うための計画であり、整備の指針になります。■補装具の貸与制度の追加補装具費は身体障害者の身体機能を補完・代替する補装具の「購入」に対して補助金が支給されていました。したがって、これまでは補装具本体の「貸与」はありませんでした。この改正によって障害児など成長に伴って短期間で補装具の交換が必要となる場合は「購入」を基本とする原則は維持したうえで、「貸与」が適切と考えられる場合には補装具本体の貸与が行われることになります。詳細は今度、関係者の意見を踏まえた上で検討されます。■障害福祉サービスの情報公表制度の創設障害福祉サービスなどを提供する事業所数が大幅に増加するなかで、利用者が個々のニーズに応じて良質なサービスを選択できるようにするとともに、事業者によるサービスの質の向上が重要な課題となっています。施設・事業者に対して障害福祉サービスの内容などを都道府県知事へ報告し、都道府県知事が報告された内容を公表する仕組みがつくられます。この情報をもとに利用したいサービスを提供している事業所を選択することができるようになります。■自治体による調査事務・審査事務の効率化障害者自立支援法の施行から10年が経ちました。障害福祉サービスなどの事業所数や利用者数は大きく増加しており、自治体による調査事務や審査事務の業務量が大幅に増加しています。この改正に伴い事務の一部を委託可能にするために必要な規定を整備することになりました。 たとえば、利用を検討している方に向けて利用審査に必要な質問や、関連文書の作成などを、許される範囲内で行政から委託された民間法人が担うことができるようになります。参考:「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び 児童福祉法の一部を改正する法律」について(経過) |厚生労働省まとめ出典 : 障害者総合支援法は障害の有無に関わらず、共に住み慣れた地域で暮らすことができる社会(共生社会)を実現するためにつくられた法律です。障害がある子どもから大人まで利用できる、自立支援給付や地域生活支援などのサービスがあります。また具体的にどんなサービスがあるのか、サービスを受けられる対象者に当てはまるかなどの相談に応える相談支援もあります。ただ、サービスも各地域によって特色がありますので、総合支援法の利用を検討中の方はお住まいの市区町村の担当窓口にお問い合わせください。障害者総合支援法は自立支援法を改正して生まれた法律です。しかし自立支援法時代からの課題が全て改善されたわけではありません。障害のある人の支援に関する法律は、今後も議論や改正を重ねながら、その時代や地域、利用者のニーズに適したサービスを提供していくことでしょう。
2017年07月31日支援級って、実際どうなの?出典 : 「支援級って、実際どうなの?」「どんな雰囲気で、何をやってるところなの?」…と、特別支援学級という「未知の世界」が気になっているお母さんも多いかと思います。うちの長男は、発達障害に気づかずに通常学級で入学し、4年生まで過ごしました。そして、5年生になった時、自分の意思で支援級に転籍。さらに今年の4月からは、また通常級に戻る予定でいます。今まで繰り返しお伝えして来た通り、本当に支援級を巡る状況は千差万別です。これは「あくまで一例」ではありますが、長男と私が経験した「うちの」支援級ルポを、楽々かあさんこと、大場美鈴がお伝えします。うちの支援級の1日の流れ出典 : まず、朝の風景から。うちの支援級の登下校は、お母さんが付き添って歩いたり、車で送り迎えをしていたりする場合が多いです。我が家では、行けるときは登校班で歩いてゆき、不安定な時期や、行事などで心身の負担が大きな時期は、車で送って行きます。うちの学校の支援級は2クラス。身体・知的障害のあるお子さんのクラス(以下、A組)と、長男が在籍していた、主に発達障害の傾向のあるお子さんが中心となる、情緒クラス(以下、B組)に分かれています。通常級の出席番号とは違い、支援級のそれぞれの子には「専用カラー」が決められています。下駄箱やロッカーには、名前と共に、その子カラーのテープが貼られて目印になっているのです。そこに靴を入れて、クラスに向かいます。うちの支援級は、一階の保健室近くに配置されていて、普通級とはやや離れています。逆に、職員室、1年生のクラスとは同じフロアです。登校すると、子ども達はその日の予定を確認します。スケジュールボードに、それぞれの子の時間割がマグネットで並べられています。時間割はそれぞれの子で違うものになっています。教科によって支援級で過ごしたり、交流級に行ったり、運動場や音楽室に行ったりと、けっこう移動が多いです。交流級というのは、通常級のクラスでの授業・活動に参加することです。「協力学級」「親学級」などとも呼ばれています。B組在籍の子どもは、全部で6人程ですが、B組の教室に常時いるのは2〜3人。なかには1日中交流級で過ごす子もいます。A組、B組の子達が揃うのは給食の時間。机を全部くっつけて、2クラス合同で先生方も一緒に食べています。その様子は、カオスと言っても過言ではないくらい賑やかです。両クラスの最上級生である、A組の6年生の男の子は人気者。下の学年のお子さん達が慕って、おんぶをせがんだり、給食を配ってあげていたりと、微笑ましい様子も見られます。下校時刻は、それぞれの学年に準じたものになっています。上級生になるほど、6時間目の授業も増え、クラブ活動などもあります。低学年の子達が下校する6時間目には長男と先生のマンツーマンになることも多く、学習が捗るようです。チームで子ども達を見守る、先生達出典 : 支援級の担任は、A組はしっかりした女性の先生、B組はベテランの男性の先生です。そして、それぞれのクラスに副担任の先生がつきます。介助員さんも、両クラス合わせて常時2~3名が学校にいる感じで、主に身体介助の必要なお子さんのお世話や、交流級に行っている子の付き添いなどをして下さっています。子ども1人当たりの大人の数が多く、チームで手厚く見守って頂けます。とはいえ、クラスに不安定になっているお子さんがいる時には、複数の先生がその子にかかりきりになる状況などもありました。そして、支援級の担任の先生は、前回の記事でもお伝えしましたが、必ずしも、支援に詳しいとは限りません。長男のクラスの担任の先生は定年間近の大ベテランの先生でしたが、4月の時点では支援について、ほとんど何もご存知ではありませんでした。ですが、「お母さん達のほうがお詳しいでしょうから…」と、親の話を一人ひとり、謙虚に丁寧に聴いて下さり、私は本当に頭の下がる思いでした。その姿を見て、私は「あ、大丈夫だな」と思いました。先生は多少のことには動じないタイプで、個性の強い子ども達に忍耐強くつき合って下さり、長男も信頼している様子で、私は安心して見ていることができました。知識・経験以前に、先生自身が安定していること、子どもと基本的な信頼関係が築けることが、私はまず必要なように思います。そして、その子に合わせたり、親の話に耳を傾けてくれる姿勢があれば、例え支援に対する知識・経験が十分ではなくとも、次第に「プロ」になって下さるように思えます。気になる学習内容は…?出典 : うちの支援級の学習内容は、その子の進度に合わせたプリント学習です。プリントは本当にオーソドックスな問題を、教科書の順に添ってひたすら取り組むような形です。私は支援の本にあるような手作り教具やICT機器などをジャンジャン使って、体感的な授業がそれぞれの子に行われる様子を夢見ていたので、正直、やや肩すかしでした。それでも、通常級の一斉授業のスピードについていけず、ノートも取らずにぼーっと過ごしていた時に比べれば、私にはずっと有意義な時間のように感じられました。算数は、長男がつまづいている九九や、筆算の手順など、何学年も前のところから戻ってスタートし、少人数の環境の中、自分のペースでじっくり取り組んでいました。国語は、学習内容はほぼ理解できるものの、漢字がどうしても出て来ないので、学習補助用のiPadを持ち込んで辞書アプリで調べながら進めました。ただ慣れて来ると、プリント中心の学習はつまらなくなったのか、苦手科目以外のプリントに落書きが増えてきました。その時は先生に相談して、もう少し学習内容を調整して頂けるようお願いをしました。課題のレベルは「大体できるけど、定着してないこと」から「やや難しいけれど、なんとかできそうなこと」くらいが、その子にちょうど良い学習レベルだと思います。長男は「やさし過ぎる」「難し過ぎる」ものは、どちらも集中できないようです。長男の場合は、パソコンなど興味の強い科目から交流級で参加し始め、体育や図工などの実技教科、2学期には理科・社会も…というように、長男の様子をみながらこまめに連携し、徐々に交流級を増やして頂きました。そして算数もマイペースにコツコツとプリントに取り組み続けた結果、学年相応まで進めることができ、3学期には、全科目交流級での授業になりました。通常級でできてしまった大きな段差を、支援級で長男自身のステップで徐々に上がっていったことにより、学習への自信がついたのです。異年齢・多種多様!支援級の子ども同士の様子は…?Upload By 楽々かあさん休み時間、B組(発達障害の傾向のあるお子さんが中心となるクラス)の男の子達は、手作りカードゲームなどをして楽しく遊んでいました。時折、通常級の次男も、支援級に顔を出して、一緒に遊んでいたようです。次男曰く「エアコン、効いてるんだよね~」とのこと。体温調節が身体の機能的に苦手なお子さんもいるため、うちの両支援級はエアコンが完備されています。転籍前、精神面の凸凹差の大きな長男は、通常級の同年齢のお子さん達と、やや話が合わないようでもありました。でも、異年齢で多種多様なお子さんの集まる支援級では、年下のお子さんと気が合ったり、年配の先生方とたくさん雑談できるので気が楽だったようです。とはいえ、B組の子同士の関係は、仲のいいときはすごく良いけど、ちょっとしたきっかけで大げんかするという、ジェットコースター式。気持ちを言葉で伝えたり、妥協することが苦手な子が多いため、実際の所、衝突事故も多かったです。でも、その中で長男は、「ゆずってあげる」「合わせてあげる」ことの大切さに少しずつ気づけたようにも思います。また、B組では長男は一番年長。クラスのお子さん達をまとめたり、お手本になる役割も与えられました。それよって学校での「居場所」ができたようです。支援級で過ごしたことは、長男の心の成長にも大きなプラスになったように思います。支援級に移ったことを、通常級の子たちはどう受け止める…?出典 : 交流級に行くことで、支援級と普通級を行き来していた長男は、通常級の先生の目から見てもさほど違和感なく溶け込んでいたようです。また、支援級にいても、運動会などの行事では今までクラスメイトだった通常級の子達と一緒でした。運動会の組み体操も林間学校での野外活動も、支援級の先生方に見守られながら、不安に思うことをひとつひとつクリアしながら参加しました。少しだけハードルを下げたり、大人が見守ってあげたりすることで、皆と一緒にできることはたくさんあると思います。長男が支援級に移った時は、それまでと態度が変わった子もいました。長男に対して以前より距離を置く子もいれば、かえって優しくなった子もいるし、何も変わらない子もいました。でもさまざまな機会を通して、一緒に過ごすことで、普通級の子達も支援級の子たちに慣れていきます。多感な年頃の子達の間には、お互いに取り扱いが難しい面も少なくありません。さらに、空気を読めなかったり、集団の中で目立つ行動を取ってしまう長男にとって、コミュニケーションのハードルが高いであろうと思う部分は今でもあります。それでも長男は、6年生に進級したら、居心地良さそうにしていた支援級を卒業して、皆と同じクラスに戻ると言います。私は、支援級に転籍したときのように、長男に通常級の良い点、そうでない点の両方を伝えましたが、今回も長男の決意は変わりませんでした。そこには、好奇心の強い彼にとって今の成長に必要な刺激があるのかもしれません。また、合理的に物事を判断する長男にとって、考えられるデメリットを上回る何かを、今は感じているのかもしれません。子どもの成長と学び方は、一律一様ではないのだから…。ここまで3回に渡り、私達親子の実際の体験から、支援級と通常級の間にある選択肢、支援級を検討する際の判断のポイント、そして、うちの支援級の実際の様子をお伝えして来ました。支援級は本当に千差万別で、私には「うちの」支援級が標準的かどうかも分かりません。でも、具体的な情報が開かれてゆくことで、もっと支援級が身近で気軽に感じられる場所になってほしい、と私は願っています。また、支援級と通常級、それぞれにメリット・デメリットがあり、私にはどちらがいいとも言えません。でも、通常級にいる子達にとっても、長男が5年生を過ごした支援級を「別世界」と感じてるわけではないと感じています。そして、一つだけ確かなことは、日々成長する子どもたちによって、その個性の発達のスピードやその子に合った学び方は、一律一様ではない、ということです。これは長男の今までの育ち方と、興味関心のあり方を見守って来た私が、実感として思うことです。柔軟に、臨機応変に、その子に合った学び方が、どんなお子さんにも安定して提供される日が、なるべく早く来ることを、同時代を生きる子を持つ一母親として、私は願ってやみません。Upload By 楽々かあさん大場美鈴(著), 汐見稔幸(監修), 『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』ポプラ社, 2017年
2017年04月10日うちの学校の支援級、わが子に合ってる…?出典 : 「支援級か、通常級か…迷ってるけど、どうやって判断すればいいの?」「うちの子が通う学校の支援級、どんな環境だろう?どういうところを気にしたらいいの?」現在、希望者急増で過渡期にある、特別支援学級(以下、支援級)をめぐる状況は様々です。情報を探すと、「うちの子も是非お願いしたい!」と思える素晴らしい支援級もあれば、残念ながら、現場の事情が追いつかずに、十分な理解や子どもに合った対応が得られない支援級もあるようです。支援級をご検討の際には、実際に、お子さんが通う「その」支援級がどうなのか、自分の目で確かめてみることが必要です。長男が自ら通常級から支援級への転籍を希望した際、私はまず、特別支援コーディネーターの先生の案内で、実際にクラスを見学させて頂き、事前に疑問な点、不安な点の詳しいご説明をお願いし、長男本人も見学・体験させて頂きました。それでも、後から「もっと早く確認しておけば良かった」と思ったことも少なからずありました。そこで、支援級を選択する前に「確認してよかったこと」「確認しておけばよかったこと」の、判断のポイントを、あくまで「うちの経験上」ではありますが、楽々かあさんこと、大場美鈴がお伝えします。支援級見学の際にぜひ確認しておきたい!4つのポイント出典 : 長男が通っている支援級は、身体・知的に障害のあるお子さんのクラスと、長男のように、大きな知的・言葉の遅れの心配はないものの、発達障害の傾向のある子が中心となる、情緒級に分かれています。学校によっては、どの障害の状態のお子さんも一緒のクラスになる場合もあります。その場合でも、個別に学習内容を調節して頂ける場合はいいのですが、そうでない場合、お子さんに学習面での理解力がある程度あっても、学習内容や課題が簡単過ぎるケースがあります。そうなると本人の理解度とのミスマッチが起こり、その支援級がその子の力を伸ばせる環境とは言いがたくなる可能性があります。逆に情緒級がある場合も、その子の学習の進度に合わせた課題でない場合もあります。本人の能力や理解度に合わせた学習ができるかどうかは、よく確認しておきたいポイントの一つです。万が一合わない場合でも、先生と学習内容を調整して頂けるか、相談の余地があるかどうか、見極めておいたほうがいいでしょう。また、基本的に支援級の成績表は、「国語は漢字ドリルをがんばり、丁寧に漢字を書けるようになりました」というような、言葉による表現がされることが多いようです。特に将来的に、中学受験の可能性がある場合には、念のため希望した際には通常級と同じ評価で対応可能かどうか、確認しておいたほうがいいでしょう。(中学受験の際、全ての学校で成績表の提出が必須という訳ではないようですが、一部の入試日程や推薦、A.O.入試の場合などには、成績表のコピーの提出が必要になる場合があります。)出典 : 次に気をつけたいのは、今のところ、すべての支援級の担任の先生が、特別支援教育の知識・経験が豊富であるとは限らない、ということです。支援級の担任には、特別な資格などは必須ではなく、今まで通常級で担任してきた先生が、急に支援級を受け持つ場合も多いようです。長男の今年の担任も、長年通常級を受け持ったベテランの先生ですが、支援級の担任は人生初でした。ただし私は、支援に詳しくない先生=子どもにとって良くない先生、とは限らないと思っています。確かに、凸凹のある子に伝わりやすい方法を多く知っている先生なら心強いと思います。しかし、詳しい先生1人に負担がかかり過ぎてしまったり、クラスの他のお子さんの状況などによって、少人数であっても十分に子ども一人ひとりを見ることができない…など、先生お一人の力では解決できない現場の事情がある場合もあります。そのため支援に対する知識・経験の有無で、一概には判断できないと思います。もし、先生が支援に詳しくないからと、あからさまに保護者が落胆してしまうと、それが子どもや先生にも伝わって、その後の信頼関係に影響が出てしまうかもしれません。私は、知識・経験の有無よりも、・先生が子どもを肯定的に見ようとしてくれるか・子どもに合わせた指導をしてくれるか・親の話に耳を傾ける余力があるかのほうが大事だと思っています。しかし、見学の時点で気持ちよく応対してくれた先生に会えたとしても、翌年に我が子を担任してくれるとは限らないというのは注意したい点です。通常級に比べれば、支援級の先生は比較的長く同じクラスを担当することが多いようですが、異動がないわけではありません。また、大変残念なことながら、今まで毎年のように支援級の補助教員や介助員の先生が、年の途中で1人、2人とお辞めになってしまうことも、私は学校のお便りで度々知らされてきました。厳しい現場の現実があるように感じます。出典 : 人事異動がある先生方と違い、子どもたちは比較的同じメンバーでともに支援級で過ごすことが多いです。もちろん、入学や卒業、転籍などによる入れ替わりはありますが、クラス替えもなく、ほぼ同じメンバーで何年間も過ごすことになります。支援級は、学年を越えて、多種多様な子ども達の集まりとなるため、それが合う子、合わない子がいると思います。支援級の低学年のお子さんは、かなり自由気ままな印象がしたりで、見慣れてないと「これで大丈夫かしら…」と少々不安に感じられるかもしれません。そういう時は、何年もその環境で過ごしてきた、高学年のお子さんの様子が参考になると思います。その子なりに落ち着いていたり、交流級に意欲的に参加している様子が見られれば、その支援級の環境がプラスに働いていると受け取ってもいいのではないかと私は思っています。また、掲示物が破れっぱなしになっていないか、といった備品の様子、ロッカーに分かりやすいマークなどの工夫があるか、といった教室環境も、その支援級が安定しているかの参考になると思います。(ちなみに私は、教室の備品の乱れが放置されている場合、先生に余裕がなく、かなりお疲れ気味…というシグナルだと受け取っています。)出典 : 私が見学した時、1クラス6~7名と聞いていた支援級の情緒クラスには、いつも低学年の2~3人のお子さんしかいませんでした。他のお子さんは「交流級」に行っているのだそうです。長男の学校の場合、大抵は学年が上がるほど交流級で過ごす時間が増えていき、最終的に通常級に移籍する子も多いそうです。ご家庭で「いずれは、できれば通常級へ」と希望している場合には、交流級の活用状況は要チェックです(また、そもそも支援級から通常級への転籍が可能かどうか、よく確認しておく必要がある学校もあるようです)。交流級の活用状況は学校によって様々です。長男の小学校はかなり積極的なほうだと思います。後に担任の先生からその理由を伺うと、「年々、支援級への希望者が増えているので、◯太郎くんのように、交流級の授業に意欲がでてきたお子さんは、どんどん”卒業”して、通常級に戻って頂けると助かります」…とのこと。なかなか厳しい内情もうかがえます。とはいえ交流級を充分に活用できている学校は、通常級の子達も支援級の子に日頃から馴染んでおり、支援級”卒業”後も、比較的クラスに溶け込みやすいのではないかと思います。交流級の活用については、見学時、私はあまり気にしていませんでした。でも今思うと、重要なポイントだったと思います。どんな状況の支援級も、本人が体験してみるのがイチバン!出典 : 見学をする際には、参観日のようなよそ行きの状態ではなく、支援級のありのままの状態を子ども本人が、できるだけ何回も見られるほうがベターです。長男が普通級から支援級へ転籍する前に、私は長男本人が何度も支援級を見学・体験できるよう、お願いしました。でも見学を予定していたある日、突然見学がキャンセルになったことがありました。先生によると、「今日は、落ち着けてないお子さんがいたので、見学は中止させて頂きました。また日を改めて、予定を調整させて下さい」とのこと。それを聞いて、私はこう言いました。「是非、そういう時も本人に見せてください。ご迷惑になるようでしたら、廊下からでも構いませんので。支援級は、皆が落ち着いている時もあれば、そうでない時もあることを、本人が十分知って、納得したうえで転籍したいです。」支援級は、長男と同じように、あるいはそれ以上に、特別な配慮・支援を必要とするお子さんの集まりです。当然のことながら、少人数とはいえ、いつもクラス全体が落ち着いているとは限りません。そんな支援級で過ごすイメージを本人が持てると、入級後の環境の変化にもついていき易いと思います。長男の場合は実際に何度も授業を見学させて頂き、給食の時間を支援級の子達と一緒に過ごしたり、といった機会を作って頂きました。すると、「今日はすんごい泣いてる子もいたよ」「一年の子が途中で教室出てっちゃった」なんて言うときもありました。私は「支援級はそういう時もあるよ。それでもいい?」と聞きましたが、長男は「それでもいい。支援級に行く」と決心は変わりませんでした。「うちの」支援級には良いところも、そうでないところもあることを、十分納得の上で転籍をした私達。結果的にこの一年は、長男の成長のプラスになりました。実際に自分の目で確かめて、後悔のない選択を出典 : 長男の先生からの話にもありましたが、近年、支援級を希望する子どもが急増している傾向があります。なかなか現場がそれに追いつけないという裏事情もあり、全てが保護者の希望どおり、理想どおりという訳にはいかない場合も、多いかと思います。それでも、事前にメリット・デメリットを良く比較検討し、納得のゆくまで説明をして頂き、実際に自分の目で確かめて、体験して、自分たちの意思で決められれば、後悔するリスクを減らすことができます。学校生活でお子さんが自信をつけてゆける、プラスの選択ができるよう、祈っています。Upload By 楽々かあさん大場美鈴(著), 汐見稔幸(監修), 『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』ポプラ社, 2017年
2017年03月13日総務省による、発達障害者の支援に関する実態調査。その結果は?出典 : 年1月20日、総務省は、文部科学省と厚生労働省に対し、発達障害者支援に関する行政評価と監視の結果に基づく勧告を行いました。この調査は、保育所・学校現場を含む、都道府県・市町村における発達障害者支援の実態を初めて調査したものとなります。前回の記事では、早期発見に関する実態の調査報告と総務省の勧告内容についてお伝えしました。今回の記事では、発達障害がある子どもへの支援状況と情報の引継ぎに関する調査・勧告内容についてご紹介します。発達障害児に対する支援「個別の教育支援計画」「個別の指導計画」とは出典 : 発達障害を含む障害のある児童生徒の指導について、学校等では、児童生徒それぞれに「個別の教育支援計画」(以下「支援計画」)と「個別の指導計画」(以下「指導計画」)を「必要に応じ」作成し、指導と支援を行っていくこととされています。(4) 関係機関との連携を図った「個別の教育支援計画」の策定と活用特別支援学校においては、長期的な視点に立ち、乳幼児期から学校卒業後まで一貫した教育的支援を行うため、医療、福祉、労働等の様々な側面からの取組を含めた「個別の教育支援計画」を活用した効果的な支援を進めること。また、小・中学校等においても、必要に応じて、「個別の教育支援計画」を策定するなど、関係機関と連携を図った効果的な支援を進めること。(5) 「個別の指導計画」の作成特別支援学校においては、幼児児童生徒の障害の重度・重複化、多様化等に対応した教育を一層進めるため、「個別の指導計画」を活用した一層の指導の充実を進めること。また、小・中学校等においても、必要に応じて、「個別の指導計画」を作成するなど、一人一人に応じた教育を進めること。特別支援教育の推進について(通知)なお、2016年の改正発達障害者支援法においても、発達障害児が年齢及び能力に応じ、かつその特性を踏まえた十分な教育を受けられるようにするために必要な措置として、これらの支援計画及び指導計画の作成を推進することが具体的に明示されています。法律第六十四号(平二八・六・三) ◎発達障害者支援法の一部を改正する法律支援計画や指導計画、実際にどれくらい作成されているの?その効果は?出典 : しかし支援計画に関していうと、必ずしも発達障害のある児童全員に作成されていないのが現状のようです。この度の総務省の調査で調査対象となった111の保育園および幼小中高校において、発達障害児(発達障害が疑われる児童生徒を含む)は計2,431人でした。そのうち支援計画作成が「必要」と判断された児童生徒は829人であり、さらにそのうち支援計画を作成済みの児童生徒は690人でした。支援計画作成が「必要」と判断されたものの、未作成の生徒が139人いることが明らかになりました。未作成の理由としては、教員の業務が多忙で作成する時間の確保が困難であるため、保護者の同意が得られないため、などとされています。また、支援計画作成が「必要」と判断する範囲に関して、111の調査対象のうち19の保育園および幼小中高校では、医師の診断がある児童生徒のみなど、計画の作成対象をかなり限定した範囲にとどめている例がみられました。そしてこうした計画作成対象が限定されていたことの結果として、支援計画や指導計画が作成されていなかった生徒の中には、不登校等の二次障害が生じている例がみられたとのことです。問題行動の度合いが高くない生徒には支援計画及び指導計画を作成することとしていないため、発達障害の診断を受けているにもかかわらず、両計画とも作成されず、結果として、学習障害等で授業についていけずに、平成22年度から26年度までの間に、不登校4人、休学1人、退学1人が発生した。一方、調査した保育所及び学校において、支援計画又は指導計画を作成したことにより、特別支援学校など関係機関による助言や保護者との連携等が図られ状態が改善するなど効果的な支援が行われている例が30事例みられました。総務省は文部科学省と厚生労働省に対し、保育所及び学校において、一律の基準によって支援計画及び指導計画の作成対象を限定するのではなく、個々の児童生徒の特性や状態を踏まえ、支援が必要な児童生徒に対して着実に作成されるよう、作成対象とすべき児童生徒についての考え方を示すことを勧告しました。継続的な支援のために欠かせない、進学先等への情報の引き継ぎ。しかし現状は…出典 : 支援計画や指導計画の作成だけでなく、支援の前提となる子どもに関する情報の引き継ぎ共有も重要です。こうした情報共有の実態についても調査がなされました。具体的には、・乳幼児健診の結果として発達障害の疑いがあるとする情報を保育所へ渡す取り組み・保育所や幼稚園で作成された支援計画等に適宜資料の追加等を行った上で、障害のある児童生徒等に関する情報を一元化し、支援計画や相談支援ファイル等として小・中学校等に引き継ぐ取り組みなど、関係機関同士の情報の引き継ぎ・共有が十分ではないという勧告がなされています。しかし、情報共有が十分に進まない背景には、個人情報保護の観点からの障壁もあるようです。そのことが明らかになったのは、調査対象となった31市町村が実施した乳幼児健診結果の引き継ぎ状況の調査からです。平成26年度に実施した乳幼児健診の結果の、進学先(保育所、幼稚園等)への引き継ぎ状況をみると、30市町村で「引継ぎを行うこと」という方針を立てているものの、個人情報保護の観点から、保護者の同意が得られた場合であって、保育所等から情報提供の依頼があった児童のみ引き継ぐとしている自治体が14市町村にのぼりました。つまり、半数近くの市町村では、保育所等からの働きかけがなければ引継ぎが行われない状況であるということです。調査した市町村の中には、乳幼児健診の結果の進学先への引継ぎ時における保護者の同意取得については、次のような取組を行っている例がみられたとのことです。乳幼児健診の問診票の中に、健診結果等について、保育所等の関係機関と連絡を取り合う場合がある旨をあらかじめ記載し、これに同意するか同意しないかを選択させることとしている。児童が幼稚園に入園する前に、心配事のある保護者に「保護者との連携シート」の記載を依頼しており、同シートにより、幼稚園が保健師等の関係機関等から情報を入手する旨の同意を得ている。また、乳幼児健診の結果が引き継がれなかったことにより、対応が困難になった例もみられたとのことです。市外からの転入により入所した児童について、転出元の市町村での乳幼児健診結果(発達障害の疑いあり)を把握できなかったため、支援計画の作成、個別の配慮、小学校への引継ぎ等を行わなかったところ、小学校で集団行動になじめない状況となり、急遽支援が必要となった歳児健診及び3歳児健診で紹介された親子教室において、軽度な知的障害を伴う発達障害の疑いを指摘されたが、それらの結果が、入園先の幼稚園に伝わらず、児童の知的障害の把握が遅れた。その結果、児童は、特別支援学級へ入級したが、知的学級ではなく、自閉・情緒学級へ入級することとなり、児童に対する教育的配慮や課題設定を行うのに数箇月要した同様に、進学の際や転校の際における引き継ぎの不備も指摘されており、総務省は厚生労働省に対して、市町村に乳幼児健診の結果等の進学先への引継ぎの重要性を周知し、積極的な引継ぎを促進することを勧告しました。他にも総務省は、厚生労働省と文部科学省に対して、保育所・幼稚園から大学・就労先までの各段階において、発達障害児に対する必要な支援内容等が文書により適切に引き継がれるような呼びかけを行なっています。都道府県、市町村、都道府県教育委員会及び市町村教育委員会に対しては、・具体例を挙げて支援内容の引き継ぎを周知すること・支援計画及び指導計画については、引継ぎまでの適切な保存・管理を求めるとともに、具体的な引継方法を提示し、確実に引き継がれるよう徹底を図ることを勧告しました。「切れ目のない支援」を実現するための課題は出典 : 情報の引き継ぎは、切れ目のない支援を推進する上で不可欠だと言われています。そして文部科学省でも障害のある子どもに対して小学校から高校まで一貫した支援ができるよう、進学先の学校へも引き継げる「個別カルテ(仮称)」の作成を学校に義務付ける方針を固め、推進しています。また逆に保育所から専門機関に相談するようすすめられる場合もあるようです。現在、4歳の男の子を持っていますが、引越しして、2ヶ月前ほどから、転園した先の、保育園の先生から、落ち着きがなく、みんなと一緒のことができない、話す単語が少ない、との指摘を受けて、療育センターに問い合わせをするように、言われました。保育園で発達障害を疑われました。3歳1ヶ月の男児です。保育センターの心理相談の結果、問題はなさそうでした。しかしモヤモヤと心配が晴れず、何か息子のためにできることはないかなと焦っています。親や支援者が発達障害をどう理解するか、そして個人情報保護や当事者、家族の不安に配慮する仕組みの構築が、実際に切れ目のない支援を実現するためには必要なのではないでしょうか。
2017年01月30日ことばの教室ってどんなところ?出典 : 小学校や中学校には、子どものさまざまな障害や困難に合わせた支援を行う、通級指導教室や特別支援学級が設置されています。「ことばの教室」とは、そのなかでも言語に障害のある子ども向けに設置された、通級指導教室と特別支援学級の通称です。また、ことばの教室は、「言語障害通級指導教室」、「言語障害特別支援学級」と呼称されたり、地域によっては「ことばときこえの教室」と呼ばれ、言語障害の支援と聴覚障害の支援が両方受けられる場所もあります。それは、言語を獲得し、言葉を発するのに聴覚(きこえ)が重要な役割をはたすためです。どちらか片方に障害があると、もう片方にも問題が生じる場合も多く、言葉を発することと聴覚に対する困りごとを同時に支援していく必要があります。通級指導教室や特別支援学級として設置されていることばの教室では、言語障害のある子どもへの支援を行っています。例えば言葉のおくれ、吃音(きつおん)などの話し言葉におけるリズムや声を出すための器官に障害がある構音障害に対して支援が行われます。また、障害の改善以外にも言葉に関する教科(例えば、国語、英語、音楽、算数、数学)の指導も行っています。通級指導教室とは、おおむね通常の学級の授業についていけるが、通常の学級の中で一部、特別な支援を必要とする子どもを対象に設置されている少人数教室です。通級指導教室に通う子どもは通常の学級に籍を置き、学習したり、給食を食べたりと通常学級でほとんどの時間を過ごします。そして、週に数時間、障害に合わせた個別の支援を受けるために通級指導教室へ通います。Upload By 発達障害のキホン一方、特別支援学級とは心身に障害があったり、発達に遅れがあったり、より手厚い指導・支援をより多くの時間必要とする子どもを対象に設置されている少人数学級です。特別支援学級へ通学する場合は、籍は特別支援学級に置きます。そして、体育や生活、道徳、課外活動をはじめ、一部の授業を通常学級の子どもと一緒に受けることが通例です。Upload By 発達障害のキホンどんな子どもがことばの教室に通うの?出典 : 言語障害のある子どもがことばの教室へ通います。言語障害と一口にいってもさまざまな種類があります。ここでは医学的言語障害ではなく、ことばの教室が対象としている言語障害について説明していきます。言語障害とは、話すため・言葉の発声のために必要な一連の動きに障害があることを言います。例えば、人は話す時にまず、頭の中で話す内容を考え、文章にします。次に音を出すための筋肉に脳から信号が出され肺による空気量の調節や声帯筋が運動し音がでます。次に音を声として発する鼻や口、舌の動きが調節され声となります。声は耳の聴覚によって感じられ、そして脳で言葉を言葉として理解します。言葉を話し、人とコミュニケーションをとるためには上記のような発声に関わる機能だけでなく、思考や社会性の発達、心理的問題や自己観の形成も深く関わってきます。そのため、言語障害は話すことに必要な器官の障害というだけでなく、話すことまた聞くことに問題がある障害を指します。ことばの教室は、言語障害のある子どもを対象にしていますが、通級指導教室と特別支援学級で、その対象が少し違います。ではどのように違うのでしょう。参考書籍:ピーター・B.デニシュ (著), エリオット・N.ピンソン (著)『話しことばの科学―その物理学と生物学』東京大学出版会/刊通級指導教室のことばの教室も、特別支援学級のことばの教室も以下のような子どもが対象となります。1. 唇の断裂(口蓋裂)や、音を発声させる器官(構音器官)のまひなどによる機能的障害のある子ども例) 声が鼻にかかったり、鼻に抜けてしまう。”さかな”の発音が”たかな”になってしまうようにサ行やカ行がうまく発音できないなど。2.b吃音などの話し言葉におけるリズム障害のある子ども例) ”きんぎょ”を”き、ききんぎょ”と言葉を繰り返してしまったり、”き...んぎょ”など言葉が詰まってしまうなど。3. 話す、聞くなど言語機能の基礎的事項に発達の遅れがあり、言葉の順序や表現に偏りのある子ども4. その他に上記のような障害に当てはまる子ども5. 言語障害の原因が上記でなく、他に原因がある子ども■「通級指導教室」のことばの教室に通う場合通級指導教室へ通う子どもは、多くの時間を通常の学級で過ごします。つまり、通常級に籍をおきながら、支援が必要な課題(ある特定の困りごとや、その困りごとから来る学習上の問題)だけを改善するために通級指導教室へ通い、そのほかの授業や活動は通常の学級で行います。そのため、通常の学級での集団行動や教員からの指示の聞き取りがある程度できる子どもに向いているでしょう。■「特別支援教室」のことばの教室に通う場合特別支援学級へ通う子どもは、逆に大半の時間を少人数の特別支援学級で過ごします。通級指導教室に通う子どもは一部の困りごとに対して支援を受けますが、特別支援学級に通う子どもは、困りごとへの支援に加え、国語や算数、社会などさまざまな教科の授業をうけます。特別支援学級に通うのは、通級指導教室に通う子どもに比べて、個別の支援の必要性が比較的大きい子どもです。また、通常の学級が1クラス35~40人に対し、特別支援学級は8人と少人数の編成です。ですので、落ち着いた環境で心理的な安定を保ちながら指導を受けたい子どもに向いているでしょう。ことばの教室で受けられる支援は?出典 : ことばの教室ではさまざまな支援や教育を受けることができます。通級指導教室と特別支援学級で共通した支援もあれば、異なる支援もあります。それらの点について詳しく説明していきます。通級指導教室や特別支援学級では、個別指導計画と個別の教育支援計画を作成してもらうことができます。個別指導計画とは、子ども一人ひとりの困りごとや障害に合わせ、各教科の学習や、集団行動・生活の指導目標や指導内容・方法を示した計画です。この指導計画に基づき、さまざまな教員・関係者が共有し連絡を取り合いながら指導・支援が行われます。具体的には、担任の教員を中心に保護者や、特別支援教育コーディネーター、専門家といったさまざまな人が、子どもの障害の状態や課題、優先事項などを話し合い作成します。一方、個別の教育支援計画は、個別指導計画より長期的な視点に立ち、学校のみならず、家庭や余暇活動も含めて、具体的な支援の計画を示した計画書です。医療、教育、または福祉、就職などさまざまな機関に引き継がれ、一貫した支援が受けられるようになります。通級指導教室では、子ども一人ひとりの言語に関する困りごとを改善するための支援が受けられます。一方、特別支援教室では、言語に関する困りごとの改善とともに、言語障害を考慮しながら各教科の授業を手厚く行います。具体的にどんな支援かご説明していきます。■通級指導教室では?通級指導教室では、学習の遅れや補充をするのではなく、子ども一人ひとりの困りごとに合わせた教育や指導が行われています。言語障害があるために学習が進まない場合には、学習指導も行われます。例えば次のような指導が行われます。・発音に誤りのある子ども正しい発音を身につける練習、音を聞き分ける練習、唇や舌の動きをよくする練習、コミュニケーションの力を育てる指導などが行われます。・吃音のある子ども吃音について正しく理解する学習、吃音の友達と出会ったり、気持ちを話し合ったりする学習(グループ指導)、発達・認知面の力を育てる指導、コミュニケーションの力を育てる指導などが行われます。・言語発達遅滞のある子ども子どもの実態に合った教材を使って言語理解・表出する力を育てる指導、発達の評価、コミュニケーションの力を育てる指導などが行われます。国立特別支援教育総合研究所■特別支援学級では?特別支援学級では、通常学級で過ごす交流学級という時間もありますが、特別支援学級に通う子どもは多くの時間を特別支援学級で学びます。子ども一人ひとりの困りごとに合わせた指導・支援はもちろんのこと、各教科の学習についても指導や支援が行われます。たとえば、国語や算数ではどのような支援が受けられるのでしょうか。・国語読むことに対する支援として、言葉の意味や概念の理解を深めるために絵や写真を使いながら話したり、動作を実際にやってみて説明したりします。また、辞書を活用し、意味を調べ自分でまとめた辞書を作ったりすることもあります。聞くことに対する支援では、話す内容についてそのポイントや重要な部分をあらかじめ説明し、子どもが聞き取るべき部分がわかるようにします。書くことや話すことに対しての支援は、教員との会話のなかで実際に子どもが体験したことを口頭で文章化したり、作った文章をさらに書き起こしてみたりするなどの練習が行われます。・算数文章題などを解くとき、文章の内容や意図を理解することが難しい場合があります。そのような場合は、単語の意味を確かめたり、図や絵を通して理解を促していきます。また、類似の問題に繰り返し取り組んだり、逆に類似の問題を作ってみることで理解をより深めていきます。ことばの教室のクラス編成はどうなっているの?出典 : ■通級指導教室通級指導教室ではほとんどの場合一対一で指導が行われます。ですが集団の中での困りごとやコミュニケーションでの困りごとがある場合は集団で行われることがあります。■特別支援学級特別支援学級ではクラス定員は8人までと決まっています。ですので少人数学級で授業を受けられます。ことばの教室にはいろいろな人が関わっています出典 : ことばの教室では、通級指導教室や特別支援学級の教員だけでなく、保護者、医療スタッフなどさまざまな人が子どもの教育、指導、支援に関わっています。通級指導教室でも特別支援学級でも、必要に応じて、口腔外科医、言語聴覚士、歯科衛生士などの専門家から正しい発音の基礎となる口腔の状態について助言を受けることができます。一方で、保護者や教員は、通級指導教室と特別支援学級では子どもとの関わり方が少し違います。保護者通級指導教室の場合、多くは保護者が付き添いをし、時には一緒に授業に参加することもあります。一方、特別支援学級の場合は、保護者が希望しない限り一緒に授業を受けたりすることはありません。しかし、通級指導学級も特別支援学級もお住まいの学区以外の学校へ行く場合は保護者の送り迎えが必要となります。教員通級指導教室の場合、担任の教員と指導の教員が異なるため、連絡ノート交換、指導報告等を通して、子どもへの共通理解を図ってゆきます。一方、特別支援学級では担任の教員が指導を行う場合が多いので一貫した支援が受けられます。ことばの教室にはどうやって入るの?出典 : 未就学児で来年度からことばの教室を検討している場合未就学児で来年度からことばの教室を検討している場合、就学相談に行く必要があります。就学相談とは、通級指導教室や特別支援学級を含めた特別支援教育を受けるためにお住まいの教育委員会と話し合いの場をもうけ、子どもにとって最適の学びの場を考える機会です。一般的に就学相談は早い地域で幼稚園・保育園の年長の春から、遅くとも秋ごろには始まります。就学相談については、お住まいの教育委員会の窓口まで問い合わせてみましょう。就学していて言語障害が気になり、ことばの教室を検討している場合まずは担任の教員に相談してみましょう。そこから教育相談をすすめられたり、特別支援教育コーディネーターを紹介してもらったりします。そして、一般的にはことばの教室の指導員の方などと面談をし通学の必要性が検討されます。まとめ出典 : ことばの教室では言語障害のある子どものサポートをしています。言語障害といってもさまざまな困りごとや課題を抱える子どもがいます。通級指導教室と特別支援学級の特徴をとらえながら、子ども一人ひとりにあった学びの場を考えてみましょう。
2016年12月15日特別支援学校とは出典 : 特別支援学校とは、心身に障害のある児童・生徒が通う学校で、幼稚部・小学部・中学部・高等部があります。基本的には幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準じた教育を行っていますが、それに加えて障害のある児童・生徒の自立を促すために必要な教育を受けることができるのが大きな特徴です。学校教育法第72条では、特別支援学校の目的は以下のように定められています。視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む。)に対して、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けること特別支援学校は、2007年までは「ろう学校」「盲学校」「養護学校」と区分されていました。ですが、2007年の法改正により、これらすべてが「特別支援学校」へと一本化されました。こうした経緯もあり、学校名の末尾が「ろう学校」「盲学校」「養護学校」となっている学校も多くありますが、これらは現在すべて特別支援学校に含まれます。この法改正は、特別支援学校が複数の障害がある子どもの教育ニーズに応えること、近隣の小・中学校に在籍する子どもの指導・支援にも積極的にかかわるセンター的機能を担うことを目的としてなされました。また、2015年の文部科学省の調査によると、特別支援学校の数は全国で1096校、在籍している幼児・児童・生徒の数は135,617人(幼児・児童・生徒全体に対する割合は0.9%)で、その数は増加傾向にあります。文部科学省特別支援教育資料(平成26年度)【第1部集計編】特別支援学校の対象出典 : 特別支援学校の支援対象となる障害の程度は以下の通りです。これは就学基準と呼ばれ、学校教育法によって定められているものです。以前までは子どもの障害の程度がこの就学基準に該当していれば、原則は特別支援学校に入学することとされていました。ですが現在は、就学基準に該当していても就学先が特別支援学校に限られることはなく、その他の進学先も検討することができます(後述する、「特別支援学校への入り方・相談方法」も参照してください。障害の程度が就学基準に達しない子どもについては、特別支援学級・通級による指導を受けるか、通常の学級に在籍して支援を受けることになります。両眼の視力がおおむね0.3未満の方、または視力以外の視機能障害が高度の方のうち、拡大鏡等の使用によっても通常の文字、図形等の視覚による認識が不可能又は著しく困難な程度の方両耳の聴力レベルがおおむね60デシベル以上の方のうち、補聴器等の使用によっても通常の話声を解することが不可能、または著しく困難な程度の方①知的発達の遅滞があり、他人との意思疎通が困難で日常生活を営むのに頻繁に援助を必要とする程度の方②知的発達の遅滞の程度が、①に掲げる程度に達しない方のうち、社会生活への適応が著しく困難な方①肢体不自由の状態が、補装具の使用によっても歩行、筆記などの日常生活における基本的な動作が不可能または困難な程度の方②肢体不自由の状態が、①に掲げる程度に達しない方のうち、常時の医的観察指導を必要とする程度の方①慢性の呼吸器疾患、腎臓疾患および神経疾患、悪性新生物その他の疾患の状態が、継続して医療または生活規制を必要とする程度の方②身体虚弱の状態が、継続して生活規制を必要とする程度の方文部科学省障害のある児童生徒の就学先決定について特別支援学校の教育環境出典 : 特別支援学校では、障害のある子どもたちが学習しやすいような環境やシステムが整えられています。また、通常学級の子どもたちと触れ合える機会が設けられるような配慮もされています。1クラス当たりの人数は平均で3人であり、少人数教育が行われています。特別支援学校の教員は、通常の教員免許に加えて特別支援学校の教員免許を持っています。様々な障害について基礎的な理解があり、また特定の障害について専門性を持った教員が子どもの指導にあたります。交流及び共同学習とは、障害のある人と障害のない人が互いに理解を深め、尊重し合える社会をつくるために、障害のある子どもたちと障害のない子どもたち、地域社会の人たちとがふれ合い、共に活動する機会を設ける活動をいいます。小・中学校、高等学校や特別支援学校の学習指導要領などにはこの交流及び共同学習を積極的に推進するよう示されています。例えば、小学校と特別支援学校の間での交流会が行われたり、特別支援学校の生徒が小学校の音楽・図画工作の授業や給食、昼休みや遠足などの学校行事に参加したりするなどの取り組みが行われています。また、地域社会の人たちとの間では、文化祭などの学校行事に地域の人たちを招いたり、地域での行事やボランティア活動に特別支援学校の子どもたちが参加したりするなど、地域や学校ごとに様々な工夫がされています。文部科学省交流及び共同学習ガイド障害の状態が重度であったり、もしくは重複していて特別支援学校に通学して教育を受けることが困難な子どもに対しては、特別支援学校の教員が家庭、児童福祉施設、医療機関等を訪問して教育を行っています。独立行政法人国立特別支援教育総合研究所(4)訪問教育における指導特別支援学校には、日常的に医療的ケアを必要としている子どもが多く在籍しています。医療的ケアは看護師などが行うことが原則ではありますが、保護者の同意や医療関係者による適切な管理など、一定の条件が満たされていれば、特別支援学校において教員がたんの吸引、経管栄養(胃ろう・腸ろう)、自己導尿の補助を実施することができるようになりました。これによって、医療的ケアの必要性から特別支援学校に通うことができなかった子どもも、特別支援学校への通学が可能になりました。独立行政法人国立特別支援教育総合研究所(3)医療的なケアを必要とする子どもへの対応具体的な教育内容出典 : 以上のような特別支援学校の特徴を踏まえて、具体的にどのような内容の教育が受けられるのかを詳しく見ていきましょう。特別支援学校では独自の学習指導要領が定められており、それに従った指導が行われます。特別支援学校の大きな魅力のひとつに、子どもの障害や発達の度合いに合わせたきめ細やかな指導がうけられることがあります。具体的な例として、「個別の指導計画」と「個別の教育支援計画」の立案・実行、自立活動、教科書についての配慮をご紹介します。■「個別の指導計画」と「個別の教育支援計画」の立案・実行「個別の指導計画」とは、障害のある子どもに指導を行うためのきめ細かい計画です。子どもの一人ひとりの教育的ニーズに対応して、指導目標や指導内容・方法を盛り込んであります。単元や学期、学年等ごとに作成され、それに基づいた指導が行われます。特に、後述する「自立活動」の指導は、この計画に基づいた内容になっています。「個別の教育支援計画」とは、他機関との連携を図るための計画をいいます。乳幼児期から学校卒業後までの一貫した長期的な計画である点が「個別の指導計画」との違いです。学校が中心となって作成しますが、教育・福祉・医療・労働などの関係機関と連携し、保護者の意見を聴くことなども求められています。独立行政法人国立特別支援教育総合研究所(4)個別の指導計画と個別の教育支援計画■自立活動自立活動とは、障害による学習上または生活上の困難を改善・克服するための指導を行うための時間です。「個別の指導計画」に基づいて子ども一人ひとりにあった指導目標が設定され、その目標を達成するような指導が行われます。例えば、身体の動きに困難のある子どもに対してはそれを改善するための指導が、コミュニケーションに不安のある子どもに対してはそれを支援するための指導が自立活動の時間に行われます。具体的な内容は子ども一人ひとりに合わせたものになっています。文部科学省特別支援学校学習指導要領解説自立活動編■教科書についての配慮特別支援学校では、小学校、中学校、高等学校と同じ教科書のほか、子どもの障害の状態に合わせて作成された教科書などが使われています。文部科学省が作成している教科書には、視覚障害者用の点字教科書、聴覚障害者用の言語指導や音楽の教科書、知的障害者用の国語、算数、音楽の教科書があります。また、これらの教科書以外でも、必要であれば他の教科書で学習することができます。例えば、知的障害のある子どもが、下学年の教科書を使って学習することも可能です。独立行政法人国立特別支援教育総合研究所(5)教科書子どもの障害や年齢によって、特別支援学校で行われる教育の内容は異なります。例えば、高等部では就職に向けての支援として、様々な職業訓練が行われているのが特徴的です。■視覚障害小・中学部では、小・中学校と同じ教科などを視覚障害に配慮しながら指導がされます。目が見えない子どもたちへは、よく触って物の形や大きさなどを理解したり、音やにおいなども手がかりとして周りの様子を予測したり確かめたりする学習や、点字の読み書きなどの学習をします。また、白杖を使って歩く力やコンピュータなどで様々な情報を得る力を身に付けるための学習も行っています。弱視の子どもたちには、ものの見える状態や程度に合わせて対象を拡大したり、白黒反転したりした教材を用意して学習します。高等部では、普通科での教育に加えて、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、理学療法士などの国家資格の取得を目指した職業教育を行っています。■聴覚障害小・中学部では、小・中学校に準じた教科学習を行うとともに、書き言葉の習得や抽象的な言葉の理解を目指します。さらに、発達段階に応じて指文字や手話を活用するなど、自立活動の指導にも力が注がれています。高等部では、普通科のほかに産業工芸や機械、印刷、被服、情報デザイン等の多様な職業学科が設置されています。最近では、聴覚障害者・視覚障害者の方を対象とした国立大学である筑波技術大学などへの進学を目指す生徒や、理容師、歯科技工士、調理師などの資格を取得して職業の自立を達成する生徒もいます。■知的障害一人ひとりの言語面、運動面、知識面などの発達の状態や社会性などを十分把握した上で、生活に役立つ内容を実際の体験を重視しながら、少人数の集団での学習を行います。小学部では、基本的な生活習慣や日常生活に必要な言葉の指導などが行われます。中学部ではそれらを発展させ、集団生活や円滑な対人関係、職業生活についての基礎的な事柄の指導などが行われています。高等部においては、家庭生活、職業生活、社会生活に必要な知識、技能、態度などについての学習が中心になります。それに加えて、木工、農園芸、食品加工、ビルクリーニングなどの作業学習を実施し、特に職業教育の充実が図られています。■肢体不自由子ども一人ひとりの障害の状態や、発達段階を十分に把握した上で、小学校、中学校、高等学校に準じた学習を行っています。それに加えて自立活動に力を入れており、身体の動きの改善を図ることやコミュニケーションの力を育てる指導などを行っています。また、病院で機能訓練を行う子どもやたんの吸引などの医療的ケアを必要とする子どもが多いことから、医療との連携を大切にした教育が進めてられています。高等部では、進路指導が重視しされています。企業や社会福祉施設と連携し、卒業後の生活を具体的に体験できるような実習が積極的に取り入れられています。最近は福祉施設への入所が多くなっていますが、企業に就職したり大学に進学したりする生徒もいます。■病弱小学校、中学校、高等学校とほぼ同じ教科学習が行われます。また、必要に応じて入院前の学校の教科書を使用して指導しています。また、自立活動の時間では、身体面の健康維持だけでなく、病気への不安感や自信の喪失などに対するメンタル面での健康維持のための学習を行っています。治療等で学習に空白がある場合は、グループ学習や個別指導による授業が行われます。病気との関係で長時間の学習が困難な子どもについては、学習時間を短くするなどして柔軟に学習できるような配慮がされています。文部科学省特別支援教育について(4)それぞれの障害に配慮した教育発達障害のある子は特別支援学校に入学できるの?出典 : 発達障害のある子どもに関してですが、知的障害の診断がなくても、就学相談の結果によっては特別支援学校への入学は可能です。秋田大学によるアンケート調査によると、回答のあった313校の特別支援学校のうち45.0%である141校に発達障害のある子どもが在籍していました。同研究によると、特別支援学校における発達障害のある子どもへの支援として、個別の対応による丁寧な対応や、ソーシャル・スキル・トレーニングを活用した支援などが行われています。一方で、特別支援学校での発達障害のある子どもに対する教育については、子どもの障害の特性に合わせた教育内容の編成の必要性や、教員の人員不足などが課題となっています。熊地需・佐藤圭吾・斎藤孝・武田篤「特別支援学校に在籍する知的発達に遅れのない発達障害児の現状と課題―全国知的障害特別支援学校のアンケート調査から―」特別支援学校と、特別支援学級・通級との違いは?出典 : 義務教育が始まる小学校入学の前に、お子さんをどの教育環境で育てるか迷う保護者の方は多いと思います。障害のある子どもの教育環境として、通常学級・通級・特別支援学級・特別支援学校の4つがあります。それぞれの対象となる障害の程度に明確な基準はありませんが、一般的に通級・特別支援学級・特別支援学校の順に障害への支援量は大きくなります。そのため、障害が軽度の場合は通級、より専門性の高い支援が必要な場合、特別支援学級や特別支援学校を検討する場合が多いと言えます。Upload By 発達障害のキホン通級とは、通常学級の学校に籍を置いて、通級指導の時間のみ通級指導教室に通って支援を受けるという制度です。子どもが在籍する学校に通級指導教室が無い場合は、通級指導教室がある他の学校に通って通級始動を受ける場合もあります。また、担任は通常学級の先生が受け持ちます。Upload By 発達障害のキホン特別支援学級に通う場合は、特別支援学級が設置されている学校に籍を置きます。基本的に特別支援学級で授業を受けますが、体育や図画工作、給食の時間は通常学級の子どもたちと過ごすこともあります。担任は特別支援学級の先生が受け持ちます。Upload By 発達障害のキホン特別支援学校に通う場合は、通学する特別支援学校に籍をおきます。また、通級・特別支援学級は通常の教員免許のみでも受け持つことができますが、特別支援学校の教員は通常の教員免許に加え、特別支援学校の教員免許を取得しています。通級・特別支援学級・特別支援学校のメリット・デメリット教育システムの違いから、通級・特別支援学級・特別支援学校それぞれにメリット・デメリットがあります。お子さんの学校選びの参考にしてみてください。■通級・通常学級での子どもとコミュニケーションをとる機会が比較的多い・学習面で通常学級の授業が受けられる・必要なフォローを受けられる・通常学級から離れる時間が気分転換になることもある■特別支援学級・給食の時間や昼休みなどは通常学級での子どもとのコミュニケーションなどの経験ができる・発達の程度に準じたカリキュラムで指導を受けられる・学校と相談しながら通常学級との行き来ができるようにもなる■特別支援学校・個々人の障害の程度に合わせたカリキュラムで、専門性を持った先生からきめ細かい指導が受けられる・高等部では職業教育が受けられる■通級・特別支援学級・在籍基準があいまい・すべての学校に通級指導教室や特別支援学級があるわけではない・高校では通級制度はまだ整えられておらず、特別支援学級も設置されていないのが現状(ただし、2018年度から高校でも通級指導を始めるよう文部科学省が準備を進めている)・学級数や受け入れ可能人数などに地域差が大きい・通常学級との行き来がお子さんのストレスになることもある■特別支援学校・通常学級の子ども、同世代の子どもと触れあう機会が少ない・転学・転校は可能だが手続きが必要・障害の程度によっては入学できない可能性がある・特別支援学校高等部を卒業しても、通常の高卒資格は得られない(ただし大学入学資格を得ることはできる)・地域差、学校差がある特別支援学校への入り方・相談方法出典 : 小学校へ入学するまでの流れは以下のようになっています(あくまで一例ですので、詳しくはお住まいの自治体にお問い合わせください)。■年中期~6月ごろ:情報収集お住まいの市区町村の教育委員会に問い合わせたり、ホームページを参照して、地域にある特別支援学校や、小学校の特別支援学級の有無などについて情報を集めましょう。また4月から6月ごろにかけて、教育委員会が幼稚園や保育園、発達支援センターや療育センターに「個人調査票」「就学に関する調査票」の作成を依頼します。通常の学級・学校に就学することに不安があると思われるお子さんについて、園やセンターは保護者の了承を得て調査票を作成します。そして該当のお子さんをもつ保護者向けに、教育委員会が就学についての説明会を行います。説明会では小学校全体および各種学級、特別支援学校ではどのような支援が行われているのか、就学指導・就学相談の流れ、手続きの方法などがアナウンスされます。ただし、私立や認可を受けていない保育園や幼稚園は教育委員会の管轄外なのでこういった情報が回ってこない可能性があります。その場合はご自身で市区町村の教育委員会に問い合わせをして、就学相談を受けることをおすすめします。■7~9月ごろ:就学相談園やセンターの調査票がなくても、市区町村の教育委員会へ連絡すれば就学相談を受けることができます。就学相談では、専門の就学相談員と保護者との面談(複数回のこともあります)を通して子どもにとって最適な就学先を決めます。子どもの状態を把握するための検査が行われたり、相談員がお子さんの在籍園・在籍校に赴いてお子さんの様子を確認することがあります。障害の状態、障害に基づく教育的ニーズ、保護者・専門家の意見、学校や地域の状況などを考慮して、就学指導委員会がお子さんにとって良いと思われる就学先を決定します。この決定に保護者の方が同意をすれば就学先が決定します。もし同意できない場合はその旨を教育委員会に申し立て、再度就学相談を受けることもできます。最終的には保護者の方の意向が尊重されます。就学相談では、子どもの状態を正確にしっかりと伝えることが大切です。医療機関で受けた診断書や療育手帳などがあれば持参することをおすすめします。臨床心理士による子育てのヒント|発達の気になるお子さんに発達障害就学指導・就学相談について■10~11月:就学時健康診断と小学校の選択就学時健康診断とは、小学校に入学する前に行われる健康診断のことであり、身体検査に加えて発達検査、知能検査等があります。お子さんの障害や発達の遅れについて、この健康診断によって初めて気づく場合があります。特別支援学校の対象で示した就学基準にお子さんが当てはまると思われる場合、就学相談・就学指導を受けることを教育委員会からすすめられます。就学基準に当てはまると必ず特別支援学校に入学しなければいけないわけではありません。就学基準に該当していても、学校教育法に定められている認定就学者(就学基準に該当する児童生徒で市町村の教育委員会が小・中学校において適切な教育を受けることができる特別の事情があると認める者)として小・中学校に入学、通級や特別支援学級に在籍するという選択肢もあります。出典 : 小学校は通常の学校に通っていたお子さんのなかには、実際にはもっと専門性の高い支援が必要であった場合などもあり、中学校や高校からは特別支援学校に通うということもあります。小学校から特別支援学校や特別支援学級で教育を受けていたお子さんが、特別支援学校の中学部に進学する場合、同じ学区域内であれば、小学校と中学校の先生、特別支援教育コーディネーターを通して教育内容が引き継がれます(特別支援教育コーディネーターとは、保護者からの相談の対応や福祉機関などの関係機関との連携・調査を行う教職員のことです)。お子さんが不安なく充実した学校生活を送れるように、お子さん本人の意思も尊重しながらよく話し合うことが大切です。進路に迷った時は、スクールカウンセラーや学校の先生、特別支援教育コーディネーターやかかりつけのお医者さんに相談してみましょう。まとめ出典 : お子さんの教育環境に悩まれている保護者の方はたくさんいらっしゃいます。大切なのは、お子さんが不安なく、のびのびと学校生活を送ることです。お子さんの性格や障害・発達の度合いにもよりますが、特別支援学校の良い点・悪い点を把握したうえでひとつの選択肢として考えることは、十分価値のあることでしょう。学校によっては見学会や説明会を行っているところもあります。また、文化祭などのイベントに行くことでも雰囲気や様子をつかむことができます。うちは中学から支援学校でお世話になりました。学校見学会には何度も行きましたし、文化祭にも行きました。夫と見学会に参加した時、うちの息子と似たようなタイプのお子さんがいて、その子がニコニコ顔で作業をしているのを見ました。そのまま息子が重なり、息子が笑顔でいる姿がすぐに想像できました。カンでしかないですが、そのカンを信じて、我が子を入学を決めました。今でもそのことは良かった、と思います。中高6年間で伸ばしていただきました。特別支援学校か、地域の学校か、ではなく「我が子が笑顔でいられる場所はどこか」で考えてみてください。ひとりで悩まずに、お子さんと学校へ見学に行ったり、周りの学校の先生やお医者さんなどに相談しながら、お子さんにとって最善の教育環境を考えてみると良いのではないでしょうか。文部科学省特別支援教育について文部科学省特別支援教育の推進のための学校教育法等の一部改正について(通知)
2016年07月20日こんにちは、佐原チハルです。東日本大震災、そして熊本・大分での震災では、実際に被災した人はもちろん、ニュースやSNSなどを見て大きな不安を抱えた人も多いのではないでしょうか。特にアレルギーなどの持病のある子どもがいれば、なおさらでしょう。そこで今回は、アレルギーっ子のいるママ・パパが特にしておきたい“備え” について、ママさんたちからオススメの対策を聞いてみました。●(1)全ての基本は“自宅の備蓄”をしっかりさせること『家での安全が確保されているなら、自宅避難でも大丈夫な場合があると聞いた。インターネットのニュースで「菓子パンでしのいだ」みたいな話も見かけたんだけど、卵・小麦アレルギーのあるうちの子には何も食べさせられなくなっちゃう。だったら家で避難できるなら家にいられた方がいいなって思って、備蓄はしっかりしておこうと決めた』(30代・ワーキングマザー)また、アレルギーフリーのビスケットなど、“おやつ”も必ず備蓄に加えるようにしている、という話も聞きました。『地震を怖がって食欲をなくす子どもがいたって、東日本大震災で被災した親戚が言っていました。好物のおやつは口にしてくれることもあったらしいので、備蓄に加えました。卵を使っていないお菓子は、探さないと見つけられないことも多い から、準備しておかないと不安だし』(30代・ワーキングマザー)『自分たちに必要なものは、自分たちで用意しておくのが一番確実。原材料の確認できないものを子どもには食べさせられないから、文字どおりの死活問題になっちゃう』(20代・ワーキングマザー)●(2)多少の薬のストックもできるようにしておくことアレルギー体質の子どもの場合、日常的に・毎日、服薬が必要であることも少なくありません。『常に5〜7日分くらいは余裕がある状態になるようにしている』(30代・ワーキングマザー)『あまり多くを長く置いておくことはできないから、数日分を、病院に行くたびに入れ替えでストックしている』(40代・専業ママ)薬の保存ができるか否かなどは、種類によっても異なってきます。また薬は、しっかりと診察を受け、適切なものを処方される必要があります。そのため、素人判断でむやみにストックし、医師の診断もなく使ってしまうことがあれば、かえって危険な場合もあります。継続している薬があるなどの場合は、まずはお医者さんや薬局の薬剤師さんに相談してみるのが一番です。また、“避難のとき”には、母子手帳と一緒に保険証やお薬手帳も、できる限り忘れず携帯するようにしましょう。●(3)自治体の備蓄を確認しておくこと『自治体の備蓄のアレルゲン対策状況 を問い合わせてみました。卵アレルギーに対応したものは用意があったのですが、小麦に関しては一切ない状況でした。うちは卵だったのでほっとしたけれど、小麦の人は大変ですよね……』(30代・専業ママ)『自治体に問い合わせてみたら、今は乾パン(小麦使用)だけれど、アルファ米に切り替えて行っている最中だと言われました。アレルギーへの視点があるということを知れただけでも、少し安心しました』(20代・ワーキングマザー)自宅の備蓄があっても、自治体の備蓄に頼るべき状況がやってくる可能性はとても高いです。あらかじめ確認しておけると、不安の種が減らせるかもしれませんね。----------日頃からの備えが、イザというときに本当に役に立つかどうかは、そのときになってみなければわかりません。しっかりと備蓄をしていても、それらを置いて避難するべき事態になることもあり得るからです。けれど、“もしも”のときに役立てられることがあれば、とても心強いですよね。アレルギーの子どものためにも、自分の不安を少なくするためにも、おうちや自治体の備蓄を再確認してみましょう。●ライター/佐原チハル(フリーライター)
2016年06月08日お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志(52)が、24日に放送されたフジテレビ系トーク番組『ワイドナショー』(毎週日曜10:00~10:55)で、震災時の"笑い"について持論を展開した。松本は、震災時のバラエティ番組の自粛について、「バラエティをやってはいけないとは思わないけど、内容と番組次第」と発言。「笑いって、仕掛ける方も仕掛けられる方もある程度の余裕がないと成立しないものだと思う。今回のように極度の緊張の中で中途半端な下手な笑いをやると怒りが生まれるのは当然だと思う」との考えを示した。そして、「許される笑いと許されない笑いがある」とし、「ダウンタウンの笑いはこういう時は不謹慎」と断言。「ダウンタウンはこういう時は出る幕はないなと思います」と話した。東野幸治が「どういうタイプのお笑いなら?」と聞くと、ウッチャンナンチャンや『笑点』を挙げ、「『笑っていいとも!』はよかった。安心感あった」と加えた。歌手で俳優の武田鉄矢は、「バラエティでだれが出てるかっていうのが安心のバロメーターになる」と意見。「松ちゃんが全部消えたっていう流し方をした場合、『何か悪いことがまだ起きるんじゃないか』。松本さんが出てくると、『大丈夫だよ、松ちゃん出てる』」と語り、「安定した日常のシンボル」と表現した。
2016年04月24日南三陸の女性を支援する「アマ・プロジェクト」株式会社エニグモが運営するソーシャル・ショッピング・サイト『BUYMA(バイマ)』は、3月11日(金)より、南三陸の女性を支援する「アマ・プロジェクト」と共に、エルメスのバッグ「バーキン」のモデルとなったジェーン・バーキンさんらが震災復興のためにデザインしたブレスレット・Tシャツ・トートバッグの販売を行う。アマ・プロジェクト(Ama Project)はフランス文学翻訳家、ファッションジャーナリストの村上香住子さんが、南三陸復興支援のために立ち上げた。amaにはラテン語の「愛する」と日本語の「海女」2つの意味が込められており、被災地に暮らす女性たちが手作りしたブレスレットを製造・販売して支援している。孤立しないように、みんなが出会う場を提供したいという思いから、2012年にスタートした注目のプロジェクトだ。手作りのぬくもり溢れるブレスレット南三陸で暮らす女性たちが1つ1つ、丁寧に編みこんで作った手芸のブレスレットはBUYMAだけの限定発売。今ならトートバッグやTシャツを購入するともれなくブレスレットが付いてくる。細い刺繍糸で編みこまれたブレスレットには、スワロフスキーのクリスタルがキラリと光る。 封筒にはジェーン・バーキン直筆のメッセージが入っていてパッケージもとてもかわいい。ボランティアや復興支援と聞くと何だかハードルが高い気がするが、ショッピングなら簡単に実感を持って支援することができる。画一的な商品にはない、あたたかみのあるブレスレットをつけたら毎日笑顔で過ごせそう。(画像はプレスリリースより)【参考】・株式会社エニグモのプレスリリース
2016年03月14日アライドアーキテクツは9月2日、SNSプロモーション総合支援プラットフォーム「モニプラ」において、企業が運営する公式YouTubeチャンネルのファン獲得を支援するサービスの提供を開始した。導入第一弾として、森永製菓の「キョロちゃんのムービーを見てチョコボールを当てよう! キャンペーン」を同日よりスタートしている。「モニプラ」は、SNSを活用したキャンペーンを基点に、Webプロモーションの成果向上をワンストップで支援するASPサービス。FacebookやTwitter、Instagramなど国内主要SNSのユーザーを対象に、写真コンテストやユーザー投票、アンケート調査などのWebキャンペーンを安価かつ容易に開催することができる。新サービスは、Webキャンペーンという間口の広いプロモーション施策と企業の「公式チャンネル」を掛け合わせることで、幅広いターゲットに向けて効率良く動画コンテンツを訴求することが可能となる。また、不特定多数のWebユーザーではなく、キャンペーンの応募ユーザー(=もとよりサービスに興味・関心を持つ消費者)を公式チャンネルへ呼び込むため、より高いプロモーション効果が期待できるという。さらに、応募ユーザーの情報はモニプラのデータベースに蓄積されるため、動画視聴後の商品・サービスに対する好意度の変化の計測など、動画を基点とした長期的なマーケティング施策に繋げることも可能だ。
2015年09月03日東日本大震災から4年半が経過し、震災前に近い生活に戻っている方も少なくないかもしれません。でも、被災地にとり残されたペットたちは、いまどうしているのでしょうか?福島県飯舘村を中心にボランティア活動を行っている『横浜わんニャンの会』代表、池田千代子さんに現状を伺いました。■600匹以上のペットたちが飼い主を待っている2015年8月現在、被災地にとり残されたペットたちは福島県飯舘村だけでも約600匹以上もいるそうです。ただし飯舘村を除く他地域において、現在野生化しているペットの正確な頭数を把握するのはほぼ不可能。また、飼い主を亡くしたペットたちは、仮設住宅に入れ連ないなど事情はさまざまです。「避難先から一時帰宅し、短い時間でもペットと触れ合える飼い主もいれば、選択の余地なく諦めざるを得ない飼い主もいます」と池田さん。しかも、給餌活動も容易ではありません。池田さんによると、各団体ごとにより給餌ポイント(活動拠点)を設けて手分けして活動しているものの、現地へ足を運べるのはせいぜい1週間に1度。その間、とり残されたペットたちは、空腹に耐えているのだそうです。いったい、どんな思いで人間を待っているのでしょうか……。さらにペットたちは、ボランティアによって避妊、去勢手術が行われるもすべての手術完了には至らず、2代目3代目と繁殖しているパターンも。まさに悲劇の連鎖です。■被災地のペットは私達の想像以上に過酷な状況下そして被災地のペットたちは、犬と猫で微妙に生活が異なります。犬たちはボランティアによってハウスが設置され、自由がきく長さを保てるリードにつけ替えられ、繋ぎ止めておけない猫たちは住み慣れた地で給餌ボランティアの訪問を待ち続けています。ただ冬場は雪に閉ざされるため、除雪をしてもすぐ雪は積もり、飲み水も凍る始末。犬や猫たちは、寒さに震えながらも冷たい氷を舐めて飢えをしのがなければならないのです。夏場も、毛皮のある犬や猫には過酷です。そこで池田さんたちは、暑さをしのげるようにハウスに屋根を取りつけたりしているそう。四季を問わずボランティア活動は続いているのです。被災地にとり残されたペットたちは、愛情を受けながらともに生活してきた過去があるだけに人間への不信感も薄く、ボランティアの訪問に体全体を使って喜びの表現を示すのだとか。すでに里親の元へ戻ったペットもいますが、それはほんのひと握り。廃墟と化した家屋や施設を住処にし、厳冬、猛暑のなかを彷徨い歩くペットたちも少なくないのです。しかも、人間がいなくなった土地は先住の野生動物たちの楽園と化しており、人間慣れしたペットたちと野生動物の生きる戦いも繰り広げられているそうです。■いまもペットや飼い主たちは苦しみ続けている人間に大事にされて生きてきたペットたちが、震災以降にサバイバルを強いられている。「彼らの生きる環境が、不幸である原因が、果たして彼らの罪によるものでしょうか」(『清川しっぽ村だより』より引用)ものいわぬペットたちはもちろん、家族同然で暮らしてきた犬や猫たちを手放さなければならなかった飼い主の苦痛はどれほどでしょうか。残されたペットたちも、昼夜を問わず飼い主を探し続け、いつか迎えに来てくれると信じていることでしょう。やせ細りながらも住み慣れた地を彷徨い、怪我をしながらも飢えと寒さ暑さに耐え続けるしかないペットたち。そうした現状が、いまなお途切れることなく存在しているのです。(文/池田モモ)【取材協力】※横浜わんニャンの会【参考】※清川しっぽ村(『横浜わんニャンの会』と『清川しっぽ村』は協力団体です)
2015年08月15日ソフトバンクモバイルは3月10日、東北の子どもたちへの継続的な支援・更なる強化を目的として、5月29日までの期間限定で東北3県ご当地のお父さん犬のスマートフォン用壁紙をプレゼントすると発表した。これは被災地の高校生対象給付型奨学金「まなべる基金」を運営する公益法人 東日本大震災復興支援財団や「子どもたちの未来の希望プロジェクト」などに取り組む南三陸町に対して、指定の「かざして募金」URLから継続寄付を行う人を対象に提供するもの。両者の取り組みはソフトバンクのWebサイトで確認できる。前述のプレゼントに加え、被災地の子どもの支援活動に毎月寄付できるオプションサービス「チャリティホワイト」に加入歴があるユーザーが、両団体に継続寄付した場合、ソフトバンクオリジナルの社会貢献バッジもプレゼントする。また、「まなべる基金」に寄付したユーザー全てに「まなべる基金」の支援を受けている高校生のメッセージをメールで送付するという。ソフトバンクモバイルでは、これまでも様々な被災地支援を行ってきたが、「一過性の取り組みで終わらせないよう、今後も被災地の継続的な支援に取り組んでいく」としている。かざして募金は他社スマートフォンやPCからでも申し込み可能となっており、同社Webサイト下部に記載されているURLより申し込める。
2015年03月11日1995年1月17日に起きた阪神・淡路大震災からちょうど20年。防災について考えをめぐらさずにはいられないが、会社員にとっては「オフィスで震災にあってしまったら」という想定も必要だろう。三井不動産は1月16日、霞が関ビルディングにて、入居企業を招いた「オフィスワーカーにわかりやすい防災訓練見学会」を行った。訓練の様子と最新の防災センターから、オフィスで被災した場合の対応を探っていきたい。○オフィスで震災にあった場合訓練はオフィス内で地震に遭遇した場合を想定されて始まった。地震速報に続き揺れが襲ってくると、全員まずは机の下に。ヘルメットをかぶり、揺れがおさまるのを待つ。ここで気を付けなければいけないのは、キャビネットなどの倒壊だ。今回は、壁際にいた社員に倒れ掛かってきて足がはさまってしまったという設定。数人で動かそうとするも、びくともしない。同ビルでは、落ち着いてビル内の防災センターに連絡することを呼びかける。程なくしてバールと担架を持ったセンター員が駆けつけ、バールを使用してキャビネットから社員を救出することに成功した。一方、地震のショックにより心配停止となった社員に対しては、心臓マッサージとAEDによる応急手当てを。救急車が到着するまでの時間は平均6分と言われている。まして震災にあっては、その場の手当てが重要となってくる。「エディ、大丈夫か!」声をかけながらの手当てにより、心臓が動き出したエディ。担架に乗せる場合もAEDは外さず、またなるべく大勢で担ぎ上げることが必要だという。ここで火災の発生が確認された。1人が防災センターへ連絡している間、ほかの2名が消火器を使用するが、火の勢いはおさまらない。そこへやってきた防災センター員はビル内の消火栓より放水、無事に火を消すことができた。○最新の防災センターとは同ビルでは、1月16日に防災センターをリニューアル。ロビー側の壁面をガラス張りにし、内部で何が起こっているのかオフィスワーカーにわかりやすく、災害時だけでなくふだんの訓練の様子も随時見られるようになったそうだ。さらに両脇に設置したデジタルサイネージで随時情報を提供できるようになった。また、防災センターの機能向上として、9面マルチモニターの情報ウォールや電子ホワイトボード、執務デスクの監視モニター設置など、災害時の対応の見える化、迅速化を進めたという。地下3階地上36階のビルに組み込まれたデータを取り込み、破損箇所がないか、あるとしたら規模はどのくらいかなど、自動で解析することも可能だ。1日の多くの時間を過ごすオフィス。何かあったときに在席している可能性は高い。これを機会に、災害時会社でどのように行動するべきか、また会社やビルの対応は問題なさそうなのか、確認しておくことをおすすめしたい。自分の身を守るために行動できるのは自分しかいないのだから。
2015年01月17日積水ハウスは、震災の教訓を生かした仮設トイレ「おりひめトイレ」を仙台市と共同開発した。○仮設トイレの不満を解消おりひめトイレは、従来の仮設トイレの不満を解消すべく、洋式便座、防犯ベルを設置するなど女性や子供も安心して使えるように開発されたトイレ。宮城県内の避難所の巡回調査では、仮設トイレの利用を我慢したため健康被害が生じたという事例が報告されている。同社が2013年に実施したアンケートによると、現状の仮設トイレは「汚い」「怖い」「臭い」という印象を持たれているということが明らかになったとのこと。今回のトイレ開発に当たっては、同社女性従業員や仙台市内の女性デザイナーが開発メンバーとして参加。同トイレは仮設住宅の住環境改善だけでなく、イベントや建設現場など屋外で働く女性の労働環境改善にも役立てられるという。トラックに積載可能であるため、全国で使うことができる。同社は今後、試験設置による利用者の聞き取り調査などを実施して改良し、事業化を目指している。
2014年05月13日女の子をめいっぱい楽しんでチャリティにラフォーレ原宿6Fのラフォーレミュージアム原宿にて、3月24日の11:00~19:00、「乙女パズル・3 in ラフォーレ原宿」と題し、“乙女”による震災復興支援の大型チャリティーイベントが開催される。“カワイイ”をめいっぱい楽しみながら、チャリティに協力できる注目のイベントだ。この「乙女パズル」は過去2回開催され、好評を得た第3弾。質の高いクリエイターやデザイナー、ラフォーレ館内のショップ、人気の雑貨や、webshopなど、それぞれ個性あふれる約90のブランドが集う。「買える・遊べる・話せる・食べる」素敵な時間をあなたもフロアはまさに“カワイイ”もので埋め尽くされ、お気に入りのアイテムをデザイナーやショップオーナーと直接話したりしながら、購入することができる。お菓子やほっこり癒されるフレーバーティーを味わいながら、参加者同士でのおしゃべりも楽しめるカフェコーナーなども登場。女の子ならではの楽しい時間を、存分に満喫することができるだろう。カワイイに囲まれ、乙女な時間で自分も幸せな気分になれるうえ、東日本大震災の復興支援へとつなげられるチャリティにもなるということで、幸せ感はさらにアップ。現在、公式サイトで来場申込みも受け付けている。あなたもこの休日を素敵な「乙女パズル3」で過ごしてみては。元の記事を読む
2013年03月21日