小学校教師の青年を中心に、彼が受け持つ4年2組の児童たち、近隣で独り暮らしをする老女、つらい過去にとらわれて幼いわが娘に手をあげてしまう母親を描く群像劇『きみはいい子』。昨年、『そこのみにて光輝く』で邦画界を席巻した呉美保監督の最新作で、高良健吾は仕事にまじめに取り組むものの、まだどこか頼りない新米の教師・岡野を演じている。現在、放映中のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」の高杉晋作を始め、これまで様々な役を演じてきた高良さんだが、教師役はこれが初めて。「撮影前の方が不安で、いろいろ考え過ぎてました。“子供たちはすごい”とよく聞くじゃないですか。本当にそうだと思うんです。そういう子たちが目の前に児童として何十人もいるということに不安があった。自分がちゃんと向き合えるのかと。でも撮影に入ったら、子どもたちが『先生、先生』と言ってくれて、新米教師にしてくれた感じです。そんなところは岡野の置かれた環境とも重ねています」。出演しているほぼ全員が北海道に暮らす子供たちだ。「僕のクラスは、東京から来ていたのは1人だけかな。ロケ地だった小樽の学校に通う子たちもいるし、もっと遠くから通ってきてくれた子もいました。一般の子もかなりいましたね」。演技経験の有無に関わらず、40人近い子供たちを前にすると「それだけで大変です。エネルギーがすごくて」と笑う。「でも、それでいいと思うんです。それが当たり前だし、僕たちも同じ道を通ってきた。だから楽しかった」。子供たちについて語る時の表情は優しく、幸せそうだ。クラス内のいじめ、親からの抗議など、次々と降りかかる問題に正面から向き合え切れずにいる岡野。多様な境遇の子供たちとどう接するか、悩みながら進んでいく彼はある日、児童たちに宿題を出す。その課題が何かは映画館で確かめてもらうとして、翌日、宿題を実行した感想を子供たちが話す場面はこの作品のハイライトの1つだ。「呉さんが前日に『高良君、今日は本当に宿題出して』と。『明日、それを聞いていくのを一発で撮っていくから』と言われて、その通りにみんなに宿題を出して、次の日の朝イチに撮ったのがあのシーンでした」。子供たちの言葉、表情は真に迫っている…というか、まさに本物。照れ隠しなのか、選ぶ言葉と表情が裏腹だったり、シンプルながら心に刺さる表現が飛び出したり。「本当に尋ねていったから、子供たちの反応はリアルです。ああいうやり方でないと引き出せなかったと思います。子供たちにカッコつけさせないというか。書かれたセリフでは決して出て来ない言葉です」。ここは、高良さんの聞く力が発揮されたシーンでもある。今まで何度か取材をしているが、彼はそのたびに「相手を聞くことを心がけている」と演技について語っていた。教室でも彼は岡野として、相手を聞いて、見て、反応する。「聞くのは大切。たぶん、見るより」と彼は言う。「実は呉さんにレールを敷かれてたのかと完成作を観て、そうすごく感じていました。何気なく言われたひと言に『ああ、そうですよね』と言ってやったことが、映像で観るとすごく効果的になってる。撮影の中盤ぐらいかな。『岡野もこれからどうなっていくか、分かんないですよね』と僕が言ったら、『いや、これからも壁にぶち当たりますけど、岡野は大丈夫なんですよ』と何気なく言っていたようなことがすごい効くんです。呉さんの“それ”を拾うか、何か思うかということでもあるとは思うんです」。優柔不断な岡野が、教師として一歩踏み出そうとするきっかけになるのは、放課後や休日も校庭の隅に1人でいる児童・神田。演じる浅川蓮は、東京から参加したプロの子役だ。「あの子はリハーサルの時からすごかった」と高良さんは振り返る。「普段は子供として接してました。だけれど、演じるときは『君は東京から来てて、これだけ面白い役もらっているんだから』と、期待をするというか、先生役をしてるからこそかもしれませんが、他の子よりは厳しく、というか特別に接したところはありました。彼はこれからも役者をしたいって言ってたから」。少し前までは、撮影現場で最年少ということも多かった高良さんが、年若い後輩を思いやるようになっていた。「役が変わってきたのもあると思うんです。以前とは全然違う役がもらえるようになってきた」。そして「僕が30になったら、もっと変わるんですよね、たぶん」と言う。「その時に、今の感じのままやっていたら、30代になったときにできない役が多過ぎる。それは嫌なんです。だから、30歳になる前に片付けておきたい宿題が自分の中にいくつもあって、それを今やってるという感じです」。やっぱり変わった。彼は変わった。以前は「役者を続けていきたいのか、分からない」と何度も言っていたのだ。「あの頃は本当にそう思ってたから。でも、なんだろう。逃げなくなったんですよね、きっと。前はどこかアマチュア気分だったんです。自分なんて、と卑屈になってた。それがなくなったんだと思う。反省とか後悔は自分にパワーをくれるけど、卑屈はダメージだけで何もない。そう思ったんです」。伝えたい言葉を丹念に探しながら話すところは今も変わらない。だが、語る口調が違う。悩みながら一つ一つ得た確信がにじむ、健やかな自信を感じさせる。撮影は昨年、1カ月ほどかけて北海道の小樽で行われた。「行きっぱなしで、東京にも帰らずでした。今回は僕にとって初のパターンで、昼の撮影が多かった。夜はほぼ無しでした。学校のシーンがほとんどだったので。なので、夜は小樽を楽しみました」と笑顔で語る。その楽しみ方は、「とにかく寿司ばっかり食べてました。全然違います。これだけいいネタをこれだけ食べて、この値段って(笑)」。そんな風に楽しむ余裕が出てきたのも、大きな変化だ。「役のおかげだと思います。出られると思えたんです」。小樽の街を歩いていると、声をかけられる。「もう撮影しているのをみんな知っていたから『頑張ってね』とか。それが面白かったです」。今回に限らず地方ロケに行ったときは、時間を見つけて走るようにしているそう。地理を知るためというより、「知らない道を走るのが好きなんです。あと、体を動かすときにしか考えられないことってありますよね。ニュートラルになる時間を作ってるのかもしれない」。他者を無下に拒絶せず、それでも自分だけの時間を大切にすることも忘れない。彼らしさを失くさない生き方だ。メディアに登場するときもプライベートでも、いつもオシャレな着こなしが注目される高良さん。「服は好きです。昔から。趣味かもしれない」と自ら認めるが、仕事に着て行くのは「ジャージが多いです」。現場には役に合わせた衣裳が用意されている。「だから、動きやすさで選んでます。脱ぎやすい靴とか。現場に行く時だけは、あまりオシャレはしないかもしれないです(笑)」。最後に、映画のキャッチコピーのひとつ「抱きしめられたい、子供だって、大人だって」について、どう思うか尋ねてみた。「こういうのもあるだろうし」と実際に何かを抱きしめる仕草をしてみせ、「ここもあるだろうし」と胸を軽く叩いてみせて、「本当に抱きしめられて、肌と肌でしか感じられないこともあるじゃないですか。それがこの映画の中ではたくさん描かれてる」と言う。「自分を思うと、実際はそんなに抱きしめられた記憶はないんです。でも、それ以上のことをもらっていたという実感はある。だから、この場合の“抱きしめる”ということは向き合うということだと思っています」。1つの町で3つの物語がゆるやかに繋がり、誰かに愛された記憶の大切さを描く作品だ。「いろんな人がいて。1人じゃなかった。繋がってた。完成作を観て、ゾワッとしました」。劇中で、岡野の姉で幼い息子を育てている薫は、悩む弟に向かって「子供を可愛がれば、世界が平和になるわけ」と明るく言う。高良さんは「僕はあのセリフを綺麗事じゃなくしたい」と語る。「綺麗事だという意見も分かるような、分からないような気もするけど、実践していった方がいいに決まってるから。言葉として、映像として響くものであってほしいと思う。そうだと信じているし、綺麗事じゃなく、僕は本当にそう思いたい」。彼の言葉には、慈しまれ、愛情深い人に育ったからこその説得力がある。
2015年06月25日人気若手俳優・高杉真宙の舞台初主演が決定。11月19日(木)より、東京・Zeppブルーシアター六本木で上演される舞台『TRUMP』に出演する。舞台『TRUMP』チケット情報同作は、大阪演劇界の旗手・末満健一(作家・演出家・俳優)の代表作。2009年の初演から大阪の小劇場で繰り返し上演され、2013年に東京で上演されたDステ版は15,000人を動員した人気作だ。不死を失った吸血種「ヴァンプ」の少年たちの物語。少年たちは「生」を求めて、永遠の命を持つトランプの不死伝説に翻弄されていく。高杉は日替わりでふたつの役どころに挑戦。優秀だが、人間との混血のため忌み嫌われるソフィ、指折りの名家に生まれながらソフィに心ひかれていくウルの二役を演じる。出演はほかに、平田裕一郎、田村良太、岡田達也(演劇集団キャラメルボックス)、吉田メタル(劇団☆新感線)、末満健一。東京公演は11月19日(木)から29日(日)まで。その後、12月5日(土)・6日(日)に大阪・サンケイホールブリーゼでも公演。公演チケットの一般発売は8月29日(土)午前10時より。
2015年06月17日リクルーティングスタジオは4月9日、スマートフォンアプリ「幕末村を作ろう! 」iPhone版のリリース記念として、月間400万アクセスあるスマートフォンアプリ「名字由来net」およびWEBサイト「名字由来net(Web)」から「幕末村の登場人物名字ランキングベスト30」を発表した。なお同ランキングでは、同アプリとサイトのデータベースから、電話帳データをもとに実世帯が確認できるもののみを集計。人数の少ない順にランキングを作成した。その際、全国人数の数値は四捨五入で算出した。1位となった名字は、明治維新後も外務大臣として治外法権の撤廃に貢献した陸奥宗光(むつ むねみつ)の名字である「陸奥」となった。「陸奥」は全国におよそ60人の珍しい名字で、現在の青森県・岩手県・宮城県・福島県にあたる旧国名"陸奥"にルーツがあるとされている。陸奥宗光は紀州(現在の和歌山県)の出身だが、"陸奥"を治めていた戦国武将・伊達政宗(だて まさむね)の子孫とされている伊達宗広(だてむねひろ)の息子として生まれたため、自身のルーツがある陸奥国の姓を名乗ったと言われている。2位には、公家出身で明治維新後は内閣総理大臣を務めた西園寺公望(さいおんじ きんもち)の名字「西園寺」がランクインした。「西園寺」は全国におよそ300人みられる名字で、公家の「西園寺」家は藤原氏公季流とされている。3位の「松方」は、明治維新後は日本銀行を設立するなどの功績を遺(のこ)した松方正義(まつかた まさよし)の名字。現在は大分県や宮崎県に多くみられるという。8位には"維新の三傑"の1人である西郷隆盛(さいごう たかもり)の名字「西郷」がランクインした。人数の多い順で集計すると同姓の全国順位は2,616位となるが、西郷隆盛の出身地である鹿児島県での順位は657位で、同県に最も多い名字となっている。15位は木戸孝允(きど たかよし)の名字「木戸」となり、木戸孝允の出身地である山口県にはおよそ300人が住んでいる。また、明治維新に大きな影響を与えた坂本龍馬(さかもと りょうま)の名字「坂本」は25位となった。坂本龍馬の出身地である高知県にはおよそ5,700人の「坂本」姓の人が住んでおり、多い順に集計すると同県内での順位は12位となる。そのほか、木戸孝允や高杉晋作(たかすぎ しんさく)などの師であり松下村塾を開いた人物でもある吉田松陰(よしだ しょういん)の名字「吉田」が29位にランクイン。同姓は全国におよそ86万5,000人みられ、多い順での全国順位は11位となっている。Copyright(c)2007-2015 Recruiting Studio INC. All rights reserved
2015年04月13日●死ぬ役への羨望に「じゃあ、やってみろよ」今年、俳優デビュー10周年を迎えた高良健吾。テレビドラマ『ごくせん』(05年)から役者としての道を歩みはじめ、2012年に『軽蔑』で第35回日本アカデミー賞新人俳優賞、2013年に『苦役列車』で第36回日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞するなど、着実にキャリアを積み重ねてきた。演技力の高さが招いたことなのかもしれないが、彼のこれまでを振り返る上で、避けては通れないのが「死ぬ役が多い」ということ。『ノルウェイの森』(10年)では自殺、『潔く柔く』(13年)では事故死、『罪と罰 A Falsified Romance』(12年)では殺人者、現在放送中の大河ドラマ『花燃ゆ』で演じている高杉晋作は病死。『千年の愉楽』(13年)では死ぬシーンの撮影が自身の誕生日ということもあった。そんな「死」と向き合う日々を、「楽しくない毎日」と辟易していたこともあったが、思わぬ形で実を結ぶ。14日から公開される映画『悼む人』で彼が演じるのは、全国各地を巡りながら"悼みの旅"を続ける坂築静人。亡くなった人の生前「誰に愛され、愛したか、どんなことをして人に感謝されていたか」を覚えておくために最期の地に赴き、片膝をつきながら魂を拾い上げるように胸に手をあて、その人物の半生を暗唱する。赤の他人へのその行為は初めのうちは「奇行」と受け取られるが、真摯に平等に「死」と向き合う姿勢は、次第に周囲の人々に影響を与え始める。役を通してさまざまな「死」と向き合ってきた高良は、この静人をどのように演じたのか。そして、多くの死を受け入れてきた彼の職業観はどのように自身の死生観へと繋がるのか。高良の「死」と「生」を探った。――「悼む」という言葉の意味を、もう一度見直すきっかけにもなる映画だと感じました。「悼む」という行為は、きっと誰もがしたことがあると思っていて。ただ、静人のやり方だから、ちょっと特別に見えているところがあると思うんです。でも、静人がやっていることは「命に差別をしない」ということ。例えば、幼児虐待のニュースなんかを見ると「きついな」と思ってしまいます。事件が起こるとだいたいの人は加害者の方に関心がいって、被害者の方はあまり覚えていないと思うんです。でも、静人は亡くなった命に対して悼んでいる。それはすごいことだなと思いました。この役をみんなで共有しようとしたり、この人間を分かってもらおうと思ってやると、外に気持ちが向きそうな気がして。静人の悼むセリフだったり、悼む行為が映画の中では徐々に理解されていく。だから、僕が必要以上に客観性を持ちすぎると、この映画の方向性が間違っていきそうな気がしたんです。「演じる」より、「居方」。僕はただただ主観で、自分が思う静人をやるべきだと思いました。――これまで役柄を通して多くの「死」と向き合ってこられましたが、本作を通じての変化は?同じ死は1つもなくて、いろんな死がありました。殺された人、自分で死んだ人、寿命で死んだ人、事故で死んだ人。でも、なんで「死」を考えないといけないんだろうと思っている時もありました。役のおかげで成長できること、気づくことはたくさんありましたが、役のせいで考えさせられたりもした。人を殺す時の気持ちなんて考えたくないし、自分から死ぬ気持ちも考えたくない。その役をうらやましがられるのがすごく嫌で、「じゃあ、やってみろよ」と思ってしまうこともありました(笑)。この映画でいえば、静人自身の死の向き合い方が2回ほど変わっていると思っているんですよ。母の死と妹の出産。物語はその手前で終わっていますが、それは静人だけが感じることができる死と生。そういう気持ちを現場でも感じていこうと思っていました。●役者にとっての「ご褒美」とは?――ニュースを通して多くの人の「死」が伝えられていますが、その見方は変わりましたか。変わりました。被害者の方が気になるようになりました。ほとんどの人が加害者とその家族に関心がいく。被害者のことは、たぶんほとんど知らないと思うんです。そういう見方をすると、ほとんどのニュースが加害者側のことを中心に伝えられているのが分かります。役によって死の向き合い方も違いますし、生の向き合い方も違います。全部の役で感じ方は違いますけど、すべて「通ってきた」と思っています。どんなにどうしようもない生き方でも、自分がその役をやらせていただいて死に触れると…やっぱり悲しいですよね。――大変な作業ですね。それは「仕事」と思うとできます。そして、大切なことだと思っています。やっぱり、「自分がやりたいことだけ」というのもすごく大切だけど、それは与えられたものの中でもできることだなと。「仕事」と思うことでプロにならなければいけない。それを最近感じることができるので、楽しいですね。――俳優としてデビューしてから10年の節目を迎えました。どの時期からそれを実感したのでしょうか。常に考えていたと思うんです。だけど、自分の場合は「やれるかわからないけど、現場でやってみよう!」という勢いがあった。勢いだけでいく瞬間。でも、それって確かなものではない。自分がずっと目指してたことなんですけれど、今は「呼ぶ」という感じ。責任感なのかもしれませんが、それは仕事で、やらなきゃいけないこと。気持ちを作った上で奇跡を待つこともたくさんありましたが、今は気持ちを作った上で「呼ぶ」という感じです。去年やった仕事は自分の中でそれが見えた気がしました。主演という立場で客観的になって考えると、伝えるということはすごく大切になってくると思うんです。でも、それが「この人間を伝える」というとはちょっと違う。芝居としては意図してやらないといけないので、大事なのはそのバランス。主観になれば自分が正しいと思うことを迷いながらやることができる。それをやったら誰かに伝わる。そして、映画の中に静人がいる。いつもそこを目指しているんですが、特にこの作品は主観を意識してやっています。この作品の僕を「抑え気味」という人もいましたけど、僕の中での静人はこれ以上できません。これ以上、僕が静人を主張するといやらしくなる気がするんです。だから、演じるというより「居方」の方を気にしています。ただ、静人がやっている行為は批判もされるだろうなと。それは自分でも分かっていますし、迷いもあります。誠実に命と向き合いながらやればその生き方は誰も否定できない。僕はそれは最低限しないといけないなと思っています。――自分が死んだ後も出演した作品が形として残り続けることについてどう思いますか?自分が死ぬ役をたくさんやらせてもらったからかもしれませんが、「いつかは死ぬ」ということは自覚しています。それは事故のように突然なのかもしれません。高倉健さんや菅原文太さんの作品を観ると、その当時の年齢でお二人が映画の中で生きていて、僕たちはそれを観て感動したりする。それはすごいことですよね。僕がやっているのは、そういう仕事なんだなと感じます。『M』(07年)を観ると18歳の僕が死なずにずっとそこにいる。何十年経ってもその時の僕はその作品の中で生きている。相当なご褒美だなと思います。それはこの世界に入ってから気づいたこと。好きな役者さんが亡くなった時に作品を見てこう思うんです。「でも、生きてる」と。■プロフィール高良健吾1987年11月12日生まれ。熊本県出身。2006年に『ハリヨの夏』で銀幕デビュー。2007年に『M』で第19回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門特別賞受賞以降、さまざまな話題作に出演。2011年にNHK連続テレビ小説『おひさま』で第36回エランドール賞新人賞・テレビガイド賞、2014年にブルーリボン賞主演男優賞など、数多くの映画賞を受賞した。今年は他に、主演映画『きみはいい子』が初夏に公開。
2015年02月14日『そこのみにて光り輝く』(2014年)でモントリオール世界映画祭最優秀監督賞を受賞した呉美保監督の最新作『きみはいい子』(6月公開)のビジュアルが、このほど公開された。本作は、第28回坪田譲治文学賞、2013年本屋大賞4位に輝いた同名小説(著:中脇初枝 )が原作。子供にまつわる現代の問題をはらみながらも、人が人を愛することについて描く。出演は、『横道世之介』(2013年)でブルーリボン主演男優賞に輝き、NHK大河ドラマ『花燃ゆ』の高杉晋作役で注目を集める新進の高良健吾や、『そして父になる』(2013年)などに出演し、演技派としての地位を固めつつある尾野真千子らが務める。公開されたビジュアルは2パターン。問題に真っ向から立ち向かえない新米教師に扮(ふん)した高良バージョンと、自身も同様の経験をしているにもかかわらず子どもに手をあげてしまう母親を演じる尾野バージョンが完成した。「抱きしめられたいのは、子どもだけじゃない-」のコピーに寄り添うように、複雑な感情をたたえた2人の表情が印象的なビジュアル。それぞれが抱える問題にぶつかりながらも、なにげない言葉や行動によって小さな救いの光が差す本作を象徴する内容になっている。そのほか、尾野演じる母親のママ友を『そこのみにて光輝く』で新境地を開いた池脇千鶴が演じ、ほかにも高橋和也や富田靖子などベテランの俳優陣が脇を固める。
2015年02月13日まるで絵本の「100万回生きたねこ」である。死んでは生まれ変わり、違う人生を歩む猫。作品ごとに全く違う人物の人生を生きる役者の仕事は、それと似ているかもしれない。演じている役柄が死を迎えることは何も珍しいことではない。それにしても、高良健吾が10年のキャリアの中で、役柄を通じて向き合った「死」の数は、同世代の俳優と比べても群を抜いている。特にキャリア前半、死の影を感じさせない作品の方が少ないくらいだ。「殺されたやつもいるし、自分で死を選んだやつ、寿命の場合もあれば、事故で死ぬこともありました。ひとつとして、同じ死はなかったですね」。ひとりひとりが違う人生を生き、違う死を迎える。生真面目であるがゆえに、演技とは言え、死と向き合うたびに心をすり減らした。「なんでこんなに考えなきゃいけないんだろう?という思いはありました。役のおかげで成長できること、気づくことはたくさんあったけれど、同時に役のせいで人を殺す時の気持ちや、自ら死を選ぶ気持ちについて考えなくちゃいけなくて…。周りからは、そういう役を羨ましがられることも多かったけれど、それがすごくイヤで『じゃあ、やってくれよ!』と思うこともありました」。そんな彼が、俳優生活10年目に運命的な出会いを果たしたのが、天童荒太の直木賞受賞小説を原作とした映画『悼む人』である。巡礼のように全国を歩き、各地で死者を悼み、彼らが生前、誰から愛され、誰を愛し、どんなことをして人から感謝されたかを胸にとどめようとする青年・静人。映画の完成報告会見の席で高良さんは「いままでやってきたことは全て、この役のために必要なことだったのかと思えた」とまで語った。否応なしに生と死を見つめた10年、そして『悼む人』が教えてくれたこと――NHK大河ドラマ「花燃ゆ」への出演でも注目を浴びる27歳がその胸の内を明かしてくれた。「命を差別しないこと」――。全国津々浦々を回り、不慮の死を遂げた人々を記憶にとどめようとする静人の「悼む」という行為を高良さんは、そう分析する。そして、静人のそうした死の捉え方は、高良さん自身の死の見つめ方にも大きな変化をもたらした。「例えば殺人事件が報じられると、ほとんどの人の目が加害者の方に行ってしまう。『(犯人は)こんな奴だったのか!』『そういうことしそうな雰囲気があったよね?』といった具合に。でも、静人は亡くなった命に向き合う。そこに対しては共感というよりも、すごいなと思いましたし、僕自身も、変わりました。ニュースを見ていても被害者の方を見るようになりました。みんなが知らない被害者がどうなったのか?と考えちゃいます。それはこの作品以前はなかったことだし、その視点で見ていると、ニュースというのはほとんど加害者中心なんだと感じさせられます」。高良さんのこうした言葉からも、静人の存在、生き方が持つ強いメッセージが感じられるが、演じる上で高良さんが選んだのは、メッセージを「伝える」というのとは正反対ともいえるアプローチ。ひとつ確かな拠り所となったのが、大竹しのぶが演じる母が静人について尋ねる記者に言う「あなたの目に静人はどう映りましたか?」というセリフだった。「静人という人間を『分かってもらおう』という気持ちでやると、気持ちが外に向いてしまう気がしたんです。静人の“悼む”という行為は映画の中で分かっていくもの。僕が必要以上に“客観性”をもって演じると、映画の方向を間違えてしまうと思い、“演じる”ということよりもそこ(=現場)での“居方”を気にしていました。母の『あなたにどう映りましたか?』という言葉を聞いて、僕が思う静人を演じるべきだと思いました」。引いた目で客観的に観客に「何を伝えたいか?」と考えて演じるのではなく、あくまで静人として現場に立ち、主観的に生き、その姿をそのまま観客に委ねた。「例えば、自分がこの映画の主演ということを考えると“伝える”ということがすごく大切になってくると思うんです。でもそれが『静人という人間を伝える』ということになるとやはり違うと思う。そこで(静人になりきって)主観で演じれば、迷いながらも自分(=静人)が正しいと思うことをやることになる。そうやって静人の気持ちを大切にすれば、見る人が何かを感じてくれる、誰かに伝わると信じていました。それは難しいことだったけど、振り返ったときに、確実に(静人が見ている)この景色を僕も通ったし、(静人が歩んだ)この道を僕も歩んだ。この人を僕は“通り過ぎた”という感覚がありました。静人の行為に対して、おそらく批判もあるだろうし、それは彼自身も分かってて、迷いも自分の中に持ってる。そうした“見えないもの”が伝わると信じてやっていました」。本作が特別な作品となったことは事実だが、それはこれまで幾多の「死」を積み重ねてきたからこそ。例えば『千年の愉楽』の現場ではちょうど25歳の誕生日に死ぬシーンの撮影が行われ「25年前のこの日に生まれて、でもこうやって役で死んでる」と不思議な感慨に襲われたという。毎回、死生観を揺さぶられる。「どんなにどうしようもない奴の役だったとしても、演じていて死が近づいてくると哀しくなります」とも。いまさらながら、生半可な気持ちでできることではない。「でも、それを“仕事”と思うと出来るんです」――。そう語る声は心なしか少し、楽しげである。「仕事だからやらないと…」という思考は一見、ネガティブに聞こえるが、もちろん、そうではない。「仕事だという感覚はすごく大切だと思います。趣味じゃないんだと。自分のやりたいことだけをやるというのも大切なことかもしれませんが、実はそれ(=やりたいこと)は、与えられた仕事の中でできることなんだなと最近、思うようになりました。仕事と考えることで、プロにならなくてはいけないと感じてて…だから最近、楽しいのかな?」さらに、10年の中での仕事そのものへの向き合い方の変化についてもこう言及する。「やれるかどうか分からないけど、現場でやってみようという、どこか“勢い”だけで行っている瞬間があったし、そうやってできてもいたんですが、それは決して確かなものじゃないんです。自分が目指しているのは『おれが呼ぶよ』という感じ。仕事である以上、やらなきゃいけないし、呼ばなきゃいけない。これまでも奇跡を『待つ』ということはありました。気持ちを作った上で。でもいまは、気持ちを作った上で奇跡を『呼ぶ』という感覚なんです」。求められる役柄に関しても、ここ数年で、死と隣り合わせのものばかりでなく、明るさや希望に満ちた人物を演じる機会も増えてきた。それを素直に「嬉しい(笑)」と感じている。「いろんな自分に逢いたいって思います。いろんな役をやりたいし、すべきだなと。さきほどの『仕事』の話じゃないですが、以前は『これは僕じゃない』と思っていた仕事もあったんです。いまは『この1行のセリフを言いたい』『このシーンで自分は何をするんだろう?』という気持ちで仕事をしてるんです。『潔く柔く』もそうだし『平成猿蟹合戦図』もそうでした。明るい役が増えてきたのは純粋に嬉しいです。やはり、ネガティブな役よりは気持ちは上がります(笑)」。「死」と向き合いながら歩み続け、そこから「生」を見出し、それでもやはり「死」が常に「生」と隣り合わせにあるということも常に忘れない。「『いつか死ぬんだ』という感覚は分かります。それは、自分が死ぬ役をたくさんやったからこそ感じるのかもしれない。『若くても死ぬ』『事故で死ぬことがある』と。いま、そういう気持ちで例えば高倉健さんの作品を拝見すると、高倉さんは映画の中で当時の年齢のまま生きていて、僕らはそれを見て感動してる。すごいことだな、そういう仕事なんだなと感じます。僕が18歳の時に撮った『M』を見たら、18歳の僕がそこにいるんです。死なずに。何十年後に見られても、18歳の僕がそこに生きている。それは相当なご褒美だなと思います。『(仕事に対して)真面目だね』と言われますが、そりゃそうなりますよ!」。そしてもうひとつ、高良さんが役者という仕事の“楽しさ”について語ったのが、母親役の大竹さんとの共演に話が及んだ時だった。「大竹さんの素晴らしさを僕は言葉にして表現することが出来ない。でも、それでいいのかなと思ってます(笑)。僕が大竹さんを前にして感じたことは、あの時、目の前にいたからこそ感じられたことであり、それはすごくラッキーなことなんだなと思うんです。不思議なんです。そこに連れて行ってくれるというか、演じていて『あぁ、これはいま、大竹さんが連れて行ってくれているんだな』と感じる瞬間がある。同じように例えば大河ドラマ(『花燃ゆ』)でも、伊勢谷(友介)さんが演じている松陰先生を前にして『いま、松陰先生の言葉を受けている』と感じることがあるんです。そこで僕が、感じるままにガーッと動いたら、それまで作ってきた役が違ってきちゃうかもしれないから(誘惑に駆られても)できないんですけど…。それはまた、僕の勝手な自己満足かもしれないけれど、でもそういう見えないものがスクリーンに映るとやっぱり信じてるんです」。現在は「花燃ゆ」の撮影の毎日だ。高良さんが演じる高杉晋作もまた、革命児として生きつつも、新たな時代の幕開けを前にして斃れることを運命づけられている。ここでその詳細は記さないが、高良さんは、彼の歩んだ軌跡に触れつつ、これまでとはまた違うその死を「現場で感じようと思ってます」と静かに微笑んだ。死んでは生まれ変わり、また生きる。高良健吾は何度でも甦り、永遠に銀幕の中に生き続ける。(photo / text:Naoki Kurozu)■関連作品:悼む人 2015年2月14日より全国にて公開(C) 2015「悼む人」製作委員会/天童荒太
2015年02月13日そこにいるだけで「普通じゃない」雰囲気を醸し出す俳優――それが伊勢谷友介である。カリスマ性、オーラ、磁力…どんな言葉で表現すべきか?2時間弱の映画の中で、役柄の重要度に比して、彼の登場シーンは決して多いとは言えない。だが凄まじいまでの影響力でもって、謎に包まれた男を演じ切り、強い衝撃を観客の心に残す。メガホンを握った入江悠監督が求めたのはまさにその存在感だった。柳広司の人気小説を原作とした大スケールのスパイアクションムービー『ジョーカー・ゲーム』。世界情勢が不穏な雲行きを見せる第二次世界大戦前夜、死刑執行の直前に救われ、軍内の諜報組織“D機関”の一員となった元軍人の青年が、世界を揺るがす新型爆弾の設計図を巡り暗躍する姿を描く。伊勢谷さんが演じたのは、“D機関”の創設者であり、亀梨和也演じる主人公を引き取り、スパイへと仕立てあげていく謎多き男・結城。例えば、放送中の大河ドラマ「花燃ゆ」で伊勢谷さんが演じている吉田松陰が、幕末の志士を育て新たな時代の礎を作った“表舞台”の人間であるとするなら、結城の存在はフィクションとはいえ、歴史の裏で名を残すことなく未来のために奔走した男。伊勢谷さんは、そこにある種の“美学”を感じ取った。「最初、原作のことを知らずにお話をいただいて『鉄の男が来た!』と思いました。結城はものすごく目的意識の高い男。全てのことを呑みこんでいないと、この立場でこの立ち居振る舞いは出来ないだろうと思います。彼がやっているのは、(暴走する)軍部の尻拭い、ごみ掃除のようなことですが、軍のためではなく日本のための仕事としてやっている。それはすごく大切な精神だと思うんです。表に出るわけでもなく、欲もなく、目的の根本にあるのは自分ではなくて他の人々なんです。いろんなことを経験して、人間の良い部分も最低の部分も理解した上で、やらなくてはいけないこと、未来を見据えています。だから冷静ですごくドライなんですけど、一方で『次は死ぬかもな』なんてことをサラッと冗談とも本気ともつかない口調で言ったり、どこかでこの状況を楽しんでなくもない(笑)。魅力的な男だと思いました」。入江監督は伊勢谷さんの言葉にうなずき「日本にとって、最終的には負け戦になるわけで、結城はあれだけ頭が良いのだから、それが分かってないはずがない。それを知った上で、何とか国を救おう、状況を好転させようと奔走する。そんな人たちはこれまでの歴史の中でもたくさんいたと思う。表舞台に立たない“陰”の人たちに焦点を当てたかった」と語る。結城という役に関して、入江監督は伊勢谷さんに全幅の信頼を寄せ「現場で役について話したことはほとんどなかった」という。「伊勢谷さんがこれまでやられてきた活動や、積み重ねてきた様々な役をお借りした感じですね。結城はずっと日本にいるけど、グローバルな視点を持っている人物。僕は、役には自然とその俳優さんのそれまでの人生や生き方が、無意識であれ滲み出てくるものだと思ってます。やはり、結城という役を演じるにあたっては、当時の日本が置かれている状況や戦争の在り様といった部分について問題意識を持ってない人では難しい。同時に伊勢谷さんは監督業やそれ以外にもいろんな活動をされていて、正直、同世代の俳優でここまでグローバルな視点を持っている人はいないと思った。最初にプロデューサーから名前が上がった時『大丈夫』と確信したし、現場では本当に雑談ばかりで(笑)、役のことは全くと言っていいほど話してないんです」。伊勢谷さんが撮影に参加したのは、クランクインして最初の1週間ほど。つむじ風に舞う枯葉の中から現れる登場シーン、恐いほどによく似合っている特注の軍服、過去やその経歴について一切語られることのない結城の人となり――その全てを楽しんだよう。たびたび発せられる「もっとやりたかった」という言葉からはハマリ役を手に入れた手応えをうかがわせる。「正直、もうちょっとやりたかったです(苦笑)。ようやく、この歳になってこれまでとはまた違う役どころというか、いまの亀梨くんの年齢とは異なる立場の役が舞いこみ始めてきたのを感じていて、すごく楽しいです。と同時に、映画を通じて徐々に役柄の成長を見せるのではなく、もう最初からどっしりとそのキャラクターがそこにいないといけない。それは初めての経験でした。“消化不良”と言うとネガティブな意味に捉えられちゃうし、そうした思いはいつもどんな役に対してもあるんですが、今回は特に撮影に参加した時間が短かったのでもっとやりたかったという思いが強いです」。一方で入江監督は、わずか1週間とはいえ伊勢谷さんの存在感に、作品の中のみならず現場の空気という意味でも大いに助けられたとふり返る。「やはり僕にとってもこういうジャンルもこれだけの規模での撮影も初めてで、亀梨くんにとっても初めての経験が多い中で、最初の撮影が伊勢谷さんで始まって、安心させてもらいましたね。そこで『大丈夫だ』という手応えを持って、亀梨くんと一緒にその後の海外でのロケに臨めたというのはあると思います。伊勢谷さんとしては短かったでしょうが(笑)、僕らとしてはすごくいい始まりでした」。先ほど、年齢を重ねることによる立場や役柄の変化の話も出たが、いまの伊勢谷さんの目に、主演の亀梨さんはどのように映ったのだろうか?「僕が実際に見たのは最初の1週間だけで、完成した映画で観て大部分がさらに大変な海外での撮影のところなので、なおさら彼の苦労が実感できましたね。自分の役柄や立ち居振る舞いを現場で作り上げていくのは、すごく好きで得意なんだろうなというのは感じました。これまでお仕事させていただいたジャニーズの方もみなさんそうでしたが、自分がやらなくてはいけないこと、作り込まないといけない部分に対して、きっちりと準備して、必ずきちんとやってくる。そこに関しては安心感もあったし、僕自身、ちゃんとやらなきゃという気持ちにさせてもらいました」。決して伊勢谷さんはいわゆる“カメレオン俳優”と呼ばれるタイプではない。どの作品を見ても、例えば体重をギリギリまで落とした『あしたのジョー』の力石徹役でも、高杉晋作を演じた「龍馬伝」でも、ひと目見て“伊勢谷友介”であると認識できる。それでいて、歴史上の人物から人気漫画のキャラクターまで、全く異なる個性を見事に演じ分ける。本人はこうした“違い”をどのように感じているのか?「いまふり返ると、それなりに冷静に見えてきますが、ここに至るまでには実は何も考えていなかったんです。僕自身は“まな板の鯉”という意識で、料理人である衣裳さん、メイクさん、そして監督が作ってくれるものをそのまま受け取っている感じです。ただ、年齢を重ねる中で、そうしたたくさんのものが自分の中で蓄積されて、ある程度ジャンル分けされているというのはあるかもしれませんね」。「ここからは、ちょっと自己流の役作りの話ですが…」と断って伊勢谷さんは続ける。「現代劇の何も背負ってない普通の人間なら、いまこうして喋っている感じでいいんですけど、役によってはそこを超えたステージに行かなくちゃならなくなる。例えば、白洲次郎(NHKドラマ『白洲次郎』)はまだ自然でしたが、高杉晋作や力石徹になってくると、どこかでキャラクターを“作っている”部分が強くなってきます。そこで『それが自然に見えるのか?』という問題が出てくるんですけど、『自然ではないけれど、納得できればいい』という意識ですね。物語の中で必要なこと、やらなくてはいけないことがある程度明確になったら一度、演じてみる。やっていく中で自分の身に着いてきて、その人物に必要な空気感が少しずつ出せるようになってくるんです。特に必要以上に何も考えてなくて、流れに身をまかせた結果としてそのキャラクターに辿り着いているって感じです。演じている最中は(役の人物として)ムチャクチャ能動的に感じられるように意識してますが、全体を見るとすごく受動的に仕事してるんですよね(笑)。あとは、俳優って自分が観た他の映画から影響を受けているところもあると思いますよ。それから、僕は代表業(※株式会社リバースプロジェクト)をやっているので、その経験から出てくるものも大きい。やはり監督も仰ったとおり、その人のフィルターで何を善しとしてきたか?それは意識していなくても結果的に芝居に出ていると思ってます」。原作小説ではシリーズが進むにしたがって、徐々に結城の秘められた過去や、その人間性についても描かれる。スパイアクションを堪能しつつ、結城に関しては伊勢谷さんと同じく“消化不良”と感じる欲張りな観客も多いはず。30代後半から不惑の40代へと差し掛かるこの時期の伊勢谷さんにとっての“代表作”となるよう、さらなる続編を期待したい。(photo / text:Naoki Kurozu)■関連作品:ジョーカー・ゲーム 2015年1月31日より全国東宝系にて公開(C) 2015「ジョーカー・ゲーム」製作委員会
2015年01月30日ホビーメーカーの壽屋は2015年3月の予定で、刀を模した箸「侍箸 日本刀 坂本龍馬」、「同 高杉晋作」を発売する。○腹がへっては戦はできぬ!同商品は、"日本刀を模したお箸"の「侍箸」シリーズ第4弾となる。坂本龍馬は愛刀「陸奥守吉行」がモチーフ。鍔は、実際寺子屋事件の際に持っていた刀についていたと言われる「唐獅子牡丹鍔」を元に造型した。高杉晋作は愛刀「安芸国佐伯荘藤原貞安」がモチーフになる。同商品には、「刀台」をイメージした家紋入の箸置きが付く。坂本龍馬は「組み合わせ角に桔梗」紋、高杉晋作は「丸に割り菱」紋となる。今シリーズからは、箸先に滑り止め加工が施された。長さは約230mm。価格は各1,500円(税別)となる。(C)kotobukiya
2014年12月16日メガネは視力矯正の道具として、昔から多くの人に愛用されています。最近はデザインも豊富になり、メガネを使っておしゃれを楽しむ人が増えてきました。また、「メガネ萌え」といった言葉もあるように、メガネをかけている異性に対して特別な魅力を感じる女性も少なくないようです。そんなメガネの魅力は歴史上の人物でも発揮するのか?そこで今回マイナビニュースでは、女性読者158名を対象に、メガネのもたらす印象効果についてのアンケートを行いました。○歴史上の人物にメガネをかけさせたら……先ずはズバリ、「メガネが似合いそうな歴史上の人物」についても聞いてみました。すると、「おしゃれ」や「美形」といったイメージの人物が多数登場。とくに「イケメン+メガネ」の組み合わせに弱い女性は多いようです。・「伊達政宗。眼帯が似合うから、メガネも似合うはず」(34歳/アパレル・繊維/クリエイティブ職)・「坂本龍馬。おしゃれな人のイメージなので、似合いそう」(34歳/情報・IT/事務系専門職)・「高杉晋作。すっきりしていて知的な顔立ちだから」(30歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)・「天草四郎。ものすごく美少年と聞いたことがあるのできっと眼鏡も似合うかな?」(31歳/不動産/事務系専門職)・「織田信長。切れ長の目をしていて、細いフレームの眼鏡が似合いそうだから。」(25歳/小売店/販売職・サービス系)・「聖徳太子。顔が面長そうだから似合いそう。」(28歳/金融・証券/販売職・サービス系)・「滝廉太郎。学生のころ音楽の時間にみた写真が印象的だったから。」(30歳/ソフトウェア/秘書・アシスタント職)全般的にスッキリ系の顔立ちが多い印象です。また学生時代の教科書の印象が強い方もいる様子です。ちなみに、「学生時代、教科書に落書きした際、歴史上の人物に加えた落書きは何でしたか?」という質問をしたところ、「口ひげ」「あごひげ」に続いて3番目に多く挙げられたのが「メガネ(サングラス)」。それだけ、メガネは顔の印象を変えてしまうということなのかもしれません。○「メガネ男子」の魅力とは?アンケートでは、女性が「メガネ男子」のことをどう感じているのかも調査しました。「メガネをかけている男性は、非メガネ男性よりも魅力的だと思いますか?」と聞いてみたところ、27.9%の女性が「そう思う」と回答。24.7%の「そう思わない」を上回りました。メガネ男子のどのようなところが「魅力的」だと感じるのか、女性の意見を紹介します。・「おしゃれ眼鏡をかけている人は、とてもかっこいいと思います」(28歳/金融・証券/販売職・サービス系)・「二割増し、知的に見えます」(49歳/その他)・「思慮深そうに見える」(31歳/情報・IT/技術職)・「鼻の形が良い人は、眼鏡をかけるとそれが際立つ」(31歳/情報・IT/技術職)・「普段裸眼の男性が仕事のときや運転のときだけ眼鏡をかけて、似合っているとキュンとする」(24歳/食品・飲料/事務系専門職)・「ダサい眼鏡にときめいてしまう」(30歳/建設・土木/秘書・アシスタント職)このように、「おしゃれ」「知的」「思慮深い」など、メガネは男性にいろいろな魅力をプラスしてくれるアイテムといえそうです。視力が低下したため、必要に迫られてメガネをかけているという人もいるでしょう。しかし、メガネ一つで顔の印象は大きく左右されるもの。せっかくですから、おしゃれの一部として楽しんでみてはいかがでしょうか?
2014年10月16日バンダイ公式ショッピングサイト「プレミアムバンダイ」にて、いよいよ今週末に最終回を迎える特撮TVドラマ『仮面ライダー鎧武/ガイム』より、呉島光実を演じた高杉真宙の特別記念企画インタビューが公開されている。このインタビューは、現在「プレミアムバンダイ」にて予約受付中の『AC PB06 仮面ライダー龍玄・黄泉 ヨモツヘグリアームズ』(4,320円/税込)と『DXヨモツヘグリロックシード 仮面ライダー龍玄・黄泉セット』(2,160円/税込)の限定発売を記念して実現。この中で高杉は、初めて「仮面ライダー龍玄」へ変身した時の心境やお気に入りのアーマードライダー&ロックシード、撮影時のエピソード、玩具商品など『仮面ライダー鎧武』への思い入れをたっぷりと語っている。特に終盤で仮面ライダー鎧武と死闘を繰り広げた「仮面ライダー龍玄・黄泉 ヨモツヘグリアームズ」については「最初から、『徐々に悪くなるキャラクターだから』と言われてはいたんですね。ここまでとは思っていませんでしたけど(笑)」とこぼしつつも、「物語の展開が刺激的だから見せないっていうんじゃなくて、どこがどうヒドいのか、どうしてダメなのか? そういう部分を親御さんがお子さんに教えながら見てほしいなって。それがミッチの役割なんじゃないかなと思って演じていました」と話している。インタビューの詳細は「プレミアムバンダイ」のインタビューページまで。現在予約受付中の『AC PB06 仮面ライダー龍玄・黄泉 ヨモツヘグリアームズ』は、バンダイのボーイズトイ事業部が展開する、全身18箇所の関節が可動し武器がセットになったフィギュア「アームズチェンジ(AC)」シリーズより立体化。「ブドウ龍砲」は重塗装仕様で、発売済みの『AC03 仮面ライダー龍玄 ブドウアームズ』に付属していたものがグレードアップ。ゴールドとメタリックグリーンの彩色が追加されている。さらに、劇中でも使用していた、オーバーロードインベス「ロシュオ」「レデュエ」「デェムシュ」の武器3種(ロシュオの大剣・レデュエの槍・デェムシュの剣)も本商品限定で付属する。そして、『DXヨモツヘグリロックシード 仮面ライダー龍玄・黄泉セット』は、劇中のロックシードを忠実に再現するとともに、限定音声も多数収録。別売りの『DX戦極ドライバー』にセットして、ブレードを斬ると、本商品でしか聞くことのできない音声「ヨモツヘグリアームズ! 冥・界・ヨミヨミヨミ!」が鳴り、「仮面ライダー龍玄・黄泉 ヨモツヘグリアームズ」の変身遊びが楽しめる。予約締切日は『AC PB06 仮面ライダー龍玄・黄泉 ヨモツヘグリアームズ』が10月14日23:00、『DXヨモツヘグリロックシード 仮面ライダー龍玄・黄泉セット』が10月6日23:00。(C)2013 石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映
2014年09月25日現在公開中の『渇き。』『劇場版 仮面ライダー鎧武サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯!』やCMなどで人気急上昇中の高杉真宙と、人気アーティスト「supercell」の「さよならメモリーズ」PVなどで注目された佐倉絵麻というフレッシュな2人が、なんとアニヲタと腐女子に扮する『ぼんとリンちゃん』。このほど待望の予告編が完成し、あわせてポスタービジュアルも解禁となった。ここではないどこかの地方都市に住む四谷夏子(佐倉絵麻)、通称“ぼん”は、16歳と42か月を自称する女子大生。彼女と友田麟太郎(高杉真宙)、通称“リン”は、ボーイズラブ(BL)やアニメ、ゲームが大好きというヲタつながりの幼なじみ。ふたりは、同棲中の彼氏から暴力を振るわれているという親友のみゆちゃん、通称“肉便器"を連れ戻しに東京へやってきた。名付けて「肉便器救出作戦」。ぼんとリンはネットゲームで知り合った会田直人、通称“べび”に協力をあおぎ、ロールプレイングゲームさながら肉便器の家へと突撃。リン曰く“ボス戦”に挑むのだが…!?長編映画デビュー作『ももいろそらを』(’13)が東京国際映画祭、サンダンス映画祭を始め世界14か国、20の映画祭で絶賛された小林啓一監督の最新作。ボーイズラブの同人誌で妄想をするのが大好き、常にオタク口調で親友救出の正義感に燃える “ぼんちゃん”を演じるのは、本作が映画初主演となる新星、佐倉絵麻。一方、そんなぼんちゃんを「ねえさん」と慕う男の子“リンちゃん”には、中島哲也監督の問題作『渇き。』の松永役や、「仮面ライダー鎧武」の仮面ライダー龍玄こと呉島光実役、さらにファブリーズのCMにも出演し、一気にブレイク男子の仲間入りを果たした若手イケメン俳優、高杉真宙。いままでとはまったく違ったヲタ演技を見せている。予告編では、ちょっと風変わりでコミカル、けれど誰もが一度は経験したであろう、理想と現実の挟間で迷い悩む等身大の若者たちの青春物語が展開。また、映像中に登場するオリジナル同人誌を、「おとめ妖怪 ざくろ」の人気漫画家・イラストレーターの星野リリィが担当するなど、ヲタク垂涎の最強の布陣が集結。さらに、ボーカロイドプロデューサーとして圧倒的人気を誇る、「虹色オーケストラ」の40mPが本作のために作詞作曲した主題歌「迷子のリボン」が本邦初公開されていることにも注目だ。『ぼんとリンちゃん』は9月20日(土)より新宿シネマカリテ、シネ・リーブル梅田ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2014年07月23日(画像は井上真央オフィシャルウェブサイトより)イケメン俳優3人出演決定6月11日、来年放送されるNHK大河ドラマ「花燃ゆ」の追加出演者発表会見が行われ、松陰役の伊勢谷友介(38)、高杉晋作役の高良健吾(26)、久坂玄瑞(げんずい)役の東出昌大(26)の起用が明らかになった。「女性にうらやましがられそう」主演の井上真央は、追加出演が決まったイケメン俳優3人に囲まれると、「心強い。女性にうらやましがられそう」(サンケイスポーツより)とほほえみながら語った。また、大河ドラマ初出演となる東出昌大は、「歴史が好きなので背筋が伸びる思い。覚悟を持ってやらせていただく」(スポニチアネックスより)と決意を語った。大河ドラマ「花燃ゆ」は、松陰の妹、文(ふみ・のちに美和と改名)の人生を壮大に描いたドラマだ。可愛いルックスの井上真央とイケメン共演の大河ドラマ「花燃ゆ」を今から楽しみにしておきたい。【参考】・NHK大河ドラマ「花燃ゆ」出演者情報・井上真央オフィシャルウェブサイト
2014年06月13日幕末と言う激動の時代、女性としてどの藩に所属する?時代は幕末。長く続いた平和の時代が幕を閉じ、各地で戦や天誅、上意討ちが跋扈しています。不安と新しい時代の予感が入り混じる中、あなたならどこの藩に所属しますか?マイナビニュース会員の女性530名にアンケートしてみました。>>男性編も見るQ.幕末に生まれていたら所属したい有名な藩を教えてください(複数回答)1位薩摩藩29.1%2位長州藩16.2%3位土佐藩14.0%4位会津藩9.2%5位加賀藩6.2%■薩摩藩・「西郷隆盛さんが印象的」(31歳/学校・教育関連/技術職)・「大河ドラマの篤姫で興味を持ったから」(23歳/アパレル・繊維/事務系専門職)・「西郷隆盛を尊敬しているから」(23歳/生保・損保/営業職)■長州藩・「松下村塾で学んでみたい」(27歳/小売店/販売職・サービス系)・「木戸孝允とか好きだから」(26歳/小売店/事務系専門職)・「革命の先陣を切っていて、動乱さがおもしろそう」(30歳/学校・教育関連/営業職)■土佐藩・「坂本龍馬と同じ藩なんてかっこいいと思うから」(28歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)・「国はそれほど豊かではなかっただろうが、すごく穏やかに過ごせそうな印象」(30歳/建設・土木/事務系専門職)・「龍馬にあやかって、~ぜよ!と叫んでみたい」(25歳/警備・メンテナンス/事務系専門職)■会津藩・「義のために命をかけているところがかっこいい。どうせ藩に入るならそういう所がいい」(32歳/不動産/事務系専門職)・「八重の桜が好きだから」(25歳/小売店/事務系専門職)・「白虎隊の話の印象が強いから」(24歳/食品・飲料/技術職)■加賀藩・「豊かで、うるおっていそうなイメージだから。おいしいものが多そうだから」(35歳/商社・卸/事務系専門職)・「豪華な生活ができそうだからです」(22歳/ソフトウェア/クリエイティブ職)・「いちばん優雅そうだから」(30歳/金融・証券/営業職)■番外編:小さな藩も見逃せない・斗南藩「名前がかっこいいから」(24歳/農林・水産/事務系専門職)・南部藩「東北の幕末も面白そうなので」(30歳/医療・福祉)・徳山藩「幕末の動乱に揺れた藩なので、その顛末を見届けたいです。幼少の児玉源太郎も見てみたい」(30歳/小売店/販売職・サービス系)総評1位は2位に大差をつけて「薩摩藩」が獲得しました。西郷隆盛人気と、大河ドラマで宮崎あおいさんが主役を務めた「篤姫」の影響も見られます。薩摩藩の島津家から将軍家に輿入れして、明治維新では徳川の人々を守る姿に感銘を受けたというコメントも。2位は「長州藩」でした。木戸孝允、伊藤博文、高杉晋作など、維新のヒーローの人気からランクイン。高杉晋作は外国からの領土の租借を頑として断ったほか、奇兵隊を組織して幕府軍を破ったことなどから人気が高く、上位ランクインの一因となりました。3位は坂本龍馬の絶大な人気により「土佐藩」が獲得。幕末でも戦乱に巻き込まれなかったことから、「住みやすそう」という意見も。「海援隊に入りたい」というコメントもいただきました。「土佐勤王党」に入りたい、という回答は残念ながらありませんでした。4位は「会津藩」。大河ドラマ「八重の桜」で注目が高まっているほか、「白虎隊」も過去にドラマなどで取り上げられていることからランクインしました。5位は「加賀藩」です。加賀100万石と言われる裕福なイメージから選ばれました。番外は、比較的小型(?)の藩を取り上げました。斗南藩は下北半島の小藩ですが、会津藩が戦に敗北した後に転封された場所。南部藩の領地は大きいですが、度重なる飢饉で財政上苦しい藩だったようです。東北の幕末も今後注目されるといいですね。ランキング上位は「薩長土」が占めました。明治維新で中心的役割を担った藩であることと、ヒーロー、ヒロインとなる人物が存在するからでしょう。藩に所属したい、というより、「この人と働きたい」というような、「上司にしたい幕末の偉人」的な観点での回答を多くいただきました。今の時代に求められている上司像の反映と考えられます。(文・OFFICE-SANGA秋田茂人)調査時期:2013年3月23日~2013年3月30日調査対象:マイナビニュース会員調査数:女性530名調査方法:インターネットログイン式アンケート■関連リンク【女性編】歴史上の人物の辞世の句、行って思いをはせたい最期の地ランキング【女性編】お参りしたい歴史的有名人のお墓ランキング【女性編】今の日本をつくったといえる幕末の偉人ランキング完全版(画像などあり)を見る
2013年04月26日高知、土佐といえば坂本龍馬! 歴史上の人物で人気投票を行えば、織田信長と人気を二分するといわれます。この坂本龍馬に関するグッズ、お土産で面白いものを調べてみました。■『龍馬ドラえもん』坂本さんとドラえもんがさまかのコラボ! ドラえもんが、坂本さんのあの「まぶしそうな目」をして、はかま姿になっています(笑)。同じキャラクターを使った、根付のほかに「ビーズストラップ」「キーチェーン」「耳掻き」「シャープペンシル」「ボールペン」もあります。根付:420円[税込み]■『励まし人形りょうまくん』坂本龍馬の名言をしゃべって、あなたを励ましてくれる人形です。落ち込んだときに、刀を押すと「くよくよしてちゃ、いかんぜよ!」などの6種類の言葉をしゃべってくれます。1985年に坂本龍馬生誕150周年で発売された製品なのですが、復刻したそうです。1,370円[税込み](単4電池使用、別売り)■『土佐の箸』坂本龍馬は奥さんの「お龍(りょう)さん」を連れて日本で初めて新婚旅行をしたといわれます(異説あり)。まあ大変に仲が良かったということで、この夫婦箸はなかなかいいのではないでしょうか。「龍馬」「お龍」とそれぞれの箸に焼き入れてあります。夫婦箸:740円[税込み]■『龍馬珈琲』1865年ごろに長崎の出島で飲まれていたコーヒーを再現したもの。当時の豆、焙煎方法を再現したのだそうです。坂本さんもこの味を楽しんだでしょうか。4個入り1袋:480円[税込み]6個入り1箱:740円[税込み]■『土佐の風雲児』タイトルが大変に男らしいお菓子。中身はショコラタルトクッキー(チョコレートをミルククッキーでサンドしたもの)です。白いパッケージに坂本さんのシルエットが印象的です。高知県のお土産として人気があるそうです。12枚入り:630円[税込み]20枚入り:1,050[税込み]■『ごまドレッシング』坂本龍馬とドレッシングがどう関係するかは分かりませんが(笑)、「龍馬の里、土佐の国から」というラベルがカッコいいですよ! 室戸の「深層水」を調合した化学調味料無添加のドレッシングで、美味しいそうですよ。「ゆずドレッシング」もあります。300ml入り:530円[税込み]■『坂本龍馬の貯金箱』坂本さんが貯金箱を持っていたかどうかは分かりませんが、坂本龍馬の貯金箱です。亀山社中、そして海援隊は近代的な株式会社、商社の草分けともいわれますから、お金をためるのにご利益があるかもしれませんね。840円[税込み]■『坂本龍馬先生の短銃』これはちょっとヘビーなグッズ。坂本さんが寺田屋で討っ手を撃退するのに使ったピストル『スミス・アンド・ウエッソン2型・アーミー6連発』のレプリカです。これは1865年11月に、高杉晋作より上海土産としてもらったそうですね。このレプリカは実銃より採寸して作られたそうです。19,400円[税込み]■『坂本龍馬先生所持の鍔(つば)』これも熱心なファン向けグッズなのでしょう。坂本さんが所持していた鍔のレプリカです。桐の箱入りで重厚感があります。銅鋳造、桐化粧箱入り:6,540円[税込み]■『龍馬刀型耳かき』鞘(さや)から刀を抜くと、それが耳かきになっています(金属製で全長121mm)。480円[税込み]■『坂本龍馬学問帳』坂本さん自身はあまり勉強のできる子ではなかったそうですが、それでも偉大な仕事を成し遂げた人です。この学習帳の表紙には坂本さんの肖像画が入っています。367円[税込み]坂本さんはみんなから愛されるキャラクターです。ファンが多いのでグッズも多く、すべてはとても紹介しきれません。何かほしくなるようなものはありましたか?(高橋モータース@dcp)⇒坂本龍馬グッズをお取り寄せできる『坂本龍馬ショッピングサイト』⇒『坂本龍馬の貯金箱』⇒『坂本龍馬学問帳』
2013年03月27日好きな歴史上の人物に思いをめぐらせて辞世の句には、人生の総決算というべき言葉と気持ちが凝縮されています。それが歴史上、活躍した人物の句となればなおさらのこと。それぞれの時代を生きた人物が最後に句を詠んだ場所で、行ってみたい場所はありますか?マイナビニュース会員の男性414名にアンケートをしてみました。>>女性編も見るQ.歴史上の人物の辞世の句、行って思いをはせたい最期の地は?(複数回答)1位おもしろきこともなき世をおもしろく:高杉晋作(長州藩士)下関市新地町18.6%2位国のため重き務めを果たし得て矢弾尽き果て散るぞ悲しき:栗林忠道(陸軍軍人)東京都硫黄島10.6%3位露と落ち露と消えにし我が身かな浪速のことも夢のまた夢:豊臣秀吉(武将)京都市伏見区桃山町伏見城9.9%4位旅に病んで夢は枯野をかけ廻る:松尾芭蕉(俳人)大阪府大阪市御堂筋付近8.7%5位あはれなりわが身の果てや浅緑つひには野辺の霞と思へば:小野小町(歌人)京都市左京区補陀洛寺7.7%■おもしろきこともなき世をおもしろく:高杉晋作(長州藩士)下関市新地町・「何かと不景気なこの御時世、こういった考え方こそ重要だと思ったから」(41歳/機械・精密機器/技術職)・「高杉晋作が大好きで、この歌ずっと覚えています。座右の銘です」(33歳/機械・精密機器/営業職)・「これからなんかやってやるぞ!って気になりそう」(29歳/電機/技術職)■国のため重き務めを果たし得て矢弾尽き果て散るぞ悲しき:栗林忠道(陸軍軍人)東京都硫黄島・「戦争の研究をしており、非常に興味があるので」(26歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)・「硫黄島は一般人は行けないので、行ってみたいですね」(35歳/人材派遣・人材紹介/経営・コンサルタント系)・「勝ち目のない戦いに望み、そして散っていった英霊に敬礼。彼は間違いなく名将の一人であった」(30歳/商社・卸)■露と落ち露と消えにし我が身かな浪速のことも夢のまた夢:豊臣秀吉(武将)京都市伏見区桃山町伏見城・「一時代を築いた武将の散った地で、どのような思いをしていたのか堪能してみたい」(26歳/医療・福祉/専門職)・「太閤の最期のさみしさが感じられる」(33歳/医薬品・化粧品/事務系専門職)・「栄華を極めた人間が、最後に露と消えると言った場所をみてみたいです」(47歳/ソフトウェア/クリエイティブ職)■旅に病んで夢は枯野をかけ廻る:松尾芭蕉(俳人)大阪府大阪市御堂筋付近・「高校時代に文芸部に入ってから俳句を嗜んでいる。そんな自分にとっては芭蕉と言われれば気になる」(25歳/運輸・倉庫/事務系専門職)・「夢でも旅を続けるロマンチック」(27歳/生保・損保/専門職)・「松尾芭蕉が好きだから」(23歳/情報・IT/事務系専門職)■あはれなりわが身の果てや浅緑つひには野辺の霞と思へば:小野小町(歌人)京都市左京区補陀洛寺・「美人といわれた人の思いを想像してみたい」(24歳/情報・IT/事務系専門職)・「絶世の美女も言ったところに行ってみたいから」(24歳/機械・精密機器/技術職)・「小野小町がどんな場所でその句を詠んだのか興味があるため」(28歳/情報・IT/技術職)■番外編:ドラマの影響も無視できません・願はくは花のもとにて春死なむその如月の望月のころ:西行(歌人)大阪府河南町弘川寺「大河での役どころが非常に面白かったひとりだったので」(36歳/印刷・紙パルプ/技術職)・散るをいとふ世にも人にもさきがけて散るこそ花と吹く小夜嵐:三島由紀夫(作家)東京都新宿区市谷本村町「三島作品はこれまでよく読んできて、作者の人物像も気になるから」(31歳/学校・教育関連/専門職)・いざさらば涙くらべんほととぎすわれも憂き世に音のみぞ鳴く:建礼門院徳子(平清盛の娘)京都府左京区大原「大河ドラマで平清盛を見ていたから」(24歳/医薬品・化粧品/技術職)総評1位は幕末の風雲児、高杉晋作の「おもしろきこともなき世をおもしろく」でした。奇兵隊をはじめとする近代軍事に引き継がれる組織を確立し、外国からの領土租借要求を許さなかった高杉晋作には、ファンが多いようです。また、その生きざまを表す句に元気づけられ、「やるぞ!」という思いになったとのコメントも。2位は旧陸軍軍人で、小笠原兵団長として硫黄島の守備を任務とした栗林忠道の句「国のため重き務めを果たし得て矢弾尽き果て散るぞ悲しき」でした。硫黄島が玉砕する際、訣別電報に記されたものです。クリント・イーストウッド監督の「硫黄島からの手紙」では、渡辺謙さんが役を演じていたことからも知られています。3位は豊臣秀吉が伏見城で詠んだ「露と落ち露と消えにし我が身かな浪速のことも夢のまた夢」です。伏見城にいる方が長かったと言われる秀吉ですが、最期の地も伏見城でした。足軽の子として生まれ、天下人まで登りつめた秀吉が「夢のまた夢」というところに寂しさを感じ、行ってみたいと思う気持ちになったとのコメントが寄せられています。4位は松尾芭蕉が最期に臨み、大阪で詠んだ「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」。今やオフィス街になっている芭蕉最期の地に興味がわいたとのコメントも。5位は小野小町の「あはれなりわが身の果てや浅緑つひには野辺の霞と思へば」。絶世の美人と謳われた小野小町がいた場所を体感してみたいと言う声が多かったのが特徴的です。番外編では、ドラマや小説ファンの意見を取り上げてみました。やはりメディアの影響は絶大ですね。人物と辞世の句、2つの要素にまず興味を持ち、その後、最期の地に興味が出始めたというコメントが多く寄せられました。人物と場所を結びつけるものが、辞世の句などの感動を呼ぶ題材である。その場所に出かけるキーワードの一つなのかもしれません。(文・OFFICE-SANGA秋田茂人)調査時期:2013年2月15日~2013年2月21日調査対象:マイナビニュース会員調査数:男性414名調査方法:インターネットログイン式アンケート■関連リンク【男性編】お参りしたい歴史的有名人のお墓ランキング【男性編】日本の歴史の中で一番好きな時代【男性編】今の日本をつくったといえる幕末の偉人ランキング完全版(画像などあり)を見る
2013年03月09日みなさんは、好きな名言や格言はありますか? 過去の偉大な人物が残した言葉や映画・漫画のせりふ、またはことわざなど、心に響く名言・格言はいろいろあると思います。さて、読者のみなさんはどんな名言・格言が好きなのでしょうか?アンケートで調査してみました。調査期間:2012/5/3~2012/5/7アンケート対象:マイナビニュース会員有効回答数 899件(ウェブログイン式)まずはどんな格言・名言が多く好まれているのか、ベスト5を紹介します。第1位為せば成る 為さねば成らぬ何事も……38人第2位一期一会……36人第3位継続は力なり……21人第4位時は金なり……17人第5位明日は明日の風が吹く……15人ベスト5はこのようになりました。上位に選ばれたのは、どれもシンプルながらも非常に納得できる意味の言葉ばかり。特に1位に選ばれた『為せば成る~』の「やればできる、できないのはやらないだけ」という意味の説得力は「いや、おっしゃるとおりです」と言うしかありません。次にその名言・格言が好きな理由も聞いてみました。●為せば成る 為さねば成らぬ何事も(上杉鷹山)・すべては自分次第というのが本当に納得できる。(32歳/男性)・社会人になり、自分から行動を起こしたことは大概成功しているので、身を持って感じているので。(27歳/男性)学生時代以上になにもしないことの意味のなさを痛感しますよね。シンプルですが、とてつもない説得力を秘めた名言です。●一期一会(千利休)・その言葉通りですが、「今のこの時を大切に思おう」と心がける事ができるからです。(29歳/女性)・営業職が長いので、人との出会いが多く、楽しいこと辛いことが多々思い出されるので。(46歳/男性)この言葉を頭の隅に置いておけば、どんなささいな出会いでも大切にすることができますよね。そう考えると言葉の意味以上にステキな言葉だと思えます。●継続は力なり(平松折次)・実際に継続できたことはいい結果が出ることが多く、その言葉の意味を実感します。(26歳/男性)・アルバイトでつらい経験をしたけど、頑張って続けていくうちに楽しくなってリーダーにまでならせてもらったので、継続は力なりだな、と思った。(26歳/女性)始めることは簡単ですけど、それをずっと続けることは本当に難しいことですよね。日記や家計簿などでもずっと継続している人はやはりすごいと思います。●時は金なり(西洋のことわざ)・年齢を重ねるに連れて、この言葉の意味を実感するようになった。(37歳/男性)・効率こそ仕事の決めてであると考えているので。(27歳/男性)年を重ねると失った時間がどんなにもったいなかったか実感できますし、物事を無駄なく要領よくやることもなんらかの利益につながりますからね。時は金なり、まさにその通りです。●明日は明日の風が吹く(『風と共に去りぬ』のせりふから)・『風と共に去りぬ』の映画が好きで、若いころに大いに感化されました。(43歳/女性)・ひとつのことにくよくよしないよう、前向きな気持ちにさせてくれる名言だと思います。(26歳/女性)映画の影響もあるのか、この名言は女性読者からの支持が多く集まりました。気持ちを切り替えることの大切さが実感できる名言です。最後に、上位5つ以外で挙げられた格言・名言とその理由もチョイスしてみました。●おもしろき こともなき世を おもしろく すみなすものは 心なりけり(高杉晋作)・人生をつまらないか面白いか決めるのは自分次第ということなので、確かにそのとおりだと納得できるから。(32歳/男性)●行いは己のもの。批判は他人のもの。知ったことではない(勝海舟)勝海舟が福沢諭吉から非難を受けたときの返答。他人を非難する人間は多いし、正義面する人も嫌いだから。(63歳/男性)●あきらめたらそこで試合終了だよ(マンガ『スラムダンク』から)・終わりかどうか決めるのは自分なので、なんでも頑張ろうと思いました。(25歳/女性)●意志あるところに道は開ける(西洋のことわざ)・すべての行動の基本だと思うから気に入っています。(30歳/男性)●一生懸命のんびりしよう(『ドラえもん』の野比のび太のせりふ)・休む時はしっかり休んでリフレッシュすることが重要なのだと、激しく共感できたので。(23歳/男性)これら以外にも、紹介しきれないほどたくさんの回答が寄せられ、みなさんそれぞれに心に響く名言・格言を心の中にお持ちだということがわかりました。さて、みなさんのお気に入りの名言・格言はこの中にありましたか?(貫井康徳@dcp)
2012年09月01日坂本龍馬や高杉晋作といった幕末の志士、そしてNHKで放送された「坂の上の雲」の秋山好古・真之兄弟ほど人に知られてはいない。だが“彼ら”は、こうした人物と同じ情熱を持ち、武力ではなく知力で時代を、そして新しい日本を切り拓いた――。三浦貴大は彼らを「スーツを着た侍」と表現する。法律と経済、当時の最先端の学問を日本語で教える日本で最初の学校を作った4人の男たちの姿を描いた『学校をつくろう』。4人のうちのひとりで、専修学校(現在の専修大学)の初代校長となった相馬永胤役で、映画初主演を果たした三浦さんが作品について、同世代の仲間たちとの撮影の日々について熱く語ってくれた。同世代の俳優との共演に“危機感”昨年『RAILWAYS 49歳で運転士になった男の物語』でスクリーンデビューを果たし、その後も次々と話題作に出演。早くも本作で初主演となったが、最初にオファーを受けたときの心境を三浦さんはこう語る。「いや、嬉しいよりも何よりも、自分の演技でいっぱいいっぱいなのに、さらに何をしなくちゃいけないんだろう?って(笑)。正直、不安が多かったです。脚本読んでみてもセリフ自体が長いし、説明のセリフや英語のセリフもあって…脚本を読んだ段階で、これまでで一番緊張した作品でした」。相馬という人物については「何かを成し遂げようとする情熱だけはずっと変わらず持ち続けた男。それから、言葉で人を誘うのではなく、行動で他人を引っ張る、背中で見せる人だったんだと思います」と語り、演じる上での様々な苦労を明かしてくれた。「やはり留学中のシーンの英語セリフは大変でしたね。意味は通っても彼の情熱や落ち込みといった気持ちをセリフに乗せるのは苦労しました。僕自身、常に自分なりの課題を持って現場に入るのですが、今回に関しては説明のセリフが多かったんです。それを語尾や言い回しを自分の言いやすいように少し変えることは許されていたんですが、それをあえて一言一句変えず、その上で自然に聞こえるように言う、ということを自分でルールとしてました」。「いっぱいいっぱい」と言いつつ、こうやって自分にルールを課して現場に入るというところが並みの新人俳優とはすでに違う!ちなみに、劇中では結婚のシーンも。年上の女優・近衛はなを相手に堂々の夫っぷりを見せていたが…。「結婚のシーンは…ものすごく緊張しましたよ(苦笑)。もう、ドキドキでしたね。ただ、その後のシーンについては守るべき人間ができた、ということで決して芝居を変えたわけではないんですが、自分の心持ちは変わったと思います。いや、自分なりに結婚したらそう思うんじゃないかと考えて…、もちろん知りませんけどね(笑)!」これまで落ち着いた口調だったのが、このくだりだけ突如、口ぶりに乱れが!さて、気を取り直して三浦さん自身の話を。デビュー以降、『FLOWERS −フラワーズ−』、『SPACE BATTLESHIPヤマト』と次々と話題作に出演。今年も本作を含めすでに4本(『BADBOYS』、『乱反射』、『忍たま乱太郎』)が公開を控えるなど目覚ましい活躍を見せるが、この1年ほどをふり返って三浦さんはこんな言葉を口にした。「毎回、『もっとしっかりしなきゃ』と感じています(苦笑)。今回は特に、これまでになく同世代の共演者が多い現場で、橋本(一郎)くんは同い年だし、(柄本)時生くんは僕より年下だけど、一緒にいてしっかりしてるな、というのをすごく感じた。芝居に対する姿勢がすごく真面目なんです。ほかの俳優さんがどんなふうに役に向き合っているのか、ということも今回の撮影を通じて初めて触れることができました。正直、俳優であることに慣れる以上に危機感や『もっともっと』という気持ちが高まっていますね」。父・三浦友和とは「仕事の話はしたことない」現在25歳。デビューは決して早くはない。俳優の道を志したのはもちろん、父親(三浦友和)の影響?と思いきや…。「実は、子供の頃は父の芝居をあんまり見てないんですよ。TV自体、ほとんど見てなくて、見てもお笑いばっかりで…お笑いじゃうちの父は見れませんよね(笑)。でも、やっぱり頭のどこか片隅にあったのかな。就職を考えていた時期には自然と選択肢の中にありましたからね。僕自身、人との関わりを大事にできる仕事がしたかった。それは(大学で打ち込んだ)ライフセービングもそうだし、大学では人間の心理の勉強をしていたんですが、本当にいろんな人がいて、いろんな性格があって、僕には理解できない人もいてそれってすごく面白い。そういう、いろんな“色”を持っている人物に自分がなりきる俳優っていう職業は面白いな、と思ったんです」。ちなみに、それまでほとんど見なかったという父親の出演作だが「最近は見るようになりました」とのこと。「でも、お互いの仕事の話はしたことないんですよ。父が僕の作品は見ているか?いや、どうでしょうね(笑)」。「この時代の人はやりたいことに対して命がけだった。こういう人たちの生き方に触れると、いま、どんなに頑張っていても『まだ努力できるはず』、『まだ足りない』って思っちゃいますね」と三浦さん。“やりたいこと”に行き当たった男の今後が楽しみだ。■関連作品:学校をつくろう 2011年2月19日より有楽町スバル座ほか全国にて順次公開■関連記事:学校創設に奮闘した若者たちを描く『学校をつくろう』試写会に10組20名様ご招待『学校をつくろう』に“ある共通点”を持つ俳優たちがズラリ!「他人とは思えない」
2011年02月16日過酷な減量とトレーニングを経て艶やかなボクサーボディを披露し、試合シーンでは本気の殴り合いに挑む。拳の洗礼を受けて変形した顔も本物なら、有名なワンシーンで見せるくびれ過ぎた腹部も本物。『あしたのジョー』で伊勢谷友介が演じた力石徹には、本気が詰まっている。なぜそこまでしたのか?と素朴な疑問を真っ先にぶつけると、伊勢谷さんは「たぶん僕じゃなくても、力石を演じる人ならそうしたはず」とあっさり言い切った。「なぜなら、それは力石だから。それだけ多くの人の思いを背負っているキャラクターなんですよね。とは言え、僕自身は原作に対する知識もあまりあったわけではなく、最後は誰が真っ白な灰になるんだっけ?という認識程度でした。それでも、のしかかってくるものの重さは実感していたし、それと上手く付き合うには減量とトレーニングを続けるしかなかったです」。プレッシャーを快感に変えられるタイプかと尋ねると、「いいえ、全然!」と即答。しかしながら、「どこか自分を追い込んで、新しい力を発揮することは誰にでも絶対にあると思う」と認める。「しかも、そういった状況にさせてもらえるのは役者にとっては幸せなこと。それを乗り越えさえすれば、自然と役になれるじゃないですか。ただし、だからと言って、役を冷静に見つめる自分自身がいなくなるわけじゃないです。例えば、高杉晋作のままモニターチェックをするようなタイプではないし、白州次郎のまま実生活を送るようなことはしない。力石でもそれは変わらなかったですね」。ならば、伊勢谷さん自身の目から冷静に見た力石とは?「ある意味、いけ好かないと言えばいけ好かないですよね(笑)。若いわりに年寄りっぽいエレガントな雰囲気があるし、鼻につくくらいピシッとしてるし、“1分で勝つ!”とか言っちゃう人なので。僕からすれば、“言わなきゃいいのに…”と思うし、いじめっ子だなあという気がするんですが、たぶん僕の考える格好良さと力石の考える格好良さは違うんでしょうね。僕は彼ほど不器用には生きられないですから」。となると、伊勢谷さん自身の人生における美学にも迫りたくなる。「何て大きな質問を…(笑)。そうですねえ。僕の場合は、良心というものをちゃんと知れている所から始まりますね。知識を培って、良心で判断する作業が僕の人生における全てだと思います。いろいろなことを知ると物事の道理が分かるから、その道理の中で間違った方向に行こうとしているものを良心で見定めて、回避させるために行動を起こす。それがあらゆることで成り立っているのかなぁと思いますね」。俳優業の一方で立ち上げた“リバースプロジェクト”も、そんな人生哲学に基づいているという。このプロジェクトは、「人類が地球に生き残るため」をコンセプトに、その解決法をアートの観点からクリエイトする試みだ。“リバースプロジェクト”も含めた伊勢谷さんの人生哲学には優しさが必須となる、と指摘すると、「そんなことないです。世の中の原則を突き詰めているだけ」と断言。が、その顔は少し照れているようにも見えた。ところで、「鼻につくくらいピシッとしている」力石には、恋愛に不器用で、おそらく抱いているであろう恋愛感情を表に出さない側面も。“人生”の話から一転、“ラブ”に話を持っていくと、「そういうのは山下くんに聞いてよ〜」と戸惑いながらも、香里奈さん演じるボクシングジムの美人オーナー、白木葉子の存在に触れ、「(力石は葉子を)そりゃ、好きでしょ!」とキッパリ。頼もしい恋愛論を披露してくれた。「ただ、力石は自分の感情を出さずに抑え込むタイプだから、感情を相手にぶつけて“ノー”って言われるのが嫌なんでしょ?ハハハ、知らないけど(笑)。分かんないなあ…。だって、俺だったらもっと行きますもん。逆に、女性の立場としてはどう思われます?もうちょっとはっきりしてほしい?…でしょ!(笑)僕も“はっきりせい!力石”と思います」。一方、力石のライバルであり、葉子から思いを寄せられているであろうジョーは彼女に対して冷淡な振る舞いを見せるが、そんなジョーには理解を示している様子。「ジョーは葉子に興味がないんですよ。だから、冷淡とか言われてもねえ…。興味がないんだから、はっきりしていていいじゃないですか。逆に、駄目なのは力石ですよ。はっきりしないことで、みんなが傷つくこともありますからね…って、俺は何を話してるんだ(笑)」。葉子はさておき、ライバル心を抱き合いながら、互いの才能に惹きつけられずにはいられない力石とジョーを、伊勢谷さんは「超えなきゃいけない壁に出会ってしまったふたり」と言い表す。「愛情って、憎むという感情に変化しやすいじゃないですか。それとどこか似ていて、倒さなきゃいけないということなんでしょうね。結果、拳を交えることによって、絶対的な友情が生まれるんだと思います」。では、伊勢谷さんにもジョーのような相手がいるかと聞くと、「まあ、少なくとも倒しはしないですよね(笑)」とごもっともな答え。「僕の場合は協調していく方法を取ります。さっきの美学の話じゃないですけど、やっぱり人同士は情報を共有し合って、足並みを揃えていくべきだと思いますから」。力石役に全身全霊を傾け、「歳相応に、体力の限界を悟りました」と冗談まじりに笑う伊勢谷さんだが、「監督がメッセージとして伝えようとしているものを120%応援できる作品であれば、どんなに過酷な役作りを求められてもまた挑みます」とも力強く言う。『あしたのジョー』を含め、昨年からは『十三人の刺客』、「龍馬伝」と“熱い男たちの物語”が続いた。「だから最近、僕のことをすごくスクエアな怖い俳優だと思っている人が増えていて…。昔の同級生に“本来のイメージと違うことしてない?”って言われたりもするんですよね。まあ、でも、僕はもともと熱い部分があるので。その上で、いろいろなことに対応できるフラットな大人でいたいです(笑)。いまできることを100%誠実にやり、休むときは休む!」休みの時もアクティブに動いていそう…と伝えると、「いやいや、だらっだらですよ。休みになったら、家の片付けをして、高圧洗浄機でベランダをきれいにしないと…」と意外な休日計画を披露。「還暦迎えたおじいちゃんみたいだよね」と呟きつつも、言葉とは裏腹に、これ以上なく颯爽と、格好よくインタビュールームを後にする伊勢谷さんなのであった。(photo:Yoshio Kumagai/text:Hikaru Watanabe)■関連作品:あしたのジョー 2011年2月11日より全国東宝系にて公開© 2011 映画「あしたのジョー」製作委員会■関連記事:香川照之、山P&伊勢谷の打ち合い目撃し「選手役じゃなくて良かった」山下智久、ジョーが教えてくれた「挑戦することが大事」『あしたのジョー』主題歌に宇多田ヒカル!「夢じゃなくて愛を見せてよって感じ」
2011年02月04日人気俳優・伊勢谷友介の監督2作目が、辻内智貴のベストセラーを原作とした『セイジ−陸の魚−』であることが発表され、つい先日、撮影が無事終了したことも明らかになった。NHK大河ドラマ「龍馬伝」高杉晋作役で強烈な印象を残し、伝説的ボクシング漫画を実写化した来年公開の『あしたのジョー』では力石徹役を演じ山下智久(NEWS)と共演するなど、俳優として目覚しい活躍を見せている伊勢谷さん。一方で環境問題に目を向け、自ら「リバースプロジェクト」という自然環境の再生をテーマにしたプロジェクトの代表を務めるなど、その活躍は多岐にわたるが、その才能が再び映画製作に向けられることに!本作は太宰治賞受賞作家・辻内智貴の小説「セイジ」(筑摩書房刊)が原作。若さゆえの苦悩や葛藤、苦しい現実や人が人を癒すことの難しさを描いた物語は、各地の書店で、書店員がオススメする一作として評判を呼び、これまでに累計10万部を突破している。「王様のブランチ」のブックコーナーで“泣ける本 オールタイムベスト10”にランクインしたことでも話題を集めた。いまから20年前、大学最後の夏休みに自転車で一人旅をしていた「僕」は、いまはもう寂れてしまった国道沿いにある一軒のドライブイン「HOUSE475」で、不器用だが、ただ純粋に生きる男・セイジに出会う。「生きるって何だ」、「人生っていったい何だ」――そんなことを考えながらも気の置けない仲間たちと楽しく過ごしていたある日、町で凄惨な事件が起きる、というストーリーが展開。伊勢谷さんは「主人公である“セイジ”の行動に自分自身のテーマを大きく重ね合わせることができたことが大きな原動力になった」と語る。伊勢谷さんにとって本作は、脚本と主演もこなした『カクト』以来、8年ぶりの監督作。時間を見つけては共同で脚本の開発、改良を行ったそうで、2005年に監督のオファーを受けてから映像化するまで5年の歳月を費やした。このことからも伊勢谷さんの本作に対する強い思い入れが感じられるが、監督業を含む、自身の活動について伊勢谷さんは「監督業も、リバース・プロジェクトも、俳優も、自分自身の異なる“感覚”を使えるので飽き症の僕にとっては、とても良い刺激になっています。これからも自分が出来ることの中で、活動していきたいと思っています」とコメントしている。苦い現実、人と人との関わりが描かれた緻密な人間ドラマを伊勢谷さんはどう調理し、どう描き出すのか?来年の期待の一本となりそうな『セイジ−陸の魚−』。誰が出演しているのかも気になるところ。2011年、全国での公開を予定。■関連作品:セイジ−陸の魚− 2011年夏、全国公開予定© 2010「セイジ―陸の魚―」
2010年12月01日