3月16日から国立新美術館で「MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事」が始まった。会期前日にはプレス内覧及び記者発表会が行われ、三宅一生を始めとする関係者が出席した。「21_21 DESIGN SITEを2007年に開館してからすぐに近所である国立新美術館へ挨拶に伺った際に、いつかここで展覧会が出来たらと私が呟いたことから始まった10年掛かりのプロジェクト」と三宅氏が語る本展は、デザイナーの三宅一生が活動を始めた1970年から現在に至るまでの約45年間“企業秘密”にしてきた仕事を紹介するこれまでにない大規模な展覧会である。まず同展を構想するにあたり、三宅一生の45年間のアーカイブを整理するところから始めたのは数年前。三宅氏は「数万点に及ぶ膨大なコレクションの中から、一着一着当時を振り返りながら今回のための展示品を厳選することは思っていた以上に時間の掛かる作業で、実は当初の計画から会期が先延ばしになってしまっていたのだが、やっと今年実現が叶った」と明かし、45年という長い歴史を実感させる。そんな歴史を凝縮させた展示内容は、A、B、Cと大きく3つのセクションで構成されている。ルームAでは、三宅デザイン事務所を立ち上げた70年代に制作された原点ともいえる「タトゥ」「麻のジャンプスーツ」「水着とキャップストール」「ヌバ」といった服を展示。ルームBでは、80年秋冬コレクションで発表された「プラスティック・ボディ」に始まり、その後85年まで様々な形で展開された「ボディ」シリーズを展示する。このA、Bの空間デザインは、三宅氏と20年来の付き合いであるという吉岡徳仁が手掛け、服の展示に用いられているマネキン「グリッド・ボディ」も本展のために制作された。三宅氏の「衣服の原点は一枚の布」という概念に基づき、一枚の紙、または一枚のアクリル板からレーザーカッターでくり抜いた365パーツをグリッド状に組み立てて形成されているという。佐藤卓が空間デザインを手掛けたルームCでは、「プリーツ」「IKKO TANAKA ISSEY MIYAKE」「132 5. ISSEY MIYAKE/陰影 IN-EI ISSEY MIYAKE」など5つのテーマに分けて三宅氏の原動力となるチーム、メーカー、デザイナーとの協働を紹介する。中でも注目される「製品プリーツ」の制作過程を初公開するコーナーでは実際にスタッフがプリーツマシーンを動かし、制作実演も行われる。「本展に訪れた人が“何か自分も創りたい”と、子供から大人まで創造意欲を掻き立てられるような展覧会に仕上がったと思っている。デザインとは完成までのプロセスも含めて、こんなにもわくわくする可能性に満ちた仕事なんだと伝えたい」と三宅氏。記者発表会で「これから先40年に活躍する未来のクリエーターの課題は?」と問われると「資源不足や人口増加など問題は様々にあるが、男女や家族でシェアできること、温かみの感じられるプロダクト、洗濯のし易さなどより暮らしや生き方そのものに密接したデザインが必要になってくると思っている。生活の身近な事柄も含めてチームで日々ディスカッションしながら創造していく、だからデザインは面白い」と話した。会見終了後には本展の開会式が行われ、その場でなんと三宅氏にはフランス政府から芸術文化勲章のレジオン・ドヌール勲章コマンドゥールが授与された。会期中には佐藤卓と深澤直人による「三宅一生の感覚」(4月23日)、写真家・高木由利子と建築家・田根 剛の「Nobody Knows」(5月8日)、テキスタイルデザイナーで株式会社 イッセイ ミヤケ 取締役の皆川魔鬼子による「小さな驚きを与え続けること ―三宅一生のテキスタイル創り―」(6月4日)といったトークイベントや、造形作家・関口光太郎による「新聞紙とガムテープのアートを体験しよう!」(4月17日)や、リアリティ・ラボ(Reality Lab.)スタッフによる「折りオーリ ラボ開講!」(4月29日)といったワークショップなど、様々な関連イベントも予定されている。イベントの詳細や予約方法については国立新美術館公式サイト()にて掲載中。【イベント情報】「MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事」会場:国立新美術館 企画展示室2E住所:東京都港区六本木7-22-2会期:16年3月16日~6月13日時間:10:00~18:00(金曜は20:00まで、入場は閉館の30分前まで)休館日:火曜日(5月3日は開館)料金:一般1,300円、大学生800円(5月18日は国際博物館の日につき入場無料)
2016年03月17日若手女優の筆頭・吉高由里子が、自身2作目の舞台にして翻訳劇に初挑戦することが決定。英劇作家フィリップ・リドリー作を、白井晃演出で本邦初演する「レディエント・バーミン Radiant Vermin」に、高橋一生、キムラ緑子らと共演し刺激的な3人芝居を繰り広げる。オリー(高橋一生)とジル(吉高由里子)は20代後半の夫婦。彼らは自分たちの「家」の話を始める。1年半前、彼らはまだボロ家に住んでいたが、ある日突然、ミス・ディー(キムラ緑子)と名乗る家の仲介者から「夢の家を差し上げます」という手紙が舞い込む。浮浪者がうろつく荒れ野原にポツンと立つ一軒家。2人は、偶然にもその夢の家の残酷な秘密を知った。瞬く間にその秘密の虜になった2人は次々と家を不思議な“光”とともに豪華にし、荒れ野原をリッチなお洒落タウンへと変貌させる。人々はささやく。「あんなにいた浮浪者(=ゴミ)はどこへ行ったの?」と…。「レディエント・バーミン」、直訳すると“ 光るゴミ ”とは、いったい何を意味するのか――?本作は、イギリスの劇作家フィリップ・リドリーによる「レディエント・バーミン Radiant Vermin」を、日本でリドリー戯曲を手掛ける唯一の演出家・白井さんが演出を務め、心強い出演陣を得て日本初演させる舞台。これまでも、リドリーの作品を世田谷パブリックシアター/シアタートラムにて5作品に渡り上演してきた白井さんだが、いずれも斬新な劇場空間と、衝撃的な演出で高い評価と話題を呼んでいる。待望の最新作には、連続テレビ小説「花子とアン」や『僕等がいた』などテレビやドラマ、CMなどで活躍しながらも、本作でまだ舞台2作目、翻訳劇に初挑戦となる吉高さんがキャスティング。白井さんの演出を受けるのも初めてだというが、前作「マーキュリー・ファー」は観劇していたそうで、「自分の身体の中が異常に興奮したことをいまも覚えています。そのときは、まさか自分がフィリップ・リドリー作品に出るなんてことは思いもしていなかったので、生きていると何が起こるか分からないなぁと改めて感じています」と喜びを表した。また、前作「マーキュリー・ファー」で瀬戸康史と兄弟役を熱演し、白井さんからの信頼も厚い高橋さんが、吉高さんとの夫婦役で出演。月9ドラマ「信長協奏曲」「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」と立て続けに話題作に出演する実力派の高橋さんだが、「僕は白井さんとお仕事をさせていただくことをライフワークにしていきたいと思っていますので、また白井さんの所に戻って来られる嬉しさがいま、何よりもまず先行しています」と、白井さんへの信頼を明かし「今回もきっと面白いものができると僕は確信しています」と力強くコメントした。そして、ベテラン女優のキムラさんも“白井作品”に初出演。「白井晃さん、高橋一生さん、吉高由里子さん、私にとって初めての方ばかりです。そして同時代の劇作家が書いた翻訳劇への出演、またシアタートラムの舞台に立つことも久しぶりですので、とても新鮮な気持ちで挑ませていただくことができそうです」と感想を述べ、「一筋縄ではいかない戯曲の中で、高橋さん吉高さん演じる夫婦と相対する一筋縄ではいかない役を演じますので、白井さんや皆さんと沢山対話をし、稽古を積み重ねながら、濃密な芝居を皆さんにお届けできたら」と思いを語った。客席数約200席という、俳優の息遣いまでもダイレクトに伝わる劇場・シアタートラムで、刺激的な3人が繰り広げる、不思議でブラックなコメディーに、いまから期待が膨らむ。「レディエント・バーミン Radiant Vermin」は、7月12日(火)よりシアタートラムにて上演。(text:cinemacafe.net)
2016年02月24日秋元松代の脚本と蜷川幸雄の演出により、36年前の初演から多くの観客に愛され、上演が重ねられてきた名作舞台『元禄港歌―千年の恋の森―』が、市川猿之助、宮沢りえ、高橋一生、鈴木杏、段田安則ら新たな出演者をえて、1月7日より東京・シアターコクーンにて開幕。前日の6日には報道陣に向けて公開舞台稽古が行われた。【チケット情報はこちら】物語は、活気あふれる元禄時代、播州の大店・筑前屋を舞台に、結ばれない男女や、哀しい秘密を背負った親子の姿が描かれる。筑前屋の次男・万次郎(高橋)の起こした揉みあいを、5年ぶりに江戸の出店から戻った長男・信助(段田)が居合わせ、それをいさめる。母親である筑前屋の女将・お浜(新橋耐子)は信助を出迎えるが、その態度はどこかよそよそしい。そこに現れたのが、手引きの歌春(鈴木)を先頭に、座元の糸栄(猿之助)、そして初音(宮沢)ら、年に一度この港町を訪れる瞽女の一行だ。公開舞台稽古で披露されたのは、その晩、筑前屋にて瞽女たちが三味線で「葛の葉子別れ」を弾き語る場面。千年の昔から森の奥に棲む女が白狐となって恋人に逢いに来るが、人里の男に恋をした罰として、生まれたばかりの我が子を残して森に帰らなければならないという悲しい歌だ。涙ながらに弾き語る糸栄の姿に胸に迫るものを感じ、自身の出生に疑いを持っていた信助は初音に、糸栄は子を産んだことがあるのではないかと問いただす…。今回の上演にあたり、蜷川は「秋元松代さんの作品に登場する女たちは、いつも激しく、ストイック。それはどこかで破滅や不幸とつながってゆき、近代が何を犠牲にし、何を捨ててきたのかを証明している。(今回)猿之助さんが、美空ひばりさんの歌で『元禄港歌』をやりたいと言ってくれた。猿之助さんの糸栄なら見てみたい。久々にあらたな気持ちでこの作品をやってみたいと思った」とコメント。また、猿之助は開幕にあたり「蜷川さんは客席との一体感を大切にされる演出ですから、初日が開いてみないとわからない。稽古場で7割、あとの3割はお客様と共に創る感覚。でもその7割はキッチリ100%と自信があります!糸栄という役は、白い狐が化けたような、どこか非現実的な、幻想的な存在。だから女形なのだと、女形という特異性が役の特異性に呼応しているように感じています。初春、お芝居を楽しんで頂ければ」と意気込む。宮沢も自身の役について「ひとりの女の運命だったり、思いだったり、未来だったりが、とても刺激的です。生まれながらの罪をしっかり受けとめて、それでも愛することを止まない女。自分の存在を蔑み、原罪を受け止め、でも溢れ出る想いに揺れる。その姿にものすごく色気を感じますね。今回は“惜しまない表現”を目指します!」と語った。公演は1月7日より東京・シアターコクーンにて。2日6日(土)から14日(日)まで大阪・シアターBRAVA!でも上演。ほぼ完売状態の東京公演は、チケットぴあにて立見券を発売中。
2016年01月07日確定申告の職業欄に初めてスタイリストと記して、日本でフリーランススタイリストの第1号と登録された高橋靖子さんをご存じですか? デヴィッド・ボウイ、T・レックス、YMO、忌野清志郎、坂本龍一、布袋寅泰らをスタイリングし、ハリソン・フォード、アーノルド・シュワルツェネッガー、吉永小百合、矢沢栄吉、北野武、山崎努らのCM衣装を担当し、40年以上のキャリアを誇る現在も現役バリバリの、通称ヤッコさんを!最近、彼女が上梓したエッセイ集「時をかけるヤッコさん」のトークショーを訪れると、そこここで「可愛い!」と声が挙がったり、2ショットを撮りたがる若い男性が列を作ったり。何でこんなに人気者なの? その秘密を知りたくて、彼女の著書を繰りながら、ヤッコさんご本人に自宅でインタビュー。彼女から、一生可愛く生きる秘訣を探ります。70年代の原宿が生き生きと描かれた自伝的エッセイ「表参道のヤッコさん」それまで日本に存在しなかったスタイリストという職業を、自身のイマジネーションと心配りと遊び心を頼りに、模索しながら体現化していく様子がワクワクするような臨場感で描かれます。世界的なスターと仕事していても、道端の花に感動し、テレビの朝ドラに涙ぐんだりする感性は、昔も今もまったく変わっていません。ハードな現場もユーモアで和ませちゃうのがヤッコさん流ですが、それは彼女の愛されキャラあってこそ。―― 「可愛い」ってよくいわれませんか?「最近、激しくいわれますね(笑)。どんどん解放されて精神的な余裕が出て、自分の可愛さに集中できるようになったのかな。普段はすごいシャイでも、もう、いいや! と思って自分流にエイヤッ! と出しちゃってる時、可愛いっていわれることが多いですね」トークショーが大混雑し、後列の聴衆が伸びあがるのを見た瞬間、「後ろの人、私のビボーが届かなくてごめんね!」。それ以降、会場は和やかな雰囲気に包まれたのでした。―― 可愛い衣食住に囲まれてらっしゃいますが、それも可愛くなれる秘訣でしょうか?「うちのカーテンが可愛い? もちろん可愛いものは大好きよ。お洋服も、その時その時で欲しいと思ってる可愛いものが常にあります。ただ、あんまりスタイリッシュなものって興味がないのね。だから、写真撮られる時、決めのポーズとかもしないの(笑)」この品性がまさにヤッコさんらしさ。本書はそんな彼女の美意識に触発される一冊です。「小さな食卓」でヤッコさんの美肌と若さを作る食事を知りたいヤッコさんがいつものご飯を、春夏秋冬、様々なシーンで撮影し、何気ない日常がキラキラしている写真満載のエッセイ集。ご自宅では40年以上、自然食品を愛用している彼女ですが、これはダメ、あれはダメ、という修行僧みたいな食べ方は大嫌い。一人でも大勢でも食事のひとときを楽しみます。必ずメニューが決まっているのは、朝ご飯だとか。「まず、生姜と梅干しが入ったほうじ茶。それから、アボカドとトマトを1個ずつのサラダに、ドレッシングは亜麻仁油と塩こうじ。トーストには、脳に良いというココナッツオイルを塗って、野菜とかチーズをのせます。自分で作ったルバーブのジャムの時も。白米には、アマランサスやキヌアとかの雑穀類、最近はチアシードを混ぜてます」ピカピカのナチュラル美肌は、自然食品の影響も大きいようです。美容に関しては、意外にも、洗面所の棚に置かれていたのはエリクシールのローションと乳液だけ。「特別なことやってる? ってよく聞かれるけど、何もやってないの(笑)」。恥ずかしそうに、「これが持っている化粧品全部」と見せてくれたポーチの中身は、パウダーファンデと頬紅とクレ・ド・ポーの口紅がたった1本。シンプルでナチュラルなのは、食や生き方にも通じるものが。本書で、ヤッコさんの美貌を作っている食事にぜひ触れてみてください。 ロックな交遊と人生がレイヤーする名著「時をかけるヤッコさん」2015年7月に出版された近著は“70年代からの時間旅行”と銘打って、ミュージシャンたちとの刺激的で貴重な交遊が中心に描かれます。同時に「好きなことをコツコツ」というヤッコさんの仕事に対する真摯な姿勢が重なり、スタイリストとして第一線を走り続けるには、創造力が豊かなのは当然ですが、信頼される人間性、知性も大事だなあ、と実感。気取らず謙虚で正直だけれど、お茶目。人との距離感の取り方が絶妙で、誠実でベタつかない。常に穏やかで周囲をくつろがせるヤッコさんの人気の秘密がわかります。―― 可愛さや若さや美しさって、まずは心の問題ではないでしょうか?「そう思う。たとえば、若い人をよく励ましたり褒めたりするけれど、それを励みに努力し続ける人もいれば、褒められて、自分はすごいんだって勘違いしちゃう人もいる。その人次第ね。どういう気持ちでいるかで、内面も外見もすごく違ってくると思います」ヤッコさんといると、年齢をまったく感じません。彼女は今、74歳ですが…。「私ね、今でも何でもできると思っているのよ。もちろん、恋やセックスもね(笑)」と、にっこり。40代でも、エッチするのが面倒臭いという人がいますが、彼女は全然そんなことはない、と微笑みます。そのあたりが、若さと可愛さの秘訣ではないでしょうか。潔くポジティブに生きる姿勢に裏打ちされた可愛さ! この3冊で、レジェンド&エバーグリーンなヤッコさんの魅力に開眼して、あなたも一生可愛く生きてみませんか?
2015年10月13日元AKB48で女優の秋元才加が、10月6日にスタートする、BSジャパン開局15周年記念特別企画『火曜スペシャル 山本周五郎 人情時代劇』(毎月第1・2火曜21:00~21:54)の第2話に出演し、時代劇に初挑戦することが21日、分かった。秋元が登場するのは、10月13日に放送される「夜の辛夷(こぶし)」。里子に出した子供のために、実際には24歳でありながら客には18歳と偽って必死に生きる女郎・お滝を演じる。お滝は、過去の出来事から男と悪人を憎むが、ある日、客としてやってきた忍成修吾演じる元吉にほれてしまい、秋元が、この気持ちが揺れていく様子を熱演している。秋元は、日本舞踊を習っているほど、以前から時代劇への出演を希望していたが、長身であり、ハーフで顔立ちがはっきりしているため、なかなかオファーは来ないと思っていたという。しかし、今回早くもその夢が実現。「周りの方を見ると、私ひとり顔が濃いんじゃないかなという不安はあります(笑)」と冗談めかすが、念願の時代劇に気合十分だ。最初は緊張して「どう取り組めばいいのか分からなかった」というが、「あたま(かつら)をつけて、江戸の町のセットに入ったら、スッとその世界に入っていけました」と調子をつかんだ様子。「大年増」と言われて傷つくシーンの撮影は、自身がAKB48にいた当時に、若いメンバーが次々に加入してきたときの心境を重ね合わせて演じているといい、「いろんな経験が役になってるなあと思っています」としみじみ語った。BSジャパンの瀧川治水プロデューサーは、秋元について「その凛々(りり)しさと精悍(せいかん)さが、役のイメージと重なりました」と絶賛。「今の時代を生きる旬な女優さんが、山本周五郎の登場人物になりきることで、とても新鮮な作品になると確信いたします」と自信を持って語っている。『山本周五郎 人情時代劇』は、作家・山本周五郎の短編小説の中から、江戸の長屋を舞台にした作品を中心に、12作品を1話完結でドラマ化。第1話は高橋一生、第3話は平山あや、第4話は森岡龍と、フレッシュな俳優たちが主演を務める。
2015年09月22日高橋一生、瀬戸康史が出演する舞台『マーキュリー・ファー Mercury Fur』が2月1日、東京・シアタートラムで開幕した。英国の劇作家フィリップ・リドリーの作品を本邦初演。2005年のイギリス初演時には、その荒廃した世界観と挑発的で過激な描写が客席を騒然とさせたという話題作だ。舞台『マーキュリー・ファー Mercury Fur』チケット情報暴力と略奪がはびこる街を舞台に、過酷な状況下で、生きること、愛することを渇望するふたりの兄弟の姿を描く本作。高橋と瀬戸はその兄弟役を演じる。初日の公演を終えて、主演のふたりは次のようなコメントを寄せている。■高橋一生(兄・エリオット役)2005年に発表されたこの作品を預言書のようだと感じていますが、そのような過酷な世界になったとしても何を守り、大切にし、信じていくか。最後の牙城は人間の愛だと思いました。また改めて舞台に立って感じたのは、これは希望の物語だということです。俳優として、希望の物語にしなくてはいけないのだという使命を感じました。お客様に少しでも伝わればと思います。■瀬戸康史(弟・ダレン役)この作品はタイムリーで、世界で起こっていることと重なっているようでもあります。自分が出演していることは運命的で、意味がある。そして責任があると感じられる作品です。全27公演をひとつひとつ大切にしていきたいですし、その時のダレンがどう生きているかということを演じていきたいと思います。さらに演出を手がける白井晃からもメッセージが寄せられた。リドリー作品を演出するのは今回で4作目。白井は日本でリドリー作品を手がける唯一の演出家だ。■白井晃(演出)初日が終わってこのように震える思いになったのは初めてです。この作品が持っている意味、演劇が持っている意味というものを改めて感じることができました。俳優たちが必死にこの時間を生きようとしているのを見て、演出家として非常に嬉しく思いましたし、一緒に舞台上で息をしているような気持ちになりました。凄い作品だと改めて思いましたし、多くの観客にこの空間を感じて色んな感想を持ってもらいたい、そのように思いました。舞台は2月22日(日)まで。チケット発売中。
2015年02月04日そこは暴力や憎悪がはびこる凄惨な世界だが高橋一生は「美しい舞台になるはず。そこだけは確信を持っています」と語る。演出・白井晃の生み出す舞台『マーキュリー・ファー』の世界に飛び込むことに恐怖も不安もない。「いろんな感情が希薄になりがちな社会において、僕も含め現代を生きる人間が必要としている感覚に出会う瞬間があると思います」とうなずく。舞台『マーキュリー・ファー』チケット情報英国の作家フィリップ・リドリーによる戯曲の本邦初演。人間の本能をさらけ出し“第二のデヴィッド・リンチ”とも評される彼の面目躍如とも言える作品で、ある“パーティ”の準備をする兄弟とそこに集まる人々の物語が展開する。暴力的でグロテスクな描写の中から高橋が感じたのは本質的かつ普遍的な“愛”。「この兄弟愛ってすごく野性的で普遍的。動物がじゃれ合うように、傷つけることでしか表現できない愛ってあると思うんです。先行して凄惨な描写があるけど、その内側に『透明な暴力』というか、心臓が見えている状態で殴られるような感覚を秘めているホンですね」。リドリーはイラク戦争に対する怒りを込めて本作を書いたと演出・白井晃が語るように、随所に様々なメタファーが見られるが、高橋は「兄弟が巻き込まれていく現実が、決して自分たちと遠いものとは思わない」とも。「内なるところで僕らは既に“戦争”を抱えていて、それはもしかしたらイラクの戦争よりも残酷かもしれない。僕のこれまでの三十数年の体感として持っている戦争のイメージをイラクに飛躍させることはできないけど、そうせずとも戦々恐々とした感覚はいまの僕の中にあるはず。その感覚をまずは舞台上で試してみたいと思います」。演出の白井とは2012年の『4 four』(作・川村毅)以来2度目の仕事となるが、「美」への確信は白井の存在があるゆえ。絶対的な信頼を持った上で、前回、完全な“合致”を見せた互いの感性を「溶け合わせたい」とも。「白井さんが言う“白”にあえて違う“白”をぶつけて溶けあわせたらどうなるか?白井さんとならそうやって別次元に進める気がします。今年は大河ドラマをはじめ、映像での露出も多かったが、TVの中とは全く違う姿を舞台上で見せてくれそうだ。「作品を観たあとの感想は『分からなかった』でもいいと思う。いまの時代、分からないまま放置することが難しくなっているけれど、時間をかけて咀嚼してもらって、いつかふとした瞬間に『あぁ、そういうことか!』と感じてもらえたらいいなと思います」。舞台は2月1日(日)より東京・シアタートラムにて。その後、兵庫・福岡でも公演。チケットの一般発売は12月14日(日)午前10時より。撮影・取材・原稿:黒豆直樹スタイリスト:秋山貴紀ヘアメイク:Tetsuya Mori
2014年12月11日女優の鈴木京香が12月3日(水)、東京都内でNHKBSプレミアムの連続ドラマ「だから荒野」の第1話完成試写会に出席した。作家・桐野夏生の原作小説をベースに、46歳の誕生日に身勝手な夫や子どもたちと決別した主婦の明美(鈴木さん)が1,200キロのあてのない旅に出る中で、人生や家族を見つめ直していく様を描く。劇中で描かれるネットカフェで寝泊まりするシーンで、人生初のネットカフェ訪問を果たした鈴木さんは「色々な設備が充実しているのに驚きました」と目を丸くしながら「飲み物も好きなものをフリーで頂けたり、便利な場所だと思った。撮影で空き時間が出来たら、今度行ってみようと思う」とプライベートでの利用を宣言していた。鈴木さんは実生活では未婚ながら、家族を捨てて旅に出る孤独な主婦役を熱演。ネットカフェの便利さに驚いた一方で、「眠れるようなスペースはあるけれど、家族から離れてそこにいると思うと寂しい。これまで主婦として暖かなベッドを作って来た自分が、寝る場所がないという時にどんな風になるのか、自分と同じ年代の主婦がひとり勇気を出して孤独と戦う気持ちを考えるのが難しかった」と特殊な場所で役柄と向き合えたようだった。放浪先となる長崎県では、現地ロケを4週間ほど敢行。「食べ物にも詳しくなったし、美味しい“チャンポン”を食べて長崎が好きになりました」とご当地グルメを存分に堪能したそうで、「1話を見終わった後に(ドラマの中で)これから長崎に行くと思うと、プライベートでも行きたくなる。長崎の街に感謝しています」とすっかりお気に入りの地になっていた。この日の会見には共演の高橋一生、濱田龍臣も出席した。NHKBSプレミアム連続ドラマ「だから荒野」は来年1月11日(午後10:00)スタート。(text:cinemacafe.net)
2014年12月03日ただ付き合うだけならラフな理由でも成立しますが、男性から「この人となら一生一緒に・・・」と思わせるためには、ただのカップルとは一線を画した要素が必要不可欠!では、男性のハートを一生掴むためにはなにが必要でしょう?今回は男性がずっとそばにいてほしいと思うための要素を5つ紹介しましょう。■1.弱ったところを支える「男っていつでも強くありたいですし、多少のことがあっても強がっていたいですけど、どうしても気持ちがダメになるときがあります。そういうときに否定されたり指摘されるんじゃなくて、そっと支えてほしい」(30代/商社)男性って強く見せようとがんばってますけど、メンタル弱い生き物ですもんね(笑)そんな男性のメンタルを支えてあげられる女性は、とっても重宝されます!男性が弱ってるときに「そんなんじゃダメじゃない!!」とヒステリックになったら「あーコイツ、ないわ」とポイッとされちゃう可能性、大です。■2.コンプレックスを受け入れる「自分のイヤなところってだれでもあるじゃないですか。そのイヤな部分を受け入れてくれる人って大事だと思うんですよ『この人は僕の悪いところも含めて好きになったくれてるんだな』って思えて、相手に安心感と信頼が生まれます」(20代/SE)だれでもコンプレックスはあるものですよね。「なにこれ私の脚太すぎ・・・」とかいろいろ愚痴りたくなっちゃいます。男性も同じように、自分ですごーくイヤだと思うものは持ってるものです。そこを「私はそんなあなたが好きだよ?」と受け入れ姿勢全開で接してあげれば、男性はコロッといっちゃうみたいです。女性だってコンプレックスを「そこがカワイイんだよ」って言ってもらえたら、ホンット嬉しいですもんね!■3.温かい料理を作ってあげる「料理って重要ですよ。だって帰ってきたときに料理を作って待ってくれてるってだけで『オレには帰る場所があって、帰りを待ってくれる人がいるんだな』って実感につながります。最近周りが結婚していってるから余計に『あー俺にも温かい料理を作って待ってくれる人が欲しいな・・・』って思っちゃいますね」(30代/営業)出ました、料理。男性の心を掴むにはやはり胃袋を掴むのが強力です。男性のハートは胃袋に入ってると思っても過言ではありません。料理ができる女性は問答無用で高ポイントです。仕事で疲れた男性を温かい料理で迎えてあげれば、疲れも吹っ飛ぶみたいですね。そういうハートフルで温かなお出迎えを望む男性はとっても多いので、花嫁修業として料理スキルは磨いておくべしです!■4.尊敬する「男たるもの、尊敬してくれる存在は支えになるし自信にもなりますからね。いつでも尊敬される存在でありたいし、そのために努力もする。だから俺のそばにいてくれって思いますよ」(30代/IT)男性はプライド高いから、「俺を認めてくれ!俺ってスゴイでしょ!?」って気持ちを満たしてほしい生き物です。だからそのプライドを常に満たしてあげられる存在になれば、まず男性は喜びますし、かけがえのない存在として離れなくなっちゃいます。■5.相手にない魅力を手に入れる「自分にないものをもってる人って、なにか惹かれるものがあるじゃないですか。相手を好きになり続けるためには、ふとしたところで『この人は魅力的だな』って思えるのが大きいです。その大切な要素が、自分にはない魅力ですかね」(20代/公務員)これは大事ですよね。か弱い女性的には強く猛々しい男性に惹かれますし、猛獣のような肉食系女性であれば大人しい男性に惹かれるものです。ずっと一緒にいるための相性としても、自分にない魅力を持っている人同士は大切なはず。長続きしてるカップルって、みんなそういうところありませんか?■おわりに男性が「一生一緒にいてくれや!」と思う女性になるためには、その男性の心をどれだけ満たせるかが重要そうですね。女性とは異なるプライドの塊な男性という生き物を理解して、「こうしてあげれば私から離れなくなるんでしょ?」という気持ちを抱きながら、優しく支えてあげましょう。そうすれば手玉に取ったも同然のはずです!!(大西薫/ハウコレ)
2014年11月15日(画像は高橋愛オフィシャルブログ「I am Ai」より)高橋愛が始球式!夏に向けて暑くなってくると、熱くなってくるのがスポーツ観戦です。目前に控えたワールドカップも見逃せませんが、日本には世界が認めたプロ野球があります。プロ野球ファンの中には芸能人もたくさんいるようで、元モーニング娘。の高橋愛さんの夫でタレントのあべこうじさんもそのひとり。「Y155愛の親善大使」に任命された2人は、25日に行われた横浜スタジアムで始球式を務めたのですが、注目したいのは高橋愛さんのユニフォーム姿です!オシャレ!ユニフォームはこう着る!高橋愛オフィシャルブログ「I am Ai」の5月25日付けの記事では、始球式の臨んだ彼女のユニフォーム姿の写真がアップされました。帽子を斜めにちょこんとのせて、黒の丈の短いトップスでおへそをちらっとのぞかせた彼女。それでも黒のジーンズでセクシー度は抑え、スポーティに仕上げています。その上にベイスターズのユニフォームシャツをアウター感覚で羽織るバランスは、さすがオシャレ上級者です。これからプロ野球はますます苛烈な試合展開となり、ヒートアップすること間違いなし。観戦をしに行くのなら、高橋愛さんをお手本に、オシャレなユニフォーム姿で応援に行ってみてはいかがでしょうか。【参考】・
2014年05月27日俳優の永山絢斗、高橋一生、女優のハマカワフミエが14日、都内で行われたWOWOWの連続ドラマW『モザイクジャパン』の記者会見に出席した。坂元裕二脚本、水田伸生演出による同ドラマは、セックス産業で潤う田舎町を描く社会派エンタテインメント作品。東京の証券会社をリストラされた理市(永山)は帰郷して、新鋭企業・GALAXYZに再就職する。しかし、アダルトビデオを手がける会社だったため、オフィス内やトイレなどいたるところで"絡み"の撮影が行われ――というストーリーで、ドラマは18日23時から毎週日曜放送(全5回)。撮影が楽しかったと言う主演の永山は、「凝り固まった世の中をすり抜けて、爆弾を投下するような作品。(演じるのは)怖かったけど、自分の中でも冒険だったし、新しい向き合い方ができた」と満足げな笑みを見せ、ヒロインの座を射止めたAV女優役のハマカワは、「終始楽しくやらせていただきました。難しい題材だったけど、スタッフも役者も何とか良い作品にしようと一体感のある現場でした」とにっこり。会見には、演出の水田監督も出席したが、「中身を知らないで引き受けたけど、脚本を読んで『しまった!』と。本当に難しかった。もう嫌だ」とこぼしつつ、「いつもより一生懸命やってしまった。みんなで心を合わせて作った」と胸を張った。ドラマの中では様々なセックスシーンが描かれるが、永山は"男体盛り"に挑戦しており、「マグロの頭が冷たいし、両手両足には手錠が掛けられてて。お腹を壊したけど、良い経験になりました」と苦笑いで振り返り、モザイクをかけたいシーンを聞かれると「何個もあるけど……、ハメ撮りシーンは照れくさい。ハメ撮りはやったことが無いから、練習も出来ないし」と赤裸々に語る場面も。そんな過激シーン連続の撮影について、GALAXYZ社長役の高橋も「宮地真緒さんにシャンパンを口移しするシーンで、勢い余って絢斗くんにキスしちゃった。すごく嫌そうな顔してたので、申し訳無い」とエピソードを明かして謝罪すると、永山は「おいしいシャンパンでした」と苦労を共にした同志を労っていた。
2014年05月15日永山絢斗を主演にAV業界の裏側を描く、WOWOWの連続ドラマW「モザイクジャパン」。このほど“AVは、天国も地獄も見せてくれる。”というキャッチコピーに相応しく、嬉し苦しいといった表情で永山さんが女性7人のセクシーな美脚に埋もれる、本作のポスター・ビジュアルが公開された。東京の証券会社をリストラされた常末理市(永山絢斗)は、地元に帰郷。両親の勧めで、田舎町には不釣合いなモダンな自社ビルを持つ「(株)GALAXYZ」への再就職を果たした。若き社長・九井良明(高橋一生)が率いるGALAXYZグループは、何とアダルトビデオを中心にさまざまな事業を手がける新鋭企業。職場には短すぎるスカートの制服を着た美女があちこちに…。理市はその中で一際純粋さを放っている木内桃子(ハマカワフミエ)が気になり出す。だが、彼女たちは実は全員AV女優で、就業中もオフィス内やトイレなどいたるところで“絡み”の撮影が行なわれていた。理市は、このセックス産業で潤う田舎町で、破滅・成功・絶望・快楽のすべてを経験していくことに――。今回のポスター撮影は、都内スタジオで7人の女性モデルを起用して行われた。14本の女性たちの手や脚が絡まり合う中に永山絢斗さんが埋まったところを、真上から撮影するという一発撮り形式で行われ、完成した絵はまさに“欲望の渦”に飲み込まれていくかのような仕上がりとなっている。アートディレクションを担当したのは、連続ドラマW「私という運命について」やNHKの連続ドラマ小説「あまちゃん」のポスターデザインなども手がけた吉良進太郎氏(GINYU FORCE)。撮影を担当したのは、広告やファッション写真界の第1人者・下村一喜氏だ。今回の撮影について、永山さんは「クランクインをする前のポスター撮りでした。当日現場に行って女性たちが裸にガウンを着ているのをみて、『いよいよドラマが始まるんだな』と緊張で胃の奥のほうがキュッとなりました。でもそのおかげでいいスタートをきれた気がしています」と当時をふり返っている。また、本作の“AV女優”役には新鋭女優・ハマカワフミエや『白ゆき姫殺人事件』にも出演中の実力派・宮地真緒らが出演しており、女優たちの体当たりの演技にも注目だ。連続ドラマW「モザイクジャパン」(R15+指定相当)は5月18日(日)より毎週日曜23:00~放送。(text:cinemacafe.net)
2014年05月09日永山絢斗・主演、「Woman」「Mother」の坂元裕二・脚本&水田伸生・演出でAV業界に乗っ取られた田舎町を舞台に贈る問題作、連続ドラマW「モザイクジャパン」から、5月18日(日)より放送の第1話の場面写真が到着。また、本作でAV女優役に抜擢された新鋭・ハマカワフミエと、『白ゆき姫殺人事件』にも出演中の実力派・宮地真緒からコメントが到着した。東京の証券会社をリストラされた常末理市(永山絢斗)は、地元に帰郷。両親の勧めで、田舎町には不釣合いなモダンな自社ビルを持つ「(株)GALAXYZ」への再就職を果たした。若き社長・九井良明(高橋一生)が率いるGALAXYZグループは、何とアダルトビデオを中心にさまざまな事業を手がける新鋭企業。職場には短すぎるスカートの制服を着た美女があちこちに…。理市はその中で一際純粋さを放っている木内桃子(ハマカワフミエ)が気になり出す。だが、彼女たちは実は全員AV女優で、就業中もオフィス内やトイレなどいたるところで“絡み”の撮影が行なわれていた。理市は、このセックス産業で潤う田舎町で、破滅・成功・絶望・快楽のすべてを経験していくことに――。これまで一切の本編映像が公開されることのなかった本作だが、今回解禁されたのは、3枚の劇中ビジュアル。困惑の表情を魅せる永山さんの背後では、もしや“絡み”の撮影真っ最中!?そんな永山さん演じる主人公・理市が思いを寄せる桃子役ハマカワさんも、妖しげな表情で何者かを見上げている。また、高橋一生演じる若き社長・九井とNO.1AV女優役を務める宮地さんもただならぬ雰囲気の様子で、R15+指定相当ドラマとあって、禁断のシーンばかりだ。さらに、本作でオーディションを勝ち抜いた新鋭女優・ハマカワさんは、「悩みました。AV女優という、あまりに遠く離れたところで生きている桃子という役を私が生きられるのか、不安でした」と、ヒロインに決定直後の気持ちを語る。「ですが、脚本を頂いて考えが変わりました。桃子が、面白い。台詞も言動もとんちきながら、最後まで読み終わったころにはもう、桃子をどこか遠くの人と感じなくなっていました。一筋縄では行かない物語と、なんだかちぐはぐな理市との行く末、見守って頂けたら幸いです」とコメントした。また、九井社長の愛人でNo.1女優・美織を演じた宮地さんは、「この作品の台本を読んだ時、『絶対にやりたい!』と思いました。刺激的で、ブラックで、カオス。こんなに面白い台本に出会えるなんて!美織さんという役で、色んな意味で一皮も二皮も剥けてしまうような、そんな素敵な感覚の中でお芝居できていることを、とても嬉しく思います」と、体当たりで挑む本作への意気込みを語っている。さらに、特設サイトでは、劇中の映像を使用した予告編が本日4月27日(日)深夜0:15から解禁となる。田舎町を乗っ取った不気味なAV企業の内部を覗いてみて。連続ドラマW「モザイクジャパン」(R15+指定相当)は5月18日(日)23:00スタート。(上原礼子(cinema名義))
2014年04月27日「Woman」「最高の離婚」「東京ラブストーリー」など数々のヒットドラマを生み出してきた脚本家・坂元裕二が、永山絢斗を主演に迎え、WOWOW連続ドラマWに初参戦。“AV業界”の裏側に踏み込んだ、社会派エンターテインメント「モザイクジャパン」を手がけることが明らかとなった。東京の証券会社をリストラされた常末理市(永山絢斗)。仕方なく帰郷すると、なぜか、故郷の町全体が明らかに色めき立っていた。理市は両親の勧めで、田舎町には不釣合いなモダンな自社ビルを持つ(株)GALAXYZへの再就職を果たす。若き社長・九井良明(高橋一生)が率いるGALAXYZグループは、実はアダルトビデオを中心にさまざまな事業を手がける新鋭企業だった!職場には短すぎるスカートの制服を着た美女ばかり。理市は、その中でひときわ純粋さを放っている木内桃子(ハマカワフミエ)が気になり出す。だが、彼女たちは、全員AV女優。就業中もオフィス内やトイレなど、いたるところで絡みの撮影が行なわれていた。理市はこのセックス産業で潤う田舎町に巻き込まれ、破滅、成功、絶望、快楽のすべてを経験していくことに――。リアルで心の痛いところを突き刺すセリフや緻密な物語展開で知られる、脚本家・坂元裕二が、R指定の本作で手がけるのは、セックス産業で潤う田舎の街を舞台にあぶり出す、“モザイク”にかかったAV業界、ひいては深い人間心理や日本社会の暗部だ。主演は、映画『クローズEXPLODE』『ふがいない僕は空を見た』などで知られる若手実力派俳優・永山絢斗。さらに、連続ドラマW「ヒトリシズカ」などに出演した高橋一生ら、魅力的なキャストが斬新なテーマに臨む。オーディションを勝ち抜き、AV女優役として体当たりの演技に挑む新人女優たちにも注目だ。主人公・常末理市を演じる永山さんは、「帰郷し親しかった人々の変化に感じる葛藤や、AV業界で仕事をしていく上で生まれる失望感、恋愛を交えて出る向上心などを誠実に演じたいと思っています」と意気込む。そして、「素晴らしい脚本に色を付け、自分で自分にかけてしまっているモザイクを取り除くことが出来たら、僕も少し成長出来るかもしれません」と、本作のテーマに斬り込む深いコメントを寄せてくれた。また脚本を手がける坂元さんは、「テレビ番組作りの原点とは、誰もが興味を持っているけど、誰も知らないことを、誰でも見れる場所にさらけ出すことと考え、アダルトビデオの世界で取材を重ねました。結果、150分中、140分はWOWOWでしかできないであろうドラマとなりました」と語っている。「幾重にも重ねられたモザイクを消しながら私たちが見つけたものは、この国の社会システムそのものでもあります。モザイクとは何か、モザイクの向こうには何があるのか。ないのか、そんなことをこの物語の中で考えていただければと思います。『モザイクジャパン』というタイトルですが、内容にはモザイクをかけていません」。そんな坂元さんの意欲作を演出するのは、映画『なくもんか』『謝罪の王様』などを手がけ、坂元さんとはドラマ「Mother」「Woman」などでもタッグを組んできた水田伸生。「坂元さんの着眼点に驚かされ、感服している。今回は感服を超えて、驚愕だわ…。こりゃ、民放地上波ではできないわ…。やると決めたWOWOWも凄いわ…。私は、坂元裕二さんとWOWOWに鍛えられている」とコメント。「空飛ぶタイヤ」では自動車業界を、「パンドラ」では製薬業界を、「震える牛」では食肉偽装問題など、民放では扱えない様々なテーマに果敢に挑んできたドラマW。今回も、一筋縄ではいかない社会派ドラマとなりそうだ。連続ドラマW「モザイクジャパン」(R15+指定相当)は5月18日(日)夜11:00スタート。(上原礼子(cinema名義))
2014年04月03日(画像は高橋愛オフィシャルブログ「I am Ai」より)喜びいっぱいの報告元モーニング娘。で、現在も歌や芝居で活躍中の高橋愛さん。元モーニング娘。のファンだけでなく、その整った容姿と抜群のファッションセンスで、男女の垣根なく人気のあるタレントさんです。その彼女が自身のブログ「I am Ai」の12月21日付記事で、来年2月14日に結婚すると報告をしました。既に様々なメディアで取り上げられていますが、お相手はお笑い芸人のあべこうじさん。「この人しかいない!と思える人に出会うことが出来て、本当に幸せです。」と喜びいっぱいの記事がアップされています。カジュアル系からマダム系へ?ポップでカジュアルな私服は小柄な彼女にピッタリで、ただ可愛いだけじゃなくきりっとした顔立ちを引き立てるようなコーディネイトはさすがとしか言いようがありません。そんな彼女のファッションに変化が見られるような写真がアップされました。同ブログ12月18日付の記事には、H&MのロングスカートにUNIQLOのコートの私服が公開されています。いずれもカジュアルブランドではありますが大人っぽくまとめていて、黒のシャネルのバックがさらに彼女を上品にみせています。今までの路線とは一線を画すような、シックなコーディネイトはマダム風とも呼べそうです。変化するファッションに注目しつつ、来年の結婚報告に期待が持たれます。【参考リンク】▼高橋愛オフィシャルブログ「I am Ai」
2013年12月24日『オズの魔法使い』に想を得て、ペンギンプルペイルパイルズの倉持裕が新作を書き下ろし。M&Oplaysプロデュース『ライクドロシー』として、11月、東京・本多劇場で上演する。そこで倉持作品の常連である片桐仁に、現在の心境を語ってもらった。M&Oplaysプロデュース『ライクドロシー』チケット情報8年前の『パリアッチ』を皮切りに、ペンギンプルペイルパイルズ『審判員は来なかった』、『鎌塚氏、放り投げる』と、倉持作品に過去3度出演している片桐。そしてその共通点が、“コメディ”であり、それはこの『ライクドロシー』にも当てはまる。「コメディってコントと違って、その役の中で一生懸命生きれば生きるほど、面白く見えるんですよね。そこにある“ズレ”みたいなものを倉持さんはすごく考えているし、しかも生の人間が演じることで、よりそこが際立っていくというか。そういう舞台表現を、倉持さんはどんどん突き詰めていっている気がします」コントユニット「ラーメンズ」の一員である片桐は、いわば笑いのプロ。それだけに倉持作品の笑いについても理解度が高く、倉持は「片桐さんがいるだけで勝率が上がる感じがする」と評するほど。また難解と言われることの多かった倉持作品だが、「片桐さんが入ることで、すごく間口を広く、観やすくしてくれる。しかもそれが下品にウェルカムな感じがしないというか、ちょうどよく中和してくれるんです」と語るように、片桐に対する倉持の信頼は非常に厚い。今回片桐が演じるのは、『オズの魔法使い』で言うところの“ブリキ”に当たる男で、同じく“かかし”の高橋一生、“ライオン”の塚地武雅との小悪党トリオを組む。「一生くんはすごくいい俳優さんだと思いますし、また塚っちゃん(=塚地)なんて、ほぼラーメンズと同期ですからね。そんな塚っちゃんと、まさか舞台で共演できる日がくるとは…。まぁリアクションひとつ取っても天才ですし、塚っちゃんとがっつり絡めるのがすごく楽しみで!ぜひこの3人ならではのチームワークを出していきたいなと思います」ヒロイン役の長澤まさみとはこれが初共演。長澤の写真を眺めつつ片桐は、「本物の方がかわいいんだろうなぁ」と頬をゆるめる。「でも今回は、長澤さんが結構強めな役どころなんですよね。やっぱりおじさんたちとしては、そんな長澤さんに困らせて欲しいなと(笑)。だからお客さんも、そんな長澤まさみ女王プレイを(笑)、そしておじさん3人が困っているさまを、観に来てみてはいかがでしょうか?」11月8日(金)から24日(日)まで東京・本多劇場で上演するほか、全国でも公演。チケット発売中。取材・文:野上瑠美子
2013年09月20日ペンギンプルペイルパイルズの倉持裕が、長澤まさみを主演に迎えて書き下ろす新作コメディ、M&Oplaysプロデュース『ライクドロシー』が、11月、東京・本多劇場で幕を開ける。そこで演出も手がける倉持と、『クレイジーハニー』以来2度目の舞台出演となる長澤に話を訊いた。M&Oplaysプロデュース『ライクドロシー』チケット情報ヒロイン役の長澤について倉持は、「きれいなのはもちろん、意地悪そうというか(笑)、ちょっと毒っ気がありそうな感じがいい」と、独自の視点から女優としての魅力を述べる。だがそれは本作における重要なファクターでもあるようで、「あまりフラットにならず、長澤さんのように強烈な印象のある人の方がコメディは作りやすいんです」と、そのキャスティング理由を語った。そんな長澤は今回のオファーを、「すごく嬉しかったです!」と目を輝かせる。「映像の場合、完成までの過程で知らないことの方が多いですが、舞台の場合、一からみんなで作り上げていける。その“ちゃんと仕事してる”“生きてる”って感じがすごく楽しくて。特に小劇場の方って、お芝居することをすごく楽しんでいるし、いい人だし、キラキラしているし…」と話す途中、倉持から「鈍い光を?(笑)」というひと言が。すると長澤は「芸能人っぽいキラキラではないんですけど(笑)、自分の仕事に誇りを持っているところが、ご一緒していてすごく素敵だと思います」と続けた。『鎌塚氏、放り投げる』『鎌塚氏、すくい上げる』が好評を博し、コメディ作家としても新境地を切り開いた倉持。「コメディに大切なのはギャップとスピード感」と明かし、『鎌塚氏~』同様、分かりやすいコメディを目指す。また本作は『オズの魔法使い』が下敷きになっており、“長澤=ドロシー”ということになるが…。倉持いわく、「『オズ~』の方は温かい手を差し伸べて、かかしとブリキとライオンに協力を請うわけですが、こっちはもっと弱みを握って従わせるというか(笑)。でも長澤さんなら、そういうのをあまり嫌味にならずにできるんじゃないかと思うんですよね」と期待を寄せる。かかしとブリキとライオンに当たる小悪党を演じるのは、高橋一生、片桐仁、塚地武雅の3人。「すごくぴったり」と長澤も話すように、彼女にいじられる3人という画が、不思議としっくりくる。倉持も「なんか意地悪されても仕方ないって感じがしますもんね」とニヤリ。すると長澤は、「じゃあとことんいじめたいと思います!」と満面の笑みを浮かべていた。11月8日(金)から24日(日)まで東京・本多劇場で上演するほか、全国でも公演。チケットぴあでは東京公演のインターネット先行・いち早プレリザーブとインターネット先行・プレリザーブを9月8日(日)午後11時まで、福岡公演のインターネット先行・プレリザーブを9月12日(木)午前11時まで受付中。いち早プレリザーブではぴあ特別席(前列4列目まで)も受付ている。取材・文:野上瑠美子
2013年09月06日リアルタイム・シンガーソングライター・高橋優が、自身最大規模となる14都市16公演のホール・ツアー「高橋優秋の全国ツアー~高橋は雨男?晴れ男?はっきりさせようじゃないか2012」のツアー中だ。ツアー初日は10月12日、神奈川県民ホール。楽曲制作のプロデューサーでもある浅田信一(G)の率いるバンドをバックに、高橋は曲ごとにギターを取り替えながら力強い歌声を聴かせる。コンディションはばっちり良好だ。高橋優 ライブ情報「一番恐れていたことが起きました。気象庁発表によると、本日の天気は“曇り”です(笑)」ツアータイトルに引っ掛けたユーモラスなMCで笑いを誘い、「でもステージ上は晴れですから。みなさんの心の中までも晴れ渡るように歌います」と呼びかける高橋。観客は時に座ってじっくりと、時に総立ちになって拳を振り上げ、徐々に一体感がホール全体を包み込んでゆく。セットリストは高橋優のベスト選曲とも言えるもので、出来たてほやほやの新曲も聴ける。MCも饒舌で、高橋は日常で感じる様々なエピソードを交えて、「同じ時代に生きていること」の喜びを観客に向けて何度も語りかけた。「僕にとっての幸せは、ここにいる人と同じ時代に生まれてよかったということです」この日のライブを体験した人は、必ずもう一度ライブを見たいと思っただろう。同時代を生きる人々と共に歩み、等身大の歌を作り続けるリアルタイム・シンガーソングライター。このツアーを通して高橋優は、さらに大きく成長するに違いない。本ツアーは、12月11日(火)・12日(水)中野サンプラザホールまで全16公演が行われる。また、本公演のライブレポートをチケットぴあwebサイトで公開中。取材・文:宮本英夫
2012年10月26日“劇作家が純粋に、いま伝えるべきこと、伝えなければならないこと、描きたいこと”を時間をかけて形にしていく、東京・世田谷パブリックシアターのプロジェクト〈劇作家の作業場〉。『4 four』は、そこから立ち上げた戯曲を舞台作品として上演する第1弾で、11月5日(月)に開幕する。川村毅が書いた戯曲を白井晃が演出し、キャストには高橋一生、田山涼成、須賀貴匡、野間口徹、池田鉄洋と個性的かつ技量のある面々が揃う。稽古中の白井、高橋、池田に話を訊いた。罪と罰を巡る奇妙な物語が、登場人物と俳優の身体との間を縫うように展開する。登場人物は、裁判員に選ばれた大学職員と、法務大臣、刑務官、死刑囚、そして“男”。出演者は各々が「F」「O」「U」「R」「男」として舞台に存在し、登場人物たち個々による膨大なモノローグを時に役柄を交換して演じていく、という二重構造となっている。かつては、川村が第三エロチカ、白井が遊◎機械/全自動シアターを主宰し、小劇場ブームの中でそれぞれに潮流を作ったが、ふたりがタッグを組むのはこれが初めて。「両劇団が全く違う系譜に連なっていたので、本当に接点がなかったんです」と白井。戯曲については、「現実の事件を思わせるリアルさが川村さんらしいし、ところどころにウジェーヌ・イヨネスコ(不条理劇で知られるフランスの劇作家)のような上質な喜劇性もあったり。稽古は各モノローグと全員が集まる会話の部分とを交互にやっているんですが、繰り返すうちに役者が少しずつ変化していくのが面白いです」と新鮮に受け止めている様子だ。高橋は言う。「モノローグは山に登るような苦しさがありますが、会話の場面では全員が下山して一斉に持っているカードを出すようなワクワク感がある。こういう風に時間軸も場所も人物も、次々に飛び越えていくような作品は演劇でしか表現できないもの。テーマはシリアスですが、稽古はひたすら楽しいですね」。一方の池田は「笑いの要素がない芝居もモノローグも、実は苦手。でも白井さんに誘われたら、自分を追い込みたくなって」と笑わせつつ、「一見複雑な物語だけれど、話が進むうちにある結末に向かっているのがわかってくる。演じる側にはそれを伝える緻密さが要求されると思うので、稽古場でもっと苦しみたい」と対照的な表情を見せた。「高橋君には内在した狂気がある。池田君には内面に孤独感がある」というのが、白井によるふたりの印象。劇作家と演出家、俳優たちがピースを埋めていく。そして物語を最後に完成させるのは、私たち観客なのかもしれない。11月5日(月)から25日(日)まで東京・シアタートラムで上演。チケット発売中。取材・文:佐藤さくら
2012年10月19日新国立劇場の「JAPAN MEETS…-現代劇の系譜をひもとく-」第6弾として上演される『温室』。20世紀を代表するイギリスの劇作家ハロルド・ピンターの脚本を深津篤史が演出する。6月26日(火)の開幕に向けて準備を進めている稽古場を某日訪れた。稽古場では、まず最初に目に入ったセットの存在感に圧倒される。赤と黒のコントラストが美しくも不穏な空気を放つ。『温室』チケット情報描かれるのは病院らしき収容施設でのクリスマスの1日。番号で呼ばれる患者たちについて話す、施設の職員たち。段田安則演じる最高責任者・ルートは権威を傘にきた横柄な男。あまり感情を 見せないが、その裏で何かを企んでいるかのようなギブズ(高橋一生)。そのふたりに取り入るカッツ(小島聖)……。施設という閉ざされた空間の中で、いくつもの思惑が折り重なっていく。約1か月に渡る長い稽古期間もいよいよ大詰め。毎日通し稽古を繰り返しているが、その前に必ず、ゲーム的な要素の入った稽古を行っている。この日も演出の深津が登場するなり、「ニュアンスを外していきましょう」と発言。それに従い、高橋と小島が向かい合い膝をつけるようにして座り手をつなぐと、まったく感情を入れず、棒読みでセリフを交わす。その後は高橋、段田、山中祟の3人のシーンを、シリアスなセリフでも笑みを絶やさずに言うゲーム。橋本淳が審判役となり、少しでも笑顔が消えると指を差して指摘、最後に誰が一番よかったかを判定。橋本が高橋を選ぶのを見て段田が「難しいんだよー!」と嘆く姿に稽古場が笑いに包まれ、空気が和らぐ。通し稽古に入ると、先ほどの棒読みや、笑いながら交わし合ったシーンが見違えるように緊迫感を持って迫ってくる。高橋の冷笑から発せられる不気味さ、翻弄される段田の哀愁……。負荷をかけることでセリフの新鮮さを再発見させようとする深津の目論見の効果は、一目瞭然だ。深津流の趣向はもうひとつある。本番さながらの通し稽古でも、役者がそれぞれ自分で決めた1、2個の単語を発声しないというもの。たとえば高橋ならば「起こる」「殺す」という単語。そのために、ある患者が殺されたことを報告するシーンで、度々セリフに一瞬の空白が入る。本番でその単語が乗ることで、それらのセリフがどう輝きを変えるかが見ものだ。全体を通した大きな演出上の仕掛けが、この作品の不穏な空気、そして登場人物たちの存在の危うさをいっそう際立たせる。公演は6月26日(火)から7月16日(月・祝)まで、新国立劇場・小劇場にて上演。チケットは発売中。取材・文:釣木文恵
2012年06月15日劇作家・演出家の鴻上尚史率いる劇団、第三舞台の封印解除&解散公演『深呼吸する惑星』が11月26日、東京・紀伊國屋ホールでついに開幕した。第三舞台 封印解除&解散公演『深呼吸する惑星』 のチケット情報1981年早稲田大学演劇研究会で旗揚げされた、第三舞台。2001年劇団結成20周年記念公演『ファントム・ペイン』で活動を10年間封印後、30周年となる2011年に、封印解除すると同時に、解散公演を上演。スピード感あふれるセリフ回しと場面転換、社会への鋭い風刺とそれを包み込むギャグの応酬、シリアスと笑いの境界を自由奔放に行き来するエンタテインメント性あふれる作風が人気を呼び、1980年から90年代の小劇場ブームを引っ張ってきた。当時の劇団員、筧利夫、長野里美、小須田康人、山下裕子、筒井真理子、大高洋夫に、若手実力派俳優、高橋一生が加わった7名の立つラストステージが、紀伊國屋ホールを皮切りに各地で上演される。各地で完売しているチケットだが、神奈川・KAAT 神奈川芸術劇場ホールにて12月30日(金) 18:30の追加公演が決定した。ぴあでは、12月1日(木) 11:00まで先行抽選《プレリザーブ》を受付中。一般発売は12月10日(土) 10:00より。
2011年11月28日劇作家・演出家の鴻上尚史率いる劇団、第三舞台の封印解除&解散公演『深呼吸する惑星』の制作発表が、9月5日、都内で行われた。2001年、劇団結成20周年記念公演『ファントム・ペイン』を上演後、10年間の封印を宣言し活動を休止していた同劇団。スピード感あふれるセリフ回しやダンス、社会への風刺とそれを包み込むギャグの応酬で、観客の熱狂的な支持を集めた。会見には、主宰の鴻上のほか、キャストの筧利夫、長野里美、小須田康人、山下裕子、筒井真理子、高橋一生、大高洋夫が登壇し、公演への思いや解散について語った。チケット情報筧は「やはり解散という流れになりましたか。というのが鴻上さんから聞いた時の正直な感想です」と話すと、「解散という言葉が意外だった。(鴻上が)ハッキリ決意されたのならキッパリしていていいことだと思った」(長野)、「僕の気持ちとして第三舞台は復活させないでこのまま眠らせておきましょうよという話を鴻上としました。始めたものはいつかは終わらせなきゃいけないので潔い。賛成です」(小須田)、「10年前に解散のつもりだったし、一度ピリオドが打たれているので復活するということのほうが衝撃的だった」(山下)、「鴻上さんから電話をいただいた時はショックでした。今回一区切りでいい芝居にしたいなと思います」(筒井)、「一挙に下山する感じでこれ以外には選択肢がないので。鴻上から言われたときには潔くって僕はいいんじゃないって答えました」(大高)とそれぞれの心境を語った。また解散公演だと鴻上からtwitterで知らされた高橋は「第三舞台は僕の中で普遍的なものとして常に存在し続けていたので、解散をtwitterで知って驚きました」と話した。会見の中で第三舞台の思い出深いエピソードを訊かれると、イギリス公演に行った時に役者のほぼ全員がオイスターバーに行って牡蠣にあたったことを筧が暴露。酷い腹痛の中、ギリギリのところで舞台に立っていたと面白おかしく語ると、鴻上が「普通、生ものたベないでしょ。バカだよね」とツッコミを入れるなど、笑いを誘う場面も。新作となる解散公演だが、記者から題名の意味を問われた鴻上は「いろんな意味で深呼吸する惑星に生きているということですね」と答えていた。なお、チケットの問い合わせは多く、既に争奪戦の勢いとなりそう。公演は11月26日(土)から12月18日(日)の紀伊國屋ホール・東京を皮切りに大阪、福岡でも上演する。東京公演のチケットは9月17日(土)より発売。
2011年09月06日10年ぶりに“封印”を解除するとともに、解散を発表した人気劇団「第三舞台」のラスト公演「深呼吸する惑星」の製作発表会見が9月5日(月)、都内で行われた。会見には同劇団の主宰である鴻上尚史をはじめ、筧利夫、長野里美、小須田康人、山下裕子、筒井真理子、高橋一生、大高洋夫ら出演者が勢ぞろい。作・演出を手掛ける鴻上さんは「いま(戯曲は)書いてる最中。とりあえずタイトルから想像してください。たぶんSFです。まあ、僕らはいろんな深呼吸をする惑星に住んでるってことでしょうか」と構想を明かした。「第三舞台」は1981年、早稲田大学演劇研究会で旗揚げ。作・演出を務める鴻上さんのスピード感あるセリフ回しと場面転換、鋭い社会風刺と巧みな笑いをミックスしたエンターテインメント性あふれる作風で“小劇場ブーム”を巻き起こした。その後もコンスタントに公演を重ねる中で、筧さん、大高さんを始め多くの人気俳優を輩出した。2001年に劇団結成20周年記念公演「ファントム・ペイン」にて、その活動を10年間封印。そして2011年、10年ぶりの活動再開を宣言すると同時に、解散が発表された。「同窓会やノスタルジーなら意味がない。これまで生きてきた“流れ”の中でいま、何を感じ、どう表現するか。それができれば、活動を再開させる意味があるなと思って」と鴻上さん。だからこそ「深呼吸する惑星」は新作となった。「旗揚げしたときから、お客さんには劇場を出るときに、より元気になってもらうのがテーマ。厄介な時代を生きるエネルギーをプレゼントできれば、芝居をやる意味もあるというもの」と30年来のポリシーに揺らぎはない。筧さんは今回の解散について「やはりそういう流れになりましたか、と正直に思った。何だろう…。集団って風船みたいなもので、膨らみきったら爆発するのが習わし。解散のために(封印された)10年間があったんだと思う」。第三舞台への出演は11年ぶりで「どういう空気感で、かいくぐっていくか。長年のファンの方々の“残像”とも戦わなければいけない」とプレッシャーを垣間見せつつ、「いま、鴻上さんはノリにノッてますからね。どのような言葉があふれ出るのか、期待感でいっぱい」と気持ちを高めていた。一方、大高さんは「テーマは楽しくやること!以上」と気合十分。高橋さんは唯一の“客演”となり「常に第三舞台は、普遍的なものとして僕の中に存在していた。あくまで外部の人間なので(解散について)何とも言えないが、先輩方の背中を見ながら勉強させていただければ」と抱負を語った。会見では筧さんがイギリス公演の際に、キャストのほぼ全員が生ガキに“あたった”エピソードを披露。長野さん、小須田さん、山下さん、筒井さんも思い出話に花を咲かせながら、来るべき“終幕”に思いを馳せた。「深呼吸する惑星」は11月26日(土)の紀伊國屋ホール公演(東京・新宿)を皮切りに、サンシャイン劇場(池袋)、森ノ宮ピロティホール(大阪)、キャナルシティ劇場(福岡)で上演される。
2011年09月05日