更年期障害を認めてしまったら、生活が一気にバラ色になった
■私たちは、そう簡単に老いを受け入れられない
あれは、昔からの女友達とランチをしていたときのこと。
20代後半で出会った女性社長友達4人は、皆それぞれ40代後半から50代前半になったというのに、会えば仕事の話や美容の話、20年前と変わらない熱量で毎回情報交換が止まらない。その席で誰かが突然つぶやいた。
「サザエさんのフネさん、アラフィフだって知ってた?」
百物語のようにその場は静まりかえり、フネさんのおばあさん然としたたたずまいを各々が思いめぐらせる。サザエさんが昭和の設定だからとは言え、いまの方が平均寿命が延びているとは言え、あのフネさんの「まるっと老年期を受け入れている姿勢」は現代アラフィフにとってはある種の脅威。
カラーリングで白髪を隠し、エステやクリニックに通って肌の老化を多少防ぎ、爪にはネイル、ダイエットサプリで体形を保っている自分の悪あがきぶりが否応なしに露呈してしまうからだ。
悪あがきといえば、私たちは「フネさんと同世代」以外にも認めたくないことがある。それは、更年期。
閉経前後に訪れる「更年期障害」については、今まで多くの人が悩まされてきたはずなのに語り部は少ない。