九大教授伝授!認知症予防には一汁一菜で糖尿病にならないこと
「糖尿病患者は、糖尿病でない人と比べて、アルツハイマー型認知症および血管性認知症の発症リスクが約2.1倍高いことがわかりました。つまり、糖尿病は、認知症発症のリスク要因であると考えられます」
ということは、糖尿病の予防になる食生活を心がけることは、認知症を予防するうえで大切であるといえるだろう。
■一汁三菜の和食スタイルが大事
久山町研究では、認知症になりにくい食事パターンも検討している。その結果、糖尿病を予防する食事法とも類似していた。
「’88年の久山町の健診で食事調査を受けた、認知症のない60〜79歳の住民1,006人を17年間追跡調査し、食事パターンが認知症発症に及ぼす影響を検討しました。すると、大豆・緑黄色野菜・海藻類・魚・卵・牛乳や乳製品・果実などをよく摂取する食事をしている人のほうが、認知症になりにくいことがわかったのです」
牛乳・乳製品を例に挙げると、摂取量が1日あたり44グラム以下の人たちと比べて、97〜197グラム(約牛乳瓶1本分)摂取する人のほうが、血管性、アルツハイマー型ともに発症率が低かったという。
九州大学農学研究院との共同研究では、鶏の胸肉に含まれる“イミダゾールペプチド”という成分に記憶力を改善させ、認知症に予防的に働く可能性があることなどもわかってきている。