【医師解説】うつ病と不眠症の原因・対策・改善 <日本睡眠学会認定医 佐藤幹先生>
不眠の背景にある長時間労働の影響
多くの方は帰宅してから寝るまでの時間が短いため、生理的に睡眠の方向にシフトダウンすることが難しくなっています。
たとえば、お風呂から上がって2時間ぐらい経たないと脳や内臓などの深部体温が下がらないため、その間は覚醒度が高く寝つきにくくなります。深部体温が下がれば眠りが深くなるので、入浴自体は眠りのためによいことなのですが、帰宅時間が遅いと食事や入浴を短時間で済ませなくてはなりません。また、仕事のことなどで神経が興奮している状態で床につくことも、不眠になりやすい要因のひとつです。帰宅時間が毎日遅くなるような生活では理想的な睡眠の確保が難しくなってきます。
夜遅く帰宅したとき、お風呂に入る?入らない?
夜遅くに帰宅して翌朝早く起きなければならないようなときには、寝る前にお風呂に入るよりも朝起きてからシャワーを浴びることをおすすめします。眠りに関しては、本来はバスタブに入って深部体温を上げないとあまり意味がありません。
もちろん、汗を流さないとさっぱりしないという意味での寝苦しさはあるかもしれませんが、それが気にならないのであれば、朝起きてからシャワーを浴びると覚醒度は上がります。