こどもの皮膚科ドクターが語る アフリカ出身トニーさんが主催する国際色豊かな子ども食堂&寺子屋を体験してきた
毎日、忙しくしているお母さんたちが、子どもとゆっくりごはんが食べられる場所としても利用してもらえればと思っています。
――いろいろな子が楽しく過ごせるように、どんな工夫をしていますか
トニー:寺子屋の英会話レッスンでいうと、最初にたとえば車のイラストを見せたら日本語で言ってもらう。そこで「日本語上手だね!」とほめます。次に英語で言ってもらい、できたらまたほめる。という流れで行なっています。ここは日本語の方が得意な子ばかりじゃない。小さいときから国際感覚が身について、国境を超えたコミュニケーションができる子に育つといいなと思っています。それにまだ言葉(日本語)がうまく話せない年齢の子もスムーズに参加できますよね。
英語のレッスンは、小さい子でも参加できるようにイラストを見せながら
トニーさんがイラストを見せて「これわかる人!」と聞くと、子どもたちの手があがります
――子ども食堂を始めるにあたり、苦労はありましたか
トニー:最初は、わたしが外国人ということもあったのか、なかなか参加者が集まらなかったですね。チラシを置いてもらうお願いをしに行っても「アフリカの人には日本のことは関係ないのでは?」と、なかなか理解が得られないこともありました。そこでまずは新聞に広告をのせたりして、認知度を上げていきました。その後、相模原市の後援名義を取ったりして、今はだいぶ周囲の理解が深まってきたと感じています。大変でしたが、わたしをここまで育ててくれた日本に恩返しをしたいとがんばりましたね。
――子ども食堂について、今後の展望を教えてください
トニー:3年目になり、以前より参加者もだいぶ増えました。毎回ボランティアも3~4人に参加してもらっています。まだまだボランティアも資金も足りませんが、さまざまな境遇の子どもの居場所、がんばっているお母さんのストレスを解消して、楽しく過ごせる場所になれば良いなと、みんなでがんばっています。
今後は、ボランティアや食材提供や寄付など、うまく地域のみなさまと協力して、将来的にもこの活動を続けていけるような仕組みづくりに取り組んでいくつもりです。
ここはみんなの居場所です。来ないのはもったいない。県内だけでなく日本中から、いろいろな子どもに参加してもらいたいですね(笑)。
――アフリカでの活動がきっかけで日本の子どもたちの現状にも心を痛めて活動を始めたトニーさん。