小さな幸せがたくさんある家森のような空間に向かって過ごすふたりだけの時間
ダイニングの上にはトップライトがある。木漏れ日のような光が時間が経つにつれて変化していく。
キッチン側からカフェコーナーでくつろぐ夫妻を見る。
ふたりの時間への投資
「よくよく考えてみて、結婚してからふたりで一緒に過した時間が人生の中でいちばん大事だったねっていう話になった」と話すのは奥さん。「家を建てること自体がそのふたりで過ごす時間への投資だというような考え方で始まっているんですね。そしてそこからふたりだけで閉じずに人間関係を構築していって物事に対する感じ方、感覚も含めて広げていけるようにしたい。保坂さんのクリエイティビティ、創造性に触発されて自分たちの人生が変わっていく。そこにものすごく期待しました」
夫の保坂猛さんとこの家の設計にかかわった恵(めぐみ)さんは「おふたりが大切にしているもののひとつに“食べること”があるんですが、そうした大事にしていることから2人の関係と時間を築き上げていく。それを何よりいとおしく思っている人たちなんだというのが話をしていてわかったので、ふたりの距離感をうまく建築の中に取り入れていければと思いました」と話す。
さらに「料理をつくったりおしゃべりをするスペースのほかに、ふたりで茶を飲むスペースがあり、また自分たちが大事にしている本を読む空間もある。