2017年7月25日 21:15
「体を売りながら」生きる少女…|12星座連載小説#125~牡羊座11話~
早速なんですが、さゆりさんは今、どういった生活をされてるんですか?』
“紋切り型”だが、まずは質問を振ってみる。
「あたしは“ウリ”しながら生活してるよ」
“ウリ”……つまり、売春ってことか……。
「だから、365日毎日セックス漬けってワケ」
どこか遠くを見ながら、乾いた声でアハハと笑う彼女。
『家は持たないんですか? ご家族は?』
「ああ、ママがいるよ。でも、家には帰りたくないの。かと言って、私の収入じゃ、どこも借りられないからここに“住んでる”の」
『どうして、家に帰りたくないの?』
そう訊ねると、彼女は一瞬曇った表情になり、
「ん……ママが私とAVに出ろって言うから……」
驚くようなことを口にした。
「ママはAV嬢やってるの。パパに捨てられてから。
で、昔私が19の時に一緒にAVに出たのね。私は嫌だったけど、ママがどうしてもって言うから」
『……』
「それが、私の初体験で……。私、高校を中退してから、働かないで家にいたから、断れなかったのよ。生活苦しいって知ってたし」
何も言えなかった。19歳で母親に頼まれて、裸姿を世間に晒されるなんて、どんな気持ちだろう……。