――結局、周りのスタッフに気を使ってしまうわけですね。
ははは(笑)。開始時間だけじゃなく、ここはもう一回やっておきたいとか、とりあえず次のシーンに進んどこうとか、進行具合も聞いてもらえるので、それはいい環境かなとは思います。
――以前にも『マクベス』をやられていますが、この作品自体の面白さはどこに感じています?
マクベスって後ろ向きな奴なんですよ。暴君とか言われてるけど、ただの悪もんじゃない。だいたい、魔女に出会って「あんた、ちょこっといいことありますよ」って言われると、すぐ「そうなん?」ってその気になる。で、その話を聞いた嫁に「あんたならできる」って背中を押されるんやけど、一回は「でも、怖いんやけど」って返すわけ。でも、「男でしょ」って言われて王を殺した途端に、「やっちゃったよー。
もう寝られへーん」って…。完全にダメな奴でしょ。でも、そういう奴が殺人を犯してしまうところが面白い。
――佐々木さんの関西弁の『マクベス』はコメディのようです。
そうやなぁ。笑ってもらえたらええんやけどなぁ。俺も「コイツ、アホやなぁ」って思いながらセリフを言ってますから。
――では、20役をひとりで演じる面白さはどこに感じていますか?
20役とは言ってますけど、病院に入れられた患者が『マクベス』を語りだすという流れになっているので、実際にはひとりの人なんです。