2022年9月1日 19:00
世界で初めてレストランを作った男…食で起こした革命の舞台裏【映画】
エリック・ベナール監督
1999年に長編映画監督デビューをはたしたのち、おもに脚本家としてキャリアを積み重ねてきたベナール監督。本作では長編7本目の監督作にして、初の時代劇に挑戦しています。そこで、制作過程の苦労話や料理シーンの裏側などについて、語っていただきました。
―まずは、この題材に行きついた経緯から教えてください。
監督今回は、フランスのアイデンティティを形作るものに焦点を当てたいという思いから始まりました。劇中の時代は、自分の名前や地位、血統といったものよりも、自分が何をするかが重要視され始めたとき。そこから権利や可能性の平等が生まれていくので、庶民層の人が自分の才能を周りに提案していく様子と提案される側の人々の姿、その両方を見せたいと思いました。
特にレストランというのは、出自に関係なく、貴族も庶民もみんなが食事をする場所なので、まさにその過程のシンボル。
そういったなかで、新しいアイデンティティが作られていくと考えたのです。―何と言っても料理のシーンが見どころでしたが、撮影時には苦労も多かったのではないでしょうか。
監督私自身、料理はわりと好きなほうではありますが、すごく得意というわけではないので、本物のシェフに来てもらって一緒にやる必要がありました。