【インタビュー】樹木希林が、是枝監督の想像を超えた瞬間! 「孫がいたからできたシーン」
――子どもへのプレゼントを無理やり値切ろうとしたり…結構、サイテーですが…(苦笑)
是枝監督:でもね、そこまではやるよ、きっと(笑)。
樹木:誰でもそういうところ、持ってますよ。
是枝監督:高校生から金をゆすろうとするのが、行為としては一番最低かもしれないけど…。無理やり値切ろうとするというのは、人間の“小ささ”としてはあるかな。
樹木:ありますよ。
――「悪さ」ではなく「小ささ」?
是枝監督:そう、人間の小ささ!
樹木:自分を見つめていけば、ある種の状況に置かれたら出てくるものですよ、みんな。
是枝監督:でもね、そこは確かに難しいところでもあった。自分ならどこまで可能か?「あるな、これくらいは」と思えるのはどこまでか?すごく微妙なところで、女の人が見てどこまで許せて、どこから「ナシ」なのか?いや、そもそも「ナシ」なのはいけないのか?
――せめぎあいが…
是枝監督:阿部さんもそこは苦労してやってました。
真木さんに触れるシーンで、最初脚本には「足首に触る」ってあったんです。阿部さんは「足首かぁ…」ってずっと言ってて「おれの体の大きさで、小柄な真木さんの足首に触るってどう見えるのかな?」