【インタビュー】樹木希林が、是枝監督の想像を超えた瞬間! 「孫がいたからできたシーン」
(どちらも萩原健一主演)で育ってるからね。原点だね。
――本作の中には、何気なく発せられるセリフに深い含蓄があります。子どもが口にする「フォアボールを狙ってる」や「パパはなりたいものになれた?」といった言葉にドキッとさせられたりします。脚本段階で樹木さんにあて書きしたということですが、樹木さんに「これを言ってほしい」という思いで書いたセリフなどはありますか?
是枝監督:セリフありきではなく、書いていくうちに出てくるんですよね。だから最初から「このセリフを言ってほしい」というのはなかったかな…?ただ「みんながなりたかった大人になれるわけじゃない」というのは、阿部さんがどこかで言うと決めてました。でも、ジーンと来るような感じで言いたくないので、笑っちゃうようなシチュエーションでと決めてました。
――あえて、あのひどいシチュエーションで…(笑)?
樹木:それはね、そういうもんなの。
いいセリフほどそうなのよ!
是枝監督:あのセリフは、よくない状況で言わないと。
樹木:「さあ、いいセリフを言うぞ!」ってわかってて言うのは…高倉健にしかできないわよ!
是枝監督:あの状況はひどいでしょ?ひどいからいいんだよね。