2017年11月27日 19:00
【インタビュー】オンラインシアター始動 別所哲也が提唱する「ライフスタイルとしてのシネマ」
例えば、母の日に何を贈ろうかとネットで探してる内に、そこで母の日について描いたショートフィルムに出会ったり、パリに旅行に行く前に情報を集めていたら、そこで僕らのシアターにある映画に出会ったり…映画というものとの出会いのアプローチがこれまでと違う形になっていくと思います。人々の日常に寄り添う物語を提供する、人々の生活や行動様式にくさびを打つ、そんなシアター、メディアになれたらと思います」。
“TV離れ”などが叫ばれるが、人々は決して、物語を欲していないわけではない。若者はスマホでYouTuberのアップした動画に夢中になり、レシピ動画やトリセツ動画を“作品”として楽しんでいる。古くからの映画ファン、アート志向の人々の中には「あんなのは芸術でも映画でもない」という声もあるかもしれないが、別所さんは「21世紀は“ノールールこそがルール”」と語り、警戒するどころか、新しい映像表現を大いに歓迎する。
「そういう(否定的な)声は、漫画が世の中に出始めた頃に否定したり、アニメやコスプレに夢中になることを一部のマイノリティのカルチャーだと揶揄していたのと同じだと思います。僕はYouTuberの作品やレシピ動画も物語性や共感を内包したシネマチックな可能性を感じてますし、彼らの手法がやがて映画にも取り入れられていくと思います。