秋の洋画宣伝担当者座談会! 社の垣根を越えて4人の宣伝担当が語り合う【前編】
渡辺意外と感動ものなんです。まさにトマ・カイエ監督がインタビューで『グエムル』も参考にしたということを言っていました。これが長編2作目で、日本公開されるのはこれが初めてです。
青木僕も監督のインタビューを拝見しましたが、(デヴィッド・)クローネンバーグの『ザ・フライ』と、あとは意外ですが小津安二郎の『父ありき』も参考にしたと語っていましたね。海外版のチラシを見ても父と子が並んでいるビジュアルなんですよね。
松本新鋭監督でここまでの映画を撮れるってすごいですね。
渡辺そうなんです。フランスの名優ロマン・デュリスが出ていたり、映画ファンに刺さる要素はあると思うんですけど、“アニマライズ・スリラー”とすることで、普段あまりフランス映画を観ない方たちも入りやすくなっているんじゃないかと。
青木宣伝を打ち出す上でのジャンル設定が難しい映画ですよね。
渡辺配給・キノフィルムズさんの中でもかなり議論があったようなんですけど、ただ最初に試写をした際に「泣いた」という声が多かったんですね。そこで「親子のドラマとして宣伝すべき」という声もあれば「いやいや“クローネンバーグ”という映評が出ているんだから、そっちを推していこう」