2015年12月11日 10:28
若き起業家たちの夢とその戦略 (13) 学生時代の悔しい想いを原動力に、アオイゼミで学習機会の変革を目指す
コンプレックス――。この厄介なものを抱える人には、それを弱みだと感じる人と、それを強みに変える人の2種類に大別される。オンライン学習塾「アオイゼミ」を運営する葵 代表取締役 兼 塾長の石井貴基氏は後者のタイプだ。
石井氏が感じるコンプレックスは大学受験。函館の有名私立高校を卒業後、1年間の浪人生活を経て福島大学に進学したが、第一志望の大学ではなく、心のどこかで「東京へ出る」ことへの強い思いを持ち続けていた。
大学受験が思った通りにいかなかったこと、そして上京できなかったことに悔しさを感じていた一方で、「僕は地方のことに関して同世代の起業家の誰よりも知見があると思っています」とも語っている。
石井氏のこの経験は、高校・大学受験向けサービスとなるアオイゼミに色濃く反映されている。石井氏によると、「中学受験向けのサービスはしないのか」とよく尋ねられるが、そのたびに「その予定は一切ありません」と答えるのだそうだ。
「東京で起きている中学受験競争は特殊です。確かに東京には1,000万人規模の人口が集中していますが、日本全体で見ると1割以下の人口に過ぎません。残りの9割の人はというと、公立の中学校・高校に入ることを目指しているケースが圧倒的多数です。