2016年3月30日 10:00
2016冬ドラマ18作のベスト作品&俳優発表! - 良作連発も低視聴率のなぜ? 切ないラブストーリーに熱狂
のドラマ解説者・木村隆志がガチ解説する。
■ポイント1:視聴率という指標の限界
前述の通り、全般的に視聴率は低迷。昨年の秋ドラマが軒並み高視聴率だったことに加え、冬ドラマは在宅率の高さから「最も高視聴率が期待できる」と言われているだけに、ショックを受けた関係者は多い。
低視聴率に終わった最大の理由は、ヘビーな世界観の作品が多かったこと。毎回、殺人事件が起こる刑事モノに加え、若者の貧困や世間の冷たさを描いた『いつ恋』、夫殺しの犯罪をテーマにした『ナオミとカナコ』、クローンや臓器移植を扱った『わたしを離さないで』などシリアスなトーンの作品が多く、思わず目を背けてしまうようなシーンもあった。
テレビ番組全体の視聴率が下がる中、リアルタイム視聴を促すために「明るい」「スカッと解決」の作品が増えて久しいが、今期はその流れを無視したようなラインナップだったと言える。「暗く」「考えさせられる」作品なのだから、リアルタイム視聴ではなく「録画してじっくり見る」人が多かったのは間違いない。
ヘビーな世界観の作品は、人間心理を丁寧に描いたドラマ性の高いものが多く、視聴者は「セリフを聞き逃さないように」