2017年6月14日 10:00
映画『無限の住人』8人の証言者たち - 「皆さまのもの」になるまで (20) 「社会の中の木村拓哉」を捨てた万次へ、最後の言葉 (8人目:三池崇史監督)
古典と同じで、彼は成田屋として引き継ぐものを引き継ぎながら、伝統を守っていくだけが仕事だけじゃないと考えている。伝統は伝統で次に伝えていく。それをやりながら何を生み出していくか。彼の「欲のない貪欲さ」は、すごくピュア。歌舞伎はもっとすごくなる、すごくできるんだと。だから、あの人は会うたびに成長しているんです。
○「行けるところまで行きたい」の役者魂
――同じようなことが木村さんにも言えると。
木村拓哉は媚びない男です。
そして、エッジが利いている人間でもある。技師や若いやつとの方と積極的にコミュニケーション取りますからね。そういえば、出来上がりを一緒に観たカメラマンの北(信康)さんも驚いてましたね。身体能力と反応がハンパないと。捉え方にも感心していました。
彼は、「スタッフがいないと何も始まらない」ということを知っている。自分たちだけでは何も表現できない。とはいえ、「みなさん一緒にがんばりましょう」とは言わない人。
無理やりその場を盛り上げようともしない。「みなさん真剣にやってるかもしれないですけど、俺の方が10倍真剣でガチでやってますよ」という背中を見せるだけ。テストからグワーっと暴れまくり。