2018年4月30日 11:00
北野武と27年タッグ編集技師は何者か? 関係性と舞台裏をメディア初告白
みたいな指示で。「止めて」は「そこでカット」という意味です。監督ならではの用語も徐々に覚えていきました(笑)。例えば、「ストップモーション」「スローモーション」「オーバーラップ」のような編集用語も最初の頃の監督は使っていなくて、「止めて」が、ある時は「そこで切る」、ある時は「ストップモーション」の意味だったり。そのあたりの違いは自然と読み取っていきました。
フィルムからデジタルになっても、監督が指示したものをすぐに形にするのを目標にしています。やっぱり監督は忙しい方ですから何度も試行錯誤できないので、その「1回でベストを目指す」のはすごく緊張します。監督がおっしゃったとおりにつないで微調整せずにそのまま公開になったこともありました。
もちろん、これまで直したこともありますが、そこで自分がミスをすると取り返しのつかないことになってしまう、そういう緊張感がいつもあります。
●『龍三と七人の子分たち』で驚きの要望
○『ビヨンド』に潜む『キッズ・リターン』の色
――「緊張感」は北野組の柱となっているように感じます。取材をすると、みなさん口をそろえておっしゃいます。
監督は基本的に自分のペースなんですが、指示されたものをお見せる時が一番緊張します。