2018年4月30日 11:00
北野武と27年タッグ編集技師は何者か? 関係性と舞台裏をメディア初告白
ご自身も受賞されているのに、「おめでとうございます」って他人事みたいですね(笑)。
――太田さんのコメントにあった「今作も混乱と驚きの編集作業の日々」。どのようなことが起こった時に「混乱」するんですか?
たとえば……『龍三と七人の子分たち』(15)の時、「全編に日本語字幕をつけたい」とおっしゃったんです。意味分かりますか?
――いえ、どういうことですか?
もちろんセリフはすべて日本語なんですが、バラエティ番組にテロップが出ますよね? あれをつけたものを見てみたいという意味だったんです。1週間時間をもらって、編集室ですべてに日本語字幕をつけてご覧頂きました。10分ぐらいのチェックで「疲れちゃうね(笑)」。結局、ナシになりました(笑)。洋画で字幕には慣れているはずなんですが、理解できない言葉をつなぐものじゃないと確かに疲れると感じました。
ラッシュ(試写)の1週間ぐらい前の出来事でした(笑)。
●『キッズ・リターン』幻のシーン
――監督のひらめきや疑問を解消できたという意味では、たとえボツになっても編集としては「前進」ですね。
そうですね。監督が思い浮かべたことを「やってみせる」のが仕事なので。