2018年5月23日 10:00
鈴木おさむ、世の中を動かす創作意欲の源「彼らとの経験は本当に貴重」
「恋愛の悲喜こもごもの総決算となる映画ができないか」という話があって、じゃあやってみましょうかと。プロットを作ったんだけど、恋愛だけだと持たない。そこで「ラブドック」という設定を作って、一人の女性が3人と恋をする物語を考えました。
脚本は2015年1月1日から1日に1時間ずつ書いていって。いつもなら妻と旅行する時期だったんですが、妊娠中だったので、家で過ごすことにしたんです。お正月休みはとっていたので、妻のお腹に子どもが宿っている間に、何か記念になることをやろうと。そこで「1日1時間台本を書く」をお正月から日課にしました。プロットは結構細かく考えていたので、1月31日には初稿が上がりました。
――その時点で監督は決まってなかったんですね。
『ハンサム★スーツ』の時もそうだったんですが、脚本を書いてから「監督を誰にしようか」というパターンが多くて、今回もそうでした。ただ恋愛だと、どうしても自分の主観が入ります。例えば、監督から「こんなこと言わないよ」とか「こんな恋しないよ」と言われても、反論したくなるんです。恋愛って、特にそうじゃないですか? これは確実に揉めると思ったんです。プロデューサーとの話し合いの中で、尺の調整や登場人物の変更などはいいんですが、恋愛の価値観や哲学の違いで直していくのは嫌だなと思って、自分でやることにしました。