武蔵国を総べる社「大國魂神社」【巫女ライターの神社と御朱印めぐり#6】
■武蔵国を守る神様たちへと繋がる「総社」
場所は東京都の府中市。広大な敷地内に多くの神々が鎮座する、荘厳なお社が「大國魂神社(おおくにたまじんじゃ)」です。
その起源はおよそ1900年前にまで遡り、第12代の景行天皇の御代41年(111年)5月5日に神様からの御託宣を受けて創建されたという古い歴史を誇ります。その後も武蔵国に住まう人々はもちろん、多くの貴族や武士たちの崇敬を集め、今日まで大切に守られてきたお社なのです。
現在、府中の駅前は多くのビルやお店が立ち並ぶ、西東京の中心地。しかし、大國魂神社からまっすぐに伸びる欅並木の参道は変わることなく、参拝者をあたたかく迎えてくれるかのように感じます。
鳥居をくぐり、広々とした参道に足を一歩踏み入れれば、長きにわたる歴史と私たちを包み込むような懐の広さを、きっと実感できることでしょう。
そもそも「武蔵国」というのは、現在で言うところの埼玉県・東京都・神奈川県の一部を指しています。
大化の改新後に全国各地に国の経営を行う「国府」が置かれるようになり、武蔵国の場合はその場所がこの府中の地でした。
国の祭務を行う「国司」が奉仕する斎場となった大國魂神社は、武蔵国の神様を合祀するかたちとなり、「武蔵総社(むさしそうしゃ)」