映画『太陽の塔』感想。今明かされる『太陽の塔』の謎。芸術家・岡本太郎は、何のために創ったのか?
『祭り』であるためには新聖な中核が必要だ。太陽の塔はそのシンボルである。
根源に呼びかけ、生命の神秘を吹き上げる。神像のようなつもり。
それを会場の中心に、どっしりと根を張ってすえつける。
おおらかな凄みで、すべての人の存在感をうちひらき、人間の誇りを爆発させる司祭として」ー岡本太郎の言葉より
大阪万博の記録フィルムから。「太陽の塔」背部の黒い太陽は過去を表している。
”太陽の塔” 内部にそびえ立つ「生命の樹」。アメーバには虫類、恐竜から人類に至るまで292体の生物模型が取り付けられています。
赤い色が印象的な「生命の樹」は生物の進化の道筋を示すとされていますが、体内のいろいろな器官を表すと考えることもできます。
太郎はあらゆる境界を越えていく人でした。
精神と物質、人間と動物、縄文と現代。
劇中では、「縁起の理法」や「無碍(むげ)」という言葉が語られますが、「縁起」はいろいろなものが関係し合っているという考え方、「無碍」とは妨げがない、壁がないという意味です。
パリで太郎と交流があった文化人類学者のマルセル・モースや作家のジョルジュ・バタイユ、粘菌の研究で知られる南方熊楠、禅学者の鈴木大拙らの思想とどう共鳴しているのかなど、森羅万象に深く探求されています。