くらし情報『ドキュメンタリー映画「フリーダ・カーロの遺品」が 生き生きと描く“女の人生”に心が震える』

ドキュメンタリー映画「フリーダ・カーロの遺品」が 生き生きと描く“女の人生”に心が震える

ただの記録では映画にする意味がないので、そういった石内さんの目には見えない仕事も可視化するというか、映像で伝えたいなあという思いがあったので、翌年、もう一度メキシコを訪れたんです」

写真左 2点 © ノンデライコ2015写真右 Frida by Ishiuchi #59 ©  Ishiuchi Miyako

フリーダの母親の出身地オアハカで死者の祭りを撮影し、フリーダが日常的に愛用した伝統衣装テワナドレスを作る刺繍家の女性たちを取材するなど、映像に民俗色豊かな色彩感と文化の奥行が加わりました。テワナドレスは母から子へと受け継がれるとか。女性の手仕事も脈々と受け継がれ、「着物と同じね」と石内さんが撮影中に共感するシーンも。

フリーダの強さは日常をちゃんと送っている生命力の強さ「フリーダは衣装持ちですが、その中でもテワナドレスは圧倒的に多い。
痛みをあれだけ抱えた人だったので、衣装に守られているという感覚があったんじゃないでしょうか」

Frida by Ishiuchi #2 ©  Ishiuchi Miyako

1937年ヴォーグに載った時に着ていたグリーンのブラウスが、お洒落で驚きました。

「自分をアピールするために、戦略的だったとは思うんですけれど、それだけじゃなく本当に大事にしていたんでしょうね。ただ、彼女はセルフプロデュースが本当に上手い人だと思います。

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