元恋人の死と、突如現れた自分の子ども。常人の想像を超えるスタート【海のはじまり#1】
流されるままに生きる夏にとって、水季は世界を広げてくれる眩しい存在となり、二人は自然に交際を始めたのでした。
その水季が亡くなったという訃報。葬儀場に足を運ぶと、そこには残された水季の子どもが……。そこで知ったのは、改めて水季が亡くなったという現実と、シングルマザーとして子どもを育てていたという事実でした。
■突然の学生妊娠、中絶。
からの失踪
順調に交際していた大学の頃、ある日水季は夏の元に一枚の紙を持って訪れます。それは「妊娠中絶に関する同意書」。水季らしく、夏に相談することなく、自分の中で中絶することをはっきりと決意してから夏の元に現れたのでした。
「いつ気づいたの?一週間?不安だったよね。一週間も気づかなくて不安な思いさせてごめん」と、夏は突然の出来事に対して1000000点の返しで、水季の体を心から気遣うと共に、「他の選択肢はないの?」と、水季の決意を揺らがせるような言葉をかけます。しかし、「夏君は産むことも堕ろすこともできないでしょ」と一蹴し、後日中絶のための病院に夏が付き添ったのを最後に、水季は大学も辞め、夏の前から消えたのでした。
■たくさんのうそと水季の選択
中絶を決めた頃は「クリスマスどこ行こっか」