くらし情報『【連載小説】理想じゃない恋のはじめ方。』

2021年9月10日 18:00

【連載小説】理想じゃない恋のはじめ方。

「身勝手なことをして悪かった」

昔、仕事でミスをした時に、新実さんから「謝るのも勇気」だと教えられた。素直に自分の非を認めて、心から詫びること。

そうすることで、周りから信用を得ることができる、と。これを聞いた時、なんて素敵な人なんだと思った。尊敬していた。

「この前、アルフィルで言ったことも反省している。あの言い方では、汐里を傷つけるだけだった」

「新実さん……」

「でも、あれは本心だ。俺にとって汐里がどれだけ特別な存在だったか、失って初めて気付いた」

「気付くのが遅いです」

だって、私は、もう……。


「もう1回だけチャンスをくれないか」

左右に首を振る。

「頼む。もう後悔したくないんだ。返事は今すぐじゃなくていいから、今後の行動を見ていてくれ」

再び、深く頭を下げられる。その姿を見て何も言えなくなってしまった。



嬉しい知らせ

嬉しい知らせ


https://www.shutterstock.com/

「高杉さん、どうぞー」

診察室のドアが開き、看護師さんに名前を呼ばれた。返事をして中に入ると、ドクターの席に大和が座っている。

「え、あれ? 今日外来だったの?」

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.