「急遽、代わることになったんだ。どうぞ、座って」
「あ、うん」
うわぁ、何か変な感じ。こういった形で大和の診察を受けるのは、救急車で運ばれたあの日以来かな。
決して避けていたわけじゃないけど、大和が外来勤務の日は通院しないようにしていた。いや、避けていたかな。だって、何となく恥ずかしいし。
「骨は順調にくっ付いてきているよ」
「ほんと?」
「うん、そろそろリハビリの回数も減らしていいね」
「ボルトを外すのは、どれくらいになりそう?」
「経過を見ながらになるけど、早くて半年かな」
他に質問はない?って、優しく聞いてくれる。改めて大和は良いお医者さんだなぁって思う。
そう感心していると、パソコンに何か打ち込んでいた大和がメモを渡してきた。看護師さんは、少し離れた場所で作業をしていて気が付いていない。
【今日は早く帰れるから、ご飯行こう】
背中が大きくV字に開いたペプラムトップスは、狙いすぎかな?清潔感のあるレースのワンピースは、若作りしてるみたいで痛いし……。大和との待ち合わせまで、あと30分。
迷いに迷って、結局普段とあまり変わらない服装で行くことにした。マンションを出て、少し歩いたところで電話がかかってくる。